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特開2023-79166施設用顧客管理装置、顧客管理システム、顧客管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079166
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】施設用顧客管理装置、顧客管理システム、顧客管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230531BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152613
(22)【出願日】2022-09-26
(62)【分割の表示】P 2022082153の分割
【原出願日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2021192594
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506305621
【氏名又は名称】ホームネットカーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】江▲崎▼ 眞一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】主にガソリンスタンドなどの車両へのエネルギー補給所(以下施設とも言う)に設けられる、販促活動に効果の高い、顧客情報を管理する装置を提供すること。
【解決手段】SNS利用の施設用顧客管理装置であって、装置各部を制御する施設用顧客管理装置制御部と、施設に進入する車両を撮影する車両撮影部と、車両撮影部で取得した画像から車両番号を認識する車両番号認識部と、車両番号と当該施設を特定するシークエンス番号とを含む、該施設の属する法人のSNSアカウントへの登録を容易にするためのSNSアカウント登録容易化情報を所定の型式に編集したものを出力する二次元コード出力部とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-装置各部を制御する施設用顧客管理装置制御部と、
-施設に進入する車両を撮影する車両撮影部と、
-該施設の属する法人のSNSアカウントへの登録を容易にするための、少なくとも、前記車両撮影部で取得した画像から認識された車両番号とコールバック用URLと施設識別番号とを含む情報を、所定の型式に編集したものを、機械読取可能な二次元コードとして出力する二次元コード出力部と
を有する施設用顧客管理装置。
【請求項2】
-装置各部を制御する施設用顧客管理装置制御部と、
-施設に進入する車両を撮影する車両撮影部と、
-該施設の属するLINE(登録商標)法人アカウントへの登録を容易にするための、少なくとも、前記車両撮影部で取得した画像から認識された車両番号とコールバック用URLと施設識別番号とを含む情報を、所定の型式に編集したものを、機械読取可能な二次元コードとして出力する二次元コード出力部と
を有する施設用顧客管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば施設のおける顧客管理装置、すなわち施設用顧客管理装置、顧客管理システム、顧客管理方法に係り、特に、施設として、ガソリンスタンドなどの車両へのエネルギー補給所に設けられる顧客情報を管理する装置に関し、顧客の保有する自動車の登録番号(車両番号)に紐づけて該施設の属する法人のSNSアカウントもしくはLINE(登録商標)アカウントへの登録を促し、登録後に販促活動に活用しうる施設用顧客管理装置、顧客管理システム、顧客管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンスタンドの経営において、顧客が来店した際に、種々のセールス活動を行うことは重要である。セールス活動の例としては、車検の勧誘、タイヤ交換の勧奨、洗車の勧奨、車の買い替えの情報提供、車関連のグッズの販売などが挙げられる。
【0003】
特に、顧客の使用する車の車両番号に対応して顧客情報を記憶し、それに基づいて適切な活動を行うことが望ましい。
【0004】
例えば、特許文献1には、車両番号に対応付けて顧客情報を記憶し、顧客情報に対応付けて利用者(施設の従業員のこと)が取るべき行動を設定する行動設定情報を記憶しておいて、来訪した車両を検出して撮像し、画像から画像処理により車両のナンバープレートを認識して車両番号を取得し、車両番号に対応する顧客情報を取得し、顧客情報に対応する行動設定情報を取得し、出力し、行動の結果を表す行動結果情報を、利用者に入力させるよう制御し、当該車両番号に対応付けて格納する技術思想が開示されている。
【0005】
