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特開2023-78242ジオマス媒介炭素隔離材料生成方法およびその実施のためのシステム
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  • 特開-ジオマス媒介炭素隔離材料生成方法およびその実施のためのシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078242
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ジオマス媒介炭素隔離材料生成方法およびその実施のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20230530BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20230530BHJP
   B01D 53/96 20060101ALI20230530BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20230530BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20230530BHJP
【FI】
B01D53/62 ZAB
B01D53/78
B01D53/96
B01D53/14 210
C01B32/50
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036630
(22)【出願日】2023-03-09
(62)【分割の表示】P 2021511564の分割
【原出願日】2019-08-29
(31)【優先権主張番号】62/726,225
(32)【優先日】2018-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515061156
【氏名又は名称】ブルー プラネット システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】グエン,クイン
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンツ,ブレント アール.
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】カン,スン-ヒ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ジオマス媒介二酸化炭素隔離方法およびシステムを提供する。
【解決手段】方法は、ガス状CO源および水性捕捉アンモニアを接触させてCO隔離生成物および水性アンモニウム塩を生成することと、次いで、水性アンモニウム塩をジオマス、例えば、アルカリ性廃棄物生成物と接触させて、水性捕捉アンモニアを再生することとを含む。この方法を実施するように構成されたシステムもまた提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
COをガス状CO源から隔離する方法であって、
(a)CO隔離炭酸塩および水性アンモニウム塩を生成するために、水性アンモニア捕捉液体をガス状CO源と接触させることと、
(b)前記水性アンモニウム塩をジオマスと組み合わせて、再生水性アンモニア捕捉液体を生成することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
二酸化炭素(CO)は、ガスとして地球の大気中に存在する天然に生じる化学化合物である。大気中のCOの供給源は様々であり、呼吸の過程でCOを生成するヒトおよび他の生体、ならびに火山、温泉、および間欠泉などの他の天然に生じる供給源を含む。
【0002】
大気中COの追加の主要な供給源には、工業用プラントが含まれる。多くの種類の工業用プラント(セメントプラント、製油所、製鉄所および発電所を含む)は、化石燃料および合成ガスなどの様々な炭素系燃料を燃焼する。使用される化石燃料には、石炭、天然ガス、油、石油コークスおよびバイオ燃料が含まれる。燃料はまた、タールサンド、油頁岩、石炭液化油、ならびに合成ガスを用いて製造される石炭ガス化およびバイオ燃料からも由来する。
【0003】
COの環境影響は著しく関心が高い。COは一般的に温室効果ガスと見なされる。「地球温暖化」という語句は、19世紀後半以降、地球の大気と海洋との平均温度の観測され、かつ継続する上昇を指すために使用される。産業革命以降の人間の活動は、大気中COの濃度を急速に増加させたため、人為的COは、地球温暖化および気候変動、ならびに海洋中の重炭酸塩濃度の増加に関与してきた。
【0004】
化石燃料COの海洋への取り込みは現在、1時間あたり約100万メトリックトンのCOで進んでいる。20世紀初頭以降、地球の平均表面温度は約0.8℃(1.4°F)上昇しており、その上昇の約3分の2が1980年以降に生じている。
【0005】
地球温暖化が環境および人間の生命に及ぼす影響は数多くあり、また様々である。最近の気候変動のいくつかの影響は、すでに生じている可能性がある。海面の上昇、氷河の後退、北極の縮小、および農業のパターンの変化は、直接的な結果として挙げられているが、二次的および地域的影響の予測には、極端な気象事象、熱帯病の拡大、生態系における季節的パターンのタイミングの変化、および劇的な経済的影響が含まれる。
【0006】
地球温暖化による予測される気候変動は、大陸および地球規模での将来の大規模かつおそらく不可逆的な影響につながる可能性がある。その見込み、大きさ、およびタイミングは不確実であり、議論を呼んでいるが、予測される気候変動のいくつかの例には、温水を北大西洋に輸送する海洋循環の著しい減速、グリーンランドと西部南極との氷床の大幅な減少、陸上生物圏の炭素循環フィードバックによる地球温暖化の加速、および永久凍土地域からの陸上炭素と沿岸堆積物中のハイドレートからのメタンとの放出が含まれる。
【0007】
科学的議論の問題であるが、過剰な大気中COは地球温暖化に著しく影響すると考えられている。産業革命の開始以来、COの濃度は約100百万分率(ppm)(すなわち、280ppm~380ppm)増加し、最近、400ppmを超える1日平均値に達することが観察された。したがって、特に、大気中に存在する人為的COの増大し続ける量を少なくとも改善するために十分な方法において、COの隔離に大きな関心がある。
【0008】
人為的気候変動および海洋酸性化に対する懸念は、スケーラブルで費用対効果が高い二酸化炭素捕捉および隔離(CCS)方法を発見する緊急性を助長している。典型的には、CCSの方法は、複雑な煙流から純粋なCOを分離し、精製されたCOを圧縮し、最後にそれを地質学的隔離のために地下生理食塩水貯蔵庫に注入する。これらの複数のステップは非常に精力的であり資本集約的である。炭酸塩鉱物化は、持続可能に大量のCOをギガトン(Gt、すなわち、1,000,000,000トン)量で隔離するための別の方法である。
【発明の概要】
【0009】
ジオマス(Geomass)媒介二酸化炭素(CO)隔離方法およびシステムが提供される。この方法の態様は、ガス状CO源および水性捕捉アンモニアを接触させてCO隔離生成物および水性アンモニウム塩を生成することと、次いで、水性アンモニウム塩をジオマス、例えば、アルカリ性廃棄物生成物と接触させて、水性捕捉アンモニアを再生することとを含む。この方法を実施するように構成されたシステムもまた提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による、システムの概略図である。
図2】本発明の実施形態による、システムの概略図であり、CO隔離炭酸塩生成は、添加剤の存在下で行われ、水性捕捉液体再生モジュールは、再生可能エネルギーによって駆動される。
図3】本発明の実施形態による、システムの概略図であり、ここで、追加のCOガスは、上記CO隔離炭酸塩生成モジュールから由来しており、COガス/水性捕捉液体モジュールからの縮合された逃散性アンモニア蒸気によって回収され、水性捕捉液体再生モジュールは、プロセス蒸気凝縮物からの廃熱によって駆動される。
図4】本発明の実施形態による、システムの概略図である。
図5】本発明の実施形態による、システムの概略図であり、このシステムは、揮散器または他のアンモニア精製モジュールを含まない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ジオマス媒介二酸化炭素(CO)隔離方法およびシステムが提供される。この方法の態様は、ガス状CO源および水性捕捉アンモニアを接触させてCO隔離生成物および水性アンモニウム塩を生成することと、次いで、水性アンモニウム塩をジオマス、例えば、アルカリ性廃棄物生成物と接触させて、水性捕捉アンモニアを再生することとを含む。この方法を実施するように構成されたシステムもまた提供される。
【0012】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん、変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する対象となるためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0013】
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限の単位の10分の1までの各介在値が、その範囲の上限値と下限値と、その記載された範囲内の任意の他の記載値または介在値との間で、本発明に包含されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限界に従うことを条件として、本発明内にも包含される。記載された範囲が限界の一方または両方のうちの一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方または両方のいずれかを除く範囲もまた、本発明に含まれる。
【0014】
ある特定の範囲は、「約」という用語の前に数値を伴って本明細書において提示される。「約」という用語は、本明細書において、それが先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近いか、または近似しているその数についての文字通りの裏付けを提供するために使用される。数が具体的に記載された数に近いか、または近似しているか否かを判定する際、記載されていない数に近いか、またはそれに近似している数は、それが提示される文脈において、具体的に記載された数の実質的等価物を提供する数であり得る。
【0015】
別段に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料も、本発明の実施または試験で使用することができるが、代表的な例示的な方法および材料がここで説明される。
【0016】
本明細書で引用されるすべての刊行物および特許は、それぞれ個々の刊行物または特許が、参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれ、刊行物が引用される方法および/または材料を開示および説明する。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示のためであり、本発明が先行発明によってかかる刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、独立して確認する必要があり、実際の刊行日とは異なり得る。
【0017】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、冠詞「a」、「an」、および「the」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するために起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙、または「否定的な」制限の使用に関連して、「もっぱら」、「単独で」などの排他的な用語を使用するための先行する基礎として機能することが意図される。
【0018】
本開示を読むと当業者に明らかになるように、本明細書に記載および例示される個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれと組み合わされ得る別個の構成要素および特徴を有する。任意の記載された方法は、記載されたイベントの順序、または論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
【0019】
本装置および方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性のために説明されてきたか、または説明されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条に基づいて明示的に作成されていない限り、「手段」または「ステップ」の制限の構築によっていかなる方法でも必ずしも限定されるものと解釈されるべきではなく、均等物の司法的教義の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味および均等物の完全な範囲が与えられるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条に基づいて明示的に作成されている場合、米国特許法第112条に基づいて完全な法定均等物が与えられるべきであることが明確に理解されるべきである。
【0020】
方法
上記に要約したように、本発明の態様は、アルカリ性廃棄物生成物などのジオマスを使用して二酸化炭素(CO)隔離材料を生成する方法を含む。したがって、本発明の態様は、CO隔離プロセス、すなわち、CO隔離をもたらすプロセス(方法、プロトコル等)を含む。「CO隔離」とは、COの一部またはすべてが、除去された環境中に存在しなくなるように、地球の大気または工業用プラントによって生成された気体廃棄物流などの環境からの一定量のCOの除去または分離を意味する。本発明のCO隔離方法は、COが隔離されるように、一定量のCOから固体貯蔵安定CO隔離生成物を生成することによって、COを隔離する。固体貯蔵安定CO隔離生成物は、COが大気中にガスとして存在しなくなるか、または利用できなくなるように、一定量のCOを地上貯蔵形態または水中貯蔵安定形態などの貯蔵安定形態に組み込む貯蔵安定組成物である。本発明の方法によるCOの隔離は、COが大気の一部にならないような方法でCOの長期貯蔵を可能にする。
【0021】
上記に要約したように、方法の態様は、ガス状CO源および水性捕捉アンモニアを接触させてCO隔離生成物および水性アンモニウム塩を生成することと、次いで、水性アンモニウム塩をジオマス、例えば、アルカリ性廃棄物生成物と接触させて、水性捕捉アンモニアを再生することとを含む。方法のこれらの態様のそれぞれは、ここでさらに詳細に説明される。
【0022】
CO捕捉
方法の実施形態は、水性捕捉アンモニアなどの水性捕捉液体を、水性アンモニウム炭酸塩などの炭酸塩水溶液を生成するために十分な条件下で、ガス状CO源(すなわち、CO含有ガス)と接触させることを含む。
【0023】
ガス状CO源、すなわち、CO含有ガスは、純粋なCOであってもよく、または源に応じて、1つ以上の他のガスおよび/または微粒子成分と組み合わされてもよく、例えば、多成分ガス(すなわち、多成分ガス流)であってもよい。ある特定の実施形態において、CO含有ガスは、例えば、CO含有ガスが廃棄物供給物となる工業用プラントから得られる。CO含有ガスが廃棄物供給物として得られる工業用プラントは、変化し得る。対象となる工業用プラントとしては、限定されないが、発電所および工業製品製造プラント、例えば、限定されないが、化学および機械加工プラント、製油所、セメントプラント、鋼プラントなど、ならびに燃料燃焼または他の加工ステップ(セメントプラントによる焼成など)の副生成物としてCOを生成する他の工業用プラントが挙げられる。対象となる廃棄物供給物には、例えば、工業用プラントによって行われるプロセスの二次的または付随的な生成物として、工業用プラントによって生成されるガス流が含まれる。
【0024】
特定の実施形態で対象となるものは、石炭、油、天然ガスなどの化石燃料、ならびに限定されないがタール砂、重油、油頁岩などの天然に生じる有機燃料堆積物の人工燃料生成物を燃焼する工業用プラントによって生成される廃棄物流である。ある特定の実施形態において、発電所は、粉砕石炭発電所、超臨界石炭発電所、大量燃焼石炭発電所、流動床石炭発電所、ガスまたは石油火力ボイラおよび蒸気タービン発電所、ガスまたは石油火力ボイラ簡易サイクルガスタービン発電所、ならびにガスまたは石油火力ボイラ複合サイクルガスタービン発電所である。特定の実施形態で対象となるものは、合成ガス、すなわち、石炭、バイオマスなどの有機物のガス化によって生成されるガスを燃焼する発電所によって生成される廃棄物流であり、ある特定の実施形態において、かかるプラントは、統合ガス化複合サイクル(IGCC)プラントである。ある特定の実施形態において対象となるものは、熱回収蒸気発生器(HRSG)プラントによって生成される廃棄物流である。対象となる廃棄物流には、セメントプラントによって生成される廃棄物流も含まれる。本発明の方法において廃棄物流が使用され得るセメントプラントは、湿式プロセスプラントおよび乾式プロセスプラントの両方を含み、これらのプラントは、溶鉱炉または回転炉を使用してもよく、予備仮焼装置を含み得る。この種類の工業用プラントはそれぞれ、単一の燃料を燃焼することができるか、または順次もしくは同時に2つ以上の燃料を燃焼することができる。対象となる廃棄物流は、工業用プラント排ガス、例えば、燃焼排ガスである。「燃焼排ガス」とは、化石燃料またはバイオマス燃料の燃焼による燃焼生成物から得られるガスを意味し、その後、工業用プラントの煙道としても知られる煙突に送られる。
【0025】
セメントプラントによって生成された廃棄物流は、本発明のシステムおよび方法にも好適である。セメントプラント廃棄物流には、湿式プロセスプラントおよび乾式プロセスプラントの両方からの廃棄物流が含まれ、これらのプラントは、溶鉱炉または回転炉を使用してもよく、予備仮焼装置を含み得る。これらの工業用プラントはそれぞれ、単一の燃料を燃焼することができるか、または順次もしくは同時に2つ以上の燃料を燃焼することができる。精錬所および製油所などの他の工業用プラントもまた、二酸化炭素を含む廃棄物流の有用な供給源である。
【0026】
産業廃棄物ガス流は、一次非空気由来成分として二酸化炭素を含有し得るか、または、特に石炭火力発電所の場合、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、および1つ以上の追加のガスなどの追加の成分(総称して非CO汚染物質と称され得る)を含有し得る。追加のガスおよび他の成分としては、CO、水銀および他の重金属、ならびに(例えば、焼成および燃焼プロセスからの)粉塵粒子が挙げられ得る。ガス流中の追加の非CO汚染物質成分としてはまた、塩化水素およびフッ化水素などのハロゲン化物、フライアッシュ、ダスト、およびヒ素、ベリリウム、ホウ素、カドミウム、クロム、クロムVI、コバルト、鉛、マンガン、水銀、モリブデン、セレン、ストロンチウム、タリウム、バナジウムなどの金属などの粒子状物質、ならびに炭化水素、ダイオキシン、およびPAH化合物などの有機物が挙げられる。処理され得る好適な気体廃棄物流は、いくつかの実施形態において、COが200ppm~1,000,000ppm、または200ppm~500,000ppm、または200ppm~100,000ppm、または200ppm~10,000、または200ppm~5,000ppm、または200ppm~2000ppm、または200ppm~1000ppm、または200ppm~500ppm、または500ppm~1,000,000ppm、または500ppm~500,000ppm、または500ppm~100,000ppm、または500ppm~10,000、または500ppm~5,000ppm、または500ppm~2000ppm、または500ppm~1000ppm、または1000ppm~1,000,000ppm、または1000ppm~500,000ppm、または1000ppm~100,000ppm、または1000ppm~10,000、または1000ppm~5,000ppm、または1000ppm~2000ppm、または2000ppm~1,000,000ppm、または2000ppm~500,000ppm、または2000ppm~100,000ppm、または2000ppm~10,000ppm、または2000ppm~5,000ppm、または2000ppm~3000ppm、または5000ppm~1,000,000ppm、または5000ppm~500,000ppm、または5000ppm~10,000ppm、または10,000ppm~1,000,000ppm、または10,00ppm~500,000ppm、または10,000ppm~100,000ppm、または50,000ppm~1,000,000ppm、または50,000ppm~500,000ppm、または50,000ppm~100,000ppm、または100,000ppm~1,000,000ppm、または100,000ppm~500,000ppm、または200,000ppm~2000ppm、例えば、180,000ppm~10,000ppmも含む180,000ppm~2000ppm、または180,000ppm~5000ppmの量で存在する。
【0027】
