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特開2023-79228アイウェアデバイス用の軟骨伝導オーディオシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079228
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】アイウェアデバイス用の軟骨伝導オーディオシステム
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/04 20060101AFI20230531BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20230531BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20230531BHJP
   H04R 9/06 20060101ALI20230531BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20230531BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20230531BHJP
   H04R 1/26 20060101ALI20230531BHJP
   H04R 23/02 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
H04R3/04
H04R17/00
H04R3/00 310
H04R9/06 Z
H04R1/00 317
H04R1/02 103Z
H04R1/02 107
H04R1/26
H04R23/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023022621
(22)【出願日】2023-02-16
(62)【分割の表示】P 2020506153の分割
【原出願日】2018-08-09
(31)【優先権主張番号】15/680,836
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, アントニオ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】メーラ, ラビッシュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アイウェアデバイスで使用するための軟骨伝導オーディオシステムを提供する。
【解決手段】アイウェアデバイス100は、軟骨伝導オーディオシステムであって、変換器アセンブリ120と、音響センサ125と、コントローラ130とを含む。変換器アセンブリは、ユーザの耳の耳介の後ろに結合される。変換器アセンブリは、耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって耳介を振動させる。音響センサは、ユーザの耳の入口における音圧波を検出する。コントローラは、検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを動的に調節し、調節された周波数応答モデルを使用して振動命令を更新し、更新された振動命令を変換器アセンブリに提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリであって、前記耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって前記耳介を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含む変換器アセンブリと、
前記ユーザの前記耳の入口における前記音圧波を検出するように構成された音響センサと、
コントローラであって、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを動的に調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ように構成されたコントローラと
を備えるオーディオシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの変換器が圧電変換器である、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項3】
前記変換器アセンブリが、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成され、前記変換器アセンブリが、第1の変換器および第2の変換器を含み、前記第1の変換器が、前記周波数範囲の第1の部分を提供するように構成され、前記第2の変換器が、前記周波数範囲の第2の部分を提供するように構成された、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項4】
前記第2の変換器が可動コイル変換器である、請求項3に記載のオーディオシステム。
【請求項5】
前記音響センサが、外耳道の入口における前記音圧波を感知するように構成されたマイクロフォンである、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項6】
前記音響センサが、前記耳介の第3の部分に結合される振動センサであって、前記ユーザの前記耳の前記入口における前記音圧波に対応する前記耳介の振動を感知するように構成された振動センサである、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、逆関数を計算し、前記検出された音圧波に前記逆関数を適用することにより、前記検出された音圧波に部分的に基づき前記周波数応答モデルを調節する、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項8】
前記オーディオシステムがアイウェアデバイスの一部である、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項9】
前記オーディオシステムが、前記調節された周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号を使用する、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項10】
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリであって、前記耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって前記耳介を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含む変換器アセンブリと、
コントローラであって、
周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、前記振動命令を生成し、
前記振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ように構成されたコントローラと
を備えるアイウェアデバイス。
【請求項11】
前記ユーザの前記耳の入口における前記音圧波を検出するように構成された音響センサをさらに備え、
前記コントローラが、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、前記周波数応答モデルを動的に調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ようにさらに構成された、請求項10に記載のアイウェアデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの変換器が圧電変換器である、請求項11に記載のアイウェアデバイス。
【請求項13】
前記変換器アセンブリが、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成され、前記変換器アセンブリが、第1の変換器および第2の変換器を含み、前記第1の変換器が、前記周波数範囲の第1の部分を提供するように構成され、前記第2の変換器が、前記周波数範囲の第2の部分を提供するように構成された、請求項11に記載のアイウェアデバイス。
【請求項14】
前記第1の変換器が圧電変換器であり、前記第2の変換器が可動コイル変換器である、請求項13に記載のアイウェアデバイス。
【請求項15】
前記音響センサが、外耳道の入口における前記音圧波を感知するように構成されたマイクロフォンである、請求項11に記載のアイウェアデバイス。
【請求項16】
前記音響センサが、前記耳介の第3の部分に結合される振動センサであって、前記ユーザの前記耳の前記入口における前記音圧波に対応する前記耳介の振動を感知するように構成された振動センサである、請求項11に記載のアイウェアデバイス。
【請求項17】
前記コントローラが、逆関数を計算し、前記検出された音圧波に前記逆関数を適用することにより、前記検出された音圧波に部分的に基づき前記周波数応答モデルを調節する、請求項11に記載のアイウェアデバイス。
【請求項18】
前記調節された周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号が使用される、請求項11に記載のアイウェアデバイス。
【請求項19】
前記ユーザの前記耳の入口における前記音圧波を検出するように構成された音響センサであって、前記音響センサが、前記ユーザのキャリブレーションのために前記アイウェアデバイスに一時的に結合され、前記ユーザのキャリブレーションが完了したことに応答して、前記音響センサが前記アイウェアデバイスから外されてもよい、音響センサをさらに備え、
前記コントローラが、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、前記周波数応答モデルを調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ようにさらに構成された、請求項11に記載のアイウェアデバイス。
【請求項20】
実行可能なコンピュータプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令が、
周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、振動命令を生成し、
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリに、前記振動命令を提供し、
