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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079061
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】磁性壁面掛止システム
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/02 20060101AFI20230531BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
H01F7/02 F
A47G29/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192480
(22)【出願日】2021-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】000110893
【氏名又は名称】ニチレイマグネット株式会社
(72)【発明者】
【氏名】前橋 清
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雅治
(72)【発明者】
【氏名】笠原 修
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA13
3K100AE01
3K100AF03
3K100AJ02
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、比較的大きな耐荷重を得られるとともに、防耐火性に優れる磁性壁面掛止システムを提供する。
【解決手段】実質鉛直な平面を形成している壁表面に壁面マグネットシート21を貼着してなる磁性壁面11と、掛止具マグネットシート51を装着した掛止具50とを有し、磁性壁面に掛止具マグネットシートを磁気的に吸着させてなる磁性壁面掛止システム1において、壁面マグネットシートと掛止具マグネットシートはともに表面に同一の着磁ピッチで多極着磁が施され、壁面マグネットシートは、表装シート25を含めて厚さが150μ~540μであるとともに、壁面マグネットシートの表面における任意の1つの磁極22とその隣の磁極23との境界部分がなす着磁ライン24Xが実質水平である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質鉛直な平面を形成している壁表面に壁面マグネットシートを貼着してなる磁性壁面と、掛止具マグネットシートを装着した掛止具とを有し、磁性壁面に掛止具マグネットシートを磁気的に吸着させてなる壁面掛止システムにおいて、
壁面マグネットシートと掛止具マグネットシートはともに表面に同一の着磁ピッチで多極着磁が施されてなり、
壁面マグネットシートは、表装シートを含めて厚さが150μ~540μであるとともに、壁面マグネットシートの表面における任意の1つの磁極とその隣の磁極との境界部分がなす着磁ラインが、実質水平であることを特徴とする磁性壁面掛止システム。
【請求項2】
壁面マグネットシートと掛止具マグネットシートの着磁ピッチが1.0mm以上7.0mm以下である請求項1に記載の磁性壁面掛止システム。
【請求項3】
壁面マグネットシートは、軟磁性ボードをバックヨークとしている請求項1または請求項2に記載の磁性壁面掛止システム。
【請求項4】
壁面マグネットシートが異方性である請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁性壁面掛止システム。
【請求項5】
軟磁性ボードが、石膏ボードの片面に磁性層を積層させたボード、鋼板、または、表装シート若しくは機能性シートをラミネートした鋼板である請求項1から請求項4のいずれかに記載の磁性壁面掛止システム。
【請求項6】
壁面マグネットシートは、着磁ラインの途中の特定位置において一部の着磁ラインが湾曲及び屈曲の少なくとも一方の形状を呈し、掛止具マグネットシートは、マグネットシートの特定位置と鏡像関係の形状でN極とS極が逆となった磁極構造を有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の磁性壁面掛止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁性壁面掛止システムに関する。より詳しくは、壁面の不燃性が確保できるとともに、磁気的な吸着・反発力を利用して壁面に物品を掛止できるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気吸着力を利用して壁面に物品を掛止するシステムの一つとして、特許文献1は、マグネット吸着化粧板と、マグネットシートを備える掛止具(用具)とを備える構成を開示している。この掛止具は、マグネット吸着化粧板に対して磁力により着脱自在に掛止され、吊下げフックや本棚等への適用を例示している。
