(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077692
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】アタッチメント型さく孔装置およびこれを備える作業車両
(51)【国際特許分類】
E21B 6/00 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
E21B6/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191067
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】594149398
【氏名又は名称】古河ロックドリル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】306013832
【氏名又は名称】株式会社 中部ロックドリルサービス
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】本間 正敏
(72)【発明者】
【氏名】小池 一孝
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129DC16
2D129DC33
2D129DC34
2D129DC42
2D129DC52
(57)【要約】
【課題】作業車両側の改造を可及的に不要とし得るアタッチメント型さく孔装置を提供する。
【解決手段】このアタッチメント型さく孔装置100は、作業車両のアーム先端に装着される装着ブラケット110と、装着ブラケット110を介してアーム先端側に配置されて穿孔制御ための油圧機器が内蔵された制御箱120と、制御箱120から張り出すように設けられる支持ブラケット124と、支持ブラケット124に装着される穿孔装置本体130と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のアーム先端に装着される装着ブラケットと、
該装着ブラケットを介してアーム先端側に配置されて穿孔制御ための油圧機器が内蔵された制御箱と、
該制御箱から張り出すように設けられる支持ブラケットと、
該支持ブラケットに装着される穿孔装置本体と、
を備えることを特徴とするアタッチメント型さく孔装置。
【請求項2】
前記穿孔装置本体は、
前記制御箱から張り出す前記支持ブラケットに回動自在に設けられるスイングブラケットと、
該スイングブラケットに装備されるガイドシェルを介してスライド移動可能に搭載されるドリフタと、
前記スイングブラケットを揺動可能なスイングシリンダと、
前記スイングブラケットに沿って前記ガイドシェルをスライド移動可能なガイドスライド機構と、
を有する請求項1に記載のアタッチメント型さく孔装置。
【請求項3】
前記制御箱は直方体状に構成されており、
当該アタッチメント型さく孔装置が前記作業車両のアーム先端に装着される装着姿勢において、
前記装着ブラケットが前記制御箱の上面に設けられるとともに、前記支持ブラケットが前記制御箱の左側面若しくは右側面に設けられ、
前記制御箱の下面には、前記スイングブラケットおよび前記穿孔装置本体側への油圧配管の接続部が設けられている、請求項2に記載のアタッチメント型さく孔装置。
【請求項4】
前記装着姿勢において、前記制御箱に内蔵された油圧機器の情報を示す全ての計器が、前記作業車両のオペレータキャビン側を向く面に限って装備されている請求項3に記載のアタッチメント型さく孔装置。
【請求項5】
前記制御箱は、直方体状の枠体からなる筐体を有し、該筐体の開口部分が外装カバーで覆われている請求項3または4に記載のアタッチメント型さく孔装置。
【請求項6】
前記筐体の矩形状の開口部分に筋交が設けられている請求項5に記載のアタッチメント型さく孔装置。
【請求項7】
当該アタッチメント型さく孔装置が前記作業車両のアーム先端から取り外されている状態において、
当該アタッチメント型さく孔装置を地上に水平な姿勢で仮置くための複数の支持脚を有し、該複数の支持脚の少なくとも一脚が前記制御箱に設けられている請求項1~6のいずれか一項に記載のアタッチメント型さく孔装置。
【請求項8】
走行台車と、該走行台車上で旋回可能な旋回台と、該旋回台に起伏自在に支持されたアームと、該アーム先端に装備されるさく孔装置と、を備える作業車両であって、
請求項1~7のいずれか一項に記載のアタッチメント型さく孔装置が前記アーム先端に装備されていることを特徴とする作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーショベル等、既存の作業車両のアーム先端に換装可能なアタッチメント型さく孔装置およびこれを備える作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のさく孔装置として、例えば特許文献1には、パワーショベル用さく孔装置が開示されている。
