(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077761
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】制御システム、および、人力駆動車用制御装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/50 20100101AFI20230530BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20230530BHJP
B62J 45/41 20200101ALI20230530BHJP
【FI】
B62M6/50
B62J45/00
B62J45/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191173
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】井土垣 慧
(72)【発明者】
【氏名】黒飛 忠治
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 浩司
(57)【要約】
【課題】搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御できる制御システムを提供する。
【解決手段】荷台とハンドル部との間に位置する搭乗部と、前記荷台との間に設けられるピボット部のピボット角度に応じた信号を出力するセンサと、電気部品と、前記センサから出力される信号に応じて、前記電気部品を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御システムであって、
荷台とハンドル部との間に位置する搭乗部と、前記荷台との間に設けられるピボット部のピボット角度に応じた信号を出力するセンサと、
電気部品と、
前記センサから出力される信号に応じて、前記電気部品を制御する制御部と、を備える、制御システム。
【請求項2】
前記電気部品は、前記人力駆動車に推進力を付与するモータを備えるドライブユニットを含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ピボット角度が第1ピボット角度の場合に前記モータを第1制御状態で制御し、前記ピボット角度が前記第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合に前記モータを前記第1制御状態とは異なる第2制御状態で制御する、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1制御状態において、前記モータの最大出力値を第1出力値に設定する、請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2制御状態において、前記モータの最大出力値を、前記第1出力値より大きい第2出力値に設定する、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1制御状態において、前記モータの出力が増加する場合における前記モータの応答速度を第1応答速度に設定する、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2制御状態において、前記モータの出力が増加する場合における前記モータの前記応答速度を、前記第1応答速度より速い第2応答速度に設定する、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1制御状態において、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に対する前記モータの最大出力比率を、第1最大出力比率に設定する、請求項3に記載の制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2制御状態において、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に対する前記モータの前記最大出力比率を、前記第1最大出力比率よりも大きい第2最大出力比率に設定する、請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1制御状態において、前記人力駆動車の走行速度が第1走行速度を超えると前記モータを停止する、請求項3に記載の制御システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2制御状態において、前記人力駆動車の前記走行速度が第2走行速度を超えると前記モータを停止し、前記第2走行速度は前記第1走行速度よりも大きい、請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記電気部品は、ドライブユニット、電動サスペンション、電動シートポスト、電動リアディレイラ、電動フロントディレイラ、電動クラッチ、電子端末、ディスプレイ、振動発生装置、光発生装置、音発生装置、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項13】
荷台とハンドル部との間に位置する搭乗部と、前記荷台との間に設けられるピボット部のピボット角度に応じた信号を出力するセンサによって検出されるピボット状態に応じて、人力駆動車の電気部品を制御する制御部を備える、人力駆動車用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、および、人力駆動車用制御装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される人力駆動車は、搭乗部によって荷台を牽引できるように構成される。荷台は、例えば、人力駆動車の搭乗部に対して相対的に回転するように、人力駆動車の搭乗部に連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御できる技術が望まれている。
【0005】
本開示の目的は、荷台を牽引する搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御できる制御システム、および、人力駆動車用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従う制御システムは、荷台とハンドル部との間に位置する搭乗部と、前記荷台との間に設けられるピボット部のピボット角度に応じた信号を出力するセンサと、電気部品と、前記センサから出力される信号に応じて、前記電気部品を制御する制御部と、を備える。
第1側面の制御システムによれば、搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御できる。搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御することで、人力駆動車の快走性、および、安定した走行を提供することができる。
【0007】
第1側面に従う第2側面の制御システムにおいて、前記電気部品は、前記人力駆動車に推進力を付与するモータを備えるドライブユニットを含む。
第2側面の制御システムによれば、搭乗部と荷台との旋回状態に応じて、ドライブユニットを制御できる。搭乗部と荷台との旋回状態に応じて、ドライブユニットを制御することで、人力駆動車に付与する推進力を旋回状態に応じて制御することができるため、人力駆動車の快走性、および、安定した走行を提供することができる。
【0008】
第2側面に従う第3側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記ピボット角度が第1ピボット角度の場合に前記モータを第1制御状態で制御し、前記ピボット角度が前記第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合に前記モータを前記第1制御状態とは異なる第2制御状態で制御する。
第3側面の制御システムによれば、搭乗部と荷台との旋回状態の違いに基づいて、ドライブユニットのモータに対して異なる制御を行える。
【0009】
第3側面に従う第4側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第1制御状態において、前記モータの最大出力値を第1出力値に設定する。
第4側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が大きい場合に適した制御を行える。
【0010】
第4側面に従う第5側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記モータの最大出力値を、前記第1出力値より大きい第2出力値に設定する。
第5側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が小さい場合に適した制御を行える。
【0011】
第5側面に従う第6側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第1制御状態において、前記モータの出力が増加する場合における前記モータの応答速度を第1応答速度に設定する。
