(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007841
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】支援システム
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20230112BHJP
G09B 23/28 20060101ALI20230112BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
G09B23/28
G09B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110938
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】506158197
【氏名又は名称】公立大学法人 滋賀県立大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 靖貴
(72)【発明者】
【氏名】関 恵子
【テーマコード(参考)】
2C032
【Fターム(参考)】
2C032CA01
(57)【要約】
【課題】学習者がより実際の現場に近い環境で手技に関する学習を行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】支援システム1は、空気を保持する少なくとも1つの空気室145を含む空気保持部14によって人間の体の一部を模した支援モデル10と、支援モデル10を用いた学習を支援する支援情報を提供する支援装置30とを備える。支援モデル10は、空気保持部14に設けられ、支援モデル10の押圧位置および支援モデル10に掛かる圧力のうちの少なくとも1つを検出する検出部(位置センサ11、圧力センサ12)を備える。支援装置30は、検出部(位置センサ11、圧力センサ12)の検出値に基づき、支援情報を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手技に関する学習を支援する支援システムであって、
空気を保持する少なくとも1つの空気室を含む空気保持部によって人間の体の一部を模した支援モデルと、
前記支援モデルを用いた前記学習を支援する支援情報を提供する支援装置とを備え、
前記支援モデルは、前記空気保持部に設けられ、前記支援モデルの押圧位置および前記支援モデルに掛かる圧力のうちの少なくとも1つを検出する検出部を備え、
前記支援装置は、前記検出部の検出値に基づき、前記支援情報を提供する、支援システム。
【請求項2】
前記支援装置は、前記検出値に加えさらに前記手技の基準となる基準値に基づき、前記支援情報を提供し、
前記基準値は、熟練者が前記支援モデルを用いて作業を行った場合の前記検出値に基づき設定される、請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記支援装置は、視覚、聴覚、および力覚のうちの少なくとも1つを用いて前記支援情報を提供する、請求項1または請求項2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記支援情報は、前記支援モデルの押圧位置に対応する情報および前記支援モデルに掛かる圧力に対応する情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記支援情報は、前記検出値と前記手技の基準となる基準値との比較に基づき算出された前記学習の評価結果を含む、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項6】
前記支援装置は、
前記検出値と前記基準値との比較に基づき、手の動かし方、力加減、および密着度のうちの少なくとも1つの指標を算出し、
前記指標に基づき前記評価結果を算出する、請求項5に記載の支援システム。
【請求項7】
前記支援情報は、前記手技の基準となる前記支援モデルの押圧位置に対応する情報および前記手技の基準となる前記支援モデルに掛かる圧力に対応する情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項8】
前記検出部は、前記空気保持部によって保持された空気の気圧の変化に基づき前記支援モデルに掛かる圧力を検出する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手技に関する学習を支援する支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーションまたはエステティックにおけるマッサージまたは指圧などは、リラックス効果、ストレス軽減、血流促進による冷え性緩和、認知症予防、心身の活性化などの様々な効果がある。また、医療現場においては、触診によって病気の具合を診断することが行われている。このような手技を学習する場合、熟練者などの専門の教員が必要であり、学習者が自主学習を行うことは困難である。熟練者による学習の機会があったとしても、視覚的な学習のみでは力加減および密着度などを学習者が習得することは難しい。
