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特開2023-77727積層鉄心、積層鉄心の製造方法および金型装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077727
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】積層鉄心、積層鉄心の製造方法および金型装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/18 20060101AFI20230530BHJP
   H02K 15/02 20060101ALI20230530BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
H02K1/18 B
H02K15/02 F
H01F41/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191126
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000144038
【氏名又は名称】株式会社三井ハイテック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】松岡 英樹
(72)【発明者】
【氏名】分部 暁彦
【テーマコード(参考)】
5E062
5H601
5H615
【Fターム(参考)】
5E062AA06
5E062AC11
5H601AA08
5H601AA29
5H601DD01
5H601DD11
5H601EE13
5H601EE16
5H601EE17
5H601EE18
5H601EE19
5H601GA02
5H601GA37
5H601GA38
5H601GA40
5H601GB05
5H601GB12
5H601GB33
5H601GC12
5H601GC25
5H601GC32
5H601GC33
5H601KK01
5H601KK08
5H601KK12
5H601KK14
5H615AA01
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP06
5H615SS03
5H615SS05
5H615SS13
5H615SS15
5H615SS19
(57)【要約】
【課題】積層鉄心の占積率を向上させること。
【解決手段】積層鉄心は、複数の打抜部材が積層されて構成され、積層方向に隣接する打抜部材同士がかしめにより結合される積層体を備える。また、かしめは、凹部と、凸部と、を有する。凹部は、打抜部材の一方の表面側に形成される。凸部は、打抜部材の他方の表面側に形成される。また、平面視において、凸部の側面の一部は、凹部の側面よりも内側に位置するか、または凹部の側面と位置が揃う。
【選択図】図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の打抜部材が積層されて構成され、積層方向に隣接する前記打抜部材同士がかしめにより結合される積層体を備え、
前記かしめは、
前記打抜部材の一方の表面側に形成される凹部と、
前記打抜部材の他方の表面側に形成される凸部と、
を有し、
平面視において、前記凸部の側面の一部は、前記凹部の側面よりも内側に位置するか、または前記凹部の側面と位置が揃う
積層鉄心。
【請求項2】
前記かしめは、平面視で矩形状であり、
前記かしめのコーナー部において、前記凸部の側面の一部は、前記凹部の側面よりも内側に位置するか、または前記凹部の側面と位置が揃う
請求項1に記載の積層鉄心。
【請求項3】
前記かしめは、平面視で楕円状であり、
前記かしめにおける曲率の最も大きい部位において、前記凸部の側面の一部は、前記凹部の側面よりも内側に位置するか、または前記凹部の側面と位置が揃う
請求項1に記載の積層鉄心。
【請求項4】
平面視において、前記凸部の側面の一部は、前記凹部の側面よりも内側に位置する
請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心。
【請求項5】
帯状の金属板にかしめを形成するかしめ形成工程と、
前記金属板を打ち抜いて、前記かしめが形成された打抜部材を形成する打ち抜き工程と、
複数の前記打抜部材を積層するとともに、積層方向に隣接する前記打抜部材同士を前記かしめにより結合させて積層体を形成する積層体形成工程と、
を含み、
前記かしめ形成工程は、パンチによって前記金属板の一方の表面に凹部を形成するとともに、窪みが形成されたダイプレートによって前記金属板の他方の表面に凸部を形成し、
平面視において、前記凸部の側面の一部は、前記凹部の側面よりも内側に位置するか、または前記凹部の側面と位置が揃う
積層鉄心の製造方法。
【請求項6】
積層体において積層方向に隣接する打抜部材同士を結合するかしめを帯状の金属板に形成するかしめ形成部を備え、
前記かしめ形成部は、
パンチと、
前記パンチに対向して配置される窪みを有するダイプレートと、
を備え、
平面視において、前記窪みの側面の一部は、前記パンチの側面よりも内側に位置するか、または前記パンチの側面と位置が揃う