廃棄物流、特に燃焼ガスの様々な廃棄物流は、1つ以上の追加の非CO成分、例えば、水、NOx(単窒素酸化物:NOおよびNO)、SOx(単硫黄酸化物:SO、SOおよびSO)、VOC(揮発性有機化合物)、限定されないが、水銀などの重金属、および粒子状物質(ガス中に懸濁された固体または液体の粒子)が含まれ得る。燃焼排ガス温度も変化する場合がある。いくつかの実施形態において、COを含む燃焼排ガスの温度は、0℃~2000℃、または0℃~1000℃、または0℃~500℃、または0℃~100℃、または0℃~50℃、または10℃~2000℃、または10℃~1000℃、または10℃~500℃、または10℃~100℃、または10℃~50℃、または50℃~2000℃、または50℃~1000℃、または50℃~500℃、または50℃~100℃、または100℃~2000℃、または100℃~1000℃、または100℃~500℃、または500℃~2000℃、または500℃~1000℃、または500℃~800℃、または60℃~700℃などであり、100℃~400℃を含む。
【0028】
いくつかの場合において、ガス状CO源は、直接空気捕捉(DAC)システムによって生成される空気および生成物ガスである。DACシステムは、二酸化炭素COを周囲空気から直接分離することができる技術の一種である。DACシステムは、空気からCOを直接捕捉し、DACシステムに入力される空気よりも高い濃度でCOを含む生成物ガスを発生する任意のシステムである。DACシステムに入力される空気中のCO濃度は、地球大気中のCO濃度が均質ではないため、変化する可能性がある。いくつかの場合において、100ppm以上、例えば500ppm以上、5000ppm以上を含むため、DACシステムの位置は、CO濃度が比較的高い場所、例えば、首都圏の工業地帯などにおける混雑した高速道路のインターチェンジの近く、悪い通勤通路の近くでのCO捕捉においてより効率的になる。DACで発生したガス状CO源中のCOの濃度は変化し得るが、いくつかの場合において、濃度が1,000ppm以上、例えば10,000ppm以上、100,000ppm以上を含み、この生成物ガスが純粋なCOではない可能性があり、いくつかの場合において、生成物ガスが、10%以上の非CO構成物を含む、5%以上の非CO構成物などの3%以上の非CO構成物である。生成物流に存在し得る非CO構成物は、入力空気および/またはDACシステムに由来する構成物であり得る。いくつかの場合において、DAC生成物ガス中のCOの濃度は、1,000ppm~999,000ppm、例えば1,000ppm~10,000ppm、または10,000ppm~100,000ppm、または100,000ppm~999,000ppmの範囲である。DAC発生ガス流は、いくつかの実施形態において、200ppm~1,000,000ppm、または200ppm~500ppm,000ppm、または200ppm~100,000ppm、または200ppm~10,000、または200ppm~5,000ppm、または200ppm~2,000ppm、または200ppm~1,000ppm、または200~500ppm、または500ppm~1,000,000ppm、または500ppm~500,000ppm、または500ppm~100,000ppm、または500ppm~10,000、または500ppm~5,000ppm、または500ppm~2,000ppm、または500ppm~1,000ppm、または1,000ppm~1,000,000ppm、または1,000ppm~500,000ppm、または1,000ppm~100,000ppm、または1,000ppm~10,000ppm、または1,000ppm~5,000ppm、または1,000ppm~2,000ppm、または2,000ppm~1,000,000ppm、または2,000ppm~500,000ppm、または2,000ppm~100,000ppm、または2,000ppm~10,000ppm、または2,000ppm~5,000ppm、または2,000ppm~3,000ppm、または5,000ppm~1,000,000ppm、または5,000ppm~500,000ppm、または5,000ppm~100,000ppm、または5,000ppm~10,000ppm、または10,000ppm~1,000,000ppm、または10,00ppm~500,000ppm、または10,000ppm~100,000ppm、または50,000ppm~1,000,000ppm、または50,000ppm~500,000ppm、または50,000ppm~100,000ppm、または100,000ppm~1,000,000ppm、または100,000ppm~500,000ppm、または、200,000ppm~1000ppmを含む200,000ppm~2000ppm、例えば、180,000ppm~2,000ppm、または180,000ppm~5,000ppm、これには180,000ppm~10,000ppmも含まれる、の量で存在するCOを有する。水性捕捉液体と接触するDAC生成物ガスは、任意の便利なDACシステムによって生成することができる。DACシステムは、COに結合するが他の大気圧化学物質(窒素および酸素など)に結合しない媒体を使用して空気からCOを抽出するシステムである。空気が、CO結合媒体上を通過すると、COが、結合媒体に「粘着」する。次いで、刺激、例えば、熱、湿度などに応答して、結合したCOを結合媒体から放出し、ガス状CO含有生成物を生成してもよい。対象となるDACシステムとしては、限定されないが、アミン系または水酸化物系システム、およびCO吸着剤/温度スイング系システムが挙げられる。いくつかの場合において、DACシステムは、アミン系または水酸化物系システムあり、COは、空気を水性アミンまたは水性水酸化物液体と接触させることによって空気から分離して、水性アンモニウム炭酸塩などの水性炭酸塩を生成する。水酸化物系DACシステムの例としては、限定されないが、PCT公開出願第WO/2009/155539号、WO/2010/022339号、WO/2013/036859号、およびWO/2013/120024号に記載されるものが挙げられ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの場合において、DACシステムは、CO吸着剤ベースのシステムであり、ここで、COは、空気をアミン吸着剤などの吸着剤と接触させることによって空気から分離し、続いて、吸着剤を1つ以上の刺激、例えば、温度の変化、湿度の変化などに供することによって、吸着剤捕捉COの放出を行う。かかるDACシステムの例としては、限定されないが、PCT公開出願第WO/2005/108297号、WO/2006/009600号、WO/2006/023743号、WO/2006/036396号、WO/2006/084008号、WO/2007/016271号、WO/2007/114991号、WO/2008/042919号、WO/2008/061210号、WO/2008/131132号、WO/2008/144708号、WO/2009/061836号、WO/2009/067625号、WO/2009/105566号、WO/2009/149292号、WO/2010/019600号、WO/2010/022399号、WO/2010/107942号、WO/2011/011740号、WO/2011/137398号、WO/2012/106703号、WO/2013/028688号、WO/2013/075981号、WO/2013/166432号、WO/2014/170184号、WO/2015/103401号、WO/2015/185434号、WO/2016/005226号、WO/2016/037668号、WO/2016/162022号、WO/2016/164563号、WO/2016/161998号、WO/2017/184652号、およびWO/2017/009241号に記載されるものが挙げられる、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
上記に要約したように、水性捕捉液体は、CO隔離材料を生成するために十分な条件下でガス状CO源と接触する。CO隔離材料は、所望により、複数ステッププロトコルまたは単一ステッププロトコルを使用することによって、ガス状CO源および捕捉液体から生成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、CO捕捉液体およびガス状CO源の組み合わせは、水性炭酸塩の生成をもたらし、その後、水性炭酸塩は、CO隔離材料を生成するために、二価カチオン源、例えば、Ca2+源および/またはMg2+源と接触する。さらに他の実施形態において、ワンステップCOガス吸収炭酸塩沈殿物プロトコルが用いられる。
【0030】
水性捕捉アンモニア中のアンモニアの濃度は変化してもよく、いくつかの場合において、水性捕捉アンモニアは、1リットル当たり0.1~20.0モル(M)の範囲の濃度のアンモニア(NH)を含み、いくつかの場合において、0.1~5.0M、例えば0.1~4.0M、例えば4.0Mを含み得、他の場合において、2~20M、例えば4~20Mを含む。水性捕捉アンモニアは、任意の都合がよい水を含み得る。水性捕捉アンモニアを生成し得る対象となる水としては、限定されないが、淡水、海水、塩水、生成水および廃水が挙げられる。いくつかの場合において、対象となる水は、廃水処理プラントからのリサイクル水であり得、リサイクル水は、10~500ppmの範囲の濃度ですでにNHを含み、いくつかの場合において、10~100ppm、例えば、10~90ppm、他の場合には、100~500ppm、例えば、150~500ppmのNHを含む。水性捕捉アンモニアのpHは、いくつかの場合において、10.0~13.5、例えば10.5~12.5を含む10.0~13.0の範囲で変化し得る。対象となる水性捕捉アンモニアに関するさらなる詳細は、PCT公開出願第WO/2017/165849号において提供され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
例えば、上記のように、CO含有ガスは、任意の都合が良いプロトコルを使用して、水性捕捉液体、例えば、水性捕捉アンモニアと接触させてもよい。例えば、対象となる接触プロトコルとしては、限定されないが、直接接触プロトコル、例えば、ある体積の水性媒体を通してガスを気泡状にすること、同時接触プロトコル、すなわち、一方向的に流れる気相流と液相流との間の接触、向流プロトコル、すなわち、反対方向に流れる気相流と液相流との間の接触などが挙げられる。接触は、好都合であり得るように、注入器、バブラー、流体ベンチュリ反応器、多孔分散管、ガスフィルター、スプレー、トレイ、スクラバー、吸収器、または充填されたカラム反応器などの使用を通じて達成され得る。いくつかの場合において、接触プロトコルは、米国特許第7,854,791号、同第6,872,240号、および同第6,616,733号、ならびに米国特許出願公開第US/2012/0237420号に記載されるものなどの従来の吸収器または吸収器泡カラムを使用してもよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。プロセスは、バッチまたは連続プロセスであり得る。
【0032】
いくつかの場合において、ガス状CO源は、微多孔膜接触器を使用して液体と接触する。対象となる微多孔膜接触器は、好適なハウジングに存在する微多孔膜を含み、ハウジングは、ガス入口および液体入口、ならびにガス出口および液体出口を含む。接触器は、分子が微多孔膜の孔を介してガスから液体中に溶解することができるように、ガスおよび液体が膜の反対側に接触するように構成される。膜は、任意の好都合な形式で構成することができ、いくつかの場合において、膜は中空繊維形式で構成される。使用され得る中空繊維膜反応器形式としては、限定されないが、米国特許第7,264,725号および同第5,695,545号に記載されているものが挙げられ、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの場合において、使用される微多孔質中空繊維膜接触器は、Liqui-Cel(登録商標)中空繊維膜接触器(3M社から入手可能)であり、この膜接触器は、ポリプロピレン膜接触器およびポリオレフィン膜接触器を含む。
【0033】
捕捉液体とCO含有ガスとの間の接触は、CO含有ガス中に存在するCOのかなりの部分が溶液中に入る、例えば、重炭酸イオンを生成するような条件下で生じる。かなりの部分とは、10%以上、例えば、80%以上を含む50%以上を意味する。
【0034】
CO含有ガスと接触する捕捉液体の温度は変化し得る。いくつかの場合において、温度は、20~80℃などの-1.4~100℃の範囲であり、40~70℃を含む。いくつかの場合において、温度は、-1.4~50℃以上、例えば、-1.1~45℃以上の範囲であり得る。いくつかの場合において、より低い温度が使用され、かかる温度は、-1.1~0℃などの-1.4~4℃の範囲であり得る。いくつかの場合において、より温かい温度が使用される。例えば、いくつかの場合において、捕捉液体の温度は、25℃以上、例えば30℃以上であってもよく、いくつかの実施形態において、25~50℃、例えば30~40℃の範囲であってもよい。
【0035】
CO含有ガスおよび捕捉液体を、所望のCO荷電液体の生成に好適な圧力で接触させる。いくつかの場合において、接触条件の圧力は、最適なCO吸収を提供するように選択され、かかる圧力は、1~50気圧、例えば、20~30気圧、または1~10気圧など、1~100気圧の範囲であり得る。接触が自然に1気圧である場所で生じる場合、圧力は、任意の都合が良いプロトコルを使用して所望の圧力に増加され得る。いくつかの場合において、接触は、最適圧力が存在する場所、例えば、海洋または海などの水体の表面下の位置で、生じる。
【0036】
接触は、水性アンモニウム炭酸塩を生成するために十分な方法で行われる。水性アンモニウム炭酸塩は変化してもよく、いくつかの場合において、水性アンモニウム炭酸塩は、炭酸アンモニウムおよび重炭酸アンモニウムのうちの少なくとも1つを含み、いくつかの場合において、炭酸アンモニウムおよび重炭酸アンモニウムの両方を含む。水性重炭酸アンモニウムは、溶解無機炭素(DIC)含有液体として見ることができる。したがって、水性捕捉アンモニアにCOを封入する際、DAC発生CO含有ガスは、CO捕捉液体中でDICを生成するために、すなわち、DIC含有液体を生成するために十分な条件下で、CO捕捉液体と接触させてもよい。DICは、以下の式で表される、溶液中の無機炭素種の濃度の合計である。DIC=[CO ]+[HCO ]+[CO 2-]、[CO ]は二酸化炭素([CO])と炭酸([HCO])の濃度の合計であり、[HCO ]は重炭酸塩濃度(重炭酸アンモニウムを含む)であり、[CO 2-]は溶液中の炭酸塩濃度(炭酸アンモニウムを含む)である。水性媒体のDICは変化してもよく、いくつかの場合において、5,000ppm以上の炭素、例えば、15,000ppm以上の炭素を含む10,000ppm以上の炭素であり得る。いくつかの場合において、水性媒体のDICは、5,000~50,000ppmの炭素、例えば8,000~12,000ppmの炭素を含む7,500~15,000ppmの炭素の範囲であり得る。液体中に溶解したCOの量は、いくつかの場合において、0.05~40mM、例えば、25~30mMを含む1~35mMの範囲で変化し得る。結果として生じるDIC含有液体のpHは、いくつかの場合において、4~12、例えば、6~11および7~10、例えば8~8.5を含む範囲で変化し得る。
【0037】
必要に応じて、CO含有ガスは、COの重炭酸塩への変換を媒介する触媒(すなわち、天然で不均質または均質のいずれかの吸収触媒)の存在下で、捕捉液体と接触する。吸収触媒として対象となるものは、8~10の範囲のpHレベルで、溶解COからの重炭酸イオンの生成速度を増加させる触媒である。速度増加の大きさは(例えば、触媒が存在しない対照と比較して)変化し得、いくつかの場合において、好適な対照と比較して、2倍以上、例えば5倍以上、例えば10倍以上である。かかる実施形態に好適な触媒の例に関するさらなる詳細は、米国特許第9,707,513号に見出され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0038】
いくつかの実施形態において、結果として生じる水性アンモニウム炭酸塩は、バルク液体、例えばバルク溶液中の液体縮合相(LCP)の液滴を含む二相液体である。「液体縮合相」または「LCP」とは、重炭酸イオンを含む液体溶液の相を意味し、重炭酸イオンの濃度は、LCP相において周囲のバルク液体よりも高い。LCP液滴は、重炭酸イオンがバルク溶液の濃度を超える縮合濃度に会合し、非結晶溶液状態で存在する、メタ安定性の重炭酸塩リッチ液体前駆体相の存在によって特徴付けられる。LCPには、インターフェースの外側にあるバルク溶液中に見つけられたすべての組成物が含まれている。しかしながら、重炭酸イオンの濃度は、バルク溶液中よりも高い。LCP液滴が存在する状況では、LCPおよびバルク溶液はそれぞれ、イオン対および前核形成クラスター(PNC)を含有し得る。存在する場合、イオンは、溶液中のイオン対およびPNCと比較して、長時間にわたってそれらのそれぞれの相に残る。LCP含有液体に関するさらなる詳細は、米国特許第9,707,513号において提供され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
固体CO隔離炭酸塩の生成
上記で概説したように、多段階プロトコルおよび単一ステッププロトコルの両方を使用して、CO含有ガス水性捕捉アンモニアからCO隔離炭酸塩材料を生成し得る。例えば、いくつかの実施形態において、生成物水性アンモニウム炭酸塩は、CO隔離炭酸塩生成モジュールに転送され、二価カチオン、例えば、Ca2+および/またはMg2+は、水性アンモニウム炭酸塩と組み合わされて、CO隔離炭酸塩を生成する。さらに他の事例では、水性アンモニウム炭酸塩が二価カチオンと結合してCO隔離炭酸塩の生成をもたらすように生成されるため、水性捕捉アンモニアは、例えば、Ca2+および/またはMg2+などの二価カチオン源を含む。
【0040】
したがって、いくつかの実施形態において、例えば、水性アンモニウム炭酸塩などの水性炭酸塩の生成後、水性炭酸塩は、上記のように、その後、固体CO隔離炭酸塩を生成するために十分な条件下で、カチオン源と組み合わされる。異なる価のカチオンは、固体炭酸塩組成物(例えば、炭酸塩鉱物の形態)を形成することができる。いくつかの場合において、ナトリウムカチオンおよびカリウムカチオンなどの一価カチオンが使用され得る。他の事例では、アルカリ土類金属カチオン、例えば、カルシウム(Ca2+)カチオンおよびマグネシウム(Mg2+)カチオンなどの二価カチオンが使用され得る。カチオンが炭酸塩水溶液に添加される場合、二価カチオンがCa2+を含むときの非晶質炭酸カルシウム(CaCO)などの炭酸塩固体の沈殿物は、カチオン当たり1個の炭酸塩種イオンの化学量論的比で生成され得る。
【0041】
かかる事例では、任意の好都合なカチオン源が用いられ得る。対象となるカチオン源としては、限定されないが、海水脱水プラント、汽水脱水プラント、地下水回収施設、廃水施設などの水処理施設からの塩水、冷却塔を有する施設からのブローダウン水などが挙げられ、これらは、カチオン含有量が高い濃縮された溶液流を生成する。カチオン源としても対象となるものは、限定されないが、天然の塩水および地質海水などの天然に生じる源であり、これらは、様々なカチオン濃度を有してよく、また、水性アンモニウム炭酸塩からの炭酸塩固体の生成を誘発するための準備ができたカチオン源を提供し得る。いくつかの場合において、カチオン源は、プロセスの別のステップの廃棄物生成物、例えば、水性アンモニウム塩からのアンモニアの再生中に生成されるカルシウム塩(CaClなど)であってもよい。
【0042】
さらに他の実施形態において、水性捕捉アンモニアは、例えば、上記のようにカチオンを含む。カチオンは、任意の好都合なプロトコルを使用して、水性捕捉アンモニア中に提供され得る。いくつかの場合において、水性捕捉アンモニア中に存在するカチオンは、水性アンモニウム塩からの水性捕捉アンモニアの再生に使用されるジオマスに由来する。加えて、および/またはあるいは、例えば、上記のように、カチオン源と水性捕捉アンモニアとを組み合わせることによって、カチオンを提供してもよい。
【0043】
本発明の方法の実施形態によって生成される生成物CO隔離炭酸塩は、大きく変動し得る。沈殿生成物は、1つ以上の異なる炭酸塩化合物、例えば、2つ以上の異なる炭酸塩化合物、例えば、3つ以上の異なる炭酸塩化合物、5つ以上の異なる炭酸塩化合物などを含むことができ、これには、非区別の非晶質炭酸塩化合物が含まれる。本発明の沈殿生成物の炭酸塩化合物は、分子製剤X(COを有する化合物であってよく、式中、Xは、炭酸塩基またはその複数と化学的に結合することができる任意の元素または元素の組み合わせであり、Xは、ある特定の実施形態において、アルカリ土類金属であり、アルカリ金属ではなく、mおよびnは、化学量論的正の整数である。これらの炭酸塩化合物は、分子式中に1つ以上の構造水が存在する、X(CO・HOの分子式を有し得る。ASTM D7348によって固体燃焼残基の強熱減量(LOI)のための標準試験方法を使用して、クーロメトリー滴定として記載されるプロトコルを使用してクーロメトリーによって、またはLOIによって決定される、生成物中の炭酸塩の量は、40%以上、例えば、80%以上を含む70%以上であり得る。
【0044】