【0003】
この点、特許文献1には、マッサージなどの手技における、圧力、位置、方向などの加減を効果的に学習するための手技シミュレータが開示されている。特許文献1に開示された手技シミュレータは、人体モデルに取り付けられた位置検出部と、学習者の手に装着されたベクトル検出部とを備え、学習者が人体モデルを押圧したときの押圧位置および圧力を検出することで、学習者の手技を評価することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された手技シミュレータは、人体モデルに位置検出部を取り付けるとともに、学習者の手または指にベクトル検出部を装着する必要があるため、人体モデルを用いて学習を行うための準備が煩雑である。また、学習者が手または指にベクトル検出部を装着する必要があるため、学習者が人体モデルを触れたときの感覚が損なわれ易い。さらに、人体モデルには、ウレタンまたはゴムなどの弾性素材が用いられているため、人体モデルによって生体の部位による筋肉の堅さの違いを表現することは困難である。
【0006】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、学習者がより実際の現場に近い環境で手技に関する学習を行うことが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従う支援システムは、手技に関する学習を支援する。支援システムは、空気を保持する少なくとも1つの空気室を含む空気保持部によって人間の体の一部を模した支援モデルと、支援モデルを用いた学習を支援する支援情報を提供する支援装置とを備える。支援モデルは、空気保持部に設けられ、支援モデルの押圧位置および支援モデルに掛かる圧力のうちの少なくとも1つを検出する検出部を備える。支援装置は、検出部の検出値に基づき、支援情報を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、空気保持部によって人間の体の一部を模した支援モデルを用いて、学習者に手技に関する学習を行わせることができるため、学習者がより実際の現場に近い環境で手技に関する学習を行うことができる。さらに、支援モデルの押圧位置および支援モデルに掛かる圧力の検出値のうちの少なくとも1つに基づき支援情報が提供されるため、学習者が効率よくかつ効果的に自主学習を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る支援システムの適用例を説明するための図である。
【
図2】実施の形態に係る支援システムの構成を示す図である。
【
図3】支援モデルの作成を説明するための図である。
【
図4】支援モデルの押圧位置および押圧の圧力の表示の一例を説明するための図である。
【
図5】支援システムによる評価結果の一例を説明するための図である。
【
図6】支援システムによる評価結果と熟練者による評価結果とを比較した結果の一例を説明するための図である。
【
図7】変形例に係る支援システムの力覚による支援情報の提供を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さない。
【0011】
<実施の形態に係る支援システム>
図1~
図6を参照しながら実施の形態に係る支援システム1について説明する。
【0012】
[支援システムの構成]
図1は、実施の形態に係る支援システム1の適用例を説明するための図である。支援システム1は、手技に関する学習を支援するシステムである。「手技」とは、施術者の手によって行われる手法(技)である。手技は、たとえば、リハビリテーションまたはエステティックにおけるマッサージまたは指圧、および医療現場における触診など、施術者の手によって行うあらゆる手法を含む。
【0013】
図1に示されるように、支援システム1は、人間の体の一部を模した支援モデル10と、支援モデル10と通信可能に接続された支援装置30とを備える。
【0014】
支援モデル10は、空気を保持する部材によって人間の体の一部を模している。
図1の例では、支援モデル10は、手および腕を模したような形状を有する。なお、支援モデル10は、手および腕を模したような形状に限らず、頭、肩、足、お腹、背中、および指先など、人間の体のその他の部分を模したような形状を有していてもよい。支援装置30は、学習者(支援システム1のユーザ)が支援モデル10を用いて手技に関する学習を行ったときに、その学習を支援する支援情報を提供する。
【0015】
たとえば、支援装置30は、「支援情報」として、学習者が支援モデル10を用いて学習を行っている間に、支援モデル10の押圧位置に対応する情報、および、支援モデル10に掛かる圧力に対応する情報のうち、少なくとも1つを提供する。あるいは、支援装置30は、「支援情報」として、支援モデル10を用いて行われた手技に関する学習の評価結果を提供する。支援装置30は、このような支援情報に対応する画像をディスプレイ35に表示したり、支援情報に対応する音をスピーカ34から出力したりする。なお、支援装置30は、ディスプレイ35を用いた視覚による支援情報の提供、および、スピーカ34を用いた聴覚による支援情報の提供のうち、少なくとも1つを実行するものであればよい。
