(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078412
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】インビトロ溶血検出及び全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータの補正
(51)【国際特許分類】
G01N 33/50 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
G01N33/50 L
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048691
(22)【出願日】2023-03-24
(62)【分割の表示】P 2021143309の分割
【原出願日】2018-12-17
(31)【優先権主張番号】PA201700728
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】500554782
【氏名又は名称】ラジオメーター・メディカル・アー・ペー・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ケーア,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ニューラブ,パウリーネ
(72)【発明者】
【氏名】クラウスン,リューディア・デール
(72)【発明者】
【氏名】ラゴニ,スィーネ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを分析するための方法であって、全血サンプルのインビトロ溶血を決定する方法を提供する。
【解決手段】患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを分析するための第1の態様によるインビトロ方法であって、
a)患者の新鮮な全血サンプル中のインビボ溶血を決定するステップと、
b)全体溶血(overall hemolysis)、及び少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するステップと、
c)全体溶血及びインビボ溶血に基づいて、インビトロ溶血を計算するステップと、を含む方法。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを分析するためのインビトロ方法であって、
a)全血サンプルを得た後1時間以内に前記患者の全血サンプル中のインビボ溶血の値を決定するステップと、
b)前記少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した前記患者の全血サンプル中の全体溶血の値及び該全血サンプル中の前記少なくとも1つの血液パラメータの値を決定するステップと、
c)前記全体溶血の値及び前記インビボ溶血の値に基づいて、インビトロ溶血の値を計算するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記インビボ溶血の値を決定するステップは、スタンドアローンデバイスを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スタンドアローンデバイスは、ポイント・オブ・ケアデバイスである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記インビボ溶血の値を決定するステップは、多孔性ミラーデバイス、クロマトグラフィベースのデバイス又は視覚的検出デバイスを使用して実行される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記全体溶血の値及び/又は前記少なくとも1つの血液パラメータの値の決定は、血液ガス分析器を使用して実行される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
d)前記計算したインビトロ溶血の前記値に基づいて、前記ステップb)で決定した前記少なくとも1つのパラメータの前記値を補正するステップを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの血液パラメータが、カリウム、カルシウム、乳酸デヒドロゲナーゼ、及びナトリウムからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの血液パラメータが、カリウムである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップc)が、前記全体溶血の前記値から前記インビボ溶血の前記値を減算する計算を行うことを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップd)が、少なくとも1つの追加の血液パラメータの前記値から前記インビトロ溶血の前記値に基づく因子を減算する計算を行うことを含む、請求項6又は請求項6に従属したときの請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記患者の前記全血サンプルと、前記少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した前記患者の前記全血サンプルとが、本質的に同時に得られたものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
全血サンプルを患者から得た後に直ちに溶血の値を決定することにより、インビトロ溶血の発生を最小化する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
インビトロ溶血の発生を最小化した状態を前記全血サンプル中で達成できるときに、前記患者の前記全血サンプル中のインビボ溶血の前記値を決定する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
分析装置であって、
-入力ユニットと、
-処理ユニットと、を備え、
前記入力ユニットが、(i)患者の全血サンプルのインビボ溶血の値を示すインビボ溶血データ、(ii)前記少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した前記患者の全血サンプル中の全体溶血の値を示す全体溶血データ及び該全血サンプル中の前記少なくとも1つの血液パラメータの値を示すデータを受信するように構成されており、
前記処理ユニットが、前記全体溶血データ及び前記インビボ溶血データに基づいて、インビトロ溶血の値を示すインビトロ溶血データを計算するように構成されており、
前記患者の前記全血サンプル中の前記インビボ溶血データは、前記全血サンプルを得た後1時間以内に決定される、分析装置。
【請求項15】
前記処理ユニットが、前記計算したインビトロ溶血データに基づいて、前記少なくとも1つの血液パラメータデータの前記値を補正するように更に構成されている、請求項14に記載の分析装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した前記患者の全血サンプル中の前記全体溶血の前記値を決定するように構成された測定ユニットを更に備え、
前記入力ユニットが、前記測定ユニットから前記全体溶血データを受信するように構成されている、請求項14又は15に記載の分析装置。
【請求項17】
全血サンプル中の前記少なくとも1つの血液パラメータを決定するように構成されたデバイスを更に備える、請求項14~16のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項18】
