(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078383
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】超広帯域性能を有する積層セラミックコンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230530BHJP
H01G 2/22 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 512
H01G4/30 517
H01G4/30 201C
H01G4/30 201F
H01G4/30 201K
H01G4/30 311F
H01G4/30 311D
H01G4/30 311E
H01G4/30 201M
H01G2/22
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023046454
(22)【出願日】2023-03-23
(62)【分割の表示】P 2021544135の分割
【原出願日】2020-01-24
(31)【優先権主張番号】62/797,542
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ベロリーニ,マリアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ホーン,ジェフリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】バンオルスタイン,リチャード・シー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】超広帯域性能を有する積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】積層セラミックコンデンサ100は、複数の誘電層を有するモノリシックボディを含む。第1の外部端子118は、該コンデンサの第1の端部119に沿って配置され、第2の外部端子120は、第2の端部121に沿って配置される。各外部端子は、該コンデンサの底面20に沿って延在する、夫々の底部分を有する。各外部端子の底部分は、底部外部端子間隔距離142だけ離間される。底部遮蔽電極領域16の遮蔽電極22、24は、モノリシックボディ内で、複数の作用電極106、108と該コンデンサの底面との間に配置される。底部遮蔽電極は、コンデンサの底面から、約3ミクロンから約10ミクロンの範囲であり、最下の遮蔽部から底部分までの距離63だけ離間される。該コンデンサの長さ21と底部外部端子間隔距離との比は、約4より小さくてもよい。
【選択図】
図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部、および前記第1の端部から横方向に垂直な長手方向に離間された第2の端部を有する広帯域積層セラミックコンデンサであって、前記横方向および長手方向が、それぞれZ方向に垂直であり、前記コンデンサが、上面、および前記Z方向に前記上面と反対側にある底面を備え、前記広帯域積層セラミックコンデンサが、
前記Z方向に積み重ねられた複数の誘電層を備える、モノリシックボディと、
前記モノリシックボディ内に配置された、複数の作用電極と、
前記第1の端部に沿って配置された第1の外部端子であって、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでいる、第1の外部端子と、
前記第2の端部に沿って配置された第2の外部端子であって、前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでおり、前記第1の外部端子の前記底部分および前記第2の外部端子の前記底部分が、前記長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間されている、第2の外部端子と、
前記モノリシックボディ内で、前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記底面との間に配置された底部遮蔽電極であって、前記コンデンサの前記底面から、最下の遮蔽部から底部までの距離だけ離間されている、底部遮蔽電極と
を備え、前記最下の遮蔽部から底部までの距離が、約3ミクロンから約100ミクロンの範囲であり、かつ
前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記底部外部端子間隔距離との比が、約4よりも小さい、広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
前記第1の外部端子が、前記コンデンサの前記上面に沿って延在する上部分を含んでおり、
前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記上面に沿って延在する上部分を含んでおり、かつ
前記第1の外部端子の前記上部分および前記第2の外部端子の前記上部分が、前記長手方向に、前記底部外部端子間隔距離とほぼ等しい上部外部端子間隔距離だけ離間されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記モノリシックボディが、誘電体材料を含んでおり、前記誘電体材料が、前記コンデンサの前記底面に沿って、前記第1の外部端子の前記底部分と前記第2の外部端子の前記底部分との間で露出されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記底部遮蔽電極が、前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記底面との間に配置されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記上面との間に配置された、上部遮蔽電極をさらに備えている、請求項4に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項6】
前記上部遮蔽電極が、前記コンデンサの前記上面から、最上の遮蔽部から上部までの距離だけ離間されており、かつ
前記最上の遮蔽部から上部までの距離と前記最下の遮蔽部から底部までの距離との比が、約0.8から約1.2の間である、請求項5に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項7】
コンデンサの厚さと前記最下の遮蔽部から底部までの距離との比が、約2より大きい、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項8】
前記底部遮蔽電極と前記Z方向にほぼ揃えられている、追加の底部遮蔽電極をさらに備え、前記底部遮蔽電極が、前記第1の外部端子に接続され、前記追加の底部遮蔽電極が、前記第2の外部端子に接続されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項9】
前記底部遮蔽電極が、前記第1の外部端子に接続され、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第1の長手方向の縁を有し、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第2の長手方向の縁を有し、かつ
前記第2の長手方向の縁が、前記第1の長手方向の縁から前記長手方向に、遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】
前記第2の外部端子に接続され、前記底部遮蔽電極と前記Z方向にほぼ揃えられている、追加の底部遮蔽電極をさらに備え、
前記追加の底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第2の外部端子とは反対側に面する第1の長手方向の縁を有し、
前記追加の底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第2の外部端子とは反対側に面する第2の長手方向の縁を有し、かつ
前記第2の長手方向の縁が、前記第1の長手方向の縁から前記長手方向に、ほぼ前記遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされている、請求項9に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項11】
第1の遮蔽ギャップ距離が、前記長手方向における、前記底部遮蔽電極の前記第1の長手方向の縁と前記追加の底部遮蔽電極の前記第1の長手方向の縁との間に形成される、請求項10に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項12】
前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記第1の遮蔽ギャップ距離との比が、約2よりも大きい、請求項11に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項13】
第2の遮蔽ギャップ距離が、前記長手方向における、前記底部遮蔽電極の前記第2の長手方向の縁と前記追加の底部遮蔽電極の前記第2の長手方向の縁との間に形成される、請求項10に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項14】
前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記遮蔽電極オフセット距離との比が、約2よりも大きい、請求項13に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項15】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、前記Z方向において、前記複数の作用電極層の上に遮蔽電極がない、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項16】
前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記上面との間に、誘電体領域をさらに備え、前記誘電体領域には電極層がない、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項17】
前記作用電極層のうちの少なくとも1層が、前記第1の外部端子に電気的に接続されたベース部分と、前記ベース部分から前記長手方向に延在する第1の電極アームと、前記ベース部分から前記長手方向に延在する中央部分とを備える、第1の電極を備える、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項18】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、約20GHzで約-0.4dBを超える挿入損を示す、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項19】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、約30GHzで約-0.4dBを超える挿入損を示す、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項20】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、約5GHzから約20GHzで、約-0.4dBを超える挿入損を示す、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項21】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、約20GHzから約40GHzで、約-0.4dBを超える挿入損を示す、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項22】
第1の端部、および前記第1の端部から横方向に垂直な長手方向に離間された第2の端部を有する広帯域積層セラミックコンデンサを形成する方法であって、前記横方向および長手方向が、それぞれZ方向に垂直であり、前記コンデンサが、上面、および前記Z方向に前記上面と反対側にある底面を有し、前記方法が、
複数の作用電極層に複数の作用電極を形成するステップと、
遮蔽電極層に底部遮蔽電極を形成するステップと、
モノリシックボディを形成するために、前記複数の作用電極層、前記遮蔽電極層、および複数の誘電層を積み重ねるステップであって、前記底部遮蔽電極が、前記コンデンサの前記底面から、約3ミクロンから約100ミクロンの範囲である、最下のws1遮蔽部から底部までの距離だけ離間されているステップと、
前記モノリシックボディの第1の端部に第1の外部終端を形成するステップであって、前記第1の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでいるステップと、
前記モノリシックボディの第2の端部に第2の外部終端を形成するステップであって、前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでおり、前記第1の外部端子の前記底部分および記第2の外部端子の前記底部分が、前記長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間されており、前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記底部外部端子間隔距離との比が、約4よりも小さいステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月28日の出願日を有する米国仮特許出願第62/797,542号の出願利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