【0016】
これにより、学習者は、支援モデル10を用いて手技に関する学習を行うことで、学習を支援する支援情報を支援装置30から取得することができるため、効率よくかつ効果的に自主学習を行うことができる。
【0017】
図2は、実施の形態に係る支援システム1の構成を示す図である。支援システム1は、支援モデル10と、中継装置20と、支援装置30とを備える。
【0018】
支援モデル10は、少なくとも1つの位置センサ11と、少なくとも1つの圧力センサ12と、通信装置13と、空気保持部14とを備える。
【0019】
位置センサ11は、「検出部」の一例であり、ユーザが手で支援モデル10の表面を押圧したときに、その押圧位置を検出する。たとえば、ユーザが手で位置センサ11のセンサ部分を押圧すると、位置センサ11の抵抗が変化し、変化した抵抗に対応する信号が中継装置20に出力される。なお、支援モデル10の押圧位置を検出することができるセンサであれば、公知のあらゆるセンサが位置センサ11に適用され得る。
【0020】
圧力センサ12は、「検出部」の一例であり、ユーザが手で支援モデル10の表面を押圧したときに、その押圧によって支援モデル10に掛かる圧力を検出する。たとえば、ユーザが手で支援モデル10を押圧すると、その押圧によって変化する支援モデル10内の圧力に対応する信号が中継装置20に出力される。具体的には、ユーザが手で支援モデル10を押圧すると、圧力センサ12は、支援モデル10に加わる圧力に応じて電圧を出力する。後述する支援装置30は、以下の式(1)に基づき、圧力センサ12から取得した電圧Vを、圧力Pに変換する。
【0021】
【0022】
なお、支援モデル10に掛かる圧力を検出することができるセンサであれば、公知のあらゆるセンサが圧力センサ12に適用され得る。
【0023】
通信装置13は、有線通信または無線通信によって、中継装置20の通信装置23との間で信号(データ)の送受信を行うインターフェースである。たとえば、通信装置13は、ユーザが位置センサ11のセンサ部分を押圧したときに、押圧によって変化した抵抗に対応する信号を中継装置20に出力する。また、通信装置13は、ユーザが支援モデル10を押圧したときに、押圧の圧力に対応する信号を中継装置20に出力する。
【0024】
空気保持部14は、空気を保持するとともに、その形状を利用して人間の体の一部を模した支援モデル10を形成する。ここで、
図3を参照しながら、空気保持部14について具体的に説明する。
図3は、支援モデル10の作成を説明するための図である。
【0025】
図3(A)に示されるように、空気保持部14は、1枚の上面フィルム141と、1枚の下面フィルム142と、複数枚(たとえば、12枚)の側面フィルム143とを備える。空気保持部14は、これらのフィルムを熱溶着することで作成され得る。
【0026】
上面フィルム141の横方向の長さと、下面フィルム142の横方向の長さとは、ともに同じ長さLである。上面フィルム141の縦方向の長さと、下面フィルム142の縦方向の長さと、側面フィルム143の縦方向の長さとは、ともに同じ長さWである。
【0027】
図3(B)に示されるように、複数の側面フィルム143の各々を折り目に沿って折り曲げた後、複数の側面フィルム143は、向かい合わせになった上面フィルム141と下面フィルム142との間に所定の間隔を空けて配置される。これにより、手首側における辺の長さがa、肘側における辺の長さがb(b>a)、手首側から肘側にかけての長さがWからなるテーパ形状の少なくとも1つの空気室145が形成される。実施の形態においては、複数の空気室145が形成される。また、2つの空気室145の間には、手首側における辺の長さがc、肘側における辺の長さがd(d<c)、手首側から肘側にかけての長さがWからなるテーパ形状の空間146が形成される。このような態様で、1枚の上面フィルム141と、1枚の下面フィルム142と、複数枚の側面フィルム143とが熱溶着されると、シート状の空気保持部14が形成される。
【0028】
図3(C)に示されるように、シート状の空気保持部14を丸めると、空気保持部14は、人間の腕を模したような形状となり、その周方向には、複数の空気室145および複数の空間146が配置される。複数の空気室145の各々には、空気を出し入れすることができる。空気が入れられた後の複数の空気室145の各々は、空気を保持することが可能である。複数の空気室145の各々には、位置センサ11が設けられ、さらに、圧力センサ12が接続される。
【0029】
ユーザが支援モデル10を押圧すると、押圧された位置センサ11の抵抗が変化し、押圧によって変化した抵抗に対応する信号が中継装置20に出力される。また、ユーザが支援モデル10を押圧すると、空気保持部14において空気を保持している空気室145の内圧が変化する。ユーザの押圧位置が空気室145が位置する部分である場合は、空気室145が直接的に押圧されることで、空気室145の内圧が変化する。ユーザの押圧位置が空間146が位置する部分である場合は、上面フィルム141の形状変化が空間146に隣接する空気室145に伝わることで、空気室145の内圧が変化する。圧力センサ12は、空気室145の内圧(すなわち、空気室145によって保持された空気の気圧)の変化を検出し、内圧の変化に対応する信号を中継装置20に出力する。
