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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079355
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】健康器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/04 20060101AFI20230601BHJP
   A63B 21/06 20060101ALI20230601BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A63B23/04 Z
A63B21/06
A61H1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192786
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】592025650
【氏名又は名称】株式会社エイ・シー・エム
(71)【出願人】
【識別番号】500070123
【氏名又は名称】及川 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】及川 正人
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA47
4C046AA48
4C046BB01
(57)【要約】
【課題】全身の筋肉と関節の拘縮を改善する健康器具を提供する。
【解決手段】メインユニット1と、補助ユニット2とを備える。メインユニットは、ベース台盤上の後端部に所望間隔で立設した一対の装着用支柱部と、可動部本体の一端部側に回転取付用の取付軸を有し、取付軸の両端部を両支柱部の上端部に設けた軸受部に回転自在に支持させて装設した負荷付与可動部と、両支柱部の前方側に位置させて台盤上に立設し、負荷付与可動部の下方向側への回転可動範囲を規制する一対の可動範囲規制用支柱部とを備える。補助ユニットはメインユニットの前方側に位置させて設けた取付用支柱部に高さを調整可能に支持させて設けた支持用テーブル部を備える。利用者はベース台盤上に乗り、両腕又は両肘及び頭部をテーブル部上に当接した状態で、負荷付与可動部で利用者に負荷を付与しながら両膝を屈伸させる運動を所望回数繰り返して行なうように構成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全身の筋肉及び関節の拘縮を予防ないし改善するために使用する健康器具であって、
メインユニットと、補助ユニットとを備え、
前記メインユニットは、
ベース台盤と、当該ベース台盤上の後端部側に所望間隔で固定して鉛直に立設した所望長さの一対の装着用支柱部と、可動部本体の一端部側に回転取付用の取付軸を有すると共に他端部側にウエイトリング取付棒を有し、前記取付軸の両端部を前記両支柱部の上端部に設けた軸受部にそれぞれ回転自在に支持させ、前記取付軸の両端部を支点として上下方向に回転可能に可動するように前記両支柱部に装設した負荷付与可動部と、上端部に載置部を有し、前記両支柱部と略同一間隔で前記両支柱部の前方側に位置させて前記台盤上に固定して鉛直に立設し、前記ウエイトリング取付棒を前記載置部上に載置して支持し、前記負荷付与可動部の下方向側への回転可動範囲を規制する所望長さの一対の前記負荷付与可動部の可動範囲規制用支柱部とを備え、
前記補助ユニットは、
前記メインユニットの前方部側に位置させて配置され、鉛直に立設した所望長さの取付用支柱部と、当該支柱部に上下方向に高さを調整可能に支持させて設け、前記健康器具の利用者の両腕又は両肘及び頭部を当接して支持する支持用テーブル部とを備え、
前記利用者は、前記ベース台盤上に乗り、前屈して両腕又は両肘及び頭部を前記支持用テーブル部の上面に当接し、この状態を保持したままで、前記負荷付与可動部で前記利用者に負荷を付与し乍ら両膝を伸ばす運動と両膝を曲げる運動を所望回数繰り返して行なうように構成した健康器具。
【請求項2】
