(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007918
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】表示制御システム、表示制御方法及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
G06T1/00 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111057
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 梨容子
(72)【発明者】
【氏名】松田 達樹
(72)【発明者】
【氏名】有沢 大輔
(72)【発明者】
【氏名】芦沢 真哉
(72)【発明者】
【氏名】中島 侑里
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057AA16
5B057BA23
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC01
5B057CH20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザが所望する画像を車両の座席の窓に表示させる表示制御システムを提供する。
【解決手段】表示制御システムにおいて、情報提供装置10は、車両Vの座席の窓から見える景色の画像の中から、座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定する。情報提供装置10は、特定した画像を、車両Vに備えられる車載装置に提供する。車載装置は、情報提供装置10によって提供された画像を座席の窓に備えられる表示部32に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供装置と、車両に備えられた車載装置と、を有する表示制御システムであって、
前記情報提供装置は、
前記車両の座席の窓から見える景色の画像の中から、前記座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された画像を、前記車載装置に提供する提供部と、
を有し、
前記車載装置は、
前記提供部によって提供された画像を前記座席の窓に表示させる表示制御部を有することを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記ユーザによって指定された条件に合致する画像であって、前記車両の位置に対応付けられた画像を特定することを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記ユーザによって指定された時季及び時刻に関する条件に合致する画像を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記車両の移動に連動させて前記画像を表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示制御システム。
【請求項5】
情報提供装置と、車両に備えられた車載装置と、を有する表示制御システムによって実行される表示制御方法であって、
前記情報提供装置は、
前記車両の座席の窓から見える景色の画像の中から、前記座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定する特定し、
特定した画像を、前記車載装置に提供し、
前記車載装置は、
前記情報提供装置によって提供された画像を前記座席の窓に表示させることを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
車両の座席の窓から見える景色の画像の中から、前記座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定し、
特定した画像を前記窓に表示させる処理を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御システム、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明のスクリーンに映像を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来、電車等の車両の座席には窓が備えられており、座席を利用するユーザ(乗客)は窓から風景を眺めることができる。一方で、窓から眺めることができる風景は、時季及び時間帯等によって一定であるため、乗客が退屈に感じる場合があると考えられる。
【0005】
そこで、車両の座席の窓に様々なコンテンツの画像を表示することが考えられるが、従来の技術では、ユーザが所望する画像を車両の座席の窓に表示させることは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、表示制御システムは、情報提供装置と、車両に備えられた車載装置と、を有し、前記情報提供装置は、前記車両の座席の窓から見える景色の画像の中から、前記座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定する特定部と、前記特定部によって特定された画像を、前記車載装置に提供する提供部と、を有し、前記車載装置は、前記提供部によって提供された画像を前記座席の窓に表示させる表示制御部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが所望する画像を車両の座席の窓に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る車載装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る車載装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る情報提供装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、表示制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る表示制御システム、表示制御方法及び表示制御プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0010】
