IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社IPM研究社の特許一覧

<>
  • 特開-成分浸出器具 図1
  • 特開-成分浸出器具 図2
  • 特開-成分浸出器具 図3
  • 特開-成分浸出器具 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079309
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】成分浸出器具
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/16 20060101AFI20230601BHJP
   A47J 31/20 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A47G19/16
A47J31/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192717
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】518322388
【氏名又は名称】株式会社IPM研究社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】鶴藤 友義
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA01
4B104BA35
4B104BA80
4B104EA01
(57)【要約】
【課題】汚れの防止及び洗い易さの向上に寄与でき、指への水付着を防止できるとともに、ティーバッグの良好な着脱性及び保持の安定性も図ることが可能な成分浸出器具を提供する。
【解決手段】本発明の成分浸出器具1は、長尺なレバー4及び本体2をそれらの元側で連結部5a,5bを介して互いに回動可能に連結することにより、レバー4の先端側と本体2の先端側とによって植物素材を収容したティーバッグを着脱可能に挟む開閉可能な保持手段12を構成する。連結部5bから元側に延びるレバー4の端部は、保持手段12を開閉操作する操作部8を備え、連結部5aから元側に延びる本体2の端部は、手で把持可能な把持部10を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物素材の成分を浸出するのに用いられる成分浸出器具であって、
長尺なレバー及び本体をそれらの元側で連結部を介して互いに回動可能に連結することにより、前記レバーの先端側と前記本体の先端側とで植物素材を収容したティーバッグを着脱可能に挟む開閉可能な保持手段を構成し、
前記連結部から元側に延びる前記レバーの端部は、前記保持手段を開閉操作する操作部を備え、
前記連結部から元側に延びる前記本体の端部は、手で把持可能な把持部を備えることを特徴とする成分浸出器具。
【請求項2】
前記レバーの前記操作部の操作量を制限して前記保持手段の開放度合いを規制する規制手段を有することを特徴とする請求項1に記載の成分浸出器具。
【請求項3】
前記保持手段を構成する前記レバーの先端側の保持部及び前記本体の先端側の保持部の少なくとも一方が、他方の保持部へ向けて湾曲するとともに、前記レバーの保持部の先端が前記本体の保持部の先端よりも元側に位置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成分浸出器具。
【請求項4】
前記保持手段を構成する前記本体の先端側の保持部の横幅寸法は、前記保持手段を構成する前記レバーの先端側の保持部の横幅寸法よりも大きく、
前記本体の保持部の先端から前記連結部までの長さ寸法は、前記レバーの前記保持部の先端から前記連結部までの長さ寸法よりも長い、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の成分浸出器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶葉(緑茶、紅茶等)、花、果実、根など、各種の植物素材を小袋に収容したバッグ(以下、このようなバッグをティーバッグと称する)から成分を浸出させるのに用いられる成分浸出器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にティーバッグには、糸が付けられており、糸の先に取着された把持部(紙)を摘まんで、湯中でティーバッグを上下動することで成分浸出を行なっている。また、ティーバッグを利用して成分を浸出する器具として、例えば、特許文献1に開示された構成が知られている。この成分浸出器具は、ティーバッグをカップに沈めた状態で、ティーバッグを押さえ付ける押圧部材と、押圧部材と一体形成され、カップの上方に沿って延出し、先端につまみ部が形成された操作棒とを備えており、つまみ部を摘まんで操作棒を上下動することで湯中に沈んだティーバッグを押圧部材で押さえ付けて成分を浸出させるようになっている。
