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特開2023-78873コンテナ移載装置及びコンテナ移載方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078873
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】コンテナ移載装置及びコンテナ移載方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/10 20060101AFI20230531BHJP
【FI】
B66C1/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192185
(22)【出願日】2021-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】516065135
【氏名又は名称】株式会社IHI物流産業システム
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】村山 晋
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004EA24
(57)【要約】
【課題】コンテナの移載を行う場合に、スプレッダユニットの水平方向及び上下方向への倣い移動を可能とすると共にスプレッダユニットの水平方向への揺動を抑制可能とする。
【解決手段】スプレッダユニット11と昇降ユニット5との間に介挿されるスプレッダユニット支持部12とを備え、スプレッダユニット支持部12が、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態あるいはスプレッダユニット11がコンテナCに接触せずに水平移動している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向の移動を規制し、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触している状態あるいはコンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナCに接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する少なくとも水平方向への移動を許容する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナの移載を行うコンテナ移載装置であって、
前記コンテナを支持するスプレッダユニットと、
水平方向への移動が規制された状態で昇降フレームの昇降を行う昇降ユニットと、
前記スプレッダユニットと前記昇降ユニットとの間に介挿されるスプレッダユニット支持部と
を備え、
前記スプレッダユニット支持部は、
前記スプレッダユニットが支持している前記コンテナが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態あるいは前記スプレッダユニットが前記コンテナに接触せずに水平移動している状態にて前記スプレッダユニットの前記昇降装置に対する水平方向の移動を規制し、
前記スプレッダユニットが支持している前記コンテナが載置箇所に対して接触している状態あるいは前記コンテナを支持していない前記スプレッダユニットが前記コンテナに接触している状態にて前記スプレッダユニットの前記昇降装置に対する少なくとも水平方向への移動を許容する
ことを特徴とするコンテナ移載装置。
【請求項2】
前記スプレッダユニット支持部は、
前記スプレッダユニットを前記昇降装置に対して水平方向に揺動可能に吊下支持する索状部材と、
前記スプレッダユニットの前記昇降装置に対する少なくとも水平方向への移動を規制あるいは許容可能な揺動固定装置と
を備えることを特徴とする請求項1記載のコンテナ移載装置。
【請求項3】
上方から前記スプレッダユニットに対向配置されると共に前記索状部材の上端が接続された対向フレームを備え、
前記揺動固定装置は、前記対向フレームに固定されており、前記スプレッダユニットに当接することで前記スプレッダユニットの前記昇降装置に対する水平方向への移動を規制し、前記スプレッダユニットから離間することで前記スプレッダユニットの前記昇降装置に対する少なくとも水平方向への移動を許容する
ことを特徴とする請求項2記載のコンテナ移載装置。
【請求項4】
前記揺動固定装置は、複数設けられていることを特徴とする請求項2または3記載のコンテナ移載装置。
【請求項5】
前記スプレッダユニット支持部は、
鉛直軸に対して傾斜して前記スプレッダユニットに接続された複数の傾斜索状部材を備え、
前記スプレッダユニットが支持している前記コンテナが載置箇所に対して接触していない状態あるいは前記コンテナを支持していない前記スプレッダユニットが前記コンテナに接触していない状態で前記傾斜索状部材に作用するテンションを用いて前記スプレッダユニットの前記昇降装置に対する水平方向の移動を規制する
ことを特徴とする請求項1記載のコンテナ移載装置。
【請求項6】
前記スプレッダユニット支持部は、前記鉛直軸に対して異なる方向に傾斜する複数の前記傾斜索状部材を備えることを特徴とする請求項5記載のコンテナ移載装置。
【請求項7】
前記スプレッダユニット支持部は、前記鉛直軸に対して同一方向に傾斜する複数の前記傾斜索状部材を備えることを特徴とする請求項5または6記載のコンテナ移載装置。
【請求項8】
コンテナの移載を行うコンテナ移載方法であって、
スプレッダユニットが支持しているコンテナが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態あるいは前記スプレッダユニットが前記コンテナに接触せずに水平移動している状態にて前記スプレッダユニットの水平方向の移動を規制し、
前記スプレッダユニットが支持している前記コンテナが載置箇所に対して接触している状態あるいは前記コンテナを支持していない前記スプレッダユニットが前記コンテナに接触している状態にて前記スプレッダユニットの少なくとも水平方向への移動を許容する
ことを特徴とするコンテナ移載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ移載装置及びコンテナ移載方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンテナトラックに積載されて搬送されるコンテナは、例えば自動倉庫等において一時的に保管される場合がある。このようなコンテナは、自動倉庫からコンテナトラックへ、またはコンテナトラックから自動倉庫へ移載される。例えば、特許文献1には、コンテナ状の荷物を貨物トラックに積み込んだり降ろしたりするコンテナ移載システムが開示されている。特許文献1に開示されているように、コンテナ移載システムは、コンテナの長さに応じて伸縮可能なコンテナスプレッダを備えている。コンテナスプレッダをコンテナの長さに合わせて伸縮し、コンテナ上部に設けられた金具にロック機構を用いてコンテナスプレッダを固定することで、コンテナを吊下支持することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-337390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1においては、コンテナスプレッダが複数の索体によって昇降自在に吊下げられている。これらの索体を用いてコンテナスプレッダを吊下支持することによって、コンテナスプレッダが支持体に対して水平方向及び上下方向に移動可能となる。このため、コンテナスプレッダを上方からコンテナと当接させる場合に、コンテナ等に設けられた案内部によってコンテナスプレッダの水平方向及び上下方向の位置をコンテナの形状に倣わせることが可能となる。また、同様に、コンテナスプレッダに保持されたコンテナをコンテナの載置箇所に載置する場合も、コンテナスプレッダの水平方向及び上下方向の位置(すなわちコンテナの水平方向及び上下方向の位置)を載置箇所の形状に倣わせることが可能となる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたようなコンテナスプレッダ等のスプレッダユニットを複数の索体によって吊下支持すると、スプレッダユニットの支持体に対する水平方向及び上下方向への倣い移動が可能になる反面、吊下げられたスプレッダユニットの水平方向への揺動を抑えることが困難となる。スプレッダユニットが揺動すると、位置決め精度の確保することが困難となり、さらに移載のサイクルタイムが長期化することになる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、コンテナの移載を行う場合に、スプレッダユニットの水平方向及び上下方向への倣い移動を可能とすると共にスプレッダユニットの水平方向への揺動を抑制可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の第1の態様は、コンテナの移載を行うコンテナ移載装置であって、上記コンテナを支持するスプレッダユニットと、水平方向への移動が規制された状態で昇降フレームの昇降を行う昇降ユニットと、上記スプレッダユニットと上記昇降ユニットとの間に介挿されるスプレッダユニット支持部とを備え、上記スプレッダユニット支持部が、上記スプレッダユニットが支持している上記コンテナが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態あるいは上記スプレッダユニットが上記コンテナに接触せずに水平移動している状態にて上記スプレッダユニットの上記昇降装置に対する水平方向の移動を規制し、上記スプレッダユニットが支持している上記コンテナが載置箇所に対して接触している状態あるいは上記コンテナを支持していない上記スプレッダユニットが上記コンテナに接触している状態にて上記スプレッダユニットの上記昇降装置に対する少なくとも水平方向への移動を許容するという構成を採用する。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記スプレッダユニット支持部が、上記スプレッダユニットを上記昇降装置に対して水平方向に揺動可能に吊下支持する索状部材と、上記スプレッダユニットの上記昇降装置に対する少なくとも水平方向への移動を規制あるいは許容可能な揺動固定装置とを備えるという構成を採用する。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、上方から上記スプレッダユニットに対向配置されると共に上記索状部材の上端が接続された対向フレームを備え、上記揺動固定装置は、上記対向フレームに固定されており、上記スプレッダユニットに当接することで上記スプレッダユニットの上記昇降装置に対する水平方向への移動を規制し、上記スプレッダユニットから離間することで上記スプレッダユニットの上記昇降装置に対する少なくとも水平方向への移動を許容するという構成を採用する。
【0011】
本発明の第4の態様は、上記第2または第3の態様において、上記揺動固定装置が、複数設けられているという構成を採用する。
【0012】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様において、上記スプレッダユニット支持部が、鉛直軸に対して傾斜して上記スプレッダユニットに接続された複数の傾斜索状部材を備え、上記スプレッダユニットが支持している上記コンテナが載置箇所に対して接触していない状態あるいは上記コンテナを支持していない上記スプレッダユニットが上記コンテナに接触していない状態で上記傾斜索状部材に作用するテンションを用いて上記スプレッダユニットの上記昇降装置に対する水平方向の移動を規制するという構成を採用する。
【0013】
本発明の第6の態様は、上記第5の態様において、上記スプレッダユニット支持部が、上記鉛直軸に対して異なる方向に傾斜する複数の上記傾斜索状部材を備えるという構成を採用する。
【0014】
本発明の第7の態様は、上記第5または第6の態様において、上記スプレッダユニット支持部が、上記鉛直軸に対して同一方向に傾斜する複数の上記傾斜索状部材を備えるという構成を採用する。
【0015】