その一例として、行動設定情報を出力するとともに、モバイルメール会員登録機能を実現するために、車両番号や登録用アドレス等がコード化されたQRコード(登録商標)を印刷出力し、顧客の携帯電話からコード情報に基づくメールを受信すると、メール管理手段が、車両番号に対応付けてメールアドレス等を登録するという技術思想が開示されている。
【0006】
更に、メール管理手段は、メール送信元のメールアドレスに対して、顧客に応じた内容のメールを送信することや、メール送信元に対して、会員サイトを含むWebサイトを提供することという技術思想が開示されている。
【0007】
これにより、顧客への来店促進の実行が可能となり、また、店頭で告知できない未来店客へのアプローチも可能となるという効果を生じる。
【0008】
但し、この特許文献の技術思想は、あくまでも、利用者(施設の従業員)の行動を設定した行動設定情報を用いて、施設の従業員の行動を促すことが骨子であり、従業員の行動がなくても適切な販促活動ができるようにはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5798222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、特許文献1に開示された技術思想は、施設の従業員の行動を促すための行動設定情報を用いることが必須であることに加えて、メール会員登録機能は、字数の制限された情報交換機能であり、画像を送受信できないなど、十分な顧客への訴求ができにくいという問題点があった。
【0011】
近年は、字数の制限がなく画像情報の提供も可能なLINE(登録商標)などのSNSを活用する顧客への働きかけの手段が普及しつつある。但し、SNSの活用に際し、車両番号を画像から認識し、それと紐づけて多様な顧客情報を収集、記憶し、販売促進活動やセールス活動を行うことはなされていなかった。
【0012】
また、その際に、施設において顧客対応の従業員の存在が前提であり、近年増加している顧客対応の従業員が不在のセルフ式ガソリンスタンドでの対応が困難であるという問題点もあった。
【0013】
そこで、上記問題を解決するため、本発明は、主にガソリンスタンド(以下、「SS」ともいう。)などの車両へのエネルギー補給所(以下施設とも言う)に設けられる、販促活動に効果の高い、顧客情報を管理する装置、システム、方法を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様に係るSNS利用の施設用顧客管理装置は、
-装置各部を制御する施設用顧客管理装置制御部と、
-施設に進入する車両を撮影する車両撮影部と、
-前記車両撮影部で取得した画像から車両番号を認識する車両番号認識部と、
-少なくとも前記車両番号を含む、該施設の属する法人のSNSアカウントへの登録を容易にするためのSNSアカウント登録容易化情報を、前記施設用顧客管理装置制御部が所定の型式に編集したものを、機械読取可能な二次元コードとして出力する二次元コード出力部と
を有することを特徴とする。
【0015】
ここで、SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービス( Social networking service)の略であり、Web上で社会的ネットワーク(ソーシャル・ネットワーク)を構築可能にするサービスで、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、Youtube(登録商標)、Instagram(登録商標)、TikTok(登録商標)などが含まれるが、これらに限定されず、社会的ネットワークの構築のできるあらゆるサービスやウェブサイトを含むものとする。
【0016】
なお、二次元コードに含まれる情報は、認識された車両番号の他に予め付与されている当該施設を特定するシークエンス番号などを含んでいてもよい。
【0017】
また、「二次元コードとして出力する」とは、該施設の従業員の携帯端末への表示、レシートなどの紙などの媒体への印刷、表示装置への表示、顧客の携帯型端末やPCへの送信などの手段を含むが、それに限定せず、どのような出力方法であってもよい。
【0018】
このようにすると、施設に来訪する施設利用者(顧客)の車両番号を含む、該施設の属する法人のSNSアカウントへの登録をするための情報を、QRコードのような読み取りが容易な二次元コード形式で出力するから、施設利用者は、それを自身のスマートホンなどで読み取り、その内容に従って、企業などの法人のSNSアカウントに、極めて容易に登録することが可能となる。
【0019】
そのようにすれば、施設側(あるいは施設の属する法人側)としては、車両番号に紐づけられた各種の情報(車両に関する情報、初回登録日、次回車検日など)を取得でき、それを用いて、プロモーションやセールス活動(車検の案内、車両買い替えの提案など)が可能となる。
