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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079112
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】通信装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/30 20180101AFI20230531BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20230531BHJP
   H04W 72/04 20230101ALI20230531BHJP
   H04W 76/14 20180101ALI20230531BHJP
   H04W 72/12 20230101ALI20230531BHJP
【FI】
H04W76/30
H04W92/18
H04W72/04
H04W76/14
H04W72/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192574
(22)【出願日】2021-11-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】示沢 寿之
(72)【発明者】
【氏名】草島 直紀
(72)【発明者】
【氏名】菅井 廉
(72)【発明者】
【氏名】大月 拓人
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より低遅延なサイドリンク通信を実現する通信装置及び通信方法を提供する。
【解決手段】基地局、複数の端末装置、コアネットワーク及びPDN(Packet Data Network)を含む通信システムにおいて、端末装置200は、無線通信部220と、制御部240とを有する。無線通信部220は、基地局から、他の端末装置とのサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報を受信する。制御部240は、サイドリンクリソースを用いて他の通信装置とサイドリンク通信を行う。制御部240は、サイドリンクリソースの使用をキャンセルするためのキャンセル情報を受信した場合、キャンセル情報に基づき、サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局から、他の通信装置とのサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報を受信する通信部と、
前記サイドリンクリソースを用いて前記他の通信装置と前記サイドリンク通信を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記サイドリンクリソースの使用をキャンセルするためのキャンセル情報を受信した場合、前記キャンセル情報に基づき、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルする、
通信装置。
【請求項2】
前記キャンセル情報が送信されるリソースは、前記スケジューリング情報、及び、前記サイドリンクリソースの少なくとも一方に基づいて決定される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記キャンセル情報が送信されるリソースの時間リソースは、前記スケジューリング情報の時間リソース、及び、前記サイドリンクリソースの時間リソースの少なくとも一方に基づいて決定される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記キャンセル情報は、前記サイドリンクリソースに関する情報、前記スケジューリング情報に関する情報、及び、前記サイドリンクリソースにおいてスケジューリングされた前記サイドリンク通信に関する情報、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記キャンセル情報の送信に使用されるRNTI(Radio Network Temporary Identifier)は、前記スケジューリング情報の送信に使用されるRNTI、及び、前記キャンセル情報の送信に固有に使用されるRNTIのいずれか一方である、請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記キャンセル情報は、前記基地局からPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を用いて送信される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記キャンセル情報は、前記サイドリンクリソースを変更するための情報を含み、
前記制御部は、前記キャンセル情報によって変更された前記サイドリンクリソースを用いて前記他の通信装置と前記サイドリンク通信を行う、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記キャンセル情報は、第2の通信装置からPSCCH(Physical Sidelink Control Channel)を用いて送信される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記キャンセル情報は、前記第2の通信装置が前記サイドリンク通信に使用する第2のサイドリンクリソースを予約するための情報、及び、前記第2のサイドリンクリソースで送信される前記サイドリンク通信のプライオリティを示す情報の少なくとも一方を含み、
前記キャンセル情報に含まれる前記プライオリティは、前記通信装置が前記サイドリンクリソースで送信する前記サイドリンク通信のプライオリティより高い、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記第2のサイドリンクリソースの少なくとも一部は、前記サイドリンクリソースの少なくとも一部とオーバーラップする、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
基地局が送信するスケジューリング情報であって、第1の通信装置との間のサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関する前記スケジューリング情報に基づき、前記第1の通信装置と前記サイドリンク通信を行う第2の通信装置に対して、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルするためのキャンセル情報を送信する、制御部、
を備える通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置と通信を行う基地局である、請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記制御部は、第3の通信装置に、前記第3の通信装置が他の通信装置と前記サイドリンク通信を行うために使用する第2のサイドリンクリソースに関する第2のスケジューリング情報を送信し、
前記第2のサイドリンクリソースの少なくとも一部は、前記サイドリンクリソースの少なくとも一部とオーバーラップする、請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記キャンセル情報は、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間のサイドリンク通信で送信されるPSFCH(Physical Sidelink Feedback Channel)をキャンセルさせるための情報を含む、請求項12に記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置は、前記基地局と通信を行い、他の通信装置と前記サイドリンク通信を行う第3の通信装置である、請求項11に記載の通信装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記サイドリンクリソースを認識する、請求項15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記スケジューリング情報を受信し、前記スケジューリング情報に基づいて前記サイドリンクリソースを認識する、請求項16に記載の通信装置。
【請求項18】
前記通信装置は、前記第2の通信装置と同じリソースプールを使用する、請求項15に記載の通信装置。
【請求項19】
基地局から、他の通信装置とのサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報を受信することと、
前記サイドリンクリソースを用いて前記他の通信装置と前記サイドリンク通信を行うことと、
前記サイドリンクリソースの使用をキャンセルするためのキャンセル情報を受信した場合、前記キャンセル情報に基づき、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルすることと、
を含む通信方法。
【請求項20】
基地局が送信するスケジューリング情報であって、第1の通信装置との間のサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関する前記スケジューリング情報に基づき、前記第1の通信装置と前記サイドリンク通信を行う第2の通信装置に対して、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルするためのキャンセル情報を送信すること、
を含む通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、端末(UE)間で直接通信を行うD2D(Device-to-Device)通信がサイドリンク(sidelink)通信として4G LTE(Long Term Evolution)および5G NR(New Radio)でそれぞれ規格化されている。サイドリンク(sidelink)通信では、V2X(Vehicle-to-Everything)通信が主なユースケースの一つである。V2X通信として、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)、V2N(Vehicle-to-Network)が想定されている。
【0003】
特に、5G NRにおけるV2X通信の具体的なユースケースとして、Platooning、Advanced driving、Extended sensor、Remote drivingが検討されている。また、V2X通信でのURLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)に関する要求条件として、10ミリ秒以下の遅延および99.999%の信頼性を実現するように規格策定が行われている。
【0004】
さらに、サイドリンク(sidelink)通信は、V2X通信に限られず、様々なユースケースで活用することができる。例えば、Automation factoryは、サイドリンク通信が活用できるユースケースの一つである。そのような工場内では、多数のセンサーやカメラなどのデバイスが設置され、互いに直接通信することが検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】”3GPP TS22.186 version 16.2.0 Release 16”、[online]、[令和3年11月22日検索]、インターネット<https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/22_series/22.186/22186-g20.zip>
【非特許文献2】”3GPP TS22.104 version 17.4.0 Release 17”、[online]、[令和3年11月22日検索]、インターネット<https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/22_series/22.104/22104-h40.zip>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、これまでのV2X通信では、inter-vehicle通信が検討されてきたが、今後のサイドリンク(sidelink)通信における技術拡張として、Intra-vehicle通信が提案され得る。Intra-vehicle通信では、例えば、これまで有線で互いに接続されていたセンサーやカメラモジュールが、それぞれ無線通信デバイスとして無線通信により互いに接続され得る。特に、今後、自動運転などの実現が進むにつれて、このようなセンサーやカメラモジュールなどのようなデバイスの数が急激に増えると見込まれる。そのため、このようなセンサーやカメラモジュールを無線通信によって互いに接続することへの要求が高まってくると考えられる。
