(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077973
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】移動体、移動体制御システム、および、移動体の通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/18 20180101AFI20230530BHJP
H04W 24/04 20090101ALI20230530BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20230530BHJP
H04W 84/12 20090101ALN20230530BHJP
【FI】
H04W76/18
H04W24/04
H04W92/18
H04W84/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191502
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】桑原 哲也
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067EE06
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、リング式ネットワークにおける正常な通信を実現できる移動体等を提供する。
【解決手段】リング式の通信ネットワークにおいて、第1の移動体をデータフレームの複数の宛先の1つとして含むデータフレームを無線通信で受信し、データフレームの次の宛先である第2の移動体に、データフレームを無線通信で送信する通信部22と、通信部22が送信したデータフレームを第2の移動体が受信できたか否かを判定する判定部23と、を備え、通信部23は、第2の移動体がデータフレームを受信できなかったと前記判定部23が判定した場合、第3の移動体、または、2つの無線デバイス30のうちの第2の無線デバイス30に、データフレームを無線通信で送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング式の通信ネットワークにおいて、制御装置と、前記制御装置と有線通信で接続された2つの無線デバイスと、無線通信で接続された複数の移動体のうちの第1の移動体であって、
前記2つの無線デバイスのうちの第1の無線デバイスを介して、前記制御装置が送信したデータフレームであって、前記第1の移動体を前記データフレームの複数の宛先の1つとして含むデータフレームを無線通信で受信し、
前記複数の移動体のうちの前記データフレームの次の宛先である第2の移動体に、前記データフレームを無線通信で送信する通信部と、
前記通信部が送信した前記データフレームを前記第2の移動体が受信できたか否かを判定する判定部と、を備え、
前記通信部は、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できなかったと前記判定部が判定した場合、前記複数の移動体のうちの第3の移動体、または、前記2つの無線デバイスのうちの第2の無線デバイスに、前記データフレームを無線通信で送信する、
移動体。
【請求項2】
前記データフレームは、前記複数の移動体に前記データフレームが送信される順番を示す送信順情報を含み、
前記通信部は、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できなかったと前記判定部が判定した場合、前記送信順情報に示されている、前記第2の移動体の次の宛先である前記第3の移動体に、前記データフレームを送信する、
請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記データフレームは、前記複数の移動体に前記データフレームが送信される順番を示す送信順情報を含み、
前記判定部は、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できない場合、前記送信順情報に示される順番で、前記データフレームを受信することが可能な状態にある前記移動体を探索する、
請求項1または2に記載の移動体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の移動体と、
前記移動体に前記データフレームを送信する前記制御装置と、
前記制御装置と有線通信で接続され、前記移動体と無線通信で接続された、前記2つの無線デバイスとを備える、
移動体制御システム。
【請求項5】
リング式の通信ネットワークにおいて、制御装置と、前記制御装置と有線通信で接続された2つの無線デバイスと、無線通信で接続された複数の移動体のうちの第1の移動体の通信方法であって、
前記2つの無線デバイスのうちの第1の無線デバイスを介して、前記制御装置が送信したデータフレームであって、前記第1の移動体を前記データフレームの複数の宛先の1つとして含むデータフレームを無線通信で受信し、
前記複数の移動体のうちの前記データフレームの次の宛先である第2の移動体に、前記データフレームを無線通信で送信する送信する通信ステップと、
送信した前記データフレームを前記第2の移動体が受信できたか否かを判定する判定ステップと、を含み、
