(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077837
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20230530BHJP
A47C 7/68 20060101ALI20230530BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B60N3/00 A
A47C7/68
G06F3/041 534
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191309
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088AA03
3B088CA15
(57)【要約】
【課題】ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理が実行されることを抑制できる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置100は、物体が載置可能な載置面を有するテーブルに設けられる入力装置であって、当該載置面におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサ210を有するセンサ部200と、センサ部200の検出結果に基づいて、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を有効にするか無効にするかを判定する制御部320と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が載置可能な載置面を有するテーブルに設けられる入力装置であって、
前記載置面におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサを有するセンサ部と、
前記センサ部の検出結果に基づいて、前記タッチセンサが受け付けたタッチ入力を有効にするか無効にするかを判定する制御部と、を備える
入力装置。
【請求項2】
前記テーブルを振動させるアクチュエータを備え、
前記センサ部は、マイクを有し、
前記制御部は、前記マイクによって検出される、前記アクチュエータが前記テーブルを振動させることにより生じた音に関する特徴量が所定の条件を満たすか否かを判定し、前記所定の条件を満たす場合には、前記タッチ入力を無効にすると判定する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記マイクによって検出される、前記アクチュエータを駆動させることにより生じた音の音圧と基準音圧との差分が所定の音圧以上であるか否かを判定し、前記所定の音圧以上であると判定した場合、前記タッチ入力を無効にすると判定する
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記タッチセンサは、タッチスイッチとタッチパッドとを含み、
前記制御部は、前記タッチスイッチにおけるタッチ入力、及び、前記タッチパッドにおけるタッチ入力を受け付けている状態で、(i)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けたとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を有効にすると判定し、(ii)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が前記所定の時間以上変化し続けていないとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記タッチスイッチにおいてタッチ入力を受け付けている状態で、前記タッチパッドにおいてタッチ入力を受け付けた場合、(i)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が前記所定の時間以上変化し続けたとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を有効にすると判定し、(ii)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が前記所定の時間以上変化し続けていないとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する
請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記タッチセンサは、複数のタッチスイッチを含み、
前記制御部は、前記複数のタッチスイッチのうちの少なくとも2つのタッチスイッチがタッチ入力を受け付けた場合、前記少なくとも2つのタッチスイッチのそれぞれが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する
請求項1~5のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
前記タッチセンサは、タッチパッドを含み、
前記制御部は、前記タッチパッドが所定の面積以上のタッチ入力を受け付けた場合、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する
請求項1~6のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項8】
前記センサ部は、前記載置面に加わる圧力を検出する感圧センサを有し、
前記制御部は、前記感圧センサが検出した圧力が所定の圧力以上である場合、前記タッチセンサが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する
請求項1~7のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記センサ部は、前記テーブルが収容部に収容されているか否かを検知する検知部を有し、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記テーブルが前記収容部に収容されていると判定した場合、前記タッチセンサが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する
請求項1~8のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項10】
前記テーブルは、移動体が備える椅子のアームレストに取り付けられている
請求項1~9のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項11】
前記タッチセンサは、タッチスイッチ及びタッチパッドを含み、
前記タッチスイッチは、前記タッチパッドよりも前記椅子側に配置されている
