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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079240
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】畳表折り曲げ装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
E04F15/02 102T
E04F15/02 102K
E04F15/02 104B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192602
(22)【出願日】2021-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000163121
【氏名又は名称】極東産機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次
(72)【発明者】
【氏名】久保 朋之
(72)【発明者】
【氏名】油田 要
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA33
2E220AA39
2E220AD04
2E220AD11
2E220AD13
2E220BA01
2E220FA01
2E220GA22X
2E220GA25X
2E220GB32X
2E220GB48X
2E220GB52X
(57)【要約】
【課題】
半畳サイズの畳を、2枚同時に折り曲げることができ、一畳クセ無しの畳についても、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができ、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができ、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供する。
【解決手段】左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bとが、畳表の折り曲げ位置を決定し、畳床の他の側辺を折り曲げ位置に位置決めするために、載置テーブル16に対して、上下動可能に構成された位置決め板18と、載置テーブル16の折り曲げ側端部と対峙するように配置され、載置テーブル16の折り曲げ端部側から外側に突出する畳表を折り曲げるために、畳床の他の側辺に対して、離接可能に構成された折り曲げ部材24を備え、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bとが、一方のみ、または、両方同時に作動できるように構成した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の寸法に裁断した畳床の框方向の側辺に、畳表の框方向側の側辺を固着させた状態で、
前記畳床の他の側辺に対して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着するための畳表折り曲げ装置であって、
前記畳表折り曲げ装置の正面方向において、左側に位置する左側折り曲げユニットと、
前記畳表折り曲げ装置の正面方向において、右側に位置する右側折り曲げユニットと、
前記畳表と畳床を所定の位置に載置するための載置テーブルと、
を備え、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
前記畳表の折り曲げ位置を決定し、前記畳床の他の側辺を折り曲げ位置に位置決めするために、前記載置テーブルに対して、上下動可能に構成された位置決め板と、
前記載置テーブルの折り曲げ側端部と対峙するように配置され、前記載置テーブルの折り曲げ端部側から外側に突出する畳表を折り曲げるために、前記畳床の他の側辺に対して、離接可能に構成された折り曲げ部材とを備え、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、一方のみ、または、両方同時に作動できるように構成したことを特徴とする畳表折り曲げ装置。
【請求項2】
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、前記畳表と畳床を所定の位置に載置するための載置テーブルを備えることを特徴とする請求項1に記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項3】
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
前記畳床が、薄畳である場合に対応して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺および裏面に固着するために、
前記畳床の他の側辺の裏面上部に対して、離接可能に構成された裏面折り曲げ板を備えることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項4】
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
前記裏面折り曲げ板が、畳床の他の側辺の裏面上部に対して、接近する方向に移動した際に、
前記裏面折り曲げ板を、上方より押し付けて、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺および裏面に固着するために、上下動可能な床端押えを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項5】
前記畳表折り曲げ装置を半畳用に用いる際には、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、同時に作動させて、
前記半畳用の畳床の他の側辺に対して、前記半畳用の畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、
半畳用の畳床の他の側辺に固着するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項6】
前記畳表折り曲げ装置を、間中クセ無しの一畳用に用いる際には、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、同時に作動させて、
前記間中クセ無しの一畳用の畳床の他の側辺に対して、前記間中クセ無しの一畳用の畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、
間中クセ無しの一畳用の畳床の他の側辺に固着するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項7】
前記畳表折り曲げ装置を、間中クセ有りの一畳用に用いる際には、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとのいずれか一方を、作動させて、
前記間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の一方側に対して、前記間中クセ有りの一畳用の畳表の他の側辺の一方側を内側に折り曲げて、
間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の一方側に固着した後、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとのいずれか他方を、作動させて、
前記間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の他方側に対して、前記間中クセ有りの一畳用の畳表の他の側辺の他方側を内側に折り曲げて、
間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の他方側に固着するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項8】
前記載置テーブルが、上下動可能に構成され、
前記畳床の他の側辺に対して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着する際に、前記載置テーブルが下降するように構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項9】
前記載置テーブルが、上下動不能に構成され、
前記折り曲げ部材が、上下動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項10】
前記畳表の他の側辺の端部をチャックして、表張りをしてテンションが付与された状態で、
前記畳床の他の側辺に対して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着するために、
前記畳表に対して、上下動可能に構成された表張り装置を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項11】
前記折り曲げ部材が、加熱装置を備え、
前記折り曲げ部材の初期位置が、前記畳床の他の側辺に対して、接近位置にあるように構成され、
前記折り曲げ部材の上方に位置する、前記載置テーブルの折り曲げ端部側から外側に突出する畳表を加熱するように構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【請求項12】
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットの位置決め板が、
上下動する共通のフレーム部材に備えられるとともに、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットの位置決め板が、それぞれ独自に上下動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の畳表折り曲げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の寸法に裁断した畳床の框方向の側辺に、畳表の框方向側の側辺を固着させた状態(いわゆる「先框方式」)で、畳床の他の側辺(上前側の側辺と下前側の側辺、以下、単に「他の側辺」と言う)に対して、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着するための畳表折り曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、畳に関して、畳縁を有する通常の畳に代わり、昨今では、マンションなどにおいて、意匠性などを考慮して、畳縁を備えていない、いわゆる「縁無し畳」が、広範に用いられるようになっている。
【0003】
この場合、図34に示したように、このような縁無し畳201を製造するためには、畳床206の側辺(上前側の側辺206aと下前側の側辺206b)に沿って、畳表200を畳床206の側辺208に沿うように、略90°以上の角度で折り曲げる必要がある。
【0004】
なお、図34では、説明の便宜上、片方の側辺のみ図示するとともに、先框方式において、畳床の框方向の側辺214に、畳表200の框方向側の一方側の側辺216を固着させた状態を示している。
【0005】
すなわち、図34に示したように、畳表200のイ草の茎を畳床に沿う方向(イ草の向き)Aに、畳表200の側辺202を畳床206の側辺208に沿うように折り曲げて、折り曲げた側辺210を、畳床206の側辺208、または、裏面212に、例えば、ハンドタッカーをもちいて固定したり、縫着したり、接着剤やテープで固着することが行われる。
【0006】
ところで、従来、このような畳表折り曲げ装置として、特許文献1(特許第4375509号公報)、特許文献2(特許第4375511号公報)、特許文献3(特開2019-132069号公報)、特許文献4(特開2020-20200号公報)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4375509号公報
【特許文献2】特許第4375511号公報
【特許文献3】特開2019-132069号公報
【特許文献4】特開2020-20200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、昨今、縁無畳の需要が増加しているが、従来の縁無畳は、半畳サイズであったが、最近は、一畳サイズの縁無畳のニーズも増加傾向にある。
【0009】
しかしながら、一畳サイズの縁無畳の場合、図35に示したように、部屋の敷居が、必ずしも100%正方形または長方形ではないので、畳を敷き詰める場合に、上前側を直線状に仕上げ、下前側を敷居にぴったり沿うようにくせ取りして畳を仕上げて敷き詰める。
【0010】
このため、畳の平面視の形状は、対向する上前側の側辺と下前側の側辺が、完全な平行ではない(間中のクセがある)ことになる。
【0011】
すなわち、畳には、上記のようなクセがあり、少なくても間中のクセが取れられている畳が一般的である。
【0012】
従って、畳(畳床)のこのような平面視の形状を考慮して、畳表200の両側の側辺202を折り曲げる必要がある。
【0013】
すなわち、図36(A)に示したように、一畳サイズの縁無畳の畳表を折り曲げする場合、折り曲げしたい部分が、一直線ではない状態の畳を折り曲げる必要がある。
【0014】
なお、図36(B)に示したように、半畳サイズの場合、間中のクセがあったとしても、図36(B)の矢印で示したように、全体を傾ければ、直線状態で折り曲げができるので問題はない。
【0015】
このように、一畳サイズの縁無畳の畳表を折り曲げする場合、間中のクセにも対応できるようにした縁無畳用畳表折り曲げ装置として、上記した特許文献4(特開2020-20200号公報)に開示される畳表折り曲げ装置が提案されている。
【0016】
すなわち、特許文献4の畳表折り曲げ装置300は、図37(特許文献4の図1に相当する)に示したように、第1の位置決め板312aと第2の位置決め板312bとから構成される位置決め部材312を備えている。
【0017】
なお、図37中、特許文献4の図1の参照番号に300を加えた参照番号を付しており、その詳細な説明は、特許文献4を参照すれば、理解容易であるのでここでは省略する。
【0018】
これらの第1の位置決め板312aと第2の位置決め板312bは、仮想中心軸Pを中心に、相互に角度移動可能な構成となっている。
【0019】
そして、位置決め部材312が折り曲げられる畳表に対して当接する位置まで下降した状態で、折り曲げ部材346によって、畳表の側辺を内側に折り曲げるように構成されている。
【0020】
これにより、畳表を、イ草の茎を畳床に沿う方向(イ草の向き)に折り曲げることができ、しかも、畳表の側辺(上前側の側辺と下前側の側辺)を、畳床の側辺(上前側の側辺と下前側の側辺)に合わせて、くの字形状に凹んだ形状や、くの字形状に突設したくせの形状に合致した形状に折り曲げることができるように構成されている。
【0021】
すなわち、特許文献4の畳表折り曲げ装置300は、間中のクセの左側と右側を同時に曲げる1工程のみで折り曲げを行うように構成されている。
【0022】
しかしながら、特許文献4のように、第1の位置決め板312aと第2の位置決め板312bで同時に位置決めをした状態で、作業員が畳表を畳床に折り曲げる場合に、くせの左側と右側の左右を同時に折り曲げようとすると問題が生じることがある。
【0023】
すなわち、中央(くせの所(谷間))のところで、畳表が膨らんでくるので、片方ずつ曲げるほうが、きれいに曲げることができる。
【0024】
しかしながら、左側を曲げる時に、右側の第2の位置決め板312bが、畳床のすぐ近くに(真横にピタッと)位置するので、右側の第2の位置決め板312bが邪魔になって曲げにくい。
【0025】
また、右側を曲げる時にも、左側の第1の位置決め板312aが、畳床のすぐ近くに(真横にピタッと)位置するので、第1の位置決め板312aが邪魔になって曲げにくい。
【0026】
このため、畳床のくせの所(くせの谷間)で、畳表が膨らんでしまうことがある。
【0027】
また、作業員の手の介入がなく、自動で曲げる場合でも、左右を同時に曲げようとすると、畳床のくせの所(くせの谷間)で、畳表が膨らんだり、シワになることがある。
【0028】
さらに、特許文献4の畳表折り曲げ装置300では、回動軸316cと回動軸穴316dとが、仮想中心軸Pを構成しており、図37の矢印Bで示したように、第1の位置決め板312aと第2の位置決め板312bは、仮想中心軸Pを中心に、相互に角度移動可能(回動可能)な構成となっている。
【0029】
このため、仮想中心軸Pは構成が複雑であって、相当の強度が必要であり、構造上取付が難しいものである。
【0030】
さらに、特許文献4の畳表折り曲げ装置300では、畳床を載置する載置テーブルの記載はないが、実際には、載置テーブルは存在しているものである。
【0031】
ところで、畳表折り曲げ装置300の畳表の折曲げの仕上げをよくするためには、折り曲げ部材(横押しブロック)を、下から押しつけながら折曲げる構成とするのが理想である。
【0032】
なお、折り曲げ部材(横押しブロック)に対して、載置テーブルの方を下降する構成としても良い。
【0033】
しかしながら、特許文献4の畳表折り曲げ装置300では、以下の理由から、折り曲げ部材(横押しブロック)を、下から押しつけながら折曲げる構成とすることができない。
【0034】
すなわち、間中が凹んでいる形のクセの畳床400を、載置テーブル402からはみ出ないように設置した場合、図38(A)の上面視で示したように配置されることになる。
【0035】
この場合、図38(B)に示したように、A-A断面では、位置決め板404、載置テーブル402の端面406、位置決め板404から折り曲げ部材(横押しブロック)408の隙間、畳床400の端面400aが、同一線上に存在する、望ましい配置となっている。
【0036】
一方、図38(C)に示したように、B―B断面では、折り曲げ部材410と、位置決め板404と畳床400の端面400aが、同一線上に存在していないことになる。
【0037】
このため、図38(C)に示したように、折り曲げ部材410が、畳表412を畳床400の端面400aから押しつけるように折り曲げることができず、仕上がりが悪くなってしまうことになる。