同文献記載のさく孔装置は、さく岩機を搭載したガイドシェルと、ガイドシェルを支持するガイドマウンチングと、ガイドマウンチングをパワーショベルのアーム先端に取付けるブラケットとを備える。同文献記載の技術では、穿孔制御ための多数のバルブ類を含む油圧機器は作業車両本体側に装備される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、同文献記載のさく孔装置は、穿孔制御ための多数のバルブ類を含む油圧機器を車両側に装備するために、車両側での大幅な改造作業が必要となるという問題がある。そのため、簡易に換装可能なアタッチメントとして未だ検討の余地がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、既存の作業車両側の改造を可及的に不要とし得るアタッチメント型さく孔装置およびこれを備える作業車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置は、作業車両のアーム先端に装着される装着ブラケットと、該装着ブラケットを介してアーム先端側に配置されて穿孔制御ための油圧機器が内蔵された制御箱と、該制御箱から張り出すように設けられる支持ブラケットと、該支持ブラケットに装着される穿孔装置本体と、を有することを特徴とする。
【0006】
ここで、本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置において、前記穿孔装置本体は、前記制御箱から張り出す前記支持ブラケットに回動自在に設けられるスイングブラケットと、該スイングブラケットに装備されるガイドシェルを介してスライド移動可能に搭載されるドリフタと、前記スイングブラケットを揺動可能なスイングシリンダと、前記スイングブラケットに沿って前記ガイドシェルをスライド移動可能なガイドスライド機構と、を備えることは好ましい。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る作業車両は、走行台車と、該走行台車上で旋回可能な旋回台と、該旋回台に起伏自在に支持されたアームと、該アーム先端に装備されるさく孔装置と、を備え、前記さく孔装置として、本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置が前記アーム先端に装備されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業車両側の改造を可及的に不要とし得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置が装備された作業車両の一実施形態の説明図であり、同図(a)はさく孔装置の背面側から見た図、(b)は左側面側から見た図である。
【
図2】本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置の一実施形態の説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は底面図である。
【
図3】本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置での制御箱の筐体構造および揺動フレームの部分を説明する斜視図である。なお、同図では装着ブラケットは取り外した状態を示している。
【
図4】本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置の油圧回路を説明するブロック図であり、同図では、さく孔装置の制御箱に、穿孔制御に必要なバルブ類を含む油圧機器が内蔵されている事項を示している。
【
図5】本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置の制御回路を説明する模式図である。
【
図6】オペレータキャビンから視認される、本発明の一態様に係るアタッチメント型さく孔装置の視認状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の作業車両300は、走行台車310と、走行台車310上で旋回可能な旋回台320と、旋回台320に起伏自在に支持されたアーム340と、アーム340先端に装備されるさく孔装置100と、を備える。オペレータキャビン330は、平面視でアーム340の左側に位置するように、旋回台320上に左右で非対称配置されている。
【0012】
本実施形態の作業車両300では、換装可能に構成されたアタッチメント型のさく孔装置100がアーム340先端に装備されている。さく孔装置100の質量は例えば2,200kg程度である。作業車両300としては、例えば汎用性の高い20tクラスの油圧ショベルを好適に使用できる。
【0013】
本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100は、
図2に示すように、上記アーム340の先端に装着される装着ブラケット110と、装着ブラケット110を介してアーム340先端側に配置されて穿孔制御ための油圧機器240が内蔵された制御箱120と、制御箱120から張り出すように設けられる支持ブラケット124と、支持ブラケット124に装着される穿孔装置本体130と、を備える。
【0014】
制御箱120は直方体状に構成されており、当該アタッチメント型さく孔装置100が作業車両300のアーム340先端に装着される装着姿勢において、装着ブラケット110が制御箱120の上面に設けられている。