【0003】
上記のようなシステムに用いられる掛止具では、より大きな耐荷重を確保するために、磁気吸引力を高め、或いは粘着質の材質をマグネットシート等の磁石体の表面にコーティング或いは貼ることで摩擦力を高める取組み等がなされてきた。例えば、特許文献2では、軟磁性壁面に磁気吸着させる強力な永久磁石と、滑り止めの弾性体とを組み合わせた掛止具を開示している。
一方、特許文献3は、表面に多極着磁の施された多極着磁型のマグネットシートを貼った壁面に、このマグネットシートと同一ピッチで着磁されているマグネットシートを備えた表示片を磁気吸着させるものである。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3207754号
【特許文献2】実開昭49-138266号
【特許文献3】実用新案登録第3039710号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、壁面の汚染や弾性体の劣化や汚れが起因となって、十分な静止摩擦力を得ることができなくなってしまうことがある。更に特許文献2では特別な永久磁石を必要とし、また大袈裟な掛止具になってしまう。また、特許文献3の技術では、表示シートや軽量な負荷であれば十分機能するが、負荷が増すと、磁気吸着力が弱くまた十分な摩擦係数が確保できないことから掛止具は脱落してしまう。一方で、このようなシステムを室内壁に適用した場合、火災時に被害を拡大させない防耐火性に優れることが望まれている。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、比較的大きな耐荷重を得られるとともに、防耐火性に優れる磁性壁面掛止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段をとる。なお、本欄(「課題を解決するための手段」の欄)において各構成手段に付した括弧書きの符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すための参考用のものであり、本発明の構成手段をこれに限定するものではない。
【0008】
本発明の一の態様は、実質鉛直な平面を形成している壁表面に壁面マグネットシート(21,21A)を貼着してなる磁性壁面(11)と、掛止具マグネットシート(51,61,81)を装着した掛止具(50,60,80)とを有し、磁性壁面(11)に掛止具マグネットシート(51,61,81)を磁気的に吸着させてなる磁性壁面掛止システム(1,2,3)において、壁面マグネットシート(21,21A)と掛止具マグネットシート(51,61,81)はともに表面に同一の着磁ピッチで多極着磁が施されてなり、壁面マグネットシート(21,21A)は、表装シート(25)を含めて厚さが150μ~540μであるとともに、壁面マグネットシート(21,21A)の表面における任意の1つの磁極(22)とその隣の磁極(23)との境界部分がなす着磁ライン(24X,24AX)が実質水平であることを特徴とする。
【0009】
本態様によると、掛止具(50,60,80)にかかる荷重が、磁性壁面(11)と掛止具マグネットシート(51,61,81)との間の静止摩擦力(Q)で掛止できる限界よりもやや大きい状況下で、掛止具(50,60,80)が鉛直下方へ移動しようとすると、壁面マグネットシート(21,21A)と異極同士が対面し強い磁気吸着力により吸引されている掛止具マグネットシート(51,61,81)は、壁面マグネットシート(21,21A)の同極に近づき、或は重なろうとする。このとき、鉛直上方へ向けて磁気的な反発力(f1)が発生する。その結果、荷重を支えることができる。この現象には磁性壁面(11)と掛止具(50,60,80)との間の摩擦係数は本質的には無関係である。
【0010】
従って、摩擦係数が高い材質や粘着材の効果に加えて更に耐荷重を大きくすることができる。これは、採用されている材質の摩擦係数に依る耐荷重に加えて、磁気的な反発力f1に依る耐荷重が付け加えられるからである。ここで摩擦力に依る掛止と、磁気的な反発力に依る掛止とは、全く独立している。つまり、極めて簡単な構造でもって相対的な耐荷重を大きくできる。
また、壁面マグネットシート(21,21A)が、表装シート(25)を含めて厚さが150μ~540μであり、防耐火性に関する所定の性能試験の評価基準を満たすことから、建造物の室内壁として好適である。
【0011】
本発明の他の態様は、壁面マグネットシート(21,21A)と掛止具マグネットシート(51,61,81)の着磁ピッチが1mm以上7.0mm以下である。
【0012】
本発明の他の態様では、壁面マグネットシート(21,21A)は、軟磁性ボード(30)をバックヨークとしている。
【0013】