前記ユーザの前記耳の入口における音波圧を検出し、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、前記周波数応答モデルを調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ための命令を含む、非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項21】
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリであって、前記耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって前記耳介を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含む変換器アセンブリと、
前記ユーザの前記耳の入口における前記音圧波を検出するように構成された音響センサと、
コントローラであって、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを動的に調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ように構成されたコントローラと
を備えるオーディオシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの変換器が圧電変換器である、請求項21に記載のオーディオシステム。
【請求項23】
前記変換器アセンブリが、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成され、前記変換器アセンブリが、第1の変換器および第2の変換器を含み、前記第1の変換器が、前記周波数範囲の第1の部分を提供するように構成され、前記第2の変換器が、前記周波数範囲の第2の部分を提供するように構成され、
任意選択で、前記第2の変換器が可動コイル変換器である、請求項21または22に記載のオーディオシステム。
【請求項24】
前記音響センサが、外耳道の入口における前記音圧波を感知するように構成されたマイクロフォンであり、かつ/または
前記音響センサが、前記耳介の第3の部分に結合される振動センサであって、前記ユーザの前記耳の前記入口における前記音圧波に対応する前記耳介の振動を感知するように構成された振動センサである、請求項21から23のいずれか一項に記載のオーディオシステム。
【請求項25】
前記コントローラが、逆関数を計算し、前記検出された音圧波に前記逆関数を適用することにより、前記検出された音圧波に部分的に基づき前記周波数応答モデルを調節する、請求項21から24のいずれか一項に記載のオーディオシステム。
【請求項26】
前記オーディオシステムがアイウェアデバイスの一部である、請求項21から25のいずれか一項に記載のオーディオシステム。
【請求項27】
前記オーディオシステムが、前記調節された周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号を使用する、請求項21から26のいずれか一項に記載のオーディオシステム。
【請求項28】
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリであって、前記耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって前記耳介を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含む変換器アセンブリと、
コントローラであって、
周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、前記振動命令を生成し、
前記振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ように構成されたコントローラと
を備えるアイウェアデバイス。
【請求項29】
前記ユーザの前記耳の入口における前記音圧波を検出するように構成された音響センサをさらに備え、
前記コントローラが、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、前記周波数応答モデルを動的に調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ようにさらに構成された、請求項28に記載のアイウェアデバイス。
【請求項30】
前記少なくとも1つの変換器が圧電変換器である、請求項28または29に記載のアイウェアデバイス。
【請求項31】
前記変換器アセンブリが、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成され、前記変換器アセンブリが、第1の変換器および第2の変換器を含み、前記第1の変換器が、前記周波数範囲の第1の部分を提供するように構成され、前記第2の変換器が、前記周波数範囲の第2の部分を提供するように構成され、
任意選択で、前記第1の変換器が圧電変換器であり、前記第2の変換器が可動コイル変換器である、請求項28から30のいずれか一項に記載のアイウェアデバイス。
【請求項32】
前記音響センサが、外耳道の入口における前記音圧波を感知するように構成されたマイクロフォンであり、かつ/または
前記音響センサが、前記耳介の第3の部分に結合される振動センサであって、前記ユーザの前記耳の前記入口における前記音圧波に対応する前記耳介の振動を感知するように構成された振動センサである、請求項28から31のいずれか一項に記載のアイウェアデバイス。
【請求項33】
前記コントローラが、逆関数を計算し、前記検出された音圧波に前記逆関数を適用することにより、前記検出された音圧波に部分的に基づき前記周波数応答モデルを調節し、かつ/または
前記調節された周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号が使用される、請求項28から32のいずれか一項に記載のアイウェアデバイス。
【請求項34】
前記ユーザの前記耳の入口における前記音圧波を検出するように構成された音響センサであって、前記音響センサが、前記ユーザのキャリブレーションのために前記アイウェアデバイスに一時的に結合され、前記ユーザのキャリブレーションが完了したことに応答して、前記音響センサが前記アイウェアデバイスから外されてもよい、音響センサをさらに備え、
前記コントローラが、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、前記周波数応答モデルを調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ようにさらに構成された、請求項28から33のいずれか一項に記載のアイウェアデバイス。
【請求項35】
実行可能なコンピュータプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令が、
周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、振動命令を生成し、
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリに、前記振動命令を提供し、
前記ユーザの前記耳の入口における音波圧を検出し、
前記検出された音圧波に部分的に基づき、前記周波数応答モデルを調節し、
前記調節された周波数応答モデルを使用して前記振動命令を更新し、
前記更新された振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ための命令を含む、非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、アイウェアデバイスのオーディオシステムに関し、詳細には、アイウェアデバイスで使用するための軟骨伝導オーディオシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(VR)システム、拡張現実(AR)システム、および/または複合現実(MR)システムの頭部装着型ディスプレイは、多くの場合、スピーカまたは個人オーディオデバイスなど、音をユーザに提供するための特徴を含む。これらのスピーカまたは個人オーディオデバイスは通常、耳の上に形成され耳を覆い(たとえばヘッドフォン)、または耳の中に入れられる(たとえばインイヤ式ヘッドフォンまたはイヤホン)。しかし、VRシステム、ARシステム、およびMRシステムで頭部装着型ディスプレイを着用するユーザは、外耳道が空いておりオーディオデバイスによって覆われていない状態を保つことから、恩恵を受けることができる。たとえば、耳が塞がっていないとき、ユーザは周囲の音から、より没入感の高い安全な経験をし、空間的な手がかりを受け取ることができる。アイウェアデバイスのオーディオシステムは、軽量で、人間工学的で、電力消費量が少なく、両耳間でクロストークを生じないことが望ましい。ユーザの周りの音響シーンに対して外耳道を空いた状態にしておきながら、アイウェアデバイスの全周波数(20Hz~20,000Hz)のオーディオ再生システムにこうした特徴を組み込むことは困難である。
【発明の概要】
【0003】
オーディオシステムは、変換器アセンブリと、音響センサと、コントローラとを含む。変換器アセンブリは、ユーザの外耳道が空いた状態になるように、耳の後ろに位置付けられる。変換器アセンブリは、ある周波数範囲にわたって耳介を振動させるためにユーザの耳介の後ろに結合されて、振動命令に従って音圧波を発生させる。ユーザの耳の耳介がスピーカとして使用されて、ユーザの周りの音響シーンを耳が受け取れるように、外耳道が空いた状態に維持される。音響センサは、ユーザの耳の入口における音圧波を検出する。コントローラは、検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを調節し、調節された周波数応答モデルを使用して振動命令を更新し、更新された振動命令を変換器アセンブリに提供する。したがって、個人ごとにオーディオ応答を等化するように、オーディオ応答は、検出された信号に基づきユーザごとに個別化される。オーディオシステムは、アイウェアデバイス(たとえば、眼鏡型ヘッドセット、ニアアイディスプレイ、処方眼鏡)に一体化され、ユーザの耳の後ろに位置付けられることが可能である。
【0004】
変換器アセンブリは、ある周波数範囲にわたる振動を生成するために1つまたは複数の変換器を含んでもよい。たとえば、変換器アセンブリは、周波数範囲の第1の部分にわたる振動を生成するための圧電変換器と、周波数範囲の第2の部分にわたる振動を生成するための可動コイル変換器とを含む。
【0005】
