(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078321
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】長期熱老化性能が向上したエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 23/16 20060101AFI20230530BHJP
C08F 210/18 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
C08L23/16
C08F210/18
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044044
(22)【出願日】2023-03-20
(62)【分割の表示】P 2020543186の分割
【原出願日】2018-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ウー、シャオソン
(72)【発明者】
【氏名】リー、コアンミン
(72)【発明者】
【氏名】ロ、ポ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、タオ
(72)【発明者】
【氏名】リピシャン、コリン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機械的特性、低温柔軟性、および弾性回復を維持しながら、連続的な高温耐性が改善された配合物を提供するEPDMゴムを提供する。
【解決手段】第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーおよび第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む第1の組成物であって、第1の組成物が第1の組成物の重量に基づいて0.1~1.0重量%のジエンを含み、第1の組成物が第1の組成物の重量に基づいて40~70重量%のエチレンを含む、第1の組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーおよび第2のエチレン/
α-オレフィンインターポリマーを含む第1の組成物であって、
前記第1の組成物が、前記第1の組成物の重量に基づいて、0.1~1.0重量%の
ジエンを含み、
前記第1の組成物が、前記第1の組成物の重量に基づいて、40~70重量%のエチ
レンを含む、第1の組成物。
【請求項2】
前記第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーが、前記第1のエチ
レン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーの重量に基づいて、250,000~5
00,000g/モルのMw、および0.01~0.80重量%のジエン含有量を有する
、請求項1に記載の第1の組成物。
【請求項3】
前記第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーおよび前記第2のエ
チレン/α-オレフィンインターポリマーが、それぞれ独立して、EPDMである、請求
項1~2のいずれか一項に記載の第1の組成物。
【請求項4】
前記第1の組成物が、前記第1の組成物の重量に基づいて、150,000~400
,000g/モルのMw、および0.01~0.50重量%のジエン含有量を有する、請
求項1~3のいずれか一項に記載の第1の組成物。
【請求項5】
前記第1の組成物が、2.10~3.20の分子量分布(Mw/Mn)を有する、請
求項1~4のいずれか一項に記載の第1の組成物。
【請求項6】
前記第1の組成物が、15%以下の結晶化度%を有する、請求項1~5のいずれか一
項に記載の第1の組成物。
【請求項7】
前記第1のインターポリマーおよび前記第2のインターポリマーが、前記第1の組成
物の総重量の95重量%以上を構成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の第1の組
成物。
【請求項8】
前記第1の組成物が、13C NMRによって決定される場合、5.0%以上の「ピ
ーク面積%(21.3~22.0ppm)」を有する、請求項1~7のいずれか一項に記
載の第1の組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物を含む、架橋組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物から形成される少なくとも1つの構成要
素を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
エチレンプロピレンエチリデンノボルネン(EPDM)ゴムは、主にボンネットの下
で自動車に使用される架橋ホースの製造において使用される炭化水素エラストマーを支配
している。EPDMゴムは、その加工容易性、耐候安定性、および耐水性についてよく知
られているが、それから形成された従来の自動車用ホースは、長期熱老化性能において依
然として限界がある。
【0002】
EPDM系配合物は、以下の参考文献:US2012/0116021、US201
5/0274867、US6566446、US6686419、US8299189、
US9234093、US9422383、US9580587、EP0758346(
A1)、EP101175(B1)、EP1433812(A1)、EP1676879
(A2)、EP2049590(A1)、CA1334694C、WO2007/136
494、WO2011/041230、2016年12月26日に出願された国際出願P
CT/CN16/112090、D.P.Sinhaら「Cure,Antidegra
dant Use Better Hose,Belt Compounds」Rubb
er News(June,2001)、K.Dominicら「Overview o
f Automotive Wire and Cable and Recent A
dvances」ACS Rubber Division Spring Techn
ical Meeting,1998,Paper No.32、John Dickに
よる「Rubber Technology:Compounding and Tes
ting for Performance」Chapter 6「Elastomer
Selection」(2009,Hanser)、Anthony G.Ferra
dino,Rubber Chemistry and Technology,Vol
.76,pp704(2003)、P.Arjunanら「Compatibilzat
ion of CR/EPM Blends for Power Transmiss
ion Belt Application」Rubber World(Februa
ry,1997)、Z.Taoら「Heat Resistant Elastomer
s」Rubber Chemistry and Technology(2005,V
78,pp489)、R.Ohmら「Optimizing the Heat Res
istance of EPDM and NBR」ACS Rubber Divis
ion Fall technical meeting,2000,Paper No
.99に記載されている。
【0003】
機械的特性、低温柔軟性、および弾性回復を維持しながら、連続的な高温耐性が改善
された配合物を提供するEPDMゴムに対する必要性がある。この必要性は、以下の発明
によって満たされている。
【発明の概要】
【0004】
第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーおよび第2のエチレン/
α-オレフィンポリマーを含む第1の組成物であって、
第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、0.1~1.0重量%のジエンを
含み、
第1の組成物は、前記第1の組成物の重量に基づいて、40~70重量%のエチレン
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
上記に考察されたように、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマ
ーおよび第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む第1の組成物が提供さ
れ、
第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、0.1~1.0重量%のジエン、
または0.2~1.0重量%のジエン、または0.3~1.0重量%を含み、
第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、40~70重量%のエチレンを含
む。
【0006】
これらの第1の組成物は、(例えば、硫黄および過酸化物硬化を使用して)容易に架
橋することができ、熱老化後の機械的特性の優れた保持を有する配合物を形成するために
使用できることが見出されている。追加の改善には、優れた低温柔軟性および弾性、高い
生強度、ならびに低い虹彩色が含まれ、自動車用ホース用途に対する満たされていない必
要性を満たす。
【0007】
第1の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。第
1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーは、本明細書に記載の2つ以上
の実施形態の組み合わせを含み得る。第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマー
は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0008】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のインターポリ
マーおよび第2のインターポリマーは、第1の組成物の総重量の95重量%以上、または
98重量%以上、または99重量%以上を構成する。
【0009】
一実施形態では、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーは、第
1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーの重量に基づいて、250,0
00~500,000g/モルのMw、および0.01~0.80重量%のジエン含有量
を有する。
【0010】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンイ
ンターポリマーの重量に基づいて、0.20~0.80重量%、または0.25~0.7
5重量%、または0.30~0.70重量%、または0.35~0.65重量%、または
0.40~0.60重量%のジエン含有量を有する。
【0011】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンイ
ンターポリマーの重量に基づいて、55~80重量%、または60~75重量%、または
65~70重量%のC2(重合エチレン)含有量を有する。
【0012】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、250,000~400,000g/モル、
または270,000~380,000g/モル、または300,000~360,00
0g/モル、または320,000~340,000g/モルの重量平均分子量(Mw)
を有する。
【0013】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、150,000~200,000g/モル、
または155,000~190,000g/モル、または160,000~180,00
0g/モル、または160,000~170,000g/モルの数平均分子量(Mn)を
有する。
【0014】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、500,000~700,000g/モル、
または550,000~680,000g/モル、または580,000~660,00
0g/モル、または600,000~640,000g/モルのz平均分子量(Mz)を
有する。
【0015】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、1.70~2.40、または1.80~2.