さらに、上記装着姿勢において、支持ブラケット124が制御箱120の左側面(若しくは右側面)に設けられ、制御箱120の下面には、スイングブラケット131および穿孔装置本体130側への油圧用の配管接続部250が配置された接続パネル251が設けられている。なお、制御箱120の下面に配管接続部250が配置されていれば、制御箱120の下面を開放状態としてもよいので、コスト削減等のために接続パネル251を非装着としてもよい。
【0015】
穿孔装置本体130は、
図2に示すように、スイングブラケット131を備え、スイングブラケット131は、制御箱120から張り出す支持ブラケット124に回動自在に支持され、このスイングブラケット131にガイドシェル132が装備されている。ガイドシェル132には、油圧駆動式のドリフタ133がガイドシェル132に沿ってスライド移動可能に搭載されている。
【0016】
ガイドシェル132はチェンネルビーム型等を好適に採用できる。本実施形態のドリフタ133による可能穿孔径は例えばφ64~φ76程度である。ドリフタ133をスライド移動させるフィード機構としては油圧モータ駆動によるチェーン機構を採用できる。
【0017】
ガイドシェル132には、例えば手動開閉式のセントラライザ等の必要な機器が装備される。本実施形態のガイドシェル132には、ガイドシェル132に沿ってロッドラック138が装備され、ロッドラック138には、例えば穿孔用ロッドを2本格納可能になっている。なお、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100では、ダストコレクタおよびロッドチェンジャは搭載していない。
【0018】
そして、スイングブラケット131を揺動可能にスイングシリンダ135が付設されており、このスイングシリンダ135の伸縮に応じてスイングブラケット131上のガイドシェル132を所定範囲(
図1(a)に示す例では中立姿勢に対して前後に25度の範囲)で揺動可能になっている。
【0019】
また、本実施形態の穿孔装置本体130は、スイングブラケット131に沿ってガイドシェル132をスライド移動可能なガイドスライド機構136を更に装備しており、ガイドスライド機構136のシリンダによる伸縮作動によって所定範囲でのガイドシェル132自体のスライド移動が可能になっている。
【0020】
また、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100は、
図2(b)、(c)に示すように、当該アタッチメント型さく孔装置100が作業車両300のアーム340先端から取り外されている状態において、当該アタッチメント型さく孔装置100を地上GLに水平な姿勢で仮置くための複数の支持脚123を有している。
そして、それら複数の支持脚123の少なくとも一脚123が制御箱120に設けられている。本実施形態では、側方に同じ位置まで張出すように設けられた3脚の支持脚123を有しており、そのうちの一つが制御箱120に設けられている。
【0021】
また、本実施形態の制御箱120は、
図3に示すように、直方体状の枠体からなる筐体121を有する。筐体121の矩形状の開口部分に筋交122が設けられ、軽量化しつつ強度が向上されている。筐体121の開口部分が複数の外装カバー253で覆われる。
【0022】
本実施形態の制御箱120は、パネル装着部の開口部分に圧力計などの全ての計器252がマウントされている。油圧ホースは制御箱120の下面に接続される。本実施形態の制御箱120は、ゲージ類が作業者側に対向して配置され、オペレータキャビン330が平面視で左側に位置しており、その状態において、アーム340が右側に位置し、オペレータから見て左側にガイドシェル132が配置されるようになっている。
【0023】
ここで、本実施形態の制御箱120には、
図4および
図5に示すように、ドリフタ133およびガイドシェル132関連の装置の駆動を制御するためのバルブを含む油圧機器240および中継盤230が内蔵されている。中継盤230や油圧機器240などの精密機器部分は、筐体121にマウントを介して内蔵されることで制振されている。
【0024】
油圧機器240は、
図4に油圧回路のブロック図を示すように制御箱120に内蔵される。油圧機器240のバルブ構成としては、バルブの入手性とコストを考慮して、制御箱120にコンパクトに収容可能な積層型ON-OFF電磁弁を採用している。
これにより、本実施形態の制御箱120は、中継盤230に必要な配管を繋ぎこめば、ドリフタ133およびガイドシェル132関連の機器を直ぐに駆動可能となり、作業車両300側の改造を不要若しくは最小限にすることができる。
【0025】
図5に模式図を示すように、操作盤210および制御盤220の設置場所はキャビン330内である。制御盤220の制御方式は、簡易に制御可能で手動調整も行い易くするためにリレー制御を採用している。
なお、穿孔深さが比較的に浅い範囲での使用を想定しているため、ダンパ制御は簡易型として一定圧力制御としている。また、操作盤210の操作方式としては有線リモコン式を採用している。但し、操作盤210に接続されるケーブルを長尺ケーブルに付替えることにより、孔口付近まで操作盤210を移動可能とすることは好ましい。