第6側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が大きい場合に適した制御を行える。
【0012】
第6側面に従う第7側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記モータの出力が増加する場合における前記モータの前記応答速度を、前記第1応答速度より速い第2応答速度に設定する。
第7側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が小さい場合に適した制御を行える。
【0013】
第3側面に従う第8側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第1制御状態において、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に対する前記モータの最大出力比率を、第1最大出力比率に設定する。
第8側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が大きい場合に適した制御を行える。
【0014】
第8側面に従う第9側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に対する前記モータの前記最大出力比率を、前記第1最大出力比率よりも大きい第2最大出力比率に設定する。
第9側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が小さい場合に適した制御を行える。
【0015】
第3側面に従う第10側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第1制御状態において、前記人力駆動車の走行速度が第1走行速度を超えると前記モータを停止する。
第10側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が大きい場合に適した制御を行える。
【0016】
第10側面に従う第11側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記人力駆動車の前記走行速度が第2走行速度を超えると前記モータを停止し、前記第2走行速度は前記第1走行速度よりも大きい。
第11側面の制御システムによれば、モータに対して、荷台と搭乗部との旋回状態が小さい場合に適した制御を行える。
【0017】
第1側面に従う第12側面の制御システムにおいて、前記電気部品は、ドライブユニット、電動サスペンション、電動シートポスト、電動リアディレイラ、電動フロントディレイラ、電動クラッチ、電子端末、ディスプレイ、振動発生装置、光発生装置、音発生装置、の少なくとも1つを含む。
第12側面の制御システムによれば、搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御できる。
【0018】
本開示の第13側面に従う人力駆動車用制御装置は、荷台とハンドル部との間に位置する搭乗部と、前記荷台との間に設けられるピボット部のピボット角度に応じた信号を出力するセンサによって検出されるピボット状態に応じて、人力駆動車の電気部品を制御する制御部を備える。
第13側面の人力駆動車用制御装置によれば、搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御できる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の制御システム、および、人力駆動車用制御装置によれば、搭乗部と荷台との旋回状態に応じて人力駆動車の電気部品を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態に係る制御システムを含む人力駆動車を示す側面図。
【
図4】第1実施形態における制御フローを示すフローチャート。
【
図5】第2実施形態において、人力駆動力とモータ出力との関係の一例を示すグラフ。
【
図6】第2実施形態において、第1出力値、および、第2出力値の一例を示すグラフ。
【
図7】第2実施形態における制御フローを示すフローチャート。
【
図8】第3実施形態において、モータの応答速度の一例を示すグラフ。
【
図9】第3実施形態における制御フローを示すフローチャート。
【
図10】第4実施形態における制御フローを示すフローチャート。
【
図11】第5実施形態における制御フローを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1から
図3を用いて第1実施形態に係る制御システム70を含む人力駆動車1を説明する。人力駆動車1は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車1は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車1が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車1は、例えば1輪車、および、2輪以上の車輪を有する乗り物を含む。人力駆動車1は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車1は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車1は自転車として説明される。
【0022】
人力駆動車1は、クランク10、後輪20、前輪30、フレーム40、駆動機構50、バッテリ60、および、制御システム70を含む。
【0023】
図1で示すクランク10は、フレーム40に対して回転可能なクランク軸11、クランク軸11の軸方向の両端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム12を含む。一対のクランクアーム12には夫々ペダル13が連結される。
【0024】
後輪20、および、前輪30は、フレーム40に支持される。前輪30は、フレーム40の前部に設けられたフロントフォーク41に取り付けられる。フロントフォーク41には、ハンドル部42が連結される。ハンドル部42には、電気部品80を操作するための操作装置43が設けられる。本実施形態では、操作装置43は、サイクルコンピュータを含む。操作装置43は、搭乗者の操作に応じた信号を制御部101に出力する。後輪20は、フレーム40の後部に取り付けられる。フレーム40の上部には、搭乗部44が設けられる。搭乗部44は、シートを含む。搭乗部44は、シートポストをさらに含んでもよい。
【0025】
駆動機構50は、クランク10と後輪20とを連結する。駆動機構50は、クランク軸11に連結される第1回転体51、後輪20に連結される第2回転体52、および、第1回転体51と第2回転体52とを連結するチェーン53を含む。
【0026】
第1回転体51は、少なくとも1つのフロントスプロケットを含む。本実施形態では、第1回転体51は、2以上のフロントスプロケットを含む。第1回転体51は、1つのフロントスプロケットを含んでいてもよい。第1回転体51が丁数の異なる2以上のフロントスプロケットを含む場合、第1回転体51が人力駆動車1に取り付けられた状態において、最も丁数が多いフロントスプロケットは、最も丁数が少ないフロントスプロケットよりも、自転車のフレーム40の中心面から離れて配置される。
【0027】
第2回転体52は、少なくとも1つのリアスプロケットを含む。第2回転体52は、丁数が異なる2以上のリアスプロケットを含む。第2回転体52は、丁数が異なる12以上のリアスプロケットを含んでいてもよい。第2回転体52が2以上のリアスプロケットを含む場合、第2回転体52が人力駆動車1に取り付けられた状態において、最も丁数が多いリアスプロケットは、最も丁数が少ないリアスプロケットよりも、自転車のフレーム40の中心面の近くに配置される。チェーン53は、第1回転体51に含まれる1つのフロントスプロケットと、第2回転体52に含まれる1のリアスプロケットとを連結する。チェーン53を介して、第1回転体51の回転力がリアスプロケットに伝達される。
【0028】
本実施形態の駆動機構50はフロントスプロケット、および、リアスプロケットと、チェーン53を用いて回転力を伝達するように構成されるが、駆動機構50の構成は、特に限らない。例えば第1回転体51、および、第2回転体52は、スプロケットに代えて、プーリ、ベベルギア等を含んでもよい。第1回転体51、および、第2回転体52は、チェーン53に代えて、ベルト、シャフト等によって連結されてもよい。
【0029】
クランク軸11と第1回転体51との間には、第1ワンウェイクラッチを設けてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク10が前転した場合に第1回転体51を前転させ、クランク10が後転した場合にクランク軸11と第1回転体51との相対回転を許容するように構成される。第2回転体52と後輪20との間には、第2ワンウェイクラッチが設けられる。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体52が前転した場合に後輪20を前転させ、第2回転体52が後転した場合に第2回転体52と後輪20との相対回転を許容するように構成される。
【0030】
