(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077804
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】建築物室内の管理データ取得システム、並びに当該システムを用いた原状回復費用算出支援システム及び荷物量特定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230530BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191257
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】521516536
【氏名又は名称】株式会社クラウドコネクションズ
(71)【出願人】
【識別番号】521515470
【氏名又は名称】株式会社AkaneGarden
(74)【代理人】
【識別番号】100125933
【弁理士】
【氏名又は名称】野上 晃
(72)【発明者】
【氏名】園田 順治
(72)【発明者】
【氏名】平工 あつみ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建築物室内の管理データ取得システム並びに当該システムを用いた原状回復費用算出支援システム及び荷物量特定システムを提供する。
【解決手段】建築物室内の管理データ取得システム1において、建築物における室内の水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて得られるパノラマ画像データ及び測距データに基づいて室内空間を画する各境界線両端の座標情報を求める座標演算部27、座標情報に基づいて室内空間のワイヤフレームモデルを作成するワイヤフレームモデル生成部28、パノラマ画像データに含まれる平面の夫々を抽出し、抽出した各平面の画像情報をワイヤフレームモデルにおける各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して3次元画像データを得る3次元画像データ生成部29及びこれらのデータを撮像装置による撮影日時及び建築物に関する建築物特定情報とともにそれぞれ相互に関連づけて保存する記憶部35を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物における室内の略中央の少なくとも1地点の床面から所定の高さに設置されて水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて所定の回転角度だけ一定の回転速度にて回転可能とされ、前記各方向における回転の際にパノラマ画像データを取得可能な撮像部、及び前記室内空間を画する平面のそれぞれとの距離を連続的又は断続的に測定可能な測距部を少なくとも備える撮像装置と、
当該撮像装置で取得した前記パノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて前記室内空間を画する各境界線両端の座標情報を求める座標演算部と、
当該座標演算部の演算結果に基づいて、前記室内空間のワイヤフレームモデルを作成するワイヤフレームモデル生成部と、
前記パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して3次元画像データを得る3次元画像データ生成部と、
前記した座標情報、ワイヤフレームモデル及び3次元画像データを前記撮像装置による撮影日時及び前記建築物に関する建築物特定情報とともにそれぞれ相互に関連づけて保存する記憶部と、
を含むことを特徴とする建築物室内の管理データ取得システム。
【請求項2】
前記3次元画像モデル生成部はさらに、前記座標演算部で求められた座標情報に基づいて前記室内空間の内容積を算出する前記請求項1に記載の管理データ取得システム。
【請求項3】
前記座標演算部、前記ワイヤフレームモデル生成部及び前記3次元画像データ生成部のうちの少なくとも一方における処理は人工知能を活用して行われるものである請求項1又は2に記載の管理データ取得システム。
【請求項4】
賃借人による入居前と入居中又は退去後との2つの時点のそれぞれにおいて賃貸不動産の各室内における略中央の少なくとも1地点の床面から所定の高さに設置されて水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて所定の回転角度だけ一定の回転速度にて回転可能とされ、前記各方向における回転の際にパノラマ画像データを取得可能な撮像部及び前記室内を画する平面のそれぞれとの距離を連続的又は断続的に測定可能な測距部を少なくとも備える撮像装置と、
当該撮像装置で取得した前記パノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて前記各時点における前記室内空間を画する各境界線両端の座標を演算する座標演算部と、
当該座標演算部の演算結果に基づいて、前記各時点における前記室内空間のワイヤフレームモデルを作成するワイヤフレームモデル生成部と、
前記パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して前記各時点における3次元画像データをそれぞれ得る3次元画像データ生成部と、
前記各時点における3次元画像データをそれぞれ対比して差分を求め差分情報を得る対比部と、
前記対比部で求めた差分情報、前記賃貸不動産に関する建築物特定情報、前記賃借人の入居者情報及び賃借人負担割合算定情報に基づいて、前記各平面について原状回復費用における前記賃借人の費用負担の有無及び負担割合を判定する賃借人費用負担評価部と、
前記各時点における座標情報及び3次元画像データ、並びに前記差分情報及び前記賃借人費用負担評価部における評価結果を前記撮像装置による撮影日時、賃貸不動産特定情報とともにそれぞれ相互に関連付けて保存する記録部と、
を含むことを特徴とする賃貸不動産の原状回復費用算定支援システム。
【請求項5】
前記3次元データ生成部はさらに、前記座標演算部で求められた座標情報に基づいて前記室内空間の内容積を算出する前記請求項4に記載の原状回復費用算定支援システム。
【請求項6】
前記対比部及び前記賃借人費用負担評価部のうちの少なくとも一方における処理は人工知能を活用して行われるものである請求項4又は5に記載の原状回復費用算定支援システム。
【請求項7】
賃貸不動産の賃借人による入居前及び入居中の2つの時点において各室内の撮像に使用されるものであり、各室内における略中央の少なくとも1地点の床面から所定の高さに設置されて水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて所定の回転角度だけ一定の回転速度にて回転可能とされ、前記各方向における回転の際にパノラマ画像データを取得可能な撮像部及び前記室内空間を画する平面のそれぞれとの距離を連続的又は断続的に測定可能な測距部を少なくとも備える撮像装置と、
当該撮像装置で取得した前記パノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて前記各時点における前記各室内空間を画する各境界線両端の座標を求め座標情報を得る座標演算部と、
当該座標演算部の演算結果に基づいて、前記各時点における前記室内空間のワイヤフレームモデルを作成するワイヤフレームモデル生成部と、
