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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079082
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/16 20060101AFI20230531BHJP
   A01K 85/00 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
A01K85/16
A01K85/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192515
(22)【出願日】2021-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】中道 理介
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA42
2B307BA46
2B307BA70
(57)【要約】
【課題】ルアーにおいて、ボディの接合時に揺動体の位置がずれることで揺動体の揺動が妨げられることを抑える。
【解決手段】ルアーは、ボディと、揺動体と、第1軸部と、第1バネとを備える。ボディは、中空である。ボディは、第1半割体と第2半割体とを含む。第2半割体は、第1半割体に接合される。揺動体は、ボディ内に揺動可能に配置される。第1軸部は、第1半割体と第2半割体の少なくとも一方に設けられる。第1軸部は、第1半割体と第2半割体の他方に向けて延びる。第1バネは、揺動体に接続される。第1バネは、揺動体を振動可能に支持する。第1バネは、第1係合部を含む。第1係合部は、第1軸部回りの回転が規制されるように、第1軸部に係合される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半割体と、前記第1半割体に接合される第2半割体とを含む、中空のボディと、
前記ボディ内に揺動可能に配置される揺動体と、
前記1半割体と前記第2半割体の少なくとも一方に設けられ、他方に向けて延びる第1軸部と、
前記第1軸部回りの回転が規制されるように前記第1軸部に係合される第1係合部を含み、前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に支持する第1バネと、
を備えるルアー。
【請求項2】
前記第1半割体と前記第2半割体の少なくとも一方に設けられ、他方に向けて延びる第2軸部と、
前記第2軸部回りの回転が規制されるように前記第2軸部に係合される第2係合部を含み、前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に支持する第2バネと、
をさらに備える請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記第1バネは第1方向に延び、前記第2バネは第2方向に延び、
第1方向と第2方向は非直交に配置される、
請求項2に記載のルアー。
【請求項4】
前記第2バネは、前記第1バネと巻き方向が同じである、
請求項2又は3に記載のルアー。
【請求項5】
前記第2バネは、前記第1バネと巻き方向が逆である、
請求項2又は3に記載のルアー。
【請求項6】
前記揺動体は、1回の揺動にかかる時間が、0.1秒以上の周期となるように、前記第1バネと前記第2バネとに揺動可能に支持される、
請求項2から5のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項7】
前記第1係合部は、前記揺動体の前に配置され、
前記第2係合部は、前記揺動体の後に配置される、
請求項2から6のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項8】
前記第1係合部は、前記揺動体の上に配置され、
前記第2係合部は、前記揺動体の下に配置される、
請求項2から6のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項9】
前記揺動体に取り付けられる錘をさらに備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項10】
前記揺動体は、孔を含み、
前記ボディ内に配置され、前記孔を通って配置される凸部をさらに備え、
