(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079143
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】管理システム、コンピュータプログラム、及び、管理方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/42 20060101AFI20230531BHJP
H04M 1/57 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
H04M3/42 T
H04M1/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059190
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2021192592の分割
【原出願日】2021-11-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開の事実1:令和3(2021)年9月8日にApple Store(https://apps.apple.com/jp/app/nafuda/id1562612708)にて公開 公開の事実2:令和3(2021)年10月22日にGoogle Play(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nafuda.net&hl=ja&gl=US)にて公開 公開の事実3:令和3(2021)年5月7日に株式会社nafudaのウェブサイト(https://nafuda.net/)にて公開 公開の事実4:公益財団法人大阪産業局実施の「大阪トップランナー育成事業」の募集に応募し、令和3(2021)年9月2日にその選考過程における有識者審査会(事業プレゼンテーション会)にて公開 公開の事実5:令和3(2021)年1月27日に大阪商工会議所〔Xport〕会員情報交換会「with/afterコロナ下での情報発信のあり方」(オンライン開催(Zoom))にて公開 公開の事実6:令和3(2021)年3月19日に大阪商工会議所〔Xport〕<ビジネスミートアップ>「企業等が有する様々な『データ』を活用する新規事業・業務効率化提案」プレゼンテーション会(オンライン開催(Zoom))にて公開 公開の事実7:令和3(2021)年7月21日に大阪商工会議所〔Xport〕会員情報交換会(オンライン開催(Zoom))にて公開 公開の事実8:令和3(2021)年9月22日に大阪商工会議所〔Xport〕会員情報交換会(オンライン開催(Zoom))にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】520365436
【氏名又は名称】山根 裕輔
(71)【出願人】
【識別番号】520365447
【氏名又は名称】山口 紀一
(71)【出願人】
【識別番号】520365861
【氏名又は名称】石崎 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】山根 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】山口 紀一
(72)【発明者】
【氏名】石崎 慎一
【テーマコード(参考)】
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K127BB22
5K127CB11
5K127FA04
5K127GA14
5K127GB24
5K127GE02
5K201AA09
5K201BC29
5K201CA01
5K201CA09
5K201CB01
5K201CB05
5K201CB09
5K201CB13
5K201DC04
5K201EC06
5K201EE08
(57)【要約】
【課題】着信側通信端末のユーザが知らない発信識別子によるコミュニケーションの着信であっても、発信側通信端末のユーザに関する情報を着信側通信端末のユーザに報知することができる管理システムを提供する。
【解決手段】管理システム100は、着信側通信端末3Bへのコミュニケーションの着信を管理する管理システムであって、発信側通信端末の一例である発呼側通信端末3Aからのリクエストに従って、発信側通信端末の発信識別子に関連付けられた発信元情報を着信管理用メモリの一例である発信元情報リスト記憶部124に登録する、よう構成されており、着信管理用メモリは、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセス可能なメモリである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信側通信端末へのコミュニケーションの着信を管理する管理システムであって、
発信側通信端末からのリクエストに従って、前記発信側通信端末の発信識別子に関連付けられた発信元情報を着信管理用メモリに登録する、よう構成されており、
前記着信管理用メモリは、前記コミュニケーションの着信の際に前記着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセス可能なメモリである
管理システム。
【請求項2】
前記発信元情報は、前記コミュニケーションの着信の際に前記着信側通信端末に出力させるメッセージを含む
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記着信管理用メモリは、前記着信側通信端末によって発信元情報が記憶されるメモリにない発信元からのコミュニケーションの着信時に、前記着信側通信端末において参照されるメモリである
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記発信元情報は、発信元についての評価を表す評価情報を含み、
前記評価情報は、発信側通信端末に関する情報の入力に対して前記発信側通信端末の評価情報を出力するよう機械学習された学習モデルに対して、前記発信側通信端末からのコミュニケーションが着信した着信側通信端末が前記発信側通信端末に関する情報を入力することによって、前記学習モデルから出力された前記評価情報を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記着信管理用メモリに登録することは、前記発信側通信端末に関する認証情報を要求し、前記認証情報を用いた前記発信側通信端末の認証成功の場合に前記発信元情報の登録を許可する、ことを含む
請求項1~4のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記認証情報は、特定ユーザに対して発行したワンタイムパスワードを含む
請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記ワンタイムパスワードは、前記特定ユーザによる所定の操作に従って前記発信側通信端末に送信され、前記要求に関連して前記発信側通信端末から入力される
請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
コンピュータを着信側通信端末へのコミュニケーションの着信を管理する管理サーバとして機能させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
発信側通信端末から発信識別子に関連付けられた発信元情報の登録のリクエストを受け付け、
前記リクエストに従って、前記発信元情報を、前記コミュニケーションの着信の際に前記着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセス可能な着信管理用メモリに登録させる
コンピュータプログラム。
【請求項9】
管理システムにおける、コミュニケーションの着信の管理方法であって、
発信側通信端末から管理サーバに対して、発信識別子に関連付けられた発信元情報の登録のリクエストを送信し、
前記管理サーバにおいて、前記リクエストに従って、前記発信元情報を着信管理用メモリに登録する、ことを含み、
前記着信管理用メモリは、前記コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセスする
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム、コンピュータプログラム、及び、管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信端末によって、通信端末による音声通話の発呼用のメモリに電話番号が登録されることがある。このようなメモリは、「電話帳」とも呼ばれる。これにより、通信端末では、電話帳から電話番号を読み出して発呼できる。
【0003】
例えば、特開2015-39217号公報(以下、特許文献1)は、発側端末において、画像送信部が、自端末に保存されたコンテンツを、着側端末との音声通話を識別するための通話識別情報と関連付けて送信し、通話制御部が、コンテンツの送信後、着側端末との音声通話のための接続制御を行い、着側端末において、画像受信部が、音声通話のための着信要求の通知に応じて、発側端末が送信した当該音声通話の通話識別情報と関連するコンテンツを取得し、通話制御部が、コンテンツを取得した後に音声通話に関する着信表示を行う音声通話システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
特許文献1のような音声通話システムにおいては、着信側通信端末によって電話番号が登録される。しかしながら、この方法では着信側通信端末が参照可能なメモリに発信者側によっては電話番号が登録されない。この場合、音声通話の着信時に、着信側通信端末がメモリに登録していない電話番号について、着信側通信端末に発呼側通信端末のユーザを特定し得る情報が提示されない。そのため、着信側通信端末のユーザが知らない電話番号からの着信の際には、安心して応答することができない。また受信側電話番号に向けて発信されるいわゆるショートメッセージサービスと呼ばれる、通信端末間でテキストデータを送受信するサービスにおいても、発信者が不明あるいは迷惑、有害メールであるといった同様の問題を孕んでいる。