請求項1に記載の健康器具において、少なくとも前記両可動範囲規制用支柱部は、前記ベース台盤の上面から前記両支柱部の上端部までの高さを調整可能に構成した健康器具。
【請求項3】
前記両可動範囲規制用支柱部及び前記両装着用支柱部は、前記ベース台盤の上面から前記両可動範囲規制用支柱部及び前記両装着用支柱部の上端部までの高さを調整可能に構成した請求項1に記載の健康器具。
【請求項4】
前記補助ユニットの前記取付用支柱部は、前記ベース台盤上に固定して立設されている請求項1ないし3のいずれかに記載の健康器具。
【請求項5】
前記補助ユニットは前記メインユニットに接近・離反させるように、前記メインユニットに対して前後方向に移動可能に構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の健康器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康器具、さらに詳しくは、人体の全身の筋肉及び関節の拘縮を予防ないし改善するために使用する健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛、背中の痛み、首の痛みを総称してバックペイン(背中の痛み)と言う。背中の関節以外の手足の関節の痛み(肩、ひじ、手、股、ひざ、足関節)を総称してジョイントペイン(関節の痛み)と言う。
【0003】
背中の痛み(バックペイン)や手足の関節の痛み(ジョイントペイン)は、関節を覆う膜(皮膚、神経、血管、筋膜、筋肉、靭帯、軟骨など)の弾力の異常が原因で起きている。全身には約206個の骨から構成される約200個の関節が存在する。
【0004】
健康な状態であれば、それぞれの関節に約8方向に約1ミリずれて復元する最先端の免震構造システムのような機能が備わっているので、年齢に関係なく関節の痛みに悩まされることはほとんどない。
【0005】
上記機能は、巨大地震の衝撃を約10分の1以下に緩衝する免震構造システムに勝るとも劣らない働きをしてヒトの体をけがや痛みから防御している。この機能をジョイントプレイ(関節の遊び)と言う。ジョイントプレイがある限り、腰背部痛や手足の関節の痛みに苦しむことはないものである。
【0006】
上記機能が失われる原因として、外傷、炎症、悪性腫瘍、奇形、先天異常などが考えられる。
【0007】
上記したような事が引き金になって、まづ最初に下半身の筋肉の拘縮(手技療法やリハビリテーションを行なうことで改善可能な状態を拘縮という。)が起こる。この状態を放置すると、最終的に脊椎や骨盤そして下肢や上肢の関節の拘縮が起きるケースになってしまう。
【0008】
上述したように、下半身の筋肉の拘縮を放置すると、脊椎や骨盤及び下肢や上肢の関節の拘縮が起る。即ち、例えば、下肢の筋肉の拘縮を放置すると、本来の下肢の機能を代償することで、やがて脊椎や骨盤の関節(仙腸関節、腰山関節など)に関節炎が引き起こされることになり、結果として腰痛や背中の痛み、首の痛みが起きる。
【0009】
そして、さらに関節炎が進行すると、膝や股関節及び足関節の関節炎(下肢の関節の拘縮)に悩むことになる。そして、さらに下肢の関節炎や腰痛(腰の関節炎)をかばうために、例えば椅子から立ち上がるなどの体重移動の際に、上肢の力に頼る結果、最終的に上肢の関節炎に悩む結果になる。
【0010】
したがって、関節炎が重症化するのを防止するためには、下肢の筋力の拘縮をできる限り初期の状態で改善することが肝要である。
【0011】
従来、上下方向へ可動可能に設けたローラーパッド(操作パッドとも言う)と、着座部と、ローラーパッドに負荷(重量)を付与する負荷付与手段とを備え、利用者が着座部に着座した姿勢で両脚でローラーパッドを上下動して膝を屈伸(レッグエクステンション/カール)する各種の型式のトレーニングマシーンが一般に知られている(例えば、特許文献1~3等参照)。
【0012】
特許文献1~3のトレーニングマシーンによれば、下肢の筋力を強化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実公平7-45241号公報
【特許文献2】特開2006-296862号公報
