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特開2023-78004積載重量計測装置、積載重量判定方法、及び積載重量判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078004
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】積載重量計測装置、積載重量判定方法、及び積載重量判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/12 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
G01G19/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191552
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 洋貴
(72)【発明者】
【氏名】星出 優輝
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一将
(72)【発明者】
【氏名】生駒 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼森 徹示
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 哲宜
(57)【要約】
【課題】測定した積算重量を高精度で補正する機能が備わっていない場合でも、得られた積算重量の値が正しいか否かを低コストで把握可能にすること。
【解決手段】車両の1つ以上の車軸について、車軸の左側の車輪に加わる第1荷重を検出する第1センサ、及び車軸の右側の車輪に加わる第2荷重を検出する第2センサと、各車輪に加わる荷重に基づいて車両の積載重量を算出する積載重量算出部と、第1センサおよび第2センサの検出結果に基づいて第1荷重と第2荷重との比率R1、R2を算出する比率計算部S13、S16と、前記比率と、事前に定めた許容範囲の誤差閾値CerとをS15、S18で比較した結果に応じて、積載重量算出部が算出した積載重量の利用可否を識別する自動判定部とを備える。比率R1、R2が1に近い場合は、大きな測定誤差の発生がないものとみなして計測結果を表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の左側の車輪に加わる第1荷重を検出する第1センサ、及び前記車軸の右側の車輪に加わる第2荷重を検出する第2センサと、
前記車両の各車輪に加わる荷重に基づいて前記車両の積載重量を算出する積載重量算出部と、
前記第1センサおよび前記第2センサの検出結果に基づいて前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する比率計算部と、
前記比率計算部が算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量算出部が算出した積載重量の利用可否を識別する自動判定部と、
を備える積載重量計測装置。
【請求項2】
前記車両に含まれる複数の車軸のそれぞれに、前記第1センサ、及び前記第2センサが装着され、
前記比率計算部は、複数の前記車軸のそれぞれについて前記比率を算出し、
前記自動判定部は、前記比率が全ての前記車軸について前記許容範囲の条件を満たす場合に、前記積載重量算出部が算出した積載重量が正しいと判定する、
請求項1に記載の積載重量計測装置。
【請求項3】
前記自動判定部は、識別結果に応じて少なくとも前記積載重量算出部が算出した積載重量の表示出力の有無を切り替える、
請求項1又は請求項2に記載の積載重量計測装置。
【請求項4】
車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて測定した前記車両の積載重量の利用可否を把握するための積載重量判定方法であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の右側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の左側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出し、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出し、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する、
積載重量判定方法。
【請求項5】
車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置における測定結果の利用可否を識別するコンピュータが実行可能な積載重量判定プログラムであって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の右側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の左側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出する手順と、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する手順と、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する手順と、
