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特開2023-79208エリアアレイ検出器、検出方法および対応するコンテナ/車両検査システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079208
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】エリアアレイ検出器、検出方法および対応するコンテナ/車両検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01T 7/00 20060101AFI20230531BHJP
   G01N 23/04 20180101ALI20230531BHJP
   G01N 23/046 20180101ALI20230531BHJP
   G01N 23/10 20180101ALI20230531BHJP
   G01T 1/20 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
G01T7/00 A
G01N23/04
G01N23/046
G01N23/10
G01T1/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022187902
(22)【出願日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】202111422301.X
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515221794
【氏名又は名称】ヌクテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】タン,リンシア
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,シャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ウェイビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジュンシャオ
【テーマコード(参考)】
2G001
2G188
【Fターム(参考)】
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA01
2G001DA06
2G001DA07
2G001HA13
2G001HA14
2G001JA11
2G001KA06
2G001LA10
2G188AA02
2G188AA25
2G188BB02
2G188BB04
2G188CC18
2G188DD05
2G188DD11
2G188DD23
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】本開示は、エリアアレイ検出器、検出方法、および対応するコンテナ/車両検査システムを提供し、光線走査の分野に関する。コンテナ/車両検査システムのためのエリアアレイ検出器は、第1の検出器アセンブリが、他の第2の検出器アセンブリと異なる、複数の疎らに配置された検出器アセンブリと、複数の検出器アセンブリを支持し且つ取り付けるためのバックプレーンとを含み、それによって、複数の走査モードをサポートするエリアアレイ検出器が可能にされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ/車両検査システムのためのエリアアレイ検出器であって、
第1の検出器アセンブリが他の第2の検出器アセンブリと異なる、複数の疎らに配置された検出器アセンブリと、
前記複数の検出器アセンブリを支持し且つ取り付けるためのバックプレーンと、を特徴とする、
エリアアレイ検出器。
【請求項2】
前記第1の検出器アセンブリおよび前記第2の検出器アセンブリは、異なるシンチレータアレイを有することを特徴とする、請求項1に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項3】
前記第1の検出器アセンブリおよび前記第2の検出器アセンブリの前記シンチレータアレイは、画素サイズまたは材料のうちの少なくとも1つにおいて異なることを特徴とする、請求項1に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項4】
予め設定された数の隣接して配置される検出器アセンブリが、全て封止された構造を持つ1つの独立した検出器ユニットを形成するように、1つの検出器ハウジングの内側に配置され、前記検出器ユニットは、前記バックプレーンと共に封止取り付けされることを特徴とする、請求項1に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項5】
前記予め設定された数は、2を含むことを特徴とする、請求項4に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項6】
充填材アセンブリを更に含み、該充填材アセンブリおよび該充填材アセンブリに隣接して配置される検出器アセンブリは、全て封止された構造を持つ1つの独立した検出器ユニットを形成するように、1つの検出器ハウジングの内側に配置され、前記検出器ユニットは、前記バックプレーンと共に封止取り付けされることを特徴とする、請求項4に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項7】