[第1の実施形態の構成]
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る表示制御システムの構成について説明する。表示制御システムは、ユーザの座席の窓に画像を表示させる。
【0011】
図1は、第1の実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、表示制御システム1は、情報提供装置10、鉄道事業者サーバ20及び車両Vに備えられた車載装置を有する。ここで、車載装置は表示部32を有するものとする。本実施形態における車両Vは電車(鉄道車両)であるものとする。
【0012】
情報提供装置10は、指定された条件を基に画像を特定し、特定した画像を車両Vの車載装置に提供する。
【0013】
情報提供装置10は、鉄道事業者サーバ20及び車両VとネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。例えば、ネットワークNはインターネットである。
【0014】
鉄道事業者サーバ20は、鉄道に関する情報を提供する。鉄道事業者サーバ20は、時刻表、駅の位置及び駅周辺の場所の情報等を提供することができる。
【0015】
表示部32は、提供された画像を表示する。表示部32は、窓としても機能する透明のディスプレイであってもよいし(参考文献:透明有機ELディスプレイモジュール(https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/11/jn201120-2/jn201120-2.html))、窓に重ねられた所定の素材(例えば布)のスクリーンであって、投影された画像を表示するものであってもよい。
【0016】
図2及び
図3を用いて、表示制御システム1を構成する各装置の構成を説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。また、
図3は、第1の実施形態に係る車載装置の構成例を示す図である。
【0017】
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0018】
通信部11は、ネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う。例えば、通信部11はNIC(Network Interface Card)である。
【0019】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
【0020】
記憶部12は、情報提供装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、画像情報121及び画像データ122を記憶する。
【0021】
画像情報121は、画像に関する情報である。
図4は、画像情報の例を示す図である。画像情報121には、「車両位置」、「日時」、「座席位置」、「画像ファイル」が含まれる。なお、画像情報121の各項目は、表示制御システム1が表示させる画像を特定するための条件として利用される。
【0022】
前述の通り、本実施形態における車両Vは電車である。また、画像は車両Vの窓から見える景色を撮影した動画像、又は車両Vの窓から見える景色を模して生成された動画像である。
【0023】
「車両位置」は画像に対応する車両Vの位置である。「日時」は画像に対応する日時である。「座席位置」は画像に対応する座席の位置である。「画像ファイル」は画像のデータを特定するための情報である。
【0024】
例えば
図4には、1行目の画像「23_03_10_L.mp4」の「車両位置」が「品川-新横浜」であり、「日時」が「3月の10:00-11:00」であり、「座席位置」が「左」であることが示されている。
【0025】
これは、画像「23_03_10_L.mp4」が、3月のある日の10:00-11:00に、車両Vが品川駅から新横浜駅に向かって走行する間に、進行方向を向いて左側の窓から見える景色を撮影した動画像であることを意味している。
【0026】
画像データ122は、画像情報121に含まれる場所に対応付けられた画像である。例えば、画像データ122は、画像情報121の「画像ファイル」によって特定されるファイルの集合である。
【0027】
画像データ122に含まれる画像は、
図4の画像情報121の画像ファイルによって特定される。例えば、画像データ122には、「23_03_10_L.mp4」、「23_03_10_R.mp4」といった名称の動画像形式のファイルが含まれる。
【0028】
制御部13は、情報提供装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。
【0029】
また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。
【0030】
また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部13は、特定部131及び提供部132を有する。
【0031】
特定部131は、車両Vの座席の窓から見える景色の画像の中から、座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定する。また、特定部131は、ユーザによって指定された条件に合致する画像であって、車両Vの位置に対応付けられた画像を特定する。
【0032】
例えば、特定部131は、GPS(Global Positioning System)によって得られた車両Vの位置情報を取得してもよいし、鉄道事業者サーバ20から得られる車両Vのダイヤグラム及び時刻表の情報を基に車両Vの位置を推定してもよい。
【0033】
例えば、特定部131は、ダイヤグラム及び時刻表から、現在時刻より過去の車両Vの出発時刻のうち、現在時刻と最も近い出発時刻を取得する。そして、特定部131は、車両Vの現在の位置が、取得した出発時刻に対応する第1の駅と、当該第1の駅を出発した後に到着する第2の駅との間であることを推定する。
【0034】
また、特定部131は、ユーザによって指定された時季及び時刻に関する条件に合致する画像を特定する。
【0035】
例えば、特定部131は、ユーザによって指定された時季及び時刻に関する条件に合致し、車両Vの現在の位置に対応付けられた画像を画像情報121から検索する。
【0036】
なお、条件の指定は、車載装置30の入力部33への入力によって行われてもよいし、ネットワークNに接続されたユーザの端末から行われてもよい。
