(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078270
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】低レベルのアルデヒド放出を有するポリウレタンフォーム
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20230530BHJP
C08G 18/76 20060101ALI20230530BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20230530BHJP
【FI】
C08G18/00 L
C08G18/76 057
C08G101:00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023038767
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2019542097の分割
【原出願日】2017-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ、チエン
(72)【発明者】
【氏名】フォン、シャオグァン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、トーカン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チーコワン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ピン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ、ウェンピン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】タン、チョンミン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド両方の放出を低くする、安価かつ効果的なポリウレタンフォームの製造方法、並びにポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒を含有する、反応混合物を形成するステップと、前記反応混合物を少なくとも1つの環式1,3-ジケトン化合物の存在下で硬化してポリウレタンフォームを形成するステップと、を含む、ポリウレタンフォームを製造するための方法であって、前記環式1,3-ジケトン化合物が、例えばシクロヘキサン-1,3,5-トリオン、ピラゾリジン-3,5-ジオン等である、製造方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ポリイソシアネートと、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性
基あたり少なくとも200の当量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と
、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの界面活性剤と、少なくとも1つの触媒を
含有する反応混合物とを形成することと、
前記反応混合物を少なくとも1つの環式1,3-ジケトン化合物の存在下で硬化してポ
リウレタンフォームを形成することと、を含む、ポリウレタンフォームを製造するための
方法であって、
前記環式1,3-ジケトン化合物が、下記の構造を有し、
【化1】
式中、X、Y、Zが、独立して、C、N、O、化学結合であるか、または全てが、C原
子であり、R2-X-R3、R4-Y-R5、R6-Z-R7のうちの1つ以上が、カル
ボニル基であり
R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7が、独立して、H、1~10個の炭
素原子を有する置換もしくは非置換直鎖もしくは分岐アルキル基、フェニル基、ハロゲン
、-CO2CH3、または-CNであるが、ただし、R2とR3、R4とR5、R6とR
7、およびR1とR7のうちの1つ以上が、分子内または分子間結合してもよい、
ポリウレタンフォームを製造するための方法。
【請求項2】
前記反応混合物が、前記環式1,3-ジケトン化合物および少なくとも1つの酸化防止
剤の存在下で硬化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリウレタンフォームからのホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド放出を低減する
ための方法であって、
a)環式1,3-ジケトン化合物を、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート
反応性基あたり少なくとも200の当量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性
材料と混合することと、次いで
b)ステップa)からの前記混合物を少なくとも1つの芳香族ポリイソシアネートと組
み合わせ、得られた組み合わせを少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤
、および少なくとも1つの触媒の存在下で硬化してポリウレタンフォームを形成すること
と、を含み、
前記環式1,3-ジケトン化合物が、下記の構造を有し、
【化2】
式中、X、Y、Zが、独立して、C、N、O、化学結合であるか、または全てが、C原
子であり、R2-X-R3、R4-Y-R5、R6-Z-R7のうちの1つ以上が、カル
ボニル基であり
R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7が、独立して、H、1~10個の炭
素原子を有する置換もしくは非置換直鎖もしくは分岐アルキル基、フェニル基、ハロゲン
、-CO2CH3、または-CNであるが、ただし、R2とR3、R4とR5、R6とR
7、およびR1とR7のうちの1つ以上が、分子内または分子間結合してもよい、
ポリウレタンフォームからのホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド放出を低減する
ための方法。
【請求項4】
前記反応混合物が、少なくとも1つの酸化防止剤の存在下でさらに硬化される、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当
量を有する前記イソシアネート反応性材料が、分子あたり2~4つのヒドロキシル基を含
有する、請求項1または請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記芳香族ポリイソシアネートが、ウレタン、ウレア、ウレトンイミン、ビウレット、
アロホネートおよび/またはカルボジイミド基を含有する、MDI、ポリマーMDI、ま
たはMDIおよび/もしくはポリマーMDIの誘導体である、請求項1または請求項3に
記載の方法。
【請求項7】
前記環式1,3-ジケトン化合物が、シクロヘキサン-1,3,5-トリオン、1,3
-シクロヘキサジオン、ピラゾリジン-3,5-ジオン、1,2-ジメチルピラゾリジン
-3,5-ジオン、1-メチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1,1-ジメチル-シク
ロペンタン-2,4-ジオン、1-エチル-シクロヘキサン-2,4-ジオン、1,1-
ジエチル-シクロヘキサン-3,5-ジオン、6-メチル-ピラン-2,4-ジオン、6
-エチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソプロピル-ピラン-2,4-ジオン、6-
(n)-ブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソブチル-ピラン-2,4-ジオン、
6-ペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソペンチル-ピラン-2,4-ジオン、
6,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピラン-2,4(3H,5H)-ジオン、5,6,
7,8-テトラヒドロ-クロマン-2,4-ジオン、クロマン-2,4-ジオン、6-ト
ランス-プロペニル-ジヒドロ-ピラン-2,4-ジオン、1-オキサスピロ-[5,5
]-ウンデカン-2,4-ジオン、2,2-ジプロピル-[1,3]-ジオキサン-4,
6-ジオン、2-フェニル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、6,10-ジオ
キサ-スピロ-[4,5]-デカン-7,9-ジオン、1,5-ジオキサ-スピロ-[5
,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、1-メチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒ
ドロ-ピリミジン、1,5-ジメチル-2,4,6-トリオキソヘキサヒドロ-ピリミジ
ン、1-エチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-フェニル-
2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、6-アミノピリミジン-2,4(
1H,3H)-ジオン、s-インダセン-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン、
フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、または3,3’-(ヘキサン-1,1-ジイル
)ビス(1-メチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)である、
請求項1または請求項3に記載の方法。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の方法によって作製されたポリウレタンフォーム。
【請求項9】
それぞれ100mm×80mm×50mm試験片あたり1μg以下のホルムアルデヒド
およびアセトアルデヒド放出を示す、請求項8に記載のポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低レベルのホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド放出を示すポリウレタ
ンフォーム、ならびにそのようなポリウレタンフォームを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー材料からの放出物は、多くの用途において、特に人または動物が密閉空間内で
ポリマー材料に曝露される場合に懸念される。作業場、家庭、および車両環境で使用され
る材料は、特に懸念される。車両製造業者は、車、トラック、列車、および航空機の客室
内で使用されるポリマー材料からの放出物に対してより厳しい制限を課している。アルデ
ヒド放出物、特にホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドは、特に懸念される原因であ
る。
【0003】
ポリウレタンフォームは、多くのオフィス、家庭、および車両用途で使用されている。
それらは、例えば、機器用途において、ならびに寝具および家具のクッション材として使
用されている。自動車およびトラックでは、ポリウレタンは、座席クッション材として、
ヘッドレスト、ダッシュボード、インストルメントパネル、アームレスト、ヘッドライナ
ーなどの用途に使用されている。これらのポリウレタンはしばしば、異なるレベルのホル
ムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを放出する。
【0004】
様々なタイプの材料からのアルデヒド放出物を低減するために捕捉剤が使用されること
がある。ポリウレタン分野では、例えば、酸化防止剤およびヒンダードアミン光安定剤(
HALS)をポリオールに添加してアルデヒドを低減することを記載する、WO2006
/111492がある。WO2009/114329は、それぞれポリオールおよびポリ
イソシアネート中、ならびにそれらの材料から作製されたポリウレタン中のアルデヒドを
低減するために、ポリオールを特定のタイプのアミノアルコールで処理し、ポリイソシア
ネートを特定のニトロアルカンで処理することを記載する。JP2005-154599
は、その目的のためのアルカリ金属ホウ水素化物のポリウレタン配合物への添加を記載す
る。USP5,506,329は、ポリイソシアネート含有調製物からホルムアルデヒド
を捕捉するための特定のアルジミンオキサゾリジン化合物の使用を記載し、織物および合
板用途におけるホルムアルデヒド捕捉剤としてのニトロアルカンおよびアミノアルコール
を記載する。
【0005】
部分的にはポリウレタンフォーム中に存在するアルデヒドが必ずしもフォームを作製す
るのに使用される原材料から運び込まれるわけではないため、これらのアプローチは限ら
れた利点を提供する。特にホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドは、硬化ステップ中
またはフォームがその後UV光、高温、もしくは他の条件に供される際に形成され得る。
これらのフォームの気泡構造のために、この方法で生成されたアルデヒドは、しばしば大
気中に容易に放出され得るため、暴露の懸念を提示し得る。したがって、出発材料を単に
処理することが必ずしもポリウレタンフォームからのアルデヒド放出に対する適切な解決
策であるとは限らない。
【0006】
別の問題は、ホルムアルデヒド放出に対して効果的な手段が必ずしもアセトアルデヒド
放出に対して効果的であるわけではなく、逆もまた同様であることである。例えば、出願
人らは、WO2006/111,492に記載される酸化防止剤がアセトアルデヒド放出
を低減するのに効果的であるが、実際にはホルムアルデヒド放出の増加を引き起こし得る
ことを見出した。出願人らは、HALSの存在がしばしば、ホルムアルデヒド放出、アセ
トアルデヒド放出、またはその両方の増加をもたらすことをさらに見出した。それにもか
かわらず、(アルデヒド放出へのいかなる影響も別として)光安定性を提供するためにH
ALS材料をフォーム配合物に含めることは、しばしば望ましい。したがって、アセトア
ルデヒドの低減および光安定性というそれらの所望の利点を維持しながら、ホルムアルデ
ヒド放出に対する酸化防止剤およびHALS材料の悪影響を克服するための方法が望まれ
ている。
【0007】
他の分野では、USP6,646,034および米国特許出願公開第2011-003
4610号は、特定のアミノアルコール化合物およびアセトアセタミドを含む、アミノま
たはイミノ基を有する有機化合物などの様々なホルムアルデヒド捕捉剤を、ポリアセター
ル樹脂に添加することを記載する。米国特許出願公開第2010-0124524号は、
特定のアミン官能性捕捉剤で空中のホルムアルデヒドを捕捉するための方法を記載する。
USP5,599,884は、他の材料の中でも、アセトアセタミドを用いてアミノ樹脂
からホルムアルデヒドを除去することを記載する。
【0008】
ポリウレタンフォームからのホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド両方の放出を低
減する安価かつ効果的な方法が非常に望まれている。好ましくは、この方法は、ポリウレ
タンの特性または性能に有意な変化をもたらさない。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネー
ト反応性基あたり少なくとも200の当量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応
性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、ならびに少なくとも1
つの触媒を含有する反応混合物を形成することと、反応混合物を(i)式を有する少なく
とも1つの環式1,3-ジケトン化合物であって、
【化1】
式中、X、Y、Zが、独立して、C、N、O、化学結合であるか、または全てが、C原
子であり、R2-X-R3、R4-Y-R5、R6-Z-R7のうちの1つ以上が、カル
ボニル基であり
R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7が、独立して、H、1~10個の炭
素原子を有する置換もしくは非置換直鎖もしくは分岐アルキル基、フェニル基、ハロゲン
、-CO2CH3、または-CNであるが、ただし、R2とR3、R4とR5、R6とR
7、およびR1とR7のうちの1つ以上が、分子内または分子間結合してもよく、
好ましくは、環式1,3-ジケトン化合物が、シクロヘキサン-1,3,5-トリオン
、1,3-シクロヘキサジオン、ピラゾリジン-3,5-ジオン、1,2-ジメチルピラ
ゾリジン-3,5-ジオン、1-メチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1,1-ジメチ
ル-シクロペンタン-2,4-ジオン、1-エチル-シクロヘキサン-2,4-ジオン、
1,1-ジエチル-シクロヘキサン-3,5-ジオン、6-メチル-ピラン-2,4-ジ
オン、6-エチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソプロピル-ピラン-2,4-ジオ
ン、6-(n)-ブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソブチル-ピラン-2,4-
ジオン、6-ペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソペンチル-ピラン-2,4-
ジオン、6,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピラン-2,4(3H,5H)-ジオン、
5,6,7,8-テトラヒドロ-クロマン-2,4-ジオン、クロマン-2,4-ジオン
、6-トランス-プロペニル-ジヒドロ-ピラン-2,4-ジオン、1-オキサスピロ-
[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、2,2-ジプロピル-[1,3]-ジオキサ
ン-4,6-ジオン、2-フェニル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、6,1
0-ジオキサ-スピロ-[4,5]-デカン-7,9-ジオン、1,5-ジオキサ-スピ
ロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、1-メチル-2,4,6-トリオキソ-
ヘキサヒドロ-ピリミジン、1,5-ジメチル-2,4,6-トリオキソヘキサヒドロ-
ピリミジン、1-エチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-フ
ェニル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、6-アミノピリミジン-
