(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078425
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】患者および生物学的試料の識別ならびに追跡のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230530BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050096
(22)【出願日】2023-03-27
(62)【分割の表示】P 2021128759の分割
【原出願日】2016-06-14
(31)【優先権主張番号】2015902235
(32)【優先日】2015-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
2.iPhone
3.MATLAB
4.PYTHON
5.SMALLTALK
6.VISUAL BASIC
7.Mathematica
(71)【出願人】
【識別番号】517149128
【氏名又は名称】ジェネア アイピー ホールディングス ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ボム,エドゥアード
(72)【発明者】
【氏名】スティムソン,ジェレミー・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】パウラディ,ヤッサマン
(72)【発明者】
【氏名】ホッブス,ベン
(72)【発明者】
【氏名】ロイ,タミー・キム
(72)【発明者】
【氏名】クリステン,ヤン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タスクの遂行中に手順の精度を監視する装置及び方法を提供する。
【解決手段】データベース・サーバを構成する中央コンピュータ2を含むシステム1において、タスクが実行される少なくとも1つの手順を含むハンドヘルド・デバイス6は、手順に関係する入力データを受け取る入力インターフェースと、手順に関係するデータを格納するデータ・ストアと、入力データを格納されているデータと比較しこの比較の結果を示す比較結果を生成するプロセッサと、比較結果を出力する出力インターフェースとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研究所環境において生物学的試料の位置をインデックス化する方法であって、
生物学的試料コンテナに近接するRF送受信デバイスの位置を認識するステップであっ
て、前記RF送受信デバイスが、凍結環境およびガンマ線放射の内1つ以上を含む範囲の
研究所条件に耐える構造および/または製造のものである、ステップと、
前記生物学的試料に一意の識別信号について、前記RF送受信デバイスに質問するステ
ップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、更に、
研究所環境内において前記生物学的試料の位置にアドレスするために、研究所装置の階
層の各々に対応する別のRF送受信デバイスの位置を認識するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の方法において、前記質問するステップおよび前記RF送受信デ
バイスの1つまたはその組み合わせが、少なくとも1つのMEMSデバイスを含む、方法
。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の方法において、前記RF送受信デバイスが、前記生
物学的試料に一意の識別信号に加えて、前記生物学的試料の現場環境条件を送信するよう
に構成される、方法。
【請求項5】
研究所環境において生物学的試料の位置をインデックス化する装置であって、
生物学的試料コンテナに近接する位置を認識するように構成されたRF送受信デバイス
であって、凍結環境およびガンマ線放射の内1つ以上を含む範囲の研究所条件に耐える構
造および/または製造のものである、RF送受信デバイスと、
前記生物学的試料に一意の識別信号について、前記RF送受信デバイスに質問する質問
手段と、
を含む、装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、前記RF送受信デバイスおよび前記質問手段の内1つ、
またはその組み合わせが、MEMS構造を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願は、2015年6月12に出願された"Method and System for Patient a
nd Biological Sample Identification and Tracking"(患者および生物学的試料の識別
ならびに追跡のための方法およびシステム)と題するGenea Ltd(ジェネア社)
名義のオーストラリア仮特許出願第2015902235号の優先権を主張し、この出願
をここで引用したことにより、その明細書の内容は、その全てがあらゆる目的のために、
本願にも含まれるものとする。
【0002】
[0002] 本発明は、生物学的素材および/または試料の識別、監視、ならびに追跡の分
野に関する。
[0003] 1つの形態において、本発明は、医療手順または医療関連手順を受けている人
々から得られた生物学的素材(material)の識別、監視、および追跡に関する。特に、これ
は、生殖補助技術(ART)処置の間において女性および男性から得られた生物学的素材
、具体的には、彼らの配偶子(gamete)および胚(embryo)の識別、監視、ならびに追跡に適
している。
【0003】
[0004] 以下ではART処置を受ける人々に関して本発明について説明することが都合
がよいが、本発明はその使用のみに限定されるのではないことは認められてしかるべきで
ある。
【背景技術】
【0004】
[0005] 生殖補助技術(ART)は、先進国において生殖補助手段として増々重要にな
りつつある。背景として、1981年にアメリカ合衆国に導入されて以来、この国では2
010年の間に約150,000回のARTサイクルが実施され、その結果、47,09
0人の生児出生および61,564人の乳児(infants)が誕生した。ARTの使用は、潜
在的な需要と比較すると、まだ比較的希であるが、過去10年にわたって使用は著しく増
大し、今日では、毎年誕生する全ての乳児は、米国における約1%、および他の国におけ
る2~4%が体外受精(IVF: In Vitro Fertilization)を使用して妊娠するように
なった。
【0005】
[0006] IVFは、複数の卵子を成熟させるための女性の卵巣のホルモン刺激、それに
続いて、患者の卵巣からの未受精卵の収集、およびこの女性のパートナーまたはドナーか
らの精子との受精を伴う。次いで、受精卵(胚)は2~6日培養された後、懐胎のために
彼女の子宮に移される。明らかに、卵子を意図するパートナーからの精子と確実に受精さ
せるためには、厳しくそして注意深く管理された(carefully-controlled)プロトコルの下
でこの手順を管理する(administer)ことが重要である。意図しない取り違えそしてとても
悲惨な取り違えと言った誤りが、誕生後に明らかになったことに関して、種々の実例がメ
ディアで報告されている。同様に、胚移植(transfer)において、患者が正しい胚を受け取
ることが極めて重大である(crucial)。このため、開始から終了までのプロセス全域にわ
たるトレーサビリティが必要になる。更に、手順が時間通りに正しく行われ、したがって
、結果として生じる可能性がある、胚の発生(development)における問題のリスクを最小
に抑えることを確保する必要性もある。加えて、希ではあるが患者が故意に偽って処置を
受けることもあり、この可能性も考慮しなければならない。全般的に見て、信頼性のある
識別、追跡、および照合プロセスを証明し監査することができれば、患者に対する保証を
高めるだけでなく、組織およびその職員に対する訴訟からの保護にも備えることになる。
【0006】
[0007] したがって、処置サイクル全体にわたって配偶子、胚、および患者の照合およ
びトレーサビリティのためのフェイル-セーフ・メカニズムを開発することは極めて重要
である。これを達成するためには多くの戦略を採用することができ、高度(improved)品質
管理および品質評価システムならびに手順、職業能力の証明(professional certificatio
n)(プロセス監査を含む)、教育プログラム、個別訓練、および外部品質評価が含まれる
。しかしながら、これらはいずれも単独では、識別、トレーサビリティ、および照合の誤
りを絶対に防止することはできない。したがって、二重チェックのような具体的なポリシ
ーの実施が導入されてきた。特に、広く公表され知名度の高いIVF混同の事例をいくつ
か参照すると、IVF臨床および研究所手順のあらゆるステップを二重チェックすること
は、多くの国々において義務になっているか、少なくとも強く推奨されてきている。
【0007】
[0008] IVF研究所における照合(matching)およびトレーサビリティ・プロセスは、
以下を含んでもよい。
・正しい精子を、それを提供した正しい患者と組み合わせ(患者検体ラベル付け)、ド
ナー精子の場合、任意のドナー精子を、現在ではその精子の所有者である夫婦に組み合わ
せる(match)。
【0008】
・例えば、その精子を1つの試験管から他の試験管に移動させるとき、あらゆるステッ
プにおいてその精子が正しく識別されラベル付けされていることを追跡する(可能な凍結
保存を含む、精子受け取りおよび処理)。
【0009】
・正しい卵子を、それを抽出した正しい患者に組み合わせる。
・例えば、1つの皿から他の皿に卵子を移動させるとき(卵子収集、ICSI[卵細胞
質内精子注入法]、およびIVF)、あらゆるステップにおいて卵子が正しく識別され、
ラベル付けされたことを追跡する。
【0010】
・正しい患者の卵子を正しい精子に、即ち、患者のパートナーまたは意図する精子ドナ
ーに組み合わせる(患者の受精、IVFにおける精子および卵子の混合、またはICSI
における精子の卵子への注入)。
【0011】
・例えば、1つの皿から他の皿に胚を移動させるとき、あらゆるステップにおいて胚が
正しく識別されラベル付けされたことを追跡する。
・胚移植(embryo transfer)(新鮮な胚の移植または凍結保存胚の移植)において、正
しい胚を正しい患者に組み合わせる。
【0012】
・凍結保存プロセスの間およびその後、例えば、1つの凍結保存所から他に移動させる
ときに、あらゆるステップにおいて胚が正しく識別されラベル付けされたことを追跡する
。
【0013】
・例えば1つの診療所から他に胚が輸送されるとき、あらゆるステップにおいて胚が正
しく識別されラベル付けされたことを追跡する。
・あらゆるステップにおいて、例えば、凍結保存所から廃棄ビンへの胚の破棄において
、あるいは凍結保存位置間または診療所間で可能な、他の夫婦への胚の寄付 (donation)
、または研究するための胚の寄付において、胚が正しく識別されラベル付けされたことを
追跡する。
【0014】
[0009] 現在、最も一般的な照合および追跡方法は、2人の操作員による二重チェック
(「二重目撃」)である。その背後にある前提は、2人の人にチェックを実行させること
である。最初に実際の操作員が当該ステップを実行し、直ちに、照合が正しいことを直接
目撃することができる他の操作員によって二重チェックされる。多くの場合、この第2の
目撃者は別の発生学者であるが、看護職員の一員、医者、またはプロセスや照合要件に詳
しい他の適した熟練者であることも可能である。ART業界における規制当局は、患者試
料の誤識別の危険性を低下させるために、誤識別を伴う一連の注目を集める事故を受けて
、手作業での二重目撃を最近になって命じた。手作業の二重目撃は、一般に、臨床および
研究所手順の全てに対して実行される二重チェックとして受け入れられている。したがっ
て、操作員またはユーザが誤りを犯した場合、他の「目撃者」によって見つけられるであ
ろうということが期待される。強制的な二重目撃は保護措置(safeguard)であり明らかな
価値があるが、さほど有効ではない場合もあることが示唆されている。
【0015】
[0010] この種の二重目撃には欠点もあり、作業負荷の倍増、目撃者(1人または複数
)によって実行されている他の手順から注意が逸れること、事務書類の二重署名表示(dou
ble signage)、および採用する技法に依存する信頼性の可変性が含まれる。また、限られ
た人数の職員しかいないときには、通常の作業時間を上回るという問題にもなる。加えて
、人の誤りの要因は、完全に根絶することはできない。人の誤りを起こしやすくするもの
として、以下の要因が知られていると考えられる。
【0016】
1.意識的自動性(conscious automaticity)(手順に慣れると、注意が別のところに集
中する)。
2.無意識的自動性(involuntary automaticity)(手順が非常に予測可能であるおよび
/または退屈なので、うっかりしてそれに対する注意が散漫になる/失われる)。
【0017】
3.曖昧な責任(大抵の場合2人の人が1つの手順に責任を負う場合、個々の注意は不
十分になる)。
