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特開2023-77594カウンター一体型洗面ボウル、洗面台用カウンター板、及び、洗面台
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  • 特開-カウンター一体型洗面ボウル、洗面台用カウンター板、及び、洗面台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077594
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】カウンター一体型洗面ボウル、洗面台用カウンター板、及び、洗面台
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20230530BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
A47K1/00 M
A47K1/00 U
A47K1/00 Q
A47K1/00 B
A47K1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190927
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕太郎
(57)【要約】
【課題】洗面ボウルを大きくすることができる技術を提供すること。
【解決手段】カウンター部20と洗面ボウル部30とを有するカウンター一体型洗面ボウルである。カウンター部20は、前方辺21と後方辺22とを有する。洗面ボウル部30は、カウンター部20における前方辺21と後方辺22との間の位置に一体に形成されている。カウンター部20は、後方辺22における洗面ボウル部30が存在する間口方向Xの範囲W1内に、前方側へ向けて凹んだ切り欠き部40が形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方辺と後方辺とを有する平板状のカウンター部と、
前記カウンター部における前記前方辺と前記後方辺との間の位置に一体に形成された洗面ボウル部とを有し、
前記後方辺における前記洗面ボウル部が存在する幅方向範囲内に、前方側へ向けて凹んだ切り欠き部が形成されているカウンター一体型洗面ボウル。
【請求項2】
請求項1に記載のカウンター一体型洗面ボウルであって、
全体が樹脂成形品であるカウンター一体型洗面ボウル。
【請求項3】
前方辺と後方辺とを有する平板状であり、
前記前方辺と前記後方辺との間の位置に、洗面ボウルが取り付けられる洗面ボウル取り付け穴が形成されており、
前記後方辺における洗面ボウルが置かれる幅方向範囲内に、前方側へ向けて凹んだ切り欠き部が形成されている洗面台用カウンター板。
【請求項4】
前方辺と後方辺とを有する平板状のカウンター板と、
前記カウンター板における前記前方辺と前記後方辺との間の位置の上に配置された洗面ボウルと、
前記カウンター板の上方に配置された箱体と、
前記箱体に取り付けられ前記洗面ボウルの上方に位置する蛇口とを有し、
前記カウンター板の前記後方辺における前記洗面ボウルが存在する幅方向範囲内に、前方側へ向けて凹んだ切り欠き部が形成されており、
前記蛇口へ水を供給する水供給管が前記切り欠き部に配置されている洗面台。
【請求項5】
請求項4に記載の洗面台であって、
前記カウンター板と前記箱体との間に位置し前記水供給管を覆う前壁板を有する洗面台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、カウンター一体型洗面ボウル、洗面台用カウンター板、及び、洗面台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台の上面には、洗面ボウルを備えるカウンターが設置されている。洗面ボウルの上方に蛇口を配置する場合、カウンターの後方に、蛇口に水を供給する水供給管が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-202656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来のカウンターは、水供給管を配管するための隙間を設けるために、壁面から離間して設置されていた。そのため、カウンターの奥行寸法が隙間の分だけ小さくされ、洗面ボウルが小さかった。
【0005】
