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特開2023-79337配信システム、配信プログラムおよび配信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079337
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】配信システム、配信プログラムおよび配信方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20230601BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20230601BHJP
   H04N 21/4722 20110101ALI20230601BHJP
【FI】
G06F3/0481 170
H04N21/431
H04N21/4722
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192757
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】515031333
【氏名又は名称】株式会社メディアドゥ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】溝口 敦
【テーマコード(参考)】
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5C164MA04S
5C164UA04S
5C164UB10S
5C164UB41S
5C164UB81P
5C164UD42P
5C164YA11
5E555AA28
5E555AA48
5E555AA76
5E555BA01
5E555BA04
5E555BA72
5E555BB01
5E555BB04
5E555BC04
5E555BD01
5E555CA01
5E555CB01
5E555CB34
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB03
5E555DB18
5E555DC09
5E555DD07
5E555EA05
5E555EA13
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】
複数の参加者によるデジタルコンテンツの同時視聴に係る新規な技術を提供すること。
【解決手段】
複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信システムであって、視聴対象の前記デジタルコンテンツを特定するコンテンツ情報を少なくとも含むイベント情報を登録する登録手段と、前記イベント情報に基づいて、前記デジタルコンテンツを再生する再生部及び前記参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、複数の前記参加者の端末に送信する表示手段と、前記参加者から、前記参加者表示部における自身の前記アイコンの表示態様を選択する入力を受け付けて、当該参加者の前記アイコンの表示指示を前記表示手段に受け渡すアイコン制御手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信システムであって、
視聴対象の前記デジタルコンテンツを特定するコンテンツ情報を少なくとも含むイベント情報を登録する登録手段と、
前記イベント情報に基づいて、前記デジタルコンテンツを再生する再生部及び前記参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、複数の前記参加者の端末に送信する表示手段と、
前記参加者から、前記参加者表示部における表示態様を選択する入力を受け付けて、当該参加者による表示指示を前記表示手段に受け渡すアイコン制御手段と、を備える配信システム。
【請求項2】
前記参加者ごとに、前記アイコンとして表示可能なアイコン画像を複数指定する入力を受け付けて、前記参加者に対応付けて登録するアイコン設定手段を更に備え、
前記アイコン制御手段は、前記参加者に対応付けて登録された前記アイコン画像の中から、前記参加者による選択を受け付けて、選択されたアイコン画像を当該参加者の前記アイコンとして表示する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す、請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記アイコン制御手段は、前記表示態様として、前記参加者表示部を装飾する効果の選択を前記参加者から受け付けて、前記参加者表示部に選択された効果を付与する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す、請求項1又は請求項2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記アイコン制御手段は、前記効果として、前記アイコンの縁取りの選択を前記参加者から受け付けて、当該参加者の前記アイコンの周の一部又は全部に選択された縁取りを付与する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す、請求項3に記載の配信システム。