全血サンプル中の前記少なくとも1つの血液パラメータを決定するように構成された前記デバイスは、血液ガス分析器である、請求項17に記載の分析装置。
【請求項19】
前記測定ユニットが、全血サンプル中の前記少なくとも1つの血液パラメータの値を決定するように更に構成されている、請求項16に記載の分析装置。
【請求項20】
出力デバイスを更に備え、
前記出力デバイスが、インビトロ溶血の存在及び/又は前記少なくとも1つの血液パラメータの補正された前記値を出力するように構成されている、請求項15又は請求項15に従属したときの請求項16~19のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項21】
前記インビボ溶血の前記値を決定するように構成された測定ユニットを更に備え、
前記入力ユニットが、前記測定ユニットから前記インビボ溶血データを受信するように構成されている、請求項14~20のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項22】
前記インビボ溶血の前記値を決定するように構成された前記測定ユニットは、スタンドアローンデバイスである、請求項21に記載の分析装置。
【請求項23】
前記インビボ溶血データは、インビトロ溶血の発生を最小化した患者の全血サンプルのインビボ溶血の値を示す、請求項14~22のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項24】
全血サンプルを分析するためのシステムであって、
-請求項14~23のいずれか一項に記載の分析装置と、
-全血サンプル中のインビボ溶血を決定し、前記インビボ溶血データを前記分析装置に送信するように構成された遠隔測定ユニットと、を備え、
前記分析装置の前記入力ユニットが、前記遠隔測定ユニットによって決定され送信された前記インビボ溶血データを受信するように構成されている、システム。
【請求項25】
前記遠隔測定ユニットは、スタンドアローンデバイスである、請求項24に記載の分析装置。
【請求項26】
前記全体溶血の値を決定するように構成された、かつ/又は全血サンプル中の前記少なくとも1つの血液パラメータの値を決定するように構成された、第2の遠隔測定ユニットを更に備える、請求項24~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
請求項14~23のいずれか一項に記載の分析装置を制御するためのコンピュータプログラム要素であって、処理ユニットによって実行されると、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されているコンピュータプログラム要素。
【請求項28】
請求項27に記載のコンピュータプログラム要素を記憶しているコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断用血液サンプル分析の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
溶血は、全血、血清、及び血漿サンプル中で頻繁に生じる現象である。血液サンプル中で溶血が生じると、全血中の検体の濃度が、赤血球中で見出される検体の濃度と著しく異なり得るため、溶血していない血液サンプルに比べて多様な血液パラメータの測定が影響を受ける場合がある。例えば、全血血漿中のカリウムレベルは通常約4.0mMであるが、赤血球中のカリウム濃度は通常約150mMである。
【0003】
赤血球中のカリウム濃度は、正常血漿中のカリウム濃度よりも25~75倍高いので、患者の溶血した血液サンプルの液体部分中のカリウムを測定することで、溶血していない血液サンプル中のカリウムレベルに比べて高い測定値がもたらされることになる。さらに、溶血がインビボで既に生じていたかもしれないが、インビトロでも生じたかもしれず、これにより、測定にアーチファクトが導入される。溶血していない血液の液体部分中のカリウム濃度は、多数の状態の重要な指標である。溶血した血液中のカリウム濃度の過剰な推定により、例えば、患者が本来は正常な又は低い濃度のカリウムを有し得るときに、高カリウム血症(血中カリウムの増加)に関する治療が患者にもたらされる場合がある。もとより、比較的少数の壊れた赤血球が、溶血によって生じる人工的に上昇した血中カリウムレベルをもたらす可能性がある。
【0004】
血漿中カリウム濃度の上昇に加えて、カルシウム、乳酸デヒドロゲナーゼ、酸性ホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、及びアラニンアミノトランスフェラーゼなどの他の検体も、血漿中よりも高濃度で赤血球中に存在し、これらの検体は、インビトロ溶血により人工的に上昇する場合がある。
【0005】
溶血の影響を受け得る血液パラメータのリストは、例えば、Lippiらの刊行物(Clin Chem Lab Med 2008;(46)6:764-772)に見出すことができる。
【0006】
潜在的に影響を受ける血液パラメータを表1に纏める。
【0007】
【0008】
欧州特許第0268025B1号は、測定値の誤差を抑えることにより、溶血した血液の血清サンプル中又は血漿サンプル中の成分を測定できるようにする分析方法を記載している。
【0009】
米国特許出願公開第2014/0262831A1号は、過酸化水素を発生させることができる酸化還元酵素を含む電気化学センサを備える全血溶血センサについて記載している。
【0010】
欧州特許第2788755B1号は、穿刺可能な容器からの全血サンプル中の溶血を検出するための視覚的検出デバイスを記載している。
【0011】
国際公開第2016/054030A1号は、許容できないレベルの溶血を示すサンプルを、直ちにフラグ付けできるように又は関連する診断試験において無視できるように、サンプル中の溶血を検出できるようにするデバイス、システム、及び方法を記載している。
【0012】
国際公開第2017/085180A1号は、全血サンプル中の遊離ヘモグロビン(Hb)を光学的に検出するためのセンサと、全血サンプルを分析する方法であって、全血サンプルの遊離ヘモグロビンレベルを光学的にプロービングし、同じ全血サンプルに関して全血サンプル中に存在する更なる成分を測定することと、全血サンプルの溶血レベルに基づいて、更なる成分の測定を補正、フラグ付け、又は廃棄することと、を含む方法と、を記載している。
【0013】
しかし、上記に照らすと、インビボ溶血とインビトロ溶血とを区別し、また全血サンプル中のインビトロ溶血のレベルを決定するための、改良された方法及び血液パラメータ分析器の必要性が依然としてある。サンプルの溶血に基づいた、カリウムなど少なくとも1つの血液パラメータの測定値の補正を改良する必要性が更にある。
【0014】
したがって、本発明の課題は、全血サンプル中の溶血を決定し、特徴付けるための方法を提供することである。本発明の更なる課題は、溶血に基づいて、カリウムなど少なくとも1つの追加の血液パラメータの測定値を補正することである。したがって、本発明の課題は、上記の少なくとも1つの血液パラメータを正確に分析するための方法を提供することである。
【発明の概要】
【0015】
課題は、患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを分析するための第1の態様によるインビトロ方法であって、
a)患者の新鮮な全血サンプル中のインビボ溶血を決定するステップと、
b)全体溶血(overall hemolysis)、及び少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するステップと、
c)全体溶血及びインビボ溶血に基づいて、インビトロ溶血を計算するステップと、を含む方法、によって解決される。