本開示技術は、洗面ボウルを従来品よりも大きくすることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示技術の一態様におけるカウンター一体型洗面ボウルは、前方辺と後方辺とを有する平板状のカウンター部と、前記カウンター部における前記前方辺と前記後方辺との間の位置に一体に形成された洗面ボウル部とを有し、前記後方辺における前記洗面ボウル部が存在する幅方向範囲内に、前方側へ向けて凹んだ切り欠き部が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る洗面化粧台の斜視図である。
図2】洗面化粧台の断面図である。
図3】カウンター一体型洗面ボウルの外観斜視図ある。
図4図3に示すカウンター一体型洗面ボウルの平面図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6】第2実施形態に係る洗面化粧台の断面図である。
図7】洗面ボウルと洗面台用カウンター板との分解図である。
図8】洗面台用カウンター板の平面図である。
図9】第3実施形態に係る洗面ボウルと洗面台用カウンター板との断面図である。
図10】洗面ボウルと洗面台用カウンター板との分解図である。
図11】カウンター一体型洗面ボウルの第1変形例の平面図である。
図12】カウンター一体型洗面ボウルの第2変形例の平面図である。
図13】カウンター一体型洗面ボウルの第3変形例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
本開示技術を具体化した第1実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すのは、カウンター一体型洗面ボウル10を備える洗面化粧台1である。洗面化粧台1は「洗面台」の一例である。洗面化粧台1は、洗面台本体2と、前壁板4と、ミラーキャビネット6とを備えている。ミラーキャビネット6は「箱体」の一例である。
【0009】
洗面台本体2の上面にはカウンター一体型洗面ボウル10が設置されている。カウンター一体型洗面ボウル10は、カウンター部20と、洗面ボウル部30とを備えている。カウンター部20は「カウンター板」の一例である。洗面ボウル部30は「洗面ボウル」の一例である。
【0010】
カウンター部20は、長方形の平板状をなす。洗面ボウル部30は、カウンター部20の手前側の前方辺21と、カウンター部20の奥側の後方辺22との間の位置で、カウンター部20に対して一体に形成されている。洗面ボウル部30は、下方に凹んでいる。洗面ボウル部30の底部には排水口31が設けられている。カウンター一体型洗面ボウル10は、樹脂成形品である。カウンター一体型洗面ボウル10の材質は、例えば、不飽和ポリエステルである。
【0011】
ミラーキャビネット6は、カウンター一体型洗面ボウル10の上方に配置されている。蛇口8とハンドル9とは、カウンター一体型洗面ボウル10の上方に配置されている。
【0012】
図2に示すように、ミラーキャビネット6の下部には、水栓装置50が取り付けられている。水栓装置50は、手動吐出機能と自動吐出機能とを有する。手動吐出機能は、ハンドル9の操作に応じて蛇口8から水を吐出する機能である。自動吐出機能は、ハンドル9の操作と無関係に蛇口8から自動的に水を吐出する機能である。
【0013】
洗面化粧台1は、例えば、壁面71を背にして設置されている。カウンター一体型洗面ボウル10と壁面71との間には、水供給管60が配置されている。水供給管60は、蛇口8に水を供給する管である。前壁板4は、ミラーキャビネット6とカウンター一体型洗面ボウル10との間に配置されている。前壁板4は、水供給管60を前方から覆い隠している。
【0014】
図3に示すように、水供給管60は、カウンター一体型洗面ボウル10に設けた切り欠き部40に配置されている。切り欠き部40については後述する。本実施形態の水供給管60は、手動吐出用給水管61と、自動吐出用給水管62と、温水管63と、冷水管64とを含む。これらは、水栓装置50に給水可能に接続されている。手動吐出用給水管61と自動吐出用給水管62とは、電磁駆動弁65(図2参照)に接続されている。電磁駆動弁65は、水栓装置50と通信可能である。
【0015】
水栓装置50は、蛇口8と、ハンドル9と、制御ユニット51と、弁ユニット52と、排水レバー53とを備えている。
【0016】
ハンドル9は、水量設定機能と温度設定機能とを有する。水量設定機能は、蛇口8から吐出される水の流量を設定する機能である。温度設定機能は、蛇口8から吐出される水の温度を設定する機能である。
【0017】
弁ユニット52には、手動吐出用給水管61と自動吐出用給水管62とが接続されている。弁ユニット52は、ハンドル9が操作されると、手動吐出用給水管61を開閉する。弁ユニット52は、自動吐出用給水管62を常に開いている。制御ユニット51は、電磁駆動弁65に接続され、電磁駆動弁65によって自動吐出用給水管62を開閉する機能を有する。
