(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078851
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】アロマディフューザ及びアロマ液容器
(51)【国際特許分類】
A61L 9/14 20060101AFI20230531BHJP
【FI】
A61L9/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192157
(22)【出願日】2021-11-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼2021年9年1日~2021年9月30日 b8ta有楽町店にて展示 ▲2▼2021年9月3日 ウェブサイトにて公開(株式会社マクアケ) ▲3▼2021年8月15日 ウェブサイトにて公開(株式会社ブレインスリープ) ▲4▼2021年9月3日 ウェブサイトにて公開(株式会社ワン・パブリッシング) ▲5▼2021年9月24日 刊行物「kiitos.」にて公開 ▲6▼2021年9月1日 ウェブサイトにて公開(株式会社PR TIMES)
(71)【出願人】
【識別番号】512269546
【氏名又は名称】株式会社カドー
(71)【出願人】
【識別番号】519186392
【氏名又は名称】株式会社ブレインスリープ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古賀 宣行
(72)【発明者】
【氏名】喜内 一彰
(72)【発明者】
【氏名】小熊 辰之介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健
(72)【発明者】
【氏名】道端 孝助
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA13
4C180CB01
4C180GG08
4C180GG19
4C180LL06
(57)【要約】
【課題】ユーザの入眠と起床とを快適化する。
【解決手段】アロマディフューザは、筐体、香放散装置、拡散部材、第1及び第2の発光装置を備える。筐体は、光を透過可能である。香放散装置は、筐体の上面部に備えられ、第1のアロマ液を上へ噴霧させる第1の超音波振動子と第2のアロマ液を上へ噴霧させる第2の超音波振動子とを含む。拡散部材は、筐体の内側に備えられ、光を減衰可能である。第1の発光装置は、筐体の内側に備えられ、水平方向の第1の光を照射する。第2の発光装置は、筐体の内側に備えられ、下方向の第2の光を照射する。拡散部材の底面部は、筐体の底面部から浮いた構造である。第1の発光装置によって発生された水平方向の第1の光は、拡散部材を透過し、筐体の側面部の一部から外部へ照射される。第2の発光装置によって発生された下方向の第2の光は、拡散部材を透過し、筐体の側面部の少なくとも下部から外部へ照射される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が光を透過可能な筐体と、
前記筐体の上面部に備えられ、第1のアロマ液を上へ噴霧させる第1の超音波振動子と第2のアロマ液を上へ噴霧させる第2の超音波振動子とを含む香放散装置と、
前記筐体の内側に備えられ、透過する光を減衰可能な拡散部材と、
前記筐体の内側に備えられ、水平方向の第1の光を照射する第1の発光装置と、
前記筐体の内側に備えられ、下方向の第2の光を照射する第2の発光装置と、
前記筐体の内側に備えられ、前記第1の超音波振動子と、前記第2の超音波振動子と、前記第1の発光装置と、前記第2の発光装置とを制御する制御装置と、
を具備し、
前記拡散部材の底面部は、前記筐体の底面部から浮いた構造を有しており、
前記第1の発光装置によって発生された前記水平方向の前記第1の光は、前記拡散部材を透過し、前記筐体の側面部の一部から外部へ照射され、
前記第2の発光装置によって発生された前記下方向の前記第2の光は、前記拡散部材の少なくとも下部を透過し、前記筐体の前記側面部の少なくとも下部から外部へ照射される、
アロマディフューザ。
【請求項2】
前記上面部とアロマディフューザ本体とは、着脱可能であり、
前記上面部の裏面側に、前記第1のアロマ液を収容する第1のアロマ液容器と、前記第2のアロマ液を収容する第2のアロマ液容器とを取り付け可能である、
請求項1のアロマディフューザ。
【請求項3】
前記アロマディフューザ本体の上面に、前記制御装置と電気的に接続されている第1のコネクタを備えており、
前記上面部の裏面に、前記第1の超音波振動子及び第2の超音波振動子と電気的に接続されている第2のコネクタを備えており、
前記上面部が前記アロマディフューザ本体に装着された場合に、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが接続される、
請求項2のアロマディフューザ。
【請求項4】
前記側面部における下側の位置に、外部から前記筐体の内側へ冷却風を取り入れるための給気口を具備し、
前記側面部と前記上面部との間に、前記筐体の内側から前記外部へ前記冷却風を排出する開口部を具備する、
請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項のアロマディフューザ。
【請求項5】
前記第1の発光装置によって発生された第1の光を、指向性を有する面状の光に変換する第1のレンズをさらに具備する、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項のアロマディフューザ。
【請求項6】
前記第2の発光装置によって発生された下方向の第2の光を、前記側面部を照らすように調光する第2のレンズをさらに具備する、請求項1乃至請求項5のうちのいずれか1項のアロマディフューザ。
【請求項7】
第1の動作時に、第1のアロマ液を霧化する第1の超音波振動子と、
第2の動作時に、第2のアロマ液を霧化する第2の超音波振動子と、
光を発生させる発光装置と、
前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子と前記発光装置とを制御し、前記第1の動作時又は前記第2の動作時において、設定時間に応じて前記発光装置によって発生される光の特性を変化させる制御装置と、
を具備する、アロマディフューザ。
【請求項8】
前記制御装置は、起床動作時に、前記第1の光に対するフェードイン処理を実行し、
前記制御装置は、入眠動作時に、前記第2の光に対するフェードアウト処理を実行する、
請求項1乃至請求項7のうちのいずれか1項のアロマディフューザ。
【請求項9】
前記制御装置は、起床動作時に、赤光の強度を、緑光及び青光の強度よりも強くし、徐々に前記赤光の強度を低下させる、請求項1乃至請求項8のうちのいずれか1項のアロマディフューザ。
【請求項10】
アロマ液を収容し、上部開口部を備える容器本体と、
一端が前記容器本体の内部に収容され、他端が前記上部開口部より上に位置する吸水芯と、
前記吸水芯が貫通する孔を備えており、前記吸水芯を支持し、前記上部開口部に対して固定されるホールド部と、
