IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-冷蔵庫 図1
  • 特開-冷蔵庫 図2
  • 特開-冷蔵庫 図3
  • 特開-冷蔵庫 図4
  • 特開-冷蔵庫 図5
  • 特開-冷蔵庫 図6
  • 特開-冷蔵庫 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078669
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/00 20060101AFI20230531BHJP
【FI】
F25D19/00 520B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191907
(22)【出願日】2021-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 晃一
(72)【発明者】
【氏名】市場 元康
(72)【発明者】
【氏名】安部 航
(72)【発明者】
【氏名】栗田 朋幸
(57)【要約】
【課題】本開示は、冷却効率を向上することができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本開示における冷蔵庫は、少なくとも冷蔵室13と冷蔵用冷却室30とを備え、冷蔵用冷却室30は、冷蔵室13を冷却するための冷蔵用冷却器32を備え、冷蔵用冷却器32は、マイクロチャネル式冷却器で構成され、冷蔵室13と冷蔵用冷却室30とは、仕切壁85によって仕切られ、仕切壁85は、冷蔵室13と冷蔵用冷却室30とを連通する吸込口87を備え、吸込口87は、その上端87aの高さが冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さ以上となるように形成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも冷蔵室と冷蔵用冷却室とを備えた冷蔵庫において、
前記冷蔵用冷却室は、前記冷蔵室を冷却するための冷蔵用冷却器を備え、
前記冷蔵用冷却器は、マイクロチャネル式冷却器で構成され、
前記冷蔵室と前記冷蔵用冷却室とは、仕切壁によって仕切られ、
前記仕切壁は、前記冷蔵室と前記冷蔵用冷却室とを連通する吸込口を備え、
前記吸込口は、その上端の高さが前記冷蔵用冷却器の前面の下端の高さ以上となるように形成されている
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷蔵室は、その内部に前記冷蔵室よりも低温とされる低温室を備え、
前記冷蔵用冷却室は、前記低温室の背面側に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷蔵用冷却器で冷却した冷気を前記冷蔵室に流す冷蔵用ファンを備え、
前記冷蔵用ファンは、前記低温室の上面よりも上方に配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記冷蔵用冷却室と前記低温室とを連通する低温室ダクトを備え、
前記低温室ダクトは、その開閉を変更可能な低温室ダンパを備え、
前記低温室ダンパは、前記低温室の上面よりも上方に配置される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記冷蔵用冷却器は、所定間隔をもって略平行に配置された複数の扁平管と、それぞれの前記扁平管の間に形成される空気流路と、前記空気流路の内部に設けられるフィンと、を備え、
前記冷蔵用冷却器は、前記扁平管が前記仕切壁に接触するように設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記吸込口を介して前記冷蔵用冷却室に吸い込まれる空気を導くルーバーを備え、
前記ルーバーは、前記冷蔵室側よりも前記冷蔵用冷却室側が高くなるように設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記吸込口を介して前記冷蔵用冷却室に吸い込まれる空気を導くルーバーを備え、
前記ルーバーは、前記フィンに向けて傾斜している
ことを特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、冷蔵庫を開示する。この冷蔵庫は、内部に冷媒が流れる流路が複数形成されている偏平管を有するマルチフロー型冷蔵用冷却器を用いて冷凍サイクルの熱交換を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-048799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、冷却効率を向上させることのできる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における冷蔵庫は、少なくとも冷蔵室と冷蔵用冷却室とを備えた冷蔵庫において、前記冷蔵用冷却室は、前記冷蔵室を冷却するための冷蔵用冷却器を備え、前記冷蔵用冷却器は、マイクロチャネル式冷却器で構成され、前記冷蔵室と前記冷蔵用冷却室とは、仕切壁によって仕切られ、前記仕切壁は、前記冷蔵室と前記冷蔵用冷却室とを連通する吸込口を備え、前記吸込口は、その上端の高さが前記冷蔵用冷却器の前面の下端の高さ以上となるように形成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示における冷蔵庫は、冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1における冷蔵庫の概略を示す側面断面図