金型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、積層鉄心、積層鉄心の製造方法および金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、モータのステータやロータを構成する積層鉄心は、帯状の金属板を金型装置に順送りし、金属板の送り方向に沿って並んで位置する加工ステーションで順次打ち抜き加工を行って所望形状の打抜部材を形成する。そして、得られた打抜部材同士をかしめで結合しながら積層することで、積層鉄心が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-325846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、上記の従来技術では、隣接する打抜部材のかしめ同士が嵌まりにくい場合に、打抜部材同士が十分に密着できない場合があった。これにより、積層鉄心の占積率が低下する恐れがあった。
【0005】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、占積率を向上させることができる積層鉄心、積層鉄心の製造方法および金型装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る積層鉄心は、複数の打抜部材が積層されて構成され、積層方向に隣接する前記打抜部材同士がかしめにより結合される積層体を備える。また、前記かしめは、凹部と、凸部と、を有する。凹部は、前記打抜部材の一方の表面側に形成される。凸部は、前記打抜部材の他方の表面側に形成される。また、平面視において、前記凸部の側面の一部は、前記凹部の側面よりも内側に位置するか、または前記凹部の側面と位置が揃う。
【0007】
また、実施形態の一態様に係る積層鉄心の製造方法は、かしめ形成工程と、打ち抜き工程と、積層体形成工程と、を含む。かしめ形成工程は、帯状の金属板にかしめを形成する。打ち抜き工程は、前記金属板を打ち抜いて、前記かしめが形成された打抜部材を形成する。積層体形成工程は、複数の前記打抜部材を積層するとともに、積層方向に隣接する前記打抜部材同士を前記かしめにより結合させて積層体を形成する。また、前記かしめ形成工程は、パンチによって前記金属板の一方の表面に凹部を形成するとともに、窪みが形成されたダイプレートによって前記金属板の他方の表面に凸部を形成する。また、平面視において、前記凸部の側面の一部は、前記凹部の側面よりも内側に位置するか、または前記凹部の側面と位置が揃う。
【0008】
また、実施形態の一態様に係る金型装置は、積層体において積層方向に隣接する打抜部材同士を結合するかしめを帯状の金属板に形成するかしめ形成部を備える。前記かしめ形成部は、パンチと、前記パンチに対向して配置される窪みを有するダイプレートと、を備える。また、平面視において、前記窪みの側面の一部は、前記パンチの側面よりも内側に位置するか、または前記パンチの側面と位置が揃う。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、積層鉄心の占積率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る積層鉄心の製造装置の一例を示す概略図である。
図2図2は、実施形態に係る積層鉄心の一例を示す斜視図である。
図3A図3Aは、実施形態に係るプレス加工装置が実行する各製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。
図3B図3Bは、実施形態に係るかしめ形成工程の一例を説明するための図である。
図3C図3Cは、実施形態に係る打ち抜き工程および積層体形成工程の一例を説明するための図である。
図3D図3Dは、実施形態に係る積層鉄心の一例を示す拡大断面図である。
図4A図4Aは、実施形態に係るかしめの一例を示す平面図である。
図4B図4Bは、図4Aに示すA-A線の矢視断面図である。
図4C図4Cは、図4Aに示すB-B線の矢視断面図である。
図4D図4Dは、実施形態に係るかしめのコーナー部における凹部の側面と凸部の側面との平面視における位置関係の一例を示す図である。
図5A図5Aは、実施形態の変形例1に係るかしめのコーナー部の拡大断面図である。
図5B図5Bは、実施形態の変形例1に係るかしめのコーナー部における凹部の側面と凸部の側面との平面視における位置関係の一例を示す図である。
図6A図6Aは、実施形態の変形例2に係るかしめの一例を示す平面図である。
図6B図6Bは、実施形態の変形例2に係るかしめの大曲率部における凹部の側面と凸部の側面との平面視における位置関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する積層鉄心、積層鉄心の製造方法および金型装置について説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0012】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0013】
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0014】
たとえば、モータのステータやロータを構成する積層鉄心は、帯状の金属板を金型装置に順送りし、金属板の送り方向に沿って並んで位置する加工ステーションで順次打ち抜き加工を行って所望形状の打抜部材を形成する。