[0001]近代の技術的用途の多様性は、それらの用途に使用される有効な電子構成要素および集積回路の必要性をもたらしている。コンデンサは、無線通信、警報システム、レーダシステム、回路切替え、整合化回路網および多くの他の用途を含み得るこのような近代の用途におけるフィルタリング、結合、バイパス化および他の態様のために使用される基本的な構成要素である。集積回路の速度の劇的な高速化および実装密度の劇的な増加は、とりわけ結合コンデンサ技術における進歩を要求している。高静電容量結合コンデンサが多くの現在の用途における高い周波数にさらされる場合、性能特性がますます重要になる。コンデンサは、このような広範囲にわたる様々な用途に対する基本となるものであるため、それらの精度および効率は不可欠である。従ってコンデンサ設計の多くの特定の態様は、それらの性能特性を改善することに的が絞られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0002]本発明の一実施形態によれば、広帯域積層セラミックコンデンサは、第1の端部、および長手方向に第1の端部から離間された第2の端部を有することができる。長手方向は、横方向に垂直であり得、横方向および長手方向は、それぞれZ方向に垂直であり得る。コンデンサは、上面、およびZ方向において上面と反対側の底面を含むことができる。広帯域積層セラミックコンデンサは、Z方向に積み重ねられた複数の誘電層を備える、モノリシックボディを含むことができる。複数の作用電極は、モノリシックボディ内に配置され得る。第1の外部端子は、第1の端部に沿って配置され得る。第1の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むことができる。第2の外部端子は、第2の端部に沿って配置され得る。第2の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むことができる。第1の外部端子の底部分および第2の外部端子の底部分は、長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間され得る。コンデンサは、モノリシックボディ内で、複数の作用電極とコンデンサの底面との間に配置された、底部遮蔽電極を含むことができる。底部遮蔽電極は、コンデンサの底面から、最下の遮蔽部から底部までの距離(bottom-shield-to-bottom distance)だけ離間され得る。最下の遮蔽部から底部までの距離は、約3ミクロンから約100ミクロンの範囲であり得る。コンデンサは、長手方向における、コンデンサの第1の端部と第2の端部との間のコンデンサの長さを有することができる。コンデンサの長さと底部外部端子間隔距離との比は、約4より小さくてもよい。
【0004】
[0003]本発明の別の実施形態によれば、広帯域積層セラミックコンデンサを形成する方法が開示されている。コンデンサは、第1の端部、および横方向に垂直な長手方向に第1の端部から離間された第2の端部を有し得る。横方向および長手方向は、それぞれZ方向に垂直であり得る。コンデンサは、上面、およびZ方向において上面と反対側の底面を有することができる。この方法は、複数の作用電極層に複数の作用電極を形成するステップと、遮蔽電極層に底部遮蔽電極を形成するステップと、モノリシックボディを形成するために、複数の作用電極層、遮蔽電極層、および複数の誘電層を積み重ねるステップと、モノリシックボディの第1の端部に第1の外部終端を形成するステップであって、第1の外
部端子がコンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むステップと、モノリシックボディの第2の端部に第2の外部終端を形成するステップとを含むことができる。第2の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むことができる。第1の外部端子の底部分および第2の外部端子の底部分は、長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間され得る。コンデンサは、モノリシックボディ内で、複数の作用電極とコンデンサの底面との間に配置された、底部遮蔽電極を含むことができる。底部遮蔽電極は、コンデンサの底面から、最下の遮蔽部から底部までの距離だけ離間され得る。最下の遮蔽部から底部までの距離は、約3ミクロンから約100ミクロンの範囲であり得る。コンデンサは、長手方向における、コンデンサの第1の端部と第2の端部との間のコンデンサの長さを有することができる。コンデンサの長さと底部外部端子間隔距離との比は、約4より小さくてもよい。
【0005】
[0004]当業者に対する、本発明の最良モードを含む本発明の完全で、かつ、実施可能な開示は、添付の図の参照を含む本明細書の残りの部分でより具体的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】[0005]本開示の態様による、作用電極層の一実施形態の上面図である。
【
図1B】[0006]本開示の態様による、
図1Aに示されているように構成された交互の電極層の斜視図である。
【
図1C】[0007]本開示の態様による、複数の容量性領域が形成されている、
図1Aの作用電極層の実施形態の上から見た図である。
【
図1D】[0008]本開示の態様による、複数の容量性領域が形成されている遮蔽電極層の実施形態の上から見た図である。
【
図1E】[0009]本開示の態様に従って、作用電極層が
図1Aから
図1Cに示されるように構成され、遮蔽電極層が
図1Cに示されるように構成されている、複数の領域を含むコンデンサの一実施形態の側面断面図である。
【
図2A】[0010]本開示の態様による、作用電極層の別の実施形態の上面図である。
【
図2B】[0011]本開示の態様による、複数の容量性領域が形成されている、
図2Aの作用電極層の実施形態の上から見た図である。
【
図2C】[0012]本開示の態様に従って、
図2Aに示されるように構成された交互の電極層の斜視図である。
【
図3A】[0013]本開示の態様に従って、作用電極層が
図2Aから
図2Cに示されるように構成され、遮蔽電極層が
図1Dに示されるように構成されている、複数の領域を含むコンデンサの別の実施形態の側面断面図である。
【
図3B】[0014]本開示の態様による、コンデンサの別の実施形態を示す図である。
【
図4】[0015]複数の容量性領域を有する、
図1Aから
図1Eに示されているコンデンサの実施形態の、回路の概略図である。
【
図5】[0016]複数の容量性領域を有する、
図2Aから
図2Cに示されているコンデンサの実施形態の、回路の概略図である。
【
図6】[0017]本発明のコンデンサの一実施形態の側断面図である。
【
図7A】[0018]本発明の一実施形態による、
図6のコンデンサのアンカー電極、遮蔽電極、および作用電極の上面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態による、
図6のコンデンサのアンカー電極、遮蔽電極、および作用電極の上面図である。
【
図7C】本発明の一実施形態による、
図6のコンデンサのアンカー電極、遮蔽電極、および作用電極の上面図である。
【
図7D】本発明の一実施形態による、
図6のコンデンサのアンカー電極、遮蔽電極、および作用電極の上面図である。
【
図8A】[0019]本発明の特定の実施形態による、作用電極層のさらなる実施形態の上面図である。
【
図8B】本発明の特定の実施形態による、作用電極層のさらなる実施形態の上面図である。
【
図8C】本発明の特定の実施形態による、作用電極層のさらなる実施形態の上面図である。
【
図8D】本発明の特定の実施形態による、作用電極層のさらなる実施形態の上面図である。
【
図9】[0020]第2の配向における、
図1Eのコンデンサを示す図である。
【
図10】[0021]製造された8つの積層セラミックコンデンサのうちの1つの積層セラミックについて測定された、挿入損応答曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0022]当業者には、本考察は例示的実施形態の説明にすぎず、本発明のより広義の態様を制限することは意図されていないことを理解されたい。
[0023]一般的に言えば、本発明は積層セラミックコンデンサを対象としている。コンデンサは、単一のモノリシックボディ内に交互の誘電層および電極層を含んでいる。コンデンサは、コンデンサの第1の端部に沿って配置された第1の外部端子、およびコンデンサ第2の端部に沿って配置された第2の外部端子を含んでいる。第1の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含んでおり、第2の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含んでいる。第1の外部端子の底部分および第2の外部端子の底部分は、長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間されている。第1の端部と第2の端部との間のコンデンサの長さと、底部外部端子間隔距離との比は、約3より小さく、いくつかの実施形態では約2.75より小さく、いくつかの実施形態では約2.5より小さく、いくつかの実施形態では約2.25より小さく、いくつかの実施形態では約2より小さく、いくつかの実施形態では約1.75より小さく、いくつかの実施形態では約1.5より小さく、またいくつかの実施形態では約1.25より小さくてもよい。
【0008】
[0024]コンデンサは、底部遮蔽電極を含むことができる。底部遮蔽電極は、複数の作用電極とコンデンサの底面との間に配置され得る。最下の遮蔽部から底部までの距離は、遮蔽電極とコンデンサの底面との間の距離として定義され得る。複数の遮蔽電極層が含まれる場合、最下の遮蔽部から底部までが、遮蔽電極層のうちの最も下の層と底面との間の距離として定義され得る。最下の遮蔽部から底部までの距離は、約3ミクロンから約100ミクロン、いくつかの実施形態では約4ミクロンから約75ミクロン、いくつかの実施形態では約5ミクロンから約60ミクロン、またいくつかの実施形態では約8ミクロンから約30ミクロンの範囲であり得る。
【0009】
[0025]本発明者らは、このような構成が、広範囲の周波数にわたって低い挿入損を有する積層セラミックコンデンサを提供できることを発見した。一般に、挿入損は、コンデンサを介した電力の損失であり、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して測定され得る。
【0010】
[0026]遮蔽電極は、異なる挿入損特性を示すことができる様々な構成で、モノリシックボディ内に配置され得る。例えば、一実施形態では、遮蔽電極は、作用電極領域とコンデンサの底面との間に配置され得る。遮蔽電極がない誘電体領域は、例えば、
図1Eを参照して以下で説明されるように、作用電極領域とコンデンサの上面との間に配置され得る。このような実施形態では、コンデンサは、約1GHzから約40GHzで約-0.5dBを超える、いくつかの実施形態では約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約-0.35dBを超える、またいくつかの実施形態では約-0.3dBを超える、挿入損を示すことができる。いくつかの実施形態では、コンデンサは、約10GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では、約10GHzで約-0.35dBを超える、いくつかの実施形態では、約-0.3dBを超える、またいくつかの実施形態では、約1
0GHzで約-0.25dBを超える、挿入損を示すことができる。コンデンサは、約20GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約20GHzで約-0.35dBを超える、またいくつかの実施形態では約20GHzで約-0.3dBを超える、挿入損を示すことができる。コンデンサは、約30GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約30GHzで約-0.35dBを超える、いくつかの実施形態では約30GHzで約-0.3dBを超える、またいくつかの実施形態では約30GHzで約-0.25dBを超える、挿入損を示すことができる。コンデンサは、約40GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約40GHzで約-0.35dBを超える、いくつかの実施形態では約40GHzで約-0.3dBを超える、またいくつかの実施形態では約40GHzで約-0.25dBを超える、挿入損を示すことができる。
【0011】
[0027]いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサは、約5GHzから約20GHzで約-0.05dBから約-0.4dB、いくつかの実施形態では、約10GHzから約20GHzで約-0.05dBから約-0.3dB、いくつかの実施形態では、約20GHzから約30GHzで約-0.05dBから約-0.3dB、またいくつかの実施形態では、約30GHzから約40GHzで約-0.05dBから約-0.3dBの範囲である挿入損を示すことができる。
