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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078033
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20230530BHJP
   B65B 11/00 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B65B57/00 C
B65B11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191611
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】駒井 直毅
(72)【発明者】
【氏名】河村 涼一
(72)【発明者】
【氏名】瀬野 知彦
【テーマコード(参考)】
3E051
【Fターム(参考)】
3E051AA03
3E051AB05
3E051AB09
3E051BA05
3E051BA15
3E051CA01
3E051CB08
3E051DA08
3E051EA03
3E051EB05
3E051GA01
3E051HE01
3E051KA02
3E051KA03
3E051KA07
3E051KB10
3E051LA02
3E051LA07
3E051LB05
3E051LB09
(57)【要約】
【課題】包装用のフィルムに対する印字の不具合の発生に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制可能な包装装置を提供する。
【解決手段】包装装置1000は、フィルム搬送装置100と、シール装置40と、プリンタ140と、受付部220と、制御部230と、を備える。フィルム搬送装置は、フィルムFを搬送する。シール装置は、物品を、フィルム搬送装置が搬送してくるフィルムを少なくとも用いて包装する。プリンタは、フィルム搬送装置のフィルムの搬送経路において、シール装置より上流に配置され、フィルムに第1情報を印字する。受付部は、フィルムの印字状態に関する第2情報を受け付ける。制御部は、第2情報に基づき、フィルムの所定箇所に印字の不具合が存在するか否かを判断し、シール装置が不具合の存在しない部分のフィルムを用いて物品を包装するよう、フィルム搬送装置及びシール装置の動作を制御する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムを搬送するフィルム搬送部と、
物品を、前記フィルム搬送部が搬送してくる前記フィルムを少なくとも用いて包装する包装部と、
前記フィルム搬送部の前記フィルムの搬送経路において、前記包装部より上流に配置され、前記フィルムに第1情報を印字する印字部と、
前記フィルムの印字状態に関する第2情報を受け付ける受付部と、
前記第2情報に基づき、前記フィルムの所定箇所に印字の不具合が存在するか否かを判断し、前記包装部が不具合の存在しない部分の前記フィルムを用いて前記物品を包装するよう、前記フィルム搬送部及び前記包装部の動作を制御する制御部と、
を備える、包装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記フィルム搬送部が、前記フィルムの不具合の存在する部分を、前記フィルム搬送部の前記フィルムの搬送経路において前記包装部より下流側に搬送するよう、前記フィルム搬送部の動作を制御する、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記フィルム搬送部の前記フィルムの搬送経路において前記包装部より下流側に配置され、前記フィルムの前記不具合の存在する部分を回収する回収部を更に備える、
請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記第2情報には、前記包装部が前記フィルムで包装する前記物品と、前記フィルムに印字されている前記第1情報と、が対応しているか否かの情報を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記包装部は、1回の包装動作で、複数の前記物品を個別に包装し、
前記制御部は、前記包装部が、1回の包装動作で包装する前記複数の前記物品の全てを前記不具合の存在しない部分の前記フィルムを用いて包装するよう、前記フィルム搬送部及び前記包装部の動作を制御する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関する。具体的には、本発明は、フィルム搬送部が搬送するフィルムを用いて物品を包装する包装装置であって、包装に利用する前のフィルムにプリンタで情報を印字する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルム搬送部が搬送するフィルムを用いて物品を包装する包装装置が知られている。このような包装装置では、例えば特許文献1(特開平10―203505号公報)のように、フィルムの搬送路にプリンタが設けられ、包装に利用する前のフィルムに情報が印字される場合がある。
【0003】
フィルムに対する印字において、印字の抜け、印字の位置ずれ、印字の欠け、印字のかすれ、印字内容の誤り等の印字の不具合が発生する場合がある。
【0004】
従来の包装装置でこのような印字の不具合が発生した場合には、印字に不具合があるフィルムで包装された物品が出荷されることが無いよう、物品の包装後に、包装フィルムに対する印字状態が確認されている。そして、従来の包装装置では、印字に不具合が発見された場合には、この包装済みの物品を廃棄する、包装から物品を取り出して再包装する(物品を再利用する)等の対応が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような対応では、物品が無駄に廃棄される、物品の再利用に手間が掛かる等の問題が発生する。
【0006】
本発明の課題は、包装用のフィルムに対する印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制可能な包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1観点に係る包装装置は、フィルム搬送部と、包装部と、印字部と、受付部と、制御部と、を備える。フィルム搬送部は、フィルムを搬送する。包装部は、物品を、フィルム搬送部が搬送してくるフィルムを少なくとも用いて包装する。印字部は、フィルム搬送部のフィルムの搬送経路において、包装部より上流に配置される。印字部は、フィルムに第1情報を印字する。受付部は、フィルムの印字状態に関する第2情報を受け付ける。制御部は、第2情報に基づき、フィルムの所定箇所に印字の不具合が存在するか否かを判断し、包装部が不具合の存在しない部分のフィルムを用いて物品を包装するよう、フィルム搬送部及び包装部の動作を制御する。
【0008】
第1観点の包装装置では、フィルムに対する印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【0009】
本発明の第2観点に係る包装装置は、第1観点の包装装置であって、制御部は、フィルム搬送部が、フィルムの不具合の存在する部分を、フィルム搬送部のフィルムの搬送経路において包装部より下流側に搬送するよう、フィルム搬送部の動作を制御する。
【0010】
第2観点の包装装置では、フィルムに対する印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【0011】
本発明の第3観点に係る包装装置は、第2観点の包装装置であって、回収部を更に備える。回収部は、フィルム搬送部のフィルムの搬送経路において包装部より下流側に配置される。回収部は、フィルムの不具合の存在する部分を回収する。
【0012】
第3観点の包装装置では、フィルムの印字の不具合の存在する部分が回収部に回収されるので、フィルムの印字の不具合が存在する部分を除去する作業員の作業の発生を抑制できる。
【0013】
本発明の第4観点に係る包装装置は、第1観点から第3観点のいずれかの包装装置であって、第2情報には、包装部がフィルムで包装する物品と、フィルムに印字されている第1情報と、が対応しているか否かの情報を含む。
【0014】
第4観点の包装装置では、物品が、その物品用ではない第1情報が印字されたフィルムで包装される事態の発生を抑制できる。その結果、包装用のフィルムに対する印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【0015】