前記容器本体に着脱可能であり、前記容器本体に装着された場合に、前記上部開口部と前記ホールド部から突出している前記吸水芯の前記他端とを覆うキャップと、
を具備し、
一端が前記容器本体の内側の底面に接触し、他端が前記吸水芯の前記一端側に装着されるばねをさらに具備し、
前記ばねは、前記ばねの前記一端側のスパイラルの内径が前記ばねの前記他端側のスパイラルの内径よりも大きい、
アロマ液容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマディフューザ及びアロマ液容器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の香料容器を収容可能なアロマディフューザが特開2019-126538号公報(以下、特許文献1という)に開示されている。
【0003】
特許文献1のアロマディフューザは、ポンプを駆動することで吹出経路に空気を送出して香料成分を香料容器から吹出経路に放出させる。特許文献1のアロマディフューザは、予め設定された揮散量比率となるように複数の揮散機構を駆動するように制御する。特許文献1のアロマディフューザの揮散条件として睡眠モードがある。揮散条件は、スケジュール機能に従って動作し、設定された時刻から徐々に揮散量を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザの入眠と起床とをより心地よくするアロマディフューザが望まれる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ユーザの入眠と起床とを快適化するためのアロマディフューザ及びアロマ液容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザは、少なくとも一部が光を透過可能な筐体と、筐体の上面部に備えられ、第1のアロマ液を上へ噴霧させる第1の超音波振動子と第2のアロマ液を上へ噴霧させる第2の超音波振動子とを含む香放散装置と、筐体の内側に備えられ、透過する光を減衰可能な拡散部材と、筐体の内側に備えられ、水平方向の第1の光を照射する第1の発光装置と、筐体の内側に備えられ、下方向の第2の光を照射する第2の発光装置と、筐体の内側に備えられ、第1の超音波振動子と、第2の超音波振動子と、第1の発光装置と、第2の発光装置とを制御する制御装置とを備える。拡散部材の底面部は、筐体の底面部から浮いた構造を有している。第1の発光装置によって発生された水平方向の第1の光は、拡散部材を透過し、筐体の側面部の一部から外部へ照射される。第2の発光装置によって発生された下方向の第2の光は、拡散部材を透過し、筐体の側面部の少なくとも下部から外部へ照射される。
本発明の第2の実施形態に係るアロマ液容器は、アロマ液を収容し、上部開口部を備える容器本体と、一端が容器本体の内部に収容され、他端が上部開口部より上に位置する吸水芯と、吸水芯が貫通する孔を備えており、吸水芯を支持し、上部開口部に固定されるホールド部と、容器本体に着脱可能であり、容器本体に装着された場合に、上部開口部とホールド部から突出している吸水芯の他端とを覆うキャップとを備え、一端が容器本体の内側の底面に接触し、他端が吸水芯の一端側に装着されるばねをさらに備える。ばねは、ばねの一端側の巻き線の内径がばねの他端側の巻き線の内径よりも大きい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの入眠と起床とを快適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザの構成の一例を示すブロック断面図。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザの一例を示す正面外観図。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザの一例を示す背面外観図。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザの一例を示す斜視図。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザの一例を示す断面斜視図。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザの上面部とアロマ液容器との設置関係の例を示す上方斜視図。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザの上面部とアロマ液容器との設置関係の例を示す下方斜視図。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係るアロマディフューザにおけるアロマ液容器の収容部の一例を示す斜視図。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係るアロマ液容器の一例を示す縦方向の断面図。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係るアロマ液容器に備えられる吸水芯の下端側の一例を示す断面図。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係るアロマ液容器に備えられる吸水芯の上端側と超音波振動子との接触状態の一例を示す断面図。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係るアロマディフューザに備えられる起床用発光装置と第1のレンズとの関係の例を示す斜視図。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係るアロマディフューザに備えられる入眠用発光装置と第2のレンズとの関係の例を示す断面図。
【
図14】本発明の第3の実施形態に係るアロマディフューザの上面部の例を示す正面斜視図。
【
図15】本発明の第3の実施形態に係るアロマディフューザの動作の切り替え状態の例を示す図。
【
図16】本発明の第3の実施形態に係るアロマディフューザの入眠制御の例を示すグラフ。
【
図17】本発明の第3の実施形態に係るアロマディフューザの起床制御の例を示すグラフ。
【
図18】本発明の第3の実施形態に係るアロマディフューザの起床光の変化の第1の例を示すグラフ。
【
図19】本発明の第3の実施形態に係るアロマディフューザの起床光の変化の第2の例を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。図面において、同一の機能及び構成要素については、同一符号を付して説明を省略するか、又は、簡単に説明を行う。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ1の構成の一例を示すブロック断面図である。
図1の左側がアロマディフューザ1の正面側に対応し、
図1の右側がアロマディフューザの背面側に対応する。
図2は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ1の一例を示す正面外観図である。