【0007】
ここで自動運転を考えると、基本的に自車内のセンサーやカメラからのデータを基に自動車を制御することが重要であり、Inter-vehicle通信(つまり、これまでのV2X通信)で得られる情報は補助情報として活用される。そのため、Intra-vehicle通信は、従来のInter-vehicle通信に比べて、さらに低遅延が要求されることになる。
【0008】
また、上述したAutomation factoryにおいても、特に、製造するもの合わせて生産ラインを頻繁に変更するような場合において、さらなる低遅延が要求される。
【0009】
このように、サイドリンク通信において、さらなる低遅延が求められている。
【0010】
そこで、本開示では、より低遅延なサイドリンク通信を実現することができる仕組みを提供する。
【0011】
なお、上記課題又は目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が解決し得、又は達成し得る複数の課題又は目的の1つに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示によれば、通信装置が提供される。通信装置は、通信部と、制御部と、を有する。通信部は、基地局から、他の通信装置とのサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報を受信する。制御部は、前記サイドリンクリソースを用いて前記他の通信装置と前記サイドリンク通信を行う。制御部は、前記サイドリンクリソースの使用をキャンセルするためのキャンセル情報を受信した場合、前記キャンセル情報に基づき、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】基地局主導型サイドリンク通信の一例を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係るSL通信の一例を示す図である。
図3】本開示の実施形態に係る通信システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る基地局の構成の一例を示すブロック図である。
図5】本開示の実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6】本開示の実施形態に係る通信システムで行われるシグナリングの一例を示す図である。
図7】本開示の実施形態に係る通信システムで行われるシグナリングの他例を示す図である。
図8】本開示の実施形態に係る通信システムで行われるシグナリングの他例を示す図である。
図9】本開示の実施形態に係る通信システムで行われるシグナリングの一例を示す図である。
図10】本開示の実施形態に係る通信システムで行われるシグナリングの一例を示す図である。
図11】本開示の実施形態に係る通信システムで行われるシグナリングの一例を示す図である。
図12】本開示の実施形態に係る通信システムで行われるシグナリングの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
また、本明細書及び図面において、実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベット又は数字を付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0016】
以下に説明される1又は複数の実施形態(実施例、変形例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
【0017】
<<1.はじめに>>
<1.1.基地局主導型サイドリンク通信>
これまでのサイドリンク(SL:Sidelink)通信では、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)及び/又はPSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)の送信に用いられるSLリソースのスケジューリング方法(SLリソース割り当てモード)として、2つのモード(Mode-1及びMode-2)が規定されている。
【0018】
Mode-1は、基地局主導型サイドリンク通信である。Mode-1では、基地局がSLリソースを決定し、SL送信するUEであるTxUEに、決定したSLリソースのスケジューリング情報(SL grant)をPDCCH(Physical Downlink Control Channel)により通知する。TxUEは、受信したSL grantに基づいてSL通信を行う。
【0019】
Mode-2は、UE主導型サイドリンク通信である。Mode-2では、TxUEがリソースプールの中から所定の方法に従ってSLリソースを決定し、SL通信を行う。リソースプールは、基地局から又は事前に設定される。
【0020】
SLリソースを決定する所定の方法として、今後SL通信に使用されるSLリソースをモニタリング(センシング)する方法が挙げられる。この場合、TxUEは、他のUEからのPSCCHの受信、及び/又は、候補となるSLリソースの受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)の測定、などを行うことで、今後SL通信に使用されるSLリソースをモニタリングする。
【0021】
<1.2.課題>
図1は、基地局主導型サイドリンク通信の一例を示す図である。図1に示すSL通信では、第1UEがTxUEとして、基地局からの指示に従ってSL通信を行うものとする。また、図1に示すSL通信では、第1UEよりも優先度の高い第2UEがTxUEとして、基地局からの指示に従ってSL通信を行うものとする。なお、特に断りのない限り、以下、優先度は、URLLC(特に伝送遅延)の観点における優先度を意味するものとする。
【0022】
すなわち、優先度が低い(低priority)第1UE及び優先度が高い(高priority)第2UEは、それぞれ同じリソースプールを使用してMode-1のSL通信を行うものとする。
【0023】
図1に示すように、時刻t1で基地局は、第1UEに対して所定のSLリソースR1のスケジューリング情報(DCI)をSL grantとして送信する。基地局からSL grantを受信した第1UEは、当該SL grantに基づき、基地局によってスケジュールされたSLリソースR1を用いて他のUE(RxUE、図示省略)に信号を送信する。
【0024】
第2UEに第1UEより高優先度のデータが発生したため、時刻t2で第2UEが基地局にスケジューリングリクエストを送信したとする。この場合、従来のSL通信では、既に第1UEのためにスケジュールされたSLリソースR1を、第2UEが使用することができない。
【0025】
ただし、リソースプール内の他の周波数領域が空いている場合、第2UEは、他の周波数領域を使用してSL通信を行うことが可能である。しかしながら、本実施形態では、他の周波数領域が空いていないものとして、以下の説明を行う。
【0026】
時刻t4で基地局は、第2UEに対して所定のSLリソースR2のスケジューリング情報(DCI)をSL grantとして送信する。基地局からSL grantを受信した第2UEは、当該SL grantに基づき、SLリソースR2を用いて他のUE(RxUE)に信号を送信する。
【0027】
SLリソースR2は、SLリソースR1の後にスケジュールされたリソースである。そのため、第2UEが、時刻t2で基地局にスケジューリングリクエストを送信してから時刻t6でSLリソースR2を用いて信号を送信するまでに伝送遅延が生じる。このような伝送遅延は、特に上述したAutomation factoryのようなユースケースでは課題となる。
【0028】
ここで、例えば、UEから基地局へのUplink通信では、UEは、基地局からのUL grantに基づいてUL送信を行う。このとき、優先度の高い他のUEによるUL送信が発生すると、基地局は、UEに対するUL grantをキャンセルするための制御情報を送信する。このように、Uplink通信では、基地局によってUL grantをキャンセルすることができる。Uplink通信においてUL grantをキャンセルする方法は、例えば、3GPP TS 38.214 V16.7.0に開示されている。
【0029】
しかしながら、この方法は、Uplinkの送信をキャンセルするための方法であり、基地局は、当該方法を用いてサイドリンクの送信をキャンセルすることはできない。
【0030】
また、例えば、上述したMode-2のSL通信では、TxUEは、未来のSLリソースを予約するためのReservation情報をPSCCHにより送信し得る。他のTxUEは、全て又は一部のPSCCHをモニタリング(センシング)してSLリソースの利用状況を把握し、空きリソースを選択してSL通信を行う。
【0031】
優先度の高いSL送信が発生したTxUEは、既に他のTxUEが予約したSLリソースを横取り(Preemption)する。当該TxUEは、他のTxUEから横取りしたSLリソースを使用して優先度の高いSL送信を行う。
【0032】
PreemptionされるTxUEは、PreemptionするTxUEからの制御情報(PSCCH)をモニタリングすることで、Preemptionされたことを把握し、自身のSL送信をキャンセルする。Preemptionの方法は、例えば、3GPP TS 38.213 V16.7.0に開示されている。
【0033】
しかしながら、この方法は、Mode-2のSL通信で有効な方法であり、本開示で想定するMode-1のSL通信では用いることができない。また、Mode-1のSL通信を行うTxUEは、Mode-2のSL通信を行うTxUEのように他のTxUEのPSCCHのモニタリング(センシング)を行わない。そのため、Mode-1のSL通信を行うTxUEは、Mode-2のPreemptionを行うことができない。
【0034】
このように、従来のMode-1のSL通信では、SL grantをキャンセルする方法がなかった。そのため、TxUEは、優先度が高いSL送信が発生してもSLリソースが空くまで高優先度のSL送信を行えない。このように、従来のMode-1のSL通信では、伝送遅延が発生する恐れがあるという問題があった。
【0035】
<1.3.提案技術の概要>
そこで、本開示の実施形態では、上述した課題を解決する方法として、第1UEに対して、スケジュール済みのSL grantをキャンセルするための情報が送信される。
【0036】
図2は、本開示の実施形態に係るSL通信の一例を示す図である。なお、図1と同様のSL通信については説明を省略する。
【0037】
図2に示すように、時刻t2で第2UEからスケジューリングリクエストを受信した基地局は、時刻t3で、SL grantをキャンセルするためのPDCCH(Cancellation)を第1UEに送信する。当該Cancellationは、時刻t1で基地局が第1UEに送信したSL grantをキャンセルするための情報である。これにより、SLリソースR1がキャンセルされる。
【0038】
次に、時刻t4において基地局は、第2UEに対して所定のSLリソースR3のスケジューリング情報(DCI)をSL grantとして送信する。なお、SLリソースR3は、CancellationによってキャンセルされたSLリソースR1の少なくとも一部と重複するSLリソースである。
【0039】
第2UEは、SLリソースR1の終了時刻である時刻t6よりも早い時刻t5において、SLリソースR3を使用して、優先度の高いSL送信を行う。
【0040】
このように、本開示の実施形態に係る第1UE(通信装置の一例)は、基地局から他の通信装置(RxUE)とのサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報(例えば、SL grant)を受信する。第1UEは、サイドリンクリソースを用いて他の通信装置とサイドリンクを行う。第1UEは、サイドリンクリソースの使用をキャンセルするためのキャンセル情報(例えば、Cancellation)を受信した場合、当該キャンセル情報に基づき、サイドリンクリソースを用いたサイドリンク通信をキャンセルする。
【0041】