前記バックプレーンは、平面バックプレーンまたは曲面バックプレーンであることを特徴とする、請求項1に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項8】
前記曲面バックプレーンの場合、前記複数の検出器アセンブリは、前記曲面バックプレーンの曲面に配置されるので、前記複数の検出器アセンブリの検出感応面が湾曲させられ、前記曲面の中央エリアに配置される光線源と整列させられることを特徴とする、請求項7に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項9】
前記第1の検出器アセンブリの前記シンチレータアレイの第1の画素サイズが、前記第2の検出器アセンブリの前記シンチレータアレイの第2の画素サイズよりも少ないことを特徴とする、請求項3に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項10】
複数のエリアアレイ検出器が、より大きなエリアアレイ検出器に継ぎ合わされることを特徴とする、請求項1~9のうちのいずれか1項に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項11】
前記複数の検出器アセンブリの検出データを取得し、異なる走査モードに従って、対応する走査モードにおける撮像のために前記第1の検出器アセンブリの前記検出データまたは全ての前記検出器アセンブリの前記検出データを出力する、ように構成される、データ取得回路基板を更に含む、ことを特徴とする、請求項1に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項12】
前記データ取得回路基板は、デジタルX線撮影法DR走査モードにおけるDR撮像のために、前記第1の検出器アセンブリの前記検出データを出力し、コンピュータ断層撮影法CT走査におけるCT撮像のために、全ての前記検出器アセンブリの前記検出データを出力する、ように構成される、或いは
前記データ取得回路基板は、全ての前記検出器アセンブリの前記検出データを出力する前に、前記第1の検出器アセンブリおよび前記第2の検出器アセンブリの前記検出データを処理して、画素分割または画素結合によって同じ画素サイズにするように構成されることを特徴とする、請求項11に記載のエリアアレイ検出器。
【請求項13】
請求項1~12のうちのいずれか1項に記載のエリアアレイ検出器を含む、コンテナ/車両検査システム。
【請求項14】
複数の疎らに配置された検出器アセンブリの検出データを取得することであって、前記複数の検出器アセンブリにおける第1の検出器アセンブリは、他の第2の検出器アセンブリと異なる、取得することと、
異なる走査モードに従って、対応する撮像モードにおける撮像のために、前記第1の検出器アセンブリの前記検出データまたは全ての前記検出器アセンブリの前記検出データを出力することと、を含むことを特徴とする、
検出方法。
【請求項15】
DR走査モードの場合、前記第1の検出器アセンブリの前記検出データは、DR撮像のために出力され、CT走査モードの場合、全ての前記検出器アセンブリの前記検出データは、CT撮像のために出力されることを特徴とする、請求項14に記載の検出方法。
【請求項16】
前記DR走査モードが先ず行われ、識別するのが困難な不審物が見出されるときに、前記CT走査モードに切り替えられることを特徴とする、請求項15に記載の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本開示は、2021年11月26日に出願された中国特許出願第202111422301.Xに基づき、その優先権を主張するものであり、その全文が参照により本開示に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、光線走査(ray scanning)の分野、特に、コンテナ/車両検査システム(container/vehicle inspection system)のためのエリアアレイ検出器(area array detector)、エリアアレイ検出器を使用するコンテナ/車両検査システム、および対応する検出方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術には、DR(デジタルX線撮影法(Digital Radiography))走査用の検出器があり、CT(コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography))走査用の検出器がある。DR走査用の検出器は、より少ない検出器列(detector rows)内にあり、検出器の列は、連続的に配置される。CT走査用の検出器は、全体的なサイズが小さく、検出器の列は、同じシンチレータを使用する。検出機器の各種類は、1つの走査モードをサポートする。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態では、コンテナ/車両検査システムのためのエリアアレイ検出器が提供され、コンテナ/車両検査システムは、バックプレーンを通じて複数の疎らに配置された検出器アセンブリを支持し、第1の検出器アセンブリは、他の第2の検出器アセンブリと異なる。第1の検出器アセンブリの検出データまたは全ての検出器アセンブリの検出データは、対応する走査モードにおける撮像のために、走査モードの必要性に従って出力されることができ、それによって、複数の走査モードをサポートするエリアアレイ検出器が可能にされる。
【0005】