図3は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ1の一例を示す背面外観図である。
図4は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ1の一例を示す斜視図。
図5は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ1の一例を示す断面斜視図である。
【0012】
アロマディフューザ1は、筐体2、接続端子3、拡散部材4、発光装置5a,5b、香放散装置6、音出力装置7、インタフェース装置8、通信装置9、制御装置10を備える。
【0013】
筐体2は、円柱状である。なお、筐体2は、底面及び上面と平行な径(幅)が、下部から上部へ向かうにつれて徐々に大きくなるような形状(下部から上部へかけて徐々に太くなり垂直方向において下から上にいくほど広がる形状)でもよい。筐体2は、円柱状に限定されるものではなく、例えば、立方体状、球状、円盤状などの他の形状でもよい。
【0014】
筐体2のうちの少なくとも一部(側面部2a)は、円筒状であり、光を透過可能な透明又は半透明である。側面部2aのうちの一部分は、正面部21である。側面部2aのうち正面部21に対向する部分は、背面部22であるとする。
【0015】
入眠動作時には、例えば、側面部2aの全体が発光するとしてもよい。起床動作時には、例えば、側面部2aのうちの正面部21が発光するとしてもよい。
【0016】
側面部2aのうちの背面部22には、外部から供給される電力をアロマディフューザ1の内部に引き入れるため電線を接続するための接続端子3、及び、アロマディフューザ1の内部に冷却風を取り入れるための給気口11が形成されている。接続端子3は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子としてもよい。給気口11は、例えば、側面部2aの背面部22における中央の位置より下側の位置に形成されてもよい。給気口11は、接続端子3の上方に形成されてもよい。外部から接続端子3経由で供給された電力は、例えば、発光装置5a,5b、香放散装置6、音出力装置7、インタフェース装置8、通信装置9、制御装置10に供給される。
【0017】
筐体2の上面部2bには、霧化されたアロマ液を上方向へ放散するための2つの孔12a,12bが垂直方向に形成されている。
【0018】
筐体2の円板状の上面部2bと、アロマディフューザ1から上面部2bを取り外したアロマディフューザ本体1aとの間には、筐体2の内側から外部へ空気(冷却風)を排出し、かつ、音出力装置7によって発せられた音を通過させるための開口部2cが設けられている。
【0019】
拡散部材4は、垂直方向の断面がU字状であり、下に凸な状態で筐体2の内側に収容される。拡散部材4の下部は、例えば、半球状とする。拡散部材4の下部ではない他の部分は、例えば、対向する筐体2の側面部2aと同心の円筒状であり、筐体2の側面部2aの内側に存在する。
【0020】
拡散部材4は、筐体2の内側に配置され、上を向いて開いている。拡散部材4は、光を下へ発する入眠用の発光装置5bを収容するように配置される。拡散部材4は、例えば、半透明又は透明としてもよい。第1の実施形態において、拡散部材4の半球状の底面部(下部)は、筐体2の底面部と接するのではなく、筐体2の底面部から空隙を介して浮いた状態で配置される。この場合、入眠用の発光装置5bによって下方向へ発せられた光は、拡散部材4のうちの少なくとも下部(筐体2の底面部から浮いた状態である拡散部材4における半球状の底面部)を透過し、筐体2の側面部2aの少なくとも下部から外部へ照射される。アロマディフューザ1において、発光装置5aによって発生された起床光は、拡散部材4を透過し、筐体2の側面部2aの一部(正面部21)から外部へ照射される。
【0021】
拡散部材4は、例えば、透過する光を所定の範囲まで減衰可能なポリマー系の拡散材を含む射出成型部材でもよく、例えば、全光透過率が50%~70%の範囲としてもよい。
【0022】
発光装置5a,5bは、例えば、ユーザの入眠及び起床を支援するための発光を行う。第1の実施形態において、発光装置5a,5bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)でもよく、OLED(Organic Electro Luminescence)でもよい。
【0023】
第1の実施形態において、複数個の起床用の発光装置5aは、筐体2及び拡散部材4の内側に備えられている。複数個の発光装置5aは、拡散部材4を介して筐体2の側面部2aの正面部21と対向する。複数個の発光装置5aは、水平方向に、拡散部材4、側面部2aの正面部21経由で外へ向けて光を発光する。複数個の発光装置5aは、ほぼ垂直方向に配列される。
【0024】
発光装置5aは、例えば、メラトニンの生成を抑制し脳の目覚めを促す波長の光を発するとしてもよい。具体的には、発光装置5aは、例えば、470nm以上525nm以下の光を発するとしてもよく、より好ましくは、470nmの光を発するとしてもよい。
【0025】
第1の実施形態において入眠用の発光装置5bは、アロマディフューザ1の内側下部に配置される。より具体的には、発光装置5bは、筐体2及び拡散部材4の内側であり、筐体2の底面部から所定の距離をあけて、筐体2の底面部と対向するように配置される。発光装置5bは、下方向に入眠光を照射する。入眠光は、拡散部材4及び筐体2の少なくとも側面部2aを透過して、外部へ照射される。
【0026】
給気口11からアロマディフューザ1の内部に侵入した空気は、発光装置5b及び発光装置5aを冷却し、筐体2の上面部2bと、アロマディフューザ本体1aとの間に形成されている開口部2cから放出される。
【0027】
なお、給気口11から開口部2cまでの空気の流路に、放熱フィン13などが形成されてもよい。これにより、アロマディフューザ1の放熱効果を向上させることができる。
【0028】
香放散装置6は、筐体2の上面部2bに備えられる。香放散装置6は、制御装置10からの指令にしたがって2つのアロマ液容器(例えば、アロマボトル)内のアロマ液を2つの超音波振動子6a,6bを用いて霧化し、上へ向けて噴霧する。香放散装置6は、
図6乃至
図11を用いて後で説明する。
【0029】
音出力装置7は、例えばスピーカでもよい。音出力装置7は、アロマディフューザ1の筐体2及び拡散部材4の内側に備えられる。より具体的には、音出力装置7は、例えば、アロマ液容器を収容する収容部の外壁と拡散部材4との間に設置され、開口部2cに向かって斜めに配置される。また、音出力装置7は、超音波振動子6a,6bよりも下に配置される。音出力装置7によって発生された音は、開口部2cを抜けて外部に出力される。
【0030】
インタフェース装置8は、ユーザからの操作・指示を受け付け、ユーザの操作・指示を示す信号を制御装置10へ送信する。
【0031】
インタフェース装置8は、制御装置10から状態を示す信号を受信し、ユーザに通知する。
【0032】