【0015】
また、かかる加工ステーションでは、半抜き加工によって所定の位置にかしめが形成される。そして、得られた打抜部材同士をかしめで結合しながら積層することで、積層鉄心が製造される。
【0016】
一方で、上記の従来技術では、隣接する打抜部材のかしめ同士が嵌まりにくい場合に、打抜部材同士が十分に密着できない場合があった。これは、1つの打抜部材に形成されるかしめの凸部が、隣接する打抜部材に形成されるかしめの凹部に嵌まり込む際に、かしめの凸部が変形しても、凹部に入りきらないことが要因の一つである。
【0017】
これにより、隣接する打抜部材同士の間に隙間ができてしまうことから、積層鉄心の占積率が低下する恐れがあった。
【0018】
そこで、上記の問題点を克服し、積層鉄心の占積率を向上させることができる技術の実現が期待されている。
【0019】
<製造装置>
最初に、実施形態に係る積層鉄心の製造装置100について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る積層鉄心の製造装置100の一例を示す概略図である。実施形態に係る製造装置100は、帯状の電磁鋼板MSから打抜部材W(図2参照)の積層体を製造するように構成される。
【0020】
なお、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向、X軸正方向を電磁鋼板MSの順送り方向、Y軸を電磁鋼板MSの幅方向とする直交座標系を示す場合がある。
【0021】
図1に示すように、製造装置100は、アンコイラー110と、送出装置120と、プレス加工装置130と、コントローラCtr(制御部)とを備える。プレス加工装置130は、金型装置の一例である。
【0022】
アンコイラー110は、コイル材111を回転自在に保持するように構成される。コイル材111は、電磁鋼板MSがコイル状(渦巻状)に巻回されたものである。電磁鋼板MSは、金属板の一例である。
【0023】
送出装置120は、電磁鋼板MSを上下から挟み込む一対のローラ121、122を含む。一対のローラ121、122は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて回転および停止し、電磁鋼板MSをプレス加工装置130に向けて間欠的に順次送り出す(以下、「順送り」とも呼称する。)ように構成されている。すなわち、一対のローラ121、122は、電磁鋼板MSを搬送するための搬送手段としての機能を有する。
【0024】
プレス加工装置130は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作するように構成される。プレス加工装置130は、たとえば、複数のパンチ(図示せず)を動作させて、送出装置120によって送り出される電磁鋼板MSに順次プレス加工(たとえば、打ち抜き加工や半抜き加工など)を施す。
【0025】
これにより、プレス加工装置130は、複数の打抜部材W(図2参照)を形成するように構成される。また、実施形態にかかるプレス加工装置130は、打ち抜き加工によって得られた複数の打抜部材Wを順次積層して積層体を形成するように構成されている。
【0026】
プレス加工装置130は、下型140と、上型150と、プレス機160とを含む。下型140は、順送りされる電磁鋼板MSの下方に位置し、かかる電磁鋼板MSを下方から支持する。上型150は、順送りされる電磁鋼板MSの上方に位置し、上下動することにより電磁鋼板MSをプレス加工する。
【0027】
プレス機160は、上型150の上方に位置する。プレス機160のピストンは、上型150に設けられる複数のパンチを保持するパンチホルダ(図示せず)に接続されており、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作する。プレス機160が動作すると、そのピストンが伸縮して、上型150が全体的に上下動する。
【0028】
コントローラCtrは、たとえば、記録媒体(図示せず)に記録されているプログラムまたはオペレータからの操作入力などに基づいて、送出装置120およびプレス加工装置130を動作させるための指示信号を生成するように構成されている。コントローラCtrは、送出装置120およびプレス加工装置130にこの指示信号をそれぞれ送信するように構成されている。
【0029】
<積層鉄心>
つづいて、実施形態に係る積層鉄心1の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、実施形態に係る積層鉄心1の一例を示す斜視図である。積層鉄心1は、たとえば、固定子積層鉄心であり、固定子(ステータ)の一部である。
【0030】
なお、固定子は、積層鉄心1に巻線が取り付けられたものである。この固定子に回転子(ロータ)が組み合わされることによって、モータが構成される。
【0031】
図2に示すように、積層鉄心1は、円筒形状を呈している。すなわち、積層鉄心1の中央部分には、中心軸Axに沿って延びる貫通孔1a(中心孔)が設けられている。貫通孔1a内には、回転子が配置可能である。
【0032】
積層鉄心1は、複数の打抜部材Wが積み重ねられた積層体である。打抜部材Wは、帯状の電磁鋼板MS(図1参照)が所定形状に打ち抜かれた板状体である。
【0033】