【請求項5】
前記アイコン制御手段は、前記効果として、前記参加者表示部に重畳表示するスタンプの選択を前記参加者から受け付けて、選択された前記スタンプを前記参加者表示部に重畳表示する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す、請求項3又は請求項4に記載の配信システム。
【請求項6】
前記表示手段は、同種の前記スタンプを選択した複数の前記参加者の前記アイコン同士が、前記参加者表示部において近い位置になるよう移動する効果を表示処理する、請求項5に記載の配信システム。
【請求項7】
前記表示手段は、同種の前記スタンプを選択した複数の前記参加者の前記アイコン同士が隣接するときに、当該アイコンの近傍で前記スタンプの種類に応じた特殊効果を発生させるよう表示処理する、請求項5又は請求項6に記載の配信システム。
【請求項8】
前記アイコン制御手段は、前記効果の選択を受け付けたタイミングを前記イベント情報に対応付けて登録し、
前記効果の選択が多かった時間を特定する集計手段を更に備える、請求項3から請求項7の何れかに記載の配信システム。
【請求項9】
複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信プログラムであって、
視聴対象の前記デジタルコンテンツを特定するコンテンツ情報を少なくとも含むイベント情報を登録する登録手段と、
前記イベント情報に基づいて、前記デジタルコンテンツを再生する再生部及び前記参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、複数の前記参加者の端末に送信する表示手段と、
前記参加者から、前記参加者表示部における表示態様を選択する入力を受け付けて、当該参加者による表示指示を前記表示手段に受け渡すアイコン制御手段と、としてコンピュータを機能させる配信プログラム。
【請求項10】
複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信方法であって、
視聴対象の前記デジタルコンテンツを特定するコンテンツ情報を少なくとも含むイベント情報を登録する登録ステップと、
前記イベント情報に基づいて、前記デジタルコンテンツを再生する再生部及び前記参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、複数の前記参加者の端末に送信する表示ステップと、
前記参加者から、前記参加者表示部における表示態様を選択する入力を受け付けて、当該参加者による表示指示を生成するアイコン制御ステップと、をコンピュータが実行する配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信システム、配信プログラムおよび配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なデジタルコンテンツの配信が行われている。特に最近では様々な映像コンテンツの配信が盛んに行われており、複数人で同じ映像を視聴して楽しむサービスも知られている。
【0003】
特許文献1には、コンテンツ配信中に、視聴ユーザをプレーヤとする協力プレイタイプのゲームを実行制御し、テキストや画像の発信を行うだけでは実現できない一体感を与えうる配信サービスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-71960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、近頃では離れた場所にいるユーザ同士で同じデジタルコンテンツを同時視聴して意見を交わしたり、あるデジタルコンテンツについて解説する映像を配信したりして、複数人で楽しむことが行われている。このような楽しみ方においては、参加者同士の気軽なコミュニケーションの需要がある。
【0006】
例えば、ビデオ会議においてチャットを同時表示する技術等は従来から存在する。しかしながら、多数の参加者が同時に同じデジタルコンテンツを視聴しながら、単純な入力でエンターテインメント性のあるコミュニケーションを実現する技術は従来存在していなかった。
【0007】