2,4(1H,3H)-ジオン、s-インダセン-1,3,5,7(2H,6H)-テト
ラオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、および3,3’-(ヘキサン-1,1
-ジイル)ビス(1-メチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)
である、化合物、ならびに(ii)任意に少なくとも1つの酸化防止剤の存在下で硬化し
てポリウレタンフォームを形成することと、を含む、ポリウレタンフォームを製造するた
めの方法である。
【0010】
本発明はまた、a)環式1,3-ジケトン化合物および少なくとも1つの酸化防止剤を
、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当
量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と混合することと、次いでb)ス
テップa)からの混合物を、少なくとも1つの有機ポリイソシアネートと組み合わせ、得
られた組み合わせを少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも
1つの触媒、および任意に少なくとも1つの酸化防止剤の存在下で硬化して、ポリウレタ
ンフォームを形成することと、を含む、ポリウレタンフォームからのホルムアルデヒドお
よびアセトアルデヒド放出を低減するためのプロセスである。
【0011】
本発明はまた、上記のプロセスのいずれかで作製されたポリウレタンフォームである。
【0012】
本発明は、非常に低レベルのホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの両方を放出す
るポリウレタンフォーム、好ましくは100mmx80mmx50mm試験片あたり1μ
g以下のホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド放出を示すポリウレタンフォームを製
造することができる安価かつ実用的な方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
環式1,3-ジケトン化合物は、互いに対してベータ位置に2つのカルボニル基を有す
ることを特徴とする。そのような1,3-ジケトン化合物は、既知であり、例えば、全て
その全体が本明細書に組み込まれる、DE3037912A1、US200500547
57A1、JP2005082694A、JP2005162921A、JP20051
62920A、CN103897567A、WO2010039485A1、FR294
0273A1、WO2010070248A2を参照されたい。
【0014】
適切な環式1,3-ジケトン化合物には、構造を有するものが含まれ、
【化2】
式中、X、Y、Zは、独立して、C、N、Oであり、一実施形態では、X、Y、および
Zは、全てN、または好ましくは構造が5~7員環であるような化学結合であり、一実施
形態では、X、Y、およびZは、全てC原子であり、R2-X-R3、R4-Y-R5、
R6-Z-R7のうちの1つ以上は、カルボニル基であり
R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は、独立して、H、1~10個の炭
素原子を有する置換もしくは非置換直鎖もしくは分岐アルキル基、フェニル基、ハロゲン
、-CO2CH3、または-CNであるが、ただし、R2とR3、R4とR5、R6とR
7、およびR1とR7のうちの1つ以上は、分子内または分子間結合してもよい。
【0015】
好ましい環式1,3-ジケトン化合物としては、これらに限定されないが、以下のもの
が挙げられる。
【化3-1】
【化3-2】
【0016】
フォームを製造するために、少なくとも1つのポリイソシアネートを、少なくとも2の
官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量を有する少なくとも
1つのイソシアネート反応性化合物と反応させる。「官能価」とは、分子あたりのイソシ
アネート反応性基の平均量を指し、官能価は、8以上であり得るが、好ましくは2~4で
ある。イソシアネート基は、例えば、ヒドロキシル、第一級アミノ、または第二級アミノ
基であり得るが、ヒドロキシル基が好ましい。当量は、最大6000以上であり得るが、
好ましくは500~3000、より好ましくは1000~2000である。このイソシア
ネート反応性化合物は、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒ
ドロキシル末端ブタジエンポリマーまたはコポリマー、ヒドロキシル含有アクリレートポ
リマーなどであり得る。好ましいタイプのイソシアネート反応性化合物は、ポリエーテル
ポリオール、特にプロピレンオキシドのポリマーまたはプロピレンオキシドとエチレンオ
キシドとのコポリマーである。プロピレンオキシドとエチレンオキシドとのコポリマーは
、末端ポリ(オキシエチレン)ブロックおよび少なくとも50%の第一級ヒドロキシル基
を有するブロックコポリマーであり得る。プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの別
の適切なコポリマーは、末端ポリ(オキシエチレン)ブロックおよび少なくとも50%の
第一級ヒドロキシル基も含有し得る、ランダムまたは擬似ランダムコポリマーであり得る
。
【0017】
イソシアネート反応性化合物として有用なポリエステルポリオールは、ポリオール、好
ましくはジオールと、ポリカルボン酸またはそれらの無水物、好ましくはジカルボン酸ま
たはジカルボン酸無水物との反応生成物を含む。ポリカルボン酸または無水物は、脂肪族
、脂環式、芳香族および/または複素環式であってもよく、ハロゲン原子等で置換されて
もよい。ポリカルボン酸は不飽和であり得る。これらのポリカルボン酸の例としては、コ
ハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸
、マレイン酸、無水マレイン酸およびフマル酸が挙げられる。ポリエステルポリオールを
作製するのに使用されるポリオールは、好ましくは約150以下の当量を有し、エチレン
グリコール、1,2-および1,3-プロピレングリコール、1,4-および2,3-ブ
タンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサンジメタノール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタ
ントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトー
ル、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどを含
む。The Dow Chemical Companyによって商品名「Tone」で
販売されるものなどのポリカプロラクトンポリオールも有用である。
【0018】
必要に応じて、少なくとも2の官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも
200の当量を有する2つ以上のイソシアネート反応性化合物の混合物を使用することが
できる。
【0019】
イソシアネート反応性化合物(複数可)は、分散ポリマー粒子を含んでもよい。これら
のいわゆるポリマーポリオールは、例えば、スチレン、アクリロニトリル、もしくはスチ
レン-アクリロニトリルなどのビニルポリマーの粒子、ポリウレアポリマーの粒子、また
はポリウレタン-ウレアポリマーのポリマーを含有する。
【0020】
加えて、そのようなイソシアネート反応性化合物は、1つ以上の架橋剤および/または
鎖延長剤と混合して使用することができる。本明細書の目的のために、「架橋剤」は、分
子あたり少なくとも3つのイソシアネート反応性基および200未満のイソシアネート反
応性基あたりの当量を有する化合物である。本発明の目的のための「鎖延長剤」は、分子
あたり正確に2つのイソシアネート反応性基を有し、200未満のイソシアネート反応性
基あたりの当量を有する。各事例では、イソシアネート反応性基は、好ましくはヒドロキ
シル、第一級アミノ、または第二級アミノ基である。架橋剤および鎖延長剤は、好ましく
は最大150、より好ましくは最大約125の当量を有する。
【0021】
架橋剤の例には、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、最大199の当
量を有する上記のいずれかのアルコキシレートなどが含まれる。鎖延長剤の例には、アル
キレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタ
ンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど)、グリコールエーテル(ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールな
ど)、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミンなど、ならびに
最大199の当量を有する上記のいずれかのアルコキシレートなどが含まれる。
【0022】
適切なポリイソシアネートの例には、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、2,
4-および/または2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)の様々な異性体、いわゆるポリマーMDI生成物(これらはモ