沈殿生成物の炭酸塩化合物には、限定されないが、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、硫黄、ホウ素、シリコン、ストロンチウム、およびそれらの組み合わせのイオン種など多くの異なるカチオンが含まれ得る。対象となるものは、カルシウムおよびマグネシウムの炭酸塩化合物などの二価金属カチオンの炭酸塩化合物である。対象となる特定の炭酸塩化合物としては、限定されないが、炭酸カルシウム鉱物、炭酸マグネシウム鉱物および炭酸カルシウムマグネシウム鉱物が挙げられる。対象となる炭酸カルシウム鉱物としては、限定されないが、カルシウム(CaCO)、アラゴナイト(CaCO)、バテライト(CaCO)、イカイト(CaCO・6HO)、および非晶質炭酸カルシウム(CaCO)が挙げられる。対象となる炭酸マグネシウム鉱物としては、限定されないが、マグネサイト(MgCO)、バリントナイト(MgCO・2HO)、ネスクオナイト(MgCO・3HO)、ランフォーディット(MgCO・5HO)、ヒドロマグネサイト、および非晶質炭酸マグネシウムカルシウム(MgCO)が挙げられる。対象となる炭酸カルシウムマグネシウム鉱物としては、限定されないが、ドロマイト(CaMg)(CO)、ハンチ酸塩(MgCa(CO)およびセルジエビト(CaMg11(CO13・HO)が挙げられる。生成物の炭酸塩化合物は、1つ以上の水和水を含み得るか、または無水であり得る。いくつかの場合において、沈殿物中の炭酸マグネシウム化合物の量は、沈殿物中の炭酸カルシウム化合物の量を超える。例えば、沈殿物中の炭酸マグネシウム化合物の重量の量は、沈殿物中の炭酸カルシウム化合物の重量の量を5重量%以上、例えば、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上を超え得る。いくつかの場合において、沈殿物中の炭酸マグネシウム化合物対炭酸カルシウム化合物の重量比は、1.5~5:1、例えば2~3:1を含む2~4:1の範囲である。いくつかの場合において、沈殿生成物は、水酸化物、例えば、二価金属イオン水酸化物、例えば、水酸化カルシウムおよび/または水酸化マグネシウムを含み得る。
【0045】
炭酸塩生成およびそれによって生成された炭酸塩の使用方法に関するさらなる詳細は、US-2014-0322803-A1として公開された米国出願第14/204,994号、US2014-0271440(A1)として公開された米国特許第14/214,129号、US2016-0082387(A1)として公開された米国特許第14/861,996号、ならびに米国特許第9,707,513号、同第9,714,406号、および同第9,993,799号に提供されている。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
いくつかの場合において、炭酸塩生成は、例えば、米国特許第9,993,799号に記載されるように、連続的に行われ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかのかかる事例では、炭酸塩生成は、シード構造の存在下で生じ得る。シード構造とは、液体に二価カチオンを導入する前に、例えば材料生成ゾーン内に、流れる液体に存在する固体構造または材料を意味する。「と関連して」とは、材料が、シード構造の表面、または凹み(例えば、細孔、裂孔など)の少なくとも1つの上で、生成されることを意味する。かかる事例では、炭酸塩材料およびシード構造の複合構造が生成される。いくつかの場合において、生成物炭酸塩材料は、シード構造の表面の一部(すべてではない場合)、例えば、炭酸塩コーティングされたシード構造をコーティングする。いくつかの場合において、生成物炭酸塩材料は、シード構造の凹み(例えば、細孔、裂孔、裂孔など)を充填する。
【0047】
シード構造は、所望に応じて広く変化し得る。「シード構造」という用語は、生成物炭酸塩材料が上におよび/または中に形成される任意の物体を説明するために使用される。シード構造は、所望に応じて、単一の物体または粒子組成物からの範囲であり得る。シード構造が単一の物体である場合、それは、規則的または不規則であり得る様々な異なる形状、および様々な異なる寸法を有し得る。対象となる形状としては、限定されないが、ロッド、メッシュ、ブロックなどが挙げられる。また、対象となるものは、複数の粒子からなる粒子組成物、例えば、顆粒状組成物である。シード構造が粒子組成物である場合、粒子の寸法は、いくつかの場合において、0.01~1,000,000μm、例えば、0.1~100,000μmの範囲で変化し得る。
【0048】
シード構造は、任意の好都合な材料または材料で構成され得る。対象となる材料には、上記のように炭酸塩材料、ならびに非炭酸塩材料の両方が含まれる。シード構造は、天然に生じる、例えば、天然に生じる砂、牡蠣殻もしくは他の炭酸塩骨格アロケムからの殻断片、砂利など、または人工のもの、例えば、粉砕岩、地盤高炉スラグ、フライアッシュ、セメント窯粉塵、赤い泥、返却コンクリート、リサイクルコンクリート、解体コンクリートなどであり得る。例えば、シード構造は、上記のように、プロセス中に炭酸塩材料、例えば、白色炭酸塩材料または着色炭酸塩材料でコーティングされる、砂などの顆粒状組成物であってもよい。
【0049】
いくつかの場合において、シード構造は、粗骨材、例えば、コンクリートのための骨材として機能するには弱すぎる熱帯地域(例えば、フロリダ)から得られ得るように、脆性更新世サンゴ岩などであってもよい。この場合、壊れやすいサンゴ岩をシードとして使用することができ、固体CO隔離炭酸塩が内部孔に堆積され、粗骨材がコンクリートでの使用に好適であるものとし、AASHTO96およびASTM C131またはC535によってロサンゼルス摩耗試験に合格することができる。いくつかの場合において、軽量骨材が所望される場合、外面は堆積の溶液によってのみ貫通され、内側コアを相対的に「中空」のままにして、軽量コンクリートで使用するための軽量骨材を作製する。
【0050】
CO炭酸塩隔離生成物からの材料の生成
生成物炭酸塩材料は、様々な最終使用材料を生成するために、さらに使用、操作、および/または他の組成物と組み合わせてもよい。ある特定の実施形態において、生成物炭酸塩組成物は、何らかの方法で精製される(すなわち、加工される)。精製には、様々な異なるプロトコルが含まれ得る。ある特定の実施形態において、生成物は、所望の物理的特性(例えば、粒径など)を有する生成物を得るために、機械的精製、例えば、粉砕に供される。ある特定の実施形態において、生成物は、例えば、砂、砂利、骨材などの油圧セメントと組み合わせて、例えば、最終生成物、例えば、コンクリートまたはモルタルを生成する。
【0051】
また、対象となる建材が形成される。本発明の形成された建築材料は、大きく変化し得る。「形成された」とは、物理的形状、すなわち構成を規定する人工構造に加工された、例えば、成形された、鋳造された、切断された、またはそれ以外のやり方で生成されたことを意味する。形成された建築材料は、非晶質建築材料、例えば、規定された安定した形状を有さないが、代わりにそれらが保持される容器、例えば、バッグまたは他の容器に適合する粒子(粉末など)組成物とは異なる。例示的な形成された建築材料としては、限定されないが、レンガ、ボード、導管、ビーム、盆地、柱、乾燥壁などが挙げられる。形成された建築材料に関するさらなる例および詳細には、米国特許第7,771,684号に記載されているものが含まれ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
また、対象となるものは、成分として本発明の生成物を含む非セメント性製造品である。本発明の非セメント性製造品は、大きく変化し得る。非セメント性とは、組成物が油圧セメントでないことを意味する。したがって、組成物は、水などの固化する流体と組み合わせる場合、固化して安定した生成物を生成する乾燥組成物ではない。例示的な組成物としては、限定されないが、紙製品、高分子製品、潤滑剤、アスファルト製品、塗料、化粧品、歯磨き粉、消臭剤、石鹸およびシャンプーなどのパーソナルケア製品、液体および固体の両方を含むヒト摂取可能な製品、土壌改良製品および動物飼料などの農産物などが挙げられる。さらなる実施例および詳細は、非セメント性製造品としては、米国特許第7,829,053号に記載されているものが挙げられ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
骨材
上記に要約したように、本発明の方法およびシステムは、コンクリートおよび他の用途で使用するために、炭酸塩コーティングされたシード構造、例えば、炭酸塩コーティングされた骨材を、または任意選択で、シード構造(例えば、純粋な炭酸塩骨材、岩石など)を含まないで、生成するために使用され得る。炭酸塩コーティングされた骨材は、従来のまたは軽量の骨材であり得る。
【0054】
本発明の態様は、CO隔離骨材組成物を含む。CO隔離骨材組成物は、コア、およびコアの表面の少なくとも一部分上にCO隔離炭酸塩コーティングを有する骨材粒子を含む。例えば、上記のように、CO隔離炭酸塩コーティングは、CO隔離炭酸塩材料から作製される。主題の骨材組成物のコーティングされた粒子のコーティングに存在するCO隔離炭酸塩材料は、変化し得る。いくつかの場合において、骨材のコアの同位体プロファイルは、骨材が第1の同位体プロファイルを有する炭酸塩コーティングと、第1の同位体プロファイルとは異なる第2の同位体プロファイルを有するコアとを有するように、骨材の炭酸塩コーティングとは異なる。
【0055】
いくつかの場合において、炭酸塩材料は、高反射性微結晶性/非晶質炭酸塩材料である。本発明のコーティングに存在する微結晶性/非晶質材料は、高反射性であり得る。材料は、高反射性であり得るため、同じものを含むコーティングは、高い総表面反射率(TSR)値を有し得る。TSRは、任意の都合が良いプロトコル、例えば、現場における水平および低傾斜面の太陽反射率を測定するためのASTM E1918規格試験方法(R.Levinson,H.Akbari,P.Berdahl,Measuring solar reflectance-Part II:review of practical methods,LBNL 2010も参照のこと)を使用して決定することができる。いくつかの場合において、バックシートは、Rg;0=0.0~Rg;0=1.0、例えばRg;0=0.40~Rg;0=0.98を含むRg;0=0.25~Rg;0=0.99の範囲のTSR値を示し、例えば、上述のプロトコルを使用して測定される。
【0056】
いくつかの場合において、炭酸塩材料を含むコーティングは、近赤外線(NIR)光を高度に反射し、いくつかの場合において10~99%、例えば、50~99%の範囲である。NIR光とは、700ナノメートル(nm)~2.5ミリメートル(mm)の範囲の波長を有する光を意味する。NIR反射率は、ポータブルエミソメータまたは参照太陽スペクトル照射のためのASTM G173規格テーブルを使用した室温付近の材料の放射を決定するためのASTM C1371規格試験方法などの、任意の便利なプロトコルを使用して決定され得る。37°傾斜した表面の直線的な法線と半球形いくつかの場合において、コーティングは、Rg;0=0.0~Rg;0=1.0、例えば、Rg;0=0.40~Rg;0=0.98を含むRg;0=0.25~Rg;0=0.99の範囲のNIR反射率値を示し、例えば、上述のプロトコルを使用して測定される。
【0057】
いくつかの場合において、炭酸塩コーティングは、紫外(UV)光を高度に反射し、いくつかの場合において、10~99%、例えば、50~99%の範囲である。UV光とは、400nm~10nmの範囲の波長を有する光を意味する。UV反射率は、上述のASTM G173などの任意の都合が良いプロトコルを使用して決定され得る。いくつかの場合において、材料は、Rg;0=0.0~Rg;0=1.0、例えば、Rg;0=0.4~Rg;0=0.98を含むRg;0=0.25~Rg;0=0.99の範囲のUV値を示し、例えば、上述のプロトコルを使用して測定される。
【0058】
いくつかの場合において、コーティングは、可視光、例えば、反射率が10~99%、例えば10~90%の範囲で変化し得る可視光を反射する。可視光とは、380nm~740nmの範囲の波長を有する光を意味する。可視光反射率特性は、上記で参照されるASTM G173などの任意の便利なプロトコルを使用して決定され得る。いくつかの場合において、コーティングは、Rg;0=0.0~Rg;0=1.0、例えば、Rg;0=0.4~Rg;0=0.98を含むRg;0=0.25~Rg;0=0.99の範囲の可視光反射率値を示し、例えば、上述のプロトコルを使用して測定される。
【0059】
炭酸塩成分を構成する材料は、いくつかの場合において、非晶質または微結晶性である。材料が微結晶性である場合、結晶サイズ(例えば、X線回折パターンのFWHMに適用されるScherrer方程式を使用して決定される)は小さく、いくつかの場合において、直径1,000ミクロン(μm)以下、例えば、直径10ミクロン以下を含む直径100ミクロン以下である。いくつかの場合において、結晶サイズは、直径が1,000μm~0.001μmの範囲であり、例えば1~0.001μmを含む10~0.001μmである。いくつかの場合において、結晶サイズは、反射される光の波長(複数可)を考慮して選択される。例えば、可視スペクトル内の光が反射される場合、材料の結晶サイズ範囲は、光バンドギャップを生じるように、「反射される」範囲の2分の1未満であるように選択されてもよい。例えば、光の反射される波長範囲が100~1,000nmである場合、材料の結晶サイズは、1~50nmの範囲などの50nm以下、例えば、5~25nmであるように選択され得る。いくつかの実施形態において、本発明の方法によって生成される材料は、棒状結晶および非晶質固体を含み得る。棒状結晶は、構造が変化してもよく、ある特定の実施形態において、10~1など、500~1の範囲の長さ対直径比を有する。ある特定の実施形態において、結晶の長さは、5μm~100μmなど0.5μm~500μmの範囲である。さらに他の実施形態において、実質的に完全に非晶質固体が生成される。
【0060】
コーティング材料の密度、多孔度、および透過度は、用途に応じて変化し得る。密度に関して、材料の密度は変化し得るが、いくつかの場合において、密度は、3g/cm~0.3g/cmなどの5g/cm~0.01g/cmの範囲であり、2.7g/cm~0.4g/cmを含む。多孔度に関して、BET法によって決定されるように、ガス表面吸着によって決定されるように(Brown Emmett Teller(例えば、S.Brunauer,P.H.EmmettおよびE.Teller,J.Am.Chem.Soc.,1938,60,309.doi:10.1021/ja01269a023)、多孔度は、いくつかの場合において、60m/g~1m/gなどの100m/g~0.1m/gで、40m/g~1.5m/gを含むの範囲であってよい。透過度に関して、いくつかの場合において、材料の透過度は、1~5ダーシーを含む1~10ダーシーなど、0.1~100ダーシーの範囲であり得る(例えば、H.Darcy,Les Fontaines Publiques de la Ville de Dijon,Dalmont,Paris(1856)に記載されているプロトコルを使用して決定される)。透過度はまた、材料の吸収を評価することによって特徴付けられてもよい。吸収プロトコルによって決定されるように、例えば、材料の吸水率は、いくつかの実施形態において、0~25%、例えば、1~15%の範囲であり、2~9%を含む。
【0061】
材料の硬度も変化し得る。いくつかの場合において、材料は、3以上、例えば、6以上を含む、5以上のモース硬度を示し、いくつかの場合において、硬度は、4~7などの3~8の範囲であり、5~6モース(例えば、American Federation of Mineralogical Societies.”Mohs Scale of Mineral Hardness”に記載されているプロトコルを使用して決定されるように)を含む。硬度はまた、例えば、ASTM C1167に記載されるプロトコルを使用して決定されるように、引張強度で表すこともできる。いくつかのかかる事例では、材料は、500~1,800Nを含む400~2,000Nなど、100~3,000Nの圧縮強度を示し得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、炭酸塩材料は、毒性特性浸出手順(TCLP)、抽出手順毒性試験、合成沈殿物浸出手順、カリフォルニア廃棄物抽出試験、可溶性閾値限界濃度、米国試験材料抽出学会試験、および多重抽出手順からなる群から選択される1つ以上の試験によって環境中に浸出しないと予測される1つ以上の汚染物質を含む。試験および試験の組み合わせは、可能性がある汚染物質および組成物の貯蔵条件に応じて選択され得る。例えば、いくつかの実施形態において、組成物はAs、Cd、Cr、Hg、およびPb(またはそれらの生成物)を含んでよく、これらの各々は、石炭火力発電所の燃焼排ガス中などのCOエミッタの廃棄物流中に見出され得る。TCLPは、As、Ba、Cd、Cr、Pb、Hg、Se、およびAgについての試験をするため、TCLPは、本明細書に記載されている骨材について適切な試験であり得る。いくつかの実施形態において、本発明の炭酸塩組成物は、Asを含み、組成物は、Asを環境中に浸出させないと予測される。例えば、組成物のTCLP抽出物は、5.0mg/L未満のAsを提供する可能性があり、組成物がAsに関して有害でないことを示す。いくつかの実施形態において、本発明の炭酸塩組成物は、Cdを含み、組成物は、Cdを環境中に浸出させないと予測される。例えば、組成物のTCLP抽出物は、1.0mg/L未満のCdを提供する可能性があり、組成物がCdに関して有害ではないことを示す。いくつかの実施形態において、本発明の炭酸塩組成物は、Crを含み、組成物は、Crを環境中に浸出しないと予測される。例えば、組成物のTCLP抽出物は、5.0mg/L未満のCrを提供する可能性があり、組成物がCrに関して有害でないことを示す。いくつかの実施形態において、本発明の炭酸塩組成物は、Hgを含み、組成物は、Hgを環境中に浸出させないと予測される。例えば、組成物のTCLP抽出物は、0.2mg/L未満のHgを提供する可能性があり、組成物がHgに関して有害ではないことを示す。いくつかの実施形態において、本発明の炭酸塩組成物は、Pbを含み、組成物は、Pbを環境中に浸出させないと予測される。例えば、組成物のTCLP抽出物は、5.0mg/L未満のPbを提供する可能性があり、組成物がPbに関して有害でないことを示す。いくつかの実施形態において、本発明の同じものを含む炭酸塩組成物および骨材は、所与の試験における異なる汚染物質の組み合わせに関して無害であり得る。例えば、炭酸塩組成物は、所与の試験におけるすべての金属汚染物質に関して無害であってもよい。組成物のTCLP抽出物は、例えば、As中5.0mg/L、Ba中100.0mg/L、Cd中1.0mg/L、Cr中5.0mg/mL、Pb中5.0mg/L、Hg中0.2mg/L、Se中1.0mg/L、およびAg中5.0mg/L未満であり得る。実際、本発明の組成物に関するTCLP分析で試験されたすべての金属のすべてではないにしても大部分は、検出限界を下回ってもよい。いくつかの実施形態において、本発明の炭酸塩組成物は、所与の試験におけるすべての(例えば、無機、有機など)汚染物質に関して無害であり得る。いくつかの実施形態において、本発明の炭酸塩組成物は、毒性特性浸出手順、抽出手順毒性試験、合成沈殿物浸出手順、カリフォルニア廃棄物抽出試験、可溶性閾値限界濃度、米国試験および材料抽出試験協会、ならびに多重抽出手順からなる群から選択される試験の任意の組み合わせにおいて、すべての汚染物質に関して無害であり得る。したがって、本発明の同じものを含む炭酸塩組成物および骨材は、廃棄物ガス流、二価カチオン源の産業廃棄物、プロトン除去剤の産業廃棄物源、または環境中に放出された場合に汚染物質と見なされ得るそれらの組み合わせから様々な化学種(またはそれらの副生成物)と共に、CO(例えば、炭酸塩、重炭酸塩、またはそれらの組み合わせとして)を効果的に隔離し得る。本発明の組成物は、環境汚染物質(例えば、金属、およびHg、Ag、As、Ba、Be、Cd、Co、Cr、Cu、Mn、Mo、Ni、Pb、Sb、Se、Tl、V、Zn、またはそれらの組み合わせなどの金属の副生成物)を浸出不可能な形態で組み込む。
【0063】
本発明の骨材組成物は、コア領域およびコアの表面の少なくとも一部分上にCO隔離炭酸塩コーティングを有する粒子を含む。コーティングは、コア表面の95%以上を含む、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上をカバーし得る。炭酸塩層の厚さは、所望に応じて変化し得る。いくつかの場合において、厚さは、10μm~500μmを含む1μm~1000μmなど、0.1μm~10mmの範囲であり得る。
【0064】
本明細書に記載の骨材組成物のコーティングされた粒子のコアは、広く変化し得る。コアは、任意の便利な骨材材料で構成され得る。好適な骨材材料の例としては、限定されないが、天然鉱物骨材材料、例えば、炭酸塩岩、砂(例えば、天然シリカ砂)、砂岩、砂利、花崗岩、二亜鉛酸塩、斑れい岩、玄武岩など、および合成骨材材料、例えば、工業用副生成物骨材材料、例えば、高炉スラグ、フライアッシュ、都市廃棄物、およびリサイクルコンクリートなどが挙げられる。いくつかの場合において、コアは、上述した任意のスーパーファイン材料から作製されたペレットなどの炭酸塩コーティングとは異なる材料を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、炭酸塩骨材の製造方法は、2019年1月23日に出願された米国仮出願第62/795,986号に詳述される方法を含み、その出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれ、それによって、炭酸塩骨材が、シード構造(例えば、純粋な炭酸塩骨材)なしで任意選択で製造される方法を含む。
【0066】
いくつかの場合において、骨材は、軽量骨材である。かかる事例では、本明細書に記載の骨材組成物のコーティングされた粒子のコアは、コーティングされるときに所望の軽量骨材組成物を提供する限り、広く変化し得る。コアは、任意の便利な材料で構成され得る。好適な骨材材料の例としては、限定されないが、従来の軽量骨材材料、例えば、粉砕火山岩などの天然に生じる軽量骨材材料、例えば、浮石、スコリアまたは凝灰岩、ならびに熱処理粘土、頁岩、スレート、珪藻土、パーライト、バーミキュライト、高炉スラグ、塩基性酸素炉スラグ、電気アーク炉スラグ、およびフライアッシュなどの合成材料、ならびに一般的ではない多孔質材料、例えば、粉砕サンゴ、ポリマーおよび低密度高分子材料などの合成材料、木材、繊維性材料、セメント窯粉塵残留材料、解体/リサイクル/返却されたコンクリート材料、リサイクルガラス、様々な火山鉱物、花崗岩、シリカベアリングミネラル、鉱山尾材などが挙げられる。