なお、実施形態に係る積層鉄心1は、いわゆる転積によって構成されていてもよい。この「転積」とは、打抜部材W同士の角度を相対的にずらしつつ、複数の打抜部材Wを積層することをいう。転積は、主に積層鉄心1の板厚偏差を相殺することを目的に実施される。転積の角度は、任意の大きさに設定してもよい。
【0034】
積層鉄心1は、ヨーク部2と、複数のティース部3と、複数のかしめ部4とを含む。ヨーク部2は、円環状を呈しており、中心軸Axを囲むように延びている。ヨーク部2の径方向における幅、内径、外径および厚さはそれぞれ、モータの用途および性能に応じて種々の大きさに設定し得る。
【0035】
各ティース部3は、ヨーク部2の内縁から中心軸Ax側に向かうようにヨーク部2の径方向に沿って延びている。すなわち、各ティース部3は、ヨーク部2の内縁から中心軸Ax側に向けて突出している。
【0036】
たとえば、図2の例では、12個のティース部3がヨーク部2に一体的に形成されている。各ティース部3は、ヨーク部2の周方向において、略等間隔で並んでいる。隣り合うティース部3の間には、巻線(図示せず)を配置するための空間として機能するスロット5が画定されている。
【0037】
かしめ部4は、ヨーク部2に設けられていてもよいし、各ティース部3に設けられていてもよいし、ヨーク部2および各ティース部3の双方に設けられていてもよい。高さ方向において隣接する打抜部材W同士は、かしめ部4によって締結されている。
【0038】
具体的には、かしめ部4は、積層鉄心1の最下層以外をなす打抜部材Wに形成されたかしめ10(図3D参照)と、積層鉄心1の最下層をなす打抜部材W0(図3D参照)に形成された貫通孔W0a(図3D参照)とを含む。このかしめ部4の詳細については後述する。
【0039】
<製造工程>
つづいて、実施形態に係るプレス加工装置130での積層鉄心1の製造工程について、図3A図3Dを参照しながら説明する。図3Aは、実施形態に係るプレス加工装置130が実行する各製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。
【0040】
なお、以下に説明する各製造工程は、送出装置120(図1参照)などを制御して、電磁鋼板MS(図1参照)をプレス加工装置130(図1参照)内に所定の方向に沿って順送りしながら行われる。
【0041】
図3Aに示すように、コントローラCtr(図1参照)は、まず、プレス加工装置130を制御して、上型150(図1参照)を下降させて上型150と下型140(図1参照)とで電磁鋼板MSを挟持し、電磁鋼板MSにプレス加工を施す(ステップS101)。これにより、打抜部材Wにおいて図2に示したようなヨーク部2やティース部3などが形成される。
【0042】
また、かかるステップS101の処理と並行して、コントローラCtrは、プレス加工装置130を制御して、上型150を下降させて上型150と下型140とで電磁鋼板MSを挟持し、電磁鋼板MSにかしめ10を形成する(ステップS102)。このかしめ形成工程の詳細について、図3Bを参照しながら説明する。
【0043】
図3Bは、実施形態に係るかしめ形成工程の一例を説明するための図である。図3Bに示すように、プレス加工装置130は、電磁鋼板MSにかしめ10を形成するかしめ形成部131を有する。
【0044】
かしめ形成部131では、下型140のダイプレート141に窪み142が設けられるとともに、上型150にパンチ151が設けられる。また、かしめ形成部131の上型150には、パンチ151を除けるようにストリッパ152が設けられる。
【0045】
ダイプレート141は、上型150に設けられるパンチ151とともに、打抜部材W(図3D参照)を成形する機能を有する。かかるダイプレート141は、たとえば、ベース(図示せず)およびダイホルダ(図示せず)に支持される。ダイプレート141に設けられる窪み142は、電磁鋼板MSの下面に対して垂直である側面142aを有する。
【0046】
パンチ151は、かしめ形成部131に位置する電磁鋼板MSに対して、所定の位置に半抜き加工を施す機能を有する。パンチ151は、ダイプレート141の窪み142と対向する位置に設けられる。
【0047】
パンチ151は、電磁鋼板MSの上面に対して垂直である側面151aを有する。パンチ151は、たとえば、ストリッパ152の上方に位置するパンチホルダ(図示せず)に支持される。
【0048】
ストリッパ152は、上型150に設けられるパンチ151で電磁鋼板MSを半抜き加工する際に、電磁鋼板MSをダイプレート141との間で挟持する機能と、半抜き加工後にパンチ151に食いついた電磁鋼板MSをパンチ151から取り除く機能とを有する。
【0049】
ストリッパ152は、たとえば、かかるストリッパ152の上方に位置するパンチホルダ(図示せず)に対して、上下動できるように支持される。
【0050】
コントローラCtr(図1参照)は、図3Bに示すように、上型150を下降させてストリッパ152とダイプレート141とで電磁鋼板MSを挟持する。そして、コントローラCtrは、パンチ151の下端部が電磁鋼板MSの中途部分まで到達するようにパンチ151を下降させることにより、電磁鋼板MSにかしめ10を形成する。
【0051】
電磁鋼板MSに形成されたかしめ10は、凹部11と、凸部12とを有する。凹部11は、パンチ151によって電磁鋼板MSにおける一方の表面側(図では上面側)に形成される。凸部12は、ダイプレート141の窪み142によって電磁鋼板MSにおける他方の表面側(図では下面側)に形成される。