通信装置9は、例えばスマートフォンなどのような外部装置からの信号を受信し、受信した信号を制御装置9に送信する。
【0033】
通信装置9は、制御装置9からの信号を受信し、外部装置へ送信する。
【0034】
通信装置9と外部装置とは、例えば、規格化されている近距離用の無線通信、又は、無線LAN(Local Area Network)を用いた通信を実行する。
【0035】
制御装置10は、筐体2及び拡散部材4の内側に備えられる。制御装置10は、インタフェース装置8から受信した信号、又は、通信装置9から受信した信号に基づいて、発光装置5a,5b、香放散装置6に備えられる超音波振動子6a,6b、音出力装置7を制御し、制御の状態を示す信号を、インタフェース装置8、又は、通信装置9へ送信する。制御装置10は、例えば、プロセッサ10aと、記憶装置10bとを含むとしてもよい。プロセッサ10aは、記憶装置10bに記憶されているプログラム10cを実行し、記憶装置10bに記憶されているデータ10dを使用して、発光装置5a,5b、香放散装置6に備えられる超音波振動子6a,6b、音出力装置7を制御する。なお、制御装置10は、例えば、電子回路などのようなハードウェアのみで実現されてもよい。
【0036】
プロセッサ10aは、例えば、プログラム10cを実行することにより、光制御部10e、香制御部10f、音制御部10gとして機能する。
【0037】
プロセッサ10aは、設定されたデータ10d、インタフェース部8から受信した信号、通信装置9から受信した信号に応じて、発光装置5a,5b、香放散装置6に備えられる超音波振動子6a,6b、音出力装置7を制御する。第1の実施形態において、プロセッサ10aは、入眠(スリープ)動作時と起床(ウェイクアップ)動作時とで、発光装置5a,5b、香放散装置6に備えられる超音波振動子6a,6b、音出力装置7の制御状態を切り替える。
【0038】
データ10dは、例えば、入眠設定時刻、入眠動作時間、起床設定時刻、起床設定時刻より前であり起床動作を開始する時刻(起床動作開始時刻)、起床動作時間などを含むとしてもよい。データ10dは、例えば、起床設定時刻から起床動作開始時刻を決定するために使用される値を含むとしてもよい。
【0039】
データ10dは、例えば、入眠動作時間における入眠光の変化データ、起床動作時間における起床光の変化データ、入眠動作時のアロマ液の噴霧量、起床動作時のアロマ液の噴霧量、入眠動作時の音量変化データ、起床動作時の音量変化データなどを含むとしてもよい。
【0040】
第1の実施形態において、データ10dに含まれる各種の情報は、ユーザによって設定されてもよく、ユーザの設定とプログラム10cとに基づいて計算により求められてもよい。
【0041】
光制御部10eは、例えば、入眠動作時と起床動作時とで、特性の異なる光を発生させるための制御を行う。
【0042】
光制御部10eは、入眠動作時には、入眠用の発光装置5bを点灯し、発光装置5bから発生した柔らかい入眠光を、例えば、拡散部材4の全体、筐体2の円筒状の側面部2aの全体経由で、外部へ発するとしてもよい。この結果、アロマディフューザ1は、一様に広がる柔らかい入眠光を発する。
【0043】
なお、光制御部10eは、入眠光を、拡散部材4の全体を透過して発することに代えて、少なくとも拡散部材4の下部の半球状の部分を透過して発するとしてもよい。
【0044】
光制御部10eは、例えば、入眠光が1/fゆらぎとなるように、入眠用の発光装置5bを制御する。
【0045】
光制御部10eは、設定された入眠動作時間中に、入眠光の強さをフェードアウトさせる処理を行う。例えば、光制御部10eは、健常成人の平均入眠時間帯(10分~20分)の範囲でフェードアウト処理に緩急をつけてもよい。例えば、光制御部10eは、平均入眠時間帯より後の所定期間においてもフェードアウト処理を実行してもよい。
【0046】
光制御部10eは、起床動作時には、起床用の発光装置5aを点灯し、発光装置5aから発生した強い起床光を、拡散部材4の正面部、及び、筐体2の側面部2aのうちの正面部21を経由して、外部へ発する。
【0047】
起床光は、例えば、300lx(ルクス)以上としてもよい。
【0048】
光制御部10eは、起床設定時刻より第1の設定時間前(例えば、20分前)から徐々に、発光装置5aから発生される起床光を強くするフェードイン処理を実行してもよい。
【0049】
光制御部10eは、起床光の色味を、起床動作開始時は赤色主体の日の出色とし、徐々にメラトニンの生成を抑える470nm以上525nm以下の波長を強くする処理を実行してもよい。具体的には、光制御部10eは、例えば、入眠動作時に、赤光の強度を、緑光及び青光の強度よりも強くし、徐々に赤光の強度を低下させてもよい。あるいは、光制御部10eは、例えば、入眠動作時に、赤光の強度を一定とし、緑光の強度と青光の強度とのうちの少なくとも一方を徐々に強くしてもよい。
【0050】
香制御部10fは、起床動作時に、起床用の香りを放散するための超音波振動子6aを振動させる。香制御部10fは、起床動作時に、起床用のアロマ液を、起床動作時間、設定された量、霧化する。香制御部10fは、超音波振動子6aにより、間欠的に起床用のアロマ液を霧化してもよい。
【0051】
香制御部10fは、入眠動作時に、入眠用の香りを放散するための超音波振動子6bを振動させる。香制御部10fは、入眠動作時に、入眠用のアロマ液を、入眠動作時間、設定された量、霧化する。香制御部10fは、超音波振動子6bにより、間欠的に入眠用のアロマ液を霧化してもよい。
【0052】
音制御部10gは、起床動作時と入眠動作時とで音出力装置7による音の出力状態を変える制御を行う。
【0053】
音制御部10gは、起床動作時に、起床用の音を音出力装置7に出力させる。例えば、音制御部10gは、起床動作時に、起床設定時刻よりも前の起床動作開始時刻から音量を徐々に上げるフェードイン処理を実行してもよい。
【0054】
音制御部10gは、入眠動作時に、入眠用の音を音出力装置7に出力させる。例えば、音制御部10gは、入眠動作時に、健常成人の平均入眠時間帯の開始時間から音量を減らしはじめ、その後も徐々に音量を減らすフェードアウト処理を実行してもよい。例えば、音制御部10gは、入眠動作時に、平均入眠時間帯より後の期間においても音のフェードアウト処理を実行してもよい。
【0055】
以下において、
図6乃至
図11を用いて、香放散装置6とアロマ液容器14a,14bとを説明する。
【0056】
図6は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ1の上面部2bとアロマ液容器14a,14bとの設置関係の例を示す上方斜視図である。
【0057】
図7は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ1の上面部2bとアロマ液容器14a,14bとの設置関係の例を示す下方斜視図である。
【0058】
図8は、第1の実施形態に係るアロマディフューザ本体1aにおけるアロマ液容器14a,14bの収容部15の一例を示す上面斜視図である。
【0059】
