(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078760
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】包装装置及び計量包装システム
(51)【国際特許分類】
B65B 59/00 20060101AFI20230531BHJP
G01G 19/387 20060101ALI20230531BHJP
B65B 9/207 20120101ALI20230531BHJP
B65B 9/213 20120101ALI20230531BHJP
【FI】
B65B59/00
G01G19/387 D
B65B9/207
B65B9/213
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192028
(22)【出願日】2021-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】長島 良太
(72)【発明者】
【氏名】宮本 秀史
【テーマコード(参考)】
3E050
3E056
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050CA02
3E050CB01
3E050CB03
3E050CB09
3E050DC02
3E050DF01
3E050DF02
3E050DF03
3E050GB05
3E056AA05
3E056CA01
3E056FH15
3E056HA05
(57)【要約】
【課題】実質2台の包装装置の上部に組合せ計量装置を直に載せることのできる包装装置と、その包装装置と、その上に載せた組合せ計量装置とからなる計量包装システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明では、第1経路を介して投入される物品を袋に封入して包装する第1包装部と、第2経路を介して投入される物品を袋に封入して包装する第2包装部と、前記第1包装部及び前記第2包装部を取り囲むように配置される装置フレームと、を備え、前記第1包装部と前記第2包装部は、それらの間に前記装置フレームを介在させることなく併設され、前記装置フレームは、水平方向のフレーム部材と鉛直方向のフレーム部材との間に架け渡される補強部材を備えたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1経路を介して投入される物品を袋に封入して包装する第1包装部と、
第2経路を介して投入される物品を袋に封入して包装する第2包装部と、
前記第1包装部及び前記第2包装部が隣接状態で取り付けられる少なくとも4本の鉛直フレームと、を備え、
前記鉛直フレームの上端部は、前記第1包装部と前記第2包装部の上方に位置する水平フレームで連結されている包装装置。
【請求項2】
前記鉛直フレームと前記水平フレームとの間には、補強部材が架け渡されている、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記第1包装部と前記第2包装部は、それぞれ、
帯状フイルムを繰り出すフイルム供給部と、
繰り出された前記帯状フイルムをシリンダに巻き付けてチューブ状に成形するフォーマと、
前記シリンダに巻き付けられたチューブ状フイルムの合わせ目をシールする縦シール部と、
前記シリンダに巻き付けられた前記チューブ状フイルムを下方に搬送するプルダウンベルトと、
前記プルダウンベルトの下方において、前記チューブ状フイルムを、水平方向にシールして、ピロー状の袋の天と地を同時にシールする横シール部と、を備えたものである、
請求項1又は2に記載の包装装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装装置と、前記水平フレーム上に載置され、前記第1経路及び前記第2経路に、それぞれ物品を排出する組合せ計量装置と、
を備える、計量包装システム。
【請求項5】
前記組合せ計量装置は、
上方から供給される物品を水平方向に放射状に分散させて搬送する分散供給部と、
分散供給部を取り囲むように配置される複数のホッパ群と、
ホッパ群の下方に配置され、組合せ選択されたホッパから排出される物品を下方へ案内する左右に分離された第1集合シュート及び第2集合シュートと、を備え、
前記分散供給部と前記ホッパ群のそれぞれの制御系統は、前記第1集合シュートに物品を排出する第1グループと、第2集合シュートに物品を排出する第2グループとに、それぞれ分離されている、
請求項4に記載の計量包装システム。
【請求項6】
前記第1集合シュートの排出口と前記第1経路、並びに、前記第2集合シュートの排出口と前記第2経路とは、同軸上に配置されている、
