(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078457
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】エレベータを発送するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
B66B1/18 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055122
(22)【出願日】2023-03-30
(62)【分割の表示】P 2021127348の分割
【原出願日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】63/062,734
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521314231
【氏名又は名称】アパナ インダストリーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】APPANA INDUSTRIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】アマルナウト アパナ ジュニア
(57)【要約】
【課題】エレベータかごのグループの相対的な乗車定員に基づいてエレベータかごを発送するエレベータ制御システムを提供する。
【解決手段】複数のエレベータかごのうちの第1エレベータかごを再割り当てする方法は、前記第1行き先位置で乗員を乗せるために、前記第1エレベータかごを現在位置から第1行き先位置に発送することを含む。前記方法は、前記第1エレベータかごが前記現在位置と前記第1行き先位置との間に位置する中間位置で停止したと判断することを含む。前記方法は、さらに、前記第1エレベータかごが前記中間位置に停止した後に、前記第1エレベータかご内の乗員の数が前記複数のエレベータかごのうち少なくとも第2エレベータかごよりも多いと判断することと、前記第1エレベータかごを前記第1行き先位置とは異なる第2行き先位置に向けることと、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、概して、エレベータの交通量を制御するためのシステムおよび方法に関し、特にエレベータかごのグループの相対的な乗員収容力に基づいてエレベータかごを発送するエレベータ制御システムの例に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムは、一般に、エラーの発生に応じてエレベータかごを再割り当てすることがある。そのようなシステムでは、機械的または電気的な故障などのエラーの検出は、エレベータかごに割り当てられた呼び出し要求が再割り当てを必要とするかどうかを判断する要因になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,851,733号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/121147号明細書
【特許文献3】米国特許第3,207,266号明細書
【特許文献4】米国特許第8,177,036号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、故障があったことのみに基づいて別のエレベータかごに呼び出し要求を再割り当てすると、概ねまたは完全に満員になっているエレベータかごが一律に発送される可能性があり、そうなると乗車希望者がエレベータかごに乗車できない。さらに、後続のエレベータかごに呼び出しを再割り当てする場合、そのようなシステムは、呼び出しに応答するために必要な移動時間に基づいてそうした再割り当てを行うことがある。このように、呼び出し要求の近くに位置し、呼び出しに応答するための移動時間が最短のエレベータかごを、呼び出し位置に発送してもよい。ただし、位置または移動時間に基づいてエレベータかごを再割り当てすると、概ねまたは完全に満員になっているエレベータかごが発送される可能性がある。その結果、乗車希望者は別のエレベータかごに対して別の呼び出し要求を試みる必要があり、それにより、交通流が減少し、乗車希望者の待ち時間が長くなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
相対的な乗員収容力に基づいてエレベータかごを再割り当てできるシステムを提供することで、満員のエレベータかごを発送する事例を最小限に抑えることができ、それによって交通流を増やし、乗車希望者の待ち時間を短縮することが可能になる。
【0006】
一例によれば、複数のエレベータかごのうちの第1エレベータかごを再割り当てする方法は、第1行き先位置で乗員を乗せるために、前記第1エレベータかごを現在位置から前記第1行き先位置に発送することを含む。前記方法は、前記第1エレベータかごが前記現在位置と前記第1行き先位置との間に位置する中間位置で停止したと判断することと、前記第1エレベータかごが前記中間位置に停止した後に、前記第1エレベータかご内の乗員の数が前記複数のエレベータかごのうち少なくとも第2エレベータかごよりも多いと判断することと、を含む。前記方法は、さらに、前記第1エレベータかごを前記第1行き先位置とは異なる第2行き先位置に向けることを含む。
【0007】
別の例によれば、複数のエレベータかごのうちの第1エレベータかごを動作させる方法は、第1行き先位置からの呼び出しに対応して前記第1エレベータかごを前記第1行き先位置に向かって移動させることと、前記第1エレベータかごを前記第1行き先位置の手前に位置する中間位置に停止させることと、を含む。前記第1エレベータかごは前記中間位置から1または複数の乗員を受け入れる。前記方法は、前記第1エレベータかごが前記中間位置に停止した後に、前記第1エレベータかごの乗車の数が少なくとも第2エレベータかごよりも小さいと判断することを含む。前記方法は、前記第1エレベータかごが前記第1行き先位置に止まらないように、前記第1行き先位置とは異なる第2行き先位置に前記第1エレベータかごを向け直すことを含む。
【0008】
さらなる例によれば、複数のエレベータかごのうちの第1エレベータかごを発送するためのシステムは、前記第1エレベータかご内に配置され、前記第1エレベータかご内の乗員の数を計数するように構成された計数装置と、前記第1エレベータかごの前記乗員の数を示すデータを受信するように前記計数装置に動作可能に接続される発送コントローラと、を含む。前記発送コントローラは、第1行き先位置で乗員を乗せるために前記第1エレベータかごを発送し、前記第1エレベータかごが前記第1行き先位置で前記乗員を乗せる前に中間位置で停止したと判断し、前記中間位置で停止した後に、前記第1エレベータかご内の乗員の数が少なくとも第2エレベータかごの乗員の数を超えていると判断し、前記第1行き先位置とは異なる第2行き先位置に前記第1エレベータかごを発送し、前記乗員を乗せるために前記第2エレベータかごを前記第1行き先位置に発送する、ように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ネットワークを介して通信する1または複数の装置を含む発送システムを示す図。
【
図2】
図1に示す発送システムと相互作用する複数のエレベータかごを含む作業環境の概略図。
【
図3】
図2に示す作業環境からのエレベータかご内部の上面図。
【
図4】
図1に示す発送システムからのコンピュータ装置のハードウェア構成要素の概略図。