前記通信ステップにおいて、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できなかったと前記判定ステップにおいて判定した場合、前記複数の移動体のうちの第3の移動体、または、前記2つの無線デバイスのうちの第2の無線デバイスに、前記データフレームを無線通信で送信する、
移動体の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体、移動体制御システム、および、移動体の通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などに配備される産業機器の制御通信のネットワークは、固定的に配置される機器の他、ロボットまたは搬送車等の移動機器に接続し構築される。固定的に配置される機器の接続にはケーブルを用いた有線ネットワーク、または、無線リンクを用いた無線ネットワークが用いられうる。移動機器の接続には、無線リンクを用いた無線ネットワークが有用である。
【0003】
産業機器のネットワークには、冗長性および即時性の観点からEtherCAT(登録商標)、MECHATROLINK(登録商標)、FL-net(登録商標)等のリング方式の通信規格が用いられている。特許文献1は、産業機器の有線ネットワークのうちの一部のリンクをケーブルレス化、つまり、無線化することができる通信装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線端末同士の通信において、無線通信を受信することができない無線端末が存在した場合に、正常な通信を行うことが難しいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、正常な通信を実現できる移動体等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる移動体は、リング式の通信ネットワークにおいて、制御装置と、前記制御装置と有線通信で接続された2つの無線デバイスと、無線通信で接続された複数の移動体のうちの第1の移動体であって、前記2つの無線デバイスのうちの第1の無線デバイスを介して、前記制御装置が送信したデータフレームであって、前記第1の移動体を前記データフレームの複数の宛先の1つとして含むデータフレームを無線通信で受信し、前記複数の移動体のうちの前記データフレームの次の宛先である第2の移動体に、前記データフレームを無線通信で送信する通信部と、前記通信部が送信した前記データフレームを前記第2の移動体が受信できたか否かを判定する判定部と、を備え、前記通信部は、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できなかったと前記判定部が判定した場合、前記複数の移動体のうちの第3の移動体、または、前記2つの無線デバイスのうちの第2の無線デバイスに、前記データフレームを無線通信で送信する。
【0008】
これにより、本発明の一態様にかかる移動体は、送信したデータフレームを宛先の移動体が受信できなかったと判定した場合、データフレームを受信できる状態にある別の移動体にデータフレームを送信することができる。よって、本発明の一態様にかかる移動体は、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、正常な通信を実現できる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る移動体において、前記データフレームは、前記複数の移動体に前記データフレームが送信される順番を示す送信順情報を含み、前記通信部は、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できなかったと判定した場合、前記送信順情報に示されている、前記第2の移動体の次の宛先である前記第3の移動体に、前記データフレームを送信する。
【0010】
これにより、本発明の一態様にかかる移動体は、複数の移動体に対して、所定の順にデータフレームの送信を試みることができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る移動体において、前記通信部は、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できない場合、前記送信順情報に示される順番で、前記データフレームを受信することが可能な状態にある前記移動体を探索する。
【0012】
これにより、本発明の一態様に係る移動体は、所定の順に、データフレームを受信可能な状態にある移動体を探索することができる。よって、本発明の一態様にかかる移動体は、効率的に、通信ネットワークを復旧することができる。
【0013】
本発明の一態様に係る移動体制御システムは、本発明の一態様にかかる移動体と、前記移動体に前記データフレームを送信する前記制御装置と、前記制御装置と有線通信で接続され、前記移動体と無線通信で接続された、前記2つの無線デバイスとを備える。
【0014】
これにより、本発明の一態様にかかる移動体制御システムは、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、正常な通信を実現できる。
【0015】
