(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079368
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230601BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192812
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】小口 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】店舗において商品価格の変更を行うときの業務の効率化を図る。
【解決手段】本発明のある態様は、商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた識別子を設定する第1設定部と、商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた値下げ情報を設定する第2設定部と、第1設定部により設定された識別子と第2設定部により設定された値下げ情報とを関連付けて、商品に関する情報を表示装置に表示させる表示制御部とを有する、情報処理装置である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた識別子を設定する第1設定部と、
前記商品ごとに、前記有効期限に関連する期限情報に対応付けられた値下げ情報を設定する第2設定部と、
前記第1設定部により設定された識別子と前記第2設定部により設定された値下げ情報とを対応付けて、前記商品に関する情報を表示装置に表示させる表示制御部とを有する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1設定部は、前記期限情報が日付を示す場合には、日付に対応付けられた日付識別子を設定し、前記期限情報が日付と時刻を示す場合には、日付に対応付けられた日付識別子と時刻に対応付けられた時刻識別子とを設定する、
請求項1に記載された情報処理装置。
【請求項3】
前記第2設定部は、前記商品の在庫に応じて、前記商品の値下げ情報を設定する、
請求項1又は2に記載された情報処理装置。
【請求項4】
前記第2設定部は、前記商品の種類に応じて、前記識別子のうち同一の識別子が付された前記商品に対応付ける値下げ情報を個別に設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項5】
商品ごとに前記第1設定部によって設定された識別子が印字されたラベルが貼付されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項6】
前記第2設定部は、前記識別子が付された前記商品の組合せごとに、前記商品の値下げ率又は値下げ幅を設定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、利用者の操作により品目を示す品目情報が選択された場合に、当該品目情報に関連付けられた商品を対象として、前記第1設定部により設定された識別子と前記第2設定部により設定された値下げ情報とを対応付けて、前記商品に関する情報を、第2表示装置に表示させる、
請求項1から6のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、販売したい優先度に応じて値下げ率が設定された商品を対象として、前記第1設定部により設定された識別子と前記第2設定部により設定された値下げ情報とを対応付けて、前記商品に関する情報を、第2表示装置に表示させる、
請求項1から6のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理端末は、利用者端末と通信可能であって、
前記表示制御部は、前記利用者端末により商品から商品情報を取得した場合、当該商品情報に対応する商品を対象として前記第1設定部により設定された識別子と前記第2設定部により設定された値下げ情報とを対応付けて、前記商品に関する情報を前記利用者端末に表示させる、
請求項1から8のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置は、利用者端末と通信可能であって、
前記商品が前記利用者により決済済みである場合に、前記利用者端末により取得された商品情報及び前記期限情報を前記利用者の商品在庫情報として取得する取得部と、
前記利用者の要求に基づいて、前記取得部により得られた前記利用者の商品在庫情報を前記利用者端末に提供する提供部と、を有する、
請求項1から9のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項11】
商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた識別子を設定し、
前記商品ごとに、前記有効期限に関連する期限情報に対応付けられた値下げ情報を設定し、
前記第1設定部により設定された識別子と前記第2設定部により設定された値下げ情報とを関連付けて、前記商品に関する情報を表示装置に表示させる、
情報処理方法。
【請求項12】
商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた識別子を設定する手順と、
前記商品ごとに、前記有効期限に関連する期限情報に対応付けられた値下げ情報を設定する手順と、
前記第1設定部により設定された識別子と前記第2設定部により設定された値下げ情報とを関連付けて、前記商品に関する情報を表示装置に表示させる手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば小売業では、顧客にお買得感を与えて購買意欲を高めることを目的として、マークダウン(値下げ)のためのラベル(マークダウンラベル)を商品に貼り付けることが行われている。このマークダウンラベルを発行するように構成されたプリンタが種々提案されている。
例えば、定価の値段データと定価よりも安い値段データとの複数の値段データを印字することを判断する判断手段と、当該判断手段が複数の値段データを印字すると判断した場合には、当該定価の値段データの近傍に通常価格である旨の表記を行う表記手段と、を備えたプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マークダウンを行う際、例えばスーパーマーケット等の小売業の店舗スタッフは、各商品の賞味期限等の期限を目視で確認し、自店舗のルールで決められた賞味期限等の期限の近いマークダウン対象商品に対してマークダウンラベルを発行し、貼り付ける業務(マークダウン業務)を行う。マークダウンを行う頻度は一日に数回の場合もあることから、マークダウン業務に掛かる作業時間は多大である。また、マークダウン業務は夕方や夜の時間帯に行われることが多いため、店舗スタッフの負担が大きくなる場合があった。
その一方で、マークダウン業務を行わない場合、値下げ価格が消費者に伝わらないため、賞味期限等の期限が近い商品が売れ残ることになり、最終的には、食品ロスにも繋がる。そのため、店舗ではマークダウン業務を無くすことはできないのが現状である。
【0005】
そこで、本発明は、店舗において商品価格の変更を行うときの業務の効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた識別子を設定する第1設定部と、前記商品ごとに、前記有効期限に関連する期限情報に対応付けられた値下げ情報を設定する第2設定部と、前記第1設定部により設定された識別子と前記第2設定部により設定された値下げ情報とを関連付けて、前記商品に関する情報を表示装置に表示させる表示制御部とを有する、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、店舗において商品価格の変更を行うときの業務の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態の価格提示システムが適用される店舗を例示する図である。
【
図2】第1の実施形態の価格提示システムにおいて商品に貼付されるラベルを例示する図である。
【
図3】
図2に示したラベルが貼付された複数の商品が陳列されている状態を示す図である。