【
図5】
図1に示す発送システムを用いてエレベータかごを発送する例示的な方法のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、明細書とともに、本開示の原理を説明するのに有用である。
本開示の態様は、添付の図面に示されている実施形態に関連して実施されてもよい。これらの図面は、本開示の異なる態様を示し、適切な場合、異なる図の同様の構造、構成要素、材料、および/または要素を示す参照符号には、同様の番号が付されている。具体的に示されているもの以外の構造、構成要素、および/または要素の様々な組み合わせが企図され、本開示の範囲内にあることが理解される。本明細書に記載される多くの態様および実施形態が存在する。当業者は、特定の態様または実施形態の特徴が、本開示に記載されている他の態様または実施形態のいずれかまたはすべての特徴と併せて使用されてもよいことを容易に認識するであろう。
【0011】
本開示の発送システムは、様々な実施形態の形態であってもよく、そのいくつかは、図によって示され、以下でさらに説明される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに、例示的かつ説明的なものであり、特許請求するものとして特徴を制限するものではない。本明細書で使用される場合、「備える」、「含む」、またはそれらの他の変形は、要素のリストを含む処理、方法、物品、または装置がそれらのみを含むというような排他的なものではなく、そのような処理、方法、物品、または装置に明示的に記載されていない、または固有ではない他の要素を含む場合があることを意図する。加えて、「例示的」という用語は、本明細書では、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で開示または請求されるすべての数値(すべての開示された値、限定、および範囲を含む)は、開示された数値から(異なる変動が指定されない限り)+/-10%の変動を有する可能性があることに留意されたい。さらに、特許請求の範囲において、値、限定、および/または範囲は、値、限定、および/または範囲の+/-10%を意味する。
【0012】
図1は例示的な発送システム100を示し、発送システム100は、運行コントローラ105、呼び出し装置110、入力装置120、計数装置125、および発送コントローラ130を備えてもよい。発送システム100の1または複数の装置は、ネットワーク115を介して、任意の構成で、互いに通信されてもよい。例えば、発送システム100の装置は、有線接続または無線接続などを介して互いに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク115は、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、パーソナルエリアネットワーク(「PAN」)などであってもよい。ネットワーク115はさらにインターネットを含んでもよく、発送システム100の装置間で提供される情報および/またはデータは、オンラインで(例えば、他の装置またはインターネットに接続されたネットワークから離れた位置から)発生してもよい。他の実施形態では、ネットワーク115はブルートゥース(登録商標)の技術および/または電波周波数を利用してもよい。
【0013】
運行コントローラ105は、輸送ユニットに動作可能に接続されてもよく、また、輸送ユニットの運行データを検出して、例えば発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に送信するように構成されてもよい。例えば、運行コントローラ105は、輸送ユニットの1または複数のパラメータ(例えば、運行データ)を測定および記録してもよく、パラメータには、現在位置、移動方向、移動速度、ドアの位置、状況などが含まれるが、これらに限定されない。運行コントローラ105は、コンピュータ装置を含んでもよく、コンピュータ装置は、運行データを生成、記憶、および送信するための1または複数のハードウェア構成要素(例えば、プロセッサ、メモリ、センサ、通信モジュールなど)を有する。本明細書でさらに詳細に説明するように、運行コントローラ105は建物内に配置されるエレベータかごに動作可能に接続されていてもよく、発送システム100は各エレベータかごに対して少なくとも1つの運行コントローラ105を含んでもよい。
【0014】
引き続き
図1を参照すると、呼び出し装置110は、輸送ユニットの外側に配置されてもよく、また、輸送ユニットにアクセスするための1または複数の乗車希望者からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力は、輸送ユニットからの輸送を要求する呼び出しを示してもよい。呼び出し装置100は、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に呼び出し要求を送信するように構成されてもよい。呼び出し装置110は、キーパッド、タッチスクリーンディスプレイ、マイク、ボタン、スイッチなどを含んでもよい。呼び出し装置110は、さらに、呼び出し要求の現在位置(例えば、第1位置)および/または行き先位置(例えば、第2位置)を示す複数位置からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。
【0015】
本明細書でさらに詳細に説明するように、呼び出し装置110は建物内に配置してもよく、発送システム100は建物の各フロアに対して少なくとも1つの呼び出し装置100を有してもよい。呼び出し装置100は、呼び出し要求に応答するために建物のフロアに到着するように割り当てられたエレベータかごを識別するメッセージを発送システム100の1または複数の装置(例えば、発送コントローラ130)から送信するように構成されてもよい。メッセージは、例えば、文字、音声、図形などを含む、様々な適切な態様を介して、呼び出し装置100によって通信されてもよい。
【0016】
入力装置120は、輸送ユニットの内部に配置されてもよく、また、輸送ユニットの1または複数の乗員からのユーザ入力を受け取るように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力は、輸送ユニットのリダイレクトを要求するコマンドを示してもよい。入力装置120は、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置にコマンドを送信するように構成されてもよい。入力装置120は、キーパッド、タッチスクリーンディスプレイ、マイク、ボタン、スイッチなどを含んでもよい。本明細書で詳細に説明するように、入力装置120はエレベータかご内に配置されてもよく、発送システム100は建物内のエレベータかご毎に少なくとも1つの入力装置100を含んでもよい。他の実施形態では、入力装置120は、発送システム100から完全に省略されてもよい。
【0017】
引き続き
図1を参照すると、計数装置125は、輸送ユニットの内部に配置されてもよく、また、輸送ユニットの乗員データを検出して、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に送信するように構成されてもよい。例えば、計数装置125は、輸送ユニット内に位置する物体の数を測定および記録してもよく、その測定及び記録の対象は乗員、各自の持ち物、荷物、手荷物などを含むが、これらに限定されない。計数装置125は、例えば、センサ、カメラ、光線、赤外線検出器などのような輸送ユニットの内部に面する光学システムを含んでもよい。本明細書でさらに詳細に説明されるように、計数装置125は建物内に配置されるエレベータかごに接続されてもよく、発送システム100は建物のエレベータかご毎に少なくとも1つの計数装置125を含んでもよい。