【0067】
骨材組成物のコーティングされた粒子の物理的特性は、変化し得る。本発明の骨材は、骨材が、それが使用される用途、例えば、それが使用される建築材料のために所望の特性を提供する限り、変動し得る密度を有する。ある場合において、骨材粒子の密度は、1.1g/cm~5g/cm、例えば、1.3g/cm~3.15g/cmの範囲であり、1.8g/cm~2.7g/cmを含む。本発明の実施形態における他の粒子密度、例えば、軽量骨材については、1.1g/cm~2.2g/cm、例えば、1.2g/cm~2.0g/cmまたは1.4g/cm~1.8g/cmの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、本発明は、35lb/ft~200lb/ft、または50lb/ft~200lb/ft、または75lb/ft~175lb/ft、または50lb/ft~100lb/ft、または75lb/ft~125lb/ft、または85lb/ft~115lb/ft、または100lb/ft~200lb/ft、または125lb/ft~150lb/ft、または140lb/ft~160lb/ft、または50lb/ft~200lb/ft、または35lb/ft~200lb/ftのバルク密度(単位重量)の範囲におよぶ骨材を提供する。本発明のいくつかの実施形態は、軽量骨材、例えば、90lb/ft~115lb/ftなど、75lb/ft~125lb/ftのバルク密度(単位重量)を有する骨材を提供する。いくつかの場合において、軽量骨材は、50~1,200kg/m、例えば80~11kg/mの範囲の重量を有する。
【0068】
本発明の骨材組成物を構成する骨材粒子の硬度も変化し得、ある場合において、Mohs尺度で表される硬度は、1~6または1~5を含む1~7など、1.0~9の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、本発明の骨材のモース硬度は、2~5、または2~4の範囲である。いくつかの実施形態において、モース硬度は、2~6の範囲である。Rockwell、Vickers、またはBrinellスケールなどの他の硬度スケールもまた、骨材を特徴付けるために使用されてもよく、Mohsスケールの値と同等の値が、本発明の骨材を特徴付けるために使用されてもよい。例えば、Vickers硬度250等級は、Mohs等級3に相当し、スケール間の変換は、当技術分野で既知である。
【0069】
骨材の耐摩耗性はまた、例えば、高い耐摩耗性の骨材が表面を研磨から守るために有用である路面での使用のためにも重要であり得る。耐摩耗性は硬度に関係するが、同じではない。本発明の骨材には、ASTM C131などの技術分野で許容される方法によって測定した場合、天然石灰岩と同様の耐摩耗性を有する骨材、または天然石灰岩より優れた耐摩耗性を有する骨材、ならびに天然石灰岩よりも低い耐摩耗性を有する骨材が含まれる。いくつかの実施形態において、本発明の骨材は、上述のASTM C131によって測定したとき、50%未満、または40%未満、または35%未満、または30%未満、または25%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満の耐摩耗性を有する。
【0070】
本発明の骨材はまた、特定の範囲内の多孔度を有し得る。当業者によって理解されるように、いくつかの場合では、高多孔度骨材が所望され、他の場合では、中程度の多孔度の骨材が所望され、他の場合では、低多孔度または非多孔質の骨材が所望される。本発明のいくつかの実施形態の骨材の多孔度は、オーブン乾燥後の水の取り込み、続いて60分間の完全浸漬によって測定され、乾燥重量%として表される場合、2~20%、または2~15%などの1~40%の範囲であることができ、2~10%、またはさらには3~9%を含む。
【0071】
骨材粒子の寸法は変化し得る。本発明の骨材組成物は、いくつかの実施形態において、細かいまたは粗いものとして分類され得る粒子組成物である。本発明の実施形態による微骨材は、4号ふるい(ASTM C125およびASTM C33)をほぼ完全に通過する粒子組成物である。本発明の実施形態による微骨材組成物は、10μm~4.75mm、例えば、50μm~3.0mmの範囲の平均粒径を有し、75μm~2.0mmを含む。本発明の粗骨材は、主に4号ふるい上に保持される組成物である(ASTM C125およびASTM C33)。本発明の実施形態による粗骨材組成物は、4.75mm~200mm、例えば、4.75mm~150mmの範囲の平均粒径を有し、5mm~100mmを含む組成物である。本明細書で使用される場合、「骨材」は、いくつかの実施形態において、より大きなサイズ、例えば、3インチ~12インチ、またはさらには3インチ~24インチ、またはより大きいサイズ、例えば、12インチ~48インチ、または48インチより大きいサイズも包含し得る。
【0072】
いくつかの場合において、本明細書に記載の骨材は、内部硬化コンクリートの骨材としての使用を見出し、骨材は、経時的な水の放出を可能にして、コンクリートのセメント性成分を完全かつ均等に水和する。かかる実施形態の内部硬化骨材生成物を使用して、自己硬化を増加させ、化学的収縮を低減させることによってコンクリートの性能を向上させ、配置されたコンクリート全体の水のゆっくりと均一な放出を通じて、コンクリート本体の亀裂を低減させることができる。これらの実施形態の態様は、コンクリート、その様々な形態およびタイプの性能を向上させるための上記のように内部硬化骨材生成物の使用を含む。上記のように、内部硬化骨材生成物は、DACシステムおよび発電所、製油所およびセメントプラントなどの点光源COエミッタから部分的または完全に隔離された人為的炭素から構成される。二酸化炭素ガスから生じる炭素は、US-2014-0322803-A1として公開された米国出願第14/204,994号、US2014-0271440(A1)として公開された第14/214,129号、およびUS2016-0082387A1として公開された第14/861,996号、ならびに米国特許第9,707,513号、同第9,714,406号、および同第9,993,799号に提供されるような炭素捕捉および鉱物化方法によって隔離され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。捕捉されたCOは、コンクリートの内部硬化骨材生成物の一部またはすべてを構成するカルシウムまたは他の二価カチオン性炭酸塩固体の形態の合成石灰石をもたらす。本発明の態様は、コンクリート、モルタル、舗装、またはDACシステムに由来するCOを含有する他の建築材料、または化石燃料もしくは他の形態の燃料および他のCO基準の汚染源の燃焼で使用するための、骨材の全部または一部で構成された岩石の使用を含む。いくつかの実施形態において、上記のように炭素捕捉および鉱物化の方法から製造される微骨材または粗骨材は、コンクリートの単位体積当たりの内部硬化に必要な軽量骨材の量を推定するためのガイドラインを提供する、コンクリートおよび肉のための内部硬化骨材ASTM Standard Specification for Lightweight Aggregate for Internal Curing of Concrete C1761として使用される。内部硬化コンクリート用途における骨材の使用に関するさらなる詳細は、2018年1月30日に出願された米国仮出願第62/624,022号において提供され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
コンクリート乾燥複合材料
好適に固化する液体(以下に記載されるような)と組み合わせると、コンクリートまたはモルタルに固化するまたは硬化する固化可能組成物を生成するコンクリート乾燥複合材料も提供される。本明細書に記載のコンクリート乾燥複合材料は、例えば、上記のように、一定量の骨材、および油圧セメントなどのセメントを含む。「油圧セメント」という用語は、その従来の意味で、水または溶媒が水、例えば、混和剤溶液である溶液と組み合わせた後に固めるおよび硬化する組成物を指すために使用される。本発明のコンクリート乾燥複合材と水性液体との組み合わせによって生成された生成物の固化および硬化は、水との反応時にセメントから形成される水和物の生成から生じ、水和物は、本質的に水に不溶性である。
【0074】
本発明の骨材は、純粋なポートランドセメントと組み合わせると、従来のコンクリートで使用される従来の天然岩石骨材の代わりに使用される。ある特定の実施形態において、対象となる他の油圧セメントは、ポートランドセメントブレンドである。「ポートランドセメントブレンド」という語句は、ポートランドセメント成分および相当量の非ポートランドセメント成分を含む油圧セメント組成物を含む。本発明のセメントは、ポートランドセメントブレンドであるため、セメントは、ポートランドセメント成分を含む。ポートランドセメント成分は、任意の便利なポートランドセメントであってもよい。当技術分野で既知であるように、ポートランドセメントは、ポートランドセメントクリンカー(90%超)、設定時間を制御する限られた量の硫酸カルシウム、および(様々な規格で許容されるように)最大5%の微量構成物によって生成される粉末組成物である。反応のための二酸化炭素を提供するために使用される排ガスが、SOxを含有する場合、次いで、追加の硫酸カルシウムの必要性を相殺するためのセメントまたは骨材のいずれかとして、十分な硫酸塩が硫酸カルシウムとして沈殿した材料中に存在し得る。欧州規格EN197.1で定義されているように、「ポートランドセメントクリンカーは、ケイ酸カルシウム(3CaO・SiOおよび2CaO・SiO)の少なくとも3分の2からなり、残りは、アルミニウムおよび鉄含有クリンカー相および他の化合物からなる油圧材料である。CaO対SiOの比は、2.0以上でなければならない。マグネシウム含有量(MgO)は5.0質量%を超えないものとする」。MgOに関する懸念は、固化反応の後半で、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水滑石が形成され、セメントの変形および弱化および亀裂につながる可能性があることである。セメントを含有する炭酸マグネシウムの場合、水滑石はMgO場合のように形成されない。ある特定の実施形態において、本発明のポートランドセメント構成物は、ASTM C150ポートランドセメントの規格仕様を満たす任意のポートランドセメントである。ASTM C150は、8種類のポートランドセメント、I-VIIIタイプをカバーしており、それぞれ異なる特性を有し、これらの特性に特別に使用されている。
【0075】
油圧セメントとしても対象となるものは、油圧セメントを含有する炭酸塩である。かかる油圧セメントを含有する炭酸塩、それらの製造および使用方法は、米国特許第7,735,274号に記載されており、その出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
ある特定の実施形態において、油圧セメントは、ポートランドセメントおよび炭酸塩含有油圧セメントなどの2つ以上の異なる種類の油圧セメントのブレンドであってもよい。ある特定の実施形態において、ブレンド中の第1のセメント、例えば、ポートランドセメントの量は、10~90%(w/w)、例えば、30~70%(w/w)の範囲であり、40~60%(w/w)、例えば、80%OPCおよび20%炭酸塩油圧セメントのブレンドを含む。
【0077】
いくつかの場合において、コンクリート乾燥複合材料組成物、およびそれから生成されたコンクリートは、本発明の骨材を含まない対照組成物のCSRよりも低いCARBONSTAR(登録商標)評価(CSR)を有する。CSRは、生成物自体の炭素密集生成がどの程度であるか(すなわち、生成物COの観点から)比較して、任意の生成物の具体化された(CaCOまたは他のXCOの形態での)炭素を特徴付ける値である。CSRは、コンクリート単位におけるCOの具体化された質量またはオフセット量に基づいた指標である。コンクリートの3つの構成要素-水、セメントおよび骨材のうち、セメントはCO排出量の最も重要な要因であり、質量でおよそ1:1である(1トンのセメントはおよそ1トンのCOを生成する)。そのため、コンクリートの立方ヤードが600ポンドのセメントを使用している場合、そのCSRは600である。600ポンドのセメントを含み、例えば、上記のように、骨材の少なくとも一部分が炭酸塩コーティングされた骨材である、本発明の実施形態によるコンクリートの立方ヤードは、600未満、例えば、CSRが550以下、例えば、500以下、例えば、400以下、例えば、250以下、例えば、100以下であってよく、いくつかの場合において、CSRが、負の値、例えば、-100以下、例えば、-500以下、例えば、-1,000以下であってよく、いくつかの場合において、600ポンドのセメントを有するコンクリートの立方ヤードのCSRは、500~-5,0000、例えば、-500~-3,000を含む-100~-4,000の範囲であってよい。本発明の炭酸塩コーティングされた骨材を含むコンクリートの所与の立方ヤードのCSRを決定するために、コンクリート立方ヤードのセメント成分の生成のために発生したCOの初期値が決定される。例えば、ヤードが600ポンドのセメントを含む場合、初期値600がヤードに割り当てられる。次に、ヤード中の炭酸塩コーティング量を決定する。炭酸塩の分子量は100a.u.であり、炭酸塩の44%はCOであるため、ヤード内に存在する炭酸塩コーティング量に44%(0.44)を乗じ、結果として生じる値が、ヤードのCSRを得るために、初期値から差し引かれる。例えば、コンクリート混合物の所与のヤードが、が600ポンドのセメント、300ポンドの水、1,429ポンドの微骨材、および1,739ポンドの粗骨材で構成される場合、コンクリートのヤードの重量は4,068ポンドであり、CSRは600である。この混合物中の骨材の総質量の10%が、例えば、上記のように、炭酸塩コーティングで骨材によって置き換えられる場合、訂正されたコンクリートのヤード中に存在する炭酸塩の量は、317ポンドである。この値に44%を掛けると139が得られる。この数値を600から引くと、461のCSRが得られる。
【0078】
固化可能組成物
本発明の固化可能な組成物、例えば、コンクリートおよびモルタルは、同時に、またはセメントを骨材と予め組み合わせてから、それから結果として生じる乾燥成分を水と組み合わせることによって、油圧セメントと、一定量の骨材(モルタル(例えば、砂)については微細、コンクリートについては微細、または微細なしで粗い)と、水性液体(例えば、水)とを組み合わせることによって生成される。本発明のセメント組成物を使用するコンクリート混合物のための粗骨材材料の選択は、約3/8インチの最小サイズを有してよく、これらの制限の間の勾配を含む、その最小から最大1インチ以上のサイズで変化し得る。微細に分割された骨材は、サイズが3/8インチ未満であり、200-ふるいサイズ程度まではるかに細かいサイズで再び等級をつけることができる。微骨材は、本発明のモルタルおよびコンクリートの両方に存在し得る。セメントの乾燥成分中のセメント対骨材の重量比は変化してよく、ある特定の実施形態において、2:10~5:10などの1:10~4:10の範囲であり、55:100~70:100を含む。
【0079】
乾燥成分が組み合わされて固化可能組成物、例えばコンクリートを生成する液相、例えば水性流体は、所望に応じて、純水から、1つ以上の溶質、添加剤、共溶媒などを含む水まで、変化し得る。固化可能組成物を調製する際に組み合わされる乾燥成分対液相の比は、変化してよく、ある特定の実施形態において、3:10~6:10などの2:10~7:10の範囲であり、4:10~6:10を含む。
【0080】
ある特定の実施形態において、セメントは、1つ以上の混和剤と共に使用され得る。混和剤は、基本的なコンクリート混合物では得られない望ましい特性を提供するため、またはコンクリートの性質を変更して、特定の目的またはコスト削減のために、より容易に使用可能またはより好適にするために、コンクリートに添加される組成物である。当技術分野で既知であるように、混和剤は、コンクリートまたはモルタルの成分として使用される、油圧セメント、骨材、および水以外の任意の材料または組成物であり、いくつかの特徴を向上するか、またはそのコストを低減する。使用される混和剤の量は、その混和剤の性質に応じて変化し得る。ある特定の実施形態において、これらの成分の量は、0.1~50%w/w、例えば、2~10%w/wの範囲である。
【0081】
対象となる混和剤としては、セメント化材料、ポゾラン、ポゾランおよびセメント化材料、ならびに公称不活性材料などの細かく分割された鉱物混和剤が挙げられる。ポゾランとしては、珪藻土、オパールのようなチャート、粘土、シェール、フライアッシュ、シリカヒューム、火山灰、および浮遊石が挙げられ、これらは既知のポゾランの一部である。特定の粉砕された粒状の鉄とスチールスラグと高カルシウムフライアッシュとは、ポゾランとセメントとの性質の両方を有している。公称不活性材料はまた、細かく分割された原石、ドロマイト、石灰岩、大理石、花崗岩、および他も含むことができる。フライアッシュは、ASTM C618に定義される。
【0082】
対象となる他のタイプの混和剤としては、可塑剤、促進剤、遅延剤、空気入れ剤、発泡剤、還元水、腐食阻害剤、および顔料が挙げられる。
【0083】
したがって、対象となる混和剤としては、限定されないが、セット促進剤、セット遅延剤、空気入れ剤、消泡剤、アルカリ反応性低減剤、結合混和剤、分散剤、着色混和剤、腐食阻害剤、防湿混和剤、ガス形成剤、透過度低減剤、ポンプ補助剤、収縮補償混和剤、殺菌性混和剤、殺菌性混和剤、殺菌性混和剤、殺虫性混和剤、レオロジー改質剤、微細分割された鉱物混和剤、ポゾラン、骨材、湿潤剤、強度増強剤、撥水剤、ならびに任意の他のコンクリートまたはモルタル混和剤または添加剤が挙げられる。混和剤は当技術分野で周知であり、上記のタイプまたは任意の他の所望のタイプの任意の好適な混和剤が使用され得る。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,735,274号を参照されたい。
【0084】
いくつかの場合において、固化可能組成物は、重炭酸塩が豊富な生成物(BRP)の混和剤を一定量使用して生成され、例えば、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,714,406号に記載されるように、液体または固体形態であってもよい。
【0085】
ある特定の実施形態において、本発明の固化可能組成物は、例えば、繊維補強コンクリートを所望する、繊維と共に用いられるセメントを含む。繊維は、ジルコニア含有材料、スチール、炭素、ガラス繊維、または合成材料、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、高強度アラミド(すなわち、Kevlar(登録商標))、またはそれらの混合物から作製することができる。
【0086】
固化可能組成物の成分は、任意の好都合なプロトコルを使用して組み合わせることができる。各材料は、作業時に混合されてもよく、または材料の一部もしくはすべては、事前に混合されてもよい。あるいは、材料のいくつかは、高範囲の還元水混和剤などの混和剤の有無にかかわらず、水と混合され、次いで、残りの材料は、それらと混合され得る。混合装置としては、任意の従来の装置を用いることができる。例えば、Hobartミキサー、傾斜シリンダミキサー、Omniミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、およびNautaミキサーを使用することができる。
【0087】
固化可能組成物(例えば、コンクリート)を生成するための成分の組み合わせに続いて、固化可能組成物は、いくつかの場合において、最初に流動可能な組成物であり、次いで、所与の期間の後に固化される。固化時間は変化してよく、ある特定の実施形態において、30分~24時間などの30分~48時間の範囲であり、1時間~4時間を含む。
【0088】
固化生成物の強度も変化し得る。ある特定の実施形態において、固化セメントの強度は、10MPa~50MPaなどの5Mpa~70MPaの範囲であってよく、20MPa~40MPaを含む。ある特定の実施形態において、本発明のセメントから生成される固化生成物は、非常に耐久性がある。例えば、ASTM C1157に記載される試験方法を使用して決定される。
【0089】
構造
本発明の態様は、本発明の骨材および固化可能組成物から生成される構造をさらに含む。したがって、さらなる実施形態は、本発明の骨材およびそれらの製造方法を含む人工構造を含む。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載のように、1つ以上の骨材を含む、人工構造を提供する。人工構造は、建物、ダム、堤防、道路、または骨材もしくは岩石を組み込んだ任意の他の人工構造体など、骨材が使用され得る任意の構造であってもよい。いくつかの実施形態において、本発明は、本発明の骨材を含む人工構造、例えば、建物、ダム、または道路を提供し、いくつかの場合において、骨材は、例えば、上記のように、化石燃料源からのCOを含有し得る。いくつかの実施形態において、本発明は、本発明の骨材を提供することを含む、構造の製造方法を提供する。
【0090】
アルベド強化用途
いくつかの場合において、固体炭酸塩生成物は、アルベド強化用途で使用することができる。アルベド、すなわち、反射係数は、表面の拡散反射率または反射力を指す。これは、表面からの反射放射線とその上に入射する放射線との比として定義される。アルベドは、無次元分画であり、比率またはパーセンテージとして表され得る。アルベドは、完全に黒い表面の反射力がない場合のゼロから、白い表面の完全な反射の場合の1までの尺度で測定される。アルベドは、放射線の周波数に依存するが、本明細書で使用される場合、アルベドは、特定の波長を参照せずに与えられ、したがって、可視光、すなわち、約380~約740nmのスペクトルにわたる平均を指す。