【0052】
図3Aの説明に戻る。ステップS101及びステップS102の処理の後に、コントローラCtrは、プレス加工装置130を制御して、上型150を下降させて上型150と下型140とで電磁鋼板MSを挟持し、電磁鋼板MSを打ち抜いて打抜部材Wを形成する(ステップS103)。
【0053】
また、この打ち抜き工程の後に、コントローラCtrは、プレス加工装置130を制御して、複数の打抜部材Wを積層させて、積層鉄心1となる積層体を形成する(ステップS104)。これらの打ち抜き工程および積層体形成工程の詳細について、図3Cおよび図3Dを参照しながら説明する。
【0054】
図3Cは、実施形態に係る打ち抜き工程および積層体形成工程の一例を説明するための図であり、図3Dは、実施形態に係る積層鉄心1の一例を示す拡大断面図である。図3Cに示すように、プレス加工装置130は、電磁鋼板MSを打ち抜いて積層鉄心1を形成する打ち抜き部132を有する。
【0055】
打ち抜き部132では、下型140のダイプレート141に貫通孔143が設けられるとともに、上型150にパンチ153が設けられる。また、打ち抜き部132の上型150には、パンチ153を除けるようにストリッパ152が設けられる。
【0056】
ダイプレート141に設けられる貫通孔143の下方には、昇降可能に制御される昇降シリンダ171が設けられる。下型140の下方には、積層鉄心1を外部に搬送する搬送台172が設けられる。昇降シリンダ171を基準として搬送台172の反対側には、水平方向に往復運動が可能に制御されるプッシャシリンダ173が設けられる。
【0057】
コントローラCtr(図1参照)は、図3Cに示すように、上型150を下降させてストリッパ152とダイプレート141とで電磁鋼板MSを挟持する。そして、コントローラCtrは、パンチ151の下端部が電磁鋼板MSよりも下方に到達するようにパンチ151を下降させることにより、電磁鋼板MSを打ち抜いて打抜部材W(図3D参照)を形成する。
【0058】
さらに、コントローラCtrは、貫通孔143の内部で昇降シリンダ171の高さを適宜調整するとともに、かかる昇降シリンダ171上に打抜部材Wが載置されるようにパンチ151を下方に移動させる。
【0059】
そして、コントローラCtrは、打抜部材Wの形成工程と、昇降シリンダ171上への打抜部材Wの載置工程とを繰り返すことにより、昇降シリンダ171上で打抜部材Wの積層体を形成する。
【0060】
この打抜部材Wの積層体が所定の寸法に達し、積層鉄心1が形成されたところで、コントローラCtrは、かかる積層鉄心1を貫通孔143内から搬出する。具体的には、まず、コントローラCtrは、昇降シリンダ171の上面が搬送台172の上面と略面一となるように、昇降シリンダ171を下降させる。
【0061】
次に、コントローラCtrは、プッシャシリンダ173によって、昇降シリンダ171上の積層鉄心1を搬送台172に押し出す。これにより、下型140の貫通孔143内で形成された積層鉄心1が搬送台172に搬出される。
【0062】
また、昇降シリンダ171上で打抜部材Wの積層体を形成する際に、隣接する打抜部材Wのかしめ10同士が嵌まり合う。具体的には、図3Dに示すように、一方の打抜部材Wのかしめ10に設けられる凹部11(図3B参照)と、他方の打抜部材Wのかしめ10に設けられる凸部12(図3B参照)とが嵌まり合う。これにより、隣接する打抜部材W同士が互いに結合する。
【0063】
また、積層鉄心1の最下層をなす打抜部材W0には、貫通孔W0aが形成される。かかる貫通孔W0aは、積層鉄心1を連続して製造する際、すでに製造された積層鉄心1に対し、続いて形成された打抜部材Wがかしめ10によって締結されるのを防ぐ機能を有する。
【0064】
なお、図3Cの例では、プレス加工装置130内で打ち抜き工程と積層体形成工程とを連続して行う例について示したが、本開示はかかる例に限られず、打ち抜き工程で形成された複数の打抜部材Wを、プレス加工装置130とは別の場所で積層体にしてもよい。
【0065】
図3Aの説明に戻る。ステップS104の処理につづいて、コントローラCtrは、積層鉄心1の製造工程が終了したか否かを判定する(ステップS105)。そして、積層鉄心1の製造工程が終了している場合(ステップS105,Yes)、一連の処理を終了する。一方で、積層鉄心1の製造工程が終了していない場合(ステップS105,No)、ステップS101およびS102の処理に戻る。
【0066】
<かしめの詳細>
つづいて、実施形態に係る打抜部材Wに形成されるかしめ10の詳細について、図4A図4Dを参照しながら説明する。図4Aは、実施形態に係るかしめ10の一例を示す平面図である。
【0067】
図4Aに示すように、実施形態に係るかしめ10は、平面視で矩形状であり、4つの直線部21と、4つのコーナー部22とを有する。直線部21は、矩形の辺に対応する部位であり、コーナー部22は、矩形の角に対応する部位である。実施形態に係るかしめ10では、コーナー部22がR形状を有する。
【0068】
図4Bは、図4Aに示すA-A線の矢視断面図であり、かしめ10の直線部21における断面形状を示している。図3Bなどにも示したように、かしめ10は、凹部11と、凸部12とを有する。
【0069】