また、本開示の実施形態に係る基地局(通信装置の一例)は、基地局が送信するスケジューリング情報に基づいて第1の通信装置(例えばRxUE又は第1UE)とSL通信を行う第2の通信装置(例えば第1UE又はRxUE)に対してキャンセル情報(例えばCancellation)を送信する。スケジューリング情報は、第2の通信装置が、第1の通信装置との間のサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報である。キャンセル情報は、サイドリンクリソースを用いたサイドリンク通信をキャンセルするための情報である。
【0042】
これにより、優先度の高い第2UEは、キャンセル情報によってキャンセルされたサイドリンクリソースの少なくとも一部を使用して高優先度のSL送信を行うことができる。これにより、第2UEは、優先度の高いSL送信の伝送遅延をより低減することができる。
【0043】
なお、ここでは、基地局がキャンセル情報を送信するとしたが、これに限定されない。詳細は後述するが、例えば、第2UE(第3の通信装置の一例)がキャンセル情報を送信するようにしてもよい。
【0044】
<<2.通信システムの構成>>
<2.1.通信システムの全体構成>
続いて、図3を参照しながら、提案技術が適用される通信システム1の概略的な構成の一例を説明する。図3は、本開示の実施形態に係る通信システム1の概略的な構成の一例を示す図である。図3に示すように、通信システム1は、基地局100、端末装置(UE)200、コアネットワーク(Core Network)20、およびPDN(Packet Data Network)30を含む。
【0045】
ここで、通信システム1は、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、cdma2000(Code Division Multiple Access 2000)、LTE、NR等のセルラー通信システムであってもよい。以下の説明では、「LTE」には、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)、及びEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が含まれるものとする。また、「NR」には、NRAT(New Radio Access Technology)、及びFEUTRA(Further EUTRA)が含まれるものとする。
【0046】
NRは、LTEの次の世代(第5世代)の無線アクセス技術(RAT)である。NRは、eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、mMTC(Massive Machine Type Communications)及びURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)を含む様々なユースケースに対応できる無線アクセス技術である。
【0047】
なお、通信システム1は、セルラー通信システムに限られない。例えば、通信システム2は、無線LAN(Local Area Network)システム、テレビジョン放送システム、航空無線システム、宇宙無線通信システム等の他の無線通信システムであってもよい。
【0048】
基地局100は、セル11を運用し、セル11のカバレッジ内部に位置する1つ以上の端末装置200へ無線サービスを提供する通信装置である。セル11は、例えばLTEまたはNR等の任意の無線通信方式に従って運用され得る。基地局100は、コアネットワーク20に接続される。コアネットワーク20は、PDN30に接続される。
【0049】
なお、基地局100は、複数の物理的又は論理的装置の集合で構成されていてもよい。例えば、本開示の実施形態において基地局100は、BBU(Baseband Unit)及びRU(Radio Unit)の複数の装置に区別され、これら複数の装置の集合体として解釈されてもよい。さらに又はこれに代えて、本開示の実施形態において基地局100は、BBU及びRUのうちいずれか又は両方であってもよい。BBUとRUとは所定のインタフェース(例えば、eCPRI)で接続されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUはRemote Radio Unit(RRU)又は Radio DoT(RD)と称されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUは後述するgNB-DUに対応していてもよい。さらに又はこれに代えてBBUは、後述するgNB-CUに対応していてもよい。さらに又はこれに代えて、RUはアンテナと一体的に形成された装置であってもよい。基地局100が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)はAdvanced Antenna Systemを採用し、MIMO(例えば、FD-MIMO)やビームフォーミングをサポートしていてもよい。 Advanced Antenna Systemは、基地局100が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)は、例えば、64個の送信用アンテナポート及び64個の受信用アンテナポートを備えていてもよい。
【0050】
また、基地局100は、複数が互いに接続されていてもよい。1つ又は複数の基地局100は無線アクセスネットワーク(Radio Access Network: RAN)に含まれていてもよい。すなわち、基地局100は単にRAN、RANノード、AN(Access Network)、ANノードと称されてもよい。LTEにおけるRANはEUTRAN(Enhanced Universal Terrestrial RAN)と呼ばれる。NRにおけるRANはNGRANと呼ばれる。W-CDMA(UMTS)におけるRANはUTRANと呼ばれる。LTEの基地局100は、eNodeB(Evolved Node B)又はeNBと称される。すなわち、EUTRANは1又は複数のeNodeB(eNB)を含む。また、NRの基地局100は、gNodeB又はgNBと称される。すなわち、NGRANは1又は複数のgNBを含む。さらに、EUTRANは、LTEの通信システム(EPS)におけるコアネットワーク(EPC)に接続されたgNB(en-gNB)を含んでいてもよい。同様にNGRANは5G通信システム(5GS)におけるコアネットワーク5GCに接続されたng-eNBを含んでいてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局100がeNB、gNBなどである場合、3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局100が無線アクセスポイント(Access Point)である場合、Non-3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、さらに又はこれに代えて、基地局100は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。さらに又はこれに代えて、基地局100がgNBである場合、基地局100は前述したgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせ又はこれらのうちいずれかと称されてもよい。gNB CU(Central Unit)は、UEとの通信のために、Access Stratumのうち、複数の上位レイヤ(例えば、RRC、SDAP、PDCP)をホストする。一方、gNB-DUは、Access Stratumのうち、複数の下位レイヤ(例えば、RLC、MAC、PHY)をホストする。すなわち、後述されるメッセージ・情報のうち、RRC signalling(例えば、MIB、SIB1を含む各種SIB、RRCSetup message、RRCReconfiguration message)はgNB CUで生成され、一方で後述されるDCIや各種Physical Channel(例えば、PDCCH、PBCH)はgNB-DUで生成されてもよい。又はこれに代えて、RRC signallingのうち、例えばIE:cellGroupConfigなど一部のconfigurationについてはgNB-DUで生成され、残りのconfigurationはgNB-CUで生成されてもよい。これらのconfigurationは、後述されるF1インタフェースで送受信されてもよい。基地局100は、他の基地局100と通信可能に構成されていてもよい。例えば、複数の基地局100がeNB同士又はeNBとen-gNBの組み合わせである場合、当該基地局100間はX2インタフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局100がgNB同士又はgn-eNBとgNBの組み合わせである場合、当該装置間はXnインタフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局100がgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせである場合、当該装置間は前述したF1インタフェースで接続されてもよい。後述されるメッセージ・情報(RRC signalling又はDCIの情報、Physical Channel)は複数基地局間で(例えばX2、Xn、F1インタフェースを介して)通信されてもよい。
【0051】
さらに、前述の通り、基地局100は、複数のセルを管理するように構成されていてもよい。基地局100により提供されるセルはServing cellと呼ばれる。Serving cellはPCell(Primary Cell)及びSCell(Secondary Cell)を含む。Dual Connectivity (例えば、EUTRA-EUTRA Dual Connectivity、EUTRA-NR Dual Connectivity(ENDC)、EUTRA-NR Dual Connectivity with 5GC、NR-EUTRA Dual Connectivity(NEDC)、NR-NR Dual Connectivity)がUE(例えば、端末装置200)に提供される場合、MN(Master Node)によって提供されるPCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はMaster Cell Groupと呼ばれる。さらに、Serving cellはPSCell(Primary Secondary Cell又はPrimary SCG Cell)を含んでもよい。すなわち、Dual Connectivity がUEに提供される場合、SN(Secondary Node)によって提供されるPSCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はSecondary Cell Group(SCG)と呼ばれる。特別な設定(例えば、PUCCH on SCell)がされていない限り、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)はPCell及びPSCellで送信されるが、SCellでは送信されない。また、Radio Link FailureもPCell及びPSCellでは検出されるが、SCellでは検出されない(検出しなくてよい)。このようにPCell及びPSCellは、Serving Cell(s)の中で特別な役割を持つため、Special Cell(SpCell)とも呼ばれる。1つのセルには、1つのDownlink Component Carrierと1つのUplink Component Carrier が対応付けられてもよい。また、1つのセルに対応するシステム帯域幅は、複数の帯域幅部分(Bandwidth Part)に分割されてもよい。この場合、1又は複数のBandwidth PartがUEに設定され、1つのBandwidth PartがActive BWPとして、UEに使用されてもよい。また、セル毎、コンポーネントキャリア毎又はBWP毎に、端末装置200が使用できる無線資源(例えば、周波数帯域、ヌメロロジー(サブキャリアスペーシング)、スロットフォーマット(Slot configuration))が異なっていてもよい。
【0052】
コアネットワーク20がNRのコアネットワーク(5G Core(5GC))の場合、コアネットワーク20は、AMF (Access and Mobility Management Function)、SMF (Session Management Function)、UPF(User Plane Function)、PCF(Policy Control Function)及びUDM(Unified Data Management)を含みうる。
【0053】
