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  • 特開-非蒸煮乾燥麺 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078993
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】非蒸煮乾燥麺
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/113 20160101AFI20230531BHJP
   A23L 29/231 20160101ALI20230531BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20230531BHJP
【FI】
A23L7/113
A23L29/231
A23L29/256
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192364
(22)【出願日】2021-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】000222783
【氏名又は名称】東洋水産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山村 健太
(72)【発明者】
【氏名】佐川 智朗
【テーマコード(参考)】
4B041
4B046
【Fターム(参考)】
4B041LC03
4B041LD01
4B041LE10
4B041LH02
4B041LH06
4B041LH10
4B041LK03
4B041LK04
4B041LK23
4B041LP01
4B041LP07
4B041LP11
4B041LP12
4B046LA01
4B046LB08
4B046LC01
4B046LC14
4B046LG01
4B046LG02
4B046LG11
4B046LG15
4B046LG16
4B046LG29
4B046LP03
4B046LP10
4B046LP15
4B046LP34
(57)【要約】
【課題】 麺線の強度が高く麺塊の脆さの問題が解消され、且つ、調理時(湯戻し時)における麺からの成分の溶け出しが抑制された非蒸煮乾燥麺を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の実施形態により、小麦粉を含む穀粉及び澱粉からなる主原料と、増粘多糖類とを含有する非蒸煮乾燥麺が提供される。上記非蒸煮乾燥麺において、上記主原料の総質量に対する上記澱粉の配合比は13質量%以上40質量%以下であり、上記澱粉として少なくとも馬鈴薯澱粉を含有し、上記増粘多糖類として少なくともペクチン及びアルギン酸類を含有し、且つ、粉末油脂を含有せず、α化度が35%以上70%以下であり、硬度が14.5N以上であり、且つ、上記非蒸煮乾燥麺のゆで汁における、分光光度計を用いて測定される波長660nmの吸光度が0.45Abs.未満である。但し、上記ゆで汁は、80gの上記非蒸煮乾燥麺を沸騰水500mLに4分間浸漬した後、加熱することなく1分間静置したゆで汁を意味する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉を含む穀粉及び澱粉からなる主原料と、増粘多糖類とを含有する非蒸煮乾燥麺であって、
前記主原料の総質量に対する前記澱粉の配合比が13質量%以上40質量%以下であり、前記澱粉として少なくとも馬鈴薯澱粉を含有し、前記増粘多糖類として少なくともペクチン及びアルギン酸類を含有し、且つ、粉末油脂を含有せず、
α化度が35%以上70%以下であり、硬度が14.5N以上であり、且つ、前記非蒸煮乾燥麺のゆで汁における、分光光度計を用いて測定される波長660nmの吸光度が0.45Abs.未満である非蒸煮乾燥麺。但し、前記ゆで汁は、80gの前記非蒸煮乾燥麺を沸騰水500mLに4分間浸漬した後、加熱することなく1分間静置したゆで汁を意味する。
【請求項2】
前記主原料の総質量に対する前記馬鈴薯澱粉の配合比が13質量%以上40質量%以下である請求項1に記載の非蒸煮乾燥麺。
【請求項3】
前記主原料の総量に対する前記ペクチンの配合比が0.1質量%以上1.0質量%以下である請求項1又は2に記載の非蒸煮乾燥麺。
【請求項4】
前記主原料の総量に対する前記アルギン酸類の配合比が0.1質量%以上0.5質量%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の非蒸煮乾燥麺。
【請求項5】
前記ペクチンとしてHMペクチンを含有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の非蒸煮乾燥麺。
【請求項6】
