(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078207
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ハイブリッドペロブスカイト材料処理
(51)【国際特許分類】
H10K 30/50 20230101AFI20230530BHJP
H10K 30/40 20230101ALI20230530BHJP
H10K 85/50 20230101ALI20230530BHJP
H01G 9/20 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
H10K30/50
H10K30/40
H10K85/50
H01G9/20 113A
H01G9/20 113D
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023033925
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2019555458の分割
【原出願日】2018-04-12
(31)【優先権主張番号】15/489,431
(32)【優先日】2017-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517357295
【氏名又は名称】ハント ペロヴスカイト テクノロジーズ,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン,マイケル,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ミールクザレク,カミル
(72)【発明者】
【氏名】ダス,ヴィヴェク,ブイ.
(57)【要約】
【課題】光活性ペロブスカイト材料の調製方法。
【解決手段】ハロゲン化鉛を第1の溶媒と接触させ前記ハロゲン化鉛を溶解し、ハロゲン化鉛溶液を形成するステップ;1族金属ハロゲン化物を第2の溶媒と接触させ、前記1族金属ハロゲン化物を溶解し1族金属ハロゲン化物溶液を形成するステップ;及び前記ハロゲン化鉛溶液を前記1族金属ハロゲン化物溶液と接触させて前記薄膜前駆体インクを形成するステップ;を含む、ステップと;前記薄膜前駆体インクを基板上に堆積させるステップと;前記薄膜前駆体インクを乾燥させて薄膜を形成するステップと;前記薄膜をアニールするステップと;第3の溶媒と、特定の群から選択される塩とを含む塩溶液に、前記薄膜を浸漬するステップと;を有する、方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:
薄膜前駆体インクを調製するステップであって、
ハロゲン化鉛を第1の溶媒と接触させ、前記ハロゲン化鉛を溶解し、ハロゲン化鉛溶液を形成するステップ;
ヨウ化セシウム、塩化セシウム、ヨウ化ルビジウム、またはヨウ化カリウムを含む1族金属ハロゲン化物を、第2の溶媒と接触させ、前記1族金属ハロゲン化物を溶解し、1族金属ハロゲン化物溶液を形成するステップであって、前記第2の溶媒は、前記第1の溶媒とは異なる、ステップ;及び
前記ハロゲン化鉛溶液を前記1族金属ハロゲン化物溶液と接触させて前記薄膜前駆体インクを形成するステップ;
を含む、ステップと;
前記薄膜前駆体インクを基板上に堆積させるステップと;
前記薄膜前駆体インクを乾燥させて薄膜を形成するステップと;
前記薄膜をアニールするステップと;
第3の溶媒と、ハロゲン化メチルアンモニウム、ハロゲン化ホルムアミジニウム、ハロゲン化グアニジニウム、ハロゲン化エテンテトラミン、ハロゲン化イミダゾリウム、ハロゲン化1,2,2-トリアミノビニルアンモニウム、及び5-アミノ吉草酸ハロゲン化水素からなる群から選択される塩とを含む塩溶液に、前記薄膜を浸漬するステップと;
を有する、方法。
【請求項2】
前記ハロゲン化鉛は、ヨウ化鉛(II)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の溶媒及び前記第2の溶媒は、乾燥N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、アルキル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジアルキルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、tert-ブチルピリジン、ピリジン、アルキルピリジン、ピロリジン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の溶媒は、乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の溶媒は、ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、水、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記薄膜前駆体インクは、前記ハロゲン化鉛のモル濃度の1%から25%の間である、前記1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記薄膜をアニールするステップは、約40℃から約60℃の間の温度で約5分から約30分間行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記塩は、ヨウ化ホルムアミジニウムを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記塩は、ヨウ化メチルアンモニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記薄膜をリンスするステップは、前記塩溶液に少なくとも部分的に浸漬することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
以下のステップ:
薄膜前駆体インクを調製するステップであって、
ヨウ化セシウム、塩化セシウム、ヨウ化ルビジウム、またはヨウ化カリウムを含む1族金属ハロゲン化物と、ハロゲン化鉛とを第1の溶媒と接触させて、薄膜前駆体溶液を形成するステップを含む、ステップと;
前記薄膜前駆体インクを基板上に堆積させるステップと;
前記薄膜前駆体インクを乾燥させて薄膜を形成するステップと;
前記薄膜をアニールするステップと;
第2の溶媒、ならびにハロゲン化メチルアンモニウム、ハロゲン化ホルムアミジニウム、ハロゲン化グアニジニウム、ハロゲン化エテンテトラミン、ハロゲン化イミダゾリウム、ハロゲン化1,2,2-トリアミノビニルアンモニウム、及び5-アミノ吉草酸ハロゲン化水素からなる群から選択される塩を含む塩溶液に、前記薄膜を浸漬するステップと;
を有し、
前記薄膜前駆体インクは、前記ハロゲン化鉛のモル濃度の1%から25%の間である、前記1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有する、方法。
【請求項13】
さらに、第3の溶媒を前記第1の溶媒又は前記薄膜前駆体溶液と接触させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ハロゲン化鉛は、ヨウ化鉛(II)を含み、且つ前記1族金属ハロゲン化物がヨウ化セシウムを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ハロゲン化鉛は、ヨウ化鉛(II)を含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
太陽エネルギー又は放射線から電力を生成するために光起電力(PV)を使用することは、多くの利点、例えば、電源、低もしくはゼロエミッション、電力網から独立した電力生産、耐久性のある物理的構造(可動部品なし)、安定した信頼性のあるシステム、モジュール構成、比較的迅速な設置、安全な製造と使用、及び良好な世論と使用の受け入れなどが含まれる、多くの利点を提供することができる。
【背景技術】
【0002】
本開示の特徴及び利点は、当業者には容易に明らかになるであろう。当業者であれば数多くの変更が可能であるが、そのような変更は本発明の精神の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態によるDSSCの様々な層を表すDSSC設計の説明図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態によるDSSCの様々な層を表すDSSC設計の別の説明図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態によるBHJデバイス設計の例示的な説明図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による活性層を含む典型的な光起電力セルの概略図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による典型的な固体状態の(solid state,ソリッドステート)DSSCデバイスの概略図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による例示的なPVデバイスの構成要素を表す様式化された図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による例示的なPVデバイスの構成要素を示す様式化された図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による例示的なPVデバイスの構成要素を示す様式化された図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による例示的なPV装置の構成要素を示す様式化された図である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好ましい実施形態の詳細な説明
有機PV、非有機PV、及び/又はハイブリッドPVと互換性のある(compatible)PV技術の様々な態様の改善は、OPV及び他のPVの両方のコストをさらに下げることを約束する。例えば、固体状態の(solid-state)色素増感太陽電池(dye-sensitized solar cells)のようないくつかの太陽電池は、固体状態の電荷輸送材料(又は、口語表現に言い換えれば「固体状態電解質」)のような新規な費用対効果の高い高安定性代替構成要素を利用することができる。さらに、様々な種類の太陽電池(solar cells)は、有利には、他の利点の中で現在存在する従来の選択肢よりもコスト効率が高く、且つ、耐久性のある界面(interfacial)材料及び他の材料を含むことができる。
【0005】
本開示は、概して、物質の組成物(compositions of matter)、装置及び太陽放射からの電気エネルギーを生成する際の、光電池における材料の使用方法に関する。より具体的には、本開示は、光活性及び他の物質組成物(compositions of matter)、ならびに装置、使用方法、及びそのような物質組成物の形成に関する。
【0006】
これらの物質組成物の例は、例えば、正孔輸送(hole-transport)材料、及び/又は界面層(interfacial layers)、色素、及び/又はPVデバイスの他の要素としての使用に好適であり得る材料を含み得る。このような化合物は、様々なPVデバイス、例えばヘテロ接合セル(例えば二重層(bilayer)及びバルク)、ハイブリッドセル(例えば、CH3NH3HPbI3を有する有機物、ZnOナノロッド又はPbS量子ドット)及びDSSC(色素増感太陽電池、dye-sensitized solar cells)に配備することができる。後者のDSSCは、3つの形態、すなわち溶媒系電解質、イオン性液体(ionic liquid)電解質、及び固体状態の正孔輸送体(hole transporters)(又は固体状態の(solid state)DSSC、すなわちSS-DSSC)において存在する。いくつかの実施形態によるSS-DSSC構造は、電解質を実質的に含まなくてもよい。スピロ-OMeTAD、CsSnI3、及び他の活物質(active materials)のようなむしろホール輸送材料を含む。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態による材料の一部又は全部は、任意の有機もしくは他の電子デバイスにおいて有利に使用されてもよく、いくつかの例は、電池(batteries)、電界効果トランジスタ(field-effect transistors,FET)、発光ダイオード(LED)、非線形光学デバイス、メモリスタ(memristor)、キャパシタ、整流器、及び/又は整流アンテナ(rectifying antennas,レクテナ)を含むことができる(但しこれらに限定されない)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、PV及び他の同様のデバイス(例えば、バッテリ、ハイブリッドPVバッテリ、マルチジャンクションPV、FET、LEDなど)を提供することができる。そのようなデバイスは、いくつかの実施形態では、改善された活物質(active material)、界面層、及び/又は1つ以上のペロブスカイト(perovskite)材料を含み得る。ペロブスカイト材料は、PV又は他のデバイスの1以上の様々な態様に組み込むことができる。いくつかの実施形態によるペロブスカイト材料は、一般式CMX3のものであってもよい。式中、
Cは1以上のカチオン(例えば、アミン、アンモニウム、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様(cation-like)化合物)を含み;
Mは、1以上の金属(Fe、Co、Ni、Cu、Sn、Pb、Bi、Ge、Ti及びZrを含む例)を含み;且つ、
Xは1以上のアニオンを含む。種々の実施形態によるペロブスカイト材料は、以下により詳細に論じられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
光電池及び他の電子デバイス
いくつかのPV実施形態は、
図1、3、4及び5に示すような太陽電池の様々な例示的描写を参照して説明することができる。例えば、いくつかの実施形態による例示的なPVアーキテクチャは、実質的に基板(substrate)-アノード-IFL-活性層(active layer)-IFL-カソードの形態であってもよい。いくつかの実施形態の活性層は光活性であってもよく、及び/又は光活性材料(photoactive material)を含んでいてもよい。他の層及び材料は、当該技術分野において知られているように、セル内で利用されてもよい。さらに、用語「活性層」の使用は、決して他の層の特性を明示的又は暗示的に限定することを意味するものではないことに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、片方のもしくは両方のIFLは、それらが半導電性(semiconducting)である限り、活性でもよい。特に
図4を参照すると、様式化された一般的なPVセル2610が描かれ、PV内のいくつかの層の高度に界面的性質を示している。PV2610は、いくつかのPVデバイス、例えばDSSC PV実施形態などに適用可能な一般的なアーキテクチャを表す。PVセル2610は、太陽放射2614がその層を透過することを可能にするガラス(又は、太陽放射に同様に透明な材料)の透明層2612を含む。いくつかの実施形態の透明層は、基板とも呼ばれ(例えば、
