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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077961
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】RFIDタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230530BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20230530BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
G06K19/077 156
G06K19/077 280
H01Q1/38
H01Q9/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191487
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 雄介
【テーマコード(参考)】
5J046
【Fターム(参考)】
5J046AA06
5J046AA14
5J046AB07
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】
【課題】外力が加わってもアンテナ部の破断を抑制できるRFIDタグを提供すること。
【解決手段】RFIDタグ(10)は、所定形状に沿って延出するアンテナ部(20)を備え、アンテナ部20は、かかる延出方向に複数並んで配置されるアンテナ片(22)を備えている。延出方向に隣り合うアンテナ片同士は電気的に接続されている。RFIDタグは、相互に重なり合う第1基材(12A)及び第2基材(12B)を更に備えている。アンテナ片は、延出方向に交互に配置される第1形成片(23)及び第2形成片(24)をそれぞれ複数備えている。第1基材の相対面(12A1)に第1形成片が形成され、第2基材の相対面(12B1)に第2形成片が形成される。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップから所定形状に沿って延出するアンテナ部を備えたRFIDタグであって、
前記アンテナ部は、延出方向に複数並んで配置されるアンテナ片によって形成され、
前記延出方向に隣り合う前記アンテナ片同士は電気的に接続されている
ことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
相互に重なり合って相対面をそれぞれ有する第1基材及び第2基材を更に含み、
前記アンテナ片は、前記延出方向に交互に配置される第1形成片及び第2形成片をそれぞれ複数備え、
前記第1基材の前記相対面に前記第1形成片が形成され、前記第2基材の前記相対面に前記第2形成片が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記延出方向に隣り合う前記第1形成片及び前記第2形成片が部分的に重なって電気的に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記アンテナ片は、前記第1基材及び前記第2基材に導電材を印刷して形成されている
ことを特徴とする請求項2または3に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記延出方向に隣り合う前記アンテナ片が面接触して電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記延出方向に隣り合う前記アンテナ片が導電性粒子を介して電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項7】
前記延出方向に隣り合う前記アンテナ片が容量結合によって電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項8】
前記アンテナ片は、前記延出方向両端間を連結する方向に延びる連結端と、前記延出方向の一端に形成された凹部とを有する外周形状に形成され、
前記延出方向に隣り合う前記アンテナ片の一方の前記連結端が、他方の前記凹部に引っ掛かる
ことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項9】