また、図4Bに示すように、凹部11は側面11aを有し、凸部12は側面12aを有する。凹部11の側面11aは、凹部11が設けられる打抜部材Wの表面Waに対して略垂直である。なぜなら、凹部11の側面11aを形成するパンチ151(図3B参照)の側面151a(図3B参照)が、表面Waに対して略垂直であるからである。
【0070】
また、凸部12の側面12aは、凸部12が設けられる打抜部材Wの表面Wbに対して略垂直である。なぜなら、凸部12の側面12aを形成する窪み142(図3B参照)の側面142a(図3B参照)が、表面Wbに対して略垂直であるからである。
【0071】
このように、打抜部材Wの表面Wa、Wbに対して、凹部11の側面11aおよび凸部12の側面12aをそれぞれ垂直に形成することで、互いに隣接するかしめ10同士が嵌まり合った場合に、側面11aと側面12aとの密着力を向上させることができる。したがって、実施形態によれば、かしめ強度を向上させることができる。
【0072】
また、図4Bに示すように、実施形態では、かしめ10の直線部21において、凸部12の側面12aが、凹部11の側面11aよりも外側に位置する。なお、本開示において、「外側」とは平面視においてかしめ10の内部から離れる側をいい、「内側」とは平面視においてかしめ10の内部に近づく側をいう。
【0073】
このように、実施形態に係るかしめ10では、凸部12の側面12aが凹部11の側面11aよりも外側に位置することにより、互いに隣接するかしめ10同士が嵌まり合った場合に、凸部12が凹部11を外側に押し込むように嵌まり合う。したがって、実施形態によれば、かしめ強度を向上させることができる。
【0074】
一方で、かしめ10の全周において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも外側に位置させた場合、嵌まり込んだ際に凸部12において変形した部位の逃げる場所がなくなってしまう。そのため、凹部11の内部において凸部12が入りきらないことから、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができてしまう恐れがあった。
【0075】
そこで、実施形態では、かしめ10の一部において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させることとした。たとえば、図4Cおよび図4Dに示すように、実施形態では、かしめ10のコーナー部22において、凸部12の側面12aが、凹部11の側面11aよりも内側に位置している。
【0076】
図4Cは、図4Aに示すB-B線の矢視断面図であり、かしめ10のコーナー部22における断面形状を示している。また、図4Dは、実施形態に係るかしめ10のコーナー部22における凹部11の側面11aと凸部12の側面12aとの平面視における位置関係の一例を示す図である。
【0077】
このように、かしめ10の一部において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させることによって、凸部12が凹部11に嵌まり込んだ際に、凸部12において変形した部位が逃げる場所を確保することができる。
【0078】
したがって、実施形態によれば、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることを抑制することができることから、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0079】
また、実施形態のかしめ10において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させる箇所は、コーナー部22にするとよい。このように、2辺の直線部21において変形した部位が集まるコーナー部22に逃げる場所を確保することにより、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることをさらに抑制することができる。
【0080】
したがって、実施形態によれば、積層鉄心1の占積率をさらに向上させることができる。
【0081】
なお、実施形態に係るかしめ10を形成する手段としては、たとえば、平面視において、ダイプレート141の窪み142における側面142aの一部(たとえば、コーナー部22)を、パンチ151の側面151aよりも内側に位置させる。そして、ダイプレート141の窪み142における側面142aの残りの部位(たとえば、直線部21)を、パンチ151の側面151aよりも外側に位置させるとよい。
【0082】
なお、図4A図4Dの例では、かしめ10のコーナー部22において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させる例について示したが、本開示はかかる例に限られない。たとえば、かしめ10の直線部21の一部において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させてもよい。
【0083】
これによっても、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることを抑制することができることから、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0084】