【
図4】第1の実施形態の価格提示システムにおいて店舗内の電子棚札の表示例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態の価格提示システムにおいてマークダウンコードの設定例と運用例を説明する図である。
【
図6】商品在庫データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態の価格提示システムのシステム構成を示すブロック図である。
【
図8】第1の実施形態の価格提示システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図9】第2の実施形態の価格提示システムにおいてマークダウンコードの設定例と運用例を説明する図である。
【
図10】第2の実施形態の価格提示システムにおいて店舗内の電子棚札の表示例を示す図である。
【
図11】第3の実施形態の価格提示システムの運用態様を説明する図である。
【
図12】第3の実施形態の価格提示システムのシステム構成を示すブロック図である。
【
図13】第3の実施形態の価格提示システムにおいて利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図14】第3の実施形態の価格提示システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図15】実施形態の価格提示システムの変形例において利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図16】実施形態の価格提示システムの変形例において利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において、「商品情報」とは、商品を特定する情報である。商品情報には、例えば、商品名称、商品コード、商品型式等が含まれる。商品コードは、商品を特定する識別情報である。
本開示において、商品の「期限情報」とは、利用者が当該商品を使用可能、賞味可能、又は、消費可能であるか否かの指標を示す有効期限に関する情報である。有効期限には、例えば、使用期限、賞味期限、消費期限、品質保証期限、販売期限等が含まれる。なお、販売期限とは、消費者にいつまで販売してよいかを示し、商品の製造者により設定される期限である。
【0010】
情報処理システムの一実施形態である価格提示システムでは、例えば、店舗において同一の商品情報に対応付けられた賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品に対して設けられる表示装置と、前記表示装置と通信可能な情報処理装置と、を含む。同一の商品情報に対応付けられた賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品とは、例えば、商品コードは同一であるが、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なることがある商品群であり、店舗では商品棚の同じ位置(領域)に陳列されることが多い。表示装置は、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品の値下げ情報を表示するために設けられている。表示装置の一例は、例えば電子棚札等である。
この価格提示システムでは、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品の各々に対して、複数の識別子のうち、賞味期限や消費期限等の有効期限の期限情報に対応付けられたいずれかの識別子が付されている。そのため店舗の利用者は、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品が陳列されている場合でも、複数の商品を識別子によって賞味期限や消費期限等の有効期限を一目で区別することができる。
識別子は、利用者に対する直感的な認識のしやすさの観点から、例えば1~2行程度の文字、記号が好ましいが、その限りではなく、符号、マーク、模様、標章、図柄、図案等であってもよく、これらのうち複数の組み合わせでもよい。
識別子の商品に対する付し方は、限定しないが、例えば、識別子が印字されたラベルを商品又は商品の包装に貼付する方法や、商品自体に直接印字する方法等が挙げられる。
【0011】
この価格提示システムにおいて、表示装置と通信可能な情報処理装置は、例えば、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品のうち現在時刻を基準として値下げ対象とする商品に対応する1以上の識別子を設定する。賞味期限や消費期限等の有効期限が近い商品を値下げ対象とするため、設定される1以上の識別子は、例えば、現在時刻を基準として賞味期限や消費期限等の有効期限が近い商品に対応する識別子である。
次いで、情報処理装置は、例えば、値下げ対象とする商品について、商品の基準価格に対する値下げ率又は値下げ幅を示す値下げ情報等を設定する。設定される値下げ率又は値下げ幅は、値下げ対象とする商品の種類(商品コード等)に応じて異なってもよいし、値下げ対象とする商品の在庫数に識別子に応じて異なってもよい。
【0012】
商品(商品コード等)ごとに賞味期限や消費期限等の有効期限に対応して設定された1以上の識別子と、商品ごとに賞味期限や消費期限等の有効期限に対応して設定された値下げ情報等とは、対応付けて表示装置に表示される。そのため、利用者は、例えば、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品の各々に付されている識別子と、その識別子に対応付けられて表示装置に表示された値下げ情報とにより、商品棚の同じ位置に陳列された賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品の中から、値下げされている商品とその値下げ率や値下げ幅等の値下げ情報等を直ちに認識することができる。
また、情報処理装置は、表示装置の表示内容を変更することで、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品のうち値下げ対象の商品とその値下げ情報を店舗の利用者に告知することができるため、店舗の担当者は、値下げ対象の商品を通知するためのマークダウンラベルを商品に貼付する作業から解放され、店舗において商品価格の変更を行うときの業務の効率化を図ることができる。
以下、一実施形態に係る価格提示システムについて、より具体的に説明する。なお、以下では、値下げ情報の一例として値下げ率の場合について説明する。
【0013】
(1)第1の実施形態
価格提示システムは、例えば店舗の利用者等に店舗内の商品の価格(提供価格)を提示するように構成される。本実施形態の例では、店舗は、商品として賞味期限や消費期限等の有効期限を有する食品等を扱うスーパーマーケット等の小売業である。
図1に、一実施形態の価格提示システムが適用される店舗の一例を示す。
図1に示すように、店内には、利用者CTが例えば買い物カートを運搬しながら購入対象の商品を選択している。店内には、商品棚に複数の異なる商品コードの各々に対応する商品群が陳列されている。各商品コードの商品群に対応して電子棚札2-1~2-11が設置されている。
なお、以下の説明では、店舗内の複数の電子棚札に共通する事項については適宜「電子棚札2」と表記する。また、図面には、電子棚札をESL(Electronic Shelf Label)と表記することがある。
【0014】
店内において賞味期限や消費期限等の有効期限が設けられている商品に対しては、賞味期限や消費期限等の有効期限にそれぞれ対応する識別子としてのマークダウンコードが印字されている。なお、以下の説明又は添付される図面では、マークダウンコードを単に「コード」と略記することがある。
図2を参照すると、マークダウンコードが印字されたラベルが貼付された商品の一例が示される。
図2に示す例では、商品Pに貼付されたラベルPLには、マークダウンコード表示部103において、例えば賞味期限や消費期限等の有効期限に対応付けられたマークダウンコード(この例では、「B」)が印字されている。例えば店舗スタッフ等により、予め商品Pが値下げ対象商品等であるか否かを示すためのマークダウンコードを印字したラベルPL(マークダウンコード付きラベル)が発行され商品Pに貼り付けた上で、商品Pを店内の商品棚に陳列する。
