(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079310
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】足跡データバンクシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230601BHJP
G16Y 20/00 20200101ALI20230601BHJP
A61B 5/1174 20160101ALI20230601BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230601BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230601BHJP
A43B 3/44 20220101ALN20230601BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y20/00
A61B5/1174
G06T7/00 510B
G08B25/04 F
A43B3/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192719
(22)【出願日】2021-11-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521409010
【氏名又は名称】新名 幸子
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】新名 幸子
【テーマコード(参考)】
4C038
4F050
5B043
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
4C038VA07
4C038VB03
4C038VB13
4C038VB17
4C038VC05
4C038VC20
4F050GA30
5B043AA01
5B043AA05
5B043BA01
5B043EA05
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5C087AA03
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5C087FF04
5C087GG02
5C087GG06
5C087GG17
5C087GG70
5C087GG83
5L049CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】足跡データのデータバンク化により、様々な防犯やマーケティング等のサービスを提供するシステムを提供する。
【解決手段】足跡データバンクシステム100において、足跡センサ101は、足跡データ110を取得する。データベース102は、1つ以上の足跡センサである第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)から順次得られる第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)を順次記録する。比較部103は、足跡センサの1つである第2の足跡センサ101-2から得られる第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′を、データベースから引き渡された各データ110-1′(#1)~110-1′(#N)と、例えば画像マッチングの技術を使って比較する。サービス提供部104は、比較部103での比較結果に基づいて、サービス111を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足跡データを取得する足跡センサと、
1つ以上の前記足跡センサである第1の足跡センサから順次得られる第1の足跡データに基づくデータを順次記録するデータベースと、
前記足跡センサのうちの1つである第2の足跡センサから得られる第2の足跡データに基づくデータを、前記データベースに記録されている各前記第1の足跡データに基づくデータと比較する比較部と、
前記比較部での比較結果に基づいて、サービスを提供するサービス提供部と、
を備える足跡データバンクシステム。
【請求項2】
前記第1の足跡データに基づくデータは前記第1の足跡データが示す足跡の特徴量を示す第1の足跡特徴量データであり、
前記第2の足跡データに基づくデータは前記第2の足跡データが示す足跡の特徴量を示す第2の足跡特徴量データであり、
前記比較部は、前記第2の足跡データに基づく第2の足跡特徴量データと、前記データベースに記録されている各前記第1の足跡データに対応する各前記第1の足跡特徴量データとの間の各特徴量距離を算出する、
請求項1に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項3】
前記足跡センサは、市街地、地方、又は全国に広範囲に設置されて足跡センサネットワークを形成し、
前記データベースは、前記足跡センサネットワーク内の1つ以上の前記足跡センサである前記第1の足跡センサから順次得られる前記第1の足跡データに基づくデータを、前記第1の足跡センサの位置情報及び/又は前記第1の足跡データの取得日時と共に順次記録し、
前記比較部は、前記足跡センサネットワーク内の前記足跡センサのうちの1つである第2の足跡センサから得られる前記第2の足跡データに基づくデータを、前記データベースに記録されている各前記第1の足跡データに基づくデータと比較することにより、前記第2の足跡データにマッチする前記第1の足跡データを抽出し、
前記サービス提供部は、前記比較部が抽出した前記第1の足跡データと共に前記データベースに記録されている前記位置情報及び前記取得日時に基づいて、前記サービスとして、前記第2の足跡データの足取り情報を提供する、
請求項1又は2に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項4】
前記第1の足跡センサに対応して、防犯カメラを更に備え、
前記データベースは、前記第1の足跡データ、前記第1の足跡センサの位置情報、及び前記第1の足跡データの取得日時と共に、前記防犯カメラが撮像した前記第1の足跡データに対応する人物の姿画像を記録し、
