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特開2023-77791ビニルハウスの直交パイプの結合用くさび
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077791
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ビニルハウスの直交パイプの結合用くさび
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20230530BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20230530BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
A01G9/14 F
F16B7/04 301J
E04B1/58 509J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191235
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000221568
【氏名又は名称】東都興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100174207
【弁理士】
【氏名又は名称】筬島 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正人
【テーマコード(参考)】
2B029
2E125
3J039
【Fターム(参考)】
2B029BC02
2E125CA42
3J039AA06
3J039BB01
3J039DA02
3J039DA08
(57)【要約】
【課題】仮止め作業時にハンマーの衝撃でくさびが結合具本体から外れにくく、嵌めていくだけで直交パイプ同士の仮止めができてパイプを保持するビニルハウスの直交パイプの結合用くさびを提供する。
【解決手段】結合具本本体4の挿入ガイド40、41に沿って挿入され直交する2つのパイプ1、2を結合する板部50と両側面部51、51を備えた断面略コ字状のくさび5であり、結合具本体4により保持して直交する2つのパイプ1、2を仮止めするために、くさび5が前端と後端の挿入ガイド40、41に沿って挿入された際、摺動して接する切欠き部42内のパイプ2を押圧しつつ乗り越えた直後に一旦係止して仮止め状態を確保する段差状の仮止め用凸部6が、板部50の表面50aに設けられている。
【選択図】図7



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルハウスの直交する2つのパイプを結合する結合具をなす平面方向視がU字状の結合具本体は、両側の内端部に内向きに折り返した形でくさびの挿入ガイドが形成され、側面方向視もU字状に小さく切り欠かれた切欠き部によって前記挿入ガイドが前端と後端に分断されていると共に、前記挿入ガイドに沿って挿入され前記直交する2つのパイプを結合する板部と両側面部を備えた断面略コ字状のくさびにおいて、
前記結合具本体により保持して直交する2つのパイプを仮止めするために、前記くさびが前端と後端の挿入ガイドに沿って挿入された際、摺動して接する前記切欠き部内のパイプを押圧しつつ乗り越えた直後に一旦係止して仮止め状態を確保する配置の段差状の仮止め用凸部が、前記板部の表面に設けられていることを特徴とする、ビニルハウスの直交パイプの結合用くさび。
【請求項2】
ビニルハウスの直交する2つのパイプを結合する結合具をなす平面方向視がU字状の結合具本体は、両側の内端部に内向きに折り返した形でくさびの挿入ガイドが形成され、側面方向視もU字状に小さく切り欠かれた切欠き部によって前記挿入ガイドが前端と後端に分断されていると共に、前記挿入ガイドに沿って挿入され前記直交する2つのパイプを結合する板部と両側面部を備えた断面略コ字状のくさびにおいて、
前記結合具本体により保持して直交する2つのパイプを仮止めするために、前記くさびが前端と後端の挿入ガイドに沿って挿入された際、摺動して接する前記切欠き部内のパイプを押圧しつつ一旦係止して仮止め状態を確保する突出状の仮止め用爪部が、後端の挿入ガイドに係止して仮止め可能な配置で前記両側面部に設けられていることを特徴とする、ビニルハウスの直交パイプの結合用くさび。