図1の基板層1507と同様に)、且つ、多様な硬質又は可撓性材料、例えばガラス、ポリエチレン、PET、Kapton、石英、アルミニウムホイル、金箔、又はスチールなどの、のいずれか1以上を含んでよい。光活性層2616は、電子ドナー又はp型材料2618、及び/又は電子アクセプタ又はn型材料2620からなる。活性層又は、
図4に示されるように、光活性層2616は、2つの導電性電極層2622及び2624の間に挟まれている。
図4では、電極層2622はITO材料である。前述のように、いくつかの実施形態の活性層は、必ずしも光活性である必要はないが、
図4に示すデバイスでは、それである。電極層2624はアルミニウム材料である。当技術分野で知られているように、他の材料を使用することができる。セル2610はまた、PEDOT:PSS材料として
図4の例に示される界面層(interfacial layer,IFL)2626を含む。IFLは、電荷分離をアシストすることができる。いくつかの実施形態では、IFL2626は、自己組織化単分子膜(self-assembled monolayer,SAM)として、又は薄膜として、本開示による光活性有機化合物を含むことができる。他の実施形態では、IFL2626は薄膜コートの二重層を含むことができ、これについては後に詳述する。デバイスのアルミニウムカソード側にIFL2627が存在してもよい。いくつかの実施形態では、デバイスのアルミニウムカソード側のIFL2627はまた、自己組織化単分子膜(SAM)として、又は薄膜として本開示による光活性有機化合物を含んでよいし、又はその代わりに(instead)光活性有機化合物を含むことができる。他の実施形態では、デバイスのアルミニウムカソード側のIFL2627は、薄膜コート二重層を含んでよいし、又はその代わりに(instead)薄膜コートの二重層を含むことができる(やはり以下に詳述する)。いくつかの実施形態によるIFLは、特性において半導電性であってもよく、p型又はn型のいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、デバイスのカソード側のIFL(例えば、
図4に示すIFL2627)は、p型であり、且つ、デバイスのアノード側のIFL(例えば、
図4に示すIFL2626)は、n型であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、カソード側IFLをn型とし、且つ、アノード側IFLをp型とすることができる。セル2610は、リード2630及び放電ユニット2632、例えば電池(battery)など、に取り付けられている。
【0010】
さらに別の実施形態は、
図3を参照して説明することができる。
図3は、様式化された(stylized)BHJデバイス設計を示し、且つ、ガラス基板2401と;ITO(錫ドープド酸化インジウム)電極2402と;界面層(IFL)2403と;光活性層2404と;LiF/Alカソード2405とを含む。参照されるBHJ構造の材料は単なる例であり、当該技術分野において知られている他のいずれのBHJ構造を、本開示と一致して使用することができる。いくつかの実施形態では、光活性層2404は、
図4のデバイスの活性層又は光活性層2616が含むことができる1以上の材料を含むことができる。
【0011】
図1は、いくつかの実施形態によるDSSC PVの簡略化された図であり、このようなPVの組み立て(assembly)を例示する目的で、ここで参照される。
図1に示すDSSCの例は、以下のように構成することができる。電極層1506(フッ素ドープ酸化スズ、FTOとして示される)は、基板層1507(ガラスとして示される)の上に堆積される。(いくつかの実施形態ではTiO
2とすることができる)メソポーラス層ML 1505を電極層1506上に堆積させ、次いで光電極(これまで基板層1507、電極層1506、及びメソポーラス層1505を含む)を溶媒及び染料内に浸漬する(図示せず)。これにより、染料1504がMLの表面に結合したままになる。基板層1501(ガラスとしても示される)及び電極層1502(Pt/FTOとして示される)を含む別個の対向電極が作製される。光電極と対向電極は、
図1に示すように、2つの基板層1501と1507との間に様々な層1502~1506を挟んで組み合わされ、且つ、電極層1502,1506をそれぞれカソード及びアノードとして利用できるようにする。電解質の層1503は、色素層(dye layer)1504の後に、又は典型的には対向電極基板1501にサンドブラストによって予め穴(hole)が開けられたデバイスの開口部(opening)を介して、完成した光電極上に直接堆積される。セルはまた、リード及び放電ユニット、例えば電池(battery)など、に取り付けられてもよい(図示せず)。基板層1507及び電極層1506、及び/又は基板層1501及び電極層1502は、太陽放射が光活性色素(photoactive dye)1504に通過するの(pass through to)を可能にするのに十分な透明性を有するべきである。いくつかの実施形態において、対向電極及び/又は光電極は、剛性である一方で、他のいずれか又は両方において、フレキシブルであり得る。様々な実施形態の基板層は、ガラス、ポリエチレン、PET、Kapton、石英、アルミニウムホイル、金箔、及び鋼のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。特定の実施形態では、DSSCは、
図2に示すように、入射光を散乱させて、デバイスの光活性層を通る(through)光の経路長を増加させるため(それにより、光が光活性層に吸収される可能性を高める)、集光性(light harvesting)層1601をさらに含むことができる。
【0012】
他の実施形態では、本開示は、固体状態のDSSCを提供する。いくつかの実施形態による固体状態のDSSCは、液状電解質を含むDSSCに影響を及ぼす漏れ及び/又は腐食の問題の欠如などの利点を提供し得る。さらに、固体状態の電荷キャリアは、より速いデバイス物理(例えば、より速い電荷輸送)を提供し得る。加えて、固体状態の電解質は、いくつかの実施形態では、光活性であり得、及びしたがって、固体状態のDSSCデバイスに由来する電力に寄与し得る。
【0013】
固体状態のDSSCのいくつかの例は、典型的な固体状態のDSSCの模式図である
図5を参照して説明することができる。例えば、
図4に示されている例示的な太陽電池(solar cell)と同様に、第1及び第2の活性(例えば、導電性及び/又は半導電性)材料(それぞれ2810及び2815)からなる活性層は、電極2805及び2820(
図5ではそれぞれPt/FTO及びFTOとして示される)の間に挟まれる。
図5に示す実施形態において、第1の活物質(active material)2810は、p型活物質であり、且つ、固体電解質を含む。特定の実施形態では、第1の活物質2810は、スピロ-OMeTAD及び/又はポリ(3-ヘキシルチオフェン)などの有機材料、無機2元(binary)、3元(ternary)、4元(quaternary)又はそれ以上の錯体(complex)、いずれの固体半導電性材料、又はそれらのいずれの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の活物質は、酸化物及び/又は硫化物、及び/又はセレン化物、及び/又はヨウ化物(例えば、CsSnI
3)を追加又は代わりに含むことができる。したがって、例えば、いくつかの実施形態の第1の活性材料は、銅インジウム硫化物を含むことができる固体状態のp型材料を含むことができ、且つ、いくつかの実施形態では、セレン化銅インジウムガリウムを含むことができる。
図5に示す第2の活物質2815は、n型活物質であり、且つ、染料で被覆されたTiO
2を含む。いくつかの実施形態では、第2の活性材料は同様に、スピロ-OMeTADなどの有機材料、無機2元、3元、4元又はそれ以上の錯体、又はそれらいずれの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の活性材料は、アルミナなどの酸化物を含むことができ、及び/又は硫化物を含むことができ、及び/又はセレン化物を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、第2の活性材料は硫化銅インジウムを含むことができ、且つ、いくつかの実施形態では、銅インジウムガリウムセレン化金属を含むことができる。いくつかの実施形態の第2の活性材料2815は、メソポーラス層を構成することができる。さらに、活性であることに加えて、第1及び第2の活性材料2810及び2815のいずれか又は両方が光活性であってもよい。他の実施形態(
図5には示されていない)では、第2の活性材料は固体電解質を含むことができる。加えて、第1及び第2の活物質2810及び2815のいずれかが固体電解質を含む実施形態では、PVデバイスは、有効量の液体電解質を欠いていてもよい。p型として
図5に示され、且つ、参照されるにもかかわらず、固体状態の層(例えば、固体電解質を含む第1の活物質)は、いくつかの実施形態では、代わりに、n型の半導体であってもよい。そのような実施形態では、色素で被覆された第2の活物質(例えば、
図5に示すようなTiO
2(又は他のメソポーラス材料))は、p型半導電性であってもよい(
図5について示され、及び議論されたn型半導電性とは対照的に)。
【0014】
基板層2801及び2825(いずれも
図5ではガラスとして示されている)は、
図5の例示的なセルのそれぞれの外部上部及び下部層を形成する。これらの層は、第1及び第2の活性及び/又は光活性材料2810及び2815を含む活性/光活性層に太陽放射線を通過させるのに十分な透明性を有する任意の材料、例えばガラス、ポリエチレン、PET、Kapton、石英、アルミニウム箔、金箔、及び/又は鋼など、を含むことができる。さらに、
図5に示す実施形態では、電極2805(Pt/FTOとして示す)はカソードであり、且つ、電極2820はアノードである。
図4に描かれる例示的な太陽電池と同様に、太陽放射線は基板層2825及び電極2820を貫通して(passes through)活性層に入り、その際太陽放射線の少なくとも一部が吸収されて、それにより発電を可能にする1つ以上の励起子(excitons、エキシトン)を生成する。
【0015】
いくつかの実施形態による固体状態のDSSCは、
図1に示すDSSCに関して上述したものと実質的に同様の方法で構成することができる。
図5に示す実施形態では、p型活物質2810は、
図1における電解質1503に対応し;n型活性材料2815は、
図1の色素(dye)1504及びMLの両方に対応し;電極2805及び2820はそれぞれ
図1の電極層1502及び1520に対応し;且つ、基板層2801及び2825はそれぞれ基板層1501及び1507に対応する。
【0016】
本開示の様々な実施形態は、太陽電池及び他のデバイスの様々な態様における、とりわけ、活物質(正孔輸送(hole-transport)及び/又は電子輸送層を含む)、界面層、及び全体的なデバイス設計などを含む、改善された材料及び/又は設計を提供する。
【0017】
界面層
本開示は、いくつかの実施形態において、薄膜コート(thin-coat)IFLを含む、PV内の1以上の界面層の有利な材料及び設計を提供する。薄膜コートIFLは、本明細書で論じる様々な実施形態によるPVの1以上のIFLにおいて利用することができる。
【0018】
先ず第1に、先に述べたように、1以上のIFL(例えば、
図4に示すIFL 2626及び2627のいずれか又は両方)は、自己組織化単分子膜(self-assembled monolayer,SAM)として、又は薄膜として、本開示の光活性有機化合物を含むことができる。本開示の光活性有機化合物がSAMとして適用される場合、前記光活性有機化合物(it)は、結合基(binding group)を含み得る。前記光活性有機化合物(it)は、前記結合基(which)を介して、アノード及びカソードのいずれか又は両方の表面に共有結合又は他の方法で結合され得る。いくつかの実施形態の結合基は、COOH、SiX
3(ここで、Xは、3級(tertiary)ケイ素化合物、例えばSi(OR)
3及びSiCl
3など、を形成するのに好適ないずれの部分であり得る)、SO
3、PO
4H、OH、CH
2X(ここで、Xは第17族ハロゲン化物を含み得る)、及びOのいずれか1以上を含んでよい。結合基は、電子求引性部分、電子供与体(donor)部分及び/又はコア部分に共有結合又は他の方法で結合され得る。結合基は、厚さが単一の分子(a single molecule)(又は、いくつかの実施形態では複数の(multiple)分子)の指向性の(directional)組織化層を形成するようなやり方で、電極表面に付着してもよい(例えば、複数の光活性有機化合物がアノード及び/又はカソードに結合する場合)。言及したように、SAMは共有結合相互作用を介して付着し得るが、いくつかの実施形態では、イオン性、水素結合、及び/又は分散力(すなわち、ファンデルワールス)相互作用を介して付着し得る。さらに、特定の実施形態では、露光時に、SAMが双性イオン励起状態に進入してよく、それにより、活性層から電極(例えば、アノード又はカソードのいずれか)に電荷キャリアを向けることができる高度に分極したIFLを生成することができる。この増強された電荷キャリア注入は、いくつかの実施形態では、活性層の横断面を電子的にポーリングする(poling)ことにより、及び従って、それらそれぞれの電極に向かって電荷キャリアドリフト速度を増加させることにより、達成することができる(例えば、アノードに対する(to)正孔;カソードに対する電子)。いくつかの実施形態のアノード用途(applications)のための分子は、コア部分に結合した一次電子供与体部分を含む、調整可能な(tunable)化合物を含むことができる。前記コア部分(which)は次に(in turn)電子吸引部分に結合し、前記電子吸引部分(which)は次に結合基に結合している。いくつかの実施形態によるカソード用途において、IFL分子は、コア部分に結合した電子不十分(electron poor)部分を含むことができる。前記コア部分(which)は次に(in turn)電子供与体部分に結合し、前記電子供与体部分(which)は次に結合基に結合している。光活性有機化合物が、このような実施形態によるIFLとして利用される場合、光活性特性を保持することができるが、いくつかの実施形態では光活性である必要はない。
【0019】
光活性有機化合物SAM IFLに加えて、又はその代わりに、いくつかの実施形態によるPVは、このような実施形態の第1のもしくは第2の活物質いずれかの少なくとも一部にコーティングされた薄い界面層(「薄膜コート(thin-coat)界面層(interfacial layer)」又は「薄膜コートIFL」)を含むことができる(例えば、
図5に示すような第1の又は第2の活物質2810又は2815)。そして、次に(in turn)、薄膜コートIFLの少なくとも一部を染料でコーティングすることができる。薄膜コートIFLは、n型又はp型のいずれかであってもよく;いくつかの実施形態では、薄膜コートIFL(it)は、下層の(underlying)材料として同一タイプからなってよい(例えば、TiO