【0016】
課題は、第2の態様による分析装置であって、
-入力ユニットと、
-処理ユニットと、を備える分析装置、によって更に解決される。
【0017】
入力ユニットは、(i)患者の新鮮な全血サンプルのインビボ溶血データ、(ii)全体溶血データ、及び少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータのデータを受信するように構成される。
【0018】
処理ユニットは、全体溶血データ及びインビボ溶血データに基づいて、インビトロ溶血データを計算するように構成される。
【0019】
更に、第3の態様によれば、本発明は、全血サンプルを分析するためのシステムであって、
-第2の態様による分析デバイスと、
-新鮮な血液サンプル中のインビボ溶血を決定し、インビボ溶血データを分析デバイスに送信するように構成された遠隔測定ユニットと、を備えるシステムに関する。
【0020】
分析デバイスの入力ユニットは、遠隔測定ユニットによって決定され送信されたインビボ溶血データを受信するように構成される。
【0021】
第4の態様によれば、本発明は、本発明の分析装置を制御するためのコンピュータプログラム要素であって、処理ユニットによって実行されると、第1の態様の方法を実施するように構成されたコンピュータプログラム要素に関する。
【0022】
第5の態様によれば、本発明は、第4の態様のコンピュータプログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】第2の態様による分析装置の例を概略的に示す。
【
図4】第3の態様によるシステムの例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1の態様は、患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを分析するための方法であって、
a)患者の新鮮な全血サンプル中のインビボ溶血を決定するステップ10と、
b)全体溶血、及び少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するステップ12と、
c)全体溶血及びインビボ溶血に基づいて、インビトロ溶血を計算するステップ14と、を含む方法に関する。
【0025】
全体溶血及びインビボ溶血に基づいてインビトロ溶血を決定することにより、本発明の方法は、インビボ溶血の量とインビトロ溶血の量とを区別する手段を提供する。これは、血液サンプルの結果及び患者にとってのその妥当性を解釈するときに、医師にとって有益な情報であり得る。
【0026】
本発明の方法は、インビトロ方法であることが好ましい。
【0027】
その最も広い意味では、本発明は、a)でのインビボ溶血の決定と、b)での全体溶血の決定とを、それらの順序に拘らずに含む全ての方法を網羅する。したがって、一実施形態では、最初にインビボ溶血を決定し、その後に全体溶血を決定してもよい。
図1は、第1の態様によるそのような方法を示す。
【0028】
別の実施形態では、最初に全体溶血を決定し、その後にインビボ溶血を決定する。この実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中で全体溶血を検出した場合にのみ、インビボ溶血を決定することが好ましい。
【0029】
一般的に知られているインビボ溶血検査を使用することにより、新鮮な全血サンプル中のインビボ溶血を決定してもよい。一般に、インビトロ溶血の発生を最小化した状態又は更に完全に排除した状態を血液サンプル中で達成できるときに、インビボ溶血を決定してもよい。例えば、試料の輸送又は処理の遅延などによるインビトロ溶血を誘発しないように、血液サンプルを患者から得た後に直ちに溶血を決定することにより、インビトロ溶血の発生を最小化してもよい。更に、全血サンプルの遠心分離又は激しい混合を避けることにより、インビトロ溶血のリスクを更に最小化することができる。
【0030】
一実施形態では、インビボ溶血は、スタンドアローンデバイス、好ましくはポイント・オブ・ケアデバイスを使用して決定される。インビボ溶血を決定するのに適したデバイスの非限定的な例としては、クロマトグラフィベースのデバイス又は多孔性ミラーデバイスが挙げられる。
【0031】
好ましい実施形態では、インビボ溶血は、多孔性ミラーデバイスを使用することによって決定される。デバイスは典型的に、赤血球が評価できないが、遊離ヘモグロビンが入ることができる細孔を半透明サンプラが含むように構成されており、遊離ヘモグロビンを光学的に検出することにより、その濃度を決定し得る。そのような多孔性ミラーデバイスは、例えば、国際公開第2017/085180A1号及び同第2017/085162A1号に記載されている。デバイスは、全血サンプル中の遊離ヘモグロビンを光学的に検出するためのセンサであって、前面及び前面から離れた後面を有する半透明スラブを含み、前面が、全血サンプルと接触するように適合されている、センサと、半透明スラブの前面にある反射層であって、半透明スラブから反射層に到達する光を反射するように適合されている、反射層と、光源及び検出器を含む光学プロービングデバイスであって、光源が、半透明スラブの少なくとも細孔を照明するように適合されており、検出器が、光源による照明に応答して細孔から出てくる光を受光するように配置されており、かつ検出された光を表す信号を生成するように適合されている、光学プロービングデバイスと、を備え得る。半透明スラブには、後面に向かう方向で前面から半透明スラブ内に延びる有底細孔が設けられる。細孔はそれぞれ、反射層を貫通するそれぞれの開口を半透明スラブの前面に有する。細孔の開口の断面寸法が、細孔への遊離ヘモグロビンの進入を許しながら、細孔への赤血球の進入を防ぐようにサイズ決めされる。
【0032】
別の実施形態では、クロマトグラフィ検査デバイスを使用して、インビボ溶血を決定してもよい。そのようなクロマトグラフィ検出デバイスは、サンプル適用部位及び検出部位を含む。遊離ヘモグロビンを含むが赤血球を含まない流体が、毛管力によって適用部位から移動し、例えば光学的検出によって、検出部位で検出され得る。そのようなクロマトグラフィ検出デバイスの非限定的な例が、国際公開第2015/191450A1号に記載されている。
【0033】
一実施形態では、インビボ溶血を決定するためのクロマトグラフィデバイスは、クロマトグラフィ材料としてのフィルタ紙の使用に基づく。
【0034】
別の実施形態では、欧州特許第2788755B1号(例えば、請求項1を参照)に記載されるような視覚的検出デバイスを使用して、インビボ溶血を決定してもよい。半定量的デバイスが、例えば、Helge(商標)(Hemcheck Sweden AB)として市販されている。
【0035】
新鮮な血液サンプル中のインビボ溶血を決定するための他の方法は、メトヘモグロビンのレベルを決定することを含んでもよい。そのような方法は、例えば、国際公開第2016/054033A1号に記載されており、メトヘモグロビンの第1の量を測定した後に、サンプルを酸化剤と接触させて遊離ヘモグロビンを酸化させ、メトヘモグロビンの第2の量を測定する。
【0036】
患者の全血サンプル中の全体溶血、及び少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した少なくとも1つの血液パラメータは、典型的に、同じ分析器で決定されるが、別個の分析器を使用して決定されてもよい。好ましい実施形態では、全体溶血及び/又は少なくとも1つの血液パラメータは、血液ガス分析器を使用して決定される。
【0037】