前記パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して前記各時点における各室内の3次元画像データを得る3次元画像データ生成部と、
前記各時点において求めた前記各室内の内容積の差を求め荷物量の総量を得る荷物量算出部と、
前記入居中の前記各室内の前記3次元データに基づいて当該各室内に配置される家具、家電類を特定する家具・家電特定部と、
前記各時点における座標情報及び3次元画像データ、並びに前記荷物量の総量及び前記家具・家電特定部における特定結果を前記撮像装置による撮影日時、前記賃貸不動産に関する建築物特定情報とともにそれぞれ相互に関連付けて保存する記録部と、
を含むことを特徴とする荷物量特定システム。
【請求項8】
前記荷物量算出部及び前記家具・家電特定部のうちの少なくとも一方における処理は人工知能を活用して行われるものである請求項7に記載の原状回復費用算定支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像部及び測距部を備えた撮像装置で撮像したパノラマ画像データ及び測距データから取得した建築物における室内の2次元及び3次元の画像データを当該建築物に関する情報とともに一元管理可能な建築物室内の管理データ取得システム、並びに当該システムを用いた不動産賃貸不動産の原状回復費用算出支援システム及び荷物量算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
民間の不動産賃貸不動産においては、原状回復を巡るトラブルの大きな原因として、入居時及び退去時における損耗等の有無など、物件の確認が不十分であることが挙げられる。特に更新が前提であり、長期にわたることが一般的な居住用建物の賃貸借契約においては、当事者間の記憶だけではあいまいとなり、損耗等の箇所、発生の時期など事実関係の有無等をめぐってトラブルになりやすい。
このため、事実関係を明確にし、トラブルを未然に防止するため、予め用意したチェックリストを用いて入居時及び退去時にチェックを行い、部位ごとの損耗等の状況や原状回復の内容について、当事者が立会いのうえ十分に確認することが必要となる(非特許文献1参照)。
【0003】
このような入居時及び退去時のチェック作業や部位ごとの損耗等の状況や原状回復の内容の確認作業は、管理会社主導で行われることが多い。但し、管理会社で行われるチェック作業や部位ごとの損耗等の状況及び原状回復の内容の確認作業は、前入居者の退居後次の入居者を迎える為にスピード重視の業務であることから、過度の負担なく過去の経験に基づいて行われることが多く、原状回復費用の根拠などが不明確かつ不透明であるといった課題がある。
【0004】
一方、このような管理会社で行う確認作業には、従前よりいくつか提案がされている。例えば特許文献1は、賃貸不動産の原状回復に要する費用を算定し、返還される敷金を算定するための返還敷金算定システムを提案している。このシステムは、ユーザ端末及び管理者端末と、前記ユーザ端末及び管理者端末からオンラインで接続可能な記憶手段と、前記ユーザ端末と管理者端末との間の通信手段を具え、入居前及び退去後のそれぞれの時点でユーザーが撮影した画像データをそれぞれの撮影日付データとともに記憶手段に送信し、これらのデータと当該記憶手段に記憶されている賃貸契約における特約事項が記載されたファイルデータとに基づいて不動産の専門家が賃貸不動産の原状回復に要する費用及び返還される敷金を算定するものである。しかし、ユーザーが入居時と入居期間を経た退去時との異なる時点において撮影するため、同じ部位を撮影しているか否か、撮影した画像データが十分に対比可能か否か、不動産の専門家がこれらの画像データから建物・設備等の経年変化による自然な劣化・損耗等、賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)又は賃借人の故意・過失、善管注意義務違反その他通常の使用を超えるような使用による損耗等を的確に判定可能か否かなど課題が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」、平成23年8月、国土交通省住宅局編、第4頁、「第1章 原状回復に係るガイドライン、I.原状回復に係るトラブルの未然防止、1.物件の確認の徹底」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであり、管理会社などに過度の負担を強いず経験による判断をなくし、適宜の時点における建築物の任意の室内の管理データを取得できる建築物室内の管理データ取得システムを提供するとともに、当該システムを用いて民間の賃貸不動産の原状回復費用算出を支援可能な原状回復費用算出支援システム及び荷物量特定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は、以下の各発明によって達成される。即ち、本発明の建築物室内の管理データ取得システムは、建築物における室内の略中央の少なくとも1地点の床面から所定の高さに設置されて水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて所定の回転角度だけ一定の回転速度にて回転可能とされ、前記各方向における回転の際にパノラマ画像データを取得可能な撮像部、及び前記室内空間を画する平面のそれぞれとの距離を連続的又は断続的に測定可能な測距部を少なくとも備える撮像装置と、当該撮像装置で取得した前記パノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて前記室内空間を画する各境界線両端の座標情報を求める座標演算部と、当該座標演算部の演算結果に基づいて、前記室内空間のワイヤフレームモデルを作成するワイヤフレームモデル生成部と、前記パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して3次元画像データを得る3次元画像データ生成部と、前記した座標情報、ワイヤフレームモデル及び3次元画像データを前記撮像装置による撮影日時及び前記建築物に関する建築物特定情報とともにそれぞれ相互に関連づけて保存する記憶部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の賃貸不動産の原状回復費用算定支援システムは、賃借人による入居前と入居中又は退去後との2つの時点のそれぞれにおいて賃貸不動産の各室内における略中央の少なくとも1地点の床面から所定の高さに設置されて水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて所定の回転角度だけ一定の回転速度にて回転可能とされ、前記各方向における回転の際にパノラマ画像データを取得可能な撮像部及び前記室内空間を画する平面のそれぞれとの距離を連続的又は断続的に測定可能な測距部を少なくとも備える撮像装置と、当該撮像装置で取得した前記パノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて前記各時点における前記室内空間を画する各境界線両端の座標を演算する座標演算部と、当該座標演算部の演算結果に基づいて、前記各時点における前記室内空間のワイヤフレームモデルを作成するワイヤフレームモデル生成部と、前記パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して前記各時点における3次元画像データをそれぞれ得る3次元画像データ生成部と、前記各時点における3次元画像データをそれぞれ対比して差分を求め差分情報を得る対比部と、前