そこで本発明は、複数の参加者によるデジタルコンテンツの同時視聴に係る新規な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信システムであって、視聴対象の前記デジタルコンテンツを特定するコンテンツ情報を少なくとも含むイベント情報を登録する登録手段と、前記イベント情報に基づいて、前記デジタルコンテンツを再生する再生部及び前記参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、複数の前記参加者の端末に送信する表示手段と、前記参加者から、前記参加者表示部における表示態様を選択する入力を受け付けて、当該参加者による表示指示を前記表示手段に受け渡すアイコン制御手段と、を備える。
【0009】
このような構成とすることで、特定のデジタルコンテンツを複数の参加者で同時視聴するイベントにおいて、参加者表示部や参加者個人のアイコンの変化により参加者同士のコミュニケーションを図ったり一体感を表現したりすることが可能となる。これにより、従来受け身になりがちであったオンラインイベントにおいて、イベントに「参加している」「参加者としてイベントを一緒に作っている」という感覚を、参加者が共有することができる。また参加者表示部やアイコンの変化によるコミュニケーションは、例えば表示に関する選択を受け付ける等の簡単な操作で実現が可能であるため、イベントの主目的であるデジタルコンテンツの視聴を邪魔することなく斬新な共同視聴体験を参加者に提供できる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記参加者ごとに、前記アイコンとして表示可能なアイコン画像を複数指定する入力を受け付けて、前記参加者に対応付けて登録するアイコン設定手段を更に備え、前記アイコン制御手段は、前記参加者に対応付けて登録されたアイコン画像の中から、前記参加者による選択を受け付けて、選択されたアイコン画像を当該参加者の前記アイコンとして表示する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す。
【0011】
このような構成とすることで、参加者ごとに事前に登録された画像の中から、各参加者がイベント中に好きなものを選ぶという単純な操作により、他の参加者に表示される自身のアイコンを変更することができる。これにより、参加者が自由にそれぞれの個性をアピールしたり、イベント中に他の参加者とのコミュニケーションやデジタルコンテンツのシーンに応じてアイコンを変化させたりすることが容易に可能となる。例えば、特定のイベントにおいて事前に参加者間でアイコンとして使用する画像を共有し、イベント中にそれぞれがアイコンを変化させれば、イベント参加者の一体感を感じることができ、より興趣を高めることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記アイコン制御手段は、前記表示態様として、前記参加者表示部を装飾する効果の選択を前記参加者から受け付けて、前記参加者表示部に選択された効果を付与する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す。
【0013】
このような構成とすることで、参加者表示部の装飾により、参加者のデジタルコンテンツへの印象の表明や、他の参加者とのコミュニケーションが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記アイコン制御手段は、前記効果として、前記アイコンの縁取りの選択を前記参加者から受け付けて、当該参加者の前記アイコンの周の一部又は全部に選択された縁取りを付与する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す。
【0015】
このような構成とすることで、参加者の個性を表すアイコン自体を変化させず、参加者の意思によってアイコンが見える状態のままで参加者間の一体感を表現したり、イベント全体の雰囲気を変化させたりすることができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記アイコン制御手段は、前記効果として、前記参加者表示部に重畳表示するスタンプの選択を前記参加者から受け付けて、選択された前記スタンプを前記参加者表示部に重畳表示する旨の前記表示指示を前記表示手段に受け渡す。
【0017】
このような構成とすることで、参加者表示部に参加者が選択したスタンプを重畳表示し、各参加者の印象や気持ちを容易に表現することが可能となる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記表示手段は、同種の前記スタンプを選択した複数の前記参加者の前記アイコン同士が、前記参加者表示部において近い位置になるよう移動する効果を表示処理する。
【0019】
