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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079350
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】パネル体における上動規制構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
E04B2/74 511Z
E04B2/74 511D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192778
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正史
(57)【要約】
【課題】支柱2に対して上下動することで係脱自在に取り付けられたパネル体1が、地震等により上動して支柱2から脱落してしまうことを補強された状態で防止する。
【解決手段】支柱2に上下動することで係脱されるパネル体1の上端縁部に、天井レール5にビス固定された上動規制具14を配設して、パネル体1の上動規制をして支柱2から外れないようにする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱の見付け面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取り付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、上端縁部が天井面に設けた天井レールの見付け面に対向する状態で支柱に取り付けてなるパネル体において、
天井レールの見付け面に、パネル体の上端縁部に対向していて、スリットが取り付け金具から抜け出る状態のパネル体の上動規制をする上動規制具が取り付けられていることを特徴とするパネル体における上動規制構造。
【請求項2】
上動規制具は、パネル体が支柱の左右に隣接する状態で取り付けられるものである場合に、該左右に隣接する両パネル体の上端部間に亘って設けられて、両パネル体の上動規制をすることを特徴とする請求項1記載のパネル体における上動規制構造。
【請求項3】
上動規制具は、支柱が内嵌している天井レールの見付け面にビス固定により取り付けられることを特徴とする請求項1または2記載のパネル体における上動規制構造。
【請求項4】
上動規制具は、硬質または半硬質のゴム質弾性材で形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のパネル体における上動規制構造。
【請求項5】
パネル体の上端縁部に当接してパネル体の支柱からの脱落防止をする脱落防止片部を備えた脱落防止具が設けられ、
上動規制具は、脱落防止片部の上側に当接するよう配されていて脱落防止具と協働してパネル体の上動規制をすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のパネル体における上動規制構造。
【請求項6】
脱落防止具が、パネル体が左右に隣接する状態で取り付けられたものである場合に、該隣接しているうちの一方のパネル体の隣接端縁部側の上端縁部の上動規制をするべく設けられ、他方のパネル体の隣接端縁部側には設けられていないものにおいて、
上動規制具は、脱落防止具が設けられたパネル体の上端縁部に配される脱落防止片部と、脱落防止具が設けられていないパネル体の上端縁部とに亘って設けられることを特徴とする請求項2を引用する請求項3乃至5の何れか1記載のパネル体における上動規制構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切りパネル等のパネル体における上動規制構造の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、間仕切りパネル体等に用いられるパネル体を、天井面と床面とのあいだに立設した支柱に取り付けるようにしたものがあり、この場合に、支柱に上下方向複数設けた係止孔に取り付け金具を係止し、該取り付け金具に、パネル体に設けたスリットを嵌合せしめた状態でパネル体を下ろすことで抜け止め状に係止させ、これによってパネル体の支柱に対する取り付け支持をするように構成したものが提唱されている(例えば特許文献1参照)。