記対比部で求めた差分情報、前記賃貸不動産の建築物特定情報、前記賃借人の入居者情報及び賃借人負担割合算定情報に基づいて、前記各平面について原状回復費用における前記賃借人の費用負担の有無及び負担割合を判定する賃借人費用負担評価部と、前記各時点における座標情報及び3次元画像データ、並びに前記差分及び前記賃借人費用負担評価部における評価結果を前記撮像装置による撮影日時及び前記賃貸不動産に関する建築物特定情報とともにそれぞれ相互に関連付けて保存する記録部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の荷物量特定システムは、賃貸不動産の賃借人による入居前及び入居中の2つの時点において各室内の撮像に使用されるものであり、各室内における略中央の少なくとも1地点の床面から所定の高さに設置されて水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて所定の回転角度だけ一定の回転速度にて回転可能とされ、前記各方向における回転の際にパノラマ画像データを取得可能な撮像部及び前記室内空間を画する平面のそれぞれとの距離を連続的又は断続的に測定可能な測距部を少なくとも備える撮像装置と、当該撮像装置で取得した前記パノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて前記各時点における前記各室内空間を画する各境界線両端の座標を求め座標情報を得る座標演算部と、当該座標演算部の演算結果に基づいて、前記各時点における前記室内空間のワイヤフレームモデルを作成するワイヤフレームモデル生成部と、前記パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して前記各時点における各室内の内容積を含む3次元画像データを得る3次元画像データ生成部と、前記各時点において求めた前記各室内の内容積の差を求め荷物量の総量を得る荷物量算出部と、前記入居中の前記各室内の前記3次元データに家具、家電類を特定する家具・家電特定部と、前記各時点における座標情報及び3次元画像データ、並びに前記荷物量の総量及び前記家具・家電特定部における特定結果を前記撮像装置による撮影日時及び前記賃貸不動産に関する建築物特定情報とともにそれぞれ相互に関連付けて保存する記録部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の建築物室内の管理データ取得システムによれば、適宜の時点において管理会社などに過度の負担なく経験による判断も不要とする建築物特定情報と画像データとからなる建築物の任意の室内の管理データを統一的な方法により取得でき、これにより一元的に管理することができる。
【0012】
また、本発明の原状回復費用算出支援システム及び荷物量特定システムによれば、前記建築物室内の管理データ取得システムを用いて統一した方法及び基準にて民間の賃貸不動産の原状回復費用算出を簡単に支援でき、この結果を用いることで原状回復費用を自動にて算出することができるとともに、荷物量の特定も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の建築物室内の管理データ取得システムの一実施形態の構成を示す図である。
【
図2】
図1中、クラウドサーバにおける記憶部の内部構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の原状回復費用算出支援システムの一実施形態の構成を示す図である。
【
図4】
図3中、クラウドサーバにおける記憶部の内部構成の一例を示す図である。
【
図5】建築物設備等の経過年数-賃借人負担割合テーブルの一例を示す図である。
【
図6】本発明の荷物量特定システムの一実施形態の構成を示す図である。
【
図7】
図6中、クラウドサーバにおける記憶部の内部構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の
図1~4を参照しながら、本発明の建築物室内の管理データ取得システム、賃貸不動産の原状回復費用算定支援システム及び荷物量特定システムに係る一実施形態をそれぞれ詳細に説明する。なお、以下に記載の本発明の実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
【0015】
建築物室内の管理データ取得システム
図1は、本発明の建築物室内の管理データ取得システムの一実施形態の構成を示している。この図に示す実施形態の建築物室内の管理データ取得システム1は、撮像装置10、携帯端末20、管理者端末24及びクラウドサーバ26から構成されており、システム内のデータ(情報)処理及びデータバース管理をクラウドサーバが担う例を示すものである。
【0016】
撮像装置10は、
図1に示すように、撮像部11、これに付随する測距部12、コントローラ13及びこれらを連結する軸部16から構成されている。撮像部11としては、パノラマ画像を撮像可能なカメラ機能とともに、送受信機能を備えた機器であればよく、例えばパノラマ画像データを撮影、送信できるデジタルカメラやスマートフォンなどが挙げられる。撮像部11の撮影画角は、これを用いて室内の任意の壁面を撮影した場合に、天井が写り込み、また天井を撮影した場合に壁上部が写り込む程度に調整可能とされているのが好ましい。好ましくは、撮像部11は外部からの信号を受信することにより撮影開始及び停止を制御できる機能を備えたものがよい。この機能があることで、撮影者自身又はその影が画像データに写り込むのを防止できる。
【0017】
測距部12としては、レーザー、超音波又は赤外光を用いて距離を測定するセンサーが好適に使用できる。この種のセンサーはいずれも発光又は発信され被写体に反射したレーザーなどを受光又は受信するまでの時間を距離に換算する方式のものである。これらのうちでは、ToF(Time of Flight)方式で近年種々の分野にて多用されている超音波や赤外光を用いるセンサーを用いるものが好ましい。さらに測距部12は外部との通信機能を備えており、外部からの信号により測距開始又は停止を制御し、また測定結果を送信することができることがより好ましい。赤外光を用いるセンサーの場合、測距時に光を連続的に発信させ、又はパルス状に点滅させ短い時間間隔で断続的に発信するものであってもよい。
【0018】
撮像装置10にはコントローラ13が設けられている。このコントローラ13は、駆動部14及び制御部15を備えており、外部からの信号を受信することで撮像装置10を軸部16を通して水平方向又は鉛直方向に所定の回転角度だけ一定の回転速度で回転させる機能を備えている。なお、軸部16は
図1では模式的に示すが、撮像装置10を水平方向又は鉛直方向に回転させることができる機構を備えている。また、コントローラ13は、撮像部11及び測距部12の回転運動の開始・停止を制御できる機能を備えていることが好ましい。
【0019】
この撮像装置10は、管理データ取得対象である建築物の室内における中央領域の床面に設置される。
