(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078071
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ及び積層型キャパシタの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
H01G4/30 311F
H01G4/30 517
H01G4/30 311D
H01G4/30 201K
H01G4/30 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156898
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0164108
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン セオプ
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ジ ホン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、キョウン ジン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AH02
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
(57)【要約】
【課題】性能(例:静電容量、製造コスト、信頼性、耐電圧、実装効率)に確保しつつ、小型化に有利な積層型キャパシタ及び積層型キャパシタの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、ガイドフレームを設ける段階と、ガイドフレームの少なくとも2つの面の間で少なくとも2つの面に各側面の少なくとも一部が接するように、少なくとも1つの誘電体層を形成する段階と、ガイドフレームの少なくとも2つの面の間で少なくとも1つの誘電体層の上面上にインクジェット印刷法で少なくとも1つの内部電極を形成する段階と、ガイドフレームの少なくとも2つの面及び少なくとも1つの誘電体層を互いに分離する段階と、を含むことができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドフレームを設ける段階と、
前記ガイドフレームの少なくとも2つの面の間において前記少なくとも2つの面に各側面の少なくとも一部が接するように、少なくとも1つの誘電体層を形成する段階と、
前記ガイドフレームの少なくとも2つの面の間において前記少なくとも1つの誘電体層の上面上にインクジェット印刷法で少なくとも1つの内部電極を形成する段階と、
前記ガイドフレームの少なくとも2つの面及び前記少なくとも1つの誘電体層を互いに分離する段階と、を含む積層型キャパシタの製造方法。
【請求項2】
前記ガイドフレームは、
前記少なくとも1つの誘電体層及び前記少なくとも1つの内部電極を取り囲んで前記少なくとも1つの誘電体層の各側面の少なくとも一部に接する少なくとも4つの面を含み、
前記少なくとも4つの面は前記少なくとも2つの面を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項3】
前記ガイドフレームは、
前記少なくとも1つの誘電体層及び前記少なくとも1つの内部電極を支持する下面をさらに含む、請求項2に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項4】
前記ガイドフレームの下面は、前記少なくとも4つの面とは異なる材料として熱可塑性絶縁材料を含む、請求項3に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項5】
前記分離する段階は、
前記少なくとも4つの面及び前記ガイドフレームの下面を互いに分離することを含む、請求項3に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項6】
前記分離する段階は、
前記少なくとも1つの誘電体層及び前記少なくとも1つの内部電極が積層された構造が積層方向に圧着された後に、前記ガイドフレームの少なくとも2つの面及び前記少なくとも1つの誘電体層を互いに分離することを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項7】
前記分離する段階以降に、前記少なくとも1つの誘電体層及び前記少なくとも1つの内部電極が積層された構造を切断する段階をさらに含む、請求項1に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの誘電体層を形成する段階は、
インクジェット印刷法で前記少なくとも1つの誘電体層を形成することを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの内部電極を形成する段階は、
前記ガイドフレームの少なくとも2つの面に各側面の少なくとも一部が接するように前記少なくとも1つの内部電極を形成することを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの内部電極を形成する段階及び前記少なくとも1つの誘電体層を形成する段階は、それぞれ2回以上交互に行うことによって複数の内部電極及び複数の誘電体層を形成することを含み、
前記少なくとも1つの誘電体層を形成する段階は、前記複数の誘電体層のうちの1つの上に前記複数の内部電極のうちの1つが形成された後に、前記複数の誘電体層のうちの1つの上において前記複数の内部電極のうちの1つが形成されていない空間を残して、前記複数の誘電体層のうち他の1つを形成することを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの内部電極を形成する段階は、
前記少なくとも1つの内部電極のそれぞれの厚さが0.25μm以下となるように前記少なくとも1つの内部電極を形成することを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項12】
少なくとも1つの第1内部電極及び少なくとも1つの第2内部電極が少なくとも1つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、
