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特開2023-78346ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078346
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
G01R19/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023044954
(22)【出願日】2023-03-22
(62)【分割の表示】P 2021505855の分割
【原出願日】2018-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンスフィールド, ウィリアム エム.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子機器のガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器(100)は、入力電圧源(110)によって供給される1次電流(Ip)を伝導し、1次電流(Ip)によって誘導される1次電圧(Vp)に比例する2次電圧(Vs)を供給するように構成された絶縁変圧器(120)を備えている。電子機器(100)はまた、絶縁変圧器(120)に結合されたピーク検出回路(130)であって、2次電圧(Vs)を受け取り、2次電圧(Vs)に基づいて、1次電圧(Vp)に比例する信号を供給するように構成されているピーク検出回路(130)を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器(100)のガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器(100)であって、
入力電圧源(110)によって供給される1次電流(Ip)を伝導し、前記1次電流(Ip)によって誘導される1次電圧(Vp)に比例する2次電圧(Vs)を供給するように構成された絶縁変圧器(120)と、
前記絶縁変圧器(120)に結合されたピーク検出回路(130)であって、2次電圧(Vs)を受け取り、前記2次電圧(Vs)に基づいて、前記1次電圧(Vp)に比例する信号を供給するように構成されているピーク検出回路(130)と、
を備える、電子機器(100)。
【請求項2】
前記絶縁変圧器(120)に結合された整流回路(140)であって、前記2次電圧(Vs)を受け取り、前記2次電圧(Vs)が負の値にあるときのコンデンサー電圧と前記2次電圧(Vs)が正の値にあるときの前記2次電圧(Vs)とを抵抗(L)に供給するように構成されている整流回路(140)をさらに備える、請求項1に記載の電子機器(100)。
【請求項3】
前記整流回路(140)が、
前記絶縁変圧器(120)と電気的に直列接続された整流ダイオード(D1)であって、前記2次電圧(Vs)が正の値であるときに、前記絶縁変圧器(120)によって供給される2次電流(Is)を伝導することによって、前記2次電圧(Vs)を抵抗(L)に供給するように構成されている整流ダイオード(D1)と、
前記絶縁変圧器(120)と電気的に並列接続された出力コンデンサー(Cout)であって、前記整流ダイオード(D1)が前記2次電流(Is)を伝導するときに、前記2次電圧(Vs)を受け取るように構成されている出力コンデンサー(Cout)と
から構成されている、請求項2に記載の電子機器(100)。
【請求項4】
前記整流ダイオード(D1)が、前記2次電圧(Vs)が負の値にあるときの電流フローを妨げるようにさらに構成されている、請求項3に記載の電子機器(100)。
【請求項5】
前記ピーク検出回路(130)が、前記2次電圧(Vs)が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、前記2次電圧(Vs)の前記第1電圧値を保持するようにさらに構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子機器(100)。
【請求項6】
前記ピーク検出回路(130)が、ピーク保持コンデンサー(C1)と電気的に直列接続されたピーク検出ダイオード(D2)から構成され、前記ピーク検出回路(130)が、前記絶縁変圧器(120)と電気的に並列接続されている、請求項5に記載の電子機器(100)。
【請求項7】
前記ピーク保持コンデンサー(C1)が、前記2次電圧(Vs)が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、前記2次電圧(Vs)の第1電圧値を保持するように構成されており、
前記ピーク検出ダイオード(D2)が、前記2次電圧(Vs)の前記第2電圧値が前記第1電圧値よりも小さいときに、電流を伝導するように構成されている、請求項6に記載の電子機器(100)。
【請求項8】
前記2次電圧(Vs)が、前記絶縁変圧器(120)の2次の1次に対する巻数比(Ns/Np)だけ1次電圧(Vp)に比例している、請求項1から7のいずれか一項に記載の電子機器(100)。
【請求項9】
ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定方法であって、
絶縁変圧器を介して入力電圧源によって供給される1次電流を伝導するステップと、
1次電流によって誘導される1次電圧に比例する2次電圧を前記絶縁変圧器で供給するステップと、
前記2次電圧をピーク検出回路で受け取るステップと、
前記2次電圧に基づいて、前記1次電圧に比例する信号を前記ピーク検出回路で供給するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記2次電圧を整流回路で受け取るステップと、前記2次電圧が負の値であるときのコンデンサー電圧と前記2次電圧が正の値であるときの前記2次電圧とを前記整流回路で抵抗に供給するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記2次電圧が正の値であるときのコンデンサー電圧を前記整流回路で抵抗に供給するステップが、