【0012】
[0028]別の実施形態では、1つまたは複数の底部遮蔽電極は、作用電極領域とコンデンサの底面との間に配置され得る。1つまたは複数の上部遮蔽電極は、例えば、
図3Bを参照して以下で説明されるように、作用電極領域とコンデンサの上面との間に配置され得る。このような実施形態では、挿入損は、4GHzから10GHzの周波数範囲にわたって測定された場合、約-0.28dB以上など、約-0.25dB以上など、約-0.23dB以上など、約-0.3dB以上であり得る。
【0013】
[0029]このような実施形態では、挿入損は、13GHzから20GHzの周波数範囲にわたって測定された場合、約-0.38dB以上など、約-0.35dB以上など、約-0.34dB以上など、約-0.4dB以上であり得る。
【0014】
[0030]このような実施形態では、挿入損は、23GHzから30GHzの周波数範囲にわたって測定された場合、約-0.4dB以上など、約-0.38dB以上など、約-0.35dB以上など、約-0.32dB以上など、約-0.45dB以上であり得る。
【0015】
[0031]このような実施形態では、挿入損は、33GHzから40GHzの周波数範囲にわたって測定された場合、約-0.5dB以上など、約-0.48dB以上など、約-0.45dB以上など、約-0.43dB以上など、約-0.55dB以上であり得る。
【0016】
[0032]いくつかの実施形態では、コンデンサの厚さと最下の遮蔽部から底部までの距離との比は、約3より大きく、いくつかの実施形態では約5より大きく、いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では約10より大きく、いくつかの実施形態では約15より大きく、いくつかの実施形態では約20より大きく、またいくつかの実施形態では約40より大きくてもよい。コンデンサの厚さと最下の遮蔽部から底部までの距離との比は、約10から約100、いくつかの実施形態では約20から約80、いくつかの実施形態では約30から約50の範囲であり得る。
【0017】
[0033]上部外部端子間隔距離はやはり、第1の外部端子と第2の外部端子との間に形成され得る。より詳細には、第1の外部端子は、コンデンサの上面に沿って延在する上部分を含むことができる。第2の外部端子は、コンデンサの上面に沿って延在する上部分を含むことができる。第1の外部端子の上部分および第2の外部端子の上部分は、長手方向に、上部外部端子間隔距離だけ離間され得る。上部外部端子間隔距離は、底部外部端子間隔
距離とほぼ等しくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部と第2の端部との間のコンデンサの長さと、上部外部端子間隔距離との比は、約4より小さく、いくつかの実施形態では約3.5より小さく、いくつかの実施形態では約3.25より小さく、いくつかの実施形態では約3より小さく、いくつかの実施形態では約2.75より小さく、いくつかの実施形態では約2.5より小さく、いくつかの実施形態では約2.25より小さく、いくつかの実施形態では約2より小さく、いくつかの実施形態では約1.75より小さく、いくつかの実施形態では約1.5より小さく、いくつかの実施形態では約1.25より小さく、またいくつかの実施形態では約1.1より小さてもよい。
【0018】
[0034]コンデンサのモノリシックボディは、コンデンサの底面に沿って、第1の外部端子の底部分と第2の外部端子の底部分との間で露出されている、誘電体材料を含むことができる。
【0019】
[0035]いくつかの実施形態では、コンデンサは、複数の作用電極とコンデンサの上面との間に配置される、上部遮蔽電極を含むことができる。上部遮蔽電極は、コンデンサの上面から、最上の遮蔽部から上部までの距離(top-shield-to-top distance)だけ離間され得る。最上の遮蔽部から上部までの距離と最下の遮蔽部から底部までの距離との比は、約0.8から約1.2の間、いくつかの実施形態では約0.9から約1.1、いくつかの実施形態では約0.95から約1.05、またいくつかの実施形態では約0.98から約1.02である。
【0020】
[0036]コンデンサの厚さと最下の遮蔽部から底部までの距離との比は、約2より大きく、いくつかの実施形態では約3より大きく、いくつかの実施形態では約5より大きく、いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では約10より大きく、いくつかの実施形態では約15より大きく、いくつかの実施形態では約20より大きく、またいくつかの実施形態では約40より大きくてもよい。
【0021】
[0037]追加の底部遮蔽電極は、Z方向に、底部遮蔽電極とほぼ揃えられ得る。底部遮蔽電極は、第1の外部端子と接続され得、追加の底部遮蔽電極は、第2の外部端子と接続され得る。
【0022】
[0038]遮蔽電極は、様々な形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、底部遮蔽電極は、2つの長手方向の縁間で階段の形体を画定することができる。底部遮蔽電極は、それぞれが横方向に揃えられ、第1の外部端子とは反対側に面する、第1の長手方向の縁および第2の長手方向の縁を有することができる。第2の長手方向の縁は、第1の長手方向の縁から長手方向に、遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遮蔽電極は、どんな階段の形体も有していない長方形であり得る。さらに、1つまたは複数の遮蔽電極(例えば、底部遮蔽電極および/または上部遮蔽電極)は、長手方向に延びる長手方向の中心線に関して、横方向に対称であり得る。
【0023】
[0039]第2の外部端子に接続され、底部遮蔽電極とZ方向にほぼ揃えられ得る追加の底部遮蔽電極は、同様に、階段の形体を有することができる。より具体的には、第1の長手方向の縁は、横方向に揃えられ、第2の外部端子とは反対側に面することができ、第2の長手方向の縁は、横方向に揃えられ、第2の外部端子とは反対側に面することができる。第2の長手方向の縁は、第1の長手方向の縁から長手方向に、ほぼ遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされ得る。
【0024】
[0040]第1の遮蔽ギャップ距離は、長手方向における、底部遮蔽電極の第1の長手方向の縁と追加の底部遮蔽電極の第1の長手方向の縁との間に形成され得る。コンデンサは、
長手方向における、コンデンサの第1の端部と第2の端部との間のコンデンサの長さを有することができる。コンデンサの長さと第1の遮蔽ギャップ距離との比は、約2より大きく、いくつかの実施形態では約3より大きく、いくつかの実施形態では約4より大きく、いくつかの実施形態では約5より大きく、いくつかの実施形態では約10より大きく、いくつかの実施形態では約15より大きく、いくつかの実施形態では約20より大きく、またいくつかの実施形態では約50より大きくてもよい。
【0025】
[0041]第2の遮蔽ギャップ距離は、長手方向における、底部遮蔽電極の第2の長手方向の縁と追加の底部遮蔽電極の第2の長手方向の縁との間に形成され得る。コンデンサの長さと第2の遮蔽ギャップ距離との比は、約2より大きく、いくつかの実施形態では約3より大きく、いくつかの実施形態では約4より大きく、いくつかの実施形態では約5より大きく、いくつかの実施形態では約10より大きく、いくつかの実施形態では約15より大きく、いくつかの実施形態では約20より大きく、またいくつかの実施形態では約50より大きくてもよい。
【0026】
[0042]第1の遮蔽ギャップ距離および/または第2の遮蔽ギャップ距離は、約10ミクロンから約200ミクロン、いくつかの実施形態では約20ミクロンから約150ミクロン、またいくつかの実施形態では約30ミクロンから約80ミクロンの範囲であり得る。
【0027】
[0043]遮蔽電極オフセット距離は、約75ミクロンから約300ミクロン、いくつかの実施形態では約100ミクロンから約250ミクロン、またいくつかの実施形態では約125ミクロンから約175ミクロンの範囲であり得る。
【0028】
[0044]広帯域積層セラミックコンデンサは、上面と底面との間で、Z方向にコンデンサの厚さを有することができる。コンデンサの厚さと上部遮蔽電極領域のZ方向の厚さとの比は、約2.1から約20、いくつかの実施形態では約2.2から約10、いくつかの実施形態では約2.5から約7、いくつかの実施形態では約2.7から約6、またいくつかの実施形態では約3から約5の範囲であり得る。コンデンサの厚さと底部遮蔽電極領域のZ方向の厚さとの比は、約2.1から約20、いくつかの実施形態では約2.2から約10、いくつかの実施形態では約2.5から約7、いくつかの実施形態では約2.7から約6、またいくつかの実施形態では約3から約5の範囲であり得る。
【0029】
[0045]コンデンサの厚さと作用電極領域の厚さとの比は、約1.1から約20、いくつかの実施形態では約1.5から約15、いくつかの実施形態では約1.7から約12、いくつかの実施形態では約2から約10、またいくつかの実施形態では約3から約7の範囲であり得る。
【0030】
[0046]コンデンサは、直立したZ方向に積み重ねられた複数の電極領域を含むことができる。複数の電極領域は、誘電体領域、作用電極領域、および遮蔽電極領域を含むことができる。作用電極領域は、複数の作用電極層を含むことができる。遮蔽電極領域は、少なくとも1つの遮蔽電極を含むことができる。作用電極領域は、Z方向において、誘電体領域と遮蔽電極領域との間に配置され得る。
【0031】
[0047]誘電体領域は、作用電極領域から広帯域積層セラミックコンデンサの上面まで延在することができる。誘電体領域は、作用電極および/または遮蔽電極がなくてもよい。例えば、誘電体領域は、コンデンサの一方の端部から、コンデンサの長さの25%を超えて、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの20%を超えて、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの15%を超えて、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの10%を超えて、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの5%を超えて、またいくつかの実施形態ではコンデンサの長さの2%を超えて延在する電極層がなくてもよい。例えば、
いくつかの実施形態では、誘電体領域は、1つまたは複数のフローティング電極および/またはダミー電極タブを含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、誘電体領域は、すべての電極層がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサは、Z方向において、複数の作用電極層の上に遮蔽電極がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサは、Z方向において、複数の作用電極層のうちの最も下の電極層の上に遮蔽電極がなくてもよい。
【0032】
[0048]広帯域積層セラミックコンデンサは、上面と底面との間で、Z方向にコンデンサの厚さを有することができる。誘電体領域は、Z方向に、誘電体領域の厚さを有することができる。コンデンサの厚さと誘電体領域の厚さとの比は、約1.1から約20、いくつかの実施形態では約1.5から約10、いくつかの実施形態では約1.7から約5の範囲であり得る。
【0033】
[0049]本開示の態様は、配向の影響を受けやすい挿入損特性を示す、広帯域積層コンデンサを対象としている。例えば、コンデンサは、第1の配向において、約2GHzより高い試験周波数で第1の挿入損の値を示し、第2の配向において、ほぼ試験周波数で、少なくとも約0.3dB、いくつかの実施形態では少なくとも約0.4dB、いくつかの実施形態では少なくとも約0.5dBだけ第1の挿入損と異なる、第2の挿入損の値を示すことができる。コンデンサは、第2の配向において、第1の配向に対して、長手方向を中心に90度以上回転され得る。例えばいくつかの実施形態では、コンデンサは、第2の配向において、第1の配向に対して、ほぼ長手方向を中心に180度回転され得る。他の実施形態では、コンデンサは、第2の配向において、第1の配向に対して、ほぼ長手方向を中心に90度回転され得る。
【0034】
[0050]試験周波数は、約10GHzから約20GHz、いくつかの実施形態では約10GHzから約30GHz、またいくつかの実施形態では約10GHzから約40GHzの範囲であり得る。
【0035】
I.例示的実施形態
[0051]
図1A~
図1Eに目を向けると、積層セラミックコンデンサ100の一実施形態が開示されている。
図1Eは、プリント回路基板または基材などの取付け面101に取り付けられた積層コンデンサ100の簡略化された側面図である。積層コンデンサ100は、Z方向136に積み重ねられた複数の電極領域10を含むことができる。複数の電極領域10は、誘電体領域12、作用電極領域14、および遮蔽電極領域16を含むことができる。作用電極領域14は、Z方向136における、誘電体領域12と遮蔽電極領域16との間に配置され得る。誘電体領域12は、作用電極領域14から広帯域積層セラミックコンデンサ100の上面18まで延在することができる。コンデンサ100は、Z方向136における上面18と反対側の、底面20を含むことができる。
【0036】