前記比較部は、前記足跡センサネットワーク内の前記足跡センサのうちの1つである第2の足跡センサから得られる前記第2の足跡データに基づくデータを、前記データベースに記録されている各前記第1の足跡データに基づくデータと比較することにより、前記第2の足跡データにマッチする前記第1の足跡データを抽出し、
前記サービス提供部は、前記比較部が抽出した前記第1の足跡データと共に前記データベースに記録されている前記位置情報、前記取得日時、及び前記姿画像に基づいて、前記サービスとして、前記第2の足跡データの足取り情報及び人物情報を提供する、
請求項3に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項5】
前記第2の足跡データは犯罪者の足跡データである、請求項3又は4に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項6】
前記第1の足跡センサ及び前記第2の足跡センサは夫々、第1の現金自動預け払い機及び第2の現金自動預け払い機と共に設置され、
第1の取引者により前記第1の現金自動預け払い機から第1の取引情報が入力されたときに、前記データベースは、前記第1の足跡センサから得られる前記第1の足跡データに基づくデータを前記第1の取引情報と共に記録し、
第2の取引者により前記第2の現金自動預け払い機から第2の取引情報が入力されたときに、前記比較部は、前記第2の取引情報にマッチする前記第1の取引情報と共に記録されている前記第1の足跡データに基づくデータを前記データベースから抽出し、前記抽出した第1の足跡データに基づくデータが、前記第2の取引者に対応して前記第2の足跡センサから得られる前記第2の足跡データに基づくデータとマッチするか否かを比較し、
前記サービス提供部は、前記比較部での比較結果が否定を示したときに、前記サービスとして、前記第2の取引者による前記第2の現金自動預け払い機での前記第2の取引情報の受付を拒否、許可若しくは拒否、又は誘導若しくは振分けすると共に、所定の機関に通知又は通報する。
請求項1又は2に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項7】
前記第1の足跡センサと前記第2の足跡センサは同一の前記足跡センサであり、
訪問又は入室を許可する人物に対応する足跡データを前記第1の足跡センサから前記第1の足跡データとして予め取得し、該第1の足跡データに基づくデータを前記データベースに記録し、
新たな訪問者又は入室者に対応する足跡データを前記第2の足跡センサから前記第2の足跡データとして取得し、
前記比較部は、前記第2の足跡データに基づくデータを、前記データベースに記録されている前記第1の足跡データの何れかとマッチするか否かを比較し、
前記サービス提供部は、前記比較部での比較結果が否定を示しているときに、前記サービスとして、前記新たな訪問者又は入室者に対して施錠若しくは解錠又はドア若しくはゲートの開閉を拒否し、通報を行う、
請求項1又は2に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項8】
前記訪問又は入室は部屋、建物、又は一定のエリアに対するものである、請求項7に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項9】
前記第1の足跡センサと前記第2の足跡センサは同一の前記足跡センサであり、
特定の人物に対応する足跡データを前記第1の足跡センサから前記第1の足跡データとして取得し、該第1の足跡データに基づくデータを前記データベースに記録し、
入国審査上での新たな入国者に対応する足跡データを前記第2の足跡センサから前記第2の足跡データとして取得し、
前記比較部は、前記第2の足跡データに基づくデータを、前記データベースに記録されている前記第1の足跡データの何れかとマッチするか否かを比較し、
前記サービス提供部は、前記比較部での比較結果に基づいて、前記サービスとして、前記新たな入国者が前記データベースに記録されている前記特定の人物に該当するか否かを入国審査官に提示する、
請求項1又は2に記載の足跡データバンクシステム。
【請求項10】
前記データベースに記録された前記第1の足跡データに基づくデータを複数のグループに分類する足跡データ分類部を更に備え、
前記比較部は、前記第2の足跡データに基づくデータを前記データベースに記録されている各前記第1の足跡データに基づくデータと比較することにより、前記第2の足跡データに基づくデータが前記複数のグループのうちのどれに属するかを判定し、
前記サービス提供部は、前記サービスとして、前記比較部で判定された前記グループに合った情報又は広告を前記第2の足跡データに対応するユーザに提供する、
請求項1又は2に記載の足跡データバンクシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足跡データバンクシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
犯罪捜査・裁判において、犯罪現場から採取した足跡の情報は、従来から重要な証拠として採用されており、足跡の鑑定は重要な証拠採用プロセスである。足跡は、市販品は外見上同じ形状であっても、製造番号やバーコードのように形状や材質を平面、立体的に変えることで鮮明で詳細な画像がなくてもより個人を特定しやすくなる。足跡の鑑定では、現場に残された足跡を採取し、犯人などの使用していた履物から採取した対照足跡を重ね合わせて双方の模様の形、大きさ、固有特徴の位置、形状等の異同を識別する作業である。より具体的には、足跡鑑定とは、(1)重合法、(2)指摘法、(3)計測法などの鑑定法を用いて、履物と現場足跡とを比較対照し、履物自体に存在する固有特徴である(A)使用特徴、(B)製造特徴等を識別する。(A)使用特徴とは、人が履物を使用することにより履物底模様に生じる摩擦や損傷などのことであり、履物底には使用者の歩行癖、使用場所、使用頻度などに伴い履物ごとに特有の摩耗や損傷などが生じる。足跡鑑定における固有性の識別は、大半がこの使用特徴によるものである。一方、(B)製造特徴とは、履物の製造工程時などにおいて生じる特徴である。代表的なものとして、履物底だけをモールド(金型)で成型する技術において、履物底の材料をモールドに注入(射出成型)する際に、モールドと材料との間に気泡が生じて、履物底模様にできる気泡部(痕)がある。公判廷における足跡鑑定に対する評価としては、「鑑定結果の根拠となった特徴(点・箇所)がどれ位(量)あるか」という、質よりも量的な評価が大勢を占めており、公判審理においても「鑑定の根拠となっている箇所(特徴)がいくつあるのか」という数的な質問が多い。