本開示の幾つかの実施形態では、コンテナ/車両検査システムのためのエリアアレイ検出器が提供され、エリアアレイ検出器は、第1の検出器アセンブリが他の第2の検出器アセンブリと異なる、複数の疎らに配置された検出器アセンブリと、複数の検出器アセンブリを支持し且つ取り付けるためのバックプレーンとを含む。
【0006】
幾つかの実施形態において、第1の検出器アセンブリおよび第2の検出器アセンブリは、異なるシンチレータアレイを有する。
【0007】
幾つかの実施形態において、第1の検出器アセンブリおよび第2の検出器アセンブリのシンチレータアレイは、画素サイズまたは材料のうちの少なくとも1つにおいて異なる。
【0008】
幾つかの実施形態では、予め設定された数の隣接して配置される検出器アセンブリが、全て封止された構造を持つ1つの独立した検出器ユニットを形成するように、1つの検出器ハウジングの内側に配置され、検出器ユニットは、バックプレーンと共に封止取り付けされる。
【0009】
幾つかの実施形態において、予め設定された数は、2を含む。
【0010】
幾つかの実施形態において、エリアアレイ検出器は、充填材(フィラー)アセンブリを更に含み、充填材アセンブリおよび充填材アセンブリに隣接して配置される検出器アセンブリは、全て封止された構造を持つ1つの独立した検出器ユニットを形成するように、1つの検出器ハウジングの内側に配置され、検出器ユニットは、バックプレーンと共に封止取り付けされる。
【0011】
幾つかの実施形態において、バックプレーンは、平面バックプレーンまたは曲面バックプレーンである。
【0012】
幾つかの実施形態において、曲面バックプレーンの場合、複数の検出器アセンブリは、曲面バックプレーンの曲面に配置されるので、複数の検出器アセンブリの検出感応面が湾曲させられ、曲面の中央エリアに配置される光線源と整列させられる。
【0013】
幾つかの実施形態では、第1の検出器アセンブリのシンチレータアレイの第1の画素サイズが、第2の検出器アセンブリのシンチレータアレイの第2の画素サイズよりも少ない。
【0014】
幾つかの実施形態では、複数のエリアアレイ検出器が、より大きなエリアアレイ検出器に継ぎ合わされる。
【0015】
幾つかの実施形態において、エリアアレイ検出器は、複数の検出器アセンブリの検出データを取得し、異なる走査モードに従って、対応する走査モードにおける撮像のために、第1の検出器アセンブリの検出データまたは全ての検出器アセンブリの検出データを出力する、ように構成される、データ取得回路基板を更に含む。
【0016】
幾つかの実施形態において、データ取得回路基板は、デジタルX線撮影法DR走査モードにおけるDR撮像のために、第1の検出器アセンブリの検出データを出力し、コンピュータ断層撮影法CT走査におけるCT撮像のために、全ての検出器アセンブリの検出データを出力する、ように構成される。
【0017】
本開示の幾つかの実施形態では、エリアアレイ検出器を含む、コンテナ/車両検査システムが提供される。
【0018】
本開示の幾つかの実施形態では、検出方法が提供され、検出方法は、複数の疎らに配置された検出器アセンブリの検出データを取得することであって、複数の検出器アセンブリにおける第1の検出器アセンブリは、他の第2の検出器アセンブリと異なる、取得することと、異なる走査モードに従って、対応する撮像モードにおける撮像のために、第1の検出器アセンブリの検出データまたは全ての検出器アセンブリの検出データを出力することとを含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、、DR走査モードの場合、第1の検出器アセンブリの検出データは、DR撮像のために出力され、CT走査モードの場合、全ての検出器アセンブリの検出データは、CT撮像のために出力される。
【0020】
幾つかの実施形態では、DR走査モードが先ず行われ、識別するのが困難な不審物が見出されるときに、CT走査モードに切り替えられる。
【0021】
実施形態または関連技術の記述において使用される必要がある添付図面を以下に簡単に記載する。本開示は、添付図面を参照して進行する以下の詳細な記述に従ってより明確に理解されるであろう。
【0022】
以下の記述における図面は本開示の単に幾つかの実施形態であること、および創造的努力を払うことなく当業者の通常の技能によってこれらの図面から他の図面も導き出し得ることが、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の幾つかの実施形態によるエリアアレイ検出器の正面図を示している。
【0024】
図2】本開示の幾つかの実施形態によるエリアアレイ検出器の側面図を示している。
【0025】
図3】本開示の幾つかの実施形態による他の検出器アセンブリとは異なる検出器アセンブリを有するエリアアレイ検出器の概略図を示している。
【0026】
図4】本開示の幾つかの実施形態による検出器ユニットの概略図を示している。
図5】本開示の幾つかの実施形態による検出器ユニットの概略図を示している。
【0027】
図6】本開示の幾つかの実施形態によるバックプレーンと共に取り付けられた検出器ユニットの概略図を示している。
【0028】
図7】本開示の幾つかの実施形態による曲面バックプレーンに配置された複数の検出器アセンブリの概略図を示している。
【0029】
図8】本開示の幾つかの実施形態に従って継ぎ合わされ(spliced)、結合され(組み合わされ)(combine)且つ配置された(arranged)複数のエリアアレイ検出器の概略図を示している。
【0030】
図9】本開示の幾つかの実施形態による検出方法の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の実施形態における技術的な解決策は、本開示の実施形態における図面を参照して、以下に明確かつ完全に説明される。