[0052]電極領域10は、複数の誘電層を含むことができる。いくつかの誘電層は、そこに形成された電極層を含むことができる。一般に、誘電層および電極層の厚さは制限されず、コンデンサの性能特性に応じて、必要な任意の厚さにすることができる。例えば電極層の厚さは、それには限定されないが、約1μm以上など、約2μm以上など、約3μm以上など、約4μm以上などの約500nm以上から、約5μm以下など、約4μm以下など、約3μm以下など、約2μm以下などの約10μm以下までであってもよい。例えば電極層は、約1μmから約2μmまでの厚さを有することができる。さらに、一実施形態では、誘電層の厚さは、電極層の上記厚さに従って定義され得る。また、誘電層のこのような厚さは、存在する場合、本明細書において定義されているように、任意の作用電極層および/または遮蔽電極層間の層にも適用できることを理解されたい。
【0037】
[0053]一般に、本発明は、様々な利益および利点を提供する、独自の電極配置および構成を有する積層コンデンサを提供する。これに関して、コンデンサを構築するのに使用される材料は、制限されることはあり得ず、また、当技術分野で広く使用されている任意の材料であってもよく、また、当技術分野で広く使用されている任意の方法を使用して形成され得ることを理解されたい。
【0038】
[0054]一般に、誘電層は、典型的には約10から約40,000まで、いくつかの実施形態では約50から約30,000まで、また、いくつかの実施形態では約100から約20,000までなどの比較的高い誘電率(K)を有する材料から形成される。
【0039】
[0055]これに関して、誘電材料はセラミックであってもよい。セラミックは、ウェーハ(例えば事前焼成された)、またはデバイス自体内で共焼成される誘電材料などの様々な形態で提供され得る。
【0040】
[0056]高誘電材料のタイプの特定の例は、例えばNPO(COG)(最大約100)、X7R(約3,000から約7,000まで)、X7S、Z5Uおよび/またはY5V材料を含む。上記材料は、それらの産業分野で認められた定義によって記述されるものであり、そのような定義の一部は、米国電子工業会(EIA)によって確立された標準分類であり、また上記材料は、そのようなものとして、当業者によって認識されるべきであることを認識されたい。例えばこのような材料は、セラミックを含むことができる。このような材料は、チタン酸バリウムおよび関連する固溶体(例えばチタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、ジルコン酸チタン酸バリウム、ジルコン酸チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸チタン酸バリウムカルシウム、等々)、チタン酸鉛および関連する固溶体(例えばジルコン酸チタン酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、ビスマスチタン酸ナトリウム、等々などのペロブスカイトを含むことができる。特定の一実施形態では、例えば式BaxSr1-xTiO3のチタン酸バリウムストロンチウム(「BSTO」)が使用されてもよく、上式でxは0から1までであり、いくつかの実施形態では約0.15から約0.65まで、また、いくつかの実施形態では約0.25から約0.6までである。他の適切なペロブスカイトは、例えばxが約0.2から約0.8までであり、また、いくつかの実施形態では約0.4から約0.6までであるBaxCa1-xTiO3、xが約0.05から約0.4の範囲にわたるPbxZr1-xTiO3(「PZT」)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(「PLZT」)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸チタン酸バリウムカルシウム(BaCaZrTiO3)、硝酸ナトリウム(NaNO3)、KNbO3、LiNbO3、LiTaO3、PbNb2O6、PbTa2O6、KSr(NbO3)、およびNaBa2(NbO3)5KHb2PO4を含むことができる。より一層複雑なペロブスカイトはA[B11/3B22/3]O3材料を含むことができ、上式でAはBaxSr1-x(xは0から1までの値であってもよい)、B1はMgyZn1-y(yは0から1までの値であってもよい)、B2はTazNb1-zである(zは0から1までの値であってもよい)。特定の一実施形態では、誘電層はチタン酸を含むことができる。
【0041】
[0057]電極層は、当技術分野で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。電極層は、導電性金属などの金属からできていてもよい。材料は、貴金属(例えば銀、金、パラジウム、白金、等々)、卑金属(例えば銅、スズ、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、等々)など、ならびにそれらの様々な組合せを含むことができる。スパッタされたチタン/タングステン(Ti/W)合金、ならびにクロム、ニッケルおよび金のそれぞれのスパッタされた層も同じく適切であり得る。また、電極は、銀、銅、金、アルミニウム、パラジウム、等々などの低抵抗材料で同じくできていてもよい。特定の一実施形態では、電極層は、ニッケルまたはその合金を含むことができる。
【0042】
[0058]再び
図1Eを参照すると、いくつかの実施形態では、誘電体領域12は、コンデンサ100の第1の端部119または第2の端部120からのコンデンサ100の長さ21の25%を超えて延在する電極層がなくてもよい。例えば、このような実施形態では、誘電体領域12は、1つまたは複数のフローティング電極および/またはダミー電極タブを含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、誘電体領域12は、すべての電極層がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサ100は、Z方向136において、複数の作用電極層102、104の上に遮蔽電極22、24がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサ100は、Z方向136において、複数の作用電極層102、104のうちの最も下の電極層19の上に遮蔽電極22、24がなくてもよい。
【0043】
[0059]複数の作用電極層102、104が、作用電極領域14内に配置され得る。各作用電極層102、104は、例えば、
図1Aから
図1Cを参照して以下で説明されるように、1つまたは複数の作用電極を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、各作用電極層102、104は、第1の電極106および第2の電極108を含むことができる。
【0044】
[0060]遮蔽電極領域16は、例えば、
図1Dを参照して以下で説明されるように、1つまたは複数の遮蔽電極を含むことができる。例えば、遮蔽電極領域16は、コンデンサ100のモノリシックボディ内に配置された第1の遮蔽電極22を含むことができる。第1の遮蔽電極22は、長手方向132に平行であり得る。第1の遮蔽電極22は、第1の外部端子118に接続され得る。遮蔽電極領域16は、第2の外部端子120と接続され得る、第2の遮蔽電極24を含むことができる。第2の遮蔽電極24は、Z方向136に、第1の遮蔽電極22とほぼ揃えられ得る。
【0045】
[0061]第1の外部端子118は、第1の電極層102の第1の電極106および第2の電極層104の第2の(対向)電極108に接続され得る。第2の外部端子120は、第2の電極層104の第1の電極106および第1の電極層102の第2の(対向)電極108に接続され得る。
【0046】
[0062]第1の外部端子118は、コンデンサ100の底面20に沿って延在する底部分138を有することができる。第2の外部端子120は、コンデンサ100の底面20に沿って延在する底部分140を有することができる。第1の外部端子118の底部分138および第2の外部端子120の底部分140は、長手方向132に、底部外部端子間隔距離142だけ離間され得る。コンデンサの長さ21と底部外部端子間隔距離142との比は、約4より小さくてもよい。
【0047】
[0063]第1の外部端子118は、コンデンサ100の上面18に沿って延在する上部分144を含むことができる。第2の外部端子120は、コンデンサ100の上面18に沿って延在する上部分146を含むことができる。第1の外部端子118の上部分144は、長手方向132に、底部外部端子間隔距離142とほぼ等しい、上部外部端子間隔距離148だけ離間され得る。
【0048】
[0064]コンデンサ100のモノリシックボディの誘電体材料は、コンデンサ100の底面20に沿って、第1の外部端子118の底部分138と第2の外部端子120の底部分140との間に露出され得る。同様に、コンデンサ100のモノリシックボディの誘電体材料は、第1の外部端子118の上部分144と第2の外部端子120の上部分146との間に露出され得る。
【0049】
[0065]一般に、本明細書で論じられている実施形態に関して、外部端子は、当技術分野
で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。外部端子は、当技術分野で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。外部端子は、導電性金属などの金属からできていてもよい。材料は、貴金属(例えば銀、金、パラジウム、白金、等々)、卑金属(例えば銅、スズ、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、等々)など、ならびにそれらの様々な組合せを含むことができる。特定の一実施形態では、外部端子は、銅またはその合金を含むことができる。
【0050】
[0066]外部端子は、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して形成され得る。外部端子は、スパッタリング、塗装、印刷、無電解めっきまたは微細銅終端(FCT:fine copper termination)、電気めっき、プラズマ堆積、推進剤噴霧/エアブラシ、等々などの技法を使用して形成され得る。
【0051】
[0067]一実施形態では、外部端子は、外部端子が比較的分厚くなるように形成され得る。例えばこのような端子は、電極層の露出された部分に金属の分厚い膜条片を加えることによって(例えば、コンデンサを液体の外部端子材料に浸漬することによって)形成され得る。このような金属はガラス基質で存在し、また、銀または銅を含むことができる。例として、このような条片はコンデンサの上に印刷および焼成され得る。その後に、コンデンサを基板にはんだ付けすることができるよう、金属(例えばニッケル、スズ、はんだ、等々)の追加めっき層が終端条片の上に生成され得る。分厚い膜条片のこのような塗布は、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して(例えば金属含有ペーストを露出された電極層の上に移すための終端機械および印刷車輪によって)実施され得る。
【0052】
[0068]分厚くめっきされた外部端子は、約125μm以下など、約100μm以下など、約80μm以下などの約150μm以下の平均厚さを有することができる。分厚くめっきされた外部端子は、約35μm以上など、約50μm以上など、約75μm以上などの約25μm以上の平均厚さを有することができる。例えば分厚くめっきされた外部端子は、約35μmから約125μmまでなど、約50μmから約100μmまでなどの約25μmから約150μmまでの平均厚さを有することができる。
【0053】
[0069]別の実施形態では、外部端子は、外部端子が金属の薄膜めっきであるように形成され得る。このような薄膜めっきは、電極層の露出された部分に導電性金属などの導電材料を堆積させることによって形成され得る。例えば電極層の前縁は、めっきされた終端の形成を可能にし得るように露出され得る。
【0054】
[0070]薄くめっきされた外部端子は、約40μm以下など、約30μm以下など、約25μm以下などの約50μm以下の平均厚さを有することができる。薄くめっきされた外部端子は、約10μm以上など、約15μm以上などの約5μm以上の平均厚さを有することができる。例えば外部端子は、約10μmから約40μmまでなど、約15μmから約30μmまでなど、約15μmから約25μmまでなどの約5μmから約50μmまでの平均厚さを有することができる。
【0055】
[0071]一般に、外部端子はめっき端子を備えることができる。例えば外部端子は、電気めっき端子、無電解めっき端子またはそれらの組合せを備えることができる。例えば電気めっき端子は、電解めっきによって形成され得る。無電解めっき端子は、無電解めっきによって形成され得る。
【0056】
[0072]複数の層が外部端子を構成する場合、外部端子は、電気めっき端子および無電解めっき端子を含むことができる。例えば最初に無電解めっきを使用して、材料の初期層が堆積されてもよい。次に、めっき技法は、材料のより速い構築を可能にすることができる電気化学めっきシステムに切り替えられ得る。
【0057】
[0073]いずれかのめっき法を使用してめっき端子を形成する場合、コンデンサの本体から露出される電極層のリードタブの前縁がめっき溶液にさらされる。さらすことにより、一実施形態では本コンデンサがめっき溶液に浸漬され得る。
【0058】