前記少なくとも1つの第1内部電極及び少なくとも1つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように、互いに離隔して前記本体に配置された第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、
前記少なくとも1つの第1内部電極及び少なくとも1つの第2内部電極のそれぞれの厚さであるTEは0.25μm以下であり、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極が互いに対向する方向に、第1空隙(air gap)は前記少なくとも1つの第2内部電極と前記第1外部電極との間に位置し、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極が互いに対向する方向に、第2空隙は前記少なくとも1つの第1内部電極と前記第2外部電極との間に位置し、
前記本体の前記第1方向の一面において前記少なくとも1つの第2内部電極と前記第1外部電極との間に前記第1方向に重なる部分の前記第1外部電極及び前記第2外部電極が互いに対向する方向に対する傾きはθ1であり、
前記本体の前記第1方向の一面において前記少なくとも1つの第1内部電極と前記第2外部電極との間に前記第1方向に重なる部分の前記第1外部電極及び前記第2外部電極が互いに対向する方向に対する傾きはθ2であり、
{(θ1+θ2)/2}は0°超過15°未満である、積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1内部電極は複数の第1内部電極を含み、
前記少なくとも1つの第2内部電極は複数の第2内部電極を含み、
前記本体の中心に前記第1方向に重なる部分の前記少なくとも1つの誘電体層の厚さはTDであり、
前記複数の第2内部電極と前記第1外部電極との間における前記複数の第1内部電極間の間隔、及び前記複数の第1内部電極と前記第2外部電極との間における前記複数の第2内部電極間の間隔の和を2で割った厚さはTBであり、
TBは(TE+2*TD)の0.8倍以上1倍未満である、請求項12に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
TB及び(TE+2*TD)のそれぞれは、
前記複数の第1内部電極及び前記複数の第2内部電極において、前記第1方向に前記本体の一面に最も近い部分から前記本体の一面に最も遠い部分までの2%の地点を含む部分で測定される値である、請求項13に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
前記本体の前記第1外部電極及び前記第2外部電極が互いに対向する方向の長さは800μm未満であり、
前記本体の前記第1外部電極及び前記第2外部電極が互いに対向する方向と前記第1方向に垂直な方向との幅は400μm未満である、請求項12から14のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項16】
TEは0.2μm以上0.25μm以下である、請求項15に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタ及び積層型キャパシタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという長所から、コンピュータ、PDA、携帯電話などの電子機器の部品として広く使用されており、高信頼性、高強度の特性から、電気機器(車両を含む)の部品としても広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2006-0104373号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、性能(例:静電容量、製造コスト、信頼性、耐電圧、実装効率)を確保しつつ、小型化に有利な積層型キャパシタ及び積層型キャパシタの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、ガイドフレームを設ける段階と、上記ガイドフレームの少なくとも2つの面の間において上記少なくとも2つの面に各側面の少なくとも一部が接するように、少なくとも1つの誘電体層を形成する段階と、上記ガイドフレームの少なくとも2つの面の間において上記少なくとも1つの誘電体層の上面上にインクジェット印刷法で少なくとも1つの内部電極を形成する段階と、上記ガイドフレームの少なくとも2つの面及び上記少なくとも1つの誘電体層を互いに分離する段階と、を含むことができる。
【0006】
本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタは、少なくとも1つの第1内部電極及び少なくとも1つの第2内部電極が少なくとも1つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、上記少なくとも1つの第1内部電極及び少なくとも1つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように、互いに離隔して上記本体に配置された第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、上記少なくとも1つの第1内部電極及び少なくとも1つの第2内部電極のそれぞれの厚さであるTEは0.25μm以下であり、上記第外部電極1及び第2外部電極が互いに対向する方向に、第1空隙(air gap)は上記少なくとも1つの第2内部電極と上記第1外部電極との間に位置し、上記第1外部電極及び第2外部電極が互いに対向する方向に、第2空隙は上記少なくとも1つの第1内部電極と上記第2外部電極との間に位置し、上記本体の上記第1方向の一面において上記少なくとも1つの第2内部電極と上記第1外部電極との間に上記第1方向に重なる部分の上記第1外部電極及び第2外部電極が互いに対向する方向に対する傾きはθ1であり、上記本体の上記第1方向の一面において上記少なくとも1つの第1内部電極と上記第2外部電極との間に上記第1方向に重なる部分の上記第1外部電極及び第2外部電極が互いに対向する方向に対する傾きはθ2であり、{(θ1+θ2)/2}は0°超過15°未満であることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタ及び積層型キャパシタの製造方法は、性能(例:静電容量、製造コスト、信頼性、耐電圧、実装効率)を確保しつつ、小型化に有利であることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタを示した斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタにおいて小型化に有利な構造を示した断面図である。