請求項5に記載の計量包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置から排出される物品を袋に投入してシールする包装装置、並びに、上段に組合せ計量装置を配置し、下段に前記包装装置を配置した計量包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
架台に組合せ計量装置を載せ、その下方に包装装置を配置して、組合せ計量装置から排出される物品を包装装置で包装するようにしたシステムとしては、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この特許文献1のシステムでは、架台の占有面積が広くなるため、この架台を無くし、1台の包装装置の上に1台の組合せ計量装置を直に載せたものも開発されている。例えば下記特許文献2がそれである。
【0004】
また、2台の包装装置を隣接させる場合は、2台の組合せ計量装置を一体化させたものを用いるが、この場合には、併設された2台の包装装置上に、直に組合せ計量装置を載せることができないため、下記特許文献3に開示されるように、2台の包装装置に被さる櫓を構築し、その上に一体化された2台の組合せ計量装置を載せるようにしている。
【0005】
また、2台の組合せ計量装置を一体化する代わりに、下記特許文献4に開示されるように、1台の組合せ計量装置の集合シュートを二分割して、各集合シュートから2台の包装装置に物品を供給するようにしたものもある。この場合にも、櫓の上に組合せ計量装置を載せ、その櫓の下に2台の包装装置を併設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-156462号公報
【特許文献2】特開2019-001541号公報
【特許文献3】特開2018-184192号公報
【特許文献4】特開2020-153776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、隣接する包装装置に櫓を被せると、オペレータは、櫓の支持脚を避けながら作業することになるから、その支持脚が邪魔になる問題がある。また、包装装置をメンテナンスする場合は、包装装置を櫓の下から引き出して分解しなければならない場合があるため、メンテナンス要員にとっても、櫓が邪魔になる問題がある。
【0008】
本発明は、この問題を解決し、実質2台の包装装置の上部に組合せ計量装置を直に載せることのできる包装装置と、その包装装置と、その上に載せた組合せ計量装置とからなる計量包装システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る包装装置は、
第1経路を介して投入される物品を袋に封入して包装する第1包装部と、
第2経路を介して投入される物品を袋に封入して包装する第2包装部と、
前記第1包装部及び前記第2包装部が隣接状態で取り付けられる少なくとも4本の鉛直フレームと、を備え、
前記鉛直フレームの上端部は、前記第1包装部と前記第2包装部の上方に位置する水平フレームで連結されている。
【0010】
これにより、第1包装部と第2包装部が取り付けられる4本の鉛直フレーム上の水平フレームに、1トン近い組合せ計量装置を直に載せることができる。したがって、広い設置スペースを必要とする架台や、支持脚が邪魔になる櫓を使用する必要がないから、一体化された実質2台の包装装置の周囲に障害物のない作業スペースを確保することができる。
【0011】
また、前記鉛直フレームと前記水平フレームとの間には、補強部材が架け渡されていることを特徴とする。
【0012】
この補強部材は、四隅の直交するフレーム間に斜めに架け渡された直線状フレームでも良いし、アーチ状のフレームでも良い。これにより、1トン近い組合せ計量装置を載せる水平フレームの剛性を高めることができる。
【0013】
第1包装部と第2包装部は、それぞれ、帯状フイルムを繰り出すフイルム供給部と、繰り出された帯状フイルムをシリンダに巻き付けてチューブ状に成形するフォーマと、前記シリンダに巻き付けられたチューブ状フイルムの合わせ目をシールする縦シール部と、前記シリンダに巻き付けられた前記チューブ状フイルムを下方に搬送するプルダウンベルトと、前記プルダウンベルトの下方において、前記チューブ状フイルムを、水平方向にシールして、ピロー状の袋の天と地を同時にシールする横シール部と、を備えたものである。
【0014】
これにより、第1包装部と第2包装部は、それぞれ縦型製袋包装機の機能を備える。また、これらの包装部は、隣接されると共に、両者の境界面で面対称に配置される。例えばフイルムロールを支持する片持ち式の支持シャフトにおいては、それらの開放端が、それぞれ外側に向けられ、勝手反対の各開放端からフイルムロールが支持シャフトに挿入できるようになっている。
