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特開2023-7793カメラ設置支援システム、カメラ制御装置、及びカメラ設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007793
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】カメラ設置支援システム、カメラ制御装置、及びカメラ設置方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20230112BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20230112BHJP
   H04N 23/69 20230101ALI20230112BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20230112BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230112BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20230112BHJP
   B67D 7/32 20100101ALI20230112BHJP
【FI】
H04N7/18 E
H04N5/232 945
H04N5/232 960
H04N5/232 990
G03B15/00 P
G03B17/56 A
B67D7/32 E
B67D7/32 A
B67D7/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110867
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】戸田 一浩
(72)【発明者】
【氏名】富樫 純一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 崇雅
(72)【発明者】
【氏名】清水 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】門脇 正天
(72)【発明者】
【氏名】野澤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】増田 彰
【テーマコード(参考)】
2H105
3E083
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA03
2H105EE05
3E083AA02
3E083AB15
3E083AD01
3E083AD29
5C054CA04
5C054CC02
5C054CF06
5C054CG06
5C054FC12
5C054HA19
5C122DA11
5C122EA42
5C122FE02
5C122FH11
5C122FH14
5C122FK23
5C122FK28
5C122FK37
5C122FK41
5C122GD04
5C122GD06
5C122HA82
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】給油所におけるセルフ給油の監視に適した視野範囲にカメラを調整する作業を容易に実施できるようにする。
【解決手段】給油所にある計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置の方向にシフトした位置にカメラを設置する設置工程を実施し、その後、映像における計量機の位置及びサイズを規定したガイドを含む調整用画像を用いて、カメラの視野範囲を調整する調整工程を実施する。調整工程には、カメラ映像から計量機を検出するための学習済みモデルを用いて、カメラの撮影映像から計量機を検出する処理と、カメラの撮影映像に含まれる計量機の中心座標と調整用画像のガイドの中心座標とが一致するようにカメラのパン及びチルトを調整する処理と、カメラの撮影映像に含まれる計量機のサイズと調整用画像のガイドのサイズとが一致するようにカメラのズームを調整する処理とが含まれ得る。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油所にある計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置に設置されたカメラと、
前記カメラのパン、チルト及びズームを制御する機能を有するカメラ制御装置とを備え、
前記カメラ制御装置は、基準対象物の位置及びサイズを規定したガイド情報を用いて、前記カメラの撮影映像に含まれる基準対象物の中心座標と前記ガイド情報に含まれる基準対象物の中心座標とが一致するように前記カメラのパン及びチルトを制御する処理と、前記カメラの撮影映像に含まれる基準対象物のサイズと前記ガイド情報に含まれる基準対象物のサイズとが一致するように前記カメラのズームを制御する処理とを実行することを特徴とするカメラ設置支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラ設置支援システムにおいて、
