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特開2023-79298微細気泡供給システム及び微細気泡供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079298
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】微細気泡供給システム及び微細気泡供給方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/04 20060101AFI20230601BHJP
   B01F 23/2326 20220101ALI20230601BHJP
   B01F 25/30 20220101ALI20230601BHJP
   C10L 3/08 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
C02F11/04 A
B01F3/04 F ZAB
B01F5/04
C10L3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192694
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000176752
【氏名又は名称】三菱化工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183357
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義美
(72)【発明者】
【氏名】前田 良一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 雄一
(72)【発明者】
【氏名】荒蒔 義典
【テーマコード(参考)】
4D059
4G035
【Fターム(参考)】
4D059AA01
4D059AA03
4D059AA07
4D059BA17
4D059BA29
4D059DA70
4G035AB20
4G035AC22
4G035AE01
4G035AE07
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】微細気泡供給システム及び微細気泡供給方法を提供する。
【解決手段】
可燃性ガスを発酵させるガス発酵槽11の発酵液内に先端が導入され、微細気泡12bを供給する微細気泡供給ラインを備えた微細気泡発生部12と、微細気泡発生部へガスを供給するガス供給ラインを備えたガス供給部と、微細気泡発生部へ、ガス発酵槽内の発酵液の一部を駆動水として循環させる循環水ラインと、を備えた微細気泡発生装置(21A、21B)を2系統備えてなり、循環水ラインに介装された切替弁と、微細気泡供給ライン又は循環水ラインのいずれか一方又は両方に介装された目詰まり検知部と、を備え、第1系統の微細気泡供給装置21Aを用いて微細気泡をガス発酵槽内に供給している際、第1系統の微細気泡供給装置の目詰まり検知部が所定の閾値となった場合に、第1系統の微細気泡供給装置21Aから第2系統の微細気泡供給装置21Bに切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオ原料を導入するバイオ原料導入ラインを備え、可燃性ガスを発酵により生成させるガス発酵槽と、
前記ガス発酵槽の発酵液内又は前記バイオ原料導入ラインのバイオ原料内に微細気泡を供給する微細気泡供給ラインを備えた微細気泡発生部と、
前記微細気泡発生部へガスを供給するガス供給ラインを備えたガス供給部と、
前記微細気泡発生部へ、前記ガス発酵槽内の発酵液の一部を駆動水として循環させる循環水ラインと、
を備えた微細気泡発生装置を2系統備えてなり、
更に、前記循環水ラインに介装された切替弁と、
前記微細気泡供給ライン又は前記循環水ラインのいずれか一方又は両方に介装された目詰まり検知部と、を備え、
第1系統の微細気泡供給装置を用いて微細気泡を前記ガス発酵槽内に供給している際、
前記第1系統の微細気泡供給装置の前記目詰まり検知部が所定の閾値となった場合に、
前記第1系統の微細気泡供給装置から他方の第2系統の微細気泡供給装置に切り替えることを特徴とする微細気泡供給システム。
【請求項2】
前記循環水ラインの前記微細気泡発生部と前記切替弁との間に、ストレーナを設置することを特徴とする請求項1に記載の微細気泡供給システム。
【請求項3】
可燃性ガスを発酵させるガス発酵槽の発酵液内又は前記ガス発酵槽に導入するバイオ原料に微細気泡を供給する微細気泡発生工程と、
前記微細気泡発生部へガスを供給するガス供給工程と、
前記ガス発酵槽内の発酵液の一部を駆動水として循環させる循環水ラインを備えた循環水供給工程と、
を備えた微細気泡発生系統を2系統備えてなり、
第1の微細気泡供給系統を用いて前記微細気泡を前記ガス発酵槽内に供給している際、
前記第1の微細気泡供給系統の前記循環水ラインに設けた目詰まり検知装置が所定の閾値となった場合に、