【0015】
店舗には、複数の異なる商品コードの商品が陳列されているが、店舗内の統一的な運用の観点から、商品コードに関わらず賞味期限や消費期限等の有効期限に基づいてマークダウンコードが決定される。例えば、一般的に、肉商品の賞味期限は野菜商品の賞味期限よりも短いが、肉商品も野菜商品も、設定されるマークダウンコードは、各商品の賞味期限や消費期限等の有効期限の日時等に基づいて決定される。
【0016】
図3は、同一の商品コード(この例では、「ロース肉」に対応する商品コード)に対して、例えば賞味期限の異なる複数の商品が陳列されている状態を示している。
図3に示す同一の商品コードに対して賞味期限が異なる複数の商品の例として、それぞれラベルPL1~PL4が貼付された複数の商品P1~P4が示されている。各商品に表示されているマークダウンコードは、個々の商品の賞味期限に応じて異なる場合(
図3の例では、マークダウンコード「A」「B」「C」「G」)がある。
図4には、
図3に例示した複数の商品に対応して設置されている電子棚札2の表示例を示している。この表示例では、同一の商品コードの商品「ロース肉」に対して、例えばマークダウンコード:「B」の商品を30%引きとし、マークダウンコード:「C」の商品を10%引きとし、マークダウンコード:「D」の商品を5%引きとすることを示す値下げ情報等が表示されている。
店舗の利用者は、電子棚札2の表示内容を確認した上でラベルPL1~PL4等が貼付された商品P1~P4から購入する商品を選択することになるため、例えば同一商品コードの商品P1~P4の中から値下げ対象商品(この例では、商品P3,P4)とその値下げ率等の値下げ情報を直ちに認識することができる。
【0017】
なお、
図4に示す表示例では、商品コード(この例では、「ロース肉」に対応する商品コード)と電子棚札とが1対1で対応しているが、その限りではない。例えば、異なる2個の商品コードの商品群が隣接して陳列されている場合に、1つの電子棚札に、その2個の商品コードに対応する値下げ情報(例えば、マークダウンコードと対応する値下げ率)をまとめて表示させてもよい。
【0018】
次に、マークダウンコードの設定例と運用例について、
図5を参照して説明する。
図5は、ラベルに印字するマークダウンコードの設定例(「ラベルの設定例」)と、店舗における商品の値下げの運用例(「運用例」)とを例示している。マークダウンコードは、商品の賞味期限までの期間(例えば日数)に応じて複数設けられる。例えば、
図5では、2021年11月30日において、賞味期限が当日から9日先の間に到来する商品に対して、予めA~Jの10種類のマークダウンコードが割り当てられる例(つまり、10個のマークダウンコード付きラベルを印字・発行する例)が示されている。つまり、2021年11月30日において、賞味期限が当日から9日先の間に到来する商品に対して一括してラベルを発行し、商品に貼付することができる。この例では、賞味期限が9日先の商品に対して一旦ラベルを貼付した後は、マークダウンラベル等の別のラベルを発行する必要はない。
【0019】
図5において、値下げ対象の商品のマークダウンコードは、毎日変動し、店内の各商品に対応する電子棚札を通して利用者に通知される。
図5の運用例において、2021年11月30日では、店舗内の商品のうち値下げ対象の商品は、マークダウンコードとして「A」,「B」又は「C」が印字されたラベルの商品となる。また、翌日の2021年12月1日では、店舗内の商品のうち値下げ対象の商品は、マークダウンコードとして「B」,「C」又は「D」が印字されたラベルの商品となる。2021年12月2日以降も同様である。
図5の例では、電子棚札2に表示されるマークダウンコードは、毎日切り替わる。
【0020】
なお、
図5の値下げの運用例では、当日を含めて3日の間に賞味期限が到来する商品を値下げ対象商品とするように設定されているが、その限りではなく、値下げ対象商品に対応するマークダウンコードは適宜設定することができる。例えば、
図5の運用例において、2021年11月30日では、店舗内の商品のうち値下げ対象の商品を、マークダウンコードとして「A」又は「B」が印字されたラベルの商品としてもよいし、「A」,「B」,「C」又は「D」が印字されたラベルの商品としてもよい。
【0021】
例えば2021年12月6日には、各商品に対応付けて設置された電子棚札により、その日のマークダウンコードが「G」,「H」又は「I」であることが表示される。すると、利用者は、店内の商品のうちマークダウンコードとして「G」,「H」又は「I」と印字されたラベルが貼付された商品が、その日の値下げ対象商品であることがわかる。そのため利用者は、商品棚に陳列されている商品の各々のラベルに印字されているマークダウンコードを確認することで、賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品のうち、値下げ対象商品とその商品の値下げ率等の値下げ情報とを認識することができる。
他方、店舗スタッフは、一旦ラベルを商品に貼付した後は、更にマークダウンラベルを商品に貼付する必要がないため、店舗の業務の効率化を図ることが可能となる。
【0022】
なお、
図5では、マークダウンコードを10種類としているが、その限りではない。マークダウンコードの種類数は、店舗の運用に応じて適宜決定される。
図5では、異なる賞味期限に対して異なるマークダウンコードを割り当てているが、その限りではない。異なる賞味期限に対して同一のマークダウンコードを割り当ててもよい。例えば、
図5の例では、11月30日~12月1日に割り当てられるマークダウンコードを「A」、12月2日~12月3日に割り当てられるマークダウンコードを「B」、といった具合に設定してもよい。
【0023】
図5に示したマークダウンコードの設定例及び運用例は、特定の商品コードに対応する賞味期限の異なる複数の商品に対して適用される。店舗内の商品のラベルに表示されるマークダウンコードは、賞味期限に応じて一律に決定されるが、一実施形態では、各マークダウンコードに対応付ける値下げ率等は、例えば商品の種類に応じて、商品コードごとに個別に設定される。したがって、商品コードが異なれば電子棚札に表示される同一のマークダウンコードに対して値下げ率等が異なることがある。つまり、同一の賞味期限に対応して設定されている同一のマークダウンコードに対応付けられる値下げ率等は、商品の種類(例えば、肉商品や野菜商品等)や商品の特性(例えば賞味期限や消費期限等に対する鮮度の状態や鮮度の度合い等)、商品の在庫数量等に応じて異なる値下げ率とすることができる。
【0024】
図6は、一実施形態の価格提示システムにおいて参照される商品在庫データベースを例示している。商品在庫データベースでは、商品ごとのマークダウンコードと在庫数量とが対応付けられている。
図6に示す商品在庫データベースの例では、各レコードは、「商品コード」、「商品名」、「賞味期限」、「コード」、「在庫数量」の各フィールドの値を含む。「コード」フィールドの値は、例えば
図5に例示したようにして賞味期限に対応付けて設定されたマークダウンコードの値である。各商品コードの商品の賞味期限に対応して電子棚札に表示される1以上のマークダウンコード、及び、各マークダウンコードに対応する値下げ率等は、各商品コードの商品の種類や商品の特性、在庫数量に応じて、商品コードごとに個別に決定される。
【0025】
図6の例では、商品名「食パンα」や「牛乳β」は、賞味期限が同じ場合には同一のマークダウンコード(例えば、マークダウンコード「A」)が設定されているが、食パンαと牛乳βとでは、商品の種類や、商品の特性、商品の在庫数量等が異なるため、それぞれ異なる値下げ率等が設定され得る。例えば、賞味期限が同じであったとしても「食パンα」と「牛乳β」とでは、商品の種類が異なることに起因して消費者による需要度合い等が異なるため、異なる値下げ率が設定され得る。また、賞味期限が同じであったとしても「食パンα」の在庫数量が「牛乳β」の在庫数量よりも多い場合には、「食パンα」に対して設定される値下げ率は「牛乳β」よりも大きくなる。また、例えば同一の商品コードの商品「食パンα」に関して、賞味期限に応じて異なるマークダウンコードが設定された商品(例えば、マークダウンコード「B」が設定された商品とマークダウンコード「C」が設定された商品)では、それぞれの商品の在庫数量に応じて値下げ率等が設定され得る。
