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特開2023-79241包装用シュリンクフィルム付台紙体、それを用いて形成した包装箱、包装容器体形成自動梱包装置ならびにそれを用いた配送箱体形成自動梱包方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079241
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】包装用シュリンクフィルム付台紙体、それを用いて形成した包装箱、包装容器体形成自動梱包装置ならびにそれを用いた配送箱体形成自動梱包方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/26 20060101AFI20230601BHJP
   B65D 81/02 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
B65D77/26 F
B65D81/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192603
(22)【出願日】2021-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】521378277
【氏名又は名称】黒川 弘康
(71)【出願人】
【識別番号】591164727
【氏名又は名称】笹徳印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134669
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 道彰
(72)【発明者】
【氏名】石井 吉彦
【テーマコード(参考)】
3E066
3E067
【Fターム(参考)】
3E066AA32
3E066AA35
3E066BA05
3E066CA01
3E066FA02
3E066FA13
3E066HA10
3E066JA03
3E066KA04
3E066LA25
3E066MA02
3E066NA60
3E067AA11
3E067BA06C
3E067BA21B
3E067BA22B
3E067BB01C
3E067BB02C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC03B
3E067BC06C
3E067BC08C
3E067CA01
3E067CA11
3E067EA01
3E067EB03
3E067EB22
3E067EC28
3E067EE02
3E067EE04
3E067FA02
3E067FB01
3E067FC01
3E067GD03
(57)【要約】

【課題】 別途配送箱体を用意することなくそのまま配送箱体や陳列用箱体となり得る包装容器体が形成できる包装用シュリンクフィルム付台紙体を提供する。
【解決手段】 包装用シュリンクフィルム付台紙体100は、被包装物300を包装する包装用シュリンクフィルム110と、包装用シュリンクフィルム110が貼付された台紙体120を備える。台紙体120が、包装用シュリンクフィルム110の貼付領域121と、貼付領域121の周囲に延設されている非貼付領域122と、複数本の直線状または曲線状の折り曲げ支援線124を備える。包装容器体形成自動梱包装置200は、装填装置220で被装填物300を包装用シュリンクフィルム110内に装填する。折り曲げ装置240により台紙体120の複数本の折り曲げ支援線124を契機に所定方向および所定順序で折り曲げてゆき配送箱体や陳列用箱体となり得る包装容器体101を形成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を包装する包装用シュリンクフィルムと、前記包装用シュリンクフィルムが貼付された台紙体を備え、
前記台紙体が、前記包装用シュリンクフィルムの貼付領域と、前記包装用シュリンクフィルムの前記貼付領域の上下左右すべてまたは上下左右のうちいずれかの方向、または、斜め方向のすべてまたは斜め方向のうちいずれかの方向に延設されている非貼付領域と、前記非貼付領域に付けられた複数本の直線状または曲線状の折り曲げ支援線を備えた構造であり、
前記台紙において、複数本の前記折り曲げ支援線が、前記折り曲げ支援線を契機に所定方向および所定順序で折り曲げてゆくと、前記包装用シュリンクフィルムに装填された被包装物を内部に収めた包装容器体が形成できる位置に設けられていることを特徴とする包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項2】
前記台紙体が、紙製、段ボール製、プラスチック樹脂製のいずれかの素材またはそれらの組み合わせで形成されている請求項1に記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項3】
前記包装容器体が、密閉された箱体であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項4】
前記包装容器体が、自立可能な箱体または自立可能な開放箱体であり、前記包装容器体が陳列用のものであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項5】
前記包装容器体が、陳列用フックに吊下可能な箱体または開放箱体であり、前記包装容器体が陳列用のものであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項6】
前記包装容器体が、外装箱と、前記外装箱の内部に装填される内装体を備え、前記外装箱の中に前記内装体が装填可能なものであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項7】
前記台紙体の一部において、破線状に切断箇所が細かく連続した切開部を備え、
前記包装容器体を形成した状態から、利用者が前記切開部を契機に前記包装容器体の一部を切り裂いて前記包装容器体の内部へアクセス可能としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項8】
前記台紙体の一部において、壁面の一部に設けられた窓部と、前記窓部を塞ぐ透明フィルムを備え、前記包装容器体の外部から前記被包装物を視認可能としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項9】
前記台紙体の一部において、前記包装容器体が形成された状態で外面に位置する箇所の少なくとも一部に印刷を施したものであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項10】
前記被装填物が通信販売で購入された商品であり、形成される前記包装容器体が前記通信販売の前記商品を梱包するための包装容器体であるとともに、配送する際の配送用の配送箱体を兼用することができるものであることを特徴とする請求項9に記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体をもとに組み立てて形成された包装箱。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体に対して前記被装填物を自動装填し、前記包装容器体を形成する包装容器体形成自動梱包装置であって、
請求項1から10のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体を、前記包装容器体が形成される前の状態にて供給するフィーダー装置と、
前記フィーダー装置から供給された前記包装用シュリンクフィルム付台紙体の前記包装用シュリンクフィルムに前記被装填物を装填する装填装置と、
熱またはレーザーで前記包装用シュリンクフィルムを収縮させて前記装填済みの被装填物をパッケージするシュリンクパッケージ装置と、
前記被装填物がパッケージされた前記包装用シュリンクフィルム付台紙体を、前記折り曲げ支援線に沿って前記所定方向に前記所定順序にて折り曲げて包装容器体を形成する折り曲げ装置と、
前記折り曲げ装置により形成された前記包装容器体の形状を保つように前記包装容器体の一部を封止または嵌合する形成装置を備えたことを特徴とする包装容器体形成自動梱包装置。
【請求項13】
請求項1から10のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いて前記被装填物を自動装填し、前記包装容器体を形成する自動梱包方法であって、
請求項1から10のいずれかに記載の包装用シュリンクフィルム付台紙体を、前記包装容器体が形成される前の状態にて供給するフィーダーステップと、
前記フィーダーステップで供給された前記包装用シュリンクフィルム付台紙体の前記包装用シュリンクフィルムに前記被装填物を装填する装填ステップと、
