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特開2023-78328穀類における真菌制御のための相乗的な混合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078328
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】穀類における真菌制御のための相乗的な混合物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20230530BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20230530BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20230530BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20230530BHJP
   A01N 47/24 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
A01N43/40 101E
A01N43/653 G
A01N43/653 Q
A01N43/653 C
A01N43/56 C
A01N43/54 A
A01N47/24 G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044231
(22)【出願日】2023-03-20
(62)【分割の表示】P 2019560154の分割
【原出願日】2018-05-02
(31)【優先権主張番号】62/500,183
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,チェングリン
(72)【発明者】
【氏名】マシソン,ジョン,ティー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】殺真菌化合物を含む相乗的な組成物を提供する。
【解決手段】殺真菌有効量の化合物(S)-1,1-ビス(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル(3-アセトキシ-4-メトキシピコリノイル)-L-アラニネートと、ステロール生合成阻害剤、呼吸阻害剤、および多部位作用阻害剤からなる群から選択される、少なくとも1つの追加の殺真菌剤と、を含む、混合物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月2日出願の米国仮特許出願第62/500183号の利益を
主張するものであり、この仮特許出願は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、(a)式Iの化合物と、(b)ステロール生合成阻害剤(例えば、プロチオ
コナゾール、エポキシコナゾール、シプロコナゾール、ミクロブタニル、メトコナゾール
、メフェントリフルコナゾール、ジフェノコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾー
ル、フェンブコナゾール、プロピコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フ
ルトリアホル、フェンプロピモルフ、およびプロクロラズ)、コハク酸デヒドロゲナーゼ
阻害剤(例えば、フルキサピロキサド、ベンゾビンジフルピル、ペンチオピラド、イソピ
ラザム、ビキサフェン、ボスカリド、ペンフルフェン、およびフルオピラム)、ストロビ
ルリン(例えば、ピラクロストロビン、フルオキサストロビン、アゾキシストロビン、ト
リフロキシストロビン、ピコキシストロビン、およびクレソキシムメチル)、ならびに多
部位阻害剤(例えば、マンコゼブおよびクロロタロニル)からなる群から選択される、少
なくとも1つの殺真菌剤、または他の市販の殺真菌剤とを含有することで、任意の植物真
菌病原体の制御を提供する、相乗的な殺真菌性組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術および発明の概要
殺真菌剤は、真菌によって引き起こされる損害に対して植物を保護するように作用する
、天然または合成起源の化合物である。現在の農業法は、殺真菌剤の使用に大きく依存し
ている。実際、一部の作物は、殺真菌剤の使用なしでは有用に栽培することができない。
殺真菌剤の使用により、栽培者は作物の収率および品質を増加させ、結果として、作物の
価値を増加させることができる。ほとんどの場合、作物の価値の増加は、殺真菌剤の使用
の費用の少なくとも3倍に相当する。
【0004】
しかしながら、1つの殺真菌剤が全ての状況で有用であるということはなく、単一の殺
真菌剤の反復使用は頻繁に、その殺真菌剤および関連する殺真菌剤に対する耐性の発生に
つながる。結果として、より安全であり、より良好な性能を有し、より低い用量を必要と
し、使用がより容易であり、かつ費用がより低い、殺真菌剤および殺真菌剤の組み合わせ
を製造するための研究が、実行されている。
【0005】
相乗作用は、2つ以上の化合物の活性が、単独で使用したときの化合物の活性を超える
ときに生じる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、殺真菌化合物を含む相乗的な組成物を提供することである。本開示の
さらなる目的は、これらの相乗的な組成物を使用するプロセスを提供することである。相
乗的な組成物は、AscomycetesおよびBasidiomycetesのクラス
の真菌によって引き起こされる病害の予防もしくは治療、またはその両方が可能である。
加えて、相乗的な組成物は、コムギ葉枯病および赤さび病を含む、Ascomycete
およびBasidiomyceteの病原体に対して改善された有効性を有する。本開示
によると、相乗的な組成物が、それらの使用方法とともに提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、殺真菌有効量の(a)式Iの化合物と、(b)以下の群A.1、B.1、お
よびC.1の化合物、
A.1 以下の群a)、b)、およびc)から選択される、ステロール生合成阻害剤(
SBI殺真菌剤)、
a)C14デメチラーゼ阻害剤(DMI殺真菌剤)、例えば、プロチオコナゾール、エ
ポキシコナゾール、シプロコナゾール、ミクロブタニル、メトコナゾール、メフェントリ
フルコナゾール、ジフェノコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコ
ナゾール、プロピコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、
およびプロクロラズ、
b)デルタ14-レダクターゼ阻害剤、例えば、フェンプロピモルフおよびアルジモル
フ、
c)フェンヘキサミドなどの3-ケトレダクターゼの阻害剤、
B.1 以下の群a)およびb)から選択される、呼吸阻害剤、
a)複合体IIの阻害剤(SDHI殺真菌剤、例えば、カルボキサミド)、例えば、フ
ルキサピロキサド、ベンゾビンジフルピル、ペンチオピラド、イソピラザム、ビキサフェ
ン、ボスカリド、ペンフルフェン、およびフルオピラム、
b)Q部位における複合体IIIの阻害剤(例えば、ストロビルリン)、例えば、ピ
ラクロストロビン、フルオキサストロビン、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビ
ン、ピコキシストロビン、およびクレソキシムメチル、
C.1 以下の群a)およびb)から選択される、多部位作用を有する阻害剤、
a)マンコゼブなどのチオカルバメートおよびジチオカルバメート、
b)クロロタロニルなどの有機塩素化合物(例えば、フタルイミド、スルファミド、ク
ロロニトリル)、
から選択される、少なくとも1つの殺真菌剤、または他の市販の殺真菌剤とを含むこと
で、任意の植物真菌病原体の制御を提供する、相乗的な殺真菌性混合物に関する。
【化1】
【0008】
本明細書で使用される場合、式Iの化合物は、(S)-1,1-ビス(4-フルオロフ
ェニル)プロパン-2-イル(3-アセトキシ-4-メトキシピコリノイル)-L-アラ
ニネートである。式Iの化合物は、コムギ葉枯病の病因であるZymoseptoria
tritici(SEPTTR)を含むがこれに限定されない、経済的に重要な作物に
おける様々な病原体の制御を提供する。
【0009】
本明細書で使用される場合、エポキシコナゾールは、(2RS,3SR)-1-[3-
(2-クロロフェニル)-2,3-エポキシ-2-(4-フルオロフェニル)プロピル]
-1H-1,2,4-トリアゾールの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化2】
【0010】
その殺真菌活性は、The Pesticide Manual,Fifteenth
Edition,2009に記載されている。エポキシコナゾールは、予防的および治
療的作用をもって、バナナ、穀類、コーヒー、イネ、およびサトウダイコンにおいてAs
comycete、Basidiomycete、およびDeuteromyceteに
よって引き起こされる病害の広範囲の制御を提供する。
【0011】
本明細書で使用される場合、プロチオコナゾールは、2-[(2RS)-2-(1-ク
ロロシクロプロピル)-3-(2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシプロピル]-2H
-1,2,4-トリアゾール-3(4H)-チオンの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化3】
【0012】
その殺真菌活性は、The Pesticide Manual,Fifteenth
Edition,2009に記載されている。プロチオコナゾールは、葉面散布によっ
て、コムギ、オオムギ、および他の作物における眼紋病(Pseudocercospo
rella herpotrichoides)、赤かび病(Fusarium spp
.、Microdochium nivale)、葉枯病(Zymoseptoria
tritici、Parastagonospora nodorum、Pyrenop
hora spp.、Rhynchosporium secalisなど)、さび病(
Puccinia spp.)、およびうどんこ病(Blumeria gramini
s)などの病害の制御を提供する。
【0013】
本明細書で使用される場合、ジフェノコナゾールは、3-クロロ-4-[(2RS,4
RS,2RS,4RS)-4-メチル-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イ
ルメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]フェニル4-クロロフェニルエーテルの