2又は他のメソポーラス材料、例えば第2の活物質2815のTiO
2など)。第2の活物質は、アルミナ(例えば、Al
2O
3)(
図5には示されていない)を含む薄膜コートIFLで被覆されたTiO
2を含むことができ、これは次に(in turn)色素(dye)で被覆される。本明細書におけるTiO
2及び/又はチタニアの言及は、本明細書に記載されているこのようなスズ酸化物化合物中のスズと酸化物との比率を限定するものではない。すなわち、チタニア化合物は、その様々な酸化状態のうちのいずれか1以上において治安を含むことができ(例えば、チタンI、チタンII、チタンIII、チタンIV)、及びしたがって、様々な実施形態は、チタン及び酸化物の化学量論的及び/又は非化学量論的量(non-stoichiometric amounts)を含むことができる。したがって、様々な実施形態は、(TiO
2の代わりに又はTiO
2に加えて)Ti
xO
yを含むことができ、ここでxは1~100の整数又は非整数であり得る。いくつかの実施形態では、xは約0.5と3との間であり得る。同様に、yは約1.5と4との間であってもよい(及びまた、整数である必要はない)。したがって、いくつかの実施形態は、例えば、TiO
2及び/又はTi
2O
3を含み得る。加えて、チタンと酸化物との間のあらゆる(whatever)比率又は組み合わせにおけるチタニアは、いくつかの実施形態では、アナターゼ、ルチル及びアモルファスのいずれか1以上を含む、いずれの1以上の結晶構造からなっていてよい。
【0020】
いくつかの実施形態の薄膜コートIFLで使用するための他の例示的な金属酸化物は、半導電性金属酸化物、例えばZnO、ZrO2、Nb2O3、SrTiO3、Ta2O3、NiO、WO3、V2O5又はMoO3など、を含むことができる。第2の(例えばn型)活物質が、Al2O3を含む薄膜コートIFLで被覆されたTiO2を含む、例示的実施形態は、例えば前駆物質、例えばAl(NO3)3・xH2Oなど、又はTiO2の上にAl2O3を堆積し、続いて(followed by)熱アニーリング及び色素コーティングするのに好適ないずれの他の材料で(with)形成され得る。代わりにMoO3コーティングが使用される例示的な実施形態では、当該コーティングは、Na2MoO4・2H2Oのような前駆物質で形成されてもよいのに対し;いくつかの実施形態によるV2O5コーティングは、NaVO3などの前駆物質で形成されてもよく、;且つ、いくつかの実施形態によるWO3コーティングは、NaWO4・H2Oなどの前駆物質で形成することができる。前駆物質(例えば、Al(NO3)3・xH2O)の濃度は、TiO2又は他の活物質上に堆積した(ここではAl2O3からなる)最終膜の厚さに影響を及ぼす可能性がある。したがって、前駆物質の濃度を変更することは、最終的な膜厚を制御することができる方法であり得る。例えば、より大きい膜厚は、より大きな前駆物質濃度に起因し得る。より大きい膜厚は、金属酸化物コーティングを含むPVデバイスにおいて必ずしもより大きなPCE(パワー変換効率)をもたらすとは限らない。したがって、いくつかの実施形態の1方法は、約0.5~10.0mMの範囲の濃度を有する前駆物質を用いてTiO2(又は他のメソポーラス)層をコーティングすることを含むことができ、;他の実施形態は、約2.0~6.0mMの範囲の濃度を有する前駆物質で当該層をコーティングすることを含むことができ、;又は、又は他の実施形態では、約2.5~5.5mMである。
【0021】
さらに、本明細書ではA12O3及び/又はアルミナと称するが、アルミニウムと酸素との様々な比率がアルミナの形成において使用され得ることに留意すべきである。したがって、本明細書で論じられるいくつかの実施形態はA12O3を参照して説明されるが、そのような説明は、酸素中のアルミニウムの要求される比率を規定することを意図するものではない。むしろ、実施形態は、各々がAlxOy(ここで、xは、約1と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る)に従った酸化アルミニウム比を有する、いずれの1つ以上のアルミニウム-酸化物化合物を含み得る。いくつかの実施形態において、xは約1と3との間であり得る(及びまた、整数である必要はない)。同様に、yは、0.1と100と間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る。いくつかの実施形態において、yは2と4との間であり得る(及びまた、整数である必要はない)。加えて、様々な実施形態において、AlxOyの様々な結晶形態、例えばアルミナのアルファ、ガンマ、及び/又はアモルファス形態、が存在してもよい。
【0022】
同様に、本明細書ではMoO3、WO3及びV2O5と称するが、代わりに、又は加えて、そのような化合物はMoxOy、WxOy及びVxOyとしてそれぞれ表すことができる。MoxOy及びWxOyのそれぞれについて、xは、約0.5と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る;いくつかの実施形態では、x(it)は約0.5と1.5との間であり得る。同様に、yは、約1と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る。いくつかの実施形態では、yは約1と4との間であり得る。VxOyについて、xは、約0.5と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る;いくつかの実施形態では、x(it)は約0.5と1.5との間であり得る。同様に、yは、約1と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る。;特定の実施形態では、y(it)は約1と10との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る。
【0023】
同様に、本明細書のいくつかの例示的な実施形態におけるCsSnI3への言及は、様々な実施形態によるセシウム-スズ-ヨウ素化合物の構成元素(component elements)の比率を限定することを意図するものではない。いくつかの実施形態は、スズ及びヨウ化物の化学量論的及び/又は非化学量論的な量を含むことができ、及びしたがって、そのような実施形態は、代わりに又は加えて、セシウム、スズ、及びヨウ素について様々な非率、例えば各々がCsxSnyIzの比率を有する、いずれか1以上のセシウム-スズ-ヨウ素化合物など、を含むことができる。このような実施形態では、xは、0.1と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る。いくつかの実施形態では、xは約0.5と1.5との間であり得る(及びまた、整数である必要はない)。同様に、yは、0.1と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る。いくつかの実施形態では、yは約0.5と1.5との間であり得る(及びまた、整数である必要はない)。同様に、zは、0.1と100との間のいずれの値、整数又は非整数、であり得る。いくつかの実施形態では、zは約2.5と3.5との間であり得る。加えて、CsSnI3は、SnF2のような他の材料をドープされ又は配合されてもよい。CsSnI3:SnF2の比率は、0.1:1~100:1の範囲であり、その間のすべての値(整数及び非整数)を含む。
【0024】
加えて、薄膜コートIFLは、二重層を含むことができる。したがって、薄膜コートIFLが金属酸化物(アルミナなど)を含む例に戻ると、薄膜コートIFLは、TiO2プラス金属酸化物を含むことができる。このような薄膜コートIFLは、メソポーラスTiO2又は他の活物質単独と比較して、電荷再結合に抵抗する能力がより高いことがある。さらに、TiO2層の形成において、本開示のいくつかの実施形態によれば、TiO2粒子の十分な物理的相互接続を提供するために、2次TiO2コーティングがしばしば必要である。二重層薄膜コートIFLをメソポーラスTiO2(又は他のメソポーラス活物質)の上にコーティングすることは、金属酸化物とTiCl4との両方を含む化合物を用いたコーティングの組み合わせを含みことができ、金属酸化物と2次TiO2コーティングとの組み合わせを含む二重層薄膜コートIFLをもたらし、これは、それ自身の上にいずれかの材料を使用するよりも性能の向上をもたらす可能性がある。
【0025】
薄膜コートIFL及びこれらを前述のTiO
2の上にコーティングする方法は、いくつかの実施形態では、液体電解質を含むDSSCにおいて利用することができる。したがって、薄膜コートIFLの例に戻り、且つ、例えば
図1に戻って参照すると、
図1のDSSCは、メソポーラス層1505の上にコーティングされた、上記の薄膜コートIFLをさらに含むことができる(すなわち、薄膜コートIFLがメソポーラス層1505と色素1504との間に挿入されることになる)。
【0026】
いくつかの実施形態では、DSSCの文脈で先に議論された薄膜コートIFLは、PV(例えば、ハイブリッドPV又は他のPV)、電界効果トランジスタ、発光ダイオード、非線形光学デバイス、メモリスタ(memristor)、キャパシタ、整流器、整流アンテナ(rectifying antennas,レクテナ)などの半導体デバイスのいずれの界面層において使用することができる。さらに、いくつかの実施形態の薄膜コートIFLは、本開示で論じられる他の化合物と組み合わせて様々なデバイスのいずれかにおいて利用することができる。本開示の様々な実施形態の以下のもの:
固体正孔輸送物質及び添加剤(例えば、いくつかの実施形態では、ケノデオキシコール酸又は1,8-ジヨードオクタンなど)、
のいずれか1以上を含む(但し、これらに限定されない)。
【0027】
添加剤
前述のように、いくつかの実施形態によるPV及び他のデバイスは、添加剤(例えば、酢酸、プロパン酸、トリフルオロ酢酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、1,8-ジヨードオクタン及び1,8-ジチオオクタンのうちいずれか1つ以上であり得る)を包含し得る。そのような添加剤は、染料浸漬の直前に前処理として利用してもよいか、又は染料と様々な比率で混合して浸漬溶液を形成することができる。これらの添加剤は、場合によっては、例えば、開いた活性部位をブロックすることにより、及び色素分子間で分子秩序を誘導することにより、色素の溶解性を高め、色素分子のクラスター化を防ぐように機能し得る。それらは、本明細書で議論されるような本開示の様々な実施形態による光活性化合物を包含する、任意の好適な染料とともに使用されてもよい。
【0028】
ペロブスカイト材料
ペロブスカイト材料は、PV又は他のデバイスの1以上の態様に組み込むことができる。いくつかの実施形態によるペロブスカイト材料は、一般式CwMyXzのものであってもよく、式中、:
Cは1以上のカチオン(例えば、アミン、アンモニウム、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様化合物)を含み;
Mは、1以上の金属(Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Tl、In、Sb、Sn、Pb、Bi、Ga、Ge、Ti及びZnを含む)を含み;
Xは1以上のアニオンを含み;且つ、
w、y、及びzは、1~20の実数を表す。いくつかの実施形態において、Cは、1以上の有機カチオンを含み得る。いくつかの実施形態において、各有機カチオンCは各金属Mより大きくてもよく、各アニオンXはカチオンCと金属Mの両方と結合することができてもよい。特定の実施形態において、ペロブスカイト材料は式CMX3であってもよい。
【0029】
特定の実施形態において、Cは、アンモニウム、一般式[NR4]+(式中、R基は同一又は異なる基であり得る)の有機カチオンを含み得る。好適なR基は、:
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基又はそれらの異性体;
いずれのアルカン、アルケン又はアルキンCxHy(式中、x=1~20、y=1~42、環式、分枝状又は直鎖);
アルキルハライド、CxHyXz(式中、x=1~20、y=0~42、z=1~42、X=F、Cl、Br又はI);
いずれの芳香族基(例えば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、ピリジン、ナフタレン);
少なくとも1つの窒素が環内に含まれる、環状錯体(例えば、ピリジン、ピロール、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロキノリン);
いずれの硫黄含有基(例えば、スルホキシド、チオール、アルキルスルフィド);
いずれの窒素含有基(ニトロキシド、アミン);
いずれの亜リン酸(phosphorous)含有基(ホスフェート(phosphate,リン酸エステル));
いずれのホウ素含有基(例えば、ボロン酸);
いずれの有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸)、及びそのエステル又はアミド誘導体;
アルファ、ベータ、ガンマ、及びより大きな誘導体を含むいずれのアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸);
いずれのケイ素含有基(例えば、シロキサン);及び
いずれのアルコキシ又は-OCxHy基、(式中、x=0~20、y=1~42);
を含む(ただし、これらに限定されない)。
【0030】
特定の実施形態では、Cはホルムアミジニウムであって、一般式[R2NCRNR2]+の有機カチオンを含むことができる。式中、R基は同一又は異なる基であってもよい。好適なR基は、:
水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基又はそれらの異性体;
いずれのアルカン、アルケン、又はアルキンCxHy(式中、x=1~20、y=1~42、環式、分枝状又は直鎖);
アルキルハライド、CxHyXz(式中、x=1~20、y=0~42、z=1~42、X=F、Cl、Br又はI);
いずれの芳香族基(例えば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、ピリジン、ナフタレン);
少なくとも1つの窒素が環内に含まれる、環状錯体(例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ジヒドロピリミジン、(アゾリジニリデンメチル)ピロリジン、トリアゾール);
いずれの硫黄含有基(例えば、スルホキシド、チオール、アルキルスルフィド);
いずれの窒素含有基(ニトロキシド、アミン);
いずれの亜リン酸(phosphorous)含有基(ホスフェート(phosphate,リン酸エステル));
いずれのホウ素含有基(例えば、ボロン酸);
いずれの有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸)、及びそのエステル又はアミド誘導体;
アルファ、ベータ、ガンマ、及びより大きな誘導体を含むいずれのアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸);
いずれのケイ素含有基(例えば、シロキサン);及び