バッテリ60は、人力駆動車1に設けられる電気部品80に電力を供給する。バッテリ60は、フレーム40の内部、および、外部の少なくとも1つに設けられる。バッテリ60は、電気部品80、および、人力駆動車用制御装置100に電力を供給可能に構成される。バッテリ60はドライブユニット81に電力を供給可能に構成されてもよい。バッテリ60は、複数のバッテリを含み、複数の電気部品80に夫々電力を供給するように構成されてもよい。単一のバッテリ60が、電気部品80と、ドライブユニット81と、に電力を供給するように構成されてもよい。バッテリ60は電気部品80に直接設けられてもよい。
【0031】
図1で示す人力駆動車1には、荷台Cが着脱可能に取り付けられる。荷台Cは、搭乗部44に対して相対的にピボット可能に、フレーム40に連結される。搭乗部44は、人力駆動車1の走行時に、フレーム40を介して荷台Cを牽引する。本実施形態では、荷台Cは、被牽引車C10を含む。
【0032】
被牽引車C10は、本体C11、車輪C12、および、連結部C14を含む。被牽引車C10は、接続部C13をさらに含む。本体C11は、人、および、荷物の少なくとも1つを積載可能に構成される。本体C11は、人力駆動車1の後方に配置される。車輪C12は、本体C11に設けられる。接続部C13は、本体C11と連結部C14とを互いに接続するように構成される。接続部C13は、本体C11、および、連結部C14の少なくとも1つと一体に構成されてもよい。接続部C13は、本体C11、および、連結部C14とは別体で構成されてもよい。接続部C13は、荷物を積載可能に構成されてもよい。連結部C14は、人力駆動車1に連結可能に構成される。本実施形態では、連結部C14は、フレーム40に連結できるように構成されるピボット部C14aを含む。
図1、および、
図2に示されるように、ピボット部C14aは、搭乗部44に対してヨー方向に相対的に回転するように、フレーム40に連結される。ピボット部C14aは、フレーム40のうち、電動シートポスト83を支持する部分に連結される。被牽引車C10は、人力駆動車1の前方、または、側方に配置されるように人力駆動車1に連結されてもよい。被牽引車C10は、接続部C13を省略して構成されてもよい。
【0033】
制御システム70は、人力駆動車用の制御システム70であって、荷台Cとハンドル部42との間に位置する搭乗部44と、前記荷台Cとの間に設けられるピボット部C14aのピボット角度Dに応じた信号を出力するセンサ110と、電気部品80と、前記センサ110から出力される信号に応じて、前記電気部品80を制御する制御部101と、を備える。
図3には、制御システム70の一例が示される。
図3で示す制御システム70は、電気部品80、人力駆動車用制御装置100、および、センサ110を含む。本明細書において、人力駆動車用制御装置100を制御装置100として記載する場合がある。
【0034】
図1、および、
図3で示す電気部品80は、操作装置43の操作、および、操作装置43の操作とは異なる条件の少なくとも1つに応じて電気的に動作するように構成される。前記電気部品80は、ドライブユニット81、電動サスペンション82、電動シートポスト83、電動リアディレイラ84、電動フロントディレイラ85、電動クラッチ86、電子端末87、ディスプレイ88、振動発生装置89、光発生装置90、および、音発生装置91の少なくとも1つを含む。前記電気部品80は、前記人力駆動車1に推進力を付与するモータ81aを備えるドライブユニット81を含む。本実施形態では、電気部品80は、ドライブユニット81、電動サスペンション82、電動シートポスト83、電動リアディレイラ84、電動フロントディレイラ85、電動クラッチ86、電子端末87、ディスプレイ88、振動発生装置89、光発生装置90、および、音発生装置91を含む。
【0035】
ドライブユニット81は、人力駆動車1の推進を補助するように構成される。ドライブユニット81のモータ81aは、例えば、人力駆動車1に入力される人力駆動力に応じて動作する。より具体的には、制御部101は、人力駆動車1に設けられるクランク10に入力される人力駆動力に応じて、ドライブユニット81のモータ81aを制御する。ドライブユニット81は、モータ81aに加えて、モータ81aとクランク10とを連結する減速機を備えてもよい。
【0036】
電動サスペンション82は、人力駆動車1に加わる衝撃を吸収するように構成される。電動サスペンション82は、後輪20に対応するように設けられる電動リアサスペンション、および、前輪30に対応するように設けられる電動フロントサスペンションの少なくとも1つを含む。本実施形態では、電動サスペンション82は、前輪30に対応するように設けられる電動フロントサスペンションを含む。
【0037】
電動シートポスト83は、搭乗部44の高さを変更するように構成される。本実施形態では、電動シートポスト83の駆動に伴って、フレーム40に対する搭乗部44の高さが変更される。
【0038】
電動リアディレイラ84は、クランク軸11の回転速度に対する後輪20の回転速度の比率である変速比を変更する。変速比は、チェーン53が係合するフロントスプロケットの丁数を、チェーン53が係合するリアスプロケットの丁数で割ることによって算出される。電動リアディレイラ84は、チェーン53を複数のリアスプロケットの間において掛け替えることによって、人力駆動車1の変速比を変更できる。
【0039】
電動フロントディレイラ85は、変速比を変更する。電動フロントディレイラ85は、チェーン53を複数のフロントスプロケットの間において掛け替えることによって、人力駆動車1の変速比を変更できる。
【0040】
電動クラッチ86は、例えば、第2回転体52と後輪20を接続する。電動クラッチ86は、第1伝達状態、および、第2伝達状態を含む。第1伝達状態は、第2回転体52のクランク10が前転する方向の回転動力を後輪20に伝達し、かつ、後輪20のクランク10が前転する方向の回転動力を第2回転体52に伝達しない状態である。第1状態は、後輪20のクランク10が前転する方向の回転動力を第2回転体52に伝達しないが、後輪20のクランク10が後転する方向の回転動力を第2回転体52に伝達する。第2状態は、後輪20の少なくともクランク10が前転する方向の回転動力を第2回転体52に伝達する状態である。電動クラッチ86は、第1回転体51とドライブユニット81のモータ81aとの間に設けられてもよい。
【0041】
電子端末87は、演算処理を行うと共に、演算処理の結果等を出力する。電子端末87は、表示部によるメッセージの表示、バイブ機能による振動の発生、ランプによる光の出力、および、スピーカによる音声の出力の少なくとも1つによって、演算処理の結果等を出力できる。電子端末87は、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。電子端末87は、例えば、サイクルコンピュータ、スマートフォン、および、タブレット端末等を含む。本実施形態では、電子端末87は、操作装置43を含む。
【0042】
ディスプレイ88は、各種情報を表示する。ディスプレイ88は、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。ディスプレイ88は、例えば、液晶ディスプレイ、および、有機ELディスプレイ等を含む。
【0043】
振動発生装置89は、振動を発生する。振動発生装置89は、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。振動発生装置89は、例えば、偏心錘を備える電気モータ等を含む。
【0044】
光発生装置90は、光を発生する。光発生装置90は、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。光発生装置90は、例えば、ディスプレイ88、フロントランプ90a、および、テールランプ等を含む。
【0045】
音発生装置91は、音を発生する。音発生装置91は、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。音発生装置91は、例えば、ブザー、および、スピーカ等を含む。
【0046】
人力駆動車用制御装置100は、荷台Cとハンドル部42との間に位置する搭乗部44と、前記荷台Cとの間に設けられるピボット部C14aのピボット角度Dに応じた信号を出力するセンサ110によって検出されるピボット状態に応じて、人力駆動車1の電気部品80を制御する制御部101を備える。
図3には、制御装置100の一例が示される。
図3で示す制御装置100は、制御部101、および、記憶部102を含む。
【0047】
制御部101は、人力駆動車1に関する制御を行うように構成される。制御部101は、予め定められた制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部101は、1、または、複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0048】
記憶部102は、各種の制御プログラム、および、各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部102は、例えば不揮発性メモリ、および、揮発性メモリを含む。
【0049】