4.ストレス(大抵の場合、作業負荷、注意散漫、および疲労と相関付けられる)。
【0018】
[0011] 各IVF診療所が直面する特異な圧力は凄まじい。職員は、プロセスが正しい
順序で行われ(followed)、正しい機器を用いて行われ、正しい専門技能を有する人によっ
て正しい薬品(medication)を使用して、正しい環境においてそして適時に行われているこ
とを保証しなければならない。この作業は各患者の将来の子孫を巻き込む可能性があると
いう事実のために、余分な歪みが手順の中に加わり、その真価(value)は非常に特異であ
り、何かが起きた場合、他のものと置き換えることができない。これは、職員にとって非
常にストレスが溜まることになり、誤りが発生する確率が高まる可能性がある。また、診
療所における患者の負荷は激しく変動するため、重い医療作業負荷がある繁忙期が生ずる
可能性があり、このために疲労に繋がり、人の誤り確率が高まるおそれがある。
【0019】
[0012] 胚は、容易に明白で利用可能な個々の特性を有しておらず、これらの特性を使
用して胚を識別するので、適用される方法およびプロトコルは、他の手段によって、殆ど
の場合、配偶子および胚が保管されている(stored)ベッセル上にあるラベルの正しい使用
によって、識別を確実に行わなければならない。
【0020】
[0013] 以上のことに加えて、いずれの段階においても配偶子/胚がどこにあるのかに
関して、そして付随する事務書類/データベース入力に関しての双方において、患者が一
意に識別可能でなければならないことを、多くの指針が述べている。識別は、大抵の場合
、3つの異なる識別子を利用する。多くの場合、患者の名前および誕生日、ならびに関連
する患者管理システムによって特定の処置サイクルに割り当てられた一意の研究所ID、
あるいはサイクルIDとは異なる患者番号IDを利用する。
【0021】
[0014] 識別およびトレーサビリティ段階を中心とした、不妊治療の典型的なプロスの
一例は次の通りである。
1.患者が診療所において契約し(sign up)、彼らの詳細がシステムに記録される。公
的証書によって識別詳細がチェックされ、一意の研究所IDが割り当てられる。
【0022】
2.最初の予約に続いて、血液試料およびそれらの分析のための種々の他の訪問、ホル
モン刺激のための正しい薬剤の受け渡し、超音波検査、および処置についての話し合いが
行われる。これらは全て、患者の識別、およびプロセス結果のトレーサビリティの双方を
必要とする(例えば、血液試料および結果、超音波画像およびそれらの結果の追跡)。こ
れらのプロセスの多くは、典型的なIVF診療所以外で管理され、これらのプロセスのト
レーサビリティを確保するために、過剰な程の他の指針およびシステムがある。
【0023】
3.患者(1人または複数)は、精子提供/卵子収集のために診療所に入り、更に彼ら
の個人情報(identities)が、口頭でおよび視覚的に、多くの場合目撃者の前で二重にチェ
ックされる。多くの場合、個人情報腕輪が患者に割り当てられる。
【0024】
4.プロセスにおいて使用される試料コンテナ、試験管、皿等を含む全てのプラスチッ
ク製品に、最小でも、または少なくとも2つの識別子(即ち、一意のID)が付けられる
(mark)。この印付けは、消去不可能でなければならず、更に生物学的素材との連携(affil
iation)を確認するために必要とされるだけのプラスチック製品に添付しなければならな
い(例えば、培養皿の底面および蓋の双方)。
【0025】
5.同様に、全ての事務書類記入および/またはデータベース入力が、プロセスを一意
のIDとリンクさせながら、行われる。
6.多くの診療所では、配偶子または胚が保管される場所も、短期間であろうが(特定
の培養器における位置)、または長期であろうが(LN2タンクにおける凍結保存)、記
録されてもよい。現在、サンプルの保管場所は書面に基づいており、その後記録段階に関
してEMRに入力される。
【0026】
7.プロセスの間、一意のIDが、プロセスの各ステップにおいて(IVFサイクルの
間、10から40ステップまでになる場合もある)、事務書類または格納データ、プラス
チック製品、および生物学的試料の推移(progress)と突き合わせてチェックされ、更に科
学者によって署名される。
【0027】
8.加えて、殆どの診療所は、厳格なプロトコルを整備しており、いずれの所与の空間
においてもいずれの1つの所与の時点においても、1コホートよりも多い卵子、精子、ま
たは胚の扱いを禁止する。
【0028】
9.生物学的素材と接触する使い捨て消耗品は、常に、厳しく使い捨てで使用され、直
ちに廃棄され、つまり、必ずしもラベル付けや、その他の識別またはトレーサビリティの
チェックを必要としない。
【0029】
10.胚移植のときに、胚を移植する前に、患者IDは、事務書類/データベース、お
よび胚(1つまたは複数)を収容するベッセルの双方と突き合わせて、相互チェックされ
る。
【0030】
[0015] これらのチェックは多くが、個人情報の証明を記録に物理的にリンクすること
を含み、例えば、コンテナのラベルを剥がして、それを事務書類に添付することであって
もよい。
【0031】
[0016] 厳格に研究所に基づく手順に加えて、典型的な処置サイクルの中には、患者I
Dのチェックおよび目撃を必要とする様々な他のステップがあり、例えば、しかるべき診
療同意に署名したことのチェック、正しい連絡先(contact)の収集、および請求の詳細等
が含まれる。
【0032】
[0017] 患者ファイルは、データベース入力だけでなく物理的な書面に基づく入力も、
多くの場合国内法および指針によって定められる最短年数だけは維持しなければならない
。
【0033】
[0018] これらのプロトコルは全て、書面/データベースの痕跡があり、任意の時点で
辿って評価できることを確保する。チェックが適正に行われており国際規格に準拠するこ
とを確認するために、IVF診療所の内部および外部監査が、国内指針通りに日常的に行
われる。相互チェックの階数は、最初は過剰と思われるかもしれないが、これはシステム
でできるだけ「フェイル-セーフ」にするために故意に冗長性を組み入れた結果である。
即ち、1つ以上のチェックをし損ねた場合、または誤って行った場合、次のチェックにお
いてその状況を捉えて訂正しなければならない。
【0034】
[0019] 人による二重目撃の他に、目撃およびトレーサビリティ要件に取り組み、使用
の精度および利便性を向上させるために、過去数年にわたって、電子目撃システムが開発
されている。バーコード・スキャンは、最初のこのようなアプリケーションの1つであり
、既に非常に馴染みがあり広く使用され、20年よりも長い間小売り業界において使用さ
れており、誤り率がわずか1/15,000未満であるという利点がある。このようなシ
ステムの例には、ARTプロセスの各ステップにおいて患者試料を追跡および記録するた
めに、RFID(無線周波数ID)技術を使用するResearch Instrume
nts LimitedによるRI Witness(登録商標)ART管理システム、
更にはバーコード技術を使用するIMT InternationalによるMatch
er(登録商標)目撃システムが設けられる。RI Witness(登録商標)システ
ムは、ART研究所環境において消耗品バッチを追跡する問題に適切に対応できず、クラ
イオ段階における効果的な管理および追跡を達成するためにはLN2からのサンプルの取
り出しが必要となると考えられる。個々のワークステーションが各々専用のRFIDリー
ダを必要とするので、RI Witness(登録商標)システムは、高価な資本設備を
必要とする。このRFID構成に伴う他の問題は、液体窒素環境の下では信頼性高く機能
しないことである。Matcher(登録商標)システムは、ワークフロー管理が不十分
であり、LN2追跡ができないバーコード照合システムである。更に、Matcher(
登録商標)システムは、全体的な研究所ワークフローの指示または表示が不十分であると
考えられ、RI Witness(登録商標)システムと同様、クライオ段階において効
果的な管理および追跡を達成するためには、サンプルのLN2からの取り出しが必要とな
る。
【0035】
[0020] 実例として、
図3から
図10は、IVF研究所ワークフローにおける最も一般
的なプロセスの内いくつかの概要を示し、実線の矩形輪郭を有するボックスの各々は二重
目撃ステップを示す。
図3は、少なくとも13回の二重目撃ステップがある一般的なIV
Fワークフローを示す。
図4は、少なくとも15回の二重目撃ステップがあるICSI/
IMSI/PICSI/TESEワークフローを示す。
図5は、少なくとも14回の二重
目撃ステップがある精子収集ワークフローを示す。
図6は、少なくとも7回の二重目撃ス
テップがあるPGDワークフローを示す。
図7は、少なくとも7回の二重目撃ステップが
ある、2日目、3日目、および5日目の移植ワークフローを示す。
図8は、少なくとも4
回の二重目撃ステップがある胚孵化(embryo hatching)ワークフローを示す。
図9は、少
なくとも5回の二重目撃ステップがある解凍ワークフローを示す。
図10は、少なくとも
5回の二重目撃ステップがある冷凍/ガラス化ワークフローを示す。
【0036】
[0021] 本明細書全体においてその論述は、発明者の認識、および/または発明者によ
る特定の関連技術の問題の同定によって行われ、更に、本明細書における文書、デバイス
、行為、または知識についての論述はいずれも、本発明のコンテキストを説明するために
含まれる。これは、その資料はいずれも、本開示およびその中にある特許請求の範囲の優
先日またはそれ以前においてオーストラリアあるいはそれ以外の場所において、先行技術
基準の一般的な知識の一部、または関連技術における一般的な知識の一部を形成すること
の承認であると捉えてはならない。
【0037】
[0022] 本明細書全体において、「発明者」(inventor)という単語を単数形で使用する
場合、本発明の1人(単数の)発明者、または1人よりも多い(複数の)発明者を指すと
解釈してよい。
【発明の概要】
【0038】
[0023] 本発明の目的は、ART手順中において、人が実施する二重チェック・プロト
コルの使用を排除することである。
[0024] 本発明の他の目的は、組み合わせの誤りという事件(mismatching event)およ
びそれらの潜在的な破局的結末を根絶するために、ART手順中に患者および生物学的試
料の識別および追跡を実行することである。
【0039】
[0025] 本発明の更に他の目的は、以上で注記した関連技術システムの欠点の内少なく
とも1つを克服または軽減すること、あるいは少なくとも関連技術システムの有用な代替
案を提供することである。
【0040】
[0026] 本発明の実施形態は、個別の(personalized)インテリジェントART補助を、
臨床ワークフロー管理および誤り防止のために提供して、しかるべく訓練された職員によ
ってしかるべき素材および機器を使用して、しかるべき時点においてプロセスが有効な順
序で行われる(have a valid order)ことを確保する。これは、素材、機器、環境条件、お
よび職員の識別情報(identity)を追跡するときに補助となって、この情報を患者の臨床過
程(clinical journey)および診療所供給網管理にリンクすることができる。
【0041】
[0027] したがって、一態様において、本発明の実施形態は、タスク実行中に手順の精
度を監視するためのデバイスを提供する。タスクとは、少なくとも1つの実行すべき手順
を含み、このデバイスは、
この手順に関係する入力データを受け取る入力インターフェースと、
この手順に関係するデータを格納するデータ・ストアと、
プロセッサであって、
入力データを、格納されているデータと比較し、
この比較結果を示す比較結果を生成する、
プロセッサと、
比較結果を出力する出力インターフェースと、
を含む。
【0042】
[0028] 他の態様において、本発明の実施形態は、タスクの実行中に生物学的試料に対
して行われる手順の精度を監視するためのシステムを提供する。
手順とは、各々、タイムライン上における特定の期間内に実行されるべきタスクを含む
。
【0043】
出力デバイスは、タイムライン上において各特定の時間期間において実行しなければな
らない手順、および
手順に関係する入力データ間の比較結果を表示する。
【0044】
[0029] 好ましい実施形態では、タスクの遂行中に手順の精度を監視する方法を提供す
る。この方法は、
手順に関係するデータをデータ・ストアに入力するステップと、
手順に関係するデータを格納するステップと、
この比較の結果を示す比較結果を生成するステップと、
この比較結果を出力デバイスによって出力するステップと、
を含む。
【0045】
[0030] タスクを含む手順は、各々、タイムライン上で特定の期間内に実行されればよ
い。好ましくは、各特定の時間期間は1日である。
[0031] 他の好ましい実施形態では、生殖補助サイクル全体にわたって、人の試料を識
別し追跡するために、ハンドヘルド・デバイスおよびソフトウェアが設けられる。
【0046】
[0032] 好ましい形態では、本発明は、更に、研究所環境において生物学的試料の位置
をインデックス化する方法を提供する。この方法は、以下のステップを含む。
[0033] 生物学的試料コンテナに近接するRF送受信デバイスの位置を認識するステッ