本発明の第5観点に係る包装装置は、第1観点から第4観点のいずれかの包装装置であって、包装部は、1回の包装動作で、複数の物品を個別に包装する。制御部は、包装部が、1回の包装動作で包装する複数の物品の全てを不具合の存在しない部分のフィルムを用いて包装するよう、フィルム搬送部及び包装部の動作を制御する。
【0016】
第5観点の包装装置では、フィルムに対する印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の包装装置は、フィルムの不具合の存在しない部分を使用して物品の包装を行うため、フィルムに対する印字の不具合に伴う、物品が廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の包装装置の第1実施形態に係る包装装置の概略構成図である。
図2図1の包装装置の制御ブロック図である。
図3A図1の包装装置の移動機構の動作を説明するための図である。
図3B図1の包装装置の移動機構の動作を説明するための図である。
図3C図1の包装装置の移動機構の動作を説明するための図である。
図3D図1の包装装置の移動機構の動作を説明するための図である。
図4図1の包装装置が有するフィルム搬送装置及びフィルム搬送装置の周辺の構成を概略的に示す図である。
図5図1の包装装置による容器の包装動作を主に説明するためのフローチャートである。
図6図1の包装装置のフィルム搬送装置の動作を主に説明するためのフローチャートである。
図7A】フィルムの印字に不具合のある箇所が存在する場合の、図1の包装装置におけるフィルムの搬送動作を模式的に示す図である。
図7B】フィルムの印字に不具合のある箇所が存在する場合の、図1の包装装置におけるフィルムの搬送動作を模式的に示す図である。
図7C】フィルムの印字に不具合のある箇所が存在する場合の、図1の包装装置におけるフィルムの搬送動作を模式的に示す図である。
図7D】フィルムの印字に不具合のある箇所が存在する場合の、図1の包装装置におけるフィルムの搬送動作を模式的に示す図である。
図8】本発明の包装装置の第2実施形態に係る製袋包装装置の概略構成図である。
図9図8の製袋包装装置の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る包装装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する包装装置は実施例に過ぎず、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能である。
【0020】
<第1実施形態>
(1)全体概要
本発明の第1実施形態に係る包装装置1000の全体構成を、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、包装装置1000の概略構成図である。図1では、後述する移動機構30の把持アーム32を、二点鎖線で、透過物として描画している。図2は、包装装置1000の制御ブロック図である。
【0021】
包装装置1000は、少なくともフィルムFを用いて、物品を包装する装置である。具体的には、本実施形態の包装装置1000は、包装装置1000へと搬送されてくる、物品の充填されているトレー状の容器Cを受け取る。包装装置1000が受け取る容器Cの上部には、開口がある。要するに、包装装置1000は、物品が充填済みで、フィルムFで開口が閉じられる前の容器Cを受け取る。包装装置1000は、受け取った容器Cの上部の開口を、フィルムFでシールすることで、容器CとフィルムFを用いて物品を包装する。包装装置1000は、フィルムFで開口を閉鎖した容器C(以後、説明が冗長になるのを避けるため、フィルムFで開口を閉鎖した容器Cを容器C1と呼ぶ場合がある)を、包装装置1000の後段の工程へと搬出する。
【0022】
なお、物品の種類を限定するものではないが、物品は、例えば食品である。容器Cの材質の種類を限定するものではないが、容器Cの材質は、例えばポリプロピレン等のプラスチックである。フィルムFの材質を限定するものではないが、フィルムFの材質は、例えばポリプロピレン等のプラスチックである。
【0023】
包装装置1000について、より具体的に説明する。
【0024】
包装装置1000は、図1及び図2に示すように、第1コンベア10、第2コンベア20、移動機構30、シール装置40、第3コンベア50、フィルム搬送装置100、プリンタ140、印字検査装置150、マーク検知センサ160、エンコーダ170、及びコントローラ200を主に備える。
【0025】
第1コンベア10は、図示をしていないコンベア等の搬送手段により包装装置1000へと搬送されてくる容器Cを受け取る。第1コンベア10は、例えばベルトコンベアである。第1コンベア10は、第2コンベア20へと容器Cを搬送する。
【0026】
第2コンベア20では、第1コンベア10が供給する容器Cを受け取る。第2コンベア20には、所定数量の容器Cが集合させられる。
【0027】
移動機構30は、第2コンベア20に集合させられた所定数量の容器Cを、シール装置40に移動させる。また、移動機構30は、シール装置40による包装済みの容器C(容器C1)を、第3コンベア50に移動させる。
【0028】
シール装置40は、包装部の一例である。シール装置40は、物品を、フィルム搬送装置100が搬送してくるフィルムFを少なくとも用いて包装する。具体的には、シール装置40は、移動機構30が搬送してくる容器Cの開口を、フィルム搬送装置100が搬送してくるフィルムFによりシールすることで、物品を容器CとフィルムFとで包装する。包装済みの物品(容器C1)は、移動機構30により第3コンベア50へと移動させられる。
【0029】
第3コンベア50は、移動機構30が搬送してくる容器C1を受け取って搬送し、後段の工程(例えば、図示していないコンベア等の搬送手段)に受け渡す。第3コンベア50は、例えばベルトコンベアである。
【0030】
フィルム搬送装置100は、フィルム搬送部の一例である。フィルム搬送装置100は、フィルムFが巻き回されたフィルムロールR1から、フィルムFを繰り出して搬送し、フィルムFをシール装置40に供給する。
【0031】
プリンタ140は、印字部の一例である。プリンタ140は、フィルム搬送装置100のフィルムFの搬送経路において、シール装置40より上流に配置される。プリンタ140は、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFが、シール装置40に供給される前に、所定の文字や図形等の情報(第1情報と呼ぶ)を印字する。
【0032】
印字検査装置150は、フィルムFの印字状態を検査する。印字検査装置150は、フィルムFに対する印字の抜け、印字の位置ずれ、印字の欠け、印字のかすれ、印字内容の誤り等の印字の不具合を検知する。
【0033】
マーク検知センサ160は、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFに、所定間隔で付されているマークを検出する。マーク検知センサ160は、プリンタ140の印字タイミングの制御のために用いられる。
【0034】
エンコーダ170は、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFの搬送速度や搬送距離を検知する。エンコーダ170は、プリンタ140の印字タイミングの制御のために用いられる。
【0035】
コントローラ200は、第1コンベア10、第2コンベア20、移動機構30、シール装置40、第3コンベア50、フィルム搬送装置100、及びプリンタ140等の、包装装置1000の各部の動作を制御する。
【0036】
(2)詳細
包装装置1000の各種構成について、図3図4を参照しながら更に説明する。図3A図3Dは、移動機構30の動作を説明するための図である。図3A図3Dでは、フィルム搬送装置100、プリンタ140、印字検査装置150、マーク検知センサ160、及びエンコーダ170の図示を省略している。図3A図3Dでは、フィルムFでシール済みの容器C(容器C1)にハッチングを付して示している。図4は、フィルム搬送装置100の周辺の構成を概略的に示す図である。
【0037】
(2-1)第2コンベア
第2コンベア20は、第1コンベア10が搬送してくる容器Cを受け取る。第2コンベア20には、所定数量の容器Cが集合させられる。第2コンベア20に所定数量の容器Cが集合させられると、移動機構30が、第2コンベア20に集合させられた所定数量の容器Cを、シール装置40へと搬送する。
【0038】
例えば、図1及び図3A図3Bに描画した例では、第2コンベア20上に4個の容器Cが集合させられる。なお、第2コンベア20上に集合させられる容器Cの数は、3個以下でも、5個以上でもよい。
【0039】