【0037】
提供部132は、特定部131によって特定された画像を、車載装置30に提供する。
例えば、提供部132は、特定部131によって特定された画像を、通信部11を介して車載装置30に送信する。提供部132は、動画像のデータを全て一括で送信してもよいし、ストリーム配信により動画像を提供してもよい。
【0038】
図3に示すように、車載装置30は、通信部31、表示部32、入力部33、記憶部34及び制御部35を有する。
【0039】
ここで、車載装置30の各部は、表示部32を除き、車両Vの任意の位置に配置されていてよい。表示部32は、座席の窓と一体化されるため、窓と同じ位置に配置されることになる。
【0040】
通信部31は、ネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う。例えば、通信部31はNICである。
【0041】
表示部32は、座席の窓と一体化されたディスプレイである。表示部32は、窓としても機能する透明のディスプレイであってもよいし、窓に重ねられた所定の素材(例えば布)のスクリーンであって、投影された画像を表示するものであってもよい。なお、表示部32は、透明でないディスプレイであってもよい。
【0042】
入力部33は、車載装置30にデータを入力するためのインタフェースである。入力部33は、マウス及びキーボード等の入力装置と接続されていてもよい。
【0043】
また、表示部32及び入力部33は、画面の表示及び入力操作の両方が可能なタッチパネルディスプレイであってもよい。
【0044】
記憶部34は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部34は、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAM等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
【0045】
記憶部34は、情報提供装置10で実行されるOSや各種プログラムを記憶する。
【0046】
また、制御部35は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。
【0047】
また、制御部35は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部35は、送信制御部351及び表示制御部352を有する。
【0048】
送信制御部351は、ユーザによって入力された条件を、通信部31を介して情報提供装置10に送信する。
【0049】
表示制御部352は、提供部132によって提供された画像を座席の窓、すなわち表示部32に表示させる。
【0050】
図5及び
図6を用いて、表示部32による画像表示について説明する。
図5及び
図6は、画像表示の例を示す図である。
【0051】
図5の左側には、画像が表示される前の表示部32が示されている。ここでは、表示部32として機能する窓には実際の景色が写っている。
【0052】
一方で、
図5の右側には、情報提供装置10によって提供された画像が表示された表示部32が示されている。
図5の左側と右側とでは、表示部32に写っている景色の季節が異なる。
【0053】
例えば、ユーザは、12月のある日の午前10時台に、品川駅から新横浜駅に向かって走行する車両Vの右側の座席に乗っており、車載装置30に対し、日時が「3月」であることを意味する条件を入力したものとする。
【0054】
例えば、ユーザは、12月には既に葉が落ちてしまった木に葉が付いているところが見たいと思い、日時として「3月」を指定することが考えられる。
【0055】
この場合、車載装置30の送信制御部351は、条件が「日時が「3月」」であること、車両Vが品川駅から新横浜駅に向かっていること、ユーザが右側の座席を利用していることを示す情報を情報提供装置10に送信する。
【0056】
情報提供装置10の特定部131は、受信した情報を基に画像情報121を検索して画像ファイル「23_03_10_R.mp4」を得る。そして、提供部132は、画像ファイル「23_03_10_R.mp4」を画像データ122から取得し、車載装置30に提供する。なお、このとき日時の「10:00-11:00」という条件は、現在日時から自動的に補われるものとする。
【0057】
ここで、
図5の右側に示すように、車載装置30の表示制御部352は、提供された画像ファイル「23_03_10_R.mp4」の画像を表示部32に表示させる。
【0058】
また、
図6の左側には、
図5と同様に、画像が表示される前の表示部32が示されている。ここでは、表示部32として機能する窓には実際の景色が写っている。
【0059】
そして、
図6の右側には、情報提供装置10によって提供された画像が表示された表示部32が示されている。
図5の左側と右側とでは、表示部32に写っている景色の時間帯が異なる。
【0060】
例えば、ユーザは、3月の日没時刻に近い18:00頃に、京都駅から新大阪駅に向かって走行する車両Vの右側の座席に乗っており、車載装置30に対し、日時が「10:00-11:00」であることを意味する条件を入力したものとする。
【0061】
例えば、ユーザは、現在見ている景色の午前中の様子を見てみたいと思い、日時として「10:00-11:00」を指定することが考えられる。
【0062】
この場合、車載装置30の送信制御部351は、条件が「日時が「10:00-11:00」」であること、車両Vが京都駅から新大阪駅に向かっていること、ユーザが右側の座席を利用していることを示す情報を情報提供装置10に送信する。
【0063】
情報提供装置10の特定部131は、受信した情報を基に画像情報121を検索して画像ファイル「56_03_10_R.mp4」を得る。そして、提供部132は、画像ファイル「56_03_10_R.mp4」を画像データ122から取得し、車載装置30に提供する。なお、このとき日時の「3月」という条件は、現在日時から自動的に補われるものとする。
【0064】
ここで、
図5の右側に示すように、車載装置30の表示制御部352は、提供された画像ファイル「56_03_10_R.mp4」の画像を表示部32に表示させる。
【0065】
また、表示制御部352は、車両Vの移動に連動させて画像を表示させることができる。例えば、画像情報121の「23_03_10_R.mp4」は、車両Vが品川駅から新横浜駅に向かって走行している際の景色を出発から到着までの間に撮影した動画像ファイルであるものとする。