【0006】
本開示はこのような問題に鑑みてなされたものであって、着信側通信端末のユーザが知らない電話番号などの発信識別子からの音声又はショートメッセージサービスによるテキストの着信などのコミュニケーションの着信であっても、発信側通信端末のユーザに関する情報を着信側通信端末のユーザに報知することができる管理システム、コンピュータプログラム、及び、管理方法を提供することを目的の1つとする。
【0007】
ある実施の形態に従うと、管理システムは、着信側通信端末へのコミュニケーションの着信を管理する管理システムであって、発信側通信端末からのリクエストに従って、発信側通信端末の発信識別子に関連付けられた発信元情報を着信管理用メモリに登録する、よう構成されており、着信管理用メモリは、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセス可能なメモリである。
【0008】
ある実施の形態に従うと、コンピュータプログラムは、コンピュータを着信側通信端末へのコミュニケーションの着信を管理する管理サーバとして機能させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、発信側通信端末から発信識別子に関連付けられた発呼元番号情報の登録のリクエストを受け付け、リクエストに従って、発信元情報を、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセス可能な着信管理用メモリに登録させる。
【0009】
ある実施の形態に従うと、管理方法は、管理システムにおける、着信側通信端末へのコミュニケーションの着信の管理方法であって、発信側通信端末から管理サーバに対して、発信識別子に関連付けられた発信元情報の登録のリクエストを送信し、管理サーバにおいて、リクエストに従って、発信元情報を着信管理用メモリに登録する、ことを含み、着信管理用メモリは、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発呼元番号情報を取得するためにアクセスする。
【0010】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る管理システムの構成の一例を表した概略図である。
【
図2】
図2は、管理システムに含まれる通信端末の構成の一例を表したブロック図である。
【
図3】
図3は、管理システムに含まれる管理サーバの構成の一例を表したブロック図である。
【
図4】
図4は、管理システムにおいて、発呼側端末装置からのリクエストに基づいて電話番号を登録する管理方法の流れの一例を表した図である。
【
図5】
図5は、発呼側通信端末に表示される表示画面の遷移の一例を表した図である。
【
図6】
図6は、管理サーバに記憶された発呼元番号情報の具体例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、管理システムにおいて、着信側通信端末に音声通話の着信があった際の管理方法の流れの一例を表した図である。
【
図8】
図8は、着信側通信端末における着信処理の流れの一例を表すフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8のステップS113で着信側通信端末に表示される着信画面の一例を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.管理システム、コンピュータプログラム、及び、管理方法の概要>
【0013】
(1)本実施の形態に係る管理システムは、着信側通信端末へのコミュニケーションの着信を管理する管理システムであって、発信側通信端末からのリクエストに従って、発信側通信端末の発信識別子に関連付けられた発信元情報を着信管理用メモリに登録する、よう構成されており、着信管理用メモリは、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセス可能なメモリである。
【0014】
発信側通信端末からのコミュニケーションの着信は、意思伝達のための通信機能による着信を指し、例えば、音声通話の着信、ショートメッセージサービスと呼ばれる、通信端末間でテキストデータを送受信するサービスにおけるテキストデータの着信、などである。
【0015】
発信識別子はコミュニケーションの発信元の固有情報であって、コミュニケーションが音声通話の場合には発呼側通信端末の電話番号などを指す。コミュニケーションがショートメッセージの一斉送信の場合には、例えば11桁の文字列などである、一斉送信の国際網接続における発信者通信端末の発信元表示、などを指す。発信元情報は、これらの発信識別子に関連付けられた、発信識別子以外の発信側通信端末のユーザを特定し得る少なくとも1つの情報を含む情報を指す。
【0016】
着信管理用メモリに登録する発信元情報は、発信元情報であってもよいし、すでに登録されている発信元情報からの差分のみを示す情報であってもよい。ここの発信元情報は、これらのいずれの情報も含む。
【0017】
コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元号情報を取得するためにアクセス可能なメモリに、発呼側通信端末からのリクエストに従って発信元号情報が登録されることによって、着信側通信端末のユーザが知らない電話番号やショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示などの発信識別子からの着信であっても、発信側通信端末のユーザに関する情報を着信側通信端末のユーザに報知することができる。その結果、着信側通信端末のユーザが知らない発信識別子からの着信であっても、着信側通信端末のユーザは安心して応答又は閲覧することができる。
【0018】
(2)好ましくは、発信元情報は、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末に出力させるメッセージを含む。これにより、コミュニケーションの着信時に着信側通信端末に発信側通信端末にて設定されたメッセージを表示させることが可能になる。その結果、着信側通信端末のユーザは、知らない発信識別子からの着信であってもメッセージを確認することができる。
【0019】
(3)好ましくは、着信管理用メモリは、着信側通信端末によって発信元情報が記憶されるメモリにない発信元からのコミュニケーションの着信時に、着信側通信端末において参照されるメモリである。着信管理用メモリは、着信側通信端末によって登録された発信識別子とは異なる発信識別子からの着信時に、着信側通信端末において参照されるメモリである。着信側通信端末によって発信識別子が記憶されるメモリは、例えば電話帳、又は、メッセージ、ハンドラーテーブル等と呼ばれる記憶領域であって、着信側通信端末のユーザが把握している発信識別子が登録される。これにより、着信側通信端末のユーザが知らない発信識別子からの着信があった場合に、着信管理用メモリから発信元情報が得られる。
【0020】
(4)好ましくは、発信元情報は、発信元についての評価を表す評価情報を含み、評価情報は、発信側通信端末に関する情報の入力に対して発信側通信端末の評価情報を出力するよう機械学習された学習モデルに対して、発信側通信端末からのコミュニケーションが着信した着信側通信端末が発信側通信端末に関する情報を入力することによって、学習モデルから出力された評価情報を含む。
【0021】
(5)好ましくは、着信管理用メモリに登録することは、発信側通信端末に関する認証情報を要求し、認証情報を用いた発信側通信端末の認証成功の場合に発信元情報の登録を許可する、ことを含む。これにより、発信元号情報の不正な登録を防止することができる。
【0022】
(6)好ましくは、認証情報は、特定ユーザに対して発行したワンタイムパスワードを含む。特定ユーザは、例えば、管理システムから予め権限が付与された管理ユーザであって、発信元情報の登録を発信側通信端末に対して指示するユーザでなどである。これにより、特定ユーザからワンタイムパスワードを得、それを用いて認証を行った発信側通信端末によって発信元情報の登録が可能になる。これにより、発信元情報の不正な登録を防止することができる。
【0023】
(7)好ましくは、ワンタイムパスワードは、特定ユーザによる所定の操作に従って発信側通信端末に送信され、要求に関連して発信側通信端末から入力される。これにより、特定ユーザからワンタイムパスワードを得、それを用いて認証を行った発信側通信端末によって発信元情報の登録が可能になる。これにより、発信元号情報の不正な登録を防止することができる。
【0024】
(8)本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを着信側通信端末へのコミュニケーションの着信を管理する管理サーバとして機能させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、発信側通信端末から発信識別子に関連付けられた発信元情報の登録のリクエストを受け付け、リクエストに従って、発信元情報を、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセス可能な着信管理用メモリに登録させる。音声通話あるいはショートメッセージサービスの着信の際に着信側通信端末が発呼元番号情報を取得するためにアクセス可能なメモリに、発呼側通信端末からのリクエストに従って発呼元番号情報が登録されることによって、着信側通信端末のユーザが知らない電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示からの着信であっても、発呼側通信端末のユーザに関する情報を着信側通信端末のユーザに報知することができる。その結果、着信側通信端末のユーザが知らない電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示からの着信であっても、着信側通信端末のユーザは安心して応答することができる。