【特許文献3】特許第4648720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1~3のトレーニングマシーンは、専ら筋力を強化することを目的とするもので、これらのマシーンを使用してトレーニングをすることにより、下肢の筋力を強力にするためには有効的である。
【0015】
しかし、特許文献1~3の各トレーニングマシーンは、着座部に着座した姿勢で、ローラーパッドを上下動して屈伸運動(レッグエクステンション/カール)を行なうものであるため、下肢の筋力を強化することはできるが、下肢の筋肉の拘縮を改善することはできない。そのため、脊椎や骨盤及び下肢や上肢の関節の拘縮が起こる原因になるおそれを有している。
【0016】
そこで、本発明者は本願発明に先行して、特開2021-108907号公報に記載の健康器具(以下、「先行発明」という。)を開発した。
【0017】
先行発明は上記公報に記載されているように、メインユニットと、メインユニットの前方部側に配設した補助ユニットとを備える。メインユニットは、ベース台盤と、ベース台盤上の後端部側に立設したガイド用支柱部と、このガイド用支柱部に上下方向に移動可能に装設した負荷付与可動部とを備える。補助ユニットは、補助台盤と、この台盤上に立設した取付用支柱部に高さ調節可能に支持させて設けた支持用テーブル部とを備える。利用者は、ベース台盤上に乗り、前屈して両腕又は両肘及び頭部を支持用テーブル上に当接し、この状態を保持したままで、負荷付与可動部で負荷を付与しながら両膝を伸ばす運動と曲げる運動を所望回数繰り返して行なうように構成されている。
【0018】
先行発明によれば、下肢の筋肉を初期の状態で改善して、全身の筋肉及び関節の拘縮を改善することができる。しかし、先行発明は以下のような点において改良すべき問題が残されている。
【0019】
即ち、先行発明は摺動杆体をガイド用支持部に対して摺動して負荷付与可動部を上下方向に可動させるように構成されているので、例えばガイド用支持部が傾斜したりした場合等には負荷付与可動部が円滑に可動しないおそれを有している。そのため、メンテナンス等の作業等に手間が掛る問題等を有している。
【0020】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、先行発明の有する上記問題を解消して負荷付与可動部を円滑に可動させ、下肢の筋肉の拘縮をできる限り初期の状態で改善することにより、全身の筋肉及び関節の拘縮を改善し、もって、関節炎の発症及びその重症化を予防し、健康な状態を維持できる健康器具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明(第1の発明)は、全身の筋肉及び関節の拘縮を予防ないし改善するために使用する健康器具であって、
メインユニットと、補助ユニットとを備え、
前記メインユニットは、
ベース台盤と、当該ベース台盤上の後端部側に所望間隔で固定して鉛直に立設した所望長さの一対の装着用支柱部と、可動部本体の一端部側に回転取付用の取付軸を有すると共に他端部側にウエイトリング取付棒を有し、前記取付軸の両端部を前記両支柱部の上端部に設けた軸受部にそれぞれ回転自在に支持させ、前記取付軸の両端部を支点として前記可動部本体側を上下方向に回転可能に可動するように前記両支柱部に装設した負荷付与可動部と、上端部に載置部を有し、前記両支柱部と略同一間隔で前記両支柱部の前方側に位置させて前記台盤上に固定して鉛直に立設し、前記ウエイトリング取付棒を前記載置部上に載置して支持し、前記負荷付与可動部の下方向側への回転可動範囲を規制する所望長さの一対の前記負荷付与可動部の可動範囲規制用支柱部とを備え、
前記補助ユニットは、
前記メインユニットの前方部側に位置させて配置され、鉛直に立設した所望長さの取付用支柱部と、当該支柱部に上下方向に高さを調整可能に支持させて設け、前記健康器具の利用者の両腕又は両肘及び頭部を当接して支持する支持用テーブル部とを備え、
前記利用者は、前記ベース台盤上に乗り、前屈して両腕又は両肘及び頭部を前記支持用テーブル部の上面に当接し、この状態を保持したままで、前記負荷付与可動部で前記利用者に負荷を付与し乍ら両膝を伸ばす運動と両膝を曲げる運動を所望回数繰り返して行なうように構成したことを特徴とする。