【0015】
また、第1経路と第2経路は、組合せ計量装置の二つの集合シュートの排出口の直下に配置される、鉛直方向に伸びるシュートである。また、そのシュートと、そのシュート直下の漏斗状ホッパとで、これらの経路を構成しても良い。この場合の漏斗状ホッパは、フイルムが巻き付けられるシリンダの上部に接続されるホッパである。
【0016】
本発明に係る計量包装システムは、前述の包装装置と、前記水平フレーム上に載置されて、前記第1経路及び前記第2経路にそれぞれ物品を排出する組合せ計量装置と、を備えたものである。
【0017】
この組合せ計量装置は、上方から供給される物品を水平方向に放射状に分散させて搬送する分散供給部と、分散供給部を取り囲むように配置される複数のホッパ群と、ホッパ群の下方に配置され、組合せ選択されたホッパから排出される物品を下方へ案内する左右に分離された第1集合シュート及び第2集合シュートと、を備え、
前記分散供給部と前記ホッパ群のそれぞれの制御系統は、前記第1集合シュートに物品を排出する第1グループと、第2集合シュートに物品を排出する第2グループとに、それぞれ分離されている。
【0018】
これにより、複数のホッパが平面視円形に配置された一台の組合せ計量装置でありながら、第1グループのホッパ群で組み合わされた物品は、第1集合シュートから第1経路を介して第1包装部に投入され、第2グループのホッパ群で組み合わされた物品は、第2集合シュートから第2経路を介して第2包装部に投入されるから、それぞれ独立した袋でもって包装することができる。
【0019】
また、第1集合シュートの排出口と前記第1経路、並びに、第2集合シュートの排出口と前記第2経路とは、同軸上に配置されている。
【0020】
これにより、第1集合シュートから排出された物品は、第1経路をダイレクトに通過して、チューブ状の袋に投入され、第2集合シュートから排出された物品も、第2経路をダイレクトに通過して、チューブ状の袋に投入されるから、これらを通過する際に生ずる物品の尾曳き長さを短くすることができるから、包装装置の運転速度をより高速化させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の包装装置によれば、実質2台の包装装置のフレーム上に二つの物品排出口を有する組合せ計量装置を直に載せることができるから、包装装置の周囲に障害物のない作業スペースを確保することができる。
また、隣接する2台の包装部と二つの排出口を有する1台の組合せ計量装置とを備えた計量包装システムでありながら、コンパクトで、コストを抑えたシステムとすることができるから、設置面積当たりの生産性を向上させることができる計量包装システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る計量包装システムの一実施形態の正面図
【
図2】本発明に係る計量包装システムの一実施形態の側面図
【
図3】上記計量包装システムの制御系統の一例を示すブロック線図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、この実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、一実施形態に係る計量包装システム1の正面図、
図2は、その側面図である。また、以下の説明において、前後方向とは、
図1の正面側を前側とし、その反対側を後側とする方向である。
【0024】
<全体構成>
これらの図において、計量包装システム100は、下段の包装装置Bと、その上部に載置される組合せ計量装置Wと、組合せ計量装置Wから排出される物品を包装装置Bへ案内するシュートSとを備えている。このシュートSには、金属検出器MDが取り付けられ、そこを通過する物品に対し、金属片の有無を検査するようになっているが、このシュートSを無くす場合もあれば、このシュートSに代えて、物品を一時的に貯留して排出するタイミングホッパを設ける場合もある。
【0025】
<包装装置の構成>
包装装置Bは、第1包装部B1と、第2包装部B2と、それらが隣接状態で取り付けられる4本の鉛直フレーム1と、各鉛直フレーム1の上端部に接合される枡形の水平フレーム2と、直交する鉛直フレーム1と水平フレーム2との間に架け渡される補強部材3とを備えている。また、包装装置Bの正面側を覆うカバー部材CMに沿って配置される2本の鉛直フレーム1R、1L間には、水平方向の補強ビーム4が中程に取り付けられている。なお、後側の鉛直フレーム1間には、この補強ビームは、設けられていない。