いずれのアルコキシ又は-OCxHy基、(式中、x=0~20、y=1~42);
を含む(ただし、これらに限定されない)。
【0031】
【0032】
式1は、上記のような一般式[R2NCRNR2]+を有するホルムアミジニウムカチオンの構造を示す。
【0033】
式2(Formula 2)は、ペロブスカイト材料中のカチオン「C」として働き得るいくつかのホルムアミジニウムカチオンの例示的構造を示す。
【0034】
【0035】
特定の実施形態において、Cは、グアニジニウムであって、一般式[(R2N)2C=NR2]+の有機カチオン、を含むことができ、式中、R基は同一又は異なる基であってもよい。好適なR基は、:
水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基又はそれらの異性体;
いずれのアルカン、アルケン、又はアルキンCxHy(式中、x=1~20、y=1~42、環式、分枝状又は直鎖);
アルキルハライド、CxHyXz(式中、x=1~20、y=0~42、z=1~42、X=F、Cl、Br又はI);
いずれの芳香族基(例えば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、ピリジン、ナフタレン);
少なくとも1つの窒素が環内に含まれる、環状錯体(例えば、オクタヒドロピリミド[1,2-a]ピリミジン、ピリミド[1,2-a]ピリミジン、ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]イミダゾール、ヘキサヒドロピリミジン-2-イミン);
いずれの硫黄含有基(例えば、スルホキシド、チオール、アルキルスルフィド);
いずれの窒素含有基(ニトロキシド、アミン);
いずれの亜リン酸(phosphorous)含有基(ホスフェート(phosphate,リン酸エステル));
いずれのホウ素含有基(例えば、ボロン酸);
いずれの有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸)、及びそのエステル又はアミド誘導体;
アルファ、ベータ、ガンマ、及びより大きな誘導体を含むいずれのアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸);
いずれのケイ素含有基(例えば、シロキサン);及び
いずれのアルコキシ又は-OCxHy基、(式中、x=0~20、y=1~42);
を含む(ただし、これらに限定されない)。
【0036】
【0037】
式3は、上記のような一般式[(R2N)2C=NR2]+を有するグアニジニウムカチオンの構造を示す。式4(Formula 4)は、ペロブスカイト材料中のカチオン「C」として働くことができるいくつかのグアニジニウムカチオンの構造の例を示す。
【0038】
【0039】
特定の実施形態において、Cは、エテンテトラミンカチオンであって、一般式[(R2N)2C=C(NR2)2]+の有機カチオン、を含むことができ、式中、R基は同一又は異なる基であってもよい。好適なR基は、:
水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基又はそれらの異性体;
いずれのアルカン、アルケン、又はアルキンCxHy(式中、x=1~20、y=1~42、環式、分枝状又は直鎖);
アルキルハライド、CxHyXz(式中、x=1~20、y=0~42、z=1~42、X=F、Cl、Br又はI);
いずれの芳香族基(例えば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、ピリジン、ナフタレン);
少なくとも1つの窒素が環内に含まれる、環状錯体(例えば、2-ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデンヘキサヒドロピリミジン、オクタヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン、ピラジノ[2,3-b]ピラジン、キノキサリノ[2,3-b]キノキサリン);
いずれの硫黄含有基(例えば、スルホキシド、チオール、アルキルスルフィド);
いずれの窒素含有基(ニトロキシド、アミン);
いずれの亜リン酸(phosphorous)含有基(ホスフェート(phosphate,リン酸エステル));
いずれのホウ素含有基(例えば、ボロン酸);
いずれの有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸)、及びそのエステル又はアミド誘導体;
アルファ、ベータ、ガンマ、及びより大きな誘導体を含むいずれのアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸);
いずれのケイ素含有基(例えば、シロキサン);及び
いずれのアルコキシ又は-OCxHy基、(式中、x=0~20、y=1~42);
を含む(ただし、これらに限定されない)。
【0040】
【0041】
式5は、上記のような一般式[(R2N)2C=C(NR2)2]+を有するエテンテトラミンカチオンの構造を示す。式6(Formula 6)は、ペロブスカイト材料中のカチオン「C」として働くことができるいくつかのグアニジニウムカチオンの構造の例を示す。
【0042】
【0043】
特定の実施形態において、Cは、イミダゾリウムカチオンであって、一般式[CRNRCRNRCR]+の芳香族環状有機カチオン、を含むことができ、式中、R基は同一又は異なる基であってもよい。好適なR基は、:
水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基又はそれらの異性体;
いずれのアルカン、アルケン、又はアルキンCxHy(式中、x=1~20、y=1~42、環式、分枝状又は直鎖);
アルキルハライド、CxHyXz(式中、x=1~20、y=0~42、z=1~42、X=F、Cl、Br又はI);
いずれの芳香族基(例えば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、ピリジン、ナフタレン);
少なくとも1つの窒素が環内に含まれる、環状錯体(例えば、2-ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデンヘキサヒドロピリミジン、オクタヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン、ピラジノ[2,3-b]ピラジン、キノキサリノ[2,3-b]キノキサリン);
いずれの硫黄含有基(例えば、スルホキシド、チオール、アルキルスルフィド);
いずれの窒素含有基(ニトロキシド、アミン);
いずれの亜リン酸(phosphorous)含有基(ホスフェート(phosphate,リン酸エステル));
いずれのホウ素含有基(例えば、ボロン酸);
いずれの有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸)、及びそのエステル又はアミド誘導体;
アルファ、ベータ、ガンマ、及びより大きな誘導体を含むいずれのアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸);
いずれのケイ素含有基(例えば、シロキサン);及び
いずれのアルコキシ又は-OCxHy基、(式中、x=0~20、y=1~42);
を含む(ただし、これらに限定されない)。
【0044】
【0045】
いくつかの実施形態において、Xは、1以上のハロゲン化物を含み得る。特定の実施形態において、Xは、代わりに、又は加えて、第16族のアニオンを含み得る。特定の実施形態では、第16族のアニオンはスルフィド又はセレン化物であってもよい。特定の実施形態において、Xは、代わりに、又は加えて、1以上の擬ハロゲン化物(pseudohalides)(例えば、シアン化物、シアネート、イソシアネート、フルミネート、チオシアネート、イソチオシアネート、アジド、テトラカルボニルコバルト酸塩、カルバモイルジシアノメタニド、ジシアノニトロソメタニド、ジシアンアミド及びトリシアノメタニド)を含んでいてもよい。
【0046】
一実施形態において、ペロブスカイト材料は、実験式CMX3を含むことができる。ここで、Cは、前述のカチオンのうち1つ以上、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様化合物を含む;Mは1つ以上の金属(Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Sb、Sn、Pb、Bi、Ga、Ge、Ti、Tl、及びZnを包含する例)を含む;Xは前述のアニオンのうち1つ以上を含む。
【0047】
一実施形態において、ペロブスカイト材料は、実験式C3M2X9を含むことができる。ここで、Cは、前述のカチオンのうち1つ以上、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様化合物を含む;Mは1つ以上の金属(Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Sb、Sn、Pb、Bi、Ga、Ge、Ti、Tl、及びZnを包含する例)を含む;Xは前述のアニオンのうち1つ以上を含む。
【0048】
一実施形態において、ペロブスカイト材料は、実験式CM2X7を含むことができる。ここで、Cは、前述のカチオンのうち1つ以上、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様化合物を含む;Mは1つ以上の金属(Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Sb、Sn、Pb、Bi、Ga、Ge、Ti、Tl、及びZnを包含する例)を含む;Xは前述のアニオンのうち1つ以上を含む。
【0049】
一実施形態において、ペロブスカイト材料は、実験式C2MX4を含むことができる。ここで、Cは、前述のカチオンのうち1つ以上、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様化合物を含む;Mは1つ以上の金属(Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Sb、Sn、Pb、Bi、Ga、Ge、Ti、Tl、及びZnを包含する例)を含む;Xは前述のアニオンのうち1つ以上を含む。
【0050】
ペロブスカイト材料はまた、混合イオン配合物(formulations)も含み得る。ここで、C、M、又はXは2つ以上の化学種、例えば、Cs0.1FA0.9PbI3;FAPb0.5Sn0.5I3;FA0.83Cs0.17Pb(I0.6Br0.4)3;FA0.83Cs0.12Rb0.05Pb(I0.6Br0.4)3 及び FA0.85MA0.15Pb(I0.85Br0.15)3;を含む。様々な実施形態によるペロブスカイト材料の例は、CsSnI3(本明細書において先に論じた)及びCsxSnyIz(x、y、及びzは前述の議論に従って変化する)を包含する。他の例は、一般式CsSnX3の化合物を含み、式中、Xは、
I3、I2.95F0.05;I2Cl;ICl2;及びCl3;
のいずれか1以上であり得る。他の実施形態では、Xは、Cs及びSnと比較したXの合計比がCsSnX3の一般化学量論をもたらすような量で、I、Cl、F及びBrのいずれか1以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、Xを構成する元素(elements)の組み合わせた化学量論は、CsxSnyIzに関して先に論じたI2と同じ規則に従うことができる。さらに他の例は、一般式RNH3PbX3を含み、式中、RはCnH2n+1であり得、nは0~10の範囲であり、且つ、Xは、カチオンRNH3及び金属Pbと比較したXの合計比がRNH3PbX3の一般化学量論をもたらすような量で、F、Cl、Br及びIのいずれか1以上を含むことができる。さらに、Rのいくつかの具体例は、H、アルキル鎖(例えば、CH3、CH3CH2、CH3CH2CH2など)及び、アルファ、ベータ、ガンマ、及びより大きな誘導体を含むアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸)を含む。
【0051】
複合ペロブスカイト材料デバイス設計
いくつかの実施形態では、本開示は、1以上のペロブスカイト材料を含むPV及び他の同様のデバイス(例えば、バッテリ、ハイブリッドPVバッテリ、FET、LEDなど)の複合設計を提供することができる。例えば、1以上のペロブスカイト材料は、いくつかの実施形態の第1の活物質及び第2の活物質(例えば、
図5の活物質2810及び2815)のいずれか又は両方として役立ち得る。より一般的に言えば、本開示のいくつかの実施形態は、1以上のペロブスカイト材料を含む活性層を有するPV又は他のデバイスを提供する。そのような実施形態では、ペロブスカイト材料(すなわち、いずれの1以上のペロブスカイト材料(複数可)を含む材料)を様々な構造の活性層に利用することができる。さらに、ペロブスカイト材料は、活性層(例えば、電荷輸送材料、メソポーラス材料、光活性材料、及び/又は界面材料であって、これらの各々は以下により詳しく論ずる)のいずれか1以上の構成成分の機能(複数可)を果たすことができる。いくつかの実施形態では、同一のペロブスカイト材料が複数の(multiple)このような機能を果たすことができるが、他の実施形態では、複数の(a plurality of)ペロブスカイト材料がデバイスに含まれてもよく、各ペロブスカイト材料が1以上のこのような機能を果たす。特定の実施形態では、ペロブスカイト材料がどのような役割を果たすことができるかにかかわらず、ペロブスカイト材料(it)は、様々な状態のデバイス内で調製され、及び/又は存在することができる。例えば、いくつかの実施形態では、それは実質的に固体(solid、ソリッド)であってもよい。他の実施形態では、それは、溶液であってもよい(例えば、ペロブスカイト材料を液体に溶解し、且つ、その前記液体中に個々のイオン亜種(ionic subspecies)で存在させることができる)。又はそれは懸濁液であってもよい(例えば、ペロブスカイト材料粒子)。溶液又は懸濁液は、デバイス内でにコーティング又は他の方法で堆積されてもよい(例えば、当該デバイスの別の構成要素(component)、例えばメソポーラス、界面、電荷輸送、光活性、又は他の層など、の上に、及び/又は電極の上に)。いくつかの実施形態におけるペロブスカイト材料は、デバイスの別の構成要素の表面上にin situで形成されてもよい(例えば、薄膜固体として蒸着することによって)。ペロブスカイト材料を含む固体又は液体層を形成するいずれの他の好適な手段を利用することができる。
【0052】
一般に、ペロブスカイト材料デバイスは、第1の電極と、第2の電極と、ペロブスカイト材料を含む活性層とを含み、前記活性層は、第1の電極と第2の電極との間に少なくとも部分的に配置される。いくつかの実施形態では、第1の電極は、アノード及びカソードのうちの一方であり得、且つ、第2の電極は、アノード及びカソードの他方であり得る。特定の実施形態による活性層は、:
電荷輸送材料;液体電解質;メソポーラス材料;光活性材料(例えば、色素(dye)、ケイ素、テルル化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化銅インジウムガリウム、ヒ化ガリウム、リン化ゲルマニウムインジウム、半導電性ポリマー、他の光活物質);及び界面材料;