【0022】
本発明は他の1つの発明(第2の発明)は、第1の発明の健康器具において、少なくとも前記両可動範囲規制用支柱部は、前記ベース台盤の上面から前記両支柱部の上端部までの高さを調整可能に構成したことを特徴とする。
【0023】
本発明のさらに他の1つの発明(第3の発明)は、第1の発明の健康器具において、前記両可動範囲規制用支柱部及び前記両装着用支柱部は、前記ベース台盤の上面から前記両可動範囲規制用支柱部及び前記両装着用支柱部の上端部までの高さを調整可能に構成したことを特徴とする。
【0024】
本発明のさらに他の1つの発明(第4の発明)は、第1ないし第3の発明の健康器具において、前記補助ユニットの前記取付用支柱部は、前記ベース台盤上に固定して立設されていることを特徴とする。
【0025】
本発明のさらに他の1つの発明(第5の発明)は、第1ないし第3の発明の健康器具において、前記補助ユニットは前記メインユニットに接近・離反させるように、前記メインユニットに対して前後方向に移動可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)負荷付与可動部は、取付軸の両端支持部を支点として上下方向に回転(回旋)可動させるように構成されているので、負荷付与可動部を上下方向に円滑良好に回転可動させることができる。
(2)下肢の筋肉の拘縮を初期の状態で改善して全身の筋肉及び関節の拘縮を改善し、これにより、関節炎の発症及び重症化を未然に予防し得る健康器具を提供することができる。
(3)第2及び第3の発明によれば、利用者の身長等に対応して、可動範囲規制用支柱部ないし装着用支柱部の高さを自由に調節することができる。
(4)第5の発明によれば、利用者の身長等に対応して、メインユニットに対する補助ユニットの配置位置を自由に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態の健康器具の構成を概略的に示す説明側面図である。
図2】前記健康器具の構成を概略的に示す説明平面図である。
図3】前記健康器具を正面図側及び背面側から見た図であって、同図(a)は負荷付与可動部及び両装着用支柱部を省略し、その構成を概略的に示す説明正面図、同図(b)は説明背面図である。
図4】前記健康器具の装着用支柱部の上端軸受部側を拡大し、その構成を概略的に示す図であって、同図(a)は説明平面図、同図(b)は説明平面図である。
図5】前記健康器具の作用状態を説明するために示す作用説明図である。
図6】前記健康器具の使用状態の一例を示す説明図である。
図7】同じく前記健康器具の使用状態の一例を示す説明図である。
図8】本発明の別実施形態の健康器具の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は前記器具の補助ユニットを示す説明斜視図、同図(b)は前記健康器具の要部を示す説明側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。
【0029】
図1ないし図7は本発明の一実施形態の健康器具を示す。本実施形態(実施形態1)の健康器具100は、人体の全身の筋肉及び関節の拘縮を予防ないし改善するために使用する健康器具であって、メインユニット1と補助ユニット2とを備える。
【0030】
メインユニット1は、ベース台盤10と、ベース台盤10上の後端部側に所望間隔で固定して鉛直ないし略鉛直に立設した所望長さの一対の装着用支柱部11、11と、両支柱部の上端部に回転自在に支持させ、この支持部を支点として上下方向に回転可能に可動するように両支柱部に装設した負荷付与可動部3と、両支柱部11、11間の間隔と略同一間隔で両支柱部11の前方側(前方部側)に位置させて前記台盤10上に固定して鉛直ないし略鉛直に立設し、負荷付与可動部3の下方向側への回転可動範囲を規制する所望長さの一対の可動範囲規制用支柱部12、12とを備える。
【0031】
本実施形態では、両装着用支柱部11として、角形(四角形断面)の管状支柱体を採用している。両両装着用支柱部11は、下部側支柱体11aと、この支柱体11aに長手方向(上下方向)へ移動可能に嵌挿して設けた上部側支柱体11bとで構成され、下部側支柱体11aをベース台盤10上に固定して立設されている。