30、または1.90~2.20、または2.00~2.10の分子量分布(Mw/Mn
)を有する。
【0016】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、80~100、または82~98g/モル、
または84~96g/モル、または86~94g/モルのムーニー粘度(ML1+4、1
25℃)を有する。ムーニー粘度は、特に明記しない限り、油または充填剤を含まない第
1のインターポリマーの粘度である。
【0017】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、250,000Pa・s~650,000P
a・s、または300,000Pa・s~600,000Pa・s、または350,00
0Pa・s~550,000Pa・s、または400,000Pa・s~500,000
Pa・sの溶融粘度V0.1(0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0018】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、8,000Pa・s~15,000Pa・s
、または9,000Pa・s~14,000Pa・s、または10,000Pa・s~1
3,000Pa・s、または11,000Pa・s~12,000Pa・sの溶融粘度V
100(100ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0019】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、35~45、または36~42、または37
~40のレオロジー比(RRまたはV0.1/V100)を有する。
【0020】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーは、EPDMである。
【0021】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第2のエチレン/α
-オレフィンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー
であり、さらにEPDMである。
【0022】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーおよび第2のエチレン/α-オレフィンインター
ポリマーは、それぞれ独立して、EPDMである。
【0023】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第2のエチレン/α
-オレフィンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマー、さらにはエチ
レン/プロピレンコポリマー;またはエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマ
ー、さらにはEPDMから選択される。
【0024】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、第
1の組成物の重量に基づいて、150,000~400,000g/モルのMw、および
0.01~0.50重量%のジエン含有量を有する。さらなる実施形態では、第1の組成
物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または
99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0025】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、第
1の組成物の重量に基づいて、0.10~0.80重量%、または0.15~0.75重
量%、または0.20~0.70重量%、または0.25~0.65重量%のジエン含有
量を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、
95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマ
ーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0026】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、第
1の組成物の重量に基づいて、40~65重量%、または40~62重量%、または40
~60重量%のC2(重合エチレン)含有量を有する。さらなる実施形態では、第1の組
成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、また
は99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む
。
【0027】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、第
1の組成物の重量に基づいて、40~70重量%、または42~62重量%、または45
~65重量%のC2(重合エチレン)含有量を有する。さらなる実施形態では、第1の組
成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、また
は99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む
。
【0028】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、1
60,000~320,000g/モル、または180,000~300,000g/モ
ル、または200,000~280,000g/モル、または220,000~260,
000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成
物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または
99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0029】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、8
4,000~120,000g/モル、または86,000~100,000g/モル、
または88,000~98,000g/モル、または90,000~96,000g/モ
ルの数平均分子量(Mn)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組
成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上
の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0030】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、4
40,000~660,000g/モル、または460,000~640,000g/モ
ル、または480,000~620,000g/モル、または500,000~600,
000g/モルのz平均分子量(Mz)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物
は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または9
9重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0031】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、2
.10~3.20、または2.20~3.00、または2.30~2.90、または2.
40~2.80の分子量分布(Mw/Mn)を有する。さらなる実施形態では、第1の組
成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、また
は99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む
。
【0032】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、7
0~90、または72~90、または74~88、または76~88g/モル、または7
8~88g/モル、または80~86g/モルのムーニー粘度(ML1+4、125℃)
を有する。ムーニー粘度は、特に明記しない限り、油または充填剤を含まない第1の組成
物の粘度である。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づい
て、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポ
リマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0033】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、1
,500Pa・s~7,500Pa・s、または2,000Pa・s~6,000Pa・
s、または2,500Pa・s~6,500Pa・s、または3,000Pa・s~6,
000Pa・sの溶融粘度V100(100ラジアン/秒、190℃)を有する。さらな
る実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、ま
たは98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のイン
ターポリマーの合計を含む。
【0034】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、8
.0~46、または10~44、または12~42のレオロジー比(RRまたはV0.1
/V100)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に
基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のイン
ターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0035】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、0
.8~4.0、または1.0~3.8、または1.2~3.6のタンデルタ(190℃)
を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、9
5重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマー
および第2のインターポリマーの合計を含む。
【0036】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、-
15℃~55℃、または-18℃~52℃、または-20℃~50℃のTmを有する。さ
らなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上
、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2の
インターポリマーの合計を含む。
【0037】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、1
6℃~54℃、または18℃~52℃、または20℃~50℃のTmを有する。さらなる
実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、また
は98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインタ
ーポリマーの合計を含む。
【0038】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、-
45℃~-65℃、または-50℃~-60℃、または-52℃~-58℃、または-5
4℃~-56℃のTgを有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物
の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第
1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0039】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、1
5%以下、または12%以下、または10%以下、または8%以下、または5%以下の結
晶化度%を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づ
いて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインター
ポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0040】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、0
.5%~15%、または0.5%~12%、または0.5%~10%の結晶化度%を有す
る。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量
%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび
第2のインターポリマーの合計を含む。
【0041】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のジエ
ン含有量の、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーのジエン含有量
に対する比は、0.80~2.20、または0.90~2.10、または1.00~2.