本発明の一態様に係る移動体の通信方法は、リング式の通信ネットワークにおいて、制御装置と、前記制御装置と有線通信で接続された2つの無線デバイスと、無線通信で接続された複数の移動体のうちの第1の移動体の通信方法であって、前記2つの無線デバイスのうちの第1の無線デバイスを介して、前記制御装置が送信したデータフレームであって、前記第1の移動体を前記データフレームの複数の宛先の1つとして含むデータフレームを無線通信で受信し、前記複数の移動体のうちの前記データフレームの次の宛先である第2の移動体に、前記データフレームを無線通信で送信する送信する通信ステップと、送信した前記データフレームを前記第2の移動体が受信できたか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記通信ステップにおいて、前記第2の移動体が前記データフレームを受信できなかったと前記判定ステップにおいて判定した場合、前記複数の移動体のうちの第3の移動体、または、前記2つの無線デバイスのうちの第2の無線デバイスに、前記データフレームを無線通信で送信する。
【0016】
これにより、本発明の一態様に係る移動体の通信方法は、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、正常な通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る移動体制御システムのブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、実施の形態に係る移動体制御システムの移動体を上から見た図である。
【
図2B】
図2Bは、実施の形態に係る移動体制御システムの移動体を横から見た図である。
【
図3】
図3は、従来の移動体制御システムの課題を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態に係る移動体制御システムの通信の様子を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態に係る移動体制御システムの、移動体が上下に連なって存在する場合の通信の様子を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、実施の形態に係る移動体制御システムの、移動体にエラーが生じた場合の通信の様子を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る移動体制御システムにおけるデータフレームを示す図である。
【
図6A】
図6Aは、実施の形態に係る移動体制御システムの動作を示す第一のフローチャートである。
【
図6B】
図6Bは、実施の形態に係る移動体制御システムの動作を示す第二のフローチャートである。
【
図6C】
図6Cは、実施の形態に係る移動体制御システムの動作を示す第三のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態)
本実施の形態において、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、リング式ネットワークにおける正常な通信を実現できる移動体等について説明する。
【0019】
[移動体制御システムの概要]
まず、移動体制御システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る移動体制御システムのブロック図である。
【0020】
移動体制御システム1は、制御装置10と、移動体20と、無線デバイス30と、無線デバイス40とを備える。移動体制御システム1において、制御装置10と、無線デバイス30および無線デバイス40と、1または複数の移動体20とは、有線通信または無線通信で互いに接続され、リング式ネットワークを構成する。具体的には、上記リング式ネットワークにおいて、無線デバイス30および無線デバイス40は、それぞれ制御装置10と有線通信で接続されている。無線デバイス30および無線デバイス40は、1または複数の移動体20と無線通信で接続され得る。
【0021】
例えば、複数の移動体20のうちの1つの移動体20である移動体20x(不図示)は、無線デバイス30と無線通信で接続され、加えて、複数の移動体20のうちの別の1つの移動体20である移動体20y(不図示)と無線通信で接続される。移動体20yは、複数の移動体20のうちのさらに別の1つの移動体20である移動体20z(不図示)と無線通信で接続される。そして、移動体20zは、無線デバイス40と無線通信で接続される。
【0022】
また、制御装置10は、移動体20を制御するためのデータフレームを、無線デバイス30を介して、移動体20に送信する。そして、移動体20は受信したデータフレームを、無線デバイス40を介して制御装置10に送信する。
【0023】
具体的には、リング式ネットワークにおいて、制御対象となる複数の移動体20に対するデータグラムがすべて含まれたデータフレームは、制御装置10から、リング式ネットワーク上の各ノードとなる無線デバイス30、および、複数の移動体20に順に送信される。そして、無線デバイス40が移動体20からデータフレームを受信し、受信したデータフレームを制御装置10へ送信する。これにより、リング式ネットワーク上を制御装置10が送信したデータフレームが一巡する。データフレームは、各ノードを送信される間に、各移動体20によって適宜書き換えられてもよい。なお、本実施の形態では、前述したように、制御装置10は、移動体20を制御するためのデータフレームを、無線デバイス30を介して、移動体20に送信する。そして、移動体20は受信したデータフレームを、無線デバイス40を介して制御装置10に送信するとして説明するが、これに限られない。例えば、制御装置10は、移動体20を制御するためのデータフレームを、無線デバイス40を介して、移動体20に送信してもよい。そして、移動体20は受信したデータフレームを、無線デバイス30を介して制御装置10に送信してもよい。