前記カメラ制御装置は、映像に含まれる基準対象物を検出するための学習済みモデルを用いて、前記カメラの撮影映像から基準対象物を検出する処理を実行することを特徴とするカメラ設置支援システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカメラ設置支援システムにおいて、
前記カメラ制御装置は、前記カメラの撮影映像に前記ガイド情報に含まれる基準対象物の位置及びサイズを示す画像を重畳させた映像を出力する処理を実行することを特徴とするカメラ設置支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカメラ設置支援システムにおいて、
前記基準対象物は、計量機であることを特徴とするカメラ設置支援システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカメラ設置支援システムにおいて、
前記基準対象物は、地面に設置された又は塗布された印であることを特徴とするカメラ設置支援システム。
【請求項6】
給油所に設置されたカメラのパン、チルト及びズームを制御する機能を有するカメラ制御装置であって、
前記カメラは、給油所にある計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置に設置されており、
当該カメラ制御装置は、基準対象物の位置及びサイズを規定したガイド情報を用いて、前記カメラの撮影映像に含まれる基準対象物の中心座標と前記ガイド情報に含まれる基準対象物の中心座標とが一致するように前記カメラのパン及びチルトを制御する処理と、前記カメラの撮影映像に含まれる基準対象物のサイズと前記ガイド情報に含まれる基準対象物のサイズとが一致するように前記カメラのズームを制御する処理とを実行することを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項7】
給油所にある計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置にカメラを設置する設置工程と、
映像内における基準対象物の位置及びサイズを規定したガイドを含む調整用画像を用いて、前記カメラの視野範囲を調整する調整工程とを有することを特徴とするカメラ設置方法。
【請求項8】
請求項7に記載のカメラ設置方法において、
前記調整工程は、カメラ映像から基準対象物を検出するための学習済みモデルを用いて、前記カメラの撮影映像から基準対象物を検出する処理を含むことを特徴とするカメラ設置方法。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載のカメラ設置方法において、
前記調整工程は、前記カメラの撮影映像に含まれる基準対象物の中心座標と前記調整用画像のガイドの中心座標とが一致するように前記カメラのパン及びチルトを制御する処理と、前記カメラの撮影映像に含まれる基準対象物のサイズと前記調整用画像のガイドのサイズとが一致するように前記カメラのズームを制御する処理とを含むことを特徴とするカメラ設置方法。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のカメラ設置方法において、
前記基準対象物は、計量機であることを特徴とするカメラ設置方法。
【請求項11】
請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のカメラ設置方法において、
前記基準対象物は、地面に設置された又は塗布された印であることを特徴とするカメラ設置方法。
【請求項12】
請求項7乃至請求項11のいずれかに記載のカメラ設置方法において、
前記調整工程は、前記カメラの撮影映像に前記調整用画像を重畳して表示する処理を含むことを特徴とするカメラ設置方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油所におけるセルフ給油の様子を撮影するためのカメラの設置を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセルフ給油では、給油所における危険行為の発見を人(従業員)の目視により行っていた。セルフ給油に対応した給油所では、給油許可を出してよいかを従業員が確認するための確認用カメラが設置されている。このような確認用カメラは、計量機に対して車両の前方側又は後方側の斜め上方に設置され、給油動作を車両の前方側又は後方側から斜めに見下ろした映像を撮影するのが一般的であった。図1は、給油所における従来のカメラの設置位置の例を示している。図1の例では、カメラ10が計量機20に対して車両30の後方側の斜め上方に設置されている。
【0003】
ここで、本発明に係る技術分野の従来技術としては、以下のようなものがある。例えば、特許文献1には、各給油ポイントの情報と監視モニタに表示される各給油ポイントの画像とを対応させる発明が開示されている。また、特許文献2には、監視装置が利用者の異常行動を判定し、利用者の操作による車両への給油を制御する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-238899号公報