全体溶血及び少なくとも1つの血液パラメータの決定に使用される全血サンプルには典型的に、インビトロ溶血が生じたかもしれないリスクがある。全血サンプルを患者から得た部位には典型的に分析器が存在せず、したがって分析器に輸送する必要がある。さらに、血液ガス分析用のサンプルにキャップをする必要があり、及び/又は空気を除去する必要があり、サンプルは、抗凝固剤と混合される。これらのステップ全ての間に、インビトロ溶血が生じる場合がある。
【0038】
好ましい実施形態では、指を刺すことによって得られた新鮮な血液サンプル中でインビボ溶血を決定し、好ましくは、最初の3つの血液滴をインビボ溶血の決定に使用しない。
【0039】
別の実施形態では、インビボ溶血を決定するための新鮮な全血サンプルを、シリンジの引き込みによって得た。
【0040】
好ましい実施形態では、患者の新鮮な全血サンプルと、少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプルとを、本質的に同時に得た。好ましい実施形態では、2つの血液サンプルを、100分以内、好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内、更により好ましくは3分以内に得た。
【0041】
別の好ましい実施形態では、全体溶血、及び少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するためのサンプルを、新鮮な全血サンプルを患者から得る前15分以内、好ましくは、新鮮な全血サンプルを患者から得る前5分以内に採血する。
【0042】
別の好ましい実施形態では、全体溶血、及び少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するためのサンプルを、新鮮な全血サンプルを患者から得た後60分以内、好ましくは、新鮮な全血サンプルを患者から得た後30分以内、更により好ましくは、新鮮な全血サンプルを患者から得た後10分以内、更により好ましくは、新鮮な全血サンプルを患者から得た後5分以内に採血する。
【0043】
別の好ましい実施形態では、新鮮な全血サンプルと少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプルとは、異なる時点で測定されるが、同じ血液サンプルであり、例えば、血液サンプルを得た後直ちに、例えば10分以内に、インビボ溶血を測定し、サンプルを更に処理した後に、例えば、キャップを取り付け、全血サンプルを含むサンプラを通気し、血液サンプル全体にヘパリンなどの抗凝固物質を溶かし、サンプルを分析器に輸送し、及び/又はサンプルを混合した後に、全体溶血及び少なくとも1つの血液パラメータを全血サンプル中で測定する。特に好ましい実施形態では、全血サンプルは、多孔性ミラー血液サンプラ内に提供され、全血サンプルを更に処理する前にインビボ溶血を光学的に決定してもよく、多孔性ミラー血液サンプラは、好ましくは血液ガス分析器内で、全体溶血及び少なくとも1つの追加の1つの血液パラメータを決定するのに適している。
【0044】
一実施形態では、全体溶血及びインビボ溶血に基づいてインビトロ溶血を計算した後にインビトロ溶血を検出した場合に、少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプルがフラグ付けされる。インビボ溶血及びインビトロ溶血の存在により、医師は、インビボ溶血及びインビトロ溶血の結果をどのように解釈するか、また溶血が少なくとも1つの血液パラメータの測定に潜在的に影響を及ぼしたかどうかを決定する必要がある。
【0045】
好ましい実施形態では、インビトロ溶血の計算は、全体溶血からインビボ溶血の値を減算する計算を行うことを含む。しかし、この計算は、例えば、インビボ溶血を、例えば、「少ない」、「中庸」若しくは「多い」として半定量的に決定する場合、又はインビボ溶血を、全体溶血とは異なる単位で測定する場合に、追加の換算係数の使用を含んでもよい。
【0046】
一実施形態では、インビトロ溶血の計算は、同じ患者からのいくつかの異なる血液サンプル中でインビボ溶血を得た場合に、平均されたインビボ溶血値に基づく計算を行うことを含んでもよく、例えば、平均のインビボ溶血として結果を平均してもよい。
【0047】
好ましい実施形態では、本発明の方法は、
d)計算したインビトロ溶血に基づいて、ステップb)で決定した少なくとも1つのパラメータの値を補正するステップを更に含む。
【0048】
上述したように全血サンプルにフラグ付けすることに加えて又はその代わりに、少なくとも1つのパラメータの値を補正してもよい。全体溶血の代わりにインビトロ溶血に基づいて少なくとも1つのパラメータの値を補正することで、単に全体溶血に基づいて補正するよりも正確に補正された試験結果がもたらされる。
【0049】
好ましい実施形態では、ステップd)は、少なくとも1つの追加の血液パラメータの値からインビトロ溶血に基づく因子を減算する計算を行うことを含む。この計算は典型的に、インビトロ溶血の程度を少なくとも1つの血液パラメータの対応する単位に換算するための換算係数の使用も必要とする。α係数とも呼ばれ得る換算係数を、例えば、既知の溶血量を有する一連のサンプルを使用することにより、例えば、溶血していない血液サンプルと完全に溶血した血液サンプルとを混合して、溶血していないサンプル中に既知の量の例えば遊離ヘモグロビンを導入し、次いで、一連のサンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定することにより、実験的に決定してもよい。次いで、一連のサンプルのデータ(既知の濃度の遊離ヘモグロビンに関する血液パラメータ)を、例えば線形回帰を使用して、フィッティングし、換算係数を決定してもよい。例えば、少なくとも1つの血液パラメータとしてのカリウムの換算係数は、-3μM K+/(mg Hb/dL)である。カルシウムの換算係数は、0.13μM Ca2+/(mg Hb/dL)である。(Harmonization in Hemolysis detection and prevention.A working Group of the Catalonian Health Institute(ICS)experience.Fernandez,P.et al.,Clin.Chem.Lab.Med.2014,52(11),p.1557を参照)他の血液パラメータの換算係数は、当業者によってしかるべく容易に決定され得る。
【0050】
また別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータは、表1の血液パラメータのうちの少なくとも1つである。
【0051】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータは、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、クレアチニン、クレアチンキナーゼ、鉄、乳酸デヒドロゲナーゼ、リパーゼ、マグネシウム、リン、カリウム、カルシウム、酸素の分圧、二酸化炭素の分圧、及び尿素からなる群から選択される。
【0052】
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータは、カリウム、カルシウム、乳酸デヒドロゲナーゼ、酸素の分圧、二酸化炭素の分圧、及びナトリウムからなる群から選択される。
【0053】
また別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータは、カリウム、カルシウム、乳酸デヒドロゲナーゼ、及びナトリウムからなる群から選択される。
【0054】
また別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータは、カリウム、カルシウム、及び/又はナトリウムである。