【0038】
すなわち、間中が凹んでいる形のクセの畳床400を、載置テーブル402からはみ出して(突出して)設置した場合、図39(A)の上面視で示したように配置されることになる。
【0039】
この場合、図39(B)に示したように、D-D断面では、位置決め板404、載置テーブル402の端面406、位置決め板404から折り曲げ部材(横押しブロック)410の隙間、畳床400の端面400aが、同一線上に存在する、望ましい配置となっている。
【0040】
しかしながら、図39(C)に示したように、C-C断面では、載置テーブル402が畳床400を、畳床400の端面400aまで押さえることができず、畳表412が浮いた状態となり、仕上がりが悪くなる状態となってしまうことになる。
【0041】
このように、特許文献4の畳表折り曲げ装置300では、上記の理由から、折り曲げ部材(横押しブロック)を、下から押しつけながら折曲げる構成とすることができない。
【0042】
また、従来、先框で折り曲げする半畳サイズの畳表折り曲げ装置、畳表を先に折り曲げ、後から畳床と合わせるタイプ(いわゆる後框)の畳表折り曲げ装置が存在しており、この場合、半分ずつ折り曲げすることによって、間中クセの有無に関わらず、一畳サイズも折り曲げることができる。
【0043】
しかしながら、この場合、図40(A)(B)に示したように、一畳サイズも折り曲げようとすると、半畳用機械の両側に、畳の半分ずつ置けるスペースが必要であり、必要面積が機械の約3倍必要となってしまうことになる。すなわち、半畳用機械の両外側に、半畳分のスペースが必要となってしまうことになる。
【0044】
また、従来の半畳サイズの畳表折り曲げ装置では、一畳クセ無し畳を、一度に折り曲げすることは、当然ながらできないものである。
【0045】
また、従来、先框で折り曲げする一畳サイズの畳表折り曲げ装置が存在しており、半畳サイズを、2枚同時に折り曲げすることができる。
【0046】
また、一畳サイズのクセ無し畳については、1回の折り曲げ動作で対応することができるものである。
【0047】
しかしながら、この場合、一畳サイズのクセ有り畳については、対応することができない。
【0048】
また、フレーム構造上、折り曲げない部分を、機械の外に出すという方法を採用することは困難である。
【0049】
この場合、フレームの構造を変更すれば、折り曲げない部分を、機械の外に出すという方法を採用すること可能になる。
【0050】
しかしながら、その場合、図40(C)の点線で示したように、畳の右側を装置からはみ出して、左側を折り曲げた後、図40(C)の矢印方向に、畳を移動させて、今度は、畳の左側を装置からはみ出して、右側を折り曲げなければならず、必要面積が機械の約2倍必要である。
【0051】
すなわち、図40(C)に示したように、一畳用機械の両外側に、半畳分のスペースが必要となってしまうことになる。
【0052】
本発明は、このような現状に鑑み、半畳サイズの畳について、2枚同時に折り曲げることができ、一畳クセ無しの畳についても、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができ、しかも、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0053】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の畳表折り曲げ装置は、
所定の寸法に裁断した畳床の框方向の側辺に、畳表の框方向側の側辺を固着させた状態で、
前記畳床の他の側辺に対して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着するための畳表折り曲げ装置であって、
前記畳表折り曲げ装置の正面方向において、左側に位置する左側折り曲げユニットと、
前記畳表折り曲げ装置の正面方向において、右側に位置する右側折り曲げユニットと、
前記畳表と畳床を所定の位置に載置するための載置テーブルと、
を備え、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
前記畳表の折り曲げ位置を決定し、前記畳床の他の側辺を折り曲げ位置に位置決めするために、前記載置テーブルに対して、上下動可能に構成された位置決め板と、
前記載置テーブルの折り曲げ側端部と対峙するように配置され、前記載置テーブルの折り曲げ端部側から外側に突出する畳表を折り曲げるために、前記畳床の他の側辺に対して、離接可能に構成された折り曲げ部材とを備え、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、一方のみ、または、両方同時に作動できるように構成したことを特徴とする。
【0054】
このように構成することによって、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、一方のみ、または、両方同時に作動できるように構成している。
【0055】
従って、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットを両方同時に作動させることによって、半畳サイズの畳について、2枚同時に折り曲げることができる。
【0056】
また、一畳クセ無しの畳についても、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットを両方同時に作動させることによって、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができる。
【0057】
さらに、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、それぞれ、一方のみ作動させることによって、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができる。
【0058】
すなわち、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
・載置テーブルに対して、上下動可能に構成された位置決め板と、
・畳床の他の側辺に対して、離接可能に構成された折り曲げ部材と、
を備えているので、畳、畳表と干渉することがなく、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供することができる。
【0059】
従って、半畳サイズの畳について、2枚同時に折り曲げることができ、一畳クセ無しの畳についても、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができ、しかも、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供することができる。
【0060】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、前記畳表と畳床を所定の位置に載置するための載置テーブルを備えることを特徴とする。
【0061】
このように、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、畳表と畳床を所定の位置に載置するための載置テーブルを備えていても良い。
【0062】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
前記畳床が、薄畳である場合に対応して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺および裏面に固着するために、
前記畳床の他の側辺の裏面上部に対して、離接可能に構成された裏面折り曲げ板を備えることを特徴とする。
【0063】
このように構成することによって、畳床の他の側辺の裏面上部に対して、離接可能に構成された裏面折り曲げ板を備えている。
【0064】
これにより、畳床が、薄畳である場合に対応して、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺および裏面に固着することができる。
【0065】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
前記裏面折り曲げ板が、畳床の他の側辺の裏面上部に対して、接近する方向に移動した際に、
前記裏面折り曲げ板を、上方より押し付けて、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺および裏面に固着するために、上下動可能な床端押えを備えることを特徴とする。
【0066】
このように構成することによって、上下動可能な床端押えを備えるので、裏面折り曲げ板が、畳床の他の側辺の裏面上部に対して、接近する方向に移動した際に、裏面折り曲げ板を、床端押えが、上方より押し付けて、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺および裏面に確実に固着することができる。
【0067】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記畳表折り曲げ装置を半畳用に用いる際には、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、同時に作動させて、
前記半畳用の畳床の他の側辺に対して、前記半畳用の畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、
半畳用の畳床の他の側辺に固着するように構成されていることを特徴とする。
【0068】
このように構成することによって、畳表折り曲げ装置を半畳用に用いる際には、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、同時に作動させることによって、半畳用の畳床の他の側辺に対して、半畳用の畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、半畳用の畳床の他の側辺に固着することができる。
【0069】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記畳表折り曲げ装置を、間中クセ無しの一畳用に用いる際には、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、同時に作動させて、
前記間中クセ無しの一畳用の畳床の他の側辺に対して、前記間中クセ無しの一畳用の畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、
間中クセ無しの一畳用の畳床の他の側辺に固着するように構成されていることを特徴とする。
【0070】
このように構成することによって、畳表折り曲げ装置を、間中クセ無しの一畳用に用いる際には、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、同時に作動させることによって、間中クセ無しの一畳用の畳床の他の側辺に対して、間中クセ無しの一畳用の畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、間中クセ無しの一畳用の畳床の他の側辺に固着することができる。
【0071】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記畳表折り曲げ装置を、間中クセ有りの一畳用に用いる際には、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとのいずれか一方を、作動させて、
前記間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の一方側に対して、前記間中クセ有りの一畳用の畳表の他の側辺の一方側を内側に折り曲げて、
間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の一方側に固着した後、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとのいずれか他方を、作動させて、
前記間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の他方側に対して、前記間中クセ有りの一畳用の畳表の他の側辺の他方側を内側に折り曲げて、
間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の他方側に固着するように構成されていることを特徴とする。
【0072】
このように構成することによって、畳表折り曲げ装置を、間中クセ有りの一畳用に用いる際には、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとのいずれか一方を、作動させる。
【0073】
これにより、間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の一方側に対して、間中クセ有りの一畳用の畳表の他の側辺の一方側を内側に折り曲げて、間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の一方側に固着することができる。
【0074】
その後、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとのいずれか他方を、作動させる。
【0075】
これにより、間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の他方側に対して、間中クセ有りの一畳用の畳表の他の側辺の他方側を内側に折り曲げて、間中クセ有りの一畳用の畳床の他の側辺の他方側に固着することができる。
【0076】
従って、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供することができる。
【0077】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記載置テーブルが、上下動可能に構成され、
前記畳床の他の側辺に対して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着する際に、前記載置テーブルが下降するように構成されていることを特徴とする。
【0078】
このように、畳床の他の側辺に対して、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着する際に、載置テーブルが下降するように構成しても良い。
【0079】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記載置テーブルが、上下動不能に構成され、
前記折り曲げ部材が、上下動可能に構成されていることを特徴とする。
【0080】
このように、載置テーブルを固定(上下動不能)して、折り曲げ部材を上下動可能に構成することによって、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着するようにしても良い。
【0081】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記畳表の他の側辺の端部をチャックして、表張りをしてテンションが付与された状態で、
前記畳床の他の側辺に対して、前記畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着するために、
前記畳表に対して、上下動可能に構成された表張り装置を備えることを特徴とする。
【0082】
このように構成することによって、畳表に対して、上下動可能に構成された表張り装置を備えている。
【0083】
これにより、畳表の他の側辺の端部をチャックして、表張りをしてテンションが付与された状態で、畳床の他の側辺に対して、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着することができる。
【0084】
従って、畳表の他の側辺(例えば、上前の側辺と下前の側辺)の折曲げにおいて、後に折曲げる側で、テンションを掛けて綺麗に仕上げることができる。
【0085】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記折り曲げ部材が、加熱装置を備え、
前記折り曲げ部材の初期位置が、前記畳床の他の側辺に対して、接近位置にあるように構成され、
前記折り曲げ部材の上方に位置する、前記載置テーブルの折り曲げ端部側から外側に突出する畳表を加熱するように構成されていることを特徴とする。
【0086】
このように構成することによって、折り曲げ部材が、加熱装置を備え、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にあるように構成されている。
【0087】
これにより、折り曲げ部材の上方に位置する、前記載置テーブルの折り曲げ端部側から外側に突出する畳表を加熱するので、例えば、畳表に水分を含ませ、暖めることによって、折り曲げる際に、綺麗に折り曲げることができ、綺麗に仕上げることができる。
【0088】
また、本発明の畳表折り曲げ装置は、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットの位置決め板が、
上下動する共通の位置決めフレーム部材に備えられるとともに、
前記左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットの位置決め板が、それぞれ独自に上下動可能に構成されていることを特徴とする。
【0089】
すなわち、位置決めフレーム部材を左右分割させるためには、位置決めフレーム部材の上下を支える直動ガイドを、真ん中に付ける必要があるが、畳と干渉し構造上困難である。
【0090】
これに対して、本発明のように構成することによって、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットの位置決め板が、上下動する共通の位置決めフレーム部材に備えられるとともに、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットの位置決め板が、それぞれ独自に上下動可能に構成することができるので、畳と干渉することがない。