このような構成とすることで、近い印象を持った参加者同士でアイコンが接近し、親近感を与えてコミュニケーションのきっかけとすることができる。また同種のスタンプを選択したアイコンが近くに集まることにより、参加者のスタンプ選択によりイベント全体の雰囲気を作ることが可能となる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記表示手段は、同種の前記スタンプを選択した複数の前記参加者の前記アイコン同士が隣接するときに、当該アイコンの近傍で前記スタンプの種類に応じた特殊効果を発生させるよう表示処理する。
【0021】
このような構成とすることで、参加者の興趣を高め、スタンプの選択を促進してイベントをより盛り上げることができる。また隣接する参加者がデジタルコンテンツの視聴により近い感情となり、同種のスタンプを選択することで視覚的な効果が生じるため、イベントの「盛り上がり」が視覚的に表現される。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記アイコン制御手段は、前記効果の選択を受け付けたタイミングを前記イベント情報に対応付けて登録し、前記効果の選択が多かった時間を特定する集計手段を更に備える。
【0023】
このような構成とすることで、イベントが「盛り上がった」時間を特定することができ、例えばイベント後に盛り上がったシーンを振り返ったり、イベントの主催者が企画に役立てたりすることが可能となる。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信プログラムであって、視聴対象の前記デジタルコンテンツを特定するコンテンツ情報を少なくとも含むイベント情報を登録する登録手段と、前記イベント情報に基づいて、前記デジタルコンテンツを再生する再生部及び前記参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、複数の前記参加者の端末に送信する表示手段と、前記参加者から、前記参加者表示部における表示態様を選択する入力を受け付けて、当該参加者によるアイコンの表示指示を前記表示手段に受け渡すアイコン制御手段と、としてコンピュータを機能させる。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の参加者がデジタルコンテンツを同時視聴するための配信方法であって、視聴対象の前記デジタルコンテンツを特定するコンテンツ情報を少なくとも含むイベント情報を登録する登録ステップと、前記イベント情報に基づいて、前記デジタルコンテンツを再生する再生部及び前記参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、複数の前記参加者の端末に送信する表示ステップと、前記参加者から、前記参加者表示部における表示態様を選択する入力を受け付けて、当該参加者による表示指示を生成するアイコン制御ステップと、をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の参加者によるデジタルコンテンツの同時視聴に係る新規な技術を提供することができる。特に、参加者の選択により参加者表示部や個々のアイコンを変化させることにより、各参加者が感想を表現する等、イベントの雰囲気を参加者によって作り上げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態における配信システムの構成図である。
図2】本発明の実施形態における配信システムの機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態における配信システムのイベント画面の表示例を示す図である。
図4】本発明の実施形態における配信システムのイベント画面における、参加者表示部の説明図である。
図5】本発明の実施形態における配信システムのイベント画面における操作部の表示例である。
図6】本発明の実施形態における配信システムのイベント画面における参加者表示部の効果の表示例を示す図である。
図7】本発明の実施形態における配信システムのイベント画面における参加者表示部の効果の表示例を示す図である。
図8】本発明の実施形態における配信システムのマイページの表示例を示す図である。
図9】本発明の実施形態における配信システムのアイコン画像の登録画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を用いて、本発明の配信システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0029】
例えば、本実施形態では配信システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0030】
本発明は、デジタルコンテンツの利用権を登録して、当該利用権に基づいて、複数人での同時視聴イベントを開催できるようにする技術に関する。デジタルコンテンツとしては特に任意の映像が想定され、例えばライブ映像を配信して同時視聴する為に、主催者の意図によって当該デジタルコンテンツの再生制御及び、字幕や音声、解説画像等の付加情報の制御を可能とするための、配信システムに関する。