【0055】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータはカリウムである。カリウムについて、好ましい実施形態では、最大で1000mg Hb/dLのインビトロ溶血値、好ましくは、300mg Hb/dLの値まで、又は最大で200mg Hb/dLの値の場合に、少なくとも1つの血液パラメータをインビトロ溶血値に基づいて補正することができる。通常、最大で50~100mg Hb/dLの溶血を示す血液サンプルは、当該技術分野によれば通常、補正せずに使用される。(Harmonization in Hemolysis detection and prevention.A working Group of the Catalonian Health Institute(ICS)experience.Fernandez,P.et al.,Clin.Chem.Lab.Med.2014,52(11),p.1557を参照)
【0056】
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの血液パラメータはカルシウムである。
【0057】
第2の態様によれば、本発明は、
-入力ユニット22と、
-処理ユニット24と、を備える分析装置20にも関する。
【0058】
入力ユニットは、(i)患者の新鮮な全血サンプルのインビボ溶血データ、(ii)全体溶血データ、及び任意選択的に、少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータのデータを受信するように構成される。
【0059】
処理ユニットは、全体溶血データ及びインビボ溶血データに基づいて、インビトロ溶血データを計算するように構成される。
【0060】
図2は、第2の態様による分析装置20の例を概略的に示す。
【0061】
図2の例では、分析装置20は、データプロセッサとして、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯情報端末(PDA)、スマートフォンとして、又は電子機器のカスタム設計品として実装される。
【0062】
入力ユニット22は、多種多様なソースから入力データを受信することができる。例えば、入力ユニット22は、測定されたインビボ溶血データ、全体溶血データ、及び任意選択的に血液パラメータデータを、物理的キーボード又はオンスクリーン若しくはタッチスクリーンインターフェースを介して提示されたキーボードを使用して、ユーザが手動で入力できるようにするキーボードインターフェースを含んでもよい。
【0063】
任意選択的に、入力ユニット22は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)規格に準じた、有線データインターフェースを含む。任意選択的に、入力ユニット22は、測定されたインビボ溶血データ、全体溶血データ、及び任意選択的に血液パラメータデータをローカルエリアネットワーク又はより遠隔の場所から得ることができるようにする、ローカルエリアネットワーク(LAN)及び/又は広域ネットワークインターフェースを含む。
【0064】
任意選択的に、入力ユニット22は、測定されたインビボ溶血データ、全体溶血データ、及び任意選択的に血液パラメータデータを、分析装置から遠隔に位置する遠隔リーダから分析装置に提供できるようにする、例えば、Bluetooth(登録商標)及び/又はIEEE 802.11無線ローカルエリアネットワーク、及び/又はGSM、CDMA、LTE移動電話規格に準じた、無線データインターフェースを含む。
【0065】
任意選択的に、入力ユニット22は、測定されたインビボ溶血データ、全体溶血データ、及び任意選択的に血液パラメータデータを、光学データを含むハンドヘルドユニット及び/又は光学データを有するIR送信機及び/又は分析装置の赤外線インターフェースを調整することにより、分析装置に提供できるようにする、光学データ及び/又は赤外線(IR)インターフェースを含む。
【0066】
当業者は、分析装置20にデータを入力するための多種多様な技術を利用できることを理解するであろう。
【0067】
好ましくは、入力ユニット22は、インビボ溶血データを得るために使用されたデバイス、並びに全体溶血及び少なくとも1つの追加の血液パラメータを決定するために使用される、例えばポイント・オブ・ケアデバイスなどのデバイスから、デジタル的に送信される、測定されたインビボ溶血データ、全体溶血データ、及び任意選択的に血液パラメータデータを受信するように構成される。
【0068】
処理ユニット24は、測定されたインビボ溶血データ、全体溶血データ、及び任意選択的に血液パラメータデータが、処理ユニット24に提示されて、第1の態様の方法によりインビトロ分析データを計算できるように、入力ユニット22に動作可能に接続される。
【0069】
任意選択的に、処理ユニット24は、パーソナルコンピュータ(PC)又は携帯情報端末(PDA)の中央処理ユニット(CPU)として提供される。あるいは、処理ユニット24は、スマートフォンのプロセッサとして提供される。あるいは、カスタム設計された分析装置20が提供されてもよく、この場合、処理ユニット24は、マイクロプロセッサ(ARM Cortex(登録商標)シリーズのプロセッサなど)、マイクロコントローラ(Intel(登録商標)80296ファミリーのマイクロコントローラなど)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。
【0070】
当然ながら、当業者は、好適な処理ユニット24の実装には多くの変形が存在すること、並びに基本入出力システム(BIOS)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電源及び調整回路、通信バスなどの補助構成要素を、特定の使用事例に応じて任意選択的に実装できることを理解するであろう。
【0071】
さらに、当業者は、第1の態様又はその任意選択的な実施形態の方法によるステップを排他的に行う処理ユニット24を提供してもよいが、これが必須でないことを理解するであろう。任意選択的に、第1の態様及びその任意選択的な実施形態の方法によるステップに加えて、オペレーティングシステム及び他のアプリケーションソフトウェアの実行などの他の動作を行う処理ユニット24を提供することができる。
【0072】
動作中、分析装置20に電源供給が施される。処理ユニット24及び入力ユニット22は、それらの標準的な初期化動作を行う。処理ユニット24及び入力ユニット22は次いで、概ね上述したように、分析装置22のユーザーが、手動によるキーボード入力、有線、無線又は光学手段によって入力データを提供するのを待つ。入力ユニット22は、インビボ溶血データ及び全体溶血データを受信すると、それを分析装置20のデータバスを介して処理ユニット24に送信する。インビボ溶血データ及び全体溶血データを受信すると、第1の態様の方法又はその任意選択的な実施形態による溶血分析サブルーチンを含むコンピュータ処理命令が、処理ユニット24にロードされる。処理ユニット24は、例えば、溶血分析サブルーチンによって定義された、算術演算、ルックアップテーブル演算、カーブフィッティング演算又は同等の演算のうちの1つ又は組み合わせを行う。溶血分析サブルーチンの出力は、入力データに基づくインビトロ溶血データである。
【0073】
任意選択的に、処理ユニット24は、計算結果(インビトロ溶血データ)をランダムアクセスメモリに記憶する。任意選択的に、処理ユニット24は、計算結果を表示手段、 又は通信手段に送信する。
【0074】
好ましい実施形態では、入力ユニットによって受信されたインビトロ溶血データと全体溶血データとを、それぞれの患者識別子(ID)を使用することによってマッチングしてもよい。患者IDは、例えば、任意選択的なバーコード読み取りデバイス(図示せず)などの入力ユニットによって読み取られてもよく、又は手動で入力されてもよい。