を備える積載重量判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトラックのような車両の積載重量を測定する際に利用可能な積載重量計測装置、積載重量判定方法、及び積載重量判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両における積載重量の計測は、主としてトラック等の大型車両を対象とし、例えば過積載による横転等の交通事故や車両劣化の促進を防ぐ目的で行われている。
【0003】
在来の車両の積載重量計測は、台秤に計測対象の車両を載せて行っていたが、施設が大掛かりで広い設置スペースを必要とするため、設置できる台秤の台数が制限され多くの車両を計測することができない他、設置コストが嵩んでしまう。そこで、近年では、車両自体に搭載して積載重量を算出する積載重量算出装置が提供されている。
【0004】
また、例えば特許文献1の積載重量算出装置は、車両に掛る荷重の偏りの内容を、各重量センサの非直線性特性や各重量センサどうしの特性のばらつきに関係なく精度よく算出するための技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-329483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の一般的な積載重量算出装置を利用する場合には、不整地や偏った積荷の影響で車両が傾いていると正しい積載重量を算出することができない。また、車両の複数のタイヤの空気圧に偏りがある場合や、タイヤにパンクが生じているような場合も同様である。したがって、特許文献1の積載重量算出装置のように、算出した積載重量を補正して測定誤差を減らすための技術を採用することが必要になる。
【0007】
しかし、特許文献1のような補正技術を採用する場合には非常に複雑な計算処理が必要になる。しかも、実際の補正に使用可能な適切なパラメータの値は車両毎に様々に変化する。したがって、例えば種類や大きさが互いに異なる多数の車両のそれぞれを対象として大量のデータを収集し、高精度の補正に必要な適切なパラメータを車両の種類毎にそれぞれ導出する必要がありコストが高くなる。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定した積算重量を高精度で補正する機能が備わっていない場合でも、得られた積算重量の値が正しいか否かを低コストで把握可能な積載重量計測装置、積載重量判定方法、及び積載重量判定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の左側の車輪に加わる第1荷重を検出する第1センサ、及び前記車軸の右側の車輪に加わる第2荷重を検出する第2センサと、
前記車両の各車輪に加わる荷重に基づいて前記車両の積載重量を算出する積載重量算出部と、
前記第1センサおよび前記第2センサの検出結果に基づいて前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する比率計算部と、
前記比率計算部が算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量算出部が算出した積載重量の利用可否を識別する自動判定部と、
を備える積載重量計測装置。
【0010】
(2) 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて測定した前記車両の積載重量の利用可否を把握するための積載重量判定方法であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の右側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の左側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出し、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出し、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する、
積載重量判定方法。
【0011】
(3) 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置における測定結果の利用可否を識別するコンピュータが実行可能な積載重量判定プログラムであって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の右側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の左側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出する手順と、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する手順と、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する手順と、
を備える積載重量判定プログラム。
【発明の効果】
【0012】
本発明の積載重量計測装置、積載重量判定方法、及び積載重量判定プログラムによれば、測定した積算重量を高精度で補正する機能が備わっていない場合でも、得られた積算重量の値が正しいか否かを低コストで把握可能である。したがって、低コストで実用的な積載重量計測装置を実現でき、測定した積算重量に間違いがあるかどうかを容易に把握できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に係る積載重量計測装置の電気回路の構成を示すブロック図である。
図2図2(a)、図2(b)、及び図2(c)は、車両の各車輪と各センサのレイアウト概要を表し、図2(a)は側面図、図2(b)は背面図、図2(c)は底面図である。