前記第1の微細気泡供給系統から他方の第2の微細気泡供給系統に切り替える操作を行い、前記ガス発酵槽内に連続して前記微細気泡を供給することを特徴とする微細気泡供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡供給システム及び微細気泡供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、メタン(CH)などの可燃性ガスを発酵させるメタンガス発酵槽内に水素を添加し、水素酸化型メタン生成によるバイオメタネーション反応を生じさせ、バイオガスに含まれる二酸化炭素(CO)がメタン(CH)に転換させて、バイオガスの反応効率を向上させる、という提案がある(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平01-119397号公報
【非特許文献1】水素添加による中温消化汚泥のバイオメタネーション特性に関する研究:http://eica.jp/search/paper_read.php?id=1482
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に開示のようなディフューザを用い、発酵タンク内にディフューザを浸漬させて水素の供給を行うような場合には、水素の供給を停止する際又は間欠運転する際、発酵液中に存在する懸濁物(微粒子)などによるディフューザ孔の目詰まりが発生するという、問題がある。
【0005】
この目詰まりが発生した場合には、目詰まり解消のための作業(メタンガス発酵槽の空間部内の窒素パージ作業、ディフューザの取り出し作業、ディフューザの洗浄作業など)に手間と時間とがかかる、という問題がある。
【0006】
本発明は前記課題を解決すべく、目詰り対策において、手間と時間を要しない微細気泡供給システム及びその方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る1つの態様の微細気泡供給システムは、バイオ原料を導入するバイオ原料導入ラインを備え、可燃性ガスを発酵により生成させるガス発酵槽と、前記ガス発酵槽の発酵液内又は前記バイオ原料導入ラインのバイオ原料内に微細気泡を供給する微細気泡供給ラインを備えた微細気泡発生部と、前記微細気泡発生部へガスを供給するガス供給ラインを備えたガス供給部と、前記微細気泡発生部へ、前記ガス発酵槽内の発酵液の一部を駆動水として循環させる循環水ラインと、を備えた微細気泡発生装置を2系統備えてなり、更に、前記循環水ラインに介装された切替弁と、前記微細気泡供給ライン又は前記循環水ラインのいずれか一方又は両方に介装された目詰まり検知部と、を備え、第1系統の微細気泡供給装置を用いて微細気泡を前記ガス発酵槽内に供給している際、前記第1系統の微細気泡供給装置の前記目詰まり検知部が所定の閾値となった場合に、前記第1系統の微細気泡供給装置から他方の第2系統の微細気泡供給装置に切り替えることを特徴とする。
【0008】
上記態様において、前記循環水ラインの前記微細気泡発生部と前記切替弁との間に、ストレーナを設置するようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る1つの態様の微細気泡供給方法は、可燃性ガスを発酵させるガス発酵槽の発酵液内又は前記ガス発酵槽に導入するバイオ原料に微細気泡を供給する微細気泡発生工程と、前記微細気泡発生部へガスを供給するガス供給工程と、前記ガス発酵槽内の発酵液の一部を駆動水として循環させる循環水ラインを備えた循環水供給工程と、を備えた微細気泡発生系統を2系統備えてなり、第1の微細気泡供給系統を用いて前記微細気泡を前記ガス発酵槽内に供給している際、前記第1の微細気泡供給系統の前記循環水ラインに設けた目詰まり検知装置が所定の閾値となった場合に、前記第1の微細気泡供給系統から他方の第2の微細気泡供給系統に切り替える操作を行い、前記ガス発酵槽内に連続して前記微細気泡を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、目詰まりが発生した場合、従来のように、可燃性ガスを発生させるガス発酵槽の運転を停止して、ガス発酵槽から従来のようなディフューザを取り出して、目詰まり解消させる必要がなく、ガス発酵槽の外部に設置したガス供給の切替を行うことで、目詰まり解消作業に手間と時間とがかかることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る第1の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。
図2】本発明に係る第2の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。
図3】本発明に係る第3の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。
図4】本発明に係る第4の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。