のいずれか1以上を含む、いずれの1つ以上の活性層成分を含むことができる。これらの活性層成分のいずれか1以上は、1以上のペロブスカイト材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、活性層成分の一部又は全部は、全体又は部分的にサブ層内に配置されてもよい。例えば、活性層は、:
界面材料を含む界面層;メソポーラス材料を含むメソポーラス層;及び電荷輸送材料を含む電荷輸送層;
のいずれか1以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、色素などの光活物質は、これらの層のいずれか1以上の上にコーティングされてもよく、又は他の方法で配置されてもよい。特定の実施形態では、いずれの1つ以上の層を液体電解質で被覆することができる。さらに、界面層は、
いくつかの実施形態によれば、活性層のいずれか2つ以上の他の層の間に、及び/又は
1つの層と1つのコーティングとの間に(例えば、色素とメソポーラス層との間に)、及び/又は
2つコーティングの間に(例えば、液体電解質と染料との間に)、及び/又は
活性層成分と電極との間に、
含めることができる。本書における複数層(layers)への言及は、どちらか一方の(either)最終的な配置(arrangement)(例えば、装置内に別個に規定可能な各材料の実質的に別個の部分)を含むことができ、及び/又は単数層(a layer)への言及は、各層における材料(複数可)のその後の混合(intermixing)の可能性にもかかわらず、デバイスの構築中の配置(arrangement)を意味することができる。いくつかの実施形態では、複数層は別個で(discrete)あり得、且つ、実質的に連続した(contiguous)材料を含むことができる(例えば、複数層は、
図1に様式的に示されているようにすることができる)。他の実施形態では、複数層は、実質的に混合されてもよい(例えば、BHJ、ハイブリッド及びいくつかのDSSCセルの場合のように)。その一例は、
図4における光活性層2616内の第1の活物質及び第2の活物質、2618及び2620、によって示される。いくつかの実施形態では、デバイスは、
図4のデバイスによっても示されるように、これらの2種類の層の混合物を含むことができる。
図4のデバイス(which)は、第1の活物質及び第2の活物質、2618及び2620、の混合層(intermixed layers)を含む光活性層2616に加えて、別個の連続層(discrete contiguous layers)2627,2626、及び2622を含む。いずれにせよ、特定の実施形態では、いずれの種類のいずれか2つ以上の層が、高い接触表面積を達成するような方法で互いに隣接して(及び/又は互いに混合して)配置されてもよい。特定の実施形態では、ペロブスカイト材料を含む層は、高い接触表面積を達成するように、1つ以上の他の層に隣接して配置されてもよい(例えば、ペロブスカイト材料が低い電荷移動度を示す場合)。他の実施形態では、高い接触表面積は必要でなくてもよい(例えば、ペロブスカイト材料が高い電荷移動度を示す場合)。
【0053】
いくつかの実施形態によるペロブスカイト材料デバイスは、場合によって、1以上の基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の電極及び第2の電極のいずれか又は両方は、電極が実質的に基板と活性層との間に配置されるように、基板の上にコーティング又は他の方法で配置されてもよい。デバイスの構成(composition)の材料(例えば、基板、電極、活性層及び/又は活性層構成要素)は、様々な実施形態において、全体的又は部分的に剛性又は可撓性のいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、電極が基板として機能してもよく、それによって別個の(separate)基板の必要性が否定される。
【0054】
さらに、特定の実施形態によるペロブスカイト材料デバイスは、集光性(light-harvesting)材料(例えば、
図2に示される例示的PVにおいて描かれるような集光性層1601のような集光性層において)を場合によって含むことができる。加えて、ペロブスカイト材料デバイスは、本開示のいくつかの実施形態に関して上で論じた添加剤のいずれか1以上のような、いずれか1以上の添加剤を含むことができる。
【0055】
ペロブスカイト材料デバイス装置に含めることができる様々な材料のいくつかの説明は、
図7を参照して部分的に行う。
図7は、いくつかの実施形態によるペロブスカイト材料デバイス3900の様式化された図である。デバイス3900の様々な構成要素(components)は、連続的な材料を含む別個の層(discrete layers)として示されているが、
図7は様式化された図であることを理解すべきである。したがって、それに従った実施形態は、このような別個の層、及び/又は実質的に混合された(intermixed)、非連続層を含むことができ、本明細書で先に論じた「層(layers)」の使用法と矛盾しない。デバイス3900は第1の基板及び第2の基板3901及び3913を含む。第1の電極3902は、第1の基板3901の内側表面上に配置され、且つ、第2の電極3912は、第2の基板3913の内側表面上に配置される。活性層3950は、2つの電極3902及び3912の間に挟まれている。活性層3950は、メソポーラス層3904;第1の光活性材料及び第2の光活性材料、3906及び3908;電荷輸送層3910、及びいくつかの界面層;を含む。
図7はさらに、実施形態による例示的なデバイス3900を示す。当該デバイスにおいて(wherein)、活性層3950のサブ層が界面層によって分離され、且つさらに当該デバイスにおいて(wherein)、界面層が各電極3902及び3912の上に配置される。特に、第2の界面層3905、第3の界面層3907及び第4の界面層3909はそれぞれ、メソポーラス層3904、第1の光活性材料3906、第2の光活性材料3908及び第3の電荷輸送層3910の各々の間に配置される。第1の界面層3903及び第5の界面層3911はそれぞれ、
(i)第1の電極3902とメソポーラス層3904との間に;及び、
(ii)電荷輸送層3910と第2の電極3912との間に;
配置される。従って、
図7に描かれた例示的デバイスの構造は、:
基板-電極-活性層-電極-基板
として特徴付けることができる。活性層3950の構造は、:
界面層-メソポーラス層-界面層-光活性材料-界面層-光活性材料-界面層-電荷輸送層-界面層
として特徴付けることができる。前述のように、いくつかの実施形態では、界面層が存在する必要はない。又は、1以上の界面層は、活性層の及び/又はデバイスの、特定の、但しすべてではない構成成分の間にのみ含まれていてもよい。
【0056】
基板、例えば第1の基板3901及び第2の基板3913のいずれか又は両方は、可撓性又は剛性であってもよい。2つの基板が含まれる場合、少なくとも一方は、電磁(EM)放射線(例えば、UV放射線、可視放射線、又はIR放射線など)に対して透明(transparent)又は半透明(translucent)でなければならない。1つの基板が含まれる場合、それは同様に透明又は半透明であってもよい。但し、デバイスの一部分は、EM放射線が活性層3950と接触することを可能にする限り、必ずしもそうである必要はない。好適な基板材料には、:
ガラス;サファイア;酸化マグネシウム(MgO);雲母;ポリマー(例えば、PET、PEG、ポリプロピレン、ポリエチレンなど);セラミックス;布地(fabrics)(例えば、綿、絹、羊毛);木材;ドライウォール(drywall);金属;及びそれらの組み合わせ;
のいずれか1以上を含む。
【0057】
前述したように、電極(例えば、
図7の電極3902及び3912の一方)は、アノード又はカソードのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、一方の電極はカソードとして機能することができ、且つ、他方はアノードとして機能することができる。電極3902及び3912のいずれか又は両方は、デバイス3900への及び/又はデバイス3900からの電荷輸送を可能にするリード線、ケーブル、ワイヤ、又は他の手段に結合され得る。電極は、いずれの導電性材料を構成し得、且つ、少なくとも1つの電極は、EM放射線に対して透明又は半透明でなければならず、及び/又はEM放射を活性層3950の少なくとも一部と接触させることができるように配置しなければならない。好適な電極材料は、:
インジウムスズ酸化物又はスズドープド酸化インジウム(ITO);フッ素ドープド酸化スズ(FTO);酸化カドミウム(CdO);亜鉛インジウムスズ酸化物(ZITO);アルミニウム亜鉛酸化物(AZO);アルミニウム(Al);金(Au);カルシウム(Ca);マグネシウム(Mg);チタン(Ti);鋼;炭素(及びその同素体);及びそれらの組み合わせ;
のいずれか1以上を含むことができる。
【0058】
メソポーラス材料(例えば、
図7のメソポーラス層3904に含まれる材料)は、いずれの細孔(pore)含有材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、細孔(pores)は、約1~約100nmの範囲の直径を有することができ、他の実施形態では、細孔直径は約2~約50nmの範囲であり得る。好適なメソポーラス材料は、
本明細書の他の箇所で論じられているいずれの界面材料及び/又はメソポーラス材料;アルミニウム(Al);ビスマス(Bi);インジウム(In);モリブデン(Mo);ニオブ(Nb);ニッケル(Ni);ケイ素(Si);チタン(Ti);バナジウム(V);亜鉛(Zn);ジルコニウム(Zr);上記金属のいずれか1以上の酸化物;上記金属のいずれか1以上の硫化物(例えば、アルミナ、セリア(ceria)、チタニア、酸化亜鉛、ジルコナ(zircona)など);上記金属のいずれか1以上の窒化物;及びそれらの組み合わせ;
のいずれか1以上を含む。
【0059】
光活性材料(例えば、
図7の第1の光活性材料3906又は第2の光活性材料3908)は、いずれの光活性化合物、例えば、ケイ素(場合によっては(in some instances)単結晶シリコン)、テルル化カドミウム、テルル化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化銅インジウムガリウム、ヒ化ガリウム、リン化ゲルマニウムインジウム、1以上の半導電性ポリマー、及びそれらの組み合わせ、のいずれか1以上を含むことができる。特定の実施形態では、光活性材料は、代わりに、又は加えて色素(例えば、N719、N3、他のルテニウムベースの色素)を含むことができる。いくつかの実施形態では、(いずれの組成の)色素を別の層(例えば、メソポーラス層及び/又は界面層)の上にコーティングすることができる。いくつかの実施形態では、光活性材料は、1つ以上のペロブスカイト材料を含むことができる。ペロブスカイト材料含有光活性材料は、固体形態(solid form)ものであってもよく、又はいくつかの実施形態では、ペロブスカイト材料を含む懸濁液又は溶液を含む色素の形態をとってもよい。そのような溶液又は懸濁液は、他の染料と同様の様式で他のデバイス構成要素の上にコーティングすることができる。いくつかの実施形態では、固体ペロブスカイト含有材料は、いずれの好適な手段によって堆積されてもよい(例えば、蒸着、溶液堆積、固体材料の直接配置など)。様々な実施形態によるデバイスは、1,2,3又はそれ以上の光活性化合物(例えば、1,2,3又はそれ以上のペロブスカイト材料、色素、又はそれらの組み合わせ)を含み得る。複数の(multiple)色素又は他の光活性材料を含む特定の実施形態では、2以上の色素又は他の光活性材料の各々は、1以上の界面層によって分離されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の(multiple)色素及び/又は光活性化合物が少なくとも部分的に混合されて(intermixed)いてもよい。
【0060】
電荷輸送材料(例えば、
図7の電荷輸送層3910の電荷輸送材料)は、固体電荷輸送材料(すなわち、口語的に(colloquially)標識された固体状態の電解質)を含むことができ、又は液体電解質及び/又はイオン性液体を含むことができる。液体電解質、イオン性液体及び固体状態の電荷輸送材料のいずれかは、電荷輸送材料と称することができる。本明細書で使用されるように、「電荷輸送材料」は、電荷キャリアを収集し、及び/又は電荷キャリアを輸送することができる、いずれの材料、固体、液体、又は他のものを指す。例えば、いくつかの実施形態によるPVデバイスでは、電荷輸送材料は電荷キャリアを電極に輸送することができる。電荷キャリアは、正孔(holes)(前記正孔(which)の輸送は、「正孔輸送材料」と適切に標識された通りに、電荷輸送材料を作ることができた)及び電子を含み得る。PV又は他のデバイスにおけるカソード又はアノードのいずれかに関連する、電荷輸送材料の配置に依存して、正孔(Holes)はアノードに向かって、且つ、電子はカソードに向かって輸送されてよい。いくつかの実施形態による電荷輸送材料の好適な例は、:
ペロブスカイト材料;I
-/I
3
-;Co錯体;ポリチオフェン(例えば、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)及びその誘導体、又はP3HT);カルバゾール系コポリマー、例えばポリヘプタデカニルカルバゾール ジチエニルベンゾチアジアゾール、及びその誘導体(例えば、PCDTBT);他のコポリマー、例えばポリシクロペンタジチオフェン-ベンゾチアジアゾール及びその誘導体(例えば、PCPDTBT);ポリ(トリアリールアミン)化合物及びその誘導体(例えば、PTAA);Spiro-OMeTAD;フラーレン及び/又はフラーレン誘導体(例えば、C60、PCBM);及びそれらの組み合わせ;
のいずれか1以上を含むことができる。特定の実施形態において、電荷輸送材料は、(電子又は正孔)を収集することができる、及び/又は電荷キャリアを輸送することができるいずれの材料、固体もしくは液体、を含むことができる。従って、いくつかの実施形態の電荷輸送材料は、n型もしくはp型活物質及び/又は半導電性材料であってもよい。電荷輸送材料は、デバイスの電極の一方に近接して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、電極(an electrode)に隣接して配置することができるが、他の実施形態では、電荷輸送材料と電極との間に界面層を配置することができる(例えば
図7において示すように、第5の界面層3911)。特定の実施形態では、電荷輸送材料のタイプは、それが近接している電極に基づいて選択することができる。例えば、電荷輸送材料が正孔を収集及び/又は輸送する場合、正孔をアノードに輸送するために、電荷輸送材料(it)は、アノードに近接していてもよい。しかし、それよりも、電荷輸送材料をカソードに近接して配置し、且つ、電子をカソードに輸送するように選択又は構成することができる。
【0061】
前述したように、様々な実施形態によるデバイスは、いずれの2つの他の層及び/又は材料の間に界面層を場合によって含むことができるが、いくつかの実施形態によるデバイスはいずれの界面層を含む必要はない。したがって、例えば、ペロブスカイト材料デバイスは、ゼロ、1,2,3,4,5又はそれ以上の界面層を含むことができる(例えば、5つの界面層3903,3905,3987,3909及び3911を含む、