前記絶縁変圧器によって供給される2次電流を前記絶縁変圧器と電気的に直列に接続された前記整流回路の整流ダイオードで伝導することによって供給するステップと、
前記整流ダイオードが前記2次電流を伝導しているときの前記2次電圧を前記絶縁変圧器と電気的に並列接続された出力コンデンサーで受け取るステップと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記2次電圧が負の値にあるときに、電流フローを前記整流ダイオードで妨げるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記2次電圧が前記第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、前記2次電圧の前記第1電圧値を前記ピーク検出回路で保持するステップをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ピーク検出ダイオードとピーク保持コンデンサーとを提供するステップと、前記ピーク検出ダイオードと前記ピーク保持コンデンサーとを直列に接続して前記ピーク検出回路を構成するステップとをさらに含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記2次電圧が前記第1電圧値よりも大きい前記第2電圧値にあるときに、前記第1電圧値を前記ピーク保持コンデンサーで保持するステップと、前記第2電圧値が前記第1電圧値よりも小さいときに電流を伝導するように前記ピーク検出ダイオードを構成するステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記2次電圧が、前記絶縁変圧器の2次の1次に対する巻数比だけ前記1次電圧に比例している、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載の実施形態は、ガルバニック絶縁点を含む電子機器、より具体的には、ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用制御製品では、限られた計算および/または電力資源を利用すると同時に潜在的に危険で電気的にノイズの多い環境で通信を行う必要がある。産業用制御製品が使用されている潜在的に危険なおよび/または電気的にノイズの多い環境のため、多くの製品には、入力/出力(I/O)チャネル間の電気絶縁、センサー接続および/または処理機能が含まれる。危険でない設置では、I/Oチャネルが異なるシステムを対象にする可能性があるため、この絶縁は、可能な接地ループおよびノイズ源を排除するために提供される。危険な場所への設置では、承認基準を満たすために絶縁が必要になる場合がある。
【0003】
変圧器を使用して入力電圧と出力電圧を電気的に絶縁することができる。変圧器は、フライバックコンバーターなどのDC/DCコンバーターの部品であり得る。図1は、例示的なフライバックコンバーター10を示している。図1に示されるように、フライバックコンバーター10は、入力電圧源11と絶縁変圧器12とを含む。絶縁変圧器12は、入力電圧源11に結合され、入力電圧源11によって供給される入力電圧Vinを受け取るように構成されている。絶縁変圧器12は、整流回路13にも結合されている。整流回路13は、整流ダイオードD1と出力コンデンサーCoutとから構成されている。スイッチ15は、絶縁変圧器12に結合され、電流が入力電圧源11から絶縁変圧器12を通って流れることを可能にするように構成されている。
【0004】
絶縁変圧器12は、ガルバニック絶縁点として機能する。すなわち、フライバックコンバーター10によって供給される出力電圧は、ガルバニック絶縁点がない場合に起こり得る入力セクションと出力セクションとの間の電流フローによって誘導され得るノイズ、過渡現象、高電圧などを含まない可能性がある。フライバックコンバーター10は、入力電圧Vinが仕様内にあることを保証するために入力電圧Vinを測定する必要がある電子機器(例えば、電子装置)に含まれ得る。例えば、ループ受電機器では、電力は、測定変換器と付随信号処理回路とを含む電子機器の2次側またはガルバニック絶縁側で消費される場合がある。電力は、デバイスの入力側または1次側に結合されたループによって供給される必要があり、これは、測定変換器と付随信号処理回路には不十分な場合がある。
【0005】
電子機器はまた、電子機器の2次側またはガルバニック絶縁側の回路を使用して、入力電圧Vinを測定する必要がある場合がある。しかし、入力電圧Vinの測定値を送信するために追加のガルバニック絶縁点(例えば、追加の変圧器)を追加するには、追加の基板面積が必要である。さらに、既存の電子設計を変更して、既存のガルバニック絶縁点を利用できる場合に回避できる追加のガルバニック絶縁点を組み込むには、かなりのコストがかかる可能性がある。したがって、追加のガルバニック絶縁点を必要とせずに、ガルバニック絶縁点への入力電圧を測定する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
電子機器のガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器が提供される。一実施形態によれば、電子機器は、入力電圧源によって供給される1次電流を伝導し、1次電流によって誘導される1次電圧に比例する2次電圧を供給するように構成された絶縁変圧器を備えている。電子機器はまた、絶縁変圧器に結合されたピーク検出回路であって、2次電圧を受け取り、2次電圧に基づいて、1次電圧に比例する信号を供給
するように構成されているピーク検出回路を備えている。
【0007】
ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定方法が提供される。一実施形態によれば、本方法は、絶縁変圧器を介して入力電圧源によって供給される1次電流を伝導するステップと、1次電流によって誘導される1次電圧に比例する2次電圧を絶縁変圧器で供給するステップと、2次電圧をピーク検出回路で受け取るステップと、2次電圧に基づいて、1次電圧に比例する信号をピーク検出回路で供給するステップとを含む。
[態様]
一態様によれば、電子機器(100)のガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器(100)は、入力電圧源(110)によって供給される1次電流(Ip)を伝導し、1次電流(Ip)によって誘導される1次電圧(Vp)に比例する2次電圧(Vs)を供給するように構成された絶縁変圧器(120)を備えている。電子機器(100)はまた、絶縁変圧器(120)に結合されたピーク検出回路(130)であって、2次電圧(Vs)を受け取り、2次電圧(Vs)に基づいて、1次電圧(Vp)に比例する信号を供給するように構成されているピーク検出回路(130)を備えている。
【0008】
好ましくは、電子機器(100)は、絶縁変圧器(120)に結合された整流回路(140)であって、2次電圧(Vs)を受け取り、2次電圧(Vs)が負の値にあるときのコンデンサー電圧と2次電圧(Vs)が正の値にあるときの2次電圧(Vs)とを抵抗(L)に供給するように構成されている整流回路(140)をさらに備えている。
【0009】
好ましくは、整流回路(140)は、絶縁変圧器(120)と電気的に直列接続された整流ダイオード(D1)であって、2次電圧(Vs)が正の値であるときに、絶縁変圧器(120)によって供給される2次電流(Is)を伝導することによって、2次電圧(Vs)を抵抗(L)に供給するように構成されている整流ダイオード(D1)を備えている。整流回路(140)はまた、絶縁変圧器(120)と電気的に並列接続された出力コンデンサー(Cout)であって、整流ダイオード(D1)が2次電流(Is)を伝導するときに、2次電圧(Vs)を受け取るように構成されている出力コンデンサー(Cout)を備えている。
【0010】
好ましくは、整流ダイオード(D1)は、2次電圧(Vs)が負の値にあるときの電流フローを妨げるようにさらに構成されている。
【0011】
好ましくは、ピーク検出回路(130)は、2次電圧(Vs)が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、2次電圧(Vs)の第1電圧値を保持するようにさらに構成されている。
【0012】
好ましくは、ピーク検出回路(130)は、ピーク保持コンデンサー(C1)と電気的に直列接続されたピーク検出ダイオード(D2)から構成され、ピーク検出回路(130)は、絶縁変圧器(120)と電気的に並列接続されている。
【0013】
好ましくは、ピーク保持コンデンサー(C1)は、2次電圧(Vs)が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、2次電圧(Vs)の第1電圧値を保持するように構成されており、ピーク検出ダイオード(D2)は、2次電圧(Vs)の第2電圧値が第1電圧値よりも小さいときに、電流を伝導するように構成されている。
【0014】
好ましくは、2次電圧(Vs)は、絶縁変圧器(120)の2次の1次に対する巻数比(Ns/Np)だけ1次電圧(Vp)に比例している。
【0015】
ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定方法は、絶縁変圧器を介して入力電圧源によって供給される1次電流を伝導するステップと、1次電流によって誘導される1次電圧に比例する2次電圧を絶縁変圧器で供給するステップと、2次電圧をピーク検出回路で受け取るステップと、2次電圧に基づいて、1次電圧に比例する信号をピーク検出回路で供給するステップと、を含む。
【0016】
好ましくは、本方法は、2次電圧を整流回路で受け取るステップと、2次電圧が負の値であるときのコンデンサー電圧と2次電圧が正の値であるときの2次電圧とを整流回路で抵抗に供給するステップと、をさらに含む。
【0017】
好ましくは、2次電圧が正の値であるときのコンデンサー電圧を整流回路で抵抗に供給するステップは、絶縁変圧器によって供給される2次電流を絶縁変圧器と電気的に直列接続された整流回路の整流ダイオードで伝導することによって供給するステップと、整流ダイオードが2次電流を伝導しているときの2次電圧を絶縁変圧器と電気的に並列接続された出力コンデンサーで受け取るステップと、を含む。
【0018】
好ましくは、本方法は、2次電圧が負の値にあるときに、電流フローを整流ダイオードで妨げるステップをさらに含む。
【0019】
好ましくは、本方法は、2次電圧が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、2次電圧の第1電圧値をピーク検出回路で保持するステップをさらに含む。
【0020】
好ましくは、本方法は、ピーク検出ダイオードとピーク保持コンデンサーとを提供するステップと、ピーク検出ダイオードとピーク保持コンデンサーとを直列に接続してピーク検出回路を構成するステップとをさらに含む。
【0021】
好ましくは、本方法は、2次電圧が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、第1電圧値をピーク保持コンデンサーで保持するステップと、第2電圧値が第1電圧値よりも小さいときに、電流を伝導するようにピーク検出ダイオードを構成するステップと、をさらに含む。
【0022】
好ましくは、2次電圧は、絶縁変圧器の2次の1次に対する巻数比だけ1次電圧に比例している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
同じ参照番号は、すべての図面で同じ要素を表す。図面は必ずしも原寸に比例していないことを理解されたい。
図1】例示的なフライバックコンバーター10を示す図である。
図2】ガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器100を示す図である。