【0091】
これらの実施形態の方法が表面のアルベドを強化する方法であるため、いくつかの場合において、これらの方法は、0.05以上、例えば0.1以上、例えば0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上(0.95以上を含み、最大1.0を含む)のアルベドの増加(好適な対照、例えば、本発明の方法に供されていない同じ表面のアルベドと比較して)の大きさをもたらす。したがって、主題の方法の態様は、表面のアルベドを、0.2以上、例えば、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、0.95以上(0.975以上および最大約1.0を含む)など、0.1以上に増加させることを含む。
【0092】
方法の態様は、例えば、上記のように、表面のアルベドを上記に記載される量などの所望の量を向上するために有効な、高反射性微結晶性または非晶質材料組成物の量を対象となる表面と会合させることを含む。材料組成物は、任意の好都合なプロトコルを使用して標的表面と会合され得る。したがって、材料組成物は、修飾される表面を有する物体の材料に、材料を組み込むことによって、標的表面に会合され得る。例えば標的表面が屋根タイルまたはコンクリート混合物などの建築材料の表面である場合、材料組成物は、物体の標的表面上に存在するように材料組成物に含まれ得る。あるいは、材料組成物は、例えば、組成物で標的表面をコーティングすることによって、標的表面の少なくとも一部分上に位置付けられ得る。表面が材料組成物でコーティングされる場合、表面上の結果として生じるコーティングの厚さは変化してもよく、いくつかの場合において、0.1mm~25mm、例えば2mm~20mm、および5mm~10mmを含む範囲であり得る。塗料および太陽光発電パネルのような他のコーティングにおける高反射性顔料として使用される用途もまた、対象となる。
【0093】
様々な表面のアルベドは、強化され得る。対象となる表面は、人工および天然に生じる物体の両方の、少なくとも部分的に面する上向きの表面を含む。対象となる人工表面としては、限定されないが、道路、歩道、建物およびその成分、例えば、屋根およびその成分(屋根帯状物、屋根材顆粒など)、ならびに側面、滑走路、ならびに他の人工構造、例えば、壁、ダム、モニュメント、装飾品などが挙げられる。対象となる天然に生じる表面としては、限定されないが、植物表面、例えば、森林地域および非森林地域の両方に見られるような植物表面、非植物性位置、水、例えば、湖、海洋および海面などが挙げられる。
【0094】
例えば、着色された顆粒のアルベドは、本明細書に記載の方法を使用して容易に増加させて、着色された屋根材顆粒の表面上に炭酸塩層を生成してもよい。着色された屋根材顆粒の表面上に存在する炭酸塩材料層の厚さは、変化し得るが、いくつかの場合において、厚さは、5~100μmを含む1~150μmなど、0.1~200μmの範囲である。上記のように、例えば、あったとしても、それらの色を実質的に退色させることなく、それらの反射率を向上するために、様々な異なるタイプの着色された顆粒をコーティングしてもよい。本明細書に記載の炭酸塩層でコーティングされ得る顆粒の種類の例としては、屋根材顆粒が挙げられる。
【0095】
例えば、それらの色を実質的に退色させることなく、それらの反射率を改善するために炭酸塩層でコーティングされ得る屋根材顆粒は、あったとしても、破砕され、スクリーニングされた鉱物材料によって形成されたコアを含んでよく、その後、好適な金属酸化物などの1つ以上の着色顔料を分散させる結合剤を含む1つ以上の着色コーティング層でコーティングされる。無機結合剤を用いてもよい。結合剤は、その後、酸性材料とアルカリ性ケイ酸塩との間の反応などによって熱または化学反応によって不溶性化され、鉱物粒子上に不溶性の着色されたコーティングをもたらす可溶性アルカリ性ケイ酸塩であり得る。本発明の屋根材顆粒の調製プロセスで使用されるベース粒子は、いくつかの形態をとることができる。塩基粒子は、不活性コア粒子であり得る。コア粒子は、不活性鉱物粒子、固体もしくは中空のガラスもしくはセラミック球、または発泡ガラスもしくはセラミック粒子などの化学的不活性材料であってもよい。好適な鉱物粒子は、一連の採石、粉砕、およびスクリーニング操作によって生成することができ、一般に、砂と砂利とのサイズ(すなわち、約8番~約70番メッシュ)の間にある。コア粒子は、約0.2mm~約3mm、例えば、約0.4mm~約2.4mmの平均粒径を有する。特に、タルク、スラグ、花崗岩、シリカ砂、緑色岩、安山岩、斑岩、大理石、閃長岩、流紋岩、輝緑岩、グレーストーン、クォーツ、スレート、トラップ岩、玄武岩、および海洋の貝殻などの天然に生じる材料の好適なサイズの粒子、ならびにセラミックグログおよびプロパントなどの製造材料、ならびに砕かれたレンガ、コンクリート、磁器、火気粘土などの再生製造材料を使用することができる。固体ガラス球および中空ガラス球は、例えば、Potters Industries Inc.,P.O.Box 840,Valley Forge,Pa.19482-0840から入手可能であり、平均サイズ0.203mmを有するSPHERIGLASS(登録商標)固体「A」ガラス球製品グレード1922、平均サイズ0.59mmを有する製品コード602578、600~850マイクロメートルのサイズ範囲(20~30番メッシュ)を有するBALLOTTINIインパクトビーズ製品グレードA、および平均粒径0.090mmを有するQCEL中空球、製品コード300などがある。ガラス球は、内側コーティング組成物の結合剤へのより良好な接着のために、所望される場合、好適なカップリング剤でコーティングまたは処理することができる。顆粒中では、粒子は、結合剤および顔料を含むコーティング組成物でコーティングすることができる。コーティング結合剤は、金属ケイ酸塩結合剤、例えば、ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩などの無機材料であり得る。
【0096】
使用され得るコーティング顔料には、限定されないが、PC-9415 Yellow、PC-9416 Yellow、PC-9158 Autumn Gold、PC-9189 Bright Golden Yellow、V-9186 Iron-Free Chestnut Brown、V-780 Black、V0797 IR Black、V-9248 Blue、PC-9250 Bright Blue、PC-5686 Turquoise、V-13810 Red、V-12600 Camouflage Green、V12560 IR Green、V-778 IR Black、およびV-799 Blackが挙げられる。
【0097】
本明細書に記載の方法はまた、フラックサンドを生成するために使用され得る。フラックサンドは、地質破壊の完全性を維持するために、破壊された地質構造における多孔質空隙空間を維持するために、石油およびガス回収業界で使用される。本明細書に記載の方法を使用して、流体流中の砂の浮力に寄与し得るテーラリング可能な表面コーティングを有するコーティングされた基材および製造された砂を生成し得る。本明細書に記載の方法は、流体が非常に高圧下で地質破壊部位に汲み上げられている間に、破壊流体の流れにおいて上記の平均浮力を維持するように砂の表面を効果的に設計するために、炭酸塩材料(結晶性または非晶質)の密接に規則的なパターン化または不規則なパターン化を有する基材を生成するために用いられ得る。いくつかの場合において、方法は、第2の媒体と接触すると、材料が拡張セメントとして反応し、周囲の地質構造からのガスおよび流体の流れのための空隙空間を提供することができるように、結晶性または非晶質であるが未反応のセメント性コーティング化合物を有する生成物を生成する。この拡張特性は、密接な流体もしくはガス接触、持続的な流体接触、または地質表面から提供される他の磁波もしくは音波活性化によって活性化され得る。
【0098】
アルベド強化用途、およびそれによって生成される組成物を含む、上記のように様々な用途で本明細書に記載の炭酸塩沈殿化合物を使用する方法は、米国特許第9,993,799号およびPCT公開出願第WO/2014/144/848号にさらに記載されており、その出願の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0099】
アンモニア再生
上記に要約したように、水性アンモニア捕捉液体およびガス状CO源から炭酸塩を隔離するCOの生成は、水性アンモニウム塩を産する。生成された水性アンモニウム塩は、アンモニウム塩のアニオンの性質に関して変化し得、水性アンモニウム塩中に存在し得る特定のアンモニウム塩としては、限定されないが、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0100】
上記で概説したように、本発明の態様は、例えば、上記のように、水性アンモニウム塩から水性捕捉アンモニアを再生することをさらに含む。水性捕捉アンモニウムを再生することは、水性アンモニウム塩から一定量のアンモニウムを発生するために十分な方法で、水性アンモニウム塩を処理することを意味する。この再生ステップ中にアンモニアに変換される入力アンモニウム塩の割合は、いくつかの場合において、35~55%などの20~80%の範囲で変化し得る。
【0101】
アンモニアは、任意の便利な再生プロトコルを使用して、この再生ステップで水性アンモニウム塩から再生することができる。いくつかの場合において、蒸留プロトコルが用いられる。任意の好都合な蒸留プロトコルを用いてもよいが、いくつかの実施形態において、使用される蒸留プロトコルは、アルカリ性源、例えばジオマスの存在下で水性アンモニウム塩を加熱して、ガス状アンモニア/水生成物を生成することを含み、次いで、これを縮合して、液体水性捕捉アンモニアを生成してもよい。いくつかの場合において、このプロトコルは、段階的プロセスにおいて、連続的に行われ、アルカリ性源の存在下で水性アンモニウム塩を加熱することが、液体水性捕捉アンモニアの蒸留および縮合の前に行われる。
【0102】
アルカリ性源は、水性アンモニウム塩中のアンモニウムをアンモニアに変換するために十分である限り、変化し得る。任意の好都合なアルカリ性源を用いることができる。
【0103】
この再生ステップで使用され得るアルカリ分源には、化学剤が含まれる。アルカリ分源として使用され得る化学剤としては、限定されないが、水酸化物、有機塩基、超強塩基、酸化物、および炭酸塩が挙げられる。水酸化物には、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、または水酸化マグネシウム(Mg(OH))を含む、溶液中に水酸化物アニオンを提供する化学種が含まれる。有機塩基は、一般に、メチルアミンなどの一級アミン、ジイソプロピルアミンなどの二級アミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの三級アミン、アニリンなどの芳香族アミン、ピリジン、イミダゾール、およびベンジイミダゾールなどの複素芳香族化合物、ならびにそれらの様々な形態を含む窒素性塩基である炭素含有分子である。プロトン除去剤としての使用に好適な超強塩基としては、ナトリウム・エトキシド、ナトリウム・アミド(NaNH)、水素化ナトリウム(NaH)、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ジエチルアミドリチウム、およびリチウムビス(トリメチルシリル)アミドが挙げられる。例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化ベリリウム(BeO)、および酸化バリウム(BaO)もまた、使用され得る好適なプロトン除去剤である。
【0104】
アルカリ分源としても対象となるものはシリカ源である。シリカ源は、純粋なシリカまたは他の化合物、例えばミネラルとの組み合わせのシリカを含む組成物であってもよく、ただし、シリカ源が所望のアルカリ分を付与するために十分である限りである。いくつかの場合において、シリカ源は、天然に生じるシリカ源である。天然に生じるシリカ源としては、砂またはより大きな岩の形態であり得るシリカ含有岩が挙げられる。原料がより大きな岩である場合、いくつかの場合において、岩はそのサイズを小さくして、表面積を増やすために分解されている。対象となるものは、1mm~100cm、例えば1mm~50cmを含む0.1mm~500cmなどの0.01mm~1mの範囲の最長寸法を有する成分からなるシリカ源である。シリカ源は、必要に応じて、源の表面積を増加させるために表面処理され得る。様々な異なる天然に生じるシリカ源が用いられ得る。対象となる天然に生じるシリカ源としては、限定されないが、コマタイト、ピクライト質武岩、キンバーライト、ランプロイト、ペリドタイトなどの超軟質岩、玄武岩、輝緑岩(ドーレライト)、およびガブロなどの多孔質岩、安山岩およびダイライトなどの中間岩、ダシテおよびグラノダイライトなどの中間フェルシック岩、ならびに流紋岩、アプライト-ペグマタイトおよびグラナイトなどのフェルシック岩が挙げられる。また、対象となるものは人工シリカ源である。人工シリカ源としては、限定されないが、鉱業廃棄物、化石燃料燃焼灰、スラグ、例えば、鉄および鋼スラグ、リンスラグ、セメント窯業廃棄物、石油精製所/石油化学精製所廃棄物、例えば、油田およびメタンシーム塩水、石炭シーム廃棄物、例えば、生成塩水および石炭シーム塩水、紙処理廃棄物、水軟化剤、例えば、イオン交換廃棄物海水、シリコン処理廃棄物、農業廃棄物、金属仕上げ廃棄物、高pHの織物廃棄物、ならびに苛性スラッジなどの廃棄物流が挙げられる。鉱業廃棄物には、金属または地球から別の貴重または有用な鉱物を抽出した廃棄物が含まれる。対象となる廃棄物には、pHを上昇させるために使用される鉱山からの廃棄物が含まれる。これには、Bayerアルミニウム抽出プロセスからの赤色の泥、海水のためのマグネシウム抽出からの廃棄物、例えば、カリフォルニア州モス・ランディングでの廃棄物、および浸出を伴う他の鉱業プロセスからの廃棄物が含まれる。石炭火力発電所などの化石燃料の燃焼プロセスからの灰は、しばしばシリカを豊富に含む灰を作り出す。いくつかの実施形態において、化石燃料、例えば、石炭火力発電所の燃焼から生じる灰は、フライアッシュ、例えば、煙突から出る灰、およびボトムアッシュを含むシリカ源として提供される。シリカ源およびそれらの使用に関する追加の詳細は、米国特許第9,714,406号に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
本発明の実施形態において、灰は、アルカリ性源として用いられる。ある特定の実施形態において、対象となるものは、灰として石炭灰の使用である。本発明で使用される石炭灰は、発電所ボイラまたは石炭燃焼炉、例えば、鎖格子ボイラ、サイクロンボイラ、および流動床ボイラにおいて、粉砕無煙炭、リグナイト、アスファルトまたは亜瀝青炭の燃焼から生成された残渣を指す。かかる石炭灰には、排ガスまたは燃焼排ガスによって炉から運ばれる微細に分割された石炭灰であるフライアッシュ、および凝集塊として炉の基部に集まるボトムアッシュが含まれる。
【0106】
フライアッシュは一般に非常に不均質であり、石英、マライト、および様々な酸化鉄などの様々な識別可能な結晶相を有するガラス粒子の混合物を含む。対象となるフライアッシュには、F型およびC型フライアッシュが含まれる。上記のF型およびC型フライアッシュは、上記のCSA規格A23.5およびASTM C618で定義されている。これらのクラスの主な違いは、灰中のカルシウム、シリカ、アルミナ、および鉄分の量である。フライアッシュの化学的性質は、燃焼した石炭の化学的含有量(すなわち、無煙炭、アスファルト、およびリグナイト)によって大きく影響される。対象となるフライアッシュには、相当量のシリカ(二酸化ケイ素、SiO)(非晶質および結晶性の両方)および石灰(酸化カルシウム、CaO、酸化マグネシウム、MgO)が含まれる。
【0107】
より硬く、より古い無煙炭と瀝青炭とを燃やすと、典型的にはクラスFのフライアッシュが生成する。クラスFのフライアッシュは、本質的にポゾランで、10%未満の石灰(CaO)が含まれている。より若いリグナイトまたは亜瀝青炭の燃焼から生成されたフライアッシュは、ポゾランに加えて、いくつかのセルフセメント性も有する。水の存在下では、クラスCのフライアッシュは経時的に硬化し、強度を得る。クラスCのフライアッシュには、一般的に20%以上の石灰(CaO)が含まれている。アルカリおよび硫酸塩(SO 2-)の含有量は、一般的にクラスCのフライアッシュの方が多い。いくつかの実施形態において、クラスCフライアッシュを使用して、アンモニアを水性アンモニウム塩から発生することが対象となる。例えば上述のように、クラスFフライアッシュに近い特性のフライアッシュを発生させるためにクラスCフライアッシュに存在する構成物の量を抽出する、例えば、20%CaOを有するクラスCフライアッシュ中のCaOの95%を抽出することを意図している。したがって、1%CaOを有する改修されたフライアッシュ材料が得られる。
【0108】
フライアッシュ材料は、排ガス中に懸濁されている間に固化し、様々なアプローチを使用して、例えば、静電沈殿物またはフィルターバッグによって、収集される。粒子は排ガス中に懸濁したまま固化するため、フライアッシュ粒子は通常球形であり、サイズは0.5μm~100μmの範囲である。対象となるフライアッシュとしては、少なくとも約80重量%が45ミクロン未満の粒子を含むものが挙げられる。本発明のある特定の実施形態において、高アルカリ性流動化床燃焼器(FBC)フライアッシュの使用もまた対象となる。
【0109】
また、本発明の実施形態において、対象となるものは、ボトムアッシュの使用である。ボトムアッシュは、石炭の燃焼から石炭燃焼ボイラ内の凝集塊として形成される。かかる燃焼ボイラは、湿式底部ボイラまたは乾式底部ボイラであり得る。湿式または乾式の底部ボイラで製造される場合、ボトムアッシュは水で急冷される。急冷により、90%が0.1mm~20mmの粒径範囲内に入るサイズを有する凝集塊をもたらし、ボトムアッシュ凝集塊は、この範囲内で凝集塊サイズの広い分布を有する。ボトムアッシュの主な化学成分は、Fe、Ca、Mg、Mn、NaおよびK、ならびに硫黄および炭素の酸化物のより量が少ないシリカおよびアルミナである。
【0110】
ある特定の実施形態において、対象となるものはまた、灰としての火山灰の使用である。火山灰は、直径2ミリメートル未満の小さなテフラ、すなわち、火山噴火によって作られた粉砕岩とガラスとで構成されている。
【0111】
本発明の一実施形態において、セメント窯粉塵(CKD)は、アルカリ性源として使用される。灰および/またはCKDが生成された燃料の性質、ならびに上記燃料の燃焼手段は、結果として生じる灰および/またはCKDの化学組成に影響を与える。したがって、灰および/またはCKDは、pHを調整するための手段の一部として使用されてもよく、灰および/またはCKDの化学組成に基づいて、様々な他の成分が、特定の灰および/またはCKDと共に利用されてもよい。
【0112】
本発明のある特定の実施形態において、スラグは、アルカリ性源として用いられる。スラグは、単独のpH調整剤として、または1つ以上の追加のpH調整剤、例えば灰などと併用して使用され得る。スラグは金属の加工から発生し、カルシウムおよび酸化マグネシウム、ならびに鉄、シリコンおよびアルミニウム化合物を含有し得る。ある特定の実施形態において、スラグをpH調整材料として使用することは、反応性シリコンおよびアルミナの沈殿生成物への導入によってさらなる利点を提供する。対象となるスラグとしては、限定されないが、鉄製錬からの高炉スラグ、鉄および/または鋼の電気アークまたは高炉加工からのスラグ、銅スラグ、ニッケルスラグ、およびリンスラグが挙げられる。
【0113】
上記に示されるように、灰(または特定の実施形態ではスラグ)は、ある特定の実施形態において、水のpHを所望のレベルに調整する唯一の方法として用いられる。さらに他の実施形態において、1つ以上の追加のpH調整プロトコルは、灰の使用と併用される。
【0114】
ある特定の実施形態において、対象となるものはまた、アルカリ性源としての他の廃棄物材料、例えば、粉砕もしくは解体、またはリサイクルあるいは返却コンクリートまたはモルタルの使用である。用いられると、コンクリートは、必要に応じて、プロセスの炭酸塩生成部分にリサイクルされ得る放出砂および骨材を溶解させる。解体および/またはリサイクルコンクリートまたはモルタルの使用は、以下にさらに説明される。
【0115】
ある特定の実施形態において、対象となるものは、鉱物アルカリ分源である。かかる事例において、水性アンモニウム塩と接触させる鉱物アルカリ性源は、変化してよく、対象となる鉱物アルカリ分源としては、限定されないが、上記のように、ケイ酸塩、炭酸塩、フライアッシュ、スラグ、石灰、セメント窯粉塵などが挙げられる。いくつかの場合において、鉱物アルカリ性源は、例えば、上記のように、岩石を含む。
【0116】
実施形態において、アルカリ性源は、例えば、以下でより詳細に説明するように、ジオマスである。
【0117】
これらの実施形態において、水性アンモニウム塩が加熱される温度は変化し得るが、いくつかの場合において、温度は、25~185℃などの25~200℃の範囲である。所望の温度を提供するために使用される熱は、蒸気、廃棄物熱源、例えば、燃焼排ガス廃熱などを含む任意の便利な源から得てもよい。
【0118】