【0024】
制御装置10は、制御部11と、通信部12と、を備える。
【0025】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサおよびメモリ等により実現される。制御部11はデータフレームの作成または更新等を行い、無線デバイス30を介し、制御対象の移動体20に向けて、データフレームを送信する。また、制御部11は、通信部12を介して、無線デバイス40から受信したデータをメモリへ格納する。
【0026】
通信部12は、有線通信を行う通信回路等により実現される。通信部12は、無線デバイス30または40と有線通信を行う。
【0027】
移動体20は、制御部21と、通信部22と、判定部23とを備える。移動体20は、移動体20を駆動するモータ―等の制御回路である駆動部(図示せず)を備えてもよい。移動体20は、例えば、前述した、移動体20x、移動体20y、および、移動体20zである。
【0028】
制御部21は、CPU等のプロセッサおよびメモリ等により実現される。
【0029】
また、制御部21は、通信部22に、無線デバイス30または他の移動体20から送信されたデータフレームを受信させ、受信したデータフレームの宛先が移動体20であるか否かを判断する。
【0030】
通信部22は、無線通信を行う通信回路である。通信部22は、無線デジタル制御を行うMAC部、デジタル/アナログ変換、変調、アナログ/デジタル変換、復調、増幅等を行うFront End部、および、アンテナから構成される。通信部22は、無線デバイス30、無線デバイス40、または他の移動体20と無線通信を行う。
【0031】
また、通信部22は、無線デバイス30または他の移動体20から送信されたデータフレームを受信する。また、通信部22は、受信したデータフレームを送信する。通信部22は、後述する判定部23が、送信したデータフレームの宛先である移動体20がデータフレームを受信できなかったと判定した場合、判定部23が探索した、別の受信可能な状態にある移動体20または無線デバイス40にデータフレームを送信する。例えば、判定部23は、送信したデータフレームの宛先である移動体20から、データフレームを受信したことを示すフレームを受信しない場合に、上記移動体20がデータフレームを受信できなかったと判定する。また、例えば、第1の移動体の通信部22は、第2の移動体がデータフレームを受信できない場合、送信順情報に示されている、第2の移動体の次の宛先である第3の移動体に、データフレームを送信してもよい。ここで、送信順情報とは、複数の移動体20にデータフレームが送信される順番を示す情報であり、以下に
図5等を用いて説明する例では、データグラム1~nの格納順として表されているが、これに限らず、個々のデータグラム中に別途設けられた領域に表されてもよい。
【0032】
判定部23は、CPU等のプロセッサおよびメモリ等により実現され、受信したデータフレームの宛先が自身である移動体20であるか否かを判定する。例えば、第1の移動体の判定部23は、上記判定の際には、データフレームに含まれる所定部分を参照して、データフレームの宛先が第1の移動体(すなわち自機)であるか否かを判定する。
【0033】
また、判定部23は、受信したデータフレームを送信した宛先の移動体20がデータフレームを受信できたか否かを判定する。そして、判定部23が、受信したデータフレームを送信した宛先の移動体20がデータフレームを受信できなかったと判定した場合、判定部23は、別の受信可能な状態にある移動体20を探索する。尚、上記探索は送信順情報に示される移動体20の順番に従って、受信可能な状態にある移動体20を探索してもよい。
【0034】
無線デバイス30は、制御部31と、通信部32とを備える。無線デバイス30は、制御装置10からデータフレームを受信し、送信順情報に基づいて移動体20のうちの一つに、受信したデータフレームを送信する。
【0035】
制御部31は、CPU等のプロセッサと、メモリ等により実現される。制御部31は、制御装置10からデータフレームを受信し、移動体20に受信したデータフレームを送信する制御を行う。
【0036】
通信部32は、有線通信および無線通信を行う通信回路等により実現される。通信部32は、制御装置10と有線通信を行い、移動体20と無線通信を行う。
【0037】
無線デバイス40は、制御部41と、通信部42とを備える。無線デバイス40は、移動体20からデータフレームを受信し、制御装置10に、受信したデータフレームを送信する。
【0038】
制御部41は、CPU等のプロセッサと、メモリ等により実現される。制御部41は、移動体20のうちの一つからデータフレームを受信し、制御装置10に受信したデータフレームを送信する制御を行う。
【0039】
通信部42は、有線通信および無線通信を行う通信回路等により実現される。通信部42は、制御装置10と有線通信を行い、移動体20と無線通信を行う。
【0040】