図3】電子機器のガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器の種々の電気値と電気状態を図示しているグラフ300を示す図である。
図4】ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定方法400を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2から図4および以下の説明は、ガルバニック絶縁点への入力を測定することができる電子機器および方法の実施形態の最良の形態を作成および使用する方法を当業者に教示するための具体例を示している。発明の原理を教示する目的で、いくつかの従来の態様は単純化または省略されている。当業者は、本明細書の範囲内に入るこれらの例からの変形を理解するであろう。当業者は、以下に記載の特徴を種々組み合わせて、ガルバニック絶
縁点への入力を測定することができる電子機器および方法を形成できることを理解するであろう。その結果、以下に記載の実施形態は、以下に記載の具体例に限定されず、特許請求の範囲およびそれらの同等物によってのみ限定される。
【0025】
図2は、ガルバニック絶縁点を含む電子機器100を示している。図2に示されるように、電子機器100は、絶縁変圧器120に結合された入力電圧源110を含む。絶縁変圧器120は、電子機器100のガルバニック絶縁点である。ピーク検出回路130は、絶縁変圧器120に結合されている。スイッチ115は、絶縁変圧器120に結合され、スイッチ制御信号SW_Cntlに基づいて電流を選択的に伝導するように構成されている。また、絶縁変圧器120に結合された整流回路140が示されている。電子機器100の形態はフライバックコンバーターであるが、ピーク検出回路130と整流回路140は、フライバック(flybuck)コンバーターなどの他の形態で使用してもよい。
【0026】
入力電圧源110は、入力電圧Vinを供給する。入力電圧源110は、絶縁変圧器120に直流(DC)電圧などの定電圧を供給してもよい。入力電圧源110は、ガルバニック絶縁点の非絶縁側にあってもよい。その結果、入力電圧Vinは、ノイズ、過渡現象、高電圧などを含む可能性がある。入力電圧源110は、2線式バス、外部電源、バッテリーまたは電子機器100内の電源などの任意の適切な電源であり得る。入力電圧源110は、第1の入力電圧源端子110aと第2の入力電圧源端子110bとを有する。
【0027】
スイッチ115は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)から構成されているものとして示されているが、任意の適切なスイッチを使用してもよい。示されているように、MOSFETは、ゲートG端子、ドレインD端子およびソースS端子を含む。スイッチ115は、第2の入力電圧源端子110bに接続されている。スイッチ115は、スイッチ制御信号SW_Cntlを受け取るように構成されている。スイッチ115が、図2に示されたMOSFETから構成されている場合に、ソースSは、第2の入力電圧源端子110bに電気的に接続され、ゲートGは、スイッチ制御信号を受け取る。
【0028】
絶縁変圧器120は、1次コイル122と2次コイル124とを含む。絶縁変圧器120は、任意の適切な構成であってもよく、必ずしも変圧器に限定されない。例えば、絶縁変圧器120は、結合インダクターから構成することができる。示されるように、1次コイル122は、第1の1次端子122aと第2の1次端子122bとを有するインダクターから構成されている。第1の1次端子122aは、入力電圧源110の第1の入力電圧源端子110aに電気的に接続されている。第2の1次端子122bは、第2の入力電圧源端子110bとスイッチ115に電気的に接続されている。
【0029】
示されるように、1次コイル122は1次電圧Vpを有するものとして示され、2次コイル124は2次電圧Vsを有するものとして示されている。1次コイル122はNp巻数を有するものとして示され、2次コイル124はNs巻数を有するものとして示されている。したがって、1次電圧Vpは、絶縁変圧器120の2次の1次に対する巻数比(Ns/Np)だけ2次電圧Vsに比例し得る。しかし、任意の適切な関係を使用してもよい。
【0030】
絶縁変圧器120は、入力電圧源110によって供給される1次電流Ipを伝導することができる。すなわち、入力電圧源110は、入力電圧Vinを絶縁変圧器120に供給することができ、スイッチ115は、第1の入力電圧源端子110aと第2の入力電圧源端子110bとの間の回路を選択的に閉じることができる。その結果、1次電圧Vpは、入力電圧Vinに等しく、それによって絶縁変圧器120に1次電流Ipを伝導させる。誘導結合により、1次電流Ipは、2次コイル124に2次電圧Vsを誘導することができる。2次電圧Vsは、ピーク検出回路130に供給することができる。
【0031】
ピーク検出回路130は、2次電圧Vsを受け取るように構成されている。図2に示されるように、ピーク検出回路130は、第1の電圧測定端子130aと第2の電圧測定端子130bとを含む。第1の電圧測定端子130aは、第1の2次端子に電気的に接続され、第2の電圧測定端子130bは、第2の2次端子に電気的に接続されている。したがって、2次電圧Vsは、ピーク検出回路130の第1および第2の電圧測定端子130a、130bに印加される。
【0032】
ピーク検出回路130はまた、信号端子130cを介して信号Vin_senseを供給するように構成することができる。信号は、1次電圧Vpに比例し得る。図2に示されるように、例えば、信号Vin_senseは、2次電圧Vsを保持するピーク検出回路130により、1次電圧Vpに比例している。例えば、ピーク検出回路130によって供給される信号Vin_senseは、2次電圧Vsの電圧値であり得る。2次電圧Vsの電圧値は、絶縁変圧器120の2次の1次に対する巻数比だけ1次電圧Vpに比例し得る。
【0033】