【特許文献2】国際公開第2021/015256号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、画像処理とAIを組み合わせて危険行為を発見するアプローチが検討されている。しかしながら、図1のような計量機に対して斜め方向から撮影する形態では、死角の発生によって期待された検出結果が得られない場合がある。また、給油所は店舗によりレイアウトが異なるため、カメラ位置、高さ、角度、視野範囲などを共通的に定義することは難しい。その結果、カメラ設置精度は工事作業者の経験に基づくことになり、均一なカメラ設置位置や画角にならない。また仮に、理想的な画角があって、カメラ設置が厳密に定義されたとしても、給油所毎に異なるレイアウトに対して毎回異なる作業者がカメラ設置を行うような状況では、作業者が現場で忠実に定義を遵守してカメラ設置することは極めて困難である。
【0006】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、給油所におけるセルフ給油の監視に適した視野範囲にカメラを調整する作業を容易に実施できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様であるカメラ設置支援システムは、以下のように構成される。
すなわち、本発明に係るカメラ設置支援システムは、給油所にある計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置に設置されたカメラと、カメラのパン、チルト及びズームを制御する機能を有するカメラ制御装置とを備え、カメラ制御装置は、計量機の位置及びサイズを規定したガイド情報を用いて、カメラの撮影映像に含まれる計量機の中心座標とガイド情報に含まれる計量機の中心座標とが一致するようにカメラのパン及びチルトを制御する処理と、カメラの撮影映像に含まれる計量機のサイズとガイド情報に含まれる計量機のサイズとが一致するようにカメラのズームを制御する処理とを実行することを特徴とする。
【0008】
ここで、カメラ制御装置は、映像に含まれる計量機を検出するための学習済みモデルを用いて、カメラの撮影映像から計量機を検出する処理を実行するように構成され得る。
【0009】
また、カメラ制御装置は、カメラの撮影映像にガイド情報に含まれる計量機の位置及びサイズを示す画像を重畳させた映像を出力する処理を実行するように構成され得る。
【0010】
また、本発明の一態様であるカメラ制御装置は、以下のように構成される。
すなわち、本発明に係るカメラ制御装置は、給油所に設置されたカメラのパン、チルト及びズームを制御する機能を有するカメラ制御装置であって、カメラは、給油所にある計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置に設置されており、当該カメラ制御装置は、計量機の位置及びサイズを規定したガイド情報を用いて、カメラの撮影映像に含まれる計量機の中心座標とガイド情報に含まれる計量機の中心座標とが一致するようにカメラのパン及びチルトを制御する処理と、カメラの撮影映像に含まれる計量機のサイズとガイド情報に含まれる計量機のサイズとが一致するようにカメラのズームを制御する処理とを実行することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様であるカメラ設置方法は、以下のように構成される。
すなわち、本発明に係るカメラ設置方法は、給油所にある計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置にカメラを設置する設置工程と、映像内における計量機の位置及びサイズを規定したガイドを含む調整用画像を用いて、カメラの視野範囲を調整する調整工程とを有することを特徴とする。
【0012】
ここで、調整工程は、カメラ映像から計量機を検出するための学習済みモデルを用いて、カメラの撮影映像から計量機を検出する処理を含むように構成され得る。
【0013】
また、調整工程は、カメラの撮影映像に含まれる計量機の中心座標と調整用画像のガイドの中心座標とが一致するようにカメラのパン及びチルトを制御する処理と、カメラの撮影映像に含まれる計量機のサイズと調整用画像のガイドのサイズとが一致するようにカメラのズームを制御する処理とを含むように構成され得る。
【0014】
また、調整工程は、カメラの撮影映像に調整用画像を重畳して表示する処理を含むように構成され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、給油所におけるセルフ給油の監視に適した視野範囲にカメラを調整する作業を容易に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のカメラの設置位置の例を示す正面図である。
図2】セルフ給油の監視に適したカメラの設置位置の例を示す正面図である。
図3】セルフ給油の監視に適したカメラの設置位置の例を示す平面図である。