図3図3は、荷重センサ内部の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、積載重量計測装置における特徴的な動作を示すフローチャートである。
図5図5(a)、図5(b)、図5(c)、及び図5(d)は、同じ車両における各車輪の位置関係の概要を表す平面図である。
図6図6は、4種類の車両状態でそれぞれ測定して得られたデータの例を示す模式図である。
図7図7は、変形例における積載重量計測装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る積載重量計測装置50の電気回路の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示した積載重量計測装置50は、例えば図2に示したトラックのような車両41に搭載した状態で使用することを想定している。車両41としては、トラック以外の車両、例えばセミトレーラー、フルトレーラー、清掃車、タンクローリーなど、何かしら積載するものがある車両であればよく、これらの車両において積載重量を計測する必要がある場合に本実施形態の積載重量計測装置50を利用できる。また、本実施形態では、車両41として、図2(a)~(c)に一例として示すように、前後に2つの車軸があるトラックの場合を想定しているが、3つ又はそれ以上の車軸を有する車両を対象として積載重量を計測することも可能である。
【0018】
図1の積載重量計測装置50は、車両41の運転席近傍に設置された電子制御装置10と、これに接続された4つの荷重センサ25A、25B、25C、及び25Dを備えている。
【0019】
また、電子制御装置10は、判定部11、本体メモリ12、不揮発性メモリ13、警報出力部14、表示部15、制御部16、電源部17、及び入出力I/F(インタフェース)18を備えている。
【0020】
積載重量計測装置50が動作するために必要な電源電力は、車両電源23から供給される。車両電源23は、車両41に搭載されているバッテリーなどの電源であり、電子制御装置10等の車載器に対して所定の直流電力(動作電源)を供給することができる。
【0021】
荷重センサ25A、25B、25C、および25Dは、それぞれ、前方左側(FL)、前方右側(FR)、後方左側(RL)、および後方右側(RR)の各位置の車輪を支持するサスペンションに加わる荷重の大きさを計測できるように設置されている。荷重センサ25A、25B、25C、および25Dは、それぞれ車両41の各車輪位置に加わる荷重に相当する荷重信号を出力する。
【0022】
判定部11は、積載重量計測装置50の計測結果が正しいか否かを自動的に判定する機能を有している。なお、判定部11の機能は制御部16に内蔵してもよい。
【0023】
本体メモリ12は、事前に定めた各種定数データや電子制御装置10の動作に必要なプログラムが書き込まれた不揮発性メモリ(EEPROMなど)と、各種測定データを含む一時データを保持するためのメモリ(RAM)とを備えている。
【0024】
不揮発性メモリ13は、判定部11が判定処理を実施するために必要な予め定めた定数データを保持している。
警報出力部14は、電子制御装置10に内蔵された警報ランプやブザーなどを用いて、異常の発生を運転者に報知するために利用される。
【0025】
表示部15は、自車両の運転者の位置から視認が容易な状態で配置された、液晶ディスプレイ等の平面ディスプレイを備えている。この平面ディスプレイの二次元画面に、カラー画像や文字情報などを必要に応じて表示できる。表示部15は、例えば、本体メモリ12に記録された設定情報や、各種測定データを表示できる。
【0026】
制御部16は、マイクロコンピュータ(マイコン)を主体とする電子回路により構成され、予め定められたプログラムを実行することにより、電子制御装置10に必要とされる各種の制御機能を実現する。制御部16は、荷重センサ25A~25Dからそれぞれ出力される荷重信号に基づいて計測した積載重量を算出し、算出結果を本体メモリ12に記録すると共に表示部15で表示する。但し、計測した積載重量の算出結果の計測誤差が大きいと判定部11が判定した場合には、積載重量の表示は抑制され、エラーが表示される。
【0027】
電源部17は、車両電源23から供給される電力に基づいて、安定した直流電力を生成し、この直流電力を電子制御装置10内部の各回路と、荷重センサ25A~25Dへ電源として供給する。
【0028】
入出力I/F18は、荷重センサ25A~25D等の各信号を制御部16に入力するための信号処理を実施する。入出力I/F18は、荷重センサ25A~25Dから出力される荷重信号の入力を受け付ける。
【0029】
図2(a)、図2(b)、及び図2(c)は、車両41の各車輪と各センサのレイアウト概要を表し、図2(a)は側面図、図2(b)は背面図、図2(c)は底面図である。
【0030】
図2(a)に示した例では、車両41の運転席の近傍に電子制御装置10が設置されている。電子制御装置10に接続された4つの荷重センサ25A、25B、25C、および25Dは、図2(b)、図2(c)に示すように、それぞれ、左前方(FL)の車輪44A、右前方(FR)の車輪44B、左後方(RL)の車輪44C、および右後方(RR)の車輪44Dの近傍に設置されている。
【0031】
前方の各車輪44A、44Bは前側の車軸43Aにより所定のサスペンションを介して支持されており、後方の各車輪44C、44Dは後側の車軸43Bによりサスペンションを介して支持されている。
【0032】
4つの荷重センサ25A、25B、25C、および25Dは、それぞれの車輪44A~44Dの位置に加わる荷重により車軸43A、43Bの各部位に加わる歪みを検知することができる。
【0033】