図1に示す実施形態では、撮像装置10における撮像部11及び測距部12の床面からの高さはコントローラ13及び軸部16の高さに設定されているが、これに限定されず、コントローラ13や軸部16の配置、サイズ及び取り合いなどによりこの高さは床面と略同等以上任意の高さに設定可能である。このように高さを任意に設定可能とすることで、例えばトイレなど便器が設置されている室内などでは便座の高さと略同等の高さに撮像部11などの高さを合わせることができ、結果として便器などの障害物による死角を提言できる。このとき、測距の測定精度及び得られる測距データとパノラマ画像データとの合成処理の精度を高めるために、撮像部11のレンズ面及び測距部のセンサー部分の床面からの高さを操作者が実測し、その結果を後述する携帯端末20における所定の画面から入力することが好ましい。また、撮像部11及び測距部12の高さ位置が決定したところで、その位置の床面からの高さを測距部12により測定し、その結果を携帯端末20が取得するようにしてもよい。
【0020】
撮像装置10の回転角度は、例えばこれを水平方向に回転させる場合には360°に、また鉛直方向に回転させる場合には、軸部16による撮像装置10の床面からの設置高さや軸部16の構造にも依るが、通常200~360°の範囲で任意に設定できることが好ましい。このとき、撮像部11のレンズ部分及び測距部12のセンサー部分の鉛直方向及び水平方向の回転半径を求め、後述する携帯端末20のける所定の画面に入力しておくことが好ましい。このような回転角度に設定することで、管理データを取得しようとする建築物室内の壁面、天井面、床面などの略全域を網羅するパノラマ画像データ及び測距データを取得することができる。
【0021】
本実施形態における携帯端末20は、これにインストールされた専用のアプリを用いることで、撮像部11及び測距部12を有する撮像装置10の回転運動、撮影および測距の開始停止に関する指令信号を発する機能を備えている。また専用アプリ上では、管理データ取得対象となる建築物(賃貸不動産も含む。)及び室内を特定する情報を入力可能とされている。携帯端末20は、入力撮像部11から送信される画像データ及び測距部12からの距離測定データを受信し、これらのデータを建築物特定のための情報(以下、建築物特定情報という。)とともに後述するクラウドサーバ26に送信する機能も備えている。必要なら、携帯端末20はこれらのデータを一時保存する機能を備えていてもよい。
【0022】
インターネットを介して接続されているクラウドサーバ26には、座標演算部27と、ワイヤフレームモデル生成部28と、3次元画像データ生成部29とが構築され、また記憶部35を備えている。クラウドサーバ26は、携帯端末20からの情報・画像データなどを受信すると、受信した建築物特定情報に合致する建築物(物件)情報などに関連づけてパノラマ画像データ及び測距データを記憶部35(後述する画像データテーブル42及び管理データテーブル44など)に保存する機能を備えている。仮に、管理データ取得対象の物件情報がデータベース上にない場合には、受信した建築物特定情報を新たにデータベースに保存し、当該保存した情報に関連付けてパノラマ画像データ及び測距データを保存できるように構成されていてもよい。
【0023】
座標演算部27は、撮像装置10からインターネットを介して受信したパノラマ画像データ及び測距データ(前記した撮像部11及び測距部12の床面からの高さの実測値及び回転半径測定値を含む。)に基づいて管理データ取得対象である室内空間を画する壁面と天井面又は床面の間、隣接する壁面の間(入隅、出隅など)の各境界線の両端の座標情報を求める機能を有している。このように求められた座標情報は後述する記憶部35に保存される。
【0024】
また、ワイヤフレームモデル生成部28は、記憶部35から読み出した座標情報に基づいて前記室内空間の前記各境界線に対応するワイヤフレームモデルを生成する機能を備えている。ここで生成されたワイヤフレームモデルもまた記憶部35に保存されるように設定されている。
【0025】
さらに、3次元画像データ生成部29は、記憶部35に保存されたパノラマ画像データ、測距データ及び座標情報に基づいて当該パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像データを前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群と合成して3次元画像データを生成する機能を備えている。合成処理においては、必要に応じて座標情報に基づいて各平面の画像データを対応するワイヤフレーム群のサイズに合わせるよう調整を行うことができる。この3次元画像データもまた、記憶部35(後述する管理データテーブル44)に保存される。なお、本実施形態では、抽出した室内の各平面の画像データと当該平面を画するワイヤフレーム群とを合成することにしているが、これに限定されず、例えば、各平面の画像データと当該平面のワイヤフレーム群とを1対1で関連付けることであってもよい。
【0026】
前記した座標演算部、ワイヤフレームモデル生成部及び3次元画像データ生成部のうちの少なくとも1つにおける処理は、人工知能を活用して行うことができる。即ち、これら各部における処理のそれぞれが人工知能を活用して行われてもよく、当該各部のうちの一部が人工知能を活用して行われてもよい。また、前記各部における処理アルゴリズムの少なくとも一部が人工知能を活用して行われるようにしてもよい。
【0027】
記憶部35は、
図2に示すように、管理会社などの当該サーバ利用者が管理する建築物(物件)情報テーブル41、画像データテーブル42及び修繕情報テーブル43が相互に関連付けられて保存され又は保存可能なデータベースを備えている。ここで、物件情報テーブル41には、当該建築物の住所情報、オーナー情報、間取り情報、部屋情報のほか、保険情報や権利関係情報などが含まれている。また、画像データテーブルテーブル42には、写真(画像)保存履歴、新築時画像データ、修繕時画像データ及びパノラマ画像データが含まれている。なお、
図2の例では、本実施形態の管理データ取得システム1によって得られるパノラマ画像データは、後述する管理データテーブル44に含めずに画像データテーブル42に含めている。さらにまた、修繕情報テーブル43には、修繕履歴情報、修繕箇所の統計情報などの情報が保存され、保存可能とされている。
【0028】
記憶部35はまた、前記したように、本実施形態の管理データ取得システムの監視対象である建築物の各室(各部屋)について取得された測距データ、座標情報、ワイヤフレームモデル及び3次元画像データなどの管理データを前記建築物(物件)情報などに関連付けたられ、管理データテーブル44に保存可能とされている。管理データテーブル44に格納される情報も建築物(物件)情報テーブル41、画像データテーブル42及び修繕情報テーブル43に格納された情報と相互に関連づけられている。
【0029】
また、クラウドサーバ26は、ワイヤフレームモデル及び座標情報から、室内空間の内容積を求める機能を有していてもよい。算出された内容積データもまた記憶部26の管理データテーブル44内に同テーブル内の室内ごとの情報と相互に関連付けて保存することができる。
【0030】
管理者端末24は、本実施形態の管理データ取得システム1の統括者や管理会社担当者などが操作する端末であり、管理データ取得システム1及びクラウドサーバ26上データベースの構築、建築物(物件)情報、画像データ及び修繕情報などの入力及び確認などを行う役割を担っている。なお、管理者端末24は、本実施形態の管理データ取得システムに常時接続されている必要はなく、必要な場合に本実施形態の建築物室内の管理データ取得システムにログインして接続されるものであってもよい。
【0031】
次に、本実施形態の建築物室内の管理データ取得システムの使用方法について説明する。以下の説明では、操作者が携帯する携帯端末20における専用アプリがコントローラ13を介して遠隔にて撮像部11の撮影、測距部12の距離測定及びこれら各部の回転運動の開始・停止を制御できるものとする。