<変形例1>
つづいて、かしめ10の各種変形例について説明する。図5Aは、実施形態の変形例1に係るかしめ10のコーナー部22の拡大断面図である。また、図5Bは、実施形態の変形例1に係るかしめ10のコーナー部22における凹部11の側面11aと凸部12の側面12aとの平面視における位置関係の一例を示す図である。
【0085】
なお、図5Aおよび図5Bには図示していないが、この変形例1では、上記の実施形態と同様に、かしめ10の直線部21(図4A参照)において、凸部12の側面12aが凹部11の側面11aよりも外側に位置する。
【0086】
そして、変形例1では、図5Aおよび図5Bに示すように、かしめ10の一部(ここでは、かしめ10のコーナー部22)において、凸部12の側面12aと凹部11の側面11aとで平面視の位置が揃う。
【0087】
これによっても、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることを抑制することができることから、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0088】
なお、図5Aおよび図5Bの例では、かしめ10のコーナー部22において、凸部12の側面12aと凹部11の側面11aとの位置が揃う例について示したが、本開示はかかる例に限られない。たとえば、かしめ10の直線部21の一部において、凸部12の側面12aと凹部11の側面11aとの位置が揃ってもよい。
【0089】
これによっても、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることを抑制することができることから、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0090】
なお、変形例1に係るかしめ10を形成する手段としては、たとえば、平面視において、ダイプレート141の窪み142における側面142aの一部(たとえば、コーナー部22)と、パンチ151の側面151aとの位置を揃える。そして、ダイプレート141の窪み142における側面142aの残りの部位(たとえば、直線部21)を、パンチ151の側面151aよりも外側に位置させるとよい。
【0091】
<変形例2>
図6Aは、実施形態の変形例2に係るかしめ10の一例を示す平面図である。図6Aに示すように、変形例2のかしめ10は、平面視で楕円状であり、2つの大曲率部31を有する。大曲率部31は、楕円状のかしめ10において曲率の最も大きい部位である。
【0092】
図6Bは、実施形態の変形例2に係るかしめ10の大曲率部31における凹部11の側面11aと凸部12の側面12aとの平面視における位置関係の一例を示す図である。図6Bに示すように、変形例2では、かしめ10の一部(ここでは、かしめ10の大曲率部31)において、凸部12の側面12aが、凹部11の側面11aよりも内側に位置する。
【0093】
また、この変形例2では、かしめ10の残りの部位(たとえば、大曲率部31とは異なる部位)において、凸部12の側面12aが凹部11の側面11aよりも外側に位置する。
【0094】
これによっても、かしめ10の一部において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させることにより、凸部12が凹部11に嵌まり込んだ際に、凸部12において変形した部位が逃げる場所を確保することができる。
【0095】
したがって、変形例2によれば、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることを抑制することができることから、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0096】
また、変形例2のかしめ10において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させる箇所は、大曲率部31にするとよい。このように、曲率の小さい箇所において変形した部位が集まる大曲率部31に逃げる場所を確保することにより、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることをさらに抑制することができる。
【0097】
したがって、変形例2によれば、積層鉄心1の占積率をさらに向上させることができる。
【0098】
なお、図6Bの例では、かしめ10の大曲率部31において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させる例について示したが、本開示はかかる例に限られない。たとえば、かしめ10の大曲率部31とは異なる部位の一部において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させてもよい。
【0099】
これによっても、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることを抑制することができることから、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0100】
また、図6Bの例では、かしめ10の大曲率部31において、凸部12の側面12aを凹部11の側面11aよりも内側に位置させる例について示したが、大曲率部31において凸部12の側面12aと凹部11の側面11aとの位置が揃っていてもよい。
