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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079336
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20230601BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20230601BHJP
   F24F 13/068 20060101ALI20230601BHJP
   F24F 9/00 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
F24F13/02 D
F24F13/08 A
F24F13/068 B
F24F9/00 F
F24F9/00 A
F24F9/00 L
F24F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192755
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】山森 和晃
【テーマコード(参考)】
3L080
3L081
【Fターム(参考)】
3L080AA06
3L080AC01
3L080AC03
3L080BB01
3L081AA01
3L081AB02
(57)【要約】
【課題】天井面側から床面側へ向けて吹き出す空気の風速が不均一になることを抑制する送風装置を提供する。
【解決手段】送風装置100は、サイドパネル110の上方を起点として前面から水平に立設され下方に向けた吹出口121を有するトップノズル120と、第二中空空間134を形成し、下面132に第一開口132aと下面132から立設する側面133にトップノズル120と連通する第二開口133bと、側面133から第二中空空間134へ向けて立設される整流板135とを有するチャンバ130と、を備える。整流板135は、第一開口132aから第二中空空間134へ吸い込まれる気流AF1の少なくとも一部を整流板135に対して上方からトップノズル120へ流入する上方気流AF1aと、整流板135に対して下方からトップノズル120へ流入する下方気流AF1bとに分割する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面の下方に吸込口を有し上方へ向けて立設されるサイドパネルと、
前記サイドパネルの前記上方を起点として前記前面から水平に立設され下方に向けた吹出口を有するトップノズルと、
中空空間を形成し、下面に第一開口と前記下面から立設する側面に前記トップノズルと連通する第二開口と前記側面から前記中空空間へ向けて立設される整流板とを有するチャンバと、
前記第一開口と連通するダクトと、
前記吸込口から前記ダクトと前記チャンバとを介して前記吹出口へ向かう気流を生成する送風機と、
を備え、
前記整流板は、前記第一開口から前記中空空間へ吸い込まれる気流の少なくとも一部を前記整流板に対して上方から前記トップノズルへ流入する上方気流と前記整流板に対して下方から前記トップノズルへ流入する下方気流とに分割する、
送風装置。
【請求項2】
前記整流板は、前記下面に対して平行に立設された、
請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記整流板を前記下面に水平に投影した形状は、前記第一開口の形状と相似形である、
請求項1乃至2のいずれか一項に記載の送風装置。
【請求項4】
前記整流板は、前記側面を切り起こして形成された、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天井面側から床面側へ向けて空気を吹き出す送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、間仕切りのない形で省エネ的に有効な空調空間を確保でき、レイアウト変更等による移転、移設が容易な空調装置を開示する。この空調装置は、開放空間内の局所に空調された空気を給気して空調する。この空調装置は、局所の上方に配置され、局所に向けて下降する空調された空気の平行気流を供給する天井吹出し面と、局所の下部において側方に配置された吸気口と、吸気口に向けて、局所の床面上に沿ったスリット状の空調された空気の気流を吹出す吹出し口と、吸気口と天井吹出し面を連通させる流路を備える。流路には、吸気口から流路内に吸い込んだ空気を天井吹出し面に向けて送風させるファンと、吸気口から流路内に吸い込んだ空気を空調する空調機が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-44445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された空調装置は、ファンにより生成された気流を天井チャンバを介して天井吹出し面から吹き出す。ファンにより生成された気流の圧力は、天井チャンバの一端側に集中する。そのため、ファンにより生成された気流の圧力が天井チャンバにおいて不均一になるため、天井吹出し面から吹き出される空気の風速が不均一になるという課題を有する。
【0005】