【0003】
従来、足跡データを取得するための様々な技術が提案されている(例えば特許文献1、2)。更には、足跡などの遺留画像を被写体から抽出した後にRidgelet変換し具体的な形状を表現し雑音を除去し、データベースへの保存と検索を可能とした遺留画像鑑定技術も提案されている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-059938号公報
【特許文献2】特開2015-159345号公報
【特許文献3】特開2007-226756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術は、犯罪現場での足跡の情報を取得し、データベース化しているにすぎず、犯罪発生後、現場に残された足跡を採取し、犯人などの使用していた履物から採取した対照足跡を重ね合わせて犯人を特定することができるのみであり、犯罪捜査に限界があった。
【0006】
そこで、本発明は、足跡データのデータバンク化によって、様々な防犯、マーケティング等のサービスを提供可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
態様の一例の足跡データバンクシステムは、足跡データを取得する足跡センサと、1つ以上の足跡センサである第1の足跡センサから順次得られる第1の足跡データに基づくデータを順次記録するデータベースと、足跡センサのうちの1つである第2の足跡センサから得られる第2の足跡データに基づくデータを、データベースに記録されている各第1の足跡データに基づくデータと比較する比較部と、比較部での比較結果に基づいて、サービスを提供するサービス提供部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、足跡データのデータバンク化によって、様々な防犯、マーケティング等のサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】足跡データバンクシステムの第1の実施形態のブロック図である。
【
図2】足跡データバンクシステムの第2の実施形態のブロック図である。
【
図3】足跡データバンクシステムの第3の実施形態のブロック図である。
【
図4】足跡データバンクシステムの第4の実施形態のブロック図である。
【
図5】足跡データバンクシステムの第5の実施形態のブロック図である。
【
図6】足跡データバンクシステムの第6の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、足跡データバンクシステムの第1の実施形態100のブロック図である。
【0011】
足跡センサ101は、足跡データ110を取得する。
【0012】
データベース102は、1つ以上の足跡センサ101である第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)から順次得られる第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)を順次記録する。
【0013】
まず、比較部103は、データベース102に記録されている各第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)の抽出を要求する例えばSQL文による選択(SELECT)要求を発行する。これに対して、データベース102内の例えばRDBMS(リレーショナルデータベースマネジメントシステム)は、上記SQL文を解釈実行することにより、上記データ110-1′(#1)~110-1′(#N)を抽出し、比較部103に出力する。比較部103は、足跡センサ101のうちの1つである第2の足跡センサ101-2から得られる第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′を、データベース102から引き渡された各データ110-1′(#1)~110-1′(#N)と比較する。比較部103での足跡データに基づくデータ同士の比較は、例えば画像マッチングの技術を使って行う。
【0014】
サービス提供部104は、比較部103での比較結果に基づいて、サービス111を提供する。
【0015】
ここで、第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)は夫々例えば、第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)が示す夫々の足跡の特徴量を示す第1の足跡特徴量データであってよい。また、第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′は例えば、第2の足跡データ110-2が示す足跡の特徴量を示す第2の足跡特徴量データであってよい。第1の足跡特徴量データ及び第2の足跡特徴量データは、例えばそれぞれの足跡データの画像データから抽出される画像特徴量であってよい。そして、比較部103は、第2の足跡データ110-2に基づく第2の足跡特徴量データ110-2′と、データベース102に記録されている各第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に対応する各第1の足跡特徴量データ110-1′(#1)~110-1′(#N)との間の各特徴量距離を算出する。
【0016】
図1に示される足跡データバンクシステムの第1の実施形態100により、第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)をデータベース102にデータバンクとして登録できるため、比較部103での比較結果に基づいて、サービス提供部104により様々な防犯、マーケティング等のサービス111を提供することが可能となる。
【0017】
図2は、足跡データバンクシステムの第2の実施形態200のブロック図である。まず、
図1で説明した足跡センサ101は、市街地、地方、又は全国に広範囲に設置されて足跡センサネットワーク201を形成する。