本発明の第8の態様は、コンテナの移載を行うコンテナ移載方法であって、スプレッダユニットが支持しているコンテナが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態あるいは上記スプレッダユニットが上記コンテナに接触せずに水平移動している状態にて上記スプレッダユニットの水平方向の移動を規制し、上記スプレッダユニットが支持している上記コンテナが載置箇所に対して接触している状態あるいは上記コンテナを支持していない上記スプレッダユニットが上記コンテナに接触している状態にて上記スプレッダユニットの少なくとも水平方向への移動を許容するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スプレッダユニットが支持するコンテナが載置箇所に対して接触していない状態にてスプレッダユニットの水平方向の移動が規制され、コンテナが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニットの少なくとも水平方向への移動が許容される。このため、本発明によれば、スプレッダユニットが支持するコンテナが載置箇所に対して接触していない状態であれば、スプレッダユニットを大きく水平移動させてもスプレッダユニットの揺動を抑制することができる。一方で、コンテナが載置箇所に対して接触している状態であれば、スプレッダユニットが揺動することはない。本発明によれば、このようにコンテナが載置箇所に対して接触している状態でスプレッダユニットが少なくとも水平方向に移動できるため、スプレッダユニットが倣い移動することが可能となる。したがって、本発明によれば、コンテナの移載を行う場合に、スプレッダユニットの少なくとも水平方向への倣い移動を可能とすると共にスプレッダユニットの水平方向への揺動を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置を備えるコンテナ格納の概略構成を示す模式図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置の機械的構造部を模式的に示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置の電気的な接続を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置が備える旋回ユニット及びスプレッダユニットを含む模式的な拡大図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。
図5】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置が備える揺動固定装置の模式図である。
図6】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置の誘導処理を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置の荷置処理を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の第1実施形態におけるコンテナ移載装置の荷取処理を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の第2実施形態におけるコンテナ移載装置が備える旋回ユニット及びスプレッダユニットを含む模式的な拡大図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。
図10】本発明の第2実施形態におけるコンテナ移載装置の荷置処理を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の第2実施形態におけるコンテナ移載装置の荷取処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係るコンテナ移載装置及びコンテナ移載方法の一実施形態について説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、コンテナ格納庫100の概略構成を示す模式図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。コンテナ格納庫100は、コンテナCを一時的に保管する格納庫である。なお、コンテナ格納庫100で保管するコンテナCは、例えば海上コンテナや鉄道コンテナである。このコンテナ格納庫100は、図1に示すように、自動倉庫200と、入出庫装置300と、本実施形態のコンテナ移載装置400とを備えている。
【0020】
自動倉庫200は、複数のラック201と、複数のスタッカクレーン202とを備えている。ラック201は、水平方向及び上下方向に配列された複数のコンテナ収容部を有している。ラック201は、各々のコンテナ収容部にてコンテナCを保管することが可能である。これらのラック201は、スタッカクレーン202の走行軌道を挟むように配置されている。
【0021】
スタッカクレーン202は、自動倉庫200内においてコンテナCを移動させるクレーンである。スタッカクレーン202は、ラック201のコンテナ収容部と入出庫装置300との間でコンテナCを移動させる。また、スタッカクレーン202は、ラック201のコンテナ収容部同士の間でコンテナCを移動させる。
【0022】
入出庫装置300は、自動倉庫200とコンテナ移載装置400との間に配置されており、自動倉庫200に対してコンテナCを出し入れする装置である。入出庫装置300は、各々のラック201に対して設けられている。各々の入出庫装置300は、ラック201の出入口に対して配置されており、コンテナCを出し入れするための台車301を備えている。このような台車301は、ラック201の内部と、コンテナ移載装置400の内部との間で移動可能に設けられている。
【0023】
本実施形態のコンテナ移載装置400は、入出庫装置300とコンテナ運搬トラックTとの間でコンテナCを移載する装置である。また、コンテナ移載装置400は、トラック停止エリアR1と台車配置エリアR2とを有する建屋401を備えている。
【0024】
コンテナ移載装置400は、トラック停止エリアR1にて、コンテナ運搬トラックTに対するコンテナCの受け渡しを行う。つまり、コンテナ移載装置400は、トラック停止エリアR1に停止するコンテナ運搬トラックTに対してコンテナCを渡すことが可能である。また、コンテナ移載装置400は、トラック停止エリアR1に停止するコンテナ運搬トラックTからコンテナCを受けることが可能である。
【0025】
また、コンテナ移載装置400は、台車配置エリアR2にて、入出庫装置300の台車301に対するコンテナCの受け渡しを行う。つまり、コンテナ移載装置400は、台車配置エリアR2に配置された台車301に対してコンテナCを渡すことが可能である。また、コンテナ移載装置400は、台車配置エリアR2に配置された台車301からコンテナCを受けることが可能である。
【0026】
つまり、本実施形態のコンテナ移載装置400は、コンテナ運搬トラックTから入出庫装置300にコンテナCを移載し、入出庫装置300からコンテナ運搬トラックTにコンテナCを移載する。
【0027】
例えば、これらの自動倉庫200、入出庫装置300及びコンテナ移載装置400は、これらを統括的に制御する統括制御部によって各々が制御される。つまり、例えば、コンテナ格納庫100は、自動倉庫200、入出庫装置300及びコンテナ移載装置400を統括的に制御する統括制御部を備えている。
【0028】
本実施形態のコンテナ移載装置400について、より詳細に説明する。図2は、コンテナ移載装置400の機械的構造部を模式的に示す斜視図である。また、図3は、コンテナ移載装置400の電気的な接続を示すブロック図である。
【0029】
例えば、図2に示すように、コンテナ移載装置400は、レール1と、走行ユニット2と、走行ユニット3と、ガーダフレーム4と、昇降ユニット5と、横行ユニット6と、旋回ユニット7と、吊下チェーン8(索状部材)と、揺動固定装置9と、揺動固定装置10と、スプレッダユニット11とを備えている。
【0030】
レール1は、建屋401の天井部に敷設されており、コンテナ移載装置400の機械的構造部の移動を案内する。レール1は、互いに平行に2本設けられている。各々のレール1は、上方から見てトラック停止エリアR1と台車配置エリアR2とを繋ぐように、水平かつ直線状に延伸して設けられている。
【0031】
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、レール1が延伸する方向をY軸方向と称する。また、Y軸方向と直交する水平方向をX軸方向と称する。また、X軸及びY軸と直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向と称する。つまり、Y軸は、レール1と平行に延伸する軸である。また、X軸は、レール1と直交する水平軸である。また、Z軸は鉛直軸である。
【0032】
走行ユニット2及び走行ユニット3は、レール1上を走行するユニットである。走行ユニット2は、一方のレール1上を走行する。また、走行ユニット3は、他方のレール1上を走行する。これらの走行ユニット2及び走行ユニット3は、Y軸方向に同期して走行する。
【0033】
走行ユニット2は、図2に示すように、ガーダフレーム4を支持する走行フレーム2aを備えている。走行フレーム2aは、不図示の車輪等によって一方のレール1上を低摩擦にて移動可能である。走行フレーム2aは、ガーダフレーム4の一端部を下方から支持している。
【0034】
また、走行ユニット2は、図3に示すように、走行駆動部2b(図2においては不図示)を備えている。走行駆動部2bは、走行フレーム2aに支持されており、走行ユニット2がレール1上を走行するための動力を生成すると共に、生成した動力を走行フレーム2aに伝達する。このような走行駆動部2bは、例えばサーボモータや、サーボモータで発生した動力を伝達する伝達機構を備えている。
【0035】
走行ユニット3も、図2に示すように、ガーダフレーム4を支持する走行フレーム3aを備えている。走行フレーム3aは、不図示の車輪等によって他方のレール1上を低摩擦にて移動可能である。走行フレーム3aは、ガーダフレーム4の他端部を下方から支持している。
【0036】
また、走行ユニット3は、図3に示すように、走行駆動部3b(図2においては不図示)を備えている。走行駆動部3bは、走行フレーム3aに支持されており、走行ユニット3がレール1上を走行するための動力を生成すると共に、生成した動力を走行フレーム3aに伝達する。このような走行駆動部3bは、例えばサーボモータや、サーボモータで発生した動力を伝達する伝達機構を備えている。
【0037】
ガーダフレーム4は、昇降ユニット5、横行ユニット6、旋回ユニット7、及びスプレッダユニット11等を直接的あるいは間接的に支持する強度部材である。ガーダフレーム4は、X方向に延伸して設けられており、一方の端部が走行ユニット2に接続され、他方の端部が走行ユニット3に接続されている。このため、ガーダフレーム4は、走行ユニット2及び走行ユニット3がレール1上を走行することによって、走行ユニット2及び走行ユニット3と共にY軸方向に移動される。
【0038】
昇降ユニット5は、図2に示すように、昇降フレーム5aを備えている。昇降フレーム5aは、ガーダフレーム4に対して昇降可能に支持されたフレーム部材である。この昇降フレーム5aは、X軸方向及びY軸方向への移動が規制された状態でZ軸方向に沿って昇降可能に取り付けられている。例えば、昇降フレーム5aのX軸方向及びY軸方向への移動を規制するガイドがガーダフレーム4に対して設けられており、昇降フレーム5aは、ガイドによってX軸方向及びY軸方向への移動が規制される。つまり、昇降ユニット5は、昇降フレーム5aを水平方向への移動が規制された状態で昇降する。
【0039】
また、昇降ユニット5は、図3に示すように、昇降駆動部5bを備えている。昇降駆動部5bは、ガーダフレーム4に支持されており、昇降フレーム5aを昇降するための動力を生成すると共に、生成した動力を昇降フレーム5aに伝達する。このような昇降駆動部5bは、例えばサーボモータや、サーボモータで発生した動力を伝達する伝達機構を備えている。
【0040】
このような昇降ユニット5は、ガーダフレーム4と共に移動される。つまり、走行ユニット2及び走行ユニット3がレール1上を走行することによって、ガーダフレーム4と共にY軸方向に移動される。
【0041】
横行ユニット6は、図2に示すように、横行フレーム6aを備えている。横行フレーム6aは、昇降フレーム5aに対してX軸方向に移動可能に支持されたフレーム部材である。この横行フレーム6aは、Y軸方向及びZ軸方向への移動が規制された状態でX軸方向に沿って移動可能に取り付けられている。例えば、横行フレーム6aのY軸方向及びZ軸方向への移動を規制するガイドが昇降フレーム5aに対して設けられており、横行フレーム6aは、ガイドによってY軸方向及びZ軸方向への移動が規制される。
【0042】
また、横行ユニット6は、図3に示すように、横行駆動部6bを備えている。横行駆動部6bは、横行フレーム6aに支持されており、横行フレーム6aを横行させるための動力を生成すると共に、生成した動力を横行フレーム6aに伝達する。このような横行駆動部6bは、例えばサーボモータや、サーボモータで発生した動力を伝達する伝達機構を備えている。
【0043】
旋回ユニット7は、図2に示すように、旋回フレーム7a(対向フレーム)と旋回環7bとを備えている。旋回フレーム7aは、横行フレーム6aに対して旋回環7bを介して接続されており、Z軸と平行な旋回軸Laを中心として旋回可能なフレーム部材である。旋回環7bは、横行フレーム6aと旋回フレーム7aとを接続しており、旋回フレーム7aを旋回可能に支持している。
【0044】
また、旋回ユニット7は、図3に示すように、旋回駆動部7cを備えている。旋回駆動部7cは、例えば横行フレーム6aに支持されており、旋回フレーム7aを旋回させるための動力を生成すると共に、生成した動力を旋回フレーム7aに伝達する。このような旋回駆動部7cは、例えばサーボモータや、サーボモータで発生した動力を伝達する伝達機構を備えている。