実際には、車両41への荷物の積載状況、重量バランス、車両41が配置されている場所の路面状態、各車輪44A~44Dの空気圧の違いなどに応じて4つの荷重センサ25A~25Dが検知する荷重が変動する。制御部16は、荷重センサ25A~25Dから出力される荷重信号に基づいて、車両41全体に加わる荷重を計測し、荷室42に積み卸しされた荷物の積載重量を算出する。
【0034】
図3は、荷重センサ25内部の構成例を示すブロック図である。なお、図1中に示した荷重センサ25A~25Dのそれぞれが図3の荷重センサ25に相当する。
【0035】
図3に示すように、本実施形態における荷重センサ25は、歪み検出素子31、専用IC(ASIC)32、MCU(マイクロコントローラ)34、入出力I/F35、および電源回路36を内蔵している。
【0036】
歪み検出素子31は、これが設置されている箇所に加わる荷重により生じる歪み量を検出する。専用IC32は、歪み検出素子31が検出した歪み量、すなわち荷重に相当する電圧(V)の電気信号を生成する。
【0037】
MCU34は、専用IC32が出力する信号に基づいて、検出された荷重の大きさを表すデータである荷重信号を生成する。MCU34が生成した荷重信号は、入出力I/F35を経由して電子制御装置10に入力される。電源回路36は、電源部17から供給される直流電力を変換して荷重センサ25内の各部に供給する。
【0038】
図4は、積載重量計測装置50における特徴的な動作を示すフローチャートである。なお、図4に示した動作は、制御部16又は判定部11の制御を実施するコンピュータが実行可能なプログラムとして本体メモリ12などに組み込むことが可能である。図4に示した動作について以下に説明する。
【0039】
電子制御装置10の制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力する荷重信号に基づいて、4箇所の各車輪44A~44Dの荷重を測定し、荷室42全体の積載重量も所定の計算式に基づいて算出する(S11)。なお、ここでは前方左側(FL)、前方右側(FR)、後方左側(RL)、及び後方右側(RR)の各車輪位置で検出した荷重をそれぞれWFL、WFR、WRL、及びWRRで表す。
【0040】
判定部11は、誤差閾値Cerを不揮発性メモリ13から取得する(S12)。この誤差閾値Cerは事前に定めた定数であり、一例として0.05、0.1、0.2などが想定される。なお、ユーザが必要とする状況に応じて複数種類の定数を適宜使い分けることができるようにしてもよい。
【0041】
判定部11は、荷重WFL、WFRから前側の左右比率R1を例えば次の式(1)により算出する(S13)。
R1=WFR/WFL ・・・(1)
【0042】
判定部11は、前側比率誤差Er1を次の式(2)により算出する(S14)。
Er1=|R1-1.0| ・・・(2)
【0043】
判定部11は、算出した上記前側比率誤差Er1と誤差閾値Cerとを比較する(S15)。判定部11は、「Er1≦Cer」の条件を満たす場合は次のS16の処理に進み、この条件を満たさない場合はS20の処理に進む。
【0044】
判定部11は、荷重WRR、WRLから後側の左右比率R2を例えば次の式(3)により算出する(S16)。
R2=WRR/WRL ・・・(3)
【0045】
判定部11は、後側比率誤差Er2を次の式(4)により算出する(S17)。
Er2=|R2-1.0| ・・・(4)
【0046】
判定部11は、算出した上記後側比率誤差Er2と誤差閾値Cerとを比較する(S18)。判定部11は、「Er2≦Cer」の条件を満たす場合は次のS19の処理に進み、この条件を満たさない場合はS20の処理に進む。
【0047】
制御部16は、判定部11の判定結果に従い計測誤差が十分小さいとみなせる場合には、荷重WFL、WFR、WRL、及びWRRに基づきS11で算出した積載重量の数値等を表示部15に表示する(S19)。
【0048】
制御部16は、判定部11の判定結果に従い、計測誤差が比較的大きい場合には、荷重算出した積載重量の表示を中止又は抑制し、例えば測定エラーのメッセージ等を表示部15で表示する(S20)。
【0049】
<実験結果の説明>
図4に示したような制御を行うことが適切である理由について以下に説明する。
図5(a)、図5(b)、図5(c)、及び図5(d)は、同じ車両における各車輪の位置関係の概要を表す平面図である。なお、これらは車両を上方から視た平面における各車輪のレイアウトを表している。また、図5(a)~図5(d)に示した例では左右の車輪(後輪)44C、44Dがそれぞれ2つずつ並んで存在している場合を想定している。
【0050】
図5(a)に示した状態は、車両41を平坦な路面の上に水平な状態で配置して測定を行った場合を想定している。
【0051】
図5(b)に示した状態は、図5(a)の状態から、車両41の前側の各車輪44A、44Bと路面との間に比較的厚い板(厚みは30[mm])を挟んで荷重分布の前後方向のバランスを変化させた場合を想定している。
【0052】
図5(c)に示した状態は、図5(a)の状態から、車両41の後側の各車輪44C、44Dと路面との間に上記と同じ厚みの板を挟んで荷重分布の前後方向のバランスを変化させた場合を想定している。
【0053】
図5(d)に示した状態は、図5(a)の状態から、車両41の右前方の車輪44B、及び左後方の車輪44Cと路面との間に上記と同じ厚みの板を挟んで荷重分布のバランスを対角線方向に変化させた場合を想定している。なお、図5(d)の状態では、板を挟んでいない各車輪44A、44Dは路面から少し浮き上がった状態になっている。
【0054】
<実験で得られたデータの例>
図6は、4種類の車両状態でそれぞれ測定して得られたデータの例を示す模式図である。また、この実験においては、実際の重量が既知の3000[kg]の分銅を車両41の荷室に積載した状態で測定を実施した。また、各車輪の空気圧は適正に調整され、パンクなどの異常は発生していない。
