(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078420
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】パイプ材
(51)【国際特許分類】
E01F 13/04 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
E01F13/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049668
(22)【出願日】2023-03-27
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】311007316
【氏名又は名称】株式会社ウエスト・アップ
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(74)【代理人】
【識別番号】100221707
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 洋介
(72)【発明者】
【氏名】稲野 茂寛
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA06
2D101CA11
2D101EA09
2D101FA11
2D101FA23
2D101FB12
2D101GA22
2D101GA23
2D101GA24
2D101GA26
(57)【要約】
【課題】 本発明は、車両や人の侵入、通行を禁止するバリケード、フェンス、防護柵等に設置されて、車両の乗用員や通行人に注意喚起を促すために用いられるパイプ材に関する。
【解決手段】 本発明は、透光性を有して、筒状体に形成されたパイプ材Xである。パイプ材Xは、筒中心線aを中心とする半径Rの第1及び第2の外周円弧面3,4と、第1及び第2の外周平面5,6を備える。第1の外周円弧面3の両端点d1,d2を結ぶ弦γ、及び第2の外周円弧面4の両端点e1,e2を結ぶ弦εは、弦間隔SGを隔てて平行に配置される。第1及び第2の外周平面4,5は、第1及び第2の外周円弧面3,4の弦γ,εに交差して、第1及び第2の外周円弧面3,4の弦γ,εの間に形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有して、筒状体に形成され、
筒中心線を中心とする半径Rの第1の外周円弧面と、
前記筒中心線を中心とする前記半径Rの第2の外周円弧面と、
第1の外周平面と、
第2の外周平面と、
を備え、
前記第1の外周円弧面の両端点を結ぶ弦、及び前記第2の外周円弧面の両端点を結ぶ弦は、
弦間隔を隔てて平行に配置され、
前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、
前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦に交差して、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成される
ことを特徴とするパイプ材。
【請求項2】
筒状体に形成され、
筒中心線を中心とする半径Rの第1の外周円弧面と、
前記筒中心線を中心とする前記半径Rの第2の外周円弧面と、
第1の外周平面と、
第2の外周平面と、
を備え、
前記第1の外周円弧面の両端点を結ぶ弦、及び前記第2の外周円弧面の両端点を結ぶ弦は、
弦間隔を隔てて平行に配置され、
前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、
前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦に交差して、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成される
ことを特徴とするパイプ材。
【請求項3】
筒状体に形成され、
筒中心線を中心とする半径R、及び前記筒中心線を中心とする180°未満の中心角の第1の外周円弧面と、
前記筒中心線を中心とする、前記第1の外周円弧面と同一半径R、及び前記筒中心線を中心とする、前記第1の外周円弧面と同一中心角の第2の外周円弧面と、
第1の外周平面と、
第2の外周平面と、
を備え、
前記第1の外周円弧面の両端点を結ぶ弦、及び前記第2の外周円弧面の両端点を結ぶ弦は、
前記筒中心線に直交する基準直線と平行に配置され、
前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、