【0045】
吊下チェーン8は、旋回ユニット7とスプレッダユニット11とを接続する索状部材である。なお、本実施形態においては、索状部材として吊下チェーン8を用いているが、索状体であればよく、索状部材として例えばワイヤ等を用いることも可能である。
【0046】
図4は、旋回ユニット7及びスプレッダユニット11を含む模式的な拡大図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。図4に示すように、本実施形態においては、吊下チェーン8は平面視において略矩形状の旋回フレーム7aの隅部の各々に対して設けられている。つまり、本実施形態においては、吊下チェーン8は4つ設けられている。各々の吊下チェーン8の上端は、旋回フレーム7aに対して接続されている。
【0047】
各々の吊下チェーン8は、Z軸と平行となるように旋回フレーム7aから垂下されている。また、各々の吊下チェーン8は、下端がスプレッダユニット11の後述する固定フレーム11aに接続されている。これらの吊下チェーン8は、スプレッダユニット11を旋回ユニット7(すなわち昇降ユニット5)に対して水平方向に揺動可能に吊下支持している。
【0048】
揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制あるいは許容可能とするロック装置である。つまり、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制する状態と、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する状態とに、スプレッダユニット11の状態を切り替えることが可能である。
【0049】
なお、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制する状態とは、吊下チェーン8に吊下げられたスプレッダユニット11が旋回ユニット7(支持体)に対して水平移動することで揺動することを制止する状態を意味する。また、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する状態とは、吊下チェーン8に吊下げられたスプレッダユニット11が旋回ユニット7(支持体)に対して水平移動することを許容し、スプレッダユニット11が揺動することを制止しない状態を意味する。
【0050】
揺動固定装置9は、図4に示すように、旋回フレーム7aの隅部の1つに対して固定されている。また、揺動固定装置10は、揺動固定装置9が設けられた隅部に対して旋回軸Laを挟んだ対角に位置する隅部に対して固定されている。旋回フレーム7aは、スプレッダユニット11に上方から対向配置されたフレーム部材である。つまり、本実施形態においては、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、上方からスプレッダユニット11に対向配置されると共に吊下チェーン8の上端が接続された旋回フレーム7aに固定されている。
【0051】
図5は、揺動固定装置9(揺動固定装置10)の模式図である。この図に示すように、揺動固定装置9は、支持部9aと、回動片9bと、トグル機構9cと、トグル機構駆動部9dとを備えている。
【0052】
支持部9aは、旋回フレーム7aに対して固定されており、回動片9bとトグル機構9cとを支持している。回動片9bは、支持部9aに対して回動可能に接続されている。この回動片9bは、図5(a)に示すような収容姿勢と、図5(c)に示すようなロック姿勢との間で回動可能に設けられている。なお、収容姿勢とは、回動片9bの先端が水平方向を向き、回動片9bの先端がスプレッダユニット11から離間された姿勢である。また、ロック姿勢とは、回動片9bの先端が下方を向き、回動片9bの先端がスプレッダユニット11に当接された姿勢である。
【0053】
トグル機構9cは、回動片9bとトグル機構駆動部9dとを接続するリンク機構である。このトグル機構9cは、トグル機構駆動部9dから入力された力を増大させて回動片9bに伝達する。また、トグル機構9cは、回動片9bがロック姿勢である場合に、回動片9bからトグル機構駆動部9dに力が伝達されることが抑止されるように形成されている。
【0054】
トグル機構駆動部9dは、旋回フレーム7aに支持されており、トグル機構9cを駆動するための動力を生成すると共に、生成した動力をトグル機構9cに伝達する。このようなトグル機構駆動部9dは、例えばインダクションモータやサーボモータからなる。
【0055】
このようなトグル機構駆動部9dからトグル機構9cを介して回動片9bに動力が伝達することによって、回動片9bは、回動される。具体的には、回動片9bは、図5(a)に示す収容姿勢から、図5(b)に示す中間姿勢(収容姿勢とロック姿勢との間の姿勢)を介して、図5(c)に示すロック姿勢へと回動される。また、回動片9bは、図5(c)に示すロック姿勢から、図5(b)に示す中間姿勢を介して、図5(a)に示す収容姿勢へと回動される。
【0056】
揺動固定装置10は、揺動固定装置9と同様の構成を有している。つまり、揺動固定装置10は、支持部10aと、回動片10bと、トグル機構10cと、トグル機構駆動部10dとを備えている。
【0057】
支持部10aは、旋回フレーム7aに対して固定されており、回動片10bとトグル機構10cとを支持している。回動片10bは、支持部10aに対して回動可能に接続されている。この回動片10bは、図5(a)に示すような収容姿勢と、図5(c)に示すようなロック姿勢との間で回動可能に設けられている。なお、収容姿勢とは、回動片10bの先端が水平方向を向き、回動片10bの先端がスプレッダユニット11から離間された姿勢である。また、ロック姿勢とは、回動片10bの先端が下方を向き、回動片10bの先端がスプレッダユニット11に当接された姿勢である。
【0058】
トグル機構10cは、回動片10bとトグル機構駆動部10dとを接続するリンク機構である。このトグル機構10cは、トグル機構駆動部10dから入力された力を増大させて回動片10bに伝達する。また、トグル機構10cは、回動片10bがロック姿勢である場合に、回動片10bからトグル機構駆動部10dに力が伝達されることが抑止されるように形成されている。
【0059】
トグル機構駆動部10dは、旋回フレーム7aに支持されており、トグル機構10cを駆動するための動力を生成すると共に、生成した動力をトグル機構10cに伝達する。このようなトグル機構駆動部10dは、例えばステッピングモータからなる。
【0060】
このようなトグル機構駆動部10dからトグル機構10cを介して回動片10bに動力が伝達することによって、回動片10bは、回動される。具体的には、回動片10bは、図5(a)に示す収容姿勢から、図5(b)に示す中間姿勢を介して、図5(c)に示すロック姿勢へと回動される。また、回動片10bは、図5(c)に示すロック姿勢から、図5(b)に示す中間姿勢を介して、図5(a)に示す収容姿勢へと回動される。
【0061】
このような揺動固定装置9の回動片9bと揺動固定装置10の回動片10bとが収容姿勢である場合には、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、スプレッダユニット11と当接しない。このため、スプレッダユニット11は、吊下チェーン8で吊下げられた状態で旋回ユニット7に対して水平移動することで揺動することが可能である。
【0062】
一方、揺動固定装置9の回動片9bと揺動固定装置10の回動片10bとがロック姿勢である場合には、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、スプレッダユニット11に当接する。このため、スプレッダユニット11は、吊下チェーン8で吊下げられた状態であるが旋回ユニット7に対して水平方向に揺動することが規制される。
【0063】
このように、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、スプレッダユニット11に当接することでスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制し、スプレッダユニット11から離間することで旋回ユニット7に対するスプレッダユニット11の水平方向への移動を許容する。なお、揺動固定装置9及び揺動固定装置10がスプレッダユニット11に当接することで、旋回ユニット7に対するスプレッダユニット11の上下方向への移動も規制される。また、揺動固定装置9及び揺動固定装置10がスプレッダユニット11から離間することで、旋回ユニット7に対するスプレッダユニット11の上下方向への移動も許容される。
【0064】
揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、後述の移載装置制御部20の制御の下で、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCがコンテナ運搬トラックTや台車301に接触せずに水平移動している状態では、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制する。
【0065】
また、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、移載装置制御部20の制御の下で、スプレッダユニット11がコンテナCに接触せず(すなわちコンテナCを支持せず)に水平移動している状態では、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向の移動を規制する。
【0066】
一方で、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、移載装置制御部20の制御の下で、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCがコンテナ運搬トラックTや台車301に対して接触している状態では、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。
【0067】
また、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、移載装置制御部20の制御の下で、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナ運搬トラックTや台車301に載置されたコンテナCに接触している状態では、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。
【0068】
本実施形態においては、吊下チェーン8、揺動固定装置9及び揺動固定装置10がスプレッダユニット11と旋回ユニット7との間に介挿されている。つまり、吊下チェーン8、揺動固定装置9及び揺動固定装置10がスプレッダユニット11と昇降ユニット5との間に介挿されている。また、これらの吊下チェーン8、揺動固定装置9及び揺動固定装置10によって、上述のようなスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動が規制あるいは許容される。
【0069】
このような吊下チェーン8、揺動固定装置9及び揺動固定装置10は、スプレッダユニット11と昇降ユニット5との間に介挿されるスプレッダユニット支持部12を構成している。このようなスプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCがコンテナ運搬トラックTや台車301に接触せずに水平移動している状態では、スプレッダユニット11の水平方向への移動を規制する。また、スプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11がコンテナCに接触せずに水平移動している状態では、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向の移動を規制する。
【0070】
また、スプレッダユニット支持部12は、移載装置制御部20の制御の下で、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCがコンテナ運搬トラックTや台車301に対して接触している状態では、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。また、スプレッダユニット支持部12は、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナ運搬トラックTや台車301に載置されたコンテナCに接触している状態では、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。
【0071】