図7の例示的デバイス)。界面層は、本明細書で以前に考察された実施形態による薄膜コート界面層を含むことができる(例えば、本明細書の他の箇所で論じたように、薄膜コート界面層に従って、アルミナ及び/又は他の金属酸化物粒子、及び/又はチタニア/金属酸化物二重層、及び/又は他の化合物を含む)。いくつかの実施形態による界面層は、2つの層もしくは材料間の電荷輸送及び/又は収集を促進するのに適したいずれの好適な材料を含むことができ;また、電荷が界面層に隣接する材料の1つから離れて移送されると、電荷再結合(recombination)の可能性(likelihood)を防止又は低減するのに役立つこともある。好適な界面材料は、:
本明細書の他の箇所で議論されるいずれのメソポーラス材料及び/又は界面材料;
Al;Bi;In;Mo;Ni;白金(Pt);Si;Ti;V;Nb;Zn;Zr;前記金属のいずれかの酸化物(例えば、アルミナ、シリカ、チタニア);前記金属のいずれかの硫化物;前記金属のいずれかの窒化物;官能化又は非官能化アルキルシリル基;グラファイト;グラフェン;フラーレン;カーボンナノチューブ;及びそれらの組み合わせ(いくつかの実施形態では、組み合わされた材料の二重層(bilayers)を含む);
のいずれか1以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、界面層は、ペロブスカイト材料を含むことができる。
【0062】
図7の様式化された表現によるデバイスは、いくつかの実施形態では、DSSC、BHJ、又はハイブリッド太陽電池のようなPVであってもよい。いくつかの実施形態では、
図7によるデバイスは、並列又は直列のマルチセルPV、バッテリ、ハイブリッドPVバッテリ、FET、LED、及び/又は本明細書で論じた他のいずれのデバイスを構成してもよい。例えば、いくつかの実施形態のBHJは、電極3902及び3912に対応する2つの電極と、ヘテロ接合界面において少なくとも2つの材料(例えば、活性層3950の材料及び/又は層のうちのいずれの2つ)を含む活性層と、を含むことができる。特定の実施形態では、他のデバイス(例えばハイブリッドPVバッテリ、並列又は直列マルチセルPVなど)は、
図7の活性層3950に対応するペロブスカイト材料を含む活性層を含むことができる。要するに、
図7の例示的なデバイスの描写の様式化された性質は、
図7は、決して
図7による様々な実施形態のデバイスの許容可能な構造又はアーキテクチャを限定するものではない。
【0063】
ペロブスカイトデバイスのさらなる、より具体的、例示的な実施形態は、例示的なデバイスのさらに様式化された描写に関して論じられるであろう。これらの描写、
図8~
図9、の様式化された性質は同様に、いくつかの実施形態において、
図8~
図9のいずれか1以上に従って構成され得るデバイスのタイプを限定することを意図するものではない。すなわち、
図8~
図9に示すアーキテクチャは、BHJ、バッテリ、FET、ハイブリッドPVバッテリ、直列(serial)マルチセルPV、並列マルチセルPV、及び本開示の他の実施形態の他の同様のデバイスを、いずれの好適な手段に従って(本明細書の他の箇所で明示的に論じられたものと、本開示の恩恵を受ける当業者には明らかであろう他の好適な手段の両方を含む)、提供するように、適合され得る。
【0064】
図8は、様々な実施形態による例示的なデバイス4100を描写する。デバイス4100は、第1のガラス基板4101及び第2のガラス基板4109を含む実施形態を示す。各ガラス基板は、その内側表面上に配置されたFTO電極を有し(それぞれ第1の電極4102及び第2の電極4108)、且つ、各電極は、その内側表面上に堆積された界面層を有する。すなわち、TiO
2第1の界面層4103は、第1の電極4102の上に堆積され、且つ、Pt第2の界面層4107は、第2の電極4108の上に堆積される。2つの界面層の間には、:
メソポーラス層4104(TiO
2を含む);光活性材料4105(ペロブスカイト材料MAPbI
3を含む);及び電荷輸送層4106(ここではCsSnI
3を含む);
が挟まれている。
【0065】
図9は、メソポーラス層を省略した例示的なデバイス4300を描写する。デバイス4300は、第1の界面層4303と第2の界面層4305と(それぞれチタニア及びアルミナを含む)の間に挟まれたペロブスカイト材料の光活性化合物4304(MAPbI
3を含む)を含む。チタニア界面層4303は、FTO第1の電極4302の上にコーティングされ、前記第1の電極4302(which)は次に(in turn)ガラス基板4301の内側表面の上に配置される。Spiro-OMeTAD電荷輸送層4306は、アルミナ界面層4305の上にコーティングされ、そして、金の第2の電極4307の内側表面の上に配置される。
【0066】
本開示の恩恵を受ける当業者には明らかなように、様々な他の実施形態が可能である。例えば、複数の光活性層を有するデバイス(
図7の例示的デバイスの光活性層3906及び3908により例示されるように)。いくつかの実施形態では、上に論じたように、各光活性層は、界面層によって分離されてもよい(
図7の第3の界面層3907によって示されるように)。さらに、メソポーラス層を電極の上に配置してもよい。例えば、
図7に示されるように、メソポーラス層3904は第1の電極3902の上に配置される。
図7は、2つの間に介在する介在界面層3903を描写するが、いくつかの実施形態では、メソポーラス層は電極の上に直接配置されることができる。
【0067】
追加のペロブスカイト材料デバイスの例
他の例示的ペロブスカイト材料デバイスアーキテクチャは、本開示の恩恵を受ける当業者には明らかであろう。例は、以下のアーキテクチャ:
(1)液体電解質-ペロブスカイト材料-メソポーラス層;
(2)ペロブスカイト材料-色素-メソポーラス層;
(3)第1のペロブスカイト材料-第2のペロブスカイト材料-メソポーラス層;
(4)第1のペロブスカイト材料-第2のペロブスカイト材料;
(5)第1のペロブスカイト材料-色素-第2のペロブスカイト材料;
(6)固体状態の電荷輸送材料-ペロブスカイト材料;
(7)固体状態の電荷輸送材料-色素-ペロブスカイト材料-メソポーラス層;
(8)固体状態の電荷輸送材料-ペロブスカイト材料-色素-メソポーラス層;
(9)固体状態の電荷輸送材料-色素-ペロブスカイト材料-メソポーラス層;及び
(10)固体状態の電荷輸送材料-ペロブスカイト材料-色素-メソポーラス層;
のいずれかを有する活性層を含むデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。各例示アーキテクチャの個々の成分(例えば、メソポーラス層、電荷輸送材料など)は、各成分について上の考察に従うことができる。さらに、各例示的なアーキテクチャについては、以下でより詳細に論ずる。
【0068】
上述の活性層のいくつかの特定の例として、いくつかの実施形態では、活性層は、液体電解質、ペロブスカイト材料、及びメソポーラス層を含むことができる。これらの実施形態のあるものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 液体電解質-ペロブスカイト材料-メソポーラス層、を有することができる。いずれの液体電解質が好適であってよく、且つ、いずれのメソポーラス層(例えば、TiO2)が好適であってよい。いくつかの実施形態では、ペロブスカイト材料は、メソポーラス層の上に堆積され、且つ、その上に液体電解質で被覆されてもよい。いくつかのこのような実施形態のペロブスカイト材料は、少なくとも部分的に色素として作用し得る(したがって、それは光活性であり得る)。
【0069】
他の実施形態において、活性層は、ペロブスカイト材料、色素、及びメソポーラス層を含むことができる。これらの実施形態の特定の活性層は、実質的に、アーキテクチャ: ペロブスカイト材料-色素-メソポーラス層、を有することができる。色素は、メソポーラス層の上にコーティングされてもよく、且つ、ペロブスカイト材料は、色素コーティングされたメソポーラス層の上に配置されてもよい。これらの実施形態のあるものでは、ペロブスカイト材料は正孔輸送材料として機能することができる。
【0070】
さらに他の例示的な実施形態では、活性層は、第1のペロブスカイト材料、第2のペロブスカイト材料、及びメソポーラス層を含むことができる。これらの実施形態のあるものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 第1のペロブスカイト材料-第2のペロブスカイト材料-メソポーラス層、を有してもよい。第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料は、それぞれ同一のペロブスカイト材料(複数可)を含むことができ、又はそれらは異なるペロブスカイト材料を含むことができる。第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料のいずれかは、光活性であってもよい(例えば、このような実施形態の第1のペロブスカイト材料及び/又は第2のペロブスカイト材料は、少なくとも一部が色素として機能し得る)。
【0071】
特定の例示的な実施形態では、活性層は、第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料を含むことができる。これらの実施形態のあるものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 第1のペロブスカイト材料-第2のペロブスカイト材料、を有することができる。第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料は、それぞれ同一のペロブスカイト材料(複数可)を含んでいてもよいし、又はそれらは異なるペロブスカイト材料を含んでいてもよい。第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料のいずれかは、光活性であってもよい(例えば、このような実施形態の第1のペロブスカイト材料及び/又は第2のペロブスカイト材料は、少なくとも一部が色素として機能し得る)。さらに、第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料のいずれかは、正孔輸送材料として機能することができる。いくつかの実施形態では、第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料の一方が電子輸送材料として機能し、且つ、第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料の他方が色素として機能する。いくつかの実施形態では、第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料は、例えば、
図5において、第1の活物質2810及び第2の活物質2815についてそれぞれ示される配置(又は、
図4において、p型材料2618及びn型材料2629により、同様に示される)において、第1のペロブスカイト材料と第2のペロブスカイト材料との間に高い界面面積を達成するやり方で、活性層内に配置されてよい。
【0072】
さらなる例示的な実施形態では、活性層は、第1のペロブスカイト材料、色素、及び第2のペロブスカイト材料を含むことができる。これらの実施形態のあるものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 第1のペロブスカイト材料-色素-第2のペロブスカイト材料、を有することができる。第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料のいずれかが電荷輸送材料として機能し、且つ、第1のペロブスカイト材料及び第2のペロブスカイト材料の他方が色素として機能し得る。いくつかの実施形態では、第1のペロブスカイト材料と第2のペロブスカイト材料の両方が、少なくとも部分的にオーバーラップし、類似の、及び/又は同一の機能を果たしてもよい(例えば、両方が色素として働くことができ、及び/又は両方が正孔(hole)輸送材料として働くことができる)。
【0073】
いくつかの他の例示的な実施形態では、活性層は、固体状態の電荷輸送材料及びペロブスカイト材料を含むことができる。これらの実施形態のあるものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 固体状態の電荷輸送材料-ペロブスカイト材料、を有することができる。例えば、ペロブスカイト材料及び固体状態の電荷輸送材料は、例えば、
図5において、第1の活物質2810及び第2の活物質2815についてそれぞれ示される配置(又は、
図4において、p型材料2618及びn型材料2629により、同様に示される)において、高い界面面積を達成するやり方で、活性層内に配置されてよい。
【0074】
他の例示的な実施形態では、活性層は、固体状態の電荷輸送材料、色素、ペロブスカイト材料、及びメソポーラス層を含むことができる。これらの実施形態のあるものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 固体状態の電荷輸送材料-色素-ペロブスカイト材料-メソポーラス層、を有することができる。これらの実施形態の特定の他のものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 固体状態の電荷輸送材料-ペロブスカイト材料-色素-メソポーラス層、を有することができる。ペロブスカイト材料は、いくつかの実施形態では、第2の色素として働くことができる。ペロブスカイト材料は、このような実施形態では、このような実施形態の活性層を含むPV又は他のデバイスによって吸収される可視光のスペクトルの幅(breadth)を広げることができる。特定の実施形態では、ペロブスカイト材料は、また、又はその代わりに、色素とメソポーラス層との間の界面層として、及び/又は色素と電荷輸送材料との間の界面層としても機能し得る。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態において、活性層は、液体電解質、色素、ペロブスカイト材料、及びメソポーラス層を含み得る。これらの実施形態のあるものの活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 固体状態の電荷輸送材料-色素-ペロブスカイト材料-メソポーラス層、を有することができる。これらの実施形態の特定の他の活性層は、実質的に、アーキテクチャ: 固体状態の電荷輸送材料-ペロブスカイト材料-色素-メソポーラス層、を有することができる。ペロブスカイト材料は、光活性材料、界面層、及び/又はそれらの組み合わせとして機能することができる。
【0076】
いくつかの実施形態は、ペロブスカイト材料を含むBHJ PVデバイスを提供する。例えば、いくつかの実施形態のBHJは、光活性層(例えば、