プであって、RF送受信デバイスが、凍結環境およびガンマ線放射の内1つ以上を含む範
囲の研究所条件に耐える構造および/または製造のものである、ステップ。
【0047】
[0034] 生物学的試料に一意の識別信号について、RF送受信デバイスに質問するステ
ップ。
[0035] この方法は、更に、以下のステップを含む。
【0048】
[0036] 研究所環境内において生物学的試料の位置にアドレスするために、研究所装置
の階層の各々に対応する別のRF送受信デバイスの位置を認識するステップ。
[0037] 以上の方法において、質問するステップおよびRF送受信デバイスの内1つま
たはその組み合わせが、少なくとも1つのMEMSデバイスを含んでもよい。
【0049】
[0038] 以上の方法において、RF送受信デバイスが、生物学的試料に一意の識別信号
に加えて、生物学的試料の現場環境条件を送信するように構成されてもよい。
[0039] 更に、実施形態は、研究所環境において生物学的試料の位置をインデックス化
する装置も含む。この装置は以下を含む。
【0050】
[0040] 生物学的試料コンテナに近接する位置を認識するように構成されたRF送受信
デバイスであって、凍結環境およびガンマ線放射の内1つ以上を含む範囲の研究所条件に
耐える構造および/または製造のものである、RF送受信デバイス。
【0051】
[0041] 生物学的試料に一意の識別信号について、RF送受信デバイスに質問する質問
手段。
[0042] 以上の装置において、RF送受信デバイスおよび質問手段の内1つまたはその
組み合わせがMEMS構造を含む。
【0052】
[0043] 本発明のその他の態様については、本明細書の最後に現れる請求項において明
記する。
[0044] 本質的に、本発明は、ART処置手順および装置に関連するプロセス・フロー
の規則および行動が生物学的試料の発生タイムライン、例えば、ヒト胚(human embryo)の
発生タイムラインの日程(days)に基づくと、または相関付けられると、ART研究所環境
における生物学的試料および関連する物体(object)の識別、追跡、報告、および全体的管
理の内の1つまたはその組み合わせが実質的に改善されるという認識に端を発する。更に
、本発明は、個々のサンプルの場所にアドレスするときに使用する識別信号を送信するた
めに、凍結環境に耐えるポリマー製ケースに埋め込まれ個々のサンプルに近接するRFデ
バイスの使用によって、凍結処理環境から試料を取り出すことを回避しつつ、研究所の処
置(care)における全ての試料について、実際の場所を1つのデータベースに集中させるこ
とが達成可能であるという認識に端を発する。
【0053】
[0045] 本発明の利点には、以下が含まれる。
・各試料の位置の具体的な電子記録(record)があり、サンプルのログインおよびログア
ウトの双方に使用できることを考えると、本発明の好ましい実施形態によって、あらゆる
ステップの記録(logging)および有効性判断が可能となる。
【0054】
・電子的目撃が達成される。
・プロセス・マッピングおよびワークフロー管理が構成変更可能となる。
・全体的な研究所ワークフローがユーザに表示される。
【0055】
・消耗品バッチの追跡。
・ラベル付けをボード(board)全域に適用することができる。
・低コスト機器および患者毎の低コスト。
【0056】
・ART研究所の報告および監査が使用可能となる。
・電子医学記録(EMR)への接続。
・凍結環境において利用可能な目撃。
【0057】
・凍結環境における生物学的試料の管理および追跡、更に、生物学的試料の管理および
追跡が、試料の取り出しを必要とせずに、凍結環境において行うことができる。
・液体窒素下で試料レベルでの温度の目撃および監視。
【0058】
・卵母細胞および精子のような患者素材を維持および処理するために使用される皿、試
験管、およびその他の消耗品をスキャンして、正しい一致があることをチェックするため
に、単純なハンドヘルド・デバイスを使用する。
【0059】
・不一致が発生することを排除するために、ART手順中における試料の識別および追
跡。
・臨床ワークフロー管理のために、個人専用インテリジェントART補助を提供する。
【0060】
・LN2において識別追跡を提供する。
・政府当局からの目撃要求に適応するために診療所を補助する。
・バーコード一致を確認することによって誤りを極力減らす。
【0061】
・人力による二重目撃の必要性を解消する。
・低コストであり、現行の研究所システムに統合可能。
・実施が素早く容易。
【0062】
・次のプロセスに確実に続けるための構成変更可能なワークフロー管理。
[0046] 本発明の実施形態の更に他の産業上の利用可能分野は、この後に示す詳細な説
明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および具体的な例は、本発明の
好ましい実施形態を示すのではあるが、例示として与えられるに過ぎないことは理解され
てしかるべきである。何故なら、本明細書における開示の主旨および範囲内に入る種々の
変更(change)および修正(modification)が、この詳細な説明から、当業者には明らかにな
るからである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
[0047] 本発明の好ましい実施形態およびその他の実施形態の更に他の開示、目的、利
点、ならびに態様は、以下の実施形態の説明を添付図面と合わせて検討することによって
、当業者は一層深く理解することができよう。添付図面は、例示として与えられるに過ぎ
ず、したがって本明細書における開示を限定するのではない。
【
図1】
図1は、本発明によるシステムの好ましい実施形態による、ART手順中における患者および生物学的試料の識別および追跡システムを示すブロック模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の好ましい実施形態の配備(deployment)を示すメッセージ転送レベルの図である。
【
図3】
図3は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図4】
図4は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図5】
図5は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図6】
図6は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図7】
図7は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図8】
図8は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図9】
図9は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図10】
図10は、二重目撃を必要とするステップを示すIVF研究所ワークフローにおける一般的なプロセス・ステップの概要を示す。
【
図11】
図11は、本発明の好ましい実施形態による手順の管理を利用するART処置の全体像を示す模式図である。
【
図12】
図12は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、ラベルおよび印刷グループを作成し、定め、割り当てるときに関与するステップを示す。
【
図13】
図13は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、ラベルおよび印刷グループを作成し、定め、割り当てるときに関与するステップを示す。
【
図14】
図14は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、ラベルおよび印刷グループを作成し、定め、割り当てるときに関与するステップを示す。
【
図15】
図15は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがってユーザ・メッセージと共に、決定することができる行動および規則を示す。
【
図16】
図16は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがってユーザ・メッセージと共に、決定することができる行動および規則を示す。
【
図17】
図17は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがってユーザ・メッセージと共に、決定することができる行動および規則を示す。
【
図18】
図18は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがってユーザ・メッセージと共に、決定することができる行動および規則を示す。
【
図19】
図19は、好ましい実施形態による研究所管理システムにおける現在の全現患者の全体像のハンドヘルド上における表示(hand held display)を示す。
【
図20】
図20は、好ましい実施形態によるダッシュボードにおける表示の形態で、研究所管理システムにおける全ての現患者の全体像のウェブ・アクセスに適したディスプレイを示す。
【
図21】
図21は、ART研究所の消耗品についての追跡、報告、在庫管理、および在庫調査の特徴を示す、ハンドヘルド・デバイスまたはウェブ・インターフェースに適した例示的なディスプレイを示す。
【
図22】
図22は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態による例示的なユーザ用ログイン・プロセスを示す。
【
図23】
図23は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって試料スキャン・セッションを推進する(instigate)ための例示的なメニューおよび画面表示を示す。
【
図24a】
図24a~
図24eは、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態によるスキャン・プロセス内における例示的な一連の画面表示を示し、警告された誤り(flagged error)の例を示す。
【
図24b】
図24a~
図24eは、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態によるスキャン・プロセス内における例示的な一連の画面表示を示し、警告された誤り(flagged error)の例を示す。
【
図24c】
図24a~
図24eは、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態によるスキャン・プロセス内における例示的な一連の画面表示を示し、警告された誤り(flagged error)の例を示す。
【
図24d】
図24a~
図24eは、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態によるスキャン・プロセス内における例示的な一連の画面表示を示し、警告された誤り(flagged error)の例を示す。
【
図24e】
図24a~
図24eは、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態によるスキャン・プロセス内における例示的な一連の画面表示を示し、警告された誤り(flagged error)の例を示す。
【
図25】
図25は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、人為的目撃(manual witnessing)を容易にする例示的なプロセスを示す。
【
図26】
図26は、ユーザ・インターフェースの観点から、そして好ましい実施形態にしたがって、作業日内における患者タスクを管理するための例示的なメニューおよび画面表示を示し、タスクは1日単位(days)の生物学的試料発生サイクルに細分化されている。
【
図27】
図27は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって消耗品項目を追跡するための例示的なメニューおよび画面表示を示す。
【
図28】
図28は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、研究所ワークフロー内においてユーザが患者履歴を見直すための例示なメニューおよび画面表示、ならびに警告された誤り例を示す。
【
図29】
図29は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、簡易(expedited)スキャン・セッションを表すスキャン・プロセス内における例示的な一連の表示画面を示す。
【
図30】
図30は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、簡易セッションを表す患者履歴見直しプロセス内における例示的な一連の画面表示を示す。
【
図31】
図31は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、消耗品ロットのステータスの変更を促進させるプロセス・ステップの例示的な一連の画面表示を示す。
【
図32】
図32は、ユーザ・インターフェースの観点から、好ましい実施形態にしたがって、LN