請求項10に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザからの入力を受け付ける装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、車室内において被収納物を収納可能な車両用収納装置が開示されている。車両用収納装置は、被収納物を収納する収納部と、収納部に設けられた開口部と、開口部に対して開閉可能に設けられたリッドと、リッドの表面に設けられ、操作者のタッチ操作を検知可能なタッチセンサパネルと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば、車室内の座席近傍に設けられる、物体を載置可能なテーブルにユーザのタッチ入力を検出可能なタッチセンサを設けるとする。この場合、ユーザは、腕、手のひら、物等をテーブルに載置する可能性がある。そうすると、ユーザの腕等がタッチセンサに接触することで、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理が実行される可能性がある。
【0006】
本開示は、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを抑制できる入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る入力装置は、物体が載置可能な載置面を有するテーブルに設けられる入力装置であって、前記載置面におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサを有するセンサ部と、前記センサ部の検出結果に基づいて、前記タッチセンサが受け付けたタッチ入力を有効にするか無効にするかを判定する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る入力装置によれば、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る入力装置が設けられるテーブルが配置される車両の車室を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る入力装置が設けられるテーブルが配置される車両の車室を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るテーブルを示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る入力装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る入力装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る入力装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る入力装置は、物体が載置可能な載置面を有するテーブルに設けられる入力装置であって、前記載置面におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサを有するセンサ部と、前記センサ部の検出結果に基づいて、前記タッチセンサが受け付けたタッチ入力を有効にするか無効にするかを判定する制御部と、を備える。
【0011】
センサ部の検出結果が、複数のタッチ入力を受け付けた、又は、非常に大きい荷重を検出した等の場合、ユーザが意図しないタッチ入力であると考えらえる。つまり、センサ部の検出結果に基づいて、タッチセンサが受け付けたタッチ入力が、ユーザが意図したタッチ入力であるかユーザが意図しないタッチ入力であるかを判別され得る。そこで、このようなユーザが意図しないタッチ入力であると考えられる場合には、当該タッチ入力を無効とする。これにより、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを抑制できる。
【0012】
また、例えば、本開示の一態様に係る入力装置は、前記テーブルを振動させるアクチュエータを備え、前記センサ部は、マイクを有し、前記制御部は、前記マイクによって検出される、前記アクチュエータが前記テーブルを振動させることにより生じた音に関する特徴量が所定の条件を満たすか否かを判定し、前記所定の条件を満たす場合には、前記タッチ入力を無効にすると判定する。
【0013】
テーブルにユーザの荷物等の物体が載置している場合には、当該物体によるユーザが意図しないタッチ入力が行われる可能性が高いため、当該タッチ入力を無効にするとよいと考えられる。また、テーブルにユーザの荷物等の物体が載置されている場合には、テーブルに何も載置されていない場合と比較して、テーブルが振動しにくくなる等のテーブルの振動に影響が生じると考えらえる。そのため、テーブルを振動させた場合、テーブルにユーザの荷物等の物体が載置されている場合と、テーブルに何も載置されていない場合とでは、振動による音圧(音量)、周波数等の音の特徴量が異なると考えられる。そこで、アクチュエータによって意図的にテーブルを振動させた際の音の特徴量を解析することで、テーブルに物体が載置されているか否かを判定する。これにより、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを適切に抑制できる。
【0014】
また、例えば、前記制御部は、前記マイクによって検出される、前記アクチュエータを駆動させることにより生じた音の音圧と基準音圧との差分が所定の音圧以上であるか否かを判定し、前記所定の音圧以上であると判定した場合、前記タッチ入力を無効にすると判定する。
【0015】
これによれば、アクチュエータによって意図的にテーブルを振動させた際の音を簡単に解析できるため、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0016】
また、例えば、前記タッチセンサは、タッチスイッチとタッチパッドとを含み、前記制御部は、前記タッチスイッチにおけるタッチ入力、及び、前記タッチパッドにおけるタッチ入力を受け付けている状態で、(i)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けたとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を有効にすると判定し、(ii)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が前記所定の時間以上変化し続けていないとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0017】
また、例えば、前記制御部は、前記タッチスイッチにおいてタッチ入力を受け付けている状態で、前記タッチパッドにおいてタッチ入力を受け付けた場合、(i)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が前記所定の時間以上変化し続けたとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を有効にすると判定し、(ii)前記タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が前記所定の時間以上変化し続けていないとき、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0018】