前記アルギン酸類としてアルギン酸ナトリウムを含有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の非蒸煮乾燥麺。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非蒸煮乾燥麺に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今における即席麺に対する消費者の本格志向の流れや、多種多様な要求に応えるべく、即席麺に対して様々な技術が開発されている。その中で「生麺のような」粘弾性や食感を有するノンフライ即席麺の製造方法として、麺生地を成形した生麺線を蒸煮処理せずに高温熱風乾燥処理する方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
高温熱風乾燥処理においては、水の沸点より高い100℃以上の温度にて生麺線が急速に脱水乾燥される。特許文献2では、その問題点として「麺線の割れ」を指摘している。ここで「麺線の割れ」とは、高温短時間で麺線を乾燥させたときに麺線中心部分よりも麺線表面部分の乾燥が促進され、麺線の表面部分と中心部分の水分差から麺線内部の収縮の差が起こり、麺線の中心部分に大きな空洞を生じる現象と定義されている。そして、同文献は、この「麺線の割れ」が生じると、湯戻し後の喫食時に麺線が真中から二つに裂けたり(縦割れ)、著しい食感の低下を招くことを問題点として指摘し、この問題点を解消するために麺生地に粉末油脂を添加することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭54-44731号公報
【特許文献2】特許第5190148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非蒸煮乾燥麺は、蒸煮工程を経て製造される蒸煮乾燥麺に比べ、一般に麺線の強度が低く脆いため、輸送時の振動や落下などにより麺塊の一部が欠けて破損しやすいという問題がある。本発明者らによる鋭意研究により、主原料を含む混合物に粉末油脂を添加してなる麺生地から成形した生麺線を用いて製造された非蒸煮乾燥麺は、粉末油脂を使用したことにより、乾燥時における麺のひび割れが生じ難くなるという効果があるものの、粉末油脂を使用しない場合に比べ乾燥麺線の強度が低下しており、麺塊がより脆いため、流通過程での衝撃などにより破損しやすいという問題が大きいことが分かった。そして、本発明者らが乾燥麺線の強度を改善する技術を検討する中で、調理時(湯戻し時)における麺からの成分の溶け出しの抑制にも効果がある新規な技術を見出すに至った。
【0006】
本発明は、麺線の強度が高く麺塊の脆さの問題が解消され、且つ、調理時(湯戻し時)における麺からの成分の溶け出しが抑制された非蒸煮乾燥麺を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面によると、小麦粉を含む穀粉及び澱粉からなる主原料と、増粘多糖類とを含有する非蒸煮乾燥麺であって、上記主原料の総質量に対する上記澱粉の配合比が13質量%以上40質量%以下であり、上記澱粉として少なくとも馬鈴薯澱粉を含有し、上記増粘多糖類として少なくともペクチン及びアルギン酸類を含有し、且つ、粉末油脂を含有せず、α化度が35%以上70%以下であり、硬度が14.5N以上であり、且つ、上記非蒸煮乾燥麺のゆで汁における、分光光度計を用いて測定される波長660nmの吸光度が0.45Abs.未満である非蒸煮乾燥麺が提供される。但し、上記ゆで汁は、80gの上記非蒸煮乾燥麺を沸騰水500mLに4分間浸漬した後、加熱することなく1分間静置したゆで汁を意味する。
【0008】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺において、上記主原料の総質量に対する上記馬鈴薯澱粉の配合比は、13質量%以上40質量%以下であってよい。
【0009】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺において、上記主原料の総質量に対する上記ペクチンの配合比は、0.1質量%以上1.0質量%以下であってよい。
【0010】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺において、上記主原料の総質量に対する上記アルギン酸類の配合比は、0.1質量%以上0.5質量%以下であってよい。
【0011】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、上記ペクチンとしてハイメトキシルペクチン(以下において、「HMペクチン」と記載する。)を含有してよい。