第1の実施形態において、アロマディフューザ1は、上面部2bと、上面部2bを取り外した他の部分であるアロマディフューザ本体1aとが着脱可能である。
【0060】
香放散装置6は、例えば、アロマ液を収容するアロマ液容器14a,14bに備えられている吸水芯と接する超音波振動子6a,6bを用いて、アロマ液を放散させる。超音波振動子6a,6bは、ピエゾ素子と言い換えてもよい。
【0061】
香放散装置6に備えられる2つのアロマ液容器14a,14bは、ねじ口容器である。また、筐体2の上面部2bの裏側には、アロマ液容器14a,14bのスクリューキャップと同様に、アロマ液容器14a,14bのねじ口と嵌合する2つの取り付け口(凹部)16a,16bが形成されている。
【0062】
キャップを取り外した2つのアロマ液容器14a,14bのねじ口(びん開口部の外周面)と、筐体2の上面部2bの裏側の2つの取り付け口16a,16bの内周面とが、嵌合し、アロマ液容器14a,14bが上面部2bに対して取り付けられる。
【0063】
アロマ液容器14aは、起床用のアロマ液を収容している。アロマ液容器14bは、入眠用のアロマ液を収容している。
【0064】
上面部2bの裏面側は、磁石17aとコネクタ18aとを備える。コネクタ18aは、上面部2bの超音波振動子6a,6bと電気的に接続されている。
【0065】
アロマディフューザ本体1aの上面は、収容部15と磁石17bとコネクタ18bとを備える。コネクタ18bは、制御装置10と電気的に接続されている。
【0066】
上面部2bは、アロマディフューザ本体1aに対して、上面部2bの磁石17aとアロマディフューザ本体1aの磁石17bとにより安定的に取り付けられる。
【0067】
上面部2bがアロマディフューザ本体1aに装着されると、上面部2bのコネクタ18aとアロマディフューザ本体1aのコネクタ18bとが接続状態となり、上面部2bとアロマディフューザ本体1aとの間で信号の送受信が可能になる。
【0068】
アロマディフューザ本体1aから筐体2の上面部2bが取り外されると、アロマディフューザ本体1aの上面に、2つのアロマ液容器14a,14bを収容するための収容部15が現れる。ユーザは、上面部2bに2つのアロマ液容器14a,14bを装着し、再び、アロマディフューザ本体1aに対して筐体2の上面部2bを取り付ける。この際に、上面部2bに装着されている2つのアロマ液容器14a,14bは、収容部15に収容される。
【0069】
上面部2bは、
図1を用いて説明したように2つの超音波振動子6a,6bを備えている。超音波振動子6a,6bは、アロマ液容器14a,14bに備えられている吸水芯の上端と接する。超音波振動子14a,14bが振動することにより、アロマ液容器14a,14b内のアロマ液が霧化され、上面部2bの表面側に形成されている孔12a,12bから霧化されたアロマ液が上方向へ放散される。
【0070】
図9は、第1の実施形態に係るアロマ液容器14aの一例を示す縦方向の断面図である。なお、アロマ液容器14bも、
図9のアロマ液容器14aと同様の構成を持つ。
【0071】
アロマ液容器14aは、容器本体30と、ホールド部31と、吸水芯36と、ばね37と、キャップ32と、サブキャップ33とを備える。
【0072】
容器本体30は、例えば、ボトル形状であり、内部にアロマ液Lを収容し、円筒状の上部開口部34を備える。上部開口部34の外周面には、ねじ部35が形成されている。
【0073】
吸水芯36は、一端が容器本体30の内部に収容され、他端が上部開口部34より上に位置する。吸水芯36は、アロマ液Lを上方へ吸い上げる。第1の実施形態において、吸水芯36の一端側は、ばね37を介して容器本体30の底面の内側に接触する。
【0074】
ばね37の上端側は、吸水芯36の下端側に装着される。より具体的には、ばね37の上端側の内側は、吸水芯36の下端側の側面に巻き付く。これにより、吸水芯36に対してばね37が装着される。ばね37の下端側は、容器本体30の底面の内側に接触する。ばね37の下端側の外径は、例えば、容器本体30の上部開口部34の内径よりも小さくすることで、ばね37と吸水芯36の下端側とを、容器本体30の内部へ挿入容易となる。ばね37の弾性力により、吸水芯36の位置(例えば縦方向の位置)が安定するとともに、吸水芯36の上端と超音波振動子6aとの接触状態を適切にすることができる。はね37は、ばね37の上側の巻き線の内径よりもばね37の下側の巻き線の内径の方が大きいラッパ型を持つ。より具体的に説明すると、ばね37は、垂直断面が、下へ行くほどばね37のスパイラルの内径が大きくなる末広がりの形状(言い換えれば、円錐ばね)となる。
【0075】
ホールド部31は、吸水芯36が貫通する孔を備えており、吸水芯36を支持し、容器本体30の上部開口部34に対して固定される。
【0076】
キャップ32の円筒部の内周面には、ねじ部38が形成されており、キャップ32は、例えば、ねじ機構により容器本体30の上部開口部34に対して着脱可能である。キャップ32は、容器本体30に装着された場合に、容器本体30の上部開口部34と、ホールド部31から突出している吸水芯36の上端部とを覆う。
【0077】
キャップ32が容器本体30に装着されると、吸水芯36の上端部がサブキャップ33の凹部に挿入された状態となり、吸水芯36からアロマ液Lが気化することを抑制することができる。また、キャップ32が容器本体30に装着された場合に、サブキャップ33が吸水芯36の上端部を覆うことで、吸水芯36の上端部を保護可能であり、吸水芯36の上端部の位置が変化することを防止することができる。さらに、サブキャップ33は、キャップ32の円筒部の内周面に接触するとともに、キャップ32が容器本体30に装着された場合に、ホールド部31と接触する。サブキャップ33は、例えば、キャップ32が容器本体30に装着された場合に、ホールド部31と嵌合し、吸水芯36からアロマ液Lが気化することを抑制することができ、アロマ液Lがサブキャップ33とホールド部31との嵌合部分よりも外側へ漏れることを防止する。
なお、キャップ32とサブキャップ33とは、一体的に構成されてもよい。
【0078】
図10は、第1の実施形態に係るアロマ液容器14aに備えられる吸水芯36の下端側の一例を示す断面図である。この
図10は、吸水芯36をアロマ液容器14aの底面側へ押し込んだ状態を示している。
【0079】
はね37は、上側の巻き線の外径よりも下側の巻き線の内径の方が大きいラッパ型を持つ。ばね37が圧縮された場合に、ばね37の下端側が径方向に重なり、圧縮幅を確保してはね37の垂直方向の長さを短くすることができる。これにより、アロマディフューザ1及びアロマ液容器14aの部品数を少なくして構成を簡素化しつつ、アロマ液Lを無駄なく吸い上げることができる。
【0080】
図11は、第1の実施形態に係るアロマ液容器14aに備えられる吸水芯36の上端側と超音波振動子6aとの接触状態の一例を示す断面図である。なお、アロマ液容器14bに備えられる吸水芯36の上端側と超音波振動子6bとの接触状態も、この
図11におけるアロマ液容器14aに備えられる吸水芯36の上端側と超音波振動子6aとの接触状態と同様とすることができる。