【0032】
まず、操作者が、撮像部11及び測距部12とを備える撮像装置10をコントローラ13とともに管理データ取得対象である建築物室内の略中央の少なくとも1地点の床面に設置し、これらの電源を入れる。ここで、設置位置は管理データ取得対象の室内における床面の正確に中央である必要はなく、中央領域のおおよそ中央であればよい。また、「少なくとも1地点」としたのは、建築物室内が複雑な形状である場合や1つの室内がカウンターなどのように部分的に仕切られている場合などに、設置位置を変更する可能性があるためである。このように必要なら設置位置を変えることで、当該室内の各部位について確実にパノラマ画像データ及び測距データを取得できるようになる。測距部12により互いに向き合う壁面との距離をそれぞれ測定、合算して部屋のサイズを求めるためである。
【0033】
その後、操作者は、自身が携帯する携帯端末20にて専用アプリを起動しログインする。そうして入力画面を呼び出し、必要なら当該建築物(物件)情報のうちの少なくとも1つを入力するなどして間取り情報など管理データ取得対象である建築物特定情報を呼び出す。こうすることで、コントローラ13を介して撮像部11及び測距部12を遠隔にて操作して得られるパノラマ画像データ及び測距データを建築物特定情報と相互に関連づけて保存し、またクラウドサーバ26に対して送信することができる。なお、撮像部11及び測距部12にそれぞれこれらを作動させるためのスイッチが設けられている場合には、前記アプリに依らず直接それらのスイッチを入れるようにしてもよい。
【0034】
設置した撮像装置10が水平方向に一定の回転速度にて360°回転させて周囲の壁面を撮影し、またその回転に伴い当該壁面との距離を測定できるように、操作者は軸部16を調整する。その上で操作者は室内から離れ、携帯端末20を遠隔にて撮像装置10を作動させ撮影及び測距を開始する。撮像部11及び測距部12が360°回転し撮影および測距が完了したら、得られたパノラマ画像データ及び測距データは建築物特定情報と関連付けられて携帯端末20内に一時的に保存されるか、あるいは建築物特定情報とともにインターネットを介してクラウドサーバ26に送信される。クラウドサーバ26では、受信したパノラマ画像データ及び測距データがデータベース内の建築物特定情報と関連付けて記憶部35における画像データテーブル42及び管理データテーブル45にそれぞれ保存される。
【0035】
次に、操作者は軸部16を調整して撮像装置10が鉛直方向に回転するようにし、床面、任意の壁面、天井、当該任意の壁面に対向する壁面を順に撮影、測距が行えるようにする。その際の撮像部11及び測距部12の回転角度は、コントローラ13及び軸部16などの大きさや取り合いなどに応じて200~360°の範囲内で適宜設定できる。その上で先ほどと同様、操作者は室内から離れ、携帯端末20を操作して遠隔にて撮像装置10を作動させ撮影及び測距を行わせる。撮像部11及び測距部12が前記回転角度だけ回転し撮影および測距が完了したら、得られたパノラマ画像データ及び測距データは建築物特定情報と関連付けられて携帯端末20内に一時的に保存されるか、あるいは撮影日時や建築物特定情報とともにインターネットを介してクラウドサーバ26に送信される。クラウドサーバ26では、受信したパノラマ画像データ及び測距データがデータベース内の建築物特定情報と関連付けて記憶部35における画像データテーブル42及び管理データテーブル45にそれぞれ保存される。
【0036】
その作業が終了した後、操作者は撮像装置10を90°回転させ、鉛直方向、先ほどの撮影方向とは直交する方向に回転するように設置し、先ほどと同様に、携帯端末20を操作して撮影および測距を行う。撮影および測距が完了したら、前記と同様、得られたパノラマ画像データ及び測距データは携帯端末20内に一時的に保存されるか、あるいは撮影日時などとともにインターネットを介してクラウドサーバ26に送信され、当該サーバ26の記憶部35における画像データテーブル42及び管理データテーブル45に相互に関連付けられてそれぞれ保存される。
【0037】
管理データ取得対象である建築物に複数の部屋(室内)がある場合、各室についてそれぞれ前記したように撮像装置10を設置し、水平方向及び鉛直方向のパノラマ画像データ及び測距データを取得し、携帯端末20に一時保管し、及び/又は撮像装置10による撮影日時などとともにクラウドサーバ26に送信する。クラウドサーバ26では、受信したパノラマ画像データ及び測距データを撮像装置10による撮影日時及び建築物特定情報に関連付けて所定のテーブルに保存する。
【0038】
例えば、管理データ取得対象の室内がダイニングキッチンであり、ダイニングとキッチンとがカウンタで仕切られている場合には、ダイニング側及びキッチン側のそれぞれについて、前記と同様に床面の中央領域に撮像装置10を設置し、水平方向及び鉛直方向のパノラマ画像データ及び測距データを取得し、携帯端末20に一時保管し、及び/又はクラウドサーバ26に送信する。また、室内がリビングと廊下とがひとつながりになっているような場合にも、廊下部分とリビング部分とのそれぞれについて同様にパノラマ画像データ及び測距データを取得し、携帯端末20への一時保管及び/又はクラウドサーバ26への送信を行う。
【0039】
また、管理データ取得対象の室内の床面形状が矩形でない複雑な形状の場合(例えば三角形状、五角形状、六角形状その他の多角形状の場合)には、精度向上のために、すべての壁面について鉛直方向のパノラマ画像データ及び測距データを取得することが好ましい。
【0040】
前記した水平方向及び鉛直方向2方向のパノラマ画像データ及び測距データを受信したクラウドサーバ26では、これらのパノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて管理データ取得対象の部屋(管理データ取得対象が複数ある場合には、各部屋)の室内を画する壁面と天井面又は床面の間、隣接する壁面の間の境界線両端の座標を演算により求め、座標情報を得る。そうして、求めた座標情報に基づいて前記室内を画する各境界線に対応するワイヤフレームモデルを生成する。こうして得られる座標情報やワイヤフレームモデルは、クラウドサーバ26の記憶部35における管理データテーブル44にパノラマ画像データなどと関連づけられて格納される。このとき、座標情報及びワイヤフレームモデルを参照して当該室内空間の内容積を求めることができる。求めた内容積の算出結果もデータとして管理データテーブル44に保存できる。
【0041】
また、クラウドサーバ26は、記憶部に保存されたパノラマ画像データ及び測距データ(前記した撮像部11及び測距部12の床面からの高さの実測値及び回転半径測定値を含む。)に基づいて当該パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおける当該各平面を構成するワイヤフレーム群に合成して3次元データを生成し、これを記憶部35における管理データテーブル44に保存する。なお、前記したように、抽出した室内の各平面の画像データと当該平面を画するワイヤフレーム群とを1対1で関連付けて管理データテーブル44に保存するようにしてもよい。
【0042】
前記した座標情報、ワイヤフレームモデル生成及び3次元画像データ生成のうちの少なくとも1つにおける処理は、前記したように、人工知能を活用して行うことができる。即ち、これらの処理のそれぞれが人工知能を活用して行われてもよく、当該各部のうちの一部が人工知能を活用して行われてもよい。また、前記各処理におけるアルゴリズムの少なくとも一部が人工知能を活用して行われるようにしてもよい。