【0003】
しかしながら、この特許文献1では、上記した植物素材の成分の浸出の仕方は、把持部を摘まんで糸を介してティーバッグを上下動させるか、又は、操作棒を上下動させて押圧部材でティーバッグを押さえ付けるだけであるため、湯中で植物素材の動きを細かく調整(コントロール)することができない。すなわち、単なる植物素材の上下動や押し付け動作では、湯に対する相対動作が大雑把となったり、素材が押し潰される等、成分浸出時に澱が出たり、味に雑味が出る等の問題がある。
【0004】
そのため、このような問題を解決するべく、特許文献2には、棒状の本体の先端側にティーバッグを着脱可能に挟む一対の保持部と、一対の保持部を連結する連結部と、一対の保持部を開閉可能にする操作部とを有する成分浸出器具が開示されている。この成分浸出器具は、容器の中で、植物素材と湯の動きを静かで自由にコントロールすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-300809号公報
【特許文献2】特開2021-58428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献2によれば、成分浸出時に植物素材の動きを細かくコントロールすることが可能である。しかしながら、一対の保持部を連結する連結部、及び、一対の保持部を開閉可能にする操作部が、湯中に浸漬される本体の先端部に設けられているため、成分浸出器具の汚れ防止や洗い易さの点で課題が残る。また、ティーバッグを保持部から取り外すときに指に水が付くなど、ティーバッグを保持して成分浸出後にティーバッグを取り外すまでの一連の操作性を向上する上で改善すべき点もある。
【0007】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、汚れの防止及び洗い易さの向上に寄与でき、指への水付着を防止できるとともに、ティーバッグの良好な着脱性及び保持の安定性も図ることが可能な成分浸出器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明は、植物素材の成分を浸出するのに用いられる成分浸出器具であって、長尺なレバー及び本体をそれらの元側で連結部を介して互いに回動可能に連結することにより、前記レバーの先端側と前記本体の先端側とで植物素材を収容したティーバッグを着脱可能に挟む開閉可能な保持手段を構成し、前記連結部から元側に延びる前記レバーの端部は、前記保持手段を開閉操作する操作部を備え、前記連結部から元側に延びる前記本体の端部は、手で把持可能な把持部を備えることを特徴とする。
【0009】
上記した構成によれば、長尺なレバーと長尺な本体とを回動可能に連結する連結部が操作部及び把持部と共に、成分浸出器具の元側に形成されているため、手で把持部を把持した状態で操作部を操作することにより保持手段に対してティーバッグを安定的に着脱操作し易くなる。また、保持手段からティーバッグを取り外す際にも、指に水(湯)が付着することが防止される。
【0010】
この場合、連結部が成分浸出器具の元側に配置されるため、汚れの防止及び洗い易さの向上に寄与し得る。すなわち、本発明の上記した構成では、連結部が成分浸出器具の元側に位置しているため、保持手段をカップなどの湯中に浸漬させて成分浸出させると共に、連結部を湯中から離すことが可能となり、連結部に対する茶渋(垢)の付着を防止することができる。
【0011】
なお、上記した構成において、開閉可能な保持手段は、連結部などに設けられるバネ等の付勢手段によって閉位置へと常時付勢されていることが好ましい。また、把持部の長さ寸法は、本体の長さ寸法よりも短いことが好ましい。また、保持手段を構成する本体の先端側の保持部の横幅寸法は、保持手段を形成するレバーの先端側の保持部の横幅寸法よりも大きいことが好ましい。
ここで、「横幅寸法」とは、連結部を支点として回動する保持手段の開閉方向から見た平面視において、成分浸出器具の軸方向(長手方向)に対して垂直な方向に沿う寸法を意味する。また、「長さ寸法」とは、成分浸出器具の軸方向に沿う寸法を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、汚れの防止及び洗い易さの向上に寄与でき、指への水付着を防止できるとともに、ティーバッグの良好な着脱性及び保持の安定性を図ることが可能な成分浸出器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る成分浸出器具の一部断面を有する側面図。