本開示は、上記従来の課題を解決するものであり、天井面側から床面側へ向けて吹き出す空気の風速が不均一になることを抑制する送風装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における送風装置は、前面の下方に吸込口を有し上方へ向けて立設されるサイドパネルと、サイドパネルの上方を起点として前面から水平に立設され下方に向けた吹出口を有するトップノズルと、中空空間を形成し、下面に第一開口と下面から立設する側面にトップノズルと連通する第二開口と、側面から中空空間へ向けて立設される整流板とを有するチャンバと、第一開口と連通するダクトと、吸込口からダクトとチャンバとを介して吹出口へ向かう気流を生成する送風機と、を備える。整流板は、第一開口から中空空間へ吸い込まれる気流の少なくとも一部を整流板に対して上方からトップノズルへ流入する上方気流と、整流板に対して下方からトップノズルへ流入する下方気流とに分割する。
【発明の効果】
【0007】
本開示における送風装置は、下方気流を上方気流に対してトップノズルの起点となる側から吹き出すことで、トップノズルに流入する気流がトップノズルの立設した先端側に偏ってトップノズルから吹き出すことを抑制する。そのため、トップノズルの吹出口から吹き出す空気の風速がトップノズルの立設方向において不均一になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1における送風装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態1における送風装置の構成と送風装置により生成される気流を示す側面図である。
図3図3は、実施の形態1における送風装置の構成と送風装置により生成される気流を示す正面図である。
図4図4は、実施の形態1におけるチャンバの詳細な構成を示す部分断面斜視図である。
図5図5は、実施の形態1におけるチャンバの詳細な構成と整流板により分割された上方気流と下方気流を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0010】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図1図5を用いて、実施の形態1を説明する。
【0012】
[1-1.構成]
図1に示すように、送風装置100は、オフィスなどの屋内空間に配置され、天井面側から床面側へ向けて吹き出す気流を生成する。送風装置100は、サイドパネル110と、複数のトップノズル120と、チャンバ130と、ダクト140と、送風機150と、支持枠160と、を備える。
【0013】
[1-1-1.サイドパネル]
サイドパネル110は、木材など複数の板材を組み立てて形成される筐体であり、上方に向けて立設される。『上方に向けて立設される』とは、屋内空間において床面から天井面に向けてサイドパネル110が起立していることを指し示す。サイドパネル110は、サイドパネル110は、第一中空空間111と、吸込口112と、を有する。
【0014】
第一中空空間111は、ダクト140と、送風機150と、をサイドパネル110の内部に配置するための空間である。第一中空空間111は、サイドパネル110を組み立てることで形成される。第一中空空間111は、少なくとも前面パネル110aと、背面パネル110bと、一側端パネル110cと、他側端パネル110dと、で形成される。
【0015】
前面パネル110aは、屋内空間において床面側から天井面側へ向けて起立した板材である。
【0016】
背面パネル110bは、第一中空空間111を挟んで前面パネル110aに対向して配置される板材である。
【0017】
一側端パネル110cは、前面パネル110aおよび背面パネル110bの一側端側に配置される板材である。
【0018】
他側端パネル110dは、第一中空空間111を挟んで一側端パネル110cに対向して配置される板材である。言い換えると、他側端パネル110dは、前面パネル110aおよび背面パネル110bの他側端側に配置される。
【0019】
吸込口112は、サイドパネル110の前面の下方に設けられ、送風機150に空気を吸込むための開口である。『サイドパネル110の前面』とは、サイドパネル110を構成する板材のうち、前面パネル110aを指し示す。すなわち、吸込口112は、前面パネル110aに設けられる。『下方』とは、屋内空間において着座した人体の頭部よりも床面側であって、具体的には床面から130cmの高さの位置以下を指し示す。吸込口112は、長方形状であり、上端部112aと、下端部112bと、一側端部112cと、他側端部112dと、を有する。
【0020】
上端部112aは、水平に設けられる一辺である。
【0021】
下端部112bは、上端部112aの下方に設けられる一辺である。
【0022】
一側端部112cは、上端部112aおよび下端部112bの一側端側に設けられる一辺である。別の言い方では、一側端部112cは、長方形状の開口においてサイドパネル110の一側端側に設けられる一辺である。
【0023】
他側端部112dは、上端部112aおよび下端部112bの他側端側に配置される一辺である。別の言い方では、他側端部112dは、長方形状の開口においてサイドパネル110の他側端側に設けられる一辺である。
【0024】
吸込口112は、上端部112aおよび下端部112bを長辺、一側端部112cおよび他側端部112dを短辺とした長方形である。
【0025】