そしてこのものでは、パネル体が単純に取り付け金具に上側から係止したものであるため、地震の振動を受けてパネル体が不用意に持ち上げられることで取り付け金具からの係止が外れて脱落することが想定され、そこで天井面に設けた天井レールにビス固定された脱落防止金具を用いてパネル体の上動規制をすることで脱落防止をする構成にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6892304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記従来の脱落防止具は、左右に隣接するパネル体のうちの一方のパネル体の脱落防止をするものとして有効であるものの、一方のパネル体を取り付けた状態で、他方のパネル体を取り付ける前の段階で取り付ける必要があって、既存のパネル体に取り付ける等の簡便な取り付けができない等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、支柱の見付け面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取り付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、上端縁部が天井面に設けた天井レールの見付け面に対向する状態で支柱に取り付けてなるパネル体において、天井レールの見付け面に、パネル体の上端縁部に対向していて、スリットが取り付け金具から抜け出る状態のパネル体の上動規制をする上動規制具が取り付けられていることを特徴とするパネル体における上動規制構造である。
請求項2の発明は、上動規制具は、パネル体が支柱の左右に隣接する状態で取り付けられるものである場合に、該左右に隣接する両パネル体の上端部間に亘って設けられて、両パネル体の上動規制をすることを特徴とする請求項1記載のパネル体における上動規制構造である。
請求項3の発明は、上動規制具は、支柱が内嵌している天井レールの見付け面にビス固定により取り付けられることを特徴とする請求項1または2記載のパネル体における上動規制構造である。
請求項4の発明は、上動規制具は、硬質または半硬質のゴム質弾性材で形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のパネル体における上動規制構造である。
請求項5の発明は、パネル体の上端縁部に当接してパネル体の支柱からの脱落防止をする脱落防止片部を備えた脱落防止具が設けられ、上動規制具は、脱落防止片部の上側に当接するよう配されていて脱落防止具と協働してパネル体の上動規制をすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のパネル体における上動規制構造である。
請求項6の発明は、脱落防止具が、パネル体が左右に隣接する状態で取り付けられたものである場合に、該隣接しているうちの一方のパネル体の隣接端縁部側の上端縁部の上動規制をするべく設けられ、他方のパネル体の隣接端縁部側には設けられていないものにおいて、上動規制具は、脱落防止具が設けられたパネル体の上端縁部に配される脱落防止片部と、脱落防止具が設けられていないパネル体の上端縁部とに亘って設けられることを特徴とする請求項2を引用する請求項3乃至5の何れか1記載のパネル体における上動規制構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、地震の揺れを受ける等して不用意に上動して支柱からパネル体が脱落することを、単純に天井レールの見付け面に設けた上動規制具によって防止することが、仮令既設のパネル体であっても簡単にできることになり、作業性の向上を図ることができる。
請求項2の発明とすることにより、上動規制具が、左右に隣接して設けられるパネル体の上端縁部間に亘って設けられることになって、一つの上動規制具が両パネル体の上動規制をすることになって二つ用意する必要がなく構造の簡略化が図れることになる。
請求項3の発明とすることにより、上動規制具の躯体側への取り付けが、天井レールだけでなく支柱も含めたものとなって強度アップが図れることになる。
請求項4の発明とすることにより、上動規制具が、硬質または半硬質のゴム質弾性材で形成されているため、パネル体が地震を受けて急激に上動した場合に、硬質または半硬質のゴム質弾性材によるゴム弾性を受けながらの上動規制が成されることになって、パネル体への衝撃を緩和しながらの上動規制ができることになる。
請求項5の発明とすることにより、パネル体の支柱からの脱落防止をする脱落防止片部を備えた脱落防止具が設けられものにおいて、上動規制具が、脱落防止片部の上側に当接するよう配されて脱落防止具と協働してパネル体の上動規制をすることになる結果、パネル体の上動規制がより補強された確実なものとなる。
請求項6の発明とすることにより、上動規制具が、脱落防止具による脱落防止機能が働くパネル体だけでなく、該パネル体に隣接する脱落防止具による脱落防止機能が働かないパネル体の上端縁部にも至る状態で設けられる結果、脱落防止具と上動規制具による協働したパネル体の上動規制が、他方のパネル体においても発揮されることになって、隣接するパネル体の補強された上動規制がなされることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】間仕切りパネルの斜視図である。
図2】間仕切りパネルの要部正面図である。
図3】間仕切りパネルの要部斜視図である。
図4】間仕切りパネルの分解斜視図である。
図5】(A)(B)は間仕切りパネルの要部縦断面図、遊端側から見た要部側面図である。