図2】実施の形態1における冷蔵庫の概略を示す概略正面図
図3】実施の形態1の冷凍サイクルを示す冷凍サイクル図
図4】実施の形態1の冷蔵用冷却器を示す斜視図
図5】実施の形態1の冷蔵用冷却器を示す平面図
図6】実施の形態1の冷蔵用冷却器を示す正面図
図7】実施の形態1の吸込口周辺を示す側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、内部に冷媒が流れる流路が複数形成されている偏平管を有するマルチフロー型冷蔵用冷却器を用いて冷凍サイクルの熱交換を行う冷蔵庫が開示されていた。この冷蔵庫は、冷蔵用冷却器を冷蔵用冷却室に備え、冷蔵用冷却器で空気を冷却することで冷蔵室を冷却する技術であった。
しかしながら、従来の技術では、冷蔵用冷却器に空気が流入する際に冷蔵用冷却室内で一部の空気が滞留し、冷蔵用冷却器の一部に空気が流入しにくくなるため、冷却効率が低下するという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、冷却効率を向上させることができる冷蔵庫を提供する。
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
(実施の形態1)
以下、図1図7を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.冷蔵庫の構成]
図1は、本発明に係る冷蔵庫の概略を示す概略断面図である。
図1に示すように、冷蔵庫1は、箱型の本体10を備えている。本体10の上下方向の2箇所には、本体10の内部を上下3つの空間に仕切る上部仕切板11及び下部仕切板12が設けられている。
上部仕切板11の上側空間は、冷蔵室13とされ、上部仕切板11と下部仕切板12との間の空間は、冷凍室14とされ、下部仕切板12の下側空間は、野菜室15とされている。
冷蔵室13の内部下方には、冷蔵室13より低温とされる低温室16が設けられている。冷蔵室13の内部には、食品を載置する棚板17が設けられている。
冷凍室14の内部には、氷を溜める製氷室18が設けられている。
【0011】
冷蔵室13の前面には、横開き式の冷蔵室用扉20が開閉自在に設けられている。
冷凍室14の前面には、冷凍室用引き出し扉21が開閉自在に設けられており、冷凍室用引き出し扉21の内側には、内部に食品を収容する冷凍用引き出しケース22が設けられている。
野菜室15の前面の開口部には、野菜室用引き出し扉23が開閉自在に設けられており、野菜室用引き出し扉23の内側には、内部に食品を収容する野菜室用引き出しケース24が設けられている。
【0012】
図1および図2に示すように、冷蔵庫1の冷蔵室13の背面側には、冷蔵用冷却室30が設けられている。冷蔵用冷却室30の上方には、冷蔵室13の上方に延在する冷蔵室ダクト31が接続されている。冷蔵室13と冷蔵用冷却室30とは、鉛直方向に延在する仕切壁85によって仕切られている。
冷蔵用冷却室30には、冷蔵用冷却器32が収容されている。冷蔵用冷却器32は、マイクロチャネル式の冷却器とされている。マイクロチャネル式の冷却器とは、例えば、扁平多孔管とフィンで構成された冷却器である。扁平多孔管は、内部に冷媒が流れる流路が複数形成された扁平管である。なお、冷蔵用冷却器32の詳細については、後述する。
冷蔵用冷却室30の冷蔵用冷却器32の上方には、冷蔵用ファン33が配置されている。冷蔵用ファン33は、例えば、遠心ファンが用いられる。遠心ファンは、回転羽根の軸方向の一面側中央部分から冷蔵用冷却器32を通過した冷気を吸い込み、遠心方向に吹き出すファンである。また、遠心ファンは、冷蔵用冷却室30の後方から冷気を吸い込み、遠心方向に吹き出す。遠心ファンを用いることで、細いダクトでも風量を確保することができる。
また、図1に示すように、冷蔵用ファン33は、低温室16の上面16aよりも上方に設けられている。これにより、冷蔵用ファン33は、低温室16との熱交換が抑制される。従って、主に冷蔵用ファン33の非駆動時に、低温室16との熱交換によって冷蔵用ファン33が冷却されることを抑制できる。従って、冷蔵用ファン33の結露や着霜、凍結を抑制することができ、冷蔵用ファン33の信頼性が向上する。