コアネットワーク20がLTEのコアネットワーク(Evolved Packet Core (EPC) )の場合、コアネットワーク20は、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving gateway)、P-GW(PDN gateway)、PCRF(Policy and Charging Rule Function)およびHSS(Home Subscriber Server)を含み得る。AMF及びMMEは、制御プレーンの信号を取り扱う制御ノードであり、端末装置200の移動状態(Mobility)を管理する。UPF及びS-GW/P-GWは、ユーザプレーンの信号を取り扱うノードである。PCF/PCRFは、PDUセッション又はベアラに対するQoS(Quality of Service)等のポリシーおよび課金に関する制御を行う制御ノードである。UDM/HSSは、加入者データを取り扱い、サービス制御を行う制御ノードである。
【0054】
端末装置200は、他の装置と無線通信する無線通信装置である。端末装置200は、例えば、通信機能を有するセンサーやカメラデバイス、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータである。端末装置200は、無線を介してデータを送受信する機能を有するヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)やVRゴーグル等であってもよい。
【0055】
例えば、端末装置200は、基地局100による制御に基づいて、または自律的に、他の端末装置200と無線通信する。その場合、端末装置200は、PC5リンクにおいて、他の端末装置200にサイドリンク信号を送信して、他の端末装置200からサイドリンク信号を受信する。以下、端末装置200によるサイドリンク信号の送信及び受信をまとめてサイドリンク通信と記載する。端末装置200は、サイドリンク通信を行う際、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術を使用可能であってもよい。
【0056】
端末装置200は、基地局100とNOMA(Non Orthogonal Multiple Access)通信が可能であってもよい。なお、端末装置200は、他の端末装置200との通信(サイドリンク)においてもNOMA通信が可能であってもよい。また、端末装置200は、他の通信装置(例えば、基地局100、及び他の端末装置200)とLPWA(Low Power Wide Area)通信が可能であってもよい。その他、端末装置200が使用する無線通信は、ミリ波またはテラヘルツ波を使った無線通信であってもよい。なお、端末装置200が使用する無線通信(サイドリンク通信を含む。)は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線や可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。
【0057】
<2.2.基地局装置の構成>
図4は、本開示の実施形態に係る基地局100の構成の一例を示すブロック図である。図4を参照すると、基地局100は、アンテナ部110、無線通信部120、ネットワーク通信部130、記憶部140及び制御部150を備える。
【0058】
(1)アンテナ部110
アンテナ部110は、無線通信部120により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部110は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部120へ出力する。なお、本実施形態のアンテナ部110は、複数のアンテナ素子を有し、ビームを形成し得る。
【0059】
(2)無線通信部120
無線通信部120は、信号を送受信する。例えば、無線通信部120は、端末装置200へのダウンリンク信号を送信し、端末装置200からのアップリンク信号を受信する。無線通信部120は、制御部150の制御に従って動作する。なお、本実施形態の無線通信部120は、アンテナ部110により複数のビームを形成して端末装置200と通信し得る。
【0060】
(3)ネットワーク通信部130
ネットワーク通信部130は、情報を送受信する。例えば、ネットワーク通信部130は、他のノードへの情報を送信し、他のノードからの情報を受信する。例えば、上記他のノードは、他の基地局100及びコアネットワークノードを含む。ネットワーク通信部130は、制御部150の制御に従って、他の装置と通信する。
【0061】
(4)記憶部140
記憶部140は、基地局100の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。記憶部140は、基地局100の記憶手段として機能する。
【0062】
(5)制御部150
制御部150は、基地局100の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部150は、基地局100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部150は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0063】
<2.3.端末装置の構成>
図5は、本開示の実施形態に係る端末装置200の構成の一例を示すブロック図である。図5を参照すると、端末装置200は、アンテナ部210、無線通信部220、記憶部230及び制御部240を備える。
【0064】
(1)アンテナ部210
アンテナ部210は、無線通信部220により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部210は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部220へ出力する。なお、本実施形態のアンテナ部210は、複数のアンテナ素子を有し、ビームを形成し得る。
【0065】
(2)無線通信部220
無線通信部220は、信号を送受信する。例えば、無線通信部220は、基地局100からのダウンリンク信号を受信し、基地局100へのアップリンク信号を送信する。無線通信部220は、制御部240の制御に従って動作する。なお、本実施形態の無線通信部220は、アンテナ部210により複数のビームを形成して基地局100と通信し得る。
【0066】
(3)記憶部230
記憶部230は、端末装置200の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。記憶部230は、端末装置200の記憶手段として機能する。
【0067】
(4)制御部240
制御部240は、端末装置200の各部を制御するコントローラである。制御部240は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部240は、端末装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部240は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0068】
<<3.SL cancellation情報の通知方法>>
<3.1.基地局が通知する方法>
<3.1.1.基地局による通知方法1>
続いて、本開示の実施形態に係る通信システム1で実施されるSL cancellation情報の通知方法の一例を説明する。ここでは、基地局100が第1UE(以下、第1UE200Aと記載する)に対して個別にSL cancellation情報を送信するものとする。また、第2UEを、第2UE200Bとも記載する。
【0069】
[シグナリング]
図6は、本開示の実施形態に係る通信システム1で行われるシグナリングの一例を示す図である。なお、上述したように、第1UE200Aは優先度の低いSL通信を行う端末装置であり、第2UE200Bは第1UE200Aよりも優先度の高いSL通信を行う端末装置である。ここでは、第1UE200A、第2UE200Bともに、同じリソースプールを使用してMode-1のSL通信を行うものとする。
【0070】
図6に示すように、時刻t1で基地局100は、第1UE200AにSL schedulingのためのPDCCHを送信する。このPDCCHに含まれるDCIに基づいて、所定のSLリソースR1が割り当てられる(スケジュールされる)。
【0071】
なお、図6では、第1UE200AのSLリソースR1が、PDCCHを通じて動的に割り当てられる(すなわち、Dynamic grant)場合について示しているが、これに限定されない。図6に示す通知方法は、例えば、第1UE200Aに対する周期的な複数のSLリソースR1が、RRCシグナリングを通じて準静的に割り当てられる(すなわち、Configured grant)場合にも適用され得る。言い換えると、基地局100は、前述又は後述のRRC messageにConfigured grantの設定情報を含めて、第1UE200Aへ送信してもよい。この場合、基地局100がConfigured grantで第1UE200Aに割り当てたSLリソースR1のうちの少なくとも1つが、SL cancellation情報によってキャンセルされる。
【0072】
第2UE200Bに優先度の高いデータが発生すると、第2UE200Bは、基地局100にScheduling requestを送信する。図6の例では、第2UE200Bは、時刻t2に基地局100に、SL通信のためのScheduling requestをPUCCH又はPUSCHで送信する。
【0073】
基地局100は、第1UE200Aに割り当てたSLリソースR1の少なくとも一部を、第2UE200BのSL送信に割り当てることを決定する。基地局100は、第1UE200Aに割り当て済みであるSLリソースR1によるSL送信をキャンセルさせるための制御情報(SL cancellation情報)を、第1UE200AにPDCCHで送信する。図6の例では、時刻t3に、基地局100は、第1UE200Aに対してSL cancellation情報(cancellation)をPDCCHにより送信する。
【0074】
第1UE200Aは、SL cancellation情報を含むPDCCHの候補(以下、PDCCH候補とも記載する)をモニタリングすることで、時刻t3に当該PDCCHを受信する。例えば、第1UE200Aは、時刻t1でPDCCHを受信してから所定期間T経過後の時刻t3に送信されるPDCCHを、PDCCH候補としてモニタリングする。なお、ここでは、PDCCH候補が、時刻t1でPDCCHを受信してから所定期間T経過後に送信されるとしたが、これに限定されない。PDCCH候補は、後述する所定のリソース内に含まれ得る。第1UE200Aは、後述する所定のリソース内をモニタリングすることで、PDCCH候補を受信する。
【0075】
第1UE200Aは、時刻t3で受信したSL cancellation情報(cancellation)に基づいて、SLリソースR1を使用したSL送信をキャンセルする。
【0076】
時刻t4において、基地局100は、第2UE200BにSL schedulingのためのPDCCHを送信する。このPDCCHに含まれるDCIに基づいて、所定のSLリソースR3が割り当てられる(スケジュールされる)。このとき、第2UE200Bに割り当てられるSLリソースR3の少なくとも一部は、キャンセルされたSLリソースR1の少なくとも一部を含む(オーバーラップする)。
【0077】
時刻t5において、第2UE200Bは、割り当てられたSLリソースR3を用いてSL送信を行う。
【0078】
[SL cancellation情報]
上述した通知方法におけるSL cancellation情報は、以下の情報を少なくとも1つを有していてもよい。
・SL cancellation情報(DCI)に含まれる制御情報
・SL cancellation情報を送信するPDCCHに関する情報
【0079】
(SL cancellation情報に含まれる制御情報)
SL cancellation情報に含まれる制御情報は、例えば、キャンセルされるSLリソースR1(時間リソース及び/又は周波数リソース)に関する情報を含む。
【0080】