図6】(A)(B)(C)は第二脱落防止具、第一脱落防止具、第三脱落防止具が取り付けられる部位のパネル体上端部の要部斜視図である。
図7】(A)(B)(C)は第一脱落防止具を取り付ける手順を示した作用説明図である。
図8】(A)(B)は第二脱落防止具を取り付ける手順を示した作用説明図である。
図9】(A)(B)(C)(D)は第一脱落防止具の正面図、平面図、側面図、斜視図である。
図10】(A)(B)(C)(D)は第二脱落防止具の正面図、平面図、側面図、斜視図である。
図11】(A)(B)は第三脱落防止具の正面図、斜視図、(C)(D)(E)は上動規制具の正面図、側面図、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は間仕切り用のパネル体、2は該パネル体1を取り付けるための支柱であって、該支柱2の下端部は床面Fに設けられる床レール3に取り付けられる。これに対し支柱2は、上端部に上下方向調節移動自在に支持金具4が嵌入したものとして構成されるが、該支持金具4は、上端部が天井面Cに設けた冂字形の天井レール5の脚片部5bに内嵌する状態で、支持金具4の上端縁部に設けた舌片4aを天井レール5の見込み面となる跨片部5aにビス4bを介して締結する構成になっており、このよう構成されることで支持金具4を含めた支柱2は、床レール3、天井レール4と共に躯体側に取り付けられた躯体側部材となっている。
そして前記支柱2の見付け面(表裏面)2aの左右両側には、上下方向に適間隔を存して係止孔(スリット)2bが穿設されており、該係止孔2bには、略H字形をした取り付け金具6の一片6aが支柱2内に嵌入し、他片6bが支柱2の表裏面から突出し、細首状になった胴部6cの下端縁が係止孔2bの下端縁に係止する状態で取り付け金具6が支柱2に組み込まれている。
【0009】
一方、パネル体1の左右両端部のパネル裏面には、前記係止孔2bに対応するスリット(係止孔)1aが設けられている。そしてパネル体1は、取り付け位置よりも少し持上げた状態にして取り付け金具6の他片6bに嵌合した状態で降ろすことにより他片6bがパネル体1内に嵌入し、胴部6cの上端縁がスリット1aの上端に係止する状態となり、これによってパネル体1は、上下端部が天井レール5と床レール3とにオーバーラップする状態で支柱2に取り付けられるようになっている。
【0010】
7、8は前記取り付けられたパネル体1の脱落防止をするための第一、第二脱落防止具であって、該第一脱落防止具7は、パネル体1が左右に隣接する場合の一方のパネル体1の隣接側端縁部の上動規制をして該一方のパネル体1の脱落防止をするものであり、第二脱落防止具(本発明の「脱落防止具」に相当する。)8は、遊端となるパネル体1の遊端側端縁部の上動規制をして該パネル体1の脱落防止をするものである。
【0011】
前記第一脱落防止具7は、左右方向に長い縦板状の見付け片部7aと、該見付け片部7aの左右方向一半(先端)側の上端縁部から水平板状(逆L字形)に折曲された脱落防止片部7bと、見付け片部7aの左右方向他端(基端)側から下方に延長する状態で垂下する垂下片部7cとを備えて構成され、支柱2に左右のパネル体1が隣接して取り付けられるものにおいて、先行して支柱2に取り付けられた一方のパネル体1に対し、他方のパネル体1が支柱2に取り付けられる前の段階で取り付けられて該一方のパネル体1の脱落防止をするものである。
【0012】
この場合に前記第一脱落防止具7は、まず、見付け片部7aが支柱2の見付け面2aに対向し、脱落防止片部7bが形成される先端側部位が天井レール5の脚片部5bとパネル体1の裏面との間に挿入され、さらに脱落防止片部7bが、先行取り付けされたパネル体1の隣接側端縁部の上端縁部1bに当接する状態となり、さらに垂下片部7cを折曲することで折曲片部7dが形成されるが、この折曲片部7dの端縁を、支持金具4の見付け面4cの端縁(見込み面4dが該側にある場合には見込み面4d)に当接せしめた状態にセットする。
次いで見付け片部7aのパネル体1から露出している部位をビス7eを介して天井レール5に固定することで、第一脱落防止具7が躯体側部材である天井レール5に固定されることになり、このように構成することで、前記支柱2に先行して取り付けられたパネル体1は、地震の縦揺れ等により上動しようとしたときに、該パネル体1の隣接側端縁部の上動が脱落防止片部7bによって規制され、これによって先行して取り付けられるパネル体1の脱落防止が果たせるように構成されている。
【0013】
そしてこのように、第一脱落防止具7が天井レール5に取り付けられることにより先行して取り付けられたパネル体1の脱落防止がなされた後、隣接するパネル体1を同じ支柱見付け面2aに後行して取り付けることで、隣接するパネル体1同士は、支柱2を介して左右方向一連状に取り付けられると共に、第一脱落防止具7を取り付け固定するためのビス7eを含めて、見付け片部7aの先行して取り付けられたパネル体1から露出する部位の殆どが後行して取り付けられるパネル体1に覆蓋されることになって、隣接パネル1間の隙間部分のみが目視されるように設定されている。