冷蔵用ファン33により冷蔵用冷却室30から冷気が吸い込まれることで、仕切壁85に設けられた略矩形状の吸込口87を介して、冷蔵室13から冷蔵用冷却室30に空気が流入する。なお、吸込口87周辺の詳細な構成については、後述する。
【0013】
なお、本実施の形態において遠心ファンは、冷蔵用冷却室30の後方から冷気を吸い込む構成としているが、冷蔵用冷却室30の前方から冷気を吸い込む構成としてもよい。
また、冷蔵用ファン33は、例えば、軸流ファンであってもよい。軸流ファンは、冷蔵用冷却器32により冷却された冷気を冷蔵室13に効率よく吹き出すように、吹き出し側が上方を向くように傾斜して配置されている。軸流ファンを用いることで、下方向へも冷気を吐出しやすくできる。
【0014】
冷蔵用冷却器32に付着した霜は、プラス温度である冷蔵室13の庫内空気によって除霜することができる。この場合、冷蔵用冷却器32には冷媒は流さずに、冷蔵用ファン33を駆動させることが好ましい。
【0015】
冷蔵室ダクト31は、冷蔵用ファン33の吹き出し側のケーシング33aに接続されており、冷蔵室ダクト31は、上方に向かって徐々に幅寸法が大きくなるテーパ状に形成されている。
冷蔵室ダクト31には、冷蔵室13に連通する冷蔵用吹出口35が形成されている。
冷蔵室ダクト31は、中途部で側方に分岐して形成された低温室ダクト31aを備える。低温室ダクト31aは、冷蔵室ダクト31と低温室16とを連通し、低温室用吐出口35aから低温室16内に冷気を吐出する。また、低温室ダクト31aは、低温室16の上面16aよりも上方に位置する中途部に低温室ダンパ36aを備える。低温室ダンパ36aは、開閉動作を行うことで、冷蔵用冷却器32により冷却された冷気の低温室16に対する送風と送風停止とを切り替えるように構成されている。
ここで、低温室ダンパ36aは、低温室16の上面16aよりも上方に位置するため、低温室16との熱交換が抑制される。従って、主に低温室ダンパ36aの閉状態の際に、低温室16との熱交換によって低温室ダンパ36aが冷却されることを抑制できる。従って、低温室ダンパ36aの結露や着霜、凍結を抑制することができ、低温室ダンパ36aの信頼性が向上する。
【0016】
冷蔵用冷却器32の下面側であって後述するヘッダの下部には、遮蔽板39が設けられる。遮蔽板39は、ヘッダの下部を覆うことで、冷蔵室13から送られる庫内空気を冷蔵用冷却器32の後述する空気流路に導く機能を備えている。
なお、遮蔽板39は、冷蔵用冷却室30に設けられていてもよい。この場合、遮蔽板39は、後述するヘッダの下部に対応する位置に設けられる。
【0017】
冷蔵庫1の冷凍室14の背面側には、冷凍用冷却室40が設けられている。冷凍用冷却室40には、冷凍用冷却器41が収容されている。
冷凍用冷却器41は、例えば、フィンチューブ式の冷却器とされている。フィンチューブ式の冷却器とは、例えば、円管のパイプとフラットフィンとで構成された冷却器である。冷凍用冷却器41の上方には、冷凍用冷却器41により冷却された冷気を冷凍室14の内部に送る冷凍用ファン42が配置されている。
フィンチューブ式の冷却器は、マイクロチャネル式の冷却器と比較して、フィン間の距離が大きくなるように設計している。そのため、着霜による目詰まりを抑制でき、除霜するためのヒータに通電する回数を減らすことができる。従って、消費電力量を抑制することができる。
【0018】
冷凍用ファン42は、例えば、軸流ファンが用いられる。軸流ファンは、冷凍用冷却器41により冷却された冷気を冷凍室14に効率よく吹き出すように、吹き出し側が上方を向くように傾斜して配置されている。冷凍室14の背面には、冷凍用吹出口43が形成されている。
なお、冷凍用ファン42は、例えば、遠心ファンであってもよい。
冷凍用冷却器41の下方には、冷凍用冷却器41に付着した霜を除霜するためのガラス管ヒータ44が配置されている。
なお、ガラス管ヒータ44を用いずに、冷凍用冷却器41に付着した霜を除霜するために、冷凍用冷却器41を直接温めるパイプヒータを用いてもよい。
冷凍用冷却室40の冷気は、下部仕切板12に形成された連通孔45を介して野菜室15に送られるように構成されている。
【0019】
冷蔵用冷却器32の下方には、冷蔵用露受け皿37が配置されている。冷凍用冷却器41の下方には、冷凍用露受け皿46が配置されている。
野菜室15の背面側下方には、蒸発皿47が配置されている。
冷蔵用露受け皿37には、冷蔵用排水管38が接続されている。冷凍用露受け皿46には、冷凍用排水管48が接続されている。冷蔵用排水管38および冷凍用排水管48の下端部は、上部仕切板11および下部仕切板12をそれぞれ貫通して蒸発皿47の上部近傍まで延在している。
これにより、冷蔵用露受け皿37および冷凍用露受け皿46に溜まったドレン水を冷蔵用排水管38および冷凍用排水管48を介して蒸発皿47に送ることができ、蒸発皿47でドレン水の蒸発を行うように構成されている。
【0020】
本体の後部上方には、圧縮機50が設置されている。
【0021】
[1-1-2.冷凍サイクルの構成]