【0026】
これらのフレーム1~4は、例えば角形鋼管を使用しているが、鋼材の形状は、角形には限定されない。また、水平フレーム2上に設置される組合せ計量装置Wは、1トン近い重さがあるため、水平フレーム2と鉛直フレーム1との間に、補強部材3を斜めに取り付けている。また、この補強部材3が、アーチ状であっても良い。さらに、計量精度に影響を及ぼす振動を抑制するために、組合せ計量装置WのベースボックスBBの底面と、水平フレーム2の上面との間には、防振ゴムRを介在させている。また、組合せ計量装置Wと包装装置Bとの水平レベルを調整するために、鉛直フレーム1の下端部と、包装装置Bの底面とに、脚の長さが調整可能なアジャスターボルトABを取り付けている
【0027】
図1において、正面視左側の第1包装部B1と、右側の第2包装部B2は、それぞれ、
図2のフイルムロールFRから帯状フイルムを繰り出すフイルム供給部FFと、繰り出された帯状フイルムをシリンダCYに巻き付けてチューブ状に成形するフォーマFMと、シリンダCYに巻き付けられたチューブ状フイルムTFの合わせ目をシールする縦シール部VSと、シリンダCYに巻き付けられたチューブ状フイルムTFを下方に搬送するプルダウンベルトPBと、プルダウンベルトPBの下方で、チューブ状フイルムTFを水平方向にシールして、ピロー状の袋の天と地をシールする横シール部HSと、を備えたものである。なお、この横シール部HSには、先行する袋の天と、後続する袋の地とを分断するカッターが内蔵されている。
【0028】
第1包装部B1と第2包装部B2のこれらの構成要素は、両者の境界壁BWに対し、面対称に配置されていると共に、図示しないフレームに取り付けられ、さらにそのフレームは、鉛直フレーム1に固定されている。
また、第1包装部B1と第2包装部B2の制御系統は、後述するように、分離されて、それぞれの包装部B1、B2が、独立して動作するように構成されている。そのため、包装装置Bの両サイドには、各包装部B1、B2を操作する操作パネルCPが設けられている。なお、この操作パネルCPの位置は、サイドには限定されない。
【0029】
フォーマFMは、正面側から前後方向にスライド可能に設けられて、袋サイズに応じてフォーマFMが交換できるようになっている。また、左右のプルダウンベルトPBと、シリンダCY中央に位置する縦シール部VSとは、シリンダCYに対し、近接離反可能に取り付けられている。これにより、チューブ状フイルムTFをシリンダCYに巻き付けるときは、プルダウンベルトPBと縦シール部VSとをシリンダCYから離反させ、続く運転に際しては、それらがシリンダCYに密着してチューブ状フイルムTFをシリンダCYに押し付けるようになっている。
【0030】
横シール部HSは、前後方向に対向配置された一対のヒータユニットを、水平方向と鉛直方向とに旋回させるボックスモーションタイプのものである。ただし、これには限定されず、例えば一対のヒータユニットを水平方向に往復運動させるレシプロタイプや、回転軸回りに回転させるロータリータイプ、さらには、シールユニットをD字状に旋回させるDモーションタイプであっても構わない。
【0031】
包装装置Bの後部には、フイルムロールFRから帯状フイルムを繰り出すフイルム供給部FFと、スプライサーSPとが配置されている。スプライサーSPは、フイルム供給部FFに新たにセットされたフイルム先端部と、先行するフイルム後端部とを接合するものである。したがって、フイルムロールFRから繰り出された帯状フイルムは、複数のガイドバーと、スプライサーSPの接合操作面と、複数のガイドローラとを介してフォーマFMに供給されるようになっている。
【0032】
フイルム供給部FFは、
図2では、紙面と直交する方向に併設され、それらは、片持式のロール支持シャフトSSを備えている。この支持シャフトSSは、図示しない駆動部に連結され、連続モーションに設定されている場合は、フイルムロールFRの巻径に応じた回転速度でもって回転制御されることにより、フイルムロールFRから一定速度でフイルムが繰り出されるようになっている。また、左右のロール支持シャフトSSは、勝手反対に取り付けられ、左右の外向き開放端からフイルムロールFRが装着できるようになっている。
【0033】
一方、包装装置Bの正面側には、横シール部HSから排出された袋を機外に搬出するベルトコンベアBCと、その下流側において、袋のシール不良を検査するシールチェッカーとが設けられる。なお、
図2では、シールチェッカーを省略している。また、シールチェカーの下流側には、所定数の袋をダンボールケースに詰める、図示しない箱詰め装置が配置される。
【0034】
<組合せ計量装置の構成>