熱またはレーザーで前記包装用シュリンクフィルムを収縮させて前記装填済みの被装填物をパッケージするシュリンクパッケージステップと、
前記被装填物がパッケージされた前記包装用シュリンクフィルム付台紙体を、前記折り曲げ支援線に沿って前記所定方向に前記所定順序にて折り曲げて包装容器体を形成する折り曲げステップと、
前記折り曲げステップにより形成された前記包装容器体の形状を保つように前記包装容器体の一部を封止または嵌合する形成ステップを備えたことを特徴とする包装容器体形成自動梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用シュリンクフィルムに被装填物を装填するための包装用シュリンクフィルム付台紙体、および、包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いた包装容器体形成自動梱包装置ならびにその方法に関する。
例えば、本発明の包装用シュリンクフィルム付台紙体は、被装填物が通信販売で購入された商品であり、形成される配送箱体が通信販売の商品を梱包するための配送箱体であるとともに、配送する際の配送用の配送箱体を兼用することができるものである。
【背景技術】
【0002】
商品属性にもよるが、商品は店頭などに陳列される際に剥き出しのままではなく個装パッケージに梱包されていることが多くなっている。個装パッケージには樹脂製ブリスターパックやシュリンクフィルムパックなど多様なものがあり得る。近年は環境への配慮から樹脂製ブリスターパックは忌避される傾向があり、シュリンクフィルムパックが増えている。
【0003】
一方、店頭陳列による店頭販売ではなく、通信販売などが普及拡大しており、小売業者が商品の宅配配送による配達するスタイルも増えている。商品の多様さに伴って配送される商品の形状や大きさなども多様になってきた。
商品を宅配で配送する場合において、商品はもともとの個装パッケージだけでなく、さらに配送用の配送箱体に梱包されて配送されることが一般的である。梱包することなく配送すると商品を傷つけたり破損させたりするおそれがあるからである。なお、配送時に用いられる配送箱体は、段ボール箱が用いられることが多い。
【0004】
その一方で、商品を配送する際に用いられる配送箱体は一定の形状や一定の大きさのものが使用されている。配送箱体が均一化している方が、資材コストおよび配送コストの面で有利であるため、様々な商品に合わせて形状や大きさごとに配送箱体を用意することまではせず、単一もしくは数種類に限定された配送箱体に商品を入れ、隙間に緩衝材を詰めて配送することが多い。
【0005】
従来技術において、配送箱体に関する工夫が幾つか知られている。
第1の公知技術として、特開2011-157116号公報(特許文献1)が知られている。
すでに組み立てられた配送箱体が用いられ、天面の開口から商品を入れるものであるが、図18に示すように、容器部材110の開口部111の端部に設けられた第2の蓋部113aを、梱包容器100の開口部111に差し渡した伸縮部材121上に物品を載置した後に、その差し渡された方向とは垂直方向から伸縮部材121の開口部111に差し渡した部分および物品を覆うように開口部111を閉じる。そして、巻取部材122が、第2の蓋部113aを閉じた状態で伸縮部材121に対して差し渡し方向に張力をかけ、第2の蓋部113aと伸縮部材121とで物品を保持した状態で伸縮部材121を固定するとともに、開口部111を閉じた第2の蓋部113aが開かないように第2の蓋部113aを押さえるものである。
この技術によれば過剰に緩衝材を用いることなく商品を収納・固定する技術的効果が得られるとされている。
【0006】
第2の公知技術として、特開2001-122326号公報(特許文献2)が知られている。
すでに組み立てられた配送箱体が用いられ、天面の開口から商品を入れるものであるが、図19に示すように、裏面所定位置に多数のピンポイント又は点線状若しくは渦巻き状に接着剤17を塗布したシュリンクフィルム22を用意し、天板フラップ開封状態の包装箱10の開口部16から挿入して包装箱内底面12及び/又は側壁内面14の一部に接着したうえ、前記箱内に接着したフィルムの非接着表面側に配置した被包装品18をフィルムの熱収縮により包装箱内に一体に拘束するものである。
この技術も過剰に緩衝材を用いることなく商品を収納・固定する技術的効果が得られる。
【0007】
第3の公知技術として、特開2018-095290号公報(特許文献3)が知られている。
すでに組み立てられた配送箱体が用いられ、天面の開口から商品を入れるものであるが、図20に示すように、配送箱体1は、容器本体100と、平板状で、容器本体100の一側面に沿って且つ一側面から離間して立設して容器本体100内に配置され、スリット411を有する支持部材410と、平板状で、容器本体100の一側面に対向する側面に沿って且つ対向する側面から離間して立設して容器本体100内に配置され、スリット421を有する支持部材420と、平板状で、容器本体100内に立設して配置され、一主面に被対象物が固定され、一対のスリット201a,201bを有し、スリット201aに支持部材410のスリット411から延在する部分が嵌合し、スリット201bに支持部材420のスリット421から延在する部分が嵌合して配置された保持部材200を備えたものとなっている。
この技術も過剰に緩衝材を用いることなく商品を収納・固定する技術的効果が得られる。
【0008】
第4の公知技術として、特開2019-026357号公報(特許文献4)が知られている。
すでに組み立てられた配送箱体が用いられ、天面の開口から商品を入れるものであるが、図21に示すように、物流用の段ボールケースに対して、段ボール板紙とエヤークッション材と胴巻き用フィルムを用いて商品を被覆し、その高さをすでに組み上げられた状態の配送箱体の高さと略同一にして、その商品を被覆した塊ごと、配送箱体の天面の開口から投入するものである。
この技術によれば、段ボール箱内部で商品を被覆した塊ごと固定維持することにより商品の遊び空間での揺らぎや移動を抑制する技術的効果が得られる。
【0009】
【特許文献1】特開2011-157116号公報
【特許文献2】特開2001-122326号公報
【特許文献3】特開2018-095290号公報
【特許文献4】特開2019-026357号公報
【特許文献5】特許第6841936号公報
【特許文献6】PCT/JP2020/031112号公報
【特許文献7】PCT/JP2021/006762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記したように、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態は、優れた商品の舗装形態として今後も広く普及してゆくと考えられる。
しかし、通信販売などで当該商品を配送する際、商品が既に台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いて包装されているにも関わらず、やはり配送途中に起こり得る数々の商品へのストレスの抑制や、配送トラック内での姿勢制御などを考慮すれば、さらに配送箱体に収めて配送することが好ましい。
配送箱体に商品を収めて効率よく配送する技術として知られる上記の公知技術には改善すべき課題がある。
【0011】
第1の課題は、配送箱体まで包装全体の資材の増加である。SDGsが叫ばれる現在、できるだけ配送時に係る資材を減らす必要がある。もともと商品は、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態により包装されているにもかかわらず、配送時にのみ使用される配送箱体に収納して運搬するため、配送箱体の資材は利用者が商品を手にした後は廃棄されるだけであり無駄になる。
【0012】
第2の課題は、配送箱体に収納して包装するまでの時間コストと工数の増加である。もともと店頭販売時であれば、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態のまま販売できるところ、通信販売で配送が必要となれば、配送箱体の作成作業、さらに、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態の商品の配送箱体への投入作業と梱包作業、配送箱体への配送用のデータ付与作業(届先住所、氏名の記載作業)などが必要となるが、それら増加した作業に要する時間コストと工数の増加はできるだけ抑制したい。
【0013】
これら2つの課題に対して、上記の第1の公知技術から第4の公知技術では、課題を解決できていないまたは改善の余地があった。