本態様によると、防耐火性を確保するため壁面マグネットシート(21,21A)を薄くしたことに起因する磁力の低下を、軟磁性ボード(30)における軟磁性層(32)のバックヨーク効果によってカバーし、磁性壁面(11)に十分な磁力、即ち高い表面磁束密度を確保できる。
【0014】
本発明の他の態様は、壁面マグネットシート(21,21A)が異方性である。
【0015】
本態様によると、裏面の軟磁性層(32)のバックヨークと、磁性壁面(11)に磁着させた掛止具(50)のマグネットシート(51)との磁気吸引作用を最大限に活かすことができる。
【0016】
本発明の他の態様は、軟磁性ボード(30)が、石膏ボードの片面に磁性層を積層させたボード、鋼板、または、表装シート若しくは機能性シートをラミネートした鋼板である。
【0017】
本発明の他の態様は、壁面マグネットシート(21A)は、着磁ライン(24AX)の途中の特定位置(27)において一部の着磁ラインが湾曲及び屈曲の少なくとも一方の形状を呈し、掛止具マグネットシート(81)は、マグネットシート(21A)の特定位置(27)と鏡像関係の形状で且つN極とS極が逆となった磁極構造を有する。
【0018】
本態様によると、掛止具マグネットシート(81)を装着した掛止具(80)は、該特定位置(27)において縦方向にも横方向にもずれることなくピタリと磁着する。
【発明の効果】
【0019】
本態様によると、簡単な構成で、比較的大きな耐荷重を得られるとともに、防耐火性に優れる磁性壁面掛止システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の磁性壁面掛止システムを示す斜視図である。
図2】第1の磁性壁面掛止システムにおける磁性壁側のマグネットシートの2面図である。
図3】第1の磁性壁面掛止システムにおける掛止具側のマグネットシートの2面図である。
図4】第1の磁性壁面掛止システムの使用例を示す側面図である。
図5図4における2枚のマグネットシート間の作用力と相対位置関係を説明するための側面図である。
図6】第2の磁性壁面掛止システムを説明するための図である。
図7】第2の磁性壁面掛止システムにおける2枚のマグネットシート間の作用力と相対位置関係を説明するための側面図である。
図8図7(b)の一点鎖線部分の拡大図である。
図9】第3の磁性壁面掛止システムを示す斜視図である。
図10】第3の磁性壁面掛止システムに用いられるマグネットシートを示す正面図である。
図11】第3の磁性壁面掛止システムの変形例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1の磁性壁面掛止システム〕
図1は第1の磁性壁面掛止システム1を示す斜視図であり、(a)は外観図、(b)は一部分解図を示す。図2は第1の磁性壁面掛止システム1における磁性壁10側のマグネットシート21の2面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。図3は第1の磁性壁面掛止システム1における掛止具50側のマグネットシート51の2面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。
なお、後述の各図を含めたこれらの図において、直交座標系の3軸をXYZとし、磁性壁10の壁面11はXY平面に垂直で且つZX平面に平行であるとする。また、各図の縮尺は必ずしも正確なものではなく、その一部の要素は、単に本発明をわかりやすくするために描いただけのものである。
【0022】
第1の磁性壁面掛止システム1は、図1(a)に示すように、磁性壁10と掛止具50を備え、磁性壁10に設けられたマグネットシート21と、掛止具50に設けられたマグネットシート51とが磁気吸着し合うことで、掛止具50を磁性壁10の壁面11に掛止する構成とされる。
【0023】
磁性壁10は、図1(b)に示すように、磁性壁材シート20と軟磁性ボード30と壁下地40を備える。
【0024】
磁性壁材シート20は、マグネットシート21に壁材フィルム25を例えばウレタン系の接着剤を介して積層させた構成とされる。
【0025】
マグネットシート21は、厚さ80μ~400μとされる可撓性シート状の磁石体であり、図2に示すように、その表裏各面は、互いに極性の異なる一定幅の磁極22,23(N極とS極)が交互に等間隔の縞状に形成され、一定ピッチの着磁ライン24Xを有する両面多極着磁型となっている。ここで着磁ライン24Xとは、多極着磁されたマグネットシート21の表面における任意の1つの磁極22と、その隣にある極性の異なる磁極23との仮想の境界線のことである。現実的には、磁気ビュアシート(磁性流体のマイクロカプセルをフィルム中に均一に分散させたもの)を密着させたときに白く見える部分であって、マグネットシート表面における法線方向、即ち表面に垂直方向の磁場が著しく弱いかまたは零の領域である。つまり、着磁ライン24Xは、シート表面の仮想線を意味する。本発明での着磁ライン24Xは、側面図では、マグネットシート21の厚み方向の両端部に位置することになる。