[0074]めっき溶液は、めっきされた終端を形成するために使用される、導電性金属などの導電材料を含む。このような導電材料は、上記材料のうちのいずれか、または当技術分野で広く知られている任意の材料であってもよい。例えばめっき溶液は、めっきされた層および外部端子がニッケルを含むよう、スルファミン酸ニッケル槽溶液または他のニッケル溶液であってもよい。別法として、めっき溶液は、めっきされた層および外部端子が銅を含むよう、銅酸槽または他の適切な銅溶液であってもよい。
【0059】
[0075]さらに、めっき溶液は、当技術分野で広く知られている他の添加剤を含むことも可能であることを理解されたい。例えば添加剤は、めっきプロセスを補助することができる他の有機添加剤および媒体を含むことができる。さらに、添加剤は、めっき溶液を所望のpHで使用するために使用され得る。一実施形態では、コンデンサ、およびリードタブの露出された前縁に対する、完全なめっき被覆およびめっき材料の結合を補助するために、抵抗低減添加剤が溶液中に使用され得る。
【0060】
[0076]コンデンサは、所定の時間量の間、めっき溶液に露出、浸水、または浸漬され得る。このような露出時間は必ずしも制限されず、めっき端子を形成するために十分なめっき材料を堆積させることができる十分な時間量であり得る。これに関して、時間は、一組の交互の誘電層および電極層内のそれぞれの電極層の所与の極性のリードタブの、所望の露出された隣接する前縁間の連続接続の形成を可能にする十分な時間でなければならない。
【0061】
[0077]一般に、電解めっきと無電解めっきの相違は、電解めっきは、外部電源の使用などによる電気的バイアスを使用していることである。電解めっき溶液は、典型的には、高電流密度範囲、例えば10~15amp/ft2(定格9.4ボルト)にさらされ得る。接続は、めっき端子の形成を必要とするコンデンサへの負の接続、および同じめっき溶液中の固体材料(例えばCuめっき溶液中のCu)への正の接続を使用して形成され得る。すなわちコンデンサは、めっき溶液の極性とは反対の極性にバイアスされる。このような方法を使用して、めっき溶液の導電材料が、電極層のリードタブの露出された前縁の金属に引き付けられる。
【0062】
[0078]コンデンサをめっき溶液に浸す、またはさらす前に、様々な前処理ステップが使用され得る。このようなステップは、リードタブの前縁へのめっき材料の付着に触媒作用を及ぼすこと、付着を加速すること、および/または付着を改善することを含む様々な目的のために実施され得る。
【0063】
[0079]さらに、めっきまたは任意の他の前処理ステップの前に、初期クリーニングステップが使用され得る。このようなステップは、電極層の露出されたリードタブの上に形成するあらゆる酸化物の蓄積を除去するために使用され得る。このクリーニングステップは、内部電極または他の導電性素子がニッケルで形成される場合に、酸化ニッケルのあらゆる蓄積の除去を補助するためにとりわけ有用であり得る。構成要素クリーニングは、酸クリーナを含むものなど、プレクリーン槽中の完全浸水によって達成され得る。一実施形態では、露出は、約10分程度などの所定の時間にわたり得る。また、クリーニングは、別法として化学研磨またはハーパライジングステップによっても同じく達成され得る。
【0064】
[0080]さらに、導電材料の堆積を容易にするために、電極層のリードタブの露出された
金属前縁を活性化するステップが実施され得る。活性化は、パラジウム塩、光パターン化パラジウム有機金属前駆体(マスクまたはレーザを介した)、スクリーン印刷もしくはインクジェット堆積パラジウム化合物、または電気泳動パラジウム堆積物中への浸水によって達成され得る。パラジウムに基づく活性化は、ここでは、ニッケルまたはその合金で形成された、露出されたタブ部分の活性化としばしば良好に作用する活性化溶液の単なる例として開示されていることを認識されたい。しかしながら他の活性化溶液も同じく利用され得ることを理解されたい。
【0065】
[0081]また、上記活性化ステップの代わりに、またはそれに加えて、コンデンサの電極層を形成する際に、導電材料中に活性化ドーパントが導入され得る。例えば電極層がニッケルを含み、また、活性化ドーパントがパラジウムを含んでいる場合、電極層を形成するニッケルインクまたは組成物中にパラジウムドーパントが導入され得る。そうすることにより、パラジウム活性化ステップを除去することができる。有機金属前駆体など、上記活性化方法のうちのいくつかは、コンデンサの概ねセラミックのボディーへの付着を強化するためのガラス形成剤の共堆積に同じく適していることをさらに認識されたい。活性化ステップが上で説明したように実施される場合、終端めっきの前後に、露出された導電性部分に活性剤材料の痕跡がしばしば残り得る。
【0066】
[0082]さらに、めっき後の後処理ステップが同じく使用され得る。このようなステップは、材料の付着の強化および/または改善を含む様々な目的のために実施され得る。例えばめっきステップを実施した後に、加熱(または焼きなまし)ステップが使用され得る。このような加熱は、焼付け、レーザサブジェクション、UV露光、マイクロ波露出、アーク溶接、等々によって実施され得る。
【0067】
[0083]本明細書において示されているように、外部端子は少なくとも1つのめっき層を含むことができる。一実施形態では、外部端子は1つのめっき層のみを備えることができる。しかしながら外部端子は複数のめっき層を備えることができることを理解されたい。例えば外部端子は、第1のめっき層および第2のめっき層を備えることができる。さらに、外部端子は第3のめっき層を同じく備えることができる。これらのめっき層の材料は、上で言及した、当技術分野で広く知られている任意の材料であってもよい。
【0068】
[0084]例えば第1のめっき層などの1つのめっき層は、銅またはその合金を含むことができる。第2のめっき層などの別のめっき層は、ニッケルまたはその合金を含むことができる。第3のめっき層などの別のめっき層は、スズ、鉛、金、または合金などの組合せを含むことができる。別法としては、初期めっき層がニッケルを含み、スズまたは金のめっき層がそれに続いてもよい。別の実施形態では、銅の初期めっき層が形成され、次にニッケル層が形成され得る。
【0069】
[0085]一実施形態では、初期すなわち第1のめっき層は、導電性金属(例えば銅)であってもよい。この領域は、次に、密閉のために抵抗体高分子材料を含む第2の層で被覆され得る。この領域は、次に、抵抗性高分子材料を選択的に除去するために研磨され、次に、導電性金属材料(例えば銅)を含む第3の層で再びめっきされ得る。
【0070】
[0086]初期めっき層の上方の上記第2の層は、はんだバリア層、例えばニッケル-はんだバリア層に対応し得る。いくつかの実施形態では、上記層は、初期無電解または電解めっき層(例えばめっき銅)の頂部に金属(例えばニッケル)の追加層を電気めっきすることによって形成され得る。層、例えば上記はんだバリア層のための他の例示的材料は、ニッケル-リン、金および銀を含む。上記はんだバリア層の上の第3の層は、いくつかの実施形態では、めっきされたNi、Ni/Cr、Ag、Pd、Sn、Pb/Sn、または他の適切なめっきされたはんだなどの導電性層に対応し得る。
【0071】
[0087]さらに、抵抗性合金被覆またはより高い抵抗金属合金被覆、例えば無電解Ni-P合金をこのような金属めっきの上に提供するために、電気めっきステップが後続する金属めっきの層が形成され得る。しかしながら本明細書における完全な開示から当業者が理解することになるように、任意の金属被覆を含むことも可能であることを理解されたい。
【0072】
[0088]上記ステップは、すべて、バレルめっき、流動床めっきおよび/またはフロースルーめっき終端プロセスなどのバルクプロセスとして生じてもよく、それらのすべては当技術分野で広く知られていることを認識されたい。このようなバルクプロセスによれば、複数の構成要素を一度に処理することができ、有効で、かつ、迅速な終端プロセスを提供する。これは、個々の構成要素の処理を必要とする厚膜終端の印刷などの従来の終端方法に関してとりわけ有利である。
【0073】
[0089]本明細書において説明されているように、外部端子の形成は、概して、電極層のリードタブの露出された前縁の位置によって案内される。このような現象は、コンデンサ上の選択された周辺位置における電極層の露出された導電性金属の構成によって外部めっき端子の形成が決定されるため、「自己決定」と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、コンデンサは、他の電極(例えば、作用電極または遮蔽電極)を含んでいないコンデンサのモノリシックボディの部分に沿って、露出した導電性金属を設ける、「ダミータブ」を含むことができる。
【0074】
[0090]また、コンデンサの端子を形成するための追加の技術も同じく本技術の範囲内であり得ることを認識されたい。例示的代替は、それらに限定されないが、厚膜導電性層または薄膜導電性層の両方を形成するための、めっき、磁性、マスキング、電気泳動/静電、スパッタリング、真空蒸着、印刷または他の技法による終端の形成を含む。
【0075】
[0091]
図1Aは、本開示の態様による、作用電極領域14内の1つまたは複数の電極についての、作用電極構成の一実施形態の上面図を示す。より具体的には、作用電極領域14は、例えば、
図1Bを参照して以下で説明されるように、交互に配置された第1の電極層102および第2の電極層104を含むことができる。
図1Aを参照すると、各電極層102、104は、第1の電極106および第2の電極108を含むことができる。第1の電極106は、第1の電極106の長手方向の縁に沿って横方向134に延在するベース部分114を有することができる。第1の電極106は、ベース部分114から長手方向132に延在する、一対の電極アーム110を有することができる。第2の電極108は、第2の電極層108の長手方向の縁に沿って横方向134に延在するベース部分114を有することができる。第2の電極10は、ベース部分114から長手方向132に延在する、一対の電極アーム110を有することができる。
【0076】
[0092]第1の電極106の電極アーム110は、第2の電極108のそれぞれの電極アーム110と、概ね長手方向に揃えられ得る。アームギャップ226は、長手方向132における、第1および第2の電極106、108の揃えられた電極アーム110間で定義され得る。
【0077】
[0093]中央縁ギャップ距離23は、横方向134における、第1の電極の中央部分122と第2の電極アーム110との間で定義され得る。中央端部ギャップ距離24は、長手方向132における、第1の電極106の中央部分122と第2の電極108のベース部分114との間で定義され得る。いくつかの実施形態では、中央縁ギャップ距離23は、中央端部ギャップ距離24にほぼ等しくてもよい。
【0078】
[0094]第1の電極106の中央部分112は、第1の位置に第1の幅27を有し、第2
の位置に第1の幅27よりも大きい第2の幅29を有することができる。第1の幅27の第1の位置は、長手方向132に、第2の幅の第2の位置からオフセットされ得る。このような構成は、中央縁ギャップ距離23を変更することなく、Z方向136に隣り合う電極の中央部分112間の重畳する領域の調整を可能にすることができる。
【0079】
[0095]
図1Bを参照すると、複数の第1の電極層102および複数の第2の電極層104が、交互に左右反対の構成で配置され得る。図示されているように、それぞれの電極層の中央部分112は、少なくとも部分的に重畳している。
図1Bは、合計4つの電極層を示している。しかしながら、所望の用途に向けた所望の静電容量を得るために、任意の数の電極層が使用され得ることを理解されたい。
【0080】
[0096]
図1Cを参照すると、いくつかの容量性領域が、第1の電極106と第2の電極108との間に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、中央容量性領域122が、第1の電極106の中央部分112と、第2の電極108のベース部分114および/またはアーム128との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、アームギャップ容量性領域124は、第1の電極106および第2の電極108の電極アーム110間のアームギャップ240内に形成され得る。
【0081】
[0097]
図1Dは、コンデンサ100のモノリシックボディ内の、遮蔽電極領域16(
図1Eに示されている)内に含まれ得る、遮蔽電極層26を示している。上記で示されたように、第1の遮蔽電極22は、長手方向132に平行(例えば、
図1Eに示されている上面および下面18、20と平行)であり得る。第1の遮蔽電極22は、横方向134に揃えられ、第1の外部端子118(
図1Eに示されている)および第1の端部119とは反対側に面する第1の長手方向の縁28を有することができる。第1の遮蔽電極22は、横方向134と揃えられ、第1の外部端子(
図1Eに示されている)および第1の端部119とは反対側に面する第2の長手方向の縁30を有することができる。第2の長手方向の縁30は、第1の長手方向の縁28から長手方向132に、遮蔽電極オフセット距離32だけオフセットされ得る。
【0082】
[0098]第2の遮蔽電極24は、第2の外部端子120(
図1Eに示されている)および第2の端部121に接続され得る。第2の遮蔽電極24は、Z方向136に、第1の遮蔽電極22とほぼ揃えられ得る(
図1Eに示されている)。第2の遮蔽電極24は、第1の遮蔽電極22と同様の構成を有することができる。例えば、第2の遮蔽電極24は、横方向134に揃えられ、第2の外部端子120(