【0081】
超音波振動子6aにおける吸水芯36と接する部分は、吸水芯36側に突出していてもよい。これにより、超音波振動子6aと吸水芯36の上端とを良好に接触させることができる。
【0082】
以上説明した第1の実施形態に係るアロマディフューザ1においては、超音波振動子6a,6bの振動によりアロマ液容器14a,14b内のアロマ液Lを霧化する。これにより、アロマ液Lの成分を変質させることなくアロマ液Lを微細なミスト状にして噴霧させて香りを効果的に発生させることができる。
【0083】
第1の実施形態においては、アロマディフューザ1が入眠動作時及び起床動作時に光、香り、音を発生させてユーザの睡眠環境を向上させることができ、ユーザの入眠と起床とを快適化することができる。
【0084】
第1の実施形態においては、アロマディフューザ1が入眠動作時と起床動作時とで異なる特性を持つ光を、異なる方向に発光する。
【0085】
例えば、第1の実施形態において、アロマディフューザ1は、起床動作時に、正面方向へ高い強度の起床光を照射する。例えば、アロマディフューザ1は、起床動作時に、メラトニンの生成を抑える470nm以上525nm以下の波長を主体とする起床光を照射する。これにより、起床動作時に、ユーザのメラトニンの生成を抑制し、ユーザの脳の覚醒を促すことができる。
【0086】
例えば、第1の実施形態において、アロマディフューザ1は、入眠動作時に、アロマディフューザ1の下部へ向けて発光装置5bを発光させ、アロマディフューザ1の下部から側面2の全体へ柔らかな光を伝搬させる。この入眠光により関節照明効果を得ることができる。入眠光の色は電球色としてもよい。これにより、ユーザに対して、リラックスできる入眠光を照射した空間を提供することができ、ユーザのメラトニンの生成を促進して入眠を促すことができる。
【0087】
第1の実施形態においては、入眠用の発光装置5bが筐体2の底面から浮いた状態のカップ状の拡散部材4の内側に収容される。第1の実施形態においては、入眠動作時に、カップ状の拡散部材4の底面部が筐体2の底面部に接触せず中に浮いた状態で発光する。これにより、第1の実施形態においては、入眠動作時に、浮いた空間を利用した間接照明効果を得ることができ、アロマディフューザ1の周辺を柔らかい入眠光により照らすことができ、ユーザがリラックスできる空間を提供することができる。
【0088】
第1の実施形態においては、光が、アロマディフューザ1の内部から、拡散部材4及び筐体2の側面部2aを透過して、外部へ照射される。入眠動作時には、アロマディフューザ1を設置している空間に一様に柔らかい入眠光が広がり、起床動作時には、ユーザへ向けて強い光が照射される。
【0089】
第1の実施形態においては、入眠動作時に入眠光に関する1/fゆらぎ制御を行う。また、第1の実施形態においては、入眠動作中に緩やかに光の強さに関するフェードアウト処理を実行する。これにより、視覚に基づくユーザに対するリラックス効果を促進させることができ、入眠導入効果を向上させることができる。
【0090】
第1の実施形態においては、起床光が起床設定時間の前からフェードイン処理によって徐々に強くなり、ユーザを深い睡眠から浅い睡眠へ誘導することができ、ユーザに心地よい起床を提供することができる。
【0091】
第1の実施形態においては、起床動作開始時刻に、起床光を赤色主体の日の出色で照射し、徐々にメラトニンの生成を抑制する波長の光を増加させて起床光の色を変化させる。これにより、ユーザに、視覚作用に加えて生理作用も利用してストレスを抑えた起床を提供することができる。
【0092】
第1の実施形態においては、健常成人の平均入眠時間帯に合わせてユーザ個人に対応した入眠光のフェードアウト処理を実行することができる。これにより、ユーザごとに緩急をつけて入眠を促すことができる。また、第1の実施形態においては、平均入眠時間帯の経過後であっても、所定時間、徐々に入眠光のフェードアウト処理を継続してもよい。これにより、ユーザにより適切な入眠を提供できる。
【0093】
第1の実施形態においては、アロマディフューザ1の筐体2の背面部22の下側に、給気口11が設けられており、アロマディフューザ1の筐体2の正面部21の上部に、排気口として使用される開口部2cが設けられており、アロマディフューザ1の意匠性を損なわない放熱流路を形成することができる。
【0094】
第1の実施形態において、アロマディフューザ1は、入眠動作時に、入眠用のリラックス効果のあるアロマ液Lを設定された噴霧量にそって噴霧し、起床動作時に、起床用の覚醒効果のあるアロマ液Lを設定された噴霧量にそって噴霧する。第1の実施形態においては、入眠動作時に拡散するアロマ液Lと起床時に拡散するアロマ液Lとを切り替えることができ、入眠動作時に入眠用のリラックス効果のある香りを空間に放散することができ、起床動作時に起床用の覚醒効果のある香りを空間に放散することができる。
【0095】
第1の実施形態に係るアロマディフューザ1においては、上面部2bとアロマディフューザ本体1aとが着脱可能である。そして、上面部2bとアロマディフューザ本体1aとは、コネクタ18a,18bと磁石17a,17bとにより接続される。アロマディフューザ1は、超音波振動子6a,6bを筐体2の上面部2bに備えており、筐体2の上面部2bの裏側に、アロマ液容器14a,14bを配置する。アロマ液容器14a,14b内のアロマ液Lは、吸水芯36で上方へ吸い上げられる。吸水芯36の上端と接する超音波振動子6a,6bの振動により、筐体2の上面部2bから上方にアロマ液Lが噴霧される。このようなアロマディフューザ1においては、垂直方向にアロマ液Lが噴霧されるため、横向き噴霧のようにアロマディフューザ1の横に存在する人又は壁などに霧化されたアロマ液Lが吹き付けられることを防止することができる。また、アロマディフューザ1においては、アロマ液容器14a,14bを容易に交換することができる。
【0096】
第1の実施形態においては、上面部2bの超音波振動子6a,6bによる振動を用いてアロマ液Lが霧化される。このような第1の実施形態に係る霧化方法は、コンプレッサを用いてアロマ液Lを霧化する場合と比べて、複雑なミスト通過経路がなく、アロマ液Lが詰まる部分がない。したがって、第1の実施形態においては、メンテナンス性を向上させることができる。
【0097】
第1の実施形態においては、超音波振動子6a,6bを備える筐体2の上面部2bを、アロマディフューザ本体1aから取り外すことができ、上面部2bの裏側の取り付け口16a,16bに、アロマ液容器14a,14bのねじ口を嵌合することにより、アロマディフューザ1に対してアロマ液容器14a,14bを装着することができる。これにより、アロマ液容器14a,14bを容易に、かつ、安全に、アロマディフューザ1に設置することができ、アロマ液容器14a,14bを容易に取り換えることができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0098】