組合せ計量装置Wは、分散供給部FUと、その周囲に円形に配置された複数のホッパ群HUと、ホッパ群HUの下方に配置されて、組合せ選択されたホッパから排出される物品を下方へ案内する第1集合シュートCS1と第2集合シュートCS2と、を備えている。
【0035】
分散供給部FUは、矢印で示すように、図示しない外部装置から供給される物品を水平方向に放射状に分散させるもので、中央の分散フィーダDFと、その周囲に放射状に配列された複数の放射フィーダRFとを備えたもので、それらのフィーダは、電磁バイブレータに連結されたトラフを振動させて、物品を搬送するようになっている。また、中央の分散フィーダDFは、第1集合シュートCS1と第2集合シュートCS2とに対応させて、二分割されている。また、各フィーダDF、RFは、後述の制御部C0によって、動作時間と振動強度が個別に制御されるようになっている。なお、これらの図では、左右に位置する放射フィーダRFだけを描いているが、これらは、分散フィーダDFの回りに等間隔に放射状に配列されている。
【0036】
ホッパ群HUは、各放射フィーダRFに対応する位置に配置された上段のプールホッパPHと、中段の計量ホッパWPと、下段のブースターホッパBHとで構成され、それらに装備されるゲートは、後述の制御部C0によって開閉制御されるように構成されている。なお、図では、左右に位置するホッパ群HUだけを描いているが、上下三段の各ホッパは、ゲートの開閉駆動部や荷重センサ等が収納された筐体BDの周囲に等間隔に配置されている。
【0037】
プールホッパPH,計量ホッパWH,ブースターホッパBHは、何れも開閉ゲートを備えるが、計量ホッパWHは、特に外側ゲートG1と内側ゲートG2とを備え、内側ゲートG2が開閉されると、計量された物品が、計量ホッパWHからブースターホッパBHに投入され、外側ゲートG1が開閉されると、計量された物品が、第1集合シュートCS1又は第2集合シュートCS2に排出されるようになっている。
【0038】
第1集合シュートCS1と、第2集合シュートCS2は、上部の投入口が大きく、下部の排出口が小さい上下三段のシュートで構成されている。すなわち、
図1において、第1集合シュートCS1の上段シュートS1は、その上部投入口が、左側に位置する円弧状に配列された複数のブースターホッパBHを囲む形状であり、その下部排出口は、中段シュートS2の上部投入口の内側に沿う形状である。同様に第2集合シュートCS2の上段シュートS1は、その上部投入口が、右側に位置する円弧状に配列された複数のブースターホッパBHを囲む形状であり、その下部排出口が、中段シュートS2の上部投入口の内側に沿う形状である。また、各集合シュートCS1,CS2の中段シュートS2は、その上部投入口が、上段シュートS1の下部排出口を囲み、下部排出口が、下段シュートS3の上部投入口の内側に沿う形状である。さらに、各下段シュートS3は、それぞれの上部投入口が、中段シュートS2の下部排出口を囲む形状である。なお、
図1,2の上段シュートS1は、紙面に沿って切断された状態の断面を表している。
【0039】
また、上段シュートS1と中段シュートS2は、鉛直方向で複数片に分割され、分割された各シュート片を、図示しないハンガーに引っ掛けることにより、連続したシュート形状になる。また、下段シュートS3は、分割不能であるが、ベースボックスBBに対し、着脱可能に取り付けられている。
【0040】
各集合シュートCS1、CS2の排出口の直下には、鉛直方向に伸びるシュートSがそれぞれ配置され、それらのシュートSは、上下二段のシュートSS1、SS2を備えている、これらのシュートSS1、SS2は、上部の投入口が大きく、下部の排出口が小さい円筒形で、下段のシュートSS2の外周には、金属検出器MDが取り付けられている。
【0041】
<第1経路と第2経路の構成>
したがって、第1包装部B1に物品を投入する第1経路RT1は、このシュートSで構成されるが、そのシュートSに、その直下の漏斗状ホッパHを加えたものを第1経路RT1としても良い。同様に、第2包装部B2に物品を投入する第2経路RT2は、このシュートS、もしくは、このシュートSとその直下の漏斗状ホッパHとで構成される。
【0042】
また、第1集合シュートCS1の排出口と第1経路RT1、並びに、第2集合シュートCS2の排出口と第2経路RT2は、いずれも同軸上に配置されている。これにより、第1集合シュートCS1から排出された物品は、第1経路RT1をダイレクトに通過して、チューブ状の袋に投入され、第2集合シュートCS2から排出された物品も、第2経路RT2をダイレクトに通過して、チューブ状の袋に投入されるから、これらを通過する物品の尾曳き長さを抑えて、包装装置Bの運転速度を高速化させることができる。
【0043】
<制御系の構成>