【0026】
従来、賞味期限の近い商品に対してマークダウンラベルを発行して貼付する業務(マークダウン業務)を行っていたが、マークダウンラベルを貼付する手間が面倒であるため、例えば値下げ業務の回数は2回程度(例えば、賞味期限の1日前に50%引きラベル、賞味期限の2日前に35%引きラベルを貼付する業務)であった。それに対して、本実施形態の価格提示システム1では、電子棚札2の表示内容を変更することで、従来よりも値下げの回数を多くしたり、値下げ率等を変更するタイミングを柔軟に設定したりすることができる。
そのため、値下げ業務に対する店舗スタッフの業務負荷が軽減される上、従来よりも店舗の利益を拡大させることができる。例えば、賞味期限の1日前に50%引きラベル、賞味期限の2日前に35%引きラベルを貼付していた従来の場合と比較して、賞味期限の3日以上前からより低い値下げ率(例えば、賞味期限の3日前に10%、賞味期限の4日前に5%)となるように設定する。それによって、賞味期限の1日前又は2日前の商品の在庫数量が低減するため、例えば50%値下げの対象となる商品の数が相対的に少なくなり、全体として従来と同じ数量の商品を販売した場合でも従来よりも利益が増加することが可能となる。
【0027】
なお、各商品コードの賞味期限に対応して電子棚札に表示される1以上のマークダウンコード、及び、各マークダウンコードに対応する値下げ率の決定方法は、これに限定されるものではなく、例えばルールベースによる決定方法であってもよいし、学習済みモデルを適用した決定方法であってもよい。
【0028】
次に、
図7を参照して、一実施形態の価格提示システム1のシステム構成を説明する。
図7に示すように、本実施形態の価格提示システム1は、電子棚札管理装置4と、店舗サーバ5と、POSサーバ6と、店舗内に設置される1以上の中継装置7及び1以上の電子棚札2と、店舗内に配置されるプリンタ8と、を含み、電子棚札2を通して店舗の利用者に商品の値下げ情報を提示可能に構成される。
電子棚札管理装置4、店舗サーバ5、及び、POSサーバ6は、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。ネットワークNWは、限定しないが、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。
プリンタ8は、商品名、商品コード、賞味期限、及び、マークダウンコード等を印字したラベルを発行する。プリンタ8は、店舗サーバ5から商品在庫データベースに基づき商品ごとのラベル情報を受信し、ラベル情報に基づいて印字する。店舗の店員は、プリンタ8によって印字されたラベルを商品のパック等に貼り付けて商品棚に陳列させる。
【0029】
図7において、電子棚札管理装置4は、店舗に設置されている複数の電子棚札2を管理する装置である。電子棚札管理装置4には、各商品コードに対応する特定の電子棚札2を関連付けたデータを保持している。
電子棚札管理装置4は、店舗サーバ5から受信するESL表示切換要求に基づいて、中継装置7を介して店舗内の各電子棚札(ESL)2に対して個別に表示内容を切り替える処理(後述するESL表示切換処理)を行う。ESL表示切換処理では、各電子棚札2に対して個別に表示用データが送信される。この表示用データには、例えば、
図4に示すように、例えば商品コードごとの値下げ対象となる1以上のマークダウンコードと、各マークダウンコードに対応する値下げ率等のデータとが含まれる。
中継装置7は、例えば無線ゲートウェイ装置であり、1以上の電子棚札2との間で無線通信を行い、表示用データを各電子棚札2に送信する。
【0030】
図7に示すように、店舗サーバ5は、制御部51、ストレージ52、および、通信部53を備える。制御部51は、マイクロプロセッサを主体として構成され、店舗サーバ5全体を制御する。例えば、制御部51に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ52に記録されているサーバプログラムをロードして実行し、商品コードごとに、対応する電子棚札2に表示される1以上のマークダウンコードを決定する処理や、当該1以上のマークダウンコードに各々に対応する値下げ率を対応付ける処理等を行う。これらの処理を行う際に商品在庫データベースが参照される。
【0031】
サーバプログラムを実行することで、制御部51は、第1設定部511、第2設定部512および表示制御部513の機能を実現する。
第1設定部511は、商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた識別子を設定する。第1設定部511は、例えば商品コードごとに、賞味期限や消費期限等の有効期限に関連する期限情報に対応付けられた識別子としてのマークダウンコードを設定する。
第2設定部512は、商品ごとに、有効期限に関連する期限情報に対応付けられた値下げ情報を設定する。第2設定部512は、例えば商品コードごとに、賞味期限や消費期限等の有効期限に関連する期限情報に対応付けられた値下げ情報として値下げ率の値等を設定する。例えば、第2設定部512は、同一の商品コードに関する賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品のうち、現在時刻を基準として値下げ対象とする商品に対応する1以上のマークダウンコードの各々に対応付けるための値下げ情報(例えば、商品の基準価格に対する値下げ率等)を設定する。
表示制御部513は、第1設定部511により設定された設定された識別子と第2設定部512により設定された値下げ情報とを対応付けて、商品に関する情報を表示する表示装置としての電子棚札2に表示させる。表示制御部513は、例えば値下げ対象となる商品に対応するマークダウンコードと値下げ情報とを対応付けて表示用データを生成し、
図4に例示したように、商品に関する情報を表示する電子棚札2に表示させる。
【0032】
一実施形態では、第2設定部512は、例えば商品の在庫に応じて、識別子が付された商品の値下げ情報を設定してもよい。第2設定部512は、例えば、商品在庫データベースの在庫数量を参照し、値下げ対象の商品に対応する1以上のマークダウンコード(つまり、電子棚札2に表示する1以上のマークダウンコード)が付される商品の値下げ率等を、ルールベースで設定してもよいし、学習済みモデルを利用して設定してもよい。第2設定部512は、例えばルールベースで設定する場合、各商品の在庫数量に応じて、電子棚札2に表示する1以上のマークダウンコードと各マークダウンコードに対応付ける値下げ率等を設定してもよい。第2設定部512は、例えば、商品の売れ残りを無くすために、在庫数量が予定した数量よりも多い場合には、値下げ率を大きくするか、あるいは、表示させるマークダウンコードの数を増やすといった設定とすることができる。
【0033】
学習済みモデルを利用して設定する場合、例えば、商品ごとに、天気、気温、店舗のイベント、在庫数量、賞味期限までの日数等をファクタとして、食品ロス(商品が食品である場合に本来食べられるのにも関わらず廃棄されてしまう食品の量)が最小化され、かつ利益が最大化される値下げ開始日、値下げ率を学習させ、学習済みモデルを予め構築する。学習済みモデルを利用して設定することで、店舗のベテラン社員の経験と勘で設定された値下げのタイミング等を自動的に設定することができる。
【0034】
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置であり、サーバプログラムのほか、商品在庫データベース(
図6参照)等を記憶する。商品在庫データベースは、サーバプログラムを実行するときに、適宜、制御部51からアクセスされる。図示しないが、ストレージ52は、店舗で販売される各商品の通常価格のデータ(つまり、各商品コードに対応する通常価格のデータ)等を記憶している。通常価格のデータは、値下げ価格を決定するときに制御部51によって参照される。
通信部53は、電子棚札管理装置4およびPOSサーバ6との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0035】