【請求項3】
前記仮止め用凸部は、くさび表面を切り起こして傾斜状に突出させた切り起こし部として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載したビニルハウスの直交パイプの結合用くさび。
【請求項4】
前記仮止め用凸部は、くさび表面に小さく突出させたポッチ部として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載したビニルハウスの直交パイプの結合用くさび。
【請求項5】
前記仮止め用凸部に加えて、更に仮止め状態を確保する突出状の仮止め用爪部が、後端の挿入ガイドに係止して仮止め可能な配置で前記両側面部に設けられていることを特徴とする、請求項1又は3又は4に記載したビニルハウスの直交パイプの結合用くさび。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビニルハウスの直交パイプの結合用くさびに係り、さらに言えば、図16に示したようなビニルハウスの骨組を軽量パイプ(又は棒でも可。以下同じ)によって組立てるとき、2本の直交する関係のパイプを本締めによる結合前に、一時的な仮止めを適切に行う結合具のくさびに関する。
【背景技術】
【0002】
くさび止め式のパイプ結合具に関する従来技術として、特許文献1、2に挙げたようなものが公知である。その使用方法は、まずハウス端部で直交する2本のパイプにパイプ結合具の結合具本体(金具)をセットし、ハンマーを使用して前記結合具本体にくさびを軽く打ち込んで仮止めし、同様に、所定間隔をあけて反対側のハウス端部までくさびをハンマーで軽く打ち込んで直交パイプを固定していくという仮止め作業を行う。このハンマーによる仮止め作業が一通り打ち終わると、残る全ての直交パイプにパイプ結合具を取り付け、ハンマーでくさびを本締めする作業を一つずつ行う。
このように、ビニルハウスの骨組をなす直交する2本のパイプをくさび作用で結合し固定する作業は、くさび止め式のパイプ結合具を使用して、まず仮止めをした後、本締めをして行うのが一般的である。いきなり本締めをしてしまうと、一旦くさびを反対側から抜き、外してから修正を行う必要があるので作業効率が悪い。そのため、ビニルハウスを組み立てる際、骨組パイプの変形や地面の凸凹具合を検討しながら、結合具の位置を決めていくのが良く、直交するパイプ同士の結合箇所は、完全に固定(本締め)しないで、仮止め状態として修正しながら結合作業を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-301765公報
【特許文献2】実用新案登録第2547624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような従来のくさび止め式のパイプ結合具は、仮止め手段を備えている訳ではない。そのため、ハンマーによるくさびの仮止め作業後に行う本締め作業時に、衝撃で仮止め時のくさびが結合具本体から抜けてしまう場合がある。一旦くさびが結合具本体から抜けるとパイプ同士を保持することができない。そのようなくさびに対するハンマーの打ち込み加減に十分注意しながらの仮止め作業は面倒で作業効率が悪く、この点が解決すべき問題点とされている。
したがって、本発明の目的は、本締め前の一時的な仮止め作業時に、ハンマーの衝撃でくさびが結合具本体から外れにくく、ハンマーを強く打ち込まなくても嵌めていくだけで効率よく直交パイプ同士の仮止めが適切に行え、仮止め作業効率の向上を図ったビニルハウスの直交パイプの結合用くさびを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決する手段として、請求項1に記載した発明は、ビニルハウスSの直交する2つのパイプ1、2を結合する結合具3をなす平面方向視がU字状の結合具本体4は、両側の内端部に内向きに折り返した形でくさびの挿入ガイド40、41が形成され、側面方向視もU字状に小さく切り欠かれた切欠き部42によって前記挿入ガイド40、41が前端と後端に分断されていると共に、前記挿入ガイド40、41に沿って挿入され前記直交する2つのパイプ1、2を結合する板部50と両側面部51、51を備えた断面略コ字状のくさび5において、