【0018】
図1と同様のデータベース102は、足跡センサネットワーク201内の1つ以上の
図1と同様の足跡センサ101である第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)から順次得られる
図1と同様の第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)を、第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)の位置情報203-1(#1)~203-1(#N)及び第1の足跡データの取得日時204-1(#1)~204-1(#N)と共に順次記録する。
【0019】
また、第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)に対応して防犯カメラ202-1(#1)~202-1(#N)を更に備えてよい。この場合、データベース102は、上述の第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)、第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)の位置情報203-1(#1)~203-1(#N)、及び第1の足跡データの取得日時204-1(#1)~204-1(#N)と共に、防犯カメラ202-1(#1)~202-1(#N)が撮像した第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に対応する各人物の姿画像205-1(#1)~205-1(#N)を記録してもよい。
【0020】
比較部206は、
図1の第1の実施形態100の場合と同様に、足跡センサネットワーク201内の足跡センサ101のうちの1つである
図1と同様の第2の足跡センサ101-2から得られる
図1と同様の第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′を、データベース102に記録されている各第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)と比較することにより、第2の足跡データ110-2にマッチする第1の足跡データ110-1(#i)(1≦i≦N)を抽出する。
比較部206は例えば、その抽出した第1の足跡データ110-1(#i)に基づくデータ110-1′(#i)を検索キーとするSQL文をデータベース102のRDBMSに発行する。この結果、データベース102内のRDMSは、上記SQL文を解釈実行することにより、上記データ110-1′(#i)に対応する位置情報203-1(#i)、取得日時204-1(#i)、及び姿画像205-1(#i)を抽出して、比較部206に引き渡す。
【0021】
サービス提供部207は、比較部206が夫々抽出した第1の足跡データ110-1(#i)に基づくデータ110-1′(#i)と、それに対応する位置情報203-1(#i)、取得日時204-1(#i)、及び姿画像205-1(#i)とに基づいて、サービス208として、第2の足跡データ110-2の足取り情報及び人物情報を提供する。
【0022】
図2に示される足跡データバンクシステムの第2の実施形態200により、単純な足跡データの照合にとどまらず、例えば犯罪者の広範囲な足取り情報及び人物情報208の追跡が可能となる。
【0023】
図3は、足跡データバンクシテムの第3の実施形態300のブロック図である。
図3において、
図1と同様の第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)及び第2の足跡センサ101-2は夫々、第1の現金自動預け払い機301-1(#1)~301-1(#N)及び第2の現金自動預け払い機301-2と共に設置される。
【0024】
第1の取引者303-1(#1)~303-1(#N)により第1の現金自動預け払い機301-1(#1)~301-1(#N)から第1の取引情報302-1(#1)~302-1(#N)が入力されたときに、
図1と同様のデータベース102は、第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)から得られる
図1と同様の第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)を、第1の取引情報302-1(#1)~302-1(#N)と共に記録する。
【0025】
第2の取引者303-2により第2の現金自動預け払い機301-2から第2の取引情報302-2が入力されたときに、比較部304は、例えば第2の取引情報302-2を検索キーとするSQL文を第2の取引情報302-2にマッチする第1の取引情報302-1(#j)(1≦j≦N)と共に記録されている第1の足跡データ110-1(#j)に基づくデータ110-1′(#j)をデータベース102から抽出する。そして、比較部304は、抽出した第1の足跡データ110-1(#j)に基づくデータ110-1′(#j)が、第2の取引者303-2に対応して第2の足跡センサ101-2から得られる第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′とマッチするか否かを比較する。
【0026】
サービス提供部305は、比較部304での比較結果が否定を示したときに、サービス306として、第2の取引者303-2による第2の現金自動預け払い機301-2での第2の取引情報302-2の受付を拒否すると共に、所定の機関(警察及び銀行等)に通知又は通報する。上記比較結果が肯定を示したときには、サービス306として、第2の取引者303-2による第2の現金自動預け払い機301-2での第2の取引情報302-2の受付を許可する。その他、比較結果に応じて、各種誘導や振分けを行うようにしてもよい。
【0027】
図3に示される足跡データバンクシステムの第3の実施形態300により、現金自動預け払い機でのセキュリティアップに、足跡データを活用することが可能となる。
【0028】
図4は、足跡データバンクシステムの第4の実施形態400のブロック図である。
図1~
図3の第1~第3の実施形態では区別されていた第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)と第2の足跡センサ101-2は、