上記の第1の公知技術によれば、第1の課題については、過剰の資材としては、配送箱体と伸縮フィルムであるが、伸縮フィルム自体の面積が過剰に広く、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態の商品がその伸縮フィルム内に投入されるとすると、配送箱体と伸縮フィルムの双方が過剰に無駄な資材となる。また、第2の課題については、配送箱体の形成工程、伸縮フィルムの組み込み工程、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態の商品の投入工程、伸縮フィルムの巻き取り工程、開口の封止工程が必要となる。これら複数の工程は時間コストと工数の増加を招いている。
【0014】
次に、上記の第2の公知技術によれば、第1の課題については、過剰の資材としては、配送箱体と伸縮フィルムであるが、伸縮フィルム自体の面積が過剰に広く、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態の商品がその伸縮フィルム内に投入されるとすると、配送箱体と伸縮フィルムの双方が過剰に無駄な資材となる。また、第2の課題については、配送箱体の形成工程、伸縮フィルムの組み込み工程、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態の商品の投入工程、伸縮フィルムの巻き取り工程、開口の封止工程が必要となる。これら複数の工程は時間コストと工数の増加を招いている。
【0015】
次に、上記の第3の公知技術によれば、第1の課題については、過剰の資材としては、配送箱体と、配送箱体に立設する複数のプレートがある。プレート自体の面積が大きく、それが複数枚立設されており、配送箱体と複数のプレートの双方が過剰に無駄な資材となる。また、第2の課題については、配送箱体の形成工程、複数のプレートの立設工程、複数のプレート間の幅調整、台紙付きシュリンクフィルム包装体を用いた包装形態の商品の投入工程、開口の封止工程が必要となる。これら複数の工程は時間コストと工数の増加を招いている。
【0016】
次に、上記の第4の公知技術によれば、第1の課題については、過剰の資材としては、配送箱体と、コの字型に組み上げる台紙付きシュリンクフィルム包装体の過剰部分、緩衝空胞が多数設けられたフィルム体がある。それが過剰に無駄な資材となる。また、第2の課題については、配送箱体の形成工程、台紙付きシュリンクフィルム包装体のコの字型に組み立て工程、緩衝空胞が多数設けられたフィルム体への被覆包装工程、緩衝空胞が多数設けられたフィルム体を用いた被覆体ごとの投入工程、開口の封止工程が必要となる。これら複数の工程は時間コストと工数の増加を招いている。
【0017】
以上のように従来の公知技術では、第1の課題および第2の課題のいずれにも改善の余地があるものであった。
上記課題に鑑み、本発明は、被包装物の外径に適合する内径を備えたシュリンクフィルムが取り付けられた包装用シュリンクフィルム付き台紙体を用いて、別途配送箱体を用意することなく直接そのまま包装容器体が形成できる包装用シュリンクフィルム付台紙体、直接そのまま陳列用の容器体が形成できる包装用シュリンクフィルム付台紙体、さらに、包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いた包装容器体形成自動梱包装置ならびにその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。なお、以下に記載の構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0019】
本発明にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体は、被包装物を包装する包装用シュリンクフィルムと、前記包装用シュリンクフィルムが貼付された台紙体を備え、前記台紙体が、前記包装用シュリンクフィルムの貼付領域と、前記包装用シュリンクフィルムの前記貼付領域の上下左右すべてまたは上下左右のうちいずれかの方向、または、斜め方向のすべてまたは斜め方向のうちいずれかの方向に延設されている非貼付領域と、前記非貼付領域に付けられた複数本の直線状または曲線状の折り曲げ支援線を備えた構造であり、前記台紙において、複数本の前記折り曲げ支援線が、前記折り曲げ支援線を契機に所定方向および所定順序で折り曲げてゆくと、前記包装用シュリンクフィルムに装填された被包装物を内部に収めた包装容器体が形成できる位置に設けられていることを特徴とする包装用シュリンクフィルム付台紙体である。
上記構成により、台紙体を折り曲げることにより直接台紙体がそのまま包装容器体に変形でき、配送時の梱包形態や陳列用の梱包形態となるので、使用される資材の点数が減り、無駄な資材使用を抑制できる。
また、包装用シュリンクフィルムは台紙体のうちの貼付面にしっかりと安定して貼付されているため、形成された配送箱体の中で安定した状態で保持されており、無用に遊ぶことなく、良好な搬送と良好な搬送時の緩衝が実現できる。
【0020】
ここで、台紙体の素材としては、紙製、段ボール製、プラスチック樹脂製のいずれかの素材またはそれらの組み合わせで形成されていることが好ましい。これらは配送箱体としての素材として適しているからである。
【0021】
ここで、包装容器体としては様々な形態があり得る。
例えば、包装容器体が、密閉された箱体とすることができる。
また、例えば、包装容器体が、外装箱と、当該外装箱の内部に装填される内装体を備えたものとし、外装箱の中に内装体が装填可能なものとすることができる。
また、例えば、包装容器体が、自立可能な箱体または自立可能な開放箱体であり、包装容器体を陳列用のものとすることができる。
また、例えば、包装容器体が、陳列用フックに吊下可能な箱体または開放箱体であり、包装容器体をフックで吊下する陳列用のものとすることができる。
【0022】
ここで、被装填物が通信販売で購入された商品であり、形成される配送箱体が通信販売の商品を梱包するための配送箱体であるとともに、配送する際の配送用の配送箱体を兼用することができるものとすることもできる。
さらに、台紙体の外面の一部、つまり、包装容器体が形成された状態で外面に位置する箇所の少なくとも一部に印刷を施したものとし、例えば、配送に必要な受取人の住所氏名などの印刷を施したものとすればその包装容器体のまま配送用の配送箱体となり、配送処理ができるので便利である。
なお、さらに、台紙体の一部において、破線状に切断箇所が細かく連続した切開部を備えた構成であることが好ましい。
上記構成により、利用者が前記切開部を契機に前記配送箱体の一部を切り裂いて前記配送箱体の内部へアクセス可能となるから開包が楽になる。
【0023】
なお、さらに、台紙体の一部において、壁面の一部に設けられた窓部と、前記窓部を塞ぐ透明フィルムを備えた構成とすることが好ましい。窓部の設置個所が包装用シュリンクフィルムに対向する面であれば、開包前の配送箱体の状態のまま、外部から包装用シュリンクフィルムに装填された被包装物を視認可能となる。
【0024】
次に、本発明にかかる自動梱包機械は、上記した包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いて被装填物を自動装填して包装容器体を形成する自動梱包機械であって、上記本発明にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体を前記包装容器体が形成される前の状態にて供給するフィーダー装置と、前記フィーダー装置から供給された前記包装用シュリンクフィルム付台紙体の前記包装用シュリンクフィルムに前記被装填物を装填する装填装置と、熱またはレーザーで前記包装用シュリンクフィルムを収縮させて前記装填済みの被装填物をパッケージするシュリンクパッケージ装置と、前記被装填物がパッケージされた前記包装用シュリンクフィルム付台紙体を、前記折り曲げ支援線に沿って前記所定方向に前記所定順序にて折り曲げて包装容器体を形成する折り曲げ装置と、前記折り曲げ装置により形成された前記包装容器体の形状を保つように前記包装容器体の一部を封止または嵌合する形成装置を備えたことを特徴とする包装容器体形成自動梱包装置である。
上記構成により、包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いて被装填物を自動装填し、さらに包装容器体の形成まで自動的に行うことができる。
【0025】
次に、本発明のかかる自動梱包方法は、上記した包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いて被装填物を自動装填し、包装容器体を形成する自動梱包方法であって、包装用シュリンクフィルム付台紙体を前記包装容器体が形成される前の状態にて供給するフィーダーステップと、前記フィーダーステップで供給された前記包装用シュリンクフィルム付台紙体の前記包装用シュリンクフィルムに前記被装填物を装填する装填ステップと、熱またはレーザーで前記包装用シュリンクフィルムを収縮させて前記装填済みの被装填物をパッケージするシュリンクパッケージステップと、前記被装填物がパッケージされた前記包装用シュリンクフィルム付台紙体を、前記折り曲げ支援線に沿って前記所定方向に前記所定順序にて折り曲げて包装容器体を形成する折り曲げステップと、前記折り曲げステップにより形成された前記包装容器体の形状を保つように前記包装容器体の一部を封止または嵌合する形成ステップを備えたことを特徴とする包装容器体形成自動梱包方法である。