前記アンテナ片の平面形状は、多角形状、円形状、半円形状、楕円形状のうちの少なくとも1つの形状によって形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか一項に記載のRFIDタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)タグは、アンテナと半導体チップを備えており、アンテナが受信した電磁波により半導体チップが動作し、半導体チップに記憶されたID情報を外部機器が読み取ることで物品の管理に使用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-26885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFIDタグの用途としては、例えば衣服やシーツ等のリネン製品の管理がある。リネン製品の管理に使用されるRFIDタグには、洗濯工程で外力が作用した場合等に物理的なストレスが発生する。このため、特に、導電体を線状に形成したアンテナにあっては、ストレスによって切断したり破損したりする、という問題がある。上記においては、リネン製品の管理に使用されるRFIDタグの問題について説明したが、これに限られるものではなく、外力が加わるRFIDタグにおいて同様の問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、外力が加わってもアンテナ部の破断を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ICチップから所定形状に沿って延出するアンテナ部を備えたRFIDタグであって、前記アンテナ部は、延出方向に複数並んで配置されるアンテナ片によって形成され、前記延出方向に隣り合う前記アンテナ片同士は電気的に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、外力が加わってもアンテナ部の破断を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態におけるRFIDタグの平面図である。
図2】実施の形態におけるRFIDタグの概略分解斜視図である。
図3図3Aは、実施の形態におけるアンテナ部の部分拡大平面図であり、図3Bは、図3AのA矢視分解断面図である。
図4】実施の形態におけるアンテナ部の部分概略分解斜視図である。
図5図5A及び図5Bは、第1形成片及び第2形成片が相対変位した場合の説明図である。
図6】第1変形例における第1形成片及び第2形成片の図5Aと同様の説明図である。
図7図7Aは、第2変形例におけるRFIDタグの図3Bと同様の断面図であり、図7Bは、第3変形例におけるRFIDタグの図3Bと同様の断面図である。
図8】アンテナ片の形状のバリエーションを示す図である。
図9】第4変形例における第1形成片及び第2形成片の図5Aと同様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態に係るRFIDタグについて、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
【0010】
図1は、実施の形態におけるRFIDタグの平面図である。図2は、実施の形態におけるRFIDタグの概略分解斜視図である。図1に示されるように、本実施形態に係るRFIDタグ10は、基材12、IC(Integrated Circuit)チップ14、及び、アンテナ部20を備えている。RFIDタグ10は、アンテナ部20が受信した電磁波によってICチップ14が動作し、ICチップ14に記憶されたID情報を外部機器が読み取ることで製品管理等に使用される。
【0011】
基材12は、平面視で長方形状をなし、各図において、矢印X、矢印Y、矢印Z(図2及び図3等参照)は、基材12の長さ方向(長手方向)、幅方向(短手方向)、厚み方向をそれぞれ示している。基材12の幅方向は、基材12の平面視で基材12の長さ方向と直交する方向であり、基材12の厚み方向は、基材12の側面視で基材12の長さ方向と直交する方向である。基材12の長さ方向、幅方向、厚み方向は、RFIDタグ10の長さ方向、幅方向、厚み方向と同じである。
【0012】
基材12は、厚み方向に相互に重なる第1基材12A及び第2基材12Bを含んで構成される。第1基材12A及び第2基材12Bは、基材12と同一平面形状となる長方形状に形成されている。また、第1基材12A及び第2基材12Bは、例えばPETなどの樹脂からなるフレキシブル性を有する素材をシート状(板状)にして形成される。第1基材12A及び第2基材12Bは、厚み方向の一方の面として相対面12A1、相対面12B1を有している。各相対面12A1、相対面12B1を接合することで、第1基材12A及び第2基材12Bが一体化されて基材12が形成される。
【0013】
ICチップ14は、第1基材12Aの相対面12A1に接着等によって搭載されている。ICチップ14は、第1基材12Aの長さ方向及び幅方向の概ね中央部に配置され、アンテナ部20と電気的に接続されている。
【0014】
アンテナ部20は、平面視でICチップ14の2箇所位置から所定形状としてコ字状ないしJ字状に沿って延出している(図1参照)。かかるアンテナ部20の延出方向は、一例であり、RFIDタグのアンテナ配線として用いられる種々の延出方向(直線方向、渦巻き方向等)を採用できる。アンテナ部20は、銀ペーストやアルミ箔等の金属材料により形成することが例示できる。
【0015】
また、アンテナ部20は、導電性インキ(導電材)を印刷することによって形成することができる。導電性インキとしては、銀を主成分とすることが例示できる。導電性インキの印刷は、後述するアンテナ片22の形状に形成でき、また、アンテナ部20としての所定抵抗値が得られる限りにおいて、シルクスクリーン印刷とする他、グラビア印刷としてもよい。