【0026】
ここでマグネットシート21の厚さを上記範囲としたのは、防耐火性と磁気保持力を確保するためである。すなわち400μを超えると防耐火性の確保が難しくなり、80μ未満とすると十分な磁気保持力が期待できない。また、両面多極着磁型としたのは、表裏両面とも相応な磁気吸着力を要するからである。すなわちマグネットシート21の一方の面は、室内空間側に面して、強磁性体(磁石としての性質を有するものと有さないもののいずれでもよい)を装着した表示片或いは棚等の掛止具を磁力によって吸着保持するように機能し、他方の面は、軟磁性層32(後述)を備えた軟磁性ボード30に磁気吸着するとともに、その際に生じるバックヨーク効果を確保するように機能するからである。
【0027】
このようなマグネットシート21は、硬磁性材料(例えばバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト系磁石材料またはサマリウム・コバルト系磁石、ネオジウム・鉄・ホウ素系磁石等、希土類磁石材料)の微粉末と、粘結材となる少量の有機高分子エラストマー(例えば塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニール共重合体、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム)との混合体を、圧延または押出しなどの成形方式によりシート状に成形し、両面に着磁を施して製作される。なお、マグネットシート21は、等方性材料よりは異方性材料により構成されることが好ましい。異方性材料は等方性材料に較べて、シートの面に垂直な方向への磁化が強く、且つ片方の面からその裏側への磁力を通し易いので、裏面のバックヨーク(軟磁性層32)と壁面11に磁着させた掛止具50のマグネットシート51との磁気吸引作用を最大限に活かすことができるからである。また、マグネットシート21の着磁ピッチは1.0mm以上7.0mm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、2.0以上6.0mm以下である。
【0028】
壁材フィルム25は、厚さ70μ~140μとされたフィルム状の装飾壁面材であり、ベースフィルム(図示せず)の上面に絵柄や模様が印刷されたインキ層を備える。ベースフィルムとしては、表面にインキ受理層を形成したポリ塩化ビニール系樹脂、ポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂、または薄いコート紙などを使用することができる。このインキ受理層に用途に応じた印刷によりインクを定着させる。印刷方式には、オフセット印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷などを挙げることができる。このような構成の壁材フィルム25は既に生産もされている。厚さ140μ以下としたのは、磁性壁材シート10の総厚を、防耐火性の確保を期待できる最上限の540μ以下に収めるためである。また、必要以上に厚いと、シート磁石からの磁力線の透過率が小さくなり、磁性壁としての磁気吸着能力が劣ってしまうためである。また厚さ70μ以上としたのは適当な引張強度と下層のマグネットシート21の隠蔽能力を確保するためである。
【0029】
以上に示す磁性壁材シート20は、ISO5660-1に準拠し、建築基準法第2条第9号及び建築基準法施工令第108条の2に基づく防耐火試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験において、〔1〕加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、〔2〕加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200KW/mを超えず、〔3〕加熱開始後20分間、防火上有害な亀裂及び穴がない条件を満たす不燃性を有する。
【0030】
更に、昭和51年8月25日建設省告示第1231号によるガス有害試験方法に準じたガス有害性試験において、マウスの平均行動停止時間値が6.8分以上であるという評価基準を満たしている。すなわち、被試験体を加熱炉内で電気ヒータからの輻射熱と接炎により加熱し、発生するガスを吸入した8匹のマウスが行動停止に至るまでの時間(行動停止時間)の平均値X及び標準偏差σを求め、次式によりマウスの行動停止時間Xsを求める。
Xs=X-σ
Xsの値が6.8分(標準的な木材におけるマウスの行動停止時間)よりも大きい場合を合格とする評価基準を満たしている。ここで、行動停止時間の平均値からその標準偏差を引いた値を合否の判断基準としているのは、材料及び試験結果のバラツキを含めて、評価しようとする考え方によるものである。
【0031】