【0020】
一方、施設利用者にとっても、利用者の保有する車両の情報に対応する、利用者自身に有益な情報が得られることから、利用するメリットは大きい。
【0021】
次に、本発明の第2の態様は、第1の態様のSNS利用の施設用顧客管理装置であって、前記二次元コードが、施設利用者の前記法人SNSアカウントへの登録の後に、該施設利用者に対して携帯電話番号の入力を要請する画面を表示するための情報を含んでいることを特徴としてもよい。
【0022】
このようにすると、法人SNSアカウントが、登録後に、顧客の携帯電話番号情報を取得することができる。
【0023】
それによって、携帯電話番号をキーとして、車両番号を紐づけて、顧客データベース(CMS)を構成することができる。
【0024】
このことは、携帯電話番号で特定される顧客が、複数台の車両を保有している場合や、車両を買い替えて車両番号が変更した場合などにも、適切なセールス活動を行うことができるという利点を有する。
【0025】
本発明の第3の態様に係るLINE利用の施設用顧客管理装置は、
-装置各部を制御する施設用顧客管理装置制御部と、
-施設に進入する車両を撮影する車両撮影部と、
-前記車両撮影部で取得した画像から車両番号を認識する車両番号認識部と、
-少なくとも前記車両番号を含む、該施設の属するLINE法人アカウントへの登録を容易にするためのLINE法人アカウント登録容易化情報を、前記施設用顧客管理装置制御部が所定の型式に編集したものを、機械読取可能な二次元コードとして出力する二次元コード出力部と
を有することを特徴とする。
【0026】
なお、二次元コードに含まれる情報は、認識された車両番号の他に予め付与されている当該施設を特定するシークエンス番号などを含んでいてもよい。
【0027】
ここでLINEとは、広義にはSNSに含まれるメッセージングアプリケーションソフトウエアであり、特に、企業や店舗がユーザーとコミュニケーションをとることができる「LINE公式アカウント」というサービス(アプリケーション・機能)も提供している。
【0028】
このようにすると、施設に来訪する顧客の車両番号を含む、該施設の属する法人のLINEアカウント(LINE公式アカウント、LINEビジネスアカウント、LINE企業アカウントなどと呼ばれるものであってもよく、これ以降はLINE法人アカウントと表記する)への友だち登録をするための情報を、QRコードのような読み取りが容易な二次元コード形式で出力するから、施設利用者は、それを自身のスマートホンなどで読み取り、その内容に従って、LINE法人アカウントに、極めて容易に友だち登録することが可能となる。
【0029】
なお、LINE法人アカウントは、メッセージ配信、ポイントカード管理、クーポン発行、ポスターデータ提供、チャット、音声またはビデオコールなどの機能を有している。
【0030】
次に、本発明の第4の態様は、第3の態様のLINE利用の施設用顧客管理装置であって、前記二次元コードが、施設利用者の前記LINE法人アカウントへの登録の後に、該施設利用者に対して携帯電話番号の入力を要請する画面を表示するための情報を含んでいることを特徴としてもよい。
【0031】
このようにすると、LINE法人アカウントが、友だち登録後に、利用者の携帯電話番号情報を取得することができる。
【0032】
それによって、携帯電話番号をキーとして、車両番号を紐づけて、顧客データベース(CMS)を構成することができる。
【0033】
このことは、携帯電話番号で特定される顧客が、複数台の車両を保有している場合や、車両を買い替えて車両番号が変更した場合などにも、適切なセールス活動を行うことができるという利点を有する。
【0034】
本発明の第5の態様は、第3の態様のLINE利用の施設用顧客管理装置であって、施設利用者の所持する端末に提供した情報が読み取られたかどうかの結果である既読情報を用いて、その後の販売促進活動を行うことを特徴としてもよい。
【0035】
ここで、LINEにおいて提供した情報が読み取られたかどうかの結果とは、読み取られた場合、「既読」という表示が付せられるとともに、情報提供元に通知される機能であり、SNS、特にLINEにおいて有力な機能である。
【0036】
このようにすると、既読となった顧客には、更に深耕した販売促進情報を提供することができ、一方、既読にならない顧客には、再度、同一内容の、あるいは一部変更した内容の情報を送信することにより、販売促進効果を高めることができる。
【0037】
本発明の第6の態様は、SNS利用の施設用顧客管理装置を含む顧客管理システムであって、
-本発明の第1または第2の態様に記載されたSNS利用の施設用顧客管理装置と、
-複数の前記施設用顧客管理装置と接続し、該装置を含む施設を管理する施設管理部と、
-複数の前記施設用顧客管理装置と接続し、該装置を含む施設を運営する法人の法人SNSアカウントを管理する法人SNSアカウント管理部と、