【0016】
続いて、アンテナ部20の具体的な構成について、以下に説明する。
【0017】
図1に示すように、アンテナ部20は、延出方向に複数並んで配置されるアンテナ片22によって形成される。言い換えると、アンテナ部20は、相互に別体となる小さな個片状のアンテナ片22を複数並べて配置することで、恰も線状をなすアンテナ配線のように形成される。アンテナ片22の大きさとしては、ICチップ14に収まる大きさとすることが例示できる。
【0018】
図2に示すように、アンテナ片22は、第1基材12Aの相対面12A1に形成される複数の第1形成片23と、第2基材12Bの相対面12B1に形成される複数の第2形成片24とを備えている。各形成片23、24は、楔形に近似した平面形状に形成され、かかる平面形状の具体的説明は後述する。
【0019】
図3Aは、アンテナ部の部分拡大平面図である。図3Bは、図3AのA矢視分解断面図である。図3A及び図3Bを含む各図において、第2形成片24と見分け易くするために第1形成片23に網点を施している。図3A及び図3Bにも示すように、アンテナ部20の延出方向において、第1形成片23と第2形成片24とが交互に配置されている。よって、第1形成片23は、複数並んで配置されるアンテナ片22のうち、並び方向にて1つおきに配置されるアンテナ片22となる。また、第2形成片24も、複数並んで配置されるアンテナ片22のうち、並び方向にて1つおきに配置されるアンテナ片22となる。そして、第1基材12A及び第2基材12B(図3Aでは不図示)を重ねた状態で、並び方向にて隣り合う第1形成片23間に第2形成片24が位置し、並び方向にて隣り合う第2形成片24間に第1形成片23が位置するようになる。
【0020】
第1形成片23と第2形成片24とを重ねると、アンテナ部20の延出方向にて隣り合う第1形成片23と第2形成片24とが部分的に重なり合って相互に面接触される。これにより、アンテナ部20の延出方向にて隣り合う第1形成片23及び第2形成片24(アンテナ片22同士)が電気的に接続した状態となる。
【0021】
ここで、第1形成片23及び第2形成片24は同一の平面形状に形成されている。よって、以下において、第1形成片23の各構成部分について説明し、第2形成片24の各構成部分は、第1形成片23の各構成部分における符号の数字部分における一の位の「3」を「4」に変更して説明を省略する場合がある。
【0022】
図4は、実施の形態におけるアンテナ部の部分概略分解斜視図である。図4にも示すように、第1形成片23は、先端23a、後端23b、一対の斜辺(連結端)23c、及び、凹部23d有する外周形状に形成され、楔形に近似した外周形状を呈している。
【0023】
先端23aは、アンテナ部20の延出方向にて次第に細くなる方の端部とされ、後端23bは、先端23aと反対側の端部とされる。第1形成片23において、先端23a及び後端23bがアンテナ部20の延出方向両端とされる。一対の斜辺23cは、先端23a及び後端23b間を連結する方向に延び、先端23aに向かうに従って接近する方向に延出する。凹部23dは、後端23bに形成されている。
【0024】
図3A及び図3Bに示すように、アンテナ部20の延出方向にて隣り合う第1形成片23及び第2形成片24では、第1形成片23の先端23a周辺の一部分が、第2形成片24の凹部24dから先端24a寄りの一部分に重なり合う。また、同方向で隣り合う第1形成片23及び第2形成片24にて、第2形成片24の先端24a周辺の一部分が、第1形成片23の凹部23dから先端23a寄りの一部分に重なり合う。このように重なり合うことで、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24が面接触した状態となり、それらの間で電流が流れるよう電気的に接続し、所定方向に延出する単一のアンテナ配線と同様の受信機能を発揮する。
【0025】
第1形成片23及び第2形成片24が重なり合った状態で、第1形成片23の一対の斜辺23cが第2形成片24の凹部24dの形成縁に隣接または近傍配置され、かかる斜辺23cが凹部24dと引っ掛かって嵌り合うようになる。また、第2形成片24の一対の斜辺24cが第1形成片23の凹部23dの形成縁に隣接または近傍配置され、かかる斜辺24cが凹部23dと引っ掛かって嵌り合うようになる。
【0026】
図5は、第1形成片及び第2形成片が相対変位した場合の説明図であり、図5Aは相対変位前の状態、図5Bは相対変位後の状態を示す。RFIDタグ10においては、基材12に対し外力が加わることで、第1基材12A及び第2基材12BがX方向及びY方向にずれる場合がある。このような場合、第1基材12A及び第2基材12Bのずれに応じ、例えば、第1形成片23及び第2形成片24が図5Aに示す位置から図5Bに示す位置に相対変位する。
【0027】