吸込口112におけるサイドパネル110の一側端側の端部に設けられる一側端部112cは、サイドパネル110の一側端に配置されたトップノズル120よりもサイドパネル110の他側端側に設けられる。
【0026】
吸込口112におけるサイドパネル110の他側端側の端部に設けられる他側端部112dは、サイドパネル110の他側端に配置されたトップノズル120よりもサイドパネル110の一側端側に設けられる。
【0027】
[1-1-2.トップノズル]
図1から図3に示すように、トップノズル120は、サイドパネル110の上方を起点として前面パネル110aから水平に立設され、ダクト140から搬送された空気が流入する方形状の通風管の一種である。『サイドパネル110の上方』とは、起立した人体の頭部よりも高い位置であって、具体的には屋内空間において床面から200cmの高さの位置以上を指し示す。『水平に立設される』とは、屋内空間において床面および天井面に対して平行となる向きに起立することを指し示す。トップノズル120は、前面パネル110aと接続する。トップノズル120は、前面パネル110aに沿ってサイドパネル110の一側端から他側端に向けて並列に8本が配置される。トップノズル120は、等間隔に配置されることが好ましい。トップノズル120は、吹出口121を有する。
【0028】
吹出口121は、トップノズル120に流入した空気を吹き出すための開口である。吹出口121は、下方に向けて設けられる。『下方に向けて』とは、屋内空間においては床面と正対することを指し示す。すなわち、吹出口121は、方形状のトップノズル120を形成する面のうち、床面と正対する面に設けられる。吹出口121は、方形状の開口であり、立設する方向が長辺、サイドパネル110と平行な方向が短辺となるように形成される。吹出口121は、一本のトップノズル120に対して、ひとつ設けられる。それぞれのトップノズル120に属する吹出口121は、ある水平面を仮想したとき、同一平面上に配置されることが好ましい。つまり、屋内空間においては、それぞれのトップノズル120に属する吹出口121は、床面から同じ高さに配置されることが好ましい。
【0029】
[1-1-3.チャンバ]
図2図4および図5に示すように、チャンバ130は、トップノズル120と、ダクト140と、に接続する筐体である。チャンバ130は、1本のトップノズル120に対してひとつが接続する。すなわち、チャンバ130は、トップノズル120と同数の8個が配置される。チャンバ130は、サイドパネル110の上方に配置される。チャンバ130は、ダクト140からトップノズル120へ向かう空気の流れ(気流の向き)を制御する。チャンバ130は、板金に対して打ち抜き加工、曲げ加工、溶接加工など金属加工技術を用いて形成され、直方体(直六面体)に形成される。チャンバ130は、上面131と、下面132と、側面133と、第二中空空間134と、整流板135と、ダクト接続部136と、を有する。
【0030】
上面131は、第二中空空間134を間に挟んで下面132の上方に配置される平板である。
【0031】
下面132は、第二中空空間134を間に挟んで上面131の下方に配置される。平板である。下面132は、第一開口132aを有する。
【0032】
第一開口132aは、ダクト140とチャンバ130とを連通する孔である。第一開口132aは、整流板135を下面132へ水平に投影した形状と相似形であり、長方形(正方形を含む)に形成される。
【0033】
側面133は、下面132の周端から起立した平板である。側面133は、4枚(4面)が配置されるが、図3においては2枚(2面)を図示している。4枚(4面)の側面133のうちのひとつである側面133aは、トップノズル120と接続する。側面133aは、第二開口133bを有する。
【0034】
第二開口133bは、トップノズル120とチャンバ130とを連通する孔である。第二開口133bは、金属加工技術を用いて整流板135を側面133aから切り起こして形成される。
【0035】
第二中空空間134は、上面131と、下面132と、側面133と、により形成される通風路である。
【0036】
整流板135は、側面133aを起点として第二中空空間134へ向けて起立した矩形の平板である。整流板135の起立方向は、下面132と平行であることが好ましい。整流板135は、金属加工技術を用いて側面133aから切り起こして形成される。整流板135を下面132へ水平に投影した形状は、第一開口132aと相似形である。整流板135の起立した先端は、側面133aと第二中空空間134を間に挟んで対向する側面133と所定の間隔(例えば10cm)を設けて配置される。
【0037】
ダクト接続部136は、下面132を起点に下方(床面側)へ起立した円管である。ダクト接続部136をダクト140へ挿入することで、ダクト140とチャンバ130は接続する。
【0038】
[1-1-4.ダクト]
図2図5に示すように、ダクト140は、吸込口112から送風機150へ吸い込まれた空気をチャンバ130へ搬送するための通風管である。ダクト140は、一端がチャンバ130に接続し、他端が送風機150に接続する。ダクト140は、ひとつのチャンバ130に対して1本が配置される。すなわち、ダクト140は、8本が配置される。ダクト140は、例えば公知のフレキシブルダクトが採用可能である。
【0039】
[1-1-5.送風機]