【0066】
ここで、表示制御部352は、実際に車両Vが品川駅から新横浜駅に向かって走行している際に動画像「23_03_10_R.mp4」を表示する場合、車両Vが品川駅を出発してから経過した時間と同じ時間だけ、動画像「23_03_10_R.mp4」の再生位置を開始位置から進めた上で表示する。
【0067】
さらに、表示制御部352は、車両Vの詳細な位置に連動させて動画像の再生位置を決定してもよい。例えば、表示制御部352は、車両Vが駅を出発してから走行した距離に応じて再生位置を決定する。これにより、車載装置30は、駅間で車両Vの走行速度が変化したり、車両Vが停止した場合であっても、車両Vの位置に合わせて動画像の再生位置を調整することができる。
【0068】
[第1の実施形態の処理]
図7は、第1の実施形態に係る車載装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、車載装置30は、車両Vの座席を利用しているユーザから条件の入力を受け付ける(ステップS101)。次に、車載装置30は、条件及び位置情報を情報提供装置10に送信する(ステップS102)。
【0069】
そして、車載装置30は、情報提供装置10から受信した画像を、ユーザの座席に対応する車窓(座席に備えられた窓)に表示する(ステップS103)。
【0070】
図8は、第1の実施形態に係る情報提供装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、情報提供装置10は、車載装置30から受信した条件及び位置情報を基に表示する画像を特定する(ステップS201)。そして、情報提供装置10は、特定した画像を車載装置30に送信する(ステップS202)。
【0071】
[第1の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、特定部131は、車両Vの座席の窓から見える景色の画像の中から、座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定する。提供部132は、特定部131によって特定された画像を、車載装置30に提供する。表示制御部352は、提供部132によって提供された画像を座席の窓に表示させる。このように、ユーザが指定した条件に合った画像を特定することにより、ユーザが所望する画像を車両の座席の窓に表示させることができる。
【0072】
特定部131は、ユーザによって指定された条件に合致する画像であって、車両Vの位置に対応付けられた画像を特定する。これにより、車両Vの走行中の位置の異なる態様の景色をユーザに提供することができる。
【0073】
特定部131は、ユーザによって指定された時季及び時刻に関する条件に合致する画像を特定する。これにより、例えば朝日や夕日のような特定の時間帯にしか見られない景色、又は開花した桜のような特定の時季にしか見られない景色をユーザに提供することができる。
【0074】
表示制御部352は、車両Vの移動に連動させて画像を表示させる。これにより、より自然な態様でユーザに画像を提供することができる。
【0075】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。なお、プログラムは、CPUだけでなく、GPU等の他のプロセッサによって実行されてもよい。
【0076】
例えば、車載装置30が情報提供装置10の機能を含んでいてもよい。この場合、車載装置30は、画像情報121と画像データ122と同等の情報を記憶する。そして、車載装置30は、車両Vの座席の窓から見える景色の画像の中から、座席を利用しているユーザによって指定された条件に合致する画像を特定し、特定した画像を座席の窓に表示させる。
【0077】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0078】
[プログラム]
一実施形態として、情報提供装置10及び車載装置30は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の表示制御処理を実行する表示制御プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の表示制御プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を情報提供装置10及び車載装置30として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0079】
また、情報提供装置10は、車載装置30をクライアントとし、当該クライアントに上記の表示制御処理に関するサービスを提供するサーバ装置として実装することもできる。例えば、サーバ装置は、ユーザの指定した条件を入力とし、特定した画像を出力とするサービスを提供するサーバ装置として実装される。この場合、サーバ装置は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の表示制御処理に関するサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
【0080】
図9は、表示制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0081】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0082】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、情報提供装置10及び車載装置30の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、情報提供装置10及び車載装置30における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。
【0084】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0085】
V 車両
1 表示制御システム
10 情報提供装置
11、31 通信部
12、34 記憶部
13、35 制御部
20 鉄道事業者サーバ
30 車載装置
32 表示部
33 入力部
121 画像情報
122 画像データ
131 特定部
132 提供部
351 送信制御部
352 表示制御部