-複数の前記施設用顧客管理装置及び/または前記法人SNSアカウント管理部と接続し、顧客データを記憶し管理する施設顧客データベースと
を有することを特徴とする。
【0038】
このようにすると、複数の施設を経営する法人にとって、それらの施設の利用者(顧客)の情報を一元的、横断的に管理することができ、また、それらの顧客に対して適切な販売促進活動(車検、洗車、車両の買い替えなど)を行うことができる。
【0039】
なお、施設管理部、法人SNSアカウント管理部、施設顧客データベースは、クラウドシステムに形成され、複数の施設用顧客管理装置とはインターネットを介して接続されることが好適であるが、その他の接続形態であってもよい。
【0040】
また、施設管理部、法人SNSアカウント管理部、施設顧客データベースの名称、機能の分担は、上記に限定せず、更に細分化し、あるいは、統合し、あるいは、機能分担を変更してもよく、全体として上記にて説明した機能を果たせばよいものとする。
【0041】
また、これまでの説明で、車両番号認識部は、それぞれの施設用顧客管理装置が保有するとしたが、その機能を施設管理部などに統合するようにしてもよい。
【0042】
そのようにすると、施設用顧客管理装置の構成が簡素化され、設置コストを引き下げることも可能となり、また、車両番号認識部の機能のアップデートも容易に行えるなどの効果を生じることもある。
【0043】
本発明の第7の態様は、LINE利用の施設用顧客管理装置を含む顧客管理システムであって、
-本発明の第3から第5のいずれかの態様に記載されたLINE利用の施設用顧客管理装置と、
-複数の前記施設用顧客管理装置と接続し、該装置を含む施設を管理する施設管理部と、
-複数の前記施設用顧客管理装置と接続し、該装置を含む施設を運営する法人のLINE法人アカウントを管理するLINE法人アカウント管理部と、
-複数の前記施設用顧客管理装置及び/または前記LINE法人アカウント管理部と接続し、顧客データを記憶し管理する施設顧客データベースと
を有することを特徴とする。
【0044】
このようにすると、複数の施設を経営する法人にとって、それらの施設の利用者(顧客)の情報を一元的、横断的に管理することができ、また、それらの顧客に対して適切な販売促進活動(車検、洗車、車両の買い替えなど)を行うことができる。
【0045】
なお、施設管理部、LINE法人アカウント管理部、施設顧客データベースは、クラウドシステムに形成され、複数の施設用顧客管理装置とはインターネットを介して接続されることが好適であるが、その他の接続形態であってもよい。
【0046】
また、施設管理部、LINE法人アカウント管理部、施設顧客データベースの名称、機能の分担は、上記に限定せず、更に細分化し、あるいは、統合し、あるいは、機能分担を変更してもよく、全体として上記にて説明した機能を果たせばよいものとする。
【0047】
また、これまでの説明で、車両番号認識部は、それぞれの施設用顧客管理装置が保有するとしたが、その機能を施設管理部などに統合するようにしてもよい。
【0048】
そのようにすると、施設用顧客管理装置の構成が簡素化され、設置コストを引き下げることも可能となり、また、車両番号認識部の機能のアップデートも容易に行えるなどの効果を生じることもある。
【0049】
本発明の第8の態様は、SNS利用の施設の顧客管理方法であって、
-施設に来訪する顧客の車両番号を撮影するステップと、
-撮影された車両番号を認識するステップと、
-少なくとも前記車両番号を含む、該施設の属する法人の法人SNSアカウントへの登録を容易にするための法人SNSアカウント登録容易化情報を、機械読取可能な二次元コードとして出力するステップと、
-前記出力された二次元コードを顧客に読み取らせ、前記法人SNSアカウントに登録を促すステップと、
-顧客の登録操作があった場合に前記法人SNSアカウントに登録するステップと、
-顧客の携帯電話番号の入力を促すステップと、
-顧客の入力があった場合に該携帯電話番号に前記車両番号を紐づけて記憶するステップと
を含むことを特徴とする。
【0050】
このようにすると、ハードウエアやシステム構成によらずに、これらのステップを実行することにより、施設側(あるいは施設の属する法人側)としては、車両番号に紐づけられた各種の情報(車両に関する情報、初回登録日、次回車検日など)を取得でき、それを用いて、プロモーションやセールス活動(車検の案内、車両買い替えの提案など)が可能となる。
【0051】
本発明の第9の態様は、LINE利用の施設の顧客管理方法であって、
-施設に来訪する顧客の車両番号を撮影するステップと、
-撮影された車両番号を認識するステップと、
-少なくとも前記車両番号を含む、該施設の属する法人のLINE法人アカウントへの登録を容易にするためのLINE法人アカウント登録容易化情報を、機械読取可能な二次元コードとして出力するステップと、