図3の光活性層2404)を含むことができ、1以上のペロブスカイト材料を含めることができる。このようなBHJの光活性層はまた、又はその代わりに、DSSC活性層に関して上で論じた上に列挙した例示的な構成成分のいずれか1以上を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、BHJ光活性層は、上で論じたDSSC活性層の例示的実施形態のいずれか1つによるアーキテクチャを有してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、任意のPV又は他の同様のデバイスは、上述の組成物及び/又はアーキテクチャのいずれの1つ又は複数による活性層を包含することができる。別の例示的な実施形態として、ペロブスカイト材料を包含する含む活性層は、多重光活性層PVセル、例えば、
図6の様式化された図に示される例示的なセルの第1及び第2の光活性層3701及び3705のいずれか又は両方、に含まれてもよい。ペロブスカイト材料を有する活性層を包含するそのような多光活性層PVセルは、一連の電気的に結合された多光活性層PVセル内にさらに組み込まれ得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じるPV又は他のデバイスに組み込まれたペロブスカイト材料を含む活性層のいずれかは、活性層への包含に好適であるとして本明細書でも議論される様々な追加材料のいずれかをさらに含む。例えば、ペロブスカイト材料を含むいずれの活性層は、本明細書で論じる様々な実施形態による界面層をさらに含むことができる(例えば、薄膜コート界面層など)。さらなる例として、ペロブスカイト材料を含む活性層は、
図2に示される例示的PVにおいて描写されるような集光性層1601のような集光性層をさらに含むことができる。
【0079】
ペロブスカイト材料活性層の配合(formulation)
前述のように、いくつかの実施形態では、ペロブスカイト材料は、一般式CwMyXzであり得、ここで:Cは、1つ又は複数のカチオン(例えば、アミン、アンモニウム、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様化合物)を含む;Mは、1つ又は複数の金属を含む(Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Tl、In、Sb、Sn、Pb、Bi、Ga、Ge、Ti、及びZnを包含する例);Xは1つ又は複数のアニオンを含む;w、y、及びzは、1から20の間の実数を表す。いくつかの実施形態では、活性層中のペロブスカイト材料は、式 CMX3-yX’y(0≧y≧3)を有してもよく、
式中、Cは、1以上のカチオン(例えば、アミン、1族金属、2族金属、及び/又は他のカチオン又はカチオン様化合物)を含み;
Mは、1以上の金属(例えばFe、Cd、Co、Ni、Cu、Hg、Sn、Pb、Bi、Ge、Ti、Zn及びZr)を含み;且つ、
X及びX’は、1以上のアニオンを含む。
一実施形態では、ペロブスカイト材料はCPbI3-yClyを含むことができる。特定の実施形態では、ペロブスカイト材料は、記載されたステップを使用して、基板層上に、例えばドロップキャスティング、スピンキャスティング、グラビアコーティング、ブレードコーティング、リバースグラビアコーティング、スロットダイ印刷、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷によって、PVデバイスにおける活性層として堆積され得る。
【0080】
まず、鉛ハロゲン化物前駆体インクが形成される。ある量のハロゲン化鉛をグローブボックス内部の清潔で乾燥したバイアル内に集めることができる(すなわち、グローブ(glove)を含む丸窓(portholes,ポートホール)を備えた制御された大気(atmosphere)ボックスは、空気のない環境での材料操作を可能にする)。好適なハロゲン化鉛は、ヨウ化鉛(II)、臭化鉛(II)、塩化鉛(II)、及びフッ化鉛(II)を含むが、これらに限定されない。鉛ハロゲン化物は、鉛ハロゲン化物の単一化学種を含むことができ、又は鉛ハロゲン化物混合物を正確な比で含むことができる。特定の実施形態において、鉛ハロゲン化物混合物は、0.001~100モル%のヨウ化物、臭化物、塩化物又はフッ化物のいずれの2元、3元又は4元の比を含み得る。一実施形態では、鉛ハロゲン化物混合物は、塩化鉛(II)及びヨウ化鉛(II)を約10:90 mol:molの比率で含んでよい。他の実施形態では、ハロゲン化鉛混合物は、塩化鉛(II)及びヨウ化鉛(II)を約5:95、約7.5:92.5、又は約15:85 mol:molの比率で含んでもよい。
【0081】
次に、鉛固体を溶解させて、鉛ハロゲン化物前駆体インクを形成するために、溶媒を前記バイアルに添加することができる。好適な溶媒は、乾燥(dry)N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、アルキル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジアルキルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、tert-ブチルピリジン、ピリジン、アルキルピリジン、ピロリジン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、及びこれらの組み合わせ、を含むが、但しこれらに限定されない。一実施形態では、鉛固形分(solids)を乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解する。鉛固形分は、約20℃~約150℃の間の温度で溶解することができる。一実施形態では、鉛固形分は約85℃で溶解される。鉛固形分は、溶液を形成するのに必要な長さの時間だけ溶解することができ、これは約72時間までの時間にわたって行うことができる。得られた溶液はハロゲン化鉛前駆体インクのベースを形成する。いくつかの実施形態において、ハロゲン化鉛前駆体インクは、約0.001Mと約10Mとの間のハロゲン化鉛濃度を有し得る。一実施形態では、ハロゲン化鉛前駆体インクは、約1Mのハロゲン化鉛濃度を有する。いくつかの実施形態では、ハロゲン化鉛前駆体インクは、アミノ酸(例えば、5-アミノ吉草酸、ヒスチジン、グリシン、リシン)、アミノ酸ハロゲン化水素酸塩(hydrohalide)(例えば、5-アミノ吉草酸塩酸塩)、IFL表面変性(SAM)剤(本明細書において先に論じたものなど)、又はそれらの組み合わせを、さらに含むことができる。
【0082】
次いで、鉛ハロゲン化物前駆体インクを所望の基板の上に堆積させることができる。好適な基板層は、本開示において先に特定された基板層のいずれかを含み得る。上述したように、鉛ハロゲン化物前駆体インクは、様々な手段(ドロップキャスティング、スピンキャスティング、スロットダイ印刷、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷を含むが、これに限定されない)によって付着させることができる。特定の実施形態において、鉛ハロゲン化物前駆体インクは、約5秒~約600秒の期間、約500rpm~約10,000rpmの速度で、基板の上にスピンコートすることができる。一実施形態では、鉛ハロゲン化物前駆体インクは、約30秒間、約3000rpmで、基板の上にスピンコートすることができる。鉛ハロゲン化物前駆体インクは、約0%の相対湿度~約50%の相対湿度の湿度範囲において、周囲雰囲気で基板の上に堆積させることができる。次いで、鉛ハロゲン化物前駆体インクは、薄膜を形成させるため、実質的に水を含まない雰囲気、すなわち20%未満の相対湿度で乾燥させることができる。
【0083】
次いで、薄膜は、約20℃~約300℃の温度で、約24時間までの期間にわたって熱アニールすることができる。一実施形態では、薄膜は、約50℃の温度で、約10分間、熱アニールすることができる。ペロブスカイト材料活性層は、次いで、変換プロセスにより完成させることができる。前記変換プロセス(which)において、前駆体フィルムは、溶媒もしくは溶媒混合物(例えば、DMF、イソプロパノール、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、水など)と、0.001M~10Mの濃度における塩(例えばヨウ化メチルアンモニウム、ヨウ化ホルムアミジニウム、ヨウ化グアニジニウム、ヨウ化1,2,2-トリアミノビニルアンモニウム、5-アミノ吉草酸ヨウ化水素酸塩)と、を含む溶液に浸漬され、又は溶液でリンスされる。特定の実施形態では、薄膜はまた、このパラグラフの第1行と同じ方法で熱的にポストアニールすることができる。
【0084】
別の実施形態では、ペロブスカイト材料は、C’CPbX3を含むことができ、ここで、C’は、1つ以上の1族金属(すなわち、Li、Na、K、Rb、Cs)である。特定の実施形態において、M’はセシウム(Cs)であってもよい。別の実施形態において、C’はルビジウム(Rb)であってもよい。別の実施形態において、C’はナトリウム(Na)であってもよい。別の実施形態において、C’はカリウム(K)であってもよい。さらに他の実施形態において、ペロブスカイト材料はC‘vCwPbyXzを含むことができ、ここで、C’は1つ以上の1族金属であり、v、w、y、及びzは1から20の間の実数を表す。特定の実施形態において、前記ペロブスカイト材料はPVデバイスの活性層として、例えば、以下に記載の手順を使用して基板層にドロップキャスティング、スピンキャスティング、グラビアコーティング、ブレードコーティング、リバースグラビアコーティング、スロットダイ印刷、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷により堆積以することができる。
【0085】
最初に、ハロゲン化鉛溶液が形成される。一定量のハロゲン化鉛は、制御された雰囲気環境の清潔で乾燥した容器にまとめてよい。好適なハロゲン化鉛には、ヨウ化鉛(II)、臭化鉛(II)、塩化鉛(II)、及びフッ化鉛(II)が含まれるが、これらに限定されない。ハロゲン化鉛は、単一種のハロゲン化鉛を含んでもよく、又は正確な比率のハロゲン化鉛混合物を含んでもよい。一実施形態において、ハロゲン化鉛はヨウ化鉛(II)を含んでもよい。特定の実施形態において、前記ハロゲン化鉛混合物は、0.001~100モル%のヨウ化物、臭化物、塩化物、又はフッ化物のいずれの二元、三元、又は四元比率を含んでもよい。一実施形態において、前記ハロゲン化鉛混合物は、塩化鉛(II)及びヨウ化鉛(II)を約10:90モル:モルの比率で含むことができる。他の実施形態において、前記ハロゲン化鉛混合物は、塩化鉛(II)及びヨウ化鉛(II)を約5:95、約7.5:92.5、又は約15:85モル:モルの比率で含むことができる。
【0086】
あるいは、鉛塩溶液を形成するために、他の鉛塩前駆体をハロゲン化鉛塩と共に、又はその代わりに使用してもよい。好適な前駆体鉛塩は、鉛(II)又は鉛(IV)と以下のアニオンとのいずれの組み合わせを含むことができる。:
硝酸、亜硝酸、カルボン酸、酢酸、ギ酸、オキシレート、硫酸、亜硫酸、チオ硫酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラ(ペルフルオロフェニル)ホウ酸、水素化物、酸化物、過酸化物、水酸化物、窒化物、ヒ酸、亜ヒ酸、過塩素酸、炭酸、重炭酸、クロム酸、重クロム酸、ヨウ素酸、臭素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、シアン化物、シアン酸、イソシアネート、フルミン酸、チオシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、テトラカルボニルコバルテート、カルバモイルジシアノメタニド、ジシアノニトロソメタニド、ジシアナミド、トリシアノメタニド、アミド、及び過マンガン酸。
【0087】
鉛塩溶液は、前述のアニオンの塩として、以下の金属イオン Fe、Cd、Co、Ni、Cu、Hg、Sn、Pb、Bi、Ge、Ti、Zn、及びZr、に対して0から100%のモル比で鉛(II)又は鉛(IV)塩をさらに含んでもよい。
【0088】
次に、溶媒を容器に添加してハロゲン化鉛固体を溶解し、ハロゲン化鉛溶液を形成することができる。好適な溶媒には、乾燥N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、アルキル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジアルキルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、tert-ブチルピリジン、ピリジン、アルキルピリジン、ピロリジン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、及びそれらの組み合わせ、が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、鉛固体は乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解される。ハロゲン化鉛固体は、約20℃~約150℃の温度で溶解する。一実施形態において、ハロゲン化鉛固体は約85℃で溶解する。ハロゲン化鉛固体は、溶液を形成するのに必要な限り溶解することができ、これは、約72時間までの期間にわたって起こり得る。得られた溶液は、ハロゲン化鉛前駆体インクのベースを形成する。一部の実施形態において、ハロゲン化鉛前駆体インクは、約0.001Mから約10Mの間のハロゲン化鉛濃度を有し得る。一実施形態において、ハロゲン化鉛前駆体インクは、約1Mのハロゲン化鉛濃度を有する。いくつかの実施形態において、ハロゲン化鉛溶液は、アミノ酸(例えば、5-アミノ吉草酸、ヒスチジン、グリシン、リシン)、アミノ酸ハロゲン化水素(例えば、5-アミノ吉草酸塩酸塩)、IFL表面改質(SAM)剤(本明細書で前述したものなど)、又はそれらの組み合わせ、をさらに含むことができる。
【0089】
次に、1族金属ハロゲン化物溶液が形成される。一定の量の1族金属ハロゲン化物を、制御された雰囲気環境の清潔で乾燥した容器にまとめてよい。好適な1族金属ハロゲン化物には、ヨウ化セシウム、臭化セシウム、塩化セシウム、フッ化セシウム、ヨウ化ルビジウム、臭化ルビジウム、塩化ルビジウム、フッ化ルビジウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、フッ化カリウム、が含まれるが、これらに限定されない。1族金属ハロゲン化物は、単一種の1族金属ハロゲン化物を含んでもよいか、又は正確な比率で1族金属ハロゲン化物混合物を含んでもよい。一実施形態において、1族金属ハロゲン化物はヨウ化セシウムを含んでもよい。別の実施形態において、1族金属ハロゲン化物はヨウ化ルビジウムを含んでもよい。別の実施形態において、1族金属ハロゲン化物はヨウ化ナトリウムを含んでもよい。別の実施形態において、1族金属ハロゲン化物はヨウ化カリウムを含んでもよい。
【0090】
あるいは、他の1族金属塩前駆体を1族金属ハロゲン化物塩と組み合わせて、又は1族金属ハロゲン化物塩の代わりに使用して、1族金属塩溶液を形成することができる。好適な前駆体1族金属塩は、1族金属と以下のアニオンとのいずれの組み合わせを含むことができる。: 硝酸、亜硝酸、カルボン酸、酢酸、ギ酸、オキシレート、硫酸、亜硫酸、チオ硫酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラ(ペルフルオロフェニル)ホウ酸、水素化物、酸化物、過酸化物、水酸化物、窒化物、ヒ酸、亜ヒ酸、過塩素酸、炭酸、重炭酸、クロム酸、重クロム酸、ヨウ素酸、臭素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、シアン化物、シアン酸、イソシアネート、フルミン酸、チオシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、テトラカルボニルコバルテート、カルバモイルジシアノメタニド、ジシアノニトロソメタニド、ジシアナミド、トリシアノメタニド、アミド、及び過マンガン酸。