00、または1.10~1.90、または1.20~1.80である。さらなる実施形態
では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重
量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマ
ーの合計を含む。
【0042】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のC2
(重合エチレン)含有量の、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー
のC2(重合エチレン)含有量に対する比は、0.50~1.10、または0.55~1
.00、または0.60~0.90である。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第
1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量
%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0043】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のムー
ニー粘度(ML1+4、125℃)の、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインタ
ーポリマーのムーニー粘度(ML1+4、125℃)に対する比は、0.75~1.05
、または0.80~1.00、または0.85~0.95である。ムーニー粘度は、特に
明記しない限り、油または充填剤を含まない第1の組成物の粘度である。ムーニー粘度は
、特に明記しない限り、油または充填剤を含まない第1のインターポリマーの粘度である
。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%
以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第
2のインターポリマーの合計を含む。
【0044】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のMw
の、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーのMwに対する比は、0
.60~0.90、または0.65~0.85、または0.70~0.80である。さら
なる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、
または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のイ
ンターポリマーの合計を含む。
【0045】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のMn
の、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーのMnに対する比は、0
.45~0.75、または0.50~0.70、または0.55~0.65である。さら
なる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、
または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のイ
ンターポリマーの合計を含む。
【0046】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のMz
の、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーのMzに対する比は、0
.82~0.96、または0.84~0.97、または0.86~0.96である。さら
なる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、
または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のイ
ンターポリマーの合計を含む。
【0047】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のMW
Dの、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーのMWDに対する比は
、1.15~1.45、または1.20~1.40、または1.25~1.35である。
さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以
上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2
のインターポリマーの合計を含む。
【0048】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物のV0
.1(0.1ラジアン/秒、190℃)の、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンイ
ンターポリマーのV0.1(0.1ラジアン/秒、190℃)に対する比は、0.05~
0.55、または0.10~0.50、または0.15~0.45である。さらなる実施
形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または9
8重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポ
リマーの合計を含む。
【0049】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、3
0~40重量%の第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー、およびさ
らにEPDMを含む。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基
づいて、95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインタ
ーポリマーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0050】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、6
0~70重量%の第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマー、およびさらにEP
DMを含む。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、
95重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマ
ーおよび第2のインターポリマーの合計を含む。
【0051】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、0
.890以下、または0.880以下、または0.875以下、または0.870以下、
または0.865以下、または0.860g/cc以下の密度を有する。さらなる実施形
態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、または98
重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび第2のインターポリ
マーの合計を含む。
【0052】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、1
3C NMR(プロピレン立体規則性マーカー)によって決定される場合、5.0%以上
、または6.0%以上、または7.0%以上、または8.0%以上、または9.0%以上
、または10%以上、または11%以上、または12%以上、または13%以上、または
14%以上、または15%以上の「ピーク面積%(21.3~22.0ppm)」を有す
る。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量
%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマーおよび
第2のインターポリマーの合計を含む。
【0053】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、1
3C NMR(プロピレン立体規則性マーカー)によって決定される場合、40%以下、
または35%以下、または30%以下の「ピーク面積%(21.3~22.0ppm)」
を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、9
5重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以上の第1のインターポリマー
および第2のインターポリマーの合計を含む。
【0054】
また、本明細書に記載の任意の1つ以上の実施形態の第1の組成物および添加剤を含
む組成物も提供される。
【0055】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、添加剤は、MgO、
ZnO、またはそれらの組み合わせ、さらにMgOまたはZnO、さらにMgOである。
本明細書に記載のさらなる実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物の添
加剤に対する重量比は、2.0~8.0、または3.0~7.0、または4.0~6.0
である。
【0056】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物は、組
成物の重量に基づいて、26重量%~42重量%、または28重量%~40重量%、また
は30重量%~38重量%、または32重量%~36重量%の量で存在する。
【0057】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、MgOは、組成物の
重量に基づいて、4.0重量%~10重量%、または5.0重量%~9.0重量%、また
は6.0重量%~8.0重量%の量で存在する。
【0058】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、添加剤はMgOであ
り、第1の組成物対MgOの重量比は、2.0~8.0、または3.0~7.0、または
4.0~6.0である。
【0059】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、組成物は硬化剤をさ
らに含み、さらに硬化剤は過酸化物である。
【0060】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、硬化剤(例えば、過
酸化物)は、組成物の重量に基づいて、2.0重量%~3.0重量%、または2.2重量
%~2.8重量%、または2.4重量%~2.6重量%の量で存在する。
【0061】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、Mgの硬化剤に対す
る重量比は、2.2~3.2、または2.4~3.0、または2.6~2.8である。
【0062】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、組成物は充填剤をさ
らに含み、さらに充填剤はカーボンブラックである。
【0063】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、充填剤は、
組成物の重量に基づいて、20重量%~36重量%、または22重量%~34重量%、
または24重量%~32重量%の量で存在する。
【0064】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1の組成物の充填
剤に対する重量比は、0.6~1.8、または0.8~1.6、または1.0~1.4で
ある。
【0065】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、組成物は、5.0M
Pa以上、または5.5MPa以上、または6.0MPa以上、または6.5MPa以上
、または7.0MPa以上、または7.5MPa以上の平均破断点引張応力を有する。
【0066】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、組成物は、300%
以上、または320%以上、または340%以上、または360%以上、または380%
以上、または400%以上の破断点伸びを有する。
【0067】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、組成物は、150℃
で、空気中で1008時間(6週間)後、元の引張強度の50%以上、または55%以上
、または60%以上を保持し、元の破断点伸びの35%以上、または40%以上、または
45%以上を保持する。
【0068】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、組成物は、150℃
で、空気中で1008時間(6週間)後、元の引張強度の50%~65%を保持し、元の
破断点伸びの35%~50%を保持する。
【0069】
また、本明細書に記載の任意の1つ以上の実施形態の第1の組成物を含む架橋組成物
も提供される。
【0070】
また、本明細書に記載の任意の1つ以上の実施形態の組成物を含む架橋組成物も提供
される。
【0071】
組成物は、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る
。
【0072】
また、本明細書に記載の任意の1つ以上の実施形態の組成物から形成される少なくと
も1つの構成要素を含む物品も提供される。
【0073】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、物品は、以下のもの
:射出成形部品、発泡体、自動車部品(すなわち、ホースおよびベルト、タイヤ)、建築
および建設材料、建築および建設材料、および靴構成部品からなる群から選択される。本
明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、物品は、以下のもの:ホー
ス、ベルト、およびガスケットからなる群から選択される。
【0074】
物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0075】
本発明はまた、本明細書に記載の1つ以上の実施形態(複数可)の組成物を調製する
ためのプロセスも提供する。一実施形態では、このプロセスは、溶液中で、少なくとも以
下のもの:エチレン、アルファ-オレフィン(α-オレフィン)、およびジエンを重合す
ることを含む。さらなる実施形態では、エチレン、α-オレフィン、およびジエンは、連
続溶液重合プロセスにおいて、2つの反応器中で重合される。
【0076】
いくつかの実施形態が以下に列挙される。
a)考察されたように、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー
および第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを含む第1の組成物であって、
第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、0.1~1.0重量%のジエンを
含み、
第1の組成物は、前記第1の組成物の重量に基づいて、40~70重量%のエチレン
を含む。
b)第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーが、第1のエチレン
/α-オレフィン/ジエンインターポリマーの重量に基づいて、250,000~500
,000g/モルのMw、および0.01~0.80重量%のジエン含有量を有する、上
記a)に記載の第1の組成物。
c)第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーがEPDMである、
上記a)またはb)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
d)第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーおよび第2のエチレ
ン/α-オレフィンインターポリマーがそれぞれ独立してEPDMである、上記a)~c
)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
e)第1の組成物が、第1の組成物の重量に基づいて、150,000~400,0
00g/モルのMw、および0.01~0.50重量%のジエン含有量を有する、上記a
)~d)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
f)第1の組成物が、第1の組成物の重量に基づいて、0.10~0.80重量%、
または0.15~0.75重量%、または0.20~0.70重量%、または0.25~
0.65重量%のジエン含有量を有する、上記a)~e)のいずれか1つに記載の第1の
組成物
g)第1の組成物が、第1の組成物の重量に基づいて、40~70重量%、または4
2~62重量%、または45~65重量%のC2(重合エチレン)含有量を有する、上記
a)~f)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
h)第1の組成物が、2.10~3.20、または2.20~3.00、または2.