-前記出力された二次元コードを顧客に読み取らせ、前記LINE法人アカウントに登録を促すステップと、
-顧客の登録操作があった場合に前記LINE法人アカウントに登録するステップと、
-顧客の携帯電話番号の入力を促すステップと、
-顧客の入力があった場合に該携帯電話番号に前記車両番号を紐づけて記憶するステップと
を含むことを特徴とする。
【0052】
このようにすると、ハードウエアやシステム構成によらずに、これらのステップを実行することにより、施設側(あるいは施設の属する法人側)としては、車両番号に紐づけられた各種の情報(車両に関する情報、初回登録日、次回車検日など)を取得でき、それを用いて、プロモーションやセールス活動(車検の案内、車両買い替えの提案など)が可能となる。
【0053】
本発明によれば、SNS、その中でも特にLINEを活用する顧客に対して、車両番号を画像から認識し、それと紐づけて多様な顧客情報を収集、記憶し、販売促進活動やセールス活動を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置の機能ブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置の車両撮影部の説明図である。
図3】本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置の情報表示部の説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置のハードウエア構成図である。
図5】本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る顧客管理装置の二次元コードの説明図である。
図7】本発明の一実施形態に係る顧客管理方法のSNS登録用画面の説明図である。
図8】本発明の一実施形態に係る顧客管理方法のSNS登録後の画面の説明図である。
図9】本発明の一実施形態に係る顧客管理方法の携帯番号登録画面の説明図である。
図10】本発明の一実施形態に係る顧客管理方法の登録確認用の画面の説明図である。
図11】本発明の一実施形態に係る顧客管理方法の登録完了画面の説明図である。
図12】本発明の一実施形態に係る顧客管理方法の車両番号確認画面の説明図である。
図13】本発明の一実施形態に係る顧客管理方法の顧客情報の例の説明図である。
図14】本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置を含むシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0056】
<施設用顧客管理装置の構成>
図1は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置の構成図であり、施設用顧客管理装置100は、機能ブロックとしてとしては、装置全体を制御する施設用顧客管理装置制御部110、外部との通信インターフェースを司る通信インターフェース部120、施設に入場する車両を撮影する車両撮影部130、撮影された画像から車両番号(以下、自動車登録番号、あるいは車番ともいう)を認識する車両番号認識部140、車両番号を含むSNS登録用の情報を二次元コードとして出力する二次元コード出力部150、この施設の顧客に関連する情報やソフトウエアプログラムなどを記憶する記憶部160、施設内で顧客に向けて情報を表示する情報表示部170を有している。
【0057】
また、施設用顧客管理装置100の外部には、通信インターフェース部120を介して従業員の携帯型端末200が接続できるようになっており、更に、通信インターフェース部120を介してクラウドシステム300に接続し、種々の機能を利用できるようになっている。
【0058】
図2は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置の車両撮影部の説明図であり、車両撮影部130は、施設の上部の梁(または、柱、壁など)に取り付けられるデジタルカメラであることが好適であり、図に示すように車両CAに給油を行う各々の給油機RDに対応して、車両CAの前面を撮影できる位置に設置され、車両番号をはっきり撮影できるようにすることが好ましい。
【0059】
なお、車両撮影部130の個所数は、例えば、設置された給油機RDの全て、あるいは複数台を一望できる広角レンズを有するカメラ、または、回転可能なカメラなどの場合や、全ての車両が通過する場所がある場合などは、設置個所数を減じる、究極は1個所のみに設置することで対応できる場合もあり、逆に車両の前後方向が定まらない場合は更に設置個所数を増やすこともあり得る。
【0060】
車両番号認識部140は、広範に利用されているソフトウエアであって、施設用顧客管理装置制御部110に内蔵されることが好適である。
【0061】