限定するものではないが、第2コンベア20は、例えばベルトコンベアである。第2コンベア20は、図1及び図2に示すように、ローラ22と、ローラ22に巻き掛けられたコンベアベルト24と、ローラ22の1つを駆動する第2コンベア駆動部26とを含む。第2コンベア駆動部26は、例えばモータである。第2コンベア駆動部26は、第1コンベア10により供給される容器Cが、コンベアベルト24上に、第2コンベア20の搬送方向A(図1参照)に沿って互いに所定の間隔を空けて並ぶように、その運転及び停止が制御される。
【0040】
(2-2)移動機構
移動機構30は、第2コンベア20に集合させられた所定数量の容器Cを、シール装置40の後述するリフタ42上に移動させる。さらに、移動機構30は、シール装置40のリフタ42上の、フィルムFで開口をシール済みの容器C(容器C1)を、第3コンベア50に移動させる。
【0041】
移動機構30は、図1及び図2に示すように、一対の把持アーム32と、一対の把持アーム32を動作させる把持アーム駆動部34と、を有する。
【0042】
一対の把持アーム32は、第2コンベア20の容器Cの搬送方向Aに延びる棒状の部材である。
【0043】
把持アーム駆動部34は、例えば、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、モータ等である。把持アーム駆動部34は、複数の、空気圧シリンダや、油圧シリンダやモータを有し、複数の空気圧シリンダや、油圧シリンダやモータが協働することで、把持アーム32を以下のように動作させてもよい。
【0044】
一対の把持アーム32は、把持アーム駆動部34により駆動され、以下のように動作する。
【0045】
第2コンベア20のコンベアベルト24上に所定数量の容器Cが集合させられ、かつ、シール装置40のリフタ42上の容器CのフィルムFによる包装が完了すると、容器Cから離れて配置されていた一対の把持アーム32(図3A参照)は、把持アーム駆動部34により、方向Bに沿って容器Cに近づく方向に駆動され、コンベアベルト24上及びリフタ42上の容器Cを把持する(図3B参照)。方向Bは、第2コンベア20の容器Cの搬送方向Aと直交する方向である。
【0046】
次に、一対の把持アーム32は、把持アーム駆動部34により駆動され、搬送方向Aに移動する(図3C参照)。この結果、コンベアベルト24上に存在した容器Cは、リフタ42上に移動する。また、もともと(一対の把持アーム32が、搬送方向Aに移動する前に)リフタ42上に存在した容器Cは、第3コンベア50上に移動する。なお、一対の把持アーム32は、搬送方向Aにおける容器Cの整列状態は維持したまま、コンベアベルト24上に存在した容器Cをリフタ42上に移動させ、もともとリフタ42上に存在した容器Cを第3コンベア50上に移動する。
【0047】
この状態で、一対の把持アーム32は、把持アーム駆動部34により、方向Bに沿って容器Cから離れる方向に駆動され、容器Cの把持を解除する(図3D参照)。
【0048】
この後、一対の把持アーム32は、把持アーム駆動部34により駆動され、搬送方向Aにおいて図3Aに示された位置に移動する。
【0049】
コンベアベルト24上に所定数量の容器Cが集合させられた状態となり、かつ、リフタ42上の容器CのフィルムFによる包装が完了すると、容器Cから離れて配置されていた一対の把持アーム32は、把持アーム駆動部34により再び駆動され、コンベアベルト24上及びリフタ42上の容器Cを把持する(図3B参照)。
【0050】
移動機構30は、上述の一連の動作を繰り返し行う。
【0051】
(2-3)シール装置
シール装置40は、移動機構30が第2コンベア20から搬送してくる所定数量の容器Cの開口を、フィルム搬送装置100が搬送してくるフィルムFでシールする。特に、本実施形態では、シール装置40は、1回の包装動作で、フィルムFの搬送方向Dに平行に並べられている複数(本実施形態では4個)の容器Cのそれぞれの開口を、フィルムFでまとめて(同時に)シールする。シール装置40は、1回の包装動作で、複数の容器C内の物品を個別に包装する。シール装置40がフィルムFで開口をシールした容器C(容器C1)は、移動機構30により第3コンベア50へと移動させられる。
【0052】
シール装置40は、図1及び図2に示すように、リフタ42と、プレート44と、リフタ駆動部46と、を主に含む。
【0053】
フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFは、図1に示すように、容器Cの載置されるリフタ42の載置面42aと、リフタ42の載置面42aと対向するプレート44の対向面44aとの間を搬送される。
【0054】
リフタ駆動部46は、リフタ42を、プレート44に接近する方向、及び、プレート44から離反する方向に移動させる機構である。限定するものではないが、リフタ駆動部46は、例えば、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、モータ等である。
【0055】
プレート44には、第2コンベア20の搬送方向A(フィルムFの搬送方向D)及び第2コンベア20の搬送方向Aと直交する方向Bにおいて、移動機構30によりリフタ42に移動させられた各容器Cと対応する位置に、それぞれツール48が設けられている。
【0056】
ツール48は、図示を省略するヒータ及びカッタ有する。各ツール48のヒータは、後述するようにリフタ42がリフタ駆動部46により容器Cがプレート44に接近するように移動させられた時に、対応する容器Cの開口の縁部(容器Cの開口との境界部分)との間でフィルムFを挟み込むような位置に、少なくとも配置される。各ツール48のカッタは、リフタ42により容器Cがプレート44に接近するように移動させられた時に、フィルムFに接触し、所定の位置で(フィルムFが熱シールされた各容器Cの、開口の縁部の周辺の適切な位置で)フィルムFを切断するように、配置される。リフタ42上の容器Cの位置とツール48の位置との関係を言い換えれば、移動機構30は、第2コンベア20の搬送方向A及び搬送方向Aと直交する方向Bにおいて、プレート44に設けられているツール48に対応する位置に、コンベアベルト24上の容器Cを移動させる。
【0057】
リフタ42は、移動機構30が第2コンベア20から搬送してくる容器Cを受け取る際には、プレート44とは離れた所定位置(離隔位置)に配置されている。シール装置40は、移動機構30が、コンベアベルト24からリフタ42の載置面42aに所定数量の容器Cを移動させると、リフタ駆動部46により、リフタ42の載置面42aがプレート44の対向面44aに接近するようにリフタ42を所定位置(接近位置)まで移動させる。より具体的には、シール装置40は、リフタ駆動部46により、リフタ42上の容器Cの開口の縁部が、フィルムFを介して、プレート44のツール48のヒータと接触するように、リフタ42を離隔位置から接近位置に移動させる。このように、リフタ42上の容器Cの開口の縁部が、フィルムFを介してツール48のヒータと接触することで、容器Cの開口の縁部にフィルムFが熱シールされ、容器Cの開口がフィルムFでシールされる。また、リフタ駆動部46が、リフタ42の載置面42aがプレート44の対向面44aに接近するようにリフタ42を離隔位置から接近位置に移動させると、各ツール48のカッタがフィルムFに接触し、所定の位置でフィルムFが切断される。なお、利用されなかったフィルムF(容器Cの開口のシールに用いられなかったフィルムF)は、後述する回収ロール保持部130に送られる。
【0058】
シール装置40は、リフタ42をプレート44に接近するように移動させた後、リフタ42がプレート44から離反するように、容器Cのリフタ駆動部46により、リフタ42を接近位置から離隔位置に移動させる。離隔位置に位置するリフタ42の載置面42aに載置されている、シール装置40がフィルムFで開口をシールした容器C(容器C1)は、移動機構30により第3コンベア50へと移動させられる。
【0059】
(2-4)フィルム搬送装置
フィルム搬送装置100は、フィルム搬送部の一例である。フィルム搬送装置100は、容器Cの開口のシールに用いるフィルムFが巻き回されたフィルムロールR1からフィルムFを繰り出して搬送し、フィルムFをシール装置40に供給する。
【0060】
フィルム搬送装置100は、図4に示すように、フィルムロール保持部110と、回収ロール保持部130と、を主に有する。フィルム搬送装置100は、フィルムロール保持部110が保持するフィルムロールR1から繰り出されるフィルムFを、複数のローラを用いて案内してシール装置40のリフタ42の載置面42aとプレート44の対向面44aとの間に供給する。前述のように、シール装置40において、容器Cの開口をシールするために用いるフィルムF(フィルム片)が切り出された後のフィルムF(使用済みフィルムFと呼ぶ)は、回収ロール保持部130へと搬送される。回収ロール保持部130に搬送された使用済みフィルムFは、回収ロール保持部130が保持する回収ロールR2に回収される。