前記揺動体が静止した状態で、前記凸部は前記孔の縁から離れている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項11】
前記第1軸部は、平坦面を含み、
前記第1係合部は、前記平坦面に接触する直線部を含む、
請求項1から10のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項12】
前記第1軸部と前記第1係合部との少なくとも一方は、多角形の形状を有する、
請求項1から11のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項13】
前記第1軸部と前記第1係合部との少なくとも一方は、四角形の形状を有する、
請求項1から12のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項14】
前記第1軸部は、
主軸部と、
前記主軸部から離れて配置される補助軸部と、
を含み、
前記第1係合部は、
前記主軸部に係合する主係合部と、
前記主係合部に接続され、前記補助軸部に接触することで、前記主軸部に対して前記主係合部を回り止めする補助係合部と、
を含む、
請求項1から13のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項15】
前記ボディ内に配置され、前記ボディに対して相対移動可能な錘部と、
前記錘部の移動に伴って弾性変形し、弾性復元変形によって前記錘部を付勢する付勢部材と、
をさらに備え、
前記錘部は、少なくともキャスト時に、前記付勢部材を弾性変形するように移動する、請求項1から14のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項16】
前記ボディは、
第1ボディ部と、
前記第1ボディ部と別体の第2ボディ部と、
前記第1ボディ部と前記第2ボディ部とを連結する連結部と、
を含む、
請求項1から15のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項17】
前記ボディは、少なくとも一部が光を透過させる、
請求項1から16のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項18】
前記揺動体は、光を反射可能である、
請求項1から17のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項19】
前記第1半割体と前記第2半割体とは、溶着により互いに接合される、
請求項1から18いずれか一項に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
ルアーには、中空のボディ内において、揺動体がバネによって支持されているものがある。例えば、特許文献1のルアーでは、揺動体として反射板が、ボディ内においてバネによって吊り下げられている。バネは、前後方向に延びており、バネの前端と後端とは、ボディに固定されている。
【0003】
このようなルアーでは、揺動体が揺動することで、フィッシュイーターに強くアピールすることができる。例えば、特許文献1のルアーでは、ルアーの動きが停止した後も、反射板の揺動が続くことで、反射板で反射された光が煌めいて見える。それにより、フィッシュイーターに強くアピールすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-187246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ルアーには、第1半割体と第2半割体とが互いに接合されることで、ボディが形成されるものがある。このようなルアーにおいて、上述した揺動体とバネとが設けられる場合、ボディの接合時にバネが動くことで、揺動体が適切な設計位置よりもボディに近接して配置される可能性がある。この場合、揺動体が揺動するときに、揺動体がボディに干渉し易くなる。揺動体がボディに干渉すると、揺動体の揺動が妨げられることで、その機能を十分に果たすことは困難になる。
【0006】