図5】本発明に係る第5の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書の実施形態においては、全体を通じて、同一の部材には同一の符号を付している。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態の第1の微細気泡供給システム100-1は、可燃性ガス(バイオガス11b)を発酵させるガス発酵槽11と、このガス発酵槽11内の発酵液W1内に先端部12aが導入され、微細気泡12bを供給する微細気泡供給ラインL1(L1A、L1B)を備えた微細気泡発生部(例えばエジェクタ)12(12A、12B)と、微細気泡発生部12へガス(水素)14を供給するガス供給ラインL2(L2A、L2B)を備えたガス供給部13と、微細気泡発生部12へガス発酵槽11内の発酵液W1の一部を駆動水W2として循環させる循環水ラインL3(L3A、L3B)と、を備えた微細気泡発生装置22(21A、21B)を2系統備えてなり、更に循環水ラインL3(L3A、L3B)に介装され、駆動水W2の流路を切り替える切替弁V1(V1A、V1B)と、微細気泡供給ラインL1又は循環水ラインL3のいずれか一方又は両方に介装された目詰まり検知部15(15A、15B)と、を備えた微細気泡発生装置21を、2系統(第1の微細気泡発生装置21A、第2の微細気泡発生装置21B)備えている。
なお、本実施形態では、第1系統の第1微細気泡発生装置21側には符号「A」を付しており、第2系統の第2微細気泡発生装置21側には符号「B」を付している。
【0014】
ガス発酵槽11は、バイオ原料11aをバイオ原料投入ラインL11から投入し、微生物(例えばメタン生産菌など)によりバイオガスとして、可燃性ガスである例えばメタン(CH)を発酵させており、この発酵により得られたバイオガス(CH)11bはバイオガス排出ラインL12から別途貯蔵タンクに排出される。このガス発酵槽11内では、例えば嫌気性微生物により、導入されたバイオ原料(例えば有機性廃棄物(例えば廃油、廃酸、廃アルカリ、汚泥(下水汚泥、し尿汚泥など)、動植物性残渣、又は高分子有機物(例えばタンパク質、炭水化物(多糖)、脂質、繊維、繊維質など)11aを分解し、メタン(CH)及び二酸化炭素(CO)を含むバイオガス11bを発生させるメタン発酵を行うものである。メタン発酵によって発生したバイオガス11bは、別途精製(例えば脱硫、濃縮など)され、その後エネルギー源として利用される。なお、ガス発酵槽11内には発酵液W1を撹拌する撹拌装置(図示せず)が設けられている。
【0015】
微細気泡発生部12(12A、12B)は、微細気泡を発生させるものであり、微細気泡供給ラインL1(L1A、L1B)を備えている。そして、発生させた微細気泡12bは、ガス発酵槽11内の発酵液W1内に挿入された先端部12aから供給される。微細気泡12bとして供給されたガス(水素)は、発酵液W1中に含まれる二酸化炭素(CO)とメタン生成細菌により反応し、メタン(CH)に転換される。
【0016】
微細気泡発生部12から発生する微細気泡12aとしては、ガス発酵槽11内に水素を溶解させるためには微細状態とする必要があり、気泡径としては例えば0.1mm~1.0mmとするのが好ましく、0.4mm~0.9mmとするのがより好ましい。なお、本実施形態では、例えばエジェクタを用いて、微細気泡を発生させている。なお、微細気泡(気泡径:例えば0.1mm~1.0mm)12bを発生させるものであれば、エジェクタに限定されるものではなく、ベンチュリ、スタティックミキサなどのポンプ又は攪拌機などを用いて流体の流れを作り、その中にガスを取り込み、器具の中を、ガスを含む流体を高速で通過させることで、内部のガスを微粒子化して微細気泡を発生させる方法を挙げることができる。
【0017】
ここで、微細気泡発生部12としてエジェクタを用いる場合には、循環水供給ラインL3から導入される駆動源とされる駆動水W2は、エジェクタの内部ノズルにより高速噴射されることで、エジェクタのボディ内に低圧空間を生成し、外部のガス供給ラインL2から導入されるガス14を吸引する。駆動水W2は吸引されたガス14を同伴混合しながら出口へ向かい、混合された流体(水素を含む微細気泡)はエジェクタのディフューザ部において速度を減じながら、ほぼ損失無く運動エネルギーを圧力に回復する。
【0018】
ここで、水素を含む微細気泡12bの供給量、微細気泡の供給流速は、ガス発酵槽11の容量に応じて、またメタン発酵の反応状況に応じて適宜変更するものであり、連続又は間欠で供給している。
【0019】
この微細気泡発生部12で発生させた水素を含む微細気泡12bをガス発酵槽11内に導入することで、水素の溶解を促進させ、上述したようにメタン発酵において発生した二酸化炭素(CO)と、水素(H)とが反応して、メタン(CH)に転換させることで、メタン発生量の増大(バイオガス11bの生産割合の増量)を図ることができる。
【0020】
ガス供給部13は、微細気泡発生部12へガス(例えば水素)14を供給するガス供給ラインL2(L2A、L2B)を備えている。このガス供給ラインL2A、L2Bには、第2切替弁(例えば電磁弁など)V2A、V2Bが介装されており、ガス流路の切替をしている。