次に、冷蔵庫1の冷凍サイクル構成について説明する。
図3は、冷蔵庫1の冷凍サイクルを示す冷凍サイクル図である。
図3に示すように、冷蔵庫1は、圧縮機50と、凝縮器51と、切替弁52と、冷蔵用減圧手段53と、冷蔵用冷却器32と、冷蔵用戻り配管55aと、冷凍用減圧手段54と、冷凍用冷却器41と、冷凍用戻り配管55bと、を冷媒戻り配管55で接続して構成されている。冷蔵用減圧手段53として冷蔵用キャピラリチューブ53が、冷凍用減圧手段54として冷凍用キャピラリチューブ54が配設されている。
冷蔵用減圧手段53および冷蔵用冷却器32と、冷凍用減圧手段54および冷凍用冷却器41とは、切替弁52を介して互いに並列となるように接続されている。
【0022】
[1-1-3.冷蔵用冷却器32の構成]
次に、冷蔵庫1に搭載される冷蔵用冷却器32の構成について説明する。
図4は、実施の形態1の冷蔵用冷却器32を示す斜視図である。図5は、実施の形態1の冷蔵用冷却器32を示す平面図である。図6は、実施の形態1の冷蔵用冷却器32を示す正面図である。
【0023】
図4から図6に示すように、冷蔵用冷却器32は、冷媒が流れる冷媒導通部材60を備えている。冷媒導通部材60は、略四角形状の複数の通路が連続して配列された扁平多孔管で構成されている。
冷媒導通部材60は、所定間隔をもって略平行に形成された複数の扁平管61と、これら各扁平管61の端部を接続する曲成部62と、を備えて蛇行状に形成されている。
本実施の形態においては、後述するヘッダ間に扁平管61は、4つで構成されている。
なお、扁平管61の数はこれに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
また、各扁平管61と曲成部62が一体で、1本の扁平管61を蛇行させてヘッダ間に形成してもよい。
【0024】
また、扁平管61および曲成部62は、本実施形態においては、上下方向に3つの上部領域63、中部領域64、下部領域65に分割されている。
なお、本実施の形態においては、上下方向に3つの領域に分割するようにしたが、上下方向に2つの領域、または4つ以上の領域に分割するようにしてもよい。
【0025】
最も外側に位置する扁平管61の一端部には、上下に延在する入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67がそれぞれ設けられている。
入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、例えば、円管で構成されている。
入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、冷蔵用冷却器32の幅方向(左右方向)に位置をずらして配置されており、入口側ヘッダ66が扁平管61の近くに配置されるとともに、出口側ヘッダ67が入口側ヘッダ66より扁平管61から離れる位置に配置されて、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、互い違いに設けられている。
なお、出口側ヘッダ67が扁平管61の近くに配置されるとともに、入口側ヘッダ66が出口側ヘッダ67より扁平管61から離れる位置に配置されてもよい。
【0026】
また、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、扁平管61の奥行方向(前後方向)における端面から突出しないように取付けられている。入口側ヘッダ66は、扁平管61の端部を折り曲げて形成された折曲部61aを介して扁平管61と接続され、出口側ヘッダ67は扁平管61の端部を折り曲げて形成された折曲部61aを介して扁平管61と接続されている。
このように入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67を配置することで、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67の端面は、冷媒導通部材60の扁平管61の外面と面一とされ、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67の側面が扁平管61の厚みから突出しないように配置される。
これにより、冷蔵用冷却器32の厚さ寸法を低減させることができ、冷蔵用冷却室30の内部に冷蔵用冷却器32を収容した場合に、冷蔵室ダクト31の内部スペースを小さくすることができる。その結果、冷蔵室13の内部空間を大きくすることができる。
【0027】
また、入口側ヘッダ66の側面のうち冷蔵室13の後方向の側面であって下部領域65に対応する高さには、入口側配管68が接続されている。具体的には、入口側ヘッダ66の側面であって出口側ヘッダ67が接続されている扁平管61に向かう方向に、入口側配管68が接続されている。さらに、入口側配管68は、冷蔵用冷却器32の奥行方向(前後方向)と略平行に接続されていることが好ましい。