一般名であり、以下の構造を持つ。
【化4】
【0014】
その殺真菌活性は、BCPC Online Pesticide Manual(最
新版)に記載されている。ジフェノコナゾールは、予防的および治療的作用をもって、ブ
ドウ、仁果類、核果類、ジャガイモ、サトウダイコン、アブラナ、バナナ、穀類、イネ、
ダイズ、装飾花、および様々な野菜作物においてAscomycete、Basidio
mycete、およびDeuteromyceteによって引き起こされる病害の広範囲
の制御を提供する。
【0015】
本明細書で使用される場合、テブコナゾールは、(RS)-1-p-クロロフェニル-
4,4-ジメチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-2-イルメチル)ペンタン
-3-オールの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化5】
【0016】
その殺真菌活性は、BCPC Online Pesticide Manual(最
新版)に記載されている。テブコナゾールは、様々な作物に対する広範な病害の制御を提
供する。例えば、穀類では、それは、Puccinia spp.、Erysiphe
graminis、Rhynchosporium secalis、Septoria
spp.、Pyrenophora spp.、Cochliobolus sati
vus、およびFusarium spp.によって引き起こされる病害を制御し、ピー
ナッツでは、それは、Mycosphaerella spp.、Puccinia a
rachidis、およびSclerotium rolfsiiによって引き起こされ
る病害を制御する。他の用途は、バナナのMycosphaerella fijien
sisに対するもの、アブラナのSclerotinia sclerotiorum、
Alternaria spp.、Leptosphaeria maculans、お
よびPyrenopeziza brassicaeに対するもの、茶のExobasi
dium vexansに対するもの、ダイズのPhakopsora pachyrh
iziに対するもの、仁果類および核果類のMonilinia spp.、Podos
phaera leucotricha、Sphaerotheca pannosa、
およびVenturia sppに対するもの、ブドウのUncinula necat
orに対するもの、コーヒーのHemileia vastatrix、Cercosp
ora coffeicola、およびMycena citricolorに対するも
の、鱗茎菜類のSclerotium cepivorumおよびAlternaria
porriに対するもの、マメのPhaeoisariopsis griseola
に対するもの、ならびにトマトおよびジャガイモのAlternaria solani
に対するものである。
【0017】
本明細書で使用される場合、ピコキシストロビンは、メチル(E)-3-メトキシ-2
-[2-(6-トリフルオロメチル-2-ピリジロキシメチル)フェニル]アクリレート
の一般名であり、以下の構造を持つ。
【化6】
【0018】
その殺真菌活性は、The e-Pesticide Manual,Version
5.2,2011に記載されている。ピコキシストロビンの例示的な用途には、コムギの
Mycosphaerella graminicola、Phaeosphaeria
nodorum、Puccinia recondita(赤さび病)、Helmin
thosporium tritici-repentis(黄斑病)、およびBlum
eria graminis f.sp.tritici(ストロビルリン感受性うどん
こ病);オオムギのHelminthosporium teres(網斑病)、Rhy
nchosporium secalis、Puccinia hordei(赤さび病
)、およびErysiphe graminis f.sp.hordei(ストロビル
リン感受性うどんこ病);エンバクのPuccinia coronataおよびHel
minthosporium avenae;ならびにライムギのPuccinia r
econditaおよびRhynchosporium secalisを含む、穀類に
おける広範囲の病害制御が含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用される場合、アゾキシストロビンは、(E)-2-{2-[6-(2-
シアノフェノキシ)ピリミジン-4-イルオキシ]フェニル}-3-メトキシアクリレー
トの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化7】
【0020】
その殺真菌活性は、The e-Pesticide Manual,Version
5.2,2011に記載されている。アゾキシストロビンの例示的な用途には、以下の病
原体、 温帯穀類のErysiphe graminis、Puccinia spp.
、Parastagonospora nodorum、Zymoseptoria t
ritici、およびPyrenophora teres;イネのPyricular
ia oryzaeおよびRhizoctonia solani;つる植物のPlas
mopara viticolaおよびUncinula necator;ウリ科のS
phaerotheca fuligineaおよびPseudoperonospor
a cubensis;ジャガイモおよびトマトのPhytophthora infe
stansおよびAlternaria solani;ピーナッツのMycospha
erella arachidis、Rhizoctonia solani、およびS
clerotium rolfsii;モモのMonilinia spp.およびCl
adosporium carpophilum;芝生のPythium spp.およ
びRhizoctonia solani;バナナのMycosphaerella s
pp.;ペカンのCladosporium caryigenum;柑橘類のElsi
noe fawcettii、Colletotrichum spp.、およびGui
gnardia citricarpa;コーヒーのColletotrichum s
pp.およびHemileia vastatrixの制御が含まれるが、これらに限定
されない。
【0021】
本明細書で使用される場合、ピラクロストロビンは、メチルN-[2-[[[1-(4
-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ]メチル]フェニル]-N-
メトキシカルバメートの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化8】
【0022】
その殺真菌活性は、BCPC Online Pesticide Manual(最
新版)に記載されている。ピラクロストロビンの例示的な用途には、穀類のZymose
ptoria tritici、Puccinia spp.、Drechslera
tritici-repentis、Pyrenophora teres、Rhync
hosporium secalis、およびSeptoria nodorum;ピー
ナッツのMycosphaerella spp.;ダイズのSeptoria gly
cines、Cercospora kikuchii、およびPhakopsora
pachyrhizi;ブドウのPlasmopara viticolaおよびEry
siphe necator;ジャガイモおよびトマトのPhytophthora i
nfestansおよびAlternaria solani;キュウリのSphaer
otheca fuligineaおよびPseudoperonospora cub
ensis;バナナのMycosphaerella fijiensis;柑橘類のE
lsinoe fawcettiiおよびGuignardia citricarpa
;ならびに芝生のRhizoctonia solaniおよびPythium aph
anidermatumを含む、主要な植物病原体の広範囲の病害制御が含まれるが、こ
れらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用される場合、フルキサピロキサドは、3-(ジフルオロメチル)-1-
メチルN-(3’,4’,5’-トリフルオロビフェニル-2-イル)ピラゾール-4-
カルボキサミドの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化9】
【0024】
その殺真菌活性は、Agrow Intelligence(https://www
.agra-net.net/agra/agrow/databases/agrow
-intelligence/)において例証されている。フルキサピロキサドの例示的
な用途には、オオムギ、トウモロコシ、およびダイズなどの様々な作物のHelmint
hosporium teres(網斑病)、Rhynchosporium seca
lis(褐色葉枯病)、Puccinia hordei(赤さび病)、およびErys
iphe graminis f.sp.hordei(うどんこ病)などの植物病原体
の制御が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書で使用される場合、ペンチオピラドは、N-[2-(1,3-ジメチルブチル
)-3-チエニル]-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4
-カルボキサミドの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化10】
【0026】
その殺真菌活性は、The Pesticide Manual,Fourteent
h Edition,2006に記載されている。ペンチオピラドは、さび病およびRh
izoctonia病、ならびに灰色かび病、うどんこ病、およびリンゴ黒星病の制御を
提供する。
【0027】
本明細書で使用される場合、ベンゾビンジフルピルは、N-[(1RS,4SR)-9
-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-
5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-カルボキサミドの
一般名であり、以下の構造を持つ。
【化11】
【0028】
その殺真菌活性は、Agrow Intelligence(https://www
.agra-net.net/agra/agrow/databases/agrow