軟磁性ボード30は、石膏ボード31と、石膏ボード31の片面に積層された軟磁性層32を備える。軟磁性ボード30は、その軟磁性層32を表側、すなわち室内空間に向けた状態で、合板、コンクリート、または軽金属などを基材とした壁下地40に対し、釘、ビス、接着剤、ステープルなどで留付け固定される。なお、軟磁性ボード30として、無機ボードの片面に化粧鋼板層を積層させたボード、鋼板、または鋼板に表装シート若しくは機能性シートをラミネートしたボードを用いてもよい。
【0032】
磁性壁材シート20は、そのマグネットシート21の磁着面を、軟磁性ボード30の軟磁性層32の表面に磁気吸着させることで固定する。これによって、磁性壁材シート20は、その壁面11に強磁性体を磁気吸着できる磁性壁として機能する。すなわち、表面に意匠が施されるとともに、強磁性体を装着した表示片或いは棚等の物品などを磁力により吸着保持できる。
【0033】
このような磁性壁材シート20は、マグネットシート21と壁材フィルム25との総厚が150μ~540μであることが好ましい。
【0034】
掛止具50は、図1(b)に示すように、板状の背面板57と、背面板57の底部に設けられたフック58と、背面板57の裏面に接着剤で固定されたマグネットシート51とを備え、フック58に負荷(物品)Lを吊り下げた状態で磁気吸引力により壁面11に掛止できるようになっている。
【0035】
マグネットシート51は、マグネットシート21と同様に、例えば粘結剤となる合成樹脂と、硬磁性物質からなる磁性粉との混合体に着磁を施したシート状の磁石体からなる。すなわち、図3に示すように、その表裏各面は、互いに極性の異なる一定幅の磁極52,53(N極とS極)が交互に等間隔の縞状に形成され、一定ピッチの着磁ライン54Xを有する両面多極着磁型となっている。マグネットシート51の着磁ピッチは、マグネットシート21の着磁ピッチと同一とされる。
【0036】
次に、第1の磁性壁面掛止システム1に特有な作用効果を、図4,5を用いて説明する。
図4は第1の磁性壁面掛止システム1の使用例を示す側面図であり、フック58に負荷Lを吊り下げた掛止具50が壁面11に掛止されている状態を示す。
図5図4における2枚のマグネットシート21,51間の作用力と相対位置関係を説明するための側面図であり、(a)は負荷Lが軽く静止摩擦力Qだけで余裕をもって掛止具50が壁面11に留まっているときの状態を示し、(b)は負荷Lが重く静止摩擦力Qだけでは支えきれなくなる直前の状態を示している。
なお、掛止具50において、荷重が作用する点のY軸方向位置は、壁面11から一定距離だけ離れたところにあるが、掛止具50ではこの距離はわずかであるため考慮しないこととする。つまり図4における掛止具50の時計回り方向の回転モーメントは考慮しない。
【0037】
図4において、掛止具50は、磁性壁10側のマグネットシート21と掛止具50側のマグネットシート51との間に働く磁気吸着力Pにより、壁面11に吸着し掛止されている。このとき、マグネットシート21とマグネットシート51とは、図5(a)に示すように、互いに異極同士(N極22とS極53、S極23とN極52)が磁着した状態となっている。この状態では、Z軸方向について下記の力の釣合式が成立する。
μ×P=W なおP=R×Pである。
ここで、Wは掛止具50と負荷Lの総荷重、μはマグネットシート51と壁面11との間の静止摩擦係数、Pはマグネットシート21とマグネットシート51との間に働く磁気吸着力、Rはマグネットシート51の磁着面の面積、Pはマグネットシート51とマグネットシート21との間に働く単位面積あたりの磁気吸着力である。
【0038】
次に、負荷Lを重いものに付替え、掛止具50にかかる荷重が、上記摩擦力Qで掛止できる限界よりもやや大きい状況を想定する(図5(b))。
【0039】
上記状況下で掛止具50が鉛直下方へ移動しようとすると、マグネットシート21と異極同士が対面し強い磁気吸着力により吸引されているマグネットシート51の各磁極は、マグネットシート21の同極性の磁極に近づき或は重なろうとする。このとき、図5(b)の領域Aでは、鉛直上方へ向けて磁気的な反発力f1が発生する。その結果、荷重W2を支えることができる。この現象には壁面11と掛止具50との間の摩擦係数は本質的には無関係である。
【0040】
このように、第1の磁性壁面掛止システム1によれば、本質的に強い摩擦力を必要としないので、意図的に用いた、摩擦係数が高い材質や粘着材を省いても、相対的に耐荷重が大きな掛止具システムを提供することができる。つまり、極めて簡単な構造でもって相対的な耐荷重を大きくできる。これは、採用されている材質の摩擦係数に依る耐荷重に加えて、磁気的な反発力f1に依る耐荷重が付け加えられるからである。