【0055】
図6において、4つの各データ項目D1、D2、D3、及びD4は、それぞれ図5(a)、図5(b)、図5(c)、及び図5(d)の状態で測定して得られた結果に相当する。
【0056】
図6に示した左右比率R01は、左前方の車輪44Aの位置で測定した荷重と、右前方の車輪44Bの位置で測定した荷重との比率を表している。また、図6に示した左右比率R02は、左後方の車輪44Cの位置で測定した荷重と、右後方の車輪44Dの位置で測定した荷重との比率を表している。
【0057】
図6に示した重量算出値Wxは、図5(a)~図5(d)のそれぞれに示した状態で、各車輪位置で測定した荷重に基づいて制御部16が所定の計算式から算出した荷室全体の積載重量の算出値を表している。また、図6中の誤差Errは、重量算出値Wxと搭載した分銅の実際の重量との誤差[%]を表している。
【0058】
<実験結果から分かる事項>
図6に示したデータ項目D1、D2、D3のいずれも、誤差Errは比較的小さいので、測定値を高精度化するために格別に複雑な補正のための計算処理を実施しなくても、制御部16が算出した重量算出値Wxをそのまま積載重量の計測結果として採用しても問題は生じにくい。
【0059】
一方、図6に示したデータ項目D4のように、対角線方向に荷重のバランスが崩れている場合には、比較的大きい誤差Errが発生するので、このままでは正しい積載重量の計測結果は得られない。なお、左右比率R01がマイナスの値になっているのは、左前方の車輪44A又は右前方の車輪44Bが路面から少し浮き上がっていることを表している。
【0060】
現実的には、傾斜した路面や凹凸のある路面に配置した状態で車両41の積載重量を測定する場合や、各車輪の空気圧のバランスが崩れていたり一部の車輪がパンクしているような場合に、図6のデータ項目D4と同様に誤差Errが大きくなる可能性が考えられる。逆に、少なくとも車体の左右について各車輪に加わる荷重のバランスが適正な範囲内であれば、図6に示したデータ項目D1、D2、D3のように発生する誤差Errは比較的小さい範囲内に限定されることが想定される。
【0061】
例えば、判定部11や制御部16が図4に示した制御を実施する場合には、前側比率誤差Er1、及び後側比率誤差Er2が誤差閾値Cer以内である場合に限り、積載重量の測定結果がS19で表示されるので、誤差の大きい積載重量の測定結果が出力されるのを避けることができる。つまり、制御部16が高精度の補正処理を実施しなくても、路面の傾斜、凹凸などの影響や、車輪の空気圧バランス、パンクなどの影響により間違った測定結果が出力されるのを防止できる。また、積載重量の計測の際に高精度の補正処理が不要になるので、積載重量計測装置50のコスト低減が可能になる。
【0062】
<変形例>
図7は、変形例における積載重量計測装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
この変形例では、測定対象の車両41において、前後の車軸43A、43Bの間にもう1つの中間部の車軸が存在する場合を想定している。したがって、中間部の車軸についてもその左右にある車輪のそれぞれに加わる荷重を荷重センサ25できるように全部で6個の荷重センサ25を電子制御装置10に接続する。
【0064】
図7のステップS11Aでは、電子制御装置10の制御部16が、6個の荷重センサ25の検出結果に基づいてそれぞれの位置における荷重を検出し、荷室全体の積載荷重も算出する。荷重WIL、及びWIRは、それぞれ中間部の車軸の左側及び右側の車輪位置で検出された荷重を表す。
【0065】
変形例では、判定部11は、荷重WIL、WIRから後側の左右比率R3を例えば次の式(5)により算出する(S21)。
R3=WIR/WIL ・・・(5)
【0066】
また、判定部11は比率誤差Er3を次の式(6)により算出する(S22)。
Er3=|R3-1.0| ・・・(6)
【0067】
判定部11は、算出した上記比率誤差Er3と誤差閾値Cerとを比較する(S23)。判定部11は、「Er3≦Cer」の条件を満たす場合は次のS19の処理に進み、この条件を満たさない場合はS20の処理に進む。
【0068】
制御部16は、判定部11の判定結果に従い計測誤差が十分小さいとみなせる場合には、荷重WFL、WFR、WRL、WRR、WIL、及びWIRに基づきS11Aで算出した積載重量の数値等をS19で表示部15に表示する。
上記以外の動作については図4の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
なお、上述の実施形態では、計測して得られた積載重量の算出値が正しいか否かを判定する判定部11を車両上に搭載した電子制御装置10に内蔵する場合を想定しているが、この判定部11と同様の機能を車両外部の管理装置などに搭載してもよい。その場合は、無線通信装置を利用して積載重量計測装置50の車載器と外部の管理装置との間で測定したデータを転送し、管理装置側で判定を実施することが想定される。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0071】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る積載重量計測装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の左側の車輪に加わる第1荷重を検出する第1センサ(44A又は44C)、及び前記車軸の右側の車輪に加わる第2荷重を検出する第2センサ(44B又は44D)と、
前記車両の各車輪に加わる荷重に基づいて前記車両の積載重量を算出する積載重量算出部(制御部16)と、