【0030】
さらに、ユーザは、複数の空気室145の各々で保持される空気圧を変化させることができる。なお、ユーザは、中継装置20または支援装置30を用いて空気室145の空気圧を変化させてもよいし、中継装置20および支援装置30以外の特別な装置を用いて空気室145の空気圧を変化させてもよい。また、支援モデル10は、
図3に示すような形状に限らず、空気を保持する空気保持部14によって人間の体の一部を模すことができるものであれば、あらゆる形状が適用され得る。たとえば、支援モデル10は、1枚のシート状の空気保持部14に限らず、複数の空気室145の各々が独立した複数枚の空気保持部14が接着されたような形状を有していてもよい。
【0031】
上述のように構成された空気保持部14によれば、ユーザは、空気室145の空気圧を変化させることで、支援モデル10全体の堅さを調整することができる。これにより、ユーザは、支援モデル10を用いて、所望の生体の筋肉の堅さを表現することができる。さらに、空気保持部14に保持された空気の気圧の変化を利用することで、圧力センサ12は、ユーザの押圧によって支援モデル10に掛かる圧力を、より細かにより精度よく検出することができる。
【0032】
図2に戻り、中継装置20は、演算装置21と、通信装置23とを備える。たとえば、中継装置20は、ワンボードのマイクロコンピュータで構成され得る。
【0033】
演算装置21は、各種のプログラムに従って各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。演算装置21は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、およびMPU(Multi Processing Unit)のうちの少なくとも1つを含む。さらに、演算装置21は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでいてもよい。なお、演算装置21は、演算回路(Processing Circuitry)で構成されていてもよい。
【0034】
さらに、演算装置21は、記憶領域に検出プログラム225を格納している。演算装置21は、検出プログラムを225に従った処理を実行することで、支援モデル10の位置センサ11からの信号を検出したり、支援モデル10の圧力センサ12からの信号を検出したりする。
【0035】
通信装置23は、有線通信または無線通信によって、支援モデル10および支援装置30の各々との間で信号(データ)の送受信を行うインターフェースである。たとえば、通信装置23は、支援モデル10の通信装置13から、位置センサ11および圧力センサ12の各々の検出値に対応する信号を受信する。
【0036】
支援装置30は、処理装置31と、記憶装置32と、通信装置33と、スピーカ34と、ディスプレイ35とを備える。たとえば、支援装置30は、デスクトップ型のPC(personal computer)、ラップトップ型のPC、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、およびタブレットPCなど、所定の情報処理を実行する情報端末で構成され得る。
【0037】
処理装置31は、各種のプログラムに従って各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。処理装置31は、たとえば、CPU、FPGA、GPU、およびMPUのうちの少なくとも1つを含む。さらに、処理装置31は、DRAMまたはSRAMなどの揮発性メモリ、ROMまたはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでいてもよい。なお、処理装置31は、演算回路で構成されていてもよい。
【0038】
記憶装置32は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置を含む。記憶装置32は、処理装置31が参照する各種のプログラムおよびデータを記憶する。具体的には、記憶装置32は、支援プログラム325と、支援用データ326とを記憶する。支援プログラム325は、支援モデル10を用いた手技に関する学習を支援する支援情報を提供するためのソースコードを含む。支援用データ326は、手技の基準となる基準値など、支援情報を生成するために必要となるデータを含む。
【0039】
通信装置33は、有線通信または無線通信によって、中継装置20との間で信号(データ)の送受信を行うインターフェースである。たとえば、通信装置33は、中継装置20の通信装置23から、ユーザによる支援モデル10の押圧位置を特定可能な信号と、支援モデル10に掛かる圧力を特定可能な信号とを受信する。
【0040】