前記音響センサは、音圧波を感知するために外耳道の入口に配置されるマイクロフォンであってもよい。あるいは、音響センサは、ユーザの耳の入口における音圧波に対応する耳介の振動を感知するために、ユーザの耳の耳介に結合される振動センサであってもよい。振動センサは、圧電センサまたは加速度計であってもよい。
【0006】
本発明による実施形態は、特に、オーディオシステム、アイウェアデバイス、および記憶媒体を対象とする添付の特許請求の範囲において開示され、請求項の1つのカテゴリ、たとえばオーディオシステム、に述べる任意の特徴は、別の請求項のカテゴリ、たとえばアイウェアデバイス、記憶媒体、システム、コンピュータプログラム製品、および方法においても特許請求することができる。添付の特許請求の範囲における従属または前に戻る参照は、形式上の理由のためだけに選択される。しかし、任意の前の請求項を故意に前に戻って参照すること(特に複数従属)によりもたらされる任意の主題も、同様に特許請求することができ、それにより、添付の特許請求の範囲において選択された従属とは無関係に、請求項とその特徴の任意の組合わせが開示され、特許請求されることが可能である。特許請求することができる主題は、添付の特許請求の範囲に述べる特徴の組合わせだけではなく、特許請求の範囲における特徴の任意の他の組合わせも含み、特許請求の範囲に述べるそれぞれの特徴は、特許請求の範囲の任意の他の特徴と、または他の特徴の組合わせと組み合わせることができる。さらに、本明細書に説明または図示する任意の実施形態および特徴は、別個の請求項で、かつ/あるいは本明細書に説明もしくは図示する任意の実施形態もしくは特徴との任意の組合わせで、または添付の特許請求の範囲の任意の特徴との任意の組合わせで、特許請求することができる。
【0007】
本発明による一実施形態では、オーディオシステムは、
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリであって、耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって耳介を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含む、変換器アセンブリと、
ユーザの耳の入口における音圧波を検出するように構成された音響センサと、
コントローラであって、
検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを動的に調節し、
調節された周波数応答モデルを使用して振動命令を更新し、更新された振動命令を変換器アセンブリに提供するように構成されたコントローラと
を備えてもよい。
【0008】
少なくとも1つの変換器は、圧電変換器であってもよい。
【0009】
変換器アセンブリは、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成されてもよく、変換器アセンブリは、第1の変換器および第2の変換器を含んでもよく、第1の変換器は、周波数範囲の第1の部分を提供するように構成されてもよく、第2の変換器は、周波数範囲の第2の部分を提供するように構成されてもよい。
【0010】
第2の変換器は、可動コイル変換器であってもよい。
【0011】
音響センサは、外耳道の入口における音圧波を感知するように構成されたマイクロフォンであってもよい。
【0012】
音響センサは、耳介の第3の部分に結合される振動センサであってもよく、ユーザの耳の入口における音圧波に対応する耳介の振動を感知するように構成されてもよい。
【0013】
コントローラは、逆関数を計算することにより、検出された音圧波に部分的に基づき周波数応答モデルを調節してもよく、検出された音圧波に逆関数を適用してもよい。
【0014】
オーディオシステムは、アイウェアデバイスの一部であってもよい。
【0015】
オーディオシステムは、調節された周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号を使用してもよい。
【0016】
本発明による一実施形態では、アイウェアデバイスは、
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリであって、耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって耳介を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含む変換器アセンブリと、
コントローラであって、
周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、振動命令を生成し、
振動命令を変換器アセンブリに提供するように構成されたコントローラと
を備えてもよい。
【0017】
本発明による一実施形態では、アイウェアデバイスは、
ユーザの耳の入口における音圧波を検出するように構成された音響センサを備えてもよく、
コントローラは、
検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを動的に調節し、
調節された周波数応答モデルを使用して振動命令を更新し、更新された振動命令を変換器アセンブリに提供するようにさらに構成される。
【0018】
少なくとも1つの変換器は、圧電変換器であってもよい。
【0019】
変換器アセンブリは、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成されてもよく、変換器アセンブリは、第1の変換器および第2の変換器を含んでもよく、第1の変換器は、周波数範囲の第1の部分を提供するように構成されてもよく、第2の変換器は、周波数範囲の第2の部分を提供するように構成されてもよい。
【0020】
第1の変換器は圧電変換器であってもよく、第2の変換器は可動コイル変換器であってもよい。
【0021】
音響センサは、外耳道の入口における音圧波を感知するように構成されたマイクロフォンであってもよい。
【0022】
音響センサは、耳介の第3の部分に結合される振動センサであってもよく、ユーザの耳の入口における音圧波に対応する耳介の振動を感知するように構成されてもよい。
【0023】
コントローラは、逆関数を計算することにより、検出された音圧波に部分的に基づき周波数応答モデルを調節してもよく、検出された音圧波に逆関数を適用してもよい。
【0024】
調節された周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号が使用されてもよい。
【0025】
本発明による一実施形態では、アイウェアデバイスは、
ユーザの耳の入口における音圧波を検出するように構成された音響センサを備えてもよく、音響センサは、ユーザのキャリブレーションのためにアイウェアデバイスに一時的に結合され、ユーザのキャリブレーションが完了したことに応答して、音響センサはアイウェアデバイスから外されてもよく、
コントローラは、
検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを調節し、調節された周波数応答モデルを使用して振動命令を更新し、更新された振動命令を変換器アセンブリに提供するようにさらに構成される。
【0026】
本発明による一実施形態では、非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体は、実行可能なコンピュータプログラム命令を記憶してもよく、コンピュータプログラム命令は、
周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、振動命令を生成し、
ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合されるように構成された変換器アセンブリに、振動命令を提供し、
ユーザの耳の入口における音波圧を検出し、
検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを調節し、調節された周波数応答モデルを使用して振動命令を更新し、更新された振動命令を変換器アセンブリに提供するための命令を含んでもよい。
【0027】
本発明のさらなる実施形態では、1つまたは複数のコンピュータ読取り可能な非一時的記憶媒体は、実行されたときに、本発明による、または上述した任意の実施形態によるシステムにおいて機能するように動作可能なソフトウェアを具体化する。
【0028】
本発明のさらなる実施形態では、コンピュータ実装方法は、本発明による、または上述した任意の実施形態によるシステムを使用する。
【0029】
本発明のさらなる実施形態では、コンピュータ読取り可能な非一時的記憶媒体を備えることが好ましいコンピュータプログラム製品は、本発明による、または上述した任意の実施形態によるシステムにおいて使用される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態による、軟骨伝導オーディオシステム(オーディオシステム)を含むアイウェアデバイスの例を示す図である。
図2A】一実施形態による、変換器アセンブリと、ユーザの耳にあるマイクロフォンである音響センサとを含むアイウェアデバイスの一部分の例を示す図である。
図2B】一実施形態による、変換器アセンブリと、圧電変換器である音響センサとを含むアイウェアデバイス250の一部分の例を示す図である。
図3】一実施形態によるオーディオシステムのブロック図である。
図4】一実施形態による、軟骨伝導オーディオシステムを動作させるプロセスを示すフローチャートである。
図5】一実施形態による、軟骨伝導オーディオシステムを含むアイウェアデバイスのシステム環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面は、例示のみを目的として様々な実施形態を示す。当業者であれば、本明細書に示す構造および方法の代替実施形態が、本明細書に記載の原理から逸脱することなく利用されてもよいことを、以下の議論から容易に認識するであろう。
【0032】
ユーザの外耳道を塞がっていない状態に保ちながら、軟骨伝導を使用してユーザの耳に音を提供する軟骨伝導オーディオシステム(オーディオシステム)が開示される。このオーディオシステムは、ユーザの耳の後ろに結合される変換器を含む。変換器は、ユーザの耳(たとえば耳介、または耳殻とも呼ばれることがある)の後ろを振動させ、それによりユーザの耳の軟骨が振動して、受信したオーディオコンテンツに対応した音波が生成されることにより、音を生成する。骨伝導(たとえば頭蓋骨の骨の振動)のみを使用したものに対する、軟骨伝導を使用したオーディオシステムの利点は、たとえば両耳間のクロストークを低減すること、オーディオシステムの大きさおよび電力消費を低減すること、および人間工学を改善することを含む。軟骨伝導を使用するオーディオシステムは、骨伝導を使用するオーディオシステムと比較して同様の聴覚感覚を生じさせるために使用する結合力が少なく(たとえば、皮膚にかかる静的な一定力が少なく)、その結果ウェアラブルデバイスの快適さが改善され、このことは、一日中着用されるウェアラブルデバイスには特に望ましい。