出口側ヘッダ67は、入口側ヘッダ66の高さ寸法より高く形成されている。出口側ヘッダ67の側面のうち冷蔵室13の前方向の側面であって上部領域63の上端より上方位置には、出口側配管69が接続されている。具体的には、出口側ヘッダ67の側面であって入口側ヘッダ66が接続されている扁平管61に向かう方向に、出口側配管69が接続されている。さらに、出口側配管69は、入口側配管68と略平行に接続されていることが好ましい。すなわち、出口側配管69は、最上段の扁平管の上端よりも上方位置に接続されている。
【0028】
入口側配管68は、入口側ヘッダ66と略平行に上方に延在しており、出口側配管69は、出口側ヘッダ67の略平行に上方に延在している。また、入口側配管68は、出口側ヘッダ67側に向けて扁平管61の厚さ方向(前後方向)に突出しており、出口側配管69は、入口側ヘッダ66側に向けて扁平管61の厚さ方向(前後方向)に突出している。
入口側配管68および出口側配管69は、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67の径に対して小径とされている。
前述のように入口側配管68および出口側配管69を配置することで、入口側配管68および出口側配管69の配置スペースが少なくて済む。
また、入口側配管68には、冷蔵用キャピラリチューブ53が接続され、出口側配管69には、冷蔵用戻り配管55aが接続されている。
冷蔵用キャピラリチューブ53は、入口側ヘッダ66の上方へ延びた後、本体10の背面断熱壁内に埋設される。また、冷蔵用戻り配管55aは、出口側ヘッダ67の上方へ延びた後、本体10の背面断熱壁内に埋設される。
そして、背面断熱壁内で冷蔵用キャピラリチューブ53と冷蔵用戻り配管55aとが熱交換するように密着接続されている。
また、出口側配管69と、下流に接続される冷蔵用戻り配管55aとの間には、液冷媒が圧縮機50に流入するのを防止するアキュムレータ(気液分離器)は備えていない。
【0029】
本実施の形態においては、入口側ヘッダ66の下部から冷媒が流入するように構成されており、出口側ヘッダ67の上部から冷媒が流出するように構成されている。これにより、冷媒の流れは、冷気の通風方向に対して並行流とされる。ここで、並行流とは、冷媒の流れ方向と冷気の通風方向とが同じ場合を指す。
なお、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、扁平管61の異なる端部にそれぞれ設け、入口側ヘッダ66と出口側ヘッダ67とが冷媒導通部材60の両側に配置されるようにしてもよい。また、入口側ヘッダ66の冷媒入口は、上方に設けるようにしてもよいし、出口側ヘッダ67の冷媒出口は、下方に設けるようにしてもよい。
【0030】
図4に示すように、入口側ヘッダ66の下部領域65と中部領域64との境界に相当する位置には、仕切板70が設けられている。入口側ヘッダ66の中部領域64と上部領域63に相当する位置は、連通している。
出口側ヘッダ67の上部領域63と中部領域64との境界に相当する位置には、出口側ヘッダ67内の連通を遮断する仕切板71が設けられている。出口側ヘッダ67の中部領域64と下部領域65に相当する位置は、連通している。
【0031】
入口側ヘッダ66の下部から流入した冷媒は、冷媒導通部材60の下部領域65の内部を通って、出口側ヘッダ67に流れる。出口側ヘッダ67に流れた冷媒は、冷媒導通部材60の中部領域64に流入して入口側ヘッダ66に流れ、入口側ヘッダ66を介して下部領域65を流れた後、出口側ヘッダ67の上部から流出される。
すなわち、入口側ヘッダ66に流入した冷媒は、扁平管61の下部領域65、中部領域64、上部領域63を順次流れて出口側ヘッダ67に至るように直列に流れる。ここで、各扁平管61は、直列に接続されている。
これにより、冷気の通風方向を上下方向と揃えた場合でも、液冷媒が重力により下部に溜まることを抑制できる。従って、冷却器全体に冷媒を行き渡らせることが可能となり、熱交換効率の低下を抑制させることができる。
【0032】
冷媒導通部材60の各扁平管61の間には、空気流路72が形成される。
空気流路72の内部には、扁平管61に対して所定角度で傾斜されジグザグ状に折り曲げて連続して設けられたフィン73が配列されており、これらフィン73により、空気流路72の内部に、断面形状略三角形状の空気流路72が連続して形成される。
なお、断面形状が矩形状の空気流路72が連続して形成されていてもよい。
空気流路72は、冷蔵用冷却室30の上下方向に沿うように、上下方向に形成される。
【0033】
これにより、冷蔵用冷却室30の下方から上方に向かって流れる庫内空気は、空気流路72を流れ、このとき、冷媒導通部材60の内部を流れる冷媒と熱交換を行い、所定温度に冷却されるように構成されている。
【0034】