【0018】
弁ユニット52には、温水管63と冷水管64とが接続されている。弁ユニット52は、ハンドル9によって設定された温度に応じて、蛇口8から吐出する水の温度を調整する機能を有する。弁ユニット52は、例えば、手動吐出用給水管61から供給される水に対して、温水管63から供給される温水と冷水管64から供給される冷水との何れか一方を混合することにより、水の温度を調整する。弁ユニット52は、自動吐出用給水管62から供給される水の温度も、これと同様にして調整する。
【0019】
排水レバー53は、操作軸54を介して、洗面ボウル部30の排水口31の下側に連結されている。排水レバー53の操作に応じて、排水口31を開閉することができる。
【0020】
カウンター一体型洗面ボウル10は立ち上がり部23を有する。立ち上がり部23は、後方辺22の肉厚を厚くすることによって間口方向Xの全体にわたって設けられている。立ち上がり部23は、カウンター部20の上面に対して上向きに突き出すように設けられている。立ち上がり部23の上面は、前壁板4を載せることができるように平坦に形成されている。図2に示すように、前壁板4は、立ち上がり部23の前面23aの位置に対して表面41の位置を揃えた状態で、カウンター部20とミラーキャビネット6との間に取り付けられている。
【0021】
図3に示すように、カウンター部20の後方辺22には、切り欠き部40が設けられている。切り欠き部40は、後方辺22から前方側に向かって凹むように設けられている。切り欠き部40は、立ち上がり部23の前面23aより後方に設けられている。これにより、図2に示すように、切り欠き部40は前壁板4によって隠される。切り欠き部40は、立ち上がり部23の上面から下面まで連続して設けられている。図3に示すように、切り欠き部40には、手動吐出用給水管61と自動吐出用給水管62と温水管63と冷水管64と操作軸54とが高さ方向Zに沿って配置されている。
【0022】
図4に示すように、切り欠き部40は、後方辺22における洗面ボウル部30が存在する間口方向Xの範囲W1内に設けられている。この範囲W1内に水供給管60が設置される可能性が高いからである。範囲W1は「幅方向範囲」の一例である。
【0023】
切り欠き部40の奥行方向Yの凹み幅W2は、30mm以上50mm以下に設定することが好ましい。蛇口8に接続される家庭用給水管の径は、30mm未満であることが多い。管を切り欠き部40に損傷しないように配置するには、凹み幅W2を30mm以上に設定することが望ましい。洗面ボウル部30のスペースを奥行方向Yに広げるため、凹み幅W2は、50mm以下とすることが好ましい。より好ましくは、凹み幅W2は35mm以上40mm以下に設定することが望ましい。
【0024】
立ち上がり部23における切り欠き部40と立ち上がり部23の前面23aとの間の部位には、支持部分23bが設けられている。支持部分23bは、前壁板4の下面42に接触して前壁板4を支持する部分である。支持部分23bの幅W4は、前壁板4の厚み以上、前壁板4の厚みの2倍以下の範囲で設定することが好ましい。幅W4が前壁板4の厚み未満であると、立ち上がり部23が前壁板4からの荷重によって変形する虞があるからである。幅W4が前壁板4の厚みの2倍を超えると、カウンター部20の前方辺21から立ち上がり部23の前面23aまでの距離Lが短くなり、洗面ボウル部30を設けるスペースが狭くなるからである。支持部分23bは、間口方向Xにおいて繋がっていなくてもよい。
【0025】
洗面ボウル部30は、平面視において四角形状に設けられている。洗面ボウル部30の後方縁部32は、立ち上がり部23に沿って設けられている。洗面ボウル部30の形状は本実施形態に限定されない。例えば、洗面ボウル部30は、平面視において半円状、または、楕円形状に設けられていてもよい。
【0026】
図2に示す洗面化粧台1の奥行寸法W5は、一般的に、400mm以上600mm以下の範囲内で設定されている。この範囲内でカウンター一体型洗面ボウルを設置する必要がある。
【0027】
切り欠き部40を設けることの意義を図5により説明する。図5には、本形態のカウンター一体型洗面ボウル10の断面図に加えて、切り欠き部40が設けられていない場合のカウンター一体型洗面ボウル10xの断面形状を二点鎖線で重ねて描いて示している。切り欠き部40が後方辺22xに設けられていないカウンター一体型洗面ボウル10xでは、水供給管60を配管するために、後方辺22x全体を壁面71から離間させるように設置する必要があった。そのため、カウンター一体型洗面ボウル10xの奥行寸法W11xは、洗面化粧台1の奥行寸法W5と比べて、隙間R1の分だけ小さくする必要があった。
【0028】