蒸留は、任意の圧力で行ってよい。蒸留が大気圧で行われる場合、蒸留が行われる温度は、いくつかの場合において、50~120℃、例えば60~100℃、例えば70~90℃の範囲で変化し得る。いくつかの場合において、蒸留は、準大気圧で行われる。かかる実施形態における圧力は変化し得るが、いくつかの場合において、準大気圧は、1~14psig、例えば、2~6psigの範囲である。蒸留が準大気圧で行われる場合、蒸留は、大気圧で行われる実施形態と比較して低温で行われ得る。温度は、かかる事例では、所望されるように変化し得るが、準大気圧が用いられるいくつかの実施形態において、温度は、25~50℃などの15~60℃の範囲である。準大気圧の実施形態において、対象となるものは、蒸留中に使用される熱の一部(すべてではないとしても)の廃熱の使用である。かかる事例で用いられ得る廃熱源としては、限定されないが、燃焼排ガス、プロセス蒸気凝縮物、CO捕捉によって発生した吸収熱、および結果として生じる炭酸アンモニウム生成物、および冷却液体(例えば、上記のように、発電所、工場などのCO含有ガスの併設源からのもの)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0119】
水性捕捉アンモニア再生はまた、アンモニアを再生するために直流電流が水性アンモニウム塩に導入される電解媒介プロトコルを使用して達成することもできる。任意の便利な電解プロトコルが使用され得る。水性アンモニウム塩からのアンモニアの再生に適合され得る電解プロトコルの例は、米国特許第7,727,374号および同第8,227,127号、ならびに公開されているPCT出願公開第WO/2008/018928号に記載されている電解システムからの1つ以上の元素を用いてもよく、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
いくつかの場合において、水性捕捉アンモニアは、例えば、上記のように、熱および/または電流の形態で、エネルギーの入力なしに水性アンモニウム塩から再生される。かかる事例において、水性アンモニウム塩は、再生水性捕捉アンモニアを生成するために十分な方法で、例えば、上記のように、ジオマス源などのアルカリ源と組み合わされる。次いで、結果として生じる水性捕捉アンモニアは、例えば、揮散プロトコルなどを介したエネルギーの入力によって精製されない。
【0121】
結果として生じる再生水性捕捉アンモニアは、例えば、使用される特定の再生プロトコルに応じて変化し得る。いくつかの場合において、再生水性捕捉アンモニアは、1リットル当たり0.1~25モル(M)、例えば、4~20M(12.0~16.0Mを含む)の範囲の濃度のアンモニア(NH)、ならびに上記に提供される水性捕捉アンモニアに提供される範囲のいずれかを含む。水性捕捉アンモニアのpHは、いくつかの場合において、10.0~12.5などの10.0~13.0の範囲で変化し得る。いくつかの場合において、例えば、上記のように、例えば、エネルギーの入力を含まないジオマス媒介プロトコルにおいて、水性捕捉アンモニアが再生される場合、再生水性捕捉アンモニアは、カチオン、例えば、Ca2+などの二価カチオンをさらに含み得る。加えて、再生水性捕捉アンモニアは、一定量のアンモニウム塩をさらに含み得る。いくつかの場合において、アンモニア(NH)は、0.05~4モル/リットル(M)、例えば、0.1~2Mを含む0.05~1Mの範囲の濃度で存在する。水性捕捉アンモニアのpHは、いくつかの場合において、8.0~11.0、例えば、8.0~10.0の範囲で変化し得る。水性捕捉アンモニアは、イオン、例えば、一価カチオン、例えば、1リットル当たり0.1~5モル(M)、例えば、0.5~3Mを含む0.1~2Mなどの範囲の濃度のアンモニウム(NH )、二価カチオン、例えば、1リットル当たり0.05~2モル(M)、0.2~1モル(M)を含む0.1~1モル(M)などの範囲の濃度のカルシウム(Ca2+)、二価カチオン、例えば、1リットル当たり0.005~1モル(M)、0.01~0.5Mを含む0.005~0.1モル(M)などの範囲の濃度のマグネシウム(Mg2+)、二価アニオン、例えば、1リットル当たり0.005~1モル(M)、0.01~0.5Mを含む0.005~0.1Mなどの範囲の濃度の硫酸塩(SO -)、をさらに含んでよい。
【0122】
方法の態様は、例えば、上記のように、CO隔離炭酸塩を生成するために十分な条件下で、再生水性捕捉アンモニアをガス状CO源と接触させることをさらに含む。言い換えれば、方法は、再生アンモニアをプロセス内にリサイクルすることを含む。かかる事例において、再生水性捕捉アンモニアを単独の捕捉液体として使用するか、または別の液体、例えば、補給水と組み合わせて、CO捕捉液体として使用するために好適な水性捕捉アンモニアを生成してもよい。再生水性アンモニアが追加の水と組み合わされる場合、任意の便利な水が使用され得る。水性捕捉アンモニアが生成され得る対象となる水としては、限定されないが、淡水、海水、塩水、生成水、および廃水が挙げられる。
【0123】
リサイクル
いくつかの場合において、方法は、反応成分のうちの1つ以上をプロセスの1つの段階からプロセスの別の段階に再循環させることを含み得る。例えば、上記のように、再生水性アンモニアは、CO捕捉段階にリサイクルされ得る。アンモニア再生中に生成されたカチオン塩および/または骨材は、炭酸塩生成段階にリサイクルされ得る。例えば、上記のように、例えば、アンモニア再生などの別の段階で、1つの段階、例えば、CO捕捉で生成された廃熱を用いてもよい。上記は、リサイクルが発生する実施形態の非限定的な例である。
【0124】
純COガスの生成
方法の1つ以上の段階は、純粋なCOガスの生成をもたらし得る。例えば、水性アンモニウム炭酸塩から固体炭酸塩を生成する間、重炭酸アンモニウム2モルごとに、最大1モルのCOを生成してもよい。あるいは、または加えて、アンモニア再生ステップは、廃棄物COの生成をもたらし得る。例えば、アンモニア再生ステップの間、廃棄物COは、加熱中に失われた逃散性COに由来し得るか、または具体化された炭酸塩鉱物を含有するアルカリ分源に由来し得る。かかる事例は、COの生成をもたらし得るが、全体のプロセスは、炭酸塩化合物中の正味量のCOを隔離する。任意の生成されたCOは、実質的に純粋なCO生成物ガスであってもよく、これは、以下でより詳細に説明するように、地下の地質位置に注入することによって隔離することができる。したがって、このプロセスは、効果的なCO隔離プロセスである。「実質的に純粋」という語句は、生成物ガスが純粋なCOであるか、または他の非CO成分の量が限られたCO含有ガスであることを意味する。
【0125】
かかる実施形態において、CO生成物ガスの製造後、本発明の態様は、COを隔離するために生成物COガスを地下の地質位置に注入することを含み得る。注入とは、CO生成物ガスを地下の地質位置に導入または配置することを意味する。地下の地質位置は様々であり、地下位置と深海位置との両方を含み得る。対象となる地下位置には、化石燃料貯留層、例えば、油田、ガス田、および採掘不能な炭層などの様々な異なる地下地層、生理食塩水貯留層、例えば、生理食塩水形成および生理食塩水充填玄武岩形成物など、深帯水層、部分的または完全に枯渇した油またはガス形成物、塩洞窟、硫黄洞窟および硫黄ドームなどの多孔質地質形成物が含まれる。
【0126】
いくつかの場合において、CO生成物ガスは、地下の地質位置に注入する前に加圧され得る。かかる加圧を達成するために、ガス状COは、必要に応じて、追加の水の冷却および凝縮後に、1つ以上の段階で圧縮することができる。次いで、適度に加圧されたCOは、必要に応じて、分子ふるいを使用するなどの従来の方法によってさらに乾燥させ、COが冷却され液化されるCOコンデンサに通すことができる。次いで、COは、COを地質層またはCO注入が所望される海洋深度内の深さに送達するために必要な圧力に最小の電力で効率的に汲み上げることができる。あるいは、COは、一連の段階を通じて圧縮され、地質層または深海への注入に必要な圧力マッチングで超臨界流体として排出され得る。必要に応じて、COは、例えば、パイプライン、レール、トラック、または他の好適なプロトコルを用いて、生産現場から地下の地質層に輸送され得る。
【0127】
いくつかの場合において、CO生成物ガスは、強化された油回収(EOR)プロトコルで使用される。強化された油回収(略してEOR)は、油田から抽出することができる原油量を増加させるための技術の総称である。強化された油回収は、改善された油回収または三次回収とも呼ばれる。EORプロトコルでは、CO生成物ガスは、地下の油層または油貯留層に注入される。
【0128】
いくつかの実施形態において、例えば、上記のように、CO生成物ガスは、上記で説明したように、固体CO隔離炭酸塩を生成するために、水性捕捉アンモニアとの接触によって回収される。例えば、方法の1つの段階からのCO生成物ガスは、方法の別の別個の段階からの逃散性水性捕捉アンモニア蒸気と組み合わせて、例えば、上記のように、固体CO隔離炭酸塩を生成する方法の異なる段階で使用される水性アンモニウム炭酸塩を生成してもよい。
【0129】
COガス生成およびその隔離については、US2016-0082387(A1)として公開され、現在は米国特許第10,197,747号として発行されている米国出願第14/861,996号にさらに記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0130】
アルカリ濃縮
いくつかの場合において、方法は、水性アンモニウム炭酸塩を、アルカリ濃縮プロトコル、例えば、第1の液体および第2の液体を膜の反対側に接触させることを含むものなど膜媒介プロトコルに供することをさらに含む。かかる事例では、膜は、カチオン膜またはアニオン膜であり得る。膜媒介アルカリ濃縮プロトコルなどのアルカリ濃縮プロトコルに関するさらなる詳細は、米国特許第9,707,513号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかのかかる事例では、方法は、組み合わせられた捕捉およびアルカリ濃縮反応器において、水性捕捉アンモニアをガス状CO源と接触させることを含み、反応器は、コア中空繊維膜構成要素、例えば、複数の中空繊維膜を含むコア中空繊維膜構成要素、コア中空繊維膜構成要素を取り囲むアルカリ濃縮膜構成要素およびコア中空繊維膜構成要素が存在する第1の液体フロー経路を定義すること、およびアルカリ濃縮膜構成要素およびコア中空繊維膜構成要素を含有するように構成されたハウジングとを備えてよく、ハウジングは、アルカリ濃縮膜構成要素とハウジングの内面との間の第2の液体フロー経路を定義するように構成される。かかる事例では、アルカリ濃縮膜構成要素は、チューブとして構成されてよく、中空繊維膜構成要素は、チューブ内において軸方向に配置される。かかる事例では、ハウジングは、チューブとして構成されてよく、ハウジングおよびアルカリ濃縮膜構成要素は同心円である。
【0131】
解体および改修されたコンクリートのリサイクル
本発明のいくつかの態様では、本方法は、炭酸カルシウムの鉱物化およびリサイクルされたコンクリートのジオマス材料の部分的な溶解後の新しいコンクリート中の好ましい骨材としての残留または改修されたコンクリートの使用を通じて、炭素隔離および利用のために、解体または返却コンクリートのジオマスからのプロセスの1つ以上のステップに、カルシウム分および/またはアルカリ分を提供することをさらに含む。本明細書で使用される場合、ジオマスまたはジオマス材料とは、作業現場から返却された、またはその耐用年数またはその他の理由により解体され、粉砕されたコンクリートを指す。通常、ジオマスは最も一般的に産業からの廃棄物生成物であるが、ジオマスはまた、一次、二次、三次、副生成物、または産業からの他の製品を指す場合がある。産業からのジオマス材料の一般的な商品名のいくつかの例には、鉱山尾渣、鉱山粉塵、砂、バグハウス微粉、土壌粉塵、粉塵、セメント窯粉塵、スラグ、鋼スラグ、鉄スラグ、ボイラスラグ、石炭燃焼残留物、灰、フライアッシュ、スラリー、石灰スラリー、石灰、窯粉塵、窯微粉、残留物、ボーキサイト残留物、解体コンクリート、返却コンクリート、破砕コンクリート、リサイクルコンクリート、リサイクルモルタル、リサイクルセメント、解体建材、リサイクル建材、リサイクル骨材などが含まれ得る。ジオマス材料は、典型的には、酸化ナトリウム、酸化カリウム、もしくは他のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、もしくは他のアルカリ土類金属酸化物、酸化マンガン、酸化銅、もしくは他の遷移金属酸化物、酸化亜鉛もしくは任意の他の金属酸化物もしくはそれらの誘導体、または単純もしくは複雑な鉱物中に結晶または非晶質相として存在する金属酸化物、もしくはそれらの金属酸化物もしくはそれらの誘導体の非晶質相として、または上記のいずれかの組み合わせとして、金属酸化物を含有する組成物を有する。
【0132】
本明細書に記載される実施形態は、解体コンクリートをリサイクルし、ジオマス溶解後に残った残留材料を新しいコンクリート中の骨材として使用することによって、骨材の輸送距離を短縮する方法を含む。新しいコンクリートでは、改修されたコンクリートジオマスを骨材として使用すると、コンクリートに関連する価格とカーボンフットプリントとの両方が削減される。例えば、コンクリートジオマスが60重量%の酸化カルシウム(CaO)セメントを含有し、セメントがコンクリートジオマスの10%である場合、CaOの100%の溶解効率は、コンクリートジオマスの質量の6%を炭素捕捉および利用のために溶解させ、残りの94%を新たなコンクリート中の再生骨材として利用のために残す。したがって、主題の方法の態様は、ジオマス中に存在する金属酸化物の0.05%以上、例えば、1.1%以上、2.1%以上、3.1%以上、4.1%以上、5.1%以上、6.1%以上、7.1%以上、8.1%以上、9.1%以上(10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、および最大100%の溶解効率を含む)の溶解効率を含む。実施形態の追加の態様は、主題の方法は、コンクリートジオマス中に存在する個々の粒子として、機械的に粉砕され分類されたリサイクルコンクリートとは異なり、コンクリートにおいて有用である解体コンクリートの元の砂と砂利との骨材の0.05%以上、例えば、1.1%以上、2.1%以上、3.1%以上、4.1%以上、5.1%以上、6.1%以上、7.1%以上、8.1%以上、9.1%以上(10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、および最大100%を含む)に、コンクリートで有用な元の未使用の特性と同様の形態で解放することを含む。
【0133】
方法の態様は、例えば、上記のように、鉱物相中の永久的な隔離のために、捕捉二酸化炭素から誘導された炭酸塩鉱物コーティングを適用するための基材として改修されたコンクリート骨材を利用し、コンクリートの骨材として有用な複合骨材を作成することを含む。鉱物コーティングのための基材を得るこの方法は、同様に、新鮮な未使用骨材の採掘および輸送を回避する利点を有する。
【0134】
方法の態様は、単独で、またはCO隔離炭酸塩鉱物でコーティングされているかのいずれかで、改修された残留コンクリート骨材材料を使用して、コンクリート、モルタル、およびアスファルトを配合することを含む。コンクリート、モルタル、またはアスファルト中の改修コーティングまたは未コーティング骨材粒子の量は、コンクリート、モルタル、またはアスファルト中の元の砂および砂利骨材の0.05%以上、例えば、1.1%以上、3.1%以上、4.1%以上、5.1%以上、6.1%以上、7.1%以上、8.1%以上、9.1%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、および最大100%の量で、それらの元の未使用特性に類似した形態で存在してもよく、機械的に粉砕および分類されたリサイクルコンクリートとは異なり、コンクリートにおいて有用である。
【0135】
様々なコンクリートおよびモルタル材料の溶解が有用であってよく、残留改修骨材は、採掘された骨材のすべての用途を含む、建築材料用途の大規模なアレイで使用され得る。コンクリートおよびモルタル材料、ならびにポートランドセメントを含む任意の材料は、少なくとも道路、建物、ダム、橋、歩道、配管、排水溝、水コンダクタンスシステム、井戸ケーシングなどからの材料を含めて対象となるものである。
【0136】
解体コンクリートは、限定されないが、建物、道路、舗装、歩道、障壁、および他の構造物を含む、様々な異なる供給源から入手することができる。返却コンクリートの供給源は、未使用または返却コンクリートを有する作業現場からプラントに戻る生コンクリートトラックを含むが、これらに限定されない、様々な供給源から来てもよい。供給源は、任意の便利なプロトコルを使用して解体されて、解体ジオマスを生成し得る。次いで、解体ジオマスは、例えば、上記のように、CO隔離固体炭酸塩生成プロセスの1つ以上の段階で用いられて、建設市場を含む様々な市場で用いられ得る、改修された建築物組成物を含む1つ以上のタイプの生成物を生成し得る。
【0137】
解体コンクリートは、限定されないが、建物、道路、舗装、歩道、障壁、および他の構造物を含む、様々な異なる供給源から入手することができる。供給源は、任意の便利なプロトコルを使用して解体されて、解体ジオマスを生成し得る。次いで、解体ジオマスは、例えば、上記のように、CO隔離固体炭酸塩生成プロセスの1つ以上の段階で用いられて、建設市場を含む様々な市場で用いられ得る、改修された建築物組成物を含む1つ以上のタイプの生成物を生成し得る。この実施形態において、改修された建築複合材料は、所望に応じて既存の建築複合材料に組み込まれ得る新しい建築複合材料にリサイクルされる。
【0138】
解体および/または返却および改修されたコンクリートをリサイクルする上記実施形態は、特定のガス状CO源に限定されない。代わりに、解体および改修されたコンクリートをリサイクルする上述の実施形態は、石炭、石油、天然ガス、ならびに限定されないが、タール砂、重油、油頁岩などの天然に生じる有機燃料堆積物の人工燃料生成物などの化石燃料を燃焼する工業用プラントによって生成される廃棄物流などの任意の都合が良いガス状CO源を使用するプロセスと共に用いられ得る。ある特定の実施形態において、発電所は、粉砕石炭発電所、超臨界石炭発電所、大量燃焼石炭発電所、流動床石炭発電所、ガスまたは石油火力ボイラおよび蒸気タービン発電所、ガスまたは石油火力ボイラ簡易サイクルガスタービン発電所、ならびにガスまたは石油火力ボイラ複合サイクルガスタービン発電所である。これらのような供給源を使用する方法は、US-2014-0322803-A1として公開された米国出願第14/204,994号、US2014-0271440(A1)として公開された米国特許第14/214,129号、US2016-0082387(A1)として公開された米国特許第14/861,996号、ならびに米国特許第9,707,513号、同第9,714,406号、および同第9,993,799号に提供されており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0139】
向上ジオマス溶解法
方法が、例えば、上記のようにジオマスを溶解することを含む場合、方法の態様は、ジオマスの溶解を向上することを含んでよく、ジオマスおよび液相は、所望の溶解効率を生成するために十分な条件下で、システム内で組み合わされる。これらの実施形態の態様は、溶解ジオマス組成物を生成するように構成されたシステム、ならびにそれらを含む方法およびデバイスをさらに含む。溶解ジオマス組成物を使用する方法も提供される。
【0140】
上述したように、本明細書で使用される場合、ジオマスまたはジオマス材料とは、鉱業、電力産業、および重工業などの産業からの工業製品を指す。最も一般的には産業からの廃棄物生成物であるが、ジオマスはまた、一次、二次、三次、副生成物、または産業からの他の製品を指す場合がある。産業からのジオマス材料のいくつかの商品名の例には、鉱山尾渣、鉱山粉塵、砂、バグハウス微粉、土壌粉塵、粉塵、セメント窯粉塵、スラグ、鋼スラグ、鉄スラグ、ボイラスラグ、石炭燃焼残留物、石炭燃焼生成物、灰、フライアッシュ、スラリー、石灰スラリー、石灰、カーバイド石灰、炭化物残留物、窯粉塵、窯微粉、残留物、ボーキサイト残留物、解体コンクリート、リサイクルコンクリート、返却コンクリート、リサイクルモルタル、リサイクルセメント、解体建材、リサイクル建材、リサイクル骨材などが含まれ得る。ジオマス材料は、典型的には、酸化ナトリウム、酸化カリウム、もしくは他のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、もしくは他のアルカリ土類金属酸化物、酸化マンガン、酸化銅、もしくは他の遷移金属酸化物、酸化亜鉛もしくは任意の他の金属酸化物もしくはそれらの誘導体、または単純もしくは複雑な鉱物中に結晶または非晶質相として存在する金属酸化物、もしくはそれらの金属酸化物もしくはそれらの誘導体の非晶質相として、または上記のいずれかの組み合わせとして、金属酸化物を含有する組成物を有する。
【0141】