本発明の目的は、ルアーにおいて、ボディの接合時に揺動体の位置がずれることで揺動体の揺動が妨げられることを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るルアーは、ボディと、揺動体と、第1軸部と、第1バネとを備える。ボディは、中空である。ボディは、第1半割体と第2半割体とを含む。第2半割体は、第1半割体に接合される。揺動体は、ボディ内に揺動可能に配置される。第1軸部は、第1半割体と第2半割体の少なくとも一方に設けられる。第1軸部は、第1半割体と第2半割体の他方に向けて延びる。第1バネは、揺動体に接続される。第1バネは、揺動体を振動可能に支持する。第1バネは、第1係合部を含む。第1係合部は、第1軸部回りの回転が規制されるように、第1軸部に係合される。
【0008】
ルアーは、第2軸部と第2バネとをさらに備えてもよい。第2軸部は、第1半割体と第2半割体との少なくとも一方に設けられてもよい。第2軸部は、第1半割体と第2半割体との他方に向けて延びていてもよい。第2バネは、揺動体に接続されていてもよい。第2バネは、揺動体を振動可能に支持してもよい。第2バネは、第2係合部を含んでもよい。第2係合部は、第2軸部回りの回転が規制されるように、第2軸部に係合されてもよい。
【0009】
第1バネは、第1方向に延びていてもよい。第2バネは、第2方向に延びていてもよい。第1方向と第2方向は非直交に配置されてもよい。
【0010】
第2バネは、第1バネと巻き方向が同じであってもよい。第2バネは、第1バネと巻き方向が逆であってもよい。
【0011】
揺動体は、1回の振動にかかる時間が、0.1秒以上の周期となるように、第1バネと第2バネとによって振動可能に支持されてもよい。
【0012】
第1係合部は、揺動体の前に配置されてもよい。第2係合部は、揺動体の後に配置されてもよい。
【0013】
第1係合部は、揺動体の上に配置されてもよい。第2係合部は、揺動体の下に配置されてもよい。
【0014】
ルアーは、錘をさらに備えてもよい。錘は、揺動体に取り付けられてもよい。
【0015】
揺動体は、孔を含んでもよい。ルアーは、凸部をさらに備えてもよい。凸部は、ボディ内に配置されてもよい。凸部は、孔を通って配置されてもよい。揺動体が静止した状態で、凸部は孔の縁から離れていてもよい。
【0016】
第1軸部は、平坦面を含んでもよい。第1係合部は、直線部を含んでもよい。直線部は、平坦面に接触していてもよい。
【0017】
第1軸部と第1係合部との少なくとも一方は、多角形の形状を有してもよい。第1軸部と第1係合部との少なくとも一方は、四角形の形状を有してもよい。
【0018】
第1軸部は、主軸部と補助軸部とを含んでもよい。補助軸部は、主軸部から離れて配置されてもよい。第1係合部は、主係合部と補助係合部とを含んでもよい。主係合部は、主軸部に係合してもよい。補助係合部は、主係合部に接続されてもよい。補助係合部は、補助軸部に接触することで、主軸部に対して主係合部を回り止めしてもよい。
【0019】
ルアーは、錘部と付勢部材とをさらに備えてもよい。錘部は、ボディ内に配置されてもよい。錘部は、ボディに対して相対移動可能であってもよい。付勢部材は、錘部の移動に伴って弾性変形してもよい。付勢部材は、弾性復元変形によって錘部を付勢してもよい。錘部は、少なくともキャスト時に、付勢部材を弾性変形するように移動してもよい。
【0020】
ボディは、第1ボディ部と、第2ボディ部と、連結部とを含んでもよい。第2ボディ部は、第1ボディ部と別体であってもよい。連結部は、第1ボディ部と第2ボディ部とを連結してもよい。
【0021】
ボディは、少なくとも一部が光を透過させてもよい。揺動体は、光を反射可能であってもよい。第1半割体と第2半割体とは、溶着により互いに接合されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係るルアーによれば、第1バネは、第1係合部において、第1軸部回りの回転が規制されるように、第1軸部に係合される。そのため、ボディの接合時に、第1バネの動作が制限されることで、揺動体が適切な設計位置から、ずれることが抑えられる。それにより、揺動体とボディとが干渉することにより揺動体の揺動が妨げられることが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係るルアーの側面図である。
図2】実施形態に係るルアーの上面図である。
図3】第1半割体の斜視図である。
図4】第1半割体の側面図である。
図5】第1バネ及びその周囲の拡大側面図である。
図6】第2バネ及びその周囲の拡大側面図である。
図7】第1変形例に係るルアーの内部を示す側面図である。
図8】第2変形例に係るルアーの内部を示す側面図である。
図9】第3変形例に係るルアーの内部を示す側面図である。