-intelligence/)において例証されている。ベンゾビンジフルピルの例示
的な用途には、つる植物、穀類、ダイズ、ワタ、ならびに果実および植物作物を含む様々
な作物における、Botrytis spp.、Erysiphe spp.、Rhiz
octonia spp.、Septoria spp.、Phytophthora
spp.、Pythium spp.、Phakopsora pachyrhizi、
およびPuccinia reconditaなどの様々な病原体の制御が含まれるが、
これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される場合、ビキサフェンは、N-(3’,4’-ジクロロ-5-フル
オロ[1,1’-ビフェニル]-2-イル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-
1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの一般名であり、以下の構造を持つ。
【化12】
【0030】
その殺真菌活性は、BCPC Online Pesticide Manual(最
新版)に記載されている。ビキサフェンの例示的な用途には、コムギのZymosept
oria tritici、Puccinia triticina、Puccinia
striiformis、Oculimacula spp.、およびPyrenop
hora tritici-repentis、ならびにオオムギのPyrenopho
ra teres、Ramularia collo-cygni、Rhynchosp
orium secalis、およびPuccinia hordeiに対するものを含
む、穀類における広範囲の病害制御が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される場合、フルオピラムは、N-[2-[3-クロロ-5-(トリフ
ルオロメチル)-2-ピリジニル]エチル]-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
の一般名であり、以下の構造を持つ。
【化13】
【0032】
その殺真菌活性は、BCPC Online Pesticide Manual(最
新版)に記載されている。フルオピラムは、つる植物、食用ブドウ、仁果類、核果類、野
菜、および農作物において、灰色かび病、うどんこ病、ならびにSclerotinia
病およびMonilinia病の制御を、バナナにおいてシガトーカ病の制御を提供する
。それはまた、種子処理として使用した場合、線虫の制御も提供する。
【0033】
本明細書で使用される場合、クロロタロニルは、テトラクロロイソフタル-オニトリル
の一般名であり、以下の構造を持つ。
【化14】
【0034】
その殺真菌活性は、The Pesticide Manual,Fifteenth
Edition,2009に記載されている。クロロタロニルは、仁果類、核果類、ア
ーモンド、柑橘類果実、灌木および木質茎になる果実、クランベリー、イチゴ、ポポー、
バナナ、マンゴー、ココヤシ、アブラヤシ、ゴム、コショウ、つる植物、ホップ、野菜、
ウリ科植物、タバコ、コーヒー、茶、イネ、ダイズ、ピーナッツ、ジャガイモ、サトウダ
イコン、ワタ、トウモロコシ、装飾花、キノコ、ならびに芝生を含む多様な作物において
、多くの真菌病害の制御を提供する。
【0035】
本明細書で使用される場合、マンコゼブは、[[2-[(ジチオカルボキシ)アミノ]
エチル]カルバモジチオアト(2-)-κS,κS’]亜鉛との[[2-[(ジチオカル
ボキシ)アミノ]エチル]カルバモジチオアト(2-)-κS,κS’]マンガン混合物
の一般名であり、以下の構造を持つ。
【化15】
【0036】
その殺真菌活性は、The Pesticide Manual,Fifteenth
Edition,2009に記載されている。マンコゼブは、様々な果実、野菜、およ
び農作物に対する多様な真菌病原体の制御を提供する。
【0037】
本明細書に記載の組成物中では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がZy
moseptoria tritici(SEPTTR)によって引き起こされるコムギ
葉枯病に対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対他の殺真菌剤の濃度比は、約7:
1~約1:3,200の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効
果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対他の殺真菌剤の濃度比
は、約7:1~約1:3,200の範囲内である。別の実施形態では、治療的用途におい
て、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対他の殺真
菌剤の濃度比は、約4:1~約1:2,500の範囲内である。
【0038】
本明細書に記載の組成物中では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSE
PTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ステロール生合成阻害剤の濃度
比は、約4:1~約1:52の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺
真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ステロール生合
成阻害剤の濃度比は、約4:1~約1:52の範囲内である。別の実施形態では、治療的
用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物
対ステロール生合成阻害剤の濃度比は、約4:1~約1:52の範囲内である。いくつか
の実施形態では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して
相乗的である、式Iの化合物の混合物対テブコナゾールの濃度比は、約2:1~約1:4
の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対
して相乗的である、式Iの化合物の混合物対テブコナゾールの濃度比は、約2:1~約1
:2の範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTT
Rに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対テブコナゾールの濃度比は、約1:1
~約1:4の範囲内である。いくつかの実施形態では、保護的および治療的用途において
、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対プロチオコ
ナゾールの濃度比は、約1:6.5~約1:52の範囲内である。
一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である
、式Iの化合物の混合物対プロチオコナゾールの濃度比は、約1:6.5~約1:52の
範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対
して相乗的である、式Iの化合物の混合物対プロチオコナゾールの濃度比は、約1:6.
5~約1:52の範囲内である。いくつかの実施形態では、保護的および治療的用途にお
いて、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ジフェ
ノコナゾールの濃度比は、約2:1~約1:2の範囲内である。一実施形態では、保護的
用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物
対ジフェノコナゾールの濃度比は、約2:1~約1:2の化合物の範囲内であり、別の実
施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式
Iの化合物の混合物対ジフェノコナゾールの濃度比は、約2:1~約1:2の範囲内であ
る。いくつかの実施形態では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSEPT
TRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対エポキシコナゾールの濃度比は、約
4:1~約1:2の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果が
SEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対エポキシコナゾールの濃度
比は、約4:1~約1:2の範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺
真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対エポキシコナゾ
ールの濃度比は、約4:1~約1:1の範囲内である。いくつかの実施形態では、保護的
および治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化
合物の混合物対メフェントリフルコナゾールの濃度比は、約4:1~約1:2の範囲内で
ある。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的
である、式Iの化合物の混合物対メフェントリフルコナゾールの濃度比は、約2:1~約
1:2の範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPT
TRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対メフェントリフルコナゾールの濃度
比は、約4:1~約1:2の範囲内である。
【0039】
本明細書に記載の組成物中では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSE
PTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害
剤の濃度比は、約1:1.2~約1:160の範囲内である。一実施形態では、保護的用
途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤の濃度比は、約1:1.2~約1:80の範囲内である
。別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的で
ある、式Iの化合物の混合物対コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤の濃度比は、約1:2.