前記結合具本体4により保持して直交する2つのパイプ1、2を仮止めするために、前記くさび5が前端と後端の挿入ガイド40、41に沿って挿入された際、摺動して接する前記切欠き部42内のパイプ2を押圧しつつ乗り越えた直後に一旦係止して仮止め状態を確保する配置の段差状の仮止め用凸部6が、前記板部50の表面50aに設けられていることを特徴とする、ビニルハウスの直交パイプの結合用くさびである。
【0006】
請求項2に記載した発明は、ビニルハウスSの直交する2つのパイプ1、2を結合する結合具3をなす平面方向視がU字状の結合具本体4は、両側の内端部に内向きに折り返した形でくさびの挿入ガイド40、41が形成され、側面方向視もU字状に小さく切り欠かれた切欠き部42によって前記挿入ガイド40、41が前端と後端に分断されていると共に、前記挿入ガイド40、41に沿って挿入され前記直交する2つのパイプ1、2を結合する板部50と両側面部51、51を備えた断面略コ字状のくさび5において、
前記結合具本体4により保持して直交する2つのパイプ1、2を仮止めするために、前記くさび5が前端と後端の挿入ガイド40、41に沿って挿入された際、摺動して接する前記切欠き部42内のパイプ2を押圧しつつ一旦係止して仮止め状態を確保する突出状の仮止め用爪部7が、後端の挿入ガイド41に係止して仮止め可能な配置で前記両側面部51、51に設けられていることを特徴とする、ビニルハウスの直交パイプの結合用くさびである。
【0007】
請求項3に記載した発明は、前記仮止め用凸部6は、くさび表面50aを切り起こして傾斜状に突出させた切り起こし部60として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載したビニルハウスの直交パイプの結合用くさびである。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記仮止め用凸部6は、くさび表面50aに小さく突出させたポッチ部61として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載したビニルハウスの直交パイプの結合用くさびである。
【0009】
請求項5に記載した発明は、前記仮止め用凸部6に加えて、更に仮止め状態を確保する突出状の仮止め用爪部7が、後端の挿入ガイド41に係止して仮止め可能な配置で前記両側面部51、51に設けられていることを特徴とする、請求項1又は3又は4に記載したビニルハウスの直交パイプの結合用くさびである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のビニルハウスの直交パイプの結合用くさびによれば、板部の表面に形成した仮止め用凸部や、両側面部に形成した仮止め用爪部によって、作業員は手で結合具本体の仮止め位置まで簡単に嵌められて仮止めすることができる。ハンマーによっても2、3回程度の嵌め込みで楽に仮止めを行える。一旦嵌めると外れにくくなるので、直交パイプと結合具に力が加わり続けて、パイプ同士の仮止め状態の持続が達成される。
また、ハンマーの衝撃が加わっても本くさびは結合具本体から外れにくいので、くさびの仮止め作業を全て行ってからでも、ハンマーによる打ち込みの本締め作業を行える自在性に優れている。しかも、くさびを嵌める仮止め作業をする人と、くさびを打ち込む本締め作業をする人の分担ができる上、誰でも難なくこの分担作業を行え、施工の幅が広がり作業効率の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るビニルハウスの直交パイプの結合用くさび(第1実施例)を示した斜視図である。
図2】Aは図1のくさびを示した図3AにおけるA-A断面図、Bは当該図2AにおけるA部分の拡大図である。
図3】Aは図1のくさびを示した正面図、Bは同右側面図、Cは同裏面図、Dは同底面図である。
図4図1のくさびによる2本の直交パイプの仮止め状態を示した側面図である。
図5図4の2本の直交パイプの仮止め状態を斜め上方から示した斜視図である。
図6】Aは図4の2本の直交パイプの仮止め状態を示した裏面図、Bはその仮止め状態を斜め上方から示した異なる斜視図である。
図7図4の2本の直交パイプの仮止め状態を、くさび以外を仮想線(破線)で示した斜め下方斜視図である。
図8】Aは図1のくさびの本締め状態を示した斜め上方斜視図、Bは同本締め状態を示した裏面図、Cは当該図8Bの側面図である。
図9】異なるくさび(第2実施例)を示した斜視図である。