ノマーMDI中のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物である)、カ
ルボジイミド修飾MDI生成物(例えば、135~170の範囲のイソシアネート当量を
有するいわゆる「液体MDI」生成物)、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、
テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネー
ト、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI(H12MDI)、イソホロ
ンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、メトキシフェニル-2,
4-ジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキ
シ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4
,4’-ジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタンジイソシアネート、水
素化ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルエン-2,4,6-トリイソシ
アネート、および4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトール
イソシアネートが含まれる。ウレタン、ウレア、ウレトンイミン、ビウレット、アロホネ
ート、および/またはカルボジイミド基を含有するように修飾される上記のいずれかを使
用してもよい。
【0023】
好ましいイソシアネートには、TDIが含まれる。最も好ましいイソシアネートには、
ウレタン、ウレア、ウレトンイミン、ビウレット、アロファネート、および/またはカル
ボジイミド基を含有する、MDIおよび/またはポリマーMDI、ならびにMDIおよび
/またはポリマーMDIの誘導体が含まれる。
【0024】
発泡剤は、化学(発熱)タイプ、物理(吸熱タイプ)、または各タイプのうちの少なく
とも1つの混合物であり得る。化学種は、典型的には、発泡反応の条件下で反応または分
解して二酸化炭素または窒素ガスを生成する。水および様々なカルバメート化合物は、適
切な化学発泡剤の例である。物理タイプには、二酸化炭素、様々な低沸点炭化水素、ハイ
ドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロクロロカーボン、エーテルなどが含まれる。水
は、それ自体または1つ以上の物理発泡剤との組み合わせのいずれかで、最も好ましい発
泡剤である。
【0025】
適切な界面活性剤は、材料が硬化するまで発泡反応混合物の気泡を安定させるのに役立
つ材料である。ポリウレタンフォームを作製するのに一般的に使用されるような多種多様
なシリコーン界面活性剤を、本発明のポリマーポリオールまたは分散液でフォームを作製
するのに使用することができる。そのようなシリコーン界面活性剤の例は、商品名TEG
OSTAB(商標)(Evonik Industries/Goldschmidt
and Co.)、NIAX(商標)(GE OSi Silicones)、およびD
ABCO(商標)(Air Products and Chemicals)で市販さ
れている。
【0026】
適切な触媒としては、参照により本明細書に組み込まれる、USP4,390,645
によって記載されるものが挙げられる。代表的な触媒としては、
(a)トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホ
リン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N,
N’,N’-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジメチルピペラジン、1
,4-ジアゾビシクロ-2,2,2-オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル
、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4’-(オキシジ-2
,1-エタンジイル)ビス、トリ(ジメチルアミノプロピル)アミン、ペンタメチルジエ
チレントリアミン、およびトリエチレンジアミンなどのような第三級アミン、ならびにジ
メチルアミンプロピルアミンなどのような1つ以上のイソシアネート反応性基を含有する
いわゆる「低放出性」第三級アミン触媒、
(b)トリアルキルホスフィンおよびジアルキルベンジルホスフィンなどの第三級ホスフ
ィン、
(c)アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、アセト
酢酸エチルなどから得られるもののような様々な金属と、Be、Mg、Zn、Cd、Pd
、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、およびNiのような
金属とのキレート、
(d)塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス、お
よび塩化ビスマスなどの強酸の酸性金属塩、
(e)アルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物、アルコキシド、およびフェノキシドな
どの強塩基、
(f)Rがアルキルまたはアリールである、Ti(OR)4、Sn(OR)4、およびA
l(OR)3などの様々な金属のアルコラートおよびフェノラート、ならびにアルコラー
トとカルボン酸の反応生成物、β-ジケトン、および2-(N,N-ジアルキルアミノ)
アルコール、
(g)例えば、酢酸ナトリウム、オクタン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、オクタン酸
鉛、ナフテン酸マンガンおよびコバルトなどの金属ドライヤーを含む、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、Al、Sn、Pb、Mn、Co、Ni、およびCuなどの様々な金属を
含む有機酸の塩、ならびに
(h)4価スズ、3価および5価As、Sb、およびBiの有機金属誘導体、ならびに鉄
およびコバルトの金属カルボニルが挙げられる。
【0027】
本発明のプロセスは、少なくとも1つの酸化防止剤の存在下で行われる。適切な酸化防
止剤の例には、例えば、
1)2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-
4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、
2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブ
チル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、
2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデ
シル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ
-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖で直鎖または分岐であるノニ
ルフェノール、例えば、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル
-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1
’-メチルヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチ
ルトリデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-
ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジ
オクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノ
ニルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ
-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6
-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒド
ロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-t
ert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)アジペート、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェ
ノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、
2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]
、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-
メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6