【
図5a】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法においてガイドフレームを設ける段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図5b】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法においてガイドフレームを設ける段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図5c】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法においてガイドフレームを設ける段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図6a】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの誘電体層を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図6b】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの誘電体層を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図7a】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの内部電極を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図7b】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの内部電極を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図7c】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの内部電極を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図7d】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの内部電極を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの誘電体層及び少なくとも1つの内部電極が積層された構造(圧着可能状態)からガイドフレームを分離する前を示した斜視図である。
【
図9a】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において分離する段階を示した斜視図である。
【
図9b】本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において切断する段階を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。さらに、本発明の実施形態は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一符号で示される要素は同一要素である。
【0010】
なお、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を付与して説明する。
【0011】
明細書全体において、或る部分が或る構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0012】
本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、図面上に示されたL、W及びTは、それぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を表す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向(または第1方向)と同一概念で用いられることができる。
【0013】
以下では、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタについて、特に、積層セラミックキャパシタ(Multi-layer ceramic capacitor,MLCC)について説明するが、これに制限されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタを示した斜視図であり、
図2は、
図1のA-A'線に沿った断面図であり、
図3は、
図1のB-B'線に沿った断面図である。
図1は、本体110の内部を示すために体積の約1/4が切断された形態を示しているが、実際の積層型キャパシタ100は体積の約1/4が切断されておらず、中心からL方向、W方向、及びT方向のそれぞれを基準にしてほぼ対称的な形態であることができる。
【0015】
図1から
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタ100は、本体110、第1外部電極131、及び第2外部電極132を含むことができる。
【0016】
本体110は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122が少なくとも1つの誘電体層111を間に挟んで第1方向(例:T方向)に交互に積層された積層構造を含むことができる。
【0017】
例えば、本体110は、積層構造の焼成によってセラミック本体から構成されることができる。ここで、本体110に配置された少なくとも1つの誘電体層111は焼結された状態であり、隣接する誘電体層間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0018】
例えば、本体110は、長さ方向Lの両側面、幅方向Wの両側面、及び厚さ方向Tの両側面を有する六面体として形成されることができ、上記六面体の角及び/またはコーナーは、研磨によって丸い形態であることができる。但し、本体110の形状、寸法、及び誘電体層111の積層数は、本実施形態に示したものに限定されるものではない。