図2に戻り、スプレッダユニット11は、コンテナCを支持するユニットである。このスプレッダユニット11は、固定フレーム11aと、移動フレーム11bとを備えている。固定フレーム11aは、吊下チェーン8を介して旋回フレーム7aに接続されている。移動フレーム11bは、固定フレーム11aに対してX軸方向に移動可能に取り付けられたフレーム部材である。移動フレーム11bは、図2に示すように、固定フレーム11aのX軸方向における両端部に対して各々設けられている。つまり、移動フレーム11bは、2つ設けられている。
【0072】
これらの移動フレーム11bは、X軸方向において、互いに反対方向に同期して移動される。つまり、一方の移動フレーム11bが+X方向に移動される場合には、他方の移動フレーム11bは-X方向に同距離移動される。このように固定フレーム11aに対して移動フレーム11bが移動されることによって、スプレッダユニット11が伸縮する。
【0073】
また、スプレッダユニット11は、図3に示すように、移動フレーム駆動部11cを備えている。移動フレーム駆動部11cは、例えば固定フレーム11aに支持されており、移動フレーム11bを伸縮移動させるための動力を生成すると共に、生成した動力を移動フレーム11bに伝達する。このような移動フレーム駆動部11cは、例えばサーボモータや、サーボモータで発生した動力を伝達する伝達機構を備えている。
【0074】
また、スプレッダユニット11は、ツイストロック装置14と、ツイストロック装置14とを備えている。ツイストロック装置13及びツイストロック装置14は、スプレッダユニット11の移動フレーム11bの先端部に設けられている。ツイストロック装置13は、2つの移動フレーム11bの一方の先端部に設けられている。また、ツイストロック装置14は、3つの移動フレーム11bの他方の先端部に設けられている。これらのツイストロック装置13及びツイストロック装置14は、スプレッダユニット11とコンテナCとを接続するための装置である。
【0075】
ツイストロック装置13は、2つのツイストロックピン13aを備えている。これらのツイストロックピン13aは、Y軸方向に離間して配置されている。これらのツイストロックピン13aは、Z軸方向と平行な回転軸Lbを中心として回転可能に移動フレーム11bに対して設けられている。これらのツイストロックピン13aは、下方に向けて窄まる形状に形成されている。さらに、これらのツイストロックピン13aは、回転軸Lbを中心として回動することによって、回動前の水平方向の幅と回動後の水平方向の幅とが変化する形状に形成されている。
【0076】
このようなツイストロックピン13aは、回転軸Lbを中心として回動することで、ロック解除姿勢とロック姿勢とに姿勢が変更される。ロック解除姿勢とは、コンテナCの隅部に設けられた固定金具C1に対して、ツイストロックピン13aを挿抜可能とする姿勢である。一方、ロック姿勢とは、コンテナCの固定金具C1に対して、ツイストロックピン13aを挿抜不能とする姿勢である。つまり、ロック解除姿勢のツイストロックピン13aを固定金具C1に挿入し、その後にロック姿勢に姿勢変更することで、コンテナCがスプレッダユニット11に対してロックされた状態となる。
【0077】
また、ツイストロック装置13(すなわちスプレッダユニット11)は、図3に示すように、ツイストロックピン駆動部13bを備えている。ツイストロックピン駆動部13bは、ツイストロックピン13aを回転駆動するための動力を生成すると共に、生成した動力を2つのツイストロックピン13aに伝達する。このようなツイストロックピン駆動部13bは、例えばインダクションモータやサーボモータと、インダクションモータやサーボモータの動力を伝達する伝達機構とを備える。
【0078】
ツイストロック装置14は、ツイストロック装置13と同様の構成を有している。つまり、ツイストロック装置14は、2つのツイストロックピン14aを備えている。これらのツイストロックピン14aは、Y軸方向に離間して配置されている。これらのツイストロックピン14aは、Z軸方向と平行な回転軸Lbを中心として回転可能に移動フレーム11bに対して設けられている。これらのツイストロックピン14aは、下方に向けて窄まる形状に形成されている。さらに、これらのツイストロックピン14aは、回転軸Lbを中心として回動することによって、回動前の水平方向の幅と回動後の水平方向の幅とが変化する形状に形成されている。このようなツイストロックピン14aは、回転軸Lbを中心として回動することで、ロック解除姿勢とロック姿勢とに姿勢が変更される。
【0079】
また、ツイストロック装置14(すなわちスプレッダユニット11)は、図3に示すように、ツイストロックピン駆動部14bを備えている。ツイストロックピン駆動部14bは、ツイストロックピン14aを回転駆動するための動力を生成すると共に、生成した動力を2つのツイストロックピン14aに伝達する。このようなツイストロックピン駆動部14bは、例えばインダクションモータやサーボモータと、インダクションモータやサーボモータの動力を伝達する伝達機構とを備える。
【0080】
本実施形態のコンテナ移載装置400は、図3に示すように、移載装置制御部20と、上部着座センサ21と、トルクセンサ22と、トラック位置検出センサ23と、位置計測部24と、表示装置25と、入力装置26とを備えている。
【0081】
移載装置制御部20は、図3に示すように、走行ユニット2の走行駆動部2bと、走行ユニット3の走行駆動部3bと、昇降ユニット5の昇降駆動部5bと、横行ユニット6の横行駆動部6bと、旋回ユニット7の旋回駆動部7cと、揺動固定装置9のトグル機構駆動部9dと、揺動固定装置10のトグル機構駆動部10dと、スプレッダユニット11の移動フレーム駆動部11cと、スプレッダユニット11のツイストロックピン駆動部13bと、スプレッダユニット11のツイストロックピン駆動部14bと、上部着座センサ21と、トルクセンサ22と、トラック位置検出センサ23と、位置計測部24と、表示装置25と、入力装置26とに電気的に接続されている。
【0082】
移載装置制御部20は、各種演算処理を行うためのプログラムや各種データを記憶する記憶部20aと、演算処理を行うと共に各種装置の制御を行う演算制御部20bとを備えている。このような移載装置制御部20は、例えばコンピュータ装置によって構成されている。例えば、移載装置制御部20は、上部着座センサ21、トルクセンサ22あるいはトラック位置検出センサ23からの入力信号に基づいて演算処理を行う。また、移載装置制御部20は、演算処理結果に応じて、走行ユニット2の走行駆動部2b、走行ユニット3の走行駆動部3b、昇降ユニット5の昇降駆動部5b、横行ユニット6の横行駆動部6b、旋回ユニット7の旋回駆動部7c、揺動固定装置9のトグル機構駆動部9d、揺動固定装置10のトグル機構駆動部10d、スプレッダユニット11の移動フレーム駆動部11c、スプレッダユニット11のツイストロックピン駆動部13b、あるいはスプレッダユニット11のツイストロックピン駆動部14bを制御する。
【0083】
また、移載装置制御部20は、トラック停止エリアR1におけるコンテナ運搬トラックTの停車基準位置を予め記憶している。また、移載装置制御部20は、コンテナCの受け渡しを行う場合におけるコンテナ運搬トラックTとスプレッダユニット11との許容位置ズレ量を予め記憶している。
【0084】
上部着座センサ21は、スプレッダユニット11がコンテナCの上部に当接したことを検出するセンサである。このような上部着座センサ21は、例えばスプレッダユニット11の移動フレーム11bの先端部に対して設けられている。例えば、上部着座センサ21としては、圧力センサ等を用いることができる。
【0085】
トルクセンサ22は、昇降駆動部5bに作用するトルクを検出するセンサであり、例えば昇降駆動部5bのサーボモータの出力軸に接続されている。スプレッダユニット11が支持するコンテナCがコンテナ運搬トラックTや台車301に載置されると、昇降駆動部5bに作用するトルクが変化する。このため、トルクセンサ22の検出結果に基づいて、スプレッダユニット11が支持するコンテナCがコンテナ運搬トラックTや台車301に載置されたか否かを判定することができる。
【0086】
トラック位置検出センサ23は、トラック停止エリアR1におけるコンテナ運搬トラックTの停車位置を検出するためのセンサである。このようなトラック位置検出センサ23は、例えばトラック停止エリアR1に設置される。また、トラック位置検出センサ23としては、例えばレーザセンサや撮像カメラを用いることができる。
【0087】
位置計測部24は、コンテナ運搬トラックTの荷台の位置、あるいはコンテナ運搬トラックTに積載されたコンテナCの位置を計測する。また、位置計測部24は、コンテナ運搬トラックTの荷台に設けられたコンテナ固定用金具やコンテナCの固定金具C1の位置を精密に計測することが可能である。このような位置計測部24としては、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)を用いることができる。
【0088】
また、位置計測部24は、必要に応じて、入出庫装置300の台車301の位置、あるいは台車301に積載されたコンテナCの位置を計測する。このような場合、位置計測部24は、台車301に設けられたコンテナ固定用金具やコンテナCの固定金具C1の位置を精密に計測することが可能である。
【0089】
表示装置25は、移載装置制御部20からコンテナ運搬トラックTの運転者に対する指示を可視化する。表示装置25としては、ディスプレイを用いることができる。入力装置26は、運転者の指示を入力するための装置であり、例えばボタンスイッチやタッチパネルを用いることができる。
【0090】
続いて、本実施形態のコンテナ移載装置400の動作(コンテナ移載方法)について、図6図8を参照して説明する。なお、以下の説明では、特に説明がない限りは動作の主体は、移載装置制御部20である。
【0091】
図6は、コンテナ運搬トラックTをトラック停止エリアR1に誘導する誘導処理での動作を説明するためのフローチャートである。図6に示すように、移載装置制御部20は、トラック位置の検出を行う(ステップS11)。ここでは、移載装置制御部20は、トラック停止エリアR1に停車されたコンテナ運搬トラックTの位置を、トラック位置検出センサ23から入力信号に基づいて検出する。
【0092】
続いて、移載装置制御部20は、ズレ量の算出を行う(ステップS12)。ここでは、移載装置制御部20は、予め記憶した停車基準位置に対してステップS11で算出したトラック位置が変位している場合に、コンテナ運搬トラックTの停車基準位置からの変位量をズレ量として算出する。
【0093】
続いて、移載装置制御部20は、ズレ量が許容範囲であるか否かの判定を行う(ステップS13)。ここでは、移載装置制御部20は、ステップS12で算出したズレ量と、予め記憶したズレ量の許容値とを比較し、ズレ量が許容範囲であるか否かの判定を行う。
【0094】
ステップS12でズレ量が許容範囲でないと判定した場合には、移載装置制御部20は、移動量の指示を行う(ステップS14)。ここでは、移載装置制御部20は、ステップS13で算出したズレ量に基づいて、コンテナ運搬トラックTの移動方向及び移動距離を算出し、これらを含む情報を上述の移動量として表示装置25に表示させる。移載装置制御部20は、ステップS14が完了すると、再びステップS11を行う。
【0095】
一方、ステップS12でズレ量が許容範囲であると判定した場合には、移載装置制御部20は、停止指示を行う(ステップS15)。ここでは、移載装置制御部20は、車両の停止を指示する情報を上述の停止指示として表示装置25に表示させる。
【0096】
その後、移載装置制御部20は、停止完了入力(ステップS16)を確認してコンテナ運搬トラックTの誘導処理を終了する。ここでは、移載装置制御部20は、運転者が入力装置26に車両の停止を示す情報を入力することで停止完了入力を確認する。
【0097】
図7は、コンテナ運搬トラックTに対して、スプレッダユニット11で支持するコンテナCを載置する荷置処理での動作を説明するためのフローチャートである。なお、荷置処理は、上述の誘導処理が完了した後に実施される。また、荷置処理を開始する際には、スプレッダユニット11は、揺動固定装置9及び揺動固定装置10によって旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制されたロック状態とされている。
【0098】
図7に示すように、荷置処理が開始されると、移載装置制御部20は、荷置位置の計測を行う(ステップS21)。ここでは、移載装置制御部20は、位置計測部24を用いてコンテナ運搬トラックTの荷台(載置箇所)の位置を計測し、荷台の位置を荷置位置とする。
【0099】
続いて、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11を荷置位置の上方まで水平移動させる(ステップS22)。ここでは、移載装置制御部20は、走行ユニット2の走行駆動部2b及び走行ユニット3の走行駆動部3bを制御することによって、走行ユニット2及び走行ユニット3をレール1に沿ってY軸方向に移動させる。これによって、スプレッダユニット11がY軸方向に移動される。また、移載装置制御部20は、横行ユニット6の横行駆動部6bを制御することによって、横行ユニット6をX軸方向に移動させる。これによって、スプレッダユニット11がX軸方向に移動される。