4~約1:160の範囲内である。いくつかの実施形態では、保護的および治療的用途に
おいて、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ベン
ゾビンジフルピルの濃度比は、約1:1.2~約1:5の範囲内である。一実施形態では
、保護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物
の混合物対ベンゾビンジフルピルの濃度比は、約1:1.2~約1:5の範囲内であり、
別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的であ
る、式Iの化合物の混合物対ベンゾビンジフルピルの濃度比は、約1:2.4である。い
くつかの実施形態では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに
対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ペンチオピラドの濃度比は、約1:10~
約1:160の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSE
PTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ペンチオピラドの濃度比は、約
1:80であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに
対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ペンチオピラドの濃度比は、約1:10~
約1:160の範囲内である。いくつかの実施形態では、保護的および治療的用途におい
て、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対フルキサ
ピロキサドの濃度比は、約1:2.5~約1:40の範囲内である。一実施形態では、保
護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混
合物対フルキサピロキサドの濃度比は、約1:2.5~約1:20の範囲内であり、別の
実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、
式Iの化合物の混合物対フルキサピロキサドの濃度比は、約1:40である。別の実施形
態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの
化合物の混合物対ビキサフェンの濃度比は、約1:2.5~約1:10の範囲内である。
いくつかの実施形態では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTR
に対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対フルオピラムの濃度比は、約1:1~約
1:32の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPT
TRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対フルオピラムの濃度比は、約1:1
~約1:32の範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がS
EPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対フルオピラムの濃度比は、約
1:1~約1:16の範囲内である。
【0040】
本明細書に記載の組成物中では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSE
PTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ストロビルリン殺真菌剤の濃度
比は、約7:1~約1:80の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺
真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ストロビルリン
殺真菌剤の濃度比は、約7:1~約1:80の範囲内である。別の実施形態では、治療的
用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物
対ストロビルリン殺真菌剤の濃度比は、約1:1~約1:80の範囲内である。いくつか
の実施形態では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して
相乗的である、式Iの化合物の混合物対ピコキシストロビンの濃度比は、約1:5~約1
:80の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPTT
Rに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ピコキシストロビンの濃度比は、約1
:10~約1:80の化合物の範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、
殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ピコキシスト
ロビンの濃度比は、約1:5~約1:80の範囲内である。いくつかの実施形態では、保
護的および治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式I
の化合物の混合物対アゾキシストロビンの濃度比は、約2.5:1~約1:4の範囲内で
ある。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的
である、式Iの化合物の混合物対アゾキシストロビンの濃度比は、約2.5:1~約1:
3.2の範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPT
TRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対アゾキシストロビンの濃度比は、約
1:1~約1:4の範囲内である。いくつかの実施形態では、保護的および治療的用途に
おいて、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対ピラ
クロストロビンの濃度比は、約7:1~約1:4の範囲内である。一実施形態では、保護
的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合
物対ピラクロストロビンの濃度比は、約7:1~約1:4の範囲内であり、別の実施形態
では、治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化
合物の混合物対ピラクロストロビンの濃度比は、約1:1である。
【0041】
本明細書に記載の組成物中では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSE
PTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対多部位阻害剤の濃度比は、約1
:325~約1:3,200の範囲内である。いくつかの実施形態では、保護的用途にお
いて、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物対多部位阻害剤の
濃度比は、約1:325~約1:3,200の範囲内である。別の実施形態では、治療的
用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物対多部位
阻害剤の濃度比は、約1:1,250~約1:2,600の範囲内である。いくつかの実
施形態では、保護的および治療的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗
的である、式Iの化合物の混合物対クロロタロニルの濃度比は、約1:325~約1:2
,500の範囲内である。一実施形態では、保護的用途において、殺真菌効果がSEPT
TRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対クロロタロニルの濃度比は、約1:
325~約1:2,600の範囲内であり、別の実施形態では、治療的用途において、殺
真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の混合物対クロロタロニル
の濃度比は、約1:1,250~約1:2,500の範囲内である。別の実施形態では、
保護的用途において、殺真菌効果がSEPTTRに対して相乗的である、式Iの化合物の
混合物対マンコゼブの濃度比は、約1:325~約1:3,200の範囲内である。
【0042】
相乗的な組成物が散布される量は、制御される特定の種類の真菌、必要とされる制御の
程度、ならびに散布のタイミングおよび方法に依存するだろう。一般に、本明細書に記載