支援装置30においては、処理装置31が支援プログラム325を実行することで、ユーザに支援情報を提供することができる。具体的には、支援装置30は、中継装置20から取得した支援モデル10の押圧位置を特定可能な信号に基づき支援モデル10の押圧位置を特定し、支援モデル10に掛かる圧力を特定可能な信号に基づき支援モデル10に掛かる圧力を特定する。そして、支援装置30は、特定した押圧位置および圧力と、支援用データ326に含まれる手技の基準となる基準値とに基づき支援情報を生成する。なお、基準値は、支援システム1の設計者によって予め決められた値であってもよいし、熟練者が支援モデル10を用いて作業を行った場合の位置センサ11および圧力センサ12の各々の検出値に基づき設定されてもよい。支援装置30は、支援情報に対応する画像をディスプレイ35に表示したり、支援情報に対応する音をスピーカ34から出力したりする。
【0041】
なお、支援装置30は、中継装置20と一体的に構成されてもよい。すなわち、支援装置30の処理装置31および記憶装置32は、中継装置20の演算装置21の機能を有してもよい。さらに、支援装置30の通信装置33は、中継装置20の通信装置23の機能を有してよい。
【0042】
[支援情報の提供]
図4~
図6を参照しながら、支援システム1による支援情報の提供について説明する。
【0043】
まず、学習者が支援モデル10を用いて学習を行っている間に、支援装置30が、支援情報として、支援モデル10の押圧位置に対応する情報を提供したり、支援モデル10に掛かる圧力に対応する情報を提供したりする場合の例について説明する。
図4は、支援モデル10の押圧位置および押圧の圧力の表示の一例を説明するための図である。
【0044】
図4(A)に示されるように、ユーザが支援モデル10に触れたり支援モデル10を押圧したりすると、
図4(B)に示されるように、ディスプレイ35に表示された支援モデル10のモデル画像110において、支援モデル10の押圧位置に対応する少なくとも1つの位置画像115が示される。支援モデル10は、複数の位置センサ11を備えており、支援装置30は、複数の位置センサ11の各々に対応するように位置画像115を表示させる。支援装置30は、ユーザが支援モデル10から手を離すと、位置画像115を消し、ユーザが支援モデル10を触れながら手を移動させると、位置画像115を手の動きに合わせて移動させる。
【0045】
なお、支援装置30は、位置センサ11によって検出された押圧位置と、支援用データ326に含まれる手技の基準となる基準値(基準の押圧位置)とを比較し、ユーザの押圧位置が基準値から所定範囲を超えて離れていた場合に、適切な押圧位置(たとえば、基準の押圧位置)に対応する画像をディスプレイ35に表示してもよい。
【0046】
さらに、
図4(C)に示されるように、支援装置30は、圧力センサ12によって検出された圧力から算出される支援モデル10に掛かる圧力(荷重)と、支援用データ326に含まれる手技の基準となる基準値(基準の圧力(荷重))とを比較し、ユーザの押圧によって支援モデル10に掛かる圧力ごとに位置画像115を色分けしてディスプレイ35に表示させる。
【0047】
ここで、上述したように、支援モデル10は、テーパ形状の空気室145および空間146を有しているため、位置に応じて支援モデル10の膨張量が異なる。すなわち、支援モデル10の押圧位置に応じて押圧に対する内圧の変化量が異なる。よって、圧力センサ12の検出値をそのまま用いた場合、同じ荷重を加えた場合でも、押圧位置に応じて荷重の推定値が異なるおそれがある。そこで、支援装置30は、以下の式(2)に基づき、内圧と荷重との関係を示す近似直線の傾きを位置Xの関数で表すとともに、位置センサ11の検出値と圧力センサ12の検出値とを関連付けることで、荷重Fの推定を行う。なお、空気室145の初期内圧を15KPaとする。
【0048】
【0049】
上記の式(2)において、Pは内圧、Xは位置センサ11の検出値である。支援装置30は、このような式を用いることで、テーパ形状の空気室145および空間146を有する支援モデル10であっても、支援モデル10の押圧位置に応じて適切に支援モデル10に掛かる圧力(荷重)を推定することができる。
【0050】
支援装置30は、支援モデル10に掛かる圧力が第1基準値未満である場合は、位置画像115を黄色で表示し、支援モデル10に掛かる圧力が第1基準値以上であってかつ第2基準値未満である場合は、位置画像115を緑色で表示し、支援モデル10に掛かる圧力が第2基準値以上である場合は、位置画像115を赤色で表示する。なお、第2基準値に対応する圧力は、第1基準値に対応する圧力よりも大きい。これらの基準値は、押圧位置によって異ならせてもよい。さらに、色分けは、3段階に限らず、2段階であってもよいし、4段階以上であってもよい。
【0051】
上述した第1基準値および第2基準値の各々は、支援システム1の設計者によって予め決められた値であってもよいし、熟練者が支援モデル10を用いて作業を行った場合の圧力センサ12の検出値に基づき設定されてもよい。
【0052】
たとえば、熟練者が支援モデル10のある位置を押圧した場合の適度な圧力を、第1基準値以上であってかつ第2基準値未満とした場合を想定する。学習者が熟練者と同じ位置を熟練者と同じく適度な圧力で押圧することができた場合は、支援モデル10に掛かる圧力が第1基準値以上であってかつ第2基準値未満となって位置画像115が緑色でディスプレイ35に表示される。一方、学習者が熟練者と同じ位置を適度な圧力で押圧することができなかった場合は、支援モデル10に掛かる圧力が第1基準値未満となって位置画像115が黄色でディスプレイ35に表示されたり、支援モデル10に掛かる圧力が第2基準値以上となって位置画像115が赤色でディスプレイ35に表示されたりする。