【0033】
システムアーキテクチャ
図1は、一実施形態による、軟骨伝導オーディオシステム(オーディオシステム)を含むアイウェアデバイス100を示す例である。アイウェアデバイス100は、ユーザにメディアを提示する。一実施形態では、アイウェアデバイス100は頭部装着型ディスプレイ(HMD)であってもよい。アイウェアデバイス100により提示されるメディアの例は、1つまたは複数の画像、動画、オーディオ、またはこれらの何らかの組合わせを含む。アイウェアデバイス100は、他の構成要素のなかでもとりわけ、フレーム105、レンズ110、変換器アセンブリ120、音響センサ125、およびコントローラ130を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アイウェアデバイス100は、任意選択でセンサデバイス115も含むことができる。
【0034】
アイウェアデバイス100は、ユーザの視覚を補正もしくは増強してもよく、ユーザの目を保護してもよく、またはユーザに画像を提供してもよい。アイウェアデバイス100は、ユーザの視力の欠損を補正する眼鏡であってもよい。アイウェアデバイス100は、太陽からユーザの目を保護するサングラスであってもよい。アイウェアデバイス100は、衝撃からユーザの目を保護する安全眼鏡であってもよい。アイウェアデバイス100は、夜間にユーザの視覚を増強するための暗視デバイスまたは赤外線ゴーグルであってもよい。アイウェアデバイス100は、ユーザに向けてVR、AR、またはMRのコンテンツを作り出す頭部装着型ディスプレイであってもよい。あるいは、アイウェアデバイス100はレンズ110を含まなくてもよく、ユーザにオーディオ(たとえば音楽、ラジオ、ポッドキャスト)を提供するオーディオシステムを有するフレーム105であってもよい。
【0035】
フレーム105は、レンズ110を保持する正面部分と、ユーザに取り付けるための末端部とを含む。フレーム105の正面部分は、ユーザの鼻の上をまたいでいる。末端部(たとえば、テンプル)は、そこにユーザのこめかみが付くフレーム105の部分である。末端部の長さは、異なるユーザに合うように調節可能(たとえば、テンプルの長さが調節可能)であってもよい。また末端部は、ユーザの耳の後ろで湾曲する部分(たとえば、テンプルの先端、つる)を含んでもよい。
【0036】
レンズ110は、アイウェアデバイス100を着用しているユーザに対して光を提供する、またはそれを透過する。レンズ110は、ユーザの視力の欠損を補正しやすくするための処方レンズ(たとえば、単焦点、二焦点、および三焦点、または累進多焦点)であってもよい。処方レンズは、アイウェアデバイス100を着用しているユーザに対して周囲光を透過する。透過した周囲光は、ユーザの視力の欠損を補正するように処方レンズによって変えられてもよい。レンズ110は、太陽からユーザの目を保護するための偏光レンズまたは色付きレンズであってもよい。レンズ110は、ユーザの目に向かって導波路の端部または縁部を通って画像光が結合される導波路ディスプレイの一部としての、1つまたは複数の導波路であってもよい。レンズ110は、画像光を提供するための電子ディスプレイを含んでもよく、また電子ディスプレイからの画像光を拡大するための光学ブロックを含んでもよい。レンズ110に関するさらなる詳細事項は、図5の詳細な説明に見いだすことができる。レンズ110は、アイウェアデバイス100のフレーム105の正面部分によって保持される。
【0037】
センサデバイス115は、アイウェアデバイス100の初期位置に対するアイウェアデバイス100の現在の位置を推定する。センサデバイス115は、アイウェアデバイス100のフレーム105の一部分に位置付けられてもよい。センサデバイス115は、位置センサと慣性計測装置を含む。センサデバイス115についてのさらなる詳細事項は、図5の詳細な説明に見いだすことができる。
【0038】
アイウェアデバイス100のオーディオシステムは、変換器アセンブリ120と、音響センサ125と、コントローラ130とを含む。オーディオシステムは、ユーザの耳の耳介を振動させて音圧波を発生させることにより、ユーザにオーディオコンテンツを提供する。またオーディオシステムは、異なるユーザにわたって同様のオーディオ体験を作り出すためにフィードバックを使用する。オーディオシステムに関するさらなる詳細事項は、図3の詳細な説明に見いだすことができる。
【0039】
変換器アセンブリ120は、ユーザの耳の軟骨を振動させることによって音を発生させる。変換器アセンブリ120は、フレーム105の末端部に結合され、ユーザの耳の耳介の後ろに結合されるように構成される。耳介は、ユーザの頭部から突き出た外耳の部分である。変換器アセンブリ120は、コントローラ130から振動命令を受信する。振動命令は、コンテンツ信号、制御信号、およびゲイン信号を含んでもよい。コンテンツ信号は、ユーザに提示するためのオーディオコンテンツに基づいてもよい。制御信号は、変換器アセンブリ120、または変換器アセンブリのうちの1つもしくは複数の変換器を、有効化または無効化するために使用されてもよい。ゲインは、コンテンツ信号を増幅するために使用されてもよい。変換器アセンブリ120は、周波数範囲の異なる部分を網羅するように1つまたは複数の変換器を含んでもよい。たとえば、周波数範囲の第1の部分を網羅するために圧電変換器が使用されてもよく、周波数範囲の第2の部分を網羅するために可動コイル変換器が使用されてもよい。変換器アセンブリ120に関するさらなる詳細事項は、図3の詳細な説明に見いだすことができる。
【0040】
音響センサ125は、ユーザの耳の入口における音圧波を検出する。音響センサ125は、フレーム105の末端部に結合される。図1に示す音響センサ125は、ユーザの耳の入口に配置することができるマイクロフォンである。この実施形態では、マイクロフォンは、ユーザの耳の入口における音圧波を直接測定してもよい。あるいは、音響センサ125は、ユーザの耳殻の後ろに結合されるように構成された振動センサである。振動センサは、耳の入口における音圧波を間接的に測定してもよい。たとえば、振動センサは、耳の入口における音圧波の反射である振動を測定してもよく、かつ/またはユーザの耳の耳介において変換器アセンブリによって生成される振動を測定してもよく、それを使用して、耳の入口における音圧波が推定されてもよい。一実施形態では、外耳道の入口において生成される音圧と、耳殻で生成される振動レベルとの間のマッピングは、ユーザの代表的なサンプルに対して測定され記憶された、実験的に判定された音量である。音圧と、耳殻の振動レベルとの間のこの記憶されたマッピング(たとえば、周波数依存線形マッピング)は、振動センサからの測定された振動信号に適用され、これが、外耳道の入口における音圧の代理としての役割を果たす。振動センサは、加速度計または圧電センサとすることができる。加速度計は、圧電加速度計または静電容量式加速度計であってもよい。静電容量式加速度計は、加速力によって動かすことができる構造間の静電容量の変化を感知する。いくつかの実施形態では、音響センサ125は、キャリブレーション後にアイウェアデバイス100から取り外される。音響センサ125に関するさらなる詳細事項は、図3の詳細な説明に見いだすことができる。
【0041】
コントローラ130は、変換器アセンブリ120に振動命令を提供し、発生した音に関する情報を音響センサ125から受信し、受信した情報に基づき振動命令を更新する。振動命令は、振動をどのように発生させるかを変換器アセンブリ120に命令する。たとえば、振動命令は、コンテンツ信号(たとえば、振動を発生させるために変換器アセンブリ120に加えられる電気信号)、変換器アセンブリ120を有効化または無効化するための制御信号、およびコンテンツ信号を拡大縮小する(たとえば、変換器アセンブリ120によって生成される振動を増大または低減する)ためのゲイン信号を含んでもよい。振動命令は、コントローラ130によって生成されてもよい。コントローラ130は、ユーザに提示するためのオーディオコンテンツ(たとえば、音楽、キャリブレーション信号)をコンソールから受信し、受信したオーディオコンテンツに基づき振動命令を生成してもよい。コントローラ130は、ユーザの耳において発生した音を表す情報を、音響センサ125から受信する。一実施形態では、音響センサ125は、ユーザの耳殻の振動を測定する振動センサであり、コントローラ130は、前に記憶した圧力の周波数依存線形マッピングを振動に適用して、受信した検出振動に基づき、耳の入口における音圧波を判定する。コントローラ130は、受信した情報を、発生した音とターゲットの音(たとえばオーディオコンテンツ)とを比較するためのフィードバックとして使用し、発生した音をターゲットの音に近づけるように、振動命令を調節する。コントローラ130は、アイウェアデバイス100のフレーム105に組み込まれる。他の実施形態では、コントローラ130は異なる場所に位置付けられてもよい。たとえば、コントローラ130は、変換器アセンブリの一部であってもよく、またはアイウェアデバイス100の外部に位置付けられてもよい。コントローラ130に関するさらなる詳細事項は、図3の詳細な説明に見いだすことができる。
【0042】
図2Aは、一実施形態による、マイクロフォンである変換器アセンブリ220と、ユーザの耳にある音響センサ225とを含むアイウェアデバイス200の一部分を示す例である。アイウェアデバイス200、変換器アセンブリ220、および音響センサ225は、アイウェアデバイス100、変換器アセンブリ120、および音響センサ125の実施形態である。変換器アセンブリ220は、ユーザの耳の後ろに結合される。変換器アセンブリは、ユーザの耳の後ろを振動させて、振動命令に基づく圧力波を生成する。音響センサ225は、変換器アセンブリ220によって生成された圧力波を検出するためにユーザの耳の入口に配置されたマイクロフォンである。オーディオシステムは、検出された圧力波(たとえば発生した音)と、ターゲットの圧力波(たとえば、オーディオコンテンツ)とを比較し、検出された圧力波を、ターゲットの圧力波にさらに似せるように、振動命令を調節する。
【0043】
図2Bは、一実施形態による、変換器アセンブリ260と、圧電変換器である音響センサ275とを含むアイウェアデバイス250の一部分を示す例である。アイウェアデバイス250、変換器アセンブリ260、および音響センサ275は、アイウェアデバイス100、変換器アセンブリ120、および音響センサ125の実施形態である。変換器アセンブリ260は、ユーザの耳の後ろに結合されることになるフレームの末端部(たとえば、耳かけ型イヤーカップの下部)の周りに位置付けられる変換器である。この実施形態では、変換器アセンブリ260は、円形の音声コイル(たとえば、可動コイル)変換器として示される。音響センサ275は、ユーザの耳の後ろに結合されることになる圧電変換器である。圧電変換器は、積層圧電変換器であってもよく、大きさが数ミリメートルの範囲(たとえば9mm)の寸法を有してもよい。