本実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10は、図5の実線に示すように、後方辺22を壁面71に接触させた状態で設置することができる。後方辺22に設けた切り欠き部40によって、壁面71に沿って隙間R1がカウンター一体型洗面ボウル10の内側に形成されるからである。この隙間R1に水供給管60を配管することができる。そのため、カウンター一体型洗面ボウル10の奥行寸法W11は、洗面化粧台1の奥行寸法W5(図2参照)と同じ値に設定することが可能である。つまり、本実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10の奥行寸法W11は、切り欠き部40がない場合の奥行寸法W11xと比較して、隙間R1の分だけ大きくできる。
【0029】
これに伴って、本実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10は、洗面ボウル部30の奥行寸法W21を、切り欠き部40がない場合の洗面ボウル部30xの奥行寸法W21xと比較して、大きくすることが可能である。従って、本実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10では、切り欠き部40がない場合のカウンター一体型洗面ボウル10xと比較して、洗面ボウル部30を後方に拡張して大きくすることができる。洗面化粧台1の奥行寸法W5(図2参照)を変更する必要はない。
【0030】
本実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10では、カウンター部20の後方辺22に沿って切り欠き部40が長く形成されている。このような切り欠き部40には、複数の管を配置、種類に関係なく配置することができる。切り欠き部40には、操作軸54や配線も任意に配置することができる。
【0031】
本実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10では、樹脂成形により、カウンター部20と洗面ボウル部30と切り欠き部40とを一体成形できるので、容易に形成することができる。
【0032】
本実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10では、図2に示すように、カウンター部20とミラーキャビネット6との間に水供給管60を覆うように配置されている前壁板4によって、切り欠き部40を隠すことができる。
【0033】
(第2実施形態)
本開示技術を具体化した第2実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図6に示すのは、第2実施形態に係る洗面化粧台101である。洗面化粧台101は「洗面台」の一例である。洗面化粧台101では、カウンター一体型洗面ボウル10に代えて、カウンター板120と洗面ボウル130とを洗面台本体2に設置している。この点を除き、洗面化粧台101は、第1実施形態と同様に構成されている。カウンター板120は「洗面台用カウンター板」の一例である。以下の説明において、第1実施形態と共通する構成には第1実施形態と同じ符号を使用し、説明を適宜省略する。
【0034】
図7に示すように、洗面ボウル130は、平面視において四角形状をなす。洗面ボウル130の後方縁部132は、前壁板4の表面41(図6参照)に接触する平坦な部分を含んでいる。洗面ボウル130は、前方側から後方側に向かって深さが深くなるように形成されている。
【0035】
図7に示すカウンター板120は、長方形の平板状をなす。カウンター板120の前方辺121と後方辺122との間には、洗面ボウル取り付け穴126が形成されている。洗面ボウル130は、洗面ボウル取り付け穴126に対して嵌め込まれた状態で、カウンター板120に取り付けられる。これにより、深さのある洗面ボウル130でも、蛇口8及びハンドル9の使い勝手が良いように、カウンター板120に対して取り付けられる。カウンター板120の材質は、例えば、樹脂、木材、セラミック、金属などである。洗面ボウル130の材質は、例えば、樹脂、金属、セラミックなどである。カウンター板120の後方辺122には、切り欠き部140が設けられている。
【0036】
図8に示すように、切り欠き部140は、カウンター板120の後方辺122における洗面ボウル130が置かれる間口方向Xの範囲W101内に設けられている。範囲W101は「幅方向範囲」の一例である。切り欠き部140の凹み幅W2は、第1実施形態の切り欠き部40と同様に設けられている。カウンター板120は、切り欠き部140と洗面ボウル取り付け穴126との間に支持部分127を有している。支持部分127は、前壁板4の厚み以上の幅で設けられている。支持部分127が前壁板4の下面42に接触するようにするためである。支持部分127は、間口方向Xにおいて繋がっていなくてもよい。