図10】第4変形例に係るルアーの内部を示す側面図である。
図11】第5変形例に係るルアーの内部を示す側面図である。
図12】第6変形例に係るルアーの内部を示す側面図である。
図13】第7変形例に係るルアーの側面図である。
図14】第7変形例に係るルアーの内部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して実施形態にかかるルアーについて説明する。図1は、実施形態に係るルアー1の側面図である。図2は、実施形態に係るルアー1の上面図である。図1および図2に示すように、ルアー1は、ボディ2を含む。ボディ2は、頭部3と尾部4とを含む。頭部3には、釣糸を結ぶための釣糸接続部5が取り付けられている。
【0025】
なお、本明細書において、以下の方向を示す用語「前」、「後」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、
釣糸が接続されるルアー1において、ルアー1が釣糸に引かれ進行する方向を「前」および、「前方」として決定され、ルアー1が水中で前方へ進行する状態で水面に向かう方向を「上方」、水底面に向かう方向を「下方」として決定される方向を指す。
【0026】
図2に示すように、ボディ2は、第1半割体11と第2半割体12とを含む。ボディ2は、第1半割体11と第2半割体12とに、左右に分割されている。第1半割体11と第2半割体12とは、それぞれ樹脂製である。第1半割体11と第2半割体12とは、互いに別体であり、溶着により互いに接合される。例えば、第1半割体11と第2半割体12とは、超音波溶着により互いに接合される。
【0027】
第1半割体11は、接合面13Aを含む。第2半割体12は、接合面13Bを含む。第1半割体11と第2半割体12とは、接合面13A,13Bにおいて互いに接合される。接合面13A,13Bは、前後方向に延びている。ボディ2は、中空であり、内部空間14を有している。
【0028】
図3は、第1半割体11の斜視図である。図4は、第1半割体11の側面図である。図2から図4に示すように、ルアー1は、揺動体15と、第1軸部16と、第2軸部17と、第1バネ18と、第2バネ19とを含む。揺動体15と、第1軸部16と、第1バネ18と、第2軸部17と、第2バネ19とは、ボディ2の内部空間14内に配置されている。揺動体15は、ボディ2内に揺動可能に配置されている。
【0029】
揺動体15は、金属板で形成されている。或いは、揺動体15は、樹脂などの他の材料で形成されてもよい。揺動体15は、光を反射可能である。例えば、揺動体15の表面には、メッキなどの鏡面処理、或いはホログラム処理が施されている。ボディ2において少なくとも揺動体15に面する部分は、透明である。それにより、ボディ2は、揺動体15において反射された光を透過させる。
【0030】
第1軸部16は、第1半割体11の内側面11Aに接続されており、第2半割体12に向けて延びている。或いは、第1軸部16は、第2半割体12の内側面12Aに接続されており、第1半割体11に向けて延びていてもよい。第1軸部16は、ルアー1の左右方向に延びている。第1軸部16は、揺動体15の前に配置されている。
【0031】
第2軸部17は、第1半割体11の内側面11Aに接続されており、第2半割体12に向けて延びている。或いは、第2軸部17は、第2半割体12の内側面12Aに接続されており、第1半割体11に向けて延びていてもよい。第2軸部17は、ルアー1の左右方向に延びている。第2軸部17は、揺動体15の後に配置されている。
【0032】
第1バネ18は、揺動体15の前方に配置されている。第1バネ18は、揺動体15に接続されている。第1バネ18は、揺動体15を振動可能に支持する。図5は、第1バネ18及びその周囲の拡大側面図である。図5に示すように、第1バネ18は、第1コイル部21と、第1固定部22と、第1係合部23とを含む。
【0033】
第1コイル部21は、第1固定部22と第1係合部23との間に位置する。第1固定部22は、第1コイル部21の後に配置されている。第1固定部22は、揺動体15に固定されている。第1固定部22は、屈曲した形状を有している。第1固定部22は、四角形の形状を有する。第1固定部22は、揺動体15の側面に固定されている。第1固定部22は、第1取付板24によって揺動体15に固定されている。それにより、揺動体15は、第1固定部22回りの回転が規制されるように、第1固定部22に固定されている。
【0034】