【0025】
(8)本実施の形態に係る管理方法は、管理システムにおける、コミュニケーションの着信の管理方法であって、発信側通信端末から管理サーバに対して、発信識別子に関連付けられた発信元情報の登録のリクエストを送信し、管理サーバにおいて、リクエストに従って、発信元情報を着信管理用メモリに登録する、ことを含み、着信管理用メモリは、コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元情報を取得するためにアクセスする。コミュニケーションの着信の際に着信側通信端末が発信元号情報を取得するためにアクセス可能なメモリに、発呼側通信端末からのリクエストに従って発信元号情報が登録されることによって、着信側通信端末のユーザが知らない電話番号やショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示などの発信識別子からの着信であっても、発信側通信端末のユーザに関する情報を着信側通信端末のユーザに報知することができる。その結果、着信側通信端末のユーザが知らない発信識別子からの着信であっても、着信側通信端末のユーザは安心して応答又は閲覧することができる。
【0026】
<2.管理システム、コンピュータプログラム、及び、管理方法の例>
【0027】
図1は、本実施の形態に係る管理システム100の構成の一例を表した概略図である。
図1を参照して、管理システム100は、通信網2に接続された複数の通信端末3A、3B,…を含む。通信端末3A、3B,…を代表させて通信端末3とも称する。管理システム100は、通信端末3間でのコミュニケーションの管理を行うシステムである。コミュニケーションは、意思伝達のための通信手段によるデータのやり取りを指し、例えば、音声通話である。他の例として、ショートメッセージサービスと呼ばれる、通信端末間でテキストデータの送受信であってもよい。以降の例では、通信端末3間でコミュニケーションとして音声通話を行うものとする。以降の説明において、明示的に記載していない箇所であっても音声通話に関する技術をショートメッセージサービスに関する技術に置き換えることによって、コミュニケーションが他の例としてショートメッセージサービスであっても本システム100は同様に機能する。
【0028】
さらに、管理システム100は、受信側の通信端末3からの評価情報登録を管理し、一定の演算式から発呼側番号の評価を行い、発呼側情報の評価項目を更新することができる。詳しくは後述する。
【0029】
通信端末3は、それぞれ同様の機能を有している(
図2)。いずれか1つの通信端末が発呼側通信端末、又は、着信側通信端末となる。例えば、通信端末3Aが発呼側通信端末となり、通信端末3Bが着信側通信端末となる。なお、発呼側通信端末は、少なくとも発呼する機能を有する装置であればよい。そのため、発呼側通信端末は、着信側通信端末と同様の機能を有する通信端末3でなくてもよい。発呼側通信端末は、例えば、発呼する機能のみを有する装置であってもよい。
【0030】
通信網2には、図示しない音声通話あるいはショートメッセージサービスの制御装置が接続されている。制御装置は、SIP(Session Initiation Protocol)などの呼制御プロトコルに基づいて通信端末3間の音声通話あるいはショートメッセージサービスの接続を制御する。これにより、通信端末3Aから通信端末3Bに発呼し、通信端末3Bでの応答によって、通信端末3A,3B間の音声通話あるいはショートメッセージサービスが開始される。
【0031】
通信網2は、電話網やインターネットなどの通信ネットワークであって、通信端末3間でのデータ通信や音声通話を接続する。通信網2は、
図1のように、通信端末3間でのデータ通信を接続する通信網2Aと、通信端末3間の音声通話あるいはショートメッセージサービスを接続する通信網2Bと、を含んでもよい。
【0032】
管理システム100は、通信網2に接続された管理サーバ1を含む。管理サーバ1は、着信側通信端末3Bへの音声通話あるいはショートメッセージサービスの着信を管理することができる。管理システム100は、通信網2に接続された処理装置4を含む。処理装置4は、図示しないプロセッサとメモリとを有する、一般的なコンピュータである。
【0033】
図2は、通信端末3の構成の一例を表したブロック図である。通信端末3は、一例として、スマートフォンである。なお、通信端末3は、スマートフォンに限定されない。通信端末3は、コミュニケーションのための通信機能を有する装置であればどのような装置であってもよく、例えば、光通信を行う通信装置や、IP電話などとも呼ばれるインターネット通信によって音声通話を行う通信装置などであってもよい。
【0034】
図2を参照して、通信端末3は、プロセッサ31とメモリ32とを有する。プロセッサ31は、例えば、CPUである。
【0035】
通信端末3は、通信網2にアクセスしてデータ通信を行うための第1通信部33、及び、音声通話あるいはショートメッセージサービスを行うための第2通信部34を含む。第1通信部22及び第2通信部34は、プロセッサ31の制御に従って通信を行う。これにより、通信端末3は、他の装置との間でデータ通信が可能になる。また、通信端末3は、他の通信端末3との間で音声通話あるいはショートメッセージサービスが可能になる。
【0036】
通信端末3は、表示部及び入力部の一例であるタッチパネル35を有する。タッチパネル35は、プロセッサ31の制御に従って画面表示を行う。また、タッチパネル35は、ユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作に基づく操作信号をプロセッサ31に入力する。
【0037】
通信端末3は、音声入力部としてのマイク36を有する。マイク36は、プロセッサ31の制御に従って外部音声を入力し、音声信号をプロセッサ31に入力する。通信端末3は、音声出力部としてのスピーカ37を有する。スピーカ37は、プロセッサ31の制御に従って音声を出力する。これにより、プロセッサ31の制御に従って他の通信端末3との音声通話が可能になる。
【0038】
メモリ32は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。メモリ32は、プロセッサ31によって実行される1又は複数のプログラムを記憶している。1又は複数のプログラムは、着信用プログラム321を含む。着信用プログラム321は、プロセッサ31に、音声通話あるいはショートメッセージサービスの着信時の動作を行わせるためのプログラムである。プロセッサ31は、着信用プログラム321を実行することによって着信処理311を実行する。着信処理311は、発呼側通信端末3Aから発呼あるいは発信があったときに行われる処理であって、詳細は後述する。
【0039】
1又は複数のプログラムは、通話制御プログラム322を含む。通話制御プログラム322は、プロセッサ31に、音声通話を行わせるためのプログラムである。なお、通信端末3がコミュニケーションの他の例としてショートメッセージサービスにおけるテキストデータの送受信を行う場合、1又は複数のプログラムは、通話制御プログラム322に替えて、又は、加えて、ショートメッセージサービスにおけるテキストデータの送受信を行わせるための制御プログラムを含む。
【0040】
プロセッサ31は、通話制御プログラム322を実行することによって通話制御処理312を実行する。通話制御処理312は、他の通信端末3からの音声をスピーカ37で出力させること、マイク36から入力された音声を他の通信端末3に送信させることを含む、一般的な通話制御であってよい。これにより、他の通信端末3との間の音声通話が実現される。
【0041】
1又は複数のプログラムは、登録用プログラム323を含む。登録用プログラム323は、プロセッサ31に、管理サーバ1への電話番号の登録のための処理を行わせるためのプログラムである。すなわち、プロセッサ31は、登録用プログラム323を実行することによって登録処理313を実行する。登録処理313については後述する。
【0042】
着信用プログラム321、通話制御プログラム322、及び、登録用プログラム323は、それぞれ独立したプログラムであってもよいし、1つのプログラムに含まれるモジュールであってもよい。これにより、さまざまな形態でのプログラムの提供が可能になる。
【0043】
着信用プログラム321、通話制御プログラム322、及び、登録用プログラム323は、通信端末3のメモリ32に予め記憶されているものであってもよいし、少なくとも1つのプログラムが、メモリ32に書き込まれたり、更新されたりするものであってよい。少なくとも1つのプログラムは、例えば、着信用プログラム321又は登録用プログラム323である。
【0044】
プログラムのメモリ32への書き込みや更新は、通信網2などの有線又は無線の通信によって外部装置から行われてもよいし、メディアを読みこませることによって行われてもよい。プログラムがインストールされた状態で通信端末3を提供することにより、ユーザは容易に用いることができる。プログラムが後からインストール、更新が可能であることにより、これらプログラムがインストールされていない通信端末3や、インストールされているプログラムが最新でない通信端末3であっても、容易に、最新のプログラムを得て後述の処理を行わせることができる。
【0045】
プログラムのメモリ32への書き込みや更新の際には、プログラムの提供者に対して通信端末3のプログラムの使用登録を行うようにしてもよい。使用登録は、例えば、プログラム利用条件や、プログラムにおける個人情報の使用許諾条件について承諾するユーザ操作を受け付けることによって行われる。その際、プログラムの提供者より、プログラムの使用についてコードなどの識別情報が付与されてもよい。これにより、以降のプログラムの使用の際に、プログラムによって識別情報によって使用登録の有無が認証され、不正な使用の防止が図られる。
【0046】