【0091】
次に、溶媒を容器に加えて、1族金属ハロゲン化物固体を溶解し、1族金属ハロゲン化物溶液を形成することができる。好適な溶媒には、乾燥N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、アルキル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジアルキルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、tert-ブチルピリジン、ピリジン、アルキルピリジン、ピロリジン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、及びそれらの組み合わせ、が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、鉛固体は乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解される。1族金属ハロゲン化物固体は、約20℃~約150℃の温度で溶解する。一実施形態において、1族金属ハロゲン化物固体は室温(すなわち、約25℃)で溶解される。1族金属ハロゲン化物固体は、溶液を形成するのに必要な限り溶解することができ、これは約72時間までの期間にわたって起こり得る。得られた溶液は、1族金属ハロゲン化物溶液を形成する。いくつかの実施形態において、1族金属ハロゲン化物溶液は、約0.001Mから約10Mの間の1族金属ハロゲン化物濃度を有し得る。一実施形態において、1族金属ハロゲン化物溶液は、約1Mの1族金属ハロゲン化物濃度を有する。いくつかの実施形態において、1族金属ハロゲン化物溶液は、アミノ酸(例えば、5-アミノ吉草酸、ヒスチジン、グリシン、リシン)、アミノ酸ハロゲン化水素(例えば、5-アミノ吉草酸塩酸塩)、IFL表面改質(SAM)剤(本明細書で前述したものなど)、又はそれらの組み合わせ、をさらに含むことができる。
【0092】
次に、ハロゲン化鉛溶液及び1族金属ハロゲン化物溶液を混合して、薄膜前駆体インクを形成する。得られた薄膜前駆体インクがハロゲン化鉛のモル濃度の0%と25%の間である1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有するような比率で、ハロゲン化鉛溶液と1族金属ハロゲン化物溶液を混合してもよい。特定の実施形態において、薄膜前駆体インクは、ハロゲン化鉛のモル濃度の1%である1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有し得る。特定の実施形態では、薄膜前駆体インクは、ハロゲン化鉛のモル濃度の5%である1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有し得る。特定の実施形態において、薄膜前駆体インクは、ハロゲン化鉛のモル濃度の10%である1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有し得る。特定の実施形態において、薄膜前駆体インクは、ハロゲン化鉛のモル濃度の15%である1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有し得る。特定の実施形態において、薄膜前駆体インクは、ハロゲン化鉛のモル濃度の20%である1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有し得る。特定の実施形態において、薄膜前駆体インクは、ハロゲン化鉛のモル濃度の25%である1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有し得る。いくつかの実施形態において、ハロゲン化鉛溶液及び1族金属ハロゲン化物溶液は、混合中又は混合後に攪拌されてもよいか、又は揺り動かされてもよい。
【0093】
次に、薄膜前駆体インクを所望の基板上に堆積させることができる。好適な基板層は、本開示で先に特定された基板層のいずれかを包含し得る。上記のように、薄膜前駆体インクは、ドロップキャスティング、スピンキャスティング、グラビアコーティング、ブレードコーティング、リバースグラビアコーティング、スロットダイ印刷、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷を包含するが、これらに限定されない、様々な手段を介して堆積されてよい。特定の実施形態において、薄膜前駆体インクは、約5秒から約600秒の期間、約500rpmから約10,000rpmの速度で基板上にスピンコートされてもよい。一実施形態において、薄膜前駆体インクは、約3000rpmで約30秒間、基板上にスピンコートされてもよい。薄膜前駆体インクは、約0%の相対湿度から約50%の相対湿度の湿度範囲内の周囲雰囲気で基板上に堆積されてもよい。次いで、薄膜前駆体インクは、実質的に水を含まない雰囲気、すなわち、20%未満の相対湿度で乾燥させて、薄膜を形成することができる。
【0094】
次に、薄膜は、約20℃から約300℃の温度で、最大約24時間、熱アニールすることができる。一実施形態において、薄膜は、約50℃の温度で約10分間熱アニールされてもよい。ペロブスカイト材料の活性層は、次いで、前駆体フィルムを0.001Mから10Mの間の濃度の溶媒又は溶媒(例えば、DMF、イソプロパノール、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、水)と塩(例えば、ヨウ化メチルアンモニウム、ヨウ化ホルムアミジニウム、ヨウ化グアニジニウム、ヨウ化1,2,2-トリアミノビニルアンモニウム、5-アミノ吉草酸ヨウ化水素酸塩)の混合物を含む塩溶液で浸漬又はリンスする変換プロセスにより、完成させることができる。特定の実施形態において、ペロブスカイト材料薄膜は、この段落の最初の行と同じ方法で熱的にポストアニールすることもできる。
【0095】
いくつかの実施形態において、塩溶液は、制御された雰囲気環境の清潔で乾燥した容器内で塩を固めること(massing)により調製され得る。好適な塩には、ヨウ化メチルアンモニウム、ヨウ化ホルムアミジニウム、ヨウ化グアニジニウム、ヨウ化イミダゾリウム、ヨウ化エテンテトラミン、ヨウ化1,2,2-トリアミノビニルアンモニウム、及び5-アミノ吉草酸ヨウ化水素酸塩、が含まれるが、これらに限定されない。他の好適な塩には、「ペロブスカイト材料」という表題のセクションで上述したいずれの有機カチオンが含まれてもよい。塩は、単一種の塩を含んでもよいか、又は正確な比率の塩混合物を含んでもよい。一実施形態において、塩はヨウ化メチルアンモニウムを含んでもよい。別の実施形態において、塩はヨウ化ホルムアミジニウムを含んでもよい。次に、溶媒を容器に加えて塩固形物を溶解し、塩溶液を形成してもよい。好適な溶媒には、DMF、イソプロパノール、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、水、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、ヨウ化ホルムアミジニウム塩固体はイソプロパノールに溶解される。塩の固体は、約20℃~約150℃の温度で溶解されてよい。一実施形態において、塩の固体は室温(すなわち、約25℃)で溶解される。塩固体は、溶液を形成するのに必要な限り溶解することができ、これは約72時間までの期間にわたって起こり得る。得られた溶液は塩溶液を形成する。一部の実施形態において、塩溶液は、約0.001Mから約10Mの間の塩濃度を有し得る。一実施形態において、塩溶液は約1Mの塩濃度を有する。
【0096】
例えば、上記のプロセスをヨウ化鉛(II)溶液、ヨウ化セシウム溶液、及びヨウ化メチルアンモニム(MA)塩溶液とともに使用すると、CsiMAPbI3の式を有するペロブスカイト材料が得られ、ここでiは0~1の数値である。別の例として、ヨウ化鉛(II)溶液、ヨウ化ルビジウム溶液、ヨウ化ホルムアミジニウム(FA)塩溶液を使用すると、RbiFAPbI3の式を持つペロブスカイト材料が得られ、ここでiは0~1の数値である。別の例として、ヨウ化鉛(II)溶液、ヨウ化セシウム溶液、及びヨウ化ホルムアミジニウム(FA)塩溶液を使用すると、CsiFAPbI3の式を持つペロブスカイト材料が得られることがあり、ここでiは0~1の数値である。別の例として、ヨウ化鉛(II)溶液、ヨウ化カリウム溶液、及びヨウ化ホルムアミジニウム(FA)塩溶液を使用すると、KiFAPbI3の式を持つペロブスカイト材料が得られる場合があり、ここでiは0~1の数値である。別の例として、ヨウ化鉛(II)溶液、ヨウ化ナトリウム溶液、及びホルムアミジニウム(FA)ヨウ化物塩溶液を使用すると、NaiFAPbI3の式を持つペロブスカイト材料が得られる場合があり、ここでiは0~1の数値である。別の例として、ヨウ化鉛(II)と塩化鉛(II)の混合溶液、ヨウ化セシウム溶液、及びホルムアミジニウム(FA)ヨウ化物塩溶液を使用すると、CsiFAPbI3-yCLyの式を持つペロブスカイト材料が得られる場合があり、ここでiは0~1の数値であり、yは0~3の数値を表す。
【0097】
したがって、本発明は、上述した目的及び利点ならびにその中に内在する利点を達成するためによく適合する。上述した特定の実施形態は、本発明の教示の利益を有する当業者には明らかであるが、異なるが同等の方法で修正され実施されるので、例示に過ぎない。さらに、以下の特許請求の範囲に記載されている以外の、本明細書に示された構成又は設計の詳細については、制限が意図されていない。したがって、上に開示した特定の例示的な実施形態は、変更又は修正されてもよく、そのような変更形態はすべて、本発明の範囲及び趣旨内にあると考えられることは明らかである。特に、本明細書に開示されている値のあらゆる範囲(「約(about)a~約(about)b」又は同等に「約(approximately)a~約(approximately)b」又は同等に「約(approximately)a~b」)は、それぞれの範囲の値のすべき集合(power set)(すべての部分集合(subset)の集合(set))を意味し、且つ、より広い範囲の値に含まれるすべての範囲を示すものと理解すべきである。また、特許請求の範囲における用語は、特許権者によって明白かつ明確に定義されていない限り、明白で通常の意味を有する。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:
薄膜前駆体インクを調製するステップであって、
ハロゲン化鉛を第1の溶媒と接触させ、前記ハロゲン化鉛を溶解し、ハロゲン化鉛溶液を形成するステップ;
ヨウ化セシウム、塩化セシウム、ヨウ化ルビジウム、またはヨウ化カリウムを含む1族金属ハロゲン化物を、第2の溶媒と接触させ、前記1族金属ハロゲン化物を溶解し、1族金属ハロゲン化物溶液を形成するステップであって、前記第2の溶媒は、前記第1の溶媒とは異なる、ステップ;及び
前記ハロゲン化鉛溶液を前記1族金属ハロゲン化物溶液と接触させて前記薄膜前駆体インクを形成するステップ;
を含む、ステップと;
前記薄膜前駆体インクを基板上に堆積させるステップと;
前記薄膜前駆体インクを乾燥させて薄膜を形成するステップと;
前記薄膜をアニールするステップと;
第3の溶媒と、ハロゲン化メチルアンモニウム、ハロゲン化ホルムアミジニウム、ハロゲン化グアニジニウム、ハロゲン化エテンテトラミン、ハロゲン化イミダゾリウム、ハロゲン化1,2,2-トリアミノビニルアンモニウム、及び5-アミノ吉草酸ハロゲン化水素からなる群から選択される塩とを含む塩溶液に、前記薄膜を浸漬するステップと;
を有する、方法。
【請求項2】
前記ハロゲン化鉛は、ヨウ化鉛(II)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の溶媒及び前記第2の溶媒は、乾燥N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、アルキル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジアルキルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、tert-ブチルピリジン、ピリジン、アルキルピリジン、ピロリジン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の溶媒は、乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の溶媒は、ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、水、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記薄膜前駆体インクは、前記ハロゲン化鉛のモル濃度の1%から25%の間である、前記1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記薄膜をアニールするステップは、約40℃から約60℃の間の温度で約5分から約30分間行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記塩は、ヨウ化ホルムアミジニウムを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記塩は、ヨウ化メチルアンモニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記薄膜をリンスするステップは、前記塩溶液に少なくとも部分的に浸漬することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
以下のステップ:
薄膜前駆体インクを調製するステップであって、
ヨウ化セシウム、塩化セシウム、ヨウ化ルビジウム、またはヨウ化カリウムを含む1族金属ハロゲン化物と、ハロゲン化鉛とを第1の溶媒と接触させて、薄膜前駆体溶液を形成するステップを含む、ステップと;
前記薄膜前駆体インクを基板上に堆積させるステップと;
前記薄膜前駆体インクを乾燥させて薄膜を形成するステップと;
前記薄膜をアニールするステップと;
第2の溶媒、ならびにハロゲン化メチルアンモニウム、ハロゲン化ホルムアミジニウム、ハロゲン化グアニジニウム、ハロゲン化エテンテトラミン、ハロゲン化イミダゾリウム、ハロゲン化1,2,2-トリアミノビニルアンモニウム、及び5-アミノ吉草酸ハロゲン化水素からなる群から選択される塩を含む塩溶液に、前記薄膜を浸漬するステップと;
を有し、
前記薄膜前駆体インクは、前記ハロゲン化鉛のモル濃度の1%から25%の間である、前記1族金属ハロゲン化物のモル濃度を有する、方法。
【請求項13】
さらに、第3の溶媒を前記第1の溶媒又は前記薄膜前駆体溶液と接触させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ハロゲン化鉛は、ヨウ化鉛(II)を含み、且つ前記1族金属ハロゲン化物がヨウ化セシウムを含む、請求項11に記載の方法。
【外国語明細書】