【0012】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、上記アルギン酸類としてアルギン酸ナトリウムを含有してよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、麺線の強度が高く麺塊の脆さの問題が解消され、且つ、調理時(湯戻し時)における麺からの成分の溶け出しが抑制された非蒸煮乾燥麺が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、落下試験による麺塊の欠けの割合を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、小麦粉を含む穀粉及び澱粉からなる主原料と、増粘多糖類とを含有し、一方、粉末油脂を含有しない。本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺が粉末油脂を含有しない主たる理由は、粉末油脂の使用により、蒸煮処理せずに高温で乾燥処理する際の麺線のひび割れは生じ難くなるが、乾燥後の麺線強度は低く、場合によっては麺線強度が低下するためである。このメカニズムについて、以下のように推測している。
【0016】
すなわち、小麦粉等の主原料と水とを含み、粉末油脂を含有しない麺生地から形成された生麺線を水の沸点以上に加熱する場合、粉末油脂を含有しない生麺線は均質であるため、気化した水は直ちには麺の外部へ放出されず、麺の内部で大きな気泡を生じる。そのため、個々の空隙が大きなサイズを有している乾燥麺が得られる。これが乾燥時のひび割れを生じやすくする。
【0017】
これに対し、粉末油脂を含んだ生麺線を水の沸点以上に加熱すると、気化した水の一部は、水を含んだ主原料からなる部分と油脂からなる部分との界面に集まり、それらの間に隙間を生じさせ、この隙間を介して麺の外部へと速やかに放出される。気化した水の他の一部は発泡に寄与し、残りは流動化した油脂の拡散によって生じる隙間へと移動する。発泡に寄与する蒸気が少ないので、空隙のサイズが過剰に大きくなることはない。このため高温で乾燥処理する際の麺線のひび割れが抑制される。
【0018】
一方、粉末油脂の使用により乾燥時における過剰なサイズの空隙の発生は抑制されても、乾燥処理の際に上記界面の間に生じる上記隙間や、流動化した粉末油脂の拡散により生じる上記隙間は、麺線の全体にわたり形成されるため、得られる乾燥麺は多孔質構造となる。これが麺線の強度を低下させていると推測される。
【0019】
非蒸煮乾燥麺において、特許文献2に開示された「麺線の割れ」防止や、乾燥時のひび割れを防ぐために、粉末油脂を使用することが技術常識となっている中、粉末油脂が乾燥後の麺塊の脆さに関わっていたことは新たな知見である。
【0020】
このため本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、上記の通り、粉末油脂を含有しないことを第一の特徴とする。そして、本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、粉末油脂を含有しない代わりに、馬鈴薯澱粉を含む特定量の澱粉と、ペクチンとアルギン酸類を含む増粘多糖類とを併用すること、好ましくは、馬鈴薯澱粉を含む特定量の澱粉と、HMペクチンとアルギン酸ナトリウムを含む増粘多糖類とを併用することを第二の特徴とする。この第一の特徴と第二の特徴とを兼ねそろえてなる本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、驚くべきことに、乾燥時のひび割れの発生を抑制しつつ、乾燥後の麺線の強度が高く、麺塊の脆さの問題が解消され、且つ、調理時(湯戻し時)における麺からの成分の溶け出しの抑制能にも優れることが見出された。
【0021】
(非蒸煮乾燥麺)
本実施形態において、非蒸煮乾燥麺は、麺生地から成形された生麺体を蒸煮処理せず熱風乾燥して製造されるノンフライ乾燥麺であり、一般に即席麺として提供される。その種類および製品形態は特に限定されない。例えば、中華麺、スパゲティ、うどん、蕎麦等の熱湯で茹でて調理するタイプ、熱湯を注加して調理するタイプなどいずれでもよい。
【0022】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、上記の通り、粉末油脂を含有しない。
(粉末油脂)
粉末油脂とは、食用油脂を原料として製造された粉末油脂である。食用油脂としては、例えば、パーム油、綿実油、サフラワー油、米ぬか油、やし油、パーム核油、菜種油、コーン油、ダイス油、ゴマ油などの植物油、それらの硬化油およびエステル交換油が挙げられる。粉末油脂の粒子径は、例えば、150μm以上500μm以下である。
【0023】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、小麦粉を含む穀粉及び澱粉からなる主原料と、少なくともペクチン及びアルギン酸類を含む増粘多糖類とを含有する。