図2図1の成分浸出器具の本体を示し、(a)は本体の側面図、(b)は本体の平面図、(c)は(a)のA-A線に沿う断面図。
図3図1の成分浸出器具のレバーを示し、(a)はレバーの平面図、(b)はレバーの側面図、(c)は(b)のC方向矢視図、(d)は(b)のB-B線に沿う断面図。
図4図1の成分浸出器具の使用例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る成分浸出器具の一実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明は、前述したように、茶葉(緑茶、紅茶等)、花、果実、根など、各種の植物素材を公知の袋状の部材(ティーバッグ)に収容し、これを保持して容器の湯中で移動操作することで、植物素材の成分を浸出するのに用いられる成分浸出器具に関するものであり、一般的な湯飲み用のカップ、複数杯のお茶を淹れることが可能な急須やポット等(以下、これらを容器と総称する)に対して使用される。以下に説明する実施形態では、植物素材として茶葉(緑茶)を例示して説明する。
【0015】
図1乃至3は、本発明に係る成分浸出器具の一実施形態を示す図であり、図1は、成分浸出器具の一部断面を有する側面図、図2(a)は成分浸出器具の本体の側面図、図2(b)は成分浸出器具の本体の平面図、図2(c)は(a)のA-A線に沿う断面図である。また、図3(a)は成分浸出器具のレバーの平面図、図3(b)は成分浸出器具のレバーの側面図、図3(c)は(b)のC方向矢視図、図3(d)は(b)のB-B線に沿う断面図である。
【0016】
本実施形態に係る成分浸出器具1は、例えば金属製の長尺な本体2を有し、この本体2の元側には、連結部(レバー取り付け部)5aが設けられている。また、この連結部5aには、例えば金属製の長尺なレバー4の元側に設けられた連結部5bが回動可能に連結されている。本実施形態では、前記連結部5a,5b同士はリベット結合により連結されており、本体2とレバー4は、並列状に軸方向に沿って延出している。ここで、「元側」とは、手で把持されて操作される側を意味し、これに対し、「先端側」とは、植物素材を収容する袋状のティーバッグが保持される側を意味する。
【0017】
前記本体2とレバー4との回動可能な連結によって、本体2の先端側の保持部2a及びレバー4の先端側の保持部4aは、植物素材を収容したティーバッグを着脱可能に挟む開閉可能な保持手段12を形成している。この開閉可能な保持手段12は、連結部5a,5bに設けられるコイルバネ等の付勢手段(図示せず)によって閉位置へ向けて常時付勢されている。
【0018】
また、本実施形態では、図2(c)に示されるように、本体2の軸部2aが凹状の断面を有しており、その凹側がレバー4の軸部4aに面している。前記軸部2aの厚さT1は限定されることはないが、例えば1.5mm程度に形成されている。また、図2(b)に示されるように、本体2の軸部2aの幅W2は、先端側に向かって次第に先細るように形成されている。
【0019】
前記レバー4は、図3(d)に示されるように、その軸部4aも凹状の断面を有し、その凹側が本体2の軸部2aに面している。前記軸部4aの厚さT2についても限定されることはないが、例えば1.5mm、幅W4が、例えば4.5mm程度に形成されている(図3(a)(b)参照)。
【0020】
また、本実施形態では保持手段12を構成するレバー4の保持部4b、及び、本体2の保持部2bの少なくとも一方が、その他方へ向けて円弧状に湾曲している。具体的には、図2に示されるように、本体2の保持部2bが、本体2の軸部2aの先端で、軸部2aの長手方向軸Oから(レバー4の保持部4bから)外側に離れるように湾曲した後、長手方向軸Oへ向けてレバー4の保持部4bに近づくように内側へ湾曲形成されている。このため、曲率半径25mmの湾曲部が、例えば所定の軸方向長さL5(例えば30mm)にわたって形成されている。
【0021】
また、このような本体2の保持部2bの湾曲形成に応じて、レバー4の保持部4bは、図3にも示されるように、レバー4の軸部4aの先端で本体2の長手方向軸Oから(本体2の保持部2bから)外側に離れるように直線的に屈曲されている。この場合、その屈曲角θは、レバー4の軸部4aの長手方向軸O1に対して15°程度とされている。また、レバー4は、保持手段12の閉位置(図1に示される位置)では、本体2の軸部2aの長手方向軸Oに対して内側へ向けて斜めに延在し、その保持部4bが本体2の湾曲状の保持部2bの円弧内に少なくとも部分的に収まるように位置されている。
【0022】