図2に示されるように、ピーク検出回路130は、ピーク保持コンデンサーC1と直列のピーク検出ダイオードD2から構成されている。ピーク検出ダイオードD2は、信号端子130cでピーク保持コンデンサーC1に電気的に接続されている。ピーク検出ダイオードD2は、電流がピーク保持コンデンサーC1から第1の電圧測定端子130aに伝導することを可能にするように構成されている。ピーク検出ダイオードD2はまた、電流が第1の電圧測定端子130aからピーク保持コンデンサーC1に伝導するのを妨げるように構成されている。
【0034】
その結果、第1の電圧測定端子130aが負の端子であり、第2の電圧測定端子130bが正の端子である場合に、2次電圧Vsが負であるときに、ピーク検出ダイオードD2は、電流がピーク保持コンデンサーC1から第1の電圧測定端子130aに流れることを可能にすることができる。これによって、ピーク保持コンデンサーC1を2次電圧Vsの電圧値まで充電することができ得る。
【0035】
第1の電圧測定端子130aが正の端子であり、第2の電圧測定端子130bが負の端子である場合に、2次電圧Vsが正であるときに、ピーク検出ダイオードD2は、第1の電圧測定端子130aからピーク保持コンデンサーC1への電流フローを妨げる。これは、ピーク保持コンデンサーC1が2次電圧Vsの電圧値を保持することを可能にする。すなわち、ピーク保持コンデンサーC1は放電されない。したがって、信号Vin_senseは引き続き供給される。
【0036】
上記のように、電子機器100の形態は、フライバックコンバーターであり得るが、ピーク検出回路130および/または整流回路140は、フライバック(flybuck)コンバーターなどの他の形態で使用してもよい。フライバック(flybuck)コンバーターでは、「バック」巻線の出力電圧を、ピーク検出回路によって供給される信号から差し引いて、入力電圧を導出する必要がある場合がある。ピーク検出回路130は、入力電圧が絶縁変圧器の出力側巻線で識別可能な振幅を有する任意の形態で使用してもよい。
【0037】
整流回路140は、例えば、実質的に一定のDC値であり得る出力電圧Voutを供給するように構成されている。図2に示されるように、整流回路140は、絶縁変圧器120から2次電圧Vsを受け取り、出力電圧Voutを供給することができる。上記および図3を参照して以下により詳細に説明されるように、2次電圧Vsは、負の電圧値または正の電圧値を有し得る。2次電圧Vsが正の電圧値を有する場合に、整流回路140は、2次電圧Vsを出力電圧Voutとして供給することができる。2次電圧Vsが負の電圧
値を有する場合に、整流回路140は、2次電圧Vsを受け取らないかもしれないが、それにもかかわらず出力電圧Voutを供給することができる。出力電圧Voutは、抵抗Lに供給される。
【0038】
図2に示されるように、整流回路140は、整流ダイオードD1と出力コンデンサーCoutとから構成されている。整流ダイオードD1も出力コンデンサーCoutに電気的に接続されている。整流ダイオードD1は、第1の電圧測定端子130aから出力コンデンサーCoutに電流を伝導するように構成されている。出力コンデンサーCoutは、第1の出力端子Cout1と第2の出力端子Cout2とを有する。第1の出力端子Cout1は、整流ダイオードD1に電気的に接続されている。第2の出力端子Cout2は、第2の電圧測定端子130bに電気的に接続されている。第1の出力端子Cout1と第2の出力端子Cout2との電圧差が出力電圧Voutとして示されている。
【0039】
整流ダイオードD1は、第1の出力端子Cout1から第1の電圧測定端子130aへの電流フローを妨げることができる。したがって、2次電圧Vsが第1の出力端子Cout1の電圧値よりも低い電圧値を有する場合に、整流ダイオードD1は、出力コンデンサーCoutから絶縁変圧器120への電流フローを妨げることができる。整流ダイオードD1はまた、第1の電圧測定端子130aから第1の出力端子Cout1への電流フローが、例えば、出力コンデンサーCoutを充電することを可能にすることができる。すなわち、2次電圧Vsが第1の出力端子Cout1の電圧値よりも大きい電圧値を有する場合に、整流ダイオードD1は、第1の出力端子Cout1への電流フローを可能にすることができる。
【0040】
その結果、出力電圧Voutは、整流ダイオードD1に第1の出力端子Cout1への電流フローを可能にさせる2次電圧Vsの電圧値にほぼ等しい電圧値で実質的に一定であり得る。ピーク検出回路130が入力電圧Vinに比例する信号を信号端子130cに供給しているとしても、出力電圧Voutは実質的に一定のままである。すなわち、電子機器の種々の電気値と電気状態によって、ピーク検出回路130は、入力電圧源110からも絶縁されると同時に入力電圧Vinを測定することができる。電子機器の電気値と電気状態は、図3を参照して以下に詳細に記載されている。
【0041】
図3は、電子機器のガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器の種々の電気値と電気状態を図示しているグラフ300を示している。図3に示されるように、グラフ300は、第1から第5の時間軸310aから310eと状態/値軸320とを含む。第1から第5の時間軸310aから310eは、秒単位であるが、任意の適切な単位を使用してもよい。状態/値軸320は、第1から第5の時間軸310aから310eのどれが参照されているかに応じて、ボルト、アンペア、またはビットの状態の単位である。図3に示されるように、グラフ300は、スイッチ制御プロット330a、1次電圧Vpプロット330b、2次電圧Vsプロット330c、1次電流Ipプロット330dおよび2次電流Isプロット330eを含む。
【0042】
スイッチ制御プロット330aは、「オン」または「オフ」状態から構成されているものとして示されている。スイッチ制御プロット330aは、図2を参照して説明するスイッチ115に供給されるスイッチ制御信号を表すことができる。理解できるように、スイッチ制御プロット330aは、周期的に「オン」状態と「オフ」状態とを交互に繰り返す。スイッチ制御プロット330aの周波数は、例えば、100kHzから200kHzであり得るが、任意の適切な周波数を使用してもよい。図2に示されるスイッチ115または1次電流Ipを制御する任意の適切な期間または他の方法を使用してもよい。