図4では、共通の足跡センサ101として表現されている。
【0029】
まず、特定の部屋、建物や一定のエリアへの訪問又は入室を許可する人物に対応する複数人分の足跡データが予め、足跡センサ101から例えばN人分の第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)として取得される。そして、それらの第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)が、
図1と同様のデータベース102に記録される。
【0030】
次に、新たな訪問者又は入室者に対応する足跡データが足跡センサ101から第2の足跡データ110-2として取得される。
【0031】
比較部401は、第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′が、データベース102に記録されている第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)の何れかとマッチするか否かを比較する。
【0032】
サービス提供部402は、比較部401での比較結果が否定を示しているときに、サービス403として、新たな訪問者又は入室者に対して、施錠/開錠の制御、ドアやゲートなどの開閉の制御、誘導や振分けの制御、許可/拒否の制御、通知又は通報の制御などを行う。
【0033】
図4に示される足跡データバンクシステムの第4の実施形態400では、一例として、入口や門などで足跡を撮影し、事前に登録した犯罪者や接近してほしくない人物の接近を事前に知らせたり、非登録者や不審者などの接近を事前に警告し、解錠を拒否したり通報する等のサービス403を提供することが可能となる。
【0034】
また他の一例として、立入り禁止エリアや銀行内の金庫室、サーバルームなど、非登録者の入室を制限すると共に、会社や学校など特定の施設の出入りを記録する等のサービス403を提供することが可能となる。
【0035】
図5は、足跡データバンクシステムの第5の実施形態500のブロック図である。
図1~
図3の第1~第3の実施形態では区別されていた第1の足跡センサ101-1(#1)~101-1(#N)と第2の足跡センサ101-2は、
図5では、共通の足跡センサ101として表現されている。
まず、特定の人物(入出国を許可する人物又は逆に入出国を拒否する人物)に対応する足跡データが予め、例えば入出国審査カウンター前に設置された足跡センサ101から例えば第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)として取得される。そして、それらの第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)が、
図1と同様のデータベース102に記録される。
【0036】
次に、新たな入出国者に対応する足跡データが上記足跡センサ101から第2の足跡データ110-2として取得される。
【0037】
比較部501は、第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′が、データベース102に記録されている第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)の何れかとマッチするか否かを比較する。
【0038】
サービス提供部502は、比較部501での比較結果に基づいて、サービス503として、新たな入出国者がデータベース102に記録されている特定の人物に該当するか否かを入出国審査官に提示する。
【0039】
図5に示される足跡データバンクシステムの第5の実施形態500により、例えば空港での入出国審査時に、顔写真、指紋などとともに足跡を登録しておき、犯罪者や不法滞在者、パンデミック発生時などに足取りを調べることが可能となる。
【0040】
図6は、足跡データバンクシステムの第6の実施形態600のブロック図である。足跡データ分類部601は、例えばSQL文を用いてデータベース102のRDBMSに、
図1と同様のデータベース102に記録された第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)の抽出を要求する。データベース102のRDBMSは、上記データ110-1′(#1)~110-1′(#N)を抽出し、足跡データ分類部601に引き渡す。足跡データ分類部601は、上記データ110-1′(#1)~110-1′(#N)を、例えば年齢や女性/男性の分類基準に従って、複数のグループ602(#1)~602(#M)(M≦N)に分類する。
【0041】
比較部603は、
図1の第1の実施形態100と同様の、足跡センサ101のうちの1つである第2の足跡センサ101-2から得られる第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′を、
図1の第1の実施形態100と同様にしてデータベース102から抽出した各第1の足跡データ110-1(#1)~110-1(#N)に基づくデータ110-1′(#1)~110-1′(#N)と比較する。そして、比較部603は、上記データ110-1′(#1)~110-1′(#N)のうち、データ110-2′とマッチしたデータと共にデータベース102から抽出されているグループの情報を認識する。これにより、比較部603は、第2の足跡データ110-2に基づくデータ110-2′が複数のグループ602(#1)~602(#M)のうちのどれに属するかを判定する。
【0042】
サービス提供部604は、サービス605として、比較部603で判定されたグループ602(#k)(1≦k≦M)に合った情報又は広告を第2の足跡データ110-2に対応するユーザに提供する。
【0043】
図6に示される足跡データバンクシステムの第6の実施形態600により、人が歩く足跡から人物像(年齢層、女性/男性の性別等)を導き、その人物に応じて、前方の大型ディスプレイ等に情報や広告を表示することが可能となる。
【0044】
以上説明した足跡データバンクシステムの第1~第6の実施形態のほかに、本発明に関連して、下記のような他の実施形態が可能である。
【0045】
足跡データに基づく足取りの追跡結果に基づいて、例えばドローンが足跡や直接その靴(人物)を追跡するサービスを実現できる。