制御部101は、ドライブユニット81のモータ81aを、複数の制御状態において制御できるように構成される。複数の制御状態は、第1制御状態、および、第1制御状態とは異なる第2制御状態を含む。制御部101は、第1制御モードにおいて、モータ81aを第1制御状態で制御する。制御部101は、第1制御モードとは異なる第2制御モードにおいて、モータ81aを第2制御状態で制御する。
【0050】
制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、所定の条件に応じてモータ81aを制御する。例えば、制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、人力駆動力等に応じてモータ81aの出力を制御する。
【0051】
センサ110は、ピボット状態を検出するように構成される。ピボット状態は、搭乗部44と荷台Cとの相対的な旋回状態を示す。本実施形態では、センサ110は、
図2で示すピボット角度Dを検出する。ピボット角度Dは、人力駆動車1に対する荷台Cのヨー方向における相対的な回転角度を示す。ピボット角度Dは、荷台Cに対する人力駆動車1のヨー方向における相対的な回転角度を示してもよい。
【0052】
センサ110は、人力駆動車1、および、荷台Cの少なくとも1つに設けられるセンサを含む。本実施形態では、センサ110は、人力駆動車1に設けられるセンサを含む。人力駆動車1に設けられるセンサ110は、フレーム40に設けられるジャイロセンサを含む。センサ110が荷台Cに設けられる場合、センサ110は、ピボット部C14aに設けられるジャイロセンサを含んでもよい。センサ110が人力駆動車1、および、荷台Cに設けられる場合、センサ110は、人力駆動車1、および、荷台Cに設けられる加速度センサを含んでもよい。人力駆動車1、および、荷台Cに設けられる加速度センサは、人力駆動車1の加速度、および、荷台Cの加速度に基づいてピボット角度Dを検出してもよい。
【0053】
センサ110は、ピボット角度Dに応じた信号を制御部101に出力する。制御部101は、センサ110によって検出される検出値に基づいて、ピボット状態に関する情報を取得する。制御部101は、センサ110によって検出される検出値に基づいてピボット角度Dを推定する。制御部101は、ピボット角度Dを、検出値に基づいて算出してもよく、予め記憶されるテーブルに基づいて推定してもよい。なお、センサ110が検出値に基づいてピボット角度Dを決定してもよい。制御部101は、ピボット状態に応じて電気部品80を制御する。本実施形態では、制御部101は、ピボット状態に応じてドライブユニット81を制御する。前記制御部101は、前記ピボット角度Dが第1ピボット角度の場合に前記モータ81aを第1制御状態で制御し、前記ピボット角度Dが前記第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合に前記モータ81aを前記第1制御状態とは異なる第2制御状態で制御する。
【0054】
第1ピボット角度は、0°より大きい少なくとも1つの角度を含む。本実施形態では、第1ピボット角度は、所定の角度の範囲を含む。記憶部102は、第1ピボット角度を記憶する。
【0055】
第2ピボット角度は、第1ピボット角度より小さい少なくとも1つの角度を含む。本実施形態では、第2ピボット角度は、第1ピボット角度より小さい所定の角度の範囲を含む。記憶部102は、第2ピボット角度を記憶する。第2ピボット角度は0°を含んでもよい。
【0056】
図4を用いて制御部101が実行する制御の一例を説明する。制御部101は、
図4に示すフローチャートに従った第1制御フローを、所定の条件を満たす場合に開始する。本実施形態では、制御部101は、人力駆動車1に人力駆動力が入力されると、第1制御フローを開始する。なお、制御部101は、バッテリ60から制御部101に電力の供給が開始され、かつ、操作装置43において所定の操作が行われると、第1制御フローを開始するように構成されてもよい。制御部101は、第1制御フローが終了すると、所定の条件を満たすまで、第1制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。本実施形態では、制御部101は、操作装置43において所定の操作が行われるまで、第1制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。制御部101は、人力駆動車1に人力駆動力が入力されなくなるまで、第1制御フローを繰り返し実行するように構成されてもよい。
【0057】
ステップS1において、制御部101は、センサ110から出力される信号に基づいてピボット角度Dに関する情報を取得する。センサ110から出力される信号には、ピボット角度Dの情報が含まれていてもよく、制御部101がピボット角度Dを判定、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報が含まれていてもよい。制御部101は、センサ110から出力される信号に基づいてピボット角度Dを判定する。制御部101は、ピボット角度Dが所定の閾値以上の場合、ピボット角度Dが第1ピボット角度であると判定する。所定の閾値は、記憶部102に記憶される。所定の閾値は、ユーザーによって変更可能に構成されてもよい。第1ピボット角度が所定の角度の範囲を含む場合、制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度の範囲内である場合に、ピボット角度Dが第1ピボット角度であると判定してもよい。
【0058】
ピボット角度Dが第1ピボット角度の場合、制御部101は、ステップS2に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度ではない場合、ステップS3に移行する。ステップS2において、制御部101は、モータ81aを第1制御状態で制御する。制御部101は、ステップS2の処理を行った後、第1制御フローを終了する。
【0059】
ステップS3において、制御部101は、ステップS1で取得したピボット角度Dが、所定の閾値未満の場合、ピボット角度Dが第2ピボット角度であると判定する。第2ピボット角度が所定の角度の範囲を含む場合、制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度の範囲内である場合に、ピボット角度Dが第2ピボット角度であると判定してもよい。
【0060】
制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度であると判定した場合、ステップS4に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度ではない場合、第1制御フローを終了する。ステップS4において、制御部101は、モータ81aを第2制御状態で制御する。制御部101は、ステップS4の処理を行った後、第1制御フローを終了する。第1制御フローにおいて、ピボット角度Dが第1ピボット角度、および、第2ピボット角度ではない場合、例えば、センサ110の故障、および、センサ110の搭載状態に起因してピボット角度Dを検出できないことが考えられる。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度、および、第2ピボット角度ではない場合、ピボット角度Dに基づかないアシスト制御を行ってもよい。
【0061】
制御部101は、第1制御フローを実行して制御状態を変更することによって、荷台Cを牽引する搭乗部44と荷台Cとの旋回状態に応じて人力駆動車1の電気部品80を制御できる。本実施形態では、制御部101は、荷台Cを牽引する搭乗部44と荷台Cとの旋回状態に応じてドライブユニット81を制御できる。制御部101は、荷台Cを牽引する搭乗部44と荷台Cとの旋回状態の違いに基づいて、ドライブユニット81のモータ81aに対して異なる制御を行える。
【0062】
本実施形態では、制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度より大きい第1ピボット角度の場合に、第1制御状態でモータ81aを制御できる。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合に、第2制御状態でモータ81aを制御できる。
【0063】
(第2実施形態)
図5から
図7を用いて第2実施形態の制御システム70を説明する。第1実施形態と共通する構成は、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、人力駆動車1に入力される人力駆動力に応じて、ドライブユニット81のモータ81aを制御するように構成される。
図5は、人力駆動力に応じてドライブユニット81のモータ81aを制御する際に用いられるグラフの一例を示す。
図5、および、
図6において、モータ81aの出力をモータ出力として記載する。本明細書において、モータ81aの出力をモータ出力として記載する場合がある。モータ出力は、ドライブユニット81が減速機を含む場合、減速機を介して人力駆動車1に補助推進力として入力される出力である。モータ出力は、例えば人力駆動力と同じ単位で示される。例えば、モータ出力は、モータ81aの回転トルク、および、モータ81aの回転速度の少なくとも1つによって示される。モータ出力は、モータ81aの回転トルクとモータ81aの回転速度との積であるモータ81aの仕事率、または、駆動力によって示されてもよい。
【0065】