図2に示すように、送風機150は、吸込口112からダクト140とチャンバ130を介してトップノズル120の吹出口121へ向かう気流を生成する。送風機150は、遠心送風機など公知のターボ機械を採用可能である。送風機150は、4基が配置され、1基の送風機150で生成される気流が2本のトップノズル120に搬送される。
【0040】
[1-1-6.支持枠]
図1から図3に示すように、支持枠160は、トップノズル120を支持するための部材である。支持枠160は、2本の支柱160aと、1本の支持棒160bと、から形成される。支柱160aは、屋内空間において床面から上方に向けて立設する角材である。支持棒160bは、支柱160aの立設した先端側に配置される角材である。支持棒160bは、8本のトップノズル120の立設した先端側と接続する。
【0041】
[1-2.動作]
以上のように構成された送風装置100について、その動作を以下説明する。
【0042】
図2図3および図5に示すように、送風機150の運転が開始されると、送風装置100が設置される屋内空間の空気は、気流AF1となって吸込口112から吸い込まれる。吸込口112から吸い込まれた空気(気流AF1)は、ダクト140を通過して、チャンバ130へ搬送される。チャンバ130へ搬送された空気(気流AF1)は、その気流の方向がチャンバ130により制御される。すなわち、チャンバ130は、気流AF1の進行方向を垂直(床面側から天井側へ向かう)方向から水平方向へ切り換える。それと同時に、整流板135は、気流AF1の一部または全部を、整流板135に対して上方からトップノズル120へ流入する上方気流AF1aと、整流板135に対して下方からトップノズル120へ流入する下方気流AF1bと、に分割する。トップノズル120へ流入した上方気流AF1aと下方気流AF1bは、吹出口121から下方、即ち床面にむけて吹き出す。このとき、下方気流AF1bの大部分は、上方気流AF1aに対してトップノズル120の起点となる側(側面133aの側)の吹出口121から吹き出す。言い換えると、上方気流AF1aは、下方気流AF1bに対してトップノズル120の起立した先端側の吹出口121から吹き出す。上方気流AF1aおよび下方気流AF1bを含む気流AF1が吹出口121から吹き出すと、気流AF1の周囲の空間の空気が気流AF1に引き寄せられ、隣り合うトップノズル120の間の空間に負圧領域Sが生成される。負圧(陰圧とも呼ぶ)とは、周囲に比べて気圧が低い状態のことを指す。つまり、負圧領域Sは、周囲に比べて気圧の低い領域のことである。負圧領域Sが生成されると、負圧を解消しようとする力が働き、トップノズル120の周囲の空間から負圧領域Sを解消するための空気(気流AF2)が生成される。気流AF2は、誘引気流とも呼ばれる。気流AF2は、隣り合う気流AF1が負圧領域Sに引き寄せられて合流する力を抑制する。そのため、送風装置100は、隣り合う気流AF1の合流が抑制された気流、即ち気流全体として吹出方向に直線的な気流AF3(本願では、この気流を「面の気流」または「面気流」と呼ぶ場合がある)が生成される。吹出口121から下方へ吹出した空気(気流AF1)は、吸込口112へ吸い込まれる。
【0043】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、送風装置100は、前面の下方に吸込口112を有し上方へ向けて立設されるサイドパネル110と、サイドパネル110の上方を起点として前面から水平に立設され下方に向けた吹出口121を有するトップノズル120と、中空空間(第二中空空間134)を形成し、下面132に第一開口132aと下面132から立設する側面133にトップノズル120と連通する第二開口133bと、側面133から中空空間(第二中空空間134)へ向けて立設される整流板135とを有するチャンバ130と、第一開口132aと連通するダクト140と、吸込口112からダクト140とチャンバ130とを介して吹出口121へ向かう気流AF1を生成する送風機150と、を備える。整流板135は、第一開口132aから中空空間(第二中空空間134)へ吸い込まれる気流AF1の少なくとも一部を整流板135に対して上方からトップノズル120へ流入する上方気流AF1aと、整流板135に対して下方からトップノズル120へ流入する下方気流AF1bとに分割する。
【0044】
これにより、下方気流AF1bは、上方気流AF1aに対してトップノズル120の起点となる側(側面133aの側)の吹出口121から吹き出す。言い換えると、上方気流AF1aは、下方気流AF1bに対してトップノズル120の起立した先端側の吹出口121から吹き出す。そのため、トップノズル120に流入する気流AF1がトップノズル120の立設した先端側に偏ってトップノズル120から吹き出すことを抑制し、吹出口121から吹き出す空気の風速がトップノズル120の立設方向において不均一になることを抑制することができる。
【0045】
また、気流AF1が面の気流(気流AF3)となることで、水平面における気流AF1の速度分布に不均一さ(バラつき)が発生することが抑制される。そのため、例えば、送風装置100は、使用者に対して、滞在する位置によらず同様の気流AF1を提供することができる。
【0046】
本実施の形態では、整流板135は、下面132に対して平行に立設された構成としている。
【0047】