タッチパッドを用いてユーザがタッチ入力する場合には、例えば、ユーザは、指等でタッチパッドに触れてなぞるように操作する。そのため、タッチパッドにユーザが意図して触れている場合と比較して、物体が意図せずタッチパッドに接触してしまうような場合には、タッチ入力の位置が変化するようなタッチパッドへの入力の時間は、短くなる場合が多いと考えらえる。そこで、タッチスイッチ及びタッチパッドの両方でタッチ入力を受け付けた場合には、タッチパッドが受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けていないときには、タッチパッドが受け付けたタッチ入力を無効にすることで、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを適切に抑制できる。
【0019】
また、例えば、前記タッチセンサは、複数のタッチスイッチを含み、前記制御部は、前記複数のタッチスイッチのうちの少なくとも2つのタッチスイッチがタッチ入力を受け付けた場合、前記少なくとも2つのタッチスイッチのそれぞれが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0020】
ユーザがタッチ入力を意図せずにテーブルに手のひら又は肘等を置いた場合には、複数のタッチセンサでタッチ入力が受け付けられる可能性が高い。つまり、少なくとも2つのタッチスイッチがタッチ入力を受け付けるような場合には、いずれのタッチ入力もユーザが意図しないタッチ入力である可能性が高い。そのため、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0021】
また、例えば、前記タッチセンサは、タッチパッドを含み、前記制御部は、前記タッチパッドが所定の面積以上のタッチ入力を受け付けた場合、前記タッチパッドが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0022】
上記した通り、タッチパッドを用いてユーザがタッチ入力する場合には、例えば、ユーザは、指等でタッチパッドに触れてなぞるように操作する。そのため、タッチパッドにおいて、例えば、指先よりも大きな面積でタッチ入力を受け付けた場合には、当該タッチ入力は、ユーザの荷物等が載置されたことによるタッチ入力である可能性が高い。そのため、これによれば、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0023】
また、例えば、前記センサ部は、前記載置面に加わる圧力を検出する感圧センサを有し、前記制御部は、前記感圧センサが検出した圧力が所定の圧力以上である場合、前記タッチセンサが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0024】
ユーザがタッチ入力する場合には、例えば、ユーザは、指等でタッチセンサに触れる。そのため、ユーザがタッチ入力する場合には、載置面には、極端に大きな圧力は加わらないと考えられる。一方、載置面にユーザの荷物等を載置した場合には、ユーザがタッチセンサに触れる場合と比較して大きな載置面に大きな圧力が加わる可能性がある。そのため、これによれば、所定の圧力を適切に設定することで、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0025】
また、例えば、前記センサ部は、前記テーブルが収容部に収容されているか否かを検知する検知部を有し、前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記テーブルが前記収容部に収容されていると判定した場合、前記タッチセンサが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0026】
テーブルが収納されている状態では、ユーザは、タッチ入力を行わないと考えられる。そのため、これによれば、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0027】
また、例えば、前記テーブルは、移動体が備える椅子のアームレストに取り付けられている。
【0028】
本開示に係る入力装置は、上記した通り、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを抑制できるため、アームレスト等のユーザの荷物又はユーザの腕等が載置面に載置されるような、ユーザが意図しないタッチ入力が発生しやすいテーブルに用いられることが特に効果的である。
【0029】
また、例えば、前記タッチセンサは、タッチスイッチ及びタッチパッドを含み、前記タッチスイッチは、前記タッチパッドよりも前記椅子側に配置されている。
【0030】
このようなタッチセンサの配置では、例えば、椅子に着座したユーザがタッチパッドにタッチ入力をしようとした場合等には、タッチスイッチにユーザが意図しないタッチ入力が行われる可能性が高まる。しかしながら、テーブルのサイズ等の制約によっては、このようなタッチセンサの配置をせざるを得ない場合がある。本開示に係る入力装置は、上記した通り、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを抑制できるため、このようなユーザが意図しないタッチ入力が発生しやすいタッチセンサの配置である構成に用いられることが特に効果的である。
【0031】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0032】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0033】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0034】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る入力装置の構成について説明する。
【0035】
図1及び
図2は、実施の形態に係る入力装置が設けられるテーブル400が配置される車両の車室を示す図である。
図3は、実施の形態に係るテーブル400を示す平面図である。具体的には、
図1は、テーブル400がユーザに利用される場合の状態を示す図である。また、
図2は、テーブル400がユーザに利用されずに収容部430に収容されている場合の状態を示す図である。
図3は、テーブル400の載置面401を示す図である。
【0036】
実施の形態に係る入力装置は、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェースである。実施の形態に係る入力装置は、物体が載置可能な載置面401を有するテーブル400に設けられる。具体的には、実施の形態に係る入力装置が備えるタッチスイッチ221、222、223、224、及び、タッチパッド230は、テーブル400に設けられ、載置面401でのユーザのタッチ入力(タッチ操作)を受け付ける。
【0037】
例えば、タッチスイッチ221、222、223、224、及び、タッチパッド230は、テーブル400に内蔵されており、載置面401は、木目調等の意匠面となっている。
【0038】
例えば、テーブル400は、画像が表示されるタッチパネルディスプレイではなく、図示しない光源と特定のマークを表現するために当該光源から出射された光の一部を通過させる貫通孔を有するパネル部とを有する。当該貫通孔を通過し、且つ、意匠面が設けられた、透光性を有する意匠部を光が通過することで、電源ボタン等のマークが当該光で表現される。