【0026】
特に、本実施形態の制御箱120は、
図2(a)および
図6に示すように、装着姿勢において、制御箱120に内蔵された油圧機器240の情報を示す全ての計器252(
図4参照)が、オペレータキャビン330側を向く面に限って装備されている。
これにより、オペレータキャビン330から見て、制御箱120の正面に計器パネル252が位置するので、キャビン側から計器パネル252を容易且つ確実に視認可能であり、オペレータキャビン330からの視認性に優れている。
【0027】
次に、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置の作用効果について説明する。
本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100は、パワーショベル等、既存の作業車両300のアーム340の先端に換装して用いられる。
装着の際は、当該アタッチメント型さく孔装置100が作業車両300のアーム先端から取り外されている状態において、複数の支持脚123を用いて当該アタッチメント型さく孔装置100を地上GLに水平な姿勢で仮置く。そして、その仮置状態にて、制御箱120に設けられている装着ブラケット110をアーム340の先端にピン等を用いて装着する。
本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100は、作業車両300側にブレーカ用に搭載されたサービスポートを油圧源として用いる。本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100は、最高使用圧力(要求セット圧力)は例えば21MPa程で駆動可能である。
【0028】
サービス回路はサービス流量(180~200L/min)の一方向流れ(双方向は不可)とする。動力の無駄を省くために、サービス回路にポートリリーフ(圧力調整可能型)を装備し、作業車両300側の流量調整(エンジン回転速度調整)を行って余剰流量を少なくすることは好ましい。電源はショベル側のDC24V電源を使用する。なお、コンプレッサは別置のものを用いることとする。
【0029】
本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100は、油圧駆動のドリフタ133を搭載しているので、例えば空圧式の穿孔機器に比べて高い穿孔性能および高い機動性を有している。
また、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100は、搭載する作業車両300側でのアーム340のロングリーチや、旋回台320による旋回機能による広範囲での穿孔作業が可能となる。そして、油圧ショベル等の作業車両用アタッチメント製品として位置付けられるので、高い汎用性を備えているといえる。
【0030】
ここで、従来のアタッチメント型さく孔装置では、作業機械本体側に制御機器を装備しているところ、これに対し、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100では、穿孔制御ための油圧機器240が収容された制御箱120がアタッチメント側に設けられている。
【0031】
つまり、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100であれば、上述したように、作業車両300のアーム340先端に装着される装着ブラケット110と、装着ブラケット110を介してアーム340先端側に配置されて穿孔制御ための油圧機器240が内蔵された制御箱120と、制御箱120から張り出すように設けられる支持ブラケット124と、支持ブラケット124に装着される穿孔装置本体130と、を備える(発明1)。
【0032】
これにより、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100であれば、作業車両300に対して油圧駆動されるドリフタ133を搭載するに際し、作業車両300側のブレーカ用サービス配管を接続すれば使用可能であり、作業車両300側の改造を可及的に不要(作業車両本体側の油圧改造作業が不要)としつつ換装可能となる。
また、実施形態のアタッチメント型さく孔装置100によれば、油圧穿孔機を導入しつつも簡素な構成により低コスト化が可能となり、コストと機能性を両立可能な上、既存の作業車両に対して簡易に着脱できるので、取付けの容易性が向上して汎用性が向上する。
【0033】
特に、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100では、
図2に示したように、穿孔装置本体130は、制御箱120から張り出す支持ブラケット124に回動自在に設けられるスイングブラケット131と、スイングブラケット131に装備されるガイドシェル132を介してスライド移動可能に搭載されるドリフタ133と、スイングブラケット131を揺動可能なスイングシリンダ135と、スイングブラケット131に沿ってガイドシェル132をスライド移動可能なガイドスライド機構136と、を有する構成を採用している(発明2)。