【0014】
これに対し第二脱落防止具8は、壁W等の躯体側部材もない状態で遊端となる支柱2に取り付けられるパネル体1の遊端側端縁部の上動規制をしてパネル体1の脱落防止をするものであって、該支柱2の見込み面2dの上端縁部に当接する見込み片部8aと、該見込み片部8aの見込み方向(前後方向)両端縁部から折曲されて第二脱落防止具8の脚片となる見付け片部8bと、該見付け片部8bの上端縁部から前後方向外方に向けて折曲され、パネル体1の上端縁部1bに当接することで、スリット1aが取り付け金具6から抜け出る方向のパネル体1の上動規制をして該パネル体1が支柱2から脱落するのを防止するための脱落防止片部8cとを備えて構成されている。
【0015】
この場合に第二脱落防止具8は、見付け片部8bが縦片部8dと上片部8eとによって逆L字形に形成され、該上片部8eの先半側上端縁部に脱落防止片部8cが折曲形成されたものとなっており、遊端となる支柱2にパネル体1が取り付けられた状態のものに取り付けられることになるが、この場合に、前記上片部8eの先半側上端縁部を、パネル体1と天井レール5の脚片部5bとのあいだに挿入した状態で、さらに脱落防止片部8cをパネル体1の遊端となる側の端縁部の上端縁部1bに当接する状態にセットする。このセット状態で、前記見込み片部8aをビス10を介して支柱2の遊端となる見込み面2dに取り付け固定することで、第二脱落防止具8の支柱2に対する取り付けができるようになっている。
【0016】
そしてこのように遊端になる支柱2は、正面である見付け面2aのパネル体1が組み付けられる側の半部は、該パネル体1によって覆われるが、見付け面2aの遊端側半部および見込み面2dは、第二脱落防止具8の見込み片部8aおよびパネル体1によって覆われていない部位の見付け片部8bと共に露出した状態になっており、そこで本実施の形態においては、上端縁部が天井面Cにまで至る平面視でコ字形をしたコーナーポスト11を取り付けて前記露出する部位を覆蓋するように構成されていると共に、天井レール5の先端部(遊端部)についても蓋材5cにより覆蓋され、意匠性の向上が図られたものとなっている。
【0017】
また本実施の形態においては、壁Wに近接する部位(壁際部位)において遊端となる支柱2に取り付けられるパネル体1の遊端側端縁部においての上動規制をして該パネル体1の脱落防止をするため、さらに第三脱落防止具12が用いられている。
この第三脱落防止具12は、支柱2にパネル体1が取り付けられた状態で、該パネル体1の遊端側端縁部の上端縁部1bに当接する脱落防止片部12aと、該脱落防止片部12aから上方に向けて折曲形成されていて、天井レール5の脚片部5bにビス12cを介して固定される固定片部12bとを備えたL字形をしたもので構成されている。
因みにこのものでは、前記支柱2に取り付けられたパネル体1の上動による脱落防止が第三脱落防止具12によってなされるが、支柱2の壁W側の部位は、平面視でコ字形をした壁レール13に内嵌する状態で設けられていてパネル体1と壁Wとのあいだの隙間を塞ぐように構成されている。
【0018】
このように本実施の形態のものでは、パネル体1の上端縁部1bに当接してパネル体1の上動規制をして該パネル体1の支柱2からの脱落防止をする脱落防止片部7b、8c、12aが形成された第一、第二、第三脱落防止具7、8、12が設けられたものとなっており、このように第一、第二、第三脱落防止具7、8、12が設けられることで、左右にパネル体1が隣接するよう配されたパネル体1については、一端側が第一脱落防止具7によって上動規制されたものとなっているが、他端側は第一脱落防止具7による直接の上動規制作用は受けないものとなっている。これに対し、遊端となるパネル体1については、遊端となる側の端縁部の上端縁部1bが第二脱落防止具8により上動規制されたパネル体1は、前記隣接するパネル体1と同様、遊端となる一端側では上動規制されるが、パネル体に隣接する他端側では上動規制されないものとなる一方、第三脱落防止具12によって遊端側端縁部が脱落防止作用を受ける壁W際のパネル体1については、パネル体1に隣接する側の端縁部は第一脱落防止具7による上動規制作用を受けたものとなっている。
そこでこのような各種のパネル体1において、さらにパネル体1の脱落防止を確実にするため、これら第一、第二、第三脱落防止具7、8、12と協働してパネル体1の上動規制をする上動規制具14が設けられている。
【0019】
前記上動規制具14は、硬質または半硬質のゴム質弾性材を用い、左右方向に横長な四角柱状をしたもので形成され、左右方向中央部にビス孔14aが穿設されている。
そして第二、第三脱落防止具8、12に対応して設けられる上動規制具14は、遊端となるパネル体1の端縁部の上端縁部1bに当接する脱落防止片部8c、12aの上面に積層する状態で配設され、支柱2の上方に位置するビス孔14aに貫通したビス14bを天井レール5の脚片部5bに螺入することで躯体側に取り付け支持されるようになっている。この場合にビス14bは、天井レール5の脚片部5bと共に、支柱2を構成する支持金具4の見付け面部4cにも螺入することになって補強が図られている。