図2Aは、実施の形態に係る移動体制御システム1の移動体20を上から見た図である。移動体制御システム1において、移動体20a~移動体20pは、それぞれ、複数の棚50の間の通路60を移動する。棚50には、商品等が保管され、移動体20が商品を搬送してもよい。通路60は、棚50に取り付けられていてもよい。
【0041】
図2Aに示されるように、移動体20a~20pは、互いに連なって、通路60を移動してもよい。例えば、移動体20pは、2つの棚50の間の通路60を右から左に移動し、通路の端まで来ると、移動体20kのように、隣接する別の通路に移動し、今度は、移動体20jのように、通路60を左から右に移動する。そして、また、通路の端まで来ると、隣接するさらに別の通路に移動し、移動体20eのように、通路60を右から左に移動してもよい。なお、実施の形態に係る移動体制御システム1の移動体20a~移動体20pは、互いに連なっているとして説明したが、移動体20a~移動体20pは、制御装置10の制御に従って、左右または上下方向にそれぞれ個々に移動していてもよい。
【0042】
図2Bは、実施の形態に係る移動体制御システム1の移動体20を横から見た図である。移動体20は、棚50の高さの異なる位置に複数設けられた通路70を移動する。なお、通路70は、棚50に対して1つであってもよいし、複数であってもよい。棚50には、商品等が保管され、移動体20が商品等を搬送してもよい。また、棚50は、商品等を保管する棚ではなく、単なる遮蔽物でもよい。
【0043】
図2Bに示されるように、移動体20a~20fは、互いに連なって、あるいは個々に通路70を移動してもよい。例えば、移動体20fは、通路70を左から右に移動し、通路の端まで来ると、移動体昇降ユニット80に乗って、1つ下の段にある通路70に移動する。そして、移動体20cのように、通路70を右から左に移動する。
【0044】
移動体20は、棚50に異なる高さに設置された通路70を上下に移動しながら、
図2Aに示されるように、隣接する棚と棚の間の通路60の間を移動してもよい。
【0045】
ここで、関連技術に係る移動体制御システムについて説明する。関連技術に係る移動体制御システムは、本発明に係る移動体制御システム1と同様の目的で用いられる、従来の移動体制御システムの一例である。
図3は、関連技術に係る移動体制御システムの課題を示す図である。
【0046】
従来の移動体制御システムにおいて、リング式の有線通信によるネットワークが形成されている場合、
図3に示されるような課題がある。具体的には、複数の無線デバイス30が有線通信で接続され、無線デバイス30にそれぞれ複数の移動体20が無線通信で接続されている場合である。このような移動体制御システムでは、無線デバイス30aと無線デバイス30bとの間、および、無線デバイス30bと無線デバイス30cとの間でネットワークが切断されると、無線デバイス30bがリング式ネットワークから切断されて孤立してしまう。
【0047】
リング式ネットワークにおいて、通信は右回りにも左回りにも同時に実行されることが可能であるため、無線デバイス30aと無線デバイス30bとの間のみ、または、無線デバイス30bと無線デバイス30cとの間のみが切断された場合には、無線デバイス30bは、無線デバイス30aまたは無線デバイス30cと通信することで、制御装置10と接続し、データフレームを受信することができる。
【0048】
しかしながら、無線デバイス30aと無線デバイス30bとの間、および、無線デバイス30bと無線デバイス30cとの間でネットワークが切断されると、無線デバイス30bは、制御装置10と接続することができず、データフレームを受信することができない。この場合、無線デバイス30bと通信してデータフレームを受信するべき移動体20c、移動体20d、および、移動体20eが、無線デバイス30bからデータフレームを受信することができず、制御装置10から制御を受けることができない。
【0049】
また、良好な移動体制御のためには、制御装置10と有線LANで接続された無線デバイス30を複数設置し、冗長化する必要があり、設置に手間がかかること、および、設置する空間の確保が難しいこと、通信システムの費用が高くなる等の問題がある。
【0050】
[移動体制御システムの詳細]
そこで、本発明の移動体制御システム1は、以下に述べられる特徴をもつ。
図4Aは、実施の形態に係る移動体制御システム1の通信の様子を示す図である。
【0051】
移動体制御システム1では、移動体20に対する制御装置10からの制御通信として、パケットがノードを通過する際に、自ノード宛ての通信データであるかを判定し、自ノード宛て通信データであった場合は自ノードでの処理を実行し、自ノード宛ての通信データでなかった場合は次のノードに送る、オンザフライ方式の無線通信によるデータ転送方法が採用される。オンザフライ方式のデータ転送により、移動体制御システム1において、定周期および低遅延の通信が実現される。また、上記の制御通信は、制御装置10と無線デバイス30、および制御装置10と無線デバイス40との間の通信は、Ethernet等が使用された有線LAN100経由の通信として実現される。
【0052】
上記制御装置10と無線デバイス30または無線デバイス40との間のEthernet通信では、EtherCAT(登録商標)、MECHATROLINK(登録商標)、FL-net(登録商標)等が使用されうる。
【0053】