【発明の効果】
【0091】
本発明によれば、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、一方のみ、または、両方同時に作動できるように構成している。
【0092】
従って、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットを両方同時に作動させることによって、半畳サイズの畳について、2枚同時に折り曲げることができる。
【0093】
また、一畳クセ無しの畳についても、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットを両方同時に作動させることによって、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができる。
【0094】
さらに、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとを、それぞれ、一方のみ作動させることによって、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができる。
【0095】
すなわち、左側折り曲げユニットと右側折り曲げユニットとが、それぞれ、
・載置テーブルに対して、上下動可能に構成された位置決め板と、
・畳床の他の側辺に対して、離接可能に構成された折り曲げ部材と、
を備えているので、畳、畳表と干渉することがなく、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供することができる。
【0096】
従って、半畳サイズの畳について、2枚同時に折り曲げることができ、一畳クセ無しの畳についても、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができ、しかも、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1図1は、本発明の畳表折り曲げ装置の正面図である。
図2図2は、図1の畳表折り曲げ装置の上面図である。
図3図3は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、離反位置にある場合を示す図1のA-A線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
図4図4は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、離反位置にある場合を示す図1のB-B線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
図5図5は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、離反位置にある場合を示す図1のC-C線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
図6図6は、本発明の畳表折り曲げ装置10において、一畳の間中谷の形のクセ有り畳についての作動状態を示す概略上面図であり、図6(A)は、一畳の間中谷の形のクセ有り畳の状態を説明する概略上面図、図6(B)は、右側折り曲げユニット14bのみを作動した状態を説明する概略上面図、図6(C)は、左側折り曲げユニット14aのみを作動した状態を説明する概略上面図である。
図7図7は、本発明の畳表折り曲げ装置10において、一畳の間中山の形のクセ有り畳についての作動状態を示し概略上面図であり、図7(A)は、一畳の間中山の形のクセ有り畳の状態を説明する概略上面図、図7(B)は、右側折り曲げユニット14bのみを作動した状態を説明する概略上面図、図7(C)は、左側折り曲げユニット14aのみを作動した状態を説明する概略上面図である。
図8図8は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図9図9は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図10図10は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図11図11は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図12図12は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図13図13は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図14図14は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図15図15は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図16図16は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示概略図である。
図17図17は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図18図18は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図19図19は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図20図20は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図21図21は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図22図22は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図23図23は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図24図24は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図25図25は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図26図26は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図27図27は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示す概略図である。
図28図28は、本発明の畳表折り曲げ装置の別の実施例を示す、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合を示す図1のA-A線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
図29図29は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合を示す図1のB-B線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
図30図30は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合を示す図1のC-C線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
図31図31は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合に、表張り装置を作動させた状態を示す図1のC-C線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
図32図32は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示すフローチャートである。
図33図33は、本発明の畳表折り曲げ装置の作動を示すフローチャートである。
図34図34は、縁無し畳201を製造するために、畳床206の側辺(上前側の側辺206aと下前側の側辺206b)に沿って、畳表200を畳床206の側辺208に沿うように、略90°以上の角度で折り曲げる状態を示す概略図である。
図35図35は、畳を敷き詰めた状態を説明する上面図である。
図36図36は、畳表200を畳床206の側辺208に沿うように折曲げる際の問題を示す上面図である。
図37図37は、特許文献4の畳表折り曲げ装置300の概略図である。
図38図38は、畳表200を畳床206の側辺208に沿うように折曲げる際の問題を示す上面図である。
図39図39は、畳表200を畳床206の側辺208に沿うように折曲げる際の問題を示す上面図である。
図40図40は、畳表200を畳床206の側辺208に沿うように折曲げる際の問題を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0098】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
【0099】
図1は、本発明の畳表折り曲げ装置の正面図、図2は、図1の畳表折り曲げ装置の上面図、図3は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、離反位置にある場合を示す図1のA-A線での畳表折り曲げ装置の側面図、図4は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、離反位置にある場合を示す図1のB-B線での畳表折り曲げ装置の側面図、図5は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、離反位置にある場合を示す図1のC-C線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
【0100】
図1図2において、符号10は、全体で本発明の畳表折り曲げ装置を示している。
【0101】
本発明の畳表折り曲げ装置10は、いわゆる「縁無し畳」を製造するためのものであって、図34に示したように、このような縁無し畳201を製造するために、畳床206の側辺(上前側の側辺206aと下前側の側辺206b)に沿って、畳表200を畳床206の側辺208に沿うように、略90°以上の角度で折り曲げるためのものである。
【0102】
なお、図34では、説明の便宜上、片方の側辺のみ図示するとともに、先框方式において、畳床206の框方向の側辺214に、畳表200の框方向側の一方側の側辺216を固着させた状態を示している。
【0103】
すなわち、図34に示したように、畳表200のイ草の茎を畳床に沿う方向(イ草の向き)Aに、畳表200の側辺202を畳床206の側辺208に沿うように折り曲げて、折り曲げた側辺210を、畳床206の側辺208、または、裏面212に、例えば、ハンドタッカーをもちいて固定したり、縫着したり、接着剤やテープで固着するものである。
【0104】
なお、図34においては、説明の便宜上、畳表200のイ草の織目は省略して示している。
【0105】
なお、図示しないが、畳床は、通常、表面側が広く、裏面側が狭く形成されている。
【0106】
また、本発明の畳表折り曲げ装置10において、畳表200の被折り曲げ側辺である畳表200の「他の側辺202」とは、畳表200が、1畳用の場合には、畳表200の長手方向の側辺を、半畳用では、框側の側辺204と直角または略直角な側辺(例えば、上前側、下前側の側辺)を言う。
【0107】
また、本発明の畳表折り曲げ装置10において、畳床206の「他の側辺208」とは、畳床206が、1畳用の場合には、畳床206の長手方向の側辺を、半畳用では、框側の側辺214と直角または略直角な側辺(例えば、上前側、下前側の側辺)を言う。
【0108】
また、本発明の畳表折り曲げ装置10の対象とする畳表200は、例えば、天然のイ草からなる畳表200、和紙製のイ草からなる畳表200、また、樹脂製のイ草からなる畳表200など全ての畳表に適用することができる。
【0109】
また、本発明の畳表折り曲げ装置10では、所定の寸法に裁断した畳床206の框方向の側辺214に、畳表200の框方向側の一方側の側辺216を固着させた状態で使用する。
【0110】
そして、この状態で、畳床206の他の側辺208に対して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208に固着するための畳表折り曲げ装置10である。
【0111】
図1図5に示したように、畳表折り曲げ装置10は、架台フレーム12を備えている。
【0112】
そして、図1図2に示したように、この架台フレーム12上に、畳表折り曲げ装置の正面方向において、左側に位置する左側折り曲げユニット14aを備えている。
【0113】
また、図1図2に示したように、畳表折り曲げ装置10の正面方向において、右側に位置する右側折り曲げユニット14bを備えている。
【0114】
図3図5に示したように、畳表200と畳床206を所定の位置に載置するための載置テーブル16が備えられている。
【0115】
なお、この実施例では、載置テーブル16が、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される載置テーブル駆動機構11によって、上下動可能に構成されている。
【0116】
なお、載置テーブル16は、例えば、ピストンシリンダー機構の場合、床押さえ駆動機構15によって下降する床押さえ20の下降圧力により、下降するように構成されている。
すなわち、図示しないが、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーは、4本配置されている。
【0117】
そして、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーには、常に上昇させようとする付勢力が働いており、後述するステップS9(畳表200の折り曲げ工程)の際には、2本のエアシリンダーの出力が切れ、床押さえ20の下降圧力の方が、残り2本の上昇圧力よりも強いために、載置テーブル16が下降するように構成されている。
【0118】
これにより、畳床206の他の側辺208に対して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208に固着する際に、載置テーブル16が下降するように構成されている。
【0119】
また、左側折り曲げユニット14aには、載置テーブル16に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される左側位置決め板駆動機構13aによって、上下動可能に構成された左側位置決め板18aが備えられている。
【0120】
そして、左側位置決め板18aによって、畳表200の折り曲げ位置を決定し、畳床206の他の側辺208を折り曲げ位置に位置決めすることができるように構成されている。
【0121】
さらに、畳床206に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される床押さえ駆動機構15によって、上下動可能に構成された床押さえ20が備えられている。
【0122】
そして、床押さえ20によって、載置テーブル16上に載置、位置決めされた畳床206を保持することができるように構成されている。
【0123】
また、左側折り曲げユニット14aには、載置テーブル16の折り曲げ側端部22aと対峙するように配置され、畳床206の他の側辺208に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される左側移動補助機構17aによって、離接可能に構成された左側折り曲げ部材(横押しブロック)24aが備えられている。
【0124】
なお、左側折り曲げ部材24aを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qと、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに移動させるために、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される左側移動機構25aが備えられている。
【0125】
そして、左側折り曲げ部材24aによって、載置テーブル16の折り曲げ側端部22a側から外側に突出する畳表200を折り曲げることができるように構成されている。
【0126】
この場合、左側移動機構25aのみでは、左側折り曲げ部材24aを、畳床206の他の側辺208に対して押し付けることができないので、左側移動補助機構17aによって、左側折り曲げ部材24aが回動することより、左側折り曲げ部材24aを、畳床206の他の側辺208に対して押し付けることができるように構成されている。
【0127】
また、右側折り曲げユニット14bには、載置テーブル16に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される右側位置決め板駆動機構13bによって、上下動可能に構成された右側位置決め板18bが備えられている。
【0128】
そして、右側位置決め板18bによって、畳表200の折り曲げ位置を決定し、畳床206の他の側辺208を折り曲げ位置に位置決めすることができるように構成されている。
【0129】
また、右側折り曲げユニット14bには、載置テーブル16の折り曲げ側端部22aと対峙するように配置され、畳床206の他の側辺208に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される右側移動補助機構17bによって、離接可能に構成された右側折り曲げ部材(横押しブロック)24bが備えられている。
【0130】
なお、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qと、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに移動させるために、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される右側移動機構25bが備えられている。