図5Bに示す位置では、第1形成片23の先端23a周辺と第2形成片24の凹部24dとが離れ、第2形成片24の先端24a周辺と第1形成片23の凹部23dとが離れることとなる。ところが、第1形成片23の斜辺23c周辺と第2形成片24の後端24b周辺とが重なり合い、第2形成片24の斜辺24c周辺と第1形成片23の後端23b周辺とが重なり合う状態を維持することができる。これにより、アンテナ部20の延出方向にて隣り合う第1形成片23及び第2形成片24(アンテナ片22同士)が電気的に接続した状態を維持することができる。
【0028】
特に、本実施の形態の構成では、図5Aに示す位置と図5Bに示す位置とで、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24が重なる面積の変化を小さくできる。これは、図5Aに示す位置にて、凹部23d、24dを形成し、凹部23d、24dから先端23a、24a寄りの一部分で隣り合う第1形成片23及び第2形成片24を重ねる配置とした構成によるものである。また、斜辺23c、24cにより第1形成片23及び第2形成片24を先端23a、24aに向かって細くした構成によるものである。このような構成によって、図5Bの相対変位後、第1形成片23及び第2形成片24が重なる領域を凹部23d、24d周りとし、それらが重なる面積の変化を少なくすることができる。
【0029】
ここで、第1変形例となる図6の構成と、上記実施の形態の構成とを比較する。図6は、第1変形例における第1形成片及び第2形成片の図5Aと同様の説明図である。図6の第1変形例における第1形成片33及び第2形成片34は、長方形となる平面形状に形成されている。比較のため、第1形成片33及び第2形成片34は、上記実施の形態の第1形成片23及び第2形成片24に対し、平面積が同一に形成され、Y方向の幅が上記実施の形態の後端23b、24bにおけるY方向の幅と同一に形成される。
【0030】
上記実施の形態では、第1形成片23及び第2形成片24が楔形となるので、X方向一端側となる先端23a、24aが後端23b、24bに比べてY方向の幅が小さくなる。一方、図6の第1変形例では、第1形成片33及び第2形成片34が長方形となるので、上記実施の形態に比べ、Y方向の幅がX方向一端側で同じ、他端側で大きくすることができる。
【0031】
よって、第1変形例は、第1形成片33及び第2形成片34が相互に重なる領域のY方向の幅を、上記実施の形態より大きくすることができる。これにより、第1形成片33及び第2形成片34のY方向の相対変位にて、接触を維持できる変位量を上記実施の形態に比べて大きくすることができる。
【0032】
一方、第1形成片33及び第2形成片34のX方向の相対変位にて、それらの接触を維持できる変位量は、相互に重なる領域のX方向の幅に応じて変化する。言い換えると、隣り合う第1形成片33及び第2形成片34の間隔を調整することで、X方向において接触を維持できる変位量を変化させることができる。
【0033】
このように、各形成片23、24、33、34の平面形状や配置を変えることで、第1基材12A及び第2基材12Bのずれに対して接触を維持できる範囲を変化させることができる。これにより、基材12に加わる外力やRFIDタグ10の利用態様等に応じ、各種のずれに対応可能なバリエーションを持たせることができる。
【0034】
以上のように、上記実施の形態は、複数のアンテナ片22(第1形成片23及び第2形成片24)によってアンテナ部20を形成しつつ、アンテナ部20の延出方向に隣り合う第1形成片23及び第2形成片24を接触した状態としている。これにより、アンテナ部20が従来のアンテナ配線と同様の受信機能を有しつつ、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24の相対変位が許容される。よって、例えば、RFIDタグ10をリネン製品に取り付けて洗濯し、該洗濯による外力で基材12が変形しても、第1形成片23及び第2形成片24の相対変位によってアンテナ部20にストレスが生じ難くなり、アンテナ部20が破断することを抑制できる。その結果、RFIDタグ10に外力が作用しても、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24が電気的に接続した状態を維持でき、アンテナ部20が正常に受信しなくなるような破損を防止することができる。
【0035】
また、図5Aに示すように、第1形成片23の斜辺23cが第2形成片24の凹部24dと引っ掛かり、第2形成片24の斜辺24cが第1形成片23の凹部23dと引っ掛かるので、アンテナ部20として図5Aに示す状態を維持し易くすることができる。
【0036】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記各実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0037】