30~2.90、または2.40~2.80の分子量分布(Mw/Mn)を有する、上記
のa)~g)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
i)第1の組成物が、72~90、または74~88、または76~86g/モル、
または78~88g/モル、または80~86g/モルのムーニー粘度(ML1+4、1
25℃)を有する、上記a)~h)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
j)第1の組成物が、15%以下、または10%以下、または5%以下の結晶化度%
を有する、上記a)~i)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
k)第1の組成物のムーニー粘度(ML1+4、125℃)の、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーのムーニー粘度(ML1+4、125℃)に対す
る比が、0.75~1.05、または0.80~1.00、または0.85~0.95で
ある、上記a)~j)のいずれか1つに記載の第1の組成物。
l)第1のインターポリマーおよび第2のインターポリマーが、第1の組成物の総重
量の95重量%以上、または98重量%以上、99重量%以上を構成する、上記a)~k
)のいずれかに記載の第1の組成物。
m)第1の組成物が、13C NMR(プロピレン立体規則性マーカー)によって決
定される場合、5.0以上、または6.0以上、または7.0以上、または8.0以上、
または9.0以上、または10以上、または11以上、または12以上、または13以上
、または14以上、または15以上の「ピーク面積%(21.3~22.0ppm)」を
有する、上記a)~l)のいずれかに記載の第1の組成物。
n)上記a)~m)のいずれか1つに記載の第1の組成物および添加剤を含む組成物
。
o)添加剤がZnOのMgO、さらにはMgOである、上記n)に記載の組成物。
p)第1の組成物が、組成物の重量に基づいて、26重量%~42重量%、または2
8重量%~40重量%、または30重量%~38重量%、または32重量%~36重量%
の量で存在する、上記n)またはo)に記載の組成物。
q)第1の組成物の添加剤(例えば、MgO)に対する重量比が、2.0~8.0、
または3.0~7.0、または4.0~6.0である、上記a)~p)のいずれか1つに
記載の組成物。
r)組成物が、150℃で、空気中で1008時間(6週間)後、元の引張強度の5
0%以上、または55%以上、または60%以上を保持し、元の破断点伸びの35%以上
、または40%以上、または45%以上を保持する、上記a)~q)のいずれか1つに記
載の組成物。
s)組成物が、150℃で、空気中で1008時間(6週間)後、元の引張強度の5
0%~65%を保持し、元の破断点伸びの35%~50%を保持する、上記a)~r)の
いずれか1つに記載の組成物。
t)組成物が、ポリマーの重量に基づいて、大部分の量の重合プロピレンを含む、0
.50重量%以下、または0.10重量%以下、または0.05重量%以下、または0.
01重量%以下のプロピレン系ポリマーを含む、上記a)~r)のいずれか1つに記載の
組成物。さらなる実施形態では、組成物はプロピレン系ポリマーを含まない。
u)上記a)~t)のいずれか1つに記載の組成物を含む架橋組成物。
v)上記a)~u)のいずれか1つに記載の組成物から形成される少なくとも1つの
構成要素を含む物品。
【0077】
エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー
第1の組成物は、第1のエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーを含む
。好ましい実施形態では、第2のエチレン/α-オレフィンインターポリマーは、独立し
て、エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーである。
【0078】
各エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーは、独立して、重合形態で、
エチレン、α-オレフィン、およびジエンを含む。α-オレフィンは、脂肪族化合物また
は芳香族化合物のいずれかであってもよい。一実施形態では、α-オレフィンは、C3~
C20脂肪族化合物、好ましくは、C3~C16脂肪族化合物、およびより好ましくは、
C3~C10脂肪族化合物である。好適なC3~C10脂肪族α-オレフィンは、プロピ
レン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群から選択され、より好
ましくは、プロピレンである。
【0079】
ジエンの好適な例としては、C4-C40非共役ジエンが挙げられる。例示的な非共
役ジエンには、1,4-ヘキサジエンおよび1,5-ヘプタジエンなどの直鎖非環式ジエ
ン;5-メチル-1,4-ヘキサジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチ
ル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、3,7-ジメチル-1
,6-オクタジエン、3,7-ジメチル-1,7-オクタジエン、5,7-ジメチル-1
,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、およびジヒドロミルセンの混合異性体などの
分岐鎖非環式ジエン;1,4-シクロヘキサジエン、1,5-シクロオクタジエン、およ
び1,5-シクロドデカジエンなどの単環脂環式ジエン;テトラ-ヒドロインデン、メチ
ルテトラヒドロインデンなどの多環脂環式縮合および架橋環ジエン;5-メチレン-2-
ノルボルネン(MNB)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニル-
2-ノルボルネン、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノ
ルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、および5-シクロヘキ
シリデン-2-ノルボルネンなどのアルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル、およ
びシクロアルキリデンノルボルネンが含まれる。一実施形態では、ジエンは、ENB、ジ
シクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンからな
る群から選択される非共役ジエンである。実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0080】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、各エチレン/α-オ
レフィン/ジエンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィン/ジエンターポリマー
(EAODM)である。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/プロピ
レン/ジエンターポリマー(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態では、ジ
エンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0081】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ジエンは、5-ビニ
ル-2-ノルボルネン(VNB)、1,5-ヘキサジエン(HD)、ジシクロペンタジエ
ン(DCPD)、または5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)から選択される。
【0082】
エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンインターポリマーは、本明細書に記載の2
つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。EPDMターポリマーは、本明細書に記載さ
れるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0083】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、第1のエチレン/α
-オレフィン/ジエンインターポリマーおよび第2のエチレン/α-オレフィン/ジエン
インターポリマーの合計重量は、第1の組成物の重量に基づいて、95重量%以上、また
は96重量%以上、または97重量%以上、または98重量%以上、または99重量%以
上である。
【0084】
一実施形態では、第1の組成物は、0.890以下、または0.880以下、または
0.875以下、または0.870以下、または0.865以下、または0.860g/
cc以下の密度を有する。一実施形態では、第1の組成物は、0.850g/cc以上ま
たは0.855g/cc以上の密度を有する(1cc=1cm3)。
一実施形態では、第1の組成物は、20/80~40/60、または25/75~40
/60、または30/70~40/60である第1のインターポリマーの第2のインター
ポリマーに対する重量比を有する。
【0085】
第1の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0086】
添加剤および用途
組成物は、とりわけ、油、架橋(または加硫)剤、充填剤、抗酸化剤、難燃剤、発泡
剤、着色剤または顔料、および熱可塑性ポリマーなどの1つ以上の添加剤を含み得る。
【0087】
一実施形態では、油は、非芳香族油、パラフィン油、ナフテン油、およびこれらの組
み合わせからなる群から選択される。好適な油には、SUNPAR 2280、PARA
LUX 6001、HYDROBRITE 550、およびCALSOL 5550が含
まれるが、これらに限定されない。油は、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形
態の組み合わせを含み得る。
【0088】
例示的な架橋剤/加硫剤には、とりわけ、元素硫黄、4,4’-ジチオジモルホリン
、チウラムジ-およびポリスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、および2-モ
ルホリノ-ジチオベンゾチアゾールなどの硫黄含有化合物;過酸化ジ-tertブチル、