【0031】
本実施形態では、事前に登録されるデジタルコンテンツの利用権に基づいて、イベントの開催日時及びイベントページの情報を含むイベント情報が登録される。ここでイベント情報の登録を行う者、即ちイベントを主催する参加者のことを、特に主催者と呼ぶ。イベント情報には、当該イベントで視聴されるデジタルコンテンツが紐づけられており、これに基づいてイベント画面が表示される。イベントの参加者は、イベントページにおいて他の参加者とともに、デジタルコンテンツを同時視聴することができる。これにより、デジタルコンテンツの正当な利用権に基づいて、主催者が同時視聴のイベントを開催し、主体的に配信を行うことができる。以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
図1は、本実施形態の配信システムの構成を示す図である。配信システムは、サーバ装置1及び複数の参加者端末2がネットワークNWを介して通信可能に構成されている。複数の参加者端末2のうちいずれかが特に主催者によって操作され、主催者端末として機能する。なお複数の参加者が共同してイベントを主催することもできる。ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0033】
サーバ装置1としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置を利用することができる。また、複数のコンピュータを用いてサーバ装置1を構成することも可能である。
【0034】
参加者端末2としては、演算装置、記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、PC(Personal Computer)等の任意のコンピュータ装置を利用することができる。その他、スマートフォンやタブレット型端末を参加者端末2として利用してもよい。サーバ装置1との間で各種情報の入力及び送受信を行うための専用のアプリケーションや、専用のウェブページにアクセスするためのブラウザアプリケーション等が記憶装置に記憶され、演算装置が各種の処理を実行することで、任意のコンピュータ装置が本発明の参加者端末2として機能する。
【0035】
図2は、本実施形態の配信システムの機能ブロック図である。ここでは簡略化して参加者端末2を1つのみ示す。サーバ装置1は、登録手段11と、表示手段12と、アイコン制御手段13と、アイコン設定手段14と、集計手段15と、を備え、データベースDBと有線又は無線で接続されている。なおデータベースDBはサーバ装置1の内部に備えられていてもよい。またこれらの手段は複数のコンピュータに分散して備えられ、複数のコンピュータが連携して動作することで本発明のサーバ装置1として機能してもよい。
【0036】
登録手段11は、イベントの主催者が使用する参加者端末2(主催者端末)を介して、イベントにおいて視聴するデジタルコンテンツの指定、イベント名、イベント開催日時(開始日時及び終了日時)等の情報を受け付けて、主催者のユーザIDと対応付けてイベント情報をデータベースDBに登録する。
【0037】
また本実施形態では、イベントに参加可能な参加者についてもそのユーザIDをイベント情報として登録する。具体的には、例えば主催者によって登録されたイベント情報に紐づけられたチケット情報をデータベースDBに登録することによってイベントチケットが発行され、当該イベントチケットの所有者として登録されたユーザが参加者となる形態が想定される。また例えば、主催者がイベントに対して個別にユーザを招待し、イベント情報に紐づけて登録することによって、登録されたユーザが参加者となる形態としてもよい。本実施形態では、このようなチケット情報又はイベント情報に紐づけられたユーザの情報が、イベントの参加者を特定する情報として用いられる。
【0038】
ここで配信システムを利用するユーザはユーザ登録を行い、ユーザID、ユーザ名、メールアドレス、パスワード、生年月日及び性別を含むユーザ情報を登録する。また、ユーザは、他のユーザをフォローすることができる。フォロー関係は、フォローID、フォロワーのユーザID及びフォロイーのユーザIDを含むフォロー情報によって定義される。
【0039】
表示手段12は、イベント情報に基づいて、デジタルコンテンツを再生する再生部及び参加者ごとにアイコンを表示する参加者表示部を有する、イベント画面を表示処理して、イベント情報から特定される複数の参加者の参加者端末2に送信する。また表示手段12は、アイコン制御手段13からアイコンの表示指示を受け取ると、表示指示に基づき参加者表示部を表示処理して参加者端末2に送信する。
【0040】