【0131】
そして、右側折り曲げ部材24bによって、載置テーブル16の折り曲げ側端部22a側から外側に突出する畳表200を折り曲げることができるように構成されている。
【0132】
この場合、右側移動機構25bのみでは、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して押し付けることができないので、右側移動補助機構17bによって、右側折り曲げ部材24bが回動することより、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して押し付けることができるように構成されている。
【0133】
また、図3図5に示したように、左側折り曲げユニット14aは、畳床206が、薄畳である場合に対応して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208および裏面212に固着するように構成されている。
【0134】
このため、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される左側裏面折り曲げ板駆動機構19aによって、離接可能に構成された左側裏面折り曲げ板26aが備えられている。
【0135】
さらに、図3図5に示したように、左側折り曲げユニット14aには、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される左側床端押え駆動機構21aによって、上下動可能な左側床端押え28aが備えられている。
【0136】
そして、左側裏面折り曲げ板26aが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動した際に、左側裏面折り曲げ板26aを、左側床端押え28aが、上方より押し付けて、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208および裏面212に固着するように構成されている。
【0137】
同様に、図3図5に示したように、右側折り曲げユニット14bには、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される右側床端押え駆動機構21bによって、上下動可能な右側床端押え28bが備えられている。
【0138】
そして、右側折り曲げユニット14bによって、右側裏面折り曲げ板26bが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動した際に、右側裏面折り曲げ板26bを、右側床端押え28bが、上方より押し付けて、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208および裏面212に固着するように構成されている。
【0139】
さらに、図3図5に示したように、左側折り曲げユニット14aには、畳表200に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される左側表張り装置駆動機構23aによって、上下動可能に構成された左側表張り装置30aが備えられている。
【0140】
そして、左側表張り装置30aによって、畳表200の他の側辺202の端部をチャックして、表張りをしてテンションが付与された状態で、畳床206の他の側辺208に対して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208に固着するように構成されている。
【0141】
同様に、図3図5に示したように、右側折り曲げユニット14bには、畳表200に対して、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される右側表張り装置駆動機構23bによって、上下動可能に構成された右側表張り装置30bが備えられている。
【0142】
そして、右側表張り装置30bによって、畳表200の他の側辺202の端部をチャックして、表張りをしてテンションが付与された状態で、畳床206の他の側辺208に対して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208に固着するように構成されている。
【0143】
従って、左側表張り装置30a、右側表張り装置30bによって、畳表200の他の側辺202(例えば、上前側の側辺と下前の側辺)の折曲げにおいて、後に折曲げる側で、テンションを掛けて綺麗に仕上げることができるように構成されている。
【0144】
さらに、図1図5に示したように、本発明の畳表折り曲げ装置10では、左側折り曲げユニット14aの左側位置決め板18aと、右側折り曲げユニット14bの右側位置決め板18bが、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成されるフレーム部材駆動機構29によって、上下動する共通のフレーム部材35に備えられている。
【0145】
また、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35の下降と、床端押え駆動機構21による床端押え28が、同時に下降しようとする時には、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35の下降と、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降は、それぞれ最大の長さまで下降することがないように構成されている。
【0146】
すなわち、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降圧力の方が、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35の下降圧力よりも強くなるように構成されている。
従って、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35の下降と、床端押え駆動機構21による床端押え28が、同時に下降しようとする時には、
・床端押え駆動機構21による床端押え28の下降は、一番下まで下降する(ストロークを最大量使い切る)、
・フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35の下降は、床端押え28が畳床206と当接する位置まで下降する(ストロークは使い切れない)
ように構成されている。
【0147】
このように作動するために、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)は、常に左右両方同時に動作するように構成されている。
【0148】
また、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35が下降している状態で、床端押え駆動機構21による床端押え28が下降する場合、床端押え28が畳床206に当接した後は、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35は、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降圧力に負けた分上昇するように構成されている。
【0149】
また、左側折り曲げユニット14aの左側位置決め板18aと、右側折り曲げユニット14bの右側位置決め板18bが、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される左側位置決め板駆動機構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、それぞれ独自に上下動可能に構成されている。
【0150】
すなわち、フレーム部材35を左右分割させるためには、位置決めフレーム部材の上下を支える直動ガイドを、真ん中に付ける必要があるが、畳と干渉し構造上困難である。
【0151】
これに対して、本発明のように構成することによって、左側折り曲げユニット14aの左側位置決め板18aと、右側折り曲げユニット14bの右側位置決め板18bが、それぞれ独自に上下動可能に構成することができるので、畳と干渉することがない。
【0152】
なお、位置決め板18(左側位置決め板18a、右側位置決め板18b)は、フレーム部材駆動機構29によって上下動する共通のフレーム部材35に備えられている(取り付けられている)ので、他の機構に邪魔されずに動作するように構成されている。
【0153】
さらに、位置決め板18は、フレーム部材駆動機構29によって上下動する共通のフレーム部材35に備えられている(取り付けられている)ので、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35の下降圧力が、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降圧力に負けた分だけ、上昇をする際に、位置決め板18も上昇する。
なお、この時には、位置決め板駆動機構13aは動作していない状態である。
【0154】
また、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降と、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35の下降の両方が、下降している状態から、床端押え駆動機構21によって床端押え28が上昇すると、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35は、床端押え駆動機構21によって床端押え28の下降に負けていた分だけ下降し、ストロークを最大量使うことになる。
【0155】
この際には、位置決め板18は、フレーム部材駆動機構29によって上下動する共通のフレーム部材35に備えられている(取り付けられている)ので、位置決め板18も合わせて下降するように構成されている。
【0156】
また、図4図5に示したように、本発明の畳表折り曲げ装置10の架台フレーム12の上方には、床曲げを行うために、上下一対の、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34が、備えられている。
【0157】
これらの上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34は、それぞれ、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される上方床曲げ駆動機構36、下方床曲げ駆動機構38が、設けられている。
【0158】
また、図4図5に示したように、本発明の畳表折り曲げ装置10の架台フレーム12の上方には、仮押さえ駆動機構31によって、上下動可能に構成された、畳床206を仮押さえするための、仮押さえ33が設けられている。
【0159】
また、図1に示したように、本発明の畳表折り曲げ装置10の架台フレーム12の中央上部に、制御装置40が備えられている。
【0160】
そして、制御装置40の制御盤42には、それぞれ、左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bが、備えられている。
【0161】
なお、左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bの2個の運転スイッチが備えられているのは、安全を考慮して、左右同時に押された時にのみ、動作するように構成されている。
【0162】
左側折り曲げユニット14aを動かす時、右側折り曲げユニット14bを動かす時、また、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bを同時に動かす時には、全て左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、作動するように構成されている。
【0163】
また、制御装置40の制御盤42には、自動/手動切り替えスイッチ46、ブレーカー48、ブレーカーランプ50、原点復帰スイッチ52が、備えられている。
【0164】
さらに、制御装置40の制御盤42には、折り曲げ部材24(左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24a)に内蔵されたヒーターのON/OFFスイッチ54が、備えられている。
【0165】
また、折り曲げ部材24(左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24a)に内蔵されたヒーターの設定温度を表示するヒーター温度設定表示部56が、備えられている。
【0166】
さらに、制御装置40の制御盤42には、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34を、上昇させる上昇スイッチ58と、下降させる下降スイッチ60とが、備えられている。
【0167】
このように構成される本発明の畳表折り曲げ装置10は、以下のようにして用いられる。
【0168】
すなわち、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bとが、一方のみ、または、両方同時に作動できるように構成している。
【0169】
従って、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bを両方同時に作動させることによって、半畳サイズの畳について、2枚同時に折り曲げることができる。
【0170】
また、一畳クセ無しの畳についても、左左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bを両方同時に作動させることによって、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができる。
【0171】
さらに、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bとを、それぞれ、一方のみ作動させることによって、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができる。
【0172】
すなわち、図6は、本発明の畳表折り曲げ装置10において、一畳の間中谷の形のクセ有り畳についての作動状態を示す概略上面図であり、図6(A)は、一畳の間中谷の形のクセ有り畳の状態を説明する概略上面図、図6(B)は、右側折り曲げユニット14bのみを作動した状態を説明する概略上面図、図6(C)は、左側折り曲げユニット14aのみを作動した状態を説明する概略上面図である。
【0173】
図7は、本発明の畳表折り曲げ装置10において、一畳の間中山の形のクセ有り畳についての作動状態を示し概略上面図であり、図7(A)は、一畳の間中山の形のクセ有り畳の状態を説明する概略上面図、図7(B)は、右側折り曲げユニット14bのみを作動した状態を説明する概略上面図、図7(C)は、左側折り曲げユニット14aのみを作動した状態を説明する概略上面図である。
【0174】
具体的には、図示しないが、畳床206が谷の形のクセであるときは、畳表200をクセと平行に切断した後、間中に切り込みを入れておく。
【0175】
そして、図6(A)の状態から、図6(A)の半時計方向に回転させて、図6(B)の状態として、右側折り曲げユニット14bのみを作動させて、畳表200の右側のみを折り曲げる。
【0176】
一方、図6(A)の状態から、図6(A)の時計方向に回転させて、図6(C)の状態として、左側折り曲げユニット14aのみを作動させて、畳表200の左側のみを折り曲げる。
【0177】
従って、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bとをが、それぞれ、一方のみ作動させることによって、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができる。
【0178】
具体的には、図示しないが、畳床206が山の形のクセであるときは間中の部分をV字に切断し、畳表200を折り曲げた際に、重ならないようにしておく。
【0179】
そして、図7(A)の状態から、図7(A)の時計方向に回転させて、図7(B)の状態として、右側折り曲げユニット14bのみを作動させて、畳表200の右側のみを折り曲げる。
【0180】
一方、図7(A)の状態から、図7(A)の半時計方向に回転させて、図7(C)の状態として、左側折り曲げユニット14aのみを作動させて、畳表200の左側のみを折り曲げる。
【0181】
従って、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bとをが、それぞれ、一方のみ作動させることによって、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができる。
【0182】
このように、本発明の畳表折り曲げ装置10では、左側折り曲げユニット14aと右側折り曲げユニット14bとが、それぞれ、
・載置テーブル16に対して、上下動可能に構成された位置決め板18(左側位置決め板18a、右側位置決め板18b)と、
・畳床206の他の側辺208に対して、離接可能に構成された折り曲げ部材24(左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24a)と、
を備えているので、畳、畳表と干渉することがなく、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置を提供することができる。
【0183】
従って、半畳サイズの畳について、2枚同時に折り曲げることができ、一畳クセ無しの畳についても、1回の折り曲げ動作で折り曲げることができ、しかも、一畳の間中クセ有り畳についても、必要面積が機械サイズと同じままで対応、折り曲げることができるとともに、仕上がりにも優れた畳表折り曲げ装置10を提供することができる。
【0184】
このように構成される本発明の畳表折り曲げ装置10について、以下に、図8図27図32図33のフローチャートに基づいて説明する。
【0185】
なお、左右分かれている部品は、左側を「a」、右側を「b」とする。
【0186】
また、基本的に厚み30mm以上が厚畳、25mm以下を薄畳と呼称する。