【0021】
循環水ラインL3(L3A、L3B)は、微細気泡発生部12へガス発酵槽11内の発酵液W1の一部を駆動水W2としてポンプPにより循環させている。また、この循環水ラインL3(L3A、L3B)には、第1切替弁V1(V1A、V1B)が介装されており、駆動水W2の流路の切替をしている。
【0022】
この循環水ラインL3A、L3Bの微細気泡発生部12とポンプPとの間には、目詰まり検知部である圧力計15(15A、15B)が各々介装されている。なお、本実施形態では、圧力計15A、15Bは、循環水ラインL3A、L3B側に各々設置しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、微細気泡供給ラインL1A、L1B側に各々設置するようにしてもよく、さらには両方の位置に設置するようにしても良い。
また、目詰まり検知部15としては、圧力計に限定されるものではなく、流路の目詰まりを検知することができる装置(例えば流量計など)を用いるようにしてもよい。
【0023】
このような微細気泡供給システム100-1を用いて、微細気泡12bをガス発酵槽11に導入するに際し、第1系統の第1微細気泡供給装置21Aを使用して微細気泡を供給し、第1系統側の水供給ラインL3Aに圧力計15Aを設置し、駆動水として発酵液W1の一部W2を循環水として用い、微細気泡を発生させる場合について説明する。
【0024】
先ず、第1系統において、ガス発酵槽11内からポンプPで発酵液W1の一部を駆動水W2として微細気泡発生部12Aに導入する。一方ガス供給源13から水素ガス14を微細気泡発生部12Aに導入し、ここで微細気泡を発生させ、微細気泡供給ラインL1の先端部12aから発酵液W1内に導入する。この循環水を供給するに際し、圧力計15Aで所定圧力(閾値Px以上:目詰まりにより圧力が立つ)を検知した場合、目詰まりが発生したと判断する。そして、第2の微細気泡供給装置21B側の第1切替弁V1Bを開き、第2系統の第2微細気泡供給装置21Bを使用して微細気泡の供給を開始する準備をする。そして、第1系統の第1微細気泡供給装置21Aの第1切替弁V1Aを閉じて、第1系統から第2系統に切替え、第1微細気泡供給装置21Aからの微細気泡の供給を停止する。
なお、所定時間運転して第2系統側で目詰まりが発生した場合には、上記操作の逆の操作を行い、第1系統側で微細気泡を供給するようにすればよい。
【0025】
その後、第1微細気泡供給装置21Aの微細気泡発生部12Aに対して、逆洗浄を行い、目詰まりを解消させ、次の運転に備える。なお、微細気泡供給ラインL1の先端部12aのノズル部分が詰まるような場合には、先端部12aを含む部分の挿入部を二重管構造として、水封状態として、抜き差し作業を行い、先端部12aのノズル開口部分の洗浄作業などを行うようにすればよい。
【0026】
このように、第1の実施形態によれば、目詰まりが発生した場合、従来のように、可燃性ガスであるメタンを生成させるガス発酵槽11の運転を停止し、目詰まり解消のための作業(メタンガス発酵槽の空間部内の窒素パージ作業、ガス発酵槽内部からのディフューザの取り出し作業など)に手間と時間とがかからず、メタン発酵槽の外部において、目詰まり解消作業(例えばエジェクタの逆洗浄、分解洗浄など)を実施することができ、この結果、目詰まり解消作業に手間と時間とがかかることがない。
【0027】
特に目詰まりは微細気泡を供給する場合の間欠運転の停止時に発生しやすいので、間欠運転の開始の際には、圧力計15での監視を強化するようにすればよい。
【0028】
なお、循環水供給ラインL3から駆動水W2を抜き出す場合には、ガス発酵槽11内の発酵液W1の濃度の薄い箇所から抜き出すようにするのが好ましい。
【0029】
なお、微細気泡供給ラインL1A、L1B側に圧力計15A、15Bを設置する場合には、圧力計15A、15Bで所定圧力(閾値Py以下:目詰まりにより圧力が立たない)を検知した場合、目詰まりが発生したと判断するようにすればよい。
【0030】
なお、前記第1系統の微細気泡供給装置21Aから他方の第2の微細気泡供給装置21Bにガス供給を切り替える作業は、作業員が行うようにしても良く、また制御装置を用いて自動で行うようにしても良い。
【0031】
本実施形態では、微細気泡供給ラインL1の先端部12aから一か所で微細気泡を導入しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガス発酵槽11の容量に応じて複数本の微細気泡供給ラインと、微細気泡発生装置を複数台設置するようにしてもよい。
【0032】
なお、第1の微細気泡供給システム100-1では、可燃性のバイオガス11bとして、メタンガスを適用しているが、メタンガスに限定されるものではない。
【0033】
[第2の実施形態]
図2は、第2の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。なお、第1の実施形態の構成と同一構成部材については、同一符号を付して重複する説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態の第2の微細気泡供給システム100-2は、循環水ラインL3A、13Bにおける微細気泡発生部12A、12Bと切替弁V1A、V1Bとの間に、ストレーナ17を設置するようにしている。