【0032】
本実施形態の両装着用支柱部11の上部側支柱体11bは、上下方向へ所望間隔(例えば約2cm~3cm間隔)で所望数(例えば4~6個程度)設け、ボルト等13を螺合する高さ調整用のネジ孔14(又はボルト等の挿入孔)を備える。また、下部側支柱体11aは、所望の部位に位置させて前記ボルト等13を螺合して挿入する係止固定用のネジ孔等(符号は図示せず)を備える。
【0033】
そして、下部側支柱体11aに上部側支柱体11bを、装着用支柱部11の高さを所望の高さに調整して嵌入し、ボルト等13を螺合して締め付けて両支柱体11a、11b同士を固定する。これにより、両装着用支柱部11の高さ(ベース台盤の上面から両上端側支柱体11bの上端部までの高さ)を所望の高さに段階的に調整できるように構成されている。この場合において、前記構成とは別の手段により、両支柱体11a、11b同士を固定するように構成してもよい。
【0034】
前記両装着用支柱部11は上端部に負荷付与可動部3の後述する回転取付用の取付軸を回転自在に支持する軸受部15、15を備える。本実施形態の両軸受部15は、それぞれ一対の取付用板状体15a、15aと、両板状体15aに固定して取付ける軸受用管状体15bとを備える。そして、両軸受部15は前記両支柱部11の上端部(上部側支柱体の上端部)に前記一対の取付用板状体15a及び管状体15bを対向して取付けることにより構成されている。
【0035】
具体的には図2及び図4(b)に示すように、前記両支柱部11の上部側支柱体11bの外側面及び内側面を前記一対の板状体15aで挟ませて前記両板状体15aの基端部側を前記支柱体11bに固定して前記両一対の板状体15aを前記両支柱体11bに対向して取付けると共に両板状体の先端部側に両軸受用管状体15bを対向して取付けて両軸受部15を構成してある。図中16,16は両支柱部11の上部側支柱体11bの上端に嵌合して設けた弾性保護部材である。
【0036】
前記負荷付与可動部3は、本発明の前記健康器具100の利用者に負荷を付与させるものである。
【0037】
本実施形態の負荷付与可動部3は、所望の間隔で平行に配置して設けた所望の同一長さの一対の可動用杆体31、31と、両可動用杆体31に架橋して両端を両杆体31に固定して梯子状に所望本(図示では2本)設けた補強杆体31とを備えた可動部本体30と、可動部本体30の一端部側に可動用杆体31、31の一端部を固定して設けた回転取付用の取付軸33と、可動部本体30の他端部側を固定して設けたウェイトリング取付棒34とを備える。
【0038】
前記負荷付与可動部3は、回転取付用の取付軸33の両端部を両装着用支柱部11に設けた両軸受部15の軸受用管状体15bに挿入して回転自在に支持させ、取付軸33の両端部を支点として可動部3の可動部本体30側を上下方向に回転(回旋)可能に可動するように両装着用支柱部に装設されている。
【0039】
また、本実施形態の負荷付与可動部3は、可動部本体30の下側に取付けて設けた所望の幅及び長さの略長方形状に形成した木製の板状体35と、板状体35の下面の先端側に装着したクッション性の保護パット36と、このパット36の後部側に位置させて板状体35の下面に設けたクッション性の補助用のパット36aとを備える。前記両パットは本発明の健康器具100の利用者Xの腰部等を保護するために設けたものである。また、利用者Xは健康器具100を使用する際に、図2等に示すようにウエイトリング取付棒34に所望重量のウエイトリング37を着脱可能に取り付けて使用する。
【0040】
前記両可動範囲規制用支柱部12は、負荷付与可動部3の下方向側への回転可動範囲を規制するものである。
【0041】
前記両可動範囲規制用支柱部12は、両装着用支柱部11の前方部側に位置させてベース台盤30上に固定して鉛直ないし略鉛直に立設して配置されている。具体的には、前記負荷付与可動部3が上下方向へ回転可動する際に、ウエイトリング取付棒34の下方向側への回転可動域と対応する部位に位置させて配設されている。
【0042】