【0187】
さらに、厚畳の場合は、畳表200は、畳表200の他の側辺202(例えば、上前側の側辺と下前の側辺)で固定する。
【0188】
また、薄畳の場合は、畳表200を、畳床206の側辺208の裏面212裏面まで、折り曲げて裏面で固定する。
【0189】
さらに、左右両方/左側だけ/右側だけの運転モードは、あらかじめ選択しておく。
【0190】
例えば、制御装置40の制御盤42において、入力装置によって、自動的制御で行われるようにすれば良い。
(実施例2)
(A)左側折り曲げユニット14aのみを作動(左側だけを折り曲げる場合)
【0191】
以下に、左側折り曲げユニット14aのみを作動(左側だけを折り曲げる場合)について、説明する。
(1)ステップS1(原点状態)
【0192】
図3図5図8図32のフローチャートに示したように、ステップS1において、原点状態とする(原点状態)。
【0193】
すなわち、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに位置するように、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bを、原点復帰スイッチ52を押す。
【0194】
この状態では、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0195】
また、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18aと、右側位置決め板18bが、上昇した位置にある。
【0196】
さらに、左側移動機構25a、右側移動機構25bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rにある。
【0197】
また、左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21bによって、左側床端押え28a、右側床端押え28bが、上昇した位置にある。
【0198】
さらに、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇した位置にある。
【0199】
また、例えば、ピストンシリンダー機構、サーボモーター、ボールねじなどから構成される仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇した位置にある。
【0200】
さらに、裏面折り曲げ板駆動機構19(左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19b)によって、裏面折り曲げ板駆動機構19(左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19b)が、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rにある。
(2)ステップS2(畳表200のセット)
【0201】
次に、図9図32のフローチャートに示したように、ステップS2において、載置テーブル16上に、畳表200を下向きにして、畳床206をセットする(畳表200のセット)。
【0202】
なお、この際、折り曲げる側の畳床端面(畳床206の他の側辺208)を、載置テーブル16の先端より、数mm内側に位置するように配置する。
【0203】
なお、この際、左側折り曲げ部材(横押しブロック)24aと、右側折り曲げ部材(横押しブロック)24bは、図9に示したように、退避位置Rの位置にある。
【0204】
また、前述したように、畳表200の他の側辺202には、図示しないが、間中位置で切り込みを入れておく。
(3)ステップS3(運転スイッチ操作)
【0205】
次に、図10図32のフローチャートに示したように、ステップS3において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14aの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0206】
これにより、図10に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降する。
【0207】
また、左側位置決め板駆動機構構13aによって、左側位置決め板18aが、下降する。
【0208】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0209】
なお、この際、左側位置決め板18a、床押え20は、畳表200と、畳床206を挟まない程度の隙間を残して、下降するように構成されている。
【0210】
そして、左側移動機構25aによって、左側折り曲げ部材24aを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qに位置するように、移動させる。
【0211】
なお、この際、左側移動補助機構17aは、まだ、作動せず、左側折り曲げ部材24aが、畳床206の他の側辺208を押圧しないような状態にある。
(4)ステップS4(左側位置決め板18aの裏面への位置決め)
【0212】
次に、図11図32のフローチャートに示したように、ステップS4において、作業員が、本発明の畳表折り曲げ装置10の背面側から、図11の矢印で示したように、畳床206の他の側辺208が、左側位置決め板18aの裏面に沿うように押し付ける(左側位置決め板18aの裏面への位置決め)。
【0213】
なお、この際、畳床206のクセの間中位置(左右のクセの交点)が、左側位置決め板18aの裏面と合致するように押し付ける。
(5)ステップS5(床曲げ、面張り)
【0214】
次に、図12図13図32のフローチャートに示したように、ステップS5において、作業員が、必要に応じて、床曲げ、表張りをする(床曲げ、面張り)。
【0215】
すなわち、図12に示したように、上方床曲げ駆動機構36、下方床曲げ駆動機構38によって、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34を、下降させて、床曲げを行う。
【0216】
また、図13に示したように、左側表張り装置駆動機構23aによって、左側表張り装置30aを下降させて、左側表張り装置30aによって、畳床206の他の側辺208の端部をチャックして、図13において、左側表張り装置30aを左側(畳床206の他の側辺208から離反する方向)に移動させて、表張りをしてテンションが付与された状態とする。
(6)ステップS6(畳押さえ工程)
【0217】
次に、図14図32のフローチャートに示したように、ステップS6において、畳押さえ工程が行われる。
【0218】
すなわち、図14に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0219】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、下降する。
【0220】
さらに、左側位置決め板駆動機構構13aによって、左側位置決め板18aが、上昇する。
【0221】
また、左側表張り装置駆動機構23aによって、左側表張り装置30aが、上昇する。
【0222】
さらに、上方床曲げ駆動機構36、下方床曲げ駆動機構38によって、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34を、上昇させる。
(7)ステップS7(筋付け工程)
【0223】
次に、図32のフローチャートに示したように、作業員が、筋付け器具を用いて、筋付け(綺麗に折り曲げるため、縁引などの筋付け器具を用いて、畳表200の他の側辺202の折り曲げる位置に、筋を付ける)を行う(筋付け工程)。
(A-1)厚畳の場合
【0224】
以下、ステップS7の後、厚畳の場合には、ステップS8~ステップS13が行われる。
(8)ステップS8(運転スイッチ操作)(厚畳の場合)
【0225】
次に、図15図32のフローチャートに示したように、ステップS8において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14aの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0226】
これにより、図15に示したように、左側位置決め板駆動機構構13aによって、左側位置決め板18aが、下降する。
【0227】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
【0228】
なお、この状態では、図15に示したように、フレーム部材35は、上昇していない状態である。
(9)ステップS9(畳表200の折り曲げ工程)(厚畳の場合)
【0229】
次に、図16図32のフローチャートに示したように、ステップS9において、畳表200の折り曲げ工程が行われる(畳表200の折り曲げ工程)。
【0230】
すなわち、図16に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0231】
また、左側位置決め板駆動機構構13aによって、左側位置決め板18aが、やや上昇した位置に移動する。
【0232】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0233】
また、床押え20と載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、下降する。
【0234】
なお、載置テーブル16は、例えば、ピストンシリンダー機構の場合、床押さえ駆動機構15によって下降する床押さえ20の下降圧力により、下降するように構成されている。
すなわち、図示しないが、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーは、4本配置されている。
【0235】
そして、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーには、常に上昇させようとする付勢力が働いており、2本のエアシリンダーの出力が切れ、床押さえ20の下降圧力の方が、残り2本の上昇圧力よりも強いために、載置テーブル16が下降する。
【0236】
これによって、畳表200の折り曲げ工程が行われる。
【0237】
すなわち、左側位置決め板18aよりも、床押え20の下降圧力が強いため、左側位置決め板18aが、やや上昇した位置に移動する。
【0238】
また、載置テーブル16よりも、床押え20の下降圧力が強いため、載置テーブル16が、下降することになる。
【0239】
なお、この際、載置テーブル16の下降量は、基本的に畳(畳床206の)の厚みと同程度の量だけ下降するが、最大は30mmとなっている。
(10)ステップS10(左側折り曲げ部材24aによる押圧工程)(厚畳の場合)
【0240】
次に、図17図32のフローチャートに示したように、ステップS10において、左側移動補助機構17aによって、左側折り曲げ部材24aを、畳床206の他の側辺208に対して、図17の矢印で示したように、接近した接近位置Qよりさらに接近した位置になるように移動させ、押圧させる(左側折り曲げ部材24aによる押圧工程)。
(11)ステップS11(畳表固定工程)(厚畳の場合)
【0241】
次に、図18図32のフローチャートに示したように、ステップS11において、折り曲げた畳表200の他の側辺202を、例えば、タッカーやテープ、接着剤などで、畳床206の他の側辺208に固定する。
【0242】
この際、図18に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0243】
また、左側位置決め板駆動機構構13aによって、左側位置決め板18aが、上昇した位置にある。
【0244】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
(12)ステップS12(運転スイッチ操作)(厚畳の場合)
【0245】
次に、図19図32のフローチャートに示したように、ステップS12において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14aの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0246】
また、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇する。
【0247】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇する。
【0248】
さらに、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、上昇する。
【0249】
また、左側移動機構25a、左側移動補助機構17aによって、左側折り曲げ部材24aが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに、移動される。
(13)ステップS13(取り出し工程)(厚畳の場合)
【0250】
次に、図32のフローチャートに示したように、ステップS13において、出来上がった畳を取り出す(取り出し工程)。
(A-2)薄畳の場合
【0251】
一方、以下、ステップS7の後、薄畳の場合には、ステップS14~ステップS22が行われる。
(14)ステップS14(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0252】
ステップS7の後、図20図33のフローチャートに示したように、薄畳の場合、御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14aの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0253】
これにより、図20に示したように、左側位置決め板駆動機構構13aによって、左側位置決め板18aが、下降する。
【0254】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
【0255】
さらに、この状態では、図20に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降した位置にある。
(15)ステップS15(畳表200の折り曲げ工程)(薄畳の場合)
【0256】
次に、図21図33のフローチャートに示したように、ステップS15において、畳表200の折り曲げ工程が行われる(畳表200の折り曲げ工程)。
【0257】
すなわち、図21に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0258】
また、フレーム部材駆動機構29によって、左側位置決め板18aが、やや上昇した位置に移動する。
【0259】
すなわち、前述したように、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35が下降している状態で、床端押え駆動機構21による床端押え28が下降する場合、床端押え28が畳床206に当接した後は、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35は、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降圧力に負けた分上昇するように構成されている。
【0260】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0261】
また、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、下降する。
【0262】
これによって、畳表200の折り曲げ工程が行われる。
【0263】
すなわち、左側位置決め板18aよりも、床押え20の下降圧力が強いため、左側位置決め板18aが、やや上昇した位置に移動する。
【0264】
また、載置テーブル16よりも、床押え20の下降圧力が強いため、載置テーブル16が、下降することになる。
(16)ステップS16(左側折り曲げ部材24aによる押圧工程)
【0265】
次に、図22図33のフローチャートに示したように、ステップS16において、左側移動補助機構17aによって、左側折り曲げ部材24aを、畳床206の他の側辺208に対して、図22の矢印で示したように、接近した接近位置Qよりさらに接近した位置になるように移動させ、押圧させる(左側折り曲げ部材24aによる押圧工程)。
(17)ステップS17(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0266】
次に、図23図33のフローチャートに示したように、ステップS17において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14aの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0267】
これにより、図23に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が上昇する。
【0268】
なお、この際、左側移動機構25a、左側移動補助機構17aによって、左側折り曲げ部材24aが、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qよりさらに接近した横圧状態が継続されている。
(18)ステップS18(左側裏面折り曲げ板26aによる畳床206の裏面212への折り曲げ)(薄畳の場合)
【0269】
すなわち図24図33のフローチャートに示したように、ステップS18において、左側折り曲げユニット14aは、畳床206が、薄畳である場合に対応して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208および裏面212に固着するように構成されている。
【0270】
このため、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、左側裏面折り曲げ板駆動機構19aによって、左側裏面折り曲げ板26aが、図24の矢印で示したように、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動する。
