(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077800
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】建材連結構造及び建具装置並びに建材連結方法
(51)【国際特許分類】
E06B 1/60 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
E06B1/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191252
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 茂
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA03
2E011KA05
2E011KB02
2E011KB03
2E011KC02
2E011KC04
2E011KD23
2E011KD24
2E011KD27
2E011KD35
2E011KE03
(57)【要約】
【課題】 連結される二つの建材の位置関係を調整する。
【解決手段】 二つの建材を連結する建材連結構造Aであって、前記二つの建材のうちの一方の建材から他方の建材20へ向かって突出する第一片部31aと、他方の建材20から前記一方の建材へ向かって突出するとともに第一片部31aに対し間隔Wを置いて並ぶ第二片部32aと、第一片部31a及び第二片部32aを連結するとともに間隔Wを回転操作により調節可能にした間隔調整手段40とを具備した。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの建材を連結する建材連結構造であって、
前記二つの建材のうちの一方の建材から他方の建材へ向かって突出する第一片部と、他方の建材から前記一方の建材へ向かって突出するとともに前記第一片部に対し間隔を置いて並ぶ第二片部と、前記第一片部及び前記第二片部を連結するとともに前記間隔を回転操作により調節可能にした間隔調整手段とを具備したことを特徴とする建材連結構造。
【請求項2】
前記間隔調整手段は、螺合部材を備え、
前記螺合部材は、前記第一片部に対し軸方向への移動が規制された状態で回転自在に挿通されるとともに、前記第二片部に螺合するネジ軸部と、前記ネジ軸部の一端側に設けられた回転操作部とを有することを特徴とする請求項1記載の建材連結構造。
【請求項3】
前記第一片部には、前記ネジ軸部を回転自在に挿通する貫通孔が設けられ、
前記間隔調整手段は、前記螺合部材と、前記螺合部材の軸方向の移動を規制する移動規制部材とを備え、
前記螺合部材は、前記ネジ軸部における前記第一片部よりも後側に前記貫通孔よりも外径が大きい環状の前記回転操作部を有し、
前記移動規制部材は、前記ネジ軸部における前記第一片部よりも前側に固定され、前記貫通孔を通り抜け不能な形状であることを特徴とする請求項2記載の建材連結構造。
【請求項4】
前記間隔調整手段は、ネジ軸部の後側に回転操作部を有する第一の螺合部材及び第二の螺合部材を備え、
前記第一の螺合部材は、前記第一片部に対し回転自在に挿通され、前記第一片部よりも後側に前記回転操作部を配置し、前記第一片部よりも前側で前記第二片部に前記ネジ軸部を螺合し、
前記第二の螺合部材は、前記第一片部よりも後側に前記回転操作部を配置し、前記ネジ軸部を前記第一片部に螺合し、前記第二片部に対し前方への移動が規制された状態で回転自在に係合していることを特徴とする請求項1記載の建材連結構造。
【請求項5】
前記第二の螺合部材は、前端部を前記第二片部に対し当接していることを特徴とする請求項4記載の建材連結構造。
【請求項6】
二つの建材のうち、その一方がドア枠であり、他方がドア枠の周囲に間隔を置いて配設される建材であることを特徴とする請求項1~5何れか1項記載の建材連結構造。
【請求項7】
請求項1~6何れか1項記載の建材連結構造を備えた建具装置。
【請求項8】
前記間隔調整手段に対する回転操作により、前記第一片部と前記第二片部の間隔を調節する工程を含むことを特徴とする請求項1~6何れか1項記載の建材連結構造における建材連結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの建材を連結するための建材連結構造、及びこの建材連結構造を備えた建具装置、並びに建材連結方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、建物側に矩形枠状に固定されるフレームの内側に、一回りほど小さい矩形枠状のドア枠を嵌め合わせて連結し、ドア枠内にドアパネルが設置されるようにした建材の連結構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したような従来の建材の連結構造では、ドア枠を見込み方向に正確に位置出してから固定する必要がある。仮に、建物側のフレームの位置が不正確な状態で、ドア枠の取り付け作業をしてしまうと、建物に対しドア枠が不正確に固定されてしてしまい、修正作業が困難な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の構成を具備するものである。