このような本体2の保持部2bの湾曲及びレバー4の保持部4bの屈曲に加え、本実施形態では、レバー4の保持部4bの先端が、本体2の保持部2cの先端よりも所定の長さX(例えば1.0mm~4.0mm、好ましくは3mm)だけ元側に位置されている。このように、保持部2bの湾曲及び保持部4bの屈曲に加えて、保持部2b,4bの先端同士をずらすと、保持部3b、4bによって保持されたティーバッグが外れ難くなる。特に、本体2及びレバー4の長さ(特に保持部2b,4bの先端から連結部5a,5bまでの長さ)が長く設定されて、保持部2b,4bによる保持力(ティーバッグを挟持(押圧)する挟持力(押圧力))が小さい場合でも、ティーバッグを安定的に保持することができる。
【0023】
なお、本体2の湾曲状の保持部2bの先端は、湾曲側(レバー4側)へ向けて略垂直に立ち上がるように延びる屈曲部2baを有する。この屈曲部2baは、高さH1(例えば4mm程度)で立ち上がるように形成されている(図2(a)参照)。また、レバー4の屈曲状の保持部4bの先端も、屈曲側とは反対の側(本体2側)へ向けて略垂直に立ち上がるように延びる屈曲部4baを有する。この屈曲部4baは、高さH2(例えば2.8mm程度)で立ち上がるように形成されている(図3(b)(c)参照)。この場合、図3(a)(c)に示されるように、屈曲部4baの先端には、ティーバッグを保持する保持力を高めるべく、保持するティーバッグに食い込み可能な波状部(又は凹凸部、歯部など)30が、例えば1.0mmの高さH3で形成されている。
【0024】
また、本実施形態の成分浸出器具1では、図1に示されるように、連結部5bから元側に延びるレバー4の端部が、保持手段12を開閉操作する操作部8を構成している。また、連結部5aから元側に延びる本体2の端部は、手で把持可能な把持部10を構成している。特に、本実施形態では、連結部5aから元側に延びる本体2の軸部2aの元側端部2cに、樹脂製、木製等の把持部10が取り付けられている。
【0025】
前記把持部10の長さL2は、40mm以上、具体的には、60~65mmにすることが好ましく、本実施形態では、例えば62mmに設定されている。また、これに伴い成分浸出器具1の全長Lは、例えば170mmに設定されており、全長Lの中間位置よりも元側に把持部10が位置するように設定されている。この場合、成分浸出器具1の全長Lの長さは限定されることはないが、好ましくは150~180mm、長くても200mm程度あればよく、長さを調整可能な調整手段を設けてもよい。
【0026】
また、本実施形態に係る成分浸出器具1は、レバー4の操作部8の操作量を制限して保持手段12の開放度合いを規制する規制手段を有している。特に本実施形態では、そのような規制手段は、操作部8の操作時に操作部8が当接可能な把持部10の外表面部位(度当て)10aによって形成されている。
【0027】
具体的に、本実施形態では、把持部10へ向けて操作部8を前述した付勢手段に抗して押さえ付けることによって保持手段12が開放する。この場合、保持手段12の閉位置(図1に示される位置)で把持部10の外表面部位10aと操作部8の端縁との間に隙間Sが確保されており、この隙間Sの分だけ操作部8が連結部5a,5bを支点に回動して操作部8が把持部10の外表面部位10aに突き当たることができ、操作部8のそれ以上の回動(保持手段12のそれ以上の開放度合い)が規制される。
【0028】
なお、本実施形態では、操作部8の操作性を向上させるべく、レバー4の長手方向軸1に沿う操作部8の長さL3が把持部10に届く長さ、例えば10mm以上25mm以下、ここでは11mmに設定されるとともに、隙間Sが2.0mm~3.0mmに設定されている。これにより、保持手段12の開位置での保持部2b,4b同士の間隔が、例えば15mm~35mmとなるように設定されている(保持手段12の開きが一定範囲内となるようにしている)。このように、保持手段12の開きを15mm~35mmにすることで、ティーバッグの大きさや形状、折り畳み状態などが変化しても、成分浸出器具に対するティーバッグの着脱がし易くなる。
【0029】
前記保持手段12の先端から連結部5a,5bまでの長さが長いと、操作部8の僅かな動作だけで保持手段12が大きく広がりすぎて、ティーバッグを着脱操作し難くなるが、上記したように、規制手段によって保持手段12の開く大きさを一定範囲に規制すれば、ティーバッグを着脱するときに常に一定量開くことができ、指でレバー4の開閉量を調節する必要がなくなって、ティーバッグの着脱操作がし易くなる。
【0030】
上記した規制手段については、レバー4側、本体2側の少なくともいずれか一方に設けられていればよい。この場合、規制手段は、操作部8と把持部10との間の隙間を小さくするような突起又は延出部を、把持部10及び操作部8の少なくともいずれか一方に一体形成するか、或いは、別体で設けることで構成することも可能である。