【0043】
以上説明したように、本発明の建築物室内の管理データ取得システムによれば、管理会社などに角の負担を強いることなく統一された方法でワイヤフレームモデル及び3次元画像データを取得し、さらにこれらのデータを建築物特定情報と相互に関連付けられた建築物室内の管理データを取得し、一元管理できる。
【0044】
原状回復費用自動算出システム
続いて、添付の
図3及び
図4を参照して本発明の原状回復費用算出支援システムの一実施形態について説明する。本実施形態の原状回復費用算出支援システムは、賃貸不動産における原状回復費用算出を支援するものである。ここで、賃貸不動産には、個人による賃貸借契約に係る賃貸不動産のほか、法人契約の社宅、学生寮などの各室などが含まれる。
【0045】
本実施形態の原状回復費用算出支援システム2は、賃借人による入居前と入居中又は退去後の2つの時点において、前記した管理データ取得システム1を用いて管理データを取得し、2つの時点における3次元データを対比して差分を求め、その差分情報に基づいて原状回復費用に関して評価判定を行う。
【0046】
本実施形態の原状回復費用算出支援システム2は、
図3に示すように、撮像装置10、携帯端末20、これらのインターネットを介して接続されるクラウドサーバ26及び管理者端末24から構成されている。
図2になお、
図1に示した例と同一又は共通の各部については同様の符号を用いている。また、本実施形態の原状回復費用算出支援システム2において、撮像装置10、携帯端末20及び管理者端末24についてはすでに管理データ取得システム1の構成において説明しているため、必要がない限り重複した説明を省略し、以下ではクラウドサーバ26の構成及び機能について説明する。
【0047】
クラウドサーバ26には、座標演算部27、ワイヤフレームモデル生成部28、3次元データ生成部29、対比部30、賃借人費用負担評価部31が構築され、さらに記憶部35を備えている。これら各部のうち、座標演算部27、ワイヤフレームモデル生成部28及び3次元データ生成部29はすでに説明しているので、対比部30、賃借人費用負担評価部31及び記憶部35について以下説明する。
【0048】
対比部30は、前記実施形態の建築物室内の管理データ取得システムを用いて得られた入居前と入居中又は退居後の3次元画像データを対比し、これらの差分を求め差分情報を得る機能を有する。対比は人工知能を活用して行うことができる。この差分情報は、クラウドサーバ26の記憶部35(後述する原状回復費用評価情報テーブル58)に保存される。
【0049】
賃借人費用負担評価部31は、記憶部35に保存された前記各室各部位の差分情報を用い、以下に示すように、原状回復費用算定のための評価判定を行う機能を有している。この機能は、国土交通省のガイドラインに基づいて構築されており、経年変化・通常消耗の修繕費用は基本的には貸主負担であり、善管注意義務違反(故意・過失・その他修繕費用)の場合に借主(賃借人)が負担するとの考え方が反映されている(非特許文献1参照)。まず、その差分情報が経年変化や通常消耗によるものか否か、あるいは特別消耗によるものか否かを評価判定する。例えば、差分情報に壁クロス表面の経年による退色やテレビ、冷蔵庫などの後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気やけ)などが含まれる場合は経年変化や通常消耗によるものとして、賃借人の費用負担はないと判定する。一方、差分情報に壁クロスの剥がれや床フローリングの剥がれなどが含まれると認められる場合には、特別消耗によるものとして賃借人の費用負担があると判定評価し、差分情報を賃借人負担費用算定情報に照合して賃借人の費用負担割合を評価する。この判定評価結果もまた記憶部35(後述する原状回復費用評価情報テーブル58)に保存される。
【0050】
記憶部35には、賃貸物件情報50、(物件)詳細情報51、修繕情報52、画像データ53、入居者情報54、賃借人負担割合算定情報55、管理データ(入居前及び退去後(又は入居中)の管理データを含む。
図4では、「退居後」と記載するが、入居中でもよいこととする。)57、原状回復費用評価情報58の各テーブルが互いに関連づけられてデータベースが構築されている。ここで、賃貸物件情報テーブル50には、賃貸不動産の住所情報、オーナー情報、保険情報及び物件ランキング情報などが保存されている。また、物件詳細情報テーブル51には、間取り情報、エリア番号、部屋情報などが保存されている。賃貸物件情報テーブル50及び物件詳細情報テーブル51に保存されている情報の一部又は全部が対象となる賃貸不動産についての建築物特定情報とされる。さらに、修繕情報テーブル52には、修繕履歴情報、修繕箇所の統計情報が格納されている。さらにまた、画像データテーブルテーブル53には、画像保存履歴情報、新築時画像データ、修繕時画像データ、入居前パノラマ画像データ、退居後(又は入居中)パノラマ画像データなどが保存され、又は保存可能とされている。さらにまた、入居者情報テーブル54には、入居者(賃借人)情報、修繕履歴情報、入居期間(入居年月日を含む。)、家賃支払い情報などが保存され、保存可能とされている。
【0051】
賃借人負担割合算定情報テーブル55には、賃借人による部位ごとの費用負担一覧や建築物設備等の経過年数による減価割合を示す情報などが保存されている。前者の一覧には、部位ごとの工事施工単位、賃借人の負担単位などが含まれる。前者の一覧や後者の情報などに更新があった場合には、更新情報が保存可能とされている。この建築物設備等の経過年数による減価割合を示す情報は、非特許文献1に記載の国土交通省のガイドラインに基づいており、経年変化・通常消耗の修繕費用は基本的には貸主負担であり、善管注意義務違反(故意・過失・その他修繕費用)の場合に借主(賃借人)が負担するとの考え方の下、新築時の簿価を100%とし、耐用年数経過時に残存簿価1円となるような直線(または曲線)を描いて経過年数により賃借人の負担を決定するものである。例えば、償却年数6年及び8年の設備等の場合に経過年数による賃借人の負担割合を示す図を
図5に示している。また、賃借人負担割合算定情報テーブル55には、建築物の設備等の材料費や工事費の推移に関する情報も保存することができる。
【0052】
管理データテーブル56には、入居前及び退去後(入居中であってもよい。)の2つの時点における前記実施形態の管理データ取得システム1を用いて得られた測距データ、座標情報(座標演算部27で算出)、ワイヤフレームモデル(ワイヤフレームモデル生成部28にて生成)、3次元画像データ(3次元データ生成部29にて生成)が賃貸物件情報テーブル50における賃貸物件情報などと相互に関連付けられて保存可能とされている。この管理データテーブル56には、
図4に示すように、入居前及び退去後に求めた内容積情報を含めている。
【0053】
原状回復費用評価情報テーブル58には、賃借人費用負担評価部31において差分情報を賃借人負担割合算定情報テーブル55に保存されている建築物設備等の経過年数による減価割合を示す情報に照らして求められた賃借人の費用負担の有無や負担割合及び負担額に関する情報が保存される。賃借人の費用負担について、
図5を参照してより具体的に説明する。例えば、壁クロスの耐用年数は6年のところ、賃借人が賃貸不動産に入居した当時、クロスが新品だった場合を例にとる。その賃借人が4年間入居し、その間に誤ってクロスを破損させた場合のクロスの残存価値は