二つの建材を連結する建材連結構造であって、前記二つの建材のうちの一方の建材から他方の建材へ向かって突出する第一片部と、他方の建材から前記一方の建材へ向かって突出するとともに前記第一片部に対し間隔を置いて並ぶ第二片部と、前記第一片部及び前記第二片部を連結するとともに前記間隔を回転操作により調節可能にした間隔調整手段とを具備したことを特徴とする建材連結構造。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、連結される二つの建材の位置関係を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る建材連結構造の一例を適用した建具装置を示す正面図である。
【
図2】同建具装置について、開閉体及び壁部を省いた状態を示す正面図である。
【
図4】枠体の一例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
【
図5】
図3の(V)-(V)線に沿う断面図である。
【
図6】本発明に係る建材連結構造の他例を示す要部拡大図である。
【
図7】
図6の(VII)-(VII)線に沿う断面図である。
【
図8】本発明に係る建材連結構造の他例を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、二つの建材を連結する建材連結構造であって、前記二つの建材のうちの一方の建材から他方の建材へ向かって突出する第一片部と、他方の建材から前記一方の建材へ向かって突出するとともに前記第一片部に対し間隔を置いて並ぶ第二片部と、前記第一片部及び前記第二片部を連結するとともに前記間隔を回転操作により調節可能にした間隔調整手段とを具備した(
図1~
図8参照)。
【0009】
第二の特徴として、前記間隔調整手段は、螺合部材を備え、前記螺合部材は、前記第一片部に対し軸方向への移動が規制された状態で回転自在に挿通されるとともに、前記第二片部に螺合するネジ軸部と、前記ネジ軸部の一端側に設けられた回転操作部とを有する(
図5参照)。
【0010】
第三の特徴として、前記第一片部には、前記ネジ軸部を回転自在に挿通する貫通孔が設けられ、前記間隔調整手段は、前記螺合部材と、前記螺合部材の軸方向の移動を規制する移動規制部材とを備え、前記螺合部材は、前記ネジ軸部における前記第一片部よりも後側に前記貫通孔よりも外径が大きい環状の前記回転操作部を有し、前記移動規制部材は、前記ネジ軸部における前記第一片部よりも前側に固定され、前記貫通孔を通り抜け不能な形状である(
図5参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記間隔調整手段は、ネジ軸部の後側に回転操作部を有する第一の螺合部材及び第二の螺合部材を備え、前記第一の螺合部材は、前記第一片部に対し回転自在に挿通され、前記第一片部よりも後側に前記回転操作部を配置し、前記第一片部よりも前側で前記第二片部に前記ネジ軸部を螺合し、前記第二の螺合部材は、前記第一片部よりも後側に前記回転操作部を配置し、前記ネジ軸部を前記第一片部に螺合し、前記第二片部に対し前方への移動が規制された状態で回転自在に係合している(
図7参照)。
【0012】
第五の特徴として、前記第二の螺合部材は、前端部を前記第二片部に対し当接している(
図7参照)。
【0013】
第六の特徴として、二つの建材のうち、その一方がドア枠であり、他方がドア枠の周囲に間隔を置いて配設される建材である(
図2参照)。
【0014】
第七の特徴は、建具装置であって、上記建材連結構造を備える(
図1参照)。
【0015】
第8の特徴は、建材連結方法であって、前記間隔調整手段に対する回転操作により、前記第一片部と前記第二片部の間隔を調節する工程を含む(
図5及び
図7参照)。
【0016】
<第一の実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、「見付け方向」とは、枠体10の横幅方向(
図1の左右方向)を意味する。また、「見込み方向」とは、「見付け方向」に略直交する枠厚の方向(
図1の奥行方向)を意味する。
また、「枠内側」とは、枠体10の内側を示し、「枠外側」とは、枠体10の外側を示す。
【0017】
図1は、本発明に係る建材連結構造Aを適用した建具装置1を示す。