(小麦粉を含む穀粉)
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、穀粉として少なくとも小麦粉を含有する。小麦粉としては、例えば、強力粉、準強力粉、薄力粉およびディラムセモリナ粉などが挙げられる。小麦粉の一部を、例えば、米粉、そば粉、トウモロコシ粉などの他の穀粉で代替してもよい。
【0024】
(澱粉)
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、澱粉として馬鈴薯澱粉を少なくとも含有する。本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、一形態において、馬鈴薯澱粉以外の他の澱粉を含有してもよい。他の澱粉としては、例えば、タピオカやコーンスターチなどの澱粉が挙げられる。澱粉は、生澱粉であってもよいし、あるいは、生澱粉をエステル化、エーテル化、酸化するなどした加工澱粉であってもよい。加工澱粉は、一例によれば、エステル化澱粉又はエーテル化澱粉が好ましい。エステル化澱粉の具体例としては、酢酸澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク酸澱粉等が挙げられ、エーテル化澱粉の具体例としては、ヒドロキシプロピル澱粉等が挙げられる。
【0025】
澱粉の配合比は、穀粉と澱粉からなる主原料の総質量に対して、13質量%以上40質量%以下であり、一例によれば、18質量%以上30質量%以下であってよい。馬鈴薯澱粉の配合比は、一例によれば、13質量%以上40質量%以下であってよく、他の例によれば、18質量%以上30質量%以下であってよい。
【0026】
(増粘多糖類)
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は増粘多糖類を含有し、増粘多糖類として少なくともペクチン及びアルギン酸類を含有する。
ペクチンは、その起源などは制限されない。例えば、リンゴ、レモンなどを起源とするものを用いることができる。ペクチンには、HMペクチン、ローメトキシルペクチン(以下において、「LMペクチン」と記載する。)があり、何れも好適に使用することができるが、HMペクチンを使用することが特に好ましい。
【0027】
アルギン酸類としては、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸エステルなどが挙げられ、何れも好適に使用することができるが、アルギン酸ナトリウムを使用することが特に好ましい。
【0028】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、ペクチン及びアルギン酸類に加え、他の増粘多糖類を含有してもよい。
【0029】
本実施形態において、ペクチンの配合比は、穀粉と澱粉からなる主原料の総質量に対して、一例によれば0.1質量%以上1.0質量%以下であり、他の例によれば0.2質量%以上1.0質量%以下である。
また、アルギン酸の配合比は、穀粉と澱粉からなる主原料の総質量に対して、一例によれば0.1質量%以上0.5質量%以下であり、他の例によれば0.1質量%以上0.2質量%以下である。
【0030】
非蒸煮乾燥麺において主原料として澱粉が使用され、副原料として増粘多糖類が使用されることは一般的なことである。この場合、澱粉は、主にα化度を高めて湯戻し時間を短縮するために用いられ、増粘多糖類は、主に食感を改善するために用いられる。しかしながら、上述した通り、粉末油脂を含有せず、且つ、特定量の馬鈴薯澱粉とペクチンとアルギン酸類とを併用してなる本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、生麺線の熱風乾燥時のひび割れの発生を抑制し、更に、乾燥後の麺線の強度を改善し、且つ、調理時(湯戻し時)における溶け出しの抑制効果をも有している。
【0031】
そして、この効果はペクチンとしてHMペクチンを使用した場合に特に優れる。上述した通り、ペクチンには、HMペクチンとLMペクチンとがある。非蒸煮乾燥麺の食感を改善するために増粘多糖類としてペクチンを使用することは一般的であるが、特にHMペクチンを選択して用いられることはこれまでなかった。HMペクチンがアルギン酸類及び馬鈴薯澱粉と併用されることにより、乾燥時のひび割れ抑制、乾燥麺線の強度改善、及び調理時(湯戻し時)の溶け出し抑制に関し、更に高い効果を奏することは驚きである。そして、HMペクチンを使用することによる上記効果は、アルギン酸類としてアルギン酸ナトリウムを使用したときに更に向上する。