制御部101は、人力駆動力が第1閾値T1以上になるとモータ81aの駆動を開始する。制御部101は、モータ81aの駆動を開始すると、人力駆動力が大きくなるにつれてモータ出力が比例して大きくなるようにモータ81aを制御する。制御部101は、人力駆動力が第2閾値T2以上になると、モータ出力がモータ81aの最大出力値PMを維持するようにモータ81aを制御する。制御部101は、人力駆動力が第2閾値T2以上になると、モータ出力がモータ81aの最大出力値PMを超えないようにモータ81aを制御する。
【0066】
モータ81aの最大出力値PMは、制御部101がモータ81aを制御する場合におけるモータ81aの出力の上限値を規定する。モータ81aの最大出力値PMは、モータ81aの性能に基づく最大出力値とは相違する。第2閾値T2は、第1閾値T1よりも大きい。制御部101は、人力駆動力に対するモータ出力の比率が所定比率を超えないようにモータ81aを制御する。人力駆動力に対するモータ出力の比率が所定比率範囲内であっても、制御部101は、モータ出力が最大出力値PMを超えないように、モータ81aを制御する。人力駆動力とモータ出力との関係は、人力駆動車1の走行速度と道路交通法との関係等に応じて規定される。
【0067】
図6に示されるように、モータ81aの最大出力値PMは、第1出力値PM1、および、第2出力値PM2を含む。第2出力値PM2は、第1出力値PM1とは異なる。本実施形態では、第2出力値PM2は、第1出力値PM1より大きい。第1出力値PM1、および、第2出力値PM2は、記憶部102に記憶されていてもよい。
【0068】
制御部101は、モータ81aの最大出力値PMを、第1出力値PM1、または、第2出力値PM2に設定するように構成される。モータ81aの最大出力値PMを第1出力値PM1に設定する場合、制御部101は、人力駆動力が第2閾値T2以上になったとしても、モータ出力が第1出力値PM1を超えないようにモータ81aを制御する。モータ81aの最大出力値PMを第2出力値PM2に設定する場合、制御部101は、人力駆動力が第3閾値T3以上になったとしても、モータ出力が第2出力値PM2を超えないようにモータ81aを制御する。第3閾値T3は、第2閾値T2よりも大きい。
【0069】
制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、モータ81aの最大出力値PMが互いに異なる出力値となるように、モータ81aの最大出力値PMを設定する。
図7を用いて制御部101が実行する制御の一例を説明する。
【0070】
制御部101は、
図7に示すフローチャートに従った第2制御フローを、所定の条件を満たすと開始する。制御部101は、第2制御フローが終了すると、所定の条件を満たすまで、第2制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。第2制御フローの開始の条件、および、第2制御フローの実行を繰り返す条件は、第1実施形態における第1制御フローと同様である。
【0071】
ステップS11において、制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度かどうかを判定する。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度であると判定した場合、ステップS12に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度ではないと判定した場合、ステップS13に移行する。
【0072】
ステップS12において、制御部101は、モータ81aを第1制御状態で制御する。前記制御部101は、前記第1制御状態において、前記モータ81aの最大出力値PMを第1出力値PM1に設定する。制御部101は、ステップS12の処理を行った後、第2制御フローを終了する。
【0073】
ステップS13において、制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度かどうかを判定する。制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度であると判定した場合、ステップS14に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度ではないと判定した場合、第2制御フローを終了する。
【0074】
ステップS14において、制御部101は、モータ81aを第2制御状態で制御する。前記制御部101は、前記第2制御状態において、前記モータ81aの最大出力値PMを前記第1出力値PM1より大きい第2出力値PM2に設定する。制御部101は、ステップS14の処理を行った後、第2制御フローを終了する。第2制御フローにおいて、ピボット角度Dが第1ピボット角度、および、第2ピボット角度ではない場合、例えば、センサ110の故障、および、センサ110の搭載状態に起因してピボット角度Dを検出できないことが考えられる。制御部101は、ステップS11においてピボット角度Dが第1ピボット角度ではないと判定した後、ステップS13においてピボット角度Dが第2ピボット角度ではないと判定した場合、ピボット角度Dに基づかないアシスト制御を行ってもよい。
【0075】
制御部101は、第2制御フローを実行してモータ81aの最大出力値PMを設定することによって、荷台Cと搭乗部44との旋回状態に適したモータ81aの制御を行える。制御部101は、第2制御フローを実行してモータ81aの最大出力値PMを設定することによって、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に適したモータ81aの制御を行える。本実施形態では、制御部101は、第1制御状態において、モータ81aの最大出力値PMを第2出力値PM2より小さい第1出力値PM1に設定し、人力駆動車1のアシスト力を低減する。人力駆動車1のアシスト力を低減することによって、例えば、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に人力駆動車1の走行速度の増加を抑制でき、人力駆動車1の小回りが利くようになる。それによって、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0076】
制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合に、第2制御状態でモータ81aを制御することによって、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に適したモータ81aの制御を行える。本実施形態では、制御部101は、第2制御状態において、モータ81aの最大出力値PMを第1出力値PM1より大きい第2出力値PM2に設定する。それによって、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に、人力駆動車1のアシスト力を増加でき、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0077】
制御部101は、第2制御フローにおいて、第1制御状態と第2制御状態との間においてモータ81aの最大出力値PMの設定を逆にしてもよい。制御部101は、第1制御状態と第2制御状態との間においてモータ81aの最大出力値PMの設定を逆にすることによって、第1制御状態において、モータ81aの最大出力値PMを第1出力値PM1より大きい第2出力値PM2に設定する。制御部101は、第1制御状態において、モータ81aの最大出力値PMを第2出力値PM2に設定することによって、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に人力駆動車1のアシスト力を増加できる。制御部101は、人力駆動車1のアシスト力を増加できることによって、人力駆動車1が起き上がろうとする力を大きくできる。人力駆動車1が起き上がろうとする力を大きくできることによって、人力駆動車1は、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい状態から、荷台Cと搭乗部44とが同一方向を向いた非旋回状態に戻り易くなる。
【0078】
(第3実施形態)
図5、
図8、および、
図9を用いて第3実施形態の制御システム70を説明する。第1実施形態、および、第2実施形態と共通する構成は、第1実施形態、および、第2実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0079】
図8には、
図5で示す第2閾値T2以上の人力駆動力がペダル13に入力される場合における、時間とモータ出力との関係を示すグラフの一例が示される。
図8で示すグラフの傾きは、モータ81aの出力が増加する場合におけるモータ81aの応答速度を示す。本明細書において、モータ81aの出力が増加する場合におけるモータ81aの応答速度をモータ81aの応答速度として記載する場合がある。
【0080】
モータ81aの応答速度は、第1応答速度、および、第2応答速度を含む。第2応答速度は、第1応答速度とは異なる。本実施形態では、第2応答速度は、第1応答速度より速い。
図8の実線で示すグラフの傾きは、第1応答速度の一例を示す。