第1係合部23は、第1コイル部21の前に配置されている。第1係合部23は、第1軸部16に係合している。第1係合部23は、線材を鉤状に曲げた形状を有している。第1係合部23は、四角形の形状を有する。第1係合部23は、第1直線部25を含む。第1直線部25は、上下方向に延びている。第1直線部25は、第1軸部16の前に位置する。
【0035】
第1軸部16は、上下方向に延びた形状を有している。第1軸部16は、第1平坦面26を含む。第1平坦面26は、上下方向に延びている。第1直線部25は、第1平坦面26に沿って配置されており、第1平坦面26に接触している。それにより、第1係合部23は、第1軸部16回りの回転が規制されるように、第1軸部16に係合される。
【0036】
第2バネ19は、揺動体15の後方に配置されている。第2バネ19は、揺動体15に接続されている。第2バネ19は、揺動体15を振動可能に支持する。第2バネ19は、第1バネ18と巻き方向が同じである。例えば、第1バネ18と第2バネ19とは、前方から後方へ向かって、時計回りに巻かれている。或いは、第1バネ18と第2バネ19とは、前方から後方へ向かって、反時計回りに巻かれていてもよい。
【0037】
図6は、第2バネ19及びその周囲の拡大側面図である。図5に示すように、第2バネ19は、第2コイル部31と、第2固定部32と、第2係合部33とを含む。第2コイル部31は、第2固定部32と第2係合部33との間に位置する。第2固定部32は、第2コイル部31の前に配置されている。第2固定部32は、揺動体15に固定されている。第2固定部32は、屈曲した形状を有している。第2固定部32は、四角形の形状を有する。第2固定部32は、揺動体15の側面に固定されている。第2固定部32は、第2取付板34によって揺動体15に固定されている。それにより、揺動体15は、第2固定部32回りの回転が規制されるように、第2固定部32に固定されている。
【0038】
第2係合部33は、第2コイル部31の後に配置されている。第2係合部33は、第2軸部17に係合している。第2係合部33は、線材を鉤状に曲げた形状を有している。第2係合部33は、四角形の形状を有する。第2係合部33は、第2直線部35を含む。第2直線部35は、上下方向に延びている。第2直線部35は、第2軸部17の後に位置する。
【0039】
第2軸部17は、上下方向に延びた形状を有している。第2軸部17は、第2平坦面36を含む。第2平坦面36は、上下方向に延びている。第2直線部35は、第2平坦面36に沿って配置されており、第2平坦面36に接触している。それにより、第2係合部33は、第2軸部17回りの回転が規制されるように、第2軸部17に係合される。
【0040】
第1バネ18は第1方向に延びており、第2バネ19は第2方向に延びている。第1方向と第2方向とは、非直交に配置される。第1方向と第2方向とは、互いに概ね平行に配置されている。本実施形態において、第1方向と第2方向とは、ルアー1の前後方向に概ね一致する。ただし、第1方向と第2方向とは、互いに完全に平行でなくてもよい。
【0041】
図4に示すように、ルアー1は、錘37を含む。錘37は、揺動体15に取り付けられている。錘37は、前後方向に延びた形状を有する。錘37は、第1バネ18及び第2バネ19よりも下方に配置されている。揺動体15は、第1切り欠き38と、第2切り欠き39とを含む。第1切り欠き38は、揺動体15の前縁から後方に凹んだ形状を有する。第2切り欠き39は、第1切り欠き38よりも後方に配置されている。第2切り欠き39は、揺動体15の下縁から上方に凹んだ形状を有する。錘37は、第1切り欠き38と第2切り欠き39とに取り付けられている。
【0042】
第1バネ18と第2バネ19とは、揺動体15を、振動可能に浮遊状態で支持する。ルアー1の着水、或いはルアー1への動きの付与により、揺動体15が移動すると、第1バネ18と第2バネ19とが弾性変形する。その後、揺動体15は、第1バネ18と第2バネ19との弾性力により、反対方向に移動する。以上のような動作が繰り返されることにより、ルアー1が静止したあとも、揺動体15は、第1バネ18と第2バネ19との弾性力により、揺動を繰り返す。
【0043】
第1バネ18と第2バネ19とは、揺動体15を、ボディ2の内面に接触せずに振動可能に支持する。そのため、揺動体15がボディ2の内面に衝突することによる揺動のエネルギーの損失が抑えられる。それにより、ルアー1の着水後、或いは、ルアー1への動きの付与後に、ルアー1が静止してからも、揺動体15の揺動の持続時間を長く確保することができる。