【0061】
また、回収ロール保持部130は、回収部として機能する。回収ロール保持部130は、フィルムFの印字に不具合の存在する部分(後述するコントローラ200の制御部230により印字に不具合が存在すると判断された部分)を回収する。
【0062】
フィルムロール保持部110及び回収ロール保持部130について詳しく説明する。
【0063】
(2-4-1)フィルムロール保持部
フィルムロール保持部110は、図2及び図4に示すように、第1シャフト112と、第1シャフト駆動部114と、を有する。第1シャフト112には、フィルムFの巻き回されたフィルムロールR1が取り付けられている。第1シャフト駆動部114は、第1シャフト112を回転させる機構である。第1シャフト駆動部114は、例えばモータである。第1シャフト駆動部114は、第1シャフト112を回動させ、よって第1シャフト112に取り付けられたフィルムロールR1を回転させることで、フィルムロールR1からフィルムFを繰り出して、繰り出されるフィルムFをシール装置40へと搬送する。
【0064】
(2-4-2)回収ロール保持部
回収ロール保持部130は、第2シャフト132と、第2シャフト駆動部134と、を有する。第2シャフト132には、フィルムロールR1から繰り出されるフィルムFの先端が巻き芯に接続されている回収ロールR2が取り付けられている。第2シャフト駆動部134は、第2シャフト132を回転させる機構である。第2シャフト駆動部134は、例えばモータである。第2シャフト駆動部134は、第2シャフト132を回動させ、よって第2シャフト132に取り付けられた回収ロールR2を回転させることで、回収ロールR2に、使用済みのフィルムF及びフィルムFの印字に不具合の存在する部分を巻き取る。
【0065】
なお、本実施形態では、フィルム搬送装置100の第1シャフト駆動部114及び第2シャフト駆動部134を用いてフィルムFを搬送する。ただし、フィルムFの搬送手段は、第1シャフト駆動部114及び第2シャフト駆動部134に限定されるものではない。例えば、フィルムFの搬送経路には、フィルムFの搬送手段として、一対のローラでフィルムFを挟み込んでフィルムFを引っ張りながら搬送する、ピンチローラのようなフィルム搬送のための機構が更に設けられてもよい。
【0066】
(2-5)プリンタ
プリンタ140は、フィルム搬送装置100のフィルムFの搬送経路において、シール装置40より上流に配置されている。プリンタ140は、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFがシール装置40に供給される前に、フィルムFの所定位置(フィルムFの設定された印字エリア)に、所定の文字や図形等の情報(第1情報と呼ぶ)を印字する。
【0067】
プリンタ140がフィルムFに印字する第1情報は、例えば、容器Cに充填されるものが食品である場合には、食品の名称、食品の原材料、食品のアレルギー情報、食品の製造日、食品の消費期限、バーコードなどである。ただし、ここで例示したプリンタ140が印字する第1情報の内容は、一例にすぎず、これらに限定されるものではない。
【0068】
プリンタ140によりフィルムFの所定位置に第1情報が印字されると、シール装置40においてフィルムFから切り出されるフィルム片が容器Cに取り付けられた時に、包装済みの容器Cの所定の位置に第1情報が印字された状態になる。
【0069】
プリンタ140は、例えば熱転写プリンタである。プリンタ140は、図4に示すように、インクリボン142と、サーマルヘッド144と、印字ローラ146と、を含む。プリンタ140は、インクリボン142の搬送を開始するのと同時に、サーマルヘッド144を印字ローラ146に近づけて、サーマルヘッド144と印字ローラ146との間にインクリボン142及びフィルムFを挟み込み、サーマルヘッド144の熱でインクリボン142の熱溶性顔料インクをフィルムFに転写することで印字を行う。
【0070】
(2-6)印字検査装置
印字検査装置150は、フィルムFの印字状態を検査する装置である。
【0071】
印字検査装置150は、カメラ152と、解析装置154と、を主に有する。
【0072】
カメラ152は、フィルム搬送装置100により搬送されるフィルムFの、プリンタ140による印字面を撮像する。カメラ152は、少なくとも、フィルムFの印字部分(フィルムFの設定されている印字エリア)の画像を取得する。
【0073】
解析装置154は、CPU、ROM、RAM、補助記憶装置(例えばフラッシュメモリ)等からなるメモリ、各種の電子回路等を主に含むコンピュータである。解析装置154は、CPUがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、印字の検査を行う。具体的には、解析装置154は、カメラ152の取得した画像に基づいて、例えば、フィルムFに対する印字の抜け、印字の位置のずれ、印字の欠け、印字のかすれ、印字内容の誤り等を検査する。ただし、解析装置154は、ここで例示した全ての検査を行う必要はなく、一部の検査だけを行うものであってもよい。また、解析装置154は、ここで例示した以外の検査を行うものであってもよい。解析装置154による検査内容は、例えば、後述する入力部210からの入力によって設定可能に構成されてもよい。解析装置154による検査の対象には、フィルムFに印字される文字の他、フィルムFに印字される図形(例えば、バーコード等)も含む。検査方法を限定するものではないが、解析装置154の印字検査の方法は、例えば、パターンマッチングによる方法、文字認識(OCR)を利用する方法等である。
【0074】
印字検査装置150は、検査結果を、フィルムFの印字状態に関する第2情報としてコントローラ200に送信する。
【0075】
第2情報の内容を限定するものではないが、第2情報は、例えば、印字の位置ずれ、印字のかすれ、印字の欠け等の印字品質に関する検査結果、印字抜けの有無に関する検査結果、及びシール装置40がフィルムFで包装する被対象物とフィルムFに印字されている情報とが対応しているか否かの検査結果、の少なくとも1つを含む。
【0076】
(2-7)マーク検知センサ
マーク検知センサ160は、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFに、フィルムFの搬送方向D(図4参照)に沿って所定間隔で付されているアイマークを検出する。アイマークは、フィルムFに対する印字のタイミングの調整のために、フィルムFに予め付されているマークである。
【0077】
マーク検知センサ160は、フィルム搬送装置100によるフィルムFの搬送経路において、フィルムロールR1と、プリンタ140による印字場所と、の間で、フィルムFに付されているマークを検知する。マーク検知センサ160は、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFの所定位置に所定の文字や図形が印字されるように、プリンタ140の印字タイミングを制御するために用いられる。
【0078】
(2-8)エンコーダ
エンコーダ170は、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFの搬送速度や搬送距離を検知するセンサである。
【0079】
エンコーダ170は、プリンタ140の印字ローラ146と接続され、印字ローラ146の回転速度からフィルム搬送装置100が搬送するフィルムFの搬送速度や搬送距離を検知する。エンコーダ170は、マーク検知センサ160と共に、フィルム搬送装置100が搬送するフィルムFの所定位置に所定の文字や図形が印字されるように、プリンタ140の印字タイミングを制御するために用いられる。
【0080】
(2-9)コントローラ
本実施形態のコントローラ200は、CPUと、ROM、RAM、補助記憶装置(例えばフラッシュメモリ)等からなるメモリ、各種の電子回路等を主に含む。コントローラ200は、CPUがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、包装装置1000の各部の動作を制御する。
【0081】
なお、ここで説明するコントローラ200の構成は、コントローラ200の構成の一例に過ぎない。包装装置1000のコントローラは、本実施形態のコントローラ200と同様の機能を、論理回路等のハードウェアにより実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実現してもよい。また、コントローラ200は、1台の装置により実現されるものであっても、複数の装置により実現されてもよい。