2環境からの生物学的試料の採取(retrieval)および取り出し(removal)のためにスキャン・セッションを完了するユーザのための、例示的なメニューおよび画面表示を示す。
【
図33】
図33は、好ましい実施形態にしたがって、LN
2環境内において所与の生物学的試料の位置を識別するスキャン・セッションにおいて、患者の選択から得られた画面表示を示す。
【
図34】
図34は、好ましい実施形態による、ハンドヘルド・デバイスを使用した患者情報の検索を示す。
【
図35】
図35は、好ましい実施形態にしたがって、研究所ワークフローの過程においてハンドヘルド・デバイスを測位する(positioning)または位置を認識する(locating)ための例示的な手段を示す。
【
図36】
図36は、好ましい実施形態にしたがって、LN
2環境において生物学的試料の位置をインデックス化またはアドレスするときの第1ステップを示す。
【
図37】
図37は、好ましい実施形態にしたがって、LN
2環境において生物学的試料の位置をインデックス化またはアドレスするときの第2ステップを示す。
【
図38】
図38は、好ましい実施形態にしたがって、LN
2環境において生物学的試料の位置をインデックス化またはアドレスするときの第3ステップを示す。
【
図39】
図39は、好ましい実施形態にしたがって、LN
2環境において生物学的試料の位置をインデックス化またはアドレスするときの第4ステップを示す。
【
図40】
図40は、好ましい実施形態による、LN
2環境における生物学的試料の保存(storage)のためのシステムおよびプロセスの模式図である。
【
図41a】
図41aおよび
図41bは、好ましい実施形態による、サンプル配置デバイス(sample locating device)を組み込んだカセットを示す。
【
図41b】
図41aおよび
図41bは、好ましい実施形態による、サンプル配置デバイス(sample locating device)を組み込んだカセットを示す。
【
図42】
図42は、好ましい実施形態による、
図41aおよび
図41bのカセット内に組み込まれた生物学的試料の例示的なラベル付けを示す。
【
図44】
図44は、他の実施形態にしたがって、生物学的試料ケイン(cane)上に位置付けられた、
図41および
図43のサンプル配置デバイスの代替実施形態を示す。
【
図46】
図46は、好ましい実施形態にしたがって、
図41および
図43のサンプル配置デバイスを研究所装置に結束するための例示的な成型品(moulding)を示す。
【
図47】
図47は、好ましい実施形態にしたがって、
図41および
図43のサンプル配置デバイスを研究所装置に結束する例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
システムの説明
[0048] 好ましい実施形態によれば、本発明は、以下の表に纏めた研究所機能に対応す
るART研究所管理システムを提供する。関連する要点(features)を、以下のように、各
機能と対比して纏める。
【0065】
【0066】
[0049]
図11は、本発明の好ましい実施形態による手順の管理を利用したART処置
の全体像を示す概念模式図である。ART処置のコンテキストでは、患者は、数週間の期
間にわたる診断ステップ、1日の内に行われる入院(pick up)ステップ、7日までの間に
おける胚の保存および発生(development)ステップ、次いで1日以内での、生育可能な胚
の移植ステップに関与し、
図11では、ワークフロー1(構成)、2(監視)、および3
(使用)が示されている。
図11のワークフロー1は、研究所/事務所における構成プロ
トコルに関与し(involve)、構成プロトコルは、患者の生物学的試料にラベルを作成して
編集し、サイクルに対応するラベル・グループを作成し、サイクルにおける日毎の発生タ
イムラインにラベルを割り当て、重要なラベルを指定し、引き受けるべき重要な行動を指
定することを含む(involve)。
図11のワークフロー2は、研究所/事務所における監視
プロトコルに関与し、監視プロトコルは、治療中患者リスト(active patient list)の管
理、消耗品の管理を含み、履歴情報、消耗品のロット番号についての棚卸し表等を含む報
告を生成することを含み、この報告が監査を容易にすることができる。
図11のワークフ
ロー3は、診療所の研究所および訓練室(practice room)内における本発明の実施形態の
ユーザ・アプリケーション・プロトコルに関与し、診断後の入院の段階、ならびに発育可
能な胚の移植に先立つ保存および発生の段階に特に適用することができる。
【0067】
[0050] 目撃および患者IDのチェックを容易にするために、実施形態の好ましいプロ
トコルは、研究所内におけるコンテナ間の試料転送に先立ち、グループとしてスキャンさ
れた複数のラベルが、一致する(matching)患者IDを有することのチェックを行う(provi
de for)。この機能を実現するには、バーコード自体にエンコードされている患者ID番
号以外に最小限の知識を必要とする。
【0068】
[0051] 誤り防止を容易にするために、実施形態の好ましいプロトコルは、日単位に基
づく上位プロセス・フロー、および日毎のコンテナの分類(grouping)を定める。次いで、
スキャンされたコンテナがどの日に当たるのかチェックし、これらが矛盾する(incompati
ble)場合にはユーザに警告することが好ましい。
【0069】
好ましい実施形態によれば、ウェブおよび/またはハンドヘルド・デバイスを介したユ
ーザ・アクセス可能なインターフェースとの中央サーバの接続は、
・ユーザを管理するため、
・品質チェックおよび監査のためにログおよび報告にアクセスしエクスポートするため
、
・ラベルおよびQRコード(登録商標)を生成および印刷するため、
・患者詳細のcsvインポートのため、
・請求書作成報告を作るため、
・システム構成を作成、インポート、またはエクスポートするため、
にアクセスを付与する。
【0070】
[0052] 消耗品チェックは、プロトコルによって行われ、消耗品は使用の前にスキャン
される。ロット番号を記録し、有効期限をチェックする。互換性、例えば、媒体のコンテ
ナ・タイプとの互換性もチェックすることができる。
【0071】
[0053] 凍結保存ベッセル内における目撃は、電子目撃を行うためのPodsまたはC
ryotopsのような凍結保存ベッセル上におけるバーコードのスキャンによって行う
ことができる。
【0072】
[0054] 日毎の研究所プロセス・フローのワークフロー管理は、上位プロセス・フロー
を定め、日毎に要求される作業を追跡し続け表示することによって行われる。
[0055] EMRインターフェースは、文書作成機能(documentation)を有するAPIに
よって設けることができ、患者詳細の入力、保存場所の更新、およびプロセス・マッピン
グを可能にするために、本発明の実施形態へのEMRアクセスを可能にする。
【0073】
[0056] プロセス・ステップをチェックする誤り防止プロトコルは、研究所において最
も重要であると見なされるステップだけを定めることによって作成される。これは、誤り
の結末が過酷であるため、および/またはこのステップにおいて誤りは一層頻出する(com
mon)からである。研究所管理者は、これらの重要ステップを識別し、コンテナ・タイプ、
量、およびシーケンスというような詳細を定める。
【0074】
[0057] 研究所ステップにおける消耗品に対する誤り防止プロトコルは、特定のステッ
プに必要な(同じタイプの)数の皿が全てそろっていることをチェックすることによって
作成される。これは、胚の数、および/または行われようとしている移植の型式によって
異なる場合もある。
【0075】
[0058] 本発明の実施形態は、試料の位置をインデックス化して、試料がLN2保存シ
ステム(即ち、タンク、レベル(level)、キャニスタ、カセット/ケイン)内に入れられ
るときに、そしてそれをLN2保存システムから取り出すときに、試料を発見し易くする
ために利用することもできる。
【0076】
[0059] 本発明の実施形態は、試料を室温に露出する前における試料識別、および試料
を次のコンテナ・タイプに転送する前における試料識別の双方を含む、LN2ステップの
間二重目撃の必要性を解消するために利用することができる。
【0077】
[0060] 以上のことの実用的な実施態様として、
図1に示すように、本発明の好ましい
実施形態によるシステム1は、例えば、データベース・サーバを構成する(comprising)中
央コンピュータ手段2を含む。中央コンピュータ2は、例えば、イーサネット(登録商標
)・ネットワークを経由してローカル・エリア・ネットワークLAN3に接続され、更に
、研究所情報システム(LIS)および電子医学記録(EMR)のような医学および/ま
たは研究所情報の情報ストレージ4にも接続されている。実用的な実施態様では、LAN
ネットワーク3は、当業者には認められるように、スイッチ、およびWiFiアクセス・
ポイントを含む。中央コンピュータ2およびLAN3は、入力および出力デバイス6に有
線接続されるか、またはその他の方法で接続され、好ましい実施形態では、ラベルおよび
報告プリンタ(
図2に示す)、ディスプレイ9を有するデスクトップ・コンピュータ8(
図2に示す)、ならびに研究所職員による使用のためのラップトップ・コンピュータ(図
示せず)にも接続することができる。ワイヤレスでWiFiアクセス・ポイントと接続す
る携帯用デバイスは、
図1に示すリーダ6のような、ハンドヘルド・デバイスを含む。こ
れらは、スマートフォンのフォーム・ファクタおよびタブレット・デバイスを採用しても
よい(take)。また、LANネットワーク3は、VPN(仮想プライベート・ネットワーク
)機能を有することができるファイアウォールを介して、外部ネットワーク(図面には示
されていない)にも接続する。図面に示されていない本発明の好ましい代替実施形態によ
れば、これらのデバイスの代替形態は、カメラ装備めがねおよびスキャナ装備めがね、プ
レスレット、ヘッドバンド、またはデータを取り込む能力を有する同様のデバイスという
ような、操作員が装着可能なセンサ装備デバイスを含むことができる。
【0078】
[0061] 各リーダ・デバイス6は、1Dバーコード、2Dバーコード、およびRFID
タグの内任意の1つ、または組み合わせを、赤外線スキャナ、レーザ・スキャナ、光学文
字認識(OCR)を有するカメラ、およびRFID読み取りの内任意の1つ、または組み
合わせを使用して読み取るために、少なくとも「一意のID」読み取り能力を有する。し
たがって、各デバイス6は、以上の技術のための1つまたは複数のスキャナ、画像を取り
込むためのカメラ、カード・リーダ(例えば、NFCスマート・カードまたは磁気ストラ
イプ/カード)、指紋スキャナ、および電子署名取り込みパッドの内関連する1つ以上も
含む。
【0079】
[0062] 好ましくは、各デバイス6は、以下の内任意の1つ、またはその組み合わせを
含む追加の機能を有する。
以下にリンクするためのBluetooth(登録商標)、WiFi(またはその他の
)接続機能(connectivity)。
【0080】
胚に重要な項目(環境監視、例えば、温度、湿度、揮発性有機化合物(VOC)、およ
びCO2)のためのセンサ、
BluetoothLE(低エネルギ)ビーコン、
全地球測位能力(GPS、Glonass、Galileo)または局地測位システム
(LPS:local positioning system)によるというような、他の位置認識能力。
【0081】
[0063] センサに好ましい形態は、Bluechip Ltd.の「Bluechip
(商標)MEMS(微小電子機械システム)センサを含む。このようなMEMSセンサは
、好ましくは、温度検知機能を含み、好ましくは、以下のような使い捨て器具に埋め込ま
れる。
【0082】
例えば、精子、胚、卵母細胞、または配偶子を、ガラス化/凍結保存およびその後の保
管(storage)プロセスの間収容するガラス化/凍結保存蓄積ベッセル/デバイス、
ガラス化/凍結保存デバイスのためのカセットおよびその他のホルダ、
ケイン、キャニスタ、およびデュワーLN2タンクまたはベッセル、
液体窒素タンク、
卵母細胞、胚、および配偶子のための培養皿。
【0083】
[0064] 有利なことに、各Bluechip(商標)スマート・チップは、約1.3M
Hzおよび約4.1MHzの間の周波数に同調されるローレンツ力共振器を内蔵する。こ
のデバイスは、電力を必要としないが、共振器が刺激されたときに、各スマート・チップ
の一意の識別および温度を示す信号を戻すことから、受動型と言ってもよい。一意の識別
番号は製造プロセス中にプログラミングされ、タグは内部BCH誤り検出および訂正コー
ドによってチェックされる。スマート・チップが読み取られる毎に、その瞬間の温度が測
定され、タイム・スタンプが付けられ、記録される。これによって、温度履歴を記録し、
一層完全な管理(custody)チェーンを設けることを可能にする。スマート・チップは、高
圧蒸気滅菌(autoclaving)またはガンマ線照射による殺菌に耐え、機能の劣化も損失もな
い。
【0084】
[0065] 読み取り/スキャニング・デバイス6の好ましい形態には、Apple iO