図4Aに示されるように、制御装置10は、無線デバイス30および無線デバイス40とそれぞれ、有線LAN100で有線接続される。そして、棚50に設置された無線デバイス30は、移動体20aと無線通信を行って、制御装置10から受信したデータフレームを移動体20に送信する。移動体20aは、移動体20bと無線通信を行い、移動体20bに、無線デバイス30から受信したデータフレームを送信する。
【0054】
移動体20b、移動体20c、移動体20d、および、移動体20eの間においても、同様に無線通信が行われ、データフレームが順次送信される。移動体20a、移動体20b、移動体20c、移動体20d、および、移動体20eの間で行われる。無線通信は、通路60の延びる方向に指向性のある電波を用いて行われ、移動体20間のそれぞれにおいて、送信と受信とを繰り返す。このように、
図3に示すような従来の移動体制御システムでは、複数の移動体20に向けて、無線デバイス(アクセスポイント)が送信した電波が棚50、通路70、または、移動体20等に遮られて、通信が不安定になる場合があったが、オンザフライ方式のデータ転送を用いて移動体20それぞれの間で無線通信することで、棚50等で無線通信に用いられる電波が反射すること、または、遮断されること等といった問題が低減される。
【0055】
そして、移動体20eは、無線デバイス40に、移動体20dから受信したデータフレームを送信する。そして、無線デバイス40は、有線LAN100を介して、移動体20eから受信したデータフレーム等を制御装置10に送信する。
【0056】
複数の移動体20のそれぞれは、上述のように、データフレームを受信する度に、データフレームの一部を書き換え、または、データを追加する。つまり、制御装置10は、複数の移動体20からのレスポンスデータを受信する。
【0057】
図4Bは、実施の形態に係る移動体制御システム1の、移動体20が上下に連なって存在する場合の通信の様子を示す図である。複数の移動体20が、それぞれ、上下に隔たった通路70に存在している場合でも、互いに無線通信を行う。例えば、
図4Bに示されるように、移動体20bから移動体20aへ無線通信を行う。つまり、上下方向に隔たった通路に存在する移動体20間でも、左端または右端に位置する移動体から、順次無線通信を行ってもよい。このように、移動体20間で順次無線通信が行われることで、無線デバイス30または無線デバイス40と移動体20との無線通信、または移動体20同士の無線通信に用いられる電波が遮断されない。
【0058】
図4Cは、実施の形態に係る移動体制御システム1の、移動体20cにエラーが生じた場合の通信の様子を示す図である。移動体20は、データフレームの宛先となる別の移動体20にエラーが生じ、データフレームを受信できない場合、または、データフレームの宛先となる別の移動体20が通信ネットワークから離脱した場合、さらに別の移動体20にデータフレームを送信する。これにより、移動体20は、自動的に通信ネットワークを再構築する。
【0059】
図4Cに示されるように、移動体20bは、移動体20cとの無線通信を試みるが、移動体20cにエラーが生じ、移動体20cは移動体20bと通信が不可能である。このとき、移動体20bは、移動体20cの次にデータフレームを受信する移動体20である移動体20dを探索して、移動体20cの代わりに、移動体20dにデータフレームを送信する。移動体20dから先のリング式のネットワークは正常に接続されているため、移動体20bは、制御装置10からデータフレームが送出される通信ネットワークを再構築することができる。
【0060】
[データフレーム]
次に、制御装置10がリング式ネットワークに送出するデータフレームについて説明する。
図5は、実施の形態に係る移動体制御システム1におけるデータフレームを示す図である。移動体制御システム1において使用される無線LAN通信フレームは、例えばIEEE802.11nフレームに準拠し、無線LAN通信フレームのデータ部は、EtherCATテレグラムのデータである。
【0061】
データフレームは、無線デバイス30および無線デバイス40と、複数(例えば、51個)の移動体20に宛てたデータを格納できる。上記の各データは、EtherCATデータグラム1~nにそれぞれ格納される。データフレームは、複数の移動体20にデータフレームが送信される順番を示す送信順情報を含む。なお、例えば、送信順情報は、データグラム1~nの格納順として表されてもよい。
【0062】
なお、
図5に示されるアドレス1は、データフレームの宛先MAC(Media Access Control)アドレスが格納され、アドレス2は、データフレームの送信元MACアドレスが格納される。
【0063】
無線デバイス30と、無線デバイス40と、1または複数の移動体20とのそれぞれを識別するための固有アドレス(EtherCATスレーブID)は、
図5に例示されるデータフレーム(EtherCATフレーム)のDatagram HeaderのAddressに格納される。無線デバイス30、無線デバイス40、または、1または複数の移動体20は、受信したデータフレームにおけるEtherCAT DatagramのAddressを読み取り、格納された固有アドレスが自身のものと一致するか否かを判定する。
【0064】