【0271】
これにより、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208の裏面212に沿って折り曲げられる。
(19)ステップS19(畳床206の裏面212への押圧)(薄畳の場合)
【0272】
そして、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降する。
【0273】
これにより、図25図33のフローチャートに示したように、ステップS19において、フレーム部材35の下降により、左側床端押え28aが下降する。
そして、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、左側床端押え28aの下面に形成された凹部に、左側裏面折り曲げ板26aの上方に曲がった先端が、嵌入する。
【0274】
なお、左側裏面折り曲げ板26aの上方に曲がった先端は、畳表200の他の側辺202に引っ掛からずに、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の裏面212に沿わすのを、容易にするためである。
【0275】
これにより、左側裏面折り曲げ板26aが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動した際に、左側裏面折り曲げ板26aを、左側床端押え28aが、上方より押し付けて、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の裏面212に固着するように構成されている。
(20)ステップS20(畳表固定工程)(薄畳の場合)
【0276】
次に、図26図33のフローチャートに示したように、ステップS20において、折り曲げた畳表200の他の側辺202を、例えば、タッカーやテープ、接着剤などで、畳床206の他の側辺208の裏面212に固定する。
【0277】
この際、図26に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0278】
また、左側位置決め板駆動機構構13aによって、左側位置決め板18aが、上昇した位置にある。
【0279】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
(21)ステップS21(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0280】
次に、図27図33のフローチャートに示したように、ステップS21において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14aの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0281】
これにより、図27に示したように、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇する。
【0282】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇する。
【0283】
さらに、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、上昇する。
【0284】
また、左側移動機構25a、左側移動補助機構17aによって、左側折り曲げ部材24aが、図27の矢印で示したように、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに、移動される。
(22)ステップS22(取り出し工程)(薄畳の場合)
【0285】
次に、図33のフローチャートに示したように、ステップS22において、出来上がった畳を取り出す(取り出し工程)。
(実施例3)
(B)右側折り曲げユニット14bのみを作動(右側だけを折り曲げる場合)
【0286】
以下に、右側折り曲げユニット14bのみを作動(右側だけを折り曲げる場合)について、説明する。
【0287】
なお、基本的には、上記実施例2の左側折り曲げユニット14aの作動を、右側折り曲げユニット14bに置き換えれば良い。従って、同じステップについて、同じステップ番号を付している。
(1)ステップS1(原点状態)
【0288】
図3図5図8図32のフローチャートに示したように、ステップS1において、原点状態とする(原点状態)。
【0289】
すなわち、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに位置するように、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bを、原点復帰スイッチ52を押す。
【0290】
この状態では、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0291】
また、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18aと、右側位置決め板18bが、上昇した位置にある。
【0292】
さらに、左側移動機構25a、右側移動機構25bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rにある。
【0293】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇した位置にある。
【0294】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇した位置にある。
【0295】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇した位置にある。
【0296】
さらに、裏面折り曲げ板駆動機構19(左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19b)によって、裏面折り曲げ板駆動機構19(左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19b)が、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rにある。
(2)ステップS2(畳表200のセット)
【0297】
次に、図9図32のフローチャートに示したように、ステップS2において、載置テーブル16上に、畳表200を下向きにして、畳床206をセットする(畳表200のセット)。
【0298】
なお、この際、折り曲げる側の畳床端面(畳床206の他の側辺208)を、載置テーブル16の先端より、数mm内側に位置するように配置する。
【0299】
なお、この際、左側折り曲げ部材(横押しブロック)24aと、右側折り曲げ部材(横押しブロック)24bは、図9に示したように、退避位置Rの位置にある。
【0300】
また、前述したように、畳表200の他の側辺202には、図示しないが、間中位置で切り込みを入れておく。
(3)ステップS3(運転スイッチ操作)
【0301】
次に、図10図32のフローチャートに示したように、ステップS3において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0302】
これにより、図10に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降する。
【0303】
また、右側位置決め板駆動機構13bによって、右側位置決め板18bが、下降する。
【0304】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0305】
なお、この際、右側位置決め板18b、床押え20は、畳表200と、畳床206を挟まない程度の隙間を残して、下降するように構成されている。
【0306】
そして、右側移動機構25bによって、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qに位置するように、移動させる。
【0307】
なお、この際、右側移動補助機構17bは、まだ、作動せず、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208を押圧しないような状態にある。
(4)ステップS4(右側位置決め板18bの裏面への位置決め)
【0308】
次に、図11図32のフローチャートに示したように、ステップS4において、作業員が、本発明の畳表折り曲げ装置10の背面側から、図11の矢印で示したように、畳床206の他の側辺208が、右側置決め板18bの裏面に沿うように押し付ける(右側位置決め板18bの裏面への位置決め)。
【0309】
なお、この際、畳床206のクセの間中位置(左右のクセの交点)が、右側位置決め板18bの裏面と合致するように押し付ける。
(5)ステップS5(床曲げ、面張り)
【0310】
次に、図12図13図32のフローチャートに示したように、ステップS5において、作業員が、必要に応じて、床曲げ、表張りをする(床曲げ、面張り)。
【0311】
すなわち、図12に示したように、上方床曲げ駆動機構36、下方床曲げ駆動機構38によって、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34を、下降させて、床曲げを行う。
【0312】
また、図13に示したように、右側表張り装置駆動機構23bによって、右側表張り装置30bを下降させて、右側表張り装置30bによって、畳床206の他の側辺208の端部をチャックして、図13において、右側表張り装置30bを左側(畳床206の他の側辺208から離反する方向)に移動させて、表張りをしてテンションが付与された状態とする。
(6)ステップS6(畳押さえ工程)
【0313】
次に、図14図32のフローチャートに示したように、ステップS6において、畳押さえ工程が行われる。
【0314】
すなわち、図14に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0315】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、下降する。
【0316】
さらに、右側位置決め板駆動機構13bによって、右側位置決め板18bが、上昇する。
【0317】
また、右側表張り装置駆動機構23bによって、右側表張り装置30bが、上昇する。
【0318】
さらに、上方床曲げ駆動機構36、下方床曲げ駆動機構38によって、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34を、上昇させる。
(7)ステップS7(筋付け工程)
【0319】
次に、図32のフローチャートに示したように、作業員が、筋付け器具を用いて、筋付け(綺麗に折り曲げるため、縁引などの筋付け器具を用いて、畳表200の他の側辺202の折り曲げる位置に、筋を付ける)を行う(筋付け工程)。
(B-1)厚畳の場合
【0320】
以下、ステップS7の後、厚畳の場合には、ステップS8~ステップS13が行われる。
(8)ステップS8(運転スイッチ操作)(厚畳の場合)
【0321】
次に、図15図32のフローチャートに示したように、ステップS8において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0322】
これにより、図15に示したように、右側位置決め板駆動機構13bによって、右側位置決め板18bが、下降する。
【0323】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
【0324】
なお、この状態では、図15に示したように、フレーム部材駆動機構32によって、フレーム部材35が、下降した位置にある。
(9)ステップS9(畳表200の折り曲げ工程)(厚畳の場合)
【0325】
次に、図16図32のフローチャートに示したように、ステップS9において、畳表200の折り曲げ工程が行われる(畳表200の折り曲げ工程)。
【0326】
すなわち、図16に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0327】
また、右側位置決め板駆動機構13bによって、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0328】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0329】
また、床押え20と載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、下降する。
【0330】
なお、載置テーブル16は、例えば、ピストンシリンダー機構の場合、床押さえ駆動機構15によって下降する床押さえ20の下降圧力により、下降するように構成されている。
すなわち、図示しないが、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーは、4本配置されている。
【0331】
そして、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーには、常に上昇させようとする付勢力が働いており、2本のエアシリンダーの出力が切れ、床押さえ20の下降圧力の方が、残り2本の上昇圧力よりも強いために、載置テーブル16が下降する。
【0332】
これによって、畳表200の折り曲げ工程が行われる。
【0333】
すなわち、右側位置決め板18bよりも、床押え20の下降圧力が強いため、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0334】
また、載置テーブル16よりも、床押え20の下降圧力が強いため、載置テーブル16が、下降することになる。
【0335】
なお、この際、載置テーブル16の下降量は、基本的に畳(畳床206の)の厚みと同程度の量だけ下降するが、最大は30mmとなっている。
(10)ステップS10(右側折り曲げ部材24bによる押圧工程)(厚畳の場合)
【0336】
次に、図17図32のフローチャートに示したように、ステップS10において、右側移動補助機構17bによって、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qよりさらに接近した位置になるように移動させ、押圧させる(右側折り曲げ部材24bによる押圧工程)。
(11)ステップS11(畳表固定工程)(厚畳の場合)
【0337】
次に、図18図32のフローチャートに示したように、ステップS11において、折り曲げた畳表200の他の側辺202を、例えば、タッカーやテープ、接着剤などで、畳床206の他の側辺208に固定する。
【0338】
この際、図18に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0339】
また、右側位置決め板駆動機構13bによって、右側位置決め板18bが、上昇した位置にある。
【0340】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
(12)ステップS12(運転スイッチ操作)(厚畳の場合)
【0341】
次に、図19図32のフローチャートに示したように、ステップS12において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0342】
また、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇する。
【0343】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇する。
【0344】
さらに、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、上昇する。
【0345】
また、右側移動機構25b、右側移動補助機構17bによって、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに、移動される。
(13)ステップS13(取り出し工程)(厚畳の場合)
【0346】
次に、図32のフローチャートに示したように、ステップS13において、出来上がった畳を取り出す(取り出し工程)。
(B-2)薄畳の場合
【0347】
一方、以下、ステップS7の後、薄畳の場合には、ステップS14~ステップS22が行われる。
(14)ステップS14(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0348】
ステップS7の後、図20図33のフローチャートに示したように、薄畳の場合、御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0349】
これにより、図20に示したように、右側位置決め板駆動機構13bによって、右側位置決め板18bが、下降する。
【0350】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
【0351】
さらに、この状態では、図20に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降した位置にある。
(15)ステップS15(畳表200の折り曲げ工程)(薄畳の場合)
【0352】
次に、図21図33のフローチャートに示したように、ステップS15において、畳表200の折り曲げ工程が行われる(畳表200の折り曲げ工程)。
【0353】
すなわち、図21に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0354】
また、フレーム部材駆動機構29によって、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0355】
すなわち、前述したように、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35が下降している状態で、床端押え駆動機構21による床端押え28が下降する場合、床端押え28が畳床206に当接した後は、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35は、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降圧力に負けた分上昇するように構成されている。