の組成物は、組成物中の活性成分の総量に基づいて、1ヘクタールあたり約35グラム(
g/ha)~約2600g/haの散布量で散布され得る。
【0043】
式Iの化合物と、ステロール生合成阻害剤とを含む組成物は、組成物中の活性成分の総
量に基づいて、約40g/ha~約350g/haの散布量で散布され得る。エポキシコ
ナゾールは、約50g/ha~約250g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約1
0g/ha~約100g/haの量で散布される。プロチオコナゾールは、約50g/h
a~約250g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約100g/
haの量で散布される。ジフェンコナゾール(difenconazole)は、約30
g/ha~約125g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約10
0g/haの量で散布される。テブコナゾールは、約50g/ha~約300g/haの
量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約100g/haの量で散布される。
メフェントリフルコナゾールは、約10g/ha~約200g/haの量で散布され、式
Iの化合物は、約10g/ha~約100g/haの量で散布される。
【0044】
式Iの化合物と、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤とを含む組成物は、組成物中の活性
成分の総量に基づいて、約35g/ha~約500g/haの散布量で散布され得る。ベ
ンゾビンジフルピルは、約25g/ha~約300g/haの量で散布され、式Iの化合
物は、約10g/ha~約100g/haの量で散布される。ペンチオピラドは、約10
0g/ha~約400g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約1
00g/haの量で散布される。フルキサピロキサドは、約45g/ha~約200g/
haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約100g/haの量で散布さ
れる。ビキサフェンは、約30g/ha~約200g/haの量で散布され、式Iの化合
物は、約10g/ha~約100g/haの量で散布される。フルオピラムは、約50g
/ha~約300g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約100
g/haの量で散布される。
【0045】
式Iの化合物と、ストロビルリンとを含む組成物は、組成物中の活性成分の総量に基づ
いて、60g/ha~約475g/haの散布量で散布され得る。ピコキシストロビンは
、約50g/ha~約250g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha
~約100g/haの量で散布される。アゾキシストロビンは、約100g/ha~約3
75g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約100g/haの量
で散布される。ピラクロストロビンは、約50g/ha~約250g/haの量で散布さ
れ、式Iの化合物は、約10g/ha~約100g/haの量で散布される。
【0046】
式Iの化合物と、多部位阻害剤とを含む組成物は、組成物中の活性成分の総量に基づい
て、約1010g/ha~約2600g/haの散布量で散布され得る。クロロタロニル
は、約1000g/ha~約2500g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10
g/ha~約100g/haの量で散布される。マンコゼブは、約1500g/ha~約
2000g/haの量で散布され、式Iの化合物は、約10g/ha~約100g/ha
の量で散布される。
【0047】
本明細書に記載の相乗的な混合物の構成成分は、別個に散布されても、多成分殺真菌系
の一部として散布されてもよい。
【0048】
本開示の相乗的な混合物は、1つ以上の他の殺真菌剤と組み合わせて散布して、より多
様な望ましくない病害を制御することができる。他の殺真菌剤(複数可)と組み合わせて
使用される場合、現在特許請求されている化合物は、他の殺真菌剤(複数可)とともに配
合されても、他の殺真菌剤(複数可)とタンク混合されても、他の殺真菌剤(複数可)と
連続して散布されてもよい。そのような他の殺真菌剤には、2-(チオシアノメチルチオ
)-ベンゾチアゾール、2-フェニルフェノール、8-ヒドロキシキノリンスルフェート
、アメトクトラジン、アミスルブロム、アンチマイシン、Ampelomyces qu
isqualis、アザコナゾール、Bacillus subtilis、Bacil
lus subtilis株QST713、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカル
ブ-イソプロピル、ベンジルアミノベンゼン-スルホン酸(BABS)塩、炭酸水素塩、
ビフェニル、ビスメルチアゾール、ビテルタノール、ブラストサイジン-S、ホウ砂、ボ
ルドー混合物、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、多硫化カルシウム、カプ
タホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、ク
ラザフェノン、クロロネブ、クロゾリネート、Coniothyrium minita
ns、水酸化銅、オクタン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、酸化第一
銅、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニ
ル、ダゾメット、デバカルブ、二アンモニウムエチレンビス-(ジチオカルバメート)、
ジクロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエ
トフェンカルブ、ジフェンゾクワットイオン、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジモキシ
ストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、ジノブトン、ジノカップ、ジフェニ
ルアミン、ジピメティトロン、ジチアノン、ドデモルフ、ドデモルフアセテート、ドジン
、ドジン遊離塩基、エデフェノホス、エネストロビン、エネストロブリン、エタボキサム
、エトキシキン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、
フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロ
ニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチン、フェン
チンアセテート、フェンチンヒドロキシド、ファーバム、フェリムゾン、フルアジナム、
フルジオキソニル、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フル
オロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルフ
ァミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホル、フォルペット、ホルムアルデヒ
ド、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル
、グアザチン、グアザチンアセテート、GY-81、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナ
ゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イマザリルスルフェート、イミベンコナゾール、
イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、
イミノクタジントリス(アルベシレート)、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプフェン
ピラゾロン、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソフェタミド(is
ofetamide)、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシ
ン、カスガマイシン塩酸塩水和物、クレソキシム-メチル、ラミナリン、マンカッパー、
マンジプロパミド、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メプチル-ジ
ノカップ、塩化第二水銀、酸化水銀、塩化第一水銀、メタラキシル、メタラキシル-M、
メタム、メタム-アンモニウム、メタム-カリウム、メタム-ナトリウム、メトコナゾー