アイコン制御手段13は、参加者端末2を介して参加者から、イベント画面の参加者表示部における表示態様を選択する入力を受け付けて、参加者のアイコンの表示指示を表示手段12に受け渡す。本実施形態のアイコン制御手段13は、表示態様として、自身のアイコン画像の選択と、参加者表示部を装飾する効果の選択と、を受け付ける。また効果の選択を受け付けた場合、その効果及び時刻をイベント情報に対応付けてデータベースDBに登録する。時刻としては、デジタルコンテンツの再生位置を登録してもよいし、実際の時刻又はイベント開始時刻からの経過時間を登録してもよい。
【0041】
効果としては、アイコンの縁取りと、参加者表示部に重畳表示するスタンプと、がそれぞれ複数種類存在し、参加者は好きなものを選ぶことができる。また、複数のスタンプを同時に選択したり複数の縁取りを同時に選択したりすることはできないが、スタンプと縁取りの両方を選択することは可能であり、同一の参加者によりスタンプと縁取りの両方が選択された場合には、当該参加者のアイコンに縁取りの効果を発生させ、参加者表示部全体にスタンプを重畳表示する旨の表示指示を表示手段12に受け渡す。なお効果としてはこの他にも任意の形態を採用してよく、例えばアイコンの色を変化させるフィルタを重畳表示したり、アイコンが光って見えるような動的な表示を重ねたりする効果等を選択できるようにしてもよい。またスタンプについても、参加者表示部全体の装飾に限られず、選択した参加者のアイコン上に重畳表示する形態としてもよい。
【0042】
アイコン設定手段14は、参加者端末2を介して、参加者ごとにアイコンとして表示可能な上述のアイコン画像を複数指定する入力を受け付けて、参加者に対応付けてデータベースDBに登録する。具体的には、イベントで使用可能なアイコン画像のセットを参加者ごとに登録し、参加者はそのセットの中からイベント中にアイコン画像を選択して、参加者表示部における自身のアイコンを変更することができる。本実施形態ではアイコン設定手段14が、各ユーザについて複数のセットの登録を行い、またひとつのセットに5種類までアイコン画像の登録を行う。参加者は、自身が登録したセットのうちいずれかを選択してイベントに参加し、イベント中には選択されたセットの中からアイコン画像を選択することで、参加者表示部の自身のアイコンを変更することができる。
【0043】
集計手段15は、データベースDBに登録された、効果の選択を受け付けた時刻に基づいて、効果の選択が多かった時間を特定する。集計手段15は、効果の種類ごとに時間を特定してもよいし、種類に関係なく時間を特定してもよい。また効果の選択が多かった時間のイベント画面の映像は、そのイベントの「盛り上がりシーン」としてイベント情報に対応付けてデータベースDBに保存される。
【0044】
以下、本実施形態における各種の画面の表示例を用いて詳細に説明する。なお、以下の図3図9では、模様がついた四角印でアイコンを表現しているが、実際には写真やイラスト等、任意の画像が参加者によって選択されてアイコン画像として用いられる。以下において、図面上で同じ模様で表現されているアイコンは必ずしも同じ画像であるということを意図していない。
【0045】
図3は、本実施形態におけるイベント画面の表示例である。イベント画面W1は、再生部W11と、参加者表示部W12と、操作部W13と、を備える。再生部W11は、イベント情報として登録されたデジタルコンテンツを表示する。ここでデジタルコンテンツの再生や一時停止等の操作は、主催者のみが行うことができる。他の参加者は、再生部W11を選択することによりデジタルコンテンツの再生位置を確認したり、自身の参加者端末2における音量の調整を行ったりことができる。また操作部W13はスタンプボタンB1と、縁取りボタンB2と、アイコンボタンB3と、を備え、何れかを選択すると展開されて詳細な操作を受け付けるためのボタンが更に表示される。操作部W13の詳細は後述する。
【0046】
図4は、参加者表示部W12を詳細に示す図である。本実施形態では、参加者表示部W12は上部のゲスト表示部W121及び下部の一般参加者表示部W122の2つのエリアに分かれている。
【0047】
ゲスト表示部W121には、主催者と、主催者によって選ばれた参加者が所定の人数表示され、ゲスト表示部W121に表示される参加者は自身の映像及び音声を入力することができる。本実施形態ではゲスト表示部W121には8つの表示枠が備えられ、主催者は常にゲスト表示部W121の左上に表示されており、他に7人までの参加者をゲストとして表示することができる。
【0048】
図4は、上段左から2番目のゲストから見た参加者表示部W12の例であり、ゲスト表示部W121に表示されている参加者は、自身の表示を選択することにより、映像及び音声のそれぞれについて入力のオン/オフを切り替えることができる。図4ではゲスト全員が映像をオンにした状態となっているが、ゲストである参加者が映像をオフにすると、表示がアイコンに切り替わる。アイコンは、他の参加者と同様に、事前に設定したアイコン画像の中からイベント中に選択して切り替えることができる。またアイコンを装飾する効果については、映像のオン/オフに関わらずゲストも選択することができる。