【0053】
これにより、学習者は、押圧位置ごとに、熟練者と同じく適度な圧力で押圧することができたか否かを、ディスプレイ35に表示された位置画像115によって確認することができる。
【0054】
図4の例では、支援装置30は、支援情報として位置画像115をディスプレイ35に表示しているが、支援装置30は、支援情報として音をスピーカ34から出力してもよい。
【0055】
たとえば、支援装置30は、位置センサ11によって検出された押圧位置と、支援用データ326に含まれる手技の基準となる基準値(基準の押圧位置)とを比較し、ユーザの押圧位置が基準値から所定範囲を超えて離れていた場合に、適切な押圧位置(すなわち、基準の押圧位置)を報知する音をスピーカ34から出力してもよい。
【0056】
また、支援装置30は、圧力センサ12によって検出された圧力から算出される支援モデル10に掛かる圧力(荷重)と、支援用データ326に含まれる手技の基準となる基準値(基準の圧力(荷重))とを比較し、ユーザの押圧による支援モデル10に掛かる圧力が基準値から所定範囲を超えて離れていた場合に、適切な圧力で押圧する旨を報知する音をスピーカ34から出力してもよい。たとえば、支援装置30は、警告音をスピーカ34から出力してもよいし、「強く押さないで下さい」または「弱く押して下さい」などの音声をスピーカ34から出力してもよい。
【0057】
次に、支援装置30が、支援情報として、支援モデル10を用いて行われた手技に関する学習の評価結果を提供する場合の例について説明する。
図5は、支援システム1による評価結果の一例を説明するための図である。
図5では、学習者が、支援モデル10を用いて、前腕後面を5往復施術し、前腕前面を5往復施術し、前面側手首を10回施術し、前腕後面を5往復施術し、前腕前面を5往復施術し、このような一連のマッサージにおいて支援装置30によって算出される評価結果が示されている。なお、評価結果の算出にあたっては、学習者と同様に、熟練者も同じ支援モデル10を用いて、前腕後面を5往復施術し、前腕前面を5往復施術し、前面側手首を10回施術し、前腕後面を5往復施術し、前腕前面を5往復施術する。
【0058】
支援装置30は、手の動かし方、力加減、および密着度のうちの少なくとも1つ指標を算出し、算出した指標に基づき評価結果を算出する。
図5の例では、支援装置30は、手の動かし方、力加減、および密着度の3つの指標に基づき評価結果を算出する。
【0059】
「手の動かし方」の評価結果の算出について説明する。支援装置30は、以下の式(3)に基づき、熟練者が一連のマッサージに要した時間と、学習者が一連のマッサージに要した時間とのずれ量Tnを算出する。
【0060】
【0061】
上記の式(3)において、TMは熟練者が一連のマッサージに要した時間である。TSは学習者が一連のマッサージに要した時間である。
【0062】
支援装置30は、以下の式(4)に基づき、一連のマッサージにおける熟練者の押圧位置の時系列データと学習者の押圧位置の時系列データとの相関係数αを算出する。
【0063】
【0064】
上記の式(4)において、LM(=LM1,LM2,LM3,…LMn)は一連のマッサージにおける熟練者の押圧位置の時系列データである。LS(=LS1,LS2,LS3,…LSn)は一連のマッサージにおける学習者の押圧位置の時系列データである。ここで、αの範囲は、-1以上かつ1以下である。αが1に近いほど評価が高く、αが-1に近いほど評価が低くなる。
【0065】
支援装置30は、以下の式(5)に基づき、α1を算出する。
【0066】
【0067】
さらに、支援装置30は、以下の式(6)に基づき、α2を算出する。
【0068】
【0069】
ここで、α2の範囲は、0以上かつ1以下である。α2が0に近いほど評価が高く、α2が1に近いほど評価が低くなる。
【0070】
支援装置30は、以下の式(7)に基づき、「手の動かし方」の評価結果に対応する点数Vを算出する。なお、手の動かし方の点数Vは、大きければ大きいほど、評価が高い。
【0071】
【0072】
「力加減」の評価結果の算出について説明する。支援装置30は、以下の式(8)に基づき、熟練者の平均圧力と、学習者の平均圧力とのずれ量Pnを算出する。
【0073】
【0074】
上記の式(8)において、PMは熟練者の平均圧力である。PSは学習者の平均圧力である。
【0075】
ここで、ずれ量Pnのみでは、圧力の最大値と最小値との差が大きい場合でも、点数が高くなる可能性がある。このため、支援装置30は、一連のマッサージにおける熟練者による押圧の圧力の時系列データと、学習者による押圧の圧力の時系列データとの相関係数βを考慮する。支援装置30は、以下の式(9)に基づき、相関係数βを算出する。
【0076】
【0077】
ここで、βの範囲は、-1以上かつ1以下である。βが1に近いほど評価が高く、βが-1に近いほど評価が低くなる。