【0032】
特に明記されない限り、本開示における「第1」、「第2」などの記述は、異なるオブジェクト(物体)を区別するために使用され、サイズ(大きさ)またはタイミングなどの意味を示すために使用されていない。
【0033】
図1は、本開示の幾つかの実施形態によるエリアアレイ検出器(area array detector)の正面図を示している。
【0034】
図2は、本開示の幾つかの実施形態によるエリアアレイ検出器の側面図を示している。
【0035】
図1及び図2に示されるように。この実施形態のエリアアレイ検出器は、例えば、データ取得回路基板1、バックプレーン2、複数の疎らに配列された検出器アセンブリ3などを含む。バックプレーン2は、複数の検出器アセンブリ3及びデータ取得回路基板1を支持し且つ取り付けるために使用される。検出器アセンブリの数及び異なる検出器アセンブリ間の空間は、実際の業務上の必要性に従って構成され且つ調整されることができる。
【0036】
疎らに配置された複数の検出器アセンブリ3では、第1の検出器アセンブリ32が、他の第2の検出器アセンブリ31とは異なり、例えば、それらは、異なるシンチレータアレイを有する。第1の検出器アセンブリ32および各第2の検出器アセンブリ31のシンチレータアレイは、ピクセルサイズまたは材料のうちの少なくとも1つにおいて異なる。例えば、第1の検出器アセンブリ32は、第1の画素サイズにあるシンチレータアレイと、整合した光電子工学デバイス(optoelectronic device)とを含み、第2の検出器アセンブリ31は、第2の画素サイズにあるシンチレータアレイと、整合した光電子工学デバイスとを含み、第1の画素サイズは、第2の画素サイズ未満であり、例えば、第1の画素サイズは、第2の画素サイズの1/4であるので、より高い解像度の撮像が、より小さい画素サイズにある検出器アセンブリを使用することによって達成される。第1の検出器アセンブリ32のシンチレータアレイは、例えば、GAGG(ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(Gadolinium Aluminum Gallium Garnet))シンチレータアレイである。第2の検出器アセンブリ31のシンチレータアレイは、例えば、ヨウ化セシウム(cesium iodide)シンチレータアレイである。図3を参照すると、第1の検出器アセンブリ32が第1の列に配置されている概略図が示されているが、第1の検出器アセンブリ32の配置場所は、本開示において限定されないことが理解される。
【0037】
図4図6に示されるように、予め設定された数の(例えば、2つの)隣接して配置された検出器アセンブリ3が、1つの検出器ハウジング4の内側に配置され、均一に分配されたシーリング取付穴6を通じて封止されて(sealed)、全封止された構造(all-sealed structureを持つ1つの独立した検出器ユニット5が形成される。検出器ユニット5は、ネジ8を用いることによって封止された構造を持つネジ穴7を通じてバックプレーン2と共に封止取り付けされる(seal mounted)。
【0038】
この封止された構造は、検出器ユニット5内のシンチレータアレイ、フォトダイオードおよび関連する電子デバイスを、使用環境における水、空気、煙、霧などから隔離させ、それはエリアアレイ検出器の信頼性を向上させることができるので、エリアアレイ検出器は、沿岸の港などのような場所で長時間に亘って確実に動作することができる。検出器ユニット5は、独立した封止された構造を有し、エリアアレイ検出器全体の機能に影響を与えることなく追加、削減または交換されることができ、異なるビジネスシステムの必要性に適用されるように異なる構造に組み入れられることができるので、それは生産および製造においてより柔軟であり且つ経済的である。
【0039】
図6に示されるように、エリアアレイ検出器は、充填材センブリ9(filler assembly)を更に含み、充填材(フィラー)は、プラスチックのようなより軽い物質であることができる。充填材センブリ9および充填材アセンブリに隣接して配置された検出器アセンブリ3は、1つの検出器ハウジング4の内側に配置されて、全封止された構造を持つ1つの独立した検出器ユニット5が形成され、検出器ユニット5も、バックプレーン2と共に封止取り付けされる。2つの検出器アセンブリ3が隣接して配置され、その検出器ハウジング4が全封止された構造を持つ1つの独立した検出器ユニット5を形成するならば、検出器アセンブリ3の数が奇数のときに、1つの充填材アセンブリ9が設けられることができ、充填材アセンブリ9および充填材アセンブリに隣接して配置された検出器アセンブリ3は、1つの検出器ハウジング4の内側に配置されて、全封止された構造を持つ1つの独立した検出器ユニット5が形成される。
【0040】
加えて、検出器ユニット5において、各検出器アセンブリ3から検出信号を取得してデジタル化するために、マルチチャネル電流入力(multi-channel current input)アナログデジタル変換器(ADC:analog-to-digital converter)を含めることもできる。
【0041】