【0082】
コントローラ200は、図2のように、第1コンベア10、第2コンベア20、第3コンベア50、把持アーム駆動部34及びリフタ駆動部46と、電気的に接続されている。また、コントローラ200は、フィルム搬送装置100の第1シャフト駆動部114及び第2シャフト駆動部134と、電気的に接続されている。また、コントローラ200は、プリンタ140と電気的に接続されている。なお、ここで電気的に接続されるとは、コントローラ200が接続されている機器の動作を制御可能に接続されていることを意味する。つまり、コントローラ200は、コンベア10,20,50,フィルム搬送装置100、移動機構30、包装部の一例としてのシール装置40、印字部の一例としてのプリンタ140等の動作を制御する。
【0083】
また、コントローラ200は、印字検査装置150、マーク検知センサ160及びエンコーダ170と、これらから送信されてくる情報を受信可能に接続されている。
【0084】
さらに、コントローラ200は、入力部210を介して、包装装置1000のオペレータの入力する指示や情報を受付可能に構成されている。入力部210は、包装装置1000に設けられたスイッチやタッチパネル等であってもよいし、包装装置1000のオペレータが操作する携帯端末等から送信されてくる入力を受け付ける受信装置であってもよい。
【0085】
コントローラ200は、主な機能部として、受付部220と、制御部230と、記憶部240と、を有する。
【0086】
受付部220は、印字検査装置150の送信してくる、フィルムFの印字状態に関する第2情報を受け付ける。
【0087】
記憶部240は、CPUに実行される各種プログラムや、受付部220の受信した第2情報等を記憶する。
【0088】
制御部230は、記憶部240に記憶されている第2情報に基づき、フィルムFの所定箇所に印字の不具合が存在するか否かを判断する。印字の不具合には、例えば、印字の位置ずれ、印字のかすれ、印字の欠け等の印字品質に関する不具合を含む。また、印字の不具合には、例えば、印字の抜け(印字されるべきところに印字が無い状態)に関する不具合を含む。また、印字の不具合には、例えば、シール装置40がフィルムFで包装する被対象物と、フィルムFに印字されている情報とが対応していないというような、印字内容に関する不具合を含む。なお、本実施形態では、印字検査装置150の解析装置154が印字の不具合の有無の判断を行っているので、制御部230は、印字検査装置150の検査結果をそのまま自らの印字の不具合の判断として用いている。ただし、これに限定されるものではなく、制御部230は、印字検査装置150の解析装置154の実行する上記の処理の一部又は全部を実行し、自らの印字の不具合の判断を行ってもよい。
【0089】
また、制御部230は、包装装置1000の各部の動作を制御する。以下に、制御部230により制御される包装装置1000の各部の動作について説明する。
【0090】
(A)容器に対する包装装置の各部の動作
コントローラ200による、容器Cに対する包装装置1000の各部の動作の制御について、図5を参照しながら説明する。図5は、包装装置1000による容器Cの包装動作を主に説明するためのフローチャートである。なお、コントローラ200によるフィルムFの搬送のための包装装置1000の各部の動作の制御については後述する。
【0091】
コントローラ200は、第1コンベア10の動作を制御して、第1コンベア10が受け取った容器Cを、第2コンベア20のコンベアベルト24上に搬送する。また、コントローラ200は、容器Cが、第2コンベア20のコンベアベルト24上に、第2コンベア20の搬送方向Aにおいて互いに所定間隔を空けて整列するように、第2コンベア20の第2コンベア駆動部26の起動及び停止を制御する。
【0092】
そして、コントローラ200は、第2コンベア20のコンベアベルト24上に所定数量の容器Cが集合すると、把持アーム駆動部34の動作を制御して、図3Bのように、把持アーム32によりコンベアベルト24上の所定数量の容器Cを把持させる。そして、コントローラ200は、把持アーム32を第2コンベア20の搬送方向Aに沿って移動させて、図3Cのように、コンベアベルト24上の所定数量の容器Cをシール装置40のリフタ42の載置面42a上に搬送する(ステップS1)。なお、上述のように、この際、移動機構30は、図3Cのように、コンベアベルト24上の所定数量の容器Cをリフタ42の載置面42a上に移動すると共に、リフタ42の載置面42a上に存在した包装済みの容器Cを第3コンベア50上に移動する。
【0093】
第2コンベア20のコンベアベルト24からリフタ42の載置面42a上への容器Cの移動が完了すると、コントローラ200は、把持アーム駆動部34の動作を制御して、把持アーム32による容器Cの把持を解除し(図3D参照)、その後、図3Aに示した位置に把持アーム32を移動させる。
【0094】
移動機構30がコンベアベルト24上の所定数量の容器Cをリフタ42の載置面42a上に移動させると、コントローラ200は、第1コンベア10及び第2コンベア20の動作を制御し、コンベアベルト24上への所定数量の容器Cの集合を開始する(ステップS2)。コントローラ200は、コンベアベルト24上に所定数量の容器Cが集合するまで、第1コンベア10及び第2コンベア20の動作の制御を継続する。
【0095】
ステップS2の制御と並行して、コントローラ200は、フィルム搬送装置100が所定位置(リフタ42の載置面42a上の容器Cの位置に対して適切な位置)にフィルムFが配置されている状態で、リフタ駆動部46の動作を制御し、リフタ42の載置面42aをプレート44の対向面44aに設けられたツール48に接近させる。その結果、コントローラ200は、ツール48のヒータにより、容器Cの開口にフィルムFを熱シールする(ステップS3)。
【0096】
ステップS3の実行時には、フィルムFによる容器Cの開口のシールと合わせて、プレート44の対向面44aに設けられたツール48のカッタが、フィルムFを所定の位置で切断する。この結果、容器Cの開口をシールしているフィルムFのフィルム片と、回収ロールR2に搬送されていくフィルムFとは分離される。
【0097】
ステップS3で、リフタ42の載置面42a上の容器Cの開口のフィルムFによるシールが完了すると、コントローラ200は、把持アーム駆動部34の動作を制御して、図3Bのように、把持アーム32によりリフタ42上の所定数量の容器Cを把持させる。そして、コントローラ200は、把持アーム32を第2コンベア20の搬送方向Aに沿って移動させて、図3Cのように、リフタ42上の所定数量の容器Cを第3コンベア50上に搬送する(ステップS4)。なお、ステップS1の説明の中で述べたように、ステップS4を実行する際、移動機構30は、同時に、コンベアベルト24上の所定数量の容器Cをリフタ42の載置面42a上に移動する。コントローラ200は、第3コンベア50上への容器Cの移動が完了すると、把持アーム駆動部34の動作を制御して、把持アーム32による容器Cの把持を解除し(図3D参照)、その後、図3Aに示した位置に把持アーム32を移動させる。
【0098】
コントローラ200は、第3コンベア50上の容器Cを搬送し、包装装置1000の下流の工程へと容器Cを受け渡す。
【0099】
(B)フィルムの搬送動作
コントローラ200による、フィルムFの搬送の制御について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、包装装置1000によるフィルムFの搬送動作を主に説明するためのフローチャートである。図7A~7Dは、フィルムFの印字に不具合のある箇所が存在する場合のフィルムFの搬送動作を模式的に示す図である。
【0100】
ここでは、理解のしやすさの観点から、以下の仮定に基づいて説明を行う。
【0101】
フィルムロールR1から繰り出されるフィルムFは、実際には予め分割等されていない連続体である。しかし、ここでは、説明の分かりやすさの観点から、フィルムFは、単位長さのフィルムF1が、フィルムFの搬送方向Dに連なるように接続されている、フィルムF1の集合体であるものとして説明を行う。ここでのフィルムF1は、各容器Cの開口のシールのために用いられるフィルムであり、1個の容器Cの開口をシールする上で必要な長さのフィルムである。そして、プリンタ140は、各フィルムF1の所定箇所(設定された印字エリア、以後、印字エリアPAと呼ぶ)に印字を行う。また、印字検査装置150は、各フィルムF1の印字エリアPAの印字を検査する。仮に、全てのフィルムF1の印字エリアPAの印字に不具合が存在しないとすれば、各フィルムF1は、それぞれ別の容器Cの開口をシールするために用いられることになる。
【0102】