図3は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置の情報表示部の説明図であり、情報表示部170は、施設内の給油機RDごとに、その上部にディスプレイを設けることが好適であるが、それ以外にもいくつかの給油機RDにまとめて1台、あるいは、現在の給油機RDに設けられている既存のディスプレイを共用するなどとしてもよい。
【0062】
次にこのような機能ブロックを実現するハードウエア構成について説明する。図4は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置のハードウエア構成図であり、PCまたはサーバーなどの一般的な構成であり、CPU1001,メモリー1002、入力部1003、出力部1004、通信インターフェース部1005などから構成される。
【0063】
CPU1001は、中央制御部であり、施設用顧客管理装置100のハードウエア全体を制御し、及び、ソフトウエア(プログラム)を実行するものである。
【0064】
メモリー1002は、ソフトウエア(プログラム)やデータを保管するものであり、各種の記憶媒体が、装置に内蔵され、あるいは外付けされて用いられる。
【0065】
入力部1003としては、キーボード、タッチパネル、タッチペン、音声入力、カメラ、スキャナなどがあり、装置に内蔵、あるいは外付けされている。
【0066】
出力部1004としては、ディスプレイ(表示部)、プリンタ、スピーカーなどがあり、装置に内蔵、あるいは外付けされている。
【0067】
通信インターフェース部1005としては、外部との通信を可能にするもので、有線LAN、無線LAN、Wi-Fi接続、光通信、BLUETOOTH(登録商標)などがある。
【0068】
なお、ここまで説明したハードウエア構成要素は、単一の場合だけでなく複数であってもよく、分散して配置されていてもよい。
【0069】
先に述べた施設用顧客管理装置100の機能ブロックは、これらのハードウエア構成要素と協働してその機能を実現している。
【0070】
<施設用顧客管理装置の作用及び運用>
次に、施設用顧客管理装置100の作用・運用につき、説明する。図5は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置の運用の説明のフローチャートである。
【0071】
施設としてはガソリンスタンドSSを想定し、給油機RDが複数台設置されているとする。そこに車両に乗った顧客がガソリンスタンドSSに来訪し、いずれかの給油機RDに停車する。すると、車両前方で上方に設けられた車両撮影部130が、車両及びナンバープレートを撮影する。(ステップS01)
【0072】
次に、撮影されたナンバープレートの画像から車両番号認識部140が車両番号を認識する。(ステップS02)
【0073】
次に、施設用顧客管理装置制御部110が、予め設定されている法人SNSアカウント(LINE法人アカウント)に登録するためのコールバック用URL、予め付与されている施設識別番号、読み取られた車両番号を含む情報をQRコード(登録商標)に変換する。(ステップS03)
【0074】
図6は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置で作成される二次元コードの例の説明図であり、コールバック用URL111、施設識別番号112、読み取られた車両番号113がQRコード114の形式で作成されることを示している。このQRコード114は、法人のSNSアカウントあるいはLINE法人アカウントへの登録を容易にするための登録容易化情報と言えるものである。
【0075】
なお、QRコード114に含まれる情報は、車両番号113は必須の情報であるが、それ以外は上記の例に限定されず、更に関連する情報を追加してもよく、あるいは、情報を削減してもよい。
【0076】
このQRコード114を、二次元コード出力部150が、印刷部(図示を省略)を通して給油の際のレシート上に、あるいは、独立の用紙上に印刷出力する。(ステップS04)
【0077】
また、印刷出力と併せて、あるいは印刷出力の代わりに、二次元コード出力部150によって、通信インターフェース部120を介して従業員の所持する携帯型端末200に送信し、その画面に表示させるようにしてもよい。
【0078】
なお、ここで、従業員には、印刷出力の提供、あるいは、所持する携帯型端末200の画面提示を行わせるだけで、何らのセールス活動を行わせるものではなく、従業員の作業負荷の増加にはつながらない。
【0079】
また、給油レシートにQRコードを印刷出力する場合は、顧客対応の従業員が不在のセルフスタンドであっても対応が可能であり、このようにして、極力、従業員の関わりを減少させることが可能である。
【0080】
次に、来訪した顧客が、印刷された、または、従業員の携帯型端末200に表示されたQRコード114を、顧客自身がスマートホンなどの携帯型端末で読み取る。