これにより、上方気流AF1aが吹出口121から吹き出す際の風速と下方気流AF1bが吹出口121から吹き出す際の風速との間の差異が最も小さくなる。そのため、トップノズル120に流入する気流AF1がトップノズル120の立設した先端側に偏ってトップノズル120から吹き出すことを抑制し、吹出口121から吹き出す空気の風速がトップノズル120の立設方向において不均一になることを抑制することができる。
【0048】
本実施の形態では、整流板135を下面132に水平に投影した形状は、第一開口132aの形状と相似形としている。
【0049】
これにより、整流板135を下面132に水平に投影した形状と第一開口132aの形状とが相似形でない場合と比べて、上方気流AF1aと下方気流AF1bに分割される気流の量を増やすことができる。そのため、トップノズル120に流入する気流AF1がトップノズル120の立設した先端側に偏ってトップノズル120から吹き出すことを抑制し、吹出口121から吹き出す空気の風速がトップノズル120の立設方向において不均一になることを抑制することができる。
【0050】
本実施の形態では、整流板135は、側面133aを切り起こして形成している。
【0051】
これにより、整流板135を切り起こすことで第二開口133bが形成される。そのため、整流板135と第二開口133bを別々に形成する場合と比べて、生産性を向上することができる。
【0052】
(変形例)
以下、変形例を例示する。
【0053】
[2-1.構成]
実施の形態1と同様の構成は、その詳細な説明を省略し、実施の形態1と異なる構成について説明する。
【0054】
送風装置100は、吸込口112に吸い込まれる空気に含まれる塵埃を捕集するためのフィルタを、吸込口112または吸込口112に対して下流側に配置してもよい。
【0055】
トップノズル120は、吹出口121から吹き出す気流AF1の速度ベクトルのうち、吸込口112へ向かう速度ベクトルが、吸込口112へ向かう速度ベクトルを除く他の速度ベクトルに比べて大きくなるように整流板135と異なる整流板を有してもよい。
【0056】
実施の形態1では、4基の送風機150を配置したが、これに限定されない。2基の送風機150を配置して、1基の送風機150で生成される気流が4本のトップノズル120に搬送される構成としてもよい。
【0057】
実施の形態1では、8本のトップノズル120を配置したが、これに限定されない。トップノズル120は、2本以上の複数が配置されればよい。
【0058】
実施の形態1では、支持枠160を構成する支柱160aと支持棒160bは角材としたが、これに限定されない。支柱160aと支持棒160bは、丸棒材であってもよい。
【0059】
実施の形態1では、整流板135は側面133aから切り起こして形成したが、これに限定されない。整流板135を側面133aとは独立して形成し、側面133aに接続してもよい。
【0060】
[2-2.動作]
送風機150の運転が開始されることで生成される気流AF1、気流AF2、気流AF3、負圧領域Sは、実施の形態1と同様であることから、その詳細な説明は省略する。
【0061】
[2-3.効果等]
変形例のように、送風装置100は、吸込口112に吸い込まれる空気に含まれる塵埃を捕集するためのフィルタを備えてもよい。
【0062】
これにより、フィルタを通る前に比べて塵埃の少ない浄化された空気(気流AF1)を吹出口121から吹き出すことができる。そのため、送風装置100を利用するユーザーに対して快適な空気環境を提供することができる。
【0063】
変形例のように、トップノズル120は、吹出口121から吹き出す気流AF1の向きを制御する整流板を有してもよい。
【0064】
これにより、送風装置100は、吸込口112へ向けて気流AF1を吹き出すことができる。そのため、吹出口121から吹き出す気流AF1は吸込口112へ積極的に吸い込まれるため、気流AF1が送風装置の外側へ拡散することを抑制することができる。
【0065】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および変形例を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および変形例で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0066】
なお、上述の実施の形態および変形例は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本開示は、天井面側から床面側へ向けて吹き出す空気の風速が不均一になり得る送風装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
100 送風装置
110 サイドパネル
110a 前面パネル
110b 背面パネル
110c 一側端パネル
110d 他側端パネル
111 第一中空空間
112 吸込口
112a 上端部
112b 下端部
112c 一側端部
112d 他側端部
120 トップノズル
121 吹出口
130 チャンバ
131 上面
132 下面
132a 第一開口
133 側面
133a 側面
133b 第二開口
134 第二中空空間
135 整流板
136 ダクト接続部
140 ダクト
150 送風機
160 支持枠
160a 支柱
160b 支持棒
図1
図2
図3
図4
図5