また、ここでは、説明の分かりやすさの観点から、フィルムF1の名称を以下のように呼び分ける。
【0103】
フィルムF1のうち、制御部230が印字エリアPAの印字に不具合が無いと判断したフィルムを、正常フィルムF1bと呼ぶ。また、フィルムF1のうち、制御部230が印字エリアPAの印字に不具合が無いと判断したフィルムを、異常フィルムF1aと呼ぶ。さらに、フィルムF1のうち、シール装置40でシールに利用され、容器Cの開口をシールするフィルム片が切り出された後のフィルムを、使用済フィルムF1cと呼ぶ。
【0104】
ここでは、以上の仮定や用語の定義を利用して、図6及び図7を参照しながら、包装装置1000によるフィルムFの搬送動作を説明する。
【0105】
なお、図6の説明は、シール装置40が、シール装置40に供給されていたフィルムF1(ここでは、4個の正常フィルムF1b)を使用して容器Cのシールを完了した時点を基準として説明を行う。言い換えれば、図6のステップS11が開始される直前には、図7Aに示すように、シール装置40のリフタ42とプレート44との間に存在するフィルムは、使用済み使用済フィルムF1cである。
【0106】
そこで、制御部230は、次回の包装動作に備えて、フィルム搬送装置100の第1シャフト駆動部114及び第2シャフト駆動部134を駆動して、フィルムF(フィルムF1)の搬送を行う(ステップS11)。また、制御部230は、マーク検知センサ160のフィルムFに付されたマークの検知結果と、エンコーダ170により検知される、フィルムFに付されたマークがマーク検知センサ160の検知位置を通過した時点からのフィルムFの搬送量とに基づいて、フィルムFの所定箇所(フィルムF1の印字エリアPA)に第1情報が印字されるよう、適切なタイミングでプリンタ140に動作指令を送信する。プリンタ140は、この動作指令に応じて、インクリボン142やサーマルヘッド144を動作させて、フィルムFに対して第1情報を印字する。
【0107】
また、制御部230は、ステップS11と並列的に、受付部220が受信し、記憶部240に記憶している第2情報に基づいて、各フィルムF1の印字エリアPAの印字の不具合を判断する(ステップS12)。なお、制御部230は、エンコーダ170により検知されるフィルムFの搬送量に基づいて、どのフィルムF1(どの位置を搬送されるフィルムF1)の印字エリアPAの印字に不具合があるかも把握している。
【0108】
そして、制御部230は、記憶部240に記憶している第2情報と、エンコーダ170により検知されるフィルムFの搬送量と、に基づいて、シール装置40で1回のシール動作に用いられる数の正常フィルムF1bが、シール装置40に供給されたか否かを判断する(ステップS13)。本実施形態では、制御部230は、エンコーダ170により検知されるフィルムFの搬送量等に基づいて、4個の正常フィルムF1bが、シール装置40のリフタ42とプレート44との間に供給されたか否かを判断する(ステップS13)。ステップS13の処理は、“Yes”と判断されるまで繰り返される。ステップS13において“Yes”という判断が行われると、処理はステップS14に進む。
【0109】
仮にシール装置40に供給されるフィルムF1が全て正常フィルムF1bであるとすると、フィルム搬送装置100は、包装動作で1度にシールされる容器Cの個数(ここでは4個)分のフィルムF1の長さだけフィルムFを搬送すると、制御部230は、ステップS13において“Yes”という判断をし、処理をステップS14に進める。
【0110】
一方で、制御部230が、搬送されるフィルムF1に異常フィルムF1aが存在し、かつ、異常フィルムF1aがシール装置40に到達したと判断する場合には、制御部230は、包装動作で1度にシールされる容器Cの個数分のフィルムF1の長さだけフィルムFを搬送させる動作とは異なる動作をフィルム搬送装置100に実行させる。具体例を挙げて説明する。
【0111】
例えば、制御部230が、印字検査装置150の送信してくる第2情報に基づいて異常フィルムF1aが存在すると判断し、なおかつ、その異常フィルムF1aが図7Bに図示した位置(シール装置40の4つのツール48のうち、フィルムFの搬送方向Dにおいて最上流側に配置されるツール48と対応する位置)に到達したと判断したとする。
【0112】
図7Bの例では、フィルムFの搬送方向Dにおいて、異常フィルムF1aの下流側に2個の正常フィルムF1b(未使用のフィルムF1)が存在し、その更に下流側に使用済フィルムF1cが存在する状態である。この場合、フィルムFが、フィルムFの搬送方向Dにおいて、フィルムF1の1個分の長さだけ更に下流側に搬送されると、シール装置40には、所定個数の(シール装置40によりシールされる容器Cと同数の)未使用のフィルムF1が供給された状態となる。しかし、この状態でシール装置40を動作させ、フィルムF1を用いて容器Cの開口をシールすると、異常フィルムF1aによりシールされる容器Cは正常品として利用できない。
【0113】
そこで、制御部230は、シール装置40が不具合の存在しない部分のフィルムF(すなわち正常フィルムF1b)を用いて物品を包装するよう、フィルム搬送装置100及びシール装置40の動作を制御する。特に、ここでは、制御部230は、シール装置40が、1回の包装動作で包装する複数の物品(複数の容器Cの中に入ったそれぞれの物品)の全てを、不具合の存在しない部分のフィルムF(すなわち正常フィルムF1b)を用いて包装するよう、フィルム搬送装置100及びシール装置40の動作を制御する。
【0114】
具体的には、制御部230は、図7Cのように、シール装置40に、所定個数の(シール装置40によりシールされる容器Cと同数の)未使用のフィルムF1が供給されても、シール装置40を動作させない。また、制御部230は、フィルム搬送装置100が、フィルムFの不具合の存在する部分(異常フィルムF1a)を、フィルム搬送装置100のフィルムFの搬送経路においてシール装置40より下流側に搬送するよう、フィルム搬送装置100の動作を制御する。具体的には、制御部230は、シール装置40に所定個数の(シール装置40によりシールされる容器Cと同数の)正常フィルムF1bだけが供給されている状態になるように、異常フィルムF1aを、フィルム搬送装置100のフィルムFの搬送経路においてシール装置40より下流側まで搬送する。なお、フィルムの不具合の存在する部分(すなわち異常フィルムF1a)は、回収ロール保持部130の回収ロールR2に巻き取られ、回収ロール保持部130に回収される。また、一部の正常フィルムF1bも、回収ロール保持部130の回収ロールR2に巻き取られ、回収ロール保持部130に回収される。
【0115】
制御部230がこのようにフィルム搬送装置100及びシール装置40の動作を制御することで、いずれかのフィルムF1の印字エリアPAで偶発的に印字の不具合が発生した場合に、異常フィルムF1aで物品の包装が行われる可能性を低減できる。
【0116】
また、制御部230がこのようにフィルム搬送装置100及びシール装置40の動作を制御することで、以下のような効果も得られる。
【0117】
包装装置1000では、1種類の物品だけではなく、複数の種類の物品を包装する場合がある。例えば、包装装置1000では、同じフィルムFを利用し、プリンタ140による印字内容だけを変えて、複数の種類の物品を包装する場合がある。例えば、ここでは、包装装置1000が、容器Cに入れられたある物品aの包装を行った後、容器Cに入れられた他の物品bの包装を行う場合を考える。この場合、物品aの入った容器Cに代えて、物品bの入った容器Cが包装装置1000に供給された時点では、フィルム搬送装置100によるフィルムFの搬送経路には、物品a用の印字がされたフィルムF(印字エリアPAに物品a用の印字がされたフィルムF1)が残った状態にある。印字エリアPAに物品a用の印字がされたフィルムF1は、物品bの包装には使用できない。
【0118】
従来の包装装置が使用される場合、作業員は、シール装置40において印字エリアPAに物品a用の印字がされたフィルムF1で物品bの包装が行われないように、フィルム搬送装置によるフィルムFの搬送経路から、印字エリアPAに物品a用の印字がされたフィルムF1を取り除く作業を行っている。
【0119】
これに対し、本実施形態の包装装置1000では、物品bの包装が、シール装置40において印字エリアPAに物品b用の印字がされた正常フィルムF1bで行われるよう、制御部230が自動でフィルム搬送装置100及びシール装置40の動作を制御する。したがって、本実施形態の包装装置1000を用いた場合には、包装される物品が変更される際の、作業員のフィルム交換の手間を軽減できる。
【0120】
図6のフローチャートの説明に戻ると、ステップS14では、制御部230は、フィルム搬送装置100の第1シャフト駆動部114及び第2シャフト駆動部134を停止し、フィルムF(フィルムF1)の搬送を停止する。