【0049】
一般参加者表示部W122には、主催者及びゲスト以外の参加者について、それぞれアイコンが表示されている。本実施形態では、全参加者のアイコンが並べて表示される。なお参加者が多い場合には、所定数の参加者を選択して一般参加者表示部W122に表示してもよい。この場合の参加者の選択方法は限定されないが、例えばアイコン画像の選択や効果の選択の回数が多い参加者を優先的に表示してもよい。
【0050】
次に参加者表示部の表示態様の選択について図5を用いて説明する。イベント画面W1において操作部W13のうち何れかが選択されると、図5に示すように操作部W13が展開される。図5(a)~(c)は、スタンプボタンB1、縁取りボタンB2、アイコンボタンB3、を選択した時の操作部W13の表示例である。ここでは選択されたボタンが他のボタンと区別できるように異なる色で表示されている。それぞれ、具体的な表示態様の選択肢が表示され、参加者がいずれかを選択することにより、当該参加者のアイコンにおいて選択された表示態様が採用される。
【0051】
参加者表示部を装飾する効果、即ちスタンプ又は縁取りが選択された場合、参加者がその選択を解除するまで、選択された効果が付与された状態で参加者表示部W12が表示される。図5(a)においては左上のスタンプが、図5(b)においては最も左側にある縁取りが選択された状態が示されており、選択された効果が識別可能に表示されている。本実施形態では、アイコンが発光しているような枠を縁取りとして用いており、参加者は枠の色を選択することができる。なお縁取りは必ずしもアイコンを完全に囲う閉じた枠である必要はなく、アイコンの辺の一部に所定の装飾を施すものであってもよい。
【0052】
また図5(c)はアイコンボタンB3が選択されたときの表示例である。このように、参加者が登録した複数のアイコン画像が候補として表示されており、表示されたアイコン画像の中から自身のアイコンとして採用するものが選択されると、左端にプレビューされ、更に決定する入力が受け付けられると、アイコン制御手段13が入力を受け付けて、選択されたアイコン画像を表示手段12が参加者表示部W12における参加者のアイコンとして表示させる。
【0053】
図6は、何れかの参加者がスタンプを選択した場合の参加者表示部W12の表示例である。このように本実施形態では、何れかの参加者がスタンプを選択すると、選択されたスタンプが参加者表示部W12に重畳表示される。ここでは、画面下部から上部に向かって浮遊するような動きで徐々に移動し、スタンプが上部に行くほど色が薄くなって背後のアイコンを透過するように表示される。本実施形態においては、自身が選択したスタンプと他の参加者が選択したスタンプは区別されず、また、全ユーザの選択を常に反映せずに特に回数が多いスタンプのみを表示する。なお、自身が所定回数以上選択したスタンプについては、当該参加者に対して表示される画面において、他のスタンプよりも大きく表示したり、色の濃さを変えたりすることにより、自身が選択したスタンプを認識できるようにしてもよい。
【0054】
また他の形態では、スタンプを参加者表示部の全体ではなく、選択した参加者がわかる形態で、特に当該参加者のアイコンにスタンプを重畳表示させてもよい。図7は、スタンプについても参加者表示部全体ではなく選択した参加者のアイコンに重畳表示する場合の表示例である。特に、複数の参加者においてアイコンを装飾する効果(スタンプを含む)が選択された場合の一般参加者表示部W122の表示例を示す。
【0055】
参加者によって効果が選択されると、アイコン制御手段13が当該参加者のアイコンに効果を付与する旨の表示指示を表示手段12に受け渡し、表示手段12によって各参加者の参加者端末2において図7(a)のように効果が付与されたアイコンが表示される。図7(a)では、I1、I3、I4、I5の参加者が効果としてスタンプを選択しており、I2の参加者は効果として縁取りを選択している状態を示している。このようにスタンプはアイコンに重畳して表示されており、縁取りはアイコンの周囲を装飾するように表示される。
【0056】
ここで、本実施形態では表示手段12が、同種のスタンプを選択した参加者のアイコン同士が、参加者表示部W12において近い位置になるよう移動する効果を表示処理する。例えば図5(a)のようにスタンプが選択された場合、I1とI3、及びI4とI5は同種のスタンプを選択している状態である。このような場合には、表示手段12によってアイコンが移動するアニメーションが表示処理され、図5(b)のように同種のスタンプが付与されたアイコン同士が隣接するまで、他のアイコンと位置を入れ替えながら移動する。
【0057】