メモリ32は、発信元識別子の一例としての電話番号を記憶するための記憶領域である電話記憶部324を含む。電話記憶部324は、「電話帳」「着信履歴」「着信拒否リスト」などとも称される。発信元識別子は、発信側通信装置の固有情報であって、コミュニケーションとして音声通話を行う場合には電話番号に相当する。コミュニケーションとしてショートメッセージサービスによるテキストデータの送受信を行う場合には、発信元識別子は、一斉送信の国際網接続における発信者通信端末の発信元表示、などである。コミュニケーションとして音声通話を行う場合には、電話記憶部324は、ショートメッセージサービスにおける発信者通信端末の発信元表示を記憶する記憶領域となる。この場合、電話記憶部324に相当する記憶領域は、「メッセージ着信履歴」「メッセージ着信拒否リスト」などとも称される。
【0047】
電話記憶部324は、通信端末3の外部装置に設けられてもよいし、内部と外部との両方に設けられていてもよい。いずれの形態であっても、電話記憶部324は、着信側通信端末3Bの処理によって電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示等が記憶され、着信側通信端末3Bによって参照される、着信側通信端末3Bごとのいわゆるローカルな領域である。
【0048】
図3は、管理サーバ1の構成の一例を表したブロック図である。管理サーバ1は、1台の装置によって構成されるものであってもよいし、複数台の装置が協働して構成されていてもよい。1又は複数の装置は、一般的なコンピュータであってよい。
図3に示された管理サーバ1は、一例として、1台のコンピュータによって構成されている。
図3を参照して、管理サーバ1は、プロセッサ11とメモリ12とを有する。プロセッサ11は、例えば、CPUである。
【0049】
管理サーバ1は、通信網2にアクセスしてデータ通信を行うための通信部13を含む。通信部13は、プロセッサ11の制御に従って通信を行う。これにより、管理サーバ1は、他の装置との間でデータ通信が可能になる。
【0050】
メモリ12は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。メモリ12は、プロセッサ31によって実行される1又は複数のプログラムを記憶している。1又は複数のプログラムは、登録用プログラム121を含む。プロセッサ11は、登録用プログラム121を実行することによって登録処理111を実行する。
【0051】
登録処理111は、トークン発行処理115を含む。トークン発行処理115は、着信側通信端末3Bに対して識別情報を付与することを含む。識別情報は、一例として識別文字列であってよく、例えば、トークンと称する。プロセッサ11は、所定のタイミングでトークン発行処理115を実行することで、所定のタイミングで着信側通信端末3Bに対してトークンを発行する。所定のタイミングは、例えば、着信側通信端末3Bにおいて着信プログラム321をインストールしたタイミングや登録用プログラム323をインストールしたタイミングなどである。トークンを用いることによって、個人情報である電話番号を用いることなく着信側通信端末3Bの管理が可能になる。
【0052】
登録処理111は、ОTP(ワンタイムパス)発行処理112を含む。また、登録処理111は、評価処理114を含む。これらの処理については後述する。
【0053】
1又は複数のプログラムは、着信用プログラム122を含む。プロセッサ11は、着信用プログラム122を実行することによって着信処理113を実行する。着信処理113は、着信側通信端末3Bからの要求に応じて行われる処理であって、詳細は後述する。
【0054】
プロセッサ11は、着信用プログラム122を実行することによって同期処理116を実行する。同期処理116は、発呼側通信端末3Aごとのローカルな記憶領域である電話記憶部324の情報を発信元情報リストなどと同期させることを含む。
【0055】
メモリ12は、後述する登録処理111において発行される、認証情報の一例としてのワンタイムパス(ОTP)を記憶するためのパス記憶部123を有する。プロセッサ11は、後述するように、登録処理111において、ОTPを発行するとパス記憶部123に記憶させる。これにより、後述するように、登録処理111においてОTPを用いた認証を行うことが可能になる。
【0056】
メモリ12は、発信元情報リストを記憶する発信元情報リスト記憶部124を有する。発信元情報リストは、発信元情報の一例であって、発呼側通信端末3Aからのリクエストに応じて登録される情報である。コミュニケーションが音声通話の場合、発信元情報は、一例として、発呼元番号情報である。
【0057】
発呼元番号情報は、発呼側通信端末3Aの電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示などである発信識別子に関連付けられた、発信識別子以外の、発呼側通信端末3Aのユーザを特定し得る少なくとも1つの情報を含む。発信識別子に関連付けられていることは、発信識別子を含むことであってもよいし、発信識別子との対応が他の情報において規定されていることであってもよい。発信元情報リストは、発呼側通信端末3Aの電話番号と、発呼側通信端末3Aのユーザを特定し得る1つ以上の情報とを含む。詳細は後述する。
【0058】
発信元情報リスト記憶部124は着信管理用のメモリの一例である。着信管理用のメモリの他の例として、メモリ12は、着信ログを記憶する着信ログ記憶部127を有する。着信ログは、着信側通信端末3Bにおけるコミュニケーションの着信に関するログであって、例えば、着信日時、着信元の電話番号などの発信識別子、着信に対する応答の有無などを示す情報を含む。これらの情報は、コミュニケーションの着信の際、又は、着信後に書き込まれる。着信ログ記憶部127は、着信ログを、後述するトークンなどの着信側通信端末3Bの識別情報と関連付けて記憶する記憶領域である。
【0059】
発信元情報リスト記憶部124や着信ログ記憶部127などの着信管理用のメモリは、各着信側通信端末3Bにおいて音声通話あるいはショートメッセージサービスの着信であるコミュニケーションの着信の際、着信側通信端末3Bによって参照されて、着信側通信端末3Bが発呼元番号情報及び、又は、コミュニケーションの応答、閲覧、又は、返信の有無を示す情報を取得するために用いられる。
【0060】
ここでの着信側通信端末3Bによって参照されることは、着信側通信端末3Bのプロセッサ31が直接アクセス可能であることに限定されず、プロセッサ31からのリクエストに応じて管理サーバ1のプロセッサ11がアクセスし、読み出した情報を着信側通信端末3Bに渡すことを含む。そのため、発信元情報リスト記憶部124などは、着信側通信端末3Bごとに対してローカルな記憶領域である通信端末3の電話記憶部324に対して、複数の着信側通信端末3Bに対してソーシャルな記憶領域と言える。
【0061】
メモリ12は、受信側リストを記憶する受信側リスト記憶部125を有する。受信側リストは、着信側通信端末3Bに関する情報の一例であって、例えば、着信側通信端末3Bのユーザに関する情報や、着信側通信端末3B自体の情報を含む。着信側通信端末3Bのユーザに関する情報は、例えば、ユーザの性別や年齢などであってよい。これらの情報は、例えば、着信側通信端末3Bにおいて着信プログラム321をインストールしたタイミングや登録用プログラム323をインストールしたタイミングなどの所定のタイミングに、管理サーバ1によって取得される。取得は、例えば、所定のタイミングにアンケートを提示し、そのアンケートに従って入力された情報を受信することによって実現されてもよい。着信側通信端末3B自体の情報は、例えば、着信側通信端末3Bの位置情報などであって、一例として、着信側通信端末3Bにおいて検出され、管理サーバ1に送信されてもよい。受信側リストは、これら情報が登録された情報である。後述するトークンに関連付けて受信側リスト記憶部125は、受信側リストを、後述するトークンなどの着信側通信端末3Bの識別情報と関連付けて記憶する記憶領域である。
【0062】
メモリ12は、評価登録ログを記憶する評価登録記憶部126を有する。評価登録ログは、後述する評価処理114における着信側通信端末3B側のログを示す情報である。評価登録記憶部126は、評価登録ログを、後述するトークンなどの着信側通信端末3Bの識別情報と関連付けて記憶する記憶領域である。
【0063】
管理システム100では、発信者側からの要求に応じて、各着信側通信端末3Bが参照可能な発信元情報リスト記憶部124に電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示を含む発信元号情報が登録される。管理システム100の用いられるシーンの一例として、同一の会社Aの所有する1又は複数の通信端末3の電話番号を登録するシーンを想定する。なお、ショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示も同様である。
【0064】
処理装置4は会社Aの管理用の装置であり、複数の通信端末3は、会社Aの従業員の携帯する通信端末3(以下、従業員端末とも称する)であるとする。処理装置4には、図示しない登録用プログラムがインストールされているものとする。
【0065】
図4は、管理システム100での管理方法の流れの一例であって、発呼側通信端末3Aからのリクエストに基づいて電話番号を登録する方法の一例を表した図である。
図5は、発呼側通信端末3Aとなる従業員端末のタッチパネル35に表示される表示画面の遷移の一例を表した図である。
【0066】
図4を参照して、初めに、処理装置4がユーザから電話番号の登録操作を受け付けることによって(ステップS1)、管理サーバ1に対して、電話番号登録のリクエストが送信される(ステップS2)。これは、会社Aにおいて、従業員携帯の電話番号を管理サーバ1に登録するユーザ操作が行われた場合が想定される。
【0067】
管理サーバ1には、予め、電話番号登録を許可する会社Aの識別情報が登録されている。識別情報は、例えば、識別子(ID:identification)及びパスワードである。ステップS1で処理装置4は、ユーザ操作に従って登録用プログラムを起動させることで、識別情報の入力を要求する。ユーザ操作によって入力された識別情報はリクエストと共に管理サーバ1に送信され、認証成功の場合に、管理サーバ1は処理装置4からステップS2のリクエストを受信するようにしてもよい。