【0018】
発送コントローラ130は、輸送ユニットの外側に配置されてもよく、また、発送システム100の1または複数の装置からデータ(例えば、運行データ、呼び出し要求、リダイレクトコマンド、乗員データなど)を受信するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、複数の輸送ユニットのうちの少なくとも1つの輸送ユニットを、乗車を希望している乗車希望者から受信した呼び出し要求の位置に発送する判断をするように構成してもよい。発送コントローラ130は、さらに、複数の輸送ユニットの相対的な乗員収容力に基づいて、呼び出し要求を元の輸送ユニットから別の輸送ユニットに再割り当てするように構成されてもよい。発送コントローラ130は、乗車希望者の位置に空き定員が最大の少なくとも1つの輸送ユニットに呼び出しを再割り当てするための1または複数の処理(
図5参照)を実行するように動作可能なコンピュータ装置(
図4参照)を含んでもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、発送コントローラ130は建物内に配置される複数のエレベータかごに動作可能に接続されてもよく、発送システム100は各建物に対して少なくとも1つの発送コントローラ130を含んでもよい。
【0019】
ここで
図2を参照すると、発送システム100は、建物(例えば、施設、工場、店舗、学校、家、オフィス、および他の様々な構造物)などの作業環境200で利用されてもよい。この例では、輸送ユニットは、建物内に1または複数のエレベータかごを含んでもよい。作業環境200は単なる例示であり、発送システム100は、本開示の範囲から逸脱しない限り、本明細書に示され、説明される環境以外の様々な他の適切な環境で利用され得ることを理解されたい。例えば、作業環境は、輸送ユニットがバス、電車、地下鉄車両、メトロ車両、車両などを含むような、大量輸送システムを含んでもよい。本例では、作業環境200は、建物内の複数位置を定義する複数のフロア、例えば、第1フロア204A、第2フロア204B、第3フロア204C、および第4フロア204Dを含んでもよい。他の実施形態では、作業環境200の構築は、追加のおよび/またはより少ないフロアを含んでもよいことを理解されたい。
【0020】
作業環境200は、さらに、各エレベータシャフト内に配置される少なくとも1つのエレベータかごを有する1または複数のエレベータシャフトを含んでもよい。この例では、作業環境200は、第1エレベータかご210を有する第1エレベータシャフト202と、第2エレベータかご220を有する第2エレベータシャフト212とを含む。図示は省略するが、作業環境200は、追加の(例えば複数の)エレベータシャフトおよび/またはエレベータかごを含んでもよい。各エレベータかご210,220は、エレベータかご210,220をエレベータシャフト202,212内で、フロア204A~204Dに対して移動させるように構成される滑車システム208に接続されてもよい。滑車システム208は、エレベータシャフト202,212内でエレベータかご210,220を移動させるための様々な機械的および/または電気的機構を含んでもよく、こうした機構には、例えばモーター、ケーブル、釣り合いおもり、滑車などが含まれるが、これらには限られないことを理解されたい。
【0021】
さらに
図2を参照すると、各エレベータかご210,220は、例えば、無線接続および/または有線接続209を介して、滑車システム208に動作可能に接続される少なくとも1つの運行コントローラ105を含んでもよい。運行コントローラ105は、滑車システム208の相対運動を検出することによってエレベータかご210,220からの運行データを測定するように構成される。各エレベータかご210,220は、さらに、キャビン内に位置する1または複数の乗員10からのユーザ入力を受容するために、エレベータかご210,220のキャビン内に配置される少なくとも1つの入力装置120をさらに含んでもよい。
【0022】
各フロア204A~204Dは、エレベータかご210,220のエレベータドア207がそれぞれにフロア204A~204Dの位置にあるときに、エレベータかご210,220へのアクセスを提供する1または複数の呼び出し装置110およびアクセスドア206を含んでもよい。呼び出し装置110は、複数のフロア204A~204Dのうちの1つに位置する1または複数の乗車希望者20からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。例えば、呼び出し装置110は、エレベータかご210,220のうちの少なくとも1つを介する輸送を要求する呼び出しを示すユーザ入力を受信するように構成されてもよい。呼び出し装置100は、呼び出し要求を発送コントローラ130に送信するように構成されてもよく、その呼び出し要求は、呼び出し要求が発信される作業環境200内の現在位置(すなわち、第1位置)を示すデータ(例えば、第2フロア204B)を含んでもよい。呼び出し要求は、さらに、乗車希望者が輸送を求めている(例えば、第1フロア204A)作業環境200内の行き先位置(すなわち、第2位置)を示すデータを含んでもよい。
【0023】
さらに
図2を参照して、各エレベータかご210,220は、さらに、キャビン内に配置される少なくとも1つの計数装置125を含んでもよい。計数装置125は、各エレベータかご210,220の内壁(例えば、天井)に沿って配置されてもよく、また、キャビン内の多数の乗員10を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、計数装置125は、エレベータかご210,220内で検出された1または複数の物体を区別するように動作可能であってもよい。
【0024】
例えば、
図3に見られるように、計数装置125は、キャビン内に存在してエレベータかご210,220の容量を占有するアイテム(例えば、乗員10、付随的な物12など)と、エレベータかご210,220の容量を占有しないとみられるキャビン内のアイテム(例えば、レール14など)と、を検出するように構成されてもよい。計数装置125は、エレベータかご210,220内で検出された多数のアイテムを測定し、そのように測定されたものを乗員データとして記録してもよい。本明細書でさらに説明するように、計数装置125は、各エレベータかご210,220の乗員データ(例えば、現在の乗員データ142)をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信するように構成されてもよい。
【0025】
ここで
図4を参照すると、発送コントローラ130は、発送コントローラ130がデータ(例えば、運行データ、呼び出し要求、コマンド、乗員データなど)の受信、情報(例えば、乗員収容力)の処理、および/または、1つ以上の処理の実行(