【0034】
このストレーナ17を設置することで、発酵液W1の一部の駆動水W2中に含有している懸濁物(微粒子)を予め捕集することができる。
また、このストレーナ17を複式ストレーナとすることで、所定時間ごと(例えば朝始業時など)にストレーナ流路を切替え、目詰まりの有無を監視することで、目詰まりを事前に回避するようにしてもよい。なお、ストレーナの目開きは、ストレーナで捕集する対象に応じて、ストレーナの目開きを適宜選定するようにしてもよい。
【0035】
[第3の実施形態]
図3は、第3の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。なお、第1、2の実施形態の構成と同一構成部材については、同一符号を付して重複する説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態の第3の微細気泡供給システム100-3は、ガス発酵槽11の発酵液W1内に微細気泡12bを供給する微細気泡供給ラインL1-1を備えると共に、更にガス発酵槽11内にバイオ原料11aを導入するバイオ原料導入ラインL11のバイオ原料11a内に微細気泡12bを供給する微細気泡供給ラインL1-2とを設置している。
【0036】
本実施形態ではメタン発酵の発酵液W1内にガス14として水素の微細気泡を導入すると共に、ガス発酵槽11内に導入するバイオ原料11a内においても、事前にガス14として水素の微細気泡を供給・添加するので、2か所からの微細気泡の供給が可能となり、水素溶解の促進を図ることができる。
なお、微細気泡供給ラインL1-1、L1-2からのガス供給割合は適宜変更するようにしてもよい。さらに、ガス供給源13からのガス供給ラインL2から微細気泡供給ラインL1-2に対してガスバイパスラインを別途設置し、ガス供給を任意に行うようにしてもよい。
【0037】
[第4の実施形態]
図4は、第4の実施形態の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。なお、第1、3の実施形態の構成と同一構成部材については、同一符号を付して重複する説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の第4の微細気泡供給システム100-4は、ガス発酵槽11内にバイオ原料11aを導入するバイオ原料導入ラインL11のバイオ原料11a内に微細気泡12bを供給する微細気泡供給ラインL1-2を設置している。
本実施形態ではガス発酵槽11内に導入するバイオ原料11a内において、ガス14として水素の微細気泡を供給・添加するので、ガス発酵槽11内への導入前において、水素溶解の促進を図ることができる。
【0038】
[第5の実施形態]
図5は、第5の実施形態の第5の微細気泡供給システムの概略を示す説明図である。なお、第1、2の実施形態の構成と同一構成部材については、同一符号を付して重複する説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態の微細気泡供給システム100-5は、可燃性ガスを発酵させるガス発酵槽11の発酵液W1内に先端12aが導入され、微細気泡12bを供給する微細気泡供給ラインL1を備えた微細気泡発生部(エジェクタ)12と、微細気泡発生部12へガス(水素)14を供給するガス供給ラインL2を備えたガス供給部13と、微細気泡発生部12へ駆動水W2として水を供給する水供給ラインL4を備えた水タンク19と、を備えている。
【0039】
本実施形態によれば、メタン発酵槽の外部において、微細気泡発生部(エジェクタ)12において、仮に目詰まりが発生した場合でも目詰まり解消作業(例えばエジェクタの逆洗浄、分解洗浄など)を容易に実施することができる。この結果、従来のような目詰まりが発生した場合に、可燃性ガスであるメタンを生成させるガス発酵槽11の運転を停止し、目詰まり解消のための作業(メタンガス発酵槽の空間部内の窒素パージ作業、ガス発酵槽内部からのディフューザの取り出し作業など)に手間と時間とがかかることがない。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
100-1~100-5 第1~第5の微細気泡供給システム
11 ガス発酵槽
11a バイオ原料
11b バイオガス
12(12A、12B) 微細気泡発生部
13 ガス供給部
14 ガス(水素)
15(15A、15B) 目詰まり検知部
17(17A、17B) ストレーナ
18 ガス濃度計
19 水タンク
21A 第1の微細気泡発生装置
21B 第2の微細気泡発生装置
L1、L1-1、L1-2(L1A、L1B) 微細気泡供給ライン
L2(L2A、L2B) ガス供給ライン
L3(L3A、L3B) 循環水供給ライン
L4 水供給ライン
V1(V1A、V1B) 切替弁
W1 発酵液
W2 駆動水
図1
図2
図3
図4
図5