【0037】
図6に示すように、前壁板4は、下面42の全体をカウンター板120に接触させた状態で、カウンター板120とミラーキャビネット6との間に配置されている。前壁板4の表面41には、洗面ボウル130の後方縁部132が接触している。洗面ボウル130とカウンター板120とが接する部分、洗面ボウル130と前壁板4とが接する部分、前壁板4とカウンター板120とが接する部分は、いずれもシールされている。
【0038】
本実施形態の洗面化粧台101では、図6に示すように、カウンター板120が後方辺122を壁面71に接触させた状態で設置されても、水供給管60を配置するための隙間R1を背後に形成することができる。切り欠き部40が形成されているためである。このようなカウンター板120は、後方辺122全体を壁面71から離間させて隙間R1を形成する必要がない。そのため、カウンター板120の奥行寸法W11は隙間R1の分だけ後方へ大きくすることが可能である。これに伴って、洗面ボウル130には、奥行寸法W21の大きい洗面ボウルを使用することが可能である。よって、本実施形態の洗面化粧台101は、カウンター板120に取り付ける洗面ボウル130を大きくすることができる。
【0039】
本実施形態の洗面化粧台101では、カウンター板120とミラーキャビネット6との間に水供給管60を覆うように配置された前壁板4によって、切り欠き部140を隠すことができる。
【0040】
(第3実施形態)
本開示技術を具体化した第3実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図9に示すのは、第3実施形態に係る洗面化粧台201である。洗面化粧台201は「洗面台」の一例である。洗面化粧台201では、カウンター板220と洗面ボウル230と前壁板204とを用いている。この点を除き洗面化粧台201は、第2実施形態と同様に構成されている。洗面化粧台201は、カウンター板220だけでなく、洗面ボウル230にも切り欠き部240が設けられている。カウンター板220は「洗面台用カウンター板」の一例である。以下の説明において、第2実施形態と共通する構成には第2実施形態と同じ符号を使用し、説明を適宜省略する。
【0041】
図9に示すように、洗面化粧台201では、洗面ボウル230がカウンター板220の上に載った状態で設置されている。
【0042】
洗面ボウル230は、例えば、樹脂、セラミック、金属などによって形成されている。洗面ボウル230は、平面視において四角形状に設けられている。洗面ボウル230は、ハンドル9の操作の邪魔にならないように、浅く形成されている。洗面ボウル230には、排水口31の開口部外周に沿って接続部231が設けられている。接続部231は、下向きに突出して設けられている。洗面ボウル230の後方縁部232には、立ち上がり部233が間口方向Xに沿って設けられている。
【0043】
図10に示すように、洗面ボウル230の後方縁部232には、切り欠き部240が設けられている。切り欠き部240は、洗面ボウル230の後方縁部232から前方側に向かって凹むように設けられている。切り欠き部240は、第1実施形態の切り欠き部40と同様に設けられている。立ち上がり部233の上部は平坦に設けられている。立ち上がり部233における切り欠き部240と立ち上がり部233の前面233aとの間の位置には、支持部分237が設けられている。支持部分237の幅は、前壁板204の厚さとほぼ同じ値に設定されている。
【0044】
図10に示すように、カウンター板220は、平板状をなす。カウンター板220における前方辺121と後方辺122との間の位置には、挿入穴226が設けられている。図9に示すように、挿入穴226には、洗面ボウル230の接続部231が挿入されている。挿入穴226は「洗面ボウル取り付け穴」の一例である。洗面ボウル230は、カウンター板220の上面に下面を接触させた状態でカウンター板220に取り付けられている。
【0045】
図9に示すように、前壁板204は、カウンター板220とミラーキャビネット6との間に設置されている。図10に示すように、前壁板204の下辺には、上向きに凹むようにボウル取り付け部204aが設けられている。ボウル取り付け部204aは、洗面ボウル230の外縁部に沿うように形成されている。
【0046】
本実施形態の洗面化粧台201では、図9に示すように、カウンター板220が後方辺122を壁面71に接触させた状態で洗面台本体2に設置されたとしても、切り欠き部140によって、壁面71との間に水供給管60のための隙間R1を形成する。そのため、カウンター板220は、前方辺121から後方辺122までの奥行寸法W11を隙間R1の分だけ大きくすることができる。これに伴って、洗面ボウル230には、奥行寸法W21の大きい洗面ボウルを使用することが可能である。