【0078】
支援装置30は、以下の式(10)に基づき、β1を算出する。
【0079】
【0080】
さらに、支援装置30は、以下の式(11)に基づき、β2を算出する。
【0081】
【0082】
ここで、β2の範囲は、0以上かつ1以下である。β2が0に近いほど評価が高く、β2が1に近いほど評価が低くなる。
【0083】
支援装置30は、以下の式(12)に基づき、「力加減」の評価結果に対応する点数Fを算出する。なお、力加減の点数Fは、大きければ大きいほど、評価が高い。
【0084】
【0085】
「密着度」の評価結果の算出について説明する。支援装置30は、支援モデル10の空気室145の内圧が初期内圧(たとえば、15KPa)よりも大きくなるときに、そのときの圧力センサ12の検出値を記憶する。さらに、支援装置30は、一連のマッサージに要した時間を記憶している。そこで、支援装置30は、単位時間(たとえば、一連のマッサージに要した時間)当たりに圧力センサ12の検出値を記憶した回数が多ければ多いほど、密着度が大きいと判断する。なお、単位時間は、一連のマッサージに要した時間に限らず、5分間など、一連のマッサージに要した時間を所定間隔で区切った時間であってもよい。
【0086】
支援装置30は、以下の式(13)に基づき、「密着度」の評価結果に対応する点数Aを算出する。なお、密着度の点数Aは、大きければ大きいほど、評価が高い。
【0087】
【0088】
上記の式(13)において、TMは熟練者が一連のマッサージに要した時間である。TSは学習者が一連のマッサージに要した時間である。NMは熟練者が一連のマッサージを行っている間に圧力センサ12によって検出された検出値(圧力データ)の個数である。NSは学習者が一連のマッサージを行っている間に圧力センサ12によって検出された検出値(圧力データ)の個数である。
【0089】
支援装置30は、上述した方法で、手の動かし方、力加減、および密着度の3つの観点に基づき評価結果(点数)を算出すると、
図5に示されるように、その評価結果をまとめた表をディスプレイ35に表示させる。
【0090】
図5には、学習者A~学習者Lの12人の学習者について、各学習者の評価結果が示されている。
図5(A)は、熟練者によって指導される前に、各学習者が支援モデル10を用いて施術を行った場合の評価結果を示す。
図5(B)は、熟練者によって指導された後に、各学習者が支援モデル10を用いて施術を行った場合の評価結果を示す。表中の「総合点」は、各学習者における、手の動かし方、力加減、および密着度の平均点である。なお、総合点については、手の動かし方、力加減、および密着度の各々について所定の重み付けをした上で平均点を算出してもよい。表中の「平均」は、手の動かし方、力加減、密着度、および総合点の各々における、全ての学習者の平均点である。
【0091】
図5(A)の評価結果と、
図5(B)の評価結果とを比較すると、熟練者による指導後では、全ての学習者において、手の動かし方、力加減、および密着度の各々の点数が概ね上がっている。さらに、熟練者による指導後では、手の動かし方、力加減、および密着度の全てにおいて、全ての学習者の平均点が上がっている。
【0092】
支援装置30は、このような評価結果を支援情報としてディスプレイ35に表示することで、熟練者の指導が適切であったか否かを、点数を用いて可視化することができる。
【0093】
さらに、学習者は、支援モデル10を用いて学習を行うことで、動かし方のような視覚で読み取れる技術に限らず、力加減および密着度のような視覚では読み取ることが難しい技術についても、可視化された点数を用いて、現状把握することができるとともに、これらの技術を効果的に習得することができる。
【0094】
[評価結果の比較]
図6は、支援システム1による評価結果と熟練者による評価結果とを比較した結果の一例を説明するための図である。
【0095】
図6には、縦軸に総合点の平均点をとり、横軸に学習者A~学習者Lの12人の学習者に対応する情報をとった棒グラフが示されている。また、
図6には、熟練者による指導前および熟練者による指導後の各々について、棒グラフが示されている。さらに、
図6(A)には、支援システム1による評価結果のグラフが示され、
図6(B)には、熟練者の目視による評価結果のグラフが示されている。
【0096】
図6(A)の評価結果と、
図6(B)の評価結果とを比較すると、支援システム1による評価結果は、熟練者による評価結果と同様に、ほとんどの学習者の点数が概ね上がっていることを示している。このことから、支援システム1による評価は、熟練者による評価と概ね一致すると言えるため、支援システム1による評価の妥当性が証明されている。
【0097】
ここで、学習者Aおよび学習者Cについて、支援システム1による評価結果では指導後の評価が指導前よりも下がっていることを示す一方で、熟練者による評価では指導後の評価が指導前よりも上がっていることを示している。このような評価の違いは、熟練者が視覚のみで評価を行っているのに対して、支援システム1が力加減および密着度のような視覚では読み取ることが難しい技術についても評価を行っていることが起因していると考えられる。
【0098】