【0075】
好ましい実施形態では、処理ユニットは、計算したインビトロ溶血データに基づいて、少なくとも1つの血液パラメータデータの値を補正するように更に構成される。補正は、本発明の方法について上述したように生じ得る。
【0076】
任意選択的に、分析装置は、少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の全体溶血を決定するように構成された測定ユニット28を更に備える。
【0077】
入力ユニットは、測定ユニットから全体溶血データを受信するように構成される。
【0078】
例えば、測定ユニット28は、前述したように、多孔性ミラー検出デバイス、クロマトグラフィ検査デバイス、又は視覚的な溶血分析を行うことができるデバイスとして提供される。
【0079】
任意選択的に、分析装置20は、新鮮な全血サンプル中のインビボ溶血を決定するように構成された測定ユニットを更に備え、入力ユニットが、測定ユニットからインビボ溶血データを受信するように構成される。
【0080】
任意選択的に、分析装置20は、全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するように構成されたデバイス30を更に備える。測定ユニットは、全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するように更に構成される。
【0081】
任意選択的に、分析装置20は、出力デバイス26を更に備える。出力デバイス26は、処理ユニット24によって計算されたインビトロ溶血データ、及び/又は少なくとも1つの血液パラメータの補正値を出力するように構成されることが好ましい。
【0082】
出力デバイス26の任意選択的な例は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、及び/又はプリンタである。更に、出力デバイス26は、LAN、WLAN、又はシリアル接続を介してインビトロ溶血データを送信できる出力デバイスドライバを含んでもよい。任意選択的に、出力デバイス26は、患者データのセキュリティを確保するために暗号化エンジンなどのセキュリティ機能を含んでもよい。
【0083】
図3は、簡素な液晶ディスプレイ36及びサンプルポート38を有する、(例えば、ABS樹脂で作製された)手持ち式の筐体34を含む遠隔測定ユニット32の例を示す。サンプルポート38は、使い捨てサンプルキャリア40を受け入れるように構成される。
【0084】
動作中、新鮮な血液サンプルが患者から得られ、新しい使い捨てサンプルキャリア40に置かれる。使い捨てサンプルキャリア40は、遠隔測定ユニット32のサンプルポート38に挿入される。遠隔測定ユニット32は、ユーザーによって作動される電源スイッチによって初期化されるか、又は使い捨てサンプルキャリア40をサンプルポート38に受け入れると自動的に初期化されるかのいずれかである。次いで、遠隔測定ユニット32は、使い捨てサンプルキャリア40上の血液サンプルを試験して、新鮮な血液サンプル中のインビボ溶血を決定する。
【0085】
遠隔測定ユニット32は、任意選択的に、インビボ溶血の結果を、例えば、記録し、更なる分析のための全血サンプルと共に移送し得るように、液晶ディスプレイ36上でユーザーに表示するように構成される。
【0086】
最も簡素な場合、インビボ溶血データは、遠隔測定デバイスから読み取られ、患者又は医療専門家によって記録され、例えば、郵送によるか若しくは電話を介して、手動で分析デバイスに報告されるか、又は輸送用の全血サンプルを収容する容器に添付されてもよい。
【0087】
任意選択的に、遠隔測定ユニット32は、分析デバイスへの(任意選択的に暗号化された)データ接続を介してインビボ溶血データを転送するように構成される。
【0088】
例えば、遠隔測定デバイスは、GSM、CDMA、及び/若しくはLTEモデム、又はWiFi及び/若しくはLANインターフェースを任意選択的に含んでもよい。
【0089】
第3の態様によれば、本発明は、全血サンプルを分析するためのシステム48であって、
-上述した第2の態様又はその任意選択的な実施形態による分析デバイス54と、
-新鮮な血液サンプル中のインビボ溶血を決定し、インビボ溶血データを分析デバイスに送信するように構成された遠隔測定ユニット50と、を備え、
分析デバイスの入力ユニットが、遠隔測定ユニットによって決定され送信されたインビボ溶血データを受信するように構成されている、システムに関する。
【0090】
図4は、全血サンプルを分析するためのシステム48の例を示す。
【0091】
例示的なシステムは、患者の住居、医師の診療室、患者の病室など52にある遠隔測定ユニット50を備える。あるいは、遠隔測定ユニット50は、医療専門家又は介護人によって持ち運ばれてもよい。
【0092】
システムは、医療検査室に配置された分析デバイス54も備える。結果を読み取り、定型化するために、分析デバイス54は、例えば、モニタ58、キーボード60及びマウス62を有するパーソナルコンピュータ56に接続される。
【0093】
動作中、医療専門家、介護人、又は更には患者自身が、患者の住居、医師の診療室、患者の病室など52で全血サンプル51を採血するとともに、遠隔測定ユニット50を使用してインビボ溶血を評価する。全血サンプル51は、医療検査室に発送され、インビボ溶血データは、図示された例では、全血サンプル51の容器に提供されたラベルによって医療検査室に送付される。任意選択的に、インビボ溶血データは、(任意選択的に暗号化された)バーコード若しくはQRコード(登録商標)として、又はUSBスティック内で提供される。あるいは、インビボ溶血データは、例えば、インターネット、又は医療検査室によってホスティングされるプライベートFTPサーバを介して提供される、(任意選択的に暗号化された)データリンク53を介して送信されてもよい。
【0094】
インビボ溶血データは、分析デバイス54に提供される。全血サンプル51は、分析デバイス54に挿入される.インビボ溶血データを考慮して、分析デバイス54は、全体溶血、及び任意選択的に、少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した患者の全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定し、全体溶血及びインビボ溶血に基づいてインビトロ溶血を計算する14。分析デバイス54は、例えばパーソナルコンピュータ56を使用して、試験の結果を医療専門家に報告する。
【0095】
好ましい実施形態では、システムは、全体溶血を決定するように構成された、かつ/又は全血サンプル中の少なくとも1つの血液パラメータを決定するように構成された、第2の遠隔測定ユニットを更に備えてもよい。
【0096】
第4の態様によれば、本発明は、本発明の分析装置を制御するためのコンピュータプログラム要素であって、処理ユニットによって実行されると、本発明の方法を実施するように構成されているコンピュータプログラム要素にも関する。
【0097】
コンピュータプログラム要素は、例えば、コンピュータの処理ユニットによって実行されると、第1の態様の方法の計算ステップを行うコンピュータ命令を含むデータ構造を含んでもよい。
【0098】
第5の態様によれば、本発明は、第4の態様のコンピュータプログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体にも関する。
【0099】
本発明は、最初からコンピュータプログラム要素を含んでいるコンピュータ上、又はアップデートの形態のコンピュータプログラム要素をディスク若しくはインターネットのアップデートによって受信したコンピュータ上で具現化されてもよい。