【0046】
足跡データには、人間の足跡のほかに、自動車などのタイヤ、ロボットの足や、キャタピラーなども含むことができる。足跡データには、製造過程で発生するパターンや、その後の使用による傷、摩擦などで発生するパターン等が含まれるため、靴やタイヤ、機械など、様々な足跡痕跡が当てはまる。より広くは、裸足、靴下やカバー、生物、動産、重力によって生じる瘢痕全般を含む。
【0047】
図1の足跡データバンクシステム100に登録された足跡データに基づくデータを解析することにより、靴底、アウトソールの形状から、個人又は人物、使用状況、使用環境などを特定する仕組みを構築する。
【0048】
足跡データは、計画的犯罪では隠ぺいされる可能性があるが、日頃から足跡データに基づくデータを
図1のデータベース102として集積をしておくことで、足跡データの解析精度を高めることができる。突発的、偶発的、衝動的犯行には役立つ。
【0049】
私有地などでは、防犯設備として
図1の足跡センサ101を他者に気付かれないように設置することが可能である。
【0050】
人の歩き方や歩幅、歩調、重心の位置、足音などには、個人差、特徴がある。このため、足跡データを解析することにより、急いでいたり、喜怒哀楽など感情が現れることや、よそ見やスマートフォンの操作などしていたことも検知することができる。歩き方を、カメラやスキャナ、マイク、温度や振動、圧、感知センサでデータ収集し、分析、事前予測などできるシステムが実現できる。
【0051】
コンビニなどの防犯カメラの録画映像はデータ量が大きく長期保存が難しいが、足跡データはデータ量が小さく長期保存しやすい。或る一定期間を過ぎれば、一致する特徴(点・箇所)がどれくらい(量)あるか、質的評価が高いものの集合として記録する、又はその特徴と量だけを記録することなどが可能となる。
【0052】
あえて障害物を作り、それを避けて行動する動きを分析することで、身のこなし、足の上げ方、上げられる高さ、屈曲した関節可動域/角度/長さや、足場を限定したり、増減させることで、どのタイミングでどこに足を踏み出すか、等の行動パターンの分析が可能となる。
【0053】
床面の模様と人物の動きを上方カメラから測定し、歩幅や足の長さ、身長などを測定する。例えば、障害物のある階段やスロープにカメラを設置する、階段を細かく設置する、30cm四方の□■市松模様の上を歩く足を測定し、足のサイズや歩き方を測定するなどが可能となる。
【0054】
階段や段差では足を上げるので、足跡データとして、足裏が撮影可能である。歩行時、すり足の人もいるが、踵側が上がるので、撮影方法を工夫すれば撮影可能である。直接スキャンする場合は、足裏が接している面だけ撮影し、接していない部分は真っ暗になる。足跡センサ101としての写真撮影は、撮影範囲やフラッシュなど光照射範囲を調整し、スカートの中が写らないようにする等の工夫ができる。
【0055】
足跡センサ101で歩行音を検知する場合、歩行による音の伝わり方は物質によって異なる。歩行音が響きやすい場所、床面などに空洞や水面、水中などを作りマイクを設置し、音を収集することができる。不要な音を小さくできる膜やジェルなど、必要な音を増幅させる金属などがあればよい。音楽や音を流しておき、歩行音が遮断される量からも情報を収集することができる。気体→水中→固体の順で音の伝わり方が早く、固体が音を伝わる速さも早い。遠くから歩いてくる振動や音を収集することができる。床面を金属にし、その下に水を満たしておくことで歩行音を増幅させることができる。
【0056】
声紋のように足音にも個人の特徴が現れる。歩く場所により、音の伝導が変わるのでそれを考慮して分析する方法、逆に変化しない歩くリズムや癖だけを足跡センサ101により取り出して分析する方法などが考えられる。履物のアウトソールによって発生する音をデータベース化しておくことができる。
【0057】
足跡センサ101の手法として、足周辺を暗くし、床を透明ガラス又はアクリル板、プラスチックなどにし、ブラックライトを照射し、撮影又はフラッシュ撮影する等が考えられる。
【0058】
足跡センサ101の他の手法として、足下に空気圧を送り込み、その押し込み具合、圧から足跡データを測定する等が考えられる。
【0059】
足跡センサ101の他の手法として、床面を鏡にし、鏡に反射したものを地上カメラから撮影する等が考えられる。
【0060】
足跡センサ101の他の手法として、歩行に支障ない程度に吸着、床面に貼り付けることで、足底を鮮明化することができる。
【0061】
足跡センサ101の他の手法として、足裏の接着面の表面温度を測定することで足裏の形をサーモグラフィ測定等することができる。
【0062】
足跡センサ101の他の手法として、人工の砂状のものをポインタとし、その変位をデータ化することにより、圧、凹凸等を測定できる。
【0063】
足跡センサ101の他の手法として、タッチパネルを応用し、床面に細かくセンサを配置し、フットパネルにして足形を測定する等が考えられる。
【0064】
足跡センサ101の他の手法として、圧は板状センサの下にばね構造が細かく設置してあり、押されても自然と戻るものや、膜内にポインタ機能付きジェルなどを入れその変位を測定するなどが考えられる。
【0065】
足跡センサ101の他の手法として、全面ではなく、金網、グレーチング状金網部分に設置されるセンサで圧などを測定したり、金属で伝導できるもの、微弱電流、振動や音波(足が乗ると振動しないか減弱(共鳴しない))などを利用できる。
【0066】
足跡センサ101の他の手法として、ポインタとなるICタグや金属等を爪にネイルのように塗布、又は貼付、靴下や靴に内蔵、付属し、足跡データを収集できる。
【0067】
足跡センサ101の他の手法として、靴の独特な汚れ方、すり減り方を測定することも考えられる。
【0068】
靴全面に網目状の模様や、金属、センサなどカメラで可視化できる素材にし、撮影することで足の動きが撮影できる。足だけの動きなら靴単位の動きで良いが、歩き方に影響する足のゆがみやアーチなども測定できる。熱伝導よく体温で上昇させたり、逆に放熱させるなどし、サーモカメラで温度を測定し、データ化することもできる。
【0069】
足跡センサ101の他の手法として、靴全面に網目状にポインタを付けることで、アーチや歪み、圧力などわかる。
【0070】