ル、メタスルホカルブ、ヨウ化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチラム、メトミノス
トロビン、メトラフェノン、ミリジオマイシン、ミクロブタニル、ナーバム、ニトロター
ル-イソプロピル、ヌアリモル、オクチリノン、オフレース、オレイン酸(脂肪酸)、オ
リサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキシン-銅、オキスポコナ
ゾールフマレート、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロ
ン、ペンフルフェン、ペンタクロルフェノール、ペンタクロロフェニルラウレート、酢酸
フェニル水銀、ホスホン酸、フタリド、ポリオキシンB、ポリオキシン、ポリオキソリム
、炭酸水素カリウム、カリウムヒドロキシキノリンスルフェート、プロベナゾール、プロ
クロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロピコナゾール、
プロピネブ、プロキナジド、ピジフルメトフェン、ピラメトストリビン、ピラオキシスト
ロビン、ピラジフルミド、ピラゾホス、ピリベンカルプ、ピリブチカルブ、ピリフェノッ
クス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キ
ントゼン、Reynoutria sachalinensis抽出物、セダキサン、フ
ェナミノスルフ、シメコナゾール、ナトリウム2-フェニルフェノキシド、炭酸水素ナト
リウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、硫黄、SYP-Z04
8、タール油、テブフロキン、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフ
ルザミド、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トリ
ルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール
、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナ
ゾール、バリダマイシン、バリフェナレート、バリフェナール、ビンクロゾリン、ジネブ
、ジラム、ゾキサミド、Candida oleophila、Fusarium ox
ysporum、Gliocladium spp.、Phlebiopsis gig
antea、Streptomyces griseoviridis、Trichod
erma spp.、(RS)-N-(3,5-ジクロロフェニル)-2-(メトキシメ
チル)-スクシンイミド、1,2-ジクロロプロパン、1,3-ジクロロ-1,1,3,
3-テトラフルオロアセトン水和物、1-クロロ-2,4-ジニトロナフタレン、1-ク
ロロ-2-ニトロプロパン、2-(2-ヘプタデシル-2-イミダゾリン-1-イル)エ
タノール、2,3-ジヒドロ-5-フェニル-1,4-ジチ-イン1,1,4,4-テト
ラオキシド、2-メトキシエチル水銀アセテート、2-メトキシエチル水銀クロライド、
2-メトキシエチル水銀シリケート、3-(4-クロロフェニル)-5-メチルロダニン
、4-(2-ニトロプロパ-1-エニル)フェニルチオシアナテメ、アミノピリフェン、
アンプロピルホス、アニラジン、アジチラム、多硫化バリウム、Bayer 32394
、ベノダニル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンザマクリル;ベンザマクリル-イソ
ブチル、ベンザモルフ、ビナパクリル、ビス(メチル水銀)スルフェート、ビス(トリブ
チルスズ)オキシド、ブチオベート、カドミウムカルシウム銅亜鉛クロメートスルフェー
ト、カルバモルフ、CECA、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン、クロルフェナゾ
ール、
クロルキノックス、クリンバゾール、銅ビス(3-フェニルサリチレート)、銅亜鉛クロ
メート、クフラネブ、第二銅ヒドラジニウムスルフェート、クプロバム、シクラフラミド
、シペンダゾール、シプロフラム、デカフェンチン、ジクロベンチアゾクス、ジクロン、
ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジメチリモール、ジノクトン、ジノスルホン、ジノ
テルボン、ジピリチオン、ジタリムホス、ドジシン、ドラゾキソロン、EBP、ESBP
、エタコナゾール、エテム、エチリム、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェニトロパ
ン、フルインダピル、フルオピモミド、フルオトリマゾール、フルカルバニル、フルコナ
ゾール、フルコナゾール-シス、フルメシクロックス、フロファネート、グリオジン、グ
リセオフルビン、ハラクリネート、Hercules 3944、ヘキシルチオホス、I
CIA0858、インピルフルキサム、イプフェントリフルコナゾール、イプフルフェノ
キン、イソフルシプラム、イソパムホス、イソバレジオン、マンデストロビン、メベニル
、メカルビンジド、メタゾキソロン、メトフロキサム、メチル水銀ジシアンジアミド、メ
トスルフォバックス、メチルテトラプロール、ミルネブ、ムコクロリン酸無水物、ミクロ
ゾリン、N-3,5-ジクロロフェニル-スクシンイミド、N-3-ニトロフェニルイタ
コンイミド、ナタマイシン、N-エチルメルクリオ-4-トルエンスルホンアニリド、ニ
ッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、OCH、フェニル水銀ジメチルジチオカル
バメート、フェニル水銀ナイトレート、ホスジフェン、プロチオカルブ;プロチオカルブ
塩酸塩、ピジフルメトフェン、ピラカルボリド、ピラプロポイン、ピリダクロメチル、ピ
リジニトリル、ピロキシクロル、ピロキシフル、キナセトール;キナセトールスルフェー
ト、キナザミド、キンコナゾール、キノフメリン、ラベンザゾール、サリチルアニリド、
SSF-109、スルトロペン、テコラム、チアジフルオル、チシオフェン、チオクロル
フェンフィム、チオファネート、チノキノックス、チオキシミド、トリアミホス、トリア
リモル、トリアズブチル、トリクラミド、ウルバシド、ザリラミド、およびそれらの任意
の組み合わせが含まれ得る。
【0049】
本開示の組成物は、好ましくは、(a)式Iの化合物と、(b)テブコナゾール、プロ
チオコナゾール、ジフェンコナゾール、エポキシコナゾール、ベンゾビンジフルピル、ペ
ンチオピラド、フルキサピロキサド、ビキサフェン、ピコキシストロビン、ピラクロスト
ロビン、アゾキシストロビン、メフェントリフコナゾール(mefentrifucon
azole)、フルオピラム、マンコゼブ、およびクロロタロニルからなる群から選択さ
れる、少なくとも1つの殺真菌剤の組成物とを、植物学的に(phytological
ly)許容される担体とともに含む配合物の形態で散布される。
【0050】
濃縮配合物は、散布のために水または別の液体に分散させてもよく、配合物は、さらな
る処理なしで散布され得る粉塵様または顆粒であってもよい。配合物は、農業化学の当該
技術分野において従来的であるが、その中に相乗的な組成物が存在するために新規かつ重
要である手順に従って調製される。
【0051】
最も頻繁に散布される配合物は、水性懸濁液または乳化液である。そのような水溶性、
水懸濁性、または乳化性の配合物は、水和剤として一般に知られる固体、または乳化性濃
縮物、水性懸濁液、もしくは水性濃縮物として一般に知られる液体である。本開示は、殺
真菌剤としての送達および使用のために相乗的な組成物が配合され得る、全てのビヒクル
を企図する。
【0052】
容易に理解されるように、これらの相乗的な組成物が添加され得る任意の材料を使用す
ることができるが、但し、それらが、抗真菌剤としてのこれらの相乗的な組成物の活性と
有意に干渉することなく、所望の有用性をもたらすことを条件とする。
【0053】
水和剤は、水分散性顆粒を形成するために圧縮されてもよく、相乗的な組成物と、担体
と、農業的に許容される界面活性剤との均質混合物を含む。水和剤中の相乗的な組成物の
濃度は、通常、配合物の総重量に基づいて、約10重量%~約90重量%、より好ましく
は約25重量%~約75重量%である。水和剤配合物の調製において、相乗的な組成物は
、プロフィライト(prophyllite)、タルク、チョーク、石膏、フラー土、ベ
ントナイト、アタパルジャイト、デンプン、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土
、珪藻土、または精製シリケートなどの微粉化固体のいずれかと化合され得る。そのよう
な操作では、微粉化担体は、粉砕されるか、または揮発性有機溶媒中で相乗的な組成物と
混合される。水和剤の約0.5重量%~約10重量%を構成する有効な界面活性剤には、
スルホン化リグニン、ナフタレンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキ
ルスルフェート、および非イオン性界面活性剤(アルキルフェノールのエチレンオキシド
付加物など)が含まれる。
【0054】
相乗的な組成物の乳化性濃縮物は、乳化性濃縮物配合物の総重量に基づいて、好適な液
体中、約10重量%~約50重量%などの簡便な濃度を含む。相乗的な組成物の構成成分
は一緒にまたは別個に、担体中に溶解され、この担体は、水混和性溶媒、または水不混和
性有機溶媒と乳化剤との混合物のいずれかである。濃縮物を水および油で希釈して、水中
油型乳化液の形態の噴霧混合物を形成してもよい。有用な有機溶媒には、芳香族、特に石
油の高沸点ナフタレン部分およびオレフィン部分(重質芳香族ナフサなど)が含まれる。
例えば、テルペン溶媒(ロジン誘導体を含む)、脂肪族ケトン(シクロヘキサノンなど)
、および複合アルコール(2-エトキシエタノールなど)などの、他の有機溶媒もまた使
用することができる。
【0055】
本明細書で有利に用いられ得る乳化剤は、当業者であれば容易に決定することができ、
それらには、様々な非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、および両性の乳化剤、または
2つ以上の乳化剤のブレンドが含まれる。乳化性濃縮物を調製する上で有用な非イオン性
乳化剤の例には、ポリアルキレングリコールエーテル、ならびにアルキルおよびアリール
フェノール、脂肪族アルコール、脂肪族アミン、または脂肪酸と、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド(エトキシ化アルキルフェノールなど)、およびポリオールまたはポリ
オキシアルキレンで可溶化されたカルボン酸エステルとの縮合生成物が含まれる。陽イオ
ン性乳化剤には、四級アンモニウム化合物および脂肪族アミン塩が含まれる。陰イオン性
乳化剤には、アルキルアリールスルホン酸の油溶性塩(例えば、カルシウム)、リン酸化
ポリグリコールエーテルの油溶性塩または硫酸化ポリグリコールエーテルおよび適切な塩
が含まれる。
【0056】
本開示の乳化性濃縮物を調製する上で用いられ得る代表的な有機液体は、芳香族液体(
キシレン、プロピルベンゼン画分、または混合ナフタレン画分など)、鉱物油、置換芳香
族有機液体(フタル酸ジオクチルなど)、灯油、様々な脂肪酸のジアルキルアミド、特に
脂肪族グリコールおよびグリコール誘導体のジメチルアミド(ジエチレングリコールのn
-ブチルエーテル、エチルエーテル、またはメチルエーテル、およびトリエチレングリコ
ールのメチルエーテルなど)である。2つ以上の有機液体の混合物もまた、多くの場合、
乳化性濃縮物を調製する上で好適に用いられる。好ましい有機液体はキシレンおよびプロ
ピルベンゼン画分であり、キシレンが最も好ましい。表面活性分散剤は、通常、液体配合
物中で、分散剤と相乗的な組成物との合計重量の0.1~20重量パーセントの量で用い
られる。配合物はまた、他の適合性がある添加剤、例えば、植物成長調節剤および農業で
使用される他の生物学的活性化合物を含有してもよい。
【0057】
水性懸濁液は、水性懸濁液配合物の総重量に基づいて、約5重量%~約70重量%の範
囲内の濃度で水性ビヒクル中に分散された、1つ以上の非水溶性化合物の懸濁液を含む。
懸濁液は、相乗的な組み合わせの構成成分をともにまたは別個にのいずれかで細かく粉砕
し、水および上記に考察される同じ種類のものから選択される界面活性剤で構成されるビ
ヒクルに、粉砕した材料を勢いよく混合することによって調製される。無機塩および合成
または天然ガムなどの他の成分を添加して、水性ビヒクルの密度および粘度を増加させて
もよい。多くの場合、水性混合物を調製し、それをサンドミル、ボールミル、またはピス
トン型ホモジナイザーなどの装置内でホモジナイズすることによって同時に粉砕および混
合することが、最も有効である。
【0058】
相乗的な組成物はまた、顆粒配合物として散布することもでき、これは、土壌への散布
に特に有用である。顆粒配合物は、通常、全体または大部分が粗粉化アタパルジャイト、
ベントナイト、珪藻土、粘土、または類似の安価な物質からなる担体中に分散された、顆
粒配合物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約10重量%の化合物を含有する。その
ような配合物は、通常、好適な溶媒中に相乗的な組成物を溶解させ、それを約0.5~約
3ミリメートル(mm)の範囲内の好適な粒径に事前形成された顆粒担体に散布すること
によって調製される。そのような配合物はまた、担体および相乗的な組成物の生地または
ペーストを作製し、所望の顆粒粒径を得るために粉砕し、乾燥させることによっても調製
することができる。
【0059】
相乗的な組成物を含有する粉塵は、粉末形態の相乗的な組成物を、好適な粉塵状農業用
担体(例えば、カオリン粘土および粉砕火山岩など)と均質に混合することによって調製
される。粉塵は、約1重量%~約10重量%の相乗的な組成物/担体の組み合わせを好適
に含有することができる。
【0060】
配合物は、標的作物および生物への相乗的な組成物の堆積、湿潤、および浸透を増強す
るための農学的に許容されるアジュバント界面活性剤を含有してもよい。これらのアジュ
バント界面活性剤は、任意で、配合物の構成成分として用いても、タンク混合物として用
いてもよい。アジュバント界面活性剤の量は、水の噴霧体積に基づいて、0.01パーセ
ント~1.0パーセント体積/体積(v/v)、好ましくは0.05~0.5パーセント
で変動する。好適なアジュバント界面活性剤には、エトキシ化ノニルフェノール、エトキ
シ化合成アルコールまたはエトキシ化天然アルコール、エステルまたはスルホコハク酸の
塩、エトキシ化有機ケイ素、エトキシ化脂肪族アミン、および界面活性剤と鉱物油または
植物油とのブレンドが含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
配合物は、任意で、少なくとも1重量%の相乗的な組成物のうちの1つ以上を、別の殺
虫化合物とともに含み得る組み合わせを含むことができる。そのような追加の殺虫化合物
は、散布のために選択される培地中の本開示の相乗的な組成物と適合性があり、かつ本化
合物の活性に拮抗しない、殺真菌剤、殺虫剤、抗線虫剤、殺ダニ剤、殺節足動物剤、殺菌
剤、またはそれらの組み合わせであり得る。したがって、そのような実施形態では、他の
殺虫化合物は、そのような実施形態のための、または異なる殺虫用途のための補助的な毒
物として用いられる。殺虫化合物および相乗的な組成物は一般に、1:100~100:
1の重量比でともに混合され得る。
【0062】
本開示は、その範囲内に、真菌の攻撃を制御または予防するための方法を含む。これら
の方法は、真菌の部位、または寄生を予防するべき部位(例えば、コムギもしくはオオム
ギ植物への散布)に、殺真菌有効量の相乗的な組成物を散布することを含む。相乗的な組
成物は、低い植物毒性を呈しながら、殺真菌レベルで様々な植物を処理するのに好適であ
る。相乗的な組成物は、保護または除虫様式で有用である。相乗的な組成物は、相乗的な
組成物として、または相乗的な組成物を含む配合物として、様々な既知の技術のいずれか
によって散布される。例えば、相乗的な組成物を植物の根、種子、または葉に散布して、
その植物の商業的価値を損害することなく、様々な真菌を制御することができる。相乗的
な組成物は、一般に使用される配合物の種類のいずれかの形態で、例えば、溶液、粉塵、
水和剤、流動性濃縮物、または乳化性濃縮物として散布される。これらの材料は、様々な
既知の様式で簡便に散布される。
【0063】
相乗的な組成物は、特に農業用途のために有意な殺真菌効果を有することが見出されて
いる。相乗的な組成物は、農業作物および園芸植物とともに、または木材、塗料、皮革、
もしくはカーペット裏地とともに使用するのに特に有効である。
【0064】
具体的には、相乗的な組成物は、有用な植物作物に感染する様々な望ましくない真菌を
制御するのに有効である。相乗的な組成物は、例えば、以下の代表的な真菌種、オオムギ
褐色葉枯病(Rhynchosporium secalis);オオムギRamula
ria斑点病(Ramularia collo-cygni);オオムギ網斑病(Py
renophora teres);オオムギうどんこ病(Blumeria gram
inis f.sp.hordei);コムギうどんこ病(Blumeria gram
inis f.sp.tritici);コムギ赤さび病(Puccinia trit
icina);コムギ黄さび病(Puccinia striiformis);コムギ
葉枯病(Zymoseptoria tritici);コムギふ枯病(Parasta
gonospora nodorum);サトウダイコン斑点病(Cercospora
beticola);ピーナッツ斑点病(Mycosphaerella arach
idis);キュウリ炭疸病(Colletotrichum lagenarium)
;キュウリうどんこ病(Erysiphe cichoracearum);スイカつる
枯病(Didymella bryoniae);リンゴ黒星病(Venturia i