前記第1センサおよび前記第2センサの検出結果に基づいて前記第1荷重と前記第2荷重との比率(左右比率R1、R2)を算出する比率計算部(S13、S16)と、
前記比率計算部が算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量算出部が算出した積載重量の利用可否を識別する自動判定部(判定部11、S15、S18)と、
を備える積載重量計測装置(50)。
【0072】
上記[1]の構成の積載重量計測装置によれば、車両が配置された路面の傾斜、凹凸などの影響や、車輪の空気圧バランス、パンクなどの影響により誤差の大きい誤った測定結果が制御部16により算出される可能性が高い状況では、その測定結果が利用できないことを自動判定部が判定できる。したがって、制御部16で高精度の補正処理を実施する必要がなくなり、積載重量計測装置50のコスト低減が可能になる。
【0073】
[2] 前記車両に含まれる複数の車軸(43A、43B)のそれぞれに、前記第1センサ、及び前記第2センサが装着され、
前記比率計算部は、複数の前記車軸のそれぞれについて前記比率を算出し(S13、S16)、
前記自動判定部は、前記比率が全ての前記車軸について前記許容範囲の条件を満たす場合に、前記積載重量算出部が算出した積載重量が正しいと判定する(S18、S19)、
上記[1]に記載の積載重量計測装置。
【0074】
上記[2]の構成の積載重量計測装置によれば、前方と後方の一方の車軸位置でのみ左右の荷重バランスが大きく崩れている場合でも、測定誤差が大きいことを正しく判定することができる。
【0075】
[3] 前記自動判定部は、識別結果に応じて少なくとも前記積載重量算出部が算出した積載重量の表示出力の有無を切り替える(S19、S20)、
上記[1]又は[2]に記載の積載重量計測装置。
【0076】
上記[3]の構成の積載重量計測装置によれば、各車両の積載重量を管理する管理者や運転者が、装置に表示される内容から間違った積載重量の測定結果を読み取るのを避ける事ができる。
【0077】
[4] 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて測定した前記車両の積載重量の利用可否を把握するための積載重量判定方法であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の右側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の左側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出し(S11)、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出し(S13又はS16)、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する(S15、S18)、
積載重量判定方法。
【0078】
上記[4]の構成の積載重量判定方法によれば、車両が配置された路面の傾斜、凹凸などの影響や、車輪の空気圧バランス、パンクなどの影響により誤差の大きい誤った測定結果が算出される可能性が高い状況では、その測定結果が利用できないことを自動判定できる。したがって、高精度の補正処理を実施する必要がなくなり、積載重量計測装置のコスト低減が可能になる。
【0079】
[5] 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置における測定結果の利用可否を識別するコンピュータが実行可能な積載重量判定プログラムであって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の右側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の左側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出する手順(S11)と、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する手順(S13又はS16)と、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する手順(S15又はS18)と、
を備える積載重量判定プログラム(図4参照)。
【0080】
上記[5]の積載重量判定プログラムを所定のコンピュータで実行することにより、車両が配置された路面の傾斜、凹凸などの影響や、車輪の空気圧バランス、パンクなどの影響により誤差の大きい誤った測定結果が算出される可能性が高い状況では、その測定結果が利用できないことを自動判定できる。したがって、高精度の補正処理を実施する必要がなくなり、積載重量計測装置のコスト低減が可能になる。
【符号の説明】
【0081】
10 電子制御装置
11 判定部
12 本体メモリ
13 不揮発性メモリ
14 警報出力部
15 表示部
16 制御部
17 電源部
23 車両電源
25,25A,25B,25C,25D 荷重センサ
31 歪み検出素子
32 専用IC(ASIC)
34 MCU(マイクロコントローラ)
35 入出力I/F
36 電源回路
41 車両
42 荷室
43A,43B 車軸
44A,44B,44C,44D 車輪
50 積載重量計測装置
Cer 誤差閾値
D1,D2,D3,D4 データ項目
Er1 前側比率誤差
Er2 後側比率誤差
Er3 中間比率誤差
Err 誤差
R01,R02,R1,R2,R3 左右比率
WFR,WFL,WRR,WRL,WIR,WIL 荷重
Wx 重量算出値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の左側の車輪に加わる第1荷重を検出する第1センサ、及び前記車軸の右側の車輪に加わる第2荷重を検出する第2センサと、