なお、EtherCATフレームのDatagramのDataエリアには、下記のデータが格納されてもよい。EtherCATフレームのDatagramのDataエリアに格納されるデータは、移動体20の通信部22のMACアドレス、制御データ、レスポンスデータ、移動体20の位置情報(X座標)、移動体20の位置情報(Y座標)、移動体20の位置情報(Z座標)、移動体20の移動方向、移動体20の速度、および、移動体20の無線受信強度である。なお、本実施の形態に係る移動体制御システム1は、EtherCATを使用した例で説明しているが、これに限定されず、他のリング方式の通信規格のネットワーク通信であってもよい。
【0065】
[動作]
次に、移動体制御システム1の動作について説明する。
図6Aは、実施の形態に係る移動体制御システム1の動作を示す第一のフローチャートである。
【0066】
まず、制御部21が、通信部22が受信した無線LAN通信によるデータフレームに格納されている自機宛てのデータグラムを探すため、各種パラメータを初期化する(ステップS10)。具体的には、制御部21は、N=1、X=0に設定する。
【0067】
次に、通信部22は、無線デバイス30または他の移動体20から、データフレームを受信する(ステップS11)。例えば、第1の移動体は、無線デバイス30から無線LAN通信によるデータフレームを受信する。
【0068】
制御部21は、通信部22が受信したデータフレームのアドレス1、すなわち、宛先MACアドレスを読み出す(ステップS12)。
【0069】
次に、第1の移動体の判定部23は、通信部22が受信したデータフレームのアドレス1、すなわち、宛先MACアドレスと、受信したデータフレームに含まれるデータグラムN+Xのデータ部が有する移動体20の通信部22のMACアドレスを比較し、データフレームに含まれるデータグラム[N+X]の宛先が第1の移動体か否かを判定する(ステップS13)。
【0070】
判定部23が、データフレームに含まれるデータグラム[N+X]の宛先が第1の移動体であると判定した場合(ステップS13でYes)、制御部21は、データグラム[N+X]に含まれる制御データを第1の移動体(自機)の駆動部に出力する(
図6BのステップS16)。
【0071】
判定部23が、データフレームに含まれるデータグラム[N+X]の宛先が、第1の移動体でないと判定した場合(ステップS13でNo)、判定部23は、データフレームに含まれるデータグラム[N+X]が最終のデータグラムか否かを判定する(ステップS14)。
【0072】
判定部23が、データフレームに含まれるデータグラム[N+X]が最終のデータグラムであると判定した場合(ステップS14でYes)、エラー終了する。
【0073】
判定部23が、データフレームに含まれるデータグラム[N+X]が最終のデータグラムでないと判定した場合(ステップS14でNo)、制御部21は、データフレームに含まれる次のデータグラムを読み出す(ステップS15)。つまり、制御部21は、N=N+1とする。
【0074】
そして、ステップS13へ戻る。
【0075】
図6Bは、実施の形態に係る移動体制御システムの動作を示す第二のフローチャートである。判定部23がデータフレームに含まれるデータグラム[N+X]の宛先が、第1の移動体であると判定した場合、制御部21は、受信したデータフレームに含まれるデータグラム[N+X]のデータ部制御データを移動体の駆動部に出力し、駆動部はこの制御データに基づく処理を行う(ステップS16)。
【0076】
次に、判定部23は、制御部21が移動体の駆動部からレスポンス情報を取得することができたか否かを判定する(ステップS17)。
【0077】
判定部23が、制御部21が所定期間内に移動体20の駆動部からレスポンス情報を取得することができなかったと判定した場合(ステップS17でNo)、制御部21は、受信したデータフレームに含まれるデータグラム[N+X]のデータ部レスポンスデータに移動体異常を書き込むことで、データフレームを更新する(ステップS18)。そして、
図6CのステップS20に進む。
【0078】
判定部23が、制御部21が移動体20の駆動部からレスポンス情報を取得することができたと判定した場合(ステップS17でYes)、制御部21は、受信したデータフレームに含まれるデータグラム[N+X]のデータ部レスポンスデータに、移動体のレスポンス情報、位置情報、移動方向、および、移動速度を書き込むことで、データフレームを更新する(ステップS19)。そして、
図6CのステップS20に進む。
【0079】
図6Cは、実施の形態に係る移動体制御システム1の動作(次の送付先の判定)を示す第三のフローチャートである。
【0080】
制御部21は、受信したデータフレームに含まれるデータグラム[N+1+X]のデータ部無線LANのMACアドレスを読み出し、無線LAN通信データフレームのアドレス1、すなわち、宛先MACアドレスに設定する(ステップS20)。つまり、制御部21は、第1の移動体の次のデータフレームの宛先として設定されている、第2の移動体の宛先を設定する(この例では、送信順情報は、データグラムの格納順として表されている)。
【0081】
制御部21は、読出したデータフレームのアドレス1、すなわち、宛先MACアドレス(自機のMACアドレス)をこれから送信するデータフレームのアドレス2、すなわち、送信元MACアドレスに設定する(ステップS21)。
【0082】
制御部21は、受信したデータフレームのデータを、これから送信する第2の移動体宛てのデータフレームのデータにセットする(ステップS22)。つまり、データフレームには、複数のデータグラムが含まれ、更新されたデータグラムも含めて、全てのデータグラムを、第2の移動体に送信するデータフレームに含める。