前記基準直線に交差して配置され、
前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成される
ことを特徴とするパイプ材。
【請求項4】
前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、
前記基準直線に直交して配置され、
前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成される
ことを特徴とする請求項3に記載のパイプ材。
【請求項5】
第1の外周交差面と、
第2の外周交差面と、
第3の外周交差面と、
第4の外周交差面と、
を備え、
前記第1の外周平面は、
前記第1の外周円弧面の一方の端点に面間隔を隔てて、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦に直交して配置され、
前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成され、
前記第2の外周平面は、
前記第1の外周円弧面の他方の端点に前記面間隔を隔てて、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦に直交して配置され、
前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成され、
前記第1の外周交差面は、
前記第1の外周円弧面の弦及び前記第1の外周平面の直交する第1の交差点と、前記第1の外周円弧面の一方の端点との間に形成され、
前記第2の外周交差面は、
前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周平面の直交する第2の交差点と、前記第1の外周円弧面の他方の端点との間に形成され、
前記第3の外周交差面は、
前記第2の外周円弧面の弦及び前記第1の外周平面の直交する第3の交差点と、前記第2の外周円弧面の一方の端点との間に形成され、
前記第4の外周交差面は、
前記第2の外周円弧面の弦及び前記第2の外周平面の直交する第4の交差点と、前記第2の外周円弧面の他方の端点との間に形成される
ことを特徴とする請求項3に記載のパイプ材。
【請求項6】
前記第1の外周平面は、
前記基準直線に直交して配置され、
前記第1の外周円弧面の一方の端点、及び前記第2の外周円弧面の一方の端点の間に形成され、
前記第2の外周平面は、
前記基準直線に直交して配置され、
前記第1の外周円弧面の他方の端点、及び前記第2の外周円弧面の他方の端点の間に形成される
ことを特徴とする請求項3に記載のパイプ材。
【請求項7】
透光性を有して、筒状体に形成される
ことを特徴とする請求項3乃至請6の何れかに記載のパイプ材。
【請求項8】
透光性を有して、円筒状体に形成される
ことを特徴とするパイプ材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立入禁止区域、工事現場、道路、崖等の場所を仕切って、車両や人の侵入、通行を禁止するバリケード、フェンス、防護柵等に配置されて、車両の乗車員、通行人に注意喚起を促すために用いられるパイプ材に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプ材を用いたバリケードの技術として、特許文献1はバリケードを開示する。バリケードは、一対のスタンド、2本の単管パイプ材を備える。各バリードは、上下方向の上側及び下側の夫々に固定される一対の保持部を有する。各単管パイプ材は、炭素鋼鋼管で円筒状に形成される。各単管パイプ材は、各スタンドの間に架設されて、各スタンドの各保持部に挿入することで、各スタンドに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のバリケードは、立入禁止区域、工事現場、道路等の場所を仕切って、車両や人の侵入、通行を禁止できるものの、単管パイプ材は、炭素鋼鋼管で円筒状に形成されているので、各単管パイプ材を用いて車両の乗車員や通行人に注意喚起を促すことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る請求項1は、透光性を有して、筒状体に形成され、筒中心線を中心とする半径Rの第1の外周円弧面と、前記筒中心線を中心とする前記半径Rの第2の外周円弧面と、第1の外周平面と、第2の外周平面と、を備え、前記第1の外周円弧面の両端点を結ぶ弦、及び前記第2の外周円弧面の両端点を結ぶ弦は、弦間隔を隔てて平行に配置され、前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦に交差して、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成されることを特徴とするパイプ材である。