図1Eに示されている)および第2の端部121とは反対側に面する第1の長手方向の縁28を有することができる。第2の遮蔽電極24は、横方向134に揃えられ、第2の外部端子120(
図1Eに示されている)および第2の端部121とは反対側に面する第2の長手方向の縁30を有することができる。第2の遮蔽電極24の第2の長手方向の縁30は、第2の遮蔽電極24の第1の長手方向の縁28から長手方向132に、遮蔽電極オフセット距離32だけオフセットされ得る。
【0083】
[0099]第1の遮蔽容量性領域34は、第1および第2の遮蔽電極119、121の第1の長手方向の縁28間に形成され得る。第2の遮蔽容量性領域36は、第1および第2の遮蔽電極119、121の第2の長手方向の縁30間に形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の長手方向の縁28の横方向134の幅38は、第1の遮蔽電極22の横方向134の幅40より短くてもよい。
【0084】
[00100]第1の遮蔽ギャップ距離42は、長手方向132における、第1の遮蔽電極2
2の第1の長手方向の縁28と第2の遮蔽電極24の第1の長手方向の縁28との間に形成され得る。第2の遮蔽ギャップ距離44は、長手方向132における、第1の遮蔽電極
22の第2の横方向の縁30と第2の遮蔽電極22の第2の横方向の縁30との間に形成され得る。
【0085】
[00101]いくつかの実施形態では、第3の遮蔽ギャップ距離46は、第1の遮蔽電極2
2の第3の長手方向の縁48と第2の遮蔽電極24の第3の長手方向の縁48との間に形成され得る。第3の遮蔽容量性領域51は、第1および第2の遮蔽電極119、121の第3の長手方向の縁48間に形成され得る。いくつかの実施形態では、第3の遮蔽ギャップ距離46が、第2の遮蔽ギャップ距離44にほぼ等しくてもよく、その結果第3の遮蔽容量性領域51は、第2の遮蔽容量性領域36とサイズおよび形状が実質的に類似し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の遮蔽電極22および/または第2の遮蔽電極24は、長手方向132に延びる長手方向の中心線50に関して対称であり得る。
【0086】
[00102]しかしながら、他の実施形態では、第3の容量性領域51が、第2の容量性領
域36とは異なるサイズおよび/または形状であり、第2の容量性領域とは異なる静電容量を生成するように、第3の遮蔽ギャップ距離46は、第2の遮蔽ギャップ距離44より長くてもよく、または短くてもよい。
【0087】
[00103]いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遮蔽電極22、24は、長方形で
あってもよいことを理解されたい。言い換えれば、遮蔽電極オフセット距離32が、ゼロまたはほぼゼロであってもよく、その結果、第1の長手方向の縁28および第2の長手方向の縁30は、揃えられるか、またはほぼ揃えられる。
【0088】
[00104]
図2Aおよび
図2Bは、第1および第2の電極層102、104の別の実施形
態を示している。より具体的には、各電極層102、104は、第1の電極106および第2の電極108を含むことができる。第1の電極106は、ベース部分114を有することができる。一対の電極アーム110および少なくとも1つの中央部分112は、ベース部分114から延在することができる。第2の電極108は、第2の電極層108の長手方向の縁に沿って延在するベース部分114を有することができる。第2の電極106は、ベース部分114から延在する一対の電極アーム110を有することができる。電極領域12、14、16は、ほぼ重畳していなくてもよい。
【0089】
[00105]
図1Eを参照すると、いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデ
ンサ100は、上面18と底面20との間に、Z方向136にコンデンサの厚さ56を有することができる。
【0090】
[00106]誘電体領域12は、Z方向136に、誘電体領域の厚さ58を有することがで
きる。いくつかの実施形態では、コンデンサの厚さ56と誘電体領域の厚さ58との比は、約10未満であり得る。
【0091】
[00107]作用電極領域14は、厚さがZ方向136に、作用電極領域の厚さ59であり
得る。作用電極領域14は、遮蔽電極22、24がなくてもよく、かつ/または重畳する電極だけを含んでもよい。作用電極領域の厚さ59は、最も下の作用電極層19と最も上の電極層65との間で定義され得る。コンデンサの厚さ56と作用電極領域の厚さ59との比は、約1.1から約20の範囲であり得る。
【0092】
[00108]遮蔽電極領域16は、Z方向136に、遮蔽電極領域の厚さ61を有すること
ができる。遮蔽電極領域の厚さ61は、コンデンサ100の底面20と、複数の作用電極のうちの最も下の電極層19との間で定義され得る。コンデンサの厚さ56と遮蔽電極領域の厚さ61との比は、約1.1から約20の範囲であり得る。
【0093】
[00109]いくつかの実施形態では、遮蔽部から底面までの距離63は、遮蔽電極22、
24とコンデンサ100の底面20との間の距離として定義され得る。複数の遮蔽電極層が含まれる場合、遮蔽部から底面までの距離63は、遮蔽電極層のうちの最も下の層と底面20との間の距離として定義され得る。コンデンサの厚さ56と遮蔽部から底面までの距離63との比は、約2より大きくてもよい。
【0094】
[00110]いくつかの実施形態では、遮蔽電極22、24は、作用電極106、108か
ら、第1の遮蔽部から作用部までの距離67だけ離間され得る。第1の遮蔽部から作用部までの距離67と遮蔽部から底面までの距離63との比は、約1から約20の範囲であり得る。
【0095】
[00111]さらに、
図2Aは、主部分128および階段部分130を有する電極アーム1
10を示している。より具体的には、第1の電極106の電極アーム110は、横方向134に延在し、階段部分130の縁を画定し得る、第1の長手方向の縁60を含むことができる。第2の長手方向の縁62は、横方向134に延在することができ、アーム110の主部分128の縁を画定することができる。第1の長手方向の縁60は、第2の長手方向の縁62から長手方向132に、アームのオフセット距離64だけオフセットされ得る。第1の電極106および/または第2の電極108の一方または両方の電極アーム110は、それぞれの主および階段部分128、130を含むことができる。例えば、両方の電極106、108の両方のアーム110は、例えば
図2Aに示されるように、それぞれの主部分128および階段部分130を含むことができる。主アームギャップ240は、揃えられたアーム110の階段部分130間に形成され得る。階段アームギャップ242は、揃えられたアーム110の主部分128間に形成され得る。
【0096】
[00112]
図2Bを参照すると、いくつかの容量性領域が、
図2Aの電極構成の第1の電
極106と第2の電極108との間に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、中央容量性領域122が、第1の電極106の中央部分112と、第2の電極108のベース部分114および/またはアーム110との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、主アームギャップ容量性領域125は、主アームギャップ240内に形成され得、階段ギャップ容量性領域126は、階段アームギャップ242内に形成され得る。
【0097】
[00113]
図3Aを参照すると、いくつかの実施形態では、誘電体領域12は、第1の終
端に接続された第1のダミータブ電極52および/または第2の終端120に接続された第2のダミータブ電極54を含むことができる。より具体的には、ダミータブ電極52、54は、例えば、微細銅終端プロセスを使用して、終端118、120を形成する(例えば、堆積させる)ために使用され得る。ダミータブ電極52、54は、第1の端部119または第2の端部121から、コンデンサの長さ21の25%未満しか延在し得ない。
【0098】
[00114]本明細書に記載の電極構成は、隣り合う電極層102、104の中央部分11
2間の1次容量性素子(すなわち、平行板静電容量)、ならびに例えば
図1C、
図1D、および
図2Bを参照して上記で説明されているように、さらなる2次容量性素子を見込むことができる。これらの構成は、
図4Aおよび
図4Bに概略的に示されている。
【0099】
[00115]いくつかの実施形態では、コンデンサ100は、1つまたは複数のフローティ
ング電極111を含むことができる。フローティング電極111は、誘電体領域12内に配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、フローティング電極111は、作用電極領域14および/または遮蔽電極領域16内に配置され得る。一般に、このような浮動電極111は、外部端子118、120に直接接続されていない。
【0100】
[00116]しかしながら、いくつかの実施形態では、フローティング電極は、外部端子に
電気的に接続された少なくとも1つの電極を含む、フローティング電極層の一部であり得る。しかしながら、このようなフローティング電極層は、このような電極または外部端子に直接接触していない、少なくとも1つのフローティング電極を含む。
【0101】
[00117]フローティング電極は、当技術分野で知られている任意の方法に従って配置さ
れ、かつ、構成され得る。例えばフローティング電極は、作用電極層の第1の作用電極および/または第2の作用電極の中央部分など、少なくとも一部と重畳するように設けられ得る。これに関して、フローティング電極層は、第1の電極層および第2の内部電極層と交互に層状にされ、配置され得る。これに関して、このような層は誘電層によって分離され得る。
【0102】
[00118]さらに、このようなフローティング電極は、当技術分野で広く知られている任
意の形状を有することができる。例えば、一実施形態では、フローティング電極層は、ダガー様構成を有する少なくとも1つのフローティング電極を含むことができる。例えばこのような構成は、本明細書において説明されている第1の電極の構成および形状に類似していてもよい。しかしながらこのような第1の電極は、階段部分を有する電極アームを含んでいても、または含んでいなくてもよいことを理解されたい。
【0103】
[00119]さらに、一実施形態では、フローティング電極層は、フローティング電極の端
部が少なくとも1つの外部端子と隣り合うが、このような外部端子と接触はしない、少なくとも1つのフローティング電極を含むことができる。これに関して、このようなギャップは、長手方向のフローティング電極ギャップと呼ばれ得る。このようなフローティング電極ギャップは、コンデンサの長手方向の長さの約3%以上など、約5%以上などの0%超から、約40%以下など、約30%以下など、約20%以下など、約10%以下などの、約50%以下であり得る。
【0104】
[00120]
図3Bは、本開示の態様によるコンデンサ160の別の実施形態を示している
。コンデンサ160は、複数の誘電体領域162を含むことができる。複数の誘電体領域162は、作用電極領域14、底部遮蔽電極領域164、および上部遮蔽電極領域166を含むことができる。作用電極領域14は、底部遮蔽電極領域164と上部遮蔽電極領域166との間に配置され得る。
【0105】
[00121]いくつかの実施形態では、コンデンサ160またはその一部は、長手方向に延
びる長手方向の中心線167に関して対称であり得る。例えば、底部遮蔽電極領域164の遮蔽電極22、24は、上部電極領域166の遮蔽電極22、24に対して、長手方向の中心線167に関して対称であり得る。言い換えれば、遮蔽部から底面までの距離63は、上部遮蔽電極領域166の遮蔽電極22、24と、コンデンサ160の上面18との間で定義され得る、遮蔽部から上面までの距離168にほぼ等しくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、遮蔽部から底面までの距離63と遮蔽部から上面までの距離168との比は、約0.8から約1.2、いくつかの実施形態では約0.9から約1.1、いくつかの実施形態では約0.95から約1.05、またいくつかの実施形態では約0.98から約1.02の範囲であり得る。
【0106】
[00122]上部遮蔽電極領域166の遮蔽電極22、24は、作用電極106、108か
ら、第2の遮蔽部から作用部までの距離169だけ離間され得る。第2の遮蔽部から作用部までの距離169と遮蔽部から上面までの距離168との比は、約1から約20の範囲であり得る。さらに、第1の遮蔽部から作用部までの距離67と第2の遮蔽部から作用部までの距離169との比は、約0.8から約1.2の範囲であり得る。
【0107】
[00123]コンデンサ160は、第1の配向(図示のような)で、コンデンサ160が長
手方向132を中心に180度回転される(図示と実質的に同様に見える)第3の配向と、同等の挿入損特性を示すことができる。しかしながら、コンデンサ160の第2の配向は、遮蔽電極22、24が取付け面101に垂直になるように、長手方向132を中心に90度回転させることによって、第1の配向に対して定義され得る。
【0108】
[00124]第1の配向では、コンデンサ160は、約2GHzよりも高い試験周波数で第
1の挿入損の値を示すことができる。コンデンサ160は、取付け面に対して第2の配向で、ほぼ試験周波数で第2の挿入損の値を示してもよく、第1の挿入損の値と少なくとも約0.3dB異なる。
【0109】
[00125]
図4は、
図1Cの電極構成の3つの容量性素子、すなわち隣り合う電極層間の