【0101】
これによっても、互いに隣接する打抜部材W同士の間に隙間ができることを抑制することができることから、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0102】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、かしめ10が平面視で矩形状または楕円状である例について示したが、本開示はかかる例に限られず、かしめ10が平面視でその他の形状であってもよい。
【0103】
また、上記の実施形態では、凹部11の側面11aおよびパンチ151の側面151aが打抜部材Wの表面Waに対して略垂直であり、凸部12の側面12aおよび窪み142の側面142aが打抜部材Wの表面Wbに対して略垂直である例について示した。しかしながら、本開示はかかる例に限られず、凹部11の側面11a(すなわち、パンチ151の側面151a)および凸部12の側面12a(すなわち、窪み142の側面142a)の少なくとも一方がテーパー形状であってもよい。
【0104】
以上のように、実施形態に係る積層鉄心1は、複数の打抜部材Wが積層されて構成され、積層方向に隣接する打抜部材W同士がかしめ10により結合される積層体を備える。また、かしめ10は、凹部11と、凸部12と、を有する。凹部11は、打抜部材Wの一方の表面Wa側に形成される。凸部12は、打抜部材Wの他方の表面Wb側に形成される。また、平面視において、凸部12の側面12aの一部は、凹部11の側面11aよりも内側に位置するか、または凹部11の側面11aと位置が揃う。これにより、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0105】
また、実施形態に係る積層鉄心1において、かしめ10は、平面視で矩形状である。また、かしめ10のコーナー部22において、凸部12の側面12aの一部は、凹部11の側面11aよりも内側に位置するか、または凹部11の側面11aと位置が揃う。これにより、積層鉄心1の占積率をさらに向上させることができる。
【0106】
また、実施形態に係る積層鉄心1において、かしめ10は、平面視で楕円状である。また、かしめ10における曲率の最も大きい部位(大曲率部31)において、凸部12の側面12aの一部は、凹部11の側面11aよりも内側に位置するか、または凹部11の側面11aと位置が揃う。これにより、積層鉄心1の占積率をさらに向上させることができる。
【0107】
また、実施形態に係る積層鉄心1において、平面視において、凸部12の側面12aの一部は、凹部11の側面11aよりも内側に位置する。これにより、積層鉄心1の占積率をさらに向上させることができる。
【0108】
また、実施形態に係る積層鉄心1の製造方法は、かしめ形成工程(ステップS102)と、打ち抜き工程(ステップS103)と、積層体形成工程(ステップS104)と、を含む。かしめ形成工程(ステップS102)は、帯状の金属板(電磁鋼板MS)にかしめ10を形成する。打ち抜き工程(ステップS103)は、金属板(電磁鋼板MS)を打ち抜いて、かしめ10が形成された打抜部材Wを形成する。積層体形成工程(ステップS104)は、複数の打抜部材Wを積層するとともに、積層方向に隣接する打抜部材W同士をかしめ10により結合させて積層体を形成する。また、かしめ形成工程(ステップS102)は、パンチ151によって金属板(電磁鋼板MS)の一方の表面に凹部11を形成する。また、かしめ形成工程(ステップS102)は、窪み142が形成されたダイプレート141によって金属板(電磁鋼板MS)の他方の表面に凸部12を形成する。また、平面視において、凸部12の側面12aの一部は、凹部11の側面11aよりも内側に位置するか、または凹部11の側面11aと位置が揃う。これにより、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0109】
また、実施形態に係る金型装置(プレス加工装置130)は、積層体において積層方向に隣接する打抜部材W同士を結合するかしめ10を帯状の金属板(電磁鋼板MS)に形成するかしめ形成部131を備える。かしめ形成部131は、パンチ151と、ダイプレート141と、を備える。ダイプレート141は、パンチ151に対向して配置される窪み142を有する。また、平面視において、窪み142の側面142aの一部は、パンチ151の側面151aよりも内側に位置するか、またはパンチ151の側面151aと位置が揃う。これにより、積層鉄心1の占積率を向上させることができる。
【0110】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 積層鉄心
10 かしめ
11 凹部
11a 側面
12 凸部
12a 側面
21 直線部
22 コーナー部
31 大曲率部
100 製造装置
130 プレス加工装置(金型装置の一例)
131 かしめ形成部
140 下型
141 ダイプレート
142 窪み
142a 側面
150 上型
151 パンチ
151a 側面
MS 電磁鋼板(金属板の一例)
W 打抜部材
Wa、Wb 表面
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B