図10図9のくさびによる2本の直交パイプの仮止め状態を、くさび以外を仮想線(破線)で示した斜め下方斜視図である。
図11】異なるくさび(第3実施例)を示した斜視図である。
図12】Aは図11のくさびを示した正面図、Bは同右側面図、Cは同裏面図、Dは同底面図である。
図13】Aは図11のくさびによる2本の直交パイプの仮止め状態を示した側面図、Bはその斜め下方斜視図である。
図14図11のくさびによる2本の直交パイプの仮止め状態を、くさび以外を仮想線(破線)で示した斜め下方斜視図である。
図15】異なるくさび(第4実施例)を示した斜視図である。
図16】Aはビニルハウスの2本の直交パイプの仮止め状態を一部省略して小さく示した斜視図、Bは同図16AのA部の仮止め状態を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のビニルハウスの直交パイプの結合用くさび5は、図16に示したようなビニルハウスS(パイプハウス)を構築する際に使用される結合具3を、結合具本体4と共に構成するものである。このビニルハウスSは、アーチ状に垂直配置される多数の垂直パイプ1と、その垂直パイプ1に直交し棟方向に水平配置される水平パイプ2によってトンネル状のハウス骨組が形成されている。
以下の各実施例では、垂直パイプ1の直径は約19mm程度又は約22mm程度、水平パイプ2の直径は約19mm程度又は約22mm程度又は約25mm程度であり、それらの2本の直交パイプ1、2の組合せに本くさび5は適用される。但し、パイプ径はこれらに限定されるものではない。
【0013】
<第1実施例>
図1図8に示した本発明の第1実施例を説明する。
前記のようにビニルハウスSの直交する2つのパイプ1、2を結合する結合具3は、下記の結合具本体4と、その下端縁の挿入ガイド40、41に沿って打ち込まれるくさび5との組合わせで構成されている。
結合具3をなす平面方向視がU字状の結合具本体4(図5参照)は、両側下端の内端部に内向きに折り返した形でくさびの挿入ガイド40、41が形成され、側面方向視もU字状に小さく切り欠かれた切欠き部42(深さは内部に配置される垂直パイプ1の開放側面に到達する程度)によって前記挿入ガイド40、41が前端と後端に分断されている。この結合具本体4にまず1本のパイプ1が垂直方向に配置して納められ、次に前記切欠き部4にもう1本の水平パイプ2を垂直パイプ1と直交する配置で、しかも両パイプ1、2同士が当接する状態に納められる。
【0014】
本くさび5は、鋼板のプレス成形品で、全長約65mm程度、幅寸約37mm程度の断面略コ字状に形成されている。すなわち、前記結合具本体4の挿入ガイド40、41に沿って挿入され直交する2つのパイプ1、2を結合する板部50は、打ち込み方向の前側に若干傾斜する傾斜部52を備え、前記板部50の両側は平面方向視がハ字状に折り曲げられた両側面部51、51(最大高さは約10mm程度)とで形成されている(図3D参照)。
前記板部5の表面50aの略中央には、小さく山形状に突出させた本締め用のポッチ部61が形成されている。また、前記の両側面部51の後端部51aには、直交するパイプ1、2を本締めして結合する際に、結合具本体4の後端の挿入ガイド41に対し篏合自在に僅かに切り欠かれた本締め用切欠部9(幅寸約17mm程度、高さ約10mm程度)が形成されている(以下の各実施例において同じ)。
そして、前記結合具本体4により保持して直交する2つのパイプ1、2を仮止めするために、前端の挿入ガイド40と後端の挿入ガイド41に沿って挿入された当該くさび5は、摺動して接する切欠き部42内の水平パイプ2を押圧しつつ、同水平パイプ2を乗り越えた直後に一旦係止して仮止め状態を確保する段差状の仮止め用凸部6が、板部50の表面50aに設けられている。
本実施例の仮止め用凸部6は、板部50の裏面からプレス加工等によりくさび表面50aを切り起こして傾斜状に突出させた切り起こし部60として形成されている。この切り起こし部60の内端(切り起こし端縁)位置は、くさび先端(図1図2Aの下端)から約17mm程度の箇所が好適である。切り起こし部60の幅寸は約6mm程度、全長は約8.6mm程度、切り起こし高さは約1.8mm程度(図2B参照)である。
【0015】
上記構成のくさび5による仮止め方法について説明する。