【0121】
そして、制御部230は、前述の図5のフローチャートのステップS3の処理が実行され、シール装置40が供給された正常フィルムF1bを用いた容器Cの開口のシールを完了したか否かを判断する(ステップS15)。制御部230が容器Cの正常フィルムF1bによるシールが完了したと判断すると、処理はステップS11に戻る。
【0122】
(3)特徴
(3-1)
包装装置1000は、フィルム搬送部の一例としてのフィルム搬送装置100と、包装部の一例としてのシール装置40と、印字部の一例としてのプリンタ140と、受付部220と、制御部230と、を備える。フィルム搬送装置100は、フィルムFを搬送する。シール装置40は、物品を、フィルム搬送装置100が搬送してくるフィルムFを少なくとも用いて包装する。プリンタ140は、フィルム搬送装置100のフィルムFの搬送経路において、シール装置40より上流に配置される。プリンタ140は、フィルムFに第1情報を印字する。受付部220は、フィルムFの印字状態に関する第2情報を受け付ける。制御部230は、第2情報に基づき、フィルムFの所定箇所に印字の不具合が存在するか否かを判断し、シール装置40が不具合の存在しない部分のフィルムF(正常フィルムF1b)を用いて物品を包装するよう、フィルム搬送装置100及びシール装置40の動作を制御する。
【0123】
この包装装置1000では、フィルムFに対する印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【0124】
(3-2)
包装装置1000では、制御部230は、シール装置40が不具合の存在しない部分のフィルムF(正常フィルムF1b)を用いて物品を包装するよう、フィルム搬送装置100が、フィルムFの不具合の存在する部分(異常フィルムF1a)を、フィルム搬送装置100のフィルムFの搬送経路においてシール装置40より下流側に搬送するよう、フィルム搬送装置100の動作を制御する。
【0125】
この包装装置1000では、フィルムFの印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【0126】
(3-3)
包装装置1000は、回収部の一例としての回収ロール保持部130を備える。回収ロール保持部130は、フィルム搬送装置100のフィルムFの搬送経路においてシール装置40より下流側に配置される。回収ロール保持部130は、フィルムFの不具合の存在する部分を回収する。
【0127】
この包装装置1000では、フィルムFの印字の不具合の存在する部分が回収ロール保持部130に回収されるので、フィルムFの印字の不具合の存在する部分を除去する作業員の作業の発生を抑制できる。
【0128】
(3-4)
包装装置1000では、第2情報には、シール装置40がフィルムFで包装する物品と、フィルムFに印字されている第1情報と、が対応しているか否かの情報を含む。
【0129】
包装装置1000では、物品が、その物品用ではない第1情報が印字されたフィルムFで包装される事態の発生を抑制できる。その結果、包装用のフィルムFに対する印字の不具合の発生に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【0130】
(3-5)
包装装置1000では、シール装置40は、1回の包装動作で、複数の物品を個別に包装する。制御部230は、シール装置40が、1回の包装動作で包装する複数の物品の全てを不具合の存在しない部分のフィルムFを用いて包装するよう、フィルム搬送装置100及びシール装置40の動作を制御する。
【0131】
この包装装置1000では、フィルムFに対する印字の不具合に伴う、物品の廃棄や、物品の再利用のための作業の発生を抑制できる。
【0132】
(4)変形例
以下に第1実施形態の変形例を示す。なお、以下で示す変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0133】
(4-1)変形例1A
上記実施形態では、プリンタ140が熱転写プリンタである場合を例に説明したが、プリンタ140の種類は熱転写プリンタに限定されない。上記実施形態の構成は、例えば、プリンタ140がインクジェットプリンタである場合にも有用である。
【0134】
(4-2)変形例1B
上記実施形態では、第2コンベア20上に複数の容器Cが集合させられ、移動機構30は複数の容器Cをシール装置40に搬送し、シール装置40は、複数の容器Cの開口をフィルムFでまとめてシールする。
【0135】
ただし、これに限定されるものではない。移動機構30は、容器Cを1つずつシール装置40に搬送し、シール装置40は、単一の容器Cの開口をフィルムFでシールしてもよい。ただし、効率よく容器Cの包装を行う上では、移動機構30は、複数の容器Cをシール装置40に搬送し、シール装置40は、複数の容器Cの開口をフィルムFでシールすることが好ましい。
【0136】
(4-3)変形例1C
上記実施形態では、包装装置1000は、印字検査装置150を有しているが、これに限定されるものではない。包装装置1000は、印字検査装置150を有しておらず、コントローラ200の受付部220は、包装装置1000とは独立した印字検査装置150が行った印字検査の結果を第2情報として受け付けてもよい。
【0137】
<第2実施形態>
(1)製袋包装装置
本願発明に係る包装装置は、第1実施形態で例示した包装装置1000に限定されるものではなく、以下のような製袋包装装置2000であってもよい。
【0138】
製袋包装装置2000について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は製袋包装装置2000の概略構成図である。図9は、製袋包装装置2000の制御ブロック図である。
【0139】
製袋包装装置2000は、フィルムロール保持部1010、フォーマユニット1030、搬送ベルト1040、縦シール機構1050、横シール機構1060、プリンタ1070、印字検査装置1080、センサ1090、およびコントローラ1200を主に有する(図8および図9参照)。
【0140】
製袋包装装置2000は、フィルムF’を用いて、内部に物品Pが収容された袋Xを製造する。言い換えれば、製袋包装装置2000は、物品PをフィルムF’で包装する。物品Pは、製袋包装装置2000の上方に設置された物品供給装置、例えば組合せ計量機(図示せず)から供給される。
【0141】
製袋包装装置2000は、概ね以下の様に構成され、コントローラ1200により各部の動作が制御されることで、概ね以下のように動作し、物品PをフィルムF’で包装する(物品Pの収容された袋Xを製造する)。
【0142】
フィルムロール保持部1010は、包装材の材料となるシート状のフィルムF’が巻き回されたフィルムロールR1’を保持する。フィルムロールR1’から引き出されたシート状のフィルムF’は、フィルム搬送部としての、フィルムロール保持部1010のフィルムロールR1’を保持するシャフトを駆動するシャフト駆動部(図示せず)と、搬送ベルト1040と、により搬送される。プリンタ1070は、印字部の一例であり、第1実施形態のプリンタ140と同様の装置である。プリンタ1070は、搬送ベルト1040により搬送されるフィルムF’の所定の位置に第1情報を印字する。第1情報の内容は、第1実施形態と同様である。印字検査装置1080は、フィルムF’の搬送方向において、プリンタ1070の下流側であって、包装部の一例である横シール機構1060の上流側に配置されている。印字検査装置1080は、第1実施形態における印字検査装置150と同様の装置である。印字検査装置1080は、印字検査装置150と同様に、搬送されるフィルムFの印字箇所に対して検査を行い、検査結果を、フィルムF’の印字状態に関する第2情報として、コントローラ1200の後述する受付部1220に送信する。センサ1090は、フィルムF’の搬送経路に配置され、フィルムF’に付されているアイマークを検出する。センサ1090の検出結果及びフィルムF’の搬送経路に設けられたエンコーダ(図示せず)の検知するフィルムF’の搬送速度や搬送量は、プリンタ1070による印字タイミングや、印字検査装置1080による印字状態の検査タイミングや、横シール機構1060の動作タイミングの調整のために用いられる。
【0143】