S、MS Windows、およびAndroid、または同等の移動体デバイス用オペ
レーティング・システムを実行するスマートフォンならびにタブレット・デバイスが含ま
れる。これらは、好ましくは、タッチ技術を使用し、タッチ・スクリーン・ユーザ・イン
ターフェースおよびナビゲーションを有する。中央コンピュータのデータベース・サーバ
は、ハンドヘルド・デバイスのような、接続されているデバイスから入力を受信し、出力
を生成する。この出力は、接続されているデバイス、例えば、コンピュータ8に返送され
、更に読み取り/スキャニング・デバイス6および/またはラベル/報告プリンタ7に返
送される。
【0085】
[0066] 以下で説明するように、中央コンピュータ2のデータベース・サーバは、AR
T手順の間に読み取りデバイス6から入力を受信し、データベース・サーバ内のアルゴリ
ズムにしたがって、この入力を処理し、この処理によって生成された出力を読み取りデバ
イス6に送る。中央コンピュータ2のデータベース・サーバは、デバイス6からの入力の
受信時に、出力をラベル/報告プリンタ7にも送ることもできる。同様に、中央コンピュ
ータ2は、接続されているPC8および/またはラップトップ/タブレット・デバイスか
らの入力も同様に受信して処理し、処理した情報を戻すこともできる。
【0086】
[0067] データベース・サーバに接続されるデータベースの好ましい形態には、本発明
の実施形態が要求する機能を実現するように変更された既製品の患者管理データベース、
およびその機能を実現するために特別に書かれた、特注の(custom-built)データベースが
含まれる。
【0087】
[0068] ラベル/報告プリンタ7は、試料コンテナ、試験管、皿等のようなプラスチッ
ク製品、患者の書類、更には患者の腕輪等に添付されるラベルを生成することができる。
[0069] 好ましい実施形態の管理システムは、本質的に4つのステップで、個々の研究
所に合わせて個別作成する(tailor)ことができる。
【0088】
1.所与の診療所によって実行される全てのサイクルに必要とされるラベルのタイプ、
サイズ、および内容を指定することによってラベルを定める。
2.診療所によって実行される全てのサイクルおよび行動のために印刷されるラベルの
グループを作成することによって、印刷グループを定める。
【0089】
3.あらゆる目撃セッションまたはあるサイクルの特定の日のためには、どのラベルを
スキャンしなければならないか指定することによって、サイクル規則を定める。
4.行動のためにどのラベルをスキャンしなければならないか指定することによって、
行動規則を定める。
【0090】
[0070] ラベルおよび印刷グループを定めるためのステップの一例を、ユーザ・インタ
ーフェースの観点から、
図12~
図14に示す。フォーマットを
図12に示す。ラベル・
フォーマットを追加し定めるための入力を
図13に示す。ここで、部品が1つよりも多い
消耗品には、同じラベル作成で対処する(cater for)ことができる。
図14に示すように
、次に、ラベルを印刷サイクルに割り当てることができる。ラベルとサイクル/日との相
関付けにしたがって、
図15および
図16は、決定することができる行動および規則を示
す。作成されたラベル・ライブラリから、サイクルの関連する発生日(development day)
に特定のラベルを割り当て、適宜スキャンしなければならない。ラベルは、それらがスキ
ャンされる日(1つまたは複数)に割り当てられ、研究所/診療所が稼働するにつれて、
日毎の重要なラベルまたは行動が選択される。規則を設定するために、ユーザ・インター
フェースのアイコンを呼び出すことができる。例えば、特定の行動のためにスキャンしな
ければならない1組のラベルを定めるために、1つのラベルを他のラベルにリンクするこ
とができる。他の例では、特定の日について完全に考慮するためにスキャンしなければな
らないラベルを定める規則を設定してもよいことがあげられる。一例として、あらゆる目
撃セッションに対してラベルをスキャンしなければならないという規則を設定することが
できる。
図16は、ユーザが特定の研究所行動に対して規則を定めることを可能にするイ
ンターフェース表示を示す。
図17および
図18は、プロセス・フローのチェックの結果
発生したメッセージを表示するユーザ・インターフェースを示し、そうする際に、設定さ
れた規則が適用され、矛盾、誤り、実行されないステップが報告される。「日が不一致」
(Day mismatch)および「日が不完全」(Day incomplete)というメッセージが、例として図
17に示されている。
【0091】
[0071] 識別ラベルの好ましい形態には、裏面に接着材がついた紙製ラベル等、および
微小電子機械(MEMS)デバイスが含まれる。使用中のラベルの例を、
図42において
421に示す。
【0092】
[0072] リーダ/スキャニング・デバイス6に埋め込まれたソフトウェアは、外部技術
デバイス(
図1には示されていない)とのそれらの相互作用を制御し、更に中央コンピュ
ータ2のデータベース・サーバとのそれらの相互作用を制御する。このソフトウェアの好
ましい態様は、以下を含む。
【0093】
本発明のある好ましい実施形態によれば、デバイス6は機密の患者情報を格納せず、ソ
フトウェアが、中央コンピュータ2のデータベース・サーバ内においてしかるべき安全を
確保された患者管理データベースから、機密の患者情報をリンクするだけである。本発明
の好ましい代替実施形態によれば、このソフトウェアは、中央システムを通じて、そして
同じシステムにおける複数のデバイスを通じてリアル・タイムで入力されたデータを、デ
ータベース・サーバと、そして複数の他のハンドヘルド・デバイス6と同期する能力を有
する。
【0094】
このソフトウェアは、動作および/またはトランザクション・ログ、ならびに監査ログ
を含む。
このソフトウェアは、カスタム化可能なプロセス・マップを含む。
【0095】
このソフトウェアは、異なる患者管理データベースと相互作用するようにカスタム化可
能である。
このソフトウェアは、同じ患者からの様々なARTサイクルにわたって、そして様々な
配偶子の組み合わせ(例えば、精子ドナー、異なる夫婦)にわたって、同じ患者からの個
々の卵子および胚のレベルまで追跡する能力を有する。
【0096】
このソフトウェアは、枝分かれする経路の追跡、例えば、1つに合体する複数のコンテ
ナ、または複数の枝分かれするプロセス経路に分割される1つの生物学的素材の追跡を管
理する能力を有する。
動作の説明
[0073] 本システムは、ARTサイクルの間データを取り込み、ある条件の正しさの確
認、警告(warning)、または警報(alarm)として、操作員にメッセージを生成することによ
って動作する。具体的には、デバイス6は、データを取り込み、このデータと基準データ
との比較を行い、この比較の結果に応じて確認、警告、または警報を生成するアクション
を実行するための内蔵ソフトウェアおよび機能を有する。これについては、本明細書にお
いて更に詳しく説明する。好ましくは、デバイス6は、比較の実行に関わらないタスクを
実行するために追加の機能を有する。したがって、ハンドヘルド・デバイス6が以下の処
理の内任意の1つ、または組み合わせを実行することが好ましい。
【0097】
一例として
図22~
図32のスクリーン・キャプチャに示すように、デバイスを使用し
ている個々の操作員についてのデータの取り込み。
患者に関する個人情報データ(identity data)の取り込み。このデータは、手順を受け
ている患者を識別するデータ、および患者個人情報データを含む。このデータは、患者の
生物学的素材を保管または保持するベッセル、ストア等から取り込まれ、更に患者の検査
結果を記録するソースから取り込まれる。患者を識別するデータ、およびベッセル、スト
ア等から集められた患者個人情報データを比較する。この比較結果に応じて、ハンドヘル
ド・デバイス6は、確認、警告、および警報の内該当する1つを、操作員に対して生成す
る。
【0098】
プロセス・ステップの取り込み、および取り込んだプロセス・ステップと内蔵されたカ
スタム化可能なプロセス・マップとの比較。この比較結果に応じて、ハンドヘルド・デバ
イス6は、プロセス内のステップの正しさに応じて、確認、警告、および警報の内該当す
る1つを操作員に対して生成する。
【0099】
操作員の資格の取り込み。次いで、プロセスを実行する操作員の資格の正しさに応じて
確認、警告、および警報の内該当する1つを操作員に生成するための、これらの資格とカ
スタム化可能な職員行列(staff matrix)との比較。
【0100】
プロセス・ステップのタイミングおよびそれらが実行された順序についての情報の取り
込み。
プロセス・ステップの間における環境および環境パラメータ(例えば、温度、湿度、C
O2レベル)についての情報の取り込み。
【0101】
カスタム化可能な訓練および/またはKPI(重要業績評価指標)行列に供給するため
の、プロセス・ステップの操作員の仕事ぶり(performance)についての情報の取り込み。
配偶子および胚の場所についての情報の取り込み。
【0102】
プロセスにおいて使用される素材および消耗品についてのロット番号、バッチ番号、有
効期限、ならびにその他の情報の取り込み、更に以下のためのこの情報の連携(linking)
。
【0103】
プロセスに対する製品のふさわしさに応じて、確認、警告、および警報の内該当する1
つを操作員に対して生成するための、補給品トラッカ(supply tracker)への連携、ならび
に、
特定の製品に対する在庫水準(inventory levels)および調達期間に応じて、確認、警告
、および警報の内該当する1つを操作員に対して生成するための、カスタム化可能な組織
供給チェーン・トラッカまたは在庫システムへの連携。
【0104】
プロセスのために使用される機器のふさわしさに応じて、確認、警告、および警報の内
該当する1つを操作員に対して生成するための、使用される機器についての情報、それら
のサービス、較正および動作ステータス、ならびにその他の情報の取り込み。
【0105】
プロセスに対するID(研究所内におけるデバイス6の位置を含む)、プロセス・ステ
ップ、操作員、素材、および機器の総合的な妥当性に応じて、確認、警告、および警報の
内該当する1つを操作員に対して生成するための、これらについての以上の情報全ての取
り込み。
【0106】
取り込まれた全ての情報の、完全なARTプロセスにわたる個々の患者/胚の移動(jou
rney)への連携。本発明の好ましい代替実施形態によれば、この連携は、少なくとも部分
的に、システム内の他のデバイスによって実行される。
【0107】
QAおよびQCの目的、監査、ならびに訓練の必要性のために使用することができる別
個のレコードに対する全ての逸脱(deviation)、警告、および警報の取り込み。図面には
示されない本発明の好ましい代替実施形態によれば、この取り込みは、少なくとも部分的
に、システム内の他のデバイスによって実行される。
【0108】
診療所の適格性認定、監査、または内部KPIの目的で、関連情報を取り込み格納する
ためのカスタム化可能なデータ行列。図面には示されない本発明の好ましい代替実施形態
によれば、この連携は、少なくとも部分的に、システム1内の他のデバイスによって実行
される。
【0109】
[0074] 好ましい実施形態によるプロセスにおいて、
ARTサイクルにおいて、1人の所与の患者からの卵細胞を、他の所与の患者からの精
子細胞と受精させる日に、任意に「日ゼロ」、または代わりに「0日目」のラベルを割り
当て、培養のために受け入れられるタイムライン0日目から5日目または6日目までの範
囲となる(7日目までの培養が最近考慮されたことを注記しておく)ことに応じて、この
ARTサイクルの間における各々次の日に、0日目から先に連続的に付番する。例えば、
受精された卵細胞を5日間培養しようとする場合、培養は「5日目」において完了し、こ
のARTサイクルにおける次のステップが「6日目」において行われる。
【0110】
[0075] 一例として
図20に示すように、ART診療所において進行中であるあらゆる
ART手順のステータスの総合的な表示が、12で示す「本日の実行リスト」(Today's A
ctive List)と称されたリストの形態で提示され、実施形態にしたがって、ハンドヘルド
・デバイス6上で、またはウェブ・アクセス可能なアプリケーションを介して容易に表示
される。また、実行リストは、計画の目的のために、前日または翌日を表示することもで
きる。この実行リストは、行および列で構成される。各列の先頭には、診療所内で処理さ
れているART手順の全ての当日(current day)を識別するラベルが付けられる。列の内
容は、手順がARTサイクルのその日に達した患者を識別する一覧表(listing)である。
また、ダッシュボード表示11にも、列ラベル/見出しが提示され、試料の発生タイムラ
インのそれらの割り当て日にしたがって、試料に対する準備完了指示を出す。
【0111】
[0076] 実行リストにおいて、
ARTサイクルがその日の処理を完了した患者について、この患者の識別子がグレー・
アウトされ、またはそれ以外の方法で印されて、その日のプロセスの処理が完了している
ことを示す。
図20は、このようなエントリの隣りに示すティック(tick)によって、これ
を例示する。
【0112】