方法がジオマス溶解を向上する方法であるため、方法は、(好適な対照、例えば、本発明の方法に供されないジオマス材料と比較して)ジオマスの組成物中に存在する所望の金属酸化物の100%溶解効率までの、ジオマスから水性相もしくは有機相などの液相、または任意の他の液相の組み合わせに浸出、滲出、ひずみ、遊離などをもたらす。例えば、ジオマスが25重量%の酸化カルシウム(CaO)を含有する場合、次いで、CaOの100%の溶解効率は、ジオマスの質量の25%を、本発明の方法を使用して溶解させることになる。したがって、主題の方法の態様は、ジオマス中に存在する金属酸化物の0.05%以上、例えば、1.1%以上、2.1%以上、3.1%以上、4.1%以上、5.1%以上、6.1%以上、7.1%以上、8.1%以上、9.1%以上(10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、および最大100%の溶解効率を含む)の溶解効率を含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、本方法は、ジオマスの溶解効率を向上させるためにマイクロ波放射線を使用する。マイクロ波、マイクロ波放射線、マイクロ波エネルギーなどは、1メートル(1m)~1ミリメートル(1mm)の範囲の波長、通常の電波よりも高いが赤外線よりも低い周波数、例えば300メガヘルツ(MHz)~300ギガヘルツ(GHz)の範囲の周波数を有する非イオン化電磁放射線エネルギーの一形態である。マイクロ波放射線は、全体の歩留まりと処理時間とを改善するために、溶解効率を向上させるために調査されている。マイクロ波放射線は、非接触加熱、エネルギー(熱ではない)の伝達、急速加熱、材料選択加熱、体積加熱、加熱の迅速な開始と停止、内部からの加熱開始、および安全性の向上を伴う従来の加熱よりも優位性を提供する。本発明の方法で使用されるマイクロ波放射線は、ジオマスの溶解効率における所望の向上を提供する限り、プロセス特異性に応じて変化し得る。マイクロ波、マイクロ波放射線、マイクロ波エネルギーなどは、変化する周波数を有するエネルギーの形態を意味し、いくつかの場合において、500MHz~100GHz、例えば900MHz~5GHzの範囲であり、300MHz~300GHzまたは周波数の全マイクロ波スペクトルを含むことができる。方法は、マイクロ波、マイクロ波放射線、マイクロ波エネルギーなどを使用して、変化し得るジオマスの溶解効率を向上させるために必要な電力を提供し、いくつかの場合において、1ワット(1W)~1ギガワット(1GW)、例えば、1キロワット(1kW)~1メガワット(1MW)の範囲であってよく、500kW~500MWを含み得る。
【0143】
方法の態様は、ジオマス材料と液相との組み合わせのマイクロ波処理を含み、ジオマスの溶解効率を向上させる。処理は、連続的に、バッチで、またはそれらの組み合わせで動作する容器またはデバイスで発生し得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、ジオマス材料は、例えば、0.1ミクロン~数インチの直径、例えば、1ミクロン~20インチ、または100ミクロン~10インチ、または500ミクロン~20インチ、いくつかの実施形態において、25ミクロン~3/8インチの範囲の粒径を有する、サイズが変化する粒子として存在する。いくつかの実施形態において、方法で使用される液相は、本明細書の方法、システム、およびデバイスを使用してジオマスの向上した溶解効率を促進するために役立つ、水性媒体、有機媒体、それらの組み合わせ、または任意の他の液体媒体である。
【0144】
方法が向上したジオマス溶解効率の方法であるため、向上のマイクロ波処理または誘電加熱機構は、本明細書に記載の方法、システムおよびデバイスとして考慮される。ジオマス材料の溶解速度は、表面積、多くの異なる鉱物相から構成され得るジオマス自体の組成、およびマイクロ波放射線の浸透、誘電加熱の有効性などに依存し得るシステムの温度に関与する。誘電加熱は、高周波交互電界または高周波またはマイクロ波電磁放射が誘電性質を有する材料を加熱する方法である。誘電加熱は、分子回転が可能な双極子モーメントを有する材料、すなわち、HO、カルボン酸、または限定されないが、酢酸、シュウ酸、グルタミン酸、リンゴ酸、または他の有機もしくは天然のカルボン酸もしくはカルボン酸含有分子などのカルボン酸基を有する分子によって向上する。分子は、電界で自身の新しく方向づけようとし、摩擦に応答できず、したがって、より強い加熱効果を生み出す。この方法で説明されているより強い加熱効果は、ジオマスに含まれる異なる位相の溶解を向上する局所的な方法である。
【0145】
本明細書に記載の向上された方法におけるマイクロ波放射線によって引き起こされる加熱効果はまた、そのプロセスの一部として強化された溶解方法を使用して、二酸化炭素を捕捉および隔離するため炭素隔離方法の熱要件を低下させ得る。例えば、向上された方法は、炭素隔離方法のための補助電力要件を低減し、補助電力要件に関連する寄生負荷を低減し得る。向上された溶解方法は、炭素隔離方法、デバイス、およびシステムを駆動するために時々必要とされる、蒸気からの熱または電力からの熱などの熱源の必要性を低減し得るか、またはさらに低減し得る。
【0146】
例えば、上記のように、マイクロ波の代わりに、または使用に加えて、ジオマス材料の溶解効率の向上は、バッチまたは連続フロープロセスで再生することができるアンモニウム塩、酸性媒体、界面活性剤、または触媒を含有する液相中でジオマス材料を混合または加熱することに寄与し得る。
【0147】
この方法に記載される溶解効率は、0~80Debyeの範囲の双極子モーメントを有する有機材料または無機材料を含有する液相溶液によって強化することができ、例えば、双極子モーメントが0.5~0.9Debyeの範囲などの、双極子モーメントが0.01Debye以上、0.1Debye以上、1.0Debye以上などの材料、双極子モーメントが2.0Debye以上、3.0Debye以上、4.0Debye以上である材料を含む。この方法で使用される溶液は、触媒、有機配位子、または界面活性剤をさらに含み得る。使用される溶液は、加熱の誘電加熱効率を向上させるために、双極子モーメントを有する有機塩または有機酸を含有し得る。溶液は、マイクロ波エネルギー浸透の効率を低下させる反射を低減するように最適化され得る。この方法における溶液は、均質な温度を発生するように最適化され、これは、溶液の加熱効率およびこの材料の溶解効率を改善する。
【0148】
様々なジオマス材料の溶解は、向上され得る。対象となるジオマス材料には、少なくとも電力産業、重工業、および鉱業からのそれらの材料が含まれる。
【0149】
様々な産業(例えば、鉱業、電力産業、重工業)からの一次工業製品(例えば、採掘された鉱物、電気、スチール、セメント、アルミナ)の製造において廃棄物生成物として生成されたジオマスは、強化された溶解方法、例えば、上記のようにマイクロ波媒介溶解方法を使用して溶解される。次いで、溶解ジオマスおよび母液は、例えば、上記のように、CO隔離固体炭酸塩生成プロセスの1つ以上の段階で使用されて、建設市場を含む様々な市場で使用され得る1つ以上の種類の固体炭酸塩生成物を生成し得る。図示されるように、母液は、所望に応じて、溶解方法にリサイクルされ得る。未溶解ジオマスはまた、建設市場において、例えば、骨材などとして採用されてもよい。
【0150】
ジオマス溶解を強化する上記実施形態は、実施形態の特定のガス状CO源に限定されない。代わりに、ジオマス溶解の上述の実施形態は、石炭、石油、天然ガス、ならびに限定されないが、タール砂、重油、油頁岩などの天然に生じる有機燃料堆積物の人工燃料生成物などの化石燃料を燃焼する工業用プラントによって生成される廃棄物流などの任意の都合が良いガス状CO源を使用するプロセスと共に用いられ得る。ある特定の実施形態において、発電所は、粉砕石炭発電所、超臨界石炭発電所、大量燃焼石炭発電所、流動床石炭発電所、ガスまたは石油火力ボイラおよび蒸気タービン発電所、ガスまたは石油火力ボイラ簡易サイクルガスタービン発電所、ならびにガスまたは石油火力ボイラ複合サイクルガスタービン発電所である。これらのような供給源を使用する方法は、US-2014-0322803-A1として公開された米国出願第14/204,994号、US2014-0271440(A1)として公開された米国特許第14/214,129号、US2016-0082387(A1)として公開された米国特許第14/861,996号、ならびに米国特許第9,707,513号、同第9,714,406号、同第9,993,799号に提供されており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0151】
システム
本発明の態様は、上記のように、プロトコルによってCOをガス状CO源から隔離するためのシステムをさらに含む。例えば、上記のように、システムは、例えば、上記のように、本発明の方法を実行するために十分な方法で動作可能に結合される機能モジュールまたは反応器を含む装置である。いくつかの実施形態において、かかるシステムの態様は、COガス/水性捕捉モジュールおよび炭酸塩生成モジュールを含む。いくつかの実施形態において、かかるシステムの態様は、COガス/水性捕捉モジュールおよび炭酸塩生成モジュールの組み合わせを含む。いくつかの場合において、システムは、水性捕捉アンモニアモジュール、炭酸塩生成モジュール、および水性捕捉アンモニア再生モジュールのうちの1つ以上を含む。
【0152】
いくつかの場合において、COガス/水性捕捉アンモニアモジュールは、中空繊維膜接触器を含む。いくつかの場合において、COガス/水性捕捉アンモニアモジュールは、再生フロス接触器を含む。いくつかの場合において、COガス/水性捕捉アンモニアモジュールは、例えば、上記のように、異なる配置で接触器の組み合わせを含む。いくつかの場合において、システムは、ガス状CO2.源に動作可能に結合される。上記のように、ガス状CO源は、燃焼排ガスなどの多成分ガス流であり得る。
【0153】
COガス/水性捕捉アンモニアモジュールに動作可能に結合されるものは、炭酸塩生成モジュールである。モジュールの実施形態は、CO隔離炭酸塩材料を生成するように構成される連続反応器を含む。システムが、連続反応器(すなわち、流動反応器)を含むため、それらは、材料が流動流中に運ばれ、反応物(例えば、二価カチオン、重炭酸塩リッチな液体など)が連続的に反応器に供給され、生成物の連続流として出現する反応器を含む。したがって、システムの連続反応器構成要素は、バッチ反応器ではない。所与のシステムは、例えば、本明細書に記載のように、以下でより詳細に説明するように、1つ以上の追加の要素と組み合わせて、連続反応器を含み得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、システムの連続反応器は、流動する水性液体、例えば、水性アンモニウム炭酸塩、流動する水性液体に導入位置に二価カチオンを導入するように構成された二価カチオン誘導器、および二価カチオン誘導器から少し離れて位置する非スラリー固相CO隔離炭酸塩材料生成位置を含む。流動する水性液体は、例えば、上記のように、連続反応器中に存在し得る移動する水性液体の流れであり、連続反応器は、任意の好都合な構成を有し得る。対象となる連続反応器には、液体のための入口および廃液のための出口が含まれ、ここで、入口および出口は互いに相対的に配置され、反応器へ出入りする液体の連続的な移動または流れを提供する。反応器は、任意の便利な構造を有してよく、いくつかの場合において、反応器は、液体が流れる長さが、反応器の任意の所与の断面寸法よりも長い場合があり、入口は、反応器の第1の端部にあり、出口は、反応器の第2の端部にある。反応器の体積は、いくつかの場合において、10L~1,000,000L、例えば、1,000L~100,000Lの範囲で変化し得る。
【0155】
対象となる連続反応器は、流れる水性液体中に導入位置に二価カチオンを導入するように構成された二価カチオン誘導器をさらに含む。二価カチオン源の性質に応じて、誘導器が液相または固相誘導器であり得る、任意の便利な誘導器を採用してもよい。誘導器は、いくつかの場合において、液体を含有する重炭酸塩リッチ生成物の入口と、同じではないにしても、実質的に同じ位置に位置し得る。あるいは、誘導器は、入口から少し離れて下流に位置し得る。かかる事例では、入口と誘導器との間の距離は、いくつかの実施形態において、1cm~10m、例えば、10cm~1mの範囲で変化し得る。誘導器は、二価カチオンの供給源またはリザーバに動作可能に結合され得る。
【0156】
対象となる連続反応器は、非スラリー固相CO隔離炭酸塩材料生成位置を含む。この位置は、二価カチオンと、液体を含有する重炭酸塩リッチ生成物の重炭酸イオンとの反応の結果として、非スラリー固相CO隔離炭酸塩材料が生成される連続反応器の領域または区域である。反応器は、製造場所において任意の上述の非スラリー固相CO隔離炭酸塩材料を生成するように構成し得る。いくつかの場合において、生成位置は、二価カチオン導入位置から少し離れて位置する。この距離は変化し得るが、いくつかの場合において、二価カチオン誘導器と材料生成位置との間の距離は、1cm~10m、例えば10cm~1mの範囲である。
【0157】
生成場所は、上記のように、シード構造(複数可)を含み得る。かかる事例では、反応器は、上記のように、浸水形式または非浸水形式でシード構造に接触するように構成され得る。非浸水形式では、流れる液体は、例えば、様々な厚さの層としてシード構造の表面上に存在し得るが、ガス、例えば、空気は、粒子が液体中に浸水されないように、シード構造の少なくとも2つの部分、例えば、2つの異なる粒子を分離する。
【0158】
本システムの実施形態において、炭酸塩生成モジュールとして使用され得るかかる反応器に関するさらなる詳細は、米国特許第9,993,799号において提供され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0159】
水性捕捉アンモニア再生モジュールは、例えば、蒸留もしくは電解によって、または上記のようにエネルギーを導入しないプロセスを通じて、アンモニアを水性アンモニウム塩から生成するように構成される限り、変化し得る。いくつかの場合において、再生モジュールは、例えば、上記のように、準大気圧を作動させるように構成され、その結果、準大気圧、例えば、ポンプなどを生成するための1つ以上の構成要素を含むことになる。いくつかの場合において、再生モジュールは、例えば、上記のように、発生熱源、例えば、蒸気、および/または1つ以上の廃熱源に動作可能に結合される。いくつかの実施形態において、再生モジュールは、例えば、上記のように、鉱物アルカリ源などのアルカリ分源を含む。
【0160】
いくつかの場合において、システムは、例えば、上記のように、再生水性捕捉アンモニアをCOガス/水性捕捉アンモニアモジュールにリサイクルするように構成される。
【0161】
いくつかの場合において、システムおよびそのモジュールは、工業スケールシステムであり、それによって、それらが入力組成物(例えば、ガス、液体、固体等)の工業スケール量/体積を処理するように構成されることを意味する。例えば、そのシステムおよびモジュール、例えば、CO接触器モジュール、炭酸塩生成モジュール、アンモニア再生モジュールなどは、工業スケール体積の液体、例えば、1,000gal/日以上、例えば、10,000gal/日以上、25,000gal/日以上を含む液体を処理するように構成され、いくつかの場合において、そのシステムおよびモジュールは、1,000,000,000gal/日以下、例えば、500,000,000gal/日以下を処理するように構成される。同様に、そのシステムおよびモジュール、例えば、CO接触器モジュールなどは、例えば、25,000立方フィート/時間以上、例えば、250,000立方フィート/時間以上を含む100,000立方フィート/時間以上のガスの工業スケール体積を処理するように構成され、いくつかの場合において、そのシステムおよびモジュールは、500,000,000立方フィート/時間以下、例えば、100,000,000立方フィート/時間以下を処理するように構成される。
【0162】
いくつかの実施形態において、システムは、天然に生じるまたは人工の水性媒体源などの水性媒体源と流体連通しており、CO隔離プロトコルが実施される場所と併設され得る。システムは、陸上または海上に存在してもよい。例えば、システムは、例えば、海水源に近い沿岸地域、または内陸位置にある陸上系システムであってもよく、ここで、水は、塩水源、例えば、海洋からシステムに送り込まれる。あるいは、システムは、水系システム、すなわち、水上または水中に存在するシステムであり得る。かかるシステムは、所望に応じて、ボート、海洋ベースのプラットフォームなどの上に存在し得る。ある特定の実施形態において、システムは、任意の好都合な位置に、工業用プラント、例えば、発電所と併設され得る。
【0163】
上記の構成要素に加えて、本発明のシステムは、例えば、上記のように、水性捕捉モジュールに導入されるCO含有ガスを発生するCO含有ガス源をさらに含む。
【0164】
図1は、本発明の実施形態による、システムの概略図を提供する。図1に例示されるように、システム100は、COガス/水性捕捉液体モジュール102、CO隔離炭酸塩生成モジュール104、および水性捕捉液体再生モジュール106を含む。システム100は、ガス状CO源、例えば周囲空気109からのCO含有ガス108が、COガス/水性捕捉アンモニアモジュール102中の水性捕捉アンモニア液体122と組み合わされ、次いで、流体結合されたCO隔離炭酸塩生成モジュール104に搬送される水性アンモニウム炭酸塩液体110を生成するように構成される。CO隔離炭酸塩生成モジュール104において、水性アンモニウム炭酸塩液体110は、固体CO隔離炭酸塩114および水性アンモニウム塩116を生成するために十分な条件下で、カチオン液体112と組み合わされる。次いで、水性アンモニウム塩116は、ジオマス、例えば、建設および解体廃棄物(C&DW)118の存在下で、流体結合された水性捕捉液体再生モジュール106に運ばれ、そこでは、例えば、プロセス蒸気120によって加熱される。次いで、再生水性捕捉液体122は、流体結合されたCOガス/水性捕捉液体モジュール102に運ばれる。
【0165】
図2は、本発明の実施形態による、システムの概略図を提供する。図2に例示されるように、システム200は、COガス/水性捕捉液体モジュール202、CO隔離炭酸塩生成モジュール204、および水性捕捉液体再生モジュール206を含む。システム200は、ガス状CO源、例えば、燃焼排ガス209からのCO含有ガス208が、COガス/水性捕捉アンモニアモジュール202中の水性捕捉アンモニア液体222と組み合わされ、次に流体結合されたCO隔離炭酸塩生成モジュール204に運ばれる水性アンモニウム炭酸塩液体210を生成するように構成される。CO隔離炭酸塩生成モジュール204において、水性アンモニウム炭酸塩液体210は、固体CO隔離炭酸塩214および水性アンモニウム塩液体216を生成するために十分な条件下で、カチオン液体212および添加剤、例えば、ポリスチレンマイクロスフィア224と組み合わされる。次いで、水性アンモニウム塩液体216は、ジオマス、例えば、建設および解体廃棄物(C&DW)218の存在下で、流体結合された水性捕捉液体再生モジュール206に運ばれ、そこでは、例えば、再生可能エネルギー源220によって加熱される。次いで、再生水性捕捉液体222は、流体結合されたCOガス/水性捕捉液体モジュール202に運ばれる。
【0166】
図3は、本発明の実施形態による、システムの概略図を提供する。図3に例示されるように、システム300は、COガス/水性捕捉液体モジュール302、CO隔離炭酸塩生成モジュール304、および水性捕捉液体再生モジュール306を含む。システム300は、CO隔離炭酸塩生成モジュール304内のCO隔離炭酸塩の生成から生成される、CO含有ガス308および326、例えば、燃焼排ガス309およびCOガス326は、COガス/水性捕捉アンモニア液体モジュール302内のCOガス/水性捕捉液体モジュール302からの水性捕捉アンモニア液体322、例えば、凝縮逃散性アンモニア蒸気328と組み合わされ、次いで、流体結合したCO隔離炭酸塩生成モジュール304に運ばれる水性アンモニウム炭酸塩液体310を生成するように構成される。CO隔離炭酸塩生成モジュール304において、水性アンモニウム炭酸塩液体310は、固体CO隔離炭酸塩314および水性アンモニウム塩316を生成するために十分な条件下で、カチオン液体312と組み合わされる。次いで、水性アンモニウム塩液体316は、流体結合した水性捕捉液体再生モジュール306に運ばれ、ジオマス、例えばアルカリ性廃棄物332の存在下で、例えばプロセス蒸気凝縮物330の形態で廃熱によって加熱される。次いで、再生水性捕捉液体322は、流体結合されたCOガス/水性捕捉液体モジュール302に運ばれる。
【0167】
図4は、本発明の別の実施形態の概略図を提供する。図4に示すように、CO含有燃焼排ガスおよびアンモニア水溶液(NH(水溶液)は、CO捕捉モジュールに組み合わされ、これにより、CO枯渇燃焼排ガスおよび水性アンモニウム炭酸塩(NHCO(水溶液)が生成される。次いで、水性アンモニウム炭酸塩は、塩化カルシウム水溶液(CaCl(a))および塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液))、ならびに(例えば、炭酸塩コーティングモジュール内の改変モジュールおよび/または新しい骨材基材からの)アップサイクルジオマスと組み合わされ、炭酸カルシウムは、アップサイクルジオマスおよび/または新しい骨材基材を沈殿およびコーティングして、CO隔離炭酸塩材料のコーティングを含む骨材生成物を生成する。骨材生成物に加えて、炭酸塩コーティングモジュールは、水性アンモニウム塩、具体的には塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液))を得て、次いで、この水性アンモニウム塩を改変モジュールに運ぶ。改変モジュールでは、水性アンモニウム塩を固体ジオマス(CaO(複数可))と組み合わせて、アップサイクルされてよいジオマス骨材、アンモニア水溶液(NH(水溶液))、塩化カルシウム水溶液(CaCl(水溶液))、および塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液))を含む、初期再生水性アンモニアを得る。次いで、初期再生水性アンモニアを揮散モジュールに運び、蒸気によって提供される熱を用いて、初期再生液体からアンモニア水溶液(NH(水溶液))捕捉液体を動かなくする。(図4において、化学反応式はバランスが取れておらず、説明のみを目的としていることに留意されたい)。
【0168】