【0043】
1次電圧Vpプロット330bは、第1電圧値330baと第2電圧値330bbとか
ら構成されているものとして示されている。第1電圧値330baは、図2に示される入力電圧源110によって供給され得る入力電圧Vinに等しいものとして示されている。理解できるように、例えば、入力電圧源と絶縁変圧器との間に追加の部品がある場合に、代替の第1電圧値を使用することができる。
【0044】
2次電圧Vsプロット330cは、第1電圧値330caと第2電圧値330cbとから構成されているものとして示されている。第1電圧値330caは、-Vin(Ns/Np)に等しいものとして示されている。すなわち、第1電圧値330caは、入力電圧Vinに-Ns/Npだけ比例しているが、複数の巻線変圧器、センタータップ変圧器に関連する巻数比、結合インダクターに関連する比など、任意の適切な関係を使用してもよい。第2電圧値330cbは、出力電圧Voutに等しいものとして示されている。すなわち、第2電圧値330cbは、図2を例として使用すると、出力コンデンサーCoutへの電流フローを可能にする整流ダイオードD1による出力電圧Voutである。
【0045】
1次電流Ipプロット330dは、第1電流値330daと第2電流値330dbとから構成されているものとして示されている。第1電流値330daは、正で増加している値を有するものとして示されている。第2電流値330dbはゼロとして示されている。第1電流値330daは、例えば、スイッチ115が閉じられ、それによって入力電圧源110への回路を閉じるため、正であり得る。これによって、1次電流Ipが絶縁変圧器120を通って流れることができる。スイッチ115が開いているため、第2電流値330dbはゼロであり得、それによって入力電圧源110からの電流フローが妨げられる。
【0046】
2次電流Isプロット330eは、第1電流値330eaと第2電流値330ebとから構成されているものとして示されている。第1電流値330eaはゼロとして示されている。第2電流値330ebは、正で減少している値を有するものとして示されている。第1電流値330eaは、整流ダイオードD1が第1の出力端子Cout1から絶縁変圧器120への電流フローを妨げるため、ゼロであり得る。第2電流値330ebは、整流ダイオードD1が絶縁変圧器120から第1の出力端子Cout1への電流フローを可能にするため、正であり得る。
【0047】
ピーク検出回路130を参照すると、ピーク検出ダイオードD2は、2次電圧Vsが信号端子130cの電圧値よりも低い電圧値にあるときのピーク保持コンデンサーC1からの電流フローを可能にする。すなわち、ピーク検出ダイオードD2が順方向にバイアスされている場合に、電流は、第1の電圧測定端子130aに流れることができる。その結果、信号端子130cの電圧値は、2次電圧Vsの電圧値に等しくなり得る。
【0048】
2次電圧Vsが信号端子130cの電圧値よりも大きい値を有する場合に、ピーク検出ダイオードD2は、第1の電圧測定端子130aから信号端子130cへの電流フローを妨げることができる。すなわち、ピーク検出ダイオードD2が逆方向にバイアスされている場合に、電流フローが妨げられ、それによってピーク保持コンデンサーC1が放電されるのを妨げることができる。したがって、ピーク保持コンデンサーC1は、ピーク検出ダイオードD2が順方向にバイアスされている場合に、ピーク保持コンデンサーC1を充電することができる2次電圧Vsの電圧値などの電圧値を保持することができる。
【0049】
したがって、2次電圧Vsプロット330cを考慮すると、ピーク保持ダイオードD2が順方向にバイアスされている場合に、ピーク保持コンデンサーC1は、-Vin(Ns/Np)の電圧値に等しい電圧値を有し得ることを理解することができる。すなわち、1次電圧VpがVinに等しい場合に、スイッチ制御プロット330aが「オン」であるときに、信号端子130cの電圧値は、-Vin(Ns/Np)に等しいVsに等しくなり得る。ピーク保持ダイオードD2が逆方向にバイアスされている場合に、ピーク保持コン
デンサーC1は、-Vin(Ns/Np)の電圧値を維持することも理解することができる。さらに、ピーク保持コンデンサーC1の両端に負荷抵抗が存在する可能性があり(出力コンデンサーCoutの両端の抵抗Lに類似)、これは、ピーク保持コンデンサーC1が、これまでにさらされた最大の負の電圧を無期限に保持できないように、比較的遅い速度でピーク保持コンデンサーC1を放電するための経路を提供する。
【0050】
また理解できるように、入力電圧Vinが時間とともに減少するにつれて、ピーク保持コンデンサーC1の電圧の電圧値の大きさは、それに応じて減少し得る。例として、ピーク保持コンデンサーC1は、第1の「オン」状態の間に-Vin1(Ns/Np)の第1の電圧値まで充電することができる。入力電圧Vinの電圧値が時間とともに減少している場合に、2次電圧Vsは、-Vin1(Ns/Np)の第1電圧値よりもより正であるまたは負が小さい-Vin2(Ns/Np)の第2電圧値にあり得る。したがって、信号端子130cの電圧値は、第2電圧値-Vin2(Ns/Np)にあり得る。
【0051】
したがって、信号端子130cによって供給される信号は、時間とともに入力電圧Vinに比例し得る。これによって、例えば、信号端子130cが入力電圧源110から絶縁されていても、電子機器100は、時間とともに入力電圧Vinを測定することができる。さらに、信号は、個別のガルバニック点ではなく、単一のガルバニック点を使用して供給される。これは、先行技術よりも基板面積要件を減少させる。理解できるように、上記の電子機器100などの電子機器は、信号を供給する方法を実行することができる。例示的な方法が、図4を参照して以下に記載されている。