【0006】
本発明に係る請求項2は、筒状体に形成され、筒中心線を中心とする半径Rの第1の外周円弧面と、前記筒中心線を中心とする前記半径Rの第2の外周円弧面と、第1の外周平面と、第2の外周平面と、を備え、前記第1の外周円弧面の両端点を結ぶ弦、及び前記第2の外周円弧面の両端点を結ぶ弦は、弦間隔を隔てて平行に配置され、前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦に交差して、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成されることを特徴とするパイプ材である。
【0007】
本発明に係る請求項3は、筒状体に形成され、筒中心線を中心とする半径R、及び前記筒中心線を中心とする180°未満の中心角の第1の外周円弧面と、前記筒中心線を中心とする、前記第1の外周円弧面と同一半径R、及び前記筒中心線を中心とする、前記第1の外周円弧面と同一中心角の第2の外周円弧面と、第1の外周平面と、第2の外周平面と、を備え、前記第1の外周円弧面の両端点を結ぶ弦、及び前記第2の外周円弧面の両端点を結ぶ弦は、前記筒中心線に直交する基準直線と平行に配置され、前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、前記基準直線に交差して配置され、前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成されることを特徴とするパイプ材である。
【0008】
本発明に係る請求項4は、前記第1の外周平面、及び前記第2の外周平面は、前記基準直線に直交して配置され、前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成されることを特徴とする請求項3に記載のパイプ材である。
【0009】
本発明に係る請求項5は、第1の外周交差面と、第2の外周交差面と、第3の外周交差面と、第4の外周交差面と、を備え、前記第1の外周平面は、前記第1の外周円弧面の一方の端点に面間隔を隔てて、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦に直交して配置され、前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成され、前記第2の外周平面は、前記第1の外周円弧面の他方の端点に前記面間隔を隔てて、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周円弧面の弦に直交して配置され、前記第1の外周円弧面の弦、及び前記第2の外周円弧面の弦の間に形成され、前記第1の外周交差面は、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第1の外周平面の直交する第1の交差点と、前記第1の外周円弧面の一方の端点との間に形成され、前記第2の外周交差面は、前記第1の外周円弧面の弦及び前記第2の外周平面の直交する第2の交差点と、前記第1の画周円弧面の他方の端点との間に形成され、前記第3の外周交差面は、前記第2の外周円弧面の弦及び前記第1の外周平面の直交する第3の交差点と、前記第2の外周円弧面の一方の端点との間に形成され、前記第4の外周交差面は、前記第2外周円弧面の弦及び前記第2の外周平面の直交する第4の交差点と、前記第2の外周円弧面の他方の端点との間に形成されることを特徴とする請求項3に記載のパイプ材である。
【0010】
本発明に係る請求項6は、前記第1の外周平面は、前記基準直線に直交して配置され、前記第1の外周円弧面の一方の端点、及び前記第2外周円弧面の一方の端点の間に形成され、前記第2の外周平面は、前記基準直線に直交して配置され、前記第1の外周円弧面の他方の端点、及び前記第2の外周円弧面の他方の端点の間に形成されることを特徴とする請求項3に記載のパイプ材である。
【0011】
本発明に係る請求項7は、透光性を有して、筒状体に形成されることを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載のパイプ材である。
【0012】