過酸化tertブチルクミル、過酸化ジクミル、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(te
rtブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ-(tertブチル-ペルオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、tertブチルペルオキシベンゾエート、および1,1-ジ-(tertブチル
ペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどの過酸化物;アゾ化合物;ビ
ニルトリ-エトキシシランまたはビニルトリ-メトキシシランなどのシラン;p-キノン
-ジオキシムおよびp,p’-ジベンゾイルキノン-ジオキシムなどのジニトロソ化合物
;ヒドロキシメチル官能基またはハロメチル官能基を含有するフェノール-ホルムアルデ
ヒド樹脂;ならびに他のタイプのラジカル発生剤(例えば、N-O破断タイプおよびC-
C破断タイプ)などが含まれるが、これらに限定されない。本発明における使用のための
これらの架橋剤/加硫剤のいずれかの適合性は、調合技術分野の当業者には周知である。
一実施形態では、架橋剤/加硫剤は、硫黄含有化合物を含む。
【0089】
追加の添加剤には、充填剤、難燃剤、着色剤または顔料、熱可塑性ポリマー、および
それらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。このような添加剤は、それら
の所望の効果を達成するために所望の量で使用することができる。好適な充填剤には、粘
土、タルク、またはカーボンブラックが含まれるが、これらに限定されない。
【0090】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、本発明の組成物は、
少なくとも1つの抗酸化剤をさらに含む。例示的な抗酸化剤には、ペルオキシおよびアル
コキシラジカルトラップ(アミンおよびヒンダードフェノール)、ヒドロペルオキシド分
解剤、および相乗剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0091】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、本発明の組成物は、
熱可塑性ポリマーをさらに含む。例示的なポリマーとしては、プロピレン系ポリマー、エ
チレン系ポリマー、およびオレフィンマルチブロックインターポリマーが挙げられるが、
これらに限定されない。好適なエチレン系ポリマーには、高密度ポリエチレン(HDPE
)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、
超低密度ポリエチレン(ULDPE)、均一に分岐した直鎖状エチレンポリマー、および
均質に分岐した実質的直鎖状エチレレンポリマー(すなわち、均質に分岐した長鎖分岐状
エチレンポリマーである)が含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
本発明の組成物は、様々な物品、またはそれらの構成部品または部分を調製するため
に使用され得る。本発明の組成物は、いくつかの従来の方法および装置のうちのいずれか
1つによって完成製品に変換することができる。例示的なプロセスには、押出、カレンダ
ー加工、圧縮成形、および他の典型的な熱硬化性材料形成プロセスが含まれるが、これら
に限定されない。物品には、シート、発泡体、成形品、押出部品が含まれるが、これらに
限定されない。追加の物品には、自動車部品、ウェザーストリップ、ベルト、ホース、建
築プロファイル、電線およびケーブル外被、床材、ガスケット、タイヤおよびタイヤ構成
部品、コンピュータ部品、建築材料、および履物構成部品が含まれる。当業者は、過度の
実験を行うことなく、このリストを容易に増補することができる。本発明の組成物は、自
動車冷却ホース用のホースとしての使用に特に好適である。例えば、本発明の組成物は、
エンジン冷却ホースに使用することができる。
【0093】
定義
矛盾する記載がない限り、文脈から暗示的でない限り、または当該技術分野において
慣習的でない限り、すべての部およびパーセントは重量に基づき、すべての試験方法は本
開示の出願日現在のものである。
【0094】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語および同様の用語は、組成物を含
む2つ以上の材料の混合物またはブレンド、ならびに組成物の材料から形成される反応生
成物および分解生成物を意味する。
【0095】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」
という移行句、およびそれらの派生語は、同じものが具体的に開示されているかどうかに
関わらず、任意の追加の構成要素、ステップ、または手順の存在を除外することを意図し
ない。疑義が生じないようにするために、「含む」という用語の使用を通じて主張される
すべての組成物は、相反する記載がない限り、ポリマーであるか、またはそうでないかに
関わらず、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含むことができる。対照
的に、「から本質的になる」という用語は、実施可能性に不可欠でないものを除き、任意
の次に続く詳説の範囲から、任意の他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「
からなる」という用語は、具体的に規定または列挙されていない任意の構成要素、ステッ
プ、または手順を除外する。
【0096】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同じタイプかまたは異なる
タイプのモノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって
、一般的な用語のポリマーは、用語のホモポリマー(微量の不純物がポリマー構造に取り
込まれ得るという理解の下に、唯一のモノマータイプから調製されるポリマーを指すため
に用いられる)、および本明細書において以下に定義されるような用語のインターポリマ
ーを包含する。触媒残渣などの微量の不純物をポリマー中および/またはポリマー内に取
り込むことができる。
【0097】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの
異なるタイプのモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、インタ
ーポリマーという総称は、コポリマー(2つの異なるタイプのモノマーから調製されるポ
リマーを指すために用いられる)、および3つ以上の異なるタイプのモノマーから調製さ
れるポリマー(例えば、ターポリマー(3つの異なるモノマータイプ)およびテトラポリ
マー(4つの異なるモノマータイプ))を含む。
【0098】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語および同様の用語は
、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)50重量%または大部分の重量パーセント
のエチレンモノマーを含み、任意に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0099】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー
」などの用語は、重合形態で、エチレン、α-オレフィン、およびジエンを含むポリマー
を指す。一実施形態では、「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー」は、
(インターポリマーの重量に基づいて)大部分の重量パーセントのエチレンを含む。
【0100】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」および
同様の用語は、重合形態で、エチレンおよびα-オレフィン、ならびに任意に別のコモノ
マーを含むポリマーを指す。好ましい実施形態では、「エチレン/α-オレフィンインタ
ーポリマー」は、エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーである。
【0101】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンコポリマー」および同様の
用語は、重合形態で、コポリマーの重量に基づいて、50重量%または大部分のエチレン
と、唯一のモノマータイプとしてα-オレフィンとを含む、コポリマーを指す。
【0102】
試験方法
ゲル浸透クロマトグラフィー
クロマトグラフィーシステムは、Polymer Laboratories Mo
del PL-210またはPolymer Laboratories Model
PL-220のいずれかで構成された。カラムおよびカルーセル区画は140℃で操作し
た。カラムは、3つのPolymer Laboratories、10ミクロンMix
ed-Bカラムであった。溶媒は1,2,4トリクロロベンゼンであった。試料を「50
ミリリットルの溶媒に0.1グラムのポリマー」の濃度で調製した。試料を調製するため
に使用した溶媒は、「200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)」を含有し
た。試料は、160℃で2時間、軽く攪拌することによって調製された。注入量は100
マイクロリットルであり、流速は、1.0ミリリットル/分であった。
【0103】
GPCカラムセットの較正は、個々の分子量間に少なくとも一桁の間隔を有する、6
つの「カクテル」混合物中に配置された、580~8,400,000g/モルの範囲の
分子量を有する21個の「狭い分子量分布ポリスチレン標準品」を用いて行った。標準品
は、Polymer Laboratories(Shropshire,UK)から購
入した。ポリスチレン標準品は、分子量が1,000kg/mol以上の場合は「50ミ
リリットルの溶媒に0.025グラム」、分子量が1,000kg/mol未満の場合は
「50ミリリットルの溶媒に0.05グラム」で調製した。ポリスチレン標準品を、穏や
かに攪拌しながら、摂氏80度で30分間溶解した。分解を最小限に抑えるために、狭い
標準混合物を最初に、「最高分子量」成分を減少させる順序で行った。ポリスチレン標準
品ピーク分子量を、以下の式を用いてポリエチレン分子量に変換した。Mポリエチレン=
A×(Mポリスチレン)B、式中、Mは、分子量であり、Aは、0.431の値を有し、
Bは、1.0に等しい(Williams and Ward,J.Polym.Sc.