図7においてPOSサーバ6は、店舗の仕入れデータ、売上データ、在庫データ等を集計、管理するサーバであり、店舗内の図示しないレジスタ端末等と接続されている。
【0036】
次に、
図8を参照して、本実施形態の価格提示システム1の動作について説明する。
図8は、例えば毎日、店舗を開店する前に、店舗内に設置されている各電子棚札2の表示内容を切り替えるときの動作を示すシーケンスチャートである。
【0037】
図8を参照すると、店舗サーバ5は先ず、POSサーバ6から仕入れ商品データ及び販売済みデータを取得し(ステップS2)、取得した仕入れ商品データ及び販売済み商品データに基づいて商品在庫データベースを更新する(ステップS4)。
仕入れ商品データとは、商品が店舗に入荷、若しくは商品を店舗で製造したときに図示しない店舗端末から入力されてPOSサーバ6に登録されるデータであり、新たに店舗で販売対象となる商品に関するデータ(商品コード、商品名、賞味期限のデータ)である。販売済み商品データとは、店舗の利用者に販売したことにより店舗からなくなった商品に関するデータ(商品コード、商品名、賞味期限のデータ)である。つまり、仕入れ商品データ及び販売済み商品データは、店舗に入った商品と出ていった商品に関するデータである。ステップS4では、仕入れ商品データ及び販売済み商品データに基づいて、商品在庫データベース(
図6)の各レコードの在庫数量の値が更新される。
【0038】
例えば毎日、各電子棚札2の表示内容を切り替える場合には、電子棚札2の表示切換タイミング(ESL表示切換タイミング)が開店前の所定時刻に設定される。この所定時刻に達した場合(ステップS6:YES)、店舗サーバ5は、電子棚札2ごとに(つまり、対応する商品コードごとに)、値下げ対象となる1以上のマークダウンコード(値下げ対象コード)を設定し(ステップS8)、例えば商品コードごとに設定したそれぞれのマークダウンコードに対応付けるための値下げ率を設定する(ステップS10)。
ステップS8,S10の設定は、前述したように、ルールベースで行ってもよいし、学習済みモデルに基づいて行ってもよい。
【0039】
店舗サーバ5は、例えば商品コードごとに、賞味期限や消費期限等の有効期限に応じて1以上の値下げ対象コードと、例えば商品コードごとに、賞味期限や消費期限等の有効期限やその有効期限の商品の在庫数量等に応じて値下げ対象コードに対応付けるための値下げ率を設定すると、売上データの基礎となる提供価格に反映させるために、価格更新要求をPOSサーバ6に送信する。価格更新要求には、商品コードと、商品コードに対応付けてステップS8で設定したマークダウンコード等と、商品コードに対応付けてステップS10で設定した値下げ率等と、を含むデータが含まれる。POSサーバ6は、このデータに基づいて、商品ごとに提供価格を更新する処理を行う(ステップS14)。それによって、店内のレジスタ端末によって処理される商品の提供価格が更新される。POSサーバ6は、提供価格を更新する処理が完了すると店舗サーバ5に更新完了応答を返す(ステップS16)。
【0040】
POSサーバ6から更新完了応答を受信すると、店舗サーバ5は、電子棚札管理装置4に対してESL表示切換要求を送信する(ステップS18)。ESL表示切換要求とは、店舗内の各電子棚札2の表示内容の切り替えの要求であり、商品コードと、商品コードに対応付けてステップS8で設定したマークダウンコード等と、商品コードに対応付けてステップS10で設定した値下げ率等と、を含むデータを含む。
電子棚札管理装置4は、ESL表示切換要求を受信すると、ESL表示切換処理を行う(ステップS20)。具体的には、電子棚札管理装置4は、各商品コードに対応する電子棚札2に対して個別に表示用データを送信する。この表示用データには、ESL表示切換要求に含まれるデータ(商品コードごとの1以上のマークダウンコードと各マークダウンコードに対応付けるための値下げ率のデータ等)が含まれる。ESL表示切換処理によって、店舗内の各電子棚札2の表示内容が切り換えられる。
電子棚札管理装置4は、ESL表示切換処理が完了すると、店舗サーバ5に切換完了応答を返す(ステップS22)。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の価格提示システム1によれば、店舗内において賞味期限や消費期限等の有効期限を有する各商品には、賞味期限や消費期限等の有効期限に対応するマークダウンコードが印字されたマークダウンコード付きラベルが貼付されている。店舗内では、同一の商品コードに関して賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品がまとめて陳列されている位置に電子棚札2が設置されている。電子棚札2には、同一の商品コードに関して賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる商品のうち当日の値下げ対象商品を示す1以上のマークダウンコードと、各マークダウンコードに対応付けた値下げ率とが表示される。
そのため、利用者は、同一の商品コードで賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品の中から値下げ対象商品を容易に特定でき、値下げ対象商品の値下げ率も直ちに認識できる。また、電子棚札2の表示内容を変更することで、同一の商品コードで賞味期限や消費期限等の有効期限が異なる複数の商品のうち値下げ対象商品とその値下げ率を直ちに変更でき、利用者に適時に告知することができる。そのため、店舗の担当者は、マークダウンラベルを商品に貼付する作業から解放され、店舗において提供価格の変更を行うときの値下げ業務等の効率化を図ることができる。
【0042】
(2)第2の実施形態
マークダウンコードの切り替えは1日単位に限られず、時間単位で行ってもよい。例えば、総菜や弁当等、1日に複数回製造する商品については、1日のうちに複数回マークダウンコードを切り替えてもよい。
【0043】
1日のうちに複数回マークダウンコードを切り替える場合のマークダウンコードの設定例と運用例について、
図9を参照して説明する。
図9は、ラベルに印字するマークダウンコードの設定例(「ラベルの設定例」)と、店舗における商品の値下げの運用例(「運用例」)とを例示している。
マークダウンコードは、商品の賞味期限等の有効期限までの期間(日時)に応じて複数設けられる。
【0044】
例えば、
図9では、2021年11月30日の例えば朝に、賞味期限等の有効期限が当日から次の日までに到来する商品に対して一括してラベルを発行し、商品に貼付する。なお、この例では、賞味期限等の有効期限が次の日の商品に対して一旦ラベルを貼付した後は、マークダウンラベル等の別のラベルを発行する必要はない。
図9に示す例では、2021年11月30日の14時、18時、22時にそれぞれ賞味期限等の有効期限が到来する商品に、それぞれ「A1」,「A2」,「A3」のマークダウンコードが割り当てられ、2021年12月1日の14時、18時、22時にそれぞれ賞味期限等の有効期限が到来する商品に、それぞれ「B1」,「B2」,「B3」のマークダウンコードが割り当てられる。
同様に、
図9では、2021年12月1日の例えば朝に、賞味期限等の有効期限が当日から次の日までに到来する商品に対して一括してラベルを発行し、商品に貼付する。
図9に示す例では、2021年12月1日の14時、18時、22時にそれぞれ賞味期限等の有効期限が到来する商品に、それぞれ「B1」,「B2」,「B3」のマークダウンコードが割り当てられ、2021年12月2日の14時、18時、22時にそれぞれ賞味期限等の有効期限が到来する商品に、それぞれ「C1」,「C2」,「C3」のマークダウンコードが割り当てられる例が示される。
【0045】
このように、本実施形態で割り当てられるマークダウンコードは、賞味期限等の有効期限の日付と時刻を示す場合には、賞味期限が日付に対応付けられた「A」,「B」,「C」等の記号(日付識別子の一例)と、時刻に対応付けられた「1」,「2」,「3」等の記号(時刻識別子の一例)とが組み合わされている。つまり、店舗サーバ5の第1設定部は、期限情報が日付を示す場合には、日付に対応付けられた日付識別子として、例えば
図9に示すように「A」,「B」,「C」等を設定し、期限情報が日付と時刻を示す場合には、日付に対応付けられた日付識別子と時刻に対応付けられた時刻識別子として、例えば