上記の各ステップにより梱包を実行すれば、包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いて被装填物を自動装填し、さらに配送に供するための包装容器体の形成まで自動的に行う方法となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体によれば、包装に必要な梱包とするまでに用いられる資材の点数が減り、無駄な資材使用を抑制できる。
また、包装用シュリンクフィルムは台紙体のうちの貼付面にしっかりと安定して貼付されているため、形成された包装容器体の中で無用に遊ぶことなく、良好な搬送と良好な搬送時の緩衝が実現できる。
次に、本発明にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体を用いた包装容器体形成自動梱包装置およびその方法によれば、商品の包装用シュリンクフィルムへの装填から包装容器体までの形成の工数が少なく、時間的コストの低減および工数削減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施例1にかかる本発明にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体100の構成を簡単に示した図である。
図2】包装用シュリンクフィルム付台紙体100を折り曲げ支援線124に沿って折り曲げて配送箱体を形成する様子を示す図(その1)である。
図3】包装用シュリンクフィルム付台紙体100を折り曲げ支援線124に沿って折り曲げて配送箱体を形成する様子を示す図(その2)である。
図4】台紙体120の形状、貼付領域121と非貼付領域122の組み合わせの一例を示す図(その1)である。
図5】台紙体120の形状、貼付領域121と非貼付領域122の組み合わせの一例を示す図(その2)である。
図6】曲面を有する包装容器体101Eを形成する包装用シュリンクフィルム付台紙体100Eの例を示す図である。
図7】展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Fを示す図である。
図8】展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Fから本体と蓋を折り曲げて形成し、封止状態とした蓋一体化粧箱101Fまでの変形を示す図である。
図9】自立可能な陳列用の包装容器体101Gを形成する包装用シュリンクフィルム付台紙体100Gの例を示す図である。
図10】展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Hを示す図である。
図11】包装容器体形成自動梱包装置200の構成を簡単に示した図である。
図12】特許文献5の特許第6841936号公報に開示された自動装填装置を適用した装填装置220による自動装填処理を簡単に示す図である。
図13】装填装置220の動きを簡単に示した図(その1)である。
図14】装填装置220の動きを簡単に示した図(その2)である。
図15】折り曲げ装置240による折り曲げ支援線124に沿った折り曲げ処理の例を簡単に示す図である。
図16】PCT/JP2020/031112号公報に開示された両面テープ自動貼付装置の原理を適用した封止装置250の簡単な構成例と簡単な動きを説明する図である。
図17】封止装置250が両面テープを自動貼付する両面テープ自動貼付装置を備えた場合の構成例の動きについて説明する図である。
図18】従来技術における特開2011-157116号公報(特許文献1)に開示された技術を簡単に示す図である。
図19】従来技術における特開2001-122326号公報(特許文献2)に開示された技術を簡単に示す図である。
図20】従来技術における特開2018-095290号公報(特許文献3)に開示された技術を簡単に示す図である。
図21】特開2019-026357号公報(特許文献4)に開示された技術を簡単に示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体100、その包装用シュリンクフィルム付台紙体100を用いて被装填物300を自動装填して包装容器体の形成まで行う包装容器体形成自動梱包装置200を説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に示したものに限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例1として、本発明にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体100の構成例を説明する。実施例2として、包装用シュリンクフィルム付台紙体100を用いて被装填物300を自動装填して包装容器体の形成まで行う包装容器体形成自動梱包装置200を説明する。
なお、以下の説明において、包装用フィルムは、一端の開口から他端側へ向かう方向を『長さ方向』とし、長さ方向に直交する方向を『幅方向』とする。
【実施例0029】
本発明の実施例1にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体100の構成例を説明する。
図1図3は、実施例1にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体100の構成を簡単に示した図となっている。図1図3に示した包装用シュリンクフィルム付台紙体100は、一例として、組み上げれば矩形の密閉箱体を形成できる包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aとし、組み上がる包装容器体101Aは、密閉箱体である例として示されている。装填される被装填物300は包装容器体101Aに装填できるものであれば特に限定されない。
図1(a)は包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aの構成を上面から見た様子を示す図となっている。図1(b)は包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aのうち、台紙体120の貼付領域121と非貼付領域122に分けて非貼付領域122にハッチングを付して非貼付領域122を分かりやすく図示したものである。
図2から図3は、包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aを折り曲げ支援線124に沿って折り曲げて包装容器体101Aを形成する様子を示す図となっている。
【0030】
図1に示すように、実施例1にかかる包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aは、包装用シュリンクフィルム110、台紙体120、包装用シュリンクフィルムの貼付領域121、貼付剤123,折り曲げ支援線124、切開部125を備えた構成となっている。また、図3に示すように、外表面側には印刷部126が設けられている。
なお、この構成例では、オプションとして、窓部127、透明フィルム128が設けられた例となっている。なお、窓部127、透明フィルム128はオプションであり、設けない構成もあり得る。窓部127があれば内部の被装填物300が視認できる一方、他人により外側から内部が視認されてしまうため、視認できないように窓部127、透明フィルム128を設けない構造としてプライバシーを重視した構成例も可能である。
【0031】
各構成要素を簡単に説明する。
包装用シュリンクフィルム110は、被包装物300を包装するシュリンクフィルムであり、その形状は特定されない。例えば、長さ方向の両端に開口を持つ筒状のシュリンクフィルム、長さ方向の一端に開口があるが他端は封止されているいわゆるRシールシュリンクフィルムなどがある。その他にも多様なシュリンクフィルムを採用することが可能である。
【0032】
なお、用いる包装用シュリンクフィルム110は、出来合いの包装用シュリンクフィルム110を資材として供給する場合も、本発明の被装填物の自動装填装置の前段階に包装用シュリンクフィルム製造装置を設置してその結果物として包装用シュリンクフィルム110が供給される場合も、包装用シュリンクフィルム110が立体的には膨らんでおらず、包装用シュリンクフィルム110が畳まれており、開口を開かないと被装填物が装填できない状態で供給されるものとする。