言い換えれば、磁石の同極同士は反発し、異極同士は吸引するという物理法則を活用した発明である。摩擦力による掛止と、磁気反発力による掛止とは、全く独立しているのである。なお、摩擦係数が大きい材質や粘着剤を併用すれば、更に大きな耐荷重を実現できる。また、掛止(壁)表面には光沢のある艶やかな装飾シートの貼付が可能である。マグネットシートは勿論、極めて薄い鋼板、具体的には出願人製のスチールペーパー(登録商標)等に印刷した表示物やディスプレイアイテムを磁力で保持するための壁面として有効である。
【0041】
また、磁性壁材シート20によると、防耐火性に関する上記試験の評価基準を満たすため、建造物の屋内壁として好適であるが、屋外壁に適用してもよい。後述の各実施形態のシステムについても同様である。
その他の優利点としては、次のようなものが挙げられる。
すなわち、磁性壁材シート20は、軟磁性ボード30に接着剤なしで磁力により着脱自在に一体化できることから、壁材シートの張り替えにあたり、熟練した技術や特別な専用工具を要さない。つまり、DIY感覚で容易かつ短時間で壁材シートのリフォーム作業ができる。
【0042】
また、磁性壁10では、マグネットシート21の背面に軟磁性ボード30を配置することでバックヨーク効果を生じさせて磁力を高める構成とした。
つまり、防耐火性を確保するためマグネットシート21を薄くしたことに起因する磁力の低下を、軟磁性ボード30のバックヨーク効果によってカバーし、壁面11に十分な磁力、即ち高い表面磁束密度を確保できる。
【0043】
また、着磁ライン24Xが水平方向に平行となるようにマグネットシート21を軟磁性ボード30に磁着させ、壁面11に磁着させる物品として、マグネットシート21と同じ着磁ピッチのマグネットシート51を装着したものであるため、掛止具50と壁面11とは、それぞれのマグネットシート51,21における縞状の磁極の異極同士が水平状態で磁着しあうようにできる。このとき物品は、着磁ライン24X,54Xに平行な水平方向には小さい力で容易にスライドさせることができるが、着磁ライン24X,54Xに直交する鉛直方向には小さい力でスライドさせることはできない。その理由は、着磁ラインと直交する方向の力を加えると、マグネットシート51,21の同極同士の反発力が働き、この反発力は、壁面11と垂直方向へのマグネットシート51の移動を妨げるからである。このため、物品は着磁ラインと直交する方向への移動が規制される。それ故、掛止具50を容易に水平に固定することが可能になる。
【0044】
〔第2の磁性壁面掛止システム〕
次に、第2の磁性壁面掛止システム2について説明する。図6は第2の磁性壁面掛止システム2を説明するための図である。(a)は全体を示す斜視図、(b)はその使用例を示す側面図である。
【0045】
図6(a)に示すように、第2の磁性壁面掛止具システム2は、第1の磁性壁面掛止システム1における掛止具50に代えて掛止具60を有する。それ以外の構成は、第1の磁性壁面掛止システム1と同一であり、同一の構成要素については、同一の符号を付しそれらの説明を省略する。
【0046】
掛止具60は、背面板67と載置板68を備えた側面視L字型の磁着式棚であり、背面板67の裏面にマグネットシート61が接着剤により貼り付けられている。掛止具60は、負荷Lとなる物品を載置板68に載せた状態で壁面11に掛止できるようになっている。
マグネットシート61は、前述した第1の磁性壁面掛止システム1における掛止具50のマグネットシート51と同様なものが使われ、隣り合う異極の磁極62,63間に着磁ライン64X(図7,8参照)を有する。
【0047】
第2の磁性壁面掛止システム2では、掛止具60の構造上、荷重W(掛止具60の自重と負荷Lの荷重の総和)が作用する点のY軸方向位置は、壁面11から一定の距離離れている。このため、掛止具60が壁面11に留まっている状態では、掛止具60には図中時計回り方向の回転モーメントMが生じている。
【0048】
次に、第2の磁性壁面掛止システム2に特有な作用効果を、図7,8を用いて説明する。
【0049】
図7図6における2枚のマグネットシート21,61間の作用力と相対位置関係を説明するための側面図であり、(a)は負荷Lが軽く静止摩擦力Qだけで余裕をもって掛止具60が壁面11に留まっているときの状態を示し、(b)は負荷Lが重く静止摩擦力Qだけでは支えきれなくなる直後の状態を示している。掛止具60にかかる荷重(掛止具60の自重を含む)は(a)ではW3、(b)ではW4(W4>W3)であるものとする。また、図8図7(b)における一点鎖線部分の拡大図である。
【0050】
図7(a)では、掛止具60は、マグネットシート21,61間の磁気吸着力Pにより、壁面11に掛止されている。すなわち、壁面のマグネットシート21と掛止具のマグネットシート61とが互いに異極同士(N極とS極)が磁着した状態であり、マグネットシート21の着磁ライン24Xと、マグネットシート61の着磁ライン64Xとは水平方向に一直線となっている。そして、掛止具60に働く下向きの力W3と、静止摩擦力Q3とが釣り合っており、掛止具60は滑ること無く、壁面11に留まっている。
【0051】