【0044】
図3は、一実施形態によるオーディオシステム300のブロック図である。図1のオーディオシステムは、オーディオシステム300の実施形態である。オーディオシステム300は、変換器アセンブリ310と、音響センサ320と、コントローラ330とを含む。
【0045】
変換器アセンブリ310は、(たとえばコントローラ330から受信した)振動命令に従い、ユーザの耳の軟骨を振動させる。変換器アセンブリ310は、ユーザの耳の耳介の後ろの第1の部分に結合される。変換器アセンブリ310は、耳介が振動命令に従って音圧波を発するようにするために、ある周波数範囲にわたって耳介を振動させるための少なくとも1つの変換器を含む。変換器は、単一の圧電変換器であってもよい。圧電変換器は、+/-100Vの電圧範囲を使用して、最大20kHzの周波数を生成することができる。電圧範囲は、下側電圧も含むことができる(たとえば+/-10V)。圧電変換器は、積層圧電アクチュエータであってもよい。積層圧電アクチュエータは、積層された(たとえば機械的に直列接続された)複数の圧電素子を含む。積層圧電アクチュエータの動きは、単一の圧電素子の動きと、積層内の素子の数との積とすることができるので、積層圧電アクチュエータは、より低い電圧範囲を有してもよい。圧電変換器は、電界が存在するときにひずみ(たとえば、材料の変形)を生成することができる圧電材料から作られる。圧電材料は、ポリマー(たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、フッ化ポリビニリデン(PVDF))、ポリマーベースの複合材、セラミック、または結晶(たとえば石英(二酸化ケイ素またはSiC)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))であってもよい。極性材料であるポリマーにわたり電界または電圧を印加することにより、ポリマーは極性を変え、印加された電界の極性および大きさに応じて、収縮または拡張することができる。圧電変換器は、ユーザの耳の後ろによく付く材料(たとえばシリコーン)に結合されてもよい。一実施形態では、変換器アセンブリ310は、ユーザの耳の後ろと良好な表面接触を維持し、ユーザの耳に加えられる一定量の力(たとえば1ニュートン)を維持する。
【0046】
いくつかの実施形態では、変換器アセンブリ310は、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成され、第1の変換器および第2の変換器を含む。第1の変換器は、周波数範囲の第1の部分(たとえば、最大20kHzまでの高い範囲)を提供するように構成される。第1の変換器は、たとえば圧電変換器であってもよい。第2の変換器は、周波数範囲の第2の部分(たとえば、約20Hzの低い範囲)を提供するように構成される。第2の変換器は、圧電変換器であってもよく、または可動コイル変換器など、別のタイプの変換器であってもよい。典型的な可動コイル変換器は、永久磁界を作り出すためのワイヤのコイルと永久磁石とを含む。ワイヤが永久磁界に置かれている間に電流をワイヤに印加することにより、電流の振幅と極性に基づきコイルにかかる力が発生し、その力が、コイルを永久磁石に向けて、またはそれから離れるように移動させることができる。第2の変換器は、第1の変換器およりも剛性の高い材料から作られてもよい。第2の変換器は、ユーザの耳の後ろの、第1の部分とは異なる第2の部分に結合されてもよい。あるいは、第2の変換器は、ユーザの頭蓋骨に接触してもよい。
【0047】
音響センサ320は、発生した音に関する情報をコントローラ330に提供する。音響センサ320は、ユーザの耳の入口における音圧波を検出する。一実施形態では、音響センサ320は、ユーザの耳の入口に配置されたマイクロフォンである。マイクロフォンは、圧力を電気信号に変換する変換器である。マイクロフォンの周波数応答は、周波数範囲のいくつかの部分では比較的平坦であってもよく、周波数範囲の他の部分では線形であってもよい。マイクロフォンは、変換器アセンブリ310に提供された振動命令に基づき、マイクロフォンからの検出信号を拡大縮小するためのゲイン信号を受信するように構成されてもよい。たとえば、ゲインは、検出信号のクリッピングを回避するため、または検出信号の信号対雑音比を改善するために、振動命令に基づき調節されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、音響センサ320は振動センサであってもよい。振動センサは、耳の一部分に結合される。いくつかの実施形態では、振動センサと変換器アセンブリ310は、耳の異なる部分に結合される。振動センサは、信号が逆に流れる点を除き、変換器アセンブリで使用される変換器と同様である。変換器において機械的な振動を発生させる電気信号の代わりに、機械的な振動が、振動センサにおいて電気信号を生成している。振動センサは、圧電材料が変形したときに電気信号を生成することができる圧電材料から作られてもよい。圧電材料は、ポリマー(たとえば、PVC、PVDF)、ポリマーベースの複合材、セラミック、または結晶(たとえばSiC、PZT)であってもよい。圧電材料に圧力を加えることにより、圧電材料は極性が変化し、電気信号を発生させる。圧電センサは、ユーザの耳の後ろによく付く材料(たとえばシリコーン)に結合されてもよい。振動センサは、加速度計とすることもできる。加速度計は、圧電式または静電容量式であってもよい。静電容量式加速度計は、加速力によって動かすことができる構造間の静電容量の変化を測定する。一実施形態では、振動センサは、ユーザの耳の後ろと良好な表面接触を維持し、ユーザの耳に加えられる一定量の力(たとえば1ニュートン)を維持する。振動センサは、加速度計であってもよい。振動センサは、慣性計測装置(IMU)集積回路(IC)に集積されてもよい。IMUについては、図5に関してさらに説明する。
【0049】
コントローラ330は、オーディオシステム300の構成要素を制御する。コントローラ330は、振動をどのように発生させるかを変換器アセンブリ310に命令するための振動命令を生成する。たとえば、振動命令は、コンテンツ信号(たとえば、振動を発生させるために変換器アセンブリ310に加えられる電気信号)、変換器アセンブリ310を有効化または無効化するための制御信号、およびコンテンツ信号を拡大縮小する(たとえば、変換器アセンブリ310によって生成される振動を増大または低減する)ためのゲイン信号を含んでもよい。コントローラ330は、オーディオコンテンツおよび周波数応答モデルに基づき、振動命令のコンテンツ信号を生成する。周波数応答モデルは、ある周波数における入力に対するシステムの応答を表し、出力の振幅および位相が入力に基づきどのようにシフトされるかを示すことができる。したがって、コントローラ330は、オーディオコンテンツ(たとえば、ターゲット出力)および周波数応答モデル(たとえば、出力に対する入力の関係)を用いて、振動命令のコンテンツ信号(たとえば、入力信号)を生成してもよい。一実施形態では、コントローラ330は、周波数応答の逆数をオーディオコンテンツに適用することにより、振動命令のコンテンツ信号を生成してもよい。コントローラ330は、音響センサ320からフィードバックを受信する。音響センサ320は、振動変換器310によって生成される音信号(たとえば音圧波)についての情報を提供する。コントローラ330は、検出された音圧波を、ユーザに提供されるオーディオコンテンツに基づき、ターゲットの音圧波と比較してもよい。次いでコントローラ330は、検出された音圧波がターゲットの音圧波と同じに思われるように、検出された音波に適用すべき逆関数を計算することができる。したがってコントローラ330は、各ユーザに固有の計算された逆関数を使用して、オーディオシステムの周波数応答モデルを調節することができる。周波数モデルの調節は、ユーザがオーディオコンテンツを聞いている間に実行されてもよい。次いでコントローラ330は、調節された周波数応答モデルを使用して、更新された振動命令を生成することができる。コントローラ330により、サウンドシステムの異なるユーザ間で同様のオーディオ体験が作り出せるようになる。軟骨伝導オーディオシステムでは、オーディオシステムのスピーカは、ユーザの耳介に対応する。ユーザのそれぞれの耳介は異なっており(たとえば、形および大きさ)、周波数応答モデルはユーザごとに異なる。オーディオフィードバックに基づき、ユーザごとに周波数応答モデルを調節することにより、オーディオシステムはユーザに関係なく、同じタイプの生成される音を維持することができる(たとえばニュートラルリスニング)。ニュートラルリスニングは、異なるユーザ間で同様のリスニング体験を有することである。言い換えれば、リスニング体験は、ユーザに対して偏っておらず、またはニュートラルである(たとえば、ユーザごとに変化しない)。
【0050】
一実施形態では、オーディオシステムは、調節された周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号を使用する。たとえば、コントローラ330は、平坦なスペクトルの広帯域信号に基づき、変換器アセンブリ310に振動命令を提供する。音響センサ320は、ユーザの耳の入口における音圧波を検出する。コントローラ330は、検出された音圧波とターゲットの音圧波を、平坦なスペクトルの広帯域信号に基づいて比較し、オーディオシステムの周波数モデルを適宜調節する。この実施形態では、平坦なスペクトルの広帯域信号は、特定のユーザに対してオーディオシステムのキャリブレーションを実行している間に使用されてもよい。したがってオーディオシステムは、オーディオシステムを継続的に監視するのではなく、ユーザに対する初期キャリブレーションを実行してもよい。この実施形態では、音響センサは、ユーザのキャリブレーションのために一時的にアイウェアデバイスに結合されてもよい。ユーザのキャリブレーションが完了したことに応答して、音響センサはアイウェアデバイスから外されてもよい。アイウェアデバイスから音響センサを取り外す利点は、アイウェアデバイスを着用しやすくすること、ならびにアイウェアデバイスのかさおよび重量を低減することを含む。
【0051】