【0083】
第1の移動体の制御部21は、通信部22に、作成したデータフレームを第2の移動体に送信させる(ステップS23)。なお、データフレームには、複数のデータグラムが含まれ、それぞれのデータグラムが複数の移動体20それぞれのアドレスを含む。この例では、データフレームに含まれるデータグラムの格納順が、制御装置10が指示するデータフレームの送信順である。
【0084】
その後、第1の移動体の判定部23は、通信部22が第2の移動体からのACKを受信したか否かを判定する(ステップS24)。尚、ACKはデータフレームを受信したときに移動体20が返信する受信確認信号である。
【0085】
第1の移動体の判定部23がACKを受信したと判定した場合(ステップS24でYes)、第1の移動体は、動作を正常終了する。
【0086】
第1の移動体の判定部23がACKを受信できなかったと判定した場合(ステップS24でNo)、判定部23は、通信部22がデータフレームを送信してから、所定時間のT1時間(例えば、10ms)が経過したか否かを判定する(ステップ25)。
【0087】
判定部23が、所定時間のT1時間が経過していないと判定した場合(ステップS25でNo)、第1の移動体の制御部21は、通信部22に第2の移動体からのACKを受信することを待機させる。すなわち、ステップS24へ戻る。
【0088】
判定部23が、所定時間のT1時間が経過したと判定した場合(ステップS25でYes)、データフレームに含まれるデータグラム[N+1+X]が最終データグラムであるか否かを判定する(ステップS26)。
【0089】
第1の移動体の判定部23が、データフレームに含まれるデータグラム[N+1+X]が最終データグラムであると判定した場合(ステップS26でYes)、第1の移動体の制御部21は、データフレームに含まれるデータグラム[N+1+X]のデータ部レスポンスデータに通信異常を書き込むことで、データフレームを更新する(ステップS28)。これは、
図1における、無線デバイス40にデータフレームを送信できなかったことを意味し、ここで、エラー終了となる。
【0090】
第1の移動体の判定部23が、データフレームに含まれるデータグラム[N+1+X]が最終データグラムでないと判定した場合(ステップS26でNo)、第1の移動体の制御部21は、データフレームに含まれるデータグラム[N+1+X]のデータ部レスポンスデータに通信異常を書き込むことで、データフレームを更新する(ステップS27)。
【0091】
そして、第1の移動体の制御部21は、X=X+1としてカウントアップする(ステップS29)。
【0092】
続いて、第1の移動体の制御部21は、データフレームのアドレス1、すなわち、宛先MACアドレス設定処理に移行する。すなわち、ステップS20へ進む。
【0093】
つまり、第1の移動体は、第2の移動体にデータフレームを送信できなかった場合、制御部21は、第2の移動体の次の宛先に指摘されている第3の移動体に送信するためのデータフレームを作成し、当該データフレームを第3の移動体に向けて通信部22に送信させる。
【0094】
制御部21は、通信部22に、第3の移動体にデータフレームを送信させた後、ステップS24に戻る。つまり、通信部22に、データグラムに指定されている宛先に、順にデータフレームを送信させることを、通信部22がACKを受信するまで続ける。
【0095】
(効果)
本発明の一態様にかかる移動体は、送信したデータフレームを宛先の移動体が受信できなかったと判定した場合、データフレームを受信できる状態にある別の移動体にデータフレームを送信することができる。よって、本発明の一態様にかかる移動体は、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、正常な通信を実現できる。
【0096】
本発明の一態様にかかる移動体は、複数の移動体に対して、所定の順にデータフレームの送信を試みることができる。
【0097】
本発明の一態様に係る移動体は、所定の順に、データフレームを受信可能な状態にある移動体を探索することができる。よって、本発明の一態様にかかる移動体は、効率的に、通信ネットワークを復旧することができる。
【0098】
本発明の一態様にかかる移動体制御システムは、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、正常な通信を実現できる。
【0099】
本発明の一態様に係る移動体の通信方法は、一部が無線化されたリング式ネットワークにおいて、無線通信を受信することができない無線端末が存在する場合でも、正常な通信を実現できる。
【0100】
以上、本発明の移動体20等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、倉庫等における搬送用の移動体の通信制御に適用されうる。
【符号の説明】
【0102】
1 移動体制御システム
10 制御装置
11、21、31、41 制御部
12、22、32、42 通信部
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i、20j、20k、20l、20m、20n、20o、20p 移動体
22 通信部
23 判定部
30、30a、30b、30c、40 無線デバイス
50 棚
60、70 通路
80 移動体昇降ユニット
90 フロア