これにより、第1UE200Aは、キャンセルされるSLリソースR1を明示的に把握することができる。例えば、SLリソースR1に関する情報は、スロット番号、サブフレーム番号、シンボル番号、リソース番号、リソースブロック番号、サブチャネル番号、リソースプール番号(リソースプールID)などの情報のうち、少なくとも1つを含み得る。さらに又はこれに代えて、SLリソースR1に関する情報は、キャンセルされるSLリソースR1の開始位置を示す情報及び、キャンセルされるSLリソースR1の数(開始位置からのリソースの数)を示す情報を含んでいてもよい。キャンセルされるSLリソースR1の開始位置を示す情報及び、キャンセルされるSLリソースR1の数(開始位置からのリソースの数)を示す情報は、スロット番号、サブフレーム番号、シンボル番号、リソース番号、リソースブロック番号、サブチャネル番号、リソースプール番号(リソースプールID)などの情報のうち、少なくとも1つと、スロット数、サブフレーム数、シンボル数、リソース数、リソースブロック数、サブチャネル数、リソースプール数(リソースプールID)のうち、少なくとも1つの組合せであってもよい。
【0081】
SL cancellation情報に含まれる制御情報は、例えば、キャンセルされるSLリソースR1に関する情報、すなわち、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールしたPDCCH(以下、第1PDCCHとも記載する)に関する情報を含む。当該第1PDCCHは、例えば、図6の時刻t1で基地局100から第1UE200Aに対して、SL scheduling情報を通知するために送信されたPDCCHである。
【0082】
これにより、第1UE200Aは、第1PDCCHを認識することができ、当該第1PDCCHによりスケジュールされたSLリソースR1がキャンセルされることを把握することができる。例えば、第1PDCCHに関する情報は、第1PDCCHが送信されたリソースを示す情報が含まれ得る。当該情報は、例えば、スロット番号、サブフレーム番号、Control resource set(CORESET)番号、Control channel element(CCE)番号などなどの情報の少なくとも1つを含み得る。また、例えば、当該情報は、当該第1PDCCHを構成する1つ以上のCCEのうち、最も小さいCCE番号とすることができる。
【0083】
SL cancellation情報に含まれる制御情報は、例えば、キャンセルされるSLリソースR1においてスケジューリングされたSL通信に関する情報を含む。すなわち、SL cancellation情報に含まれる制御情報は、キャンセルされるSLリソースR1でスケジュールされたPSCCH及び/又はPSSCHに関する情報を含む。これにより、第1UE200Aは、キャンセルされるPSCCH及び/又はPSSCHを認識することができ、キャンセルされるSLリソースR1を把握することができる。キャンセルされるSLリソースR1でスケジュールされたPSCCH及び/又はPSSCHに関する情報は、例えば、当該PSSCHで送信されるHARQプロセス番号を含み得る。
【0084】
(SL cancellation情報を送信するPDCCHに関する情報)
SL cancellation情報を送信するPDCCH(以下、第2PDCCHとも記載する)に関する情報は、例えば、第2PDCCHが送信されるリソースに関する情報を含む。第2PDCCHが送信されるリソースは、1つのリソースであってもよく、複数のリソースであってもよい。
【0085】
第2PDCCHが送信されるリソースが複数のリソースである場合、第2PDCCHは、その複数のリソースのいずれかで送信される。つまり、その複数のリソースは、第2PDCCHが送信されるリソースの候補(以下、第2PDCCH候補とも記載する)である。第1UE200Aは、その第2PDCCH候補をモニタリングし、第2PDCCHを検出する。換言すると、第2PDCCHが送信され得るリソース(第2PDCCH候補)は、第2PDCCHのサーチスペースと見なし得る。
【0086】
ここで、第2PDCCHが送信されるリソース(以下、第2リソースとも記載する)は、以下の決定方法のいずれかに基づいて決定され得る。
決定方法1:第2リソースを、第1PDCCHに基づいて決定する方法
決定方法2:第2リソースを、キャンセルされるSLリソースR1に基づいて決定する方法
決定方法3:決定方法1及び決定方法2を組み合わせた方法
【0087】
(決定方法1)
第2リソースを第1PDCCHに基づいて決定する場合、第2リソースの時間リソースは、例えば、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCHの時間リソースに基づいて決定される。例えば、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)は、第1PDCCHのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)によって決定される。なお、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)は、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)の取り得る範囲も含む。
【0088】
例えば、第2リソースは、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCHのスロット(又はサブフレーム、シンボル)から所定数(例えば、図6の期間T)後のスロット(又はサブフレーム、シンボル)である。
【0089】
また、例えば、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)の取り得る範囲は、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCHのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)から所定数以降のスロット(又はサブフレーム、シンボル)である。
【0090】
換言すると、第1UE200Aは、第2リソースが、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCHのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)の所定数よりも前のスロットにはない(又はサブフレーム、シンボル)と想定(e.g., 期待(Expect)、又は仮定(Assume))する。
【0091】
なお、所定数は、予め規定または設定されてもよいし、基地局100から設定されてもよい(例えば前述又は後述のRRC Signalingによって設定されてもよい)。
【0092】
第2リソースを第1PDCCHに基づいて決定する場合、例えば、第2リソースのControl resource set番号は、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCHのControl resource set番号と同じである。
【0093】
(決定方法2)
第2リソースを、キャンセルされるSLリソースR1に基づいて決定する場合、例えば、第2リソースの時間リソースは、キャンセルされるSLリソースR1の時間リソースに基づいて決定される。例えば、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)は、キャンセルされるSLリソースR1のスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)によって決定される。なお、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)は、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)の取り得る範囲も含む。
【0094】
例えば、第2リソースは、キャンセルされるSLリソースR1のスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)より所定数前のスロット(又はサブフレーム、シンボル)である。
【0095】
図7は、本開示の実施形態に係る通信システム1で行われるシグナリングの他例を示す図である。なお、図6と同じシグナリングについては説明を省略する。図7に示すように、基地局100は、例えば、SLリソースR1の開始時刻t8よりも所定期間T2前の時刻t3に第2PDCCHを第1UE200Aに送信する。このように、第2PDCCHが送信される第2リソースは、キャンセルされるSLリソースR1のスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)より所定数(例えば所定期間T2)前のスロット(又はサブフレーム、シンボル)である。
【0096】
また、例えば、第2リソースのスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)の取り得る範囲は、キャンセルされるSLリソースR1のスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)より所定数以前のスロット(又はサブフレーム、シンボル)である。
【0097】
換言すると、第1UE200Aは、第2リソースが、キャンセルされるSLリソースR1のスロット番号(又はサブフレーム番号、シンボル番号)よりも所定数前のスロット(又はサブフレーム、シンボル)と、SLリソースR1のスロット(又はサブフレーム、シンボル)との間にはないと想定(e.g., 期待(Expect)、又は仮定(Assume))する。
【0098】
なお、所定数は、予め規定または設定されてもよいし、基地局100から設定されてもよい(例えば前述又は後述のRRC Signalingによって設定されてもよい)。
【0099】
第2リソースを、キャンセルされるSLリソースR1に基づいて決定する場合、例えば、キャンセルされるSLリソースR1のサブチャネル番号(又はリソース番号、リソースブロック番号、リソースプール番号)によって決定される。具体的には、第2リソースのサブチャネル(又はリソース、リソースブロック、リソースプール)は、キャンセルされるSLリソースR1のサブチャネル(又はリソース、リソースブロック、リソースプール)と同じである。
【0100】
(決定方法3)
決定方法1と決定方法2とを組み合わせる場合、例えば、第2リソースは、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCH、及び、キャンセルされるSLリソースR1に基づいて決定される。
【0101】
(RNTI)
次に、第2PDCCHに関する情報は、例えば、第2PDCCHに用いられるRNTI(Radio Network Temporary Identifier)に関する情報を含む。ここで、RNTIは、PDCCHのスクランブルに用いられ、端末装置200(以下、UE200とも記載する)が自装置宛てのPDCCHかどうかを識別するために使用する情報である。
【0102】
例えば、第2PDCCHに用いられるRNTIは、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCHに用いられるRNTIと同じである。
【0103】
あるいは、第2PDCCHに用いられるRNTIが、SL cancellation情報を通知するために固有に規定又は設定されてもよい。すなわち、第2PDCCHに用いられるRNTIは、SL cancellation情報の送信に固有に使用される。この場合、第2PDCCHに用いられるRNTIは、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールした第1PDCCHに用いられるRNTIとは異なる。
【0104】
<3.1.2.基地局による通知方法2>
上述した基地局100による通知方法1では、SL cancellation情報を送信する第2PDCCHは、SLリソースR1をキャンセルするための制御情報を通知するとしたが、これに限定されない。
【0105】
図8は、本開示の実施形態に係る通信システム1で行われるシグナリングの他例を示す図である。なお、図6と同じシグナリングについては説明を省略する。図8に示すように、基地局100は、第2PDCCHを用いて既にスケジューリングしたSLリソースR1とは異なるSLリソースR6を新たにスケジューリングする。すなわち、本通知方法のSL cancellation情報は、SLリソースR1をSLリソースR6に変更するための情報を含む。
【0106】
これにより、最初のSLリソースR1は、黙示的(Implicit)にキャンセルされる。換言すると、既にスケジューリングされたPSCCH及び/又はPSSCHのスケジューリング情報がアップデート(変更)(又は上書き(Override))される。第1UE200Aは、当該SL cancellation情報によって変更されたSLリソースR6を用いてSL通信を行う。
【0107】