図5から33%となる。建築物の設備等の材料費や工事費の推移に照らしてクロスの張替え材工費が、1m
2当たり1000円だと仮定すると、賃借人が負担しなければならないのは1m
2当たり330円となる。
【0054】
次に、本実施形態の原状回復費用算出支援システムの使用方法について説明する。まず、賃借人の入居前に、賃貸不動産の各室について前記実施形態の管理データ取得システム1を用いて3次元画像データなどを取得し、この3次元画像データを撮影日時や賃貸不動産特定情報とともに、クラウドサーバ26の記憶部35におけるそれぞれのテーブルに送信、保管する。
【0055】
具体的な使用方法としては管理データ取得システム1の使用方法と同等であるが、まず操作者が撮像部11及び測距部12とを備える撮像装置10をコントローラ13とともに管理データ取得対象である建築物の室内中央領域(略中央であればよく、正確に床面中央に設置する必要はない。)の床面に設置し、これらの電源を入れる。
【0056】
その後、操作者は、自身が携帯する携帯端末20にて専用アプリを起動しログインする。そうして入力画面を呼び出し、当該画面に表示される指示に従いながら、また必要なら賃貸不動産に関する情報の一部を入力するなどして当該賃貸不動産を特定する(賃貸不動産特定情報)。また、アプリからコントローラ13を介して撮像部11及び測距部12を遠隔にて操作し、水平方向及び鉛直方向の撮影・測距を開始する。撮像部11及び測距部12の操作は手動でもよい。さらに、対象となる賃貸不動産が複数の部屋からなる場合、同様の操作を行うことで、順に各室(玄関、押し入れ、クローゼット、台所、トイレ、浴室、廊下などもそれぞれ1室とし、またカウンターを備えたダイニングキッチンの場合には、ダイニング側及びキッチン側のそれぞれを1室とする。)の撮影・測距を繰り返して行う。
【0057】
撮影および測距が完了したら、各室について得られた水平方向及び鉛直方向のパノラマ画像データ及び測距データは携帯端末20内に一時的に保存されるか、インターネットを介してクラウドサーバ26に送信され当該サーバ26の記憶部35における画像データテーブル53及び(入居前)管理データテーブル56にそれぞれ保存される。
【0058】
前記した各室についての水平方向及び鉛直方向2方向のパノラマ画像データ及び測距データを受信したクラウドサーバ26では、座標演算部27がこれらのパノラマ画像データ及び前記測距データに基づいて室内空間を画する壁面と天井面又は床面の間、隣接する壁面の間の境界線両端の座標を演算により求め、座標情報を得る。そうして、求めた座標情報に基づいてワイヤフレームモデル生成部28が室内空間の各境界線に対応するワイヤフレームモデルを生成する。このとき、座標情報及びワイヤフレームモデルを参照して当該室内空間の内容積を求めることができる。こうして得られるワイヤフレームモデルや内容積のデータも記憶部35における管理データテーブル44に保存される。
【0059】
また、クラウドサーバ26は、記憶部に保存されたパノラマ画像データ及び測距データに基づいて当該パノラマ画像データに含まれる平面のそれぞれを抽出し、当該抽出された各平面の画像情報を前記ワイヤフレームモデルにおいて当該各平面を構成するワイヤフレーム群に合成して3次元画像データを生成し、これを記憶部35における管理データテーブル44に保存する。
【0060】
次に、入居者の退居後、好ましくは退居直後に、賃貸不動産の各室について入挙前の場合と同様に、前記実施形態の管理データ取得システム1を用いて3次元画像データを取得し、前記賃貸不動産に関する情報に関連づけてこれをクラウドサーバ26の記憶部35における入居後管理データテーブル57に保存する。
【0061】
そうして入居前及び入居中又は退去後の3次元データが揃ったところで、対比部29が入居前管理データテーブル56及び入居後管理データテーブル57からそれぞれ3次元画像データを抽出して各室各部位(例えば床面、壁面など)ごとに対比し、差分を求め差分情報を得る。この差分情報を求めるのに人工知能を活用することができる。この各室の差分情報は、原状回復費用評価情報テーブル58に保存される。
【0062】
次に、賃借人費用負担評価部31は、原状回復費用評価情報テーブル58に保存された前記各室(部位)の差分情報を用い、まず、その差分情報が経年変化や通常消耗によるものか否か、あるいは特別消耗によるものか否かを評価判定する。例えば、差分情報に壁クロス表面の経年による退色やテレビ、冷蔵庫などの後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気やけ)などが含まれる場合は経年変化や通常消耗によるものとして、賃借人の費用負担はないと判定評価する。一方、差分情報に壁クロスの剥がれや床フローリングの剥がれなどが含まれると認められる場合には、特別消耗によるものとして賃借人の費用負担があると判定評価し、差分情報を賃借人負担費用算定情報に照合して賃借人の費用負担割合を評価する。さらに、この評価判定結果もまた記憶部35(後述する原状回復費用評価情報テーブル58)に保存される。次に、賃借人負担費用算定情報テーブル55から建築物設備ごとの材料費及び施工工事費の推移に基づいて、賃借人が負担すべき費用を算出する。賃借人の費用負担割合及び負担費用の額は原状回復費用評価情報テーブル58に格納される。
【0063】
続いて、管理者端末24よりクラウドサーバ26にアクセスすることで、原状回復費用評価情報テーブル58に格納された賃借人の費用負担割合及び負担費用の額を取得することができる。
【0064】
以上説明したように、本発明の原状回復費用算出支援システムは、前記管理データ取得システムを用いて統一した方法及び基準にて民間の賃貸不動産の原状回復費用算出を簡単に支援することができ、この結果を用いることで原状回復費用を自動にて算出し、管理データとともに一元管理することができる。
【0065】
なお、本実施形態においては、座標演算部27、ワイヤフレームモデル生成部28、3次元画像データ生成部29、対比部30及び賃借人費用負担評価部31における一連の処理をクラウドサーバ276において行うこととしたが、これに限定されず、例えば管理者端末24又は管理者(管理会社など)が保有する不図示のコンピュータやサーバにおいて処理させるように構成してもよい。
【0066】
荷物量特定システム
さらに、
図6及び
図7を参照して本発明の荷物量特定システムの一実施形態について説明する。本発明の管理データ取得システムを用い、賃借人の入居中及び入居前の2つの時点における各室の内容積を求め、これらの差を算出することで、各室における荷物量の総量(体積)を求めるものである。また、入居中の3次元画像データを解析し、記憶部35における家具・家電データベース情報と照合することで、各室に配置されている家具など特定することができる。本実施形態の荷物量特定システム3によれば、特定した家具や家電などのサイズに関する情報も取得することができる。
【0067】
本実施形態の荷物量特定システム3は、
図6に示すように、撮像装置10、携帯端末20、これらのインターネットを介して接続されるクラウドサーバ26及び管理者端末24から構成されている。なお、
図1及び
図3に示した例と同一又は共通の各部については同様の符号を用いている。また、本実施形態の原状回復費用算出支援システム2において、撮像装置10、携帯端末20及び管理者端末24についてはすでに管理データ取得システム1の構成において説明しているため、必要がない限り重複した説明を省略し、以下ではクラウドサーバ26の構成及び機能について説明する。