1次容量性素子112’、中央容量性素子122’、およびアームギャップ容量性要素124’を、概略的に示している。容量性素子112’、122’、および124’は、それぞれ、
図1Cの中央領域112、中央容量性領域122、およびアームギャップ容量性領域124に対応する。さらに、
図4において、外部端子は118および128として示されている。
【0110】
[00126]
図5は、
図2Bの電極構成の4つの容量性素子を概略的に示しており、容量性
素子112’、122’および125’、ならびに126’が、それぞれ、
図2Bの中央領域112、容量性領域122、主アームギャップ容量性領域125、および階段ギャップ容量性領域126に対応する。様々なギャップの寸法は、
図4および
図5に示される容量性素子のそれぞれの所望の静電容量値を達成するように選択的に設計され得ることを理解されたい。より具体的には、コンデンサの構成、および電極層の数、電極対の重畳している中央部分の表面積、電極を分離している距離、誘電体材料の誘電率、等々などの様々なパラメータが、所望の静電容量値を達成するように選択され得る。それにもかかわらず、本明細書において開示されているコンデンサは、有効な広帯域性能を提供するために、直列および並列に組み合わされたコンデンサのアレイを含むことができる。
【0111】
[00127]一例示的超広帯域コンデンサの実施形態では、1次コンデンサ112’は、通
常、約数キロヘルツ(kHz)から約200メガヘルツ(MHz)程度などの概ねより低い周波数範囲で動作するよう適合される、比較的大きい静電容量に対応し、一方、2次コンデンサ122’、124’、125’および/または126’は、通常、約200メガヘルツ(MHz)から数ギガヘルツ(GHz)程度などの比較的より高い周波数範囲で動作するよう構成される、比較的より小さい値のコンデンサに対応し得る。
【0112】
[00128]
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、積層コンデンサ300は、第1
の端部119に沿って配置された第1の外部端子118と、長手方向132に第1の端部119と反対側にある、第2の端部121に沿って配置された第2の外部端子120とを含むことができる。積層コンデンサ300は、複数の誘電層および複数の電極層を含むことができ、電極層は、それぞれの隣り合う電極層間に配置された誘電層と対向し、かつ、間隔を隔てた関係で交互配置される。
【0113】
[00129]さらに、上記で示されているように、積層コンデンサは、遮蔽電極を含むこと
ができる。例えば、
図6に示されるように、積層コンデンサ300は、第1の遮蔽領域210および第2の遮蔽領域212を含むことができ、遮蔽領域210、212のそれぞれは、1つまたは複数の遮蔽電極層214を含むことができる。遮蔽領域210、212は、誘電体領域(例えば、どんな電極層も含まないもの)によって、作用電極領域216から離間され得る。
【0114】
[00130]遮蔽電極層214は、各遮蔽電極220がほぼ長方形である、第1の遮蔽電極
構成を有することができる。他の実施形態では、遮蔽電極層214は、例えば、
図1Dの電極を参照して上記で説明されているように、遮蔽電極122が階段224を有する、第2の遮蔽電極構成を有することができる。
【0115】
[00131]いくつかの実施形態では、作用電極218領域は、第1および第2の遮蔽領域
210、212間に配置され得る。作用電極領域216は、例えば、
図2A~
図2Dを参照して説明されているように、複数の交互の作用電極層218を含むことができる。さらに、一対のセラミックカバー227が、コンデンサ300の上面および/または底面に沿って配置され得る。セラミックカバー227は、複数の誘電層の誘電体材料と同じまたは類似の誘電体材料を含むことができる。
【0116】
[00132]
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、積層コンデンサ300は、アン
カー電極領域302、304、316、および/または318も含むことができる。例えば、積層コンデンサ300は、作用電極領域216の上部に、第1のアンカー電極領域304を含むことができる。さらに、遮蔽電極層214を含む遮蔽電極領域210は、第1のアンカー電極領域304の上部など、上に配置され得る。さらに、第2のアンカー電極領域302は、遮蔽電極領域210の上部など、上に配置され得る。同様に、積層コンデンサ300は、作用電極領域216のすぐ下など、下に第3のアンカー電極領域316を含むことができる。さらに、遮蔽電極層214を含む遮蔽電極領域210は、第3のアンカー電極領域316のすぐ下など、下に配置され得る。さらに、第4のアンカー電極領域318は、遮蔽電極領域210のすぐ下など、下に配置され得る。これに関して、作用電極領域216は、例えば、第1のアンカー電極領域304と第3のアンカー電極領域316との間に配置され得る。作用電極領域216は、
図1Aから
図1C、
図2Aから
図2Cを参照して上記で説明されているように、または
図8Aから
図8Dを参照して以下で説明されるように構成され得る。
【0117】
[00133]
図7Aを参照すると、アンカー電極領域302、304、316、および/ま
たは318は、それぞれが一対のアンカー電極312を有する複数のアンカー電極層310を含むことができる。アンカー電極312は、一対の電極アーム314を含むことができる。アンカー電極312の各電極アーム314は、例えば、
図1Aおよび
図2の電極を参照して上記で説明されているのと同様の形で、主部分328および階段部分330を含むことができる。
【0118】
[00134]
図7Bから
図7Dを参照すると、アンカー電極312は、様々な構成を有する
ことができる。例えば、
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、アンカー電極312の電極アーム314は、階段を含まなくてもよい。例えば、このような電極は、階段のないC字形の構成で提供され得る。
図7Cを参照すると、いくつかの実施形態では、アンカー電極312の電極アーム314は、アンカー電極312の外側横方向の縁322から内側へオフセットされた階段部分320を含むことができる。
図7Dを参照すると、他の実施形態では、階段部分320は、アンカー電極312のアーム314の内側横方向の縁324からオフセットされ得る。さらに他の構成も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、階段部分320は、外側横方向の縁322および内側横方向の縁324の両方からオフセットされ得る。
【0119】
[00135]
図8Aから
図8Cを参照すると、いくつかの実施形態では、作用電極106、
108は、他の様々な構成を有することができる。例えば、
図8Aを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の電極106および第2の電極108のそれぞれが、
図1Aに関して上記で説明されているような一対のアーム110、202ではなく、単一のアーム110を含むことができる。これに関して、このような電極は、ベースから延在する中央部分を含む1つの電極と、やはりベース部分から延在する1つの電極アームとを含むことが
できる。一方、対向電極は、ベース部分と、このような第2の電極のベース部分から延在するただ1つの電極アームとを含むことができる。
【0120】
[00136]
図8Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の電極106および第2
の電極108のそれぞれは、中央部分112を含むことができる。例えば、各電極106、108は、それぞれのベース部分から延在する2つの電極アーム110、202など、少なくとも1つの電極アーム110、202に加えて、それぞれのベース部分から延在する中央部分112を含むことができる。
【0121】
[00137]
図8Cを参照すると、いくつかの実施形態では、電極106、108の電極ア
ーム110、202は、電極アームの主部分の内側横方向の縁324から外方へ、電極層の電極106、108のうちの少なくとも一方の横方向中心線236から離れる方向にオフセットされた、階段部分130を有することができる。最後に、
図8Dを参照すると、いくつかの実施形態では、電極106、108の電極アーム110は、電極アーム110、202の外側横方向の縁322および内側横方向の縁324の両方からオフセットされた階段部分130を有することができる。
【0122】
II.挿入損
[00138]本開示の態様は、配向の影響を受けやすい挿入損特性を示す、広帯域積層コン
デンサを対象としている。広帯域積層コンデンサは、第2の配向における試験周波数での挿入損から約0.3dBを超えて変化する、第1の配向における試験周波数での挿入損を示すことができる。第1の配向では、積層セラミックコンデンサ100の長手方向132は、取付け面101と平行であり得る(例えば、
図1Eに示されているように)。第1の配向では、電極(例えば、作用電極106、108および遮蔽電極22、24)は、取付け面101とほぼ平行であり得る。さらに、遮蔽電極領域1(遮蔽電極22、24を含む)は、例えば
図1Eに示されるような第1の配向で、作用電極領域14(複数の作用電極106、108を含む)と取付け面101との間に配置され得る。
【0123】
[00139]
図9を参照すると、第2の配向では、積層セラミックコンデンサ100は、第
1の配向(
図1Eに示されている)に対して、長手方向136を中心に180度回転され得る。従って、第2の配向では、誘電体領域16は、Z方向136に関して、作用電極領域14と取付け面101との間に配置され得る。
【0124】
[00140]コンデンサは、第1の配向において、約2GHzを超える試験周波数で第1の
挿入損の値を示し、第2の配向において、試験周波数で第2の挿入損の値を示すことができる。いくつかの実施形態では、試験周波数は、約10GHzから約30GHz、またはそれを上回る範囲であり得る。第2の挿入損の値は、第1の挿入損の値と、少なくとも約0.3dB異なる可能性がある。
【0125】
III.試験方法
[00141]試験アセンブリが、本開示の態様によるコンデンサの挿入損および反射損など
の性能特性を試験するために、使用され得る。例えば、コンデンサが、試験基板に取り付けられ得る。入力ラインおよび出力ラインはそれぞれ、試験基板に接続され得る。試験基板は、入力ラインおよび出力ラインをコンデンサのそれぞれの外部終端に電気的に接続する、マイクロストリップラインまたは試験用トレースを含むことができる。試験用トレースは、約0.432mm(0.017インチ)または約0.610mm(0.024インチ)だけ離間され得る。
【0126】
[00142]入力信号は、ソース信号発生器(例えば、1806Keithley2400
シリーズソースメジャーユニット(SMU)、例えば、Keithley2410-C
SMU)を使用して入力ラインに供給され得、その結果得られるコンデンサの出力信号は、出力ラインで測定され得る(例えば、ソース信号発生器を使用して)。この試験方法が、同じ設計および公称寸法を有する複数のコンデンサに対して繰り返され得る。挿入損の結果は、第1の配向および第2の配向で測定され得る。コンデンサ群の公称挿入損感度値を決定するために、こうした挿入損の結果の差が計算され、平均され得る。
【0127】
[00143]この手順は、本明細書で説明されているコンデンサの様々な構成に対して繰り
返され得る。
【0128】
実施例
[00144]
図1Aから
図1Eと共に上記で説明されている構成を有する、8つの積層セラ
ミックコンデンサが製造され、第1の配向および第2の配向での挿入損応答特性が試験された。積層セラミックコンデンサは、
図1Aから
図1Eの注釈が附記された寸法に対応する、以下の寸法を有していた。
【0129】
【0130】
[00145]従って、コンデンサの長さ21と底部外部端子間隔距離142との比は、約2
.6であった。
[00146]挿入損応答特性は、同じ設計および公称寸法(製造公差内)の8つの積層セラ
ミックコンデンサについて測定された。挿入損の値は、8つの積層セラミックコンデンサのそれぞれについて、第1の配向および第2の配向で、30GHzおよび40GHzでサンプリングされた。第1の配向および第2の配向における、30GHzおよび40GHzでの挿入損の値の差が、コンデンサごとに計算された。30GHzおよび40GHzで、それぞれ第1の配向と第2の配向との間で、以下の平均挿入損のデルタ値を決定するために、結果として得られた30GHzおよび40GHzでの挿入損のデルタ値が平均化された。
【0131】
【0132】
[00147]上記の表に示されるように、製造された積層セラミックコンデンサの平均挿入
損は、30GHzおよび40GHzの両方で0.3dBを超え、標準偏差は、30GHzおよび40GHzでそれぞれ0.041および0.05であった。上記の表に示されるように、8つの積層セラミックコンデンサ群の30GHzおよび40GHzでの平均挿入損のデルタ値の標準偏差も計算された。
【0133】
[00148]
図10は、上記の平均値に非常に近い挿入損の値を示した積層セラミックコン
デンサのうちの1つの、挿入損応答曲線を示している。
図10の挿入損応答曲線からの、第1の配向における挿入損と第2の配向における挿入損との差は、以下の通りであった。
【0134】
【0135】
[00149]さらに、コンデンサは、第1の配向で優れた挿入損特性を示すことができた。