本発明に係る請求項8は、透光性を有して、円筒状体に形成されることを特徴とするパイプ材である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、パイプ材は、立入禁止区域、工事現場、道路、崖等の場所を仕切って、車両や人の侵入、通行を禁止するバリケード、フェンス、防護柵等に設置できる。パイプ材をバリケード、フェンス、防護柵等に設置した状態において、パイプ材の内部に、複数の発光ダイオード等の発光体を挿入する。パイプ材は、透光性を有しているので、パイプ材内に挿入した各発光ダイオード等の発光体を発光すると、各発光体の一部の光がパイ材を透過する。
これにより、パイプ材を透過する光によって、車両の乗車員や通行人に注意喚起を促すことができる。
本発明によれば、パイプ材をバリケード、フェンス、防護柵等に設置した状態で、パイプ材の第1及び第2の外周平面に反射板、反射テープ等の反射体を固定する。
これにより、パイプ材の第1及び第2の外周平面に固定した反射体によって、車両の乗車員や通行人に注意喚起を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】パイプ材のパイプ端面(筒中心線と直交する断面)を示す図であって、(a)は、第1及び第2の外周円弧面の円弧状(円弧形状)を示す図、(b)は、第1及び第2の外周円弧面の配置関係を示す図である。
【
図3】
図2(b)の一部拡大図であって、(a)は、第1の外周円弧面、第1及び第2の外周平面の配置関係を示す図、(b)は、第2の外周円弧面、第1及び第2の外周平面の配置関係を示す図である。
【
図4】パイプ材のパイプ端面(筒中心線と直交する断面)を示す図であって、第1及び第2の内周円弧面、第1及び第2の内周平面の配置関係を示す図である。
【
図7】他のパイプ材であって、パイプ端面(筒中心線と直交する断面)を示す図である。
【
図8】パイプ材を用いたバリケードを示す斜視図である。
【
図10】パイプ材を用いたバリケードであって、各パイプ材内に複数の発光体(複数の発光ダイオードを内装した発光チューブ)を挿入した斜視図である。
【
図12】パイプ材を用いたバリケードであって、各パイプ材の第1及び第2の外周平面に反射体(反射板、反射テープ等)を取り付けた斜視図である。
【
図13】パイプ材の第1及び第2の外周平面に、反射体(反射板、反射テープ)を取り付けた斜視図である。
【
図14】他のパイプ材において、第1及び第2の外周平面に、反射体(反射板、反射テープ)を取り付けた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るパイプ材について、図面を参照して説明する。
【0016】
本発明に係るパイプ材X(以下、「パイプ材X」)は、立入禁止区域、工事現場、道路、崖等の場所を仕切って、人や車両の通行、侵入を禁止するバリケード(
図8乃至
図14参照)、フェンス、防護柵等に設置される。パイプ材Xは、バリケード、フェンス、防護柵等に配置(設置)されて、車両の乗車員及び通行人に注意喚起を促すために用いられる。
【0017】
パイプ材Xは、
図1乃至
図6に示すように、透光性を有して、管長さLの長尺の筒状体に形成される。
【0018】
パイプ材Xは、
図1乃至
図6に示すように、筒中心線aに直交する端面又は断面(筒中心線aから見た端面又は断面)において、パイプ外周面1、及びパイプ内周面2を備える。
【0019】
パイプ材Xにおいて、パイプ外周面1は、
図1乃至
図6に示すように、第1の外周円弧面3、第2の外周円弧面4、第1の外周平面5、第2の外周平面6、及び第1乃至第4の外周交差面7~10を備える。
【0020】
第1の外周円弧面3は、
図2(a)に示すように、筒中心線aに直交する端面又は断面(以下、「直交端面」という)において、筒中心線aを中心とする半径R(外周半径)の第1の円弧状(第1の円弧形状)に形成される。
第1の外周円弧面3は、例えば、
図2(a)に示すように、直交端面において、筒中心線aを中心とする180°未満の中心角α(円弧角度)の第1の円弧状に形成される。
第1の外周円弧面3の中心角αは、
図2(a)に示すように、180°未満及び0°を超える任意の角度であって、例えば、中心角α:120°である。
【0021】
第2の外周円弧面4は、
図2(a)に示すように、直交端面において、筒中心線aを中心とする、第1の外周円弧面3と同一半径Rの第2の円弧状(第2の円弧形状)に形成される。
第2の外周円弧面4は、直交端面において、筒中心線aを中心とする中心角β(円弧角度)の第2の円弧状に形成される。