図4】セルフ給油の監視に適したカメラの設置位置の例を示す側面図である。
図5図2図4に示す設置位置のカメラによる視野範囲の例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るカメラ設置支援システムの構成例を示す図である。
図7A図6のカメラ設置支援システムで使用される調整用画像の例を示す図である。
図7B図6のカメラ設置支援システムで使用される調整用画像の例を示す図である。
図8図6のカメラ設置支援システムで実施されるカメラの視野範囲の自動調整に関するフローチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、給油所におけるセルフ給油の監視を行うのに適したカメラの設置位置について説明する。画像処理AIによる危険行為の発見を行うにあたり、カメラ位置は重要なポイントとなる。しかしながら、従来の給油所にある確認用カメラは、従業員の目視によるおおよその確認が目的であるため、カメラ位置や画角はそれほど重要視されていない。このため、画像処理AIによる危険行為の発見には不適切なカメラ位置や画角であることが多い。更に、画像処理AIによる効果を最大限に引き出すためには、カメラ位置、高さ、画角等の厳密な調整が必要になるが、給油所は店舗によってレイアウトが異なるため、カメラ位置、高さ、画角を共通的に定義することは行われていない。このため、工事作業者の経験に基づいたカメラ取り付けでは、画像処理AIの均一な検出精度が得られない。そこで、好適なカメラ設置位置を決めるために、セルフ給油を行う際の車両停止位置、給油者の姿勢、給油者の挙動の3項目について分析した。
【0018】
(1)車両停車位置
給油所を訪れる給油者の個人判断に依存するが、給油所の路面に矩形状にマークされた車両停車位置に自然と車両が促されるため、概ね車両の給油口が計量機の正面になるように停車されることが多い。また、計量機と車両の給油口との間の距離としては、給油ホ-スが届く距離で、かつ、給油動作に支障がなく、人がスムーズに出入りできる程度の距離が一般的に確保される。
【0019】
(2)給油者の姿勢
給油者は、概ね片手で給油ノズルを保持し、車両の傍らに立ち姿勢で給油する。給油が完了するまで、ほぼこの状態が維持される。従来のように、給油動作を車両の前方側又は後方側から斜めに見下ろした映像を撮影するカメラ配置では、給油ノズルを保持する手や腕に隠れてしまい、給油口が見えなくなる状況が発生する場合がある。また、給油者が両手で給油ノズルを保持する場合もまれにあるが、状況は同様である。
【0020】
給油者の立ち位置としては、給油ノズルに対して車両の前方側又は後方側であることが多い。ここで、例えば、車両の後方側から撮影するカメラ位置である場合で、かつ、給油者が車両の後方側に立った状態で給油した場合、給油口や給油ノズルは給油者に隠れてしまって給油動作を全く確認できなくなる。また、例えば、車両のドアを開けたままで給油が行われる場合があるが、カメラ位置が車両の前方側であれば、この際の給油動作はドアに隠れて全く確認できなくなる。
【0021】
(3)給油者の挙動
給油時は、給油者が給油ノズルを手で保持する必要があるため、立ち姿勢を維持することになり、その結果、給油中に給油者が大きく動くことは少ない。ところが、継ぎ足し給油の際などに、給油者が給油口を覗きながら給油する場合がある。この場合、給油者の頭部や上半身が給油口や給油ノズルに覆い被さることで、給油口や給油ノズルが隠れてしまい、カメラで捉えることができないことがある。
【0022】
なお、車両の給油口は車両に対して側面に位置し、給油ノズルは車両に対して垂直に挿し込まれる。そのため、継ぎ足し給油の際は、給油ノズルを少し引いて、給油ノズルの横方向か、もしくは正面から給油口を覗くような姿勢となる。車両の構造上、給油口の真上からでは給油タンク内部が見えないためであり、給油口を真上から覗くような姿勢にはなりにくい。
【0023】
以上の分析結果より、給油者の細かい給油動作には種々あるものの、給油所のレイアウトや車両の形状がパターン化されているので、カメラの視野範囲をどのようにすべきかについてはある程度固定化できることがわかる。このことから、画像処理AIにより給油動作を検出するためのカメラ位置、高さ、角度をパターン化することで、様々な給油所のレイアウトに対して共通化できるようになり、危険行為を高い精度で検出することが可能となる。
【0024】
次に、カメラの台数について分析する。カメラ位置のパターン化は、カメラ台数にも左右される。例えば、従来のように、車両の前方側又は後方側から斜めに見下ろす角度で撮影する場合、給油者自身による隠れやドアによる隠れに対する対策として、1つのレ-ンに対して2台のカメラを設置して2方向から撮影することが考えられる。この場合、カメラ本体の設置台数が増えることから、機器費や工事費のコストが増大する。また、2台のカメラ映像を各々取り込んで画像処理AIに推論処理を実行させる必要があるため、画像処理AIが煩雑かつ複雑になる。また、カメラ2台分の映像を同時に処理する必要があることから、リソースの消費がカメラ1台分に対しておよそ2倍になる。その結果、AIの推論処理を行うコンピュータとして高性能機種を採用しなければならず、この点でもコストが割高となってしまう。