【0033】
台紙体120は、1枚の連続した台紙であるが、その一部は貼付領域121となり他の領域が非貼付領域122である。後述するように折り曲げ支援線124に沿って所定順序で折り曲げることにより配送箱体という立体物を形成できるものである。
台紙体120の素材として、配送箱体に適した素材であれば良く、例えば、紙製、段ボール製、プラスチック樹脂製のいずれかの素材またはそれらの組み合わせがある。紙製である場合はある程度の剛性が得られるものが好ましく、コートボールと呼ばれる板紙や厚紙が好ましい。しかし、コートボールで配送箱体を形成する場合、一枚の大きなコートボールを折り畳んで形成したものではまだ剛性が足りないことも想定でき、複数のコートボール素材を組み合わせて剛性を向上させたものが多い。本発明の包装用シュリンクフィルム付台紙体100はそのようなコートボール材を用いた台紙体120を排除せず、本発明の権利範囲には入るが、ここでは、段ボール製のものとして説明を続ける。
【0034】
包装用シュリンクフィルムの貼付領域121は、台紙体120の一部に設けられた箇所であり、この貼付領域に包装用シュリンクフィルム110が貼付されて商品が装填される箇所となる。この構成例では、台紙体120の中央付近となっている。
非貼付領域122は、包装用シュリンクフィルム貼付領域121から周囲に延設されている非貼付領域である。この例では、図1(b)のハッチング領域が非貼付領域122であり、包装用シュリンクフィルムの貼付領域121の周囲に延設されている。
このように台紙体120が包装用シュリンクフィルムの貼付領域121と非貼付領域122を備えたものであり、さらに折り曲げ支援線124を設けておくことにより、包装用シュリンクフィルムの台紙でありながら、そのまま包装容器体に変形させることができるという、従来にはない特殊な包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aを得ることができる。
【0035】
なお、台紙体120の形状、貼付領域121と非貼付領域122の組み合わせは多様にあり、その例は後述するが、貼付領域121に対して非貼付領域122が上下左右のすべての方向、上下左右のうちいずれかの方向、または、斜め方向のすべて、または斜め方向のうちいずれかの方向に延設されている。このように周囲に非貼付領域122が設けられていることにより、後述するように、本発明の包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aを変形して密閉箱体101Aの立体的形状を形成できることとなる。
【0036】
ただし、台紙体120の形状、貼付領域121と非貼付領域122の組み合わせは多様にある。台紙体120の形状、貼付領域121と非貼付領域122の組み合わせの例については後述する。
【0037】
貼付剤123は、貼付領域に貼られたものであり、包装用シュリンクフィルム110と台紙体120との間を接着するものである。貼付剤123は、そのように両者に介在して保持するものであれば限定されないが、例えば、接着剤、両面テープ剤などがある。
包装用シュリンクフィルム110を用いる場合、台紙に対して筒状のシュリンクフィルムを貼付するために使用される部材は、両面テープが有利である。なぜならば、シュリンクフィルムの場合、シュリンクフィルムの樹脂素材と、想定する段ボール製の台紙体120の双方の接着に適性を有する好適な接着剤がなく、搬送時の天地姿勢によっては被装填物300が吊下状態となることも想定され、接着剤を用いた場合にはしっかりと被装填物300の重量を安定して支持することができない場合も想定される。両面テープは層状になっており中心層の基材を挟んで両側に接着層があり、シュリンクフィルムの樹脂素材への接着適性を有する接着剤と、段ボール素材への接着適性を有する接着剤を選択して表裏それぞれに使い分けて組み合わせることができるからである。
特に、包装用シュリンクフィルム110を用いる場合、被装填物300を装填した後、熱を掛けてシュリンクフィルムをシュリンクさせて被装填物300に包装用シュリンクフィルム110を密着させるが、接着剤が熱変性を受けて劣化し得る点も考慮すると、シュリンクフィルムの素材と、印刷済み台紙の双方の接着に適性を兼ね備えた接着剤がない。その点、両面テープであればそれらの条件に適した両面テープを製作・調達することは可能である。
【0038】
折り曲げ支援線124は、台紙体120の所定の箇所に設けられた折り曲げ支援線であり、折り曲げ処理がこの折り曲げ支援線124を契機として所定の形状で折り曲がるよう線状にあらかじめプレスされた線である。図1から後述する図10までにおいて一点鎖線で図示されている。
この折り曲げ支援線124が包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aに設けられていることにより、実施例2で説明する包装容器体形成自動梱包装置200において、段ボールである台紙体120の所定箇所に直線状または所定の曲線状に正確に折り曲げられるような折り曲げガイドが設けられていれば、台紙体120の所定の箇所にこれら折り曲げ支援線124をあらかじめ設けられていなくとも、折り曲げ処理は可能であるが、やはり台紙体120そのものにも折り曲げ支援線124が設けられておれば、所定の箇所で所定形状の折り曲げ処理が確実に行いやすくなる。
図1から図3に示した構成例では、一点鎖線で示されている8本の折り曲げ支援線124が図示されている。つまり、包装用シュリンクフィルムの貼付領域121の上下左右を囲むようにそれぞれ1本ずつあり、合計4本あるが、さらにその外側にも1本ずつあり、合計8本ある。この本数は限定されない。
【0039】
切開部125は、台紙体120の一部において、破線状に切断箇所が細かく連続するように設けられたものである。この切開部125を契機として破断しやすいになっており、後述するように配送箱体として立体形成されている状態から、利用者がこの切開部125を契機に密閉箱体101Aの一部を切り裂いて内部へアクセス可能としたものである。いわゆるジッパーラインと呼ばれることも多い。
なお、この切開部125は、オプションであり必須の構成ではない。
【0040】
印刷部126は、配送に必要な情報が印刷された部分である。いわゆるインクジェットにより印刷されていても良く、また、配送に必要な情報が印刷されたシールを貼付するものでも良い。例えば、配送に必要な受取人の住所、氏名、連絡事項を文字で印刷したり、バーコードや二次元ドットコードを併記したりしたものなどが想定される。
なお、印刷部126の設置箇所は、後述するように、包装用シュリンクフィルム付台紙体100を変形して配送箱体を形成した状態で外表面にくる位置となる。
このように、印刷部126を設けておくことにより、形成される包装容器体101Aが通信販売の商品を梱包するための包装容器体101Aであるとともに、配送する際の配送用の配送箱体を兼用することができるものとなる。
【0041】
窓部127は、台紙体120の一部において、壁面の一部に設けられた開口である窓である。窓部127の設置個所は包装用シュリンクフィルム110に対向する面が好ましい。つまり、配送箱体の状態のまま、外部から包装用シュリンクフィルム110内に装填された被包装物300を視認可能となるように設けることが好ましい。
透明フィルム128は、窓部127を塞ぐものであり、内部が視認しやすいように透光性あるフィルム体となっている。
【0042】
以上の構成要素を備えた包装用シュリンクフィルム付台紙体100Aは、図1(a)に示すように、包装用シュリンクフィルム110内に被装填物300を装填するシュリンクフィルム包装体100Aであるとともに、図1(b)に示すように、包装容器体101として組み立てることができ、そのまま配送箱体として形成できるものであり、包装用の包装容器体101であると配送箱体を兼用したものとなっている。
【0043】
ここで、台紙体120の形状、貼付領域121と非貼付領域122の組み合わせは多様であり、上記の構成要素を備えた包装用シュリンクフィルム付台紙体100も多種多様にあり得る。また、形成される包装容器体101も多種多様である。下記にその例の幾つかを説明する。
なお、下記の説明において、上記した図1から図3と共通する構成要素や説明などは適宜省略している。
【0044】
図4は、図1図3と同様、密閉箱体101を組み上げるものであるが、台紙体120の形状、貼付領域121と非貼付領域122の組み合わせが異なっている。
図4(a)の例は、図1(a)のうち上面を封止する部分が貼付領域121の長さ方向に延設されている包装用シュリンクフィルム110が設けられた包装用シュリンクフィルム付台紙体100Bの例である。包装用シュリンクフィルム付台紙体100Bの非貼付領域122を折り曲げ支援線124を契機に折り曲げることにより矩形の包装容器体101Bが形成されるものとなっている。なお、底面を除き、外周壁面を形成している部材は非貼付領域122である。なお、包装容器体101Bの底面は貼付領域121の裏面が兼用していることとなる。