第2の外周円弧面4の中心角βは、例えば、第1の外周円弧面3と同一中心角α(α=β)である。第2の外周円弧面4の中心角βは、180°未満及び0°を超える任意の角度であって、例えば、中心角β:120°である。
【0022】
第1の外周円弧面3の両端点d1,d2(第1の円弧状の各端点d1,d2)を結ぶ弦γ(第1の弦γ)、及び第2の外周円弧面4の両端点e1,e2(第2の円弧状の各端点e1,e2)を結ぶ弦ε(第2の弦)は、
図2(b)に示すように、直交端面において、弦間隔SGを隔てて平行に配置される。
第1の外周円弧面3の両端点d1,d2を結ぶ弦γ(以下、「第1の外周円弧面3の弦γ」という)、及び第2の外周円弧面4の両端点e1,e2を結ぶ弦ε(以下、「第2の外周円弧面4の弦ε」という)は、
図2(b)に示すように、直交端面において、筒中心線aに直交する基準直線bに平行に配置される。
第1の外周円弧面3の弦γ、及び第2の外周円弧面4の弦εは、基準直線bの間に弦中心間間隔sgを隔てて、基準直線bと平行に配置される。
第1の外周円弧面3、及び第2の外周円弧面4は、
図2(b)に示すように、例えば、基準直線bを中心として線対称に配置される。
第1及び第2の外周円弧面3,4は、
図1及び
図5に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0023】
第1の外周平面5、及び第2の外周平面6は、
図2(b)及び
図3に示すように、直交端面において、第1の外周円弧面3の弦γ、及び第2の外周円弧面4の弦εに交差(又は直交)して、第1の外周円弧面3の弦γ、及び第2の外周円弧面4の弦εの間に形成(配置)される。
第1の外周平面5、及び第2の外周平面6は、
図2(b)及び
図3に示すように、直交端面において、基準直線bに交差(又は直交)して、第1の外周円弧面3の弦γ及び第2の外周円弧面4の弦εの間に形成される。
第1及び第2の外周平面5,6は、
図1及び
図5に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0024】
第1の外周平面5は、
図3に示すように、直交端面において、基準直線bの延びる方向(又は各弦γ,εの延びる方向)において、第1の外周円弧面3の一方の端点d1に面間隔FGを隔てて、第1の外周円弧面3の弦γ及び第2の外周円弧面4の弦εに直交(又は交差)して配置される。
【0025】
第2の外周平面6は、
図3に示すように、直交端面において、基準直線bの延びる方向(又は各弦γ,εの延びる方向)において、第1の外周円弧面3の他方の端点d2に面間隔FGを隔てて、第1の外周円弧面3の弦γ及び第2の外周円弧面の弦εに直交(又は交差)して配置される。
【0026】
第1の外周交差面7(外周交差平面)は、
図2(b)及び
図3(a)に示すように、第1の外周円弧面3の弦γ及び第1の外周平面5の直交(又は交差)する第1の交差点C1と、第1の外周円弧面3の一方の端点d1との間に形成される。
第1の外周交差面7は、例えば、第1の外周円弧面3の弦γに沿って、第1の外周円弧面3の一方の端点d1及び第1の交差点C1の間に延在される。第1の外周交差面7は、第1の外周円弧面3に交差し、及び第1の外周平面5に直交(又は交差)して、第1の外周円弧面3及び第1の外周平面5に連続して形成される。
第1の外周交差面7は、
図1及び
図5に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0027】
第2の外周交差面8(外周交差平面)は、
図2(b)及び
図3(a)に示すように、直交端面において、第1の外周円弧面3の弦γ及び第2の外周平面6の直交(又は交差)する第2の交差点C2と、第1の外周円弧面3の他方の端点d2の間に形成される。
第2の外周交差面8は、例えば、第1の外周円弧面3の弦γに沿って、第1の外周円弧面の他方の端点d2及び第2の交差点C2の間に延在される。第1の外周交差面7は、第1の外周円弧面3に交差し、及び2の外周平面6に直交(又は交差)して、第1の外周円弧面3及び第2の外周平面6に連続して形成される。
第2の外周交差面8は、
図1及び
図5に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0028】
第3の外周交差面9(外周交差平面)は、
図2(b)及び
図3(b)に示すように、直交端面において、第2の外周円弧面4の弦ε及び第1の外周平面5の直交(又は交差)する第3の交差点C3と、第2の外周円弧面4の一方の端点e1の間に配置される。