図9に示すように「A1」,「A2」,「A3」等を設定することができる。
【0046】
図9において、値下げ対象の商品のマークダウンコードは、毎日変動し、店内の各商品に対応する電子棚札を通して利用者に通知される。
図9の運用例において、2021年11月30日では、店舗内の商品のうち値下げ対象の商品は、所定の時刻(例えば、10時、14時、18時)によって変動する。すなわち、値下げ対象商品は、10時から14時の間は、マークダウンコードとして「A1」,「A2」又は「A3」が印字されたラベルの商品である。値下げ対象商品は、14時から18時の間は、マークダウンコードとして「A2」,「A3」又は「B1」が印字されたラベルの商品である。値下げ対象商品は、18時から22時の間は、マークダウンコードとして「A3」,「B1」又は「B2」が印字されたラベルの商品である。
翌日の2021年12月1日では、
図9に示すように、店舗内の商品のうち値下げ対象商品は、2021年11月30日とは異なる組合せのマークダウンコードが印字されたラベルの商品である。つまり、4時間経過する度に値下げ対象商品のラベルに印字されているマークダウンコードの組合せが順次、更新されていく。
【0047】
図10には、商品「鶏の唐揚げ(5個入り)」に対応付けて設置された電子棚札により、2021年11月30日14~18時の時間帯においてマークダウンコードが「A2」,「A3」又は「B1」であることが表示された例が示されている。利用者は、マークダウンコードとして「A2」,「A3」又は「B1」と印字されたラベルが貼付された商品が、その時間帯の値下げ対象商品であることがわかる。そのため利用者は、商品棚に陳列されている商品の各々のラベルに印字されているマークダウンコードを確認することで、商品棚に陳列されているそれぞれの商品のうち値下げ対象商品と値下げ率等の値下げ情報を認識することができる。
他方、店舗スタッフは、一旦ラベルを商品に貼付した後はマークダウンラベルを商品に貼付する必要がないため、店舗の値下げ業務等の効率化を図ることが可能となる。
【0048】
本実施形態で割り当てられるマークダウンコードは、賞味期限の日付に対応付けられた「A」,「B」,「C」等の記号(日付識別子の一例)と、賞味期限の時刻に対応付けられた「1」,「2」,「3」等の記号(時刻識別子の一例)とが組み合わされている。そのため、日付単位で賞味期限が設定される商品に対するマークダウンコードの設定(例えば
図5に示した設定)と、賞味期限の日付に対応付けられた記号を共通化させることができる。つまり、マークダウンコードにおいて賞味期限の日付に対応付けられた記号については、店舗内のすべての商品に対して一律の設定とすることができる。したがって、利用者に対して商品の種類(例えば、「鶏の唐揚げ」「ロース肉」等)が異なる場合でも、賞味期限等の日付単位の有効期限に対して同一の日付識別子であるマークダウンコード(例えばマークダウンコード「A」,「B」等)を設定するため、例えば賞味期限等の日付単位の期限情報を正確に伝えることができる。
【0049】
なお、本実施形態においても、各商品コードに対応する商品群に設置された電子棚札に値下げ対象として表示される1以上のマークダウンコードと、各マークダウンコードに対応付けられた値下げ率とは、商品コードごとに個別に設定される。したがって、商品コードが異なれば値下げ対象となる商品の賞味期限等の有効期限も異なってくるため、電子棚札に表示されるマークダウンコード及び/又は値下げ率は異なることがある。
【0050】
本実施形態の価格提示システムでは、一日のうち所定の時間単位で電子棚札に表示させるマークダウンコードを切り替えることで、店舗の従業員は、賞味期限が短い商品に対して頻繁にマークダウンラベルを貼付する等の作業が必要なくなり、大幅に値下げ業務等の効率化を図ることができる。
【0051】
(3)第3の実施形態
次に、
図11~
図14を参照して、第3の実施形態に係る価格提示システム1Aについて説明する。
価格提示システム1Aは、レジレス(レジスタ端末を経ずに商品の決済を行うこと)による運用が想定されている。
利用者端末3には、店舗で買い物を行うときに当該店舗内の商品の価格を利用者に提示するための店舗アプリケーションがインストールされている。利用者端末3は、ネットワークNWを介して店舗サーバ5と通信可能である。
【0052】
図示しない決済代行サーバは、ネットワークNWを介して店舗サーバ5と通信可能であり、店舗内の利用者の商品の決済を代行するサービスを提供する。利用者が店舗アプリケーションを介して商品の決済を行わない場合、本実施形態の価格提示システム1Aには、決済代行サーバは必要ない。
第3の実施形態の価格提示システム1Aでは、
図11に示すように、利用者端末3の店舗アプリケーション上での所定操作によって商品PのラベルPLのコード情報を読み取ると、店舗アプリケーションは、読取対象の商品Pに対する値下げ情報を含む画面G1を表示する。画面G1には、商品Pに関して値下げ対象となっている商品の賞味期限等の有効期限ごとに設定されたマークダウンコード、及び値下げ対象となっている商品の賞味期限等の有効期限や在庫数量等、商品の特性等に応じて設定された値下げ率等の値下げ情報が対応付けて表示されている。
本実施形態の価格提示システム1Aでは、利用者は、電子棚札を確認しなくても、あるいは、電子棚札が商品ごとに設置されていない場合でも、商品の値下げ情報を確認することができる。
【0053】
次に、
図12を参照して、利用者端末3の店舗アプリケーションの利用方法について説明する。
図12は、利用者端末3の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
店舗アプリケーションを実行することで利用者は、店舗内において読み取った商品のうち、値下げ対象の商品を示すマークダウンコードと値下げ率とを確認でき、その上で自身が選択した商品の決済を行うことができる。
図12の画面G1~G3は、利用者が商品の価格を確認し、購入予定リスト(カゴ)に商品を追加し、商品を決済する場合の店舗アプリケーションの利用方法を示している。
【0054】
図11において、店舗アプリケーションが読み取った商品PのラベルPLのコード情報には、例えば、商品Pの商品情報として、例えば商品コードと、賞味期限や消費期限等の有効期限に関連する期限情報と、商品Pの重量の情報とが含まれている場合を想定する。
【0055】
図12に示すように、利用者は、例えば画面G1に含まれる情報を見て、購入予定リスト(カゴ)に商品Pを追加するか否かの選択を行うことができる。
商品Pを購入予定リストに追加する場合には、例えば、利用者が画面G1に表示されているボタンb1(「カゴに入れる」)を操作することで画面G2が表示され、商品Pが購入予定リストに追加されたことが利用者に通知される。ここで、
図11に示したように、店舗アプリケーションが読み取った商品PのラベルPLのコード情報には、商品Pの商品コードや商品Pの賞味期限等の有効期限に関連する期限情報が含まれているため、商品Pの商品コード及び当該期限情報から店舗サーバ5によって設定された商品Pの値下げ率に基づいて商品Pの提供価格が決定され、購入予定リストに提供価格が表示される。ここで、利用者は、手に取った商品Pを店舗の実際のカゴ又は買い物カートの中に入れる。
決済を行う場合、利用者が画面G2においてボタンb2(決済ボタン)を操作すると、店舗サーバにより決済が行われ、店舗アプリケーションは、決済済コードとしてコード情報C2を含む画面G3を表示する。決済済コードは、商品の決済が完了したことを示しており、決済を特定する決済ID(後述する)を含む。決済済コードは、カゴの中の商品の決済が完了したことを店舗又は店舗スタッフに対して通知するために利用される。
【0056】
次に、
図13を参照して、本実施形態の価格提示システム1Aの構成について説明する。
価格提示システム1Aは、店舗で買い物を行う利用者が所持する利用者端末3と、店舗サーバ5と、POSサーバ6と、を備える。利用者端末3は、スマートフォン、タブレット型端末、スマートウォッチ、その他ウェアラブル装置等である。
【0057】
図13に示すように、利用者端末3は、制御部31、ストレージ32、操作入力部33、表示部34、撮像部35、コードリーダ36、および、通信部37を備える。