建具装置1は、一方の建材である枠体10と、枠体10内で開閉回動する開閉体15と、枠体10の周囲に間隔をあけて配設される他方の建材20とを備えたドア装置であり、一方の建材である枠体10と他方の建材20とを、建材連結構造Aによって連結している。
この建具装置1を構成する各部材は、強度及び耐腐食性に優れた金属材料(例えば、鉄やステンレス、アルミニウム合金等)から形成される。
【0018】
枠体10は、左右の側枠部材11,12と、これら側枠部材11,12の上端間に接続された上枠部材13と、側枠部材11,12の下端間に接続された下枠部材14(沓摺と称する場合もある)とから、中央に開口部10a(
図2参照)を有する矩形枠状のドア枠を構成している。
これら側枠部材11,12、上枠部材13及び下枠部材14は、予め工場等で一体に溶接接合されて、枠体10を構成する。この枠体10は、建具装置1の設置対象である建物等の現場に搬送される。
【0019】
左側の側枠部材11と右側の側枠部材12は、それぞれ、
図4に示すように、壁側に開口11a,12aを有する横断面略C字状の部材であり、上下方向へわたる長尺状に形成される。
同様に、上枠部材13も、壁側に開口13aを有する横断面略C字状の部材であり、左右方向へわたる長尺状に形成される。
【0020】
側枠部材11,12及び上枠部材13の各々には、壁側の開口を跨るように、基礎部材17が固定される(
図4及び
図5参照)。
この基礎部材17は、長尺な矩形平板状の部材であり、側枠部材11,12及び上枠部材13の各々に対し、長手方向に間隔を置いて複数設けられる。
各下枠部材14は、長手方向の一端側と他端側が、側枠部材11,12、又は上枠部材13の内部に溶接される。
【0021】
枠体10の内側には、開閉体15が開閉可能に装着される(
図1参照)。
開閉体15は、図示例によれば、戸尻部分を一方の側枠部材12に枢支して回動する扉体(ドア)である。図中符号16は、開閉体15を回動可能に軸支するヒンジである。このヒンジ16は、図示例によれば旗蝶番であるが、他の態様のものを適用可能である。
【0022】
建材20は、枠体10の周囲を、間隔を置いて囲むようにして、不動部位(例えば、建具装置1の設置対象である建物等)に固定される。
図5に例示する建材20は、壁部2を内側から支持する芯材21と、この芯材21の枠内側に止着固定された補強部材22とを一体的に有する。
【0023】
壁部2は、壁厚方向の間隔を置いた2枚の板材(例えば、石膏ボードやベニヤ板、その他のパネル材等)から構成される。
芯材21は、壁部2,2の間で、左右の側枠部材11,12及び上枠部材13を囲む正面視逆凹字状に構成される。
【0024】
建材連結構造Aは、他方の建材20へ向かって第一片部31aを突出させた第一接続部材31と、他方の建材20から前記一方の建材(枠体10)へ向かって第二片部32aを突出させた第二接続部材32と、第一接続部材31及び第二接続部材32を連結するとともにこれらの間隔Wを回転操作により調節可能にした間隔調整手段40とを備える(
図5参照)
【0025】
第一接続部材31は、平板状の基片部31bと、横断面上において基片部31bに略直交して第二接続部材32側へ突出する第一片部31aとからなるアングル状の部材であり、基片部31bを溶接等により基礎部材17に固定している。第一片部31aには、後述する螺合部材41を回転自在に挿通する貫通孔31a1が設けられる。
この第一接続部材31は、図示例によれば、側枠部材11,12又は上枠部材13の長手方向の略全長にわたって連続している。
なお、他例としては、第一接続部材31を、側枠部材11,12又は上枠部材13に対し、長手方向の一部分に設けたり、長手方向に間隔を置いて複数設けたりすることが可能である。
【0026】
第二接続部材32は、平板状の基片部32bと、横断面上において基片部32bに略直交して第一接続部材31側へ突出する第二片部32aとからなるアングル状の部材であり、基片部32bを溶接等により補強部材22に固定している。第二片部32aには、後述する螺合部材41を螺合するネジ孔32a1が設けられる。
この第二接続部材32は、図示例によれば、補強部材22の長手方向の略全長にわたって連続している。
なお、他例としては、第二接続部材32を、補強部材22に対し、長手方向の一部分に設けたり、長手方向に間隔を置いて複数設けたりすることが可能である。
【0027】
第一接続部材31の第一片部31aと、第二接続部材32の第二片部32aは、
図5に示すように、見込み方向に間隔Wを置いて並設される。間隔Wは、間隔調整手段40を用いた回転操作により調整可能である。
【0028】
なお、上述した枠体10、基礎部材17および第一接続部材31は、その一部または全部を一体の部材とすることが可能である。