図5参照)を可能にする複数のハードウェア構成を組み込んだコンピュータ装置を含んでもよい。発送コントローラ130の例示的なハードウェア構成は、少なくとも1つのプロセッサ132、少なくとも1つの通信モジュール134、および少なくとも1つのメモリ136を含んでもよい。いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、コンピュータ、モバイルユーザ装置、リモートステーション、サーバ、クラウドストレージなどを含んでもよい。図示の実施形態では、発送コントローラ130は、発送システム100の他の装置とは別の装置として本明細書に示されて記載されているが、他の実施形態では、発送コントローラ130の1または複数の態様は、発送システム100の1または複数の他の装置と統合されていてもよい。別の言い方をすれば、本明細書に示されて記載されている発送コントローラ130の例示的なハードウェア構成は、運行コントローラ105、呼び出し装置110、入力装置120、および/または計数装置125のうちの1または複数と一体化されていてもよい。
【0026】
プロセッサ132は、機械で読み取り可能な命令を実行可能な任意のコンピュータ装置を含んでもよく、その命令は、例えばメモリ136などの非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されていてもよい。一例として、プロセッサ132は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、および/またはプログラムを実行するために必要な計算および論理演算を実行するように動作可能な他の任意のコンピュータ処理ユニットを含んでもよい。本明細書で詳細に説明するように、プロセッサ132は、例えば、発送ロジック138などの、メモリ136に格納された命令に従って1または複数の動作を実行するように構成される。
【0027】
引き続き
図4を参照すると、メモリ136は、発送システム100の動作をサポートする様々なプログラムされたアルゴリズムおよびデータを含んでもよい。メモリ136は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、および/または機械で読み取り可能な命令を格納可能な任意の装置など、データおよびアルゴリズムを格納するのに適した任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。メモリ136は1または複数のデータセットを含んでもよく、このデータセットは、例えば運行コントローラ105から受信された運行データ140、計数装置125から取得された現在の乗員データ142、呼び出し装置110からの呼び出し割り当てデータ144などを含むが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書でさらに説明するように、現在の乗員データ142は、計数装置125によって各エレベータかご210,220のキャビン内で検出されたリアルタイムの乗員10の数を含んでもよい。呼び出し割り当てデータ144は、複数のエレベータかご210,220のうち少なくとも1つによる輸送のために、複数のフロア204A~204Dのうちの少なくとも1つにいる乗車希望者20から受信した呼び出し要求を含んでもよい。発送コントローラ130は、現在の乗員データ142をメモリ136に格納し、乗員10の数を、対応するエレベータかご210,220に関連付けるように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、呼び出し割り当てデータ144をメモリ136に格納して運行データ140および現在の乗員データ142と相関させ、呼び出し要求の再割り当てを判断するように構成されてもよい。
【0029】
さらに、メモリ136は、発送ロジック140などの機械読み取り可能な命令を格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。一例では、発送ロジック140は、第2位置へ輸送するための第1位置での呼び出し要求を受信したことに対応して、複数のエレベータかご210,220のうちどのエレベータかごを発送するかを、発送システム100が判断することを可能にする実行可能な命令を含んでもよい。発送ロジック140は、さらに、呼び出し要求を別のエレベータかご210,220に再割り当てするかどうか判断するために、各エレベータかご210,220内に物理的に存在する乗員の数に基づいて、各エレベータかご210,220の乗員収容力を判断することを容易にしてもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、発送システム100は、発送コントローラ130によって受信された、運行コントローラ105、呼び出し装置101、および計数装置125からの運行データ140、現在の乗員データ142、および/または呼び出し割り当てデータ144のうちの1つ以上に基づいて、各エレベータかご210,220の乗員収容力および呼び出し要求の再割り当てを判断するように構成されてもよい。
【0030】
図5を参照すると、発送システム100を使用して複数のエレベータかごの乗員収容力を判断し、より大きな乗員収容力を有するエレベータかごに呼び出しを再割り当てする例示的な方法300が示されている。本明細書に示されて説明されているステップ、およびそれらが提示される順序は単に例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく、さらなるステップが追加されたり、および/または、より少ないステップとされたりして、様々な構成に含まれてもよいことを理解されたい。
【0031】
ステップ302において、発送システム100は、作業環境200内の複数位置のうち第1位置で呼び出し要求を受信してもよい。呼び出し要求は、例えば、第2フロア204Bといった第1位置で呼び出し装置110を作動させる乗車希望者20に対応して開始されてもよい。呼び出し装置100はネットワーク115を介して呼び出し要求を発送コントローラ130に送信してもよく、呼び出し要求は呼び出しが発信された第1位置(例えば、第2フロア204B)を示すデータを含んでもよい。呼び出し要求は、さらに、乗車希望者20が移動しようとする作業環境200内の行き先(例えば、第1フロア204A)を示すデータを含んでもよい。
【0032】
ステップ304では、発送コントローラ130は、対応する運行コントローラ105から各エレベータかご210,220の運行データ140を回収してもよい。発送コントローラ130は、例えば、第1エレベータシャフト202に対する第1エレベータかご210の(例えば、第4フロア204Dと第3フロア204Cの間を移動する)現在位置、第1エレベータかご210の現在の移動方向(例えば、第1フロア204Aに向かう方向)、第1エレベータかご210の現在の移動速度など、運行データ140からの各エレベータかご210,220の様々な移動パラメータを判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、第2エレベータシャフト212に対する第2エレベータかご220の(例えば、第4フロア204Dに静止している)現在位置、第2エレベータかご220の現在の移動方向(例えば、第1フロア204Aに向かう方向)、第2エレベータかご220の現在の移動速度など、を判断するようにしてもよい。
【0033】