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、利用者端末3全体を制御する。例えば、制御部31に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ32に記録されている店舗アプリケーションのプログラムをロードして実行し、その実行結果を表示部34に表示する。
ストレージ32は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)である。ストレージ32は、店舗アプリケーションのプログラムのほか、店舗アプリケーションを実行することで作成されたデータ、ファイル等を記憶する。
【0058】
操作入力部33は、例えば、利用者端末3の表示パネルに設けられたタッチパネル型入力デバイスである。操作入力部33は、表示パネルに対する操作入力を店舗アプリケーションに通知する。
表示部34は、例えば液晶表示パネルや有機ELパネルを含み、店舗アプリケーションの実行結果を表示する。また、表示部34は、撮像部35によって生成されるデジタル画像信号を表示する。
撮像部35は、例えば、光学レンズと、光学レンズからの入射光を電気信号に変換する撮像素子(イメージセンサ)と、を有し、デジタル画像を逐次生成し、表示部34に出力する。
【0059】
コードリーダ36は、撮像部35によって生成される画像信号に含まれるコード情報等を解析して、例えばラベルに表示されているコード情報からデータ(商品コードや期限情報等)を抽出(取得)する。
通信部37は、店舗サーバ5との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0060】
店舗サーバ5は、概ね、
図7に示したものと同様の構成であるが、表示制御部513Aを有する点で異なる。表示制御部513Aは、店舗アプリケーションからの要求に応じた処理を行い、店舗アプリケーションに表示させるための表示用データ(例えば、
図11の画面G1に示す値下げ情報を含む表示用データ)を生成する。すなわち、表示制御部513Aは、利用者端末3により商品のラベル情報等から商品コードや期限情報等(商品情報の一例)を取得した場合、当該商品コードや期限情報等に対応する商品を対象として設定された識別子と、設定された値下げ情報とを対応付けて、商品に関する情報を利用者端末3に表示させる。
通信部53は、利用者端末3の店舗アプリケーションとの間で例えばHTTPSによる通信を行う。
【0061】
図14は、利用者が商品の決済を行う場合の価格提示システム1Aの動作を示すシーケンスチャートである。
図14を参照すると、例えば
図12の画面G2に示したように、利用者が決済ボタンを操作すると(ステップS30:YES)、店舗アプリケーションは、表示されている購入予定リストを含む決済要求を店舗サーバ5に送信する(ステップS32)。店舗サーバ5は、店舗アプリケーションから決済要求を受信すると、図示しないデータベースから利用者名称と決済手段のデータを取得し、当該データと、決済額(購入予定リストの合計金額)のデータとを含む決済要求を決済代行サーバに送信する(ステップS34)。決済代行サーバは、店舗サーバ5から提供されたデータを基に決済処理を行い(ステップS36)、決済処理が完了すると、店舗サーバ5に決済完了通知を送信する(ステップS38)。
決済が完了すると、店舗サーバ5は、新たな決済IDを発行し(ステップS40)、ステップS32の決済要求に対応する決済完了通知を店舗アプリケーションに送信する(ステップS42)。この決済完了通知には、ステップS40で発行された決済IDが含まれる。店舗アプリケーションは、受信した決済完了通知に含まれる決済IDを含む2次元コードである決済済コードを作成し(ステップS44)、例えば
図12の画面G3に示したように、利用者端末3に表示する(ステップS46)。
【0062】
(4)実施形態の変形例
次に、実施形態の変形例に係る価格提示システムについて説明する。
【0063】
(4-1)第1変形例
次に、第3の実施形態に対する変形例について、
図15を参照して説明する。
本変形例では、利用者に対して商品の値下げ情報を提示するときに、当該商品の関連情報も表示するように構成される。
【0064】
図15に、本変形例における利用者端末3の表示画面の遷移例を示す。
図15に例示する画面G5は、
図11に示したように、例えば利用者が商品のラベル上のコード情報を店舗アプリケーションにより読み取ったときに表示される画面である。このとき、画面G5では、読取対象の商品を使う料理のメニューを提案するボタンb3が表示される。
画面G5においてボタンb3が操作されると、読取対象の商品を使う複数のメニューの一覧を含む画面G6が表示される。画面G6において、複数のメニューの中からいずれかのメニューを利用者が選択する操作を行うと、選択されたメニューのレシピを含む画面G7が表示される。
画面G7には、例えば選択されたメニューを作成するのに使う2以上の商品が表示され、例えば2以上の商品のうち既にコード情報を読み取った商品(画面G5の例では「ロース肉」)以外の各商品について、値下げ情報を表示させるためのボタンb4が含まれる。
画面G7においていずれかの商品に対応するボタンb4が利用者によって操作されると、画面G8が表示される。この例では、商品が「タマネギ」である場合の商品の値下げ情報が表示される。
したがって、店舗は、追加の商品を購入するように利用者を誘導することができる。また、利用者にとっても、選択したメニューの各商品を安く購入する際のマークダウンコードを知ることができる。
【0065】
この変形例では、利用者の操作により読取対象となった商品の関連情報として、例えば画面G6において読取対象の商品を使う複数のメニューの一覧を表示させるため、店舗サーバ5は、各商品コードと、各商品を使う料理の複数のメニューとを対応付けたデータベースを備え、当該データベースを参照して複数のメニューの一覧を作成する。
この変形例では、制御部51は、利用者の操作によりメニュー(品目を示す品目情報の一例)が選択された場合に、当該メニューに関連付けられた商品を対象として、設定された識別子と設定された値下げ情報とを対応付けて、商品に関する情報を利用者端末3(第2表示装置の一例)に表示させる。
【0066】
例えば、制御部51は、
図15の画面G15においてボタンb3が操作された場合に、処理対象の商品コード(画面G5では、商品「ロース肉」に対応する商品コード)に対応付けられた複数のメニューの情報を上記データベースから読み出し、当該複数のメニューの情報を含む表示用データを店舗アプリケーションに送信することで画面G6が表示される。制御部51はまた、画面G6においていずれかのメニューを選択する操作が行われた場合に、選択されたメニューに関連付けられた異なる商品コードの複数の商品に関する情報を含む表示用データを店舗アプリケーションに送信することで画面G7が表示される。制御部51はさらに、画面G7においていずれかの商品コードを選択する操作(いずれかのボタンb4を選択する操作)が行われた場合に、選択された商品コードに対応する商品について設定されたマークダウンコードと値下げ情報とを対応付けて商品に関する情報を表示する表示用データを店舗アプリケーションに送信する。それによって画面G8が表示される。
【0067】
また、店舗サーバ5は、利用者の操作により読取り対象となった商品が賞味期限等の有効期限に近い商品の場合に、その商品に関連する商品(例えば、読取対象となった商品に対して使用できる他の商品(例えば調味料等の商品)の電子クーポン等を利用者端末3に表示させてもよい。これにより、利用者に追加の商品を購入するように利用者を誘導することができる。また、店舗サーバ5は、利用者の操作により読取り対象となった商品が賞味期限等の期限が近い商品でない場合でも、当該商品と組み合わせて購入されることがある1以上の商品をデータベースに記憶させておき、その1以上の商品のうち、商品在庫データベースを参照して値下げ対象となる商品がある場合には、値下げ対象となる商品に関する情報(マークダウンコードや値下げ情報等を含む)を利用者端末3に表示させてもよい。これにより、値下げ対象となる追加の商品を購入するように利用者に誘導することができる。
【0068】