図4は、一実施形態による、軟骨伝導を使用するオーディオシステムを動作させるプロセスを示すフローチャートである。図4のプロセス400は、軟骨伝導を使用するオーディオシステム(たとえば、オーディオシステム300)によって実行されてもよい。他のエンティティ(たとえば、アイウェアデバイスおよび/またはコンソール)が、他の実施形態においてプロセスの一部または全部のステップを実行してもよい。同様に、実施形態は、異なるかつ/または追加のステップを含んでもよく、または異なる順番でステップを実行してもよい。
【0052】
オーディオシステムが、周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、振動命令を生成する410。オーディオシステムは、コンソールからオーディオコンテンツを受信してもよい。オーディオコンテンツは、音楽、ラジオ信号、またはキャリブレーション信号などのコンテンツを含んでもよい。周波数応答モデルは、入力(たとえば、オーディオコンテンツ、振動命令)と、オーディオシステムのスピーカとして使用されるユーザの耳の耳介の出力(たとえば、生成された音、音圧波、振動)との関係を表す。コントローラ(たとえば、コントローラ330)は、周波数応答モデルおよびオーディオコンテンツを使用して、振動命令を生成してもよい。たとえば、コントローラは、オーディオコンテンツから開始し、周波数応答モデルを使用して(たとえば、逆周波数応答を適用して)、オーディオコンテンツを作り出す振動命令を推定してもよい。
【0053】
オーディオシステムが、変換器アセンブリ(たとえば、変換器アセンブリ310)に振動命令を提供する420。変換器アセンブリは、ユーザの耳の耳介の後ろに結合され、振動命令に基づき耳介を振動させる。耳介の振動により音圧波が発生し、それにより、オーディオコンテンツに基づく音がユーザに提供される。
【0054】
オーディオシステムが、ユーザの耳の入口における音圧波を検出する430。音圧波は、変換器アセンブリによって生成される。一実施形態では、音響センサ(たとえば、音響センサ320)は、ユーザの耳の入口における音圧波を検出するために、ユーザの耳の入口に配置されたマイクロフォンであってもよい。
【0055】
オーディオシステムが、検出された音圧波に部分的に基づき、周波数応答モデルを調節する440。コントローラは、検出された音圧波を、ユーザに提供されたオーディオコンテンツに基づき、ターゲットの音圧波と比較してもよい。コントローラは、検出された音圧波が、ターゲットの音圧波と同じに思われるように、検出された音波に適用すべき逆関数を計算することができる。
【0056】
オーディオシステムが、調節された周波数応答モデルを使用して振動命令を更新する450。更新された振動命令は、オーディオコンテンツおよび調節された周波数応答モデルを使用するコントローラによって生成されてもよい。たとえば、コントローラは、オーディオコンテンツから開始し、調節された周波数応答モデルを使用して、ターゲットの音圧波により近いオーディオコンテンツを作り出すための更新された振動命令を推定してもよい。
【0057】
オーディオシステムが、更新された振動命令を変換器アセンブリに提供する460。変換器アセンブリは耳介を振動させ、更新された音圧波を発生させ、それにより更新された振動命令に基づく音がユーザに提供される。更新された音圧波は、ターゲットの音圧波にさらに近いように思われてもよい。
【0058】
オーディオシステムは、ユーザがオーディオコンテンツを聴いている間に、周波数応答モデルを動的に調節してもよく、またはユーザごとのオーディオシステムのキャリブレーション中にだけ、周波数応答モデルを調節してもよい。
【0059】
図5は、一実施形態による、軟骨伝導オーディオシステムを含むアイウェアデバイスのシステム環境500である。システム500は、VR、AR、またはMRの環境、またはそれらの何らかの組合わせにおいて動作してもよい。図5に示すシステム500は、アイウェアデバイス505と、コンソール510に結合された入力/出力(I/O)インターフェース515とを備える。アイウェアデバイス505は、アイウェアデバイス100の実施形態であってもよい。図5は、1つのアイウェアデバイス505と1つのI/Oインターフェース515を含む例示的なシステム500を示すが、他の実施形態では、任意の数のこれら構成要素が、システム500に含まれてもよい。たとえば、複数のアイウェアデバイス505が存在し、それぞれが関連するI/Oインターフェース515を有し、それぞれのアイウェアデバイス505およびI/Oインターフェース515がコンソール510と通信してもよい。代替的な構成では、異なるかつ/または追加の構成要素が、システム500に含まれてもよい。さらに、図5に示す構成要素のうちの1つまたは複数に関連して説明した機能は、いくつかの実施形態では、図5に関連して説明したのとは異なるやり方で構成要素間で分散されてもよい。たとえば、コンソール510の一部または全部の機能がアイウェアデバイス505によって提供されてもよい。
【0060】
アイウェアデバイス505は、コンピュータ生成要素(たとえば、2次元(2D)または3次元(3D)の画像、2Dまたは3Dの動画、音など)を有する物理的な現実世界の環境の拡張ビューを含むコンテンツを、ユーザに提示する頭部装着型ディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、提示されるコンテンツはオーディオブロック520を介して提示されるオーディオを含み、このオーディオブロック520は、アイウェアデバイス505、コンソール510、またはこれらの両方からオーディオ情報を受信し、このオーディオ情報に基づきオーディオデータを提示する。アイウェアデバイス505は、1つまたは複数の剛体を含んでもよく、これらの剛体は、剛性的にまたは非剛性的に互いにともに結合されてもよい。剛体間の剛性結合により、結合した剛体は単一の剛性エンティティとして機能する。対照的に、剛体間の非剛性結合では、剛体は互いに対して動くことができる。いくつかの実施形態では、アイウェアデバイス505は、ユーザを囲む実際の環境に部分的に基づく仮想コンテンツを、ユーザに提示する。たとえば、仮想コンテンツは、アイウェアデバイスのユーザに提示されてもよい。ユーザは物理的に部屋の中にいてもよく、その部屋の仮想の壁および仮想の床が、仮想コンテンツの一部としてレンダリングされる。
【0061】
アイウェアデバイス505は、オーディオブロック520を含む。オーディオブロック520は、オーディオシステム300の一実施形態である。オーディオブロック520は、ユーザの耳の軟骨を振動させて音を発生させることにより、ユーザにオーディオ情報を提供する軟骨伝導オーディオシステムである。オーディオブロック520は、ユーザのそれぞれの耳の周波数応答モデルを補償することができ、異なる個人間で同じタイプの生成される音を維持することができるように、生成される音を監視する。
【0062】
アイウェアデバイス505は、電子ディスプレイ525と、光学ブロック530と、1つまたは複数の位置センサ535と、慣性計測装置(IMU)540とを含んでもよい。電子ディスプレイ525および光学ブロック530は、レンズ110の一実施形態である。位置センサ535およびIMU540は、センサデバイス115の一実施形態である。アイウェアデバイス505のいくつかの実施形態は、図5に関連して説明するものとは異なる構成要素を有する。さらに、図5に関連して説明する様々な構成要素により提供される機能は、他の実施形態ではアイウェアデバイス505の構成要素間で異なるやり方で分散されてもよく、またはアイウェアデバイス505から遠隔の別個のアセンブリに取り込まれてもよい。
【0063】
電子ディスプレイ525は、コンソール510から受信したデータに従ってユーザに2Dまたは3Dの画像を表示する。様々な実施形態では、電子ディスプレイ525は、単一の電子ディスプレイまたは複数の電子ディスプレイ(たとえば、ユーザの両目用のディスプレイ)を備える。電子ディスプレイ525の例は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリックス式有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLED)、何らかの他のディスプレイ、またはこれらの何らかの組合わせを含む。
【0064】
光学ブロック530は、電子ディスプレイ525から受信した画像光を拡大し、画像光に関連した光学誤差を補正し、補正した画像光をアイウェアデバイス505のユーザに提示する。様々な実施形態では、光学ブロック530は、1つまたは複数の光学素子を含む。光学ブロック530に含まれる例示的な光学素子は、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、反射面、または画像光に影響を及ぼす任意の他の好適な光学素子を含む。さらに、光学ブロック530は、異なる光学素子の組合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学ブロック530の光学素子のうちの1つまたは複数は、部分反射または反射防止のコーティングなど、1つまたは複数のコーティングを有してもよい。
【0065】
光学ブロック530による画像光の拡大および焦点合わせにより、電子ディスプレイ525を物理的に小さく、軽量にすることができ、大型ディスプレイより消費電力を少なくすることができる。さらに、拡大により、電子ディスプレイ525によって提示されるコンテンツの視野が広くなってもよい。たとえば、表示されるコンテンツの視野は、表示されるコンテンツが、ユーザの視野のほぼすべて(たとえば、対角約110度)、および一部の事例ではそのすべてを使用して提示されるような視野である。さらにいくつかの実施形態では、拡大量は、光学素子を追加するまたは取り外すことによって調節されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、光学ブロック530は、1つまたは複数のタイプの光学誤差を補正するように設計されてもよい。光学誤差の例は、たる形または糸巻き形のディストーション、縦色収差、または横色収差を含む。他のタイプの光学誤差はさらに、球面収差、色収差、またはレンズ像面湾曲に起因する誤差、非点収差、または任意の他のタイプの光学誤差を含んでもよい。いくつかの実施形態では、表示するために電子ディスプレイ525に提供されるコンテンツはプリディストーションされ、光学ブロック530は、そのコンテンツに基づき生成された画像光を電子ディスプレイ525から受信したとき、そのディストーションを補正する。
【0067】
IMU540は、位置センサ535のうちの1つまたは複数から受信した測定信号に基づき、アイウェアデバイス505の位置を示すデータを生成する電子デバイスである。位置センサ535は、アイウェアデバイス505の動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成する。位置センサ535の例は、1つもしくは複数の加速度計、1つもしくは複数のジャイロスコープ、1つもしくは複数の磁力計、動きを検出する別の好適なタイプのセンサ、IMU540の誤差補正に使用されるタイプのセンサ、またはこれらの何らかの組合わせを含む。位置センサ535は、IMU540の外部に位置付けられてもよく、IMU540の内部に位置付けられてもよく、またはこれらの組合わせであってもよい。