なお、図1の例は、上面を封止する部分が貼付領域121の幅方向に延設されているものであると言える。
図4(b)の例は、貼付領域121が矩形であり、包装用シュリンクフィルム110が当該矩形の貼付領域121の対角線上に設けられた包装用シュリンクフィルム付台紙体100Cの例である。図4(b)では、包装用シュリンクフィルム110が図中垂直方向に設けられ、矩形の貼付領域121が斜めに設定され、非貼付領域122がその斜め方向に延設されている例となっている。図4(b)の包装用シュリンクフィルム付台紙体100の非貼付領域122を折り曲げ支援線124を契機に折り曲げることにより包装容器体101BCが立体形成される。図4(a)と同様にそのままで矩形の配送箱体ともなり得る。なお、底面を除き、外周壁面を形成している部材は非貼付領域122である。包装容器体101Cの底面は貼付領域121の裏面が兼用していることとなる。
【0045】
図5は、曲面を有する包装容器体101Dを形成する包装用シュリンクフィルム付台紙体100Dの例である。
図5(a)は、包装用シュリンクフィルム110の貼付領域が中央付近にあるが、曲線状の折り曲げ支援線124が設けられている包装用シュリンクフィルム110Dの例である。図5(b)はサイドの片の曲線の折り曲げ支援線124に沿った折り曲げ処理を簡単に示す図である。
この図5(a)に示した台紙体120を折り曲げ支援線124を所定の順番で折り曲げてゆくと、図5(b)に示したような曲面を持つ包装容器体101Dとなる。この形状も図5(b)に示すようにそのままで配送箱体となり得る。
【0046】
図6は、図5同様、曲面を有する包装容器体101Eを形成する包装用シュリンクフィルム付台紙体100Eの例である。図5のものに比較して、台紙体120の一部においてフック吊下用の孔129が設けられている。この例では、非貼付領域122の方にフック吊下用の孔129が設けられており、この例では、図6(b)に示すように、貼付領域121を覆うように非貼付領域122が対向する例となっている。
【0047】
図7図8は、いわゆる蓋一体化粧箱となっている包装容器体101Fを形成する包装用シュリンクフィルム付台紙体100Fの例を示す図である。
図7は、展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Fを示す図となっている。
図8は、図7の展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Fから本体と蓋を折り曲げて形成し、さらに、蓋を本体の上にかぶせて、封止状態となった蓋一体化粧箱101Fまでの変形を示す図である。
図7において、図示の上半分から蓋が形成され、図示の下半分で本体が形成される。
図8(a)は、図7の状態から、上半分から蓋が形成され、下半分で本体が形成された様子を示した図となっている。
図8(b)は、図8(a)状態から蓋を本体にかぶせて封止し、密閉状態の身蓋一体化粧箱101Fを形成する様子を示す図である。
【0048】
図9は、自立可能な陳列用の包装容器体101Gを形成する包装用シュリンクフィルム付台紙体100Gの例を示す図である。
図9(a)は、展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Gを示す図となっている。
図9(b)は、図9(a)の展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Gから折り曲げて自立可能な陳列用の包装容器体101Gを形成する様子を示す図である。
図9(b)に示すように、形成した包装容器体101Gは底面があり、自立可能なものとなっている。被包装物300は図示していないが、その重心が包装容器体101Gの底面エリアに入っていれば自立可能となる。なお、被包装物300自体がそのままでは自立できない形状のものであっても、本発明の包装用シュリンクフィルム付台紙体100Gから折り曲げて形成された自立可能な陳列用の包装容器体101Gであれば、什器などに整然と並べて陳列することができる。
なお、この例では、図9に示すようにさらに台紙体120の一部においてフック吊下用の孔129が設けられており、フックに吊下する形で什器などに陳列することもできる構造例となっている。
【0049】
図10は、展開状態にある包装用シュリンクフィルム付台紙体100Hを示す図となっている。この包装用シュリンクフィルム付台紙体100Hは、外装箱100-2Hと、外装箱の内部に装填される内装体100-1Hの2つを備えた構成となっており、外装箱100-2Hの中に内装体100-1Hを装填するタイプである。
内装体100-1Hの形状などは限定されないが、この例では、貼付領域121の両サイドにある非貼付領域122を折り曲げて立てて内装体100-1Hとし、外装箱100-2Hに収納できるタイプとなっている。外装箱100-2Hの中に内装体100-1Hを装填することにより包装容器体101Hが形成される。
このタイプのメリットは、図1図9に示したものに比べて包装用シュリンクフィルム110が設けられている貼付領域121への折り曲げ加工の工数が少なくなり、後述する包装容器体形成自動梱包装置200での作業工程が軽減される。なお、その一方で外装箱100-2Hを別途形成する必要が生じる。
【0050】
上記の図1から図10に示した包装用シュリンクフィルム付台紙体100、包装容器体101の形状は一例であり、その他にも多様な形状が可能である。
【実施例0051】
実施例2として、包装用シュリンクフィルム付台紙体100を用いて被装填物300を自動装填して配送箱体の形成まで行う包装容器体形成自動梱包装置200を説明する。
図11は包装容器体形成自動梱包装置200の構成を簡単に示した図である。
実施例2にかかる包装容器体形成自動梱包装置200は、包装用シュリンクフィルム付台紙体100に対して被装填物を自動装填し、さらに台紙体を折り曲げて立体的な配送箱体を形成する自動梱包機械である。
図11に示すように、実施例2にかかる包装容器体形成自動梱包装置200は、フィーダー装置210、装填装置220、シュリンクパッケージ装置230、折り曲げ装置240、封止装置250を備えた構成となっている。
【0052】
以下、各構成要素を説明する。
フィーダー装置210は、実施例1に記載した包装用シュリンクフィルム付台紙体100を供給するフィーダー装置である。この例ではフィーダー装置210は、後述するような配送箱体の立体形状ではなく、立体が形成される前の平面状態にて供給する。例えば、図1に示したような平面状態の包装用シュリンクフィルム付台紙体100がスタック(図示せず)から一枚ずつ供給される。なお、搬送系は図示を省略しているが、フィーダー装置210はコンベアなどの搬送系を備えている。
包装用シュリンクフィルム付台紙体100は、フィーダー装置210から装填装置220へと渡される。
【0053】
装填装置220は、フィーダー装置210から供給された包装用シュリンクフィルム付台紙体100の包装用シュリンクフィルム110に被装填物300を装填する装置である。ここで、一般には、包装用シュリンクフィルム付台紙体100の台紙体120に対して貼付されて平面状に折り畳まれた状態の包装用シュリンクフィルム110に対して、立体的な被装填物300を自動的に装填することは難しい。しかし、シュリンクフィルム包装体への被包装物の装填方法として、特許第6841936号公報(特許文献5)に開示された技術が知られている。この実施例では、装填装置220として、この特許第6841936号公報(特許文献5)に開示された自動装填装置を適用した例とする。
【0054】
図12は、特許文献5の特許第6841936号公報に開示された自動装填装置を適用した装填装置220による自動装填処理を簡単に示す図である。図12(a)は側面から見た様子を簡単に示した図、図12(b)は上面から見た様子を簡単に示した図となっている。
特許文献5の特許第6841936号公報に開示された台紙付きシュリンクフィルム包装体への自動装填装置は、現在の公知例としては最も優れたものであり、今後もその普及は期待されるところである。
【0055】
特許文献5の特許第6841936号公報に開示された台紙付きシュリンクフィルム包装体への自動装填装置は、台紙付きシュリンクフィルム包装体に対して被装填物を装填方向に沿って直列に並ぶよう配置する載置装置221と、シュリンクフィルムの内径よりも小さな外径のヘッド部と、ヘッド部の内部から外表面に向けてエアを噴き出すエア噴き出し口またはエア噴き出し溝を少なくとも1つ備えた挿入ガイド体222と、台紙付きシュリンクフィルム包装体100に対して挿入ガイド体222を装填方向の逆側に直列に並べ、挿入ガイド体222を台紙付きシュリンクフィルム包装体100に対してスライド運動させるスライダー装置223と、包装用シュリンクフィルム110の開口内に挿入ガイド体222を挿入しやすくするように開口を拡げるシュリンクフィルム吸着部224を備えた構成となっている。