naequalis);リンゴうどんこ病(Podosphaera leucotri
cha);灰色かび病(Botrytis cinerea);菌核病(Sclerot
inia sclerotiorum);ブドウうどんこ病(Erysiphe nec
ator);トマト夏疫病(Alternaira solani);イネイモチ病(P
yricularia oryzae);核果類褐色腐朽病(Monilinia fr
ucticola)およびバナナ黒シガトカ病(Mycosphaerella fij
iensis)を含む、様々なAscomyceteおよびBasidiomycete
真菌に対して使用することができる。前述の真菌のうちの1つ以上に対する相乗的な組成
物の有効性が、殺真菌剤としての相乗的な組成物の一般的な有用性を確立することが、当
業者によって理解されるだろう。
【0065】
相乗的な組成物は、殺真菌剤として広範な有効性を有する。散布される相乗的な組成物
の正確な量は、構成成分の相対量だけでなく、所望される特定の作用、制御される真菌種
、およびそれらの成長段階、ならびに相乗的な組成物と接触させられる植物または他の製
品の部分にも依存する。したがって、相乗的な組成物を含有する配合物は、同様の濃度で
も、または同じ真菌種に対してでも、等しく有効ではない場合がある。
【0066】
相乗的な組成物は、病害を阻害し、植物学的に許容される量で、植物とともに使用する
のに有効である。「病害を阻害し、植物学的に許容される量」という用語は、制御が所望
される植物の病害を殺滅または阻害するが、その植物に対しては有意な毒性がない、相乗
的な組成物の量を指す。必要とされる相乗的な組成物の正確な濃度は、制御される真菌病
害、用いられる配合物の種類、散布方法、特定の植物種、および気候条件などとともに変
動する。
【0067】
本組成物は、従来の地表噴霧機、散粒機を使用することによって、および当業者に既知
である他の従来の手段によって、真菌またはそれらの部位に散布することができる。
【0068】
本願発明の例として以下のものが挙げられる。
[1] 相乗的な殺真菌性混合物であって、
殺真菌有効量の上記式Iの化合物、(S)-1,1-ビス(4-フルオロフェニル)プ
ロパン-2-イル(3-アセトキシ-4-メトキシピコリノイル)-L-アラニネートと
、ステロール生合成阻害剤、呼吸阻害剤、および多部位作用阻害剤からなる群から選択さ
れる、少なくとも1つの追加の殺真菌剤と、を含む、混合物。
[2] 前記ステロール生合成阻害剤が、テブコナゾール、プロチオコナゾール、ジフェノ
コナゾール、エポキシコナゾール、およびメフェントリフルコナゾールからなる群から選
択される、[1]に記載の混合物。
[3] 式Iの前記化合物対テブコナゾールの濃度比が、約2:1~約1:4である、[2]
に記載の混合物。
[4] 式Iの前記化合物対プロチオコナゾールの濃度比が、約1:6.4~約1:52で
ある、[2]に記載の混合物。
[5] 式Iの前記化合物対ジフェノコナゾールの濃度比が、約2:1~約1:2である、
[2]に記載の混合物。
[6] 式Iの前記化合物対エポキシコナゾールの濃度比が、約4:1~約1:2である、
[2]に記載の混合物。
[7] 式Iの前記化合物対メフェントリフルコナゾールの濃度比が、約4:1~約1:2
である、[2]に記載の混合物。
[8] 前記呼吸阻害剤が、ベンゾビンジフルピル、ペンチオピラド、フルキサピロキサド
、ビキサフェン、およびフルオピラムからなる群から選択される、[1]に記載の混合物。
[9] 式Iの前記化合物対ベンゾビンジフルピルの濃度比が、約1:1.2~約1:5で
ある、[8]に記載の混合物。
[10] 式Iの前記化合物対ペンチオピラドの濃度比が、約1:10~約1:160であ
る、[8]に記載の混合物。
[11] 式Iの前記化合物対フルキサピロキサドの濃度比が、約1:2.5~約1:40
である、[8]に記載の混合物。
[12] 式Iの前記化合物対ビキサフェンの濃度比が、約1:2.5~約1:10である
、[8]に記載の混合物。
[13] 式Iの前記化合物対フルオピラムの濃度比が、約1:1~約1:32である、[
8]に記載の混合物。
[14] 前記呼吸阻害剤が、ピコキシストロビン、アゾキシストロビン、およびピラクロ
ストロビンからなる群から選択される、[1]に記載の混合物。
[15] 式Iの前記化合物対ピコキシストロビンの濃度比が、約1:5~約1:80であ
る、[14]に記載の混合物。
[16] 式Iの前記化合物対アゾキシストロビンの濃度比が、約2.5:1~約1:4で
ある、[14]に記載の混合物。
[17] 式Iの前記化合物対ピラクロストロビンの濃度比が、約7:1~約1:4である
、[14]に記載の混合物。
[18] 前記多部位阻害剤が、クロロタロニルおよびマンコゼブからなる群から選択され
る、[1]に記載の混合物。
[19] 式Iの前記化合物対クロロタロニルの濃度比が、約1:325~約1:2,60
0である、[18]に記載の混合物。
[20] 式Iの前記化合物対マンコゼブの濃度比が、約1:325~約1:3,200で
ある、[18]に記載の混合物。
[21] 前記混合物が、真菌病原体の制御を提供し、前記病原体が、コムギ葉枯病の病因
(Zymoseptoria tritici)である、[1]~[20]に記載の混合物。
[22] 殺真菌有効量の、[1]~[20]に記載の前記混合物と、農業的に許容される担体
と、を含む、相乗的な殺真菌性組成物。
[23] 真菌病原体の制御および予防のために植物を処理する方法であって、[1]~[2
0]に記載の前記混合物が、前記植物、前記植物の葉、植物種子、および前記植物に隣接
する領域のうちの1つに散布される、方法。

以下の実施例は、例示のために提供されており、本開示に対する制限と解釈されるべき
ではない。
【実施例0069】
コムギ葉枯病(Zymoseptoria tritici、Bayerコード:SE
PTTR)に対する殺真菌剤混合物の治療および保護活性の評価
【0070】
コムギ植物(変種Yuma)を、温室において、50%の鉱質土壌/50%の無土壌M
etro混合物を含有する、27.5平方センチメートル(cm)の表面積を有するプ
ラスチックポット内で、1ポットあたり8~12個の実生で、種子から成長させた。第一
葉が完全に出現した時(これは典型的には、定植後7~8日を要した)、植物を試験に用
いた。
【0071】
処理は、個々に、または式Iの化合物との二元混合物として用いて、殺真菌化合物であ
るジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、メフェントリフルコ
ナゾール、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ペンチオピ
ラド、フルキサピロキサド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルオピラム、マン
コゼブ、およびクロロタロニルからなった。
【0072】
化合物は、アセトン中で配合した技術等級の材料として試験し、噴霧溶液は、10%の
アセトンおよび100ppmのTriton X-100を含有した。殺真菌剤溶液を、
自動化ブース噴霧機を使用して植物に散布し、この噴霧機は、葉表面の両方を網羅するよ
うに対向角度に設定した、1平方インチあたり20ポンド(psi)で作動する6218
-1/4 JAUPM噴霧ノズルを利用した。噴霧した全ての植物を、さらなる取り扱い
前に空気乾燥させた。対照植物を、ブランク溶媒を用いて、同じ様式で噴霧した。
【0073】
殺真菌処理の3日前(3日間の治療試験)または1日後(1日間の保護試験)、試験植
物に、Zymoseptoria triticiの水性胞子懸濁液を接種した。接種後
、植物を100%の相対湿度(暗い露室内に1日間置いた後、照明付き霧室内に2日間置
いた)に維持して、胞子を発芽させ、葉に感染させた。その後、植物を温室に移動させて
、病害を発生させた。未処理の植物に病害が完全に発生した時、実生の第一葉の病害重症
度を評価し、未処理の植物と比較した、SEPTTR感染がない葉の面積のパーセントに
よって活性を表した。
【0074】
Colby方程式を使用して、混合物から予測される殺真菌効果を決定した。(Col
by,S.R.Calculation of the synergistic an
d antagonistic response of herbicide com
binations.Weeds1967,15,20-22を参照されたい。)
【0075】
以下の方程式を使用して、2つの活性成分のAおよびBを含有する混合物の予測活性を
算出した。

予測値=A+B-(A×B/100)
A=混合物中で使用したものと同じ濃度での活性成分Aの有効性の観察値であり、
B=混合物中で使用したものと同じ濃度での活性成分Bの有効性の観察値である。
【0076】
化合物Iと他の殺真菌剤との相乗的な相互作用が、SEPTTR(表1~7)に対する
治療および/または保護アッセイにおいて検出された。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】