【0068】
処理装置4からステップS2のリクエストを受信することによって、管理サーバ1のプロセッサ11は登録用プログラム121を実行する。これにより、管理サーバ1では登録処理111が行われる。
【0069】
登録処理111は、
図3に表されたように、ОTP発行処理112を含む。ステップS2のリクエストを受信すると、管理サーバ1のプロセッサ11はОTP発行処理112を実行してOTPを発行し(ステップS3)、処理装置4に送信する(ステップS4)。
【0070】
ステップS3でプロセッサ11が発行するOTPは、予め規定された一定期間、かつ、1回だけ有効なパスワードである。ステップS3でプロセッサ11は、発行したOTPを有効期間とともにパス記憶部123に登録する。
【0071】
好ましくは、ステップS3でプロセッサ11は、OTPを複数発行する。発行するOTPの数は、予め規定された数であってもよいし、ステップS2のリクエストに含まれていてもよい。これにより、後述の処理によって、ステップS2のリクエストに対して複数の従業員端末それぞれの電話番号を登録することが可能になる。その結果、会社Aが複数の電話番号を登録する際に登録のための操作を簡略化できる。
【0072】
ステップS4で送信されたOTPを受信すると、処理装置4は、電話番号の登録対象の従業員端末にOTPを送信する(ステップS5)。ステップS5では、一例として、処理装置4から従業員端末に対する制御信号とともにOTPが送信される。制御信号は、電話番号の登録を促すメッセージをタッチパネル35に表示させる信号であってもよいし、登録用プログラム323を起動させる信号であってもよい。他の例として、OTPは、処理装置4から各従業員に宛てたメールによって送信されてもよい。
【0073】
ステップS5のOTPの処理装置4からの送信は、一例として、処理装置4に対するユーザ操作に従って処理装置4から登録されている従業員端末に対してプッシュ式で行われる。これにより、処理装置4からの要求に従って従業員端末の電話番号の登録が行われるようになる。
【0074】
この場合、従業員端末である発呼側通信端末3Aのプロセッサ31は、処理装置4からOTPとともに制御信号を受信することによって登録用プログラム323を起動する。これにより、発呼側通信端末3Aでは登録処理313が行われる。登録処理313を開始すると、プロセッサ31は、例えば、
図5の(A)の通知画面71をタッチパネル35に表示させる。これにより、OTPが通知される。
【0075】
通知画面71は、登録処理313の進行を指示するボタン72を含む。従業員端末のユーザは、電話番号の登録を行うときには、ボタン72を押す。これにより、プロセッサ31は、タッチパネル35の表示を、
図5の(C)の登録画面51に遷移させる。
【0076】
処理装置4から従業員端末に対してプッシュ式でOTPが通知される場合には、従業員端末には登録用プログラム323などのプログラムが予めインストールされていてもよいし、されていなくてもよい。
【0077】
従業員端末に登録用プログラム323がインストールされていない場合、通知画面71は、登録用プログラム323を取得するためのアクセス情報の表示を含んでもよい。アクセス情報は、例えば、登録用プログラム323を提供するサーバへのアクセス情報であって、アクセス情報の表示は、例えば、サーバへのURL(Uniform Resource Locator)を表したQRコード(登録商標)などの二次元コードであってよい。これにより、従業員端末のユーザは、容易に登録用プログラム323を従業員端末にインストールすることができる。その結果、登録用プログラム323がインストールされていない従業員端末を発呼側通信端末3Aとして機能させることが可能になる。
【0078】
他の例として、ステップS5のOTPは、従業員端末からのリクエストに応じてプル式に送信されてもよい。これにより、従業員端末からの要求に従って従業員端末の電話番号の登録が行われるようになる。
【0079】
この場合、従業員端末である発呼側通信端末3Aのプロセッサ31は、ユーザ操作に従って登録用プログラム323を起動する。これにより、発呼側通信端末3Aでは登録処理313が行われる。登録処理313を開始すると、プロセッサ31は、例えば、
図5の(B)の登録要求画面73をタッチパネル35に表示させる。
【0080】
登録要求画面73は、パスワードの入力欄74と、処理の続行を指示するボタン75とを含む。パスワードは、従業員端末の識別情報の一例であって、例えば、会社Aが従業員端末のユーザに対して付与したコードなどである。登録要求画面73は、パスワードに加えて、従業員端末の位置情報が入力されてもよい。これにより、不正な登録の防止が図られる。
【0081】
登録要求画面73においてボタン75が押されることで、プロセッサ31は入力欄74に入力された識別情報を処理装置4に送信する。処理装置4は、発呼側通信端末3Aが電話番号の登録の対象の従業員端末であるか否かの認証を行う。これにより、許可された通信端末からのリクエストがあった場合に、OTPを渡し、管理サーバ1への電話番号の登録を許可することができる。認証成功の場合に、処理装置4から従業員端末にOTPが通知される。そして、プロセッサ31は、タッチパネル35の表示を、
図5の(C)の登録画面51に遷移させる。画面遷移は、登録用プログラム323に予め用意されている画面データが用いられる。以降の画面遷移でも同様である。
【0082】
この例では、管理サーバ1が処理装置4を認証し、処理装置4が従業員端末を認証するという、2段階の認証によって従業員端末の管理サーバ1への電話番号の登録が許可される。このため、管理サーバ1が個々の従業員端末を認証してOTPを発行するより管理サーバ1での処理を容易にすることと、不正な電話番号の登録の防止との両立が効果的に図られる。
【0083】
登録画面51は、OTPの入力欄74と、処理の続行を指示するボタン75と、を含む。登録画面51は、さらに、利用条件や、個人情報使用許諾条件などの、利用に必要な条件の表示を含んでもよい。その場合、ボタン75は、条件の承諾の意志を示すボタンも兼ねる。
【0084】
入力欄74にOTPが入力され、ボタン75が押されると、プロセッサ31は、タッチパネル35の表示を
図5の(D)の登録画面54に遷移させる。登録画面54は、発呼側通信端末3Aの電話番号を含む発呼元番号情報を入力する欄を含む。
【0085】
詳しくは、登録画面54は電話番号の入力欄55を含む。プロセッサ31は、着信用プログラム321に従って、発呼側通信端末3Aの電話番号を自動的に読み出して入力欄55に表示してもよい。これにより、入力間違いや、不正な電話番号の登録を効果的に防止することができる。
【0086】
登録画面54は、発呼側通信端末3Aのユーザを識別する情報の一例として、所属部署を入力する入力欄56、及び、氏名を入力する入力欄57を含む。これにより、所属部署及び氏名が、発呼側通信端末3A使用者が指定したメッセージテンプレートに基づいた送信メッセージに差し込まれる。また管理サーバ1や処理装置4において、発呼側通信端末3Aのユーザの管理を行いやすくなる。
【0087】
登録画面54は、表示メッセージの入力欄58を含む。表示メッセージは、発呼側通信端末3Aからの音声通話の着信の際に着信側通信端末3Bに出力させるメッセージの一例としてタッチパネル35にメッセージ表示させるための情報を指す。これにより、着信側通信端末3Bのユーザは、発呼側通信端末3Aからの音声通話の着信の際に発呼者のメッセージを認識できる。音声通話の受信と同様、ショートメッセージサービス着信の際も発呼者のメッセージと認識できる。あるいは、ショートメッセージの着信メッセージリストから指定する操作を行うことでも発呼者のメッセージと認識できる。
【0088】
登録画面54は、発呼元番号情報の登録を指示するボタン59を含む。ボタン59が押されると(ステップS6)、プロセッサ31は、登録画面54の各入力欄55~58の入力値を発呼元番号情報として、入力欄52に入力されたOTPとともに管理サーバ1に送信し、管理サーバ1に対して電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示の登録をリクエストする(ステップS7)。
【0089】
管理システム100において、発呼元番号情報の登録の登録に対して課金されてもよい。課金は、一例として、発呼元番号情報を登録しようとする従業員端末に対して行われてもよい。その場合、登録画面54はクレジット情報などの費用の支払いに必要な情報を入力するための入力欄を含んでもよい。また、ボタン59は、費用の支払いの意志を示すボタンを兼ねてもよい。これにより、電話番号登録時の支払いが容易になり、発呼側通信端末3Aのユーザの利便性を向上させることができる。
【0090】
他の例として、後述する評価処理114が実行されることによって、従業員端末が着信側通信端末3Bとして機能した際に付与されたポイントを用いて費用を支払われてもよい。この場合、登録画面54は、ポイントの残高の表示や、費用の支払いに用いるポイント数を入力するための入力欄、などを含んでもよい。これにより、後述するように、評価の入力が促される。
【0091】
ステップS7のリクエストに応じて、管理サーバ1は、OTPを用いて認証を行う(ステップS8)。ステップS8において、管理サーバ1は、一例として、発呼側通信端末3AからのOTPがパス記憶部123に記憶されているOTPと一致し、かつ、有効期間内である場合、認証成功とする。ステップS8で管理サーバ1は、その他の情報を用いて認証を行ってもよい。ここでは、処理装置4に対して許可した電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示の登録に基づくリクエストであることが認証されればよい。
【0092】
ステップS8の認証成功の場合、プロセッサ11は、発呼側通信端末3Aから送信された発呼元番号情報に基づく発信元情報リストを発信元情報リスト記憶部124に記憶させる(ステップS9)。
