(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078081
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】起伏倒立昇降装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/00 20060101AFI20230530BHJP
F16M 13/00 20060101ALI20230530BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B60R11/00
F16M13/00 U
F16M13/02 U
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022176432
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2022054694の分割
【原出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】520105164
【氏名又は名称】山崎 明美
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴志
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BC13
3D020BD09
(57)【要約】
【課題】主に吹雪中の車両運転時に、運転補助情報となる高所視点映像を得たり、後続車追突防止となる高所位置からの照明照射を行ったりするのに好適な、起伏倒立昇降装置を提供する。
【解決手段】車両に設置する装置であって、棒状部材2が端部付近を支点3として起伏倒立する機構を備え、前記支点3は車両に固定されるベース4に設置され、前記棒状部材2の前記支点3とは反対側の端部付近に、カメラ・照明装置・レーザー装置・各種センサーを取り付けることができることを特徴とし、起伏倒立機構は車両走行中に昇降動作可能である、起伏倒立昇降装置1とする。また、棒状部材2に伸縮機能を備えることで、より高所への昇降が可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が乗る乗り物としての車両に設置して、設置車両の車高よりも高所位置からの撮影・照射・観測を行うための昇降装置であって、棒状部材(2)が端部付近を支点(3)として起伏倒立する機構を備え、前記支点(3)は車両に固定されるベース(4)に設置され、前記棒状部材(2)の前記支点(3)とは反対側の端部付近に、カメラ・照明装置・レーザー装置・各種センサーを取り付けることができ、本起伏倒立昇降装置は車両とは独立した一体の構造体であり、起伏倒立機構は車両走行中に任意に昇降動作可能であることを特徴とする、起伏倒立昇降装置(1)。
【請求項2】
棒状部材(2)に伸縮機能を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の起伏倒立昇降装置(1)。
【請求項3】
棒状部材(2)の前記支点(3)とは反対側の端部付近に、カメラ・照明装置・レーザー装置・各種センサーの機器うち、少なくとも1つの機器を取り付けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の起伏倒立昇降装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に吹雪中の車両運転時に、運転補助情報となる高所視点映像を得たり、後続車追突防止となる高所位置からの照明照射を行ったりするのに好適な、起伏倒立昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吹雪中の車両運転では、吹雪による視界不良により運転が困難になることがある。この視界不良は地面に近いほど著しいことがあるため、乗用車よりも大型トラックなど運転者の視点位置が高い車両の方が運転がしやすいことが知られている。このため、車両の高所位置から撮影する映像は、吹雪中の車両運転時における運転補助情報となり得る。また、高所位置にある光源は後続車に認識されやすいため、車両の高所位置から後方への照明照射は後続車の追突防止に役立つ。
カメラを車両の高所位置に昇降する装置として、従来技術では、特許文献1に示すカメラ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吹雪中の車両運転では、吹雪による視界不良により運転が困難になることがある。この視界不良は地面に近いほど著しいことがあるため、乗用車よりも大型トラックなど運転者の視点位置が高い車両の方が運転がしやすいことが知られている。このため、車両の高所位置から撮影する映像は、吹雪中の車両運転時における運転補助情報となり得る。また、高所位置にある光源は後続車に認識されやすいため、車両の高所位置から後方への照明照射は後続車の追突防止に役立つ。さらに、特許第6962646号のレーザー技術は車両の高所位置からレーザーを照射を行うことで効果を高められる。
また、吹雪による視界不良は散発的に急激に発生することが多いため、車両走行中でも装置の操作ができるものが望ましい。
【0005】
カメラを車両の高所位置に昇降する装置として、従来技術では、特許文献1に示すカメラ装置が開示されているが、鉛直部材の伸縮機構による昇降方式のため、縮んだ状態でも鉛直部材が存在して、ある程度の装置高さが残るものとなっている。