ステップ306において、発送コントローラ130は、各エレベータかご210,220の運行データ140を分析して、エレベータかご210,220の現在の移動方向が第1位置(例えば、第2フロア204B)に向かっているかどうかを判断するように構成されてもよい。1または複数のエレベータかご210,220が第1位置に向かって移動していないと判断することに対応して、発送コントローラ130は、ステップ308で、特定のエレベータかご210,220をさらなる検討の対象から外すように構成されてもよい。言い換えると、発送コントローラ130は、(エレベータかご210,220の現在位置に対して)第1位置に向かう方向とは異なる方向に移動する複数のエレベータかご210,220のエレベータかごは、いずれも、呼び出し要求に応答するのに最適なエレベータかごではない、と判断してもよい。この例では、第1エレベータかご210および第2エレベータかご220は第4フロア204Dから第1フロア204Aに移動する複数の乗員10を含んでもよく、それにより各エレベータかご210,220が第1位置に向かって移動していると発送コントローラ130が判断してもよい。
【0034】
引き続き
図5を参照すると、ステップ310において、発送コントローラ130は、各エレベータかご210,220の現在位置が第1位置(例えば、第2フロア204B)の手前にあるかどうか、またはエレベータかご210,220が第1位置を超えて移動済か、を判断するように構成されてもよい。すなわち、発送コントローラ130は、現在、第1位置を超えた位置にある複数のエレベータかご210,220は、何れも、呼び出し要求に応答するのに最適なエレベータかごではない、と判断してもよい。エレベータかご210,220のうちの1または複数が第1位置の手前に位置していないと判断した場合、発送コントローラ130は、ステップ308で、特定のエレベータかご210,220をさらなる検討の対象から外すように構成されてもよい。
【0035】
この例では、第1エレベータかご210は第4フロア204Dと第3フロア204Cとの間に配置されており、第2エレベータかご220は第4フロア204Dに配置されているので、発送コントローラ130は、各エレベータかご210,220が今のところは第1位置の手前に位置している、と判断してもよい。ステップ312~318において、発送コントローラ130は、エレベータかご210,220がエレベータシャフト202,220内の第1位置(例えば、第2フロア204B)の手前の位置にあるとの判断に対応して、各エレベータかご210,220の乗員収容力を判断するように構成されてもよい。
【0036】
例えば、ステップ312において、発送コントローラ130は、各エレベータかご210,220内に配置されたそれぞれの計数装置125から現在の乗員データ142を回収することによって、各エレベータかご210,220内の乗員10の数を判断するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、計数装置125は、各エレベータかご210,220内に位置する乗員10および/または物体12の総数を検出するように構成されてもよい(
図3参照)。したがって、発送コントローラ130は、ステップ312で乗員10の数を判断するときに、計数装置125によって検出された1または複数の物体12を考慮するように構成してもよい。各計数装置125は、それぞれのエレベータかご210,220の現在の乗員データ142を示す信号をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信してもよい。この例では、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が1人の乗員10を含み、第2エレベータかご220が2人の乗員10を含むと判断してもよい。
【0037】
引き続き
図5を参照すると、ステップ314において、発送コントローラ130は、少なくとも現在の乗員データ142(すなわち、各エレベータかご210,220内の乗員10の数)およびエレベータかご210,220の最大乗車定員に基づいて、複数のエレベータかご210,220の各々の乗車率を判断するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、各エレベータかご210,220の最大乗車定員は、ネットワーク115を介して計数装置125から発送コントローラ130に通信されてもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220の各々について、最大乗車定員をメモリ136に格納してもよい。複数のエレベータかご210,220のそれぞれのキャビンのサイズおよび/または形状は、最大乗車定員の決定要因であり得ることを理解されたい。この例では、複数のエレベータかご210,220は、実質的に同様のサイズおよび/または形状であってもよく、その結果、第1エレベータかご210および第2エレベータかご220の最大乗車定員は比較的類似したものとなる。他の例では、複数のエレベータかご210,220は、第1エレベータかご210および第2エレベータかご220の最大乗車定員が互いに異なるものとなるように、様々なサイズおよび/または形状であってもよい。
【0038】
この例では、第1エレベータかご210の乗員10が1人で最大乗車定員が6人である場合、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210の乗車率が約1:6(例えば、約16.67%)であると判断するように構成されてもよい。さらに、第2エレベータかご220の乗員10が2人で最大乗車定員が6人である場合、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210の乗車率が約3:6(例えば、約50%)であると判断するように構成されてもよい。さらに、第2エレベータかご220の合計乗員が2人で最大乗車定員が6人である場合、発送コントローラ130は、さらに、第2エレベータかご220の乗車率が約2:6(例えば、33.33%)であると判断するように構成されてもよい。
【0039】
引き続き
図5を参照すると、ステップ316において、発送コントローラ130は、最大空き乗車定員を有する、少なくとも1つの複数のエレベータかご210,220を判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220の各々の乗車率を比較して、最大空き乗車定員を有する少なくとも1つのエレベータかご210,220を判断してもよい。この例では、第2エレベータかご220よりも乗車率が小さい第1エレベータかご210により、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が第2フロア204Bでの呼び出しに応答するための最大空き乗車定員を含むと判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、各エレベータかご210,220の運行データ140をさらに比較して、複数のエレベータかご210,220のうちのどれに呼び出し要求を割り当てるかを判断し得ることを理解されたい。
【0040】