,Polym.Let.,6,621(1968)に記載されているように)。ポリエチ
レン等価分子量計算は、Viscotek TriSECソフトウェアバージョン3.0
を使用して行った。
【0104】
EPDM組成分析のための13C NMR方法
試料を、10mmのNMRチューブの「0.2g試料」に、クロムアセチルアセトネ
ート(緩和剤)中の「0.025M」である約「2.6g」の「テトラクロロエタン-d
2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」を加えることによって調製した。チュ
ーブとその内容物を150℃に加熱することにより、試料を溶解し、均質化した。データ
は、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えたBruker 4
00MHz分光計を使用して回収した。データは、「データファイルごとに160回のス
キャン」、試料温度120℃で6秒のパルス繰り返し遅延を使用して取得した。取得は、
25,000Hzのスペクトル幅および32Kデータポイントのファイルサイズを使用し
て実行した。実施例の各組成のNMRスペクトル分析は、以下の分析方法を使用して実施
した。
【0105】
動的機械分光法(DMS)
小角振動せん断(溶融DMS)を、窒素パージ下で、「25mm平行板」を備えたT
A Instruments ARESを使用して行った。試料の充填から試験の開始ま
での時間は、すべての試料で5分に設定した。実験は、0.1~100ラジアン/秒の周
波数範囲にわたって、190℃で行った。1~3%の試料の応答に基づいて、歪み振幅を
調整した。応力応答を振幅と位相の観点から分析し、そこから貯蔵弾性率(G’)、損失
弾性率(G”)、動的粘度η*、およびtanデルタを計算した。動的機械分光法用の試
料は、「直径25mm×厚さ3.3mm」の圧縮成形ディスクで、180℃、10MPa
の成形圧力で5分間形成し、その後、冷却プラテン(15~20℃)間で2分間急冷した
。レオロジー比(190℃でV0.1/V100;「RR」とも呼ぶ)を記録した。直鎖
状分子(検出可能な長鎖分岐はない)は、典型的には8以下のRRを有する。
【0106】
示差走査熱量測定(DSC)
エチレン系(PE)試料(EPDMを含む)およびプロピレン系(PP)試料の結晶
化度を測定するのに示差走査熱量測定(DSC)を使用する。試料(0.5g)を190
℃、5000psiで2分間圧縮成形してフィルムにした。約5~8mgのフィルム試料
を秤量し、DSC皿の中に入れる。蓋を皿に圧着し、密閉雰囲気を確保する。試料皿をD
SCセルの中に入れ、次いで、約10℃/分の速度で、PEの場合180℃(PPの場合
230℃)の温度まで加熱する。試料をこの温度で3分間保持する。次いで、試料を10
℃/分の速度で、PEの場合-90℃(PPの場合-90℃)に冷却し、その温度で3分
間等温に保持する。次に、試料を、完全に溶融するまで10℃/分の速度で加熱する(第
2の加熱)。結晶化度パーセントは、第2の熱曲線から決定される融解熱(Hf)を、P
Eの場合292J/g(PPの場合165J/g)の理論融解熱で除算し、この量に10
0を乗算することによって計算する(例えば、結晶化度%=(Hf/292J/g)×1
00(PEの場合))。特に明記しない限り、各ポリマーの融点(Tm)は第2の熱曲線
から決定され、結晶化温度(Tc)は第1の冷却曲線から決定される。
【0107】
ムーニー粘度
ムーニー粘度(125℃でML1+4)を、ASTM 1646に従って、1分間の
予熱時間および4分間のロータ動作時間で測定した。機器は、Alpha Techno
logies Mooney Viscometer 2000である。各配合組成物の
粘度は、未硬化組成物の粘度を調べることができるように、未硬化ブランケットを使用し
て測定した(実験の項を参照)。試料を、試験前に室温で24時間調整した。
【0108】
ムーニースコーチ
各組成物のスコーチ特性を、ASTM D-1646に従って、Alpha Tec
hnologies Mooney Viscometer 2000を使用して測定し
た。ムーニー粘度計は125℃に設定した。ムーニースコーチの値は小型ロータについて
報告されており、「xムーニーユニット」が最小粘度を超えて上昇する時間を表す(例え
ば、t5は粘度における「5ムーニーユニット」の増加)。総試験時間は30分で、予熱
時間は1分であった。組成物の粘度は、スコーチ特性を調べることができるように、未硬
化ブランケットから測定して、粘度計で硬化した。試料を、試験前に室温で24時間調整
した。
【0109】
MDR分析
各配合物のMDR硬化特性を、ASTM D-3182に従って、Alpha Te
chnologies Rheometer MDR 2000を使用して測定した。M
DR試験を、160℃で30分間にわたって実施した。各配合組成物のレオロジーは、未
硬化ブランケットの試料から測定し、その後、MDR分析中に硬化した。試料を、試験前
に室温で24時間調整した。ムーニーロー、ムーニーハイ、タンデルタロー、タンデルタ
ハイ、硬化状態の特定の割合に達するまでの時間(例えば、t95は、95%の硬化状態
に達するまでの時間(分)に相当する)などの粘弾性特性は、硬化サイクル中に測定した
。
【0110】
EPDM組成分析のためのFTIR方法
エチレン、プロピレン、および5-エチリデン-2-ノルボルネンを含有するターポ
リマーを、そのエチレン含有量についてはASTM D3900を使用し、そのエチリデ
ン-ノルボルネンまたはジシクロペンタジエン含有量についてはASTM D6047を
使用して分析した。
【0111】
EPDM組成分析および立体規則性(%mm)のための13C NMR方法
クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中「0.025M」である「テトラクロロエ
タン-d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」約「2.6g」を、10mm
のNMR管内の「試料0.2g」に添加することによって、試料を調製した。チューブと
その内容物を150℃に加熱することにより、試料を溶解し、均質化した。データは、B
ruker Dual DUL高温CryoProbeを備えたBruker 400M
Hz分光計を使用して回収した。データは、「データファイルごとに160回のスキャン
」、120℃の試料温度で6秒のパルス繰り返し遅延を使用して取得した。取得は、25
,000Hzのスペクトル幅および32Kデータポイントのファイルサイズを使用して実