そしてこのようにして取り付けられた上動規制具14は、前記第二、第三脱落防止具8、12の脱落防止片部8c、12aと共にパネル体1の上動規制を協働して行うことになってパネル体1の支柱2からの脱落防止機能が補強されるように構成されている。
【0020】
これに対し、左右に隣接するパネル体1のうちの一方のパネル体1の脱落防止をするための第一脱落防止具7に対応して設けられる上動規制具14は、第一脱落防止具7側の半部が該第一脱落防止具7に形成される脱落防止片部7bの上面に積層する当接状態で配され、逆側の半部が他方の脱落防止具7が設けられていないパネル体1の上端縁部1bに近接対向する状態(設計上では脱落防止片部7bの板厚分、離間する状態)で設けられる。
この結果、第一脱落防止具7により脱落防止される一方のパネル体1の、他方のパネル体1に隣接する側の端縁部については、前記第一脱落防止具7と上動規制具14とによる協働した一方のパネル体1の上動規制機能を発揮できることになるが、第一脱落防止具7が設けられていない側の他方のパネル体1の、一方のパネル体1に隣接する側の端縁部の上端縁部1bについても、前記一方のパネル体1側において脱落規制具による上動規制機能が付加された上動規制具14による上動規制機能が発揮されることになって、第一脱落防止具7が設けられた側のパネル体1と同等の補強された上動規制機能が発揮されるようになっている。
【0021】
叙述の如く構成された本実施の形態において、支柱2に取り付け金具6を介して係脱自在に取り付けられたパネル体が、地震の揺れを受ける等して不用意に上動して支柱2から脱落することを、天井レール5の見付け面となる脚片部5bにビス14bを介して取り付けられる上動規制具14によって防止することでできることになる。そして該上動規制具14は、単純に天井レール5にビス固定すればよいため、パネル体1が既設されたものであっても、既設されたそのままの状態で簡単に取り付けることができ、作業性の向上を図ることができる。
そしてこの場合に、上動規制具14が硬質または半硬質のゴム質弾性材で形成されるため、パネル体1が地震を受けて急激に上動した場合に、硬質または半硬質のゴム質弾性材によるゴム弾性を受けながらの上動規制が成されることになって、パネル体1への衝撃を緩和しながらの上動規制ができるという利点がある。
【0022】
しかもこの場合に、上動規制具14が、パネル体1が支柱2の左右に隣接するものに取り付けられる場合に、該左右に隣接する両パネル体1の隣接側端縁部の上端縁部1b間に亘って設けられたものとなっている結果、隣接する両パネル体1の上動規制を一つの上動規制具14によってできることになって部材の兼用化が図れ、部品点数の低減も達成する。
【0023】
さらにこのものでは、パネル体1の支柱2からの脱落防止をするため、脱落防止片部7b、8c、12aを備えた第一、第二、第三脱落防止具7、8、12が設けられたものとなっており、そして上動規制具14が、脱落防止片部7b、8c、12aの上側に当接するよう配されたものとしている結果、対応する第一、第二、第三脱落防止具7、8、12と協働したパネル体の上動規制がなされることになって、パネル体の上動規制がより補強された確実なものとなる。
【0024】
しかもこの場合に、パネル体1が左右に隣接する状態で取り付けられたもののパネル体1同士の隣接端縁部においては、第一脱落防止具7が、該隣接しているうちの一方のパネル体1の隣接端縁部側の上端縁部1bの上動規制をするべく設けられ、他方のパネル体1の隣接端縁部側には設けられていないものとなっているが、この場合において上動規制具14は、一方のパネル体1の隣接端縁部の上端縁部1bに配された第一脱落防止具7の脱落防止片部7cと、第一脱落防止具7が設けられていない他方のパネル体1の隣接端縁部側の上端縁部1bとに亘って設けられたものとなっている結果、前記上動規制具14と第一脱落防止具7との協働する上動規制機能が、一方のパネル体1側だけでなく他方のパネル体1にも発揮されることになって、隣接するパネル体1について補強された上動規制がなされることになる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、間仕切りパネル等のパネル体の上動規制構造として利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 パネル体
1a スリット
1b 上端縁部
2 支柱
2b 係止孔
5 天井レール
5b 脚片部
8 第二脱落防止具
8a 見込み片部
8b 見付け片部
8c 脱落防止片部
12 第三脱落防止具
12a 脱落防止片部
14 上動規制具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11