そのため、基地局100による通知方法2のSL cancellation情報は、主に、当該SL cancellation情報(DCI)に含まれる制御情報において基地局100による通知方法1と異なる。基地局100による通知方法2のSL cancellation情報に含まれる制御情報は、以下の情報を少なくとも1つ含む。
・アップデートするPSCCH及び/又はPSSCHを示す情報
・既にスケジューリングしたSLリソースR1をキャンセル又はアップデートすることを示す情報
・アップデートされるSLリソースR6を示す情報
【0108】
アップデートするPSCCH及び/又はPSSCHを示す情報は、例えば、当該PSSCHで送信されるHARQプロセス番号を含む。
【0109】
また、アップデートされるSLリソースR6を示す情報は、例えば、スロット番号、サブフレーム番号、シンボル番号、リソースブロック番号、サブチャネル番号、リソースプール番号などの情報を少なくとも1つ含む。さらに又はこれに代えて、SLリソースR6を示す情報は、アップデートされるSLリソースR6の開始位置を示す情報及び、アップデートされるSLリソースR6の数(開始位置からのリソースの数)を示す情報を含んでいてもよい。アップデートされるSLリソースR6の開始位置を示す情報及び、アップデートされるSLリソースR6の数(開始位置からのリソースの数)を示す情報は、スロット番号、サブフレーム番号、シンボル番号、リソース番号、リソースブロック番号、サブチャネル番号、リソースプール番号(リソースプールID)などの情報のうち、少なくとも1つと、スロット数、サブフレーム数、シンボル数、リソース数、リソースブロック数、サブチャネル数、リソースプール数(リソースプールID)のうち、少なくとも1つの組合せであってもよい。
【0110】
なお、アップデートされるSLリソースR6を示す情報が所定の値である場合、新たなSLリソースR6が割り当てられないものとしてもよい。この場合、新たなSLリソースR6は割り当てられず、単にSLリソースR1がキャンセルされる。
【0111】
<3.1.3.基地局による通知方法3>
基地局100による通知方法3では、基地局100が第1UE200Aを含むグループ共通(Group common)にSL cancellation情報を送信する。なお、以下では、SL cancellation情報が所定のUEグループにGroup commonに送信される場合を説明するが、不特定のUE200にBroadcast送信してもよい。
【0112】
当該方法は、基地局100がグループ共通(Group common)にSL cancellation情報を送信する点を除き、基地局100による通知方法1と同じである。基地局100による通知方法3は、主に、SL cancellation情報を含む第2PDCCHがGroup common PDCCHであり、SL cancellation情報がGroup common DCIである点で基地局100による通知方法1と異なる。
【0113】
(SL cancellation情報に含まれる制御情報)
基地局100による通知方法3では、SL cancellation情報(DCI)に含まれる制御情報は、キャンセルされるべきSLリソースを示す情報が含まれる。キャンセルされるべきSLリソースは、例えば、図6のSLリソースR1のうち、SLリソースR3とオーバーラップするSLリソースに相当するリソースである。以下、キャンセルされるべきSLリソースをSLリソースR7とも記載する。なお、図6では、キャンセルされるべきSLリソースR7とSLリソースR3とが同じSLリソースである場合を示しているが、これに限定されない。SLリソースR3は、SLリソースR7の少なくとも一部を用いてスケジュールされればよく、SLリソースR3とSLリソースR7とが同じリソースでなくてもよい。SLリソースR3とSLリソースR7とが同じリソースでない場合、SLリソースR7がSLリソースR3を包含する(SLリソースR3が、SLリソースR7の一部である)SLリソースであることが好ましい。
【0114】
第1UE200Aは、既に割り当てられたSLリソースR1が、この制御情報により示されるキャンセルされるべきSLリソースR7の少なくとも一部に含まれる(オーバーラップする)場合、SLリソースR1をキャンセルする。具体的に、第1UE200Aは、SLリソースR1で送信される予定であったPSCCH及び/又はPSSCHのキャンセル処理を行う。
【0115】
キャンセル処理の一例として、当該PSCCH及び/又はPSSCHの全てがキャンセルされる。
【0116】
キャンセル処理の他例として、SLリソースR1のうち、SLリソースR7とオーバーラップするSLリソースがキャンセルされる。この場合、第1UE200Aは、キャンセルされない(つまり、SLリソースR7とオーバーラップしていない)残りのSLリソースを用いてPSCCH及び/又はPSSCHを送信する。
【0117】
上述したキャンセルされるべきSLリソースR7は、以下の一部又は全部により規定、定義、又は、制限され得る。
【0118】
SLリソースR7は、所定のリソースプール内のリソースである。例えば、所定のリソースプールは、受信リソースプール(RxPool)、又は、送信リソースプール(TxPool)として設定される。また、制御情報は、所定のリソースプールを示すリソースプールIDを含み得る。
【0119】
SLリソースR7の時間リソースは、少なくともリソースプールの時間リソース(sl-timeResource)で設定されないシンボル、及び/又は、当該リソースプールに設定されるTDD設定(sl-TDD-Configuration)で示されないSLリソースのシンボルを除外する。
【0120】
次に、キャンセルされるべきSLリソースR7を示す方法として、例えば、ビットマップ形式の情報として示す方法、及び、キャンセルされるSLリソースR7に関する情報として示す方法が挙げられる。
【0121】
ビットマップ形式の情報として示す場合、当該情報に含まれるそれぞれのビットが、例えば所定のSLリソース内の一部に対応する。例えば、ビットが「1」である場合、そのビットに対応するSLリソース(又は、そのSLリソースの少なくとも一部がオーバーラップするSL送信)は、キャンセルされるべきであることを示す。
【0122】
ここで、それぞれのビットに対応するSLリソースは、所定のシンボル数及び/又は所定のサブチャネル数で規定又は設定される。
【0123】
あるいは、それぞれのビットに対応するSLリソースは、さらにキャンセルされ得るSLリソースのリソースプールに設定されるパラメータによって決まってもよい。例えば、パラメータとして、当該リソースプールのサブチャネルサイズ(つまり、1つのサブチャネルを構成するリソースブロック数)、当該リソースプールのサブチャネル数、当該リソースプールの時間リソースなどが挙げられる。
【0124】
それぞれのビットに対応するSLリソースを決定するために、以下のパラメータがRRCシグナリングにより基地局100によって設定され得る。
・SL cancellation情報に含まれる制御情報のビット数に関するパラメータ
・それぞれのビットに対応するSLリソースの周波数リソースに関するパラメータ
・当該制御情報で通知するSLリソース全体に対応するシンボル数に関するパラメータ
・それぞれのビットに対応するシンボル数に関するパラメータ
【0125】
なお、それぞれのビットに対応するSLリソースの周波数リソースに関するパラメータは、上述したリソースプールのサブチャネルサイズを単位として設定され得る。
【0126】
また、上記SLリソース全体に対応するシンボル数は、少なくともリソースプールの時間リソース(sl-timeResource)で設定されないシンボル、及び/又は、当該リソースプールに設定されるTDD設定(sl-TDD-Configuration)で示されないSLリソースのシンボルを除外したシンボルのシンボル数である。
【0127】
また、それぞれのビットに対応するシンボル数に関するパラメータとして、所定数のシンボル数が設定され得る。
【0128】
次に、上述したように、キャンセルされるべきSLリソースR7を示す方法として、キャンセルされるSLリソースR7に関する情報として示す方法がある。この場合、当該情報には、例えば、スロット番号、サブフレーム番号、シンボル番号、リソースブロック番号、サブチャネル番号、リソースプール番号などに関する情報の少なくとも1つが含まれ得る。さらに又はこれに代えて、SLリソースR7に関する情報は、SLリソースR7の開始位置を示す情報及び、SLリソースR7の数(開始位置からのリソースの数)を示す情報を含んでいてもよい。SLリソースR7の開始位置を示す情報及び、SLリソースR7の数(開始位置からのリソースの数)を示す情報は、スロット番号、サブフレーム番号、シンボル番号、リソース番号、リソースブロック番号、サブチャネル番号、リソースプール番号(リソースプールID)などの情報のうち、少なくとも1つと、スロット数、サブフレーム数、シンボル数、リソース数、リソースブロック数、サブチャネル数、リソースプール数(リソースプールID)のうち、少なくとも1つの組合せであってもよい。
【0129】
(SL cancellation情報を送信するPDCCHに関する情報)
SL cancellation情報を送信する第2PDCCHは、予め規定又は設定される周期的なリソースで送信される。第1UE200Aは、周期的なリソースをモニタリングする。これにより、第1UE200Aは、SL cancellation情報を取得する。なお、SLリソースR1をスケジューリングされていないUE200は、周期的なリソースで送信される第2PDCCHをモニタリングしなくてもよい。
【0130】
また、キャンセルされるSLリソースR1がない場合、第2PDCCHは送信されなくてもよい。
【0131】
次に、第2PDCCHに用いられるRNTIは、SL cancellation情報の通知のために固有に規定又は設定される。この場合、第2PDCCHに用いられるRNTIは、キャンセルされるSLリソースR1をスケジュールしたPDCCHに用いられるRNTIと異なる。
【0132】
<3.2.第2UEが通知する方法>
<3.2.1.第2UEによる通知方法1>
続いて、本開示の実施形態に係る通信システム1で実施されるSL cancellation情報の通知方法の他例を説明する。ここでは、第2UE200Bが第1UE200Aに対してSL cancellation情報を送信するものとする。
【0133】
[シグナリング]
図9は、本開示の実施形態に係る通信システム1で行われるシグナリングの一例を示す図である。なお、図6と同じシグナリングについては説明を省略する。すなわち、特に明記しない限り、第2UE200Bによる通知方法1として、基地局100による通知方法が適用され得る。
【0134】
図9に示すように、時刻t1において、基地局100は、第1UE200AにSL schedulingのための第1PDCCHを送信する。第1UE200Aは、当該第1PDCCHを受信する。本通知方法では、第2UE200Bも当該第1PDCCHを受信する。これにより、第2UE200Bは、SLリソースR1のスケジューリング状況を把握する。
【0135】
このように、本通知方法では、第2UE200Bは、SL mode-1において、SLリソースのスケジューリング状況を把握する目的で他のTxUE(ここでは第1UE200A)のスケジューリング情報(第1PDCCH)を受信する。
【0136】
換言すると、SL mode-1において、第2UE200Bは、基地局100から他のTxUE(例えば、第1UE200A)宛の第1PDCCHをモニタリングすることで、SLリソースの使用状況をセンシングする。これにより、第2UE200Bは、SLリソースを認識する。なお、第2UE200Bがモニタリングする第1PDCCHの宛先となる他のTxUEは1つに限定されない。第2UE200Bは、複数の他のTxUE宛の第1PDCCHをモニタリングし得る。
【0137】
なお、他のTxUE宛の第1PDCCHのセンシングを行うために、第2UE200Bは、第1PDCCHに用いられるRNTIを予め知っている。例えば、当該RNTIは、予め規定又は設定される。
【0138】
図9に示すように、第1UE200Aに割り当てられたSLリソースR1の開始前の時刻t2において、第2UE200Bは、基地局100にSLのためのScheduling requestをPUCCH又はPUSCHを用いて送信する。
【0139】
このとき、第2UE200Bは、このScheduling requestと共に、後述するSL cancellation情報を第1UE200Aに送信することを基地局100に通知してもよい。これにより、基地局100は、第1UE200Aに割り当てたSLリソースR1がキャンセルされることを認識することができる。