本実施形態では、両可動範囲規制用支持部12として、装着用支柱部11と同様に四角形断面の角形の管状支柱体を採用している。両支柱部12は、下部側支柱体12aと、この支柱体12aに、長手方向(上下方向)へ移動可能に嵌挿して設けた上部側支柱体12bとで構成され、下部側支柱体12aをベース台盤10上に固定して立設されている。
【0043】
本実施形態の両支柱部12の上部側支柱体12bは、上下方向へ所望間隔(例えば約2cm~3cm間隔)で所望数(例えば約4~6個程度)設け、ボルト等17を螺合する高さ調整用のネジ孔18(又はボルト等の挿入孔)を備える。また、下部側支柱体12aは、所望の部位に位置させて前記ボルト等17を螺合して挿入するネジ孔等(符号は図示せず)を備える。
【0044】
そして、下部側支柱体12aに上部側支柱体12bを、可動範囲規制用支柱部12の高さを所望の高さに調整して嵌入し、ボルト等を螺合して締め付けて両支柱体11a、11b同士を固定する。これにより、両可動範囲規制用支柱部12の高さ(ベース台盤の上面から両上部側支柱体12bの上端までの高さ)を所望の高さに段階的に調整できるように構成されている。この場合において、装着用支柱部11と同様に、前記構成とは別の構成(手段)により、両支柱体12a、12b同士を固定する構成を採用することも可能である。
【0045】
前記両支柱体12は、上端部(上部側支柱体12bの上端)に固定して設けたウエイトリング取付棒34を載置して受け止める載置部19を備える。これにより、上下方向へ回転(回旋)可動する負荷付与可動部3のウエイトリング取付棒34を載置部19上に載置して支持し、負荷付与可動部のそれ以上の下方向側への回動可能を規制するように構成されている。
【0046】
前記補助ユニット2は、前記メインユニット1の前方部側に位置させて配設されている。
【0047】
本実施形態の補助ユニット2は、メインユニット1の前方部側に位置させて、前記ベース台盤10上に固定して鉛直ないし略鉛直に立設した所望長さの取付用支柱部20と、支柱部20に上下方向へ高さを調整可能に支持させて設け、健康器具100の利用者Xの両腕又は両肘及び頭部を当接して支持する支持用テーブル部21とを備える。
【0048】
本実施形態の取付用支柱部20は管状支柱体20aで形成されている。また、補助ユニット2は支持用テーブル部21の下面に上端を固定し、管状支柱体20aに上下方向に移動可能に嵌挿して設けた高さ調整用の取付杆体22を備える。
【0049】
取付杆体22は、上下方向へ所望間隔(例えば約2cm~3cm間隔)で所望数(例えば4~6個程度)設け、ボルト23を螺合する高さ調整用のネジ孔24を備える。また、管状支柱体20aは、所望の部位に位置させて、前記ボルト23を螺合して挿入する係止固定用のネジ孔(符号は図示せず)を備える。
【0050】
そして、取付杆体22を管状支柱体20aに、支持用テーブル部21の高さを所望の高さに調整して取付杆体22を嵌入し、ボルト23を螺合して締め付けて固定する。これにより、支持用テーブル部21の高さを所望の高さに段階的に調整できるように構成されている。
【0051】
本実施形態(実施形態1)の健康器具100は上記構成を具備して構成されている。次に上記健康器具の使用方法の一例及び作用効果等について説明する。この健康器具100は利用者Xがベース台盤上に乗った状態で使用するものである。
【0052】
前記健康器具を使用して以下に述べる運動(エクササイズ)を行なう前に次の6種類の動きを調べてみると良い。
(a)両足をぴったりと閉じた状態で前屈して指先がつくか否かを調べる。
(b)後屈で痛みや運動制限があるかをチェックする。
(c)及び(d)左右の側屈を調べる。
(e)及び(f)左右の回旋を調べる。
【0053】
前記チェックで、前後、左右の横、及び左右のひねりに運動の差がある場合は筋肉の拘縮を疑う。反対に差がないけれども症状がある場合は関節の拘縮を疑う。
【0054】
そこで、メインユニット1の両装着用支柱部11及び両可動範囲規制支柱部12の高さを所望の高さに調整すると共に補助ユニット2の支持用テーブル部の高さを所望の高さに調整してセットする。
【0055】
1.体を前後に曲げる動き(前屈や後屈)が正常になるエクササイズについて。
【0056】