【0052】
図4は、ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定方法400を示している。図4に示されるように、方法400は、ステップ410では、絶縁変圧器を介して入力電圧源によって供給される1次電流を伝導する。ステップ420では、方法400は、絶縁変圧器に2次電圧を供給する。2次電圧は、1次電流によって誘導される1次電圧に比例し得る。ステップ430では、方法400は、2次電圧をピーク検出回路で受け取る。ステップ440では、方法400は、2次電圧に基づいて、1次電圧に比例する信号をピーク検出回路で供給する。
【0053】
方法400は、2次電圧を整流回路で受け取るステップと、出力電圧または2次電圧を整流回路で抵抗に供給するステップとをさらに含んでもよい。2次電圧が負の値にあるときに、出力電圧を供給してもよく、2次電圧が正の値にあるときに、2次電圧を供給してもよい。2次電圧が正の値であるときのコンデンサー電圧を整流回路で抵抗に供給するステップは、絶縁変圧器によって供給される2次電流を絶縁変圧器と電気的に直列接続された整流回路の整流ダイオードで伝導することによって供給するステップと、整流ダイオードが2次電流を伝導しているときに、絶縁変圧器と電気的に並列接続された出力コンデンサーで2次電圧を受け取るステップとを含んでもよい。
【0054】
方法400はまた、2次電圧が負の値にあるときに、整流ダイオードで電流フローを妨げるステップをさらに含んでもよい。例えば、図3を参照して説明したように、整流ダイオードD1は、第1の出力端子Cout1から第1の電圧測定端子130aへの電流フローを妨げることができる。したがって、2次電圧Vsが第1の出力端子Cout1の電圧値よりも低い電圧値を有する場合に、整流ダイオードD1は、出力コンデンサーCoutから絶縁変圧器120への電流フローを妨げることができる。
【0055】
方法400はまた、2次電圧が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、2次電圧の第1電圧値をピーク検出回路で保持するステップをさらに含んでもよい。例えば、図2を参照して説明したように、第1の電圧測定端子130aが負極であり、第2の電圧測定端子130bが正極である場合に、2次電圧Vsが負であるときに、ピーク検出ダイ
オードD2は、電流がピーク保持コンデンサーC1から第1の電圧測定端子130aに流れることを可能にする。これによって、ピーク保持コンデンサーC1を2次電圧Vsの電圧値まで充電することができ得る。
【0056】
したがって、方法400は、また、ピーク検出ダイオードとピーク保持コンデンサーとを提供するステップと、ピーク検出ダイオードとピーク保持コンデンサーとを直列に接続してピーク検出回路を構成するステップとをさらに含んでもよい。方法400はまた、2次電圧が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、第1電圧値をピーク保持コンデンサーで保持し、第2電圧値が第1電圧値よりも小さいときに、電流を伝導するようにピーク検出ダイオードを構成するステップをさらに含んでもよい。2次電圧は、絶縁変圧器の2次の1次に対する巻数比だけ1次電圧に比例し得る。
【0057】
上記は、ガルバニック絶縁点への入力電圧Vinを測定することができる電子機器100および方法400を説明している。上記のように、ピーク検出回路130は、2次電圧Vsが入力電圧Vinに比例している場合に、2次電圧Vsまで充電し、保持することができる。したがって、ピーク検出回路130は、入力電圧Vinに比例する信号を供給することができる。
【0058】
ピーク検出回路130が2次コイル124に結合され、入力電圧源110が1次コイル122に結合されているため、ピーク検出回路130は絶縁されている。ピーク検出回路130はまた、出力電圧Voutを供給するために使用されるガルバニック絶縁点に加えて、追加のガルバニック絶縁点を使用せずに絶縁されている。
【0059】
この技術的解決策は、単一のガルバニック絶縁点を使用すると同時にガルバニック絶縁点への入力電圧Vinを測定するという技術的問題を解決し、これは、入力電圧Vinを測定するために必要な基板面積を減少させることができる。この技術的解決策はまた、出力電圧Voutを供給する2次コイル124にノイズ、過渡現象、高電圧などを結合せずに入力電圧Vinを測定するという技術的問題を解決する。したがって、出力電圧Voutは、入力電圧Vinに存在し得るノイズ、過渡現象、高電圧などを含まずに供給することができる。
【0060】
上記の実施形態の詳細な説明は、本発明者が本明細書の範囲内にあると考えるすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、当業者は、上記の実施形態の特定の要素を種々組み合わせてまたは省略して、さらなる実施形態を作成することができ、このようなさらなる実施形態は、本明細書の範囲および教示の範囲に入ることを認識するであろう。上記の実施形態を全体的または部分的に組み合わせて、本明細書の範囲および教示の範囲内で追加の実施形態を作成することができることも当業者には明らかであろう。
【0061】
したがって、特定の実施形態が例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本明細書の範囲内で種々の同等の修正が可能である。本明細書で提供される教示は、上記の実施形態および添付の図に示される実施形態だけでなく、ガルバニック絶縁点への入力電圧を測定する他の電子機器および方法に適用することができる。したがって、上記の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器(100)のガルバニック絶縁点への入力電圧を測定するように構成された電子機器(100)であって、
入力電圧源(110)によって供給される1次電流(Ip)を伝導し、前記1次電流(Ip)によって誘導される1次電圧(Vp)に比例する2次電圧(Vs)を供給するように構成された絶縁変圧器(120)と、