【0025】
一方、給油所に既に設置されている確認用カメラは、カメラ1台で2レーン分を撮影しているケースがある。この場合には、カメラ視野範囲の左右に各レーンが映ることになる。この2レーンを同時に撮影するケースでは、1レーンあたりに有効な画素数は少なくとも元の画素数の半分以下になり、情報量が半減する。また、画像処理AIで給油動作を監視する用途においては、2レーンを同時に撮影するがゆえに、カメラ視野範囲の中に給油動作に関係のない部分(監視に不要な部分)を少なからず含んでしまう。その結果、カメラの解像度を有効に活用できず、カメラの利用効率が良くない。これと同時に、誤報の原因ともなり得る。
【0026】
これらの分析結果より、カメラ台数は1レーンあたり1台を上限とし、可能な限り、画像処理AIにとって不要な部分を含まず、有効な部分を多く含むような視野範囲に設定する方がよいことがわかる。なお、2レーンを1台のカメラで同時に撮影する場合には、例えば、4Kカメラなどの高解像度のカメラを使用することで、元々の懸念を払拭できる可能性がある。実用においては、精度が均一かつ高く維持される撮影を行える場合に限り、どちらの運用でも問題ない。
【0027】
次に、カメラ設置位置の固定化について分析する。これまでの分析から、画像処理AIにて給油動作を監視する場合の適切なカメラの設置位置は、ある程度絞り込まれる。本実施形態では、できる限り、給油者の動きに関わらず、一連の給油動作を監視し続けられる位置を基準とする。
【0028】
(1)基準となる視野範囲
目指すべき、基準となる視野範囲は、計量機を中心にする。例えば、撮影映像の上部の中央に計量機が位置するような視野範囲とする。車両停車位置の分析から、給油動作が行われる場所は、計量機の中心であることがわかっているので、この部分を最も大きく撮影することが可能な位置にするためである。これにより、画像処理AIの検出精度を向上させることができる。また、視野範囲から給油動作が見切れる可能性を抑えられる。
【0029】
(2)カメラ設置位置
視野範囲を計量機中心とするために、カメラの設置位置は、図2図5に示すような位置を基準とする。図2は、カメラの設置位置の例を示す正面図である。図3は、カメラの設置位置の例を示す平面図である。図4は、カメラの設置位置の例を示す側面図である。
【0030】
これらの図に示すように、カメラ10を、計量機20の中心を通って車両停車位置40の方向に延びる軸Xに沿った位置に設置することが理想である。給油所には必ずキャノピー(屋根)が設置されているため、カメラは基本的に天井取り付けとなる。図3の例では、計量機20を挟み込むように2つの車両停車位置40A,40Bが設定されており、これに対応して2つカメラ10A,10Bが設置されている。
【0031】
カメラの設置位置を計量機の真上にすると、給油者本人によって給油口が隠れる可能性がある。一方で、カメラの設置位置を計量機の真上から離し過ぎると、車両によって給油口が見えにくくなる。そこで、図3図4に示すように、計量機20の真上から車両停車位置40の方向にある程度(例えば、1.5メートル程度)シフトさせた位置とすることが好ましい。ただし、1台のカメラで2レーンを同時に撮影する場合には、図3に破線10’で示すように、計量機20の真上にカメラを設けるようにしてもよい。
【0032】
以上のように、計量機の真上の位置(カメラ1台で2レーンを撮影する場合)又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置(カメラ1台で1レーンを撮影する場合)に、カメラを設置するようにする。ここで、本明細書における「計量機の真上」は、計量機の中心の鉛直上だけを意味するものではなく、計量機を平面視した場合の計量機の設置範囲に相当する計量機の上空エリアも含まれる。したがって、「計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置方向にシフトした位置」には、車両側から見た計量機の幅W(図3参照)に対応する範囲の上空エリアが含まれる。ただし、カメラの設置位置としては、計量機の中心を通る軸X(図3参照)により近い位置のほうが望ましいことは言うまでもない。
【0033】
(3)カメラ設置する高さ
カメラを取り付けるキャノピーの高さは給油所によって異なり、概ね4mから6m程度の高さがある。そこで、カメラ設置の高さの違いは、カメラのレンズによるズーム機能で吸収することとする。カメラとしては、例えば、焦点距離=2.8~8.5[mm]、水平画角=38~110[°]、垂直画角=21~62[°]、解像度=フルHD(1920×1080)、アスペクト比=16:9のようなスペックのものを用いる。このように、ある程度の望遠、広角を設定できるカメラを選定することが望ましい。例えば、高さ4mの位置にカメラを設置する場合は広角に設定し、高さ6mの位置にカメラを設置する望遠に設定すればよい。また、カメラは、自動でズーム調整できるものが好ましく、更には自動でパン、チルトも調整できるものが好ましい。
【0034】
(4)カメラの角度