図5は、描写されるプロセスがコールドプロセスと見なされ得るように、蒸気揮散または高圧システムが採用されない、本発明の別の実施形態の概略図を提供する。図5に示すように、燃焼排ガスなどのCOリッチガスを、ガス吸収炭酸塩沈殿(GACP)モジュール中で、塩化カルシウム水溶液(CaCl(水溶液)および塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液)も含むアンモニア水溶液(NH(水溶液))捕捉液体と組み合わせ、これにより、CO枯渇ガスおよび炭酸カルシウムスラリー(CaCO(複数可))が生成される。ガス吸収炭酸塩沈殿(GACP)モジュールでは、改変モジュールからの懸濁液は、懸濁固体を有する水溶液または固体を含まない水溶液のいずれかとして、ガス状の二酸化炭素(CO)源と直接接触し、それによってモジュール内で固体炭酸カルシウム(CaCO)を生成する。GACPモジュールでは、pHは塩基性であってよく、いくつかの場合において9以上であってよく、アンモニア水溶液(またはアルカリ分)濃度は0.20mol/L以上であってよく、カルシウムイオン濃度は0.10mol/L以上であってよい。GACP中の温度は、いくつかの場合において、10~40℃、例えば15~35℃の範囲で変化してよく、いくつかの場合において、温度は、周囲温度以下であり、2~10℃、例えば2~5℃の範囲である。いくつかの場合においてGACPモジュール内に供給される水性アンモニア捕捉液体は、熱源、例えば、発電所からの高温燃焼排ガスなどの廃熱源、および吸着または吸収の原理を使用して冷却され、例えば、熱源入力により、冷却プロセスを駆動するために必要なエネルギーを提供する吸着または吸収冷蔵庫または冷却器を使用する。GACPによって生成される炭酸カルシウムスラリーに関して、いくつかの場合において、スラリー沈殿した炭酸カルシウムは、検出可能なカルシウム形態を有さず、非晶質(ACC)、バテライト、アラゴナイト、またはかかる形態の任意の組み合わせを含む他の形態であり得る。結果として生じる炭酸カルシウムスラリーは、次いで、炭酸塩凝集モジュールに運ばれ、そこでそれは、(例えば、改変モジュールからの)アップサイクルジオマスおよび/または新しい骨材基材と組み合わせて、CO隔離炭酸塩材料を含む凝集骨材生成物を生成する。炭酸塩凝集モジュールでは、GACPモジュールからのCaCOスラリーを処理して、純粋なCaCO岩、または改変モジュールからのCaCOとジオマス粉塵/スーパーファイン材料との混合物のいずれかとして、コンクリート用の骨材岩を生成する。炭酸カルシウムスラリー(CaCO(複数可))に加えて、GACPモジュールはまた、塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液))を生成し、次いで、塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液))を改変モジュールに運ぶ。改変モジュールでは、塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液))を固体ジオマス(CaO(複数可))と組み合わせて、アップサイクルされ得るジオマス骨材と、アンモニア水溶液(NH(水溶液)、塩化カルシウム水溶液(CaCl(a))および塩化アンモニウム水溶液(NHCl(水溶液)を含む、再生水性アンモニアとを得る。改変モジュールでは、金属酸化物、例えば、酸化カルシウム(CaO)は、ガス吸収炭酸塩沈殿(GACP)モジュールからジオマスを塩化アンモニウム水溶液(NHCl)と混合することによって抽出され、アンモニウム(NH )イオンが、アンモニア水溶液(NH)に部分的に改変され、ジオマスからカルシウム(Ca2+)イオンが溶解することになる。次いで、再生水性アンモニアをGACPモジュールに運ぶ。(図5において、化学反応式はバランスが取れておらず、説明のみを目的としていることに留意されたい)。必要に応じて、例えば、化学種、例えば、塩化アンモニウム(NHCl)、カルシウムイオン、アンモニア水溶液などを、改変されたジオマスの表面および孔から、ならびに炭酸カルシウム(CaCO)スラリーから除去および回収するために、材料は、最終的に脱水する前に、(a)蒸気を出す、例えば、湿度チャンバ内で、低グレード蒸気、高温燃焼排ガスからの廃熱などを使用すること、(b)浸漬する、例えば、低塩度水を骨材の孔に浸して、所望の化学種を抽出すること、(c)音波処理、例えば、骨材に衝撃させて所望の化学種を放出するように連続またはバッチプロセスに超音波周波数を適用すること、(d)化学添加物、例えば、添加剤を使用して、骨材を化学的に中和することの技法のうちの1つ以上を使用して洗浄されてよい。
【0169】
いくつかの場合においてCOガス/水性捕捉アンモニアモジュールは、組み合わせられた捕捉およびアルカリ濃縮反応器を備え、反応器は、コア中空繊維膜構成要素、例えば、複数の中空繊維膜を含むコア中空繊維膜構成要素と、コア中空繊維膜構成要素を取り囲み、コア中空繊維膜構成要素が存在する第1の液体フロー経路を定義するアルカリ濃縮膜構成要素と、アルカリ濃縮膜構成要素およびコア中空繊維膜構成要素を含有するように構成されたハウジングとを備えてよく、ハウジングは、アルカリ濃縮膜構成要素とハウジングの内面との間の第2の液体フロー経路を定義するように構成される。いくつかの場合において、アルカリ濃縮膜構成要素は、チューブとして構成され、コア中空繊維膜構成要素はチューブ内において軸方向に配置される。いくつかの場合において、ハウジングはチューブとして構成され、ハウジングおよびアルカリ濃縮膜構成要素は同心である。本発明の態様は、例えば、上記のように、組み合わせた捕捉およびアルカリ濃縮反応器をさらに含む。
【0170】
いくつかの場合において、上記プロトコルは、例えば、PCT公開出願番号第2016/160612号に記載されているように、COの隔離に使用するように構成された1つ以上の揮散可能なモジュラーユニットのシステムを使用して実行され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ユニットの態様は、COガス/液体接触器サブユニット、炭酸塩生成サブユニット、アルカリ濃縮サブユニット、水軟化サブユニット、カチオン回収サブユニット、熱交換サブユニット、逆浸透サブユニット、ナノ濾過サブユニット、微小濾過サブユニット、限外濾過サブユニット、および精製されたCO収集サブユニットのうちの1つ以上に関連する支持体、例えば、ハウジングまたはベースを含む。本発明で使用するように構成されたモジュラーユニットはまた、例えば、上記のように、アンモニア再生ユニットも含み得る。1つ以上のかかるモジュラーユニットから構成されるシステムもまた提供される。本明細書に開示されるシステムは、大容量システムを含み、個々のモジュラーユニットは、所与のサブユニット、例えば、COガス/液体接触器サブユニット、炭酸塩生成サブユニット、アルカリ濃縮サブユニット、水軟化サブユニット、カチオン回収サブユニット、熱交換サブユニット、逆浸透サブユニット、ナノ濾過サブユニット、マイクロ濾過サブユニット、限外濾過サブユニット、および精製されたCO収集サブユニットのうちの1種のみまたは複数を含み得る。本発明の態様は、係合され、COガス/液体接触器サブユニット、炭酸塩生成サブユニット、アルカリ濃縮サブユニット、水軟化サブユニット、カチオン回収サブユニット、熱交換サブユニット、逆浸透サブユニット、ナノ濾過サブユニット、微小濾過サブユニット、限外濾過サブユニット、および精製されたCO回収サブユニットを含む1つまたは多くの個々のモジュラーユニットを有し得る複数の個々のモジュラーユニットのより大きな集合体を含み得る。CO隔離プロトコルにおけるユニット/システムの使用方法も提供される。
【0171】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示はまた、以下の付記によって定義される。
【0172】
1.COをガス状CO源から隔離する方法であって、
(a)水性アンモニア捕捉液体を、CO隔離炭酸塩および水性アンモニウム塩を生成するために十分な条件下で、ガス状CO源と接触させることと、
(b)水性アンモニウム塩をジオマスと組み合わせて、再生水性アンモニア捕捉液体を生成することと
を含み、
COをガス状CO源から隔離する、方法。
2.ステップ(a)は、水性アンモニウム炭酸塩を生成するために十分な条件下で、水性アンモニア捕捉液体をガス状CO源と接触させることと、次いで、水性アンモニウム炭酸塩をカチオン源と接触させて、CO隔離炭酸塩を生成することとを含む、付記1に記載の方法。
3.ステップ(a)は、CO隔離炭酸塩および水性アンモニウム塩を生成するために十分な条件下で、カチオン源を含む水性アンモニア捕捉液体をガス状CO源と接触させることを含む、付記1に記載の方法。
4.CO隔離炭酸塩の生成は、COガスを生成する、付記1~3のいずれか一つに記載の方法。
5.生成されたCOガスが、水性捕捉アンモニア液体との接触によって回収される、付記4に記載の方法。
【0173】
6.ジオマスは、建設および解体廃棄物(C&DW)を含む、付記1~5のいずれか一つに記載の方法。
7.ジオマスは、石炭燃焼生成物(CCP)を含む、付記1~5のいずれか一つに記載の方法。
8.ジオマスは、アルカリ性廃棄物生成物を含む、付記1~5のいずれか一つに記載の方法。
9.方法は、再生水性アンモニアの精製をさらに含む、付記1~8のいずれか一つに記載の方法。
10.精製は、再生水性アンモニアから水性捕捉アンモニアを揮散させることを含む、付記9に記載の方法。
【0174】
11.方法は、再生水性アンモニアの精製を含まない、付記1~8のいずれか一つに記載の方法。
12.ガス状CO源は、燃焼排ガスを含む、付記1~11のいずれか一つに記載の方法。
13.方法は、CO隔離骨材を生成する、付記1~12のいずれか一つに記載の方法。
【0175】
14.COをガス状CO源から隔離するためのシステムであって、
(a)COガス/水性捕捉液体モジュールと、
(b)CO隔離炭酸塩生成モジュールに結合した水性捕捉液体再生モジュールと
を備える、システム。
15.COガス/水性捕捉液体モジュールに動作可能に結合したCO隔離炭酸塩生成モジュールをさらに備える、付記14に記載のシステム。
16.システムが、COガス/水性捕捉液体モジュールとは別個のCO隔離炭酸塩生成モジュールを含まない、付記14に記載のシステム。
【0176】
17.COをガス状CO源から隔離する方法であって、
水性アンモニウム炭酸塩液体を生成するために十分な条件下で、水性捕捉アンモニア液体をガス状CO源と接触させることと、
CO隔離炭酸塩およびアンモニウム塩液体を生成するために十分な条件下で、カチオン源を水性アンモニウム炭酸塩液体と組み合わせることと、
水性アンモニウム塩液体をジオマスと組み合わせて、再生水性アンモニア捕捉液体を生成することと
を含み、
COをガス状CO源から隔離する、方法。
18.CO隔離炭酸塩およびアンモニウム塩液体の生成が、COガスを生成する、付記17に記載の方法。
19.生成されたCOガスが、水性捕捉アンモニア液体との接触によって回収される、付記18に記載の方法。
20.ジオマスは、建設および解体廃棄物(C&DW)を含む、付記17~19のいずれか一つに記載の方法。
【0177】
21.ジオマスは、石炭燃焼生成物(CCP)を含む、付記17~19のいずれか一つに記載の方法。
22.ジオマスは、アルカリ性廃棄物生成物を含む、付記17~19のいずれか一つに記載の方法。
23.再生水性アンモニアの精製をさらに含む、付記17~22のいずれか一つに記載の方法。
24.精製は、再生水性アンモニアから水性捕捉アンモニアを揮散させることを含む、付記23に記載の方法。
25.カチオン源は、アルカリ土類金属カチオンを含む、付記17~24のいずれか一つに記載の方法。
【0178】
26.カチオン源は、二価カチオン源である、付記25に記載の方法。
27.二価カチオンは、アルカリ土類金属カチオンを含む、付記26に記載の方法。
28.二価アルカリ土類金属カチオンが、Ca2+およびMg2+、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、付記27に記載の方法。
【0179】
29.COをガス状CO源から隔離するためのシステムであって、
(a)COガス/水性捕捉液体モジュールと、
(b)COガス/水性捕捉液体モジュールに動作可能に結合したCO隔離炭酸塩生成モジュールと、
(c)ジオマス媒介プロセスを介して水性捕捉液体を再生するように構成されたCO隔離炭酸塩生成モジュールに結合した水性捕捉液体再生モジュールと
を備える、システム。
【0180】
30.COをガス状CO源から隔離する方法であって、
(a)カチオン源を含む水性アンモニア捕捉液体を、CO隔離炭酸塩および水性アンモニウム塩を生成するために十分な条件下で、ガス状CO源と接触させることと、
(b)水性アンモニウム塩をジオマスと組み合わせて、再生水性アンモニア捕捉液体を生成することと
を含み、
COをガス状CO源から隔離する、方法。
31.CO隔離炭酸塩の生成は、COガスを生成する、付記1~13、17~28、および30のいずれか一つに記載の方法。
32.生成されたCOガスが、水性捕捉アンモニア液体との接触によって回収される、付記31に記載の方法。
33.ジオマスは、建設および解体廃棄物(C&DW)を含む、付記30~32のいずれか一つに記載の方法。
【0181】
34.ジオマスは、石炭燃焼生成物(CCP)を含む、付記30~32のいずれか一つに記載の方法。
35.ジオマスは、アルカリ性廃棄物生成物を含む、付記30~32のいずれか一つに記載の方法。
36.ガス状CO源は、燃焼排ガスを含む、付記30~35のいずれか一つに記載の方法。
37.方法が、CO隔離骨材を生成する、付記30~35のいずれか一つに記載の方法。
【0182】
38.COをガス状CO源から隔離するためのシステムであって、
(a)COガス捕捉および隔離炭酸塩生成モジュールと、
(b)COガス捕捉および隔離炭酸塩生成モジュールに結合した水性捕捉液体再生モジュールと
を備える、システム。
39.CO炭酸塩凝集モジュールをさらに備える、付記38に記載のシステム。
【0183】
前述の実施形態の少なくともいくつかでは、ある実施形態で使用される1つ以上の要素は、かかる置き換えが技術的に実現可能でない限り、別の実施形態で互換的に使用することができる。当業者は、特許請求される主題の範囲から逸脱することなく、上記の方法および構造に他の様々な省略、追加、および修正を行うことができることを理解されたい。すべてのかかる修正および変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される主題の範囲内に入ることが意図される。
【0184】
一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、通常、「開放的な」用語として意図される(例えば、「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」、「備える」という用語は、「少なくとも有する」、「少なくとも備える」と解釈されるべきであるなど)ことが当業者によって理解される。特定の数の導入された特許請求の範囲の記載が意図される場合、かかる意図が特許請求の範囲内で明示的に記載され、かかる記載がない場合、かかる意図は存在しないことが当業者によってさらに理解される。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記載を導入するための「少なくとも1つ」および「1つ以上」という導入語句の使用を含み得る。ただし、かかる語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による特許請求の範囲の記載の導入が、かかる導入された特許請求の範囲の記載を含む特定の特許請求の範囲を、かかる記載を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない。同じ主張には、「1つ以上」または「少なくとも1つ」という導入語句と、「a」または「an」などの不定冠詞が含まれる(例えば、「a」および/または「an」は「少なくとも1つ」または「1つ以上」)。同じことが、特許請求の範囲の記載を紹介するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入された特許請求の範囲の特定の数の記載が明示的に記載されていても、当業者は、かかる記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識する(例えば、他の修飾語なしの「2つの記載」のありのままの記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣習が使用される場合、概して、かかる構成は、当業者が慣習を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB共に、AおよびC共に、BおよびC共に、ならびに/またはA、B、およびC共になどを有するシステムが含まれるが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣習が使用される場合、概して、かかる構成は、当業者が慣習を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB共に、AおよびC共に、BおよびC共に、ならびに/またはA、B、およびC共になどを有するシステムが含まれるが、これらに限定されない)。明細書、特許請求の範囲、または図面に関わらず、2つ以上の代替用語を提示する実質的に任意の離接語および/または語句は、用語の1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するように理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解される。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。
【0185】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループに関して記載される場合、当業者は、本開示がそれによって、マーカッシュグループの要素の任意の個々の要素またはサブグループに関しても記載されることを認識する。
【0186】
当業者によって理解されるように、書面による説明を提供するという点など、任意およびすべての目的のために、本明細書に開示されるすべての範囲はまた、任意およびすべての可能なサブ範囲およびそのサブ範囲の組み合わせも包含する。任意に列挙された範囲は、十分に記載され、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分類されることを可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、容易に、下3分の1、中3分の1、および上3分の1などに分類することができる。当業者によっても理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などのすべての言語は、列挙される数を含み、後で上述されるようにサブ範囲に分類され得る範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、各個々の要素を含む。したがって、例えば、1~3つの項目を有するグループとは、1、2、または3つの項目を有するグループを指す。同様に、1~5つの項目を有するグループとは、1、2、3、4、または5つの項目を有するグループなどを指す。
【0187】
前述の発明は、明確に理解することを目的として、例示および例としてある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の教示に照らして、特定の変更および修正が行われ得ることは、当業者に容易に明らかである。
【0188】
したがって、上記は単に本発明の原理を例示するにすぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本発明の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解される。さらに、本明細書に記載されるすべての例および条件付き言語は、主に、読者が、本発明の原理および発明者が当該技術分野を促進するために寄与する概念を理解することを助ける点を意図し、かかる具体的に記載される例および条件に限定されないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにその特定の例を記載する本明細書におけるすべての記述は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することを意図する。加えて、かかる等価物は、構造にかかわらず、現在既知である等価物および将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行するように開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。さらに、本明細書に開示されるものは、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されるか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図するものではない。
【0189】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明される例示的な実施形態に限定されることを意図しない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲におけるかかる制限の冒頭に「のための手段」という正確な語句または「のためのステップ」という正確な語句が記載される場合にのみ、特許請求の範囲における制限のために呼び出されるものとして明示的に定義され、かかる正確な語句が特許請求の範囲における制限で使用されない場合、米国特許法第112(f)または米国特許法第112条(6)は呼び出されない。
【0190】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2018年9月1日に出願された米国仮出願第62/726,225号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5