利用者Xはベース台盤10上に乗り、図6に示すように、利用者の腰部等を負荷付与可動部3の保護パットに当接し、両足をつま先までぴったりと揃えた状態で前屈して両腕或いは両肘及び頭部を支持用テーブル部21の上面に当接し、この状態をできるだけ保持したまま、負荷付与可動部3を押し上げ(上方へ回転)しながら図7に示すように両膝を伸ばしてみる。本実施形態の健康器具の負荷付与可動部の重量は約10キロある。無理がないようであれば、ウエイトリング取付棒34(金属製バー)に所望重量のウエイトリング37を装着する。そして、両膝を伸ばしてみる。この場合において、両膝が完全に伸展できないとしても何ら問題はない。
【0057】
なお、図7では、両膝を完全に伸展した状態を一例として開示してあるが、図示のように完全に伸展しなくてもよい。この場合、膝を曲げて伸ばす可動範囲を狭く(短く)することで、膝の屈伸運動(エクササイズ)は楽になる。そこで、可動範囲規制用支柱部12の高さにより負荷付与可動部の回転可動範囲を調整してセットする。
【0058】
負荷付与可動部の可動範囲をあまり広げると疲労してしまうので、目的が違う運動になる。上記エクササイズの目的は筋力の強化ではなく、下半身の筋肉の拘縮を改善することにある。
【0059】
そこで上記したように、前屈して上述した状態をできるだけ保持したまま、負荷付与可動部3で利用者に負荷を付与した状態で負荷付与可動部を押し上げ乍ら両膝を伸ばす運動と両膝を曲げる運動を所定回数(例えば10回)繰り返して連続して行なう。このポイントが延長域である。
【0060】
上記運動に加え、そこからさらに所定回数(例えば5回)両膝を曲げて伸ばす運動を繰り返して行なう。これにより、拘縮を開始域(浅い運動範囲)、中間域(動作の途中の運動範囲)、そして延長域(もう少しで膝が完全に伸びる運動範囲)を効率的に意識しながら行なうことができる。最後に数秒間(例えば10秒間程度)ストレッチを行なう。これにより、下肢の筋肉の拘縮が改善され、前屈がし易くなる。また、前屈が十分にできるようになることで引き起こされる腰痛が改善される。
【0061】
2.身体を横に曲げる運動(左右の側屈)が正常になるエクササイズについて。
【0062】
利用者はベース台盤上に乗り、肩幅を少し超えた範囲(例えば70cm以内)でつま先を約45度以上外旋する。そして、前記1.と同様の姿勢を保持したまま、どれくらい両膝を伸ばせるかを確認する。
【0063】
そして、前記1.と同様に連続し両膝を所定回数(例えば10回)伸ばして曲げる運動を繰り返して行なう。そこで、両膝を伸ばしてみる。この延びづらい位置が延長域の範囲である。そこでさらに両膝を曲げて伸ばす運動を所定回数(例えば5回)繰り返して行なう。そして、最後に数秒間(例えば10秒間程度)ストレッチを行なう。これにより、横開脚が改善される。
【0064】
前記1.及び前記2.の両エクササイズ(運動)を行なった後、最初に調べた状態の前屈をする。その結果として、前記1.及び2.の運動前と比較して、明らかに可動域が改善されていることが自覚できる。まづ、最初に下肢の筋肉の拘縮が改善されることで前屈みがし易くなる。次に前屈みが十分にできるようになることで、体が反り過ぎることで引き起こされる腰痛が改善できる。
【0065】
前記1.の運動(エクササイズ)は、かかとの外側から足の親指に体重を移動する運動であり、前後の開脚が正常になる。また、前記2.の運動(エクササイズ)は、かかとの内側から小指に体重を移動する運動であり、横開脚が正常になる。
【0066】
上記したように、本発明の健康器具を使用して、前記1.及び前記2.の運動を行なうことにより、全身の筋肉及び関節の拘縮を改善(ジョイントプレイをリセット)し、結果として、脊椎が前後や横に動き過ぎる状態が改善され、腰痛や背中の痛みや首の痛みと表現される関節炎の重症化、複雑化を予防改善することができる。
【0067】
なお、前記1.及び前記2.の運動(エクササイズ)は、できれば毎日行なうことが好ましい。また、エクササイズをする順番は、上述した順番で行うことが好ましい。
なお、図中5は一方の可動範囲規制用支柱部12と一方の装着用支柱部11間、及び他方の可動範囲規制用支柱部間に架設した補強部材を、また6は両装着用支柱部間に架設した補強部材を示す。