このように、支援システム1は、動かし方のような視覚で読み取れる技術に限らず、力加減および密着度のような視覚では読み取ることが難しい技術についても評価することで、より精度よく学習者を評価することができる。
【0099】
以上のように、支援システム1は、空気を保持する空気保持部14によって人間の体の一部を模した支援モデル10を用いて、学習者に手技に関する学習を行わせることができるため、学習者がより実際の現場に近い環境で手技に関する学習を行うことができる。さらに、支援モデル10の押圧位置および支援モデル10に掛かる圧力の検出値と手技の基準となる基準値とに基づき、支援情報が提供されるため、学習者が効率よくかつ効果的に自主学習を行うことができる。
【0100】
<変形例に係る支援システム>
[力覚による支援情報の提供]
図7を参照しながら、変形例に係る支援システム100を説明する。以下では、変形例に係る支援システム100について、実施の形態に係る支援システム1と異なる部分のみを説明する。
【0101】
実施の形態に係る支援システム1は、ディスプレイ35を用いることで視覚によって支援情報を提供したり、スピーカ34を用いることで聴覚によって支援情報を提供したりしていたが、支援システム1は、力覚のようなその他の人間の感覚を利用して支援情報を提供してもよい。
【0102】
図7は、変形例に係る支援システム100の力覚による支援情報の提供を説明するための図である。
図7に示されるように、変形例に係る支援システムは100は、熟練者が用いる支援モデル10Aと、学習者が用いる支援モデル10Bと、熟練者側の支援装置30Aと、学習者側の支援装置30Bとを備える。支援モデル10Aは、支援装置30Aに通信可能に接続されている。支援モデル10Bは、支援装置30Bに通信可能に接続されている。支援装置30Aは、熟練者が装着する力覚部材50Aと、熟練者が視認するディスプレイ35Aとを備える。支援装置30Bは、学習者が装着する力覚部材50Bと、学習者が視認するディスプレイ35Bとを備える。支援装置30Aは、支援装置30Bと無線によって遠隔通信可能である。
【0103】
力覚部材50Aは、エアバックが搭載されたアクチュエータであり、エアバックの膨張動作を熟練者の背中部分に伝える。力覚部材50Bは、エアバックが搭載されたアクチュエータであり、エアバックの膨張動作を学習者の背中部分に伝える。
【0104】
支援装置30Aは、熟練者が支援モデル10Aを用いて見本となる施術を行ったときに、位置センサの検出値に基づき算出した押圧位置に対応する情報と、圧力センサの検出値に基づき算出した押圧の圧力に対応する情報とを、支援装置30Bに出力する。支援装置30Bは、支援装置30Aから受信した見本となる押圧位置および圧力を、力覚部材50Bを用いて学習者の背中部分に伝える。これにより、熟練者は、学習者に対して、手技に関する学習を支援する支援情報(見本となる押圧位置および圧力)を、力覚を用いて提供することができる。
【0105】
一方、支援装置30Bは、力覚部材50Bから伝わる熟練者からの支援情報(見本となる押圧位置および圧力)を真似して学習者が支援モデル10Bを用いて施術を行ったときに、位置センサの検出値に基づき算出した押圧位置に対応する情報と、圧力センサの検出値に基づき算出した押圧の圧力に対応する情報とを、支援装置30Aに出力する。支援装置30Aは、支援装置30Bから受信した学習中の押圧位置および圧力を、力覚部材50Aを用いて熟練者の背中部分に伝える。これにより、熟練者は、学習者の習熟度合いを、力覚部材50Aから伝わる情報によって把握することができる。
【0106】
このように、支援システム100は、力覚を利用して学習者などのユーザに支援情報を提供してもよい。
【0107】
[学習中における手技の基準となる支援情報の提供]
支援装置30は、学習者が支援モデル10を用いて学習を行っている間に、手技の基準となる支援モデル10の押圧位置に対応する情報および熟練者などによる手技の基準となる支援モデル10に掛かる圧力に対応する情報のうちの少なくとも1つを提供してもよい。
【0108】
たとえば、支援装置30は、学習者が支援モデル10を用いて学習を行っている間に、学習者が押圧すべき位置および適度な圧力を、ディスプレイ35に表示してもよい。このように、支援システム1は、学習者が支援モデル10を用いて学習を行っている間に、支援装置30が施術の見本となるいわゆるナビゲーションを表示することで、学習者の手技に関する学習を効果的に支援することができる。
【0109】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0110】
1,100 支援システム、10,10A,10B 支援モデル、11 位置センサ、12 圧力センサ、13,23,33 通信装置、14 空気保持部、20 中継装置、21 演算装置、30,30A,30B 支援装置、31 処理装置、32 記憶装置、34 スピーカ、35,35A,35B ディスプレイ、50A,50B 力覚部材、110 モデル画像、115 位置画像、141 上面フィルム、142 下面フィルム、143 側面フィルム、145 空気室、146 空間、225 検出プログラム、325 支援プログラム、326 支援用データ。