【0032】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、増粘多糖類に加え、他の副原料を更に含有してよい。他の副原料としては、例えば、食塩、かんすい、植物性蛋白質、卵紛、やまいも粉、色素、食品添加物等が挙げられる。かんすいとは、下記成分規格によれば、「炭酸カリウム(無水)」、「炭酸水素ナトリウム」、「炭酸ナトリウム」及び「リン酸類のカリウム塩又はナトリウム塩」のうち1種以上を含むものをいい、固形かんすい、液状かんすい、及び、小麦粉で希釈した希釈粉末かんすいがある(食品衛生法に基づく第9版食品添加物公定書2018)。本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺においては、上記成分規格の要件を満足するかんすいを使用することができる。また、かんすいとしての作用を奏するものであれば、代替物質を使用することも可能であり、また、かんすいと代替物質とを併用することも可能である。
【0033】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺において、麺線の形状は特に制限されるものではない。ただし、調理時(湯戻し時)の溶け出しを特に効果的に抑制できるという観点からは、丸刃で切り出された麺(以下において、「丸刃切り出し麺」という。)であってよい。丸刃切り出し麺が、角刃で切り出された麺(以下において、「角刃切り出し麺」という。)と比べ溶け出しの抑制能に優れる理由は以下の通りである。すなわち、角刃切り出し麺は、長手方向の切断断面が外表面に出るのに対し、丸刃切り出し麺は、丸刃で切断面が麺線内部に押し込まれるように剪断されるため、切断面が外表面に出ない。このため丸刃切り出し麺は、調理時(湯戻し時)の溶け出しの抑制に効果的である。
【0034】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、α化度が、一例によれば35%以上70%以下であり、他の例によれば40%以上55%以下である。ここで、α化度は、グルコアミラーゼ第二法に従って測定される。
【0035】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、麺線の硬度が、一例によれば14.5N以上であり、他の例によれば15.0N以上である。ここで、麺線の硬度は、テクスチャーアナライザーを用いて測定され、具体的には後述する実施例に記載の方法により測定される。
【0036】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、ゆで汁の吸光度が、一例によれば0.45Abs.未満であり、他の例によれば0.40Abs.未満である。ここで、ゆで汁とは、80gの非蒸煮乾燥麺を沸騰水500mLに4分間浸漬した後、加熱することなく1分間静置したゆで汁を意味する。また、吸光度は、分光光度計を用いて測定される波長660nmの吸光度であり、具体的には後述する実施例に記載の方法により測定される。浸漬後の水(ゆで汁)の吸光度が低いほど濁度が低く、溶け出しが抑制されていることを示す。
【0037】
α化度が35%以上70%以下の非蒸煮乾燥麺において、麺線の硬度が14.5N以上であり、且つ、上記吸光度が0.45Abs.未満を満たす非蒸煮乾燥麺は、これまで存在しなかった。本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、これら条件をすべて満たすことができ、乾燥後の麺線の強度が高く、麺塊の脆さの問題が解消され、且つ、調理時(湯戻し時)における溶け出しが抑制されている。
【0038】
(製造方法)
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺の製造方法は、一形態において、麺生地を作製すること、麺生地から生麺体を形成すること、及び、生麺体を乾燥することを含む。以下に各工程について説明する。
【0039】
(麺生地の作製)
麺生地の作製は、主原料及び副原料をミキサーなどにより混錬して行われる。麺生地の形成において、一般的に原料を練り合わせるためには水分を原料に添加する。使用される水分の量は、麺生地の形成に必要な水分量であればよく、適宜設定される。例えば、添加される水分量は、主原料の総質量に対して25質量%以上50質量%以下であってよい。
【0040】
(生麺体の形成)
作製した麺生地からの生麺体の形成は、ロール圧延等により麺帯状にした後、切刃装置にて連続的に麺線状に切り出したり、押出機を使用して麺線状に加工したりすることにより行ってよい。麺線形状に代わり、他の形状の麺体としてもよい。それぞれの形状の麺体を形成する方法は、公知の何れかの手段を用いればよい。なお、ここでは麺線形状に加工された生麺体を「生麺線」と呼んでいる。
【0041】