【0081】
図7は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法に関するSNS登録用画面の例の説明図である。顧客がQRコードを読み取ると、この図のようなSNS登録用画面400が表示され、登録(追加)のためのアイコン401が設けられており、法人SNSアカウントへの登録(LINE企業アカウントへの友だち追加)を促す。(ステップS05)
【0082】
顧客が登録を希望して、追加アイコン401をタップすると、法人SNSアカウント(あるいはLINE法人アカウント、以下同様)に接続されて、登録が完了する。(ステップS06)
【0083】
なお、これ以降の機能は、法人SNSアカウントが提供する機能であり、顧客の携帯型端末での操作により、ステップが進行するものである。
【0084】
図8は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法でのSNS登録後の画面の説明図である。登録が完了すると、法人SNSアカウントの指示で、顧客の携帯型端末が、法人SNSアカウントからの登録(友だち追加)についての謝辞と、法人SNSアカウントへの携帯電話番号などの顧客情報入力のためのURLが表示された顧客情報入力要請画面405を表示する。(ステップS07)
【0085】
なお、これ以降の機能は、法人SNSアカウントが提供する機能であり、顧客の携帯型端末での操作により、ステップが進行するものである。
【0086】
図9は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法に関する携帯電話番号登録用画面の例の説明図である。この顧客情報入力画面410では、顧客の氏名411、携帯電話番号412、性別413、生年月日414を入力するようになっている。特に、携帯電話番号412の入力は必須であり、これの入力がない場合は先に進まないようになっている。
【0087】
図10は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法に関する携帯電話番号登録確認用画面の例の説明図である。顧客が入力を完了し「次へ」アイコン415をタップすると、法人SNSアカウントの指示で、顧客の携帯型端末が、入力した内容とともに、「登録する」アイコン421または「修正する」アイコン422のいずれかのタップを要請する画面を表示する。修正の場合は再度入力画面に戻るが、「登録する」アイコン421がタップされると、次へ進む。
【0088】
図11は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法の携帯電話番号などの個人情報の登録完了画面の例の説明図である。この登録完了画面430では、法人SNSアカウントの指示で、顧客の携帯型端末が、携帯電話番号及びその他の顧客情報(氏名・性別・生年月日)の登録を完了したことを表す「登録完了」表示431とともに車両登録へ進むように促す「車両登録へ進む」アイコン432を画面上に表示する。(ステップS08)
【0089】
図12は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法の車両番号確認画面の例の説明図である。この車両番号確認画面440では、法人SNSアカウントの指示で、顧客の携帯型端末が、車両番号認識部140で認識され、QRコード114に内蔵されて送信された車両番号113を画面上に表示し、顧客による確認を求め、「登録する」アイコン441がタップされると、車両番号と先に入力された携帯電話番号とが紐づけられて登録(記憶)される。(ステップS09)
【0090】
図13は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理方法に関する顧客情報の例の説明図であり、顧客情報500は、携帯電話番号412をキーとして車両番号113が紐づけられて記憶される。
【0091】
なお、同一携帯電話番号412に対して、複数の車両番号113が紐づけられる場合は、複数台の車両を保有している、あるいは買い替えなどで車両番号が変わったなどの理由によるものであり、携帯電話番号412をキーとすることで、保有する車両の細かな情報管理が可能となる。
【0092】
この後は、顧客の携帯電話番号412、それと紐づけられた車両番号113、車両番号113から得られる豊富な情報(車種、型式、初回登録年月日、次回車検年月日、施設の利用実績など)を用いて、顧客や車両の特性に合わせた販売促進のための情報を、例えば、施設に設けられた印刷部(図示を省略)からの印刷出力、情報表示部170への表示、顧客のスマートホンなどの携帯型端末への送信などの形で、従業員の手を全く煩わすことなく、あるいは、単に印刷出力を手渡すだけで、販売促進情報を提供することができる。