この変形例では、値下げ情報の出力先は利用者端末3に限られず、店舗内のデジタルサイネージ(第2表示装置の一例)であってもよい。その場合、店舗内のデジタルサイネージに、値下げ対象となるマークダウンコードが付された商品を含む所定の組合せに関する情報を表示させる。例えば、デジタルサイネージには、マークダウンコードが付された商品を含む所定の組み合わせの商品を用いた料理のメニュー(品目情報)として「生姜焼き肉」を提案するメッセージや、所定の組み合わせに関する情報として、例えば「生姜焼き肉」の材料である「ロース肉」、「キャベツ」、「タマネギ」等の各商品についての値下げ情報(マークダウンコード及び値下げ率)等を表示させる。それによって、各商品の販売が促進される。
【0069】
(4-2)第2変形例
店舗サーバ5の制御部51は、マークダウンコードが付された商品の組合せごとに、商品の値下げ率又は値下げ幅を設定してもよい。
例えば、店舗サーバ5は、店舗が売り切りたい(例えば、破棄することを避けたい)2以上の商品の組合せを購入する利用者に対して、当該2以上の商品をそれぞれ単独で購入する場合の値下げ率よりも高い値下げ率となるように、当該2以上の商品の組合せに対する値下げ率を決定する。それによって、店舗が売り切りたい商品の利用者による購入を促進させることができる。
このような組合せ商品による特別な値下げ情報は、個々の商品に対応する電子棚札に表示してもよいが、店舗に設置されたデジタルサイネージ等によって告知することが好ましい。つまり、店舗サーバ5は、マークダウンコードが付された商品を2つ以上、利用者が購入する場合に各商品の値下げ率等を変更させてもよく、値下げ率を変更する商品を商品コードごとに利用者端末3やデジタルサイネージ等に表示させてもよい(野菜の値下げ率は〇%、肉の値下げ率は〇%等)。これにより利用者による複数の商品の購入を促進させることができる。
【0070】
(4-3)第3変形例
店舗にデジタルサイネージ(第2表示装置の一例)を配置し、当該デジタルサイネージに、店舗が早く売りたい優先順位の高い商品の値下げ情報を表示してもよい。この例では、店舗サーバ5と店舗内のデジタルサイネージとがネットワークを介して通信可能とする。
店舗サーバ5は、図示しない店舗端末によって店舗担当者によって入力される優先順位の高い商品の商品コードに基づいて、当該商品コードに対する値下げ情報をデジタルサイネージに表示させるように制御する。このとき、店舗サーバ5は、商品在庫データベースに早く売りたい(販売したい)商品の優先度に応じた商品の値下げ率等を設定しておき、商品に関する情報としてマークダウンコードや値下げ率等を含む情報をデジタルサイネージに表示させてもよい。
本変形例では、店舗が早く売りたい優先順位の高い商品についての情報を、店舗の利用者に対して、効果的に訴求することができる。
【0071】
(4-4)第4変形例
次に、第4変形例について、
図16を参照して説明する。
本変形例では、店舗アプリケーションが、利用者の自宅在庫の管理を行う機能を有する。
本変形例では、例えば、利用者端末3のストレージ32は、商品の自宅在庫データベースを記憶する。店舗アプリケーションは、商品の購入予定リストに対する決済が完了する都度、購入予定リストに含まれる各商品のデータを自宅在庫データベースに追加する。利用者による商品の消費又は廃棄が行われた場合、店舗アプリケーションは、例えば利用者による操作等に基づいて、自宅在庫データベースのうち選択された商品を自宅在庫データベースから削除する。
なお、本変形例では、利用者の自宅在庫データベースは、例えば店舗サーバ5側において記憶するようにしてもよい。
【0072】
図16を参照すると、自宅在庫の管理を行うときの店舗アプリケーションの利用方法が例示される。本変形例では、
図16の画面G9に示すように、店舗アプリケーションのメインメニューには、ボタンb5(「自宅在庫」)が含まれる。ボタンb5が操作されると、自宅在庫リストHLを含む画面G10が表示される。自宅在庫リストHLは、自宅在庫データベースが反映された商品のリストである。自宅在庫リストHLに含まれる商品が1画面に表示できない場合には、スクロールバー102によってすべての商品を閲覧することができる。利用者は、自宅で商品を消費又は廃棄した場合、ボタンb6(「削除」)等を操作することによって、対応する商品を自宅在庫リストHLから削除する(すなわち、自宅在庫データベースから削除する)ことができる。
【0073】
本変形例によれば、利用者の自宅に、いつ賞味期限が到来する商品がどの程度存在するのが可視化することができるため、例えば自宅における食品ロス削減に貢献することができる。また、店舗アプリケーションは、自宅在庫データベースを参照し、賞味期限等の期限が近い商品がある場合(例えば、
図16の例では「豚肉」)に、店舗サーバ5に問い合わせることで、店舗サーバ5は、賞味期限等の期限が近い商品を使ったメニュー(
図15の例では画面G6に表示される「生姜焼き」「ポークソテー」))を提案するとともに、賞味期限等の期限が近い商品と組み合わせて使う商品のうち値下げ対象となる商品と値下げ情報等の提案(
図15に示す画面G7や画面G8に表示される「キャベツ」「タマネギ」等)をしてもよい。また、店舗において利用者自身が商品に対するスキャン操作を行って得られたデータが自宅在庫データベースに反映されるため、自宅在庫データベースを作成する労力が実質的に不要である。
【0074】
本変形例では、店舗サーバ5の制御部51は、以下の取得部及び提供部として機能する。
取得部は、商品が利用者により決済済みである場合に、利用者端末3により取得された商品情報及び賞味期限情報を利用者の商品在庫情報として取得する。
提供部は、利用者の要求に基づいて、取得部により得られた利用者の商品在庫情報を利用者端末3に提供する。
【0075】
(4-5)第5変形例
賞味期限に対応するコードは、商品の値下げ情報を伝えるためのマークダウンコードとしてではなく、商品の鮮度を示す鮮度管理コードとして利用することもできる。
例えば、鮮度管理コードを
図5に例示したように設定した場合、2021年11月30日に発行するラベルが貼付された商品では、鮮度が高い順にJ,I,H,…となる。そこで、例えば店舗のデジタルサイネージに、J,I,Hのラベルの商品が新鮮であることを訴求するメッセージを表示させてもよい。また、予め店舗サーバ5は、鮮度の高い商品を複数購入した場合の値下げ率等の情報をデータベースに記憶させておき、デジタルサイネージや利用者端末3に、鮮度の高い商品を複数購入した場合に値下げするメッセージ等を表示させてもよい。それによって、価格よりも鮮度に敏感な利用者の購買意欲を促進させることができる。
【0076】
以上、本発明の情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、上述した各実施形態および各変形例に記載した個々の技術的特徴は、技術的矛盾がない限り、他の実施形態及び他の変形例の一部又は全部と適宜組み合わせることが可能である。
【0077】
第1の実施形態において、店舗サーバ5による機能の少なくとも一部を電子棚札管理装置4のソフトウェアにより実現してもよいし、電子棚札管理装置4の機能の一部を店舗サーバ5のソフトウェアにより実現してもよい。電子棚札管理装置4の機能、及び、店舗サーバ5の機能の各々を、必要に応じて、利用者端末3及び店舗サーバ5の間で分散させて実現してもよい。
第3の実施形態において、店舗サーバ5による機能の少なくとも一部を利用者端末3のソフトウェアにより実現してもよいし、利用者端末3の機能の一部を店舗サーバ5のソフトウェアにより実現してもよい。利用者端末3の機能、及び、店舗サーバ5の機能の各々を、必要に応じて、利用者端末3及び店舗サーバ5の間で分散させて実現してもよい。
店舗サーバ5で実行される機能を複数の装置で分散させて実行してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…価格提示システム
2(2-1~2-11)…電子棚札
3…利用者端末
31…制御部
32…ストレージ
33…操作入力部
34…表示部
35…撮像部
36…コードリーダ
37…通信部
4…電子棚札管理装置
5…店舗サーバ
51…制御部
511…第1設定部
512…第2設定部
513…表示制御部
52…ストレージ
53…通信部
6…POSサーバ
7…中継装置
8…プリンタ
103…マークダウンコード表示部
C2…コード情報
CT…利用者
NW…ネットワーク
P(P1~P4)…商品
PL(PL1~PL4)…ラベル