第1の実施形態において、アロマ溶容器14a,14bに備えられる吸水芯36の下端側には、ばね37が取り付けられている。このばね37により、吸水芯36と超音波振動子6a,6bとの接触状態を向上させることができる。ばね37は、上側部分の内径よりも下側部分も内径の方が大きいラッパ型を持つ円錐ばねである。ばね37が圧縮された場合に、ばね37の下側部分の巻き線同士が径方向に重なり、圧縮幅を確保してばね37の長さを短くすることができる。これにより、アロマディフューザ1及びアロマ液容器14a,14bの部品数を少なくして構成を簡素化することができ、かつ、アロマ溶液Lを無駄なく吸い上げることができる。
【0099】
第1の実施形態においては、アロマディフューザ1の上面部2bとアロマディフューザ本体1aとの間に、内部に備えられている音出力装置7から発生された音を通過させるための開口部2cが形成されている。音出力装置7は、この開口部2cへ向けて斜めに配置されている。また、音出力装置7は、アロマディフューザ1の内部であり、超音波振動子6a,6bよりも低い位置に設置されている。このようなアロマディフューザ1においては、光の発光を妨げることなく、霧化されたアロマ液Lが音出力装置7に付着することを防止することができ、光、香り、音によりユーザに快適な入眠及び起床を提供することができる。
【0100】
第1の実施形態に係るアロマディフューザ1においては、入眠動作時と起床動作時とで異なる音量及び音の変化を実現することができる。例えば、アロマディフューザ1は、入眠動作時に、健常成人の平均入眠時間帯の開始時間に合わせて音量を減少させ、それ以降徐々に音量を減少させることにより、ユーザに対して入眠を促すことができる。例えば、アロマディフューザ1は、起床動作時に、起床設定時刻の所定時間前から音量を徐々に増加させてユーザを深い睡眠から浅い睡眠へ誘導し、起床設定時刻に設定値の音量を発することにより、ユーザに対して起床を促すことができる。
【0101】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、上記第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同様の部分は説明を省略し、異なる部分についてのみ詳しく説明する。
【0102】
図12は、第2の実施形態に係る起床用の発光装置5aと第1のレンズ39との関係の一例を示す前面斜視図である。
【0103】
この
図12は、基板40に備えられている起床用の発光装置5aと、第1のレンズ39とを図示しており、他の部分を省略している。基板40の裏面側には、
図1の放熱フィン13が備えられているとしてもよい。
【0104】
上記第1の実施形態で説明したように、複数個の発光装置5aは、縦に配列された状態で、筐体2及び拡散部材4の内側に備えられている。複数個の発光装置5aは、第1のレンズ39及び拡散部材4を介して筐体2の側面部2aの正面部21と対向する。複数個の発光装置5aによって発生された起床光は、内側から、第1のレンズ39、拡散部材4、筐体2の側面部2aの正面部21を透過して外へ向けて照射される。
【0105】
第1のレンズ39は、当該第1のレンズ39を透過する光の強さを均一化し、かつ、指向性を高め、複数の起床光から指向性を有する面状の起床光への変換を行う調光機能を有する。第2の実施形態において、例えば、第1のレンズ39は、水平方向断面の外側が波形状に形成されることで、複数個の発光装置5aによって発生された起床光の調光機能を実現している。第1のレンズ39は、点光源である複数個の発光装置5aを、指向性を高めた面光源に変換する。
【0106】
なお、第1のレンズ39の外側には拡散部材4が存在せず、複数個の発光装置5aによって発生された起床光は、第1のレンズ39、筐体2の側面部2aの正面部21を透過して外へ向けて照射されてもよい。
【0107】
図13は、第2の実施形態に係る入眠用の発光装置5bと第2のレンズ41と拡散部材4との関係の一例を示す断面図である。
【0108】
この
図13は、基板42に備えられている起床用の発光装置5bと、第2のレンズ41と、拡散部材4を図示しており、他の部分を省略している。基板42の上面側には、
図1の放熱フィン13が備えられているとしてもよい。
【0109】
第2の実施形態において、入眠用の発光装置5bによって発生された下方向の光は、第2のレンズ41によって屈折され、拡散部材4の内面全体に照射され、拡散部材4と筐体2の側面部2aとを透過して外部へ照射される。第2のレンズ41は、点光源である入眠用の発光装置5bを、面光源に変換する。第2のレンズ41は、入眠動作時に当該第2のレンズ41を透過する入眠光の強さを均一化し、入眠用の発光装置5bによって発生された下方向の光を、側面部2aを全体的に照らすように調光する機能を有する。
【0110】
第2のレンズ41は、例えば、垂直方向の断面がω状(又はW状)である。具体的には、第2のレンズ41の第1面(上側の面)は、中心部と円周部とが突出しており、中心部と円周部を除く部分が凹んでいる。逆に、第2のレンズ41の第2面(下側の面)は、中心部と円周部とが凹んでおり、中心部と円周部を除く部分が突出している。入眠用の発光装置5bによって発生された下方向の光は、第2のレンズ41の第1面の中心部の凸部から第2のレンズ41内に入る。第2のレンズ41内の一部の光は、例えば、屈折、又は、第2のレンズ41の第2面で反射し、入眠用の発光装置5bよりも高い位置へ放出される。この第2のレンズ41の作用により、アロマディフューザ1の側面2から入眠光が放出される。
【0111】
以上説明した第2の実施形態において、起床用の発光装置5bによって発生された起床光は、第1のレンズ39及び拡散部材4、筐体2の正面部21を透過して、外部へ放射される。この第1のレンズ39を備えることにより、起床光の強度を適切に保ちつつまぶしさを低減させることができ、起床時のユーザに対して不快ではないが強い光を照射することができる。
【0112】
また、第1のレンズ39により、点光源である複数個の発光装置5aを面光源に変換し、さらに指向性を高めたことにより、起床光を発生するために必要な消費電力を低減することができる。
【0113】
第2の実施形態において、入眠用の発光装置5bによって発生された入眠光は、第2のレンズ41を透過して拡散部材4の内面全体へ照射され、拡散部材4及び筐体2の側面部2aの全体を透過して外部へ照射される。
【0114】
この第2のレンズ41を備えることにより、入眠時の照明効果の質を向上させることができる。
【0115】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、上記第1及び第2の実施形態に係るアロマディフューザ1における光、香り、音の制御の具体例を説明する。
【0116】
図14は、第3の実施形態に係るアロマディフューザ1の上面部2bの例を示す正面斜視図である。
【0117】
上面部2bの上面には、霧化されたアロマ液を噴出する2つの孔12a,12bと、ボタン8aとが備えられており、上面部2bの側面には、入眠モード表示部8b、起床モード表示部8c、通信状態表示部8dが備えられている。入眠モード表示部8b、起床モード表示部8c、通信状態表示部8dは、例えば、LED又はOLEDなどでもよい。