足跡センサ101の他の手法として、アウトソールの模様を網目状にし、圧がかかっている部分をわかりやすくすることもできる。
【0071】
足跡センサ101の他の手法として、靴の外周、外面にカメラで撮影、スキャンするポイントを付けておき、足裏、側面、前後左右、上部から撮影し、足の動きを測定、データ分析することもできる。
【0072】
足跡センサ101の他の手法として、ゴミや汚れの付着、傷などによる床面のコンディションにより、不鮮明なパーツが発生するため複数枚撮影し合成、統合分析などすることで不鮮明な部分を鮮明にすることもできる。
【0073】
足跡センサ101の他の手法として、床面はガラス、シリコン、プラスチック、フィルムなどで光透過、撮影可能とすることができる。透明の床は怖くカメラ撮影に気付かれるのでブラックなどにし、撮影後に画像処理で床面の色や突起、傷、汚れを除去することもできる。
【0074】
歩く歩道やエスカレーターでは乗車部位が折り返している間に掃除し、カメラは定点撮影するようにできる。床面が動かない場合は、車のワイパーやモップのように自動清掃機能を付ける。
【0075】
足跡センサ101の他の手法として、マンホールの蓋にカメラや、電柱にセンサを設置し、足や足についているタグを読み取る技術も採用できる。
【0076】
足跡センサ101の他の手法として、足裏を濡らし、微弱電流やイオン化させて測定することもできる。濡らすと避ける人がいるので、代わりに蒸気を当ててもよい。
【0077】
靴を履いたまま体組成を測定可能な技術も採用できる。両手を握る必要があるので、手すりなどを利用する。
【0078】
圧の測定ができるものは色々あるが、傷や擦れなどの形状の特徴を把握するには写真撮影、スキャナなどを使用できる。
【0079】
足跡センサ101の他の手法として、足の匂いでデータ収集をすることもできる。
【0080】
足跡センサ101の他の手法として、タイヤなどは、路面上の凹凸、障害物やバーなどを設置して、いったん減速、又は停止させスキャンすることもできる。駐車場の入口やインターチェンジなどに設置してもよい。
【0081】
足跡センサ101の他の手法として、高級車では、タイヤとICタグやBluetoothなどを連携させておき、カーナビやスマートフォンで使用状況や履歴などが確認できるようにすることができる。
【0082】
足跡センサ101の他の手法として、日頃から道、道路、店舗、公共施設などに設置されたセンサを使用し、足跡の履歴を記録、蓄積、分析しておくことも可能である。
【0083】
歩き方から体のゆがみ、姿勢、歩き方の癖、足音、歩幅、体格、体の不調、性格、行動パターンなどを分析し、足跡センサの先にその人にあった広告を表示させる画面を設置しておいてもよい。
【0084】
犯罪が起きたら、同じ足跡を履歴から探すことで、犯人の生活範囲や一緒に過ごした人、犯人と被害者の足取りを確認することができる。歩幅から足の長さ、身長がわかる。重さ測定で体重がわかり、音測定で足音がわかる。
【0085】
足跡と位置、カメラ撮影場所と連携すれば、足跡とカメラ映像を連携させることが可能である。
【0086】
店舗などの入口とレジ前に足跡センサを設置しておけば、万引き担当者が売り場に張り込む必要なく、万引き犯を特定できる。万引き歴がある対象者は、入店時にアラームや警報、通報などで知らせることができ、事前に警戒できる。
【0087】
本発明のシステムは、犯罪発生後、逃走経路がわかり追跡しやすい。容疑者の張り込みや追跡時、周囲に気付かれずに待機、追跡などできる。
【0088】
本発明のシステムは、迷子や行方不明者、ペットなどの捜索や追跡にも使用可能である。
【0089】
車輪やタイヤは大通りや国道、インターチェンジなどにセンサ設置しておく。防犯カメラが設置されている道路と連携することで、カメラ映像と連携、照合できる。車輪やタイヤに装着することで、盗難車の走行経路がわかる。ナンバープレートを外すなど、盗難車の偽装をされるが時間的に全4本のタイヤを交換するには時間がかかるため、盗難に遭う確率が減る。
【0090】
レンタカーやレンタサイクルなどの乗車/停車場所やアクセル、ペダルなど足を置く場所に足跡センサがあれば、使用や逃走経路がわかる。
【0091】
空港入出国検査や搭乗ゲートに足跡センサを設置し、入出国、入出場した人の動きがわかる。指紋登録、顔認証、指紋認証と同時に足跡、パスポート情報を紐づけて登録しておく。犯罪者や捜索者、パンデミック時の追跡が可能である。
【0092】
足跡のセンサは、ICチップや直接カメラで撮影できる。鮮明に撮影するために、足底をきれいにするブラシやマットがついたフロアマットをカメラの前に設置しておく、可能であれば粘着シートや、水に濡らしてから粉末などを塗布する、又は撮影しやすい液体成分を付着させ、足跡を測定しやすくすることができる。
【0093】
カメラで撮影するとスカートの中が見えるので、光が届く範囲を限定する又は塗布した粉末や液体成分のみに反応する光を当てる、反射するものやブラックライトなどで対策できる。
【0094】
特定の足跡だけ入退出可能にでき、鍵代わりになる。足跡だけではなく、重さや歩幅、歩き方なども加えることができる。
【0095】
自宅などで植木鉢などを置き、足跡を記録できるように足跡センサへ誘導することができる。
【0096】
学校や自宅、会社など特定の人しか出入りしない建物では、事前に足跡やタイヤなどを登録しておき、登録がない足跡やタイヤなどを感知したら、通報や通知、施錠/開錠、ドアやゲートを開閉などできる。
【0097】
不審者が接近する前に警戒でき、通報システムと連動させておき、通報やカメラ録画が開始されるようにし、施錠/開錠、ドアやゲートを開閉するなどできる。
【0098】
ストーカーや接近禁止命令、一定区域の外出禁止令がある人の行動を把握し、接近又は区域外へ離れた場合は警告、通報、避難、追跡などできる。
【0099】
銀行の金庫やシステムのサーバルーム、店舗のレジカウンター内など入室制限されている場所に設置し、非登録者の足跡などを検知して通報、施錠などできる。
【0100】
コンビニなど店舗入店時に足跡と防犯カメラにより、体格や体の特徴データを収集、入店毎に足跡と体の特徴が一致しているか照合し、その後は、防犯カメラのみで来店者の店内での様子、行動データを集積し、どの売り場をどのように回り、どのくらいの時間を過ごしたか行動、購買パターンを分析し、集客データに活かすことができる。