図8の2点鎖線で示すグラフの傾きは、第2応答速度の一例を示す。制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において人力駆動力が入力されると、第1応答速度、または、第2応答速度に応じてモータ81aを制御する。
【0081】
本実施形態では、制御部101は、第1応答速度でモータ81aを制御する場合、第2閾値T2以上の人力駆動力がペダル13に入力されると、時間t2を経過する時点での、人力駆動力に対するモータ81aの出力の比率が第1所定比率となるようにモータ81aを制御する。なお、時間t2経過時点で、第1所定比率でモータ81aの出力を制御する場合であっても、制御部101は、モータ81aの出力が最大出力値PMを超えないように、モータ81aを制御する。制御部101は、第2応答速度でモータ81aを制御する場合、第2閾値T2以上の人力駆動力がペダル13に入力されると、時間t1を経過する時点での、人力駆動力に対するモータ81aの出力の比率が第1所定比率となるようにモータ81aを制御する。時間t1までに要する時間は、時間t2までに要する時間よりも短い。なお、時間t1経過時点で、第1所定比率でモータ81aの出力を制御する場合であっても、制御部101は、モータ81aの出力が最大出力値PMを超えないように、モータ81aを制御する。
【0082】
制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、モータ81aの応答速度が互いに異なる応答速度となるように、モータ81aの応答速度を設定する。
図9を用いて制御部101が実行する制御の一例を説明する。
【0083】
制御部101は、
図9に示すフローチャートに従った第3制御フローを、所定の条件を満たす場合に開始する。制御部101は、第3制御フローが終了すると、所定の条件を満たすまで、第3制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。第3制御フローの開始の条件、および、第3制御フローの実行を繰り返す条件は、第1実施形態における第1制御フローと同様である。
【0084】
ステップS21において、制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度かどうかを判定する。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度であると判定した場合、ステップS22に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度ではないと判定した場合、ステップS23に移行する。
【0085】
ステップS22において、制御部101は、モータ81aを第1制御状態で制御する。前記制御部101は、前記第1制御状態において、前記モータ81aの出力が増加する場合における前記モータ81aの応答速度を第1応答速度に設定する。制御部101は、ステップS22の処理を行った後、第3制御フローを終了する。
【0086】
ステップS23において、制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度かどうかを判定する。制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度であると判定した場合、ステップS24に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度ではないと判定した場合、第3制御フローを終了する。
【0087】
ステップS24において、制御部101は、モータ81aを第2制御状態で制御する。前記制御部101は、前記第2制御状態において、前記モータ81aの出力が増加する場合における前記モータ81aの前記応答速度を、前記第1応答速度より速い第2応答速度に設定する。制御部101は、ステップS24の処理を行った後、第3制御フローを終了する。第3制御フローにおいて、ピボット角度Dが第1ピボット角度、および、第2ピボット角度ではない場合、例えば、センサ110の故障、および、センサ110の搭載状態に起因してピボット角度Dを検出できないことが考えられる。制御部101は、ステップS21においてピボット角度Dが第1ピボット角度ではないと判定した後、ステップS23においてピボット角度Dが第2ピボット角度ではないと判定した場合、ピボット角度Dに基づかないアシスト制御を行ってもよい。
【0088】
制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度より大きい第1ピボット角度の場合に、第1制御状態でモータ81aを制御する。ピボット角度Dが第1ピボット角度の場合に、制御部101がモータ81aを第1制御状態で制御することで、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に適した制御を行える。本実施形態では、制御部101は、第1制御状態において、モータ81aの応答速度を第2応答速度より遅い第1応答速度に設定することで、人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ81aの出力の比率を緩やかに増加できる。人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ81aの出力の比率を緩やかに増加することによって、例えば、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に人力駆動車1の走行速度の急激な増加を抑制でき、人力駆動車1の小回りが利くようになる。それによって、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0089】
制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合に、第2制御状態でモータ81aを制御する。ピボット角度Dが第2ピボット角度の場合に、制御部101がモータ81aを第2制御状態で制御することで、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に適した制御を行える。本実施形態では、制御部101は、第2制御状態において、モータ81aの応答速度を第1応答速度より速い第2応答速度に設定することで、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ81aの出力の比率を速やかに増加できる。荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ81aの出力の比率を速やかに増加することによって、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0090】
制御部101は、第3制御フローにおいて、第1制御状態と第2制御状態との間においてモータ81aの応答速度の設定を逆にしてもよい。制御部101は、第1制御状態と第2制御状態との間においてモータ81aの応答速度の設定を逆にすることによって、第1制御状態において、モータ81aの応答速度を第1応答速度より速い第2応答速度に設定する。制御部101は、第1制御状態において、モータ81aの応答速度を第2応答速度に設定することによって、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に人力駆動車1のアシスト力を速やかに増加できる。制御部101は、人力駆動車1のアシスト力を速やかに増加できることによって、人力駆動車1が起き上がろうとする力を速やかに大きくできる。人力駆動車1が起き上がろうとする力を速やかに大きくできることによって、人力駆動車1は、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい状態から非旋回状態に戻り易くなる。
【0091】
(第4実施形態)
図10を用いて第4実施形態の制御システム70を説明する。第1実施形態から第3実施形態と共通する構成は、第1実施形態から第3実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0092】
制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、所定のパラメータに応じてモータ81aの出力を制御する。第1制御状態、および、第2制御状態において、人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ81aの出力比率は、所定のパラメータに応じて変動する。人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ81aの出力比率は、人力駆動力と人力駆動車1のアシスト力との比率を示す。本明細書において、人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ81aの出力比率を、モータ81aの出力比率として記載する場合がある。
【0093】
例えば、第1制御状態、および、第2制御状態において、モータ81aの出力比率は、人力駆動車1の走行速度に応じて変動する。モータ81aの出力比率は、人力駆動車1の走行速度が所定の範囲内である場合、予め設定される最大比率での出力が可能となる。本明細書において、モータ81aの出力比率の最大値を、モータ81aの最大出力比率として記載する。制御部101は、人力駆動車1の走行速度が所定の範囲を超える場合、モータ81aの出力を停止する。