【0039】
なお、ここでいう物体とは、例えば、ユーザの荷物等、又は、ユーザの腕等のテーブル400の載置面401に載せられ得る物体である。
【0040】
テーブル400は、例えば、移動体が備える椅子410のアームレスト420に取り付けられている。テーブル400は、例えば、アームレスト420に設けられた収容部430に出し入れ可能なように、ヒンジ等によってアームレスト420に取り付けられている。本実施の形態では、ユーザの腕が置かれる、アームレスト420が備えるクッション部が収容部430の開口を開閉可能とする蓋部440となっている。
【0041】
移動体は、例えば、自動車等の車両である。入力装置100が配置される移動体は、とくに限定されず、電車、新幹線、飛行機であってもよい。また、テーブル400は、ダイニングテーブル又はデスク等の天板に用いられてもよい。
【0042】
図4は、実施の形態に係る入力装置100の機能構成を示すブロック図である。なお、入力装置100は、
図3に示すタッチスイッチ221~224のように、複数のタッチスイッチを備えてもよいが、
図4においては、タッチスイッチ220を1つのみ示している。
【0043】
入力装置100は、ユーザからの入力を受け付けるコントローラである。入力装置100は、センサ部200と、アクチュエータ270と、情報処理部300と、を備える。
【0044】
センサ部200は、タッチ入力の有無等の各種情報を検出するための検出装置である。具体的には、センサ部200は、例えば、載置面401におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサ210を有し、1以上のセンサからなる。
【0045】
センサ部200は、タッチセンサ210と、検知部240と、感圧センサ250と、マイク260と、を備える。
【0046】
タッチセンサ210は、載置面401におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のセンサである。タッチセンサ210が静電容量式のセンサであることで、押しボタン等と比較して載置面401を平らにしやすくできる。
【0047】
タッチセンサ210は、1以上のタッチスイッチ220と、タッチパッド230と、を含む。タッチスイッチ220の数は、特に限定されず、1つでもよいし、複数でもよい。本実施の形態では、
図3に示すように、タッチスイッチ220の数は、12である。
【0048】
タッチスイッチ220は、載置面401におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のセンサである。具体的には、タッチスイッチ220は、タッピングを検出する。例えば、タッチスイッチ220は、
図3に示すタッチスイッチ221~224によって実現される。
【0049】
例えば、タッチスイッチ221は、例えば、電源ボタンである。ユーザは、例えば、タッチスイッチ221にタッチ入力する(例えば、指で触れる)ことで、テーブル400に設けられたタッチスイッチ222~224及びタッチパッド230を利用できるようにする。
【0050】
また、例えば、タッチスイッチ222は、光源オンオフボタンである。ユーザは、例えば、タッチスイッチ222にタッチ入力することで、テーブル400が配置される車両に設けられた光源のオンオフを行う。
【0051】
また、例えば、タッチスイッチ223は、空調機器のオンオフボタンである。ユーザは、例えば、タッチスイッチ223にタッチ入力することで、テーブル400が配置される車両に設けられた空調機器のオンオフを行う。
【0052】
また、例えば、タッチスイッチ224は、ナビゲーション表示のオンオフボタンである。ユーザは、例えば、タッチスイッチ224にタッチ入力することで、テーブル400が配置される車両に設けられたディスプレイ等の表示装置における、ナビゲーションシステム等から得られる地図等の表示のオンオフを行う。
【0053】
タッチパッド230は、載置面401におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のセンサである。ユーザは、例えば、タッチパッド230に、スワイプ、ピンチイン、及び、ピンチアウト等のようになぞるようにタッチ入力することで、上記した表示装置に表示された地図の表示の拡大、縮小、及び、移動等の操作を行う。このように、タッチパッド230は、タッチ入力が行われた位置及び位置の変化を検出する。また、例えば、タッチパッド230は、タッチ入力が行われた範囲(面積)を検出する。
【0054】
入力装置100は、例えば、タッチセンサ210によってユーザから受け付けたタッチ入力に応じた情報を、車両が備える表示装置又はECU(Electronic Control Unit)等の外部機器に送信することで、外部機器に当該タッチ入力に応じた処理を実行させる。このように入力装置100が処理することで、ユーザは、入力装置100を用いて車両に配置された各種装置を操作する。
【0055】
なお、タッチスイッチ220及びタッチパッド230の配置レイアウトは、特に限定されない。本実施の形態では、タッチスイッチ220の少なくとも一部は、タッチパッド230よりも椅子410側に配置されている。具体的には、椅子410に着座したユーザから見て、タッチスイッチ220は、タッチパッド230よりもユーザ側に配置されている。
【0056】
検知部240は、テーブル400(より具体的には、テーブル400に設けられた、タッチスイッチ220及びタッチパッド230等のタッチセンサ210)が収容部430に収容されているか否かを検知するセンサである。検知部240は、例えば、収容部430の内部に配置され、テーブル400が収容部430に収容されているか否かを検知する。検知部240の種類は、特に限定されず、光センサ又は超音波センサ等が例示される。
【0057】
感圧センサ250は、載置面401に加わる圧力(荷重)を検出するセンサである。感圧センサ250は、例えば、テーブル400に配置され、載置面401に加わる圧力を検出する。
【0058】
マイク260は、音を検出するセンサである。具体的には、マイク260は、アクチュエータ270がテーブル400を振動させることにより生じた音を検出する。例えば、マイク260は、アクチュエータ270がテーブル400を振動させることにより生じた音圧を検出する。
【0059】
マイク260は、アクチュエータ270がテーブル400を振動させることにより生じた音を検出することができればよく、テーブル400又は椅子410等の任意の位置に配置されてよい。
【0060】
アクチュエータ270は、テーブル400を振動させる駆動装置である。アクチュエータ270は、例えば、テーブル400、又は、テーブル400とアームレスト420とを接続するヒンジ等に配置されるモータ等により実現される。
【0061】
情報処理部300は、入力装置100における各種情報処理を行う処理装置である。情報処理部300は、例えば、センサ部200及び外部機器と接続された制御線等が接続されるインターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、プログラムを実行するプロセッサ等を備えるコンピュータで実現される。
【0062】