前記車両の各車輪に加わる荷重に基づいて前記車両の積載重量を算出する積載重量算出部と、
前記第1センサおよび前記第2センサの検出結果に基づいて前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する比率計算部と、
前記比率計算部が算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量算出部が算出した積載重量の利用可否を識別する自動判定部と、
を備える積載重量計測装置。
【請求項2】
前記車両に含まれる複数の車軸のそれぞれに、前記第1センサ、及び前記第2センサが装着され、
前記比率計算部は、複数の前記車軸のそれぞれについて前記比率を算出し、
前記自動判定部は、前記比率が全ての前記車軸について前記許容範囲の条件を満たす場合に、前記積載重量算出部が算出した積載重量が正しいと判定する、
請求項1に記載の積載重量計測装置。
【請求項3】
前記自動判定部は、識別結果に応じて少なくとも前記積載重量算出部が算出した積載重量の表示出力の有無を切り替える、
請求項1又は請求項2に記載の積載重量計測装置。
【請求項4】
車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて測定した前記車両の積載重量の利用可否を把握するための積載重量判定方法であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出し、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出し、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する、
積載重量判定方法。
【請求項5】
車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置における測定結果の利用可否を識別するコンピュータが実行可能な積載重量判定プログラムであって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出する手順と、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する手順と、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する手順と、
を備える積載重量判定プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
(2) 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて測定した前記車両の積載重量の利用可否を把握するための積載重量判定方法であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出し、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出し、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する、
積載重量判定方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
(3) 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置における測定結果の利用可否を識別するコンピュータが実行可能な積載重量判定プログラムであって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出する手順と、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する手順と、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する手順と、
を備える積載重量判定プログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
[4] 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて測定した前記車両の積載重量の利用可否を把握するための積載重量判定方法であって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出し(S11)、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出し(S13又はS16)、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する(S15、S18)、
積載重量判定方法。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
[5] 車両の複数の車輪のそれぞれに加わる荷重を独立した複数のセンサで検出し、前記複数のセンサの検出結果に基づいて前記車両の積載重量を測定する積載重量計測装置における測定結果の利用可否を識別するコンピュータが実行可能な積載重量判定プログラムであって、
前記車両における少なくとも1つの車軸について、前記車軸の側の車輪に加わる第1荷重、及び前記車軸の側の車輪に加わる第2荷重をそれぞれ検出する手順(S11)と、
前記第1荷重と前記第2荷重との比率を算出する手順(S13又はS16)と、
算出した前記比率と、事前に定めた許容範囲とを比較した結果に応じて、前記積載重量の利用可否を識別する手順(S15又はS18)と、
を備える積載重量判定プログラム(図4参照)。