【0068】
1つまたは複数の位置センサ535からの1つまたは複数の測定信号に基づき、IMU540は、アイウェアデバイス505の初期位置に対するアイウェアデバイス505の推定現在位置を示すデータを生成する。たとえば、位置センサ535は、並進運動(前/後、上/下、左/右)を測定するための複数の加速度計と、回転運動(たとえばピッチ、ヨー、およびロール)を測定するための複数のジャイロスコープとを含む。いくつかの実施形態では、IMU540は、測定信号を高速でサンプリングし、アイウェアデバイス505の推定現在位置を、サンプリングされたデータから計算する。たとえば、IMU540は、加速度計から受信した測定信号を経時的に積分して速度ベクトルを推定し、この速度ベクトルを経時的に積分して、アイウェアデバイス505の基準点の推定現在位置を判定する。あるいは、IMU540は、サンプリングした測定信号をコンソール510に提供し、コンソール510が、誤差を低減するようにデータを解釈する。基準点は、アイウェアデバイス505の位置を表すために使用することができる点である。基準点は一般に、アイウェアデバイス505の向きおよび位置に関係する空間内の点、または位置として定義することができる。
【0069】
IMU540は、コンソール510から1つまたは複数のパラメータを受信する。さらに以下で議論するように、1つまたは複数のパラメータは、アイウェアデバイス505の追跡を維持するために使用される。受信したパラメータに基づき、IMU540は、1つまたは複数のIMUパラメータ(たとえば、サンプル率)を調節することができる。いくつかの実施形態では、特定のパラメータは、初期位置が基準点の次の位置に対応するように、基準点の初期位置をIMU540に更新させる。基準点の初期位置を、キャリブレーションされた次の基準点の位置として更新することにより、IMU540の推定現在位置に関連する蓄積した誤差を低減しやすくなる。ドリフト誤差とも呼ばれる蓄積した誤差により、基準点の推定位置が、基準点の正確な位置から経時的に「ドリフト」してずれることが生じる。アイウェアデバイス505のいくつかの実施形態では、IMU540は、専用のハードウェア構成要素であってもよい。他の実施形態では、IMU540は、1つまたは複数のプロセスにおいて実装されるソフトウェア構成要素であってもよい。
【0070】
I/Oインターフェース515は、ユーザがアクション要求を送信し、コンソール510から応答を受信できるようにするデバイスである。アクション要求は、特定のアクションを実行するための要求である。たとえば、アクション要求は、画像データまたは動画データの捕捉を開始もしくは終了するための命令であってもよく、またはアプリケーション内で特定のアクションを実行するための命令であってもよい。I/Oインターフェース515は、1つまたは複数の入力デバイスを含んでもよい。例示的な入力デバイスは、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、またはアクション要求を受信し、そのアクション要求をコンソール510に通信するための任意の他のデバイスを含む。I/Oインターフェース515が受信したアクション要求は、コンソール510に通信され、コンソール510は、そのアクション要求に対応するアクションを実行する。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース515は、上記でさらに説明したように、I/Oインターフェース515の初期位置の対するI/Oインターフェース515の推定位置を示すキャリブレーションデータを捕捉するIMU540を含む。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース515は、コンソール510から受信した命令に従って、ユーザに触覚フィードバックを提供してもよい。たとえば、アクション要求が受信されたときに触覚フィードバックが提供され、またはコンソール510がアクションを実行するときに、コンソール510が、I/Oインターフェース515に命令を通信して、I/Oインターフェース515に触覚フィードバックを生成させる。
【0071】
コンソール510は、アイウェアデバイス505およびI/Oインターフェース515のうちの1つまたは複数から受信した情報に従って、処理するためのコンテンツをアイウェアデバイス505に提供する。図5に示す例では、コンソール510は、アプリケーションストア550と、追跡モジュール555と、エンジン545を含む。コンソール510のいくつかの実施形態は、図5に関連して説明するものとは異なるモジュールまたは構成要素を有する。同様に、以下でさらに説明する機能は、図5に関連して説明したのとは異なるやり方で、コンソール510の構成要素間で分散されてもよい。
【0072】
アプリケーションストア550は、コンソール510によって実行するための1つまたは複数のアプリケーションを記憶する。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたときに、ユーザに提示するためのコンテンツを生成する命令のグループである。アプリケーションによって生成されるコンテンツは、アイウェアデバイス505の動きを介してユーザから受信するまたはI/Oインターフェース515から受信する入力に応答するものであってもよい。アプリケーションの例は、ゲーミングアプリケーション、会議アプリケーション、動画再生アプリケーション、または他の好適なアプリケーションを含む。
【0073】
追跡モジュール555は、1つまたは複数のキャリブレーションパラメータを使用してシステム環境500をキャリブレーションし、アイウェアデバイス505またはI/Oインターフェース515の位置を判定する際の誤差を低減するように、1つまたは複数のキャリブレーションパラメータを調節してもよい。また、追跡モジュール555によって実行されるキャリブレーションは、アイウェアデバイス505のIMU540および/またはI/Oインターフェース515に含まれるIMU540から受信する情報にも責任を負う。さらに、アイウェアデバイス505の追跡が失われると、追跡モジュール555は、システム環境500の一部または全部を再キャリブレーションしてもよい。
【0074】
追跡モジュール555は、1つまたは複数の位置センサ535、IMU540、またはそれらの何らかの組合わせからの情報を使用して、アイウェアデバイス505またはI/Oインターフェース515の動きを追跡する。たとえば、追跡モジュール555は、アイウェアデバイス505からの情報に基づき、局所領域のマッピングにおいてアイウェアデバイス505の基準点の位置を判定する。また追跡モジュール555は、アイウェアデバイス505の基準点の位置、またはI/Oインターフェース515の基準点の位置を、それぞれアイウェアデバイス505の位置を示すIMU540からのデータを使用して、またはI/Oインターフェース515の位置を示すI/Oインターフェース515に含まれるIMU540からのデータを使用して、判定してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、追跡モジュール555は、位置またはアイウェアデバイス505を示すIMU540からのデータの一部を使用して、アイウェアデバイス505の将来の場所を予測してもよい。追跡モジュール555は、アイウェアデバイス505またはI/Oインターフェース515の推定または予測の将来位置を、エンジン545に提供する。
【0075】
またエンジン545は、システム環境500内のアプリケーションを実行し、アイウェアデバイス505の位置情報、加速度情報、速度情報、予測将来位置、またはそれらの何らかの組合わせを、追跡モジュール555から受信する。受信した情報に基づき、エンジン545は、ユーザに提示するためにアイウェアデバイス505に提供すべきコンテンツを判定する。たとえば、受信した情報が、ユーザが左を見たことを示す場合には、エンジン545は、仮想環境において、または局所領域を追加のコンテンツで拡張する環境において、ユーザの動きを反映するコンテンツをアイウェアデバイス505に対して生成する。さらに、エンジン545は、I/Oインターフェース515から受信したアクション要求に応答して、コンソール510上で実行しているアプリケーション内でアクションを実行し、そのアクションが実行されたというフィードバックをユーザに提供する。提供されるフィードバックは、アイウェアデバイス505を介した視覚的もしくは聴覚的なフィードバック、またはI/Oインターフェース515を介した触覚フィードバックであってもよい。
【0076】
追加の構成情報
本開示の実施形態の上の説明は、例示を目的として提示されてきたものであり、網羅的であること、または開示した厳密な形態に本開示を限定することは意図していない。当業者は、上記の開示に鑑み、多くの修正形態および変形形態が可能であることを理解できる。
【0077】
この説明のいくつかの部分は、情報についての動作のアルゴリズムおよび象徴的表現という観点から、本開示の実施形態を説明する。これらのアルゴリズム的記述および表現は、データ処理分野の当業者によって、自らの研究の主旨を効果的に他の当業者に伝えるために一般的に使用される。これらの動作は、機能的、コンピュータ的、または論理的に説明されたが、コンピュータプログラム、または同等の電気回路、マイクロコードなどによって実装されると理解される。さらに、一般性を失うことなく、動作のこれらの構成をモジュールと呼ぶことが、ときに便利であることも証明されている。説明した動作およびそれらの関連モジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはこれらの任意の組合わせに具体化されてもよい。
【0078】
本明細書に記載の任意のステップ、動作、またはプロセスは、1つまたは複数のハードウェアもしくはソフトウェアモジュールを用いて、単体で、または他のデバイスとの組合わせで、実行または実装されてもよい。一実施形態では、ソフトウェアモジュールは、コンピュータプログラムコードを収容するコンピュータ読取り可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品を用いて実装され、このコンピュータプログラムコードは、説明したステップ、動作、またはプロセスのいずれかまたはすべてを実行するためにコンピュータプロセッサによって実行することができる。
【0079】