なお、下部領域65のフィン73と、上部領域63のフィン73との位置をずらして配置するようにしてもよく、より詳細には、下部領域65のフィン73と、上部領域63のフィン73とは、位相を1/2ずらして配置されていてもよい。すなわち、上部領域63における略三角形状の空気流路72と、下部領域65における略三角形状の空気流路72と、が平面視において互いに重なるように形成されるようにしてもよい。また、フィン73の位相をずらすのは、上部領域63のフィンに対して中部領域64のフィン73の位相をずらすようにしてもよい。このように構成することで、庫内空気が空気流路72を流れる際の抵抗は、多少増加するものの、空気の流れ方向に対してフィン73の端部との熱交換面積が増えることで前縁効果を高めることができ、そのため、熱交換効率を高めることができる。
【0035】
また、空気流路の上流側となる下部領域65のフィン73の傾斜角度は、空気流路の下流側となる上部領域63のフィン73の傾斜角度より大きく形成するようにしてもよい。すなわち、下部領域65のフィン73は、略三角形状の空気流路72の頂点に相当する角度が大きく形成されるようにしてもよい。このように構成することで、空気流路72の上流側となる下部領域65における空気流路72の断面積を大きく確保することができる。そのため、庫内空気が冷媒と熱交換した際に、フィン73に霜や結露が付着した場合でも、霜や結露により、空気流路72が塞がれてしまうことを防止することができ、空気の流れを確保することができる。
【0036】
また、本実施の形態においては、フィン73の下端は、冷媒導通部材60の下端よりも下方に位置している。これにより、庫内空気と冷媒とが熱交換した際に、着霜や結露などで発生する水をフィン73の下端に集めることができ、排水性を高めることが可能となる。
また、フィン73の上端を冷媒導通部材60の上端より上方に位置させるようにしてもよい。これにより、フィン面積が大きくなることから、フィン73と庫内空気との熱交換量が増大し、庫内空気の熱交換効率を高めることができる。
【0037】
[1-1-4.吸込口87周辺の構成]
次に、冷蔵室13内から冷蔵用冷却室30に空気を吸い込むための吸込口87周辺の構成について説明する。
図7は、図1における吸込口87周辺の拡大図である。
【0038】
図7に示すように、吸込口87の上端87aの高さは、冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さと略一致している。
ここで、本開示とは異なり、吸込口87の上端87aの高さが冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さよりも低くなっている場合は、冷蔵用冷却室30の内側において、仕切壁85の後面側と冷蔵用冷却器32の前面の下端32aとの隅部に空間が形成される。この隅部に形成される空間においては、吸込口87から流入した空気が渦を形成して滞留しやすくなる。従って、この場合は、本開示とは異なり、特に仕切壁85に近い空気流路72に空気が流入することを妨げられやすく、冷蔵用冷却器32における熱交換の効率が低下する。また、この場合は、本開示とは異なり、冷蔵用冷却器32における熱交換が不均一となることにより、冷蔵用冷却器32に偏着霜しやすくなる。
【0039】
一方で、本実施の形態では、先述した通り、吸込口87の上端87aの高さと、冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さと、が略一致している。よって、本実施の形態では、冷蔵用冷却室30の内側において、仕切壁85と前面の下端32aとが隅となる空間を形成しない。従って、吸込口87から流入した空気が渦を形成して滞留することを抑制でき、仕切壁85に近い空気流路72においても、空気がスムーズに流入する。従って、冷蔵用冷却器32における熱交換の効率が向上する。また、冷蔵用冷却器32における熱交換が均一化されるため、冷蔵用冷却器32に偏着霜することを抑制できる。
さらに、冷蔵用冷却器32を下方に設置できるため、厚さの大きい冷蔵用冷却器32までの高さを抑制し、庫内容積の低下を抑制できる。また、本実施の形態においては、冷蔵用冷却器32を下方に設置することで、冷蔵用ファン33についても、下方に設置することができる。従って、厚さが大きい冷蔵用冷却器32から冷蔵用ファン33までの高さを小さくすることができ、庫内容積の低下を抑制できる。
【0040】
また、図7に示すように、冷蔵用冷却器32の前面に備えられた扁平管61は、仕切壁85と接触している。これにより、空気が空気流路72を通らずに仕切壁85と冷蔵用冷却器32との間を通り抜けることを抑制できる。従って、冷蔵用冷却器32における熱交換の効率が向上する。
【0041】
図7に示すように、仕切壁85の下方に設けられた吸込口87には、ルーバー89が設けられている。本実施の形態においては、3枚のルーバー89が略鉛直方向に沿って並んで設けられており、それぞれのルーバー89は、冷蔵用冷却室30側が高くなるように傾斜している。すなわち、ルーバー89により冷却室側から送られる空気を、冷蔵用冷却器32のそれぞれの空気流路72に案内することができるように構成されている。