カメラの光軸をそのまま真下に向けてしまうと、計量機本体が見えず、計量機前の動作を確認できなくなる。また、給油動作の一部が車両の陰に隠れてしまう場合もある。したがって、カメラの角度は、光軸を計量機の方向にやや傾けることが理想である。そこで、図4に示すように、カメラ10の本体を計量機20の方向に少し傾けることが望ましい。これにより、図5に示すように、計量機を正面方向から見下ろすような映像を撮影できるようになる。
【0035】
図5の例では、計量機20と車両30の間の空間、すなわち、給油動作の全体的な様子を把握できるような映像50が撮影されている。したがって、車両の給油口付近と給油ノズルの挿入状態が給油者によって隠れずに見える映像を撮影できるため、計量機前の様子を支障なく確認できるようになる。
【0036】
上記のようにして決定された位置にカメラを設置した後、画像処理AIに適した映像を撮影できるようにカメラの視野範囲を調整する必要がある。図6には、本発明の一実施形態に係る、カメラの視野範囲の調整に使用されるカメラ設置支援システムの構成例を示してある。同図のカメラ設置支援システムは、カメラ10と、カメラ制御装置60とを備えている。カメラ制御装置60は、例えば、プロセッサやメモリなどのハードウェア資源を備えたコンピュータにより実現され、本発明に係る各機能を実現するためのプログラムをプロセッサが実行するように構成される。
【0037】
図6のカメラ制御装置60は、メモリ61と、制御部62と、表示部63と、操作部64とを有しており、カメラ10と有線又は無線により通信可能に接続される。カメラ制御装置60の動作について、カメラ10の視野範囲を手動調整する場合、半自動調整する場合、及び、全自動調整する場合の3パターンを例にして以下に説明する。
【0038】
(1)視野範囲の手動調整
カメラを所定の位置に固定した後、カメラ本体の角度調整とズーム調整により、視野範囲を決定していく。パン・チルトを遠隔で制御する機能がない、ブレッド型カメラもしくはボックス型のカメラを用いる場合には、手動で角度調整を行う必要がある。また、ズーム調整にバリフォーカルレンズを使う場合にも、手動での調整となる。カメラの設置は高所による手動作業になるため、経験に基づく指示では正確な調整はできず、また手動によるために厳密な精度が得られない。
【0039】
この解決策として、図7Aに一例を示すような、映像における計量機の位置及びサイズを規定したガイド72を含む調整用画像70を予め準備し、カメラ制御装置60のメモリ61に記憶させておく。カメラ制御装置60は、制御部62による制御の下、調整用画像70をカメラ10の撮影映像にリアルタイムに重畳して表示部63に表示する。作業者は、カメラ制御装置60の表示部63に表示された映像における計量機の位置及びサイズが調整用画像70のガイド72にマッチするように、カメラ10を直接操作してカメラ10の視野範囲を調整する。これにより、手作業による視野範囲の調整精度が向上するため、誰でも均一に視野範囲を調整できるようになる。
【0040】
一例として、カメラ制御装置60は、カメラ10を手作業で調整する作業者が携帯する端末(例えば、タブレット)として実現される。この場合、作業者自身が、調整用画像が重畳された撮影映像をその場で確認することができる。別の例として、カメラ制御装置60は、給油所の建屋内に設置された監視装置として実現される。この場合、建屋内の人員が、調整用画像が重畳された撮影映像を確認しながら作業者に指示することもできる。更に別の例として、カメラ制御装置60は、給油所の設備にネットワーク回線を通じて接続された別拠点に設置された遠隔監視装置として実現されてもよい。
【0041】
ここで、図7Aは、レーン毎に1台のカメラを設置する場合に使用する調整用画像70を示しており、上側中央部に計量機が映る映像を撮影するためのものである。なお、カメラ1台で2レーンを撮影する場合には、図7Bに別の例を示すように、計量機の両脇に車両が駐車されるため、映像における計量機の位置及びサイズを規定したガイド76を中央部に含むような調整用画像74を使用すればよい。
【0042】
(2)視野範囲の半自動調整
カメラ10としてPTZ(パン・チルト・ズーム)の遠隔制御が可能なものを使用する場合、視野範囲の調整作業をある程度自動化することが可能である。すなわち、カメラ制御装置60は、制御部62による制御の下、調整用画像70(又は調整用画像74)をカメラ10の撮影映像にリアルタイムに重畳して表示部63に表示する。そして、操作部64で受け付けた操作に従って、制御部62がカメラ10のパン・チルト・ズームを遠隔的に制御する。作業者は、カメラ制御装置60の表示部63の表示を見ながら操作部64を操作して、パン・チルトの遠隔制御によりカメラ10の向きを縦横方向に調整する。また同様に、ズームの遠隔制御によりカメラ10の高さ方向の視野範囲を調整する。
【0043】
このように、カメラ10の視野範囲を遠隔制御により調整することができれば、カメラを設置した後は、高所での手動作業による視野範囲の調整が不要となる。カメラ制御装置60は、作業者が携帯する端末(例えば、タブレット)として実現されてもよく、給油所の建屋内に設置された監視装置として実現されてもよく、給油所の設備にネットワーク回線を通じて接続された別拠点に設置された遠隔監視装置として実現されてもよい。