【0100】
任意選択的に、コンピュータ可読媒体は、CD-ROMディスク、DVDなどの光学記憶媒体又は供給媒体、あるいはUSBスティック若しくは磁気ディスクなどのソリッドステート記憶媒体又は供給媒体を含んでもよい。
【0101】
任意選択的に、インターネットを介したダウンロードによってコンピュータプログラム要素を提供するためのプログラムが提供される。
【0102】
図面及び本明細書を参照して本発明を例示及び説明してきたが、これらは、限定するものではなく説明及び例示するものとみなされるべきである。本発明は、開示される実施形態に限定されない。図面、開示、及び従属請求項を検討する当業者は、本明細書に記載される実施形態に合理的な変形を施すことができる。参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
【0103】
本明細書で使用するとき、用語「本質的に同時に」は、インビボ溶血の値が変化し得ない時間内に患者から2つの全血サンプルを得たことを意味する。
【0104】
本明細書で使用するとき、用語「抗凝固剤」は、血液の凝固、すなわち、フィブリン重合、したがってフィブリン血餅形成をもたらす凝固カスケードを防止又は低減する物質を意味する。抗凝固剤は、したがって、初期血小板凝集後に凝固因子によって凝固カスケードを阻害することによって凝固時間を延長する。
【0105】
本明細書で使用するとき、用語「パラメータ」又は「血液パラメータ」は、血液サンプルに関する任意の臨床情報を意味する。好ましくは、血液パラメータは、血液中に存在する検体の濃度である。
【0106】
用語「備える(comprising)」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、他の要素を除外するものでない。本発明の目的のために、用語「からなる(consisting of)」は、用語「から構成される(comprising of)」の好ましい実施形態であるとみなされる。
【0107】
単数形名詞を指すときに、例えば、「a」、「an」又は「the」などの不定冠詞又は定冠詞が使用される場合、これは、特に明記しない限り、その名詞の複数形を含むが、好ましい実施形態では単数形に関連する。
【0108】
本明細書で使用するとき、「少なくとも1つの血液パラメータ」におけるような用語「少なくとも1つ」は、1種類の要因のみ又は異なる複数の要因、例えば、異なる複数の血液パラメータが、存在し得ることを意味する。好ましい実施形態では、「少なくとも1つの」は、「1」種類の要因、例えば、1種類の血液パラメータ、例えばカリウムを意味する。
【0109】
本明細書で使用するとき、「全血サンプル」におけるような用語「血液サンプル」は、診断又は分析の目的に適した血液のサンプルを指す。したがって、血液サンプルは、比較的少量の血液(20μL~10mLの血液)を含み、すなわち、例えば、供血に必要な量(最大で約450mLの血液)を含まない。「少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した血液サンプル」は、血液サンプルが、少なくとも1つの血液パラメータの決定に使用するのに適していることを意味する。例えば、血液ガスパラメータ及び基本代謝パネル判定に適した血液サンプルは、例えば、特別なキャップを提供すること及び/又は血液サンプルで満たされたサンプラから空気を除去することにより、例えば、O2及びCO2の、分圧を確実に決定できる特別な血液サンプル内で調製する必要がある。
【0110】
本明細書で使用するとき、用語「全血」は、血漿及び細胞成分、例えば、赤血球、白血球、及び血小板からなる血液を指す。好ましくは、用語「全血」は、ヒト被験者又は動物被験体の全血を、特にヒト被験者の全血を指す。
【0111】
本明細書で使用するとき、用語「血漿(plasma)」又は「血漿(blood plasma)」は、血液の液体部分及び細胞を含まないリンパ液を指す。
【0112】
本明細書で使用するとき、用語「半透明」は、光を通過させる材料特性を指す。
【0113】
本明細書で使用するとき、用語「血液サンプラ」は、シリンジ、毛細管、又は試験管などの血液採取のためのデバイス、例えば、Picoシリンジ(Radiometer Medical ApS)、真空試験管、又は血液サンプリング用に指定された同様のデバイスなどの吸引サンプラ又は自動吸引サンプラを意味する。
【0114】
本明細書で使用するとき、「患者の新鮮な血液サンプル」におけるような用語「新鮮な」は、採血後約1時間以内、好ましくは採血後約30分以内、より好ましくは採血後約15分以内、更により好ましくは採血後約10分以内に分析に使用される血液サンプルを指す。さらに、新鮮な血液サンプルは、血液分析までの長時間の移送、例えば10分超の輸送、又は血液サンプルの激しい混合などの、インビトロ溶血を誘発し得る状態に曝されていない。
【0115】
本明細書で使用するとき、用語「約」は、本出願の数値の文脈において、例えば、「約10分」において、「約」の直後に列挙された値が、例えば、測定誤差などによる正確な数値からのわずかな偏差も含むことを意味する。好ましい実施形態では、用語「約」は、用語「約」の直後に列挙された値の15%以内(±15%)の値を意味し、この範囲内の任意の数値、この範囲の上限(すなわち、+15%)に等しい値、及びこの範囲の下限(すなわち、-15%)に等しい値を含む。例えば、語句「約100」は、85及び115を含む85~115の任意の数値を包含する(ただし、「約100%」は常に100%の上限を有し、例外である)。一態様では、「約」は、±10%、更により好ましくは±5%、更により好ましくは±1%又は±1%未満を意味する。
【0116】
本明細書で使用するとき、用語「溶血」は、例えば、化学的、熱的、機械的、又は病理的な影響により、赤血球が壊れて、赤血球のヘモグロビン及び他の内部成分(例えば、カリウム)を周囲の液体(例えば、血漿)に放出させることを指す。溶血は、例えば、血液サンプル中の遊離ヘモグロビンの程度を測定することによって決定され得る。用語「ヘモグロビン」は、天然に生じる全ての形態の糖化及び非糖化ヘモグロビン並びにそれらの誘導体を指す。用語は、ヘモグロビンの少なくとも2つのグロビンサブユニット又はドメインからなる任意の分子を指し得る。ヘモグロビンは、溶液中に遊離する(すなわち、「遊離ヘモグロビン」)ことができ、又は細胞、リポソームなどに含まれることができる。しかし、溶血の存在は、K+、LDH、又は炭酸アンヒドラーゼなど、溶血を示す他の検体を検出する他の方法によって測定されてもよい。この文脈において、溶血を示す検体は勿論、少なくとも1つの血液パラメータと同じ検体でないことが理解される。したがって、K+が少なくとも1つの血液パラメータである場合、溶血を示す検体は、例えば、遊離ヘモグロビンの濃度である。
【0117】
本明細書で使用するとき、用語「全体溶血」は、測定された溶血がインビボで生じ得たか、又はインビトロで生じ得たかを区別せずに、血液サンプル中で測定され得る溶血のレベルを指す。
【0118】
本明細書で使用するとき、用語「インビトロ溶血」は、試料サンプルの不適切な採取、試料サンプルの不適切な処理、又は試料サンプルの不適切な輸送など、試料サンプルの不適切な取り扱いに起因して生じる溶血を指す。特に、インビトロ溶血は、例えば、サンプルが多孔性フィルタ媒体を通過する濾過プロセス中に生じ得る、大きな圧力低下及び大きな剪断率又は伸長率によって生じる場合がある。インビトロ溶血に関する他の重要な因子は、カテーテル、静脈内又は毛細血管血液採取の使用;針ゲージ;静脈穿刺の箇所;静脈切開に使用される消毒剤;止血帯時間;外傷性採血;管の種類;採取管の充填;激しい混合;混合なし;シリンジ移送又は試料輸送である。インビトロ溶血の更なる因子としては、細菌汚染、圧力、温度、浸透圧環境、pH値、表面接触、摩擦力、又は分離されていない全血サンプルの血液年齢及び保存時間が挙げられる。