本実施形態において、麺帯状に形成された麺生地を麺線状に切り出す場合、上述したように、丸刃を使用して切り出すことが好ましい。丸刃で麺線状に切り出し丸麺とすることにより、調理時(湯戻し時)における溶け出しの抑制効果を更に高めることができる。
【0042】
なお、形成された生麺線は、一形態において、乾燥される前に一食分ずつの質量になるように切断され、乾燥用型枠に一食分ずつ成形充填され、次の乾燥工程に付される。
【0043】
(生麺体の乾燥)
生麺体の乾燥は、熱風を用いて生麺体を乾燥することにより行われる。生麺体の熱風乾燥は、一例によれば、空気の流動、例えば、風のある状態で90℃以上150℃以下の温度で、3分以上20分以下の範囲で行うことができる。生麺体の熱風乾燥は、他の例によれば、空気の流動、例えば、風のある状態で120℃以上150℃以下の温度で第1の熱風乾燥処理を行った後に、50℃以上120℃以下の温度で第2の熱風乾燥処理を行い、第1の熱風乾燥処理と第2の熱風乾燥処理の総処理時間が3分以上20分以下となるように行うことができる。
【0044】
温度の設定は、乾燥場、例えば、乾燥庫内(一般的に「庫内」ともいう)の温度として測定される温度の設定により行われてよい。また、空気の流動は、麺体を均一に処理するために、また乾燥を促進するために一般的に行われる手段により達成することが可能であり、例えば、一般的な乾麺の熱風乾燥において利用される手段、例えば、気流発生装置、送風機などを利用してもよい。例えば送風する場合、その風速は、一般的に乾麺の製造において行われる風速であればよい。一例によれば、1m/s以上70m/s以下であってよく、他の例によれば、1m/s以上30m/s以下であってよく、更に他の例によれば、5m/s以上15m/s以下であってよく、更に他の例によれば、8m/s以上13m/s以下であってよく、更に他の例によれば9m/s以上11m/s以下であってよく、更に他の例によれば、10m/sであってよい。
【0045】
本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、例えば、カップ、箱又は袋など公知の何れかの容器に収容された状態で即席麺として提供されてもよい。例えば、樹脂製の小袋に1食分として封入されて提供されてもよいし、複数食分が纏めて1つの樹脂製の袋に封入されて提供されてもよい。また、1食分または複数食分の乾燥麺が、それぞれ小袋に封入されたスープの素及び/又はかやくと共に1つの袋に封入されて提供されてもよい。
【0046】
乾燥麺の調理方法の1例は次の通りである。メーカー推奨の調理方法に則り、鍋に湯を沸かし、沸騰した後に乾燥麺を加えて約1分乃至約5分間に亘り放置またはかき混ぜながら茹で戻しする。所望によりその湯に味付け、かやく、具材を加えてよい。また、調理方法の他の例は次の通りである。メーカー推奨の調理方法に則り、容器に収容された乾麺に水を注ぎ、電子レンジなどによるマイクロウェーブにより加熱してもよく、IH調理器などによる電磁誘導により加熱してもよい。しかしながら、これらに限定されるものではなく、必要時間に亘って、乾燥麺を水からの加熱または湯中での加熱、湯に浸すことなど、公知の手段により調理されてもよい。
【0047】
湯への味付けは、調理者が公知の何れかの調味料により行ってもよく、専用のスープの素により行ってもよい。スープの素は液体状の濃縮スープの素であっても、粉末スープの素であってもよい。湯を捨てて麺に直接味を付ける場合においても同様である。
【実施例0048】
以下に、本発明に関連して行った試験について記載する。
<試験例1>
例1
小麦粉750gと、下記に示す加工馬鈴薯澱粉A250gとからなる主原料1kgをミキサーに投入した。水340mL(主原料100質量部に対して34質量部)に、食塩15g、リン酸塩(Na)8g、HMペクチン5g、及びアルギン酸Na2gを加えて撹拌し、溶解することにより、副原料の水溶液を調整した。次いで、この副原料の水溶液をミキサー内の上記主原料に加え、混練することにより、麺生地を得た。
【0049】
得られた麺生地をロール圧延して約1.7mmの厚さとし、14番丸刃で切り出して幅約2.1mmの生麺線を得た。この生麺線を定量にカットし、型枠に移して枠詰めした。型枠に蓋をし、140℃の熱風(風速10m/s)で約3分間乾燥し、80gの非蒸煮乾燥麺1を得た。得られた非蒸煮乾燥麺1において、乾燥によるひび割れの問題はなかった。
例1において、加工馬鈴薯澱粉Aとして、生の馬鈴薯澱粉を酢酸でエステル化処理したエステル化馬鈴薯澱粉を使用した。
【0050】
例2
例1の製造方法に対し、以下の変更を加えた以外は例1と同様の方法により、非蒸煮乾燥麺2を得た。すなわち、例1で調製した麺生地をロール圧延して約1.2mmの厚さとし、14番丸刃で圧延した麺帯を切り出し、生麺線を得た。
なお、得られた非蒸煮乾燥麺2において、乾燥によるひび割れの問題はなかった。