次に、図7(b)のように、掛止具60に載せられた負荷による荷重が、静止摩擦力で掛止できる限界よりやや大きい状況を想定する。
この状況では、掛止具60にかかる荷重W4によって該掛止具60が鉛直下方へ引き下げられる力を受け、マグネットシート21とマグネットシート61が鉛直方向に相対的にずれる。マグネットシート21,61の着磁ライン24X,64Xが、それらに垂直な方向(すなわち鉛直方向)にずれるので、同極性の磁極(N極22とN極62、S極23とS極63)の一部が重なりあうことになり、領域Aにおいて、鉛直上方向と横方向へ向けて磁気的な反発力f2,f3が生じる。
【0052】
他方で2枚のマグネットシート21,61間には磁気吸着力Pが働いている。更に掛止具60のマグネットシート51は、その下方では、回転モーメントM2によって壁面11の方向へ押し付けられており、この押付力と磁気吸着力が反発力f3に勝り、掛止具60は壁面11に留まるのである。
【0053】
〔第3の磁性壁面掛止システム〕
次に、第3の磁性壁面掛止システム4について説明する。図9は第3の磁性壁面掛止システム3を示す斜視図であり、(a)は外観図、(b)は一部分解図を示す。図10は第3の磁性壁面掛止システム3に用いられるマグネットシートを示す正面図であり、(a)は磁性壁10A側のマグネットシート21Aを示し、(b)は掛止具80側のマグネットシート81を示す。
【0054】
図9に示すように、第3の磁性壁面掛止具システム3は、第1の磁性壁面掛止システム1における磁性壁10に代えて磁性壁10Aを備え、掛止具50に代えて掛止具80を備える。磁性壁面掛止具システム3において、第1の磁性壁面掛止システム1と同一の構成要素については、同一の符号を付しそれらの説明を省略する。
磁性壁10Aは、磁性壁10におけるマグネットシート21に代えてマグネットシート21Aを備える。また、掛止具80は、掛止具50のマグネットシート51に代えてマグネットシート81を備える。
【0055】
マグネットシート21Aは、図10(a)に示すように、第1の磁性壁面掛止システム1における磁性壁10のマグネットシート21(図2参照)に対して、次の点で異なる。すなわち、マグネットシート21Aは、着磁ライン24AXが平行且つ水平方向に伸びているが、その途中の特定位置27において着磁ライン24AXの一部が湾曲及び屈曲している。
【0056】
マグネットシート81は、図10(b)に示すように、第1の磁性壁面掛止システム1における掛止具50のマグネットシート51(図3参照)に対して、次の点で異なる。すなわち、マグネットシート81は、着磁ラインが平行且つ水平方向に伸びているが、その途中で着磁ライン84Xの一部が湾曲及び屈曲している。
マグネットシート81は、マグネットシート21Aと磁着する表面で、特定位置27と鏡像関係の形状でN極とS極が逆となっている。尚、図10(b)の磁極のN・S表示は、図9の背面板57側から見た場合である。
【0057】
壁面マグネットシート21Aは、着磁ライン24AXの途中の特定位置27において一部の着磁ラインが湾曲及び屈曲した形状を呈し、掛止具マグネットシート81は、マグネットシート21Aの特定位置27と鏡像関係の形状で且つN極とS極が逆となった磁極構造を有する。つまり壁面マグネットシート21Aは、直線状に延びる着磁ラインの途中に湾曲及び屈曲箇所を有し、掛止具マグネットシート81についても、直線状に延びる着磁ラインの途中に湾曲及び屈曲箇所を有する。そして、壁面マグネットシート21Aと掛止具マグネットシート81とは、同一幅の磁極を有し、互いに相異なる極性の磁極同士が対面し合って磁着している。
なお、本明細書では、着磁ライン24AXのように水平線の一部に湾曲や屈曲している箇所があっても、全体として見れば、実質的に水平として捉える。
このような特殊形状の着磁ラインが施されているマグネットシートは、例えば特殊形状の着磁ラインに応じた形状のコイル溝を有する着磁ヨークを用いて着磁を行うことで製作を実現できる。なお湾曲及び屈曲のどちらか一方でもよい。また、一か所でもよい。
【0058】
マグネットシート81を装着した掛止具80は、該特定位置27において、水平及び垂直方向へずれることがなく、特定位置への確実な固定が可能になる。
【0059】
また、第3の磁性壁面掛止システムは、例えば図11に示す構成とすることもできる。図11は第43の磁性壁面掛止システムの変形例を示す一部分解斜視図である。
図11における磁性壁面掛止システムでは、背面板57の裏面に貼るマグネットシート81Xを予め複数枚製作しておき、マグネットシート21Bの方には、開口27Bを開けておく。マグネットシート21Bには、全面に平行な着磁ラインの形成された一般的なマグネットシートを用いる。開口27Bは、マグネットシート81Xがちょうど嵌まり込むサイズとされる。この開口27Bにマグネットシート81Xを嵌め込み、その後、壁材フィルム25を積層することで、図9と同様な機能をもつ磁性壁が実現できる。この場合、平行ラインと特殊ラインを組み合わせた着磁器を用いることなく、一般的なマグネットシートをベースに製作できる。