【0356】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0357】
また、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、下降する。
【0358】
これによって、畳表200の折り曲げ工程が行われる。
【0359】
すなわち、右側位置決め板18bよりも、床押え20の下降圧力が強いため、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0360】
また、載置テーブル16よりも、床押え20の下降圧力が強いため、載置テーブル16が、下降することになる。
(16)ステップS16(右側側折り曲げ部材24bによる押圧工程)
【0361】
次に、図22図33のフローチャートに示したように、ステップS16において、右側移動補助機構17bによって、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qよりさらに接近した位置になるように移動させ、押圧させる(右側折り曲げ部材24bによる押圧工程)。
(17)ステップS17(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0362】
次に、図23図33のフローチャートに示したように、ステップS17において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0363】
これにより、図23に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0364】
なお、この際、右側移動機構25b、右側移動補助機構17bによって、左側折り曲げ部材24aが、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qよりさらに接近した横圧状態が継続されている。
(18)ステップS18(右側裏面折り曲げ板26bによる畳床206の裏面212への折り曲げ)(薄畳の場合)
【0365】
すなわち、図24図33のフローチャートに示したように、ステップS18において、右側折り曲げユニット14bは、畳床206が、薄畳である場合に対応して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208および裏面212に固着するように構成されている。
【0366】
このため、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、右側裏面折り曲げ板駆動機構19bによって、右側裏面折り曲げ板26bが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動する。
【0367】
これにより、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208の裏面212に沿って折り曲げられる。
(19)ステップS19(畳床206の裏面212への押圧)(薄畳の場合)
【0368】
次に、図25図33のフローチャートに示したように、ステップS19において、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、右側裏面折り曲げ板駆動機構19bによって、右側床端押え28bの凹部に、右側裏面折り曲げ板26bが、嵌入する。
【0369】
そして、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降する。
【0370】
これにより、右側裏面折り曲げ板26bが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動した際に、右側裏面折り曲げ板26bを、右側床端押え28bが、上方より押し付けて、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の裏面212に固着するように構成されている。
(20)ステップS20(畳表固定工程)(薄畳の場合)
【0371】
次に、図26図33のフローチャートに示したように、ステップS20において、折り曲げた畳表200の他の側辺202を、例えば、タッカーやテープ、接着剤などで、畳床206の他の側辺208の裏面212に固定する。
【0372】
この際、図26に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0373】
また、右側位置決め板駆動機構13bによって、右側位置決め板18bが、上昇した位置にある。
【0374】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
(21)ステップS21(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0375】
次に、図27図33のフローチャートに示したように、ステップS21において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0376】
これにより、図27に示したように、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇する。
【0377】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇する。
【0378】
さらに、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、上昇する。
【0379】
また、右側移動機構25b、右側移動補助機構17bによって、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに、移動される。
(22)ステップS22(取り出し工程)(薄畳の場合)
【0380】
次に、図33のフローチャートに示したように、ステップS22において、出来上がった畳を取り出す(取り出し工程)。
(実施例4)
(C)左側折り曲げユニット14bと右側折り曲げユニット14bの両方を作動(両側を折り曲げる場合)
【0381】
以下に、左側折り曲げユニット14bと右側折り曲げユニット14bの両方を作動(両側を折り曲げる場合)について、説明する。
【0382】
なお、基本的には、上記実施例1、実施例2の左側折り曲げユニット14aの作動と、右側折り曲げユニット14bを、同時に作動するようにすれば良い。従って、同じステップについて、同じステップ番号を付している。
(1)ステップS1(原点状態)
【0383】
図3図5図8図32のフローチャートに示したように、ステップS1において、原点状態とする(原点状態)。
【0384】
すなわち、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに位置するように、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bを、原点復帰スイッチ52を押す。
【0385】
この状態では、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0386】
また、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18aと、右側位置決め板18bが、上昇した位置にある。
【0387】
さらに、左側移動機構25a、右側移動機構25bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rにある。
【0388】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇した位置にある。
【0389】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇した位置にある。
【0390】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇した位置にある。
【0391】
さらに、裏面折り曲げ板駆動機構19(左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19b)によって、裏面折り曲げ板駆動機構19(左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19b)が、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rにある。
(2)ステップS2(畳表200のセット)
【0392】
次に、図9図32のフローチャートに示したように、ステップS2において、載置テーブル16上に、畳表200を下向きにして、畳床206をセットする(畳表200のセット)。
【0393】
なお、この際、折り曲げる側の畳床端面(畳床206の他の側辺208)を、載置テーブル16の先端より、数mm内側に位置するように配置する。
【0394】
なお、この際、左側折り曲げ部材(横押しブロック)24aと、右側折り曲げ部材(横押しブロック)24bは、図9に示したように、退避位置Rの位置にある。
【0395】
また、前述したように、畳表200の他の側辺202には、図示しないが、間中位置で切り込みを入れておく。
(3)ステップS3(運転スイッチ操作)
【0396】
次に、図10図32のフローチャートに示したように、ステップS3において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0397】
これにより、図10に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降する。
【0398】
また、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、下降する。
【0399】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0400】
なお、この際、左側位置決め板18a、右側位置決め板18b、床押え20は、畳表200と、畳床206を挟まない程度の隙間を残して、下降するように構成されている。
【0401】
そして、左側移動機構25a、右側移動機構25bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qに位置するように、移動させる。
【0402】
なお、この際、左側移動補助機構17a、右側移動補助機構17bは、まだ、作動せず、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208を押圧しないような状態にある。
(4)ステップS4(左側位置決め板18a、右側位置決め板18bの裏面への位置決め)
【0403】
次に、図11図32のフローチャートに示したように、ステップS4において、作業員が、本発明の畳表折り曲げ装置10の背面側から、図11の矢印で示したように、畳床206の他の側辺208が、左側位置決め板18a、右側置決め板18bの裏面に沿うように押し付ける(左側位置決め板18a、右側位置決め板18bの裏面への位置決め)。
【0404】
なお、この際、畳床206の間中位置(間中クセなし)が、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bの裏面と合致するように押し付ける。
(5)ステップS5(床曲げ、面張り)
【0405】
次に、図12図13図32のフローチャートに示したように、ステップS5において、作業員が、必要に応じて、床曲げ、表張りをする(床曲げ、面張り)。
【0406】
すなわち、図12に示したように、上方床曲げ駆動機構36、下方床曲げ駆動機構38によって、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34を、下降させて、床曲げを行う。
【0407】
また、図13に示したように、左側表張り装置駆動機構23a、右側表張り装置駆動機構23bによって、左側表張り装置30a、右側表張り装置30bを下降させて左側表張り装置30a、右側表張り装置30bによって、畳床206の他の側辺208の端部をチャックして、図13において、左側表張り装置30a、右側表張り装置30bを左側(畳床206の他の側辺208から離反する方向)に移動させて、表張りをしてテンションが付与された状態とする。
(6)ステップS6(畳押さえ工程)
【0408】
次に、図14図32のフローチャートに示したように、ステップS6において、畳押さえ工程が行われる。
【0409】
すなわち、図14に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0410】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、下降する。
【0411】
さらに、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、上昇する。
【0412】
また、左側表張り装置駆動機構23a、右側表張り装置駆動機構23bによって、左側表張り装置30a、右側表張り装置30bが、上昇する。
【0413】
さらに、上方床曲げ駆動機構36、下方床曲げ駆動機構38によって、上方床曲げ装置32と、下方床曲げ装置34を、上昇させる。
(7)ステップS7(筋付け工程)
【0414】
次に、図32のフローチャートに示したように、作業員が、筋付け器具を用いて、筋付け(綺麗に折り曲げるため、縁引筋などの筋付け器具を用いて、畳表200の他の側辺202の折り曲げる位置に、筋を付ける)を行う(筋付け工程)。
(C-1)厚畳の場合
【0415】
以下、ステップS7の後、厚畳の場合には、ステップS8~ステップS13が行われる。
(8)ステップS8(運転スイッチ操作)(厚畳の場合)
【0416】
次に、図15図32のフローチャートに示したように、ステップS8において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0417】
これにより、図15に示したように、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、下降する。
【0418】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
【0419】
なお、この状態では、図15に示したように、フレーム部材駆動機構32によって、フレーム部材35が、下降した位置にある。
(9)ステップS9(畳表200の折り曲げ工程)(厚畳の場合)
【0420】
次に、図16図32のフローチャートに示したように、ステップS9において、畳表200の折り曲げ工程が行われる(畳表200の折り曲げ工程)。
【0421】
すなわち、図16に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0422】
また、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0423】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0424】
また、床押え20と載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、下降する。
【0425】
なお、載置テーブル16は、例えば、ピストンシリンダー機構の場合、床押さえ駆動機構15によって下降する床押さえ20の下降圧力により、下降するように構成されている。
すなわち、図示しないが、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーは、4本配置されている。
【0426】
そして、載置テーブル駆動機構11のエアシリンダーには、常に上昇させようとする付勢力が働いており、2本のエアシリンダーの出力が切れ、床押さえ20の下降圧力の方が、残り2本の上昇圧力よりも強いために、載置テーブル16が下降する。
【0427】
これによって、畳表200の折り曲げ工程が行われる。
【0428】
すなわち、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bよりも、床押え20の下降圧力が強いため、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0429】
また、載置テーブル16よりも、床押え20の下降圧力が強いため、載置テーブル16が、下降することになる。
【0430】
なお、この際、載置テーブル16の下降量は、基本的に畳(畳床206の)の厚みと同程度の量だけ下降するが、最大は30mmとなっている。
(10)ステップS10(左側折り曲げ部材24a、右側側折り曲げ部材24bによる押圧工程)(厚畳の場合)
【0431】
次に、図17図32のフローチャートに示したように、ステップS10において、移動補助機構25c、右側移動補助機構17bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qに位置するように、移動させ、押圧させる(左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bによる押圧工程)。
(11)ステップS11(畳表固定工程)(厚畳の場合)
【0432】
次に、図18図32のフローチャートに示したように、ステップS11において、折り曲げた畳表200の他の側辺202を、例えば、タッカーやテープ、接着剤などで、畳床206の他の側辺208に固定する。
【0433】
この際、図18に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0434】
また、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、上昇した位置にある。
【0435】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
(12)ステップS12(運転スイッチ操作)(厚畳の場合)
【0436】