これにより、冷蔵室13から冷蔵用冷却室30に吸い込まれる空気がルーバー89によって上方に誘導され、冷蔵用冷却器32に向けてスムーズに流れる。従って、冷蔵用冷却器32における熱交換の効率が向上する。
【0042】
さらに、ルーバー89は、それぞれがフィン73(すなわち、空気流路72)に向かって傾斜している。
これにより、吸込口87からフィン73に空気を導くことができるため、空気が空気流路72を流れやすくなり、冷蔵用冷却器32での熱交換効率が向上する。
また、本実施の形態では、より具体的には、冷蔵用冷却器32に近い、上側に配置されたルーバー89は、複数の空気流路72の内、吸込口87(もしくは仕切壁85)に近い空気流路72に向かって傾斜している。このように、本実施の形態では、上側、中段、下側に配置されたルーバー89は順次、複数の空気流路72のうち前方、中央、後方にある空気流路72に順次向かってそれぞれ傾斜している。
これにより、各ルーバーが誘導する空気の流れが交わることを抑制できるので、空気が空気流路72をさらに流れやすくなり、冷蔵用冷却器32での熱交換効率が向上する。
【0043】
図7に示すように、仕切壁85は、冷蔵用冷却室30に面する断熱材85aと、冷蔵室13に面する化粧カバー85bと、によって構成されている。断熱材85aは、例えば発泡ウレタンなどの断熱材料によって形成されている。化粧カバー85bは、例えばABS樹脂などの樹脂によって形成されている。従って、冷蔵室13に面する化粧カバー85bによって外観性が向上する。さらに、断熱材85aが、冷蔵用冷却室30内の冷気及び冷蔵用冷却器32との熱交換による化粧カバー85bの冷却を抑制することで、化粧カバー85bの結露を抑制できる。
【0044】
[1-2.動作]
以上のように構成された冷蔵庫1について、その動作を以下説明する。
まず、圧縮機50を駆動することにより、冷媒を凝縮器51に送り、切替弁を切り替えることで、冷蔵用冷却器32または冷凍用冷却器41のいずれかに冷媒を送る。
【0045】
冷蔵用冷却器32に送られた冷媒は、冷媒導通部材60の入口側ヘッダ66から流入して下部領域65の内部を流れる。出口側ヘッダ67に流れた冷媒は、出口側ヘッダ67を介して中部領域64を流れ、入口側ヘッダ66に送られ、入口側ヘッダ66を介して上部領域63を流れる。上部領域63を流れた冷媒は、出口側ヘッダ67から流出して、圧縮機50に戻される。
【0046】
冷媒導通部材60の内部を冷媒が流れている状態で、冷蔵用ファン33を駆動することで、冷蔵室13の庫内空気が吸込口87から冷蔵用冷却室30に流入する。このとき、庫内空気はルーバー89に沿って上方に誘導され、冷蔵用冷却器32の空気流路72を通過する。その後、庫内空気は冷蔵室ダクト31の下方から上方に流れる。すなわち、冷蔵用冷却器32を通る冷気の通風方向は、冷蔵用冷却器32の下方から上方に向かう方向である。
これにより、冷蔵室13の庫内空気が冷媒導通部材60を流れる冷媒と熱交換して冷却される。
【0047】
冷凍用冷却器41に送られた冷媒は、冷凍用ファン42を駆動することで、冷凍用冷却室40の下方から上方に流れる庫内空気と熱交換し、冷媒により冷却された空気は、冷凍室14に戻される。
【0048】
[1-3.効果等]
以上述べたように、本実施の形態における冷蔵庫1において、冷蔵用冷却室30は、冷蔵室13を冷却するための冷蔵用冷却器32を備え、冷蔵用冷却器32は、マイクロチャネル式冷却器で構成され、冷蔵室13と冷蔵用冷却室30とは、仕切壁85によって仕切られ、仕切壁85は、冷蔵室13と冷蔵用冷却室30とを連通する吸込口87を備え、吸込口87は、その上端87aの高さが冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さ以上となるように形成されている。
この構成によれば、吸込口87から流入した空気が滞留することを抑制できる。従って、空気が冷蔵用冷却器32を流れやすくなり、冷却の効率が向上する。
【0049】
また、冷蔵室13は、その内部に冷蔵室13よりも低温とされる低温室16を備え、冷蔵用冷却室30は、低温室16の背面側に配置される。
この構成によれば、仕切壁85の冷蔵室13側と冷蔵用冷却室30側との温度差が小さくなるので、仕切壁85の厚みを小さくしても、仕切壁85の結露を抑制できる。よって、冷蔵室13の庫内容積の低下を抑制できる。
【0050】
また、冷蔵庫1は、冷蔵用冷却器32で冷却した冷気を冷蔵室13に流す冷蔵用ファン33を備え、冷蔵用ファン33は、低温室16の上面16aよりも上方に配置される。
この構成によれば、冷蔵用ファン33と低温室16との間での熱交換が抑制される。従って、冷蔵用ファン33の結露、着霜、または凍結を抑制でき、冷蔵用ファン33の信頼性が向上する。
【0051】
また、冷蔵庫1は、冷蔵用冷却室30と低温室16とを連通する低温室ダクト31aを備え、低温室ダクト31aは、その開閉を変更可能な低温室ダンパ36aを備え、低温室ダンパ36aは、低温室16の上面16aよりも上方に配置される。