処理中に患者に関して誤りがあった場合、または誤った処理を実行する試みがあった場
合、この患者の識別子が赤で強調されるか、またはそれ以外の方法で印されて、誤りを示
し、この誤りが訂正されるまで、印が付けられたままとなる。
【0113】
患者に関して、その日に必要な処理が未だ完了していない場合、この患者の識別子は印
されない。
[0077] ハンドヘルド・デバイス6を利用するユーザの観点から、
図19に示すように
、総合的な研究所全体像を得ることができる。同様に、研究所全体像の指示は、
図20に
示すように、ウェブ・アクセスによって示すことができ、この場合、ダッシュボード表示
が提示される。消耗品管理のような具体的な機能を
図21に示す。
【0114】
[0078] ハンドヘルド・デバイスの動作の態様を
図22~
図32のフロー・チャートに
示し、例えば、
図12~
図19および
図21のデータ入力/出力画面に示し、ここで更に
詳しく説明する。
【0115】
[0079]
図22を参照すると、動作中において、ユーザがログイン時に遭遇する最初の
画面は治療中患者(active patient)画面である。
図22は、ログイン時にユーザが呼び出
す(prompt)ことができる全ての可能な結果(outcome)をフロー・チャート形態で示す。図
23は、アプリ・メニューを使用するときにユーザが呼び出すことができる全ての可能な
結果を示し、アプリ・メニューはスキャン・セッション、治療中患者、消耗品追跡、患者
履歴の機能を設ける。また、スキャン・セッションを推進した(instigate)ときの結果を
図23に示す。
【0116】
[0080]
図24a~
図24eを参照すると、スキャンについてのシナリオは、自動目撃
に対応させる(accommodated for)ことができる。この特徴において、ユーザは所与の患者
行動のために自動目撃セッションを実行することができる。ラベルに適用される規則(付
随するウェブ・アプリ内において指定される)が、多数のユーザの誤りを警告する(flag)
こと、またはユーザの誤りを軽減することを可能にする。
【0117】
[0081] 第1事例のシナリオでは、「開始」時に第1患者ラベルをスキャン/入力し、
図24aに示すワークフロー選択肢に対する処理は、以下の内の1つである。「日程未完
了」警告メッセージを表示し、ラベル規則に基づいて「前日」が未完了である場合、ユー
ザをログイン画面に戻す。「患者不一致」(Patient Mismatch)警告メッセージを表示し、
患者不一致のために既にロックされている患者ラベルがスキャンされた場合、治療中患者
画面に戻る。または、不一致も他の誤りも起こっていない場合、本システムはユーザに、
手作業で日程/サイクル完了に設定されている患者に対するコンテナ・ラベルのスキャン
に進ませ、更に自動患者オープン画面(auto patient open screen)に、次いで
図24dま
たは
図24eの可能なフローに進ませる。
【0118】
[0082] 第2事例のシナリオでは、第1患者ラベルをスキャン/入力するか、または少
なくとも1つの患者ラベルが既に「開始」時にスキャン/入力されており、
図24bの誤
りまたは見逃し、即ち、「無効なバーコード」、「0日目ラベル」、または「日程不一致
」が発生しないなら、
図24dまたは
図24eに示すワークフロー選択肢に処理を進める
。
【0119】
[0083] 第3事例のシナリオでは、少なくとも1つの患者ラベルが既にスキャン/入力
されており、
図24cの4つの選択肢の内1つに進むことができる。
[0084]
図25を参照すると、人為的目撃プロセスを管理することができ、
図25のフ
ロー・チャートの例示は、人為的目撃手順に可能な結果を示す。人為的目撃は、ユーザに
、スキャンすることができない患者の細目を手作業で入力させ、同僚によって目撃させ、
更に今後の参考のためにラベルも撮影することもできる。
【0120】
[0085]
図26を参照すると、治療中患者メニュー項目内においてこのメニューに可能
な全ての結果が示されている。治療中患者リストは、作業日における患者タスクの全てを
、サイクルの日単位で細分化して示す。この特徴では、ユーザはその日の進展を確認し、
どの患者タスクが完了したか識別し、どの患者タスクに誤りが付随するか識別することが
でき、所与の患者について過去5回のスキャン・セッションを見直して(review) 、所与
の患者について日程/サイクルを閉じる/開くことができる。
【0121】
[0086]
図27を参照すると、消耗品追跡メニュー項目内におけるこのメニューに可能
な全ての結果が示されている。消耗品追跡機能(feature)は、新たな消耗品を追加する能
力、またはシステム上に既に存在する消耗品のステータスを変更する能力を付与する。消
耗品追跡は、有効期限のチェックに対処し、有効期限が切れた在庫についてユーザに予め
警告する。また、これは各患者と対比した消耗品に対するトレーサビリティも可能にする
。
【0122】
[0087]
図28を参照すると、患者履歴メニュー項目内において可能な全ての結果が示
されている。患者履歴機能は、ユーザが、患者についての過去5回のスキャン・セッショ
ンを検討し、任意の患者ラベルをスキャンすることによって、サイクル・ステータスを手
作業で変更することを可能にする。
【0123】
[0088] ハンドヘルド・デバイス6用の中断(timeout)および閉鎖(lock out)手順は、
当業者によって認められる多数の方法の内の1つにおいて実現することができる。
[0089]
図29~31は、好ましい実施形態にしたがって採用することができる複数の
共通使用手順、即ち、スキャン・セッション、患者履歴検討、および使用中の(active)消
耗品ロットを示す。
図29における表示画面のフロー・チャートに関して、スキャン・セ
ッションを完了するための簡易プロセスを示す。
図30は、患者履歴を検討する手順に得
策であるメカニズム(expedient mechanism)を示す。患者履歴機能は、ユーザが、患者に
ついて過去5回のスキャン・セッションを見直し、任意の患者ラベルをスキャンすること
によって、サイクル・ステータスを手作業で変更することを可能にする。
図31は、消耗
品ロットまたはバッチの素早いステータス変更のためのステップを示す。これは、前述の
メニューから広げられ(expanded)、消耗品ラベルのスキャンから呼び出すことができ、ス
テータスを変更し、ログアウトする前に確認するためにタップする(tapping)。
【0124】
[0090]
図32は、スキャン・セッション、および一旦保管地点(storage point)に配
置された胚の取り出し操作を示す。最初に、スキャン・セッションを通常通りに開始する
。患者ファイル・ラベルをスキャンする。患者の胚が保管されている場合、「患者検討」
画面を表示する。ユーザは、「解凍」または同等の「取り出し」ボタンをタップすること
によって、胚を取り出すことを確認する。次いで、ユーザは、リーダ上のラベルをスキャ
ンすることによって、彼らのハンドヘルド・デバイス6をリーダにリンクするように促さ
れる。ポップアップ・メッセージが接続を確認する。リーダ付きカセットの位置認識(loc
ation)が開始する(ハンドヘルドから離れて)。進展のステータスをハンドヘルド・デバ
イス6上に提示することもできる。一旦位置が完全に確認されたなら、取り出しを確認す
るためのボタンが現れる。ハンドセットの表示(handset display)がホーム(実行リスト
画面)に戻り、ポップアップがカセットの取り出しを確認する。
ガラス化/凍結保存のためのLN
2における試料保管および試料解凍
[0091] 先に注記したように、
図1のデバイス6は、以下の内の任意の1つまたはその
組み合わせを含む追加の機能を有することもできる。
【0125】
以下にリンクするためのBluetooth(登録商標)、WiFi(またはその他の
)接続機能。
胚重要項目(例えば、温度、湿度、揮発性有機化合物(VOC)、およびCO2の環
境監視のような)のためのセンサ、
BluetoothLE(低エネルギ)ビーコン、
全地球測位能力(GPS、Glonass、Galileo)または局所測位システム
(LPS:local positioning system)によるというような、他の位置認識能力。
【0126】
[0092] 更に、先に注記したように、センサの好ましい形態には、Bluechiip
LTd.の「Bluechiip」MEMS(微小電子機械システム)センサが含まれ
る。このようなMEMSセンサは、好ましくは、温度検知機能を含み、好ましくは、以下
のような使い捨て製品に埋め込まれる。
【0127】
ガラス化/凍結保存のプロセスおよびその後の保管の間精子、胚、卵子、または配偶子
を収容するガラス化/凍結保存用保管ベッセル/デバイス、
ガラス化/凍結保存デバイス用のカセットおよびその他のホルダ、
ガラス化デバイスを格納するためのケイン、キャニスタ、およびデュワー、
胚/卵子および配偶子用の培養皿。
【0128】
[0093] したがって、本発明の実施形態は自動ガラス化プロセスに対応する(provide
for)。Bluechiip Ltd.の「Bluechiip」MEMS(微小電子機
械システム)センサを利用する特に好ましい実施形態では、手順は以下の通りである。以
上で説明した実施形態によれば、ラベルおよび行動を伴う自動ガラス化プロセスにおける
各ステップを定める。このプロセスの複数の段階(stage)において、本システムは患者を
識別し情報を格納するために、視覚的バーコード/写真またはBluechiipのいず
れかを使用することができる。「スレッド」(sled)という用語を引用するときは、以上で
および本明細書において説明したハンドヘルド・デバイス(1つまたは複数)6と同等と
捉えてもよい。
【0129】
[0094]
図33~
図47を参照すると、処理される任意の特定の生物学的試料を伴う自
動ガラス化プロセスにおいて利用されるデバイスは、当業者によって認められるように、
以下を含むことができる。スレッド6およびmemsリーダ360、カセット380内に
おけるBluechiipセンサ(1つまたは複数)およびカセット380のラベル上の
バーコード。Bluechiipデバイスおよびケイン441上のバーコード。Blue
chiipデバイスはキャニスタ370上にある。Bluechiipデバイスはタンク
350上にある。Bluechiipデバイスまたはポッド(pod)上のバーコード。スト
ロー/ケインまたはCryotopのようなその他のガラス化デバイス上のBluech
iipデバイスまたはバーコード。ガラス化設定用のこのデバイス/複数のデバイスは、
BluechiipIDを読み取るまたはバーコードを読み取る必要があり、電子医学記
録(EMR)管理システムと通信する、例えば、スレッド6と通信する必要があり、キャ
ニスタ370およびカセット3680においてBluechiipデバイス(1つまたは
複数)を読み取ることができる必要がある。ポッド、ストロー、またはCryotopの
ようなその他のガラス化デバイスのバーコードまたはBluechiipデバイスのいず
れかを読み取る。
【0130】
[0095] 試料の選択および解凍/加熱(warming)に関して、使用されるデバイスは、当
業者には認められるように、以下を含むことができる。スレッドおよびMEMSリーダ、
カセット内におけるBluechiipデバイス。バーコードはカセットのラベル上にあ
る。Bluechiipおよびバーコードはケイン上にある。Bluechipはキャニ
スタ上にある。Bluechiipデバイスはタンク上にある。Bluechiipまた
はバーコード・ラベルはポッド上にある。バーコードは、ポッドのラベル上にある。Bl
uechiipまたはバーコード・ラベル・ストロー、およびCryotopのようなそ
の他のガラス化デバイス。この胚選択および加熱用のデバイス/複数のデバイスは、Bl
uechiipIDを読み取る、および/またはバーコードを読み取る。電子医学記録(
EMR)管理システムと通信する。例えば、スレッドと通信する。保管システムの垂直面
内におけるキャニスタおよびカセットにおいてBluechiipデバイスを読み取るこ
とができる。カセット上のBluechiipデバイスを読み取り、作業場(working sta
tion)内の水平面におけるポッド上のBluechiipデバイスまたはバーコード・ラ
ベルを読み取る。LN2移植バケット内の垂直面におけるストロー/Cryiotopの
Bluechiipデバイスまたはバーコードを読み取る。デバイスは、ポッドを暖める
前に、作業場内のLN2および蒸気状態下においてバーコードを読み取らなければならな
い。
【0131】
[0096] 例示的な自動ガラス化ステップ(手順)は、以下の通りである。
1.2xVitbase(商標)皿にラベルを付け、満たす。
-皿のバーコード/ラベルを読み取る。
【0132】
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
2.自動ガラス化器械(instrument)をオンに切り替える。
3.プロトコルを選択する。
【0133】
4.作業用トレー(operating tray)を装填する。
-プロトコルにおいて使用される媒体を識別する。
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
【0134】
5.カセットおよびポッドを装填する。