【0140】
続いて、第2UE200Bは、時刻t31において、第1UE200Aに、SLリソースR1をキャンセルさせるための制御情報(SL cancellation情報)をPSCCH及び/又はPSSCHを用いて送信する。なお、図9では、第2UE200BがPSCCHを用いて制御情報(SL cancellation情報、図9ではCancellationと記載)を送信する例を示している。
【0141】
なお、図9では、SLリソースR1をキャンセルさせるための制御情報が、Scheduling requestの後に送信される例を示しているが、これに限定されない。当該制御情報が、Scheduling requestと同時に(同じスロット又は同じシンボルで)送信されてもよい。あるいは、当該制御情報がScheduling requestより先に送信されてもよい。
【0142】
第1UE200Aは、SL cancellation情報を含むPSCCH及び/又はPSSCHの候補をモニタリングし、当該PSCCH及び/又はPSSCHを受信する。PSCCH及び/又はPSSCHの候補は、後述する所定のリソース内に含まれ得る。第1UE200Aは、その所定のリソース内をモニタリングすることで、当該PSCCH及び/又はPSSCHを受信する。
【0143】
第1UE200Aは、受信したSL cancellation情報に基づき、SLリソースR1を使用するSL送信をキャンセルする。
【0144】
基地局100は、第2UE200BのSL送信のためのSLリソースR3に、第1UE200Aに割り当てたSLリソースR1の少なくとも一部を割り当てることを決定する。
【0145】
時刻t4において、基地局100は、第2UE200BにSL schedulingのための第2PDCCHを送信する。このとき、第2UE200Bに割り当てたSLリソースR3の少なくとも一部は、キャンセルされたSLリソースR1の少なくとも一部を含む。
【0146】
第2UE200Bは、時刻t5において、割り当てられたSLリソースR3を用いてSL送信を行う。
【0147】
[SL cancellation情報]
上述した第2UE200Bによる通知方法1におけるSL cancellation情報は、以下の情報を少なくとも1つ有する。
・SL cancellation情報(SCI:Sidelink control information)に含まれる制御情報
・SL cancellation情報を送信するPSCCH及び/又はPSSCHに関する情報
【0148】
SL cancellation情報(SCI)に含まれる制御情報は、例えば、基地局100による通知方法1で記載したSL cancellation情報(DCI)に含まれる制御情報と同じ情報を含む。
【0149】
SL cancellation情報を送信するPSCCH及び/又はPSSCHに関する情報は、例えば、当該PSCCH及び/又はPSSCHが送信されるリソースに関する情報を含む。当該リソースは、例えば、基地局100による通知方法1に記載の第2PDCCHが送信されるリソースと同じである。
【0150】
また、当該PSCCH及び/又はPSSCHが送信されるリソースは、キャンセルされるSLリソースR1と同じリソースプール内のリソースであってもよい。
【0151】
ここで、当該PSCCH及び/又はPSSCHは、第1UE200A個別にUnicastされる。この場合、SL cancellation情報は、キャンセルするSLリソースR1又はSL通信(すなわち、第1UE200AにスケジュールされたSLリソースR1またはSL通信)を明示的に示す情報を含むことが好適である。
【0152】
あるいは、当該PSCCH及び/又はPSSCHが、第1UE200Aを含む複数のUE200にBroadcast又はGroupcastされてもよい。この場合、SL cancellation情報は、第2UE200BがキャンセルさせたいSLリソースR1を示す情報を含むことが好適である。例えば、SL cancellation情報が、基地局100による通信方法3におけるSL cancellation情報(DCI)に含まれる制御情報と同じ制御情報を含むことが好適である。
【0153】
<3.2.2.第2UEによる通知方法2>
ここでは、第2UE200Bによる通知方法1と同様に、第2UE200Bが第1UE200AにSL cancellation情報を送信する方法を、第2UE200Bによる通信方法2として説明する。本通知方法は、第2UE200Bが送信するSL cancellation情報が、第1UE200Aに割り当てられたSLリソースR1の少なくとも一部を含むSLリソースのReservation情報である点で第2UE200Bによる通知方法1と異なる。
【0154】
図10は、本開示の実施形態に係る通信システム1で行われるシグナリングの一例を示す図である。なお、図6及び図9と同じシグナリングについては説明を省略する。すなわち、特に明記しない限り、第2UE200Bによる通知方法2として、基地局100による通知方法及び/又は第2UE200Bによる通知方法1が適用され得る。
【0155】
図10に示すように、時刻t32において、第2UE200Bは、第1UE200Aに、SLリソースR1をキャンセルさせるための制御情報(SL cancellation情報)をPSCCH及び/又はPSSCHを用いて送信する。なお、図10では、第2UE200BがPSCCHを用いて制御情報(SL cancellation情報、図10ではCancellationと記載)を送信する例を示している。
【0156】
このように、本通知方法では、第2UE200Bは、Scheduling requestを基地局100に送信せずに、第1UE200AにSL cancellation情報を送信し得る。
【0157】
ここで、本通知方法におけるSL cancellation情報は、第1UE200Aに割り当てられたSLリソースR1の少なくとも一部を含むSLリソースR3のReservation情報を含む。さらに、SL cancellation情報は、第2UE200Bが送信するPSSCHに対するPriority情報も含む。このPriorityは、第1UE200Aが送信する予定のPSSCHに対するPriorityよりも高い。
【0158】
第2UE200Bが第1UE200AのSL送信をキャンセルさせるか否かを決定するPriority情報(すなわち、Mode-1におけるSL preemptionで用いられるPriority情報)は、上述したMode-2におけるSL preemptionで用いられるPriority情報とは独立に設定され得る。
【0159】
さらに、第2UE200Bが第1UE200AのSL送信をキャンセルさせることができるPriorityの閾値(スレッショルド)が、リソースプールに設定され得る。当該リソースプールは、第1UE200Aに割り当てられたSLリソースR1のリソースプールである。当該リソースプールにこの閾値が設定された場合、第2UE200Bは、送信したいSL送信のPriorityがこの閾値を超えた(又は、以上であった)ことを条件として、第1UE200AのSL送信をキャンセルさせることができる。
【0160】
図10に示すように、第1UE200Aは、時刻t32で送信されたPSCCHであって、SL cancellation情報(Cancellation)を含むPSCCHを受信する。第1UE200Aは、SL cancellation情報を含むPSCCH及び/又はPSSCHの候補をモニタリングし、当該PSCCH及び/又はPSSCH(図10ではPSCCH)を受信する。
【0161】
PSCCH及び/又はPSSCHの候補は、第2UE200Bによる通知方法1と同様の所定のリソース内に含まれ得る。第1UE200Aは、その所定のリソース内をモニタリングする。
【0162】
第1UE200Aは、受信したSL cancellation情報に基づき、SLリソースR1を使用するSL送信をキャンセルする。
【0163】
第2UE200Bは、時刻t5において、SLリソースR3を用いてSL送信を行う。
【0164】
<3.3.第3UEに通知する方法>
<3.3.1.第3UEへの通知方法1>
続いて、本開示の実施形態に係る通信システム1で実施されるSL cancellation情報の通知方法の他例を説明する。ここでは、基地局100が第3UE200C(第1の通信装置又は第2通信装置の一例)に対してSLリソースをキャンセルさせるための情報を送信するものとする。基地局100は、第1UE200Aを介して第3UE200Cに対してSLリソースをキャンセルさせるための情報を通知する。基地局100が第1UE200AにSL cancellation情報を送信することで、第1UE200Aは、第3UE200Cに対してSLリソースを使用したSL通信をキャンセルさせる。
【0165】
ここで、第3UE200Cは、第1UE200AからのSL送信を受信するRxUEである。第3UE200Cは、第1UE200Aから送信されるPSSCHに対応する応答情報を、PSFCH(Physical Sidelink Feedback Channel)を用いて、第1UE200Aに送信する。応答情報は、例えば、Ack/Nack情報、A/N情報、HARQ-ACKなどが含まれる。
【0166】
本通知方法では、基地局100は、PSSCHに対する応答情報を送信するためのサイドリンクチャネルであるPSFCHを、SL cancellation情報を用いてキャンセルさせる。基地局100は、第1UE200Aを介して第3UE200Cに対してPSFCHをキャンセルさせるための情報を通知する。基地局100が第1UE200AにSL cancellation情報を送信することで、第1UE200Aは、第3UE200Cに対してPSFCHの送信をキャンセルさせる。
【0167】
なお、本通知方法において、上述した基地局100による通知方法及び第2UE200Bによる通知方法と同じ方法の説明を省略する。すなわち、本通知方法は、上述した基地局100による通知方法及び第2UE200Bによる通知方法を組み合わせて(すなわち、同様の方法を用いて)実施され得る。
【0168】
図11は、本開示の実施形態に係る通信システム1で行われるシグナリングの一例を示す図である。なお、図6及び図9と同じシグナリングについては説明を省略する。すなわち、特に明記しない限り、第3UE200Cへの通知方法1として、基地局100による通知方法及び/又は第2UE200Bによる通知方法が適用され得る。
【0169】
ここでは、第1UE200Aが第3UE200CにPSSCHを送信し、第3UE200Cは、その応答情報を含むPSFCHを、SLリソースR5を使用して送信しようとするものとする(Potential PSFCH)。
【0170】
第1UE200Aが第3UE200Cに送信するPSSCHのスケジューリングは、図6及び図9と同様に、基地局100により行われる。すなわち、図11の例では、SLリソースR1のキャンセルは行われず、第1UE200Aは、第1PDCCHによって割り当てられるSLリソースR1を使用してPSSCHを第3UE200Cに送信する。
【0171】
ここで、図11に示すように、時刻t2で第2UE200BからScheduling requestを受信した基地局100は、時刻t3でSL cancellation情報(Cancellation)を含むPDCCHを第1UE200Aに送信する。当該SL cancellation情報は、第1UE200Aが送信するPSSCHに対応するPSFCHをキャンセルさせるための制御情報である。
【0172】
第1UE200Aは、時刻t1で受信したSL scheduling情報、及び、時刻t3で受信したSL cancellation情報に基づき、時刻t7においてSLリソースR3を使用してPSCCH及びPSSCHを第3UE200Cに送信する。
【0173】
このとき、PSCCH又はPSSCHで送信されるSCIは、当該PSSCHに対応するPSFCHを送信させないことを示す情報を含む。PSFCHを送信させないことを示す情報は、例えば、HARQ-ACK送信がdisableであることを示す情報、HARQ-ACKキャンセルを示す情報、HARQ-ACKストップを示す情報などが含まれ得る。
【0174】
第3UE200Cは、PSCCH又はPSSCHで送信されるSCIに基づき、PSSCHを受信処理する。第3UE200Cは、当該PSSCHに対するHARQ-ACKを送信せず、PSFCHの送信をキャンセルする。
【0175】