【0056】
図13は装填装置220の動きを簡単に示した図である。
図13(a)に示すように、シュリンクフィルム吸着部224の昇降により、包装用シュリンクフィルム110の開口が持ち上げられて開口が拡げられている。
引き続き、図13(a)に示すように、スライダー装置223のスライドにより、挿入ガイド体222を包装用シュリンクフィルム110に対してスライド移動し、挿入ガイド体222がエア噴き出し口からエアを噴き出しつつ、包装用シュリンクフィルム110の開口から内部に挿入されてゆく。挿入ガイド体222はヘッド部の内部から側面の外表面にエアを噴き出すことにより外表面がエアをまとっている状態であるので、包装用シュリンクフィルム110の内部にスムーズに入ってゆく。この噴き出すエアにより包装用シュリンクフィルム110が膨らみ、筒状の状態となる。
【0057】
次に、図13(b)に示すように、挿入ガイド体222が包装用シュリンクフィルム110内を通過し、前方にある被装填物300に到達して吸引する。この吸引により挿入ガイド体222と被装填物300が一体的に前後に動ける状態となる。
【0058】
次に、図14(a)に示すように、スライダー装置223のスライドにより、挿入ガイド体222が被装填物300を吸着したまま包装用シュリンクフィルム110内に引き戻る。
【0059】
次に、図14(b)に示すように、被装填物300が包装用シュリンクフィルム110の所定位置に来れば、挿入ガイド体222による被装填物300の吸引を停止し、被装填物300を包装用シュリンクフィルム110の所定位置に残したまま挿入ガイド体222が包装用シュリンクフィルム110内から抜け出る。
特許文献5の特許第6841936号公報に開示された台紙付きシュリンクフィルム包装体への自動装填装置には、被装填物の種類や大きさに特に限定がなく、被装填物を確実かつスピーディーに装填することができ、優れた技術である。
【0060】
次に、シュリンクパッケージ装置230を説明する。
シュリンクパッケージ装置230は、包装用シュリンクフィルム110を収縮させて装填済みの被装填物300をシュリンクパッケージする装置である。包装用シュリンクフィルム110を収縮させる手段は、包装用シュリンクフィルム110の素材に適した手段であれば良く、例えば、加熱によりシュリンクするシュリンクフィルムであれば加熱装置を備えており、また所定波長のレーザーによりシュリンクするシュリンクフィルムであればレーザー照射装置を備えているものとする。
【0061】
折り曲げ装置240は、被装填物300がシュリンクパッケージされた包装用シュリンクフィルム付台紙体100を、折り曲げ支援線124に沿って所定方向に所定順序にて折り曲げて配送箱体を形成する装置である。
【0062】
図15は、折り曲げ装置240による折り曲げ支援線124に沿った折り曲げ処理の例を簡単に示す図である。折り曲げ装置240の細かい構成の図示は省略するが、例えば、この例では、図15(a)に示すように、折り曲げガイド体241と、折り曲げアクチュエータ242がセットとなった構成となっている。
【0063】
折り曲げガイド体241は、包装用シュリンクフィルム付台紙体100に設けられている折り曲げ支援線124そのもの、または折り曲げ支援線124に隣接する内側領域を押さえる部材である。折り曲げ支援線124が直線であれば直線状の押さえ部材、折り曲げ支援線124が曲線であれば曲線状の押さえ部材であれば良い。折り曲げガイド体241により折り曲げ支援線124が設けられた箇所の折り曲げ処理において、折り曲げない内側を固定する役割を果たす。
【0064】
折り曲げアクチュエータ242は、折り曲げガイド体241の近隣を折り曲げ方向に移動する移動体である。折り曲げ支援線124が設けられた箇所の折り曲げ処理において、折り曲げる側を持ち上げて折り曲げる役割を果たす。
【0065】
図15(c)に示すように、折り曲げ支援線124に沿って折り曲げガイド体241が押圧し、折り曲げ支援線124が設けられた箇所の折り曲げ処理において、折り曲げない内側を固定する。
次に、図15(c)の右図に示すように、折り曲げガイド体241により固定された箇所の近隣を折り曲げアクチュエータ242が移動することにより、台紙体120の所定箇所が折り曲げ支援線124に沿って折り曲げられる。
【0066】
図15では、折り曲げ装置240の折り曲げガイド体241と折り曲げアクチュエータ242のセットにより、1か所の折り曲げ支援線124に沿った折り曲げ処理の例であるが、折り曲げ装置240がこの折り曲げ処理を所定順に行ってゆくことにより、台紙体120が所定の配送箱体として立体的に形成されて行く。
つまり、図1の例では折り曲げ支援線124が8本あったので、折り曲げ装置240の折り曲げガイド体241と折り曲げアクチュエータ242のセットを8セット備える構成でも良いし、折り曲げ装置240の折り曲げガイド体241と折り曲げアクチュエータ242のセットが複数の折り曲げ支援線124に対応する動きとし、例えば、折り曲げ装置240の折り曲げガイド体241と折り曲げアクチュエータ242のセットを3セットで8本すべての折り曲げ支援線124を所定順序で折り曲げて行く処理も想定できる。
【0067】
封止装置250は、折り曲げ装置により形成された配送箱体の形状を保つように配送箱体の一部を封止する装置である。
例えば、台紙体120のうち折り曲げ処理により台紙体120同士が重なっている箇所に接着剤を用いて台紙体120同士を接着して封止することも可能である。
また、例えば、台紙体120のうち折り曲げ処理により台紙体120同士が重なっている箇所に両面テープを自動貼付し、台紙体120同士を両面テープにより貼付して封止することも可能である。
また、例えば、ステープラー装置により、台紙体120同士が重なっている箇所にステープル留めすることも可能である。
【0068】
なお、封止装置250が接着剤や両面テープを用いる場合、折り曲げ装置240による台紙体120を折り曲げ処理する前、つまり、工程中、包装用シュリンクフィルム付台紙体100が平面の状態のうちに接着剤を塗布したり、両面テープを貼付したりしておくことが好ましい。接着剤の自動塗布や、両面テープの自動貼付は平面状態の方が自動処理しやすいからである。例えば、シュリンクパッケージ装置230による被装填物300のシュリンクパッケージが完了した後の工程において、封止装置250による接着剤の自動塗布工程や両面テープの自動貼付工程があり、その後に、折り曲げ装置240の折り曲げ処理による配送箱体の形成工程があれば良い。最後に接着剤による接着や両面テープの貼付状態を安定させるための後工程があっても良い。
【0069】
ここで、封止装置250が液状の接着剤を台紙体120の所定箇所に自動塗布する接着剤塗布装置を備えた場合の構成例は、公知の技術であり、ここでの詳しい説明は省略する。例えば、液状の接着剤を充填したタンクと当該タンクから接着剤を噴射するノズルとを組み合わせた装置などが市場で利用可能である。
【0070】
次に、封止装置250がステープラー装置を備えた構成例も公知の技術であり、ここでの詳しい説明は省略する。ステープラー装置によるステープル留め工程である場合は、折り曲げ装置240の折り曲げ処理による配送箱体の形成工程の後に非貼付領域122同士が重なっている部分に封止装置250によるステープル留めをすれば良い。
【0071】
次に、封止装置250が台紙体120の所定箇所に所定長の両面テープを自動貼付する両面テープ自動貼付装置を備えた場合の構成例としては、本特許出願時点ではまだ未公開の特許文献ではあるが、例えば、PCT/JP2020/031112号公報(特願2021-537135号公報)に開示された両面テープ自動貼付装置や、PCT/JP2021/006762号公報(特願2021-537136号公報)に開示された両面テープ自動貼付装置がある。
【0072】
図16は、PCT/JP2020/031112号公報(特願2021-537135号公報)に開示された両面テープ自動貼付装置の原理を適用した封止装置250の簡単な構成例と簡単な動きを説明する図である。
上記の両面テープ自動貼付装置は、多数の小片にハーフカットされた状態となっているハーフカット済両面テープを用いる。
【0073】