【0019】
少なくとも1つの誘電体層111は、その厚さを積層型キャパシタ100の容量設計に合わせて任意に変更することができ、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、積層型キャパシタ100の要求規格に応じて、セラミック粉末に種々のセラミック添加剤(例:MgO、Al2O3、SiO2、ZnO)、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されてもよい。
【0020】
少なくとも1つの誘電体層111の形成に用いられるセラミック粉末の平均粒径は特に制限されず、積層型キャパシタ100の要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/または高容量が求められ、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/または強い強度が求められるなど)に応じて調整されることができ、例えば、400nm以下に調整されることができる。
【0021】
例えば、少なくとも1つの誘電体層111は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥し、複数のセラミックシートを設けることで形成されることができる。上記セラミックシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法にて数μmの厚さを有するシート(sheet)状に作製することで形成されることができるが、これに限定されない。
【0022】
少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122は、導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して誘電体層の積層方向(例:T方向)に沿って本体110の長さ方向Lの一側面及び他側面に交互に露出するように形成されることができ、中間に配置された誘電体層により互いに電気的に絶縁されることができる。
【0023】
例えば、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122のそれぞれは、平均粒径が0.1~0.2μmで、40~50重量%の導電性金属粉末を含む内部電極用導電性ペーストにより形成されることができるが、これに限定されない。上記導電性ペーストは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)又は白金(Pt)などの単独又はこれらの合金であることができ、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
例えば、上記セラミックシート上に上記内部電極用導電性ペーストを印刷工法などで塗布して内部電極パターンを形成することができる。上記導電性ペーストの印刷方法は、インクジェット印刷法であってもよいが、これに限定されるものではない。例えば、上記内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを200~300層積層し、圧着、焼成することで、本体110を作製することができる。
【0025】
積層型キャパシタ100の静電容量は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122間の積層方向(例:T方向)の重なり面積に比例してもよく、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122の総積層数に比例してもよく、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122間の間隔に反比例してもよい。上記内部電極の間隔は、少なくとも1つの誘電体層111のそれぞれの厚さと実質的に同一であってもよい。
【0026】
積層型キャパシタ100は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122間の間隔が短いほど、厚さに対してさらに大きい静電容量を有することができる。一方、積層型キャパシタ100の耐電圧は、上記内部電極の間隔が長いほど高いことができる。したがって、上記内部電極の間隔は、積層型キャパシタ100の要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/または高容量が求められ、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/または強い強度が求められるなど)に応じて調整されることができる。少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122のそれぞれの厚さも上記内部電極の間隔の影響を受けることができる。
【0027】
例えば、積層型キャパシタ100は、高い耐電圧特性及び/または強い強度が求められる場合に、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122間の間隔がそれぞれの厚さの2倍を超過するように設計されることができる。例えば、積層型キャパシタ100は、小型化及び/または高容量が求められる場合に、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122のそれぞれの厚さが0.4μm以下で、総積層数が400層以上になるように設計されることができる。
【0028】
第1外部電極131及び第2外部電極132は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122にそれぞれ連結されるように、互いに離隔して本体110に配置されることができる。
【0029】
例えば、第1外部電極131及び第2外部電極132のそれぞれは、金属成分が含まれたペーストにディッピング(dipping)する方法、導電性ペーストを印刷する方法、シート(Sheet)転写、パッド(Pad)転写方法、スパッタめっき又は電解めっきなどにより形成されることができる。例えば、第1外部電極131及び第2外部電極132は、上記ペーストが焼成されることによって形成された焼成層と、上記焼成層の外面に形成されためっき層とを含むことができ、上記焼成層と上記めっき層との間に導電性樹脂層をさらに含むことができる。例えば、上記導電性樹脂層は、エポキシなどの熱硬化性樹脂に導電性粒子が含有されることで形成されることができる。上記金属成分は、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、スズ(Sn)などの単独又はこれらの合金であることができるが、これに限定されない。