フォーマユニット1030は、フィルムロールR1’から繰り出されるシート状のフィルムF’を筒状に成形し、筒状フィルムFcとする。筒状フィルムFcは、フィルム搬送部としての搬送ベルト1040により下方に搬送され、フォーマユニット1030の下方に配置された縦シール機構1050により筒状フィルムFcの重なり部分を縦方向にシールする。縦シール機構1050により縦方向にシールされた筒状フィルムFcは、搬送ベルト1040により更に下方へと搬送され、縦シール機構1050の下方に配置されている、包装部の一例である横シール機構1060により、横方向に(筒状フィルムFcの搬送方向と直交する方向に)シールされる。袋Xとなる筒状フィルムFcの内部には、横シール機構1060による筒状フィルムFcの封止前に、フォーマユニット1030のチューブ1032内を通って物品Pが供給される。具体的には、後述する制御部1230は、袋Xとなる筒状フィルムFcの内部に物品Pが充填されるように、横シール機構1060による筒状フィルムFcの封止前のタイミングで、製袋包装装置2000の上方に設置された物品供給装置に対して物品Pの供給を要求する。このように構成されることで、横シール機構1060は、物品Pを、搬送ベルト1040が搬送してくるフィルムF’を用いて包装することになる。さらに、横シール機構1060は、筒状フィルムFcの横シール部分を、筒状フィルムFcの搬送方向における中央部で横方向に切断し、上下端の封止された袋Xを製造する。製造された袋Xは、下方に配置されたコンベア1300へと受け渡される。
【0144】
コントローラ1200は、第1実施形態のコントローラ200と同様に、CPUと、ROM、RAM、補助記憶装置(例えばフラッシュメモリ)等からなるメモリ、各種の電子回路等を主に含む。コントローラ1200は、CPUがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、製袋包装装置2000の各部の動作を制御する。
【0145】
コントローラ1200は、入力部1210を介して、製袋包装装置2000のオペレータの入力する指示や情報を受付可能に構成されている。入力部1210は、製袋包装装置2000に設けられたスイッチやタッチパネル等であってもよいし、製袋包装装置2000のオペレータが操作する携帯端末等から送信されてくる入力を受け付けるものであってもよい。
【0146】
コントローラ1200は、主な機能部として、受付部1220と、制御部1230と、記憶部1240と、を有する。
【0147】
受付部1220は、後述する印字検査装置1080の送信してくる、フィルムF’の印字状態に関する第2情報を受け付ける。記憶部1240は、CPUに実行される各種プログラムや、受付部1220の受信した第2情報を記憶する。制御部1230は、記憶部1240に記憶されている第2情報に基づき、フィルムF’の所定箇所に印字の不具合が存在するか否かを判断する。また、制御部1230は、製袋包装装置2000の各部の動作を制御する。具体的には、コントローラ1200は、搬送ベルト1040、縦シール機構1050、横シール機構1060、及びプリンタ1070と電気的に接続され、搬送ベルト1040、縦シール機構1050、横シール機構1060、及びプリンタ1070の動作を制御する。また、コントローラ1200は、印字検査装置1080及びセンサ1090と、これらから情報を受信可能に接続されている。
【0148】
製袋包装装置2000の基本的な動作については説明したため、ここでは、制御部1230が、次回の包装動作で横シール機構1060において使用される予定の筒状フィルムFc(フィルムFcaと呼ぶ)の印字箇所の印字に不具合があると判断するか否かに応じて、どのように異なる制御を行うかを説明する。
【0149】
なお、ここで、次回の包装動作で横シール機構1060において使用される予定の筒状フィルムFcaとは、直前に内部に物品Pが収容されている袋X(袋X1と呼ぶ)が製造された際に、袋X1を製造するのに用いられた筒状フィルムFcより上流側の筒状フィルムFcであって、袋X1を製造するのに用いられた筒状フィルムFcと隣接する1回の包装動作分の筒状フィルムFcを意味する。
【0150】
制御部1230は、次回の包装動作で横シール機構1060において使用される筒状フィルムFcaの印字箇所の印字に不具合が無いと判断した場合には、搬送ベルト1040の動作を制御して、筒状フィルムFcaを横シール機構1060へと搬送する。また、制御部1230は、袋Xとなる筒状フィルムFcaの内部に物品Pが充填されるように、横シール機構1060による筒状フィルムFcの封止前の所定のタイミングで、製袋包装装置2000の上方に設置された物品供給装置に対して物品Pの供給を要求する。そして、制御部1230は、横シール機構1060に筒状フィルムFcaに対してシール動作(包装動作)を実行させ、内部に物品Pが収容された袋Xを製造する。また、横シール機構1060は、筒状フィルムFcaを横シールする際に、袋Xを後続の筒状フィルムFcから切り離す。
【0151】
一方、制御部1230は、次回の包装動作で横シール機構1060において使用される筒状フィルムFcaの印字箇所の印字に不具合があると判断した場合にも、搬送ベルト1040の動作を制御して、筒状フィルムFcaを横シール機構1060へと搬送する。ただし、制御部1230は、物品供給装置に対して物品Pの供給を要求しない。制御部1230は、横シール機構1060に筒状フィルムFcaに対してシール動作(包装動作)を実行させ、内部に物品Pが収容されていない空袋を製造する。そして、横シール機構1060は、筒状フィルムFcaを横シールする際に、空袋を後続の筒状フィルムFcから切り離す。
【0152】
なお、包装装置2000は、製造した空袋(フィルムF’の印字に不具合が存在する部分)を回収するための回収部として、コンベア1300の搬送経路に設けられた空気吹出機構1310と、コンベア1300の下方に配置される回収容器1320と、を有してもよい。そして、制御部1230は、空袋がコンベア1300を搬送されるタイミングで空気吹出機構1310から空気を吹き出して空袋をコンベア1300から除去し、回収容器1320に回収してもよい。
【0153】
以上では、包装動作一回分の筒状フィルムFcの印字箇所の印字に不具合がある場合を想定している。包装動作複数回分の筒状フィルムFcの印字箇所の印字に不具合がある場合(印字に不具合がある印字箇所が連続して存在する場合)には、搬送ベルト1040の動作を制御して印字箇所の印字に不具合がある筒状フィルムFcを横シール機構1060へと搬送し、横シール機構1060に筒状フィルムFcに対してシール動作を実行させ、内部に物品Pが収容されていない空袋を製造して後続の筒状フィルムFcから切り離すという動作を繰り返し行えばよい。
【0154】
あるいは、包装動作複数回分の筒状フィルムFcの印字箇所の印字に不具合がある場合には、横シール機構1060は動作させずに、搬送ベルト1040の動作を制御して包装動作複数回分の印字箇所の印字に不具合がある筒状フィルムFcを搬送し、最も上流側の、包装動作一回分の印字箇所の印字に不具合がある筒状フィルムFcを横シール機構1060へと搬送した後に、横シール機構1060に筒状フィルムFcaに対してシール動作を実行させ、内部に物品Pが収容されていない空袋を製造して後続の筒状フィルムFcから切り離すという動作を行ってもよい。
【0155】
(2)変形例
第2実施形態の構成には、矛盾の無い範囲で第1実施形態の構成(変形例の構成を含む)が適用されてもよい。また、第1実施形態の構成には、矛盾の無い範囲で第2実施形態の構成(変形例の構成を含む)が適用されてもよい。
【0156】
以下に第2実施形態の変形例を示す。
【0157】
(2-1)変形例2A
製袋包装装置2000では、物品Pが収容された複数の小袋が連なった連包品が製造される場合がある。このような場合には、コントローラ1200の制御部1230は、各連包品の全ての小袋に、不具合の存在しない部分の筒状フィルムFcが用いられるよう、搬送ベルト1040及び横シール機構1060の動作を制御することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、フィルム搬送部が搬送するフィルムを用いて物品を包装する包装装置であって、包装に利用する前のフィルムにプリンタで情報を印字する包装装置に広く適用でき有用である。
【符号の説明】
【0159】
40 シール装置(包装部)
100 フィルム搬送装置(フィルム搬送部)
130 回収ロール保持部(回収部)
140 プリンタ(印字部)
220 受付部
230 制御部
1000 包装装置
1040 搬送ベルト(フィルム搬送部)
1060 横シール機構(包装部)
1070 プリンタ(印字部)
1220 受付部
1230 制御部
1320 回収容器(回収部)
2000 製袋包装装置
F,F’ フィルム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0160】
【特許文献1】特開平10―203505号公報
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9