【0101】
インターホン、カメラと連動したフットマットを実施形態としてもよい。足形のフットマットに立つとインターホンが鳴り、カメラで画像表示される。同じ足跡はこれまでの訪問履歴が表示され、登録者は登録者と表示される。足跡履歴から拒否する相手の情報を登録し、再訪問時には警告や通報可能で、インターホンを鳴らさず非表示としたり、登録した表示名やこれまでの訪問履歴などを表示することで外見が異なっても判別できる。勧誘や不審者などに対応できる。
【0102】
駐車場などで防犯カメラが設置してあっても、車が盗まれる際など防犯カメラの監視者が必要となる。また人感センサは誤作動が多い。足跡センサなら非登録の足跡でアラームや通報、携帯などへ通知でき車の盗難防止になる。
【0103】
本発明のシステムを店頭のレジ前やATMなどに設置し、足跡スキャンすることで、足跡や購入商品などのデータを収集できる。上部防犯カメラと連動し、AIで性別年齢職背格好などと紐づけできる。顧客情報がある場合はそれを使用、1日1回1ポイント付与、又は1円募金できるシステムにし、データ収集できる。足跡とカードが一致すれば決済など、応用もできる。
【0104】
暗証番号入力や指紋認証は、自ら意図して行動しなければいけないが、足跡スキャンは無意識にできる。詐欺被害者などを登録しておき、高額の振込や引き出し時はATMの取引を中止、警告や通知、窓口へ誘導するなどの機能を実現できる。
【0105】
無人店舗における犯罪抑止、犯人特定に活用できる。無人店舗、ATMでは足跡がスキャンできない場合、入退店制限、取引停止にできる。
【0106】
本発明のシステムは、防犯カメラが設置できない更衣室やトイレなどの防犯カメラ代替機能を実現できる。足跡で犯人の動きを確認できる、又は足元高さ30cmだけ撮影し足の動きを測定することで、プライバシーに配慮できる。
【0107】
ICタグなどが内蔵された室内履きなどに履き替えてもらう、又はICタグなどを靴に付けてから入店してもらうことで、行動などを把握できる。店内での買い物の経路分析などが行える。ポインタとなるICタグやGPSなどを靴に内藏する、足や爪に貼り付けたり、靴下として履くなどすれば、履物が変わっても都度登録の必要性がなく、同一人物として足跡データなどと同時に記録可能となる。
【0108】
バイタルサインが測定できる靴、脈拍とSpO2測定、SpO2モニターなどの実施形態も可能である。感染者や犯罪者など異常なバイタルサインの変動を捉えることで、感染症対策や防犯などに応用できる。通知や通報、対象者を特定のエリアへ誘導、隔離などもできる。また設置の自動体温測定器と連動させることも可能である。
【0109】
動産とその付属品、携帯品に応用することも可能である。例えば、センサなど透過できるものは、インソールや靴紐部、靴本体、靴下、脚部に装着できるものや、杖、車いす、義足、足の指輪、アンクレット、靴紐に付けるなども含む。車や二輪車、自転車、スケートボード、ローラーブレードなど、車輪やタイヤが付いたもののタイヤや本体にも適用可能である。更に、犬の靴や衣服、足首、首輪、リードなどにも適用可能である。
【0110】
GPSやICタグの応用が可能である。センサ通過時に記録し、必要時に検索できたり、通信機能があれば自ら発信しセンタで記録することも可能である。車が感知し視界不良でも事前に人の存在確認ができ、自動的に原則停止できるようにもできる。足取りだから数センチ単位の動きがつかめ、向かっている方向、速度、歩き方からスマートフォン操作やよそ見などが予測できる。
【0111】
その他、複数の足跡が同時に行動していれば、同伴者や接触者がわかるため、犯罪捜査や感染者と接触した人物などを特定できる。
【0112】
アウトソールにICタグなどを入れ改札を通れるようにする、交通系ICカードに組み込む、ETCへの応用なども可能である。
【0113】
例えカメラ機能などが使えない状況でも、犯人の足に直接特定のインクを塗布、又はマットを踏むと特定の細かな針、トゲのようなものがアウトソールに刺さる仕組みにすれば、その場所にいた証明が可能である。
【0114】
駅のホームの黄色線を越えて線路へ侵入しようとした場合など、一定のエリアを越えて侵入する場合、アラームや通知をすることで、駅のホームや高所、狭所などからの転落、侵入の防止などが可能である。
【0115】
カーナビなどに表示され、交差点やカーブなど見通しが悪い場所などで、対向車や歩行者の通行を検知して警告することも可能である。
【0116】
地図サービスなどと連動し、足跡履歴が時系列、乗り物別(痕跡毎)で表示されるようにすることも可能である。
【0117】
証拠隠滅や偽造防止のため、靴やタイヤなどを燃やしても残骸から成分解析可能な不燃焼性物質にシリアル番号などを刻印し、アウトソールやインソールの間に入れておくことも可能である。
【0118】
ドアや鍵の施錠/開錠どちらもできる。エリアへの入室/退室制限や、入れて閉じ込める、外へ出すことで防犯につながる。密や混雑を避けることや条件づけした人物やグループなどを一定のエリア、場所へ誘導、振り分けするために通知や誘導表示をすることも可能である。
【符号の説明】
【0119】
100 足跡データバンクシステムの第1の実施形態
101 足跡センサ
101-1 第1の足跡センサ
101-2 第2の足跡センサ
102 データベース
103、206、304、401、501、603 比較部
104、207、305、402、502、604 サービス提供部
110-1 第1の足跡データ
110-2 第2の足跡データ
110-1′ 第1の足跡データに基づくデータ
110-2′ 第2の足跡データに基づくデータ
111、208、306、403、503、605 サービス
200 足跡データバンクシステムの第2の実施形態
201 足跡センサネットワーク
202 防犯カメラ
203 位置情報
204 取得日時
205 姿画像
300 足跡データバンクシステムの第3の実施形態
301-1 第1の現金自動預け払い機
301-2 第2の現金自動預け払い機
302-1 第1の取引情報
302-2 第2の取引情報
303-1 第1の取引者
303-2 第2の取引者
400 足跡データバンクシステムの第4の実施形態
500 足跡データバンクシステムの第5の実施形態
600 足跡データバンクシステムの第6の実施形態
601 足跡データ分類部
602 グループ