情報処理部300は、取得部310と、制御部320と、出力部330と、を備える。
【0063】
取得部310は、センサ部200が検出した各種情報を取得する。取得部310は、例えば、センサ部200と通信するための通信インターフェースである。取得部310は、制御線が接続されるコネクタ等により実現されてもよいし、センサ部200と無線通信可能に接続するための無線通信回路等により実現されてもよい。
【0064】
制御部320は、入力装置100における各種情報処理を行う処理部である。例えば、制御部320は、タッチセンサ210で受け付けたタッチ入力に応じた処理を行う。例えば、制御部320は、タッチスイッチ222でタッチ入力を受け付けた場合、外部機器に、車両に配置された光源をオンする指示を行う。具体的には、制御部320は、タッチスイッチ222でタッチ入力を受け付けた場合、車両に配置された光源をオンする指示を示す情報を、出力部330を介して外部機器に出力する。
【0065】
ここで、例えば、車室内の座席近傍に設けられるテーブル400にタッチセンサ210を設けるとする。この場合、ユーザは、腕、手のひら、物等をテーブル400に載置する可能性がある。そうすると、ユーザの腕等がタッチセンサ210に接触することで、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理が実行される可能性がある。
【0066】
そこで、制御部320は、センサ部200の検出結果に基づいて、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を有効にするか無効にするかを判定する。例えば、制御部320は、タッチ入力を有効にすると判定した場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力に応じた処理を実行し、タッチ入力を無効にすると判定した場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力に応じた処理を実行しない。例えば、制御部320は、タッチスイッチ222でタッチ入力を受け付けた場合、タッチ入力を有効にすると判定したとき、車両に配置された光源をオンする指示を示す情報を、出力部330を介して外部機器に出力する。一方、例えば、制御部320は、タッチスイッチ222でタッチ入力を受け付けた場合、タッチ入力を無効にすると判定したとき、車両に配置された光源をオンする指示を示す情報を、出力部330を介して外部機器に出力しない。
【0067】
センサ部200の検出結果が、複数のタッチ入力を受け付けた、又は、非常に大きい荷重を検出した等の場合、ユーザが意図しないタッチ入力であると考えらえる。つまり、センサ部200の検出結果に基づいて、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力が、ユーザが意図したタッチ入力であるかユーザが意図しないタッチ入力であるかを判別され得る。そこで、このようなユーザが意図しないタッチ入力であると考えられる場合には、当該タッチ入力を無効とする。これにより、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを抑制できる。
【0068】
制御部320は、例えば、マイク260によって検出される、アクチュエータ270がテーブル400を振動させることにより生じた音に関する特徴量が所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たす場合には、タッチ入力を無効にすると判定する。一方、例えば、制御部320は、当該特徴量が所定の条件を満たさない場合には、タッチ入力を有効にすると判定する。
【0069】
特徴量は、任意に設定されてよい。特徴量は、例えば、マイク260が検出した音の周波数、波形、又は、音圧等である。具体的に例えば、制御部320は、マイク260によって検出される、アクチュエータ270を駆動させることにより生じた音の音圧と基準音圧との差分が所定の音圧以上であるか否かを判定し、所定の音圧以上であると判定した場合、タッチ入力を無効にする。一方、例えば、制御部320は、当該差分が所定の音圧未満である場合には、タッチ入力を有効にすると判定する。
【0070】
テーブル400にユーザの荷物等の物体が載置している場合には、当該物体によるユーザが意図しないタッチ入力が行われる可能性が高いため、当該タッチ入力を無効にするとよいと考えられる。また、テーブル400にユーザの荷物等の重い物体が載置されている場合には、テーブル400に何も載置されていない場合と比較して、テーブル400が振動しにくくなる等のテーブル400の振動に影響が生じると考えらえる。或いは、例えば、テーブル400に空き缶等の軽い物体が載置されている場合には、テーブル400に何も載置されていない場合と比較して、当該物体が振動することで、マイク260で検出される音圧が高くなることがある。そのため、テーブル400を振動させた場合、テーブル400にユーザの荷物等の物体が載置されている場合と、テーブル400に何も載置されていない場合とでは、振動による音圧、周波数等の音の特徴量が異なると考えられる。そこで、アクチュエータ270によって意図的にテーブル400を振動させた際の音の特徴量を解析することで、テーブル400に物体が載置されているか否かを判定する。これにより、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを適切に抑制できる。
【0071】
なお、閾値となる基準音圧を示す情報及び所定の音圧を示す情報は、記憶部340に予め記憶されていてもよい。なお、基準音圧は、例えば、テーブル400に物体が乗っていない状態で、マイク260によって検出される、アクチュエータ270を駆動させることにより生じた音の音圧であってもよい。
【0072】
また、例えば、制御部320は、タッチスイッチ220におけるタッチ入力、及び、タッチパッド230におけるタッチ入力を受け付けている状態で、(i)タッチパッド230が受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けたとき、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を有効にすると判定し、(ii)タッチパッド230が受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けていないとき、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0073】
また、例えば、制御部320は、タッチスイッチ220においてタッチ入力を受け付けている状態で、タッチパッド230においてタッチ入力を受け付けた場合、(i)タッチパッド230が受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けたとき、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を有効にすると判定し、(ii)タッチパッド230が受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けていないとき、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。