第3の外周交差面9は、例えば、第2の外周円弧面4の弦εに沿って、第2の外周円弧面4の一方の端点e1及び第3の交差点C3の間に延在される。第3の外周交差面9は、第2の外周円弧面4に交差し、及び第1の外周平面5に直交(又は交差)して、第2の外周円弧面4及び第1の外周平面5に連続して形成される。
第3の外周交差面9は、
図1及び
図5に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0029】
第4の外周交差面10(外周交差平面)は、
図2(b)及び
図3(b)に示すように、直交端面において、第2の外周円弧面4の弦ε及び第2の外周平面6の直交(又は交差)する第4の交差点C4と、第2の外周円弧面4の他方の端点e2との間に形成される。
第4の外周交差面10は、例えば、第2の外周円弧面4の弦εに沿って、第2の外周円弧面4の他方の端点e2及び第4の交差点C4の間に延在される。第4の外周交差面10は、第2の外周円弧面4に交差し、及び第2の外周平面6に直交(又は交差)して、第2の外周円弧面4及び第2の外周平面6に連続して形成される。
第4の外周交差面10は、
図1及び
図5に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0030】
パイプ材Xにおいて、パイプ内周面2は、
図1乃至
図4に示すように、直交端面において、第1の内周円弧面23、第2の内周円弧面24、第1の内周平面25及び第2の内周平面26を備える。
【0031】
第1の内周円弧面23は、
図2乃至
図4に示すように、直交端面において、筒中心線aを中心とする半径r(円弧半径)の円弧状(円弧形状)に形成される。第1の内周円弧面23の半径rは、第1の外周円弧面3の半径Rより小さい半径(r<R)である。
第1の内周円弧面23は、
図1及び
図6に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0032】
第2の内周円弧面24は、
図2乃至
図4に示すように、直交端面において、筒中心線aを中心とする、第1の内周円弧面23と同一半径rの円弧状(円弧形状)に形成される。
第2の内周円弧面24は、
図1及び
図6に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0033】
第1の内周円弧面23、及び第2の内周円弧面24は、
図2及び
図4に示すように、直交端面において、基準直線bを中心として線対象に配置される。
これにより、第1の内周円弧面23は、
図4に示すように、第1の外周円弧面3に管間隔Ta(管厚さ)を隔てて、第1の外周円弧面3に沿って延在される。
第2の内周円弧面24は、
図4に示すように、第2の外周円弧面4に管間隔Ta(管厚さ)を隔てて、第2の外周円弧面4に沿って延在される。
【0034】
第1の内周平面25は、
図4に示すように、直交端面において、第1の外周平面5に管間隔Ta(管厚さ)を隔てて、第1の外周平面5と平行に配置される。第1の内周平面25は、筒中心線a及び基準直線bと直交する方向に延在されて、第1及び第2の外周円弧面3,4の一方の端点d1,e1側にて第1及び第2の内周円弧面23,24に交差する。
これにより、第1の内周平面25は、第1及び第2の内周円弧面23,24に連続して形成される。
第1の内周平面25は、
図1及び
図6に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0035】
第2の内周平面26は、
図4に示すように、直交端面において、第2の外周平面6に管間隔Ta(管厚さ)を隔てて、第2の外周平面6と平行に配置される。第2の内周平面26は、筒中心線a及び基準直線bと直交する方向に延在されて、第1及び第2の外周円弧面3,4の他方の端点d2,e2側にて第1及び第2の内周円弧面23,24に交差する。
これにより、第2の内周平面26は、第1の内周平面25に間隔を隔てて平行に配置されて、第1及び第2の内周円弧面23,24に連続して形成される。
第2の内周平面26は、
図1に示すように、筒中心線aの方向に延在される。
【0036】
パイプ材Xは、例えば、繊維強化プラスチックで筒状体に形成される。パイプ材Xは、ガラス繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチックにて形成することで、透光性を有し、例えば、半透明にされる。
【0037】
パイプ材Xにおいて、第1の外周円弧面3の中心角α、及び第2の外周円弧面4の中心角βは、異なる角度であっても良い。