図6は、発信元情報リスト記憶部124に記憶された発呼元番号情報の具体例を説明するための図である。発呼元番号情報は、一例として発信元情報リストである。好ましくは、発信元情報リスト記憶部124は、管理サーバ1に登録されている会社ごとの発信元情報リストL1,L2,L3,…を記憶している。
【0093】
詳しくは、
図6を参照して、会社Aに関連付けられた発信元情報リストL1は、会社Aの許可した従業員端末ごとの、電話番号を示すデータ61と、ユーザの所属部署を示すデータ62と、ユーザの氏名を示すデータ63と、表示メッセージを示すデータ64、および日時、発呼した受信側の属性、発呼番号の分散度などの発呼状況の集計値、評価登録から算出された評価結果などを含む。コミュニケーションがショートメッセージサービスにおけるテキストデータの送受信である場合、データ61は、ショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示を示すデータを含む。
【0094】
なお、発信元情報リストL1は、
図6に示されたデータ61~64に加えて、過去の発呼した日時、受信側通信端末の属性、発呼番号の分散度などの発呼状況の集計値や、評価登録から算出された評価結果、などを示すデータを含んでもよい。
【0095】
登録画面54において、入力欄55に入力された値が電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示を示すデータ61として登録される。入力欄56に入力された値がユーザの所属部署を示すデータ62として登録される。入力欄57に入力された値がユーザの氏名を示すデータ63として登録される。指定したメッセージテンプレートから生成された送信メッセージがデータ64として登録される。
【0096】
好ましくは、発信元情報リストL1は、登録された発呼元番号情報についての評価を示すデータ65を含む。評価は、後述する、管理サーバ1における評価処理114において登録される情報であって、発呼元番号情報についての評価の度合を表す情報を含む。
【0097】
好ましくは、処理装置4からステップS2のリクエストを受信すると、管理サーバ1は、発信元情報リストL1に基づいて、会社Aに関連付けてすでに登録されているショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示を含む電話番号の一覧を処理装置4に表示させてもよい。管理サーバ1は、ショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示を含む電話番号の一覧の表示の後に、電話番号登録のリクエストの送信の指示を受け付ける。これにより、処理装置4のユーザは、電話番号登録のリクエスト時に、すでに登録したショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示を含む電話番号を確認することができる。
【0098】
好ましくは、管理サーバ1は、ステップS2のリクエストと同様に、処理装置4から、発信元情報リストの変更のリクエストを受け付けてもよい。この場合、例えば、管理サーバ1は、発信元情報リストを読み出して処理装置4に表示させる。処理装置4は、発信元情報リストの中から変更対象の発呼元番号情報を指定するユーザ操作を受け付けることによって、変更対象の発呼側通信端末3Aのタッチパネル35に、発呼元番号情報として登録されている情報を
図5の(D)のように画面表示させ、変更の入力を受け付けてもよい。又は、処理装置4に対するユーザ操作によって変更の入力を受け付けてもよい。
【0099】
従業員端末のユーザや所属部署は変更される場合がある。また、表示メッセージも変更が必要な場合がある。そのため、発呼元番号情報を変更可能とすることによりメッセージ生成を迅速に行い、利便性を向上させることができるとともに、着信側通信端末3Bのユーザに対して正確な発呼元番号情報を提供することができるようになる。
【0100】
図7は、管理システム100での管理方法の流れの一例であって、着信側通信端末3Bに音声通話の着信があった際の管理方法の一例を表した図である。また、
図8は、その際の管理サーバ1での処理の流れの一例を表したフローチャートである。ショートメッセージサービスの着信時も同様の管理方法によって管理が行われる。
【0101】
図7を参照して、発呼側通信端末3Aが発呼することによって(ステップS21)、着信側通信端末3Bに着信が生じる。着信側通信端末3Bのプロセッサ31には、発呼側通信端末3Aから着信があると、着信を示す呼び出し信号が与えられる。着信側通信端末3Bのプロセッサ31は、呼び出し信号を受信すると
図8の処理を開始する。
図8は、着信処理311の流れの一例を表すフローチャートである。
【0102】
図8を参照して、プロセッサ31は、発呼側通信端末3Aから受信した呼び出し信号より発呼番号を取得する(ステップS101)。プロセッサ31は、電話記憶部324から発呼番号に関連付けて記憶されている情報を検索する(ステップS103)。
【0103】
ステップS103は、通信端末での着信時における一般的な処理であってよい。すなわち、電話記憶部324に発呼番号に関連付けられた情報が記憶されている場合(ステップS105でYES)、プロセッサ31は、電話記憶部324から発呼番号に関連付けられた登録情報を読み出し、タッチパネル35に表示させる(ステップS107)。これにより、ステップS107では、着信側通信端末3Bでは、着信側通信端末3Bによって電話記憶部324に、発呼番号に関連付けて登録された情報がタッチパネル35に表示されるようになる。
【0104】
また、電話記憶部324に関連付けられて記憶されている情報が当該発呼番号からの発呼、発呼に対して応答しない、いわゆる着信拒否の設定や、いわゆる留守番電話などの特定の機能を用いて着信する設定などの、所定の処理が設定されている場合、プロセッサ31は、電話記憶部324において設定されている処理を行う。これにより、着信側通信端末3Bでの設定に応じた着信処理が行われるようになり、着信側通信端末3Bの利便性が損なわれることがない。
【0105】
なお、他の例として、ステップS105からS113までの処理は、着信側通信端末内の発呼元番号情報の最終更新日以降の差分情報を管理サーバ1より取得し、発呼元番号情報又は必要な発呼元番号情報の差分情報を着信管理用メモリに登録し、ステップS103で直接参照することにより省略されてもよい。
【0106】
電話記憶部324に発呼番号に関連付けられた情報が記憶されていない場合(ステップS105でNO)又は、電話記憶部324に記憶されている情報が管理システム100によって登録されたものである場合、プロセッサ31は、管理サーバ1に発呼番号を送信し、発呼元番号情報をリクエストする(ステップS109)。ステップS109のリクエストは、
図7のステップS23に相当する。
【0107】
着信側通信端末3Bからの問い合わせを受けた管理サーバ1のプロセッサ11は、着信処理113を実行する。着信処理113は、着信側通信端末3Bからの発呼番号を検索キーとして発信元情報リスト記憶部124を検索し、検索キーとした発呼番号を含む発信元情報リストを抽出することを含む。この処理は、
図7のステップS24に相当する。
【0108】
発信元情報リストが抽出されると、ステップS25で、管理サーバ1は、着信側通信端末3Bに対して発信元情報リストを送信する。これにより、着信側通信端末3Bは管理サーバ1から発信元情報リストを受信する(ステップS111でYES)。
【0109】
プロセッサ31は、管理サーバ1から受信した発信元情報リストに基づく画面をタッチパネル35に表示させる(ステップS113)。ステップS113の表示は、
図7のステップS26に相当する。
【0110】
ステップS111では、管理サーバ1から、一例として、発呼番号を含む発信元情報リストが受信する。その場合、ステップS113でプロセッサ31は、発信元情報リストに含まれるデータ61に相当する発呼番号に加えて、発呼番号以外の、データ62~64の少なくとも1つに基づく表示を行う。
【0111】
図9は、ステップS113でタッチパネル35に表示される着信画面81の一例を表した図である。
図9を参照して、着信画面81は、一例として、発信元情報リストに含まれるデータ61~64それぞれに対応した表示82~85を含む。すなわち、着信画面81は、発呼側通信端末3Aの電話番号を示すデータ61に基づいた電話番号の表示82、発呼側通信端末3Aのユーザの所属部署を示すデータ62に基づいた所属部署の表示83、発呼側通信端末3Aのユーザの氏名を示すデータ63に基づいた氏名の表示84、及び、表示メッセージを示すデータ64に基づいたメッセージの表示85を含む。
【0112】
ステップS113で、発呼側通信端末3Aからの着信時に
図9の着信画面81が表示されることによって、着信側通信端末3Bのユーザは、応答又は閲覧前に発呼側通信端末3Aに関する情報を把握することができる。このとき、着信側通信端末3Bにおいて登録していない電話番号からの発呼であった場合も、本管理システム100では発呼側通信端末3Aによって管理サーバ1に登録されていた場合には、登録された情報が着信側通信端末3Bにおいて報知される。そのため、着信側通信端末3Bのユーザが知らない電話番号、つまり、素性が明らかでない番号からの着信であっても、安心して応答、閲覧することができる。
【0113】
管理システム100では、着信時に、先に着信側通信端末3Bのメモリを検索し、着信側通信端末3Bによって登録されている情報に基づく報知が行われる。言い換えると、管理システム100では、発呼元の情報の報知において、管理サーバ1に登録されている発呼元番号情報より着信側通信端末3Bによって登録されている情報が優先的に用いられる。そのため、着信側通信端末3Bのユーザにとってわかりやすい表示がされるようになる。
【0114】
好ましくは、発呼者による発呼番号の登録が行われていない着信があった場合についても、着信事実、受信者によって入力された評価を着信側通信端末から管理サーバ1に送信してもよい。この場合、着信事実や受信者による評価から発呼番号ごとに判定式によって評価を算出し、算出された評価結果を発呼元番号情報として登録してもよい。迷惑又は有害と判断された発呼番号に対しては、ネガティブな評価がなされている旨の警告マークを付すことができる。