【0118】
ボタン8a、入眠モード表示部8b、起床モード表示部8c、通信状態表示部8dは、第1の実施形態で説明したインタフェース装置8に相当する。
【0119】
制御装置10は、ユーザのボタン8aに対する操作(例えば長押し、短押しなど)に応じて、アロマディフューザ1の制御を行う。例えば、制御装置10は、ボタン8aが押下された場合、又は、入眠設定時刻になると、入眠動作を開始する。例えば、制御装置10は、入眠動作中にボタン8aが押下されると、入眠動作を停止する。例えば、制御装置10は、起床設定時刻より前の起床動作開始時刻になると、起床動作を開始する。例えば、制御装置10は、起床動作中にボタン8aが押下されると、起床動作を停止する。
【0120】
制御装置10は、入眠動作中に入眠モード表示部8bを発光させ、起床動作中に起床モード表示部8cを発光させ、通信時に通信状態表示部8dを発光させる。
【0121】
制御装置10は、通信装置9経由で例えばスマートフォンなどのような外部装置と通信可能である。スマートフォンは、アプリを起動し、ユーザの設定又は命令を受け付け、ユーザの設定又は命令をアロマディフューザ1へ送信する。通信装置9は、スマートフォンから設定又は命令を受信し、設定又は命令を制御装置10へ送信する。
【0122】
図15は、第3の実施形態に係るアロマディフューザ1の動作の切り替え状態の例を示す図である。
【0123】
スタンバイ状態の制御装置10は、入眠設定時刻になると入眠動作を開始する。
【0124】
制御装置10は、入眠設定時刻から入眠動作時間が経過した場合(入眠動作終了時刻を経過した場合)、又は、ボタン8aによる入眠動作の停止指示を受け付けた場合に、起床スタンバイ状態となる。
【0125】
起床スタンバイ状態の制御装置10は、起床設定時刻より前の起床動作開始時刻になると、起動動作を開始する。
【0126】
制御装置10は、起床動作開始時刻から起床動作時間が経過した場合(起床動作終了時刻を経過した場合)、又は、ボタン8aによる起床動作の停止指示を受け付けた場合に、スタンバイ状態となる。
【0127】
図16は、第3の実施形態に係るアロマディフューザ2の入眠制御の例を示すグラフである。
【0128】
入眠設定時刻、及び、入眠動作時間又は入眠動作終了時間は、ユーザがスマートフォンなどの外部装置を操作して設定可能である。
【0129】
制御装置10は、入眠設定時刻になった場合、又は、ボタン8aによる入眠動作の開示指示を受け付けた場合、入眠動作を開始し、入眠光と音とを発生させ、入眠用のアロマ液Lの間欠噴霧を開始する。
【0130】
その後、制御装置10は、徐々に、入眠光と音とを減少させる。
【0131】
そして、制御装置10は、入眠設定時刻から入眠動作時間が経過した場合、又は、入眠動作終了時間を経過した場合、入眠光と音の発生、及び、アロマ液の噴霧を終了する。
【0132】
図17は、第3の実施形態に係るアロマディフューザ1の起床制御の例を示すグラフである。
【0133】
起床設定時刻、第1の設定時間、起床動作時間(第2の設定時間又は起床動作終了時刻でもよい)は、ユーザがスマートフォンなどの外部装置を操作して設定可能である。
【0134】
制御装置10は、起床設定時刻よりも第1の設定時間前の起床動作開始時刻になると、起床動作を開始し、起床光と音とを発生させ、起床用のアロマ液Lの間欠噴霧を開始する。制御装置10は、起床動作開始時刻から徐々に起床光と音とを増加させる。
【0135】
制御装置10は、起床動作開始時刻から起床動作時間が経過した場合、起床設定時間から第2の設定時間を経過した場合、起床動作終了時刻を経過した場合、又は、ボタン8aによる起床動作の終了指示を受け付けた場合に、起床光と音の発生、及び、アロマ液の噴霧を終了する。
【0136】
図18は、第3の実施形態に係るアロマディフューザ1の起床光の変化の第1の例を示すグラフである。
図18の縦軸で示す係数は、R(赤)、G(緑)、B(青)の光の強度に相当する。
図18の横軸は、経過時間である。
【0137】
起床動作開始時刻において、Rの係数は一番大きい100%、B(青)の係数は一番小さい0%、Gの係数はRの係数とBの係数との間の40%であるとする。
【0138】
起床動作開始時刻から時間が経過するごとに、徐々にRの係数が減少し、青の係数と緑の係数が増加する。
【0139】
そして、起床動作終了時刻においては、Gが一番大きい100%、Rの係数とBの係数とが同じ70%になる。
【0140】
図19は、第3の実施形態に係るアロマディフューザ1の起床光の変化の第2の例を示すグラフである。
図19の縦軸で示す係数は、R(赤)、G(緑)、B(青)の光の強度に相当する。
図19の横軸は、経過時間である。
【0141】
起床動作開始時刻において、Rの係数は一番大きい80%、B(青)の係数は一番小さい0%、Gの係数はRの係数とBの係数との間の10%であるとする。
【0142】
【0143】
Gの係数は、10%から時間が経過するごとに、徐々に大きくなり、第1の経過時間(例えば14分)に60%となり、その後、さらに徐々に大きくなり、第2の経過時間(例えば16分)に100%となり、その後、100%を維持する。
【0144】
Bの係数は、0%から時間が経過するごとに、徐々に大きくなり、第1の経過時間(例えば14分)に10%となり、その後、さらに徐々に大きくなり、第2の経過時間(例えば16分)に70%となり、その後、70%を維持する。
【0145】
上記の
図18及び
図19では、起床光が、赤色主体から徐々にメラトニンの生成を抑える470nm以上525nm以下の波長へ変更される。
【0146】
以上説明した第3の実施形態においては、上記第1の実施形態で説明したように、ユーザにストレスの少ない入眠、起床を提供することができる。また、第3の実施形態においては、ユーザに対して高い操作性を提供することができる。
【0147】
なお、本願発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削減してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0148】
1…アロマディフューザ、2…筐体、2a…側面部、2b…上面部、2c…開口部、21…正面部、22…背面部、3…接続端子、4…拡散部材、5a,5b…発光装置、6…香放散装置、6a,6b…超音波振動子、7…音出力装置、8…インタフェース装置、8a…ボタン、8b…入眠モード表示部、8c…起床モード表示部、8d…通信状態表示部、9…通信装置、10…制御装置、10a…プロセッサ、10b…記憶装置、10c…プログラム、10d…データ、10e…光制御部、10f…香制御部、10g…音制御部、11…給気口、12a,12b…孔、13…放熱フィン、14a,14b…アロマ液容器、15…収容部、16a,16b…取り付け口、17a,17b…磁石、18a,18b…コネクタ、30…容器本体、31…ホールド部、32…キャップ、33…サブキャップ、34…上部開口部、35,38…ねじ部、36…吸水芯、37…ばね、L…アロマ液、39…第1のレンズ、41…第2のレンズ