【0074】
タッチパッド230にユーザが意図して触れている場合と比較して、物体が意図せずタッチパッド230に接触してしまうような場合には、タッチ入力の位置が変化するようなタッチパッド230への入力の時間は、短くなる場合が多いと考えらえる。そこで、タッチパッド230が受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けていないときには、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を無効にすることで、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを適切に抑制できる。
【0075】
なお、上記(i)においては、タッチスイッチ220で受け付けたタッチ入力は、有効にすると判定されてもよいし、無効にすると判定されてもよい。
【0076】
また、例えば、制御部320は、タッチパッド230においてタッチ入力を受け付けている状態で、タッチスイッチ220においてタッチ入力を受け付けた場合、タッチスイッチ220及びタッチパッド230のそれぞれが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。例えば、制御部320は、タッチパッド230においてタッチ入力を受け付けている状態で、所定の期間、タッチスイッチ220においてタッチ入力を受け付けなかった場合、タッチパッド230で当該所定の期間受け付けたタッチ入力を有効にすると判定する。
【0077】
なお、タッチパッド230においてタッチ入力を受け付けている状態とは、タッチパッド230においてタッチ入力を受け付け続けている状態、つまり、指等の物体が接触し続けている状態である。
【0078】
また、例えば、制御部320は、複数のタッチスイッチ220(例えば、タッチスイッチ221~224)のうちの少なくとも2つのタッチスイッチ220がタッチ入力を受け付けた場合、少なくとも2つのタッチスイッチ220のそれぞれが受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。つまり、例えば、制御部320は、複数のタッチスイッチ220のうちの1つのタッチスイッチ220がタッチ入力を受け付けた場合にのみ、当該1つのタッチスイッチ220のそれぞれが受け付けたタッチ入力を有効にすると判定する。
【0079】
少なくとも2つのタッチスイッチ220がタッチ入力を受け付けた場合とは、例えば、少なくとも2つのタッチスイッチ220がタッチ入力を同時に受け付けた場合、つまり、完全にタイミングが一致する場合だけでなく、一のタッチパッド230においてタッチ入力を受け付けている状態で、他のタッチスイッチ220においてタッチ入力を受け付けた場合も意味する。例えば、少なくとも2つのタッチスイッチ220がタッチ入力を受け付けた場合とは、指先から手首の順に、又は、手首から指先の順にテーブル400に触る、即ち、タッチパッド230及びタッチスイッチ220がこの順でタッチ入力を受け付ける場合、又は、タッチスイッチ220及びタッチパッド230がこの順にタッチ入力を受け付ける場合が考えられる。
【0080】
また、例えば、制御部320は、タッチパッド230が所定の面積以上のタッチ入力を受け付けた場合、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。一方、例えば、制御部320は、タッチパッド230が所定の面積未満のタッチ入力を受け付けた場合、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を有効にすると判定する。
【0081】
例えば、タッチパッド230において、指先よりも大きな面積でタッチ入力を受け付けた場合には、当該タッチ入力は、ユーザの荷物等が載置されたことによるタッチ入力である可能性が高い。そのため、これによれば、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0082】
なお、制御部320が判定に用いる面積は、例えば、空間的に連続してタッチ入力を受け付けている部分(つまり、1箇所のタッチ入力)の面積である。
【0083】
また、例えば、制御部320は、感圧センサ250が検出した圧力が所定の圧力以上である場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。一方、例えば、制御部320は、感圧センサ250が検出した圧力が所定の圧力未満である場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を有効にすると判定する。
【0084】
載置面401にユーザの荷物等を載置した場合には、ユーザがタッチセンサ210に触れる場合と比較して大きな載置面に大きな圧力が加わる可能性がある。そのため、これによれば、所定の圧力を適切に設定することで、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0085】
また、例えば、制御部320は、検知部240の検知結果に基づいて、テーブル400が収容部430に収容されていると判定した場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。つまり、例えば、制御部320は、テーブル400が
図2に示す状態であると判定した場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を無効にすると判定する。一方、例えば、制御部320は、検知部240が、テーブル400が収容部430に収容されていないと判定した場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を有効にすると判定する。つまり、例えば、制御部320は、テーブル400が
図1に示す状態であると判定した場合、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を有効にすると判定する。
【0086】
テーブル400が収納されている状態では、ユーザは、タッチ入力を行わないと考えられる。そのため、これによれば、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行することを簡単に且つ適切に抑制できる。
【0087】
なお、所定の条件、所定の音圧、所定の時間、所定の期間、所定の面積、及び、所定の圧力を示す情報は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。これらの情報は、予め記憶部340に記憶されていてもよい。
【0088】
また、上記した「以上」及び「未満」等の表現は、閾値等を境に比較する意味で用いており、「より大きい」及び「以下」等で置き換えられて用いられてもよい。
【0089】
また、制御部320はRTC(Real Time Clock)等の計時部を有してもよい。
【0090】
また、上記した制御部320が判定に用いる方法は、1以上の任意の組み合わせで用いられてもよい。
【0091】