【0115】
すなわち、管理システム100では、着信側通信端末3Bのメモリに登録されている電話番号からの着信であり、かつ、着信側通信端末3Bのメモリに記憶されている情報が管理システム100によって登録されたものではない場合、着信側通信端末3Bに
図9の着信画面81を表示することなく、着信側通信端末3Bのメモリに登録されている情報に基づく表示を行う。この場合、発呼側通信端末3Aのユーザは着信側通信端末3Bのユーザの知人である可能性が高い。そのため、メッセージの表示が不要であったり、後述する評価の表示が失礼であったりすることが回避される。
【0116】
着信画面81は、音声通話の応答を指示するボタン87と、不応答を指示するボタン88とを含む。着信側通信端末3Bのユーザは表示を見てこれらボタンを押すことによって、音声通話の開始、又は、音声通話の拒否ができる。
【0117】
なお、該当する発呼元番号情報が発信元情報リスト記憶部124から抽出されない場合、管理サーバ1のプロセッサ11は、登録がないことを示すエラーコードを送信してもよいし、応答をしなくてもよい。この場合、着信側通信端末3Bのプロセッサ31は、所定時間、管理サーバ1から受信がなかったり、エラーコードを受信したりした場合に発呼元番号情報の受信がないものとする(ステップS111でNO)。
【0118】
発呼元番号情報の受信がない場合、プロセッサ31は、ステップS113の表示とは異なる動作を行わせる。一例として、プロセッサ31は、発呼元が不明な電話番号であることをタッチパネル35に表示させてもよい。例えば、
図9の同様の画面に、「発呼元不明」又は「発信元不明」などの表示を含めてもよい。これにより、着信側通信端末3Bのユーザは、応答又は閲覧前に発呼元が着信側通信端末3Bによっても発呼側通信端末3Aによっても登録されている電話番号であることを把握できる。
【0119】
図9の画面でボタン87が押されるなどして着信に対する応答が指示されると(ステップS27)、着信側通信端末3Bのプロセッサ31は通話制御処理312を実行し、発呼側通信端末3Aとの間で音声通話を行うための制御を行う(ステップS28)。これにより、通信端末3A,3B間での音声通話が実現される。
【0120】
好ましくは、プロセッサ31は、通信端末3A,3Bのいずれか一方の操作によって音声通話が終了すると、着信側通信端末3Bのユーザから、評価入力を受け付ける(ステップS29)。ステップS29において、プロセッサ31は、一例として、音声通話終了時に評価入力画面をタッチパネル35に表示させ、その画面に対する操作によって評価入力を受け付ける。プロセッサ31は、入力された評価を示す情報(入力情報)を管理サーバ1に送信する(ステップS30)。
【0121】
ステップS30では、評価を示す入力情報とともに、音声通話についての日時、発呼番号などの着信を特定する情報や応答があったことを示す情報も管理サーバ1に送信されてもよい。着信を特定する情報や応答があったことを示す情報は、プロセッサ31によって自動的に取得されるものであってもよいし、評価入力画面においてユーザ操作によって入力されてもよい。
【0122】
ここでの評価は、発呼側通信端末3Aの発呼元番号情報における評価を指す。具体的には、発呼側通信端末3Aの発呼元番号情報に対する音声通話、ショートメッセージサービスの評価を含む。例えば、発呼側通信端末3Aのユーザの所属部署や氏名が発呼元番号情報として表示された所属部署や氏名と異なっていたなど発呼番号情報の管理が不十分な場合や、表示されたメッセージが発呼側通信端末3Aの音声通話の内容と異なっていた場合、又は、発呼、発信自体が受信者の求めていない迷惑である場合や、発呼元が有害な者である場合などでは発呼元番号情報の評価は低いものとなり、一致していたり有用な場合には発呼元番号情報の評価は高いものとなる。評価は、ランク情報であってもよく、一例として、
図6のデータ65に表されたように「A」「B」…のランクであってもよい。
【0123】
なお、好ましくは、プロセッサ31は、評価を示す入力情報が迷惑、有害などの低い評価を含む場合、電話番号を着信側通信端末3Bの着信拒否リストに自動的に登録してもよい。
【0124】
管理サーバ1のプロセッサ11、着信側通信端末3Bから入力情報を受信すると、評価処理114を実行する。評価処理114は、着信側通信端末3Bから入力情報に基づいて、着信側通信端末3Bに対して発呼した発呼側通信端末3Aの発呼元番号情報を更新することを含む。一例として、評価処理114においてプロセッサ11は、該当する電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示についての発信元情報リストの評価を示すデータ65を、入力情報に基づいて更新する。
【0125】
評価処理114は、例えば、発信元情報リストにデータ65が含まれていないときに入力情報に基づくデータ65を発信元情報リストに加えることを含む。評価処理114は、他の例として、発信元情報リストにデータ65が含まれているときに入力情報に基づいてデータ65を更新することを含む。データ65を更新することは、例えば、すでにあるデータ65と新たな値とをパラメータとして新たなデータ65を算出するための演算式を予め記憶しておき、演算式に入力された評価情報を新たな値として代入することで得られる値にデータ65を変化させることであってよい。
【0126】
評価の判定の演算式は、一例として、登録された評価の平均が母集団たる受信者の評価の平均の妥当な代表値であるか否かをt検定などにより一定の信頼区間内にあるか否かを判定するものであってよい。この場合、評価処理114は、登録された評価の平均が一定の信頼区間内と統計的に認められた場合にのみ、入力情報から得られる値を用いてデータ65を更新してもよい。このような評価処理114によって、発呼側に対する恣意的な妨害を目的とする評価投稿の影響を減殺することができる。
【0127】
なお、t検定においては特定の発呼番号に対して登録された評価の数が信頼区間に大きく関わる。そのため、好ましくは、プロセッサ11は、所定量の入力情報が得られた後に評価処理114を実行する。これにより、評価精度を向上させることができる。
【0128】
他の例として、プロセッサ11は、評価処理114において入力情報に対して評価情報を出力するよう機械学習された学習モデルを利用し、入力情報を学習モデルに入力することによって得られたデータをデータ65として登録、又は、データ65を更新してもよい。入力される情報は、入力情報とともに、着信側通信端末3Bから得られた、音声通話についての日時、発呼番号などの着信を特定する情報や応答があったことを示す情報の少なくとも1つをさらに含んでもよい。学習モデルは、管理サーバ1に記憶されていてもよいし、他の装置に記憶されており、他の装置にアクセスして利用するものであってもよい。これにより、評価精度を向上させることができる。また、入力情報が所定量、得られていない場合に補完的に用いても、評価精度を向上させることができる。
【0129】
好ましくは、
図9に示されたように、着信画面81は、発信元情報リストに含まれる、発信元情報リストの評価を示すデータ65に基づいた評価の表示86を含む。すなわち、一例として、評価処理114によって得られた発信元情報リストの評価は、着信時に着信側通信端末3Bにおいて報知される発信元情報リストに含まれる。これにより、着信側通信端末3Bのユーザは、表示された情報の評価も併せて知ることができる。そのため、着信側通信端末3Bのユーザは、着信時に発信元情報リストが実際の発呼元に一致しているか否か、有害であるか有用であるか、などの評価を確認することができるため、素性が明らかでない番号からの着信であっても、安心して応答するか否か、又は、閲覧をするか否かを判断することができる。
【0130】
管理サーバ1では、発呼側通信端末3Aからのリクエストに従って発信元情報リストが登録される。そのため、発呼側通信端末3Aのユーザが操作を怠った場合などに、情報が古かったり、適切な内容でなくなっていたりすることもあり得る。また、発呼側通信端末3Aのユーザが好ましくないユーザや悪意あるユーザである場合に、有害な発呼元番号情報が登録されることになる。そのような場合であっても、着信側通信端末3Bでの操作に応じて評価が付され、着信時に報知されることによって、発呼元番号情報の信頼性を高めることができる。
【0131】
発呼元番号情報の信頼性をより高めるためには、多くの評価が入力されることが好ましい。そのため、好ましくは、管理システム100は、評価の入力を促す仕組みを有する。評価の入力を促す仕組みは、一例として、着信側通信端末3Bのプロセッサ31は、音声通話あるいはショートメッセージサービスの受信閲覧の終了時に自動的に評価の入力を受け付けるための画面(図示せず)をタッチパネル35に表示させてもよい。これにより、音声通話を終了した着信側通信端末3Bのユーザは、特別な操作を必要とせずに自然に評価の入力を行うことができ、評価の入力が促進される。
【0132】
他の例として、評価の入力にプレミアを付与してもよい。プレミアは、一例としてポイントが挙げられる。管理システム100の使用が課金制である場合、ポイントは支払いに使用可能であってよい。又は、ポイントは商品などのサービスと交換可能であってもよい。これにより、評価の入力が促進され、その結果、発呼元番号情報の信頼性をより高めることができる。
【0133】
評価の入力は、例えば、「A」「B」…などの評価を示すランクを選択するユーザ操作によって行われてもよい。これにより、評価を容易に入力することができ、その結果、評価の入力が促進される。
【0134】
他の例として、着信時や音声通話あるいはショートメッセージサービスの受信時の着信側通信端末3Bのユーザの挙動に基づいて自動的に判定されてもよい。着信時や音声通話時の着信側通信端末3Bのユーザの挙動は、例えば、会話に含まれるワードや声のトーンなどであってよい。
【0135】