【0100】
また、ステップS22においては、必要に応じて、旋回ユニット7によってスプレッダユニット11を旋回軸Laが中心となるように旋回させる。ここでは、移載装置制御部20は、旋回ユニット7の旋回駆動部7cを制御することによって、旋回フレーム7aを旋回させる。これによって、スプレッダユニット11が旋回軸Laを中心として回動される。
【0101】
続いて、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11を下降させる(ステップS23)。ここでは、移載装置制御部20は、昇降ユニット5の昇降駆動部5bを制御することによって、昇降フレーム5aを下降させる。これによって、スプレッダユニット11が下降する。
【0102】
続いて、移載装置制御部20は、コンテナCの下端が精密計測位置まで下降したか否かの判定を行う(ステップS24)。精密計測位置とは、ステップS21で行った計測よりもさらに精密な位置計測を行う高さ位置を示す。つまり、本実施形態では、コンテナCが荷置位置に近づいた状態で、ステップS21よりも、さらに精密な位置計測を行う。ここでは、移載装置制御部20は、位置計測部24を用いてコンテナCの下端が精密計測位置まで下降したか否かの判定を行う。
【0103】
ステップS24にてコンテナCの下端が精密計測位置まで下降していないと判断した場合には、移載装置制御部20は、ステップS23に戻る。一方で、ステップS24にてコンテナCの下端が精密計測位置まで下降したと判断した場合には、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の下降を停止させる(ステップS25)。
【0104】
続いて、移載装置制御部20は、精密計測を行う(ステップS26)。ここでは、移載装置制御部20は、位置計測部24を用いて荷置位置について精密計測を行う。さらに、移載装置制御部20は、コンテナCの位置について精密計測を行う。
【0105】
続いて、移載装置制御部20は、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在するか否かの判定を行う(ステップS27)。ここでは、移載装置制御部20は、ステップS26で計測された荷置位置に対するコンテナCの位置の変位量が予め記憶された許容値に収まっている場合に、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在すると判定する。一方で、移載装置制御部20は、ステップS26で計測された荷置位置に対するコンテナCの位置の変位量が予め記憶された許容値に収まっていない場合に、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在しないと判定する。
【0106】
ステップS27において、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在しないと判定した場合には、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の位置修正を行う(ステップS28)。ここでは、移載装置制御部20は、荷置位置に対するコンテナCの位置の変位量に基づいて、この変位量を許容範囲に収めるためのスプレッダユニット11の移動量を算出する。また、移載装置制御部20は、求めた移動量に応じて、スプレッダユニット11を移動させる。
【0107】
具体的には、移載装置制御部20は、走行ユニット2の走行駆動部2b及び走行ユニット3の走行駆動部3bを制御することによって、走行ユニット2及び走行ユニット3をレール1に沿ってY軸方向に移動させる。また、移載装置制御部20は、横行ユニット6の横行駆動部6bを制御することによって、横行ユニット6をX軸方向に移動させる。また、移載装置制御部20は、移載装置制御部20は、旋回ユニット7の旋回駆動部7cを制御することによって、旋回フレーム7aを旋回させる。
【0108】
ステップS28が完了すると、移載装置制御部20は、再びステップS26を実施する。一方で、ステップS27において、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在すると判定した場合には、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11のロックを解除する(ステップS29)。ここでは、移載装置制御部20は、揺動固定装置9のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片9bをロック姿勢から収容姿勢に姿勢変更させる。また、移載装置制御部20は、揺動固定装置10のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片10bをロック姿勢から収容姿勢に姿勢変更させる。これによって、スプレッダユニット11が旋回ユニット7に対して水平方向及び上下方向へ移動可能となる。
【0109】
続いて、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11を低速にて下降させる(ステップS30)。ここでは、移載装置制御部20は、昇降ユニット5の昇降駆動部5bを制御することによって、昇降フレーム5aをステップS23よりも低速にて下降させる。これによって、スプレッダユニット11が低速下降される。
【0110】
このようにスプレッダユニット11が低速下降されると、コンテナCの下端がコンテナ運搬トラックTの荷台に当接する。この場合に、スプレッダユニット11は水平移動が許容されているため、コンテナCを荷台等に設置されたガイドによって案内することが可能となる。このため、本実施形態においてはステップS27における位置合わせ精度を、スプレッダユニット11の水平移動が許容されていない場合と比較して緩和することができる。
【0111】
続いて、移載装置制御部20は、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けが検出されたか否かの判定を行う(ステップS31)。例えばトラック停止エリアR1に着座センサを設置して、移載装置制御部20は、着座センサから検出信号が入力された場合に、コンテナCの着座が検出されたと判断する。また、位置計測部24を用いて、コンテナCの着座を検出することも可能である。
【0112】
また、移載装置制御部20は、トルクセンサ22からの入力信号に基づいて、コンテナCの荷置位置への押付けを検出する。コンテナCの重量がコンテナ運搬トラックTで支えられることによって、トルクセンサ22で検出するトルクの値が減少する。このため、トルクセンサ22の検出値を用いてコンテナCの荷置位置への押付けを検出することができる。
【0113】
なお、本実施形態では、ステップS31にて、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けの両方が検出されているか否かを判定している。しかしながら、これに限られるものではなく、ステップS31にて、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けのいずれかのみを検出するようにしても良い。
【0114】
ステップS31にて、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けが検出されていないと判断した場合には、移載装置制御部20は、再びステップS30に戻る。一方で、ステップS31にて、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けが検出された場合には、移載装置制御部20は、ツイストロック装置13及びツイストロック装置14によるコンテナCのロックを解除する(ステップS32)。ここでは、移載装置制御部20は、ツイストロックピン駆動部13bを制御してツイストロックピン13aを回転させロック姿勢からロック解除姿勢に姿勢変更させる。また、移載装置制御部20は、ツイストロックピン駆動部14bを制御してツイストロックピン14aを回転させロック姿勢からロック解除姿勢に姿勢変更させる。これによって、スプレッダユニット11がコンテナCとの接続が解かれる。
【0115】
その後、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の上昇及びスプレッダユニット11を水平移動が規制されたロック状態とする(ステップS33)。ここでは、移載装置制御部20は、昇降ユニット5の昇降駆動部5bを制御することによって、昇降フレーム5aを上昇させる。これによって、スプレッダユニット11が上昇する。また、移載装置制御部20は、揺動固定装置9のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片9bを収容姿勢からロック姿勢に姿勢変更させる。また、移載装置制御部20は、揺動固定装置10のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片10bを収容姿勢からロック姿勢に姿勢変更させる。これによって、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制される。
【0116】
このようにしてスプレッダユニット11で支持するコンテナCのコンテナ運搬トラックTへの荷置処理が完了する。なお、スプレッダユニット11で支持するコンテナCを入出庫装置300の台車301に移載する場合には、コンテナCの荷置位置が台車301(載置箇所)に代わる以外は、上述のコンテナ運搬トラックTへの荷置処理と同様である。このため、台車301への荷置処理についての詳細な説明は省略する。
【0117】
図8は、コンテナ運搬トラックTに積載されたコンテナCを、スプレッダユニット11によって受け取る荷取処理での動作を説明するためのフローチャートである。なお、荷取処理は、上述の誘導処理が完了した後に実施される。また、荷取処理を開始する際には、スプレッダユニット11は、揺動固定装置9及び揺動固定装置10によって旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制されたロック状態とされている。
【0118】
図8に示すように、荷取処理が開始されると、移載装置制御部20は、コンテナ位置の計測を行う(ステップS41)。ここでは、移載装置制御部20は、位置計測部24を用いてコンテナCの位置を計測する。
【0119】
続いて、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11をコンテナCの上方まで水平移動させる(ステップS42)。ここでは、移載装置制御部20は、走行ユニット2の走行駆動部2b及び走行ユニット3の走行駆動部3bを制御することによって、走行ユニット2及び走行ユニット3をレール1に沿ってY軸方向に移動させる。これによって、スプレッダユニット11がY軸方向に移動される。また、移載装置制御部20は、横行ユニット6の横行駆動部6bを制御することによって、横行ユニット6をX軸方向に移動させる。これによって、スプレッダユニット11がX軸方向に移動される。なお、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の移動フレーム駆動部11cを制御することによって、移動フレーム11bの位置(すなわちスプレッダユニット11の長さ)を調整可能である。移動フレーム11bの位置については、走行ユニット2あるいは横行ユニット6の動作タイミングと合わせて調整を行うことができる。また、移動フレーム11bの位置については、走行ユニット2あるいは横行ユニット6の動作の前に調整しても良い。移動フレーム11bの位置については、予め登録された上位データ(移載しようとするコンテナデータ)に基づいて調整される。ステップS41では、上位データと計測したコンテナの位置とが合っているか否かの確認を行うことができる。
【0120】
また、ステップS42においては、必要に応じて、旋回ユニット7によってスプレッダユニット11を旋回軸Laが中心となるように旋回させる。ここでは、移載装置制御部20は、旋回ユニット7の旋回駆動部7cを制御することによって、旋回フレーム7aを旋回させる。これによって、スプレッダユニット11が旋回軸Laを中心として回動される。
【0121】
続いて、移載装置制御部20は、コンテナCの上部の固定金具C1の位置の計測を行う(ステップS43)。ここでは、移載装置制御部20は、位置計測部24を用いて固定金具C1の位置について精密計測を行う。
【0122】
続いて、移載装置制御部20は、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在するか否かの判定を行う(ステップS44)。ここでは、移載装置制御部20は、ステップS43で計測されたコンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置の変位量が予め記憶された許容値に収まっている場合に、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在すると判定する。一方で、移載装置制御部20は、ステップS43で計測されたコンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置の変位量が予め記憶された許容値に収まっていない場合に、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在しないと判定する。