行した。
【0112】
実施例の各組成のNMRスペクトル分析は、以下の分析方法を使用して実施した。ま
た、EPDM中に存在するモノマーの定量は、以下の式(1~9)を使用して計算するこ
ともできる。エチレンのモルを計算することにより、55.0~5.0ppmのスペクト
ル範囲を1000積分単位に正規化する。正規化された積分面積の下での寄与は、ENB
炭素のうちの7つのみを占める。二重結合が高温で反応し得る懸念があるため、111お
よび147ppmでのENBジエンピークは計算から除外する。
【数1】
式2 モルENB=CH3(13.6-14.7ppm)
式3 モルP=CH3(19.5-22.0ppm)
【数2】
【0113】
プロピレン立体規則性%mm面積13C NMR
EPDM試料の13C NMRスペクトル分析を使用して、立体規則性レベル%mm
を定量化した。NMRを、上記のように「テトラクロロエタン-d2/オルトジクロロベ
ンゼンの50/50混合物」において行った。本発明のEPDMのNMRスペクトル分析
(上記を参照)は、「21.3ppm~22.0ppmのピーク面積%[rmmr、mm
mr、mmmm]」を示し、典型的には、19.5ppm~22.0ppmの総積分面積
の3.5%を超える。この領域におけるピーク応答は、典型的には、EPDMに組み込ま
れているプロピレン立体規則性(%mm)の差違に関連している。同様の分析は、別のタ
イプのエチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマーについても行うことができる
。スペクトルデータは、30ppmでのEEE骨格(重合エチレンの3つ以上の繰り返し
単位)を参照した。
【0114】
動的機械分光法(DMS)
小角振動せん断(溶融DMS)を、窒素パージ下で、「25mm平行板」を備えたT
A Instruments ARESを使用して行った。試料の装填から試験の開始ま
での時間は、すべての試料について5分に設定した。実験は、0.1~100ラジアン/
秒の周波数範囲にわたって、190℃で行った。歪み振幅は、試料の応答に基づいて、1
~3%に調整した。応力応答を、振幅および位相の観点から分析し、その分析から、貯蔵
弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、動的粘度η*、およびタンデルタを計算した。
動的機械分光法のための試料は、「直径25mm×厚さ3.3mm」の圧縮成形ディスク
であり、180℃および10MPaの成形圧力で5分間で形成され、その後、冷却プラテ
ン(15~20℃)間で2分間急冷された。100ラジアン/秒での粘度に対する0.1
ラジアン/秒での粘度(190℃でV0.1/V100、「RR」とも称される)のレオ
ロジー比を記録した。直鎖状分子(検出可能な長鎖分岐はない)は、典型的には8以下の
RRを有する。ポリマー中の油の存在は、観察されるRRを減少させる可能性があること
が認められているため、ポリマー含有油(RROE_ポリマー)のRR値からポリマー(
RRポリマー)のRRを推定するために以下の式を用いた。
RRポリマー=RROE_ポリマー/(重量%油*(-0.01988)+1.03
21)
【0115】
圧縮永久歪み
圧縮永久歪みを、ASTM D395に従って、23℃および100℃で測定した。
直径が「29mm(±0.5mm)」、厚さが「12.7(±0.5mm)」のディスク
を、圧縮成形の項に記載されているように調製された、圧縮成形プラークから打ち抜いた
(実験の項を参照)。各ボタン試料は、ノッチ、不均一な厚さおよび不均一性について検
査され、選定したボタン(これらの欠陥なし)を試験した。指定された温度で、各試料に
ついて2つの試験片において圧縮永久歪みを行い、2つの試験片の平均結果を報告した。
ボタン試料を、一緒に押圧することができる2つの金属板を有する圧縮装置の中に入れ、
ボタン試料の元の高さの75%の所定位置に固定した。次いで、圧縮した試料を含む圧縮
装置をオーブンの中に入れ、適切な温度で指定された時間(23℃または100℃で22
時間)平衡化した。この試験では、応力を試験温度で解放し、試料の厚さを室温で30分
間の平衡期間後に測定した。圧縮永久歪みは、圧縮後の試料の回復度の測定値であり、式
CS=(H0-H2)/(H0-H1)(式中、H0は、試料の元の厚さ、H1は使用す
るスペーサバーの厚さ、H2は圧縮力を除去した後の試料の最終厚さである)に従って計
算する。
【0116】
引張応力-歪み特性
引張特性を、ASTM D-1708に記載されている寸法を有する小さなドッグボ
ーン形状のマイクロ引張ダイを使用してダイカットした試験片を使用して測定した。ダイ
カット試験片は、圧縮成形の項に記載されているように調製された圧縮成形プラークから
切り取った(実験の項を参照)。引張特性(引張強度および伸び)を、ASTM D-4
12法に従って、INSTRU-METによって作製されたINSTRON MODEL
1122の機械方向において、室温で測定した。
【0117】
実験
第1の組成物の代表的な合成-連続重合
重合反応は、定常状態条件、すなわち溶媒、モノマー、および触媒の一定の反応物濃
度および連続的な投入、ならびに未反応モノマー、溶媒、およびポリマーの一定の回収の
もと行った。反応器系を冷却し、加圧して蒸気相の形成を防止した。モノマー:エチレン
(CAS 74-85-1)、プロピレン(CAS 115-07-1)、5-エチリデ
ン-2-ノルボルネン、ENB(CAS 16219-75-3)。
【0118】
ポリマー組成物を、連続攪拌タンク反応器、続いてループ反応器を使用する溶液重合
プロセスで製造した。エチレンをISOPAR E(ExxonMobilから入手可能
)の溶媒の混合物に導入し、プロピレンを導入し、5-エチリデン-2-ノルボルネン(
ENB)を導入し、それぞれ反応器原料流を形成した。触媒を別々に各反応器に供給し、
共触媒1および助触媒2を使用してその場で活性化した。その結果、各反応器の出口は、
ポリマー、溶媒、および低下したレベルの初期モノマーの混合物であった。第1の反応器
の出口は、第2の反応器に直接供給された(試料として抽出されない限り)。ポリマーの
分子量を、各反応器の温度、モノマー転化率、および/または水素などの連鎖停止剤の添
加を調整することによって制御した。
【0119】
重合後、少量の水を触媒失活剤として反応器出口流に導入し、反応器出口流を、固形
分濃度が少なくとも100%増加したフラッシュ容器に導入した。次いで、未反応モノマ
ーの一部分、すなわち、ENB、エチレン、およびプロピレン、ならびに未使用の希釈剤
を回収し、必要に応じて反応器供給量に再循環させた。重合反応器のさらなる説明につい