【0030】
積層型キャパシタ100は、外部基板(例:印刷回路基板)に実装又は内蔵されることができ、第1外部電極131及び第2外部電極132を介して上記外部基板の配線、ランド、はんだ、及びバンプの少なくとも一つに連結されることによって、上記外部基板に電気的に連結された回路(例:集積回路、プロセッサ)に電気的に連結されることができる。
【0031】
図1から
図3を参照すると、本体110は、上部カバー層112、下部カバー層113、及びコア領域115を含むことができ、コア領域115は、マージン領域114及び容量領域116を含むことができる。
【0032】
上部カバー層112及び下部カバー層113は、第1方向(例:T方向)にコア領域115を間に挟むように配置され、少なくとも1つの誘電体層111のそれぞれよりもさらに厚いことができる。
【0033】
上部カバー層112及び下部カバー層113は、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)がコア領域115に浸透することを防ぐことができ、本体110を外部衝撃から保護することができ、さらに、本体110の曲げ強度も向上させることができる。
【0034】
例えば、上部カバー層112及び下部カバー層113は、少なくとも1つの誘電体層111と同じ又は異なる材料(例:エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)を含むことができる。
【0035】
容量領域116は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122の間を含むことができるため、積層型キャパシタ100の静電容量を形成することができる。
【0036】
容量領域116は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122が少なくとも1つの誘電体層111を間に挟んで第1方向(例:T方向)に交互に積層された積層構造を含むことができ、上記積層構造と同じサイズを有することができる。
【0037】
マージン領域114は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122の境界線と本体110の表面との間を含むことができる。
【0038】
複数のマージン領域114は、第1方向(例:T方向)に垂直な第2方向(例:W方向)に容量領域116を間に挟むように配置されることができる。例えば、複数のマージン領域114は、少なくとも1つの誘電体層111と類似した方式(積層方向が異なる)で形成されることができる。
【0039】
複数のマージン領域114は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122が本体110から第2方向(例:W方向)表面に露出することを防ぐことができるため、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)が上記第2方向表面を介して少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122に浸透することを防止することができ、積層型キャパシタ100の信頼性及び寿命を向上させることができる。また、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122は、複数のマージン領域114によって第2方向に効率的に拡張して形成されることができるため、複数のマージン領域114は、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122の重なり面積を広げることができ、よって、積層型キャパシタ100の静電容量向上にも寄与することができる。
【0040】
図4は、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタにおいて小型化に有利な構造を示した断面図である。
【0041】
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタは、それぞれ、0.25μm以下の厚さT
Eを有する少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122を含むことで、小型化に有利となり得る。これは、厚さT
Eが薄くなるほど、少なくとも1つの誘電体層111の厚さT
Dも薄くなり、上部カバー層112及び下部カバー層113と第1外部電極131及び第2外部電極132の厚さも薄くなり得るためである。
【0042】
例えば、小型化された本体110の第1外部電極131及び第2外部電極132が互いに対向する方向(例:L方向)の長さは800μm未満(例:600μm以下)であり、小型化された本体110の上記方向と第1方向(例:T方向)に垂直な方向(例:W方向)との幅は400μm未満(例:300μm以下)であることができる。
【0043】
例えば、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122は、0.25μm以下といった薄い厚さTEを有するためにインクジェット印刷法で形成されることができる。インクジェット印刷法は、他の印刷法(例:スクリーン印刷、グラビア印刷)に比べて相対的に導電性ペーストの粘度及び/または印刷位置をさらに自由にかつ繊細に設定できるため、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122の印刷解像度を高めるのに有利となり得る。少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122の厚さTEに対する信頼性(例:連結性、耐電圧など)は、印刷解像度が高くなるほど高くなり得る。
【0044】