【0123】
ステップS44において、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在しないと判定した場合には、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の位置修正を行う(ステップS45)。ここでは、移載装置制御部20は、荷置位置に対するコンテナCの位置の変位量に基づいて、この変位量を許容範囲に収めるためのスプレッダユニット11の移動量を算出する。また、移載装置制御部20は、求めた移動量に応じて、スプレッダユニット11を移動させる。
【0124】
具体的には、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の移動フレーム駆動部11cを制御することによって、移動フレーム11bの位置(すなわちスプレッダユニット11の長さ)を調整する。移載装置制御部20は、走行ユニット2の走行駆動部2b及び走行ユニット3の走行駆動部3bを制御することによって、走行ユニット2及び走行ユニット3をレール1に沿ってY軸方向に移動させる。また、移載装置制御部20は、横行ユニット6の横行駆動部6bを制御することによって、横行ユニット6をX軸方向に移動させる。また、移載装置制御部20は、移載装置制御部20は、旋回ユニット7の旋回駆動部7cを制御することによって、旋回フレーム7aを旋回させる。
【0125】
ステップS45が完了すると、移載装置制御部20は、再びステップS43を実施する。一方で、ステップS44において、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在すると判定した場合には、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11のロックを解除する(ステップS46)。ここでは、移載装置制御部20は、揺動固定装置9のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片9bをロック姿勢から収容姿勢に姿勢変更させる。また、移載装置制御部20は、揺動固定装置10のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片10bをロック姿勢から収容姿勢に姿勢変更させる。これによって、スプレッダユニット11が旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向に移動可能となる。
【0126】
続いて、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11を低速にて下降させる(ステップS47)。ここでは、移載装置制御部20は、昇降ユニット5の昇降駆動部5bを制御することによって、上述のステップS30と同程度の低速にてスプレッダユニット11を下降させる。これによって、スプレッダユニット11が低速下降される。
【0127】
このようにスプレッダユニット11が低速下降されると、スプレッダユニット11がコンテナCに当接する。この場合に、スプレッダユニット11は水平移動が許容されているため、スプレッダユニット11をコンテナCに設置されたガイドによって案内することが可能となる。このため、本実施形態においてはステップS44における位置合わせ精度を、スプレッダユニット11の水平移動が許容されていない場合と比較して緩和することができる。
【0128】
続いて、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けが検出されたか否かの判定を行う(ステップS48)。ここでは、上部着座センサ21から、スプレッダユニット11がコンテナCに着座したことを示す信号が入力された場合に、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の着座が検出されたと判断する。
【0129】
また、移載装置制御部20は、トルクセンサ22からの入力信号に基づいて、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けを検出する。スプレッダユニット11の重量がコンテナCで支えられることによって、トルクセンサ22で検出するトルクの値が減少する。このため、トルクセンサ22の検出値を用いて、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けを検出することができる。
【0130】
なお、本実施形態では、ステップS48にて、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けの両方が検出されているか否かを判定している。しかしながら、これに限られるものではなく、ステップS48にて、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けのいずれかのみを検出するようにしても良い。
【0131】
ステップS48にて、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けが検出されていないと判断した場合には、移載装置制御部20は、再びステップS47に戻る。一方で、ステップS48にて、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けが検出された場合には、移載装置制御部20は、ツイストロック装置13及びツイストロック装置14によってコンテナCをロックする(ステップS49)。ここでは、移載装置制御部20は、ツイストロックピン駆動部13bを制御してツイストロックピン13aを回転させロック解除姿勢からロック姿勢に姿勢変更させる。また、移載装置制御部20は、ツイストロックピン駆動部14bを制御してツイストロックピン14aを回転させロック解除姿勢からロック姿勢に姿勢変更させる。これによって、スプレッダユニット11とコンテナCとが固定される。
【0132】
その後、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11の上昇及びスプレッダユニット11を水平移動が規制されたロック状態とする(ステップS50)。ここでは、移載装置制御部20は、昇降ユニット5の昇降駆動部5bを制御することによって、昇降フレーム5aを上昇させる。これによって、スプレッダユニット11が上昇する。また、移載装置制御部20は、揺動固定装置9のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片9bを収容姿勢からロック姿勢に姿勢変更させる。また、移載装置制御部20は、揺動固定装置10のトグル機構駆動部9dを制御することによって、回動片10bを収容姿勢からロック姿勢に姿勢変更させる。これによって、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制される。
【0133】
このようにしてスプレッダユニット11がコンテナ運搬トラックTからコンテナCを受け取る荷取処理が完了する。なお、スプレッダユニット11が台車301からコンテナCを受け取る場合には、コンテナ運搬トラックTが台車301に代わる以外は、上述のコンテナ運搬トラックTからの荷取処理と同様である。このため、台車301からの荷取処理についての詳細な説明は省略する。
【0134】
以上のような本実施形態のコンテナ移載装置400は、コンテナCの移載を行う。また、本実施形態のコンテナ移載装置400は、スプレッダユニット11と、昇降ユニット5と、スプレッダユニット支持部12とを備えている。スプレッダユニット11は、コンテナCを支持する。昇降ユニット5は、水平方向への移動が規制された状態で昇降フレーム5aの昇降を行う。スプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11と昇降ユニット5との間に介挿されている。
【0135】
また、本実施形態のコンテナ移載装置400において、スプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態にて、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を規制する。また、スプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11がコンテナCに接触せずに水平移動している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を規制する。また、スプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。また、スプレッダユニット支持部12は、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナCに接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。
【0136】
本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制され、コンテナCが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が許容される。なお、旋回ユニット7は昇降ユニット5に対して固定が可能である。つまり、本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態にてスプレッダユニット11の昇降ユニット5に対する水平方向及び上下方向への移動が規制され、コンテナCが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニット11の昇降ユニット5に対する水平方向及び上下方向への移動が許容される。このような、本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態であれば、スプレッダユニット11を大きく水平移動させてもスプレッダユニット11の揺動を抑制することができる。一方で、コンテナCが載置箇所に対して接触している状態であれば、スプレッダユニット11が揺動することはない。本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、このようにコンテナCが載置箇所に対して接触している状態でスプレッダユニット11が旋回ユニット7に対して水平方向及び上下方向へ移動できるため、スプレッダユニット11が倣い移動することが可能となる。したがって、本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、コンテナCの移載を行う場合に、スプレッダユニット11の水平方向及び上下方向への倣い移動を可能とすると共にスプレッダユニット11の水平方向への揺動を抑制することが可能となる。
【0137】
なお、ここでいう倣い移動とは、スプレッダユニット11が、支持するコンテナCが載置箇所に接触した状態で昇降された場合に、載置箇所の形状に倣って旋回ユニット7に対して水平方向及び上下方向へ移動することを含む意味である。また、倣い移動とは、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナCに接触した状態で昇降された場合に、コンテナCの形状に倣って旋回ユニット7に対して水平方向及び上下方向へ移動することを含む意味である。
【0138】
また、本実施形態のコンテナ移載装置400においては、スプレッダユニット支持部12が、スプレッダユニット11を水平方向に揺動可能に吊下支持する吊下チェーン8と、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を規制あるいは許容可能な揺動固定装置(揺動固定装置9及び揺動固定装置10)とを備えている。
【0139】
このような本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、揺動固定装置10を制御することによって、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制される状態と、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が許容されている状態とを確実に切り替えることが可能となる。
【0140】
また、本実施形態のコンテナ移載装置400においては、上方からスプレッダユニット11に対向配置されると共に吊下チェーン8の上端が接続された対向フレームを備えている。また、揺動固定装置(揺動固定装置9及び揺動固定装置10)は、対向フレームに固定されており、スプレッダユニット11に当接することでスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を規制し、スプレッダユニット11から離間することでスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。