【0047】
本実施形態の洗面化粧台201では、カウンター板220だけでなく、洗面ボウル230にも切り欠き部240が設けられている。そのため、洗面ボウル230は、後方縁部232を壁面71に接触させた状態でカウンター板220に取り付けられても、切り欠き部240によって水供給管60のための隙間R1を壁面71との間に形成することができる。このような洗面ボウル230は、切り欠き部240を備えていない場合と比べて、奥行寸法W21を隙間R1の分だけ大きくすることが可能である。これにより、洗面化粧台201では、前壁板204の直前の位置に洗面ボウル230のボウル部分を配置するように洗面ボウル230をカウンター板220に設置することが可能である。よって、本実施形態の洗面化粧台201によれば、切り欠き部を備えない洗面ボウルよりも大きい洗面ボウル230を用いることができる。
【0048】
本実施形態の洗面化粧台201では、切り欠き部240及び切り欠き部140を隠すように、前壁板204をカウンター板120とミラーキャビネット6との間に配置することができる。
【0049】
上記実施形態は単なる例示にすぎず、本開示技術を何ら限定するものではない。したがって本開示技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。上記実施形態のカウンター一体型洗面ボウル10とカウンター板120,220とは、システムキッチンやトイレ用キャビネットなど、化粧台と異なる物に適用されてもよい。
【0050】
例えば、水栓装置50を備えないものであってもよい。蛇口8とハンドル9は、ミラーキャビネット6に個別に取り付けられたものであってもよい。ハンドル9は、カウンターや洗面ボウルなど、蛇口8と異なる場所に設置されるものであってもよい。
【0051】
例えば、洗面化粧台1,101,201は、手動吐出機能のみを有するものであってもよい。この場合、水供給管60には手動吐出用給水管61のみが含まれる。洗面化粧台1,101,201は、自動吐出機能を有していないものであってもよい。この場合、水供給管60には手動吐出用給水管61と温水管63と冷水管64とが含まれる。
【0052】
例えば、カウンター一体型洗面ボウル10の材質は、例えば金属、セラミックなど、樹脂以外であってもよい。
【0053】
例えば、図10に示す洗面ボウル230の切り欠き部240は省略してもよい。この場合、前壁板204に代えて、前壁板4がカウンター板220とミラーキャビネット6との間に配置されるものであってもよい。
【0054】
例えば、図11に示すカウンター一体型洗面ボウル310のように、洗面ボウル部30がカウンター部20に複数設けられている場合、洗面ボウル部30毎に切り欠き部40が設けられていてもよい。
【0055】
例えば、図12に示すカウンター一体型洗面ボウル410のように、洗面ボウル部30が存在する範囲W1内において、切り欠き部40が複数箇所に設けられていてもよい。
【0056】
例えば、図13に示すように、洗面ボウル取り付け穴の機能と切り欠き部の機能とを備える凹部521を、カウンター板520に設けてもよい。凹部521は、カウンター板520の後方辺122から前方側に向かって凹むように設けられている。凹部521は、洗面ボウル530の設置位置まで形成されている。凹部521は「切り欠き部」及び「洗面ボウル取り付け穴」の一例である。この場合、図中二点鎖線に示すように、洗面ボウル530は、前方側へ向かって凹む切り欠き部540を後方縁部532に設けたものであることが好ましい。切り欠き部540は上記第3実施形態で説明した切り欠き部240と同様に設けるとよい。
【符号の説明】
【0057】
1……洗面化粧台、4……前壁板、6……ミラーキャビネット、8……蛇口、10……カウンター一体型洗面ボウル、20……カウンター部、21……前方辺、22……後方辺、30……洗面ボウル部、40……切り欠き部、101……洗面化粧台、120……カウンター板、121……前方辺、122……後方辺、126……洗面ボウル取り付け穴、130……洗面ボウル、140……切り欠き部、201……洗面化粧台、220……カウンター板、226……挿入穴、230……洗面ボウル、240……切り欠き部、W1……範囲、W101……範囲、310……カウンター一体型洗面ボウル、410……カウンター一体型洗面ボウル、520……カウンター板、521……凹部、530……洗面ボウル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13