【0119】
本明細書で使用するとき、用語「インビボ溶血」は、インビボで赤血球が壊れることを指す。換言すれば、溶血は、血液サンプルの取り扱い及び処理によってインビトロで生じなかった。インビボ溶血はそれ自体、臨床的状態とみなしてもよく、自己免疫溶血性貧血及び他の異常ヘモグロビン症などの遺伝性、後天性、及び医原性の状態、HELLP(溶血、肝酵素上昇及び血小板減少症)、輸血反応、又は肝疾患などの代謝障害;薬物などの化学的要因;機械的心臓弁などの物理的要因;又は細菌感染などの感染要因を含む、50を超す原因を有し得る。本明細書で使用するとき、「インビボ溶血を決定する」などの用語は、インビボで生じる医療方法を指すものでなく、代わりに、診断検査における血液サンプル中の溶血のインビトロ測定を指し、溶血がインビボで既に生じており、かつ血液サンプルのインビトロの取り扱いのアーチファクトではないと仮定することができる。
【0120】
本明細書で使用するとき、「血液ガスパラメータ」又は「血液ガス分析器」におけるような用語「血液ガス」は、血液のガスパラメータを指し、血液に、典型的には動脈血に溶けた特定のガス(例えば、酸素及び二酸化炭素)を含む。血液ガスパラメータとしては、pH、pCO2、pO2、酸素飽和(sO2)、総ヘモグロビンの濃度(ctHb又はtHb)、オキシヘモグロビンの割合(FO2Hb又はO2Hb)、カルボキシヘモグロビンの割合(FCOHb又はCOHb)、メトヘモグロビンの割合(FMetHb又はMetHb)、デオキシヘモグロビンの割合(FHHb又はRHb)、及び胎児ヘモグロビンの割合(FHbF)が挙げられる。「血液ガス分析に適した血液サンプル」は、少なくとも1つの血液ガスパラメータを測定するために血液サンプルを使用し得ることを意味する。血液ガス分析器は典型的に、少なくとも1つの基本代謝パネル(BMP)パラメータなどの追加の他のパラメータを測定するようにも構成される。
【0121】
本明細書で使用するとき、用語「基本代謝パネルパラメータ分析」における「基本代謝パネル」は、特に電解質における生化学的血液パラメータ、すなわち、Na+、K+、Cl-、HCO3
-、尿素、クレアチニン、グルコース(glu)、Ca2+、ラクテート(lac)及び全ビリルビン(tBil)の濃度を指す。
【実施例0122】
インビトロ溶血を決定し、全血サンプル中の測定カリウム濃度を補正する
国際公開第2017/085180A1号の実施例に記載されている多孔性ミラーセンサを使用して、溶血を測定した。
【0123】
プールしたドナー全血サンプルを得、多孔性ミラーセンサを使用してインビボ溶血(H1)を決定した。
【0124】
全体溶血(H2)を決定するために、血液サンプル中でインビトロ溶血の発生をシミュレートした。
【0125】
完全な溶血サンプルのために、プールした全血の4mLのアリコート中で30~40分にわたって-80℃で凍結させることにより、溶血を誘発させた。
【0126】
完全に溶血した全血(100% HWB)を調製するための手順は、以下のとおりであった。
1)1つの減圧式注射器管を、5~10回上下にすることによって完全に均質化した。
2)4mLの全血(WB)を低温管にピペット分注し、-80℃の冷凍庫に最短で30分間、最長で40分間入れた。
3)(室温の)水を満たしたカップ内に低温管を最短で15分間置くことにより、凍結したサンプルを室温状態にした。
4)サンプルを遠心管に移した。
5)サンプルを1500Gで15分間回転させた。
6)3mLの使い捨てピペットを使用して、約80%の上澄みを30mLのカップに分離し、溶血した細胞破片を遠心管の底に残した。
7)シリンジで0.5mLを取り出し、ABL90血液分析器(Radiometer Medical ApS)でctHbを測定した。
8)WBの残りを100mLビーカーにプールし、カップを旋回させることによって均質化した。
9)サンプルを、1mLのシリンジで軽く撹拌した後、約0.5mLのWBを取り出し、ctHbを測定するためにABL90に吸引させた。
【0127】
100% HWBとプールした溶血していない全血サンプルとを、36.8~10,000の指定された混合比で混合することにより、サンプル(H2)中の所望の全体溶血のレベルを調製した。全てのピペット分注は、逆ピペット操作法を使用して行われる。
【0128】
全体溶血サンプルを表すサンプルの調製を、以下のとおり行った。
1)計算した量36.8μLの100% HWBを、HWB100用の100mLカップにピペット分注した。
2)プールしたWBを均質になるまで軽く振盪し、HWBサンプルの血液を実際に測定する前に1回、10mLのピペットに吸引した。
3)計算した量10mLのWBをカップに添加した。
4)HWB100溶液をカップ内で軽く振盪した後、清潔なカップに注ぎ、再び戻してサンプルの均質性を確保した。
5)10mLのピペット及び逆ピペット操作法を使用して、3つの遠心管にそれぞれ9mLのHWB100を満たした。
6)管を1500Gで15分間遠心分離した。
7)余分な溶血を誘発させないように、残りのWBサンプルを慎重に10mLのシリンジに注意深く引き込んだ。プランジャを押して、2~3mmの空気をシリンジ内に残してサンプルを混合した。
8)溶血した全血(HWB)サンプルを有するシリンジを、吸引の約15分前までテーブルに置いた。それを血液ミキサーに置き、吸引が始まる前に、10RPMで15~60分間回転させた。
【0129】
溶血前のサンプルのカリウム濃度(TKC)及び溶血後のサンプルのカリウム濃度(UKC)を、ABL90分析器で測定した。
【0130】
結果を以下の表2に纏める。
【0131】
【0132】
表2で使用される略語を以下に記載する。
【0133】
d)前記計算したインビトロ溶血の前記値に基づいて、前記ステップb)で決定した前記少なくとも1つのパラメータの前記値を補正するステップを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
前記少なくとも1つの血液パラメータが、カリウム、カルシウム、乳酸デヒドロゲナーゼ、及びナトリウムからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
前記ステップd)が、少なくとも1つの追加の血液パラメータの前記値から前記インビトロ溶血の前記値に基づく因子を減算する計算を行うことを含む、請求項6又は請求項6に従属したときの請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
前記患者の前記全血サンプルと、前記少なくとも1つの血液パラメータを決定するのに適した前記患者の前記全血サンプルとが、本質的に同時に得られたものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
前記処理ユニットが、前記計算したインビトロ溶血データに基づいて、前記少なくとも1つの血液パラメータデータの前記値を補正するように更に構成されている、請求項14に記載の分析装置。
前記全体溶血の値を決定するように構成された、かつ/又は全血サンプル中の前記少なくとも1つの血液パラメータの値を決定するように構成された、第2の遠隔測定ユニットを更に備える、請求項24~25のいずれか一項に記載のシステム。
請求項14~23のいずれか一項に記載の分析装置を制御するためのコンピュータプログラム要素であって、処理ユニットによって実行されると、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されているコンピュータプログラム要素。