前述の実施形態に示されるバックプレーン2は、全て、平面(planar)バックプレーンであるが、バックプレーン2は、曲面(curved)バックプレーンであることもできる。図7に示されるように、バックプレーン2が曲面バックプレーンである場合、複数の検出器アセンブリ31および32は、曲面バックプレーンの曲面に配置され、複数の検出器アセンブリ31および32の検出感応面は、湾曲させられて、曲面の中央エリアに位置する光線源(ray source)と整列させられる。これは光線ビーム(ray beam)が各検出結晶(detection crystal)の画素中心に直接照射されることを可能にするので、散乱クロストークが低減され、撮像品質が向上させられる。
【0042】
データ取得回路基板1は、複数の検出器アセンブリの検出データを取得し、異なる走査モードに従って、対応する走査モードにおける撮像のために、第1の検出器アセンブリ32の検出データまたは全ての検出器アセンブリ3の検出データを出力する、ように構成される。
【0043】
例えば、データ取得回路基板1は、高速で高品質な撮像を達成でき、より高速な走査のために使用し得る、DR走査モードにおけるDR撮像のために、第1の検出器アセンブリ32の検出データを出力し、より短い走査時間でより多くの検出データを取得できる、CT撮像モードにおけるCT撮像のために、全ての検出器アセンブリの検出データを出力する、ように構成される。
【0044】
業務上の必要性に従って走査モードを切り替えることができる。例えば、DR走査を先ず行い、画像中に判別しにくい不審物があるときには、走査をCTモードに切り替えて、画像を再構成し、より詳細な物質構造を見出す。従って、2つのセットの機器の機能を1つのセットの機器で実現でき、それは検出されるオブジェクトの特性に従って動作モードを選択でき、検出されるオブジェクトを二次元および三次元から同時に確認し且つ分析して、異なる次元からより包括的な物質情報を取得できるので、それはより高い物質識別能力を有する。
【0045】
第1の検出器アセンブリ32および第2の検出器アセンブリ31のシンチレータアレイが画素サイズにおいて異なる場合、データ取得回路基板1は、全ての検出器アセンブリの検出データを出力する前に、第1の検出器アセンブリ32および第2の検出器アセンブリ31の検出データを画素分割(pixel division)または画素結合(pixel combination)によって同じ画素サイズに処理するように更に構成される。
【0046】
例えば、第1の検出器アセンブリ32のシンチレータアレイの第1の画素サイズが、第2の検出器アセンブリ31のシンチレータアレイの第2の画素サイズの1/4であるときに、第1の検出器アセンブリ32の検出データに対応するあらゆる4画素は、第2の検出器アセンブリ31の検出データに対応する各画素とサイズが一致するように、出力のために1画素に結合され、それによって、CT画像データの完全性(integrity)が維持され、DR撮像が画素のみを出力するときの小さい画素サイズの故に、撮像がより鮮明にされる。
【0047】
データ取得回路基板1は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)または他のプログラム可能なデバイスに基づいて実装されることができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、複数のエリアアレイ検出器が、組み合わせにおいて使用されることもでき、複数のエリアアレイ検出器は、より大きなエリアアレイ検出器に継ぎ合わされる(spliced)。図8に示めされるように、複数のエリアアレイ検出器は、十分な長さのエリアアレイを形成するように、水平にシームレスに配置される。従って、より高い物質識別能力を有するように、より多くの検出データをより短い走査時間で得るために、検出は共同で行われる。
【0049】
上記実施形態におけるエリアアレイ検出器またはそれらの組み合わせは、コンテナ/車両検査システムのような大型製品、例えば、X線/ガンマ線コンテナ/車両のためのCT/DR検査機器において使用されることができる。すなわち、コンテナ/車両検査システムは、上記実施形態におけるエリアアレイ検出器またはそれらの組み合わせを含む。エリアアレイ検出器またはそれらの組み合わせに加えて、コンテナ/車両検査システムは、特定の線量(dose)および特定のエネルギを持つX線またはガンマ線を発生させるための加速器と、エリアアレイ検出器から出力される電気信号をデジタル画像信号に変換するための画像取得デバイスとをさらに含むことができる。
【0050】
図9に示されるように、本開示の幾つかの実施形態では、対応する検出方法が更に提供され、検出方法は、複数の疎らに配置された検出器アセンブリの検出データを取得することであって、複数の検出器アセンブリにおける第1の検出器アセンブリは、他の第2の検出器アセンブリと異なる、取得すること(S91)と、異なる走査モードに従って、対応する走査モードにおける撮像のために、第1の検出器アセンブリの検出データまたは全ての検出器アセンブリの検出データを出力すること(S92)とを含む。例えば、DR走査モードの場合、第1の検出器アセンブリの検出データは、DR撮像のために出力され、CT走査モードの場合は、全ての検出器アセンブリの検出データは、CT撮像のために出力される。加えて、上述のように、業務上のニーズに従って、走査モードを切り替えることができる。例えば、DR走査が先ず行われ、画像中で区別するのが困難な不審物があるときには、走査のためにCTモードに切り替えられる。
【0051】
上記記述は、本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示を限定するために使用されるものでなく、本開示の精神及び原理の範囲内でなされる修正、均等な置換、改良などは、本開示の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】