【0051】
例3
例1の製造方法に対し、以下の変更を加えた以外は例1と同様の方法により、非蒸煮乾燥麺3を得た。すなわち、例1で調製した麺生地をロール圧延して約1.2mmの厚さとし、切刃番手を22番丸刃に変更して圧延した麺帯を切り出し、生麺線を得た。
なお、得られた非蒸煮乾燥麺3において、乾燥によるひび割れの問題はなかった。
【0052】
比較例1
小麦粉1000g、平均粒径が150μm乃至250μmの球状の粉末油脂20g(小麦粉100質量部に対して2質量部)をミキサーに投入した。水300mL(小麦粉100質量部に対して30質量部)に、食塩20g、リン酸塩(Na)5gを加えて撹拌し、溶解することにより、副原料の水溶液を調整した。次いで、この副原料の水溶液をミキサー内の上記原料に加え、混練することにより、麺生地を得た。得られた麺生地をロール圧延して約1.2mmの厚さとし、14番角刃で切り出して幅約2.1mmの生麺線を得た。この生麺線を定量にカットし、型枠に移して枠詰めした。型枠に蓋をし、140℃の熱風(風速10m/s)で約3分間乾燥し、80gの非蒸煮乾燥麺1Cを得た。得られた非蒸煮即席1Cにおいて、乾燥によるひび割れの問題はなかった。
【0053】
比較例2
比較例1の製造方法に対し、以下の変更を加えた以外は比較例1と同様の方法により、非蒸煮乾燥麺2Cを得た。すなわち、比較例1で調製した麺生地をロール圧延して約1.2mmの厚さとし、切刃番手を18番角刃に変更して圧延した麺帯を切り出し、生麺線を得た。
なお、得られた非蒸煮乾燥麺2Cにおいて、乾燥によるひび割れの問題はなかった。
【0054】
比較例3
比較例1の製造方法に対し、以下の変更を加えた以外は比較例1と同様の方法により、非蒸煮乾燥麺3Cを得た。すなわち、比較例1で調製した麺生地をロール圧延して約1.1mmの厚さとし、切刃番手を24番角刃に変更して圧延した麺帯を切り出し、生麺線を得た。
なお、得られた非蒸煮乾燥麺3Cにおいて、乾燥によるひび割れの問題はなかった。
【0055】
参考例1
蒸煮工程を経て製造された市販のノンフライ即席麺(麺の形状:矩形、太麺)を参考例1とした。
【0056】
参考例2
参考例1とは異なる会社から販売されているノンフライ即席麺(麺の形状:矩形、太麺)を参考例2とした。
【0057】
<評価方法>
上掲の乾燥麺について、断面積、α化度、硬さ(テクスチャーアナライザー)、落下試験、及び、吸光度(濁度)を下記方法により測定し、評価した。
(1)断面積
例1乃至3、及び比較例1乃至3の乾燥麺について、デジタルマイクロスコープを用い、以下の条件及び手順に従い断面積を測定した。結果を表1に示す。
【0058】
[測定条件]
・装置:DIGITAL MICROSCOPE VHX-1000(キーエンス社製)
・レンズ:VH-Z20R 30倍
・検体数:5検体
【0059】
[測定手順]
非蒸煮乾燥麺(麺塊)からランダムに麺線を抽出し、麺線の長手方向に垂直となる面について、麺線断面の縁が明確な検体をステージに乗せた。乗せる際には、断面がステージに平行になるようにした。検体の設置が完了し次第断面の縁をなぞり、VHX-1000の機能にて面積を自動測定させた。5検体の測定値の平均を断面積とした。結果を表1に示す。
【0060】
(2)α化度
すべての乾燥麺について、グルコアミラーゼ第二法によるα化度の測定を日本食品分析センターに依頼した。結果を表1に示す。
【0061】
(3)強度
(3-1)テクスチャーアナライザーによる麺線の硬さ測定
テクスチャーアナライザーを用い、以下の条件及び手順に従い、すべての乾燥麺について麺線の硬さを測定し、下記基準により評価した。結果を表1に示す。
A:15.0N以上
B:14.5N以上15.0N未満
C:14.5N未満
【0062】
[測定条件]
・装置:TA.XT Plus Texture Analyser(Stable Micro Systems社製)
・プランジャー(治具):カッター刃(厚さ0.65mm、先端がとがった平刃)
・ロードセル:30kg
・圧縮試験
・テストスピード:1.00mm/sec
・荷重:0.049N(5.0g)
・検体数:5個
【0063】
[測定手順]
非蒸煮乾燥麺(麺塊)からランダムに麺線を抽出し、ステージに乗せた。乗せる際には、麺線がステージに平行になるようにし、且つ切刃断面が側面になるようにした。検体の設置が完了し次第、測定を開始し、グラフのピークを読み取った。5検体の測定値の平均を硬さとした。
【0064】
(3-2)落下試験による麺塊の硬さ測定
麺線の太さが互いに近い例2及び比較例1について、落下試験を行い、麺塊から麺線が欠ける割合(質量%)を測定した。結果を表1及び図1に示す。
[測定手順]