次に、図19図32のフローチャートに示したように、ステップS12において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0437】
また、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇する。
【0438】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇する。
【0439】
さらに、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、上昇する。
【0440】
また、左側移動機構25a、左側移動補助機構17a、右側移動機構25b、右側移動補助機構17bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに、移動される。
(13)ステップS13(取り出し工程)(厚畳の場合)
【0441】
次に、図32のフローチャートに示したように、ステップS13において、出来上がった畳を取り出す(取り出し工程)。
(B-2)薄畳の場合
【0442】
一方、以下、ステップS7の後、薄畳の場合には、ステップS14~ステップS22が行われる。
(14)ステップS14(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0443】
ステップS7の後、図20図33のフローチャートに示したように、薄畳の場合、御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0444】
これにより、図20に示したように、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、下降する。
【0445】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
【0446】
さらに、この状態では、図20に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降した位置にある。
(15)ステップS15(畳表200の折り曲げ工程)(薄畳の場合)
【0447】
次に、図21図33のフローチャートに示したように、ステップS15において、畳表200の折り曲げ工程が行われる(畳表200の折り曲げ工程)。
【0448】
すなわち、図21に示したように、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、下降する。
【0449】
また、フレーム部材駆動機構29によって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0450】
すなわち、前述したように、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35が下降している状態で、床端押え駆動機構21による床端押え28が下降する場合、床端押え28が畳床206に当接した後は、フレーム部材駆動機構29によるフレーム部材35は、床端押え駆動機構21による床端押え28の下降圧力に負けた分上昇するように構成されている。
【0451】
さらに、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、下降する。
【0452】
また、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、下降する。
【0453】
これによって、畳表200の折り曲げ工程が行われる。
【0454】
すなわち、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bよりも、床押え20の下降圧力が強いため、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、やや上昇した位置に移動する。
【0455】
また、載置テーブル16よりも、床押え20の下降圧力が強いため、載置テーブル16が、下降することになる。
(16)ステップS16(左側折り曲げ部材24a、右側側折り曲げ部材24bによる押圧工程)
【0456】
次に、図22図33のフローチャートに示したように、ステップS16において、左側移動補助機構17a、右側移動補助機構17bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bを、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qよりさらに接近した位置になるように移動させ、押圧させる(左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bによる押圧工程)。
(17)ステップS17(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0457】
次に、図23図33のフローチャートに示したように、ステップS17において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0458】
この際、これにより、図23に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0459】
なお、この際、左側移動機構25a、左側移動補助機構17a、右側移動機構25b、右側移動補助機構17bによって、左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qよりさらに接近した横圧状態が継続されている。
(18)ステップS18(左側裏面折り曲げ板26a、右側裏面折り曲げ板26bによる畳床206の裏面212への折り曲げ)(薄畳の場合)
【0460】
すなわち図24図33のフローチャートに示したように、ステップS18において、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bは、畳床206が、薄畳である場合に対応して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208および裏面212に固着するように構成されている。
【0461】
このため、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19bによって、左側裏面折り曲げ板26a、右側裏面折り曲げ板26bが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動する。
【0462】
これにより、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208の裏面212に沿って折り曲げられる。
(19)ステップS19(畳床206の裏面212への押圧)(薄畳の場合)
【0463】
そして、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降する。
【0464】
これにより、図25図33のフローチャートに示したように、ステップS19において、フレーム部材35の下降により、左側床端押え28aと右側床端押え28bが下降する。
そして、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、左側床端押え28aの凹部、右側床端押え28bの凹部に、左側裏面折り曲げ板26a、右側裏面折り曲げ板26bが、嵌入する。
【0465】
そして、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、下降する。
【0466】
これにより、左側裏面折り曲げ板26a、右側裏面折り曲げ板26bが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動した際に、左側裏面折り曲げ板26a、右側裏面折り曲げ板26bを、左側床端押え28a、右側床端押え28bが、上方より押し付けて、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の裏面212に固着するように構成されている。
(20)ステップS20(畳表固定工程)(薄畳の場合)
【0467】
このため、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、左側裏面折り曲げ板駆動機構19a、右側裏面折り曲げ板駆動機構19bによって、左側裏面折り曲げ板26a、右側裏面折り曲げ板26bが、畳床206の他の側辺208の裏面212上部に対して、接近する方向に移動する。
【0468】
これにより、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208の裏面212に沿って折り曲げられる。
【0469】
次に、図26図33のフローチャートに示したように、ステップS20において、折り曲げた畳表200の他の側辺202を、例えば、タッカーやテープ、接着剤などで、畳床206の他の側辺208の裏面212に固定する。
【0470】
この際、図26に示したように、フレーム部材駆動機構29によって、フレーム部材35が、上昇する。
【0471】
また、左側位置決め板駆動機構構13a、右側位置決め板駆動機構13bによって、左側位置決め板18a、右側位置決め板18bが、上昇した位置にある。
【0472】
また、床端押え駆動機構21(左側床端押え駆動機構21a、右側床端押え駆動機構21b)によって、床端押え28(左側床端押え28a、右側床端押え28b)が、上昇する。
(21)ステップS21(運転スイッチ操作)(薄畳の場合)
【0473】
次に、図27図33のフローチャートに示したように、ステップS21において、制御装置40の制御盤42の左側運転スイッチ44a、右側運転スイッチ44bを二つ同時に押すことによって、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bの作動を開始する(運転スイッチ操作)。
【0474】
これにより、図27に示したように、床押さえ駆動機構15によって、床押え20が、上昇する。
【0475】
また、仮押さえ駆動機構31によって、仮押さえ33が、上昇する。
【0476】
さらに、載置テーブル駆動機構11によって、載置テーブル16が、上昇する。
【0477】
また、左側移動機構25a、左側移動補助機構17a、右側移動機構25b、右側移動補助機構17bによって、右側折り曲げ部材24bが、畳床206の他の側辺208に対して、離反した退避位置Rに、移動される。
(22)ステップS22(取り出し工程)(薄畳の場合)
【0478】
次に、図33のフローチャートに示したように、ステップS22において、出来上がった畳を取り出す(取り出し工程)。
(実施例5)
【0479】
図28は、本発明の畳表折り曲げ装置の別の実施例を示す、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合を示す図1のA-A線での畳表折り曲げ装置の側面図、図29は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合を示す図1のB-B線での畳表折り曲げ装置の側面図、図30は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合を示す図1のC-C線での畳表折り曲げ装置の側面図、図31は、折り曲げ部材の初期位置が、畳床の他の側辺に対して、接近位置にある場合に、表張り装置を作動させた状態を示す図1のC-C線での畳表折り曲げ装置の側面図である。
【0480】
この実施例の畳表折り曲げ装置10は、図1図27に示した畳表折り曲げ装置10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0481】
この実施例では、折り曲げ部材24(左側折り曲げ部材24a、右側折り曲げ部材24b)の内部に、図示しないが、例えば、ヒーターなどの加熱装置を備えている。
【0482】
そして、図28図30に示したように、折り曲げ部材24の初期位置が、畳床206の他の側辺208に対して、接近した接近位置Qにあるように構成されている。
【0483】
そして、折り曲げ部材24の上方に位置する、載置テーブル16の折り曲げ端部側から外側に突出する畳表200を加熱するように構成されている。
【0484】
なお、この際、図31に示したように、表張り装置駆動機構23(左側表張り装置駆動機構23a、右側表張り装置駆動機構23b)によって、表張り装置30(左側表張り装置30a、右側表張り装置30b)を、畳表200の他の側辺202(例えば、上前側の側辺と下前の側辺)の端部上に下降させて、畳表200の他の側辺202の端部をチャックして、表張りをしてテンションが付与された状態とするようになっている。
【0485】
これにより、折り曲げ部材24の上方に位置する、載置テーブル16の折り曲げ端部側から外側に突出する畳表200を加熱するので、例えば、畳表200に水分を含ませ、暖めることによって、折り曲げる際に、綺麗に折り曲げることができ、綺麗に仕上げることができるように構成されている。
【0486】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、載置テーブル16、床押え20などを、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bに共通な部材としたが、これらを、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bに個別に設けるようにしても良い。
【0487】
また、畳床206の他の側辺208に対して、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208に固着する際に、載置テーブル16が下降するように構成されている。
しかしながら、載置テーブル16を固定して、折り曲げ部材24を上下動可能に構成することによって、畳表200の他の側辺202を内側に折り曲げて、畳床206の他の側辺208に固着するようにしても良い。
【0488】
また、上記実施例では、載置テーブル16を単一の載置テーブル16としたが、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bに、それぞれ独自に駆動するそれぞれ、畳表と畳床を所定の位置に載置するための載置テーブルを備えていても良い。
【0489】
また、上記実施例では、上方床曲げ駆動機構36により作動する上方床曲げ装置32、下方床曲げ駆動機構38により作動する下方床曲げ装置34を、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bに共通に構成した。
【0490】
しかしながら、上方床曲げ駆動機構36により作動する上方床曲げ装置32、下方床曲げ駆動機構38を、左側折り曲げユニット14a、右側折り曲げユニット14bに個別に設けることも可能である。
【0491】
この場合には、一畳サイズの畳を扱う際には、半分だけ曲げるようにすると仕上がりに影響が出るため、必ず同時に作動させる必要がある。
【0492】
また、本発明の畳表折り曲げ装置を、畳表200の被折り曲げ側辺(畳表200の側辺202)を、イ草の織目方向(イ草の向き)に対して垂直な方向に折り曲げる場合について説明したが、畳表200の框206c側の辺を折り曲げる場合にも適用できるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0493】
本発明は、所定の寸法に裁断した畳床の框方向の側辺に、畳表の框方向側の側辺を固着させた状態(いわゆる「先框方式」)で、畳床の他の側辺(上前側の側辺と下前側の側辺、以下、単に「他の側辺」と言う)に対して、畳表の他の側辺を内側に折り曲げて、畳床の他の側辺に固着するための畳表折り曲げ装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0494】
10 畳表折り曲げ装置
11 載置テーブル駆動機構
12 架台フレーム
13a 左側位置決め板駆動機構
13b 右側位置決め板駆動機構
14a 左側折り曲げユニット
14b 右側折り曲げユニット
15 床押さえ駆動機構
16 載置テーブル
17a 左側移動補助機構
17b 右側移動補助機構
18 位置決め板
18a 左側位置決め板
18b 右側位置決め板
19 裏面折り曲げ板駆動機構
19a 左側裏面折り曲げ板駆動機構
19b 右側裏面折り曲げ板駆動機構
20 床押さえ
21a 左側床端押え駆動機構
21b 右側床端押え駆動機構
22a 折り曲げ側端部
23 表張り装置駆動機構
23a 左側表張り装置駆動機構
23b 右側表張り装置駆動機構
24 折り曲げ部材
24a 左側折り曲げ部材
24b 右側折り曲げ部材
25a 左側移動機構
25b 右側移動機構
25c 移動補助機構
26a 左側裏面折り曲げ板
26b 右側裏面折り曲げ板
28a 左側床端押え
28b 右側床端押え
29 フレーム部材駆動機構
30 表張り装置
30a 左側表張り装置
30b 右側表張り装置
31 仮押さえ駆動機構
32 上方床曲げ装置
33 仮押さえ
34 下方床曲げ装置
35 フレーム部材
36 上方床曲げ駆動機構
38 下方床曲げ駆動機構
40 制御装置
42 制御盤
44a 左側運転スイッチ
44b 右側運転スイッチ
46 自動/手動切り替えスイッチ
48 ブレーカー
50 ブレーカーランプ
52 原点復帰スイッチ
56 ヒーター温度設定表示部
58 上昇スイッチ
60 下降スイッチ
200 畳表
201 畳
202 側辺
204 側辺
206 畳床
206a 側辺
206b 側辺
206c 框
208 側辺
210 側辺
212 裏面
214 側辺
216 側辺
300 畳表折り曲げ装置
312 位置決め部材
312a 第1の位置決め板
312b 第2の位置決め板
316c 回動軸
316d 回動軸穴
346 折り曲げ部材
400 畳床
400a 端面
402 載置テーブル
404 位置決め板
406 端面
408 折り曲げ部材
410 折り曲げ部
412 畳表
B 矢印
P 仮想中心軸
Q 接近位置
R 退避位置
図1
図2
図3
図4
図5
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図40