【0044】
(3)視野範囲の全自動調整
撮影映像内のどこかに計量機が映るような位置にカメラ10が設置されている場合、視野範囲の調整作業を完全に自動化することが可能である。すなわち、カメラ制御装置60は、制御部62による制御の下、カメラ10の撮影映像から計量機を検出し、その位置及びサイズを把握する。そして、調整用画像70のガイド72(又は調整用画像74のガイド76)が示す位置及びサイズにマッチするように、制御部62がカメラ10のパン・チルト・ズームを遠隔的に制御する。なお、本実施例においては、調整用画像上のガイドの代わりに、予め規定された計量機の位置及びサイズの数値情報を用いてもよい。以下、カメラ10の視野範囲の基準となる、計量機の位置及びサイズを含む情報をガイド情報と称する。
【0045】
以下、視野範囲の全自動調整について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。
カメラが設置された後、カメラ制御装置60はまず、カメラ10の撮影映像から計量機を検出する(ステップS11)。本例では、撮影映像から計量機を検出できるように、予め、視野範囲の調整が適切に完了したカメラにて計量機を撮影した映像を学習データとして収集しておき、この学習データに基づいて、撮影映像から計量機を検出するための学習済みモデルを生成してあるものとする。この学習済みモデルを用いた計量機検出用AIにより、撮影映像に含まれる計量機を検出し、計量機の位置及びサイズを算出することができる。
【0046】
次に、カメラ制御装置60は、撮影映像に含まれる計量機の位置及びサイズがガイド情報に含まれる計量機の位置及びサイズに合うように、カメラ10のパン・チルト・ズームを自動制御する。一例として、まず、撮影映像から検出された計量機の中心座標と、ガイド情報の計量機の中心座標との差分、すなわち、水平方向(H)及び垂直方向(V)の画素数(ズレ量)を算出する(ステップS12)。その後、撮影映像に計量機の位置ズレがあるか否かを判定する(ステップS13)。算出したズレ量がゼロの場合(又は所定の閾値以下の場合)には、位置ズレがないものとし、そうでない場合は位置ズレがあるものとする。
【0047】
そして、撮影映像に計量機の位置ズレがあると判定された場合には、撮影映像に含まれる計量機の中心座標がガイド情報の計量機の中心座標に近づくように(つまり、ズレ量が小さくなるように)、カメラ10のパン・チルトを調整する(ステップS14)。ステップS12~S14の処理は、位置ズレが解消するまで繰り返される。すなわち、カメラ10のパン・チルトを調整するたびに、撮影映像に含まれる計量機の中心座標とガイド情報の計量機の中心座標とのズレを計算し、そのズレを補正するように再度パン・チルトを調整する。このように、カメラ制御装置60は、複数回のパン・チルトの制御によって、カメラ10の向きを徐々に補正していく。
【0048】
次に、カメラ制御装置60は、カメラ10のズームを調整して、高さ方向の視野範囲を調整する。ここでは、AIにより撮影映像から計量機を検出した際に、撮影映像における計量機のサイズを算出する(ステップS15)。計量機のサイズは、例えば、撮影映像における計量機の境界を示す矩形を求め、この矩形のサイズを算出することで得られる。次に、撮影映像に含まれる計量機のサイズがガイド情報の計量機のサイズと一致するか否かを判定する(ステップS16)。
【0049】
そして、サイズ不一致と判定された場合には、撮影映像に含まれる計量機のサイズがガイド情報の計量機と同程度のサイズになるように、カメラ10のズームを調整する(ステップS17)。すなわち、撮影映像に含まれる計量機のサイズがガイド情報の計量機のサイズより小さい場合はズームインし、そうでない場合はズームアウトする。ステップS15~S17の処理は、サイズ不一致が解消するまで繰り返される。すなわち、カメラ10のズームを調整するたびに、撮影映像に含まれる計量機のサイズを計算し、ガイド情報の計量機のサイズと一致するように再度ズームを調整する。このように、カメラ制御装置60は、複数回のズームの制御によって、カメラの高さ方向の視野範囲を徐々に補正していく。
【0050】
以上のように、カメラ制御装置60が、カメラ10の撮影映像に含まれる計量機の中心座標とガイド情報の計量機の中心座標とが一致するようにカメラ10のパン及びチルトを調整する処理と、カメラ10の撮影映像に含まれる計量機のサイズとガイド情報の計量機のサイズとが一致するようにカメラ10のズームを調整する処理とを行うことで、カメラ10の視野範囲を自動的に調整することが可能となる。カメラ制御装置60は、作業者が携帯する端末(例えば、タブレット)として実現されてもよく、給油所の建屋内に設置された監視装置として実現されてもよく、給油所の設備にネットワーク回線を通じて接続された別拠点に設置された遠隔監視装置として実現されてもよい。
【0051】