したがって、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122のそれぞれの厚さTEが0.25μm以下であると、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122はインクジェット印刷法により形成される可能性が高いが、これに限定されない。例えば、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122は、0.25μm以下の厚さTEを有していても、迅速な印刷のためにスクリーン印刷及び/またはグラビア印刷により形成されることができる。少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122がインクジェット印刷法で形成されるためには、厚さTE0.2μm以上0.25μm以下が好ましいが、これに限定されない。
【0045】
少なくとも1つの誘電体層111及び内部電極間の特性(例:焼成による体積変化率)及び/または形態(例:上面/下面の面積、中心から傾いたか否か)の差は、本体110の製造過程(例:圧着、焼成)での信頼性向上の限界として作用することがある。
【0046】
第1外部電極131及び第2外部電極132が互いに対向する方向(例:L方向)に、第1空隙151は、少なくとも1つの第2内部電極122と第1外部電極131との間に位置し、第2空隙152は、少なくとも1つの第1内部電極121と第2外部電極132との間に位置することができる。
【0047】
第1空隙151は、少なくとも1つの第2内部電極122及び第1外部電極131間の絶縁のためのL方向マージンの少なくとも一部であってもよく、第2空隙152は、少なくとも1つの第1内部電極121及び第2外部電極132間の絶縁のためのL方向マージンの少なくとも一部であってもよい。
【0048】
L方向マージンの少なくとも一部に第1空隙151及び第2空隙152があると、第1空隙151及び第2空隙152は、少なくとも1つの誘電体層111及び内部電極間の特性及び/または形態の差による本体110の内部における流動のボトルネックを解消することができるため、本体110の製造過程での信頼性(第1信頼性要因)を向上させることができる。但し、L方向マージンの第1空隙151及び第2空隙152は、L方向マージンの段差(step)による信頼性限界(例:内部電極間の最小間隔の減少による耐電圧の低下、内部電極のL方向マージン付近での切れ、本体の曲げによる実装不良の可能性などの第2信頼性要因)に対する考慮の可能性を高めることができる。つまり、上記第1信頼性要因及び第2信頼性要因は、L方向マージンの観点からトレードオフの関係(trade-off)にあることができる。
【0049】
例えば、少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122がインクジェット印刷法により形成される場合、インクジェット印刷機がL方向マージンの少なくとも一部に印刷を行わないことで、第1空隙151及び第2空隙152を形成することができる。これにより、L方向マージンの分だけ印刷範囲を狭くすることができることから、本体110はインクジェット印刷法を使用してもより迅速かつ安価に形成されることができる。
【0050】
本体110の第1方向(例:T方向)の一面(例:上面)において少なくとも1つの第2内部電極122と第1外部電極131との間に第1方向(例:T方向)に重なる部分の第1外部電極131及び第2外部電極132が互いに対向する方向(例:L方向)に対する傾きはθ1であり、本体110の第1方向(例:T方向)の一面(例:上面)において少なくとも1つの第1内部電極121と第2外部電極132との間に第1方向(例:T方向)に重なる部分の第1外部電極131及び第2外部電極132が互いに対向する方向(例:L方向)に対する傾きはθ2であることができる。傾きθ1、θ2が小さくなるほど、L方向マージンの段差による信頼性限界は高くなり得る。第1空隙151及び第2空隙152は傾きθ1、θ2を0°よりも大きくすることができ、第1空隙151及び第2空隙152が大きいほど、θ1、θ2も大きくなり得る。
【0051】
下記表1は、傾きであるθ1、θ2による信頼性(例:耐電圧、内部電極切れ、本体の曲げによる実装不良の可能性)を示す。ここで、信頼性がOKであると、該当サンプルの信頼性が基準信頼性よりも高いことを示し、信頼性がNGであると、該当サンプルの信頼性が基準信頼性よりも低いことを示す。また、サンプル3及びサンプル4との間の信頼性の差は、他の隣接サンプル間の信頼性の差に比べて相対的に大きくなれることから、サンプル3及びサンプル4との間の信頼性は基準信頼性であることができる。或いは、基準信頼性は、該当サンプルの不良可否を決定する基準となり得る。
【0052】
【0053】
表1を参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタ100は、{(θ1+θ2)/2}が0°超過15°未満である本体110を含むことで、0.25μm以下の薄い厚さTEの内部電極が積層された構造を有しながらも信頼性を確保できるようになるため、小型化に有利となり得る。
【0054】
少なくとも1つの第1内部電極121及び少なくとも1つの第2内部電極122のそれぞれの積層数は2つ以上であってもよく、本体110の中心に第1方向(例:T方向)に重なる部分の少なくとも1つの誘電体層111の厚さはTDであってもよい。複数の第2内部電極122と第1外部電極131との間における複数の第1内部電極122間の間隔、及び複数の第1内部電極121と第2外部電極132との間における複数の第2内部電極121間の間隔の和を2で割った厚さはTBであってもよい。(TE+2*TD)はTCであってもよく、本体110の中心に第1方向(例:T方向)に重なる部分の互いに隣接した3つの内部電極の上部内部電極と下部内部電極との間の間隔であってもよい。
【0055】
下記表2は、{TB/(TE+2*TD)}による信頼性(例:耐電圧、内部電極切れ、本体の曲げによる実装不良の可能性)を示す。サンプル10及びサンプル11間の信頼性の差は、他の隣接サンプル間の信頼性の差に比べて相対的に大きくなれることから、サンプル10及びサンプル11間の信頼性は基準信頼性となり得る。
【0056】
【0057】
表2を参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタ100のTBは、(TE+2*TD)の0.8倍以上1倍未満であることができる。これによって、積層型キャパシタ100は、0.25μm以下の薄い厚さTEの内部電極が積層された構造を有しながらも信頼性を確保できるようになるため、小型化に有利となり得る。