この場合、プロセッサ31は評価を判定するための判定式を有し、通話制御処理312は評価を判定する処理を含んでもよい。判定式は、例えば、評価に対応付けられたキーワードを用いたり、ユーザの通常時の声のトーンとの差異に基づいたりして、評価を判定するものが挙げられる。
【0136】
さらに、プロセッサ31は、着信側通信端末3Bのユーザの挙動を入力値とし、挙動に対応した評価を出力するように機械学習されていてもよい。一例として、プロセッサ31は、所定のキーワードや意味的に関連あるワードと評価との対や、ユーザの通常時の声のトーンとの差異と評価との対などを学習データとして機械学習されている。この場合、プロセッサ31は、通話制御処理312において得られたユーザの挙動に対して評価を出力するようになる。これにより、評価の入力のためのユーザ操作を不要することができ、その結果、自動的に評価が入力されるようになる。
【0137】
評価は、発呼元番号情報に対して、着信側通信端末3Bのユーザ属性に応じて与えられてもよい。ユーザ属性は、着信用プログラム321や登録用プログラム323を着信側通信端末3Bにインストールする際などの特定のタイミングにおいて実行される利用者アンケートによって入力されてもよい。ユーザ属性は、例えば、ユーザの性別や年齢帯などである。ユーザ属性は、着信側通信端末3Bによって検出された位置情報などを含んでもよい。プロセッサ11は、着信側通信端末3Bから管理サーバ1に送信される評価を示す入力情報を、予め登録されているユーザ属性を示すデータと対応付ける。この場合、発信元情報リストの評価を示すデータ65はユーザ属性ごとの評価を示す。
【0138】
プロセッサ11が着信側通信端末3Bとユーザ属性とを対応付ける方法の他の例として、着信用プログラム321や登録用プログラム323をインストールする際などの特定のタイミングにおいて、プロセッサ11が各着信側通信端末3Bに識別子を付与する方法であってもよい。この場合、付与した識別子に対応付けてユーザ属性を記憶しておくことで、プロセッサ11は、着信側通信端末3Bとユーザ属性とを対応付けることができる。この方法で対応付けを行うことにより、電話番号などの個人情報を管理サーバ1側で記憶する必要がなくなる。また、この方法で対応付けを行うことにより、例えば海外から持ち込まれた通信端末を帰国後に本国の電話番号に切り替えて用いる、などの、同一の着信側通信端末3Bにおいて電話番号が変更する場合であっても、本管理システム100を連続して使用することができる。
【0139】
この場合、好ましくは、プロセッサ11は、ステップS23の着信側通信端末3Bからのリクエストを、着信側通信端末3Bのユーザ属性を示すデータと関連付ける。管理サーバ1は、ステップS25で着信側通信端末3Bに発信元情報リストを送信する際に、データ65を判定する際に、受信者による評価登録数がt検定による評価に必要な評価登録数に満たないが一定数の着信事実が登録されている場合、着信事実に対応する受信者属性等を、評価済発呼番号をラベルとして機械学習することにより、補完的に、着信側通信端末3Bのユーザ属性に対応したデータ65を送信すればよい。他の例として、ステップS26で
図9の着信画面を表示させる際に、着信側通信端末3Bのプロセッサ31は、データ65のうちの着信側通信端末3Bのユーザ属性に対応した評価を表示させるようにすればよい。これにより、着信側通信端末3Bのユーザ属性を利用してより多くの場合に評価を報知することが可能になり、着信側通信端末3Bのユーザは、安心して応答することができる。
【0140】
図7のステップS26で着信側通信端末3Bに
図9の着信画面81が表示された後、所定期間、ユーザ操作が行われなかった場合、着信側通信端末3Bのプロセッサ31は、着信に対して応答しないで終了する。例えば、着信側通信端末3Bのユーザが音声通話を開始するユーザ操作を行わなかった場合に相当する。
【0141】
この場合、好ましくは、プロセッサ31は、発呼側通信端末3Aからの着信があったことを示す着信情報を着信側通信端末3Bのメモリ32に書き込む。このとき、プロセッサ31は、
図8に示された着信処理311によって得られた発呼元番号情報に基づく情報を着信情報としてメモリ32に書き込んでもよい。着信情報は、例えば、表示メッセージを示すデータ64に基づく情報などであってよい。これにより、着信側通信端末3Bのユーザは、音声通話の開始を指示しなかった場合にも、発呼側通信端末3Aについての発呼元番号情報を知ることができる。
【0142】
図7に表された着信の際の管理方法の他の例として、ステップS24において、管理サーバ1に発呼元情報が登録されていなかった場合、すなわち、未知の電話番号からの着信であった場合、管理サーバ1のプロセッサ11は、着信側通信端末3Bから通知された着信元の電話番号を発信元情報リスト記憶部124に新規に登録し、以後、受信者による評価対象として管理してもよい。この場合、発信元情報リストは、電話番号を示すデータ61のみとなり、その他のデータ62~65はNULLであってよい。
【0143】
さらに、この着信による音声通話の終了後にステップS30で着信側通信端末3Bから評価についての入力情報を受け付けると、プロセッサ11は、ログ記憶部127、及び、評価登録記録部126に、新規の発信元の電話番号についての評価入力についてのログを記憶させる。また、プロセッサ11は、発信元情報リスト記憶部124に新規に登録した発信元の電話番号についての発信元情報リストの評価を示すデータ65を更新する。これにより、管理サーバ1に発呼元情報が登録されていない電話番号についての発信元情報が自動的に生成され、以降の着信の際に、発信元に関する情報の報知が可能になる。
【0144】
さらに他の例として、
図7のステップS23~S25に替えて、プロセッサ11は同期処理116を実行し、電話記憶部324の発信元情報リスト情報の最新更新日から、着信発呼側通信端末3Aのローカルな記憶領域である電話記憶部324の発信元情報リスト情報と発信元情報リスト管理サーバ1の発信元情報リストとが同期されてもよい。
【0145】
なお、以上の例では、管理システム100を用いて電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示を登録するシーンとして、処理装置4が会社Aの管理用の装置であって、同一の会社Aの所有する1又は複数の通信端末の電話番号を登録するシーンを想定している。他の例として、処理装置4に替えて、1又は複数の通信端末3それぞれ、又は、複数の通信端末3のうちの代表した1台の通信端末3が処理装置4と同様の処理を行うようにしてもよい。すなわち、管理サーバ1に対して電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示登録のリクエストを送信して管理サーバ1からOTPが付与された装置は、電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示の登録を行う通信端末3とは異なる装置であってもよいし、同一の装置であってもよい。これにより、様々なシーンで、発呼側通信端末3Aからのリクエストによって電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示の登録が可能になり、電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示の登録側の利便性を向上させることができる。
【0146】
管理システム100は、会社において従業員端末を登録するシーンに限定されず、様々なシーンで用いることができる。例えば、着信側通信端末3Bのユーザが海外からの旅行者である場合、旅行先国における音声通話あるいはショートメッセージサービスの発呼元番号は着信側通信端末3Bのメモリに登録された電話番号あるいはショートメッセージサービスの一斉送信の国際網接続における送信元表示でない場合も多い。さらに、着信側通信端末3Bが異国におけるレンタルの通信端末である場合にはメモリに登録された別の電話番号を利用する可能性が高い。そういった場合であっても、管理システム100を用いることで、すなわち、着信側通信端末3Bに着信用プログラム321をダウンロードすることによって、音声通話あるいはショートメッセージサービスの着信時に発呼元番号情報が得られ、異国であっても安心して応答することができる。さらに、着信側通信端末3Bの個体管理は管理システム100が発行する一意の識別子によって行われるため、帰国後も現地の管理システム100により連続してサービスを利用可能になる。
【0147】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0148】
1 :管理サーバ
2 :通信網
2A :通信網
2B :通信網
3 :通信端末
3A :発呼側通信端末
3B :着信側通信端末
4 :処理装置
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :通信部
22 :第1通信部
31 :プロセッサ
32 :メモリ
33 :第1通信部
34 :第2通信部
35 :タッチパネル
36 :マイク
37 :スピーカ
51 :登録画面
52 :入力欄
54 :登録画面
55 :入力欄
56 :入力欄
57 :入力欄
58 :入力欄
59 :ボタン
61 :データ
62 :データ
63 :データ
64 :データ
65 :データ
71 :通知画面
72 :ボタン
73 :登録要求画面
74 :入力欄
75 :ボタン
81 :着信画面
82 :表示
83 :表示
84 :表示
85 :表示
86 :表示
87 :ボタン
88 :ボタン
100 :管理システム
111 :登録処理
112 :ОTP発行処理
113 :着信処理
114 :評価処理
115 :トークン発行処理
116 :同期処理
121 :登録用プログラム
122 :着信用プログラム
123 :パス記憶部
124 :発信元情報リスト記憶部
125 :受信側リスト記憶部
126 :評価登録記憶部
127 :ログ記憶部
311 :着信処理
312 :通話制御処理
313 :登録処理
321 :着信用プログラム
322 :通話制御プログラム
323 :登録用プログラム
324 :電話記憶部
L1 :発信元情報リスト
L2 :発信元情報リスト
L3 :発信元情報リスト