例えば、発送コントローラ130は、運行データ140を比較して、複数のエレベータかご210,220の1または複数の運行パラメータ(例えば、移動速度、動作状況、現在位置など)を判断してもよい。発送コントローラ130は、エレベータかご210,220が同様のおよび/または異なる最大空き乗車定員を有する場合に、運行データ140を分析してもよい。したがって、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220のうちの1つの空き乗車定員が、別のエレベータかごの空き乗車定員より大きかったとしても、その少なくとも1つのエレベータかご210,220に呼び出し要求を割り当てるように構成されてもよいことを理解されたい。例えば、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210と第1位置(例えば、第2フロア204B)との距離が、第2エレベータかご220と第1位置との距離よりも短いことに基づいて、呼び出し要求を第1エレベータかご210に割り当ててもよい。第1エレベータかご210が第2エレベータかご220に対して1または複数の追加の呼び出し割り当てを有する例では、発送コントローラ130は、第2エレベータかご220の移動速度が第1エレベータかご210よりも大きいことに基づいて、呼び出し要求を第2エレベータかご220に割り当てるように判断してもよい。
【0041】
この例では、複数のエレベータかご210,220に対して空き乗車定員が最大の第1エレベータかご210がある場合に、発送コントローラは、ステップ318で第1エレベータかご210に呼び出しを割り当ててもよい。いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、呼び出し装置100と通信して、第1位置(例えば、第2フロア204B)にいる乗車希望者20にメッセージを送信するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、呼び出し要求に応答するように割り当てられた複数のエレベータかご210,220のうちの少なくとも1つ(例えば、第1エレベータかご210)の識別情報を通信するようにしてもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、エレベータかご210,220が到着し得る複数のエレベータシャフト202,212のうちの少なくとも1つ(例えば、第1エレベータかご210)を識別するようにしてもよい。メッセージは、例えば、ディスプレイ(例えば、文字形式、画像形式など)、スピーカ(例えば、音声形式)などを介することを含む、様々な適切な形式で、呼び出し装置110を介して送信されてもよい。
【0042】
引き続き
図5を参照すると、ステップ320において、発送コントローラ130は、ステップ302で受信された呼び出し要求に応答するために第1位置に到着する前に第1エレベータかご210が中間位置で停止するかどうかを判断するように構成されてもよい。実施形態では、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が第1位置(例えば、第2フロア204B)の手前に位置する中間位置(例えば、第3フロア204C)に停止したことを、そうした動きを示す運行データ140を運行コントローラ105から受信することに対応して、検出してもよい。例えば、運行データ140は、第1エレベータかご210の移動速度がゼロまで低下したときに、第1エレベータかご210の現在位置が中間位置にあることを示し得る。いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210内の入力装置120からのユーザ入力を受信することに対応して、第1エレベータかご210が中間位置で停止することを判断してもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210のエレベータドア206が中間位置で開くこと、および/または、第1エレベータシャフト202のために第2フロア204Bのアクセスドア207が開くことを検出するように構成されてもよい。
【0043】
さらなる実施形態では、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210に割り当てられた後続の呼び出し要求(例えば、呼び出し割り当てデータ144)が中間位置からのものであることを検出してもよい。この例では、後続の呼び出し要求は、発送コントローラ130によって受信され、ステップ302からの呼び出し要求がステップ318で第1エレベータかご210に割り当てられた後の時点で第1エレベータかご210に割り当てられてもよい。別の例では、後続の呼び出し要求は、発送コントローラ130によって受信され、ステップ302からの呼び出し要求がステップ318で第1エレベータかご210に割り当てられる前の時点で第1エレベータかご210に割り当てられてもよい。発送コントローラ130は、本開示の範囲から逸脱することなく、運行データ140、現在の乗員データ142、および/または呼び出し割り当てデータ144を使用する様々な他の適切な方法によって、第1エレベータかご210が中間位置に停止するかどうかを判断し得ることを理解されたい。
【0044】
引き続き
図5を参照すると、第1エレベータかご210がステップ320で第1位置の手前の中間位置で停止していない(または割り当てられていない)と判断することに対応して、発送コントローラ130は、第1位置(例えば、第2フロア204B)への第1エレベータかご210の発送を維持して、ステップ322での呼び出しに応答するように構成される。あるいは、第1エレベータかご210がステップ320で第1位置に到達する前に中間位置で停止した(または割り当てられた)と判断することに応答して、発送コントローラ130は、ステップ302で受信した呼び出し要求の再割り当て評価を実施するように構成される。第1エレベータかご210は、第1位置(例えば第2フロア204B)に到着する前に中間位置(例えば第3フロア204C)から1または複数の乗車希望者20を受け入れてもよく、その結果、発送コントローラ130は、呼び出し要求に応答するために、第1エレベータかご210が依然として複数のエレベータかご210,220のうちで最適なエレベータかごであるかどうかを判断してもよい。
【0045】
発送コントローラ130は、ステップ312~316において、複数のエレベータかご210,220の各々の乗員収容力を再評価してもよい。ステップ312において、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220から、各エレベータかご210,220内に配置された各々の計数装置125を介して、更新された乗員データ142を回収してもよい。更新された乗員データ142は、中間位置から第1エレベータかご210に受け入れられた任意の乗車希望者20、または中間位置で第1エレベータかご210を出た任意の乗員10を反映していてもよい。更新された乗員データ142は、さらに、複数のエレベータかご210,220の各々における乗員10の数の更新された数値を含んでもよい。ステップ314において、発送コントローラ130は、更新された乗員データ142に基づいて、複数のエレベータかご210,220の各々の更新された乗車率を計算してもよい。ステップ316において、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が複数のエレベータかご210,220に対して最大空き乗車定員を維持しているかどうか、または、他の複数のエレベータかご210,220のうち少なくとも1つ(例えば、第2エレベータかご220)が、第1エレベータかご210よりも大きい空き乗車定員を有するかどうか、を判断してもよい。
【0046】