同様に、上述した芯材21、補強部材22および第二接続部材32は、その一部または全部を一体の部材とすることが可能である。
【0029】
間隔調整手段40は、螺合部材41と、螺合部材41の軸方向の移動を規制する移動規制部材42とを備える。
【0030】
螺合部材41は、移動規制部材42により第一片部31aの貫通孔31a1に対し軸方向への移動が規制された状態で回転自在に挿通されるとともに、第二片部32aのネジ孔32a1に螺合するネジ軸部41aと、ネジ軸部41aの一端側(図示例によれば後端部)に設けられた回転操作部41bとを有する。
【0031】
ネジ軸部41aは、移動規制部材42が嵌り合う部分を円柱状に形成し、この円柱状部分よりも前側に雄ネジを形成している。
回転操作部41bは、第一片部31aよりも後側に位置し、第一片部31aの貫通孔31a1よりも外径が大きい環状に形成される。この回転操作部41bの後端部には、六角レンチやドライバー等の工具Tに嵌合可能な嵌合孔が設けられる。
なお、上記構成の螺合部材41には、例えば一般的なネジやボルトを適用可能である。
【0032】
移動規制部材42は、ネジ軸部41aにおける第一片部31aよりも前側に、軸方向移動不能に固定され、貫通孔31a1を通り抜け不能な形状である。図示例の移動規制部材42は、貫通孔31a1よりも外径が大きい環状に形成されている。この移動規制部材42には、例えば一般的なE形止め輪を適用可能である。
なお、移動規制部材42は、移動規制部材42を通り抜け不能であればよく、他例としては、四角形状や、三角形状、その他の形状とすることが可能である。
【0033】
次に、上記建材連結構造Aにおける建材連結方法について、詳細に説明する。
この建材連結方法は、間隔調整手段40に対する回転操作により、第一片部31aと第二片部32aの間隔Wを調節する工程を含む。
【0034】
第二接続部材32と一体の建材20は、壁側の開口部に、正面視逆凹字状に固定される(
図2参照)。
【0035】
枠体10は建材20の枠内側に挿入される。そして、側枠部材11と建材20の間、側枠部材12と建材20の間、上枠部材13と建材20の間、それぞれの間について、第一片部31aと第二片部32aが正面視上において重なり合う。
【0036】
そして、第一片部31aに螺合部材41が挿入され、この螺合部材41における第一片部31aよりも先端側(前側)に移動規制部材42が嵌め合わせられる。
【0037】
さらに、螺合部材41における移動規制部材42よりも先端側の部分が、第二片部32aにねじ込まれる。
この作業において、第二片部32aのねじ込み量を多くすれば、第一片部31aと第二片部32aの間隔Wが狭まって枠体10が見込み方向の奥側へ移動する。
また、第二片部32aのねじ込み量を少なくすれば、間隔Wが広まって、枠体10が見込み方向の手前側へ移動する。
【0038】
間隔Wの調整は、側枠部材11と建材20の間における上部側と下部側の2か所、側枠部材12と建材20の間における上部側と下部側の2か所、上枠部材13と建材20の間における上部側と下部側の2か所について、それぞれ行うことが可能である。
【0039】
したがって、上記作業により、連結される二つの建材の位置関係を容易に調整することができる。具体的には、枠体10全体の見込み方向の位置を適宜に調整したり、垂直面に対する枠体10の傾きを矯正したりすることが可能である。
【0040】
<第二の実施態様>
上記建具装置1において、建材連結構造Aは、
図6及び
図7に示す建材連結構造Bに置換することが可能である。
【0041】
建材連結構造Bは、前記他方の建材20へ向かって第一片部33aを突出させた第一接続部材33と、前記他方の建材20から前記一方の建材(枠体10)へ向かって第二片部34aを突出させた第二接続部材34と、第一接続部材33及び第二接続部材34を連結するとともにこれらの間隔Wを回転操作により調節可能にした間隔調整手段50とを備える(
図5参照)。
【0042】
第一接続部材33は、平板状の基片部33bと、横断面上において基片部33bに略直交して第二接続部材34側へ突出する第一片部33aとからなるアングル状の部材であり、基片部33bを溶接等により基礎部材17に固定している。
第一片部33aには、第一の螺合部材51を回転自在に挿通する貫通孔33a1と、第二の螺合部材52を螺合するネジ孔33a2が設けられる。
【0043】
第二接続部材34は、平板状の基片部34bと、横断面上において基片部34bに略直交して第一接続部材33側へ突出する第二片部34aとからなるアングル状の部材であり、基片部34bを溶接等により補強部材22に固定している。
第二接続部材34には、第一の螺合部材51を螺合するネジ孔34a1が設けられる。
【0044】
第一片部33aと第二片部34aは、正面視した際に重なり合うように配設される。
【0045】