このようにしてアイコンが移動して同種のスタンプが付与されたアイコン同士が隣接した状態になった場合、又は隣同士に位置していたアイコンに同種のスタンプが付与された場合には、表示手段12が、アイコンの近傍でそのスタンプの種類に応じた特殊効果を発生させるように表示処理する。図5(c)は、特殊効果の表示例である。I1及びI3は笑顔のスタンプを選択して隣接しているため、笑顔を大きく表示する特殊効果E1が表示される。またI4及びI5はハートマークのスタンプを選択して隣接しているため、ハートマークを大きく表示する特殊効果E2が表示される。なお特殊効果はアニメーションであってもよく、また参加者表示部W12だけでなく再生部W11においても、参加者表示部W12で隣接したアイコンのスタンプに応じた特殊効果を重畳表示してもよい。
【0058】
なおここで「同種のスタンプ」とは、完全に同じスタンプであることだけでなく、スタンプのカテゴリが同一である場合も含む。例えば、笑顔のスタンプにも微笑みや大笑いといった複数の種類があってもよく、この場合には、これらは同種のスタンプであると判断してもよい。
【0059】
次に、図8及び図9を用いて、ユーザごとのアイコン画像の設定について説明する。図8は、ユーザごとのマイページの表示例を示す図である。マイページW2は、イベントにおいて表示するアイコンとは別に、マイページ用にユーザが設定したユーザアイコンと、ユーザ名と、フォロワー数及びフォロー数と、プロフィールと、が表示される。
【0060】
マイページW2の下部においては、「マイコレクション」として、イベントにおいて使用するアイコン画像のセットが表示される。ここで「マイドレッサーへ」の表示を選択することにより、アイコン画像のセットを設定する画面に遷移する。
【0061】
図9は、アイコン画像の登録画面の表示例である。登録画面W3は、編集部W31において、ユーザについて登録されているアイコン画像のセットを表示している。最上段には「マイコレクション」として、その時点でイベントにおいて使用するセットとして選択されているアイコン画像のセットが表示されている。また本実施形態では3つまでアイコン画像のセットを登録可能であり、使用するセットとして選択されていないセットはその下に並べて表示される。イベントにおいて他のセットを選択する場合には、選択したいセットについて「上映会に持っていく」のボタンを選択することにより、登録を変更することができる。
【0062】
各アイコン画像を選択することにより、アイコン画像の変更や登録が可能である。また本実施形態では1つのセットにおいて5つまでアイコン画像を登録することができるが、アイコン画像が登録されていない枠については点線で表示される。またセットにおいて登録されたアイコン画像の数が所定数を下回る場合には、イベントでの使用を制限してもよく、その場合、使用できないセットについては「上映会に持っていく」のボタンを操作できない状態として表示する。
【0063】
このような登録画面W3を介してアイコン設定手段14が、参加者ごとにアイコンとして表示可能なアイコン画像の入力を受け付け、複数のアイコン画像を含むセットを参加者に対応付けて登録する。そして上述のイベント画面W1においては、図5(c)のような操作部W13において、参加者に対応付けて登録された複数のアイコン画像を選択可能に表示する。
【0064】
なお、アイコン画像としてはユーザがそれぞれ任意の画像を登録することができるが、イベントの参加者に事前に所定アイコンを配布してもよい。参加者限定のアイコン画像を配布して使用してもらうことで、イベント画面W1における一体感を演出することができる。また、イベント限定のアイコン画像として、当該イベントのみで使用可能なアイコン画像をイベント情報に対応付けて登録してもよい。その場合、アイコン制御手段13が、参加者が設定した複数のアイコン画像に加えてイベント限定のアイコン画像の選択を受け付ける。
【0065】
以上のように、本実施形態の配信システムによれば、イベント中にアイコンの表示態様を参加者に選択させることにより、イベントを盛り上げ、また参加者の一体感を演出することができる。これにより、従来オンラインイベントにおいて達成できていなかった、参加者の主体的な参加や「雰囲気を楽しむ」ということが可能となる。またデジタルコンテンツの共同視聴においてコミュニケーションを活性化し、新たな楽しみ方を提供することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 :サーバ装置
2 :参加者端末
11 :登録手段
12 :表示手段
13 :アイコン制御手段
14 :アイコン設定手段
15 :集計手段
NW :ネットワーク
B1 :スタンプボタン
B2 :縁取りボタン
B3 :アイコンボタン
E1 :特殊効果
E2 :特殊効果
W1 :イベント画面
W11 :再生部
W12 :参加者表示部
W121 :ゲスト表示部
W122 :一般参加者表示部
W13 :操作部
W2 :マイページ
W3 :登録画面
W31 :編集部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9