-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-ter
t-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソ
ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニ
ルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノ
ニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール
)、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1
-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6
-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフ
ェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフ
ェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフ
ェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス
(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-te
rt-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[
2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-te
rt-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチ
ル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-
4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシ2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テ
トラ(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、1,3
,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6
-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ
ベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ
-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール、一価または多価アルコール
を含む、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オク
タデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコー
ル、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3
-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリ
メチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビ
シクロ[2.2.2]オクタンを含む、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、一価または多価アルコールを含む、例えば、
メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1
,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロ
パンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノ
ール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.
2]オクタンを含む、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニ
ルプロピオン酸のエステル、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒ
ドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2
,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン、一価または多価アルコー
ルを含む、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6
-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパン
ジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール
、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール
、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、
4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]
オクタンを含む、β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸のエステル、一価または多価アルコールを含む、例えば、メタノール、エタノール、
オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール
、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリト
ール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチ
ル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキ
サンジオール、トリメチロールプロパン、および4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-
2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを含む、3,5-ジ-tert
-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸のエステルなどのフェノール化合物、
【0028】
2)N,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-
ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-
フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニ
レンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,
N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニ
レンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプ
ロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-
N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニ
ル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジ
アミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-
N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリ
ルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチ
ルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニ
ル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’-ジ-ter
t-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチル-アミノフェノール、4-ブチリルアミ
ノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、
4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6
-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’-ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラ-
メチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)
アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド
、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化
N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチ
ル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化
ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ドデシルジフェニ
ルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフ
ェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチルジフェニル
アミンの混合物などのようなアミン酸化防止剤、
【0029】
3)ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネートなどの
チオ共力剤、
【0030】
4)トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキ
ルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、
トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ト
リス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト
、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2
,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イ
ソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[
d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6
-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メ
チルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-ter
t-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2
,2’,2’’-ニトリロ-[トリエチルトリス(3,3’,5,5’-テトラ-ter
t-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘ
キシル(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,
2’-ジイル)ホスファイト、および5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ
-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィランなどのホスファイ
トおよびホスホナイト、
【0031】
5)USP 4,325,863、USP 4,338,244、USP 5,175
,312、USP 5,216,052、USP 5,252,643、DE-A-43
16611、DE-A-4316622、DE-A-4316876、EP-A-058
9839、またはEP-A-0591102に開示されるもの、例えば、3-[4-(2
-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-
オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)
フェニル]-ベンゾフラン-2-オン、3,3’-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル
-3-(4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7
-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-
(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾ
フラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7
-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-
5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニ
ル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オンなどのベンゾフラノンおよ
びインドリノン、ならびに
6)例えば、本明細書に参照により組み込まれる、USP6,881,774号に記載さ
れるような、トコフェノール、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、O-、N-、お
よびS-ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、トリアジン化合物、ベンジ
ルホスホネート、アシルアミノフェノール、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸(ビタミンC)、2-(2
’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、置換お
よび非置換安息香酸のエステル、アクリレート、ニッケル化合物、オキサミド、2-(2
-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、ヒドロキシルアミン、ニトロン、な
らびにβ-チオジプロピオン酸のエステルが含まれる。
【0032】
好ましい酸化防止剤は、
a)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なく
とも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物との混合物、
b)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記5)に記載の少なく
とも1つのベンゾフラノンまたはインドリノン化合物との混合物、
c)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記2)に記載の少なく
とも1つのアミン酸化防止剤との混合物、
d)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なく
とも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物および上記5)に記載の少なくとも1
つのベンゾフラノンまたはインドリノン化合物との混合物、
e)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なく
とも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物および上記2)に記載の少なくとも1
つのアミン化合物との混合物、
f)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なく
とも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物、上記5)に記載の少なくとも1つの
ベンゾフラノンまたはインドリノン化合物、および上記2)に記載の少なくとも1つのア
ミン化合物との混合物、
g)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、3)に記載の少なくとも
1つのチオ共力剤との混合物、ならびに
h)3)に記載の少なくとも1つのチオ共力剤を含む上記a)~f)の混合物のいずれ
かを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、HALS(ヒンダードアミン光安定剤)化合物が存在する。
HALS化合物は、例えば、上記1)~5)のいずれかに記載の酸化防止剤と共に、また
は上記a)~h)の混合物のいずれかと共に使用することができる。適切なHALS化合
物には、ビス(1-オクチルオキシ)-2,2,5,5-テトラメチル-4-ピペリジニ
ル)セバケート(BASFからのTINUVIN(商標)123)、n-ブチル-(3,
5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシルベンジル)ビス-(1,2,2,6-ペン
タメチル-4-ピペリジニル)マロネート(BASFからのTINUVIN 144)、
4-ヒドロキシ-2-2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールを含むコハ
ク酸ジメチルポリマー(BASFからのTINUVIN 622)、ビス(1,2,2,
6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート(BASFからのTINUVIN
765)、およびビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケー
ト(BASFからのTINUVIN 770)などが含まれる。
【0034】
ポリイソシアネートを除く様々な成分の量は、少なくとも2つのイソシアネート反応性