また本開示の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置に関してもよい。この装置は、必要な目的のために専用に構築されてもよく、かつ/またはコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に有効化または再構成される汎用コンピューティングデバイスを備えてもよい。こうしたコンピュータプログラムは、非一時的な有形のコンピュータ読取り可能記憶媒体、または電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体に記憶されてもよく、これらの媒体がコンピュータシステムバスに結合されてもよい。さらに、本明細書で言及する任意のコンピューティングシステムは、シングルプロセッサを含んでもよく、または計算能力を高めるためにマルチプロセッサ設計を採用したアーキテクチャであってもよい。
【0080】
また本開示の実施形態は、本明細書に記載の計算プロセスによって作り出される製品に関してもよい。こうした製品は、計算プロセスの結果得られる情報を含んでもよく、この情報は、非一時的な有形のコンピュータ読取り可能記憶媒体に記憶され、コンピュータプログラム製品または本明細書に記載の他のデータの組合わせの任意の実施形態を含んでもよい。
【0081】
最後に、本明細書で使用する言葉は、読みやすさ、および教授を目的として主に選択されたものであり、発明の主題の境界を明示するまたはそれを制限するために選択されたものではない場合がある。したがって、本開示の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に基づく出願に対して発行される任意の請求項によって限定されるものとする。したがって、実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲に述べる本開示の範囲を例示するものであり、限定するものとは意図していない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの耳の耳介の第1の部分に結合するように構成された変換器アセンブリであって、該変換器アセンブリは、振動命令に従って前記ユーザの外耳道において空気伝送による音圧波を発生させるために、ある周波数範囲にわたって少なくとも前記耳介の前記第1の部分を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含み、前記空気伝送による音圧波が、前記ユーザへのオーディオコンテンツの提示に対応するか、又は前記ユーザへのオーディオコンテンツの提示のためのものである、変換器アセンブリと、
前記ユーザの前記耳の入口における前記空気伝送による音圧波を検出するように構成された音響センサと、
コントローラであって、
前記変換器アセンブリに前記振動命令を提供し、
検出された前記空気伝送による音圧波に少なくとも部分的に基づき、前記振動命令を更新し、
更新された前記振動命令を前記変換器アセンブリに提供する
ように構成されたコントローラと
を備えるオーディオシステム。
【請求項2】
前記振動命令が、前記ユーザに提示するためのオーディオコンテンツに基づくコンテンツ信号、前記変換器アセンブリを有効化又は無効化するための制御信号、及び前記コンテンツ信号を増幅するためのゲイン信号を含む、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの変換器が、直列接続された複数の圧電素子を含む積層圧電アクチュエータである、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項4】
前記変換器アセンブリが、ある周波数範囲にわたる振動を生成するように構成され、前記変換器アセンブリが、第1の変換器及び第2の変換器を含み、前記第1の変換器が、前記周波数範囲の第1の部分を提供するように構成され、前記第2の変換器が、前記周波数範囲の第2の部分を提供するように構成された、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項5】
前記第1の変換器が圧電変換器であり、前記第2の変換器が可動コイル変換器である、請求項4に記載のオーディオシステム。
【請求項6】
前記音響センサが、前記外耳道の入口における前記空気伝送による音圧波を感知するように構成されたマイクロフォンである、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項7】
前記音響センサが、前記ユーザの前記耳の前記入口における前記空気伝送による音圧波に対応する前記耳介の振動を感知するように構成された振動センサである、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項8】
前記コントローラが、逆関数を計算し、検出された前記空気伝送による音圧波に前記逆関数を適用することにより、検出された前記空気伝送による音圧波に部分的に基づき周波数応答モデルを調節する、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項9】
平坦なスペクトルの広帯域信号を使用して、調節された周波数応答モデルを生成する、請求項8に記載のオーディオシステム。
【請求項10】
アイウェアデバイスの一部である、請求項1に記載のオーディオシステム。
【請求項11】
方法であって、
コントローラにより、ユーザの耳の耳介の第1の部分に結合するように構成された変換器アセンブリに振動命令を提供することであって、該変換器アセンブリは、前記振動命令に従って前記ユーザの外耳道において空気伝送による音圧波を発生させるために、ある周波数範囲にわたって少なくとも前記耳介の前記第1の部分を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含み、前記空気伝送による音圧波が、前記ユーザへのオーディオコンテンツの提示に相当するか、又は前記ユーザへのオーディオコンテンツの提示のためのものである、コントローラにより、ユーザの耳の耳介の第1の部分に結合するように構成された変換器アセンブリに振動命令を提供すること、
前記コントローラにより、音響センサにより検出された前記ユーザの前記耳の入口における前記空気伝送による音圧波に関する情報を、前記音響センサから受信すること、
前記コントローラにより、検出された前記空気伝送による音圧波に部分的に基づいて、前記振動命令を更新すること、及び
前記コントローラにより、更新された前記振動命令を、前記変換器アセンブリに提供すること、
を含む、方法。
【請求項12】
前記振動命令が、前記ユーザに提示するためのオーディオコンテンツに基づくコンテンツ信号、前記変換器アセンブリを有効化又は無効化するための制御信号、及び前記コンテンツ信号を増幅するためのゲイン信号を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラにより、検出された前記空気伝送による音圧波に少なくとも部分的に基づき、周波数応答モデルを調節すること、
前記コントローラにより、調節された周波数応答モデルを使用して、前記振動命令を更新すること、及び
前記コントローラにより、更新された前記振動命令を前記変換器アセンブリに提供すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記周波数応答モデルを調節することが、
前記コントローラにより、逆関数を計算すること、及び
前記コントローラにより、検出された前記空気伝送による音圧波に前記逆関数を適用すること
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
調節された前記周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号が使用される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
実行可能なコンピュータプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令が、
ユーザの耳の耳介の第1の部分に結合するように構成された変換器アセンブリに振動命令を提供することであって、該変換器アセンブリは、前記振動命令に従って前記ユーザの外耳道において空気伝送による音圧波を発生させるために、ある周波数範囲にわたって少なくとも前記耳介の前記第1の部分を振動させるように構成された少なくとも1つの変換器を含み、前記空気伝送による音圧波は、前記ユーザへのオーディオコンテンツの提示に対応するか、又は前記ユーザへのオーディオコンテンツの提示のためのものである、ユーザの耳の耳介の第1の部分に結合するように構成された変換器アセンブリに振動命令を提供すること、
音響センサにより検出された前記ユーザの前記耳の入口における前記空気伝送による音圧波に関する情報を、前記音響センサから受信すること、
検出された前記空気伝送による音圧波に部分的に基づいて、前記振動命令を更新すること、及び
更新された前記振動命令を、前記変換器アセンブリに提供すること、
を含む工程を実施するように実行可能である、非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項17】
前記振動命令が、前記ユーザに提示するためのオーディオコンテンツに基づくコンテンツ信号、前記変換器アセンブリを有効化又は無効化するための制御信号、及び前記コンテンツ信号を増幅するためのゲイン信号を含む、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項18】
前記コンピュータプログラム命令が、
前記ユーザの前記耳の入口における検出された前記空気伝送による音圧波に少なくとも部分的に基づき、周波数応答モデルを調節すること、
調節された周波数応答モデルを使用して、前記振動命令を更新すること、及び
更新された前記振動命令を前記変換器アセンブリに提供すること
をさらに含む工程を実施するように実行可能である、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項19】
前記周波数応答モデルを調節することが、
逆関数を計算すること、及び
検出された前記空気伝送による音圧波に前記逆関数を適用すること
をさらに含む、請求項18に記載の非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項20】
調節された前記周波数応答モデルを生成するために、平坦なスペクトルの広帯域信号が使用される、請求項18に記載の非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【外国語明細書】