図4図7に示したように、垂直パイプ1に対し外側から納めた結合具本体4の切欠き部42中に水平パイプ2を納め、同水平パイプ2の手前側へ挿入ガイド40、41に沿ってくさび5を挿入する。そして、本くさび5の先端が前端の挿入ガイド40に少し嵌るのが確認できる程度に手又はハンマーで少し嵌め込むだけで、仮止め用凸部6の切り起こし部60が、水平パイプ2を押圧しつつ乗り越えた直後に同水平パイプ2の下端に一旦係止して、くさび5は動かなくなる。このように、切り起こし部60によって本くさび5が一時的であっても結合具本体4から抜けないため、パイプ2、1と結合具本体4に力が加わり続けて仮止め状態が保持される。
しかる後に本締め作業を行う。図8に示したように、前記仮止め状態のくさび5をハンマーで打ち込めば、仮止め用の切り起こし部60は水平パイプ2への係止が解除されて下方に変位し、つづいて本締め用のポッチ部8が水平パイプ2に強固に当接すると共に、本締め用切欠部9が結合具本体4の後端の挿入ガイド41に篏合し、強固な本締めのパイプ結合が達成される。
【0016】
<第2実施例>
図9図10に示した第2実施例を説明する。
本実施例の仮止め用凸部6は、前記のような切り起こし部60に代わって、本締め用ポッチ部61と同時に、くさび表面50aに小さく山形状に突出させたポッチ部61として形成されている。当該仮止め用のポッチ部61の位置は、くさび先端から約20m程度の箇所が好適である。
したがって、この仮止め用のポッチ部61によっても、前記第1実施例と同様に、水平パイプ2を当該ポッチ部61が乗り越えた直後に当該くさび5が一旦係止する仮止め状態が確保される。
【0017】
<第3実施例>
次に、図11図14に示した第3実施例を説明する。
仮止め状態を確保する突出状の仮止め用爪部7が、後端の挿入ガイド41に引っ掛かることにより係止して仮止め可能な配置で前記両側面部51、51に設けられている。すなわち、上述した断面略コ字状のくさび5において、突出状の仮止め用爪部7が、後端の挿入ガイド41に係止して仮止め可能な配置で両側面部51、51に設けられている。やはり、前記のように結合具本体4により保持して直交する2つのパイプ1、2を仮止めするために、前端と後端の挿入ガイド40、41に沿って挿入された当該くさび5が、摺動して接する切欠き部42内のパイプ2を押圧しつつ一時的な仮止め状態を確保するものである。
具体的に述べると、当該仮止め用爪部7は、くさび先端(図11の下端)から約28mm程度の側面部51に設けられている。加えて、この爪部7から約8mm程度の範囲部位が僅かに切り欠かれた凹部51bとして形成することにより、仮止め用爪部7が側面部51から相対的に突出する形となっている。
したがって、図13図14に示したように、仮止め時にはこの仮止め用爪部7が結合具本体4の後端の挿入ガイド41の前側縁に係止して、本くさび5は一旦係止する仮止め状態が確保される。
【0018】
<第4実施例>
図15に示した第4実施例を説明する。
このくさび5は、上述した第2実施例のポッチ部61たる仮止め用凸部6に加えて、第3実施例のように更に仮止め状態を確保する突出状の仮止め用爪部7が、後端の挿入ガイド41に引っ掛けて仮止め可能な配置で両側面部51、51に設けられている。
仮止め用凸部6と仮止め用爪部7を併用するもので、本くさび5の仮止め機能がより一層高められている。
なお、本実施例におけるポッチ部61に代えて、上術した第1実施例の切り起こし部60とする実施例も勿論採用可能である(図示は省略)。
【0019】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例の限りではなく、例えば、アーチ状のパイプ1がハウス天井で湾曲する部位に対応した図示省略の結合具本体4(棟用金具)にも本くさび5による仮止め使用が可能である等その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために申し添える。
【符号の説明】
【0020】
S ビニルハウス
1 パイプ(垂直配置)
2 パイプ(水平配置)
3 結合具
4 結合具本体
40 挿入ガイド(前端)
41 挿入ガイド(後端)
42 切欠き部
5 くさび
50 板部
50a 表面
51 側面部
51a 後端部
52 傾斜部
6 仮止め用凸部
60 切り起こし部
61 ポッチ部
7 仮止め用爪部
8 本締め用ポッチ部
1 本締め用切欠部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16