間隔調整手段50は、ネジ軸部51aの後端側に回転操作部51bを有する第一の螺合部材51と、ネジ軸部52aの後端側に回転操作部52bを有する第二の螺合部材52とを備える。
第一の螺合部材51及び第二の螺合部材52は、具体的には、螺合部材41と同様のネジやボルト等から構成すればよい。
【0046】
第一の螺合部材51は、第一片部33aに対し回転自在に遊挿され、第一片部33aよりも後側に回転操作部51bを配置し、第一片部33aよりも前側でネジ軸部51aを第二片部34aに螺合している。
【0047】
第二の螺合部材52は、第一片部33aよりも後側に回転操作部52bを配置し、ネジ軸部52aを第一片部33aに螺合し、第二片部34aに対し前方への移動が規制された状態で回転自在に係合するように、ネジ軸部52aの先端部(前端)を第二片部34aに当接している。
【0048】
上記構成の建材連結構造Bの建材連結方法は、間隔調整手段50に対する回転操作により、第一片部33aと第二片部34aの間隔を調節する工程を含む。
以下、この建材連結方法について、詳細に説明する。
【0049】
建材20の枠内側には、正面視上において第一片部33aと第二片部34aが重なり合うように、枠体10が挿入される。
【0050】
第一の螺合部材51が第一片部33aに遊挿され第二片部34aに螺合される。第二の螺合部材52は、第一片部33aに螺合され、当初は第二片部34aに当接しないように保持される。
この状態で、第一の螺合部材51を回転させれば、第一片部33aと第二片部34aの間隔Wを調整することができる。すなわち、建材20に対する枠体10の前後方向の位置を調節することができる。
【0051】
そして、前記調整の後、第二の螺合部材52を締め付けて第二片部34aに当接すれば、第一片部33aと第二片部34aを、間隔Wが変化しないよう固定することができる。
したがって、上述した建材連結構造Aと同様に、連結される二つの建材(具体的には枠体10と建材20)の位置関係を容易に調整することができる。
【0052】
<変形例>
上記実施態様によれば、特に好ましい一例として、建材連結構造A(又はB)を、側枠部材11(又は12)と建材20の間の隙間延設方向(
図1の上下方向)に2か所設け、上枠部材13と建材20の間の隙間延設方向(
図1の左右方向)にも2か所設けたが、他例としては、建材連結構造A(又はB)を前記隙間延設方向に3か所以上設けた態様や、建材連結構造A(又はB)を前記隙間延設方向に1か所のみ設けた態様等とすることも可能である。
【0053】
また、
図6及び
図7に示す建材連結構造Bによれば、第一の螺合部材51と第二の螺合部材52を、枠体10と建材20の間の隙間幅方向(
図6によれば左右方向である見付け方向)に並設したが、建材連結構造Bの他例としては、
図8に示す建材連結構造B’のように、第一の螺合部材51と第二の螺合部材52を、枠体10と建材20の間の隙間延設方向(
図8によれば上下方向)に並設して、間隔調整手段50’としてもよい。
【0054】
さらに他例としては、第一の螺合部材51と第二の螺合部材52を斜め方向に並設した態様や、第一の螺合部材51と第二の螺合部材52の二種類の螺合部材のうち、その一方または双方を複数にした態様等とすることも可能である。
【0055】
また、上記実施態様によれば、建具側に第一片部31a,33aを有する第一接続部材31,33を設け、壁側に第二片部32a,34aを有する第二接続部材32,34を設けたが、他例としては、その関係を逆にして、建具側に第二片部32a,34aを有する第二接続部材32,34を設け、壁側に第一片部31a,33aを有する第一接続部材31,33を設けてもよい。
【0056】
また、上記実施態様によれば、第一接続部材31,33と第二接続部材32,34を、それぞれ断面L字状の部材としたが、これら第一接続部材と第二接続部材は、それぞれ上記第一片部と上記第二片部を有する部材であればよく、例えば、断面T字状や、その他の形状とすることが可能である。
【0057】
また、上記実施態様によれば、建材連結構造Aをドア装置に適用したが、この建材連結構造Aの基本構造は、引戸装置や、折戸装置、バランスドア装置、窓装置等について、枠体等の建材と他の建材との連結に適用することが可能である。
【0058】
本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:建具装置
10:枠体(建材)
11:側枠部材
12:側枠部材
13:上枠部材
20:建材
31:第一接続部材
31a:第一片部
31b:基片部
32:第二接続部材
32a:第二片部
32b:基片部
33:第一接続部材
33a:第一片部
33b:基片部
34:第二接続部材
34a:第二片部
34b:基片部
40,50:間隔調整手段
A,B:建材連結構造
W:間隔