【0031】
また、本実施形態に係る成分浸出器具1では、本体2の保持部2bの横幅寸法W1(図2(b)参照)が、レバー4の保持部4bの横幅寸法W3(図3(a)参照)よりも大きく設定されている。具体的には、保持部2bの横幅寸法W1が12mmに設定され、保持部4bの横幅寸法W3が8mmに設定されている。また、本体2の保持部2bの先端から連結部5aまでの長さ寸法L1は、レバー4の保持部4bの先端から連結部5bまでの長さ寸法L4よりも長く設定されている。例えば、長さ寸法L1は、80mm以上、好ましくは90mm以上が好ましく、ここでは100mmに設定されており、長さ寸法L4については97mmに設定されている。
【0032】
横幅寸法及び長さ寸法がこのような関係に設定されれば、ティーバッグを保持手段12の本体2側に巻き込んで、ティーバッグ内の植物素材を絞り出す操作がし易くなるとともに、レバー4側では連結部5bに負荷が強く掛かることを防止できるため、連結部5bのガタの発生やレバー4の変形を防止でき、強度を向上できる。
【0033】
次に、上記した成分浸出器具1の使用方法について、図4を参照しながら説明する。
図4では、図1乃至図3に示した成分浸出器具1を、急須等、複数人数分の緑茶を入れることが可能な容器(ポット)150に使用する例を示している。
【0034】
容器150は、ガラス素材(耐熱強化ガラス)、或いは、透明樹脂素材によって一体形成されており、取手や嘴状の注出部(図示せず)を備え、開口151を介して収容部152に水(湯)を収容するようになっている。この場合、収容部152内の湯は、開口151を介して加熱された水を注いだものであってもよく、容器150に関連した加熱手段(図示せず)によって、一定の温度に沸かした状態にされたものであってもよい。
【0035】
図示のように、成分浸出器具1の一対の保持部2b,4bにティーバッグ100を保持してティーバッグ100を容器150の収容部152の湯内に入れると、成分浸出器具1の前述した構成により、成分浸出器具1は、容器150の開口151から対向する容器150の底部153に向けて傾斜方向に設置することができる。この状態で連結部5a,5b、把持部10、及び、操作部8は、開口151よりも上方且つ外方に突出するようになる。
【0036】
このように、容器150の外方に突出する成分浸出器具1の元側に、長尺なレバー4と長尺な本体2とを回動可能に連結する連結部5a,5b、操作部8、及び、把持部10が形成されていると、手で把持部10を把持した状態で成分浸出器具1を動かして成分浸出操作が行ない易くなる。また、その途中で操作を誤ってティーバッグ100を保持手段12から外してしまった場合でも、手で把持部10を把持した状態で操作部8を操作することにより手を濡らすことなく保持手段12に対してティーバッグ100を再び装着することが容易に行える。また、図4に示されるような成分浸出後に容器150外で保持手段12から濡れたティーバッグ100を取り外す際にも、手で把持部10を把持した状態で操作部8を操作することにより、指に水(湯)が付着することを防止できる。さらに、成分浸出時に連結部5a,5bが湯中に浸漬されないため、茶渋(垢)が連結部5a,5bに付着することも防止でき、連結部5a,5bの洗浄も容易に行える。
【0037】
また、このように連結部5a,5b、把持部10、及び、操作部8が容器150外へ突出するように本体2及びレバー4の両方が長く設定されていれば、成分浸出器具1の先端側を相対的に重くでき、成分浸出器具1を手から離したときでも、ティーバッグ100を容器150の底部に安定的に沈めておくことができる。特に、本実施形態のように本体2及びレバー4を、水より比重が大きい金属等により形成していれば、安定性が一層向上する。
【0038】
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、上記した実施形態では、本体及びレバーが金属材料(例えばSUS、チタン、アルミニウム等)で形成されるが、エンジニアリングプラスチックや繊維強化樹脂(FRP)等の合成樹脂材料、竹や木材などの天然材料によって形成することが可能である。また、本体及びレバーの形態も任意であり、例えば中実状又は中空状に形成されてもよい。また、本体及びレバーの断面形状についても、円形、多角形、楕円形、平板状に形成する等、特に限定されることはなく、その径についても任意に設定できる。さらに、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 成分浸出器具
2 本体
2b 保持部
4 レバー
4b 保持部
5a,5b 連結部
8 操作部
10 把持部
12 保持手段
図1
図2
図3
図4