【0094】
制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、モータ81aの最大出力比率が互いに異なる最大出力比率となるように、モータ81aの最大出力比率を設定する。
図10を用いて制御部101が実行する制御の一例を説明する。
【0095】
制御部101は、
図10に示すフローチャートに従った第4制御フローを、所定の条件を満たす場合に開始する。制御部101は、第4制御フローが終了すると、所定の条件を満たすまで、第4制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。第4制御フローの開始の条件、および、第4制御フローの実行を繰り返す条件は、第1実施形態における第1制御フローと同様である。
【0096】
ステップS31において、制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度かどうかを判定する。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度であると判定した場合、ステップS32に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度でではないと判定した場合、ステップS33に移行する。
【0097】
ステップS32において、制御部101は、モータ81aを第1制御状態で制御する。前記制御部101は、前記第1制御状態において、前記人力駆動車1に入力される人力駆動力に対する前記モータ81aの最大出力比率を、第1最大出力比率に設定する。記憶部102は、第1最大出力比率を記憶する。制御部101は、ステップS32の処理を行った後、第4制御フローを終了する。
【0098】
ステップS33において、制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度かどうかを判定する。制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度であると判定した場合、ステップS34に移行する。制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度ではないと判定した場合、第4制御フローを終了する。
【0099】
ステップS34において、制御部101は、モータ81aを第2制御状態で制御する。前記制御部101は、前記第2制御状態において、前記人力駆動車1に入力される人力駆動力に対する前記モータ81aの前記最大出力比率を、前記第1最大出力比率よりも大きい第2最大出力比率に設定する。記憶部102は、第2最大出力比率を記憶する。制御部101は、ステップS34の処理を行った後、第4制御フローを終了する。第4制御フローにおいて、ピボット角度Dが第1ピボット角度、および、第2ピボット角度ではない場合、例えば、センサ110の故障、および、センサ110の搭載状態に起因してピボット角度Dを検出できないことが考えられる。制御部101は、ステップS31においてピボット角度Dが第1ピボット角度ではないと判定した後、ステップS33においてピボット角度Dが第2ピボット角度ではないと判定した場合、ピボット角度Dに基づかないアシスト制御を行ってもよい。
【0100】
制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度より大きい第1ピボット角度の場合に、第1制御状態でモータ81aを制御する。ピボット角度Dが第1ピボット角度の場合に、制御部101がモータ81aを第1制御状態で制御することで、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に適した制御を行える。本実施形態では、制御部101は、第1制御状態において、モータ81aの最大出力比率を第2最大出力比率よりも小さい第1最大出力比率に設定することで、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に人力駆動車1の走行速度の増加を抑制できる。荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に人力駆動車1の走行速度の増加を抑制することによって、人力駆動車1の小回りが利くようになるため、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0101】
制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合に、第2制御状態でモータ81aを制御する。ピボット角度Dが第2ピボット角度の場合に、制御部101がモータ81aを第2制御状態で制御することで、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に適した制御を行える。本実施形態では、制御部101は、第2制御状態において、モータ81aの最大出力比率を第1最大出力比率よりも大きい第2最大出力比率に設定することで、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に人力駆動車1のアシスト力を増加でき、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0102】
(第5実施形態)
図11を用いて第5実施形態の制御システム70を説明する。第1実施形態から第4実施形態と共通する構成は、第1実施形態から第4実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0103】
制御部101は、モータ81aを停止できるように構成される。例えば、制御部101は、モータ81aを停止する停止信号をモータ81aに出力する。モータ81aは、制御部101から出力される停止信号に基づいて停止する。
【0104】
制御部101は、人力駆動車1の走行速度を取得できるように構成される。人力駆動車1の走行速度は、人力駆動車1に搭載される各種のセンサによって検出される。制御部101は、各種のセンサから出力される信号に基づいて、人力駆動車1の走行速度を取得できる。
【0105】
記憶部102は、モータ81aの制御状態に関する情報を記憶する。モータ81aの制御状態に関する情報は、現在のモータ81aの制御状態が、第1制御状態であるのか、第2制御状態であるのかを示す情報を含む。制御部101は、記憶部102からモータ81aの制御状態に関する情報を読み込むことによって、現在のモータ81aの制御状態を取得できる。
【0106】
制御部101は、第1制御状態、および、第2制御状態において、人力駆動車1の走行速度に応じてモータ81aを停止する。本実施形態では、制御部101は、前記第1制御状態において、前記人力駆動車1の走行速度が第1走行速度を超えると前記モータ81aを停止する。
【0107】
本実施形態では、制御部101は、前記第2制御状態において、前記人力駆動車1の前記走行速度が第2走行速度を超えると前記モータ81aを停止し、前記第2走行速度は前記第1走行速度よりも大きい。
【0108】
図11を用いて制御部101が実行する制御の一例を説明する。制御部101は、
図11に示すフローチャートに従った第5制御フローを、所定の条件を満たす場合に開始する。制御部101は、第5制御フローが終了すると、所定の条件を満たすまで、第5制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。第5制御フローの開始の条件、および、第5制御フローの実行を繰り返す条件は、第1実施形態における第1制御フローと同様である。
【0109】
ステップS41において、制御部101は、各種のセンサから出力される信号に基づいて人力駆動車1の走行速度を取得する。制御部101は、記憶部102に記憶された情報と、人力駆動車1の走行速度とを比較してモータ81aを制御する。記憶部102は、人力駆動車1の走行速度に関連する第1走行速度、および、第2走行速度に関する情報を記憶する。制御部101は、モータ81aを第1制御状態で制御している状態において、人力駆動車1の走行速度が第1走行速度を超えているかどうかを判定する。制御部101は、人力駆動車1の走行速度が第1走行速度を超過していると、モータ81aの出力を停止するようにモータ81aを制御する。制御部101は、第1制御状態において、人力駆動車1の走行速度が第1走行速度を超えていると判定した場合、ステップS42に移行する。制御部101は、第1制御状態において、人力駆動車1の走行速度が第1走行速度を超えていないと判定した場合、ステップS43に移行する。
【0110】
ステップS42において、制御部101は、モータ81aを停止する停止信号をモータ81aに出力する。制御部101は、ステップS42の処理を行った後、第5制御フローを終了する。
【0111】
ステップS43において、制御部101は、モータ81aを第2制御状態で制御している状態において、人力駆動車1の走行速度が第2走行速度を超えているかどうかを判定する。制御部101は、人力駆動車1の走行速度が第2走行速度を超過していると、モータ81aの出力を停止するようにモータ81aを制御する。制御部101は、第2制御状態において、人力駆動車1の走行速度が第2走行速度を超えていると判定した場合、ステップS44に移行する。制御部101は、第2制御状態において、人力駆動車1の走行速度が第2走行速度を超えていないと判定した場合、第5制御フローを終了する。