【0068】
図8は本発明の他の実施形態(実施形態2)の健康器具の要部を示す。なお、図8において、実施形態1と同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
実施形態2の健康器具200は、メインユニット1Aに対して補助ユニット2Aを接近・離反させるように前後方向に移動可能に構成し、メインユニットに対する配置位置を調整可能にした構成に特徴がある。
【0070】
実施形態2の健康器具200の補助ユニット2Aは、メインユニット1Aの前方部側に位置させて配設されている。
【0071】
前記補助ユニット2Aは、メインユニット1Aのベース台盤10の前方側に配置して設けた補助用台盤40と、この台盤40上に固定して鉛直ないし略鉛直に立設した所望長さの管状体で形成した取付用支柱部41と、支柱部41に上下方向へ移動可能に嵌挿して設けた高さ調整用の取付杆体42と、取付杆体42の上端に固定して設け、健康器具200の利用者の両腕又は両肘及び頭部を当接して支持する支持用テーブル部43とを備える。
【0072】
前記取付杆体42は、上下方向へ所望間隔(例えば約2cm~3cm間隔)で所望数(例えば4~6個)設け、ボルト44を螺合する高さ調整用のネジ孔45を備える。また、取付用支柱部41は、所望の部位に位置させて前記ボルト44を螺合して挿入する係止固定用のネジ孔(符号は図示せず)を備える。
【0073】
そして、取付杆体42を取付用支柱部41に支持用テーブル部43の高さを所望の高さに調整して嵌入し、ボルト44を螺合して締め付けて固定する。これにより、支持用テーブル部43の高さを所望の高さに段階的に調整可能に構成されている。
【0074】
実施形態2の健康器具の補助ユニット2Aは、メインユニット1Aに対して接近・離反させるように、前後方向に移動可能に構成し、メインユニットに対する配置位置を調整可能に構成されている。
【0075】
実施形態2では、四角形断面の角棒状に形成し、ベース台盤10の前面から所望間隔で平行に突出させて設けた所望の太さ及び長さの一対のレール状のガイド杆体45を備えている。また、補助用台盤40は、台盤40の下面に前記両ガイド杆体45と等しい間隔で、台盤40の前後方向に向けて設け、前記ガイド杆体45を前後方向に移動可能に係合する一対のコ字状の係合凹部46、46を備える。
【0076】
そして、補助ユニット2Aは、台盤40の両係合凹部46を両ガイド杆体45にそれぞれ係合して載置して配設されている。これにより、補助ユニットはメインユニットに対し、互いに接近・離反させるように配置位置を調整して設置可能に構成されている。他の構成は実施形態1の健康器具100と同様である。
【0077】
実施形態2の健康器具200は上記のように構成し、補助ユニットのメインユニットに対する配置位置を調整して設置する。それ以外は実施形態1の健康器具100と同様に操作して使用するものである。これにより、実施形態1の健康器具と同様の作用効果に加え、補助ユニットをメインユニットに対して前後方向に移動して配置位置を調整できる効果を奏する。
【0078】
なお、実施形態2の健康器具ではメインユニットに対する補助ユニットの前後方向の配置調整手段として、ベース台盤側にガイド杆体を設けると共に補助台盤側に係合凹部を設けた例を開示したが、補助台盤側にガイド杆体を、また、ベース台盤側に係合凹部を設ける等、他の構成に任意に変更可能である。
【0079】
また、上記した両実施形態は一例として開示したもので、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を越脱しない範囲内において任意に変更可能なものである。
【符号の説明】
【0080】
1 メインユニット
2 補助ユニット
3 負荷付与可動部
10 ベース台盤
11 装着用支柱部
12 可動範囲規制用支柱部
15 軸受部
20 取付用支柱部
21 支持用テーブル部
30 可動部本体
31 可動用杆体
33 回転取付用の取付軸
34 ウエイトリング取付棒
37 ウエイトリング
X 利用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8