【0044】
好ましくは、ルアー1が静止してから、揺動体15は、左右に一往復以上、揺動可能である。好ましくは、揺動体15の1回の揺動にかかる時間が、0.1秒以上の周期となるように、揺動体15は、第1バネ18と第2バネ19とに支持される。すなわち、揺動体15の振動数は、10Hz以下であることが好ましい。揺動体15の振動数は、2Hz以上であることが好ましい。例えば、揺動体15の振動数は、6Hz程度である。ただし、揺動体15の周波数はこれらの値に限らず、変更されてもよい。
【0045】
揺動体15は、孔41を含む。孔41は、揺動体15を左右方向に貫通している。ボディ2は、凸部42を含む。凸部42は、ボディ2の内部空間14に配置されている。凸部42は、左右方向に延びている。凸部42は、第1半割体11から第2半割体12に向かって延びている。或いは、凸部42は、第2半割体12から第1半割体11に向かって延びていてもよい。凸部42は、孔41を通って配置される。揺動体15が静止した状態で、凸部42は孔41の縁から離れている。揺動体15の振幅が過剰に大きい場合に、凸部42と孔41の縁とが接触することで、揺動体15の振幅を抑えるように、孔41の径が設定されている。
【0046】
以上説明した本実施形態に係るルアー1によれば、第1バネ18は、第1係合部23において、第1軸部16回りの回転が規制されるように、第1軸部16に係合される。そのため、ボディ2の接合時に、第1バネ18の上下への動作が制限される。第2バネ19についても、第1バネ18と同様に、ボディ2の接合時に、第2バネ19の上下への動作が制限される。それにより、本実施形態に係るルアー1では、第1半割体11及び第2半割体12との接合時に、揺動体15が適切な設計位置から、ずれることが抑えられる。その結果、揺動体15とボディ2とが干渉することにより揺動体15の揺動が妨げられることが抑えられる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0048】
第1バネ18と第2バネ19との形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第2バネ19は、第1バネ18と巻き方向が逆であってもよい。例えば、第1バネ18は、前方から後方へ向かって、時計回りに巻かれており、第2バネ19は、前方から後方へ向かって、反時計回りに巻かれていてもよい。或いは、第2バネ19は、前方から後方へ向かって、時計回りに巻かれており、第1バネ18は、前方から後方へ向かって、反時計回りに巻かれていてもよい。
【0049】
第1係合部23、第1軸部16、第2係合部33、或いは第2軸部17の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。図7は、第1変形例に係るルアー1の内部を示す側面図である。図7に示すように、第1軸部16は、四角形の形状を有してもよい。第1軸部16と同様に、第2軸部17も四角形の形状を有してもよい。
【0050】
図8は、第2変形例に係るルアー1の内部を示す側面図である。図8に示すように、第1軸部16は、三角形の形状を有してもよい。第1軸部16と同様に、第2軸部17も三角形の形状を有してもよい。また、図8に示すように、第1係合部23は、三角形の形状を有してもよい。第1係合部23と同様に、第2係合部33も三角形の形状を有してもよい。
【0051】
図9は、第3変形例に係るルアー1の内部を示す側面図である。図9に示すように、第1軸部16は、主軸部51と補助軸部52とを含む。補助軸部52は、主軸部51から離れて配置される。第1係合部23は、主係合部53と補助係合部54とを含む。主係合部53は、主軸部51に係合する。
【0052】
補助係合部54は、主係合部53に接続される。主係合部53と主軸部51と補助軸部52とは、円形の形状を有する。ただし、補助軸部52は、四角形、或いは三角形などの多角形状であってもよい。補助係合部54は、直線状の形状を有する。補助係合部54は、補助軸部52に接触することで、主軸部51に対して主係合部53を回り止めする。
【0053】
図10は、第4変形例に係るルアー1の内部を示す側面図である。図10に示すように、補助係合部54は、円形の形状を有してもよい。
【0054】