【0060】
なお、本発明において、掛止具に装着されたマグネットシートにバックヨークを装着する事は排除しない。この場合、磁気吸着力が増して好ましい。
【0061】
次に実施例を記載する。
【実施例0062】
表面マットフィルムや木目調印刷層を含む表装シートを、着磁ピッチ3.0mmで多極着磁した厚さ0.3mmの異方性マグネットシートに積層した、総厚が0.42mmの壁面多極着磁マグネットシートの磁性面を、バックヨークとして採用したタイガーFeボード(吉野石膏株式会社の登録商標)の磁性面に磁気吸着させて、磁性壁面を形成した。なお、タイガーFeボードは、石膏ボードの片面に軟磁性層を積層されたボードである。
該磁性壁面の表面に現れる磁極が水平方向に長く伸び、垂直方向にN極とS極が交互に現れる様に配置した。
【0063】
次に、厚さが0.84mmで着磁ピッチ3.0mmの多極着磁したマグネットシートを掛止具に装着し、前記磁性壁面に磁気吸着させた。
掛止具に鉛直方向の下方への負荷を掛け、壁面から離脱・落下しない最大重量を求めたところ、自重を含めて22.8gr/cmであった。
また前記磁性壁面は、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験で不燃性が認定された。
【実施例0064】
壁面多極着磁マグネットシートを、ホワイトボード仕様の表面を持ち、総厚が0.45mmの多極着磁マグネットシートに変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁性壁面を形成した。該磁性壁面は実施例1と同様に燃焼試験で不燃性が認定された。
実施例1と同様の掛止具を前記磁性壁面に磁気吸着させた離脱・落下試験では、最大耐荷重は19.1gr/cmであった。
【実施例0065】
化粧鋼板を軟磁性層とするマグピタボード(ニチレイマグネット株式会社の登録商標)をバックヨークに採用し、掛止具に装着する多極着磁マグネットシートを厚さ2.08mmで着磁ピッチ3.0mmのマグネットシートに変更した以外は、実施例1と同様にして試験を実施したところ、磁性壁面は不燃性を確保し、掛止具の最大耐荷重は24.5gr/cmであった。
【0066】
〔比較例1〕
実施例1の壁面多極着磁マグネットシートを、厚さ0.75mmの異方性マグネットシートに表面マットフィルムや木目調印刷層を含む表装シートを積層して総厚0.87mmとしたことの他は、全く同様の壁面多極着磁マグネットシートを得た。
次に、該壁面多極着磁マグネットシートをバックヨークとしてのタイガーFeボードの磁性面に磁着させて、磁性壁面とした。
該磁性壁面は、燃焼時間が長く、不燃認定が得られなかった。
【0067】
〔比較例2〕
実施例1と全く同様の磁性壁面と掛止具を準備した。但し、該磁性壁面の表面における着磁ラインが垂直方向に長く伸び、水平方向にN極とS極が交互に現れる様に配置した。
次に、掛止具に鉛直方向の下方への負荷を掛け、壁面を滑り落ちないか若しくは壁面から離脱・落下しない最大重量を求めたところ、自重を含めて9.6gr/cmであった。この耐荷重は静止摩擦力に相当し、本発明(実施例1)の2分の1以下である。
【0068】
〔比較例3〕
壁面多極着磁マグネットシートを採用せず、実施例3の掛止具を直接マグピタボードの壁面に磁気吸着させると、掛止具の最大耐荷重は13.2gr/cmであった。
該耐荷重は静止摩擦力そのものと考えられるが、実施例3の最大耐荷重に較べて大幅に小さい。また試験を繰り返すなど手で触れる回数が増えると、次第に小さくなってしまった。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上に開示した実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこの実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
壁面の不燃性が確保できるとともに、磁気的な吸着・反発力を利用して壁面に物品を掛止できるシステムとして有効である。
【符号の説明】
【0071】
1 磁性壁面掛止システム
2 磁性壁面掛止システム
3 磁性壁面掛止システム
11 壁面(磁性壁面)
21 マグネットシート(壁面マグネットシート)
21A マグネットシート(壁面マグネットシート)
22 磁極
23 磁極
24AX 着磁ライン
24X 着磁ライン
25 壁材フィルム(表装シート)
32 軟磁性層(軟磁性体)
51 マグネットシート(掛止具マグネットシート)
54X 着磁ライン
61 マグネットシート(掛止具マグネットシート)
64X 着磁ライン
81 マグネットシート(掛止具マグネットシート)
84X 着磁ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11