装置構成としては、 図16(a)に示すように、ロール状の前記剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ10Aを回転可能に支持するロール体取付け部31と、繰り出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ10Aが通過してゆく回転貼付転圧部32と、前記剥離ライナー12が回収されてゆく剥離ライナー回収部33を備え、回転貼付転圧部32が、回転体と回転体を回動可能に支持する支持機構を備えている。支持機構は回転体を支持する高さを制御する高さ制御機構(図示せず)を備え、ロール体取付け部31または剥離ライナー回収部33が自動回転制御機構(図示せず)を備えている。図16(a)に示すように、繰り出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ10Aが回転貼付転圧部32を通過すると、回転貼付転圧部32の直下にある貼付対象に貼付されて剥離ライナー12のみが回収されてゆく構成なっている。
【0074】
なお、図16(b)の左図は回転貼付転圧部32を側面から見た図であり、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ10Aなどは示されていない。図16(b)の中央図は、回転貼付転圧部32を左側面から見た様子の図であり、通過する剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ10Aが側面から見えている。図16(b)の右図は、回転貼付転圧部32を右側面から見た様子の図であり、回転貼付転圧部32を通過してハーフカット済両面テープ10Aが剥離して下方に剥がれ、剥離ライナー12のみとなって回収される様子を示している。
【0075】
図17は、封止装置250が両面テープを自動貼付する両面テープ自動貼付装置を備えた場合の構成例の動きについて説明する図である。図17に示すように、自動回転制御機構が、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ10Aの回転制御を行い、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ10Aの貼付ストロークごとに、貼付ストロークの始期において、回転制御による回転の始動と、高さ制御機構による回転体の支持高さの制御が連動する。また、貼付ストロークの終期において、回転制御による回転の停止と、高さ制御機構による回転体の支持高さの制御が連動することにより、所定長の両面テープを所定箇所に貼付するものである。
以上が、実施例2にかかる包装容器体形成自動梱包装置200の各構成要素の概略である。
【0076】
次に、本発明の包装容器体形成自動梱包装置200によって、被装填物300が自動装填され、さらに、配送箱体まで形成されるまでの流れを鳥瞰する。
上記したように、封止装置250の封止手段により工程の順番が一部変わり得ることは説明したが、この例では、封止装置250の封止手段は、両面テープの自動貼付による貼付手段であるものとして説明する。
【0077】
(1)封止装置250の封止手段が両面テープによる貼付の場合
<ストローク1>
包装用シュリンクフィルム付台紙体100の供給
図11に示すように、フィーダー装置210から、包装用シュリンクフィルム付台紙体100を供給する。包装用シュリンクフィルム付台紙体100は平面状のままであり、所定姿勢で装填装置220に渡される。
この例では、台紙付きシュリンクフィルム包装体に対して被装填物を装填方向に沿って直列に並ぶよう配置される姿勢となる。
【0078】
<ストローク2>
被装填物300の包装用シュリンクフィルム付台紙体100内への装填
次に、図11に示すように、装填装置220により被装填物300が包装用シュリンクフィルム付台紙体100内の包装用シュリンクフィルム110内の所定位置に装填される。なお、細かい動きは図13および図14に示したもので良い。
【0079】
<ストローク3>
封止装置250の前段処理(両面テープの貼付)
次に、図11に示すように、封止装置250の前段処理として、台紙体120の所定位置に両面テープが貼付される。この例では、折り曲げ処理により最終的に上面開口を封止する面となる箇所の所定箇所に両面テープが自動貼付される。
ここで、両面テープの自動貼付については、図17に示した両面テープの自動貼付装置を適用することができる。両面テープの自動貼付の詳細な説明は、特願2021-537135号公報の記載または特願2021-537136号公報の記載に譲るが、その自動貼付処理の結果、図14(b)に示すように所定箇所に両面テープ片が貼付される。
【0080】
<ストローク4>
折り曲げ装置240による立体的な配送箱体の形成
次に、図11に示すように、折り曲げ装置240による折り曲げ支援線124に沿った折り曲げ処理が実行される。この例では、折り曲げガイド体241と折り曲げアクチュエータ242のセットが少なくとも4セットあり、折り曲げ支援線124に沿って上下左右の4方向が折り曲げられるが、図3(a)に示すように、最外周にある片がそれぞれの折り曲げ支援線124に沿って垂直に折り曲げられて立設され、その後、さらに内側のそれぞれの折り曲げ支援線124に沿って所定の順番により垂直に折り曲げられる。この形状の状態を保持するため、折り曲げアクチュエータ242の一部は台紙体120の支持を継続することが好ましい。
【0081】
<ストローク5>
上面開口の封止
図3(a)に示すように、最後に残った上面開口を封止する面が上面開口を覆うように上面に沿うとする片が折り曲げられて立体的な配送箱体が完成する。
図3(b)に示すように、封止装置250の後工程として、上面開口を覆う封止を確実とするため、上面から適切な圧力にて押圧する。
なお、印刷部126への印刷は、この最後の段階でインクジェットプリンタなどにより印刷しても良いし、フィーダー装置210に包装用シュリンクフィルム付台紙体100のスタッカに投入する段階で既に印刷済みであっても良い。
【0082】
なお、このストローク5のあと、配送工程に流れて行く。
これらのストローク1からストローク5を繰り返すことにより、連続して包装容器体形成自動梱包装置200による包装用シュリンクフィルム付台紙体100を用いた被装填物300の自動装填から配送箱体の形成まで行われる。
【0083】
(2)封止装置250の封止手段が接着剤による貼付の場合
この場合は、上記したストローク1からストローク5の流れは同じであるが、ストローク3の封止装置250の前段処理が接着剤の塗布となる。なお、液状の接着剤の所定箇所への塗布処理は汎用的な公知の塗布装置で良いのでここでの説明は省略する。
【0084】
(3)封止装置250の封止手段がステープラーによるステープル留めの場合
この場合は、上記したストローク1からストローク2の流れは同じであるが、ストローク3の封止装置250の前段処理がない。その後のストローク4の折り曲げ装置240による立体的な配送箱体の形成は同じである。その後のストローク5は、上記のストローク5に代えて以下のストローク5aとなる。
【0085】
<ストローク5a>
台紙体120同士の所定箇所におけるステープル留めおよび上面開口の封止
ストローク4で形成された立体的な配送箱体のうち、所定箇所にステープラーでステープル留めを行う。この例では、上面開口の封止に先立って、側面において複数個所にステープラーによるステープル留めがされ、最後に残った上面開口を封止する面が上面開口を覆うように上面に沿うとする片が折り曲げられて立体的な配送箱体を完成し、さらにその封止片の複数個所にステープラーによるステープル留めがされる。
【0086】
なお、印刷部126への印刷は、この最後の段階でインクジェットプリンタなどにより印刷しても良いし、フィーダー装置210に包装用シュリンクフィルム付台紙体100のスタッカに投入する段階で既に印刷済みであっても良い。
【0087】
以上が、実施例2にかかる本発明の被装填物を装填する自動装填装置およびその方法の概略である。
【0088】
以上、本発明の包装用シュリンクフィルム付台紙体100、被装填物300を装填する自動装填装置200およびその方法の好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の包装用シュリンクフィルム付台紙体、包装容器体、被装填物を装填する自動装填装置およびその方法は、被装填物を包装用フィルムに自動装填する装置および方法として広く適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
100 包装用シュリンクフィルム付台紙体
110 包装用シュリンクフィルム
120 台紙体
121 貼付領域
122 非貼付領域
123 貼付剤
124 折り曲げ支援線
125 切開部
126 印刷部
127 窓部
128 透明フィルム
129 フック吊下用の孔
200 自動装填装置
210 フィーダー装置
220 装填装置
230 シュリンクパッケージ装置
240 折り曲げ装置
250 封止装置
300 被装填物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21