図11は、第5変形例に係るルアー1の内部を示す側面図である。図11に示すように、第1バネ18は、揺動体15の上方に配置されてもよい。第2バネ19は、揺動体15の下方に配置されてもよい。この場合、第1軸部16と第1係合部23とは、揺動体15の上に配置されてもよい。第2軸部17と第2係合部33とは、揺動体15の下に配置されてもよい。ルアー1は、複数の揺動体15を含んでもよい。複数の揺動体15は、前後方向に並んで配置されてもよい。
【0055】
図12は、第6変形例に係るルアー1の内部を示す側面図である。図12に示すように、第6変形例に係るルアー1は、錘部61と付勢部材62とを備えている。錘部61は、ボディ2の内部空間14に配置されている。錘部61は、ボディ2に対して相対移動可能である。詳細には、ボディ2内には、案内部材63が配置されている。案内部材63は前後方向に延びている。錘部61は、案内部材63に沿って前後に移動可能である。錘部61は、移動することによって、ルアー1の重心位置を変更する。
【0056】
付勢部材62は、錘部61に接続されている。付勢部材62は、錘部61の後に配置されている。付勢部材62は、例えばバネである。付勢部材62は、錘部61の移動に伴って弾性変形する。錘部61は、弾性復元変形によって錘部61を付勢する。錘部61は、少なくともルアー1を水面に向けて投げるキャスト時に、付勢部材62を弾性変形するように移動する、
第6変形例に係るルアー1は、キャストされることで、尾部4を先頭にして飛行する。ルアー1の飛行中に、錘部61は、慣性によって、付勢部材62を圧縮しながら、尾部4側に移動する。それにより、飛行中には、ルアー1の重心が尾部4側に位置することで、長い飛距離が得られる。ルアー1が着水すると、錘部61は、付勢部材62の弾性力によって、頭部3側に押し戻される。それにより、適切な水中姿勢、或いは水中挙動が得られる位置に、ルアー1の重心が移動する。以上のように、第5変形例に係るルアー1では、飛行中と水中とで、錘部61の位置が移動することで、ルアー1の重心を適切な位置に移動させることができる。
【0057】
図13は、第7変形例に係るルアー1の側面図である。図13に示すように、第7変形例に係るルアー1では、ボディ2は、第1ボディ部71と、第2ボディ部72と、第3ボディ部73と、第1連結部74と、第2連結部75とを含む。第1ボディ部71と第2ボディ部72と第3ボディ部73とは、互いに別体である。
【0058】
第1連結部74は、第1ボディ部71と第2ボディ部72とを連結する。連結部は、第1ボディ部71と第2ボディ部72とが互いに揺動可能なように、第1ボディ部71と第2ボディ部72とを連結する。第1ボディ部71と第2ボディ部72とは、左右に互いに揺動する。第2連結部75は、第2ボディ部72と第3ボディ部73とを連結する。第2連結部75は、第2ボディ部72と第3ボディ部73とが互いに揺動可能なように、第2ボディ部72と第3ボディ部73とを連結する。第2ボディ部72と第3ボディ部73とは、左右に互いに揺動する。
【0059】
図14は、第1ボディ部71の内部を示す側面図である。図14に示すように、上述した実施形態と同様の揺動体15と、第1軸部16と、第2軸部17と、第1バネ18と、第2バネ19とが、第1ボディ部71の内部に配置される。なお、揺動体15と、第1軸部16と、第2軸部17と、第1バネ18と、第2バネ19と同様の構成が、第2ボディ部72、或いは第3ボディ部73内に配置されてもよい。
【0060】
第7変形例に係るルアー1に対して、上述した第1から第6変形例の構成が適用されてもよい。第7変形例に係るルアー1は、ボディ2が3つに分割されている。しかし、ボディ2の分割数は、2つであってもよく、或いは3つより多くてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によれば、ルアーにおいて、ボディの接合時に揺動体の位置がずれることで揺動体の揺動が妨げられることが抑えられる。
【符号の説明】
【0062】
2:ボディ、 11:第1半割体、 12:第2半割体、 15:揺動体、 16:第1軸部、 17:第2軸部、 18:第1バネ、 19:第2バネ、 23:第1係合部、 25:第1直線部、 26:第1平坦面、 37:錘、 41:孔、 42:凸部、 51:主軸部、 52:補助軸部、 53:主係合部、 54:補助係合部、
61:錘部、 61:付勢部材62、 71:第1ボディ部、 72:第2ボディ部、 74:第1連結部
図1
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