出力部330は、外部機器への指示を示す情報、及び、アクチュエータ270への駆動指示を示す情報等を出力する。制御部320は、例えば、出力部330を介してアクチュエータ270の駆動を制御したり、外部機器へタッチ入力に応じた情報を出力したりする。
【0092】
出力部330は、例えば、外部機器及びアクチュエータ270と通信するための通信インターフェースである。出力部330は、制御線が接続されるコネクタ等により実現されてもよいし、外部機器及びアクチュエータ270と無線通信可能に接続するための無線通信回路等により実現されてもよい。
【0093】
なお、取得部310及び出力部330は、共通の通信インターフェース等により実現されもてもよい。
【0094】
記憶部340は、入力装置100が備える処理部(例えば、制御部320)が実行する制御プログラム、並びに、所定の条件及び所定の音圧等の閾値等の条件を示す条件情報等を記憶する記憶装置である。記憶部340は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等により実現される。
【0095】
[処理手順]
続いて、入力装置100の処理手順について説明する。
【0096】
図5及び
図6は、実施の形態に係る入力装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0097】
まず、センサ部200は、各種情報の検出を開始する。取得部310は、センサ部200が検出した各種情報をセンサ部200から取得する。ここで、タッチセンサ210が1以上のタッチ入力を受け付けたとする。以下、制御部320は、当該タッチ入力を有効にするか無効にするかの判定を行う。
【0098】
図5に示すように、制御部320は、検知部240の検知結果に基づいて、テーブル400が収容部430に収容されているか否かを判定する(S101)。
【0099】
制御部320は、テーブル400が収容部430に収容されていると判定した場合(S101でYes)、タッチ入力を無効にすると判定する(S108)。この場合、制御部320は、タッチ入力に応じた処理を行わずに処理を終了する。
【0100】
一方、制御部320は、テーブル400が収容部430に収容されていないと判定した場合(S101でNo)、アクチュエータ270を駆動させることで、テーブル400を振動させ、マイク260によって検出される、アクチュエータ270を駆動させることにより生じた音の音圧と基準音圧との差分が所定の音圧以上であるか否かを判定する(S102)。
【0101】
制御部320は、所定の音圧以上であると判定した場合(S102でYes)、タッチ入力を無効にすると判定する(S108)。
【0102】
一方、制御部320は、所定の音圧未満であると判定した場合(S102でNo)、タッチセンサ210で受け付けたタッチ入力が1つであるか否かを判定する(S103)。つまり、制御部320は、タッチセンサ210が受け付けた1以上のタッチ入力は、1つであったか複数であったかを判定する。ここでは、タッチスイッチ220及びタッチパッド230で受け付けたタッチ入力の合計を判定する。なお、ここでは、タッチ入力の合計とは、タッチ入力を受け付けたセンサの合計を示す。例えば、タッチパッド230において複数箇所でタッチ入力を受け付けた場合には、タッチパッド230におけるタッチ入力の数は1つと判定される。
【0103】
制御部320は、タッチ入力が1つであると判定した場合(S103でYes)、タッチ入力を受け付けたのがタッチパッド230であるか否かを判定する(S104)。つまり、制御部320は、タッチパッド230がタッチ入力を受け付けたのかタッチスイッチ220がタッチ入力を受け付けたのかを判定する。
【0104】
制御部320は、タッチパッド230であると判定した場合(S104でYes)、タッチ入力の面積が所定の面積以上であるか否かを判定する(S107)。
【0105】
制御部320は、所定の面積以上であると判定した場合(S107でYes)、タッチ入力を無効にすると判定する(S108)。
【0106】
また、制御部320は、タッチ入力を受け付けたのがタッチスイッチ220であると判定した場合(S104でNo)、又は、タッチ入力の面積が所定の面積未満であると判定した場合(S107でNo)、感圧センサ250が検出した圧力が所定の圧力以上であるか否かを判定する(S105)。
【0107】
制御部320は、所定の圧力以上であると判定した場合(S105でYes)、タッチ入力を無効にすると判定する(S108)。
【0108】
一方、制御部320は、所定の圧力未満であると判定した場合(S105でNo)、タッチ入力を有効にすると判定する(S106)。つまり、この場合、制御部320は、タッチ入力に応じた処理を実行する。
【0109】
また、制御部320は、タッチセンサ210で受け付けたタッチ入力が複数であると判定した場合(S103でNo)、
図6に示すように、複数のタッチ入力がタッチスイッチ220のみで受け付けられたか否かを判定する(S201)。つまり、制御部320は、タッチ入力を受け付けたセンサの中に、タッチパッド230が含まれているか否かを判定する。
【0110】
制御部320は、複数のタッチ入力がタッチスイッチ220のみで受け付けられたと判定した場合(S201でYes)、いずれのタッチ入力も無効にすると判定する(S108)。
【0111】
一方、制御部320は、複数のタッチ入力がタッチスイッチ220のみで受け付けられていないと判定した場合(S201でNo)、つまり、タッチスイッチ220及びタッチパッド230の両方がタッチ入力を受け付けた場合、タッチ入力が、タッチスイッチ220、タッチパッド230の順番で行われたか否かを判定する(S202)。つまり、制御部320は、タッチスイッチ220が受け付けたタッチ入力とタッチパッド230が受け付けたタッチ入力とのうち、タッチスイッチ220が受け付けたタッチ入力の方が先に行われたか否かを判定する。
【0112】
制御部320は、タッチスイッチ220、タッチパッド230の順番で行われていないと判定した場合(S202でNo)、つまり、タッチ入力が、タッチパッド230、タッチスイッチ220の順番で行われたと判定した場合、いずれのタッチ入力も無効にすると判定する(S108)。
【0113】
一方、制御部320は、タッチスイッチ220、タッチパッド230の順番で行われたと判定した場合(S202でYes)、タッチパッド230が受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けたか否かを判定する(S203)。
【0114】
制御部320は、所定の時間以上変化し続けたと判定した場合(S203でYes)、タッチ入力を有効にすると判定する(S108)。
【0115】
なお、この場合、制御部320は、タッチパッド230が受け付けているタッチ入力を有効とし、且つ、タッチスイッチ220が受け付けているタッチ入力を無効にすると判定してもよいし、いずれのタッチ入力も有効にすると判定してもよい。
【0116】
一方、制御部320は、所定の時間以上変化し続けていないと判定した場合(S203でNo)、いずれのタッチ入力も無効にすると判定する(S108)。