非蒸煮乾燥麺とスープの素を個食の軟包材に入れシールし個包装を得た。個包装の平な面を下に向け(スープの素が上)、3食重ねた。重ねた個包装3食を外装用軟包材に入れ、3食パックを作製した。上記のサンプルを「JIS Z 0238 ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法」に準拠し落下試験を行った。上下の個包装に挟まれた中央の乾燥麺について、乾燥麺の全質量に対して欠けた麺の割合(質量%)を測定し、2回の平均を算出した。
【0065】
(4)吸光度(濁度)
下記条件及び手順に従い、分光光度計による波長660nmでの吸光度(Abs.)をすべての乾燥麺について測定し、下記基準により溶け出しの抑制能を評価した。吸光度が低いほど濁度が低く、溶け出しが抑制されていることを示す。結果を表1に示す。
A:吸光度(濁度)が0.40未満
B:吸光度(濁度)が0.40以上0.45未満
C:吸光度(濁度)が0.45以上
【0066】
[測定条件]
・装置:分光光度計UV-2450(SHIMADZU社製)
・波長:660nm
・検体数:2個
【0067】
[測定手順]
80gの各乾燥麺(麺塊)を500mLの沸騰水に4分間浸漬させた後、加熱することなく1分間静置(放置)した後のゆで汁を測定サンプルとした。
【0068】
各サンプルのゆで汁をイオン交換水で6倍に希釈し、分光光度計にて濁度を3回測定した。測定は検体毎に3回測定した。各検体について3回の平均値を算出し、更に各々の平均値の平均を算出した。なお、用いた沸騰水自体の吸光度は0.00Abs.であり、市水を使用した。
【0069】
【表1】
【0070】
表1より、まず、非蒸煮乾燥麺である例1乃至例3及び比較例1乃至比較例3と、蒸煮乾燥麺である参考例1及び参考例2との対比から、ノンフライ乾燥麺における強度は、蒸煮乾燥麺に比べて非蒸煮乾燥麺は低く、麺塊の脆さの問題は、蒸煮乾燥麺よりも非蒸煮乾燥麺において生じやすい問題であることがわかる。
【0071】
そして、表1に示される例1乃至例3と比較例1乃至比較例3との対比、並びに図1から、本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺の方が麺線の強度に優れ、麺塊の脆さは改善されていることがわかる。
また、本実施形態に係る非蒸煮乾燥麺は、麺線強度が改善されているだけでなく、調理時(湯戻し時)の溶け出しも十分に抑制されていることがわかる。
【0072】
<試験例2> 粉末油脂に関する試験
例2の非蒸煮乾燥麺2に対し、粉末油脂を後掲の表3に記載の配合比で添加した以外は例2と同じ条件及び方法で非蒸煮乾燥麺を製造した。得られた各乾燥麺について、上掲の評価方法に従い、麺線の硬さ(テクスチャーアナライザー)及び吸光度(濁度)を評価した。
また、沸騰水に入れ4分間茹で戻しを行った後、そのまま1分間静置した各麺について、ぬめり、硬さ及び弾力の官能評価試験を行った。また、さらに4分間静置した各麺について、のびの官能評価試験を行った。この官能評価試験は、即席麺の開発を担当する麺の官能評価についてよく訓練された5人のパネラーに委託して行った。官能評価試験の評価基準を表2に、結果を表3に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
<試験例3>増粘多糖類に関する試験(その1)
例2の非蒸煮乾燥麺2に対し、増粘多糖類としてHMペクチンの添加量を表4に記載の配合比に変更した以外は例2と同じ条件及び方法で、非蒸煮乾燥麺を製造した。得られた各乾燥麺について上掲の評価方法に従い評価した。結果を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】
<試験例4>増粘多糖類に関する試験(その2)
例2の非蒸煮乾燥麺2に対し、増粘多糖類としてアルギン酸Naの添加量を表5に記載の配合比に変更した以外は例2と同じ条件及び方法で、非蒸煮乾燥麺を製造した。得られた各乾燥麺について上掲の評価方法に従い評価した。結果を表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】
<試験例5>増粘多糖類に関する試験(その3)
例2の非蒸煮乾燥麺2に対し、HMペクチンをLMペクチンに変更した以外は例2と同じ条件及び方法で、非蒸煮乾燥麺を製造した。得られた各乾燥麺について上掲の評価方法に従い評価した。結果を表6に示す。
【0080】
【表6】
【0081】
<試験例6>澱粉に関する試験
例2の非蒸煮乾燥麺2に対し、加工馬鈴薯澱粉Aの添加量を表7に記載の配合比に変更した以外は例2と同じ条件及び方法で、非蒸煮乾燥麺を製造した。得られた各乾燥麺について上掲の評価方法に従い評価した。結果を表7に示す。
【0082】
【表7】
【0083】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。

図1