【0112】
ステップS44において、制御部101は、モータ81aを停止する停止信号をモータ81aに出力する。制御部101は、ステップS44の処理を行った後、第5制御フローを終了する。
【0113】
制御部101は、第5制御フローのステップS42の処理を実行することによって、モータ81aを、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に適した制御を行える。本実施形態では、制御部101は、ピボット角度Dが第2ピボット角度より小さい第1ピボット角度の場合にモータ81aを第1制御状態で制御する。制御部101は、第1制御状態において、人力駆動車1の走行速度が第1走行速度を超えるとモータ81aを停止する。第1走行速度が第2走行速度よりも小さいため、制御部101は、例えば、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に、人力駆動車1の走行速度の増加に伴う人力駆動車1のアシストの停止タイミングを早められる。荷台Cと搭乗部44との旋回状態が大きい場合に人力駆動車1のアシストの停止タイミングを早められることによって、人力駆動車1の小回りが利くようになるため、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0114】
制御部101は、第5制御フローのステップS44の処理を実行することによって、モータ81aを、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に適した制御を行える。本実施形態では、制御部101は、ピボット角度Dが第1ピボット角度より小さい第2ピボット角度の場合にモータ81aを第2制御状態で制御する。制御部101は、第2制御状態において、人力駆動車1の走行速度が第2走行速度を超えるとモータ81aを停止する。第2走行速度が第1走行速度よりも大きいため、制御部101は、荷台Cと搭乗部44との旋回状態が小さい場合に人力駆動車1によるアシストを継続して行い易くなり、人力駆動車1の走行の快適性、および、安定性が向上する。
【0115】
(変形例)
各実施形態に関する説明は、本発明に従う制御システム70、および、制御装置100が取り得る形態の例示であり、本発明を制限することを意図していない。本発明に従う制御システム70、および、制御装置100は、例えば以下に示す各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わされた形態を取り得る。
【0116】
例えば、各実施形態における人力駆動車1の構成は一例であり、人力駆動車1は、各実施形態において示されない各種装置を含んでいてもよく、各実施形態において示す各種装置のうち一部を含まない構成としてもよい。
【0117】
図12には、人力駆動車1の変形例を示す。
図12においては、人力駆動車1を模式的に記載すると共に、人力駆動車1の一部の装置、および、機構の記載を省略する。
図12においては、例えば、制動装置、および、駆動機構50等の記載を省略する。
【0118】
図12で示す荷台Cは、支持部146に支持される。後輪20、支持部146、および、荷台Cは、ピボット部C14aを介してフレーム40に連結されることによって、フレーム40に対してロール方向に相対回転するように構成される。変形例におけるピボット角度Dは、搭乗部44に対する荷台Cのロール方向における相対的な回転角度となる。変形例におけるピボット角度Dは、荷台Cに対する搭乗部44のロール方向における相対的な回転角度であってもよい。制御部101は、各実施形態における制御フローを実行してモータ81aの制御状態の変更等を行うことによって、変形例におけるピボット角度Dに基づいてドライブユニット81を制御できる。
【0119】
各実施形態において例示される構成は、相互に矛盾しない範囲において互いに組み合わせられてもよい。各実施形態において例示されるフローチャートの処理内容、および、処理順序は一例であり、本発明の範囲内において適宜処理内容、および、処理順序を変更できる。
【0120】
各実施形態において例示される制御において用いられる各種の閾値は限定されず、任意に設定されてもよい。各種の閾値は、操作装置43の操作等によって任意に変更されてもよい。
【0121】
各実施形態において制御部101が制御する電気部品80は、ドライブユニット81に限定されない。各実施形態において、制御部101は、ドライブユニット81とは異なる電気部品80を制御してもよい。各実施形態において、制御部101は、例えば、電動サスペンション82、電動シートポスト83、電動リアディレイラ84、電動フロントディレイラ85、電動クラッチ86、電子端末87、ディスプレイ88、振動発生装置89、光発生装置90、および、音発生装置91の少なくとも1つを制御してもよい。
【0122】
制御部101は、例えば、各実施形態において電動サスペンション82を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、電動サスペンション82の各種パラメータを変更する。電動サスペンション82の各種パラメータは、例えば、ロックアウト状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つを含む。
【0123】
制御部101は、例えば、各実施形態において電動シートポスト83を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、電動シートポスト83の各種パラメータを変更する。電動シートポスト83の各種パラメータは、例えば、搭乗部44の高さを含む。
【0124】
制御部101は、例えば、各実施形態において電動リアディレイラ84を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、電動リアディレイラ84の各種パラメータを変更する。電動リアディレイラ84の各種パラメータは、例えば、変速ステージを含む。
【0125】
制御部101は、例えば、各実施形態において電動フロントディレイラ85を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、電動フロントディレイラ85の各種パラメータを変更する。電動フロントディレイラ85の各種パラメータは、例えば、変速ステージを含む。
【0126】
制御部101は、例えば、各実施形態において電動クラッチ86を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、電動クラッチ86の伝達状態を第1伝達状態、および、第2伝達状態の一方を、第1伝達状態、および、第2伝達状態の他方に切り替える。
【0127】
制御部101は、例えば、各実施形態において電子端末87を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、所定の報知動作を行わせる。電子端末87に行わせる所定の報知動作は、所定のメッセージを表示する動作、所定の振動を発生する動作、所定の光を出力する動作、および、所定の音声を出力する動作の少なくとも1つを含む。
【0128】
制御部101は、例えば、各実施形態においてディスプレイ88を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、所定の報知動作を行わせる。ディスプレイ88に行わせる所定の報知動作は、所定のメッセージを表示する動作を含む。
【0129】
制御部101は、例えば、各実施形態において振動発生装置89を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、所定の報知動作を行わせる。振動発生装置89に行わせる所定の報知動作は、所定の振動を発生する動作を含む。
【0130】
制御部101は、例えば、各実施形態において光発生装置90を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、所定の報知動作を行わせる。光発生装置90に行わせる所定の報知動作は、所定の光を発生する動作を含む。
【0131】
制御部101は、例えば、各実施形態において音発生装置91を制御する場合、ピボット角度D、モータ81aの制御状態、および、人力駆動車1の走行速度に応じて、所定の報知動作を行わせる。音発生装置91に行わせる所定の報知動作は、所定の音を発生する動作を含む。
【0132】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0133】
1…人力駆動車、42…ハンドル部、44…搭乗部、70…制御システム、80…電気部品、81…ドライブユニット、81a…モータ、82…電動サスペンション、83…電動シートポスト、84…電動リアディレイラ、85…電動フロントディレイラ、86…電動クラッチ、87…電子端末、88…ディスプレイ、89…振動発生装置、90…光発生装置、91…音発生装置、100…制御装置、101…制御部、110…センサ、C…荷台、C14a…ピボット部、D…ピボット角度、PM…最大出力値、PM1…第1出力値、PM2…第2出力値