6.カセットおよびポッドにラベルを付ける。
-カセットのBluechiipおよびバーコード、ポッドのバーコード/ラベル
を読み取る。
【0135】
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
7.培養器械から胚皿(embryo dish)を引き出す。
8.培養皿を顕微鏡の下に置き、蓋を取る。
【0136】
-患者と皿のバーコード/ラベルとの一致を確認する。
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
9.胚をポッド上に装填する(load)。
【0137】
-患者と皿のバーコード/ラベルとポッドのバーコード/Bluechiipとの
一致を確認する。
-カセット、ポッド、および患者の皿を読み取る。
【0138】
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
10.カセットを自動ガラス化器械に装填する。
11.自動ガラス化プロトコルを開始する。
12.自動ガラス化プロトコル処理。
13.警報音、ドアを開き、ピンセットでカセットを掴む。
14.直ちにカセットをLN2バケット内に入れる(dunk)。
15.自動ガラス化器械からLN2バケットを取り出す。
16.LN2バケットを保管エリアに転送する。
17.カセットを保管デバイス、二重目撃位置に転送する。
【0139】
-患者を確認し、カセットをスキャンする。
-タンクをスキャンする。
-キャニスタをスキャンする。
【0140】
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
18.工程(run)が終わったことを確認する。
19.作業用トレーを取り出す。消耗品を廃棄する。
【0141】
[0097] 例示的な胚選択および加熱プロトコル-ステップは以下の通りである。
1.胚培養皿を用意しラベルを付ける。
-患者との一致を確認する。
【0142】
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
2.加熱皿にラベルを付けて、用意する。
-患者との一致を確認する。
【0143】
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
3.加熱皿および媒体を用意する。
4.保管デバイス、二重目撃位置からカセットを引き出す。
【0144】
-患者を確認する。
-タンクをスキャンする。
-キャニスタをスキャンする。
【0145】
-カセットをスキャンする。
-患者との一致を確認する。
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
【0146】
5.カセットを収容したLN2転送バケットを作業所に持って行く。
6.作業所においてカセットをステージの脇に垂直に置く。
7.カセットをステージ上の後方位置に引き込む。
【0147】
8.ポッドを選択し、カセットから取り出し、保持位置上に置く。
9.ポッドおよび加熱皿を二重目撃する。
-患者とバーコードとの一致を確認する。
【0148】
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
10.Gavi Thawing手順のように胚を解凍する。
11.加熱皿から培養皿に転移された胚を解凍する。
【0149】
-患者とバーコードとの一致を確認する。
-本システムの中央コンピュータ2に通信する。
12.既存の研究所プロトコルに従って、胚の培養および評価を継続する。
13.加熱すべき全ての残りのポッドに対して全てのステップを繰り返す。
【0150】
[0098] システム・ワークフローにしたがって、ユーザはデータベースから患者を選択
する。あるいは、ユーザは、冷凍シート上のバーコードをスキャンして、患者をデータベ
ース上に入力する(bring up)。患者の選択により、
図33に示すように、この患者の詳細
、および生物学的試料を示す他の画面が表示される。
図34に示すように、患者シートを
スレッドによってスキャンすることによって開始する。これにより、スレッド上に場所の
リストが現れる。
【0151】
[0099]
図35に示すように、磁気スタンド351上において、デュワー・タンク35
0の開口の隣りにスレッドの位置を決める(place)ことができる。これによって、ユーザ
の視野(eye line)内の手近なところに全ての情報を保持し、更に両手も自由になり、Bl
uechiipリーダとスレッドとの間で一層容易な通信を可能にし、異なるタンク、即
ち、気相タンクを含む全ての保管場所にわたって、共通のユーザ体験およびワークフロー
を作成する。
図36に示すように、BluechiipリーダによってタンクのBlue
chiipタグをスキャンすることができ、スレッド上の位置が正しいことを強調する。
図37に示すように、ユーザはBluechiipリーダによってキャニスタのBlue
chiipタグをスキャンし、次いでスレッド上の位置が正しいことを強調する。
図38
に示すように、ユーザはBluechiipリーダによってキャニスタ・レベル(caniste
r level)のBluechiipタグをスキャンし、スレッド上の位置が正しいことを強調
する。
図39に示すように、ユーザはBluechiipリーダによってカセットのBl
uechiipタグをスキャンし、最終チェックポイントが正しいことを強調する。した
がって、正しくない患者が保管システムから取り出され周囲条件に晒されたという間違い
は生じない。
図40に示すように、ユーザは患者のカセットを保管し、Bluechii
pデバイスの4つ全てを任意の順序でスキャンし、その情報を格納するだけでよい。
【0152】
[00100] LN2追跡およびBluechiipデバイス(1つまたは複数)の使用に
関して、好ましい実施形態では、以下の他の有利な特徴も利用可能である。
・摂氏-196度以下の液体窒素の温度下というような、過酷条件下において胚および
配偶子の温度を追跡および測定する能力。
【0153】
・リーダのコンポーネントは、memsリーダ、ユーザがタンク内を見ることを可能に
する照明、ユーザが患者試料を同時に読み取り抽出することを可能にする固定メカニズム
(locking mechanism)を含む。照明およびノイズを有するインディケータは、正しい試料
の位置が認識されたときに正のフィードバックをユーザに提供する。
【0154】
[00101] これら貴重な試料の全てをLN
2タンク内に保管させる際の問題は、とりわ
け、現在紙を使用して管理されていることである。本システムの好ましい実施形態は、全
ての試料の正確な位置を患者および胚/試料レベルで有する集中データベースを有するこ
とによって、この問題を克服する。これは、試料がタンクに持ち込まれるときおよび持ち
出されるとき毎に、Bluechiip技術を使用して試料にタグ付けすることによって
達成される。LN
2タンク、キャニスタ、カセット、およびポッドは全てBluechi
ipがタグ付けされているか、またはバーコードがタグ付けされているので、試料の場所
は常に把握されている。
カセットの設計
[00102] カセットにおける検知に関して、
図41aおよび
図41bに示すように、カ
セットの端部に留める(一方向)小さなアセンブリ411の設計によって、Bluech
iipデバイスをカセットと一体化することもできる。
図42を参照すると、ラベル42
1をカセットに付着することができる。例えば、幅10mm×長さ35mmのラベルを、
周囲全体が40mmであるカセットのラベル・エリアの回りに巻回することができる。図
43に示すように、10mm×1mmのフラット・コイル432にはんだ付けされたアク
ティブな円筒状Bluechiipタグ411(磁気、ヨーク、およびpcba)の内部
を使用して、Bluechiipタグを組み込むこともできる。生物学的試料処置用研究
所システム器械と一体化するために、新たなカスタムBluechiipタグを作成する
ことができる。好ましい器械使用(instrumentation)の一例では、一体化は、2つのカス
タム・プラスティック・ハウジング411aおよび411bを一緒に超音波溶接し、組み
立て構造(assembly features)を下側のハウジング内に成形することを伴うのでもよい。
図44に示すように、ケイン上面の僅かなカスタム化によって、Bluechiipタグ
をケイン441と一体化し、プラスチック製中間部品442を追加することができる。図
45に示すように、Bluechiipタグ441をタンク350に留めるために、中間
成型品451を使用してもよい。この中間成型品451は、
図47においてその本来の場
所で示すように、ジップ・タイ(zip ties)471のための孔451aおよび451bを有
する。
【0155】
[00103]
図46を参照すると、デュワー・タンク350のようなタンクへの万能接続
が示されている。中間成型品451は、大きいハンドルまたは小さいハンドル、即ち、図
47に示すように、タンクまたはキャニスタの350aに対する装着を可能にするために
、下側装着面462および463において2つの異なる半径が形成されている。
図47に
示すように、Bluechiipタグは、ジップ・タイ350aによってタンクに接続さ
れてもよい。
【0156】
[00104] 好ましい実施形態では、本システムは本質的に4つのコンポーネントに分解
される。即ち、
[00105] バーコード・スキャナ、磁気帯リーダを有するクレードルに接続されるip
hone/itouchであってもよいハンドヘルド・デバイス。
【0157】
このハンドヘルド・デバイスは目撃アプリを有する。
このハンドヘルド・デバイスは、WiFiまたはBluetooth(登録商標)によ
ってワイヤレスで接続し、他のアプライアンスおよびデバイスと通信する。
【0158】
[00106] PC上で実行することができるウェブ-ベース・アプリケーション。
-ウェブ・ベースであることにより、ユーザが設定し、ラベルを印刷し、進展を監視し、
試料を追跡し、在庫を追跡し、EMR(電子医学記録)に接続することを可能にする。
【0159】
[00107] 各患者の進展を表示する大型画面。行動画面(activities screen)。
[00108] これらのコンポーネントを接続するサーバ。
[00109] 機能の観点からは、本システムは以下を含む。
-ユーザ管理
-ラベル定義
-研究所プロセス定義
-行動定義
-消耗品ロット追跡および消耗品管理
-本システムが、情報を受信および送信することができるように、電子医学記録に接続す
ることを可能にする双方向EMR
-ワークフローおよび規則の追跡
-ログおよび報告
-サイクル進展管理デスクトップ(これは、ユーザが患者の全体像およびダッシュボード
を見ることを可能にする)
-ハンドヘルドによるデバイス照合(matching)
-ハンドヘルドによる人為的目撃(handheld manual witnessing)
-サイクル進展管理用ハンドヘルド(これは、ユーザが患者の全体像を見ることを可能に
する)
[00110] 技術的な観点からは、好ましい実施形態によって達成される以下のことを明
記することは重要である。
-ユーザがラベルを定め、それらを試料発生タイムラインの日程に割り当てることを可能
にする概念。
-日程において特定のラベルがスキャンされない場合、ユーザに警告する規則を各日程に
割り当てる概念。
-ラベルを定め、そして多くの内の1つである可能性があるラベルを有する定義では、即
ち、皿の場合、蓋および皿のためのラベルがあり、したがって、皿および蓋の双方をスキ
ャンする必要がある。
-発生学者のワークフローおよび行為(actions)を管理し、誤りやステップ未処理(missed
steps)を防止することを可能にする概念。
-時間の観念を有することが可能であり、各プロセスを特定の時間枠内で実行しなければ
ならないという概念。これは、日単位にすることができ、または、ユーザによって予め定
めることができる重要ステップの場合。即ち、
-未熟者を監視しタスクを遂行することを防止するシステムおよびデータベース。彼また
は彼女はタスクを実行するために正しい訓練を受けている。
-ユーザを監視し、以下の消耗品および媒体をユーザが使用することを防止するシステム
およびデータベース。
【0160】
-正しくない媒体、
-期限切れ、
-正しい訂正(correct revision)等。
-発生学者/監督者が全ての患者のプロセスを直ちに観察し、誤りが発生したときに警告
することを可能にする集中行動表示。
【0161】
[00111] Bluechiip技術を使用したLN2における目撃および追跡。試料の
凍結管理および棚卸し(stocktake)。
[00112] 好ましくは、-196度以下の液体窒素の温度下というような、過酷条件下
における胚および配偶子の追跡には、Bluechiip(商標)技術を使用する。
-コンポーネントは以下を含む。
【0162】
-memsリーダ、タンク内を見ることを可能にする照明、ユーザが同時に患者を読
み取り選別することを可能にする固定メカニズムを含む(consist of)リーダ。
-自動ガラス化カセットおよび患者ケイン(patient canes)に合わせて適合化された
Bluechiip mems。
【0163】
-自動ガラス化ポッドおよび試料用ストロー、または他の同様の凍結保管用ベッセル
(例えば、Cryotop)に合わせて適合されたBluechiip mems。