第1の外周円弧面3の中心角α、及び第2の外周円弧面4の中心角βは、一方の中心角α(第1の外周円弧面3)を180°を超える角度、他方の中心角β(第2の外周円弧面4)を180°未満及び0°を超える角度にしても良く、各中心角α,βを加算(α+β)した合計角は、第1及び第2の外周平面5,6を形成するために、360°未満の角度にする(α+β<360°)。
【0038】
パイプ材Xでは、
図7に示すように、第1の外周平面5を、第1及び第2の外周円弧面3,4の一方の端点d1,e1の間に形成し、及び第2の外周円弧面4を、第1及び第2の外周円弧面3,4の他方の端点d2,e2の間に形成しても良い。
第1の外周平面5は、
図7に示すように、基準直線bに直交して配置されて、第1の外周円弧面3の一方の端点d1、及び第2の外周円弧面4の一方の端点e1の間に形成される。第1の外周平面5は、
図7に示すように、各端点d1,e1にて第1及び第2の外周円弧面3,4に連続して形成される。
第2の外周平面6は、
図7に示すように、基準直線bに直交して配置されて、第1の外周円弧面3の他方の端点d2、及び第2の外周円弧面4の他方の端点e2の間に形成される。第2の外周平面6は、
図7に示すように、各端点d2,e2にて第1及び第2の外周円弧面3,4に連続して形成される。
【0039】
パイプ材Xでは、第1及び第2の外周平面5,6は、第1の外周円弧面3の弦γ、第2の外周円弧面4の弦ε(基準直線b)に直交して配置する他に、例えば、第2の外周円弧面4の弦ε)に対して、角度(90°未満及び0°を超える角度)を有して傾斜して、第1及び第2の外周円弧面3,4の各弦γ,εに交差して配置しても良い。
【0040】
図8乃至
図14において、パイプ材Xは、例えば、バリケードYに用いられる。バリケードXは、
図8に示すように、立入禁止区域、工事現場、道路等の場所を仕切って、人や車両の通行、侵入を禁止する。
【0041】
バリケードYは、
図8乃至
図14に示すように、例えば、一対(複数)のバリケード脚51,52、及び2本のパイプ材X(単管パイプ材)を備え、各パイル材Xは、管長さLを有する。
【0042】
バリケードXにおいて、各バリケード脚51,52は、
図8乃至
図12に示すように、一対(複数)のクランプ55,56を有する。各クランプ55,56は、上下方向UDにおいて、各バリケード脚51,52の上側及び下側に取り付けられる。
各バリケード脚51,52は、
図8、
図10、
図11及び
図12に示すように、上下方向UDと直交する前後方向FRに脚間隔を隔てて並列されて、立入禁止区域、工事現場、道路等の地面GRに立設される。
【0043】
バリケードXにおいて、各パイプ材X(単管パイプ材)は、
図8乃至
図12に示すように、各バリケード脚51,52の各クランプ55,55の間、及び各バリケード脚51,52の各クランプ56,56の間に配置(架設)される。
各パイプ材X(単管パイプ材)は、
図8乃至
図12に示すように、第1及び第2の外周円弧面3,4を上下方向UDに向けて配置される。
これにより、各パイプ材Xは、第1及び第2の外周平面5,6を、上下方向UD及び前後方向FRと直交する左右方向LFに向けて配置される。
【0044】
各パイプ材Xは、
図8乃至
図12に示すように、各クランプ55,56にて把持されて、各バリケード脚51,52に固定される。各クランプ55,56は、第1及び第2の外周円弧面3,4に当接して、各パイプ材Xを把持する。
【0045】
バリケードXにおいて、各パイプ材X(単管パイプ材)は、
図10及び
図11に示すように、複数の発光体61(例えば、発光ダイオード)を内装する発光チューブ62を備える。各発光チューブ62は、
図10及び
図11に示すように、一方のパイプ端から各パイプ材X内に挿入される。各発光チューブ62は、各パイプ材Xの管長さLに渡って、各パイプ材X内(パイプ内周面2)内に配置されて、各パイプ材Xの他方のパイプ端(管端)から引出される。各発光チューブ62は、電源(図示しない)に接続される。
各パイプ材X内に挿入(配置)した各発光チューブ62の各発光体61(発光ダイオード)を発光すると、各パイプ材X内において、各発光体61の光(一部の光)は、透光性(例えば、半透明)を有する各パイプ材X(パイプ材Xの繊維強化プラスチック)を透過(透光)する。
バリケードYにおいて、各パイプ材Xは、
図10及び
図11に示すように、パイプ材Xを透過する各発光体61(発光ダイオード)によって、車両の乗車員や通行人に注記喚起を促す。
【0046】
バリケードYにおいて、各パイプ材Xは、
図12及び
図13に示すように、複数(一対)の反射体65,66を備える。
各反射体65,66は、例えば、反射板、反射テープ等でなる。各反射体65,66は、
図12及び