図11の例では、第1UE200AによるPSCCH及びPSSCHの送信後の時刻t41において、基地局100は、SLリソースR4をスケジューリングするためのSL scheduling情報を含むPDCCHを第2UE200Bに送信する。第2UE200Bは、当該SL scheduling情報に基づき、時刻t51において、割り当てられたSLリソースR4を用いてSL送信を行う。なお、SLリソースR4は、PSFCHの送信に割り当てられていたSLリソースR5の少なくとも一部を含む(オーバーラップする)。
【0176】
<3.3.2.第3UEへの通知方法2>
上述した第3UE200Cへの通知方法1では、第1UE200AがPSCCH及びPSSCHを送信する前に、基地局100がSL cancellation情報を含むPDCCHを第1UE200Aに送信するとしたが、これに限定されない。第1UE200AがPSCCH及びPSSCHを送信した後に、基地局100がSL cancellation情報を含むPDCCHを送信するようにしてもよい。この場合、基地局100は、SL cancellation情報(Cancellation)を含むPDCCHを第3UE200Cに送信する。
【0177】
図12は、本開示の実施形態に係る通信システム1で行われるシグナリングの一例を示す図である。なお、図12と同じシグナリングについては説明を省略する。すなわち、特に明記しない限り、第3UE200Cへの通知方法2として、第3UE200Cへの通知方法1、基地局100による通知方法、及び/又は、第2UE200Bによる通知方法が適用され得る。
【0178】
図12に示すように、本通知方法では、SL cancellation情報(Cancellation)を含むPDCCHは、第1UE200AがPSCCH及びPSSCHを送信した後の時刻t33において、基地局100から第3UE200Cに送信される。当該SL cancellation情報は、第1UE200Aが送信するPSSCHに対応するPSFCHをキャンセルさせるための制御情報である。
【0179】
また、第3UEへの通知方法2は、<3.1.3.基地局による通知方法3>で説明したように、SL cancellation情報は、キャンセルされるべきSLリソースR7を含んで、Group commonまたはBroadcastで送信されてもよい。第3UE200Cは、受信したSL cancellation情報が示すSLリソースR7が、送信され得るPSFCHのSLリソースR5の少なくとも一部を含む場合、当該PSFCHの送信をキャンセルする。基地局100は、キャンセルされたSLリソースR7の少なくとも一部を用いて、第2UE200BにSLリソースR4をスケジュールすることができる。なお、SLリソースR4とSLリソースR7は同じであってもよく、同じでなくてもよい。SLリソースR4とSLリソースR7が同じSLリソースではない場合、SLリソースR7がSLリソースR4を包含するSLリソースである(SLリソースR4が、SLリソースR7の一部である)ことが好ましい。
【0180】
第3UE200Cは、SL cancellation情報に基づき、PSSCHに対するHARQ-ACKを送信せず、PSFCHの送信をキャンセルする。
【0181】
<<4.その他の実施形態>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0182】
例えば、上述の実施形態の基地局100、端末装置200を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムにより実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムによって実現してもよい。
【0183】
例えば、上述の動作を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、送信装置、受信装置の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、送信装置、受信装置の内部の装置(例えば、制御部150、240)であってもよい。
【0184】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0185】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0186】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0187】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のシーケンス図に示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0188】
また、例えば、本実施形態は、装置又はシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0189】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0190】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0191】
<<5.むすび>>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0192】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0193】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
基地局から、他の通信装置とのサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報を受信する受信部と、
前記サイドリンクリソースを用いて前記他の通信装置と前記サイドリンク通信を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記サイドリンクリソースの使用をキャンセルするためのキャンセル情報を受信した場合、前記キャンセル情報に基づき、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルする、
通信装置。
(2)
前記キャンセル情報が送信されるリソースは、前記スケジューリング情報、及び、前記サイドリンクリソースの少なくとも一方に基づいて決定される、(1)に記載の通信装置。
(3)
前記キャンセル情報が送信されるリソースの時間リソースは、前記スケジューリング情報の時間リソース、及び、前記サイドリンクリソースの時間リソースの少なくとも一方に基づいて決定される、(1)又は(2)に記載の通信装置。
(4)
前記キャンセル情報は、前記サイドリンクリソースに関する情報、前記スケジューリング情報に関する情報、及び、前記サイドリンクリソースにおいてスケジューリングされた前記サイドリンク通信に関する情報、の少なくとも1つを含む、(1)~(3)のいずれか1つに記載の通信装置。
(5)
前記キャンセル情報の送信し使用されるRNTI(Radio Network Temporary Identifier)は、前記スケジューリング情報の送信に使用されるRNTI、及び、前記キャンセル情報の送信に固有に使用されるRNTIのいずれか一方である、(1)~(4)のいずれか1つに記載の通信装置。
(6)
前記キャンセル情報は、前記基地局からPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を用いて送信される、(1)~(5)のいずれか1つに記載の通信装置。
(7)
前記キャンセル情報は、前記サイドリンクリソースを変更するための情報を含み、
前記制御部は、前記キャンセル情報によって変更された前記サイドリンクリソースを用いて前記他の通信装置と前記サイドリンク通信を行う、
(6)に記載の通信装置。
(8)
前記キャンセル情報は、第2の通信装置からPSCCH(Physical Sidelink Control Channel)を用いて送信される、(1)~(5)のいずれか1つに記載の通信装置。
(9)
前記キャンセル情報は、前記第2の通信装置が前記サイドリンク通信に使用する第2のサイドリンクリソースを予約するための情報、及び、前記第2のサイドリンクリソースで送信される前記サイドリンク通信のプライオリティを示す情報の少なくとも一方を含み、
前記キャンセル情報に含まれる前記プライオリティは、前記通信装置が前記サイドリンクリソースで送信する前記サイドリンク通信のプライオリティより高い、
(8)に記載の通信装置。
(10)
前記第2のサイドリンクリソースの少なくとも一部は、前記サイドリンクリソースの少なくとも一部とオーバーラップする、(9)に記載の通信装置。
(11)
基地局が送信するスケジューリング情報であって、第1の通信装置との間のサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関する前記スケジューリング情報に基づき、前記第1の通信装置と前記サイドリンク通信を行う第2の通信装置に対して、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルするためのキャンセル情報を送信する、制御部、
を備える通信装置。
(12)
前記通信装置は、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置と通信を行う基地局である、(11)に記載の通信装置。
(13)
前記制御部は、第3の通信装置に、前記第3の通信装置が他の通信装置と前記サイドリンク通信を行うために使用する第2のサイドリンクリソースに関する第2のスケジューリング情報を送信し、
前記第2のサイドリンクリソースの少なくとも一部は、前記サイドリンクリソースの少なくとも一部とオーバーラップする、(12)に記載の通信装置。
(14)
前記キャンセル情報は、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間のサイドリンク通信で送信されるPSFCH(Physical Sidelink Feedback Channel)をキャンセルさせるための情報を含む、(12)又は(13)に記載の通信装置。
(15)
前記キャンセル情報は、前記サイドリンクリソースを使用してPSCCH及びPSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)の少なくとも一方を送信する前記第2の通信装置に送信され、
前記第2の通信装置は、PSCCH及びPSSCHを送信するときに、前記第1の通信装置にPSFCHの送信をキャンセルさせるための情報を通知する、
(14)に記載の通信装置。
(16)
前記キャンセル情報は、前記第1の通信装置が前記サイドリンクリソースを使用して送信するPSSCHに対してPSFCHを送信する前記第2の通信装置に送信され、
前記第2の通信装置は、前記キャンセル情報に応じて前記PSFCHの送信をキャンセルする、
(14)に記載の通信装置。
(17)
前記通信装置は、前記基地局と通信を行い、他の通信装置と前記サイドリンク通信を行う第3の通信装置である、(11)に記載の通信装置。
(18)
前記制御部は、前記サイドリンクリソースを認識する、(17)に記載の通信装置。
(19)
前記制御部は、前記スケジューリング情報を受信し、前記スケジューリング情報に基づいて前記サイドリンクリソースを認識する、(18)に記載の通信装置。
(20)
前記通信装置は、前記第2の通信装置と同じリソースプールを使用する、(17)~(19)のいずれか1つに記載の通信装置。
(21)
基地局から、他の通信装置とのサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関するスケジューリング情報を受信することと、
前記サイドリンクリソースを用いて前記他の通信装置と前記サイドリンク通信を行うことと、
前記サイドリンクリソースの使用をキャンセルするためのキャンセル情報を受信した場合、前記キャンセル情報に基づき、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルすることと、
を含む通信方法。
(22)
基地局が送信するスケジューリング情報であって、第1の通信装置との間のサイドリンク通信に使用するサイドリンクリソースに関する前記スケジューリング情報に基づき、前記第1の通信装置と前記サイドリンク通信を行う第2の通信装置に対して、前記サイドリンクリソースを用いた前記サイドリンク通信をキャンセルするためのキャンセル情報を送信すること、
を含む通信方法。
【符号の説明】
【0194】
1 通信システム
100 基地局
110,210 アンテナ部
120,220 無線通信部
130 ネットワーク通信部
140,230 記憶部
150,240 制御部
200 端末装置
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