【0058】
一方、TB及び(TE+2*TD)のそれぞれは複数の第1及び第2内部電極121、122において、第1方向(例:T方向)に本体110の一面(例:上面)に最も近い部分(例:容量領域の上面)から本体110の一面に最も遠い部分(例:容量領域の下面)までの2%の地点を含む部分で測定される値であってもよい。
【0059】
TB、TE、TD、θ1及びθ2のそれぞれは、本体110の中心地点を含むLT平面が露出するように本体110をW方向に研磨又は切断することで露出するLT平面で測定されてもよく、TB、TE、及びTDのそれぞれは、該当部分の平均値として測定されてもよい。上記平均値は、TB、TE、及びTDのそれぞれに該当する部分からL方向に積分し、該当する部分の積分方向全長で割って求めてもよい。測定に使用されるサンプルの数は、特に限定されないが、10個以上20個以下であってもよい。例えば、測定に使用されるサンプルの半分は{(θ1+θ2)/2}の測定に使用されてよく、残りの半分は{TB/(TE+2*TD)}の測定に使用されてもよい。
【0060】
TB、TE、TD、θ1及びθ2のそれぞれは、マイクロメートル、TEM(Transmission Electron Microscopy)、AFM(Atomic Force Microscope)、SEM(Scanning Electron Microscope)、光学顕微鏡(Optical Microscopy)、及び表面プロファイラ(surface profiler)のうち少なくとも1つを使用した分析に上記LT平面を適用することによって得られるイメージに基づいて測定されることができる。例えば、TB、TE、TD、θ1及びθ2のそれぞれは、上記イメージにおいて該当部分を目視で区分して測定されてもよく、上記イメージのピクセル(pixel)値を分類することで該当部分を区分して測定されてもよい。ここで、上記イメージのピクセル値に対する処理(例:フィルタリング、edge検出など)が伴われてもよい。
【0061】
図5aから
図5cは、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法においてガイドフレームを設ける段階の多様な例を示した斜視図である。
【0062】
図5aから
図5cを参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、ガイドフレームを設ける段階110-1a、110-1b、110-1cを含むことができる。
【0063】
図5aから
図5cを参照すると、ガイドフレーム40は、少なくとも4つの面40a、40b、40c、40dを含むことができる。少なくとも4つの面40a、40b、40c、40dは、以降の段階において少なくとも1つの誘電体層及び/または少なくとも1つの内部電極を取り囲むことができ、少なくとも4つの面40a、40b、40c、40dのうち少なくとも2つの面40a、40cは、上記以降の段階において少なくとも1つの誘電体層及び/または少なくとも1つの内部電極の各側面に接することができる。
【0064】
例えば、ガイドフレーム40は、本体の形態と実質的に同一の形態で実現されることができ、少なくとも1つの誘電体層及び/または少なくとも1つの内部電極に接した状態で容易に分離できる材料を含有することができ、鋳型として実現されることができる。
【0065】
図5a及び
図5cを参照すると、ガイドフレーム40は、少なくとも1つの誘電体層及び少なくとも1つの内部電極を支持する下面40e、45をさらに含むことができる。これにより、ガイドフレーム40は、少なくとも1つの誘電体層及び少なくとも1つの内部電極が積層された構造の安定性をさらに向上させることができる。
【0066】
図5cを参照すると、ガイドフレーム40の下面45は、少なくとも4つの面40a、40b、40c、40dとは異なる材料として、熱可塑性絶縁材料(例:PET(polyethylene terephthalate))を含むことができる。これにより、ガイドフレーム40は、少なくとも1つの誘電体層及び少なくとも1つの内部電極が積層された構造に対する追加の工程(例:圧着、焼成)における安定性を向上させることができる。例えば、ガイドフレーム40の下面45及び少なくとも4つの面40a、40b、40c、40dは、互いに分離されてもよい。
【0067】
図6a及び
図6bは、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの誘電体層を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【0068】
図6a及び
図6bを参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、ガイドフレーム40の少なくとも2つの面の間で少なくとも2つの面に各側面の少なくとも一部が接するように、少なくとも1つの誘電体層11を形成する段階110-2a、110-2bを含むことができる。
【0069】
これによって、ガイドフレーム40は、少なくとも1つの誘電体層11の形態を維持させることができるため、表1の{(θ1+θ2)/2}を0°超過15°未満に減らすか、又は、表2の{TB/(TE+2*TD)}を0.8以上1未満に高めることができる。
【0070】
図6aを参照すると、少なくとも1つの誘電体層11を形成する段階110-2aは、インクジェット印刷法により少なくとも1つの誘電体層11を形成することを含むことができる。インクジェット印刷法は、誘電体インクジェット印刷ヘッド50がL方向及びW方向に移動しながら誘電体インクジェット印刷ヘッド50内の誘電体51が噴射される方式であってもよい。ここで、誘電体51は、液滴(droplet)状態であってもよく、誘電体インクジェット印刷ヘッド50の吐出口(outlet)を介して吐出されてもよい。
【0071】
図6bを参照すると、少なくとも1つの誘電体層11は、予めセラミックシートとして実現された状態でガイドフレーム40内に挿入されてもよい。
【0072】
図7aから
図7dは、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの内部電極を形成する段階の多様な例を示した斜視図である。
【0073】
図7aから