【0117】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る入力装置100は、物体が載置可能な載置面401を有するテーブル400に設けられる入力装置であって、載置面401におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサ210を有するセンサ部200と、センサ部200の検出結果に基づいて、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を有効にするか無効にするかを判定する制御部320と、を備える。
【0118】
入力装置100は、例えば、内装加飾を一体化させたテーブル400に用いられるコントローラであって、タッチ入力を有効にするか無効にするかの機能を有する。例えば、車室内の座席(椅子410)近傍に設けられる、物体を載置可能なテーブル400に、ユーザのタッチ入力を検出可能なタッチセンサ210を設ける場合、ユーザが、操作の意図なく、例えば、腕、手のひら、物等をテーブル400に載置する可能性がある。そのため、ユーザが、操作を意図したタッチ入力であるか、操作を意図していないタッチ入力であるかを判別することが望まれる。そこで、入力装置100は、内装加飾を損なわない様に透過して表示且つ操作可能な複数のタッチスイッチ220及びタッチパッド230を含む。さらに、制御部320は、タッチセンサ210からの信号、マイク260からの信号、検知部240からの信号、及び、感圧センサ250からの信号等のセンサ部200からの信号(つまり、センサ部200の検出結果)に基づいて、上記した通りタッチ入力が意図しない入力であるか否かを判断する。これによれば、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理が実行されることを抑制できる。
【0119】
また、テーブル400は、移動体が備える椅子410のアームレスト420に取り付けられており、タッチスイッチ220は、タッチパッド230よりも椅子410側に配置されている。例えば、複数のタッチスイッチ220のうちの少なくとも1つは、タッチパッド230よりも椅子410側に配置されている。さらに、制御部320は、タッチスイッチ220においてタッチ入力を受け付けている状態で、タッチパッド230においてタッチ入力を受け付けた場合、タッチパッド230が受け付けているタッチ入力の位置が所定の時間以上変化し続けたとき、タッチパッド230が受け付けたタッチ入力を有効にする。また、この場合、例えば、制御部320は、タッチスイッチ220が受け付けたタッチ入力を無効にする。
【0120】
これによれば、例えば、椅子410に着座しているユーザが、手首を置きつつタッチパッド230に指先でタッチ入力をし、仮に手首がユーザ側に位置するタッチスイッチ220と接触したとしても、制御部320は、ユーザが意図する入力に応じた処理のみを実行しつつ、ユーザが意図しないタッチ入力に応じた処理を実行しないようにできる。そのため、ユーザの使いやすさが向上され得る。
【0121】
なお、上記した入力装置100の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0122】
例えば、本開示の一態様に係る入力方法は、物体が載置可能な載置面401を有するテーブル400に設けられる入力装置100が実行する入力方法であって、載置面401におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサ210を有するセンサ部200の検出結果に基づいて、タッチセンサ210が受け付けたタッチ入力を有効にするか無効にするかを判定する。
【0123】
また、例えば、本開示の一態様に係るプログラムは、上記した入力方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0124】
これらによれば、入力装置100と同様の効果を奏する。
【0125】
(その他の実施の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係る入力装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0126】
例えば、上記実施の形態では、収容部430は箱体となっており、その内部にテーブルが配置される。収容部430は、例えば、テーブル400をアームレスト420に沿って縦向き(例えば、載置面401がアームレスト420の側面に沿うように)に配置するための固定具等であってもよい。例えば、当該固定具に固定された状態が収容された状態であってもよい。
【0127】
また、例えば、上記実施の形態において、入力装置100が備える処理部の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の非一時的な記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0128】
また、入力装置100の処理部は、ECU等とともに1つのプロセッサとして実現されてもよい。
【0129】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0130】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウス等から構成されるコンピュータシステムである。そのRAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0131】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を含んで構成されるコンピュータシステムである。上記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0132】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、その装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0133】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0134】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0135】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0136】
また、プログラム又はデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、又はプログラム又はデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本開示は、例えば、車両が備える椅子に配置されるテーブルに設けられた入力装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0138】
100 入力装置
200 センサ部
210 タッチセンサ
220、221、222、223、224 タッチスイッチ
230 タッチパッド
240 検知部
250 感圧センサ
260 マイク
270 アクチュエータ
300 情報処理部
310 取得部
320 制御部
330 出力部
340 記憶部
400 テーブル
401 載置面
410 椅子
420 アームレスト
430 収容部
440 蓋部