【0006】
本発明は、棒状部材の起伏倒立機構による昇降方式とすることで、装置収納時における装置高さを、鉛直部材の伸縮機構による昇降方式と比較して、低くすることができ、かつ、車両走行中の昇降装置操作が可能である、起伏倒立昇降装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
車両に設置する装置であって、棒状部材2が端部付近を支点3として起伏倒立する機構を備え、前記支点3は車両に固定されるベース4に設置され、前記棒状部材2の前記支点3とは反対側の端部付近に、カメラ・照明装置・レーザー装置・各種センサーを取り付けることができることを特徴とし、起伏倒立機構は車両走行中に昇降動作可能である、起伏倒立昇降装置1とする。また、棒状部材2に伸縮機能を備えることで、より高所への昇降が可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の棒状部材2の端部付近にカメラ8を設置することで、吹雪中の車両運転において、運転補助情報となる高所視点映像を得ることができる。本起伏倒立昇降装置1は車両走行中に昇降することができるため、運転中に急に吹雪に見舞われた場合でも、速やかに高所視点映像を得ることができる。
【0009】
本発明の棒状部材2の端部付近に照明装置9を設置することで、吹雪中の車両運転において、後続車に認識されやすく追突防止に効果的な、高所位置からの照明照射を行うことができる。本起伏倒立昇降装置1は車両走行中に昇降することができるため、運転中に急に吹雪に見舞われた場合でも、速やかに高所位置からの照明照射を行うことができる。
【0010】
本発明の棒状部材の端部付近にレーザー装置10を設置することで、吹雪中の車両運転において、車両の道路横断方向位置や前方障害物を把握することができる前記レーザー技術を、車両の高所位置から適用することができる。本起伏倒立昇降装置1は車両運転中に昇降することができるため、運転中に急に吹雪に見舞われた場合でも、速やかに高所位置からのレーザー照射を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1の側面図および背面図である。(a)は側面図、(b)は背面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
車両に設置する装置であって、棒状部材2が端部付近を支点3として起伏倒立する機構を備え、前記支点3は車両に固定されるベース4に設置され、前記棒状部材2の前記支点3とは反対側の端部付近に、カメラ・照明装置・レーザー装置・各種センサーを取り付けることができることを特徴とし、起伏倒立機構は車両走行中に昇降動作可能である、起伏倒立昇降装置1とする。また、棒状部材2に伸縮機能を備えることで、より高所への昇降が可能となる。
【0013】
図1に、本起伏倒立昇降装置1の実施例1を示す。実施例1は請求項1に係る実施例である。実施例1では、送りねじ機構5とリンク6を用いて、棒状部材2を起伏倒立させる機構としている。
【0014】
図2に、本起伏倒立昇降装置1の実施例2を示す。実施例2は請求項2に係る実施例である。実施例2では、電動シリンダ7を用いて、棒状部材2を起伏倒立させる機構としており、さらに、棒状部材2自体を電動シリンダ7として、棒状部材2に伸縮機能を持たせている。
【0015】
図3に、本起伏倒立昇降装置1の実施例3を示す。実施例3は請求項3に係る実施例である。実施例3では、実施例2に示す本起伏倒立昇降装置1の棒状部材2先端付近に、前方撮影用のカメラ8、後方警戒用の照明装置9、路面形状把握用のラインレーザー光を照射するレーザー装置10を設置している。また、前記カメラ8・照明装置9・レーザー装置10を収納するケース11には、着雪防止用のヒーター13を設置し、ケース前後面の透明部材12には、水滴除去用の起振装置14を設置している。なお、着雪防止や水滴除去には、熱線ガラスやワイパーを用いた方法も考えられる。
【0016】
図1~
図3に示した、実施例1~実施例3は、本発明の実施例に過ぎず、棒状部材2の形状、棒状部材2の起伏倒立機構、棒状部材2の伸縮機構、棒状部材2に設置する機器の種類や数、ベース4の形状、ヒーター13や起振装置14や熱線ガラスやワイパーの有無、等を限定するものではない。
【符号の説明】
【0017】
1 起伏倒立昇降装置
2 棒状部材
3 支点
4 ベース
5 送りねじ機構
6 リンク
7 電動シリンダ
8 カメラ
9 照明装置
10 レーザー装置
11 ケース
12 透明部材
13 ヒーター
14 起振装置
【手続補正書】
【提出日】2023-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
人が乗る乗り物としての車両に設置して、設置車両の車高よりも高所位置からの撮影・照射・観測を行うための昇降装置であって、棒状部材(2)が端部付近を支点(3)とした1自由度の動作で起伏倒立する機構を備え、前記支点(3)は車両に固定されるベース(4)に設置され、前記棒状部材(2)の前記支点(3)とは反対側の端部付近に、カメラ・照明装置・レーザー装置・各種センサーを取り付けることができ、本起伏倒立昇降装置は車両とは独立した一体の構造体であり、起伏倒立機構は車両走行中に任意に昇降動作可能であることを特徴とする、起伏倒立昇降装置(1)。