【0093】
なお、これまでの説明では、法人SNSアカウントへの登録を容易にするための法人SNSアカウント登録容易化情報としてのQRコード114は、印刷されるか、従業員の携帯型端末200に表示されるものとしたが、それに限定されず、施設の情報表示部170に表示したり、あるいは何らかの事情で既に顧客の携帯電話番号を取得している場合には、QRコード114あるいはそれに相当する情報を、直接、顧客の携帯電話に送信するようにしてもよく、これらも、QRコード出力部(更に一般的には二次元コード出力部)に含まれる。
【0094】
次に、施設用顧客管理装置を含む顧客管理システムについて説明する。図14は本発明の一実施形態に係る施設用顧客管理装置を含む顧客管理システム1の構成図である。
【0095】
施設用顧客管理装置を含む顧客管理システム1は、複数の施設用顧客管理装置100がクラウドシステム(単にクラウド、あるいはクラウドコンピューティングなどと呼んでもよい)300に接続されており、クラウドシステム300の中のハードウエア資源を用いて、以下の機能が実現されている。
【0096】
施設管理部310は、施設用顧客管理装置100の統括的な管理機能を有する。
【0097】
法人SNSアカウント(あるいはLINE法人アカウント)管理部320はクラウドシステム300の外部の、SNS(LINE)運営主体が管理するSNSサーバー(LINEサーバ)500と連動して、単数または複数の、施設の属する法人SNSアカウント(あるいはLINE法人アカウント)を管理する。
【0098】
施設顧客データベース330は施設用顧客管理装置100が取得した情報、法人SNSアカウント(あるいはLINE法人アカウント)管理部320に管理される法人SNSアカウント(あるいはLINE法人アカウント)に登録された情報、更には、外部の自動車登録情報データベース、軽自動車登録情報データベース、車両カタログ情報データベースなどから取得した情報などを、顧客の携帯電話番号412をキーとして、蓄積している。
【0099】
なお、これまでの説明で、それぞれの施設用顧客管理装置100に内蔵されるとした車両番号認識部140を、クラウド上の施設管理部310に設けるようにしてもよい。
【0100】
すなわち、施設用顧客管理装置100の車両撮影部130で撮影した画像を、施設管理部310に送信し、施設管理部310に設けられた車両番号認識部140で車両番号認識を行い、認識結果を施設用顧客管理装置100に返信するようにする。
【0101】
そのようにすると、施設用顧客管理装置100の構成が簡素化され、設置コストを引き下げることも可能となり、また、車両番号認識部140の機能のアップデートが必要となった場合も容易に行うことができる。
【0102】
また、これまでの説明で、該施設の属する法人のSNSアカウント(あるいはLINE法人アカウント)への登録を容易にするためのSNSアカウント登録容易化情報(あるいはLINE法人アカウント登録容易化情報)を、施設用顧客管理装置制御部110が所定の型式に編集するとしたが、この処理の全てまたは一部をクラウド上の施設管理部310で行うようにしてもよい。
【0103】
このようにしても、施設用顧客管理装置100の構成が簡素化され、設置コストを引き下げることも可能となり、また、編集機能のアップデートが必要となった場合も容易に行うことができる。
【0104】
これまで説明したように、施設用顧客管理装置を含む顧客管理システムは、これらの機能を活用して、施設を利用する顧客に対して、最も有効な販売促進情報を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の施設用顧客管理装置は、産業上きわめて重要な、ガソリンスタンドなどの車両へのエネルギー補給所(施設)に設けられる、販促活動に効果の高い顧客情報を管理する装置であるから、大いに産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0106】
1 施設用顧客管理装置を含む顧客管理システム
100 施設用顧客管理装置
110 施設用顧客管理装置制御部
111 コールバック用URL
112 施設識別番号
113 車両番号
114 QRコード
120 通信インターフェース部
130 車両撮影部
140 車両番号認識部
150 二次元コード出力部
160 記憶部
170 情報表示部
200 従業員の携帯型端末
300 クラウドシステム
310 施設管理部
320 法人SNSアカウント管理部
330 施設顧客データベース
400 SNS登録用画面
412 顧客携帯番号
405 顧客情報入力要請画面
410 顧客情報入力画面
420 携帯電話番号登録確認用画面
430 登録完了画面
440 車両番号確認画面
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