図10を参照すると、第1の配向での挿入損失302は、約10GHz、約20GHz、約30GHz、約40GHz、約50GHz、および約60GHzで、約-0.8dBを超えた。第1の配向での挿入損失302は、約10GHz、約20GHz、約30GHz、および約40GHzで約-0.5dBを超えた。
【0136】
[00150]本発明のこれらおよび他の修正および変更は、本発明の精神および範囲から逸
脱することなく当業者によって実践され得る。さらに、様々な実施形態の態様は、全体または部分の両方において相互に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者は、以上の説明は単なる例にすぎず、添付の特許請求の範囲においてさらに説明されている本発明を制限することは意図されていないことを認識するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部、および前記第1の端部から横方向に垂直な長手方向に離間された第2の端部を有する広帯域積層セラミックコンデンサであって、前記横方向および長手方向が、それぞれZ方向に垂直であり、前記コンデンサが、上面、および前記Z方向に前記上面と反対側にある底面を備え、前記広帯域積層セラミックコンデンサが、
前記Z方向に積み重ねられた複数の誘電層を備える、モノリシックボディと、
前記モノリシックボディ内に配置された、複数の作用電極と、
前記第1の端部に沿って配置された第1の外部端子であって、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでいる、第1の外部端子と、
前記第2の端部に沿って配置された第2の外部端子であって、前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでおり、前記第1の外部端子の前記底部分および前記第2の外部端子の前記底部分が、前記長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間されている、第2の外部端子と、
前記モノリシックボディ内で、前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記底面との間に配置された底部遮蔽電極であって、前記コンデンサの前記底面から、最下の遮蔽部から底部までの距離だけ離間されている、底部遮蔽電極と
を備え、前記コンデンサは、前記上面と前記底面との間で、前記Z方向にコンデンサの厚さを有し、前記コンデンサの厚さと前記最下の遮蔽部から底部までの距離との比が、約10から約100の範囲であり、かつ
前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記底部外部端子間隔距離との比が、約4よりも小さい、広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
前記第1の外部端子が、前記コンデンサの前記上面に沿って延在する上部分を含んでおり、
前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記上面に沿って延在する上部分を含んでおり、かつ
前記第1の外部端子の前記上部分および前記第2の外部端子の前記上部分が、前記長手方向に、前記底部外部端子間隔距離とほぼ等しい上部外部端子間隔距離だけ離間されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記モノリシックボディが、誘電体材料を含んでおり、前記誘電体材料が、前記コンデンサの前記底面に沿って、前記第1の外部端子の前記底部分と前記第2の外部端子の前記底部分との間で露出されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記底部遮蔽電極が、前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記底面との間に配置されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記上面との間に配置された、上部遮蔽電極をさらに備えている、請求項4に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項6】
前記上部遮蔽電極が、前記コンデンサの前記上面から、最上の遮蔽部から上部までの距離だけ離間されており、かつ
前記最上の遮蔽部から上部までの距離と前記最下の遮蔽部から底部までの距離との比が、約0.8から約1.2の間である、請求項5に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項7】
前記底部遮蔽電極と前記Z方向にほぼ揃えられている、追加の底部遮蔽電極をさらに備え、前記底部遮蔽電極が、前記第1の外部端子に接続され、前記追加の底部遮蔽電極が、前記第2の外部端子に接続されている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項8】
前記底部遮蔽電極が、前記第1の外部端子に接続され、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第1の長手方向の縁を有し、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第2の長手方向の縁を有し、かつ
前記第2の長手方向の縁が、前記第1の長手方向の縁から前記長手方向に、遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされている、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項9】
前記第2の外部端子に接続され、前記底部遮蔽電極と前記Z方向にほぼ揃えられている、追加の底部遮蔽電極をさらに備え、
前記追加の底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第2の外部端子とは反対側に面する第1の長手方向の縁を有し、
前記追加の底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第2の外部端子とは反対側に面する第2の長手方向の縁を有し、かつ
前記第2の長手方向の縁が、前記第1の長手方向の縁から前記長手方向に、ほぼ前記遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされている、請求項8に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】
第1の遮蔽ギャップ距離が、前記長手方向における、前記底部遮蔽電極の前記第1の長手方向の縁と前記追加の底部遮蔽電極の前記第1の長手方向の縁との間に形成される、請求項9に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項11】
前記第2の外部端子に接続され、前記底部遮蔽電極と前記Z方向にほぼ揃えられている、追加の底部遮蔽電極をさらに備え、遮蔽ギャップ距離が、前記長手方向における、前記底部遮蔽電極と前記追加の底部遮蔽電極との間に形成され、
前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記遮蔽ギャップ距離との比が、約5よりも大きい、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項12】
第2の遮蔽ギャップ距離が、前記長手方向における、前記底部遮蔽電極の前記第2の長手方向の縁と前記追加の底部遮蔽電極の前記第2の長手方向の縁との間に形成される、請求項9に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項13】
前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記遮蔽電極オフセット距離との比が、約2よりも大きい、請求項12に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項14】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、前記Z方向において、前記複数の作用電極層の上に遮蔽電極がない、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項15】
前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記上面との間に、誘電体領域をさらに備え、前記誘電体領域には電極層がない、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項16】
前記作用電極が、前記第1の外部端子に電気的に接続されたベース部分と、前記ベース部分から前記長手方向に延在する第1の電極アームと、前記ベース部分から前記長手方向に延在する中央部分とを備える、第1の電極を備える、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項17】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、約5GHzから約20GHzで、約-0.4dBを超える挿入損を示す、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項18】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、約20GHzから約40GHzで、約-0.4dBを超える挿入損を示す、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項19】
第1の端部、および前記第1の端部から横方向に垂直な長手方向に離間された第2の端部を有する広帯域積層セラミックコンデンサを形成する方法であって、前記横方向および長手方向が、それぞれZ方向に垂直であり、前記コンデンサが、上面、および前記Z方向に前記上面と反対側にある底面を有し、前記コンデンサが、前記上面と前記底面との間で、前記Z方向にコンデンサの厚さを有し、前記方法が、
複数の作用電極層に複数の作用電極を形成するステップと、
遮蔽電極層に底部遮蔽電極を形成するステップと、
モノリシックボディを形成するために、前記複数の作用電極層、前記遮蔽電極層、および複数の誘電層を積み重ねるステップであって、前記底部遮蔽電極が、前記コンデンサの前記底面から、最下の遮蔽部から底部までの距離だけ離間され、前記コンデンサの厚さと前記最下の遮蔽部から底部までの距離との比が、約10から約100の範囲であるステップと、
前記モノリシックボディの第1の端部に第1の外部端子を形成するステップであって、前記第1の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでいるステップと、
前記モノリシックボディの第2の端部に第2の外部端子を形成するステップであって、前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含んでおり、前記第1の外部端子の前記底部分および記第2の外部端子の前記底部分が、前記長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間されており、前記コンデンサが、前記コンデンサの前記第1の端部と前記第2の端部との間に、前記長手方向にコンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さと前記底部外部端子間隔距離との比が、約4よりも小さいステップとを含み、
前記底部遮蔽電極が、前記第1の外部端子に接続され、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第1の長手方向の縁を有し、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第2の長手方向の縁を有し、かつ
前記第2の長手方向の縁が、前記第1の長手方向の縁から前記長手方向に、遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされている、方法。
【請求項20】
前記最下の遮蔽部から底部までの距離が、約10ミクロンよりも小さい、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項21】
第1の端部、および前記第1の端部から横方向に垂直な長手方向に離間された第2の端部を有する広帯域積層セラミックコンデンサであって、前記横方向および長手方向が、それぞれZ方向に垂直であり、前記コンデンサが、上面、および前記Z方向に前記上面と反対側にある底面を備え、前記広帯域積層セラミックコンデンサが、
前記Z方向に積み重ねられた複数の誘電層を備える、モノリシックボディと、
前記モノリシックボディ内に配置された、複数の作用電極と、
前記第1の端部に沿って配置された第1の外部端子と
前記第2の端部に沿って配置された第2の外部端子と、
前記モノリシックボディ内で、前記複数の作用電極と前記コンデンサの前記底面との間に配置された底部遮蔽電極と
を備え、
前記底部遮蔽電極が、前記第1の外部端子に接続され、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第1の長手方向の縁を有し、
前記底部遮蔽電極が、前記横方向に揃えられ、前記第1の外部端子とは反対側に面する第2の長手方向の縁を有し、かつ
前記第2の長手方向の縁が、前記第1の長手方向の縁から前記長手方向に、遮蔽電極オフセット距離だけオフセットされている、広帯域積層セラミックコンデンサ。
【外国語明細書】