【0068】
クラウドサーバ26には、座標演算部27、ワイヤフレームモデル生成部28、3次元データ生成部29、内容積算出部33及び家具・家電特定部34が構築され、さらに記憶部35を備えている。これら各部のうち、座標演算部27、ワイヤフレームモデル生成部28及び3次元データ生成部29はすでに説明しているので、荷物量算出部33及び家具・家電特定部34及び記憶部35について以下説明する。
【0069】
荷物量算出部33は、前記実施形態の建築物室内の管理データ取得システムを用いて得られた入居前と入居中において得られた内容積を減算て荷物量情報を求めるように構成されている。この荷物量算出においても人工知能を活用して行うことができる。この荷物量の算出結果は、クラウドサーバ26の記憶部35(後述する荷物量情報テーブル60)に保存される。
【0070】
家具・家電特定部34は、記憶部35における前記各室の管理データテーブル57に格納された情報(例えば3次元画像データ)から、家具及び家電に該当する部分の画像をそれぞれ抽出し、それぞれの画像と家具・家電情報データベース59とを照合し、各画像に表された家具・家電を特定するように構成されている。家具・家電特定部34における処理は人工知能を活用して行うのが好ましい。そうして特定された家具及び家電について、家具・家電情報データベース上のサイズからその体積を算出し、前記荷物量の算出結果から減算し、各室における家具や家電の特定に漏れがないか否かを確認するように構成されていてもよい。
【0071】
記憶部35には、
図7に示すように、賃貸物件情報50、(物件)詳細情報51、修繕情報52、画像データ53、入居者情報54、賃借人負担割合算定情報55、管理データ(入居前及び退去後(又は入居中)の管理データを含む。
図4では、「退居後」と記載するが、入居中でもよいこととする。)57、家具・家電情報データベース59及び荷物量情報60の各テーブルが互いに関連づけられてデータベースが構築されている。ここで、賃貸物件情報テーブル50、物件詳細情報テーブル51、修繕情報テーブル52、画像データテーブル53、入居者情報テーブル54及び管理データテーブル57についてはすでに述べているため、これらの説明は省略する。
【0072】
家具・家電情報データべース59は、家具や家電ごとにその型式、サイズ(幅、奥行き、高さ)、価格、発売年月などとともに、少なくとも正面図、左右側面図、平面図などの画像(及び図面)が格納されており、家具・家電特定部34が管理データ(特に3次元画像データ)から抽出した家具・家電などの画像の照合先として活用されるものである。
【0073】
荷物量情報テーブル60には、荷物量算出部33で求められた各室の荷物量情報とともに、家具・家電特定部34にて特定された各室の家具や家電に関する情報が保存可能されれている。これらの情報は、賃貸物件情報テーブル50や詳細情報テーブル51に保存されている対象の賃貸不動産に関する建築物特定情報に相互に関連づけられている。
【0074】
賃借人負担割合算定情報テーブル55には、賃借人による部位ごとの費用負担一覧や建築物設備等の経過年数による減価割合を示す情報などが保存されている。前者の一覧には、部位ごとの工事施工単位、賃借人の負担単位などが含まれている。前者の一覧や後者の情報などに更新があった場合には、更新情報が保存可能とされている。この建築物設備等の経過年数による減価割合を示す情報は、非特許文献1に記載の国土交通省のガイドラインに基づいており、経年変化・通常消耗の修繕費用は基本的には貸主負担であり、善管注意義務違反(故意・過失・その他修繕費用)の場合に借主(賃借人)が負担するとの考え方の下、新築時の簿価を100%とし、耐用年数経過時に残存簿価11円となるような直線(または曲線)を描いて経過年数により賃借人の負担を決定するものである。例えば、償却年数6年及び8年の設備等の場合に経過年数による賃借人の負担割合を示す図を
図5に示している。また、賃借人負担割合算定情報テーブル55には、建築物の設備等の材料費や工事費の推移に関する情報も保存することができる。
【0075】
次に、本実施形態の荷物量特定システム3の使用方法について、前記した原状回復費用算出支援システム2のそれと重複する記載を省略しつつ以下説明する。入居前及び入居中の2つの時点における各室のパノラマ画像データ、測距データなどよりそれぞれの時点における3次元画像データ及び内容積(以下、内容積情報という。)を求める。3次元画像データ及び内容積情報はそれぞれ、荷物量などを求めようとする賃貸不動産特定情報と関連付けられて記憶部35における管理データテーブル57に保存される。
【0076】
荷物量算出部33は、管理データテーブル57から入居前及び入居中の内容積を読み出して差を求め、荷物量情報として荷物量情報テーブル60に保存する。このとき、この荷物量情報は、荷物量などを求めようとする賃貸不動産特定情報と関連付けられる。
【0077】
家具・家電特定部34はまず、各室の管理データに格納された情報(例えば3次元画像データなど)より壁面、床面、天井面などの画像に表されている家具及び家電の部分を抽出する。次に、抽出した家具及び家電のそれぞれを家具・家電情報データベース59と照合して特定する。特定された家具及び家電はそれぞれ家具・家電情報として荷物量情報テーブル60に格納される。このとき、特定された家具や家電のサイズを家具・家電情報データベースから求め、家具・家電情報として荷物量情報テーブル60に格納する。また、特定された家具や家電のサイズから家具又は家電の体積を算出するようにしてもよい。こうして算出された家具や家電の体積の合計と荷物量とを対比することで、家具や家電の特定に漏れがないことが確認できる。家具や家電の体積及び荷物量との対比結果もまた家具・家電情報として荷物量情報テーブル60に格納できる。
【0078】
以上説明したように、本発明の荷物量特定システムを用いることで、賃貸不動産の各室における荷物量や各室に設置されている家具や家電を特定できる。また、この荷物量の総量及び特定した家具や家電などのサイズ、並びに座標情報から廊下や玄関のサイズが分かれば、家具・家電を解体せずに搬出出来るか否かを判定可能となる。別途、屋外のエアコン室外機や植物等の数なども確認しておくことで、引っ越し会社による引っ越し作業やその見積書の作成にも有効な情報を提供することができる。さらに、本発明の荷物量特定システムは、各室の家具や家電の特定を可能にするものであるため、例えば任意の1室における家具や家電の全部又は一部を処分する場合の家具・家電のリストアップや処分費用についての見積書の作成にも有効に利用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 管理データ取得システム
2 原状回復費用自動算定支援システム
3 荷物量特定システム
10 撮像装置
11 撮像部
12 測距部
13 コントローラ
14 操作部
15 制御部
16 軸部
20 携帯端末
22 インターネット網
24 管理者端末
26 クラウドサーバ
27 座標演算部
28 ワイヤフレームモデル生成部
29 3次元画像データ生成部
30 対比部
31 賃借人費用負担評価部
33 荷物量算出部
34 家具・家電特定部
35 記憶部
50 賃貸物件情報テーブル51 (賃貸物件)詳細情報テーブル
52 修繕情報テーブル
53 画像データテーブル
54 入居者情報テーブル
55 賃借人負担割合算定情報テーブル
56、57 管理データテーブル
59 家具・家電情報データベース
60 荷物量情報テーブル