この構成によれば、低温室ダンパ36aと低温室16との間での熱交換が抑制される。従って、低温室ダンパ36aの結露、着霜、または凍結を抑制でき、低温室ダンパ36aの信頼性が向上する。
【0052】
また、冷蔵用冷却器32は、所定間隔をもって略平行に配置された複数の扁平管61と、それぞれの扁平管61の間に形成される空気流路72と、空気流路72の内部に設けられるフィン73と、を備え、冷蔵用冷却器32は、扁平管61が仕切壁85に接触するように設けられている。
この構成によれば、空気が空気流路72を通らずに扁平管61と仕切壁85との間を通り抜けることを抑制できる。従って、フィン73が設けられた空気流路72に空気が流れやすくなり、冷却効率が向上する。
【0053】
また、冷蔵庫1は、吸込口87を介して冷蔵用冷却室30に吸い込まれる空気を導くルーバー89を備え、ルーバー89は、冷蔵室13側よりも冷蔵用冷却室30側が高くなるように設けられている。
この構成によれば、吸込口87から冷蔵用冷却室30に吸い込まれる空気が、ルーバー89により上方に導かれる。従って、空気が冷蔵用冷却器32を通りやすくなり、冷却効率が向上する。
【0054】
また、冷蔵庫1は、吸込口87を介して冷蔵用冷却室30に吸い込まれる空気を導くルーバー89を備え、ルーバー89は、フィン73に向けて傾斜している。
この構成によれば、吸込口87から冷蔵用冷却室30に吸い込まれる空気が、ルーバー89によってフィン73に導かれる。従って、空気が冷蔵用冷却器32の空気流路72を通りやすくなり、冷却効率が向上する。
【0055】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0056】
実施の形態1では、仕切壁85の吸込口87について、その上端87aの高さと、冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さと、が略一致していると説明した。上端87aの高さと前面の下端32aの高さとの関係は、仕切壁85と前面の下端32aとが隅となる空間を冷蔵用冷却室30内に形成しないような関係であれば良い。従って、吸込口87の上端87aの高さは、冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さと略一致しているものに限定されず、吸込口87の上端87aの高さが、冷蔵用冷却器32の前面の下端32aの高さ以上としてもよい。
【0057】
また、実施の形態1では、吸込口87には、3枚のルーバー89が鉛直に並んで配置されると説明した。ルーバー89は、吸込口87から吸い込んだ空気を上方に導くことができるものであればよい。従って、複数のルーバー89が前後方向に並んでいてもよく、ルーバー89の枚数を任意に変更してもよい。ただし、実施の形態1のように、ルーバー89の枚数が、空気流路72が前後方向に並んだ数と同数であれば、各ルーバー89と各空気流路72とを一対一で対応させやすいので、各ルーバー89を各空気流路72に向けて傾斜させることで、各空気流路72に流入する空気の量を均一化しやすくなる。
【0058】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示は、冷却効率を向上することができる冷蔵庫に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 冷蔵庫
10 本体
11 上部仕切板
12 下部仕切板
13 冷蔵室
14 冷凍室
15 野菜室
16 低温室
16a 上面
17 棚板
18 製氷室
20 冷蔵室用扉
21 冷凍室用引き出し扉
22 冷凍用引き出しケース
23 野菜室用引き出し扉
24 野菜室用引き出しケース
30 冷蔵用冷却室
31 冷蔵室ダクト
31a 低温室ダクト
32 冷蔵用冷却器
32a 前面の下端
33 冷蔵用ファン
33a ケーシング
35 冷蔵用吹出口
35a 低温室用吐出口
36a 低温室ダンパ
37 冷蔵用露受け皿
38 冷蔵用排水管
39 遮蔽板
40 冷凍用冷却室
41 冷凍用冷却器
42 冷凍用ファン
43 冷凍用吹出口
44 ガラス管ヒータ
45 連通孔
46 冷凍用露受け皿
47 蒸発皿
48 冷凍用排水管
50 圧縮機
51 凝縮器
52 切替弁
53 冷蔵用減圧手段(冷蔵用キャピラリチューブ)
54 冷凍用減圧手段(冷凍用キャピラリチューブ)
55 冷媒戻り配管
55a 冷蔵用戻り配管
55b 冷凍用戻り配管
60 冷媒導通部材
61 扁平管
61a 折曲部
62 曲成部
63 上部領域
64 中部領域
65 下部領域
66 入口側ヘッダ
67 出口側ヘッダ
68 入口側配管
69 出口側配管
70 仕切板
71 仕切板
72 空気流路
73 フィン
85 仕切壁
85a 断熱材
85b 化粧カバー
87 吸込口
87a 上端
89 ルーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7