なお、図8のフローチャートを参照して説明した処理は一例に過ぎず、他の処理によりカメラの視野範囲を自動調整してもよい。また、視野範囲の自動調整の過程を作業者が把握できるように、調整用画像をカメラの撮影映像にリアルタイムに重畳して表示するようにしてもよい。調整用画像を伴うカメラの撮影映像は、カメラ制御装置60の表示部63に表示してもよく、カメラ制御装置60と通信可能に接続された他の装置に表示されてもよい。
【0052】
以上説明したように、給油を行う車両の停車位置、給油者の姿勢、給油者の挙動の分析結果から、画像処理AI用のカメラは、計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置の方向にシフトした位置に設置することが有効と考えられる。そこで、本実施形態ではまず、給油所に設置された計量機の真上の位置又は計量機の真上から車両停車位置の方向にシフトした位置にカメラを設置する設置工程を実施し、その後、映像における計量機の位置及びサイズを規定したガイドを含む調整用画像を用いて、カメラの視野範囲を調整する調整工程を実施するように構成されている。
【0053】
このような方法でカメラを設置することで、給油動作の監視における死角を減らすことが可能となる。したがって、カメラの撮影映像を従業員が目視にて確認する場合や、画像処理AIによる危険行為の検出に用いる場合においても、精度の高い危険行為の検出が可能である。また、危険行為だけでなく、正常行為も同様に確認できるようになる。
【0054】
また、給油所のレイアウトは様々であるが、給油所のレイアウトにかかわらずに、給油動作の全体像を捉えた映像を撮影できるため、危険行為の検出精度を均一に保つことができる。更に、従来のカメラ角度では成しえなかった給油開始から給油終了までの給油動作を途切れなくトレースできようになり、目視確認においても給油所の安全運営に貢献できる。また、システム処理においてもカメラ台数を最低限にすることができるため、画像処理AIの処理負荷が低減されるとともに、コスト低減にも寄与できる。
【0055】
また、カメラ映像の視野範囲を均一化できるため、画角の違いによって給油所毎にAI推論の精度が大きく異なってしまうといった事態が生じにくくなる。更に、視野範囲を均一化することで、給油所に依存せずに汎用的に使用できるAIを構築することが可能となる。また、結果的に視野範囲がどの給油所の撮影映像でもほぼ同等になることで、学習データ生成におけるアノテ-ション作業についてのルールを統一することができる。その結果、どの給油所で撮影された映像であっても同様な作業にすることができ、効率的かつ精度の高いアノテーション作業を実施することが可能となるため、精度の高いAIを提供できるようになる。
【0056】
ここで、上記の説明では、計量機の種類には特に触れていないが、実際には計量機には様々な種類のものがあるため、計量機の種類に応じた複数のガイド情報を用意することが好ましい。また、同じ種類の計量機でもサイズが異なるものがあるため、計量機のサイズ毎に異なるガイド情報を用意するようにしてもよい。あるいは、基準となる計量機のサイズに従ってガイド情報を用意しておき、実際の計量機のサイズと基準の計量機のサイズとの差異に応じてガイド情報の計量機のサイズを調整するようにしてもよい。この場合、計量機のサイズ毎に異なるガイド情報を用意する必要が無くなる。また、画像処理AIの設定によっては、計量機が別の位置(例えば、左側中央部、下側中央部、又は右側中央部)に映る映像の撮影が求められることも考えられる。その場合には、要求される位置を含むガイド情報を使用すればよい。
【0057】
また、上記の説明では、カメラ映像の計量機自体を用いて視野範囲を調整していたが、別の基準対象物を用いても良い。例えば、計量機の位置を基準とした所定の位置に、設置された又は塗布された、所定の大きさの正方形又は長方形の印を基準対象物としてもよい。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、その他の様々な実施形態をとることが可能であると共に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等の種々の変形を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0059】
また、本発明は、上記の説明で挙げたような装置や、これら装置で構成されたシステムとして提供することが可能なだけでなく、これら装置により実行される方法、これら装置の機能をプロセッサにより実現させるためのプログラム、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、給油所においてセルフ給油の監視を行うシステムに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
10,10A,10B,10’:カメラ、 20:計量機、 30:車両、 40A,40B:車両停車位置、 50:撮影映像、 60:カメラ制御装置、61:メモリ、 62:制御部、 63:表示部、 64:操作部、 70,74:調整用画像、 72,76:ガイド

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8