前記絶縁変圧器(120)に電気的に結合された整流回路(140)であって、前記絶縁変圧器(120)と電気的に直列接続された整流ダイオード(D1)を備える、整流回路(140)と、
前記絶縁変圧器(120)及び前記整流回路(140)に結合されたピーク検出回路(130)であって、前記絶縁変圧器(120)によって供給された前記2次電圧(Vs)を受け取り、前記2次電圧(Vs)に基づいて、前記1次電圧(Vp)に比例する信号を供給するように構成されているピーク検出回路(130)と、
を備え
前記整流ダイオード(D1)が、前記2次電圧(Vs)が負の値にあるときの電流フローを妨げるように構成されている、電子機器(100)。
【請求項2】
前記整流回路(140)が、前記2次電圧(Vs)を受け取り、前記2次電圧(Vs)が負の値にあるときのコンデンサー電圧と前記2次電圧(Vs)が正の値にあるときの前記2次電圧(Vs)とを抵抗(L)に供給するように構成されている、請求項1に記載の電子機器(100)。
【請求項3】
前記整流回路(140)が、
前記絶縁変圧器(120)と電気的に直列接続された前記整流ダイオード(D1)であって、前記2次電圧(Vs)が正の値であるときに、前記絶縁変圧器(120)によって供給される2次電流(Is)を伝導することによって、前記2次電圧(Vs)を抵抗(L)に供給するように構成されている前記整流ダイオード(D1)と、
前記絶縁変圧器(120)と電気的に並列接続された出力コンデンサー(Cout)であって、前記整流ダイオード(D1)が前記2次電流(Is)を伝導するときに、前記2次電圧(Vs)を受け取るように構成されている出力コンデンサー(Cout)と
から構成されている、請求項2に記載の電子機器(100)。
【請求項4】
前記ピーク検出回路(130)が、前記2次電圧(Vs)が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、前記2次電圧(Vs)の前記第1電圧値を保持するようにさらに構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器(100)。
【請求項5】
前記ピーク検出回路(130)が、ピーク保持コンデンサー(C1)と電気的に直列接続されたピーク検出ダイオード(D2)から構成され、前記ピーク検出回路(130)が、前記絶縁変圧器(120)と電気的に並列接続されている、請求項に記載の電子機器(100)。
【請求項6】
前記ピーク保持コンデンサー(C1)が、前記2次電圧(Vs)が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、前記2次電圧(Vs)の第1電圧値を保持するように構成されており、
前記ピーク検出ダイオード(D2)が、前記2次電圧(Vs)の前記第2電圧値が前記第1電圧値よりも小さいときに、電流を伝導するように構成されている、請求項に記載の電子機器(100)。
【請求項7】
前記2次電圧(Vs)が、前記絶縁変圧器(120)の2次の1次に対する巻数比(Ns/Np)だけ1次電圧(Vp)に比例している、請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器(100)。
【請求項8】
ガルバニック絶縁点への入力電圧の測定方法であって、
絶縁変圧器を介して入力電圧源によって供給される1次電流を伝導するステップと、
1次電流によって誘導される1次電圧に比例する2次電圧を前記絶縁変圧器で供給するステップと、
前記絶縁変圧器で供給された前記2次電圧を、前記絶縁変圧器と、前記絶縁変圧器に電気的に直列接続された整流ダイオードを備える整流回路と、に結合されたピーク検出回路で受け取るステップと、
前記2次電圧(Vs)が負の値にあるときに、電流フローを前記整流ダイオードで妨げるステップと、
前記2次電圧に基づいて、前記1次電圧に比例する信号を前記ピーク検出回路で供給するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記2次電圧を前記整流回路で受け取るステップと、前記2次電圧が負の値であるときのコンデンサー電圧と前記2次電圧が正の値であるときの前記2次電圧とを前記整流回路で抵抗に供給するステップとをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記2次電圧が正の値であるときのコンデンサー電圧を前記整流回路で抵抗に供給するステップが、
前記絶縁変圧器によって供給される2次電流を前記絶縁変圧器と電気的に直列に接続された前記整流回路の前記整流ダイオードで伝導することによって供給するステップと、
前記整流ダイオードが前記2次電流を伝導しているときの前記2次電圧を前記絶縁変圧器と電気的に並列接続された出力コンデンサーで受け取るステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記2次電圧が第1電圧値よりも大きい第2電圧値にあるときに、前記2次電圧の前記第1電圧値を前記ピーク検出回路で保持するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
ピーク検出ダイオードとピーク保持コンデンサーとを提供するステップと、前記ピーク検出ダイオードと前記ピーク保持コンデンサーとを直列に接続して前記ピーク検出回路を構成するステップとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記2次電圧が前記第1電圧値よりも大きい前記第2電圧値にあるときに、前記第1電圧値を前記ピーク保持コンデンサーで保持するステップと、前記第2電圧値が前記第1電圧値よりも小さいときに電流を伝導するように前記ピーク検出ダイオードを構成するステップとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記2次電圧が、前記絶縁変圧器の2次の1次に対する巻数比だけ前記1次電圧に比例している、請求項13に記載の方法。
【外国語明細書】