作業環境200内において第1エレベータかご210が残りの複数のエレベータかごに対して最大空き乗車定員を有すると判断することに対応して、発送コントローラ130は、ステップ318で第1エレベータかご210への呼び出し要求の割り当てを再確認するように構成されてもよい。あるいは、第1エレベータかご210が残りの複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つ(例えば、第2エレベータかご220)に対して最大空き乗車定員を有さないと判断することに対応して、発送コントローラ130は、ステップ302で受信された呼び出しを、最大空き乗車定員を有するエレベータかごに再割り当てするように構成されてもよい。この例では、第1エレベータかご210は、第2フロア204B(例えば、第1位置)に到着する前に、第3フロア204C(例えば、中間位置)から2人の乗車希望者20を受け入れてよい。したがって、第1エレベータかご210の乗員10の数は3人の乗員10に等しく、第2エレベータかご220の乗員10の数は2人の乗員10に等しくてもよい。この場合、発送コントローラ130は、第2エレベータかご220は、第1エレベータかご210よりも小さい乗車率(および、より大きい最大空き乗車定員)を有すると判断してもよい。
【0047】
引き続き
図5を参照すると、ステップ318において、発送コントローラ130は、呼び出しを第1エレベータかご210から第2エレベータかご220に再割り当てしてもよい。発送コントローラ130は、さらに、元の割り当てを再評価して、複数のエレベータかご210,220のうちのどれに呼び出し要求を再割り当てするかを判断するときに、各エレベータかご210,220の運行データ140を比較してもよいことを理解されたい。したがって、発送コントローラ130は、更新された乗員データ142に加えて、複数のエレベータかご210,220の各々の更新された運行データ140を取得および比較して、第1エレベータかご210からの呼び出し要求を、作業環境200内の他の複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つに再割り当てするかどうかを判断してもよい。
【0048】
第1エレベータかご210が第2エレベータかご220に対してより大きい乗車率(およびより小さい最大空き乗車定員)を有すると判断することに対応して、発送コントローラ130は、第1位置(例えば、第2フロア204B)とは異なる第2位置(例えば、第1フロア204A)に第1エレベータかご210を向けるように構成されてもよい。言い換えると、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が第1位置(例えば、第2フロア204B)に停止しないように、第1エレベータかご210を第2行き先位置に向け直して、ステップ318で第1エレベータかご210に最初に割り当てられた呼び出しに応えてもよい。したがって、ステップ302で受信された呼び出し要求は、第1エレベータかご210が第2フロア204Bの第1行き先位置で停止することがないように、第1エレベータかご210に割り当てないようにしてもよい。
【0049】
引き続き
図5を参照すると、ステップ318で第2エレベータかご220に呼び出しが再割り当てされると、発送コントローラ130は、ステップ320において第2エレベータかご220が中間位置に停止するか(または停止する予定があるか)どうかを判断してもよい。第2エレベータかご220が第1位置(例えば、第2フロア204B)に到着する前に中間位置で停止しないと判断したことに対応して、発送コントローラ220は、第2フロア204Bからの呼び出し割り当てを第2エレベータかご210に維持してもよい。あるいは、発送コントローラ130は、第2エレベータかご220が中間位置に停止したと判断したことに対応して、ステップ312~318を繰り返してもよい。
【0050】
本明細書で使用されるすべての技術的および科学的な用語は、特に明記しない限り、本開示の分野に属する当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において、単数形で記載した場合には、文脈が明らかに他のことを示していない限り、複数であることを含む。
【0051】
上記の説明は例示的なものであり、限定的な意図で記載されたものではない。当業者は、本開示の一般的な範囲から逸脱することなく、様々な修正および/または変更を行うことができる。例えば、すでに記載されているように、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。さらに、上記の実施形態の一部は、本開示の範囲から逸脱することなく省略されてもよい。さらに、特定の状況または材料を、それらの範囲から逸脱することなく、様々な実施形態の教示に適合させるために修正してもよい。上記の説明を検討すれば、他の多くの実施形態も当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエレベータかごのうちの第1エレベータかごを再割り当てする方法であって、
乗員を受容するために現在位置から第1行き先位置に発送された前記第1エレベータかごが、前記現在位置と前記第1行き先位置との間に位置する中間位置で停止したと判断することと、
前記中間位置から出発した後の前記第1エレベータかごの乗車数を判断することであって、前記乗車数は、前記第1エレベータかご内の乗員の数及び前記第1エレベータかご内の物体の数を含む、ことと、
前記第1エレベータかごが前記中間位置に停止した後に、前記第1エレベータかごの前記乗車数が、前記複数のエレベータかごのうちの第2エレベータかごの前記乗車数よりも大きいと判断することと、
前記第1エレベータかごを、前記第1行き先位置とは異なる第2行き先位置に再割り当てすることと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記物体の数は、前記第1エレベータかご内の1以上の各自の持ち物、荷物、手荷物、又は付随的な物を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1エレベータかごの前記乗車数が前記第2エレベータかごよりも大きいことに対応して、前記乗員を受容するために前記第2エレベータかごを前記第1行き先位置に発送することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記乗員を受容するために前記第1エレベータかごに代わって前記第2エレベータかごが前記第1行き先位置に発送されたことを識別する通知を前記第1行き先位置へ送信することをさらに含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1エレベータかごを前記第2行き先位置に向ける前に
前記複数のエレベータかごの各々の中の前記乗員の数及び前記物体の数と、前記複数のエレベータかごの各々の容量との比率を判断することと、
前記複数のエレベータかごのそれぞれの前記比率を互いに比較することと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2エレベータかごの前記比率が、前記第1エレベータかご及び残りの複数のエレベータかごの前記比率より小さいと判断することをさらに含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1行き先位置に向かう前記第1エレベータかごの第1の移動速度が、前記第1行き先位置に向かう前記第2エレベータかごの第2の移動速度よりも大きいと判断することと、