【0141】
このような本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、揺動固定装置9及び揺動固定装置10が当接することでスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制されるため、確実にスプレッダユニット11の水平方向への揺動を抑止することが可能となる。
【0142】
また、本実施形態のコンテナ移載装置400においては、揺動固定装置(揺動固定装置9及び揺動固定装置10)が、複数設けられている。このため、複数箇所にてスプレッダユニット11の揺動を規制することができ、スプレッダユニット11の揺動を安定的に抑止することが可能となる。
【0143】
また、本実施形態のコンテナ移載方法は、コンテナCの移載を行う方法である。本実施形態のコンテナ移載方法では、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態にて、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を規制する。また、スプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11がコンテナCに接触せずに水平移動している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を規制する。また、スプレッダユニット支持部12は、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。また、スプレッダユニット支持部12は、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナCに接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。
【0144】
本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が規制され、コンテナCが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が許容される。このため、本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態であれば、スプレッダユニット11を大きく水平移動させてもスプレッダユニット11の揺動を抑制することができる。一方で、コンテナCが載置箇所に対して接触している状態であれば、スプレッダユニット11が揺動することはない。本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、このようにコンテナCが載置箇所に対して接触している状態でスプレッダユニット11が旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向へ移動できるため、スプレッダユニット11が倣い移動することが可能となる。したがって、本実施形態のコンテナ移載装置400によれば、コンテナCの移載を行う場合に、スプレッダユニット11の水平方向及び上下方向への倣い移動を可能とすると共にスプレッダユニット11の水平方向への揺動を抑制することが可能となる。
【0145】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0146】
図9は、本実施形態のコンテナ移載装置が備える旋回ユニット7及びスプレッダユニット11を含む模式的な拡大図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。図9に示すように、本実施形態においては、旋回ユニット7(すなわち昇降ユニット5)とスプレッダユニット11との間に介挿されたスプレッダユニット支持部15を備えられている。
【0147】
スプレッダユニット支持部15は、複数の傾斜吊下チェーン16(傾斜索状部材)を備えている。各々の傾斜吊下チェーン16は、Z軸(鉛直軸)に対して傾斜している。各々の傾斜吊下チェーン16は、上端が旋回ユニット7の旋回フレーム7aに固定され、下端がスプレッダユニット11の固定フレーム11aに固定されている。
【0148】
本実施形態においては、合計で8つの傾斜吊下チェーン16が設けられている。上端が下端に対して+X方向に位置する傾斜吊下チェーン16が2つ設けられている。また、上端が下端に対して-X方向に位置する傾斜吊下チェーン16が2つ設けられている。また、上端が下端に対して+Y方向に位置する傾斜吊下チェーン16が2つ設けられている。また、上端が下端に対して-Y方向に位置する傾斜吊下チェーン16が2つ設けられている。
【0149】
さらに、上端が下端に対して+X方向に位置する傾斜吊下チェーン16の一方と、上端が下端に対して-X方向に位置する傾斜吊下チェーン16の一方とが、上端同士が下端同士よりも近接するようにX軸方向に沿って配列されている。これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laを通ってY軸方向と平行な対称軸を挟んで線対称になるように配置されている。さらに、これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laよりも+Y方向側に配置されている。
【0150】
また、上端が下端に対して+X方向に位置する傾斜吊下チェーン16の他方と、上端が下端に対して-X方向に位置する傾斜吊下チェーン16の他方とが、上端同士が下端同士よりも近接するようにX軸方向に沿って配列されている。これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laを通ってY軸方向と平行な対称軸を挟んで線対称になるように配置されている。さらに、これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laよりも-Y方向側に配置されている。
【0151】
また、上端が下端に対して+Y方向に位置する傾斜吊下チェーン16の一方と、上端が下端に対して-Y方向に位置する傾斜吊下チェーン16の一方とが、上端同士が下端同士よりも近接するようにY軸方向に沿って配列されている。これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laを通ってX軸方向と平行な対称軸を挟んで線対称になるように配置されている。さらに、これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laよりも+X方向側に配置されている。
【0152】
また、上端が下端に対して+Y方向に位置する傾斜吊下チェーン16の他方と、上端が下端に対して-Y方向に位置する傾斜吊下チェーン16の他方とが、上端同士が下端同士よりも近接するようにY軸方向に沿って配列されている。これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laを通ってX軸方向と平行な対称軸を挟んで線対称になるように配置されている。さらに、これらの傾斜吊下チェーン16は、旋回軸Laよりも-X方向側に配置されている。
【0153】
このように、本実施形態におけるスプレッダユニット支持部15は、Z軸に対して異なる方向に傾斜する複数の傾斜吊下チェーン16を備えている。このため、スプレッダユニット11やコンテナCの重量が傾斜吊下チェーン16に作用することによって、スプレッダユニット11が水平方向における様々な方向から引っ張られることになる。このような水平方向の様々な方向からの引張力が釣り合うことによってスプレッダユニット11の水平方向への移動が規制される。つまり、本実施形態におけるスプレッダユニット支持部15は、複数の傾斜吊下チェーン16に作用するテンションによってスプレッダユニット11の水平方向への移動を規制する。
【0154】
本実施形態では、上端が下端に対して+X方向に位置する2つの傾斜吊下チェーン16と、上端が下端に対して-X方向に位置する2つの傾斜吊下チェーン16とによって、スプレッダユニット11のX軸方向への移動が規制される。また、上端が下端に対して+Y方向に位置する2つの傾斜吊下チェーン16と、上端が下端に対して-Y方向に位置する2つの傾斜吊下チェーン16とによって、スプレッダユニット11のY軸方向への移動が規制される。
【0155】
一方で、傾斜吊下チェーン16に作用するテンションが緩むと場合には、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が許容される。つまり、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に載置され、コンテナC及びスプレッダユニット11の重量が載置箇所に支持された場合には、傾斜吊下チェーン16のテンションが緩み、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が許容される。また、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11が、載置箇所に載置されたコンテナCに上方から当接した場合も、同様に、傾斜吊下チェーン16のテンションが緩み、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が許容される。
【0156】
このように、本実施形態においては、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態で傾斜吊下チェーン16に作用するテンションを用いてスプレッダユニット11の水平方向の移動を規制する。また、本実施形態では、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナCに接触していない状態で傾斜吊下チェーン16に作用するテンションを用いてスプレッダユニット11の水平方向の移動を規制する。
【0157】
続いて、本実施形態のコンテナ移載装置の動作(コンテナ移載方法)について、図10及び図11を参照して説明する。なお、以下の説明では、特に説明がない限りは動作の主体は、移載装置制御部20である。
【0158】
図10は、コンテナ運搬トラックTに対して、スプレッダユニット11で支持するコンテナCを載置する荷置処理での動作を説明するためのフローチャートである。
【0159】
図10に示すように、荷置処理が開始されると、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS21と同様に、荷置位置の計測を行う(ステップS61)。続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS22と同様に、スプレッダユニット11を荷置位置の上方まで水平移動させる(ステップS62)。続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS23と同様に、スプレッダユニット11を下降させる(ステップS63)。
【0160】
続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS24と同様に、コンテナCの下端が精密計測位置まで下降したか否かの判定を行う(ステップS64)。ステップS64にてコンテナCの下端が精密計測位置まで下降していないと判断した場合には、移載装置制御部20は、ステップS63に戻る。一方で、ステップS64にてコンテナCの下端が精密計測位置まで下降したと判断した場合には、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS25と同様に、スプレッダユニット11の下降を停止させる(ステップS65)。
【0161】
続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS26と同様に、精密計測を行う(ステップS66)。続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS27と同様に、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在するか否かの判定を行う(ステップS67)。ステップS67において、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在しないと判定した場合には、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS28と同様に、スプレッダユニット11の位置修正を行う(ステップS68)。
【0162】