ては、米国特許第5,977,251号および同第6,545,088号も参照されたい
。モノマー供給速度および重合温度ならびに他の条件を、以下の表1および表2に列挙す
る。第1の組成物の特性を表3に示す。
【表1】
【表2】
【0120】
表3に見られるように、EPDM 01およびEPDM 02は、NORDEL 4
570およびNORDEL 4770と比較して、より低いENBを有する。本発明の各
EPDM組成物はまた、それがEPDMにおける%mm(メソダイアド)立体規則性に関
連する場合、有意な「21.3~22.0ppmのNMRピーク面積%」によって示され
るように、予想外に大量のプロピレン立体規則性を有するEPDMも含有する。
【表3】
【0121】
配合物(本発明の組成物および比較組成物)
本発明の実施例および比較例の原材料および試験配合物を、それぞれ表4および表5
に列挙する。
【表4】
【表5】
【0122】
調合および混合
各配合物(組成物)を、ASTM D 3182に従って、ゴム内部混合器、すなわ
ち、Banburyラボ混合器BR 1600(バッチ混合器)で混合した。混合器は、
一対の2翼ロータを備えていた。バッチ重量を、混合器ボウル内の75vol%のフィル
ファクターに合わせて調整した。ロータ速度を、混合サイクル中(合計混合時間約5分)
、50rpmで一定に保った。熱電対を使用して、混合物の溶融温度を測定した。標準的
な「逆さま」混合手順を使用して、(カーボンブラック、CaCO3、MAGLITE
D、VANOX CDPA、およびVANOX MTI)を最初に加え、続いて油(SU
NPAR 2280)を混合ボウルに入れて、第1の組成物(EPDMまたはEPDMブ
レンド)を最後に加えた。混合物の温度が85℃に達すると、過酸化物硬化剤システム(
VULCUP 40KE、SARET SR 517 HP)を次いで混合物に加えた。
一度溶融温度が105℃に達すると、最終調合混合物を受け皿の中に落とした。混合物を
、信頼性の高い6インチの2ロール式ミルに移した。混合は、周囲条件で2ロール式ミル
において、化合物バッチを2ロール式ミルによって5回シガーローリングすることによっ
て完了し、化合物シートを形成した。各化合物シート(未硬化)は、約0.09インチの
厚さを有した。
【0123】
配合物の特性(レオロジーおよび機械的)
ムーニー粘度
各配合組成物のムーニー粘度は、未硬化組成物の粘度を調べることができるように、
未硬化化合物シートから取った試料を使用して測定した。ムーニー粘度(100℃でML
1+4)を、ASTM 1646に従って、1分間の予熱時間および4分間のロータ動作
時間で測定した。機器は、Alpha Technologies Mooney Vi
scometer 2000である。
【0124】
MDR分析
各配合物(組成物)の180℃での硬化速度プロファイルを、ASTM D5289
に従って、Alpha Technology Moving Die Rheomet
er(MDR)を使用して測定した。MDR試験を、180℃で30分間にわたって実施
した。各配合組成物についてのレオロジーまたはトルク曲線を、時間の関数として、18
0℃の温度で未硬化シートの試料から測定し、(180℃での)時間の関数としての硬化
プロファイルを調べた。最小S’トルク(ML)、最大S’トルク(MH、または100
%硬化)、および硬化状態の特定の割合に達するまでの時間(例えば、t95は、95%
の硬化状態に達するまでの時間(分)に対応する)などの粘弾性特性を、硬化サイクル中
に測定した。表6を参照されたい。
【表6】
【0125】
圧縮成形プラーク(6インチ×6インチ×0.077インチ)
各配合物の機械的特性を、圧縮成形機で硬化させた加硫シートから測定した(引張、
およびショアA硬度について)。未硬化化合物シートからの試料を、シートの厚さに応じ
て、それぞれ6×6インチよりわずかに小さく切り取った。スラブ重量は、化合物の比重
によって異なるであろう。ミル方向に印を付け、試料にラベルを付けた。金型に、Cam
ie-Campbell製のCamie 999ドライシリコーンスプレーを用いてスプ
レーブラシをかけた。金型(6インチ×6インチ×0.077インチ)をプラテン上に置
いた。試料を、180℃の温度に予熱した金型の中に注意深く入れた。プラテンを閉じた
。試料を加硫するために、試料を、プラークの「t95データ+3分」を使用して、18
0℃で3.5MPa(500psi)の最小圧縮圧力下に置いた。硬化時間が終了すると
(t95データ+3分)、下部プラテンが自動的に開いた。金型内の試料を取り出し、直
ちに水(室温)の中に入れて硬化を停止した。硬化した各試料を金型から取り出し、試験
前に、空気中で、室温で少なくとも18時間調整した。
【0126】
加硫物の物理的特性(元の試料および老化した試料)
硬化後、硬化した試験片/加硫物を、試験前に周囲条件で少なくとも18時間調整し
た。特性を、以下の表4、5A、5B、および5Cに列挙する。
引張応力-歪み特性
【0127】
元の引張特性を、ASTM D-412に記載されている寸法を有する「ダンベル」
形状の引張ダイを使用して、上記のように硬化したプレイグからダイカットした試験片を
使用して測定した。3つのダイカット試験片は、1つのプラークから切り取った。
【0128】
熱老化引張特性測定では、初めに、試験片を、ASTM D-412に記載されてい
る寸法を有する「ダンベル」形状の引張ダイを使用して、上記のように硬化したプレイグ
からダイカットした。次いで、これらの製造された試験片を、150℃の通気オーブンで
、所望のエージング時間でエージングした。次いで、熱劣化引張特性を、これらの熱老化
試験片を使用して測定した。引張特性(引張強度および伸び)を、ASTM D-412
およびASTM D-573法に従って、室温で測定した。
ショアA硬度特性
【0129】
ショアA硬度特性を、それぞれがASTM D-412に記載されている寸法を有す
る、積み重ねられた3つのダイカット試験片(ダンベル)を使用して測定した。3つのダ
イカット試験片は、上記のように調製された圧縮成形プラークから切り取った。ショアA
硬度特性を、ASTM D-2240法に従って、室温で測定した。
【表7】
【0130】
加硫物の熱老化特性を以下の表8に示す。この表に見られるように、本発明の組成物
は、比較組成物と比較して、良好な機械的特性を有し、優れた長期熱老化特性を示す。ま
た、本発明の組成物1および2の試料は、150℃で、空気中で1008時間エージング
した後、それぞれ8および9の「ショアAユニット」の増加を示し、比較例は14ユニッ
トの増加を示す。
【表8】