前記第1の移動速度が前記第2の移動速度よりも大きいことに対応して、前記第1エレベータかごの前記乗車数が前記第2エレベータかごよりも大きいにもかかわらず前記第1エレベータかごが前記第1行き先位置に発送されたままになるように、前記第1エレベータかごを前記第2行き先位置に向かわせることを見合わせることと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1エレベータかごの現在位置と前記第1行き先位置との間の第1の距離が、前記第2エレベータかごの現在位置と前記第1行き先位置との間の第2の距離よりも短いと判断することとと、
前記第1の距離が前記第2の距離よりも小さいことに対応して、前記第1エレベータかごの前記乗車数が前記第2エレベータかごよりも大きいにもかかわらず前記第1エレベータかごが前記第1行き先位置に発送されたままになるように、前記第1エレベータかごを前記第2行き先位置に向かわせることを見合わせることと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1エレベータかごに割り当てられた呼び出し要求に係る第1の数が、前記第2エレベータかごに割り当てられた呼び出し要求に係る第2の数よりも少ないと判断することと、
呼び出し要求に係る前記第1の数が呼び出し要求に係る前記第2の数よりも少ないことに対応して、前記第1エレベータかごの前記乗車数が前記第2エレベータかごよりも大きいにもかかわらず前記第1エレベータかごが前記第1行き先位置に発送されたままになるように、前記第1エレベータかごを前記第2行き先位置に向かわせることを見合わせることと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1エレベータかごが前記中間位置に停止したと判断する前に、
前記第1行き先位置にいる前記乗員からの前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つへの呼び出しを受信することと、
前記第1エレベータかごの前記乗車数が、前記第2エレベータかご及び残りの複数のエレベータかごのそれぞれの前記乗車数よりも小さいと判断することと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1エレベータかごの前記乗車数が、前記第2エレベータかご及び前記残りの複数のエレベータかごのそれぞれの前記乗車数よりも小さいことに対応して、前記第1行き先位置からの前記呼び出しを前記第1エレベータかごに割り当てることと、
前記乗員を受容するために前記第1エレベータかごを前記第1行き先位置に発送することと、
をさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記乗員を受容するために前記第1行き先位置に発送された前記第1エレベータかごを識別する通知を前記第1行き先位置に送信することをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数のエレベータかごのうちの第1エレベータかごを動作させる方法であって、
乗員を受容するために第1行き先位置に発送された前記第1エレベータかごを、前記第1行き先位置の前に位置する中間位置で停止させることであって、前記第1エレベータかごが、前記中間位置から1以上の乗員及び1以上の物体を受容する、ことと、
前記中間位置から出発した後の前記第1エレベータかごの乗車数を判断することであって、前記乗車数は、前記第1エレベータかご内の乗員の数と、前記第1エレベータかご内の物体の数とを含む、ことと、
前記第1エレベータかごが前記中間位置に停止した後に、前記第1エレベータかごの前記乗車数が、前記複数のエレベータかごのうちの第2エレベータかごの前記乗車数よりも大きいと判断することと、
前記第1エレベータかごが前記第1行き先位置に止まらないように、前記第1行き先位置とは異なる第2行き先位置に前記第1エレベータかごを向け直すことと、
を含む方法。
【請求項14】
前記物体の数は、前記第1エレベータかご内の1以上の各自の持ち物、荷物、手荷物、又は付随的な物を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1エレベータかごの前記乗車数が前記第2エレベータかごよりも大きいことに対応して、前記乗員を受容するために前記第2エレベータかごを前記第1行き先位置に向けることをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1エレベータかごを前記第2行き先位置に向け直す前に、
前記複数のエレベータかごの各々の中の前記乗員の数及び前記物体の数と、前記複数のエレベータかごの各々の容量との比率を判断することと、
前記複数のエレベータかごの各々の前記比率を互いに比較することと、
前記第2エレベータかごの前記比率が、前記第1エレベータかご及び残りの複数のエレベータかごの前記比率よりも小さいと判断することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1行き先位置に向かう前記第1エレベータかごの第1の移動速度が、前記第1行き先位置に向かう前記第2エレベータかごの第2の移動速度よりも大きいと判断すること、又は、
前記第1エレベータかごの現在位置と前記第1行き先位置との間の第1の距離が、前記第2エレベータかごの現在位置と前記第1行き先位置との間の第2の距離より小さいと判断すること、又は、
前記第1エレベータかごに割り当てられた呼び出し要求に係る第1の数が、前記第2エレベータかごに割り当てられた呼び出し要求に係る第2の数より少ないと判断すること、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の移動速度が前記第2の移動速度より大きいことと、
前記第1の距離が前記第2の距離より短いことと、
呼び出し要求に係る前記第1の数が呼び出し要求に係る前記第2の数より少ないこと、のうち1以上に対応して、
前記第1エレベータかごの前記乗車数が前記第2エレベータかごよりも大きいにもかかわらず前記第1エレベータかごが前記第1行き先位置に発送されたままになるように、前記第1エレベータかごを前記第2行き先位置に向かわせることを見合わせることをさらに含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複数のエレベータかごを発送するためのシステムであって、
前記複数のエレベータかごの各々に配置された計数装置であって、前記複数のエレベータかご内の乗員の数及び物体の数を計数するように構成される、計数装置と、
前記複数のエレベータかご内の前記乗員の数及び前記物体の数を示すデータを受信するように、前記複数のエレベータかごの前記計数装置に通信可能に接続される発送コントローラと、
を備え、
前記発送コントローラは、
乗員を受容するために第1行き先位置に発送された、前記複数のエレベータかごのうちの第1エレベータかごが、前記第1行き先位置に到着する前に中間位置に停止したと判断することと、
前記中間位置から出発した後の前記第1エレベータかごの乗車数を判断することであって、前記乗車数が前記第1エレベータかご内の乗員の数及び前記第1エレベータかご内の物体の数を含む、ことと、
前記第1エレベータかごの前記乗車数が、前記複数のエレベータかごのうちの第2エレベータかごの前記乗車数を超えると判断することと、
前記第1行き先位置とは異なる第2行き先位置に前記第1エレベータかごを発送するとともに、前記乗員を受容するために前記第1行き先位置に前記第2エレベータかごを発送することと、
を行うように構成される、
システム。
【請求項20】
前記物体の数は、前記第1エレベータかご内の1以上の各自の持ち物、荷物、手荷物、又は付随的な物を含む、
請求項19に記載のシステム。