図3は、組合せ計量装置Wと包装装置Bの制御系のブロック線図を示す。この図において、第1包装部B1は、自身のフイルム供給部FF、プルダウンベルトPB、縦シール部VS、横シール部HSをそれぞれ制御する第1制御部C1を有し、第2包装部B2は、同じく自身のフイルム供給部FF、プルダウンベルトPB、縦シール部VS、横シール部HSをそれぞれ制御する第2制御部C2を有する。これらの制御部C1、C2は、それぞれマイクロコンピュータで構成され、それぞれに内蔵されたプログラムを実行することにより、第1包装部B1と第2包装部B2が、それぞれ独立して運転制御されるようになっている。その際、一方が運転休止中でも、他方は、運転可能とされる。
【0044】
また、各制御部C1、C2には、操作パネルCU1、CU2が接続され、互いに独立して運転操作できるようになっている。さらに、各制御部C1、C2は、組合せ計量装置Wの制御部C0と信号線SLを介して接続されている。この信号線SLは、例えば第1包装部B1が包装可能状態になると、第1包装部B1の制御部C1は、組合せ計量装置Wの制御部C0に対し、排出要求信号を出力する。すると、組合せ計量装置Wの制御部C0は、後述の第1グループG1に属する計量ホッパWH及び/又はブースターホッパBHから、組合せ選択された物品を第1包装部B1に向けて排出する。同様に、第2包装部B2の制御部C2から排出要求信号が出力されると、後述の第2グループG2に属する計量ホッパWH及び/又はブースターホッパBHから、組合せ選択された物品が第2包装部B2に向けて排出される。この場合の物品の排出タイミングは、排出要求信号の出力タイミングに依存するため、各制御部C1、C2から排出要求信号が同時に出力されれば、第1グループG1と第2グループG2から同時に物品が排出され、各制御部C1、C2の排出要求信号が異なるタイミングで出力されれば、異なるタイミングで物品が排出される。
【0045】
なお、組合せ計量装置Wにおいて、上流から供給される物品が不足して、組合せ選択された物品が排出できなくなると、制御部C0は、包装装置Bに対し待機信号を出力する。これにより、包装装置Bは、待機状態になる。
【0046】
組合せ計量装置Wの制御部C0も、マイクロコンピュータで構成され、内臓のプログラムを実行することにより、分散供給部RU、プールホッパPH、計量ホッパWH、ブースターホッパBHの各駆動部が個別に駆動制御される。そして、第1包装部B1の制御部C1から排出要求信号を受け取ると、組合せ計量装置Wの制御部C0は、第1集合シュートCS1に対応する第1グループG1の分散供給部RU、プールホッパPH、計量ホッパWH、ブースターホッパBHの各駆動部を制御して、第1集合シュートCS1に所定質量の物品を排出させる。同様に第2包装部B2の制御部C2から排出要求信号を受け取ると、制御部C0は、第2集合シュートCS2に対応する第2グループG2の分散供給部RU、プールホッパPH、計量ホッパWH、ブースターホッパBHの各駆動部を制御して、第2集合シュートCS2に所定質量の物品を排出させるように動作する。
【0047】
なお、この組合せ計量装置Wは、初期設定において、ホッパ群HUを任意のグループに分割できるようになっているが、この実施形態では、第1集合シュートCS1に対応するホッパ群HUと分散供給部FUとを第1グループG1として登録し、第2集合シュートCS2に対応するホッパ群HUと分散供給FUとを第2グループG2として登録している。
【0048】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、特許請求の範囲内で種々の実施形態も採用可能である。例えばこの実施形態では、集合シュートが、第1集合シュートと第2集合シュートに分割された組合せ計量装置を使用したが、これに代えて、特許文献3に示すような、実質2台の組合せ計量装置を一体化させた組合せ計量装置を使用することもできる。
【0049】
また、この実施形態では、第1包装部B1を操作する操作ボックスと、第2包装部B2を操作する操作ボックスとを設けたが、これを一つにまとめたものを、側面ではなく、正面に取り付けて、操作画面上で、右マシーン、左マシーンを指定してから、それぞれを独立に操作できるようにしても良い。
【符号の説明】
【0050】
RT1 第1経路
RT2 第2経路
B1 第1包装部
B2 第2包装部
1 鉛直フレーム
2 水平フレーム
3 補強部材
W 組合せ計量装置
B 包装装置
100 計量包装システム
FF フイルム供給部
CY シリンダ
FM フォーマ
PB プルダウンベルト
VS 縦シール部
HS 横シール部
FU 分散供給部
HU ホッパ群
CS1 第1集合シュート
CS2 第2集合シュート
G1 第1グループ
G2 第2グループ