図7dを参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、ガイドフレーム40の少なくとも2つの面の間で少なくとも1つの誘電体層11の上面上にインクジェット印刷法で少なくとも1つの内部電極20を形成する段階110-3a、110-3b、110-3c、110-3dを含むことができる。ここで、少なくとも1つの内部電極20は、それぞれの厚さが0.25μm以下となるように形成されてもよいが、これに限定されない。インクジェット印刷法は、内部電極インクジェット印刷ヘッド60がL方向及びW方向に移動しながら内部電極インクジェット印刷ヘッド60内の導電性ペースト61が噴射される方式であってもよい。ここで、導電性ペースト61は、液滴(droplet)状態であってもよく、内部電極インクジェット印刷ヘッド60の吐出口(outlet)を介して吐出されてもよい。
【0074】
図7aから
図7dに示された少なくとも1つの内部電極を形成する段階110-3a、110-3b、110-3c、110-3dと、
図6a及び
図6bに示された少なくとも1つの誘電体層を形成する段階110-2a、110-2bとは、それぞれ、2回以上交互に行うことによって複数の内部電極20及び複数の誘電体層11を形成することを含むことができる。
【0075】
図7aを参照すると、少なくとも1つの誘電体層11を形成する段階110-3aは、複数の誘電体層11のうちの1つの上に複数の内部電極20のうちの1つが形成された後に、複数の誘電体層11のうちの1つの上において複数の内部電極20のうちの1つが形成されていない空間(例:L方向マージンの少なくとも一部)を残して、複数の誘電体層11のうち他の1つを形成することを含むことができる。
【0076】
上記形成されていない空間(例:L方向マージンの少なくとも一部)は、少なくとも1つの誘電体層11の形態維持の限界として作用されることがあるが、ガイドフレーム40は、少なくとも1つの誘電体層11の形態を維持させることができるため、表1の{(θ1+θ2)/2}を0°超過15°未満に減らすか、又は、表2の{T
B/(T
E+2*T
D)}を0.8以上1未満に高めることができる。また、ガイドフレーム40が少なくとも1つの誘電体層11の形態を維持させることができるため、
図4に示された第1及び第2空隙は形成されることができる。
【0077】
図7bを参照すると、上記形成されていない空間(例:L方向マージンの少なくとも一部)の少なくとも一部には、誘電体インクジェット印刷ヘッド50から誘電体51が噴射されてもよい。
【0078】
図7c及び
図7dを参照すると、少なくとも1つの内部電極20のガイドフレーム40に対する大きさは、さらに大きくなることができる。例えば、少なくとも1つの内部電極20がより大きくなったり、ガイドフレーム40がより小さくなったりしてもよい。よって、切断工程は省略されてもよい。
【0079】
図7dを参照すると、少なくとも1つの内部電極を形成する段階110-3dは、ガイドフレーム40の少なくとも2つの面に各側面の少なくとも一部が接するように、少なくとも1つの内部電極20を形成することを含むことができる。設計に応じて、サイドマージン層は、ガイドフレーム40の分離後に少なくとも1つの誘電体層11の2つの側面に形成されてもよく、
図1に示されたマージン領域114の少なくとも一部であってもよい。
【0080】
図8は、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において少なくとも1つの誘電体層及び少なくとも1つの内部電極が積層された構造(圧着可能状態)からガイドフレームを分離する前を示した斜視図である。
【0081】
図8を参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、設計に応じて圧着や焼成などの追加の段階110-4をさらに含んでもよい。
【0082】
即ち、
図9a及び
図9bに示される段階の前に、少なくとも1つの誘電体層11及び少なくとも1つの内部電極が積層された構造は、第1方向(例:T方向)に圧着されてもよく、焼成されてもよい。設計に応じて、上記積層された構造は、
図1に示された上部カバー層及び/または下部カバー層をさらに含むことができる。
【0083】
図9aは、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において分離する段階を示した斜視図である。
【0084】
図9aを参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、ガイドフレームの少なくとも2つの面及び少なくとも1つの誘電体層11を互いに分離する段階110-5aを含むことができる。
【0085】
ガイドフレームが下面を含む場合、ガイドフレームは、少なくとも4つの面及び下面が互いに分離できるように設計されることができる。つまり、ガイドフレームの一部だけが少なくとも1つの誘電体層11から分離されてもよい。
【0086】
図9bは、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法において切断する段階を示した斜視図である。
【0087】
図9bを参照すると、本発明の一実施形態に係る積層型キャパシタの製造方法は、分離する段階110-5a以降に、少なくとも1つの誘電体層11及び少なくとも1つの内部電極が積層された構造を切断する段階110-5bを含むことができる。
【0088】
例えば、上記積層された構造は、
図7a及び
図7bに示された内部電極20の数(例:6つ)の分だけ分割されるように切断面CUT1、CUT2、CUT3に沿って切断されることができる。
【0089】
以上では、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態及び添付図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。
【0090】
したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0091】
40:ガイドフレーム
45:ガイドフレームの下面
50:誘電体インクジェット印刷ヘッド
51:噴射される誘電体
60:内部電極インクジェット印刷ヘッド
61:噴射される導電性ペースト
100:積層型キャパシタ
110:本体
111:誘電体層
112:上部カバー層
113:下部カバー層
114:マージン領域
115:コア領域
116:容量領域
121:第1内部電極
122:第2内部電極
131:第1外部電極
132:第2外部電極