これにより、ガイドシェル132は、スイングシリンダ135の回動作動およびガイドスライド機構136による伸縮作動によって所定範囲での姿勢制御(ガイドスイング、ガイドスライド)が可能となり、アタッチメント型でありながらもさく孔時の作業性に優れている。
【0034】
また、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100では、制御箱120は直方体状に構成され、当該アタッチメント型さく孔装置100が作業車両300のアーム340先端に装着される装着姿勢において、装着ブラケット110が制御箱120の上面に位置する。
さらに、装着姿勢において、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100では、支持ブラケット124が制御箱120の左側面に位置し、制御箱120の下面には、スイングブラケット131および穿孔装置本体130側への油圧配管の接続部が設けられているので、アタッチメントとしての換装作業性に優れるとともに、換装後の装着姿勢においても、さく孔作業性に優れたレイアウトになっている(発明3)。
【0035】
また、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100によれば、
図6に示したように、制御箱120に内蔵された油圧機器の情報を示す全ての計器252が、オペレータキャビン330側を向く面に限って装備されているので、装着姿勢でのさく孔作業時の視認性に優れており、オペレータは、さく孔作業中に随時に計器252を見て機器の状態を容易に確認できる(発明4)。
【0036】
また、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100によれば、制御箱120は、直方体状の枠体からなる筐体121を有し、筐体121の開口部分が外装カバー253で覆われる構造を採用しているので、この構造により、制御箱120を軽量化できるのでアタッチメントとして好適である(発明5)。
【0037】
また、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100によれば、筐体121の矩形状の開口部分に筋交122が設けられているので、制御箱120を軽量化しつつも強度を向上させる構造として優れている(発明6)。
【0038】
また、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100によれば、当該アタッチメント型さく孔装置100が作業車両300のアーム先端から取り外されている状態において、当該アタッチメント型さく孔装置100を地上GLに水平な姿勢で仮置くための複数の支持脚123を有し、これら複数の支持脚123の少なくとも一脚が制御箱120に設けられているので、これにより、重心位置を考慮して安定した水平姿勢を保持可能になっており、また、換装時の着脱作業性に優れている(発明7)。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100によれば、作業車両300の台車側の改造を可及的に不要とし得る。なお、本発明に係るアタッチメント型さく孔装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
【0040】
例えば、本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100では、簡素な構成により低コスト化することを目的として、ロッドチェンジャ、ダストコレクタ、プレクリーナ等の機器は搭載していない例を示しているがこれに限定されず、これらの機器を搭載してもよい。また、上記実施形態では、コンプレッサを作業車両300とは別置きとする例であるが、作業車両側に搭載してもよい。
【0041】
本実施形態のアタッチメント型さく孔装置100を用いることにより、産業上の利用可能性として、例えば、専用油圧穿孔機を導入前の発展途上国などに販売し得る商品設定(仕様、価格)が可能となる。また、専用油圧穿孔機に比べて汎用性が高い部品構成であることから海外での資材調達についても比較的に容易になる。
また、空圧ドリル穿孔やブレーカ若しくはショベルで無発破採掘を行っているような作業現場に対して、空圧穿孔から将来の油圧穿孔への展開上のキーマシンとして、油圧クローラドリルユーザー育成のための戦略・誘導機として展開できる。
【符号の説明】
【0042】
100 さく孔装置
110 装着ブラケット
120 制御箱
121 筐体
122 筋交
123 支持脚
124 支持ブラケット
130 穿孔装置本体
131 スイングブラケット
132 ガイドシェル
133 ドリフタ
134 フィード機構
135 スイングシリンダ
136 ガイドスライド機構
138 ロッドラック
210 操作盤
220 制御盤
230 中継盤
240 油圧機器
250 配管接続部
251 接続パネル
252 計器パネル
253 外装カバー
300 作業車両
310 走行台車
320 旋回台
330 キャビン
340 アーム
GL 地上