ステップS68が完了すると、移載装置制御部20は、再びステップS66を実施する。一方で、ステップS67において、荷置位置に対するコンテナCの位置が許容範囲に存在すると判定した場合には、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS30と同様に、スプレッダユニット11を低速にて下降させる(ステップS69)。なお、本実施形態においては、上記第1実施形態の揺動固定装置9及び揺動固定装置10が設けられていない。このため、本実施形態においては、上記第1実施形態のステップS29のように揺動固定装置9のトグル機構駆動部9dを制御する必要はない。
【0163】
このようにスプレッダユニット11が低速下降されると、コンテナCの下端がコンテナ運搬トラックTの荷台に当接する。この場合に、傾斜吊下チェーン16が緩むことによってスプレッダユニット11は水平移動が許容される。このため、コンテナCを荷台等に設置されたガイドによって案内することが可能となる。したがって、本実施形態においてはステップS67における位置合わせ精度を、スプレッダユニット11の水平移動が許容されていない場合と比較して緩和することができる。
【0164】
続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS31と同様に、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けが検出されたか否かの判定を行う(ステップS70)。ステップS70にて、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けが検出されていないと判断した場合には、移載装置制御部20は、再びステップS69に戻る。一方で、ステップS70にて、コンテナCの着座と、コンテナCの荷置位置への押付けが検出された場合には、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS32と同様に、ツイストロック装置13及びツイストロック装置14によるコンテナCのロックを解除する(ステップS71)。
【0165】
その後、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11を上昇させる(ステップS72)。ここでは、移載装置制御部20は、昇降ユニット5の昇降駆動部5bを制御することによって、昇降フレーム5aを上昇させる。これによって、スプレッダユニット11が上昇する。スプレッダユニット11が上昇すると、スプレッダユニット11の荷重によって傾斜吊下チェーン16が張る。これによってスプレッダユニット11の水平方向への移動が規制される。
【0166】
このようにしてスプレッダユニット11で支持するコンテナCのコンテナ運搬トラックTへの荷置処理が完了する。なお、スプレッダユニット11で支持するコンテナCを入出庫装置300の台車301に移載する場合には、コンテナCの荷置位置が台車301に代わる以外は、上述のコンテナ運搬トラックTへの荷置処理と同様である。このため、台車301への荷置処理についての詳細な説明は省略する。
【0167】
図11は、コンテナ運搬トラックTに積載されたコンテナCを、スプレッダユニット11によって受け取る荷取処理での動作を説明するためのフローチャートである。
【0168】
図11に示すように、荷取処理が開始されると、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS41と同様に、コンテナ位置の計測を行う(ステップS81)。続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS42と同様に、スプレッダユニット11をコンテナCの上方まで水平移動させる(ステップS82)。続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS43と同様に、コンテナCの上部の固定金具C1の位置の計測を行う(ステップS83)。
【0169】
続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS44と同様に、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在するか否かの判定を行う(ステップS84)。ステップS84において、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在しないと判定した場合には、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS45と同様に、スプレッダユニット11の位置修正を行う(ステップS85)。
【0170】
ステップS85が完了すると、移載装置制御部20は、再びステップS83を実施する。一方で、ステップS84において、コンテナCの固定金具C1の位置に対するスプレッダユニット11の位置が許容範囲に存在すると判定した場合には、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS47と同様に、スプレッダユニット11を低速にて下降させる(ステップS86)。なお、本実施形態においては、上記第1実施形態の揺動固定装置9及び揺動固定装置10が設けられていない。このため、本実施形態においては、上記第1実施形態のステップS46のように揺動固定装置9のトグル機構駆動部9dを制御する必要はない。
【0171】
このようにスプレッダユニット11が低速下降されると、スプレッダユニット11がコンテナCに当接する。この場合に、傾斜吊下チェーン16が緩むことによってスプレッダユニット11は水平移動が許容される。このため、スプレッダユニット11をコンテナCに設置されたガイドによって案内することが可能となる。したがって、本実施形態においてはステップS84における位置合わせ精度を、スプレッダユニット11の水平移動が許容されていない場合と比較して緩和することができる。
【0172】
続いて、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS48と同様に、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けが検出されたか否かの判定を行う(ステップS87)。ステップS87にて、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けが検出されていないと判断した場合には、移載装置制御部20は、再びステップS86に戻る。一方で、ステップS87にて、スプレッダユニット11の着座と、スプレッダユニット11のコンテナCへの押付けが検出された場合には、移載装置制御部20は、上記第1実施形態のステップS49と同様に、ツイストロック装置13及びツイストロック装置14によってコンテナCをロックする(ステップS88)。
【0173】
その後、移載装置制御部20は、スプレッダユニット11を上昇する(ステップS89)。ここでは、移載装置制御部20は、昇降ユニット5の昇降駆動部5bを制御することによって、昇降フレーム5aを上昇させる。これによって、スプレッダユニット11が上昇する。スプレッダユニット11が上昇すると、スプレッダユニット11及びコンテナCの荷重によって傾斜吊下チェーン16が張る。これによってスプレッダユニット11の水平方向への移動が規制される。
【0174】
このようにしてスプレッダユニット11がコンテナ運搬トラックTからコンテナCを受け取る荷取処理が完了する。なお、スプレッダユニット11が台車301からコンテナCを受け取る場合には、コンテナ運搬トラックTが台車301に代わる以外は、上述のコンテナ運搬トラックTからの荷取処理と同様である。このため、台車301からの荷取処理についての詳細な説明は省略する。
【0175】
このような本実施形態のコンテナ移載装置において、スプレッダユニット支持部15は、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触せずに水平移動している状態にて、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制する。また、スプレッダユニット支持部15は、スプレッダユニット11がコンテナCに接触せずに水平移動している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制する。また、スプレッダユニット支持部15は、スプレッダユニット11が支持しているコンテナCが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。また、スプレッダユニット支持部15は、コンテナCを支持していないスプレッダユニット11がコンテナCに接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動を許容する。
【0176】
本実施形態のコンテナ移載装置によれば、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動が規制され、コンテナCが載置箇所に対して接触している状態にてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向及び上下方向への移動が許容される。このため、本実施形態のコンテナ移載装置によれば、スプレッダユニット11が支持するコンテナCが載置箇所に対して接触していない状態であれば、スプレッダユニット11を大きく水平移動させてもスプレッダユニット11の揺動を抑制することができる。一方で、コンテナCが載置箇所に対して接触している状態であれば、スプレッダユニット11が揺動することはない。本実施形態のコンテナ移載装置によれば、このようにコンテナCが載置箇所に対して接触している状態でスプレッダユニット11が旋回ユニット7に対して水平方向及び上下方向へ移動できるため、スプレッダユニット11が倣い移動することが可能となる。したがって、本実施形態のコンテナ移載装置によれば、コンテナCの移載を行う場合に、スプレッダユニット11の水平方向及び上下方向への倣い移動を可能とすると共にスプレッダユニット11の水平方向への揺動を抑制することが可能となる。
【0177】
また、本実施形態のコンテナ移載装置によれば、スプレッダユニット支持部15が、Z軸に対して傾斜してスプレッダユニット11に接続された複数の傾斜吊下チェーン16を備えている。スプレッダユニット支持部15は、コンテナCが載置箇所に対して接触していない状態で傾斜吊下チェーン16に作用するテンションを用いてスプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動を規制する。このような本実施形態のコンテナ移載装置によれば、モータ等の動力源を用いなくても、スプレッダユニット11の旋回ユニット7に対する水平方向への移動が規制された状態と許容された状態とを切り替えることが可能となる。このため、装置構成を簡素化することが可能となる。
【0178】
また、本実施形態のコンテナ移載装置においては、スプレッダユニット支持部15が、Z軸に対して異なる方向に傾斜する複数の傾斜吊下チェーン16を備えている。このため、スプレッダユニット11の水平面における複数方向への移動を規制することが可能となる。
【0179】
また、本実施形態のコンテナ移載装置においては、スプレッダユニット支持部15が、Z軸に対して同一方向に傾斜する複数の傾斜吊下チェーン16を備えている。このため、水平面における同一方向へのスプレッダユニット11の移動を複数の傾斜吊下チェーン16によって規制することができる。したがって、より安定的にスプレッダユニット11の水平移動を規制することが可能となる。
【0180】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0181】
例えば、上記実施形態においては、横行ユニット6や旋回ユニット7を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スプレッダユニットと昇降ユニットとの間にスプレッダユニット支持部が介挿された構成であれば、横行ユニット6や旋回ユニット7を備えない構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0182】
1……レール、2……走行ユニット、3……走行ユニット、4……ガーダフレーム、5……昇降ユニット、6……横行ユニット、7……旋回ユニット、7a……旋回フレーム(対向フレーム)、8……吊下チェーン(索状部材)、9……揺動固定装置、10……揺動固定装置、11……スプレッダユニット、12……スプレッダユニット支持部、13……ツイストロック装置、14……ツイストロック装置、15……スプレッダユニット支持部、16……傾斜吊下チェーン(傾斜索状部材)、20……移載装置制御部、21……上部着座センサ、22……トルクセンサ、23……トラック位置検出センサ、24……位置計測部、25……表示装置、26……入力装置、100……コンテナ格納庫、200……自動倉庫、300……入出庫装置、301……台車、400……コンテナ移載装置、C……コンテナ、C1……固定金具、T……コンテナ運搬トラック
図1
図2
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図5
図6
図7
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図9
図10
図11