基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量を有するイソシアネート
反応性材料(複数可)の100重量部あたりの重量部(「pph」)で便利に表される。
【0035】
環式1,3-ジケトン化合物は、反応性混合物の総重量に基づいて0.005~5重量
部、好ましくは0.01~0.5、より好ましくは0.025~0.25重量部などの有
効量で存在する。
【0036】
酸化防止剤(複数可)および/またはHALS化合物は、使用される場合、反応性混合
物の総重量に基づいて0.005~5重量部、好ましくは0.01~0.5、より好まし
くは0.025~0.25重量部などの有効量で存在する。
【0037】
架橋剤および/または鎖延長剤は、典型的には(存在する場合)少量で存在する。好ま
しい量は、0~5pphの架橋剤および/または鎖延長剤である。より好ましい量は、0
.05~2pphであり、さらにより好ましい量は、0.1~1pphの1つ以上の架橋
剤である。
【0038】
発泡剤は、所望のフォーム密度を提供するのに十分な量で存在する。水が発泡剤である
場合、適切な量は、一般に1.5~6pph、好ましくは2~5pphである。
【0039】
触媒は、典型的には最大2pph、一般的には最大1pphなどの少量で存在する。触
媒の好ましい量は、0.05~1pphである。
【0040】
界面活性剤は、典型的には最大5pph、より典型的には0.1~2pph、好ましく
は0.25~1.5pphの量で存在する。
【0041】
存在するポリイソシアネートの量は「イソシアネート指数」として表され、これはフォ
ーム配合物中のイソシアネート基対イソシアネート反応性基の比の100倍である。イソ
シアネート指数は、典型的には約70~150である。好ましいイソシアネート指数は8
0~125であり、より好ましいイソシアネート指数は80~115である。いくつかの
実施形態では、イソシアネート指数は90~115または95~115である。
【0042】
例えば、充填剤、着色剤、臭気マスキング剤、難燃剤、殺生物剤、帯電防止剤、チキソ
トロープ剤、および気泡開放剤を含む、他の成分が発泡ステップ中に存在し得る。
【0043】
ポリウレタンフォームは、様々な成分を含有する反応混合物を形成し、反応混合物を硬
化することによって、本発明に従って作製される。連続スラブストック製造法などのフリ
ーライズ法を使用することができる。あるいは、成形法を使用することができる。そのよ
うなプロセスは周知である。一般に、本発明に従ってポリウレタンフォームを製造するた
めに、従来の処理操作を変更する必要はない(環式1,3-ジケトン化合物を酸化防止剤
(複数可)と一緒に含めることを除く)。
【0044】
様々な成分は、個別にまたは様々な部分的組み合わせで、混合ヘッドまたは他の混合装
置に導入してもよく、そこでそれらは混合され、それらが硬化される領域(例えば、トラ
フもしくは他の開放容器、または密閉モールド)に分配される。環式1,3-ジケトン化
合物を水または他の適切な溶媒中の溶液の形態で供給することは、しばしば便利である。
あるいは(または加えて)、環式1,3-ジケトン化合物をイソシアネート反応性化合物
(複数可)と予め混合してもよい。特に成形フォームを作製する場合、使用され得る架橋
剤および/または鎖延長剤、環式1,3-ジケトン化合物(複数可)、酸化防止剤(複数
可)および任意に触媒(複数可)、界面活性剤(複数可)、ならびに発泡剤(複数可)を
含む、イソシアネート反応性化合物(複数可)を含有する配合ポリオール成分を形成する
ことは、しばしば便利である。次いで、この配合されたポリオール成分をポリイソシアネ
ート(および配合されたポリオール成分中に存在しない任意の他の成分)と接触させて、
フォームを製造する。
【0045】
ポリウレタンフォームを形成する前に、環式1,3-ジケトン化合物を、分子あたり少
なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも
200の当量を有するイソシアネート反応性化合物(複数可)とブレンドすること、なら
びにフォームを形成する前に、そのブレンドを約室温以上(ただし、環式1,3-ジケト
ン化合物の沸点未満かつポリオールが分解する温度未満)で少なくとも30分間維持する
ことが好ましい。
【0046】
それらを混合して反応混合物を形成する前に、様々な成分のいくつかまたは全てを加熱
してもよい。他の事例では、成分は周囲温度(例えば、15~40℃)で混合される。熱
は全ての成分が混合された後に反応混合物に加えてもよいが、これはしばしば不要である
。
【0047】
硬化反応の生成物は、軟質ポリウレタンフォームである。フォーム密度は、20~20
0kg/m3であり得る。ほとんどの座席および寝具用途について、好ましい密度は、2
4~80kg/m3である。フォームは、ASTM 3574-Hのボールリバウンド試
験で少なくとも50%の弾性を有し得る。本発明に従って製造されたフォームは、例えば
、寝具および家庭用、オフィス用、または車両用座席などのクッション用途、ならびにヘ
ッドレスト、ダッシュボードインストルメントパネル、アームレスト、またはヘッドライ
ナーなどの他の車両用途において有用である。
【0048】
本発明に従って作製されたポリウレタンフォームは、低ホルムアルデヒドおよび低アセ
トアルデヒド放出を有することを特徴とする。ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド
放出を測定するための適切な方法は次のとおりである。ポリウレタンフォーム試料を粉砕
して気泡を開放する。粉砕されたフォームを100mm×80mm×50mm試料に切断
し、それらを直ちにアルミホイルで覆い、このようにして3~14日間約25℃で保つ。
アルデヒド放出試験にはポリフッ化ビニル(PVF)ガスバッグを使用する。試験前に、
ガスバッグを95℃のオーブンで一晩加熱し、フォーム試料をガスバッグに入れる前に純
窒素で3回洗浄する。空のガスバッグを分析中にブランク試料として使用する。フォーム
試料をガスバッグに入れた後、ガスバッグを窒素ガスで充填し、次いでオーブンで2時間
65℃で加熱する。加熱後、ガスバッグからの窒素ガスをジニトロフェニルヒドラジン(
DNPH)カートリッジに捕捉する。次に、DNPHカートリッジを溶媒で洗浄し、溶離
液を液体クロマトグラフィーによってホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドなどのア
ルデヒドについて分析する。好ましくは、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド放出
はそれぞれ、この方法に従って測定されるとき、同等の試料の70%以下、より好ましく
は同等の試料の50%以下である。一実施形態では、本発明のプロセスによって作製され
たポリウレタンフォームは、100mm×80mm×50mm試験片について、それぞれ
1μg以下のホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド放出を示す。
【0049】
以下の実施例は、本発明を説明するために提供されるが、本発明の範囲を限定すること
を意図するものではない。全ての部およびパーセンテージは、特に指示がない限り重量に
よる。
【実施例0050】
実施例1~15について、配合されたA側(イソシアネートおよび他の添加剤を含む)
およびB側(ポリオールおよび他の添加剤を含むポリオールブレンド)を、本明細書で以
下に列挙される成分から作製し、量をグラム(g)で示す。
【0051】
ポリオール配合物は、ニートである(すなわち、アルデヒド捕捉剤(AS)および/ま
たは酸化防止剤(AO)を含まない)か、またはアルデヒド捕捉剤もしくはアルデヒド捕
捉剤および酸化防止剤と3分間3000rpmで混合して、捕捉剤および酸化防止剤がポ
リオールと十分に混合されることを確実にすることによって調製される。ポリオールを、
発泡実験前の0~2週間にわたって室温で保存する。発泡後、フォーム試料を直ちにアル
ミホイルで覆い、ガスバッグ法によって分析される前に室温に保つ。
【0052】
表1および2において、
「ポリオール-1」は、Dow Chemical CompanyからVORANOL
(商標)CP 6001ポリオールとして入手可能な、27.5のヒドロキシル価および
2040の当量を有する、グリセリン開始プロピレンオキシドおよび15%エチレンオキ
シドキャップされたポリオールであり、
「ポリオール-2」は、The Dow Chemical CompanyからSPE
CFLEX(商標)NC-701として入手可能な、40重量%の共重合されたスチレン
およびアクリロニトリル固体ならびに22mgKOH/gのOH価を含有する、グラフト
ポリエーテルポリオールであり、
「DEOA」は、SCR Co.,Ltd.から入手可能な、ジエタノールアミン、架
橋剤であり、
「グリセリン」は、SCR Co.,Ltd.から入手可能な、架橋剤であり、
「TEDA」は、Air ProductsからDABCO 33 LVとして入手可
能な、ジプロピレングリコール硬化触媒中の33パーセントトリエチレンジアミンであり
、
「TA/G」は、Momentive Co.,Ltd.からC225として入手可能
な第三級アミン/グリコール混合物であり、
「B 8727」は、Evonik Industries/Goldschmidt
Chemical CorporationからTEGOSTAB B8727 LF
2で入手可能な有機シリコーン界面活性剤であり、
「AO-1」は、BASF(China)Co.,LtdからIRGASTAB(商標
)PUR 68として入手可能なブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびアミンフ
リー液体熱安定剤ブレンドであり、
「AO-2」は、BASF(China)Co.,LtdからIRGANOX(商標)
1135として入手可能な、ベンゼンプロパン酸、3,5-ビス(1,1-ジメチル-エ
チル)-4-ヒドロキシ-C7-C9分岐アルキルエステルを含む、ヒンダードフェノー
ル一次酸化防止剤であり、
「AO-3」は、BASF(China)Co.,LtdからIRGANOX 107
6として入手可能な立体障害型一次フェノール酸化防止安定剤であり、
「AO-4」は、AO-1、AO-2、およびAO-3の1:1:1混合物であり、
「AS-1」は、Energy Chemical Co.,Ltd.から入手可能な
1H-インデン-1,3(2H)-ジオンであり、
「AS-2」は、J&K Co.,Ltd.から入手可能な1,3-ジメチルピリミジ
ン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンであり、
「AS-3」は、SCR Co.,Ltd.から入手可能な5-フェニルシクロヘキサ
ン-1,3-ジオンであり、
「AS-4」は、J&K Co.,Ltd.から入手可能な2,2-ジメチル-1,3
-ジオキサン-4,6-ジオンであり、
「AS-5」は、SCR Co.,Ltd.から入手可能な5,5-ジメチルシクロヘ
キサン-1,3-ジオンであり、
「AS-6」は、SCR Co.,Ltd.から入手可能なピリミジン-2,4,6(
1H,3H,5H)-トリオンであり、
「MDI」は、The Dow Chemical CompanyからPAPI(商
標)27として入手可能な30.4%のNCOおよび138のイソシアネート当量を有す
る3.2官能性ポリマーMDIであり、
「TDI」は、The Dow Chemical CompanyからVORANA
TE T-80 Type I TDIとして入手可能な、2の官能価と87のイソシア
ネート当量とを有するトルエンジイソシアネートであり、
「TM-20」は、20重量%のMDIと80重量%のTDIとの混合物である。
【0053】
実施例1~15の組成を表1および表2に示す。
【表1】
【表2】
【0054】
実施例1~15を、100gのポリオール(B側)のアリコートと28gのTM-20
(A側)とを混合することによって発泡させて、フォーム試料を調製する。発泡後、フォ
ーム試料を分析前にアルミニウムホイルで包装する。ガスバッグ分析を、フォーム試料を
調製する前の7日以内に行う。
【0055】
フォーム試料から放出されたアルデヒドを以下のガスバッグ法によって分析する。試料
調製.フォーム試料(30g、キュービクルに切断)を、分析のために10LのTedl
arガスバッグ(Delin Co.ltd,China)に入れる。ガスバッグを分析
前に純窒素で3回洗浄し、空のガスバッグを分析中にブランクとして使用する。フォーム
試料をガスバッグに入れた後、ガスバッグを約7Lの窒素ガスで充填し、次いでオーブン
で2時間65℃で加熱する。ガスバッグ内の窒素ガスを次いで、VOCおよびカルボニル
分析のためにエアポンプによって排出する。
【0056】
分析方法.アルデヒド試験について、DNPHカートリッジ(CNWBOND DNP
H-Silicaカートリッジ、350mg、Cat.No.SEEQ-144102、
Anple Co.,Ltd.)を使用して、ガスバッグから放出されたカルボニルを吸
収する。サンプリング速度は330mL/分であり、サンプリング時間は13分である。
吸収後、DNPHカートリッジを3g(正確には重量)のACNで溶離し、ACN溶液を
HPLCによって分析して試料中のカルボニルを定量化する。6つのDNPH誘導体を含
む標準溶液(TO11Aカルボニル-DNPH混合物、Cat.No.48149-U、
各個別の化合物について15ppm、Supelco Co.,Ltd)をアセトニトリ
ルによって希釈し、最終溶液(0.794重量/重量ppm)を-4℃(冷蔵庫)で機器
キャリブレーションのために2mlバイアル中で復元する。調製された0.794 pp
m(重量/重量)標準溶液を、試料中のカルボニルの定量化のために一点外部標準として
HPLCシステムに注入する。最初の2つのピークを、標準仕様に従ってホルムアルデヒ
ドおよびアセトアルデヒドとして特定する。
【0057】
応答係数を、以下の式に従って各誘導体について計算する。
【数1】
式中、
・応答係数i=誘導体iの応答係数
・ピーク面積i=標準溶液中の誘導体iのピーク面積
・0.794=0.794ppmの標準濃度
【0058】
試料溶液中のアルデヒド-DNPH誘導体の濃度を、以下の式に基づいて計算する。
【数2】
式中、
・iの濃度=試料溶液中のアルデヒド-DNPH誘導体の濃度
・ピーク面積i=試料溶液中の誘導体iのピーク面積
・応答係数i=誘導体iの応答係数
【0059】
【0060】
実施例1~16のアルデヒド低減についてのガスバッグ分析結果を表4に示す。実施例
16は、試料を含まない単なるガスバッグである。
【0061】
表4に示されるデータから分かるように、本発明の実施例は、ポリオール/フォーム製
品中のアルデヒド捕捉剤として有効である。さらに、酸化防止剤はポリオールのアルデヒ
ドへの分解を防止するのに有効であることが示される。環式1,3-ジケトン化合物は、
ポリオール/フォーム製品中のアルデヒドを減少させる酸化防止剤との相乗効果も示した
。
【表4】
芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒を含有する、反応混合物を形成するステップと、
前記反応混合物を少なくとも1つの環式1,3-ジケトン化合物の存在下で硬化してポリウレタンフォームを形成するステップと、を含む、ポリウレタンフォームを製造するための方法であって、
前記環式1,3-ジケトン化合物が、シクロヘキサン-1,3,5-トリオン、ピラゾリジン-3,5-ジオン、1,2-ジメチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1-メチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1,1-ジメチル-シクロペンタン-2,4-ジオン、1-エチル-シクロヘキサン-2,4-ジオン、1,1-ジエチル-シクロヘキサン-3,5-ジオン、6-メチル-ピラン-2,4-ジオン、6-エチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソプロピル-ピラン-2,4-ジオン、6-(n)-ブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-ペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピラン-2,4(3H,5H)-ジオン、5,6,7,8-テトラヒドロ-クロマン-2,4-ジオン、クロマン-2,4-ジオン、6-トランス-プロペニル-ジヒドロ-ピラン-2,4-ジオン、1-オキサスピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、2,2-ジプロピル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、2-フェニル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、6,10-ジオキサ-スピロ-[4,5]-デカン-7,9-ジオン、1,5-ジオキサ-スピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、1-メチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1,5-ジメチル-2,4,6-トリオキソヘキサヒドロ-ピリミジン、1-エチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-フェニル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、6-アミノピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、s-インダセン-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、3,3’-(ヘキサン-1,1-ジイル)ビス(1-メチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)、1H-インデン-1,3(2H)-ジオン、1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、5-フェニルシクロヘキサン-1,3-ジオン、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、5,5-ジメチルシクロヘキサン-1,3-ジオン、またはピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである、
ポリウレタンフォームを製造するための方法。
少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量を有する前記イソシアネート反応性材料が、分子あたり2~4つのヒドロキシル基を含有する、請求項1または請求項3に記載の方法。
前記芳香族ポリイソシアネートが、ウレタン、ウレア、ウレトンイミン、ビウレット、アロホネートおよび/またはカルボジイミド基を含有する、MDI、ポリマーMDI、またはMDIおよび/もしくはポリマーMDIの誘導体である、請求項1または請求項3に記載の方法。