上記実施の形態にて、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24は、電気的に接続した状態であれば、物理的に接触せずに離れた構成を採用することができる。かかる構成として、図7Aに示す第2変形例、図7Bに示す第3変形例を例示することができる。図7Aは、第2変形例におけるRFIDタグの図3Bと同様の断面図であり、図7Bは、第3変形例におけるRFIDタグの図3Bと同様の断面図である。
【0038】
図7Aの第2変形例は、接着剤の熱硬化性樹脂からなる基材フィルム41の内部に導電性粒子42を分散した異方性導電膜40を利用して構成される。第2変形例は、第1形成片23及び第2形成片24が形成された第1基材12A及び第2基材12Bの間に異方性導電膜40を介在させて接合させる。かかる接合によって、第1形成片23及び第2形成片24が厚み方向に重なる部分に異方性導電膜40が配置される。
【0039】
この状態にて、熱及び圧力を加えることで、第1形成片23及び第2形成片24が厚み方向に(非接触で)重なる部分で基材フィルム41によって接着される。かかる接着状態にて、異方性導電膜40では、第1形成片23及び第2形成片24が重なる領域だけで導電性粒子42における最表面の絶縁コートが破壊される。よって、導電性粒子42における核の周りを被覆したニッケルや金等を介し、第1形成片23及び第2形成片24が重なる領域で電気を通すようになる。これにより、第1形成片23及び第2形成片24が導電性粒子42を介して電気的に接続される。
【0040】
第1形成片23及び第2形成片24が重なっていない領域では、導電性粒子42の絶縁コートが維持される。これにより、第1形成片23及び第2形成片24が重なる領域以外の領域では、異方性導電膜40での絶縁を確保することができる。第2変形例においては、基材フィルム41によって隣り合う第1形成片23及び第2形成片24の接合状態を強固にしつつ、それらを導電性粒子42によって電気的に接続することができる。
【0041】
なお、導電性粒子を介して第1形成片23及び第2形成片24を電気的に接続する構成は、上記に限定されずに種々の変更が可能であり、例えば、第1形成片23及び第2形成片24が重なる領域に炭素粉(片)や金属粉(片)をまぶして封入してもよい。
【0042】
図7Bの第3変形例は、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24が物理的に接触せずに離れつつ、それらを容量結合することで電気的に接続して構成される。第3変形例は、アンテナ部20の延出方向に隣り合いつつ厚み方向で離れた第1形成片23及び第2形成片24によってコンデンサCを構成し、該コンデンサCにてアンテナ部20が受信した高周波の電磁波が伝達される。このように容量結合した構成でも、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24を電気的に接続することができる。また、第1基材12A及び第2基材12Bがずれることで第1形成片23及び第2形成片24が相対変位しても、上記実施の形態と同様に、隣り合う第1形成片23及び第2形成片24の電気的な接続を維持することができる。
【0043】
また、アンテナ片22の平面形状は、上記実施の形態や図6の第1変形例の形状に限定されるものでなく、図8に示すように種々の形状が採用される。図8は、アンテナ片の形状のバリエーションを示す図である。図8に示すように、例えば、アンテナ片22は、三角形状、正方形状、台形状、六角形状等の多角形状としてもよい。また、多角形のアンテナ片22は、一部の辺が湾曲する形状としたり、星形状であってもよい。更に、アンテナ片22は、円形状、半円形状、楕円形状としてもよく、略楕円に近似する形状として、長円形、卵形としてもよい。
【0044】
図9は、第4変形例における第1形成片及び第2形成片の図5Aと同様の説明図である。図9の第4変形例は、第1形成片23及び第2形成片24が六角形状に形成される。第4変形例では、第1形成片23及び第2形成片24がY方向(アンテナ部20の延出方向に直交する方向)に複数(図9では3つ)形成され、Y方向に隣り合う第1形成片23同士、第2形成片24同士が重なって電気的に接続した状態としている。また、第4変形例は、上記実施の形態と同様に、アンテナ部20の延出方向に隣り合う第1形成片23及び第2形成片24を電気的に接続した状態としている。なお、第4変形例においても、第1形成片23及び第2形成片24の形状は、特に限定されず、図8に示す形状に変更してもよい。
【0045】
更に、アンテナ部20にて、複数のアンテナ片22を同一形状にせずに、一部のアンテナ片22が異なる形状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 :RFIDタグ
12A :第1基材
12A1 :相対面
12B :第2基材
12B1 :相対面
14 :ICチップ
20 :アンテナ部
22 :アンテナ片
23 :第1形成片
23c :斜辺(連結端)
23d :凹部
24 :第2形成片
24c :斜辺(連結端)
24d :凹部
33 :第1形成片
34 :第2形成片
42 :導電性粒子

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9