-キャニスタに合わせて適合化されたBluechiip mems。
【0164】
-LN2タンク(デュワー)に合わせて適合化されたBluechiip mems
。
-LN2下およびLN2外において精子、配偶子、および胚を追跡する能力。
-試料を追跡するためのMemsチップおよびバーコードの組み合わせ。
-Mems識別は、ユーザが損傷を防止するために試料の温度を追跡すること、およびサ
ンプルの識別を追跡することの双方を可能にする。
-LN2保管システムは、以下を含む。
【0165】
-デュワーと呼ばれるLN2タンク。デュワーは、数百から数千個の患者試料を保管
する容量(capability)を有する。
-デュワーの内側に据えられたキャニスタ。デュワーのサイズに応じて、デュワー当
たり6個から数百個までのキャニスタを入れることができる。
【0166】
-カセットまたはケイン。カセットまたはケインは、同じ患者の複数の胚または配偶
子試料を保持する。殆どのキャニスタは患者数十人分までの収容力がある(hold)。
-ポッドまたはストロー。各カセットはポッド4個まで収容することができる。各ケ
インはストロー10本まで収容することができる。
-以上で説明した個々のコンポーネントの各々には、識別子がタグ付けされる。この識別
子は、bluechiip memsまたはバーコードのいずれでも可能である。
-各試料が場所に結び付けられる(tagged into the location)に連れて、これを追跡する
ことを可能にするソフトウェア・データベース。
-リーダは、memsタグと接触すると、試料を識別し、接触しているときの試料の温度
を提示する。
-デュワー・タンクにおける全ての試料の正確な位置を有する集中データベース。現行の
システムは全て手作業の記録およびデータベースに頼っており、複数の場所があると、患
者の試料の位置を認識するのは非常に難しくなる。
-試料を混乱させる必要がない、簡単で高速化したソフトウェア棚卸しシステム。現行の
プロセスは、患者試料の10%の物理的検査。
【0167】
[00113] 以上、具体的な実施形態と関連付けて本発明について説明したが、更に変更
(1つまたは複数)が可能であることは理解されよう。本願は、本発明の原理に一般的に
従う、本発明のあらゆる変形、使用、および適合化も網羅することを意図しており、当技
術分野における周知の慣習または慣行に該当するような本開示からの逸脱、更に以上で明
記した本質的な特徴に応用することもできるような本開示からの逸脱も含むことを意図し
ている。
【0168】
[00114] 本発明は、発明の本質的な特徴の主旨から逸脱することなく、様々な形態で
具体化することができるので、以上で説明した実施形態は、別段指定されない限り、本発
明を限定するのではなく、逆に、添付した請求項において定められる本発明の主旨および
範囲内で広く解釈されて当然であることは理解されてしかるべきである。説明した実施形
態は、あらゆる観点において、限定ではなく例示のみとして解釈されるものとする。
【0169】
[00115] 尚、「サーバ」、「セキュア・サーバ」という用語、または同様の用語が本
明細書において使用される場合、文脈が別段要求しない限り、通信システムにおいて使用
することができる通信デバイスについて記載するのであり、更に本発明をいずれの特定の
通信デバイスの型式にも限定するように解釈してはならないことは注記してしかるべきで
ある。したがって、通信デバイスは、限定ではなく、ブリッジ、ルータ、ブリッジ-ルー
タ(ルータ)、スイッチ、ノード、またはその他の通信デバイスを含んでもよく、安全が
確保されていてもいなくてもよい。
【0170】
[00116] また、本明細書において本発明の種々の態様を実証するためにフロー・チャ
ートが使用される場合、本発明をいずれの特定の論理フローまたは論理的実施態様に限定
するように解釈してはならないことも注記してしかるべきである。説明したロジックは、
全体的な結果を変更することなく、またはそれ以外で本発明の真の範囲から逸脱すること
なく、異なるロジック・ブロック(例えば、プログラム、モジュール、関数、またはサブ
ルーチン)に分割することもできる。多くの場合、ロジック・エレメントは、全体的な結
果を変化させることなく、あるいは本発明の真の範囲から逸脱することもなく、追加する
こと、変更すること、省略すること、または異なる順序で実行することもでき、あるいは
異なるロジック構造(例えば、論理ゲート、ルーピング・プリミティブ(looping primiti
ve)、条件付きロジック、およびその他のロジック構造)を使用して実装することもでき
る。
【0171】
[00117] 本発明の種々の実施形態は、多くの異なる形態で具体化するこができ、プロ
セッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッ
サ、または汎用コンピュータ、更についでに言えば、任意の商用プロセッサを、本発明の
実施形態を実現するために、システムにおいて1つのプロセッサとして、シリアルまたは
パラレルの1組のプロセッサとして実装するために使用することもでき、したがって、商
用プロセッサの例には、Merced(商標)、Pentium(商標)、Pentiu
m II(商標)、Xeon(商標)、Celeron(商標)、Pentium Pr
o(商標)、Efficeon(商標)、Athlon(商標)、AMD(商標)等が含
まれるが、これらに限定されるのではない)と共に使用するためのコンピュータ・プログ
ラム・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイスと共に使用するためのプログラマ
ブル・ロジック(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)ま
たはその他のPLD)、ディスクリート部品、集積回路(例えば、特定用途集積回路(A
SIC))、あるいはこれらの任意の組み合わせを含む任意の他の手段を含む。本発明の
例示的な実施形態では、ユーザとサーバとの間における通信の全ては主に(predominantly
)1組のコンピュータ・プログラム命令として実装され、このコンピュータ・プログラム
命令が、コンピュータ実行可能形態に変換され、コンピュータ読み取り可能媒体にそのよ
うなものとして格納され、オペレーティング・システムの制御下においてマイクロプロセ
ッサによって実行される。
【0172】
[00118] 本明細書において説明した機能の全部または一部を実現するコンピュータ・
プログラム・ロジックは、種々の形態で具体化するこができ、ソース・コード形態、コン
ピュータ実行可能形態、および種々の中間形態(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リン
カ、またはロケータによって生成される形態)が含まれる。ソース・コードは、種々のオ
ペレーティング・システムまたは動作環境と共に使用するための種々のプログラミング言
語の内任意のもので実現される一連のコンピュータ・プログラム命令を含むことができる
(例えば、オブジェクト・コード、アセンブリ言語、あるいはFortran、C、C+
+、JAVA(登録商標)、またはHTMLのような高級言語。更に、本発明の実施形態
を実現するために使用することができるコンピュータ言語は、数百種類が入手可能であり
、とりわけ、より一般的なものを挙げると、Ada、Algol、APL、awk、Ba
sic、C、C++、Conol、Delphi、Eiffel、Euphoria、F
orth、Fortran、HTML、Icon、Java(登録商標)、Java(登
録商標)script、Lisp、Logo、Mathematica、MatLab、
Miranda、Modula-2、Oberon、Pascal、Perl、PL/I
、Prolog、Python、Rexx、SAS、Scheme、sed、Simul
a、Smalltalk、Snobol、SQL、Visual Basic、Visu
al C++、Linux(登録商標)、およびXML)。ソース・コードは、種々のデ
ータ構造および通信メッセージを定めそして使用することができる。ソース・コードは、
コンピュータ実行可能な形態(例えば、インタプリタによって)にしてもよく、またソー
ス・コードをコンピュータ実行可能形態に変換することもできる(例えば、変換器、アセ
ンブラ、またはコンパイラによって)。
【0173】
[00119] コンピュータ・プログラムは、任意の形態で(例えば、ソース・コード形態
、コンピュータ実行可能形態、または中間形態)、永続的にまたは一時的に、半導体メモ
リ・デバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはフラッシュ-
プログラマブルRAM)、磁気メモリ・デバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディ
スク)、光メモリ・デバイス(例えば、CD-ROMまたはDVD-ROM)、PCカー
ド(例えば、PCMCIAカード)、またはその他のメモリ・デバイスのような、有形記
憶媒体内に固定することができる。コンピュータ・プログラムは、種々の通信技術の内任
意のものを使用してコンピュータに送信可能な信号内に任意の形態で固定することもでき
る。通信技術には、アナログ技術、ディジタル技術、光技術、ワイヤレス技術(例えば、
Bluetooth(登録商標))、ネットワーキング技術、および相互ネットワーキン
グ(inter-networking)技術が含まれるが、決してこれらに限定されるのではない。コンピ
ュータ・プログラムは、任意の形態で、印刷された文書または電子文書を添付したリムー
バブル記憶媒体として(例えば、シュリンク・ラップされたソフトウェア)配布すること
ができ、コンピュータ・システムに予めロードしておくことができ(例えば、システムR
OM上または固定ディスク上に)、または通信システム(例えば、インターネットまたは
ワールド・ワイド・ウェブ)を通じて、サーバまたは電子掲示板から配布することもでき
る。
【0174】
[00120] 本明細書において説明した機能の全部または一部を実現するハードウェア・
ロジック(プログラマブル・ロジック・デバイスと共に使用するためのプログラマブル・
ロジックを含む)は、従前からの手作業の方法を使用して設計されてもよく、あるいはコ
ンピュータ補助設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDLまたはAHD
L)、またはPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、またはCU
PL)のような、種々のツールを使用して、電子的に設計し、取り込み、シミュレートし
、文書化することもできる。また、本発明の実施形態を実現するために、ハードウェア・
ロジックを表示画面内に組み込むこともでき、更に区分表示画面、アナログ表示画面、デ
ィジタル表示画面、CRT、LED画面、プラズマ画面、液晶ダイオード画面等であって
もよい。
【0175】
[00121] プログラマブル・ロジックは、永続的にまたは一時的に、半導体メモリ・デ
バイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはフラッシュ-プログ
ラマブルRAM)、磁気メモリ・デバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)
、光メモリ・デバイス(例えば、CD-ROMまたはDVD-ROM)、またはその他の
メモリ・デバイスのような、有形記憶媒体内に固定することができる。プログラマブル・
ロジックは、種々の通信技術の内任意のものを使用してコンピュータに送信可能な信号内
に固定することもできる。通信技術には、アナログ技術、ディジタル技術、光技術、ワイ
ヤレス技術(例えば、Bluetooth(登録商標))、ネットワーキング技術、およ
び相互ネットワーキング(inter-networking)技術が含まれるが、決してこれらに限定され
るのではない。プログラマブル・ロジックは、印刷された文書または電子文書を添付した
リムーバブル記憶媒体として(例えば、シュリンク・ラップされたソフトウェア)配布す
ることができ、コンピュータ・システムに予めロードしておくことができ(例えば、シス
テムROM上または固定ディスク上に)、または通信システム(例えば、インターネット
またはワールド・ワイド・ウェブ)を通じて、サーバまたは電子掲示板から配布すること
もできる。
【0176】
[00122] 本明細書において、「備える/備えている」(comprises/comprising)および
「含む/含んでいる」(includes/including)が使用される場合、述べられる特徴、整数(i
ntegers)、ステップ、またはコンポーネントの存在を指定するという意味で捕らえられる
のであり、1つ以上のその他の特徴、整数、ステップ、コンポーネント、またはそのグル
ープの存在や追加を除外するのではない。したがって文脈が明らかに別段要求しない限り
、説明および請求項全体を通じて、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでい
る」等の単語は、排他的な意味でも網羅的な意味でもなく、包含的な意味で解釈されるも
のとする。即ち、「含むが限定されない」という意味で解釈されるものとする。