図13に示すように、パイプ材Xの弦間隔SGより僅かに狭い板幅BTを有する矩形状に形成される。反射体65は、
図13に示すように、板裏面65Bを第1の外周平面5に当接し、及び板幅BTを、第1の外周交差面7、及び第3の外周交差面9の間に配置される。反射体65は、板幅BTの各板端を第1及び第3の外周交差面7,9の夫々に当接して配置される。
反射体66は、
図12及び
図13に示すように、板裏面66Bを第2の外周平面6に当接し、及び板幅BTを、第2の外周交差面8及び第4の外周交差面10の間に配置される。反射体66は、板幅BTの各板端を第2及び第4の外周交差面8,10に当接して配置される。
各反射体65,66は、
図12及び
図13に示すように、パイプ材Xの管長さLに渡って延在される。
各反射体65,66は、板裏面65B,66Bを接着剤等によって第1及び第2の外周平面5,6の夫々に取り付けて、パイプ材Xに固定される。
バリケードYにおいて、各パイプ材Xは、
図12及び
図13に示すように、第1及び第2の外周平面5,6に固定された各反射体65,66によって、車両の乗車員や通行人に注記喚起を促す。
【0047】
バリケードYでは、
図7で説明した各パイプ材Xを用いることができる。バリケードYの各パイプ材Xにおいて、反射体65は、
図14に示すように、第1及び第2の外周円弧面3,4の一方の端点d1,e1の間に配置して、接着剤等によって第1の外周平面5に取り付け、反射体66は、
図14に示すうように、第1及び第2の外周円弧面3,4の他方の端点d2,e2の間に配置して、接着剤等によって第2の外周平面6に取り付けても良い。
図7で説明したパイプ材Xにおいても、パイプ材Xの内部に複数の発光体(発光チューブ)を挿入しても良い。
【0048】
パイプ材Xは、
図1乃至
図7で説明した形状の他に、透光性を有して、円筒状体(円筒体)に形成しても良い。円筒状体のパイプ材Xにおいても、パイプ材Xの内部に、複数の発光ダイオード等の発光体(発光チューブ)を挿入する。円筒状体のパイプ材Xは、透光性を有しているので、円筒状体のパイプ材X内に挿入した各発光ダイオード等の発光体を発光すると、各発光体の一部の光が円筒状体のパイプ材Xを透過する。
これにより、円筒状体のパイプ材Xを透過する光によって、車両の乗車員や通行人に注意喚起を促すことができる。
【0049】
バリケードYにおいて、各パイプ材Xは、発光チューブ62、及び各反射体65,66の両方を備えても良い。バリケードYにおいて、発光チューブ62は、
図10及び
図11で説明したと同様に、各パイプ材X(単管パイプ材)内に挿入され、及び各反射体65,66は、
図12乃至
図14で説明したと同様に、各パイプ材Xの第1及び第2の外周平面5,6に取り付ける。
これにより、バリケードYにおいて、パイプ材Xを透過する各発光体61の光、及び各反射体65,66によって、車両の乗車員、及び通行者に注記喚起を促す。各パイプ材X内に発光する複数の発光体(発光ダイオード)の光(一部の光)は、パイプ材Xの第1及び第2の外周円弧面3,4を透過する(
図12及び
図13参照)。
【0050】
各パイプ材X内には、複数の発光体を内装した発光チューブを挿入することに限定されず、ランプ等の複数の発光体を挿入すれば良い。
【0051】
パイプ材Xは、バリケードYに設置(配置)する場合に限定されず、立入禁止区域、工事現場、道路、崖等の場所を仕切って、人や車両の通行、侵入を禁止するフェンス、防護柵等に用いても良く、
図8乃至
図14で示したと同様、透光性を有するパイプ材内に発光チューブを挿入し、パイプ材の第1及び第2の外周平面に反射体を固定することで、パイプ材を透過する光、及び反射体によって、車両の乗車員、通行人に注意喚起を促すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、立入禁止区域、工事現場、道路、崖等の場所を仕切って、人や車両の通行、侵入を禁止するバリケード、フェンス、防護柵等に設置されて、車両の乗車者、通行人に注意喚起を促すために用いられる。
【符号の説明】
【0053】
X パイプ材
1 パイプ外周面
2 パイプ内周面
3 第1の外周円弧面(第1の円弧状の外周面)
4 第2の外周円弧面(第2の円弧状の外周面)
5 第1の外周平面
6 第2の外周平面
7 第1の外周交差面
8 第2の外周交差面
9 第3の外周交差面
10 第4の外周交差面
a 筒中心線
b 基準直線
R 半径(第1及び第2の外周円弧面)
α 中心角(第1の外周円弧面)
